(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】化粧品用または食用組成物のためのカンナビジオール酸エステル
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20220224BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20220224BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220224BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220224BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220224BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20220224BHJP
A21D 2/14 20060101ALI20220224BHJP
A23G 3/42 20060101ALI20220224BHJP
C13B 50/00 20110101ALI20220224BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20220224BHJP
A23L 7/135 20160101ALI20220224BHJP
A23K 20/105 20160101ALI20220224BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20220224BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220224BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20220224BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20220224BHJP
C07C 69/94 20060101ALN20220224BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q1/00
A61Q19/00
A23L33/10
A23L2/52
A23L29/00
A21D2/14
A23G3/42
C13B50/00
A23L7/109 E
A23L7/135
A23K20/105
A23K10/30
A61Q1/02
A61K8/9789
A23L33/105
C07C69/94
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534740
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 IL2019051408
(87)【国際公開番号】W WO2020136648
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521261670
【氏名又は名称】イーピーエム(アイピー), インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スウィサ,レシェフ
(72)【発明者】
【氏名】オハナ,アサフ
(72)【発明者】
【氏名】サカル,サロモン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B014
4B018
4B025
4B032
4B035
4B046
4B117
4C083
4H006
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA06
2B150AB03
2B150AB10
2B150DA54
2B150DD31
2B150DD57
4B014GB06
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4B025LG22
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4B117LP20
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA122
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC062
4C083AC072
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4C083CC03
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4H006AA01
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4H006AB12
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BN30
4H006KA06
(57)【要約】
本発明は、化粧品用または食用組成物であって、カンナビジオール酸(CBDA)エステルを、単独で、または1つ以上のカンナビノイド化合物と組み合わせて含むカンナビノイド成分、および生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、化粧品用または食用組成物と、外観、幸福および/または全般的な健康を改善するためのそれらの使用とを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品用または食用組成物であって、式(I)の構造によって表されるカンナビジオール酸(CBDA)エステル、ならびにその立体異性体および塩を、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、カンナビノイド成分と、生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と、を含むが、
【化1】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC
1-C
10アルキル、直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルキニルからなる群から選択される)
但し、前記組成物が、R
1がメチルであり、R
2がC
3またはC
5直鎖アルキルである式(I)のCBDAエステルを含む場合、前記CBDAエステルは前記組成物中の前記カンナビノイドの総重量の50%超を含む、化粧品用または食用組成物。
【請求項2】
R
2はC
5直鎖アルキル以外である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R
2はC
3直鎖アルキル以外である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
R
1はメチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カンナビジオール酸エステルは、カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-ME)である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、Δ
8-テトラヒドロカンナビノール(Δ
8-THC)、Δ
9-テトラヒドロカンナビノール(Δ
9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ
9(11)-テトラヒドロカンナビノール(exo-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、それらのエステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の追加のカンナビノイド化合物をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、大麻植物の1つ以上の抽出物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記大麻植物抽出物は、高CBD株、高THC株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのカンナビノイドを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のCBDを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
