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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】電子眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/20 20060101AFI20220224BHJP
   G02C 5/22 20060101ALI20220224BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
G02C5/20
G02C5/22
G02C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531807
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 IB2018060103
(87)【国際公開番号】W WO2020121047
(87)【国際公開日】2020-06-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196523
【氏名又は名称】ルックスオティカ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】LUXOTTICA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Valcozzena, 10, I-32021 AGORDO (Italy)
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボルソイ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】オリアナ,バレリオ
(72)【発明者】
【氏名】ダル・ポント,モレノ
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】
電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)であって、少なくとも1つのレンズ(30)を保持するのに適しているとともに、使用者の頭に眼鏡(10a,10b,10c,10d)を固定するためのテンプル(40,40e)が各々接続される2つの水平方向端部(21a,21b)を備える、フロントボディ(20)と、少なくとも1つの電子取得部品(52)を含む、1つ以上の電子部品(51,52)と、を備え、電子部品(51,52)が、2つのテンプルの少なくとも1つ(40e)の内部のみに収容されており、電子部品(51,52)を収容する少なくとも1つのテンプル(40e)が、少なくとも1つの電子取得部品(52)と外環境との間の光学通信を提供する少なくとも1つの光学素子(60)を備えることを特徴とする、電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)であって、
-少なくとも1つのレンズ(30)を保持するのに適しているとともに、使用者の頭に前記眼鏡(10a,10b,10c,10d)を固定するためのテンプル(40,40e)が各々接続される2つの水平方向端部(21a,21b)を備える、フロントボディ(20)と、
-少なくとも1つの電子取得部品(52)を含む、1つ以上の電子部品(51,52)と、を備え、
前記電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)は、少なくとも、前記眼鏡が使用者によってかけられることを可能にするとともに、前記テンプル(40,40e)が実質的に互いに平行にかつ前記フロントボディに対して適切な角度で配置される、開状態で構成可能であり、前記電子部品(51,52)が、2つの前記テンプルの少なくとも1つ(40e)において内部のみに収容されており、前記電子部品(51,52)を収容する少なくとも1つの前記テンプル(40e)が、少なくとも1つの電子取得部品(52)と外環境との間の光学通信を提供する少なくとも1つの光学素子(60)を備えることを特徴とする、電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光学素子(60)が、前記電子部品(51,52)を収容する少なくとも1つの前記テンプル(40e)の前面(41)に設けられており、前記テンプル(40,40e)の前記前面(41)が、前記フロントボディ(20)に隣接しており、前記少なくとも1つの光学素子(60)の軸が、前記電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)が前記開状態にありかけられているとき、前記眼鏡をかけている使用者の視野に向かって方向付けられることを特徴とする、請求項1に記載の電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)。
【請求項3】
前記開状態において、前記テンプル(40,40e)の前記前面(41)の各々が、前記フロントボディ(20)の水平方向端部(21a,21b)に水平方向に隣接することを特徴とする、請求項2に記載の電子眼鏡(10c,10d)。