前記大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のTHCを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせと接触して形成される、請求項7に記載の組成物。
【請求項14】
前記溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、二酸化炭素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
0.01%~約8%(w/w)の前記カンナビノイド成分を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記カンナビノイド成分は、水性または油性担体のいずれかにおける使用に適した配合物に乳化、溶解、分散、またはカプセル化される、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品からなる群から選択される化粧品用組成物である、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
外観、幸福および/または全般的な健康の改善において使用するための、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
粘度調整剤、乳化剤、皮膜形成剤、発泡剤、着色剤、防腐剤、芳香剤、溶媒、電解質、pH調整剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される賦形剤をさらに含む、請求項18に記載の使用のための組成物。
【請求項20】
日焼け止め剤、しわ防止剤および老化防止剤、皮膚剥離剤、美白剤および漂白剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、皮膚コンディショニング剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される美容活性成分をさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
粉末、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、液体、ペースト、セラム、およびエアロゾルからなる群から選択される形態の、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の化粧品用組成物を対象の皮膚に局所的に塗布することを含む、皮膚の外観を改善するための方法。
【請求項23】
前記組成物は、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料からなる群から選択される食用組成物である、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
外観、幸福および/または全般的な健康の改善において使用するための、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるリン脂質をさらに含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記リン脂質は、ミセル、エマルションまたはリポソームを形成する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記リン脂質はリポソームを形成する、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
コレステロールをさらに含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
充填剤、乳化剤、固化防止剤、防腐剤、着色剤、香味剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される食用賦形剤をさらに含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
ビタミン、ミネラル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養素をさらに含む、請求項24~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物は、粉末、フレーク、顆粒、カプセル、錠剤、シロップ、溶液、エマルションおよび懸濁液からなる群から選択される形態である、請求項24~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記食品は、パン、シリアル、パスタ、ペストリー、ビスケット、キャンディー、および菓子からなる群から選択される、請求項24~31のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項33】
前記組成物は飲料である、請求項24~32のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項34】
請求項23~34のいずれか一項に記載の食用組成物を前記対象が摂取することを含む、対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識を改善するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品用および食用組成物であって、カンナビジオール酸(CBDA)エステルを、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含むカンナビノイド成分、および化粧品用または食用の生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、化粧品用および食用組成物と、外観、幸福および/または全般的な健康を改善するためのそれらの使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビジオール(CBD)は、植物Cannabis sativaの主要な非向精神性フィトカンナビノイド化合物であり、大麻抽出物の最大40%を占めている(Grilc,Bull.Narc.,1976,14,37-46)。前臨床および臨床試験において、CBDが抗不安作用を誘発することが繰り返し示された(Mechoulam et al.,Trends Pharma.Sci.,2009,30,515-527;Lee et al.,Br.J.Pharmacol.,2017,174,3242-3256)。抗うつ効果も報告されている(Alfy et al.,Pharmacol.Biochem.Behav.,2010,95,434-442;Zanelati et al.,Br.J.Pharmacol.,2010,159,122-128)。
【化1】
【0003】
CBDに関する広範な知識とは対照的に、同じくCannabis sativa植物の主な構成成分であるカンナビジオール酸(CBDA)に関する文献は非常に限られているが、それはその不安定性によるものであり得る。CBDAは1955年に最初に単離された(Krejci and Santavy,1955,Acta Univ Palacki Olomuc 6,59-66)。そのメチルエステルであるカンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-ME)の物理的特性の分析により、1965年にその構造が最初に解明された(Mechoulam and Gaoni,Tetrahedron,1965,21,1223-1229)。その後、カンナビジオールからの合成が報告された(Mechoulam and Ben-Zvi,J.Chem.Soc.Commun.,1969,7,343-344)。
【0004】
カンナビノイド酸は天然カンナビノイドの前駆体であり(Potter et al.,J.Forensic Sci.,2008,53,90-94)、効果を誘発するために必要な薬物の量を低下させる可能性がある。CBDAのCBDへの脱炭酸は熱によって促進されることからCBDAの相対的な不安定性が示唆され、したがってそれが将来的に薬物となる可能性を低下させる(Mechoulam,Academic Press,New York,1973,1-99;Citti et al.,J.Pharm.Biomed.Anal.,2018,16,532-540)。そのため、CBDA-MEは比較的未知のカンナビノイドであり、研究されていないままであり、その効果が明らかになり始めたばかりである。
【化2】
【0005】
CBDA-MEはCBDAの安定な誘導体であり、インビボで薬理活性を提供することができる。Pertwee et al.(Brit.J.Pharmacology,2018、175、100-112)は、HU-580と称されるCBDAのメチルエステルが、ラットにおける急性および予期性の悪心とストレス誘発性の不安の両方の兆候の抑制にCBDAよりも高い効力を示すこと、またそれは5-HT1A受容体依存的にこれらの効果をもたらすことを記載している。別の最近の研究(Hen-Shoval et al.,Behav.Brain Res.,2018,351,1-3)は、2つのラットモデルにおける低用量(1mg/kg)のHU-580の経口摂取後の強力な抗うつ効果を裏付けている。
【0006】
WO2018/235079は、CBDAエステルを含む組成物、および5-HT1A受容体に関連する状態、疾患、または症状の治療におけるその使用を開示している。
【0007】
米国特許第9,670,133号は、1つ以上のカンナビノイド化合物を含む組成物およびそれらの製造方法に関する。米国特許第9,670,133号はさらに、任意選択的にCBDA-MEであり得る微量成分を含むカンナビノイドの組成物を開示している。
【0008】
米国特許出願第2018/0244642号は、カンナビノイド化合物の混合物を含む組成物およびそれらの製造方法に関する。米国特許出願第2018/0244642号はさらに、任意選択的にカンナビジバリン酸メチルエステル(CBDVA-ME)であり得る微量成分を含むカンナビノイドの組成物を開示している。
【0009】
WO2017/075374は、少なくとも1つのカンナビノイドを含む大麻濃縮物、タピオカマルトデキストリンを含むデンプン濃縮物、米濃縮物、およびレシチンを含む脂質濃縮物を含む、食用ベース生成物の組成物に関する。WO2017/075374はさらに、乾燥環境において適切な温度で原料を剪断することを含む組成物を製造する方法に関する。
【0010】
WO2017/053731は、その精神活性特性および薬効を保持しながら、カンナビノイドを含むが、大麻に関連する味および芳香を少なくとも部分的に欠いている食品添加物に関する。WO2017/053731はさらに、カンナビノイド結合ポリマー組成物を製造する方法に関する。
【0011】
WO2016/133824は、非精神活性カンナビノイドであるカンナビゲロールを含む様々な化粧品および局所配合物に関する。配合物は、昼および夜に塗布するためのアンチエイジングクリーム、手および爪クリーム、アイクリーム、にきび治療クリームまたはトニック、おむつかぶれ防止クリーム、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、洗顔料、デオドラントスプレー、またはリップクリーム配合物であり得る。WO2016/133824はさらに、局所用組成物を作製する方法、ならびに老化防止、栄養補給、クレンジング、およびにきび治療の目的のために局所用組成物を使用する方法に関する。
【0012】
化粧品、食料品、栄養補助食品、飲料および動物飼料を含む非医薬的用途で使用するための非向精神性カンナビノイド誘導体を含む組成物に対する満たされていない必要性が依然として残っている。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、化粧品用または食用組成物であって、カンナビノイド成分が、カンナビジオール酸(CBDA)エステルを、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含むカンナビノイド、および化粧品用または食用の生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、化粧品用または食用組成物を提供する。組成物は、外観、幸福および/または全般的な健康を改善するのに有用である。
【0014】
予想外なことに、CBDAエステルを含む組成物が、CBDまたはCBDAと比較して、優れた効果を有し、長期的かつ有意な改善効果を示すことをここに開示する。有利なことに、本明細書に開示される組成物は、非精神活性であり、かつ非常に安定であるため、それによって、化粧品、食品、栄養補助食品および飲料等の様々な非医薬的用途へのそれらの組み込みを可能にする。組成物は、任意の化粧品または食用製品を含む。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、本発明の化粧品用途のための組成物は、著しく軽減された皮膚の副作用を示し、市販のCBD化粧品配合物と比較して同等または優れた化粧品効能を達成する。皮膚の副作用は、皮膚刺激、皮膚感作、および慢性毒性の少なくとも1つを含み得る。化粧品用組成物は、メイクアップ、ファンデーション、スキンケア製品等の幅広い用途に使用することができる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、本発明の食用または飲用組成物は、対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識を改善するために有用である。具体的には、食用または飲用組成物は、食用または飲用組成物を摂取する対象の腸内マイクロバイオームに有益な効果を与える。食用または飲用組成物は、食料品および飲料等の幅広い料理用途だけでなく、飲料水添加剤として等、動物飼料において摂取され得る。
【0017】
本発明の化粧品用、食用または飲用組成物が強力な抗酸化活性を示し、したがって、対象の外観、エネルギーレベル、身体的幸福および/または幸福の精神的認識を改善または維持するのに有益であることを初めてここに開示する。
【0018】
一態様によれば、本発明は、化粧品用または食用組成物であって、式(I)の構造によって表されるカンナビジオール酸(CBDA)エステル、ならびにその立体異性体および塩を、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、カンナビノイド成分と、生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と、を含むが、
【化3】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC
1-C
10アルキル、直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルキニルからなる群から選択される)
但し、組成物が、R
1がメチルであり、R
2がC
3またはC
5直鎖アルキルである式(I)のCBDAエステルを含む場合、CBDAエステルは組成物中のカンナビノイドの総重量の50%超を含む、化粧品用または食用組成物を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R2はC3直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルである。いくつかの実施形態によれば、カンナビジオール酸エステルは、カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-ME)である。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物中のCBDAエステルは、式(Ia)によって表される。
【化4】
【0021】
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物中のCBDAエステルは、式(Ib)によって表される。
【化5】
【0022】
特定の実施形態によれば、CBDAエステルは、HU-580と称される。
【化6】
【0023】
いくつかの実施形態によれば、追加のカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(exo-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、ならびにそれらのエステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、大麻植物の1つ以上の抽出物中に存在する。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる。さらなる実施形態によれば、大麻植物抽出物は、高CBD株、高THC株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのカンナビノイドを含む。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約10%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約25%(w/w)のCBDを含む。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約10%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約25%(w/w)のTHCを含む。