【請求項4】
前記開状態において、前記テンプル(40,40e)の前記前面(41)が、各々2つの水平方向端部(21a,21b)の1つに近接する、前記フロントボディ(20)の背部に配置されており、前記フロントボディ(20)に、少なくとも1つの水平方向端部(21a,21b)および各光学素子(60)に近接する少なくとも1つの光学素子(22)があり、前記少なくとも1つの光学素子(22)によって、前記少なくとも1つの電子取得部品(52)と外環境との間の光学通信を可能にすることを特徴とする、請求項2に記載の電子眼鏡(10a,10b)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光学素子(22)が、電磁スペクトルの少なくとも一部に対し少なくとも部分的に透過性を有する遮蔽素子によって構成されることを特徴とする、請求項4に記載の電子眼鏡(10a,10b)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光学素子(22)が、光の通過のための孔によって構成されることを特徴とする、請求項4に記載の電子眼鏡(10a,10b)。
【請求項7】
前記電子部品(51,52)が、前記テンプル(40e)のただ1つに収容されており、前記電子部品(51,52)を収容する前記テンプルおよび前記電子部品を収容しない他の前記テンプル(40)が、実質的に同じ重量および同じ体積を有することを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡(10a,10c)。
【請求項8】
前記電子部品(51,52)が、両テンプル(40e)に収容されており、前記電子部品(51,52)を収容する2つの前記テンプル(40e)が、実質的に同じ重量および同じ体積を有することを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡(10b,10d)。
【請求項9】
前記電子取得部品(52)の少なくとも1つが、画像および/または動画の取得のための手段であることを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)。
【請求項10】
前記電子取得部品(52)の少なくとも1つが、UV光および/または可視光および/または電磁スペクトルの別の所定の一部を検出するための光学センサであることを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡(10a,10b,10c,10d)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光学素子(60)が、電磁スペクトルの少なくとも一部に対し少なくとも部分的に透過性を有する遮蔽素子によって構成されることを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光学素子(60)が、光の通過のための孔によって構成されることを特徴とする、先行する請求項の1つ以上に記載の電子眼鏡。
【請求項13】
眼鏡のためのテンプルであって、前記テンプル(40e)の内部のみに収容される電子部品(51,52)を備え、前記電子部品(51,52)を収容する前記テンプル(40e)が、少なくとも1つの電子取得部品(52)と外環境との間の光学通信を提供する少なくとも1つの光学素子(60)を備えることを特徴とする、眼鏡のためのテンプル。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光学素子(60)が、前記電子部品(51,52)を収容する少なくとも1つの前記テンプル(40e)の前面(41)に設けられ、前記テンプル(40,40e)の前記前面(41)が、前記眼鏡のフロントボディ(20)に隣接して適合されていることを特徴とする、請求項13に記載の眼鏡のためのテンプル。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光学素子(22)が、電磁スペクトルの少なくとも一部に対し少なくとも部分的に透過性を有する遮蔽素子によって構成されることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載される眼鏡のためのテンプル。
【請求項16】
前記電子取得部品(52)の少なくとも1つが、画像および/または動画の取得のための手段であることを特徴とする、請求項13から請求項15の1つ以上に記載される眼鏡のためのテンプル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
より具体的には、本発明は、ファッションの分野において有用かつ実用的であるものに特に限られない、電子眼鏡に関する。
【0003】
よく知られるように、眼鏡は、主として使用者の目を太陽光線から保護する、および/または適切なレンズによって視力障害を補正する機能を発揮する装置である。
【0004】
この主機能は、今やファッション業界のトレンドに従う美学およびデザインアクセサリの機能を伴い、こんにち商業的観点から重要である。