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせとの接触によって形成される。いくつかの実施形態によれば、溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、二酸化炭素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、約0.01~約8%(w/w)のカンナビノイド成分を含む。いくつかの実施形態によれば、組成物は、約8%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約7%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらなる実施形態によれば、組成物は、約5%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらに別の実施形態によれば、組成物は、約2%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらに別の実施形態によれば、組成物は、約1%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.1%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。いくつかの実施形態によれば、組成物は、約0.01%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、カンナビノイド成分は、水性または油性担体のいずれかにおける使用に適した配合物に乳化、溶解、分散、またはカプセル化される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品からなる群から選択される化粧品用組成物である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、外観、幸福および/または全般的な健康の改善において使用するための化粧品用組成物を提供する。いくつかの実施形態によれば、化粧品用組成物は、粘度調整剤、乳化剤、皮膜形成剤、発泡剤、着色剤、防腐剤、芳香剤、溶媒、電解質、pH調整剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される賦形剤を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、粘度調整剤は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ケイ酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、乳化剤は、レシチン、水素化レシチン、グリセリン、水素化ヒマシ油、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、着色料は、無機顔料、有機顔料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、無機顔料は、ルチル二酸化チタン、アナターゼ二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、マンガンバイオレット、酸化セリウム、ウルトラマリンブルー、カーマイン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、有機顔料は、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリトルロース、カルボニル誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピオン酸塩、第四級アンモニウム化合物、安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、安息香酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、芳香剤は、植物抽出物から得られるエッセンシャルオイル、合成香料、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、溶媒は、エタノール、メタノール、プロパノール、ヘキサノール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-オクタンジオール、ソルビトール、グリセロール、酢酸エチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、電解質は塩化ナトリウムである。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、pH調整剤は、有機酸および鉱酸、または塩基からなる群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、化粧品用組成物は、日焼け止め剤、しわ防止剤および老化防止剤、皮膚剥離剤、美白剤および漂白剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、皮膚コンディショニング剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化粧品活性成分をさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、化粧品用組成物は、粉末、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、液体、ペースト、セラム、およびエアロゾルからなる群から選択される形態である。
【0043】
別の態様によれば、本発明は、本明細書に記載の化粧品用組成物を対象の皮膚に局所的に塗布することを含む、皮膚の外観を改善するための方法を提供する。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料からなる群から選択される食用組成物である。
【0045】
別の態様によれば、本発明は、外観、幸福および/または全般的な健康の改善において使用するための、上述の式Iの化合物を含む食用組成物を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるリン脂質を含む。いくつかの実施形態によれば、リン脂質は、ミセル、エマルション、またはリポソームを形成する。いくつかの実施形態によれば、リン脂質はリポソームを形成する。いくつかの実施形態によれば、組成物はコレステロールをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、充填剤、乳化剤、固化防止剤、防腐剤、着色剤、香味剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される食用賦形剤をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、乳化剤は、水素化レシチン、リン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、固化防止剤は、セルロース、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、重曹、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、防腐剤は、二酸化硫黄および亜硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、着色剤は、ブリリアントブルー(E133)、インジゴチン(E132)、ファストグリーン(E143)、エリスロシン(E127)、アルラレッド(E129)、タートラジン(E102)、サンセットイエロー(E110)、および天然食用色からなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、天然食用色素は、アナトー(E160b)、キャラメル(E150a~d)、カーマイン(E120)、コチニールカイガラムシ、エルダーベリー果汁(E163)、リコピン(E160d)、パプリカ(E160c)、ターメリック(E100)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、香味剤は、リンゴ、チェリー、緑茶、シナモン、クローブ、紅茶、プラム、マンゴー、ナツメヤシ、スイカ、ココナッツ、ナシ、ジャスミン、ピーチ、フェンネル、メロン、ライチ、ミント、チョコレート、コーヒー、クリーム、バナナ、アーモンド、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、マツ、キウイ、サポテ、タロ、ハス、パイナップル、オレンジ、レモン、甘草、バニラ、バラ、オスマンサス、ジンセン、スペアミント、柑橘類、キュウリ、ハニーデューメロン、クルミ、ハチミツ、およびそれらの組み合わせから抽出される。