【0005】
眼鏡は、通常、レンズを収容するフロントボディと、頭のこめかみに取り付けて耳の上に載せるように使用者が装着することを可能にする2つのテンプルとによって構成される。
【0006】
フロントボディは、眼鏡の美的外観を主に特徴付け、様々な形状および寸法を呈することができる要素である。特に、デザイン要素が重要なファッション業界においては、時に通常でない形状を有する、非常に大きく目につくフロントボディを有する眼鏡から、フロントボディが非常にシンプルで薄い眼鏡まで、範囲は様々である。
【0007】
電子眼鏡として知られる特定の眼鏡は近年進化しており、すなわち、電子部品を備え、他の装置によって一般的に発揮される追加の機能、たとえば音楽をかけること、電話に応答すること、動画または写真を撮ること、生理学パラメータを取得すること、環境パラメータを検出することなどを、眼鏡の主機能と関連付ける眼鏡である。
【0008】
電子眼鏡に存在する電子部品は、たとえば、マイクロチップ、センサ、ディスプレイ、充電発電機、バッテリ、コネクタなどであり得る。
【0009】
背景技術によれば、電子部品は、通常、眼鏡のすべての部分、すなわちフロントボディ内部およびテンプル内部の両方に分配されている。
【0010】
一般に、周知のタイプの電子眼鏡には、電子機器の少なくとも一部がフロントボディ内部に収容されている。
【0011】
特に、周知のタイプの電子眼鏡には、画像を取得すること、または目に入射する光を検出することを目指す電子部品が設けられ、これらの部品は、使用者の視野から届く光または画像を取得しなければならないため、常にフロントボディに取り付けられる。
【0012】
これらの眼鏡においては、したがって、寸法、デザインおよび美的外観は、電子部品の存在によって大いに影響を受ける。特に、フロントボディは、電子部品の正確な動作を可能にするのに適した寸法および形状を有していなければならない。
【0013】
これらの制限は、周知のタイプの電子眼鏡を、既に述べたように、ほとんど他と異なる形状および寸法を有する眼鏡を持つ必要が強くあるファッション業界における使用に全く適していないものとする。
【0014】
さらに、ファッション部門においてはまた、同じ製造者は、一般的に、非常に早くその製品のデザインを修正しなければならず、これは、周知のタイプの電子眼鏡について、デザイン変更がある、毎回の電子部品を再設計する必要性を必然的に伴い、すべてのモデルの眼鏡について、費用および時間の観点から明らかな不都合を伴う。
【0015】
周知のタイプの電子眼鏡の別の欠点は、電子部品の存在が眼鏡をバランスのとれていないものにするという点にあり、バランスの悪さはかけ心地の良さの完全な損失をもたらす。特に、周知のタイプの眼鏡は、フロントボディに向かってまたは1つのテンプルに向かってバランスが悪くなる重量をしばしば有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目標は、上述された背景技術の制限を克服することであり、ファッションの分野における使用に適合することが可能な電子眼鏡を考案し、形状および寸法に関するデザインにおける大いなる融通性を提供する。
【0017】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、電子部品を再設計する必要なく美的デザインが修正可能である電子眼鏡を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、画像を取得すること、または入射光を検出することを目指す電子部品を備えているにもかかわらず、任意の形状を有する軽量のフロントボディを有することが可能な電子眼鏡を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、バランスがとれており、かけ心地のよい電子眼鏡を提供することである。
【0020】
本発明の格段の目的は、背景技術と比較した場合、提供が容易であり、経済的競争力がある電子眼鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目標、これらの目的、および以下からより明らかとなる他のものは、
電子眼鏡であって、
-少なくとも1つのレンズを保持するのに適しているとともに、使用者の頭に眼鏡を固定するためのテンプルが各々接続される2つの水平方向端部を備える、フロントボディと、
-少なくとも1つの電子取得部品を含む、1つ以上の電子部品と、を備え、
前記電子眼鏡は、少なくとも、眼鏡が使用者によってかけられることを可能にするとともに、テンプルが実質的に互いに平行にかつフロントボディに対して適切な角度で配置される、開状態で構成可能であり、前記電子部品が、2つの前記テンプルの少なくとも1つの内部のみに収容されており、電子部品を収容する少なくとも1つの前記テンプルが、少なくとも1つの電子取得部品と外環境との間の光学通信を提供する少なくとも1つの光学素子を備えることを特徴とする、電子眼鏡によって達成される。
【0022】