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、ビタミン、ミネラル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される栄養素をさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、ビタミンは、ビタミンA(レチノールおよびカロテノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸または葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノール)、ビタミンK(キノン)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、粉末、フレーク、顆粒、カプセル、錠剤、シロップ、溶液、エマルションおよび懸濁液からなる群から選択される形態である。いくつかの実施形態において、食品は、パン、シリアル、パスタ、ペストリー、ビスケット、キャンディー、および菓子から選択される。いくつかの実施形態において、食用組成物は飲料である。
【0056】
別の態様によれば、本発明は、上述の食用組成物を前記対象が摂取することを含む、対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識を改善するための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、化粧品用および食用組成物であって、カンナビジオール酸(CBDA)エステルを、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含むカンナビノイド成分、ならびに生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、化粧品用および食用組成物と、外観、幸福および/または全般的な健康を改善するためのそれらの使用とを対象にする。任意選択的に、いくつかの実施形態において、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、大麻植物の抽出物中に存在する。
【0058】
一態様によれば、本発明は、化粧品用または食用組成物であって、式(I)の構造によって表されるカンナビジオール酸(CBDA)エステル、ならびにその立体異性体および塩を、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、カンナビノイド成分と、生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と、を含むが、
【化7】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC
1-C
10アルキル、直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルキニルからなる群から選択される)
但し、組成物が、R
1がメチルであり、R
2がC
3またはC
5直鎖アルキルである式(I)のCBDAエステルを含む場合、CBDAエステルは組成物中のカンナビノイドの総重量の50%超を含む、化粧品用または食用組成物を提供する。
【0059】
別の態様によれば、本発明は、化粧品用または食用組成物であって、式(I)の構造によって表されるカンナビジオール酸(CBDA)エステル、ならびにその立体異性体および塩を、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、カンナビノイド成分と、生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と、を含むが、
【化8】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、直鎖または分岐鎖のC
1-C
10アルキル、直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC
2-C
10アルキニルからなる群から選択される)
但し、組成物が、R
1がメチルであり、R
2がC
3またはC
5直鎖アルキルである式(I)のCBDAエステルを含む場合、CBDAエステルは組成物中のカンナビノイドの総重量の51%超を含む、化粧品用または食用組成物を提供する。
【0060】
別の態様によれば、本発明は、化粧品用または食用組成物であって、式(I)の構造によって表されるカンナビジオール酸(CBDA)エステル、ならびにその立体異性体および塩を、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む、カンナビノイド成分と、生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と、を含むが、
【化9】
(式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、非置換の、またはヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、チオール、およびホスフェートからなる群から選択される1つ以上の基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖のC
1-C
10アルキル、非置換の、またはヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、チオール、およびホスフェートからなる群から選択される1つ以上の基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
10アルケニル、ならびに非置換の、またはヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、チオール、およびホスフェートからなる群から選択される1つ以上の基によって置換された直鎖もしくは分岐鎖のC
2-C
10アルキニルからなる群から選択される)
但し、組成物が、R
1がメチルであり、R
2がC
3またはC
5直鎖アルキルである式(I)のCBDAエステルを含む場合、CBDAエステルは組成物中のカンナビノイドの総重量の50%超を含む、化粧品用または食用組成物を提供する。
【0061】
カンナビノイド成分
本明細書で使用される「カンナビノイド」という語は、エンドカンナビノイド(ヒトおよび動物によって体内で自然に産生される)、フィトカンナビノイド(大麻および他のいくつかの植物に見られる)、および合成カンナビノイド(人工的に製造される)を含むカンナビノイド受容体と相互作用する任意の化合物を指す。「カンナビノイド酸」という用語は、上記のカンナビノイドの酸形態を指す。
【0062】
「カンナビジオール」という語は、カンナビジオール(CBD)およびCBD誘導体を指す。CBDは、微量のTHCを含む産業用大麻抽出物から、または高CBD大麻栽培品種を使用して大麻抽出物から得ることができる。いくつかの実施形態によれば、カンナビジオールは、植物抽出物から得られ得るか、または合成的に調製され得る(人工的に製造され得る)。
【0063】
略語「CBDA」は、CBDの酸形態であるカンナビジオール酸を指すために本明細書で使用される。「カンナビジオール酸エステル」または「カンナビジオールエステル」という用語は、CBDAのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールエステル形態である様々な分子を指す。略語「CBDA-ME」は、CBDAのメチルエステル形態であるカンナビジオール酸メチルエステルを指すために本明細書で使用される。
【0064】