さらなる特徴および利点は、添付の図面の助けによって、非限定的な実施例によって説明される、一対の電子眼鏡の4つの好ましい非排他的な実施形態の記載からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】テンプルがフロントボディから分離した、本発明にしたがう電子眼鏡の第1の可能な実施形態の斜視図である。
図2】テンプルがフロントボディに接続された、図1の電子眼鏡と同じ第1の実施形態の斜視図である。
図3図2の電子眼鏡の電子部品を収容するテンプルの一部の断面上面図である。
図4】テンプルがフロントボディから分離した、本発明にしたがう電子眼鏡の第2の可能な実施形態の斜視図である。
図5】テンプルがフロントボディに接続された、図4の電子眼鏡の前記第2の実施形態の斜視図である。
図6】テンプルがフロントボディから分離した、本発明にしたがう電子眼鏡の第3の可能な実施形態の斜視図である。
図7】テンプルがフロントボディに接続された、図6の本発明にしたがう電子眼鏡と同じ第3の実施形態の斜視図である。
図8図7の電子眼鏡の電子部品を収容するテンプルの一部の断面上面図である。
図9】テンプルがフロントボディから分離した、本発明にしたがう電子眼鏡の第4の可能な実施形態の斜視図である。
図10】テンプルがフロントボディに接続された、図9の電子眼鏡と同じ第4の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照して、実施形態に応じて、概して参照番号10a,10b,10cおよび10dによって指定される、電子眼鏡は、少なくとも1つのレンズ30を保持するのに適しているとともに、使用者の頭への眼鏡10a,10b,10c,10dの固定のためにテンプル40,40eが各々接続される2つの水平方向端部21a,21bを備える、フロントボディ20を備える。
【0025】
フロントボディ20は、以下でより明らかにされるように、要求およびデザインの選択に応じて、任意の形状および寸法を有し得る。
【0026】
レンズ30は、好ましくは、2つ、各目のために1つずつあるが、両目を覆う単一輪郭のレンズによって特徴付けられる本発明にしたがう眼鏡を提供することも可能である。
【0027】
さらに、レンズ30は、保護レンズおよび補正レンズの両方の、従来技術で周知の任意のタイプのものであり得る。
【0028】
示された実施例において、テンプル40,40eは、商業的に利用可能な眼鏡に一般的に用いられるタイプである。すなわち、実質的に直線である、フロントボディに隣接する、近位部分と、耳の上に心地よく載せられるためにわずかに弓状である遠位部分とによって特徴付けられる。しかしながら、本発明によれば、より普通でない形状を有するテンプルを用いることも可能である。
【0029】
テンプルは、たとえばテンプル40,40eが90°回転し、開位置から折り畳み位置まで通過することを可能にするヒンジの使用など、周知の方法の1つによってフロントボディ20の2つの水平方向端部21a,21bに接続される。
【0030】
電子眼鏡は、したがって、少なくとも、眼鏡が使用者によってかけられることを可能にするとともに、テンプル40,40eが実質的に互いに平行にかつフロントボディ20に対して垂直に配置される、開状態で、および好ましくは、テンプル40,40eが折り畳まれてフロントボディ20に対して実質的に平行にある、閉状態でも構成され得る。
【0031】
選択的かつ有利な特徴によれば、テンプル40,40eは、使用者がテンプル40,40eおよび/またはフロントボディ20を容易に交換可能とするように、それらが容易に接続および切断可能であるように、フロントボディ20に接続される。
【0032】
電子眼鏡は、少なくとも1つの電子取得部品52を含む、1つ以上の電子部品51,52をさらに備える。
【0033】
「電子取得部品」という表現は、本願において、外環境から届くデータを検出、取得および/または測定することができる任意の装置、たとえばマイクロカメラ、静止カメラ、ビデオカメラ、(たとえば可視光および/またはUV光、および/または青色光およびまたは赤外光のための)光学センサ、ならびにたとえば近接センサ、距離センサおよび環境センサ(温度、相対湿度、・・・)などの一般には測定のためのセンサとして理解される。
【0034】
本発明にしたがう電子眼鏡は、図面には示されていないが、背景技術において少なくとも電子取得部品52の動作のために必要であるすべての他の電子部品、たとえば1つ以上のバッテリ51または充電発電機、マイクロチップまたは電子部品51,52の電気接続のための手段などをさらに備える。
【0035】
さらに、本発明にしたがう電子眼鏡は、選択的に、追加の機能の実行のための他の電子部品、たとえばコネクタ、データ保存手段、ディスプレイ、送信手段なども備えてもよい。
【0036】
本発明によれば、電子部品51,52が2つのテンプルの少なくとも1つのテンプル40eの内部のみに収容されているため、フロントボディ20には電子部品がない。
【0037】
実際には、本発明によれば、すべての電子部品51,52は、テンプル40e内部に、代替例としては両テンプル40e内部に配置される。
【0038】
この態様では、フロントボディ20には電子部品51,52の存在によって影響される構成の制限が完全になく、したがってほとんど他と異なる形状および寸法が提供されることが可能である。さらに、フロントボディ20に電子部品51,52がないことは、前部分に向かう眼鏡10a,10b,10c,10dのバランスの悪さを回避するという利点を有する。
【0039】
好ましくは、すべての電子部品51,52は、それらを収容するテンプル40eの近位部分に配置される。
【0040】
電子部品は、構成の選択に応じて、収容するテンプル40eに適切に設けられる1つ以上のキャビティ内に配置され得る、または前記収容するテンプル40eに直接統合され得る。
【0041】
さらに、本発明によれば、電子部品51,52を収容する少なくとも1つのテンプル40eは、少なくとも1つの電子取得部品52と外環境との間の光学通信を確立する、少なくとも1つの光学素子60を備える。
【0042】
実際には、電子部品51,52を収容する各テンプル40eの近位部には、外環境から届く光放射Lが電子取得部品52に到達することを可能にする、少なくとも1つの光学素子60がある。
【0043】
好ましいおよび示された実施形態において、光学素子60は、電子部品51,52を収容するテンプル40eの各々の前面41に規定される。
【0044】
「前面」41という表現は、近位端部、すなわちテンプル40,40eのフロントボディ20に最も近い端部を規定する面を意味する。
【0045】
テンプル40,40eの前記前面41は、図面に示されるように、フロントボディ20に隣接する。
【0046】
さらに、好ましいおよび示された実施形態において、各光学素子60の軸は、前記光学素子60が含まれるテンプル40eの長手方向軸に対して実質的に平行であり、眼鏡が開状態にあり、かけられているとき、眼鏡をかけている使用者の視野に向かって方向付けられている。
【0047】
実際には、電子眼鏡がかけられているとき、光学素子60の軸は、使用者の視線の軸と実質的に同じ方向に方向付けられている。
【0048】
有利には、前記光学素子60は、テンプル40eの前面41の軸孔にある。
選択的に、各軸孔は、たとえばガラス、プラスチック壁、レンズまたは光学フィルタなど、電磁スペクトルの少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透過性を有する、遮蔽素子によって構成され得る。
【0049】
図1図2図3図4および図5に示される第1および第2の可能な実施形態10a,10bにおいて、眼鏡が開状態で構成されるとき、テンプル40,40eの前面41は、2つの水平方向端部21a,21bの1つに各々近接して、フロントボディ20の背部に配置される。
【0050】
これらの第1の2つの実施形態においても、フロントボディ20には、有利には、少なくとも1つの水平方向端部21a,21bおよび光学素子60に近接する少なくとも1つの光学素子22があるため、前記光学素子22によって、少なくとも1つの電子取得部品52と外環境との間の光学通信を可能にする。
【0051】
実際には、眼鏡が開状態にあるとき、図3ではっきりとわかるように、光学素子60およびそれぞれの光学素子22は一致し、電子取得部品52と外環境との間の光学通信を提供する単一の通路を形成する。
【0052】
この解決方法の利点は、テンプルのテンプル40eの内部に収容されているにもかかわらず、あたかもフロントボディ20に設置されているように、電子取得部品52が使用者の視野に向かう「ように見える」という点にある。
【0053】
選択的に、光学素子22の各々は、たとえばガラス、プラスチック壁またはレンズまたは光学フィルタなどの、電磁スペクトルの少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透過性を有する遮蔽素子71によって閉じられてもよい。
【0054】
図1および図2に示される、第1の実施形態10aにおいて、電子部品51,52を収容するテンプル40eはただ1つのものであるため、電子眼鏡10aは、電子部品51,52を収容するテンプル40eと、電子部品を収容しないテンプル40とを備える。
【0055】
有利には、電子部品51,52を収容するテンプル40eおよび電子部品を収容しないテンプル40は、実質的に同じ重量および同じ体積を有する。
【0056】
この結果は、たとえばロゴおよび/もしくは装飾などのテンプル非対称装飾要素に挿入することによって、または、たとえばバランスの悪さを補うように特定的に設計された異なる充填材もしくはバランス要素を有するポリマーなどの異なる密度を有する材料を用いることによって達成されることができる。
【0057】
代替例として、電子部品がそれらを囲むプラスチック材料よりも軽いとき、適切な細孔を作製することが必要であり得る。
【0058】
この態様において、電子眼鏡10aには、正確なフィットに影響し得るバランスの悪さはない。
【0059】
この第1の実施形態10aにおいて、電子取得部品は、好ましくは、たとえばビデオカメラもしくは静止カメラなどの画像および/もしくは動画の取得のための手段、またはUV光および/もしくは可視光および/もしくは電磁スペクトルの別の所定の部分を検出するための光学センサである。
【0060】
図4および図5に示される、第2の可能な実施形態において、電子部品51,52を収容するテンプル40eは2つであり、各々、電子取得部品52と、フロントボディ20に設けられる光学素子22と一致する光学素子60とを備える。
【0061】
先述の実施形態に類似する態様で、電子部品を収容する2つのテンプル40eは、実質的に同じ重量および同じ体積を有する。
【0062】
この第2の実施形態において、2つの電子取得部品52は、好ましくは、たとえばビデオカメラもしくは静止カメラなどの画像および/もしくは動画の取得のための手段、またはUV光および/もしくは可視光および/もしくは電磁スペクトルの別の所定の部分を検出するための光学センサである。
【0063】
図6図7図8図9および図10は、第3および第4の可能な実施形態10c,10dを示す。これらのさらなる実施形態では、先述のものとは異なり、眼鏡10c,10dが開状態にあるとき、テンプル40,40eの前面41の各々は、フロントボディ20の水平方向端部21a,21bに水平方向に隣接する。
【0064】
実際には、これらの最後の実施形態において、テンプル40,40eは、有利には、背部にではなく、水平方向にフロントボディ20に隣接するように設置されているため、前面41が素子に覆われない。
【0065】
この態様では、図8ではっきりとわかるように、電子取得部品52は、光学素子60によって直接外環境と通信する。
【0066】
この解決方法の利点は、テンプル40eの内部に収容され、フロントボディ20に開口部があることがないにもかかわらず、あたかもフロントボディ20に設置されているように、電子取得部品52が使用者の視野に向かう「ように見える」という点にある。
【0067】
図6および図7で示される、第3の実施形態10cにおいては、電子部品51,52を収容するテンプル40eはただ1つのものであるため、電子眼鏡10cは、電子部品51,52を収容するテンプル40eと、電子部品を収容しないテンプル40とを備える。
【0068】
また、第3の実施形態10cにおいて、電子取得部品は、好ましくは、たとえばビデオカメラもしくは静止カメラなどの画像および/もしくは動画の取得のための手段、またはUV光および/もしくは可視光および/もしくは電磁スペクトルの別の所定の部分を検出するための光学センサである。
【0069】
図9および図10に示される、第4の可能な実施形態10dは、かわりに、電子部品を収容するテンプル40eは2つあり、各々少なくとも1つの電子取得部品52と、少なくとも1つの光学素子60とを備える。
【0070】
この第4の実施形態10dにおいて、2つの電子取得部品52は、たとえばビデオカメラもしくは静止カメラなどの画像および/もしくは動画の取得のための手段、またはUV光および/もしくは可視光および/もしくは電磁スペクトルの別の所定の部分を検出するための光学センサである。
【0071】
同様にこれらの最後の2つの記載された実施形態において、2つのテンプル40,40eは、実質的に同じ重量および同じ体積を有する。
【0072】
電子眼鏡の動作は、記載されたものから、はっきりとしており明らかである。
実際に、ファッションの分野での使用に適しており、形状および寸法の設計に関して広い融通性を提供するため、本発明にしたがう電子眼鏡は、意図された目標および目的を達成することがわかった。
【0073】
本発明にしたがう電子眼鏡の別の利点は、電子部品を再設計する必要なく美的デザインを変えることを可能にするという点にある。
【0074】
本発明にしたがう電子眼鏡のさらなる利点は、それらが、画像取得または目に入射する光の検出を目指す電子部品が設けられているものの、任意の形状を有する軽量のフロントボディを有することが可能であるという点にある。
【0075】
本発明にしたがう電子眼鏡の別の利点は、それらが、バランスがとれており、かけ心地がよいという点にある。
【0076】
本発明にしたがう電子眼鏡のさらなる利点は、背景技術と比較した場合、提供するのが容易であり、経済的競争力を有するという点にある。
【0077】
したがって、着想された電子眼鏡は、無数の修正および変形が可能であり、それらのすべては添付の請求項の範囲内にある。
【0078】
すべての詳細は、さらに、他の技術的に等価な要素と交換可能であり得る。
実際に、用いられる材料は、特定の使用と互換性がある限り、不定の形状および寸法と同様に、要求および技術水準に応じて任意であり得る。
【0079】
結論として、請求項の保護の範囲は、実施例による記載に示される図解または好ましい実施形態によって制限されるべきではなく、むしろ請求項は、当業者によって等価物と扱われ得るすべての特徴を含む、すべての本発明にある特許の新規性の特徴を備えるべきである。
【0080】
請求項において述べられる技術的特徴に参照符号が続く場合、それらの参照符号は、単に請求項をよりわかりやすくする目的のために含まれており、このような参照符号にしたがって、このような参照符号による実施例によって特定される各要素の解釈に限定的な影響を与えるものではない。
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【国際調査報告】