本明細書で提供される化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得ることが理解されるべきである。そのようなキラル中心は、それぞれ(R)または(S)配置のいずれかであり得る。本発明の化合物が2つ以上のキラル中心を含む場合、それらのキラル中心のそれぞれは、独立して、(R)または(S)配置であり得る。したがって、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であり得るか、または立体異性混合物またはジアステレオマー混合物であり得る。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキル、直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルである。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、R1はメチルである。いくつかの実施形態によれば、カンナビジオール酸エステルは、カンナビジオール酸メチルエステル(CBDA-ME)である。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖のC5H11である。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、R2は、C1またはC2アルキル、直鎖または分岐鎖のC4アルキル、直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキル、直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニル、および直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルからなる群から選択される。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R2はC3直鎖アルキル以外である。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルであり、R2は、C3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は、直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は、直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は、分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は、分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C5非置換アルキルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は、直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は、直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は、分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC7-C10非置換アルキルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は、直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によればR1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1は直鎖または分岐鎖のC1-C10ハロアルキルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC1-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルケニルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC2-C10アルキニルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖のC3H7である。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖のC5H11である。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2はメチルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は分岐鎖のC3アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC4アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は分岐鎖のC5アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2は直鎖または分岐鎖のC6-C10アルキルである。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2はC5直鎖アルキル以外である。いくつかの実施形態によれば、R1はメチルであり、R2はC3直鎖アルキル以外である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、本発明のCBDAエステルは、式(Ia)によって表される。
【化10】
【0079】
いくつかの実施形態によれば、本発明のCBDAエステルは、式(Ib)によって表される。
【化11】
【0080】
特定の実施形態によれば、CBDAエステルは、HU-580と称される。
【化12】
【0081】
「アルキル」基は、線形鎖または直鎖、分岐鎖およびシクロアルキル基を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。一実施形態において、アルキル基は、1~10個の炭素を有し、本明細書ではC1-C10-アルキルと称される。一実施形態において、アルキル基は、2~5個の炭素を有し、本明細書ではC1-C5-アルキルと称される。一実施形態において、アルキル基は、2~4個の炭素を有し、本明細書ではC2-C4-アルキルと称される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。アルキル基は、非置換であり得るか、またはヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、チオール、ホスフェート、およびそれらの組み合わせからなる基から選択される1つ以上の基によって置換され得る。
【0082】
「シクロアルキル」基は、非芳香族単環式環系または非芳香族多環式環系を指す。一実施形態において、シクロアルキル基は3~10個の炭素原子を有する。別の実施形態において、シクロアルキル基は5~10個の炭素原子を有する。例示的な単環式シクロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が含まれる。アルキルシクロアルキルは、本明細書で定義されるようなシクロアルキル基に結合した、本明細書で定義されるようなアルキル基である。シクロアルキル基は、非置換であり得るか、またはアルキルについて上で定義した置換基のいずれか1つ以上で置換され得る。
【0083】
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード原子を指す。同じまたは異なる1つ以上のハロゲンが存在し得る。
【0084】
「アルケニル」基は、線形鎖、直鎖、分岐鎖および環状アルケニル基を含む少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を指す。一実施形態において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(C2-10アルケニル)。別の実施形態において、アルケニル基は、鎖中に2~4個の炭素原子を有する(C2-4アルケニル)。例示的なアルケニル基には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、i-ブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキシル-ブテニルおよびデセニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキルアルケニルは、本明細書で定義されるようなアルケニル基に結合した、本明細書で定義されるようなアルキル基である。アルケニル基は、非置換であり得るか、またはアルキルについて上で定義した1つ以上の基で、利用可能な炭素原子を介して置換され得る。
【0085】
「アルキニル」基は、線形鎖または直鎖および分岐鎖を含む少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を指す。一実施形態において、アルキニル基は、鎖中に2~10個の炭素原子を有する(C2-10アルキニル)。別の実施形態において、アルキニル基は、鎖中に2~4個の炭素原子を有する(C2-4アルキニル)。例示的なアルキニル基には、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、n-ペンチニル、ヘプチニル、オクチニルおよびデシニルが含まれるが、これらに限定されない。アルキルアルキニルは、本明細書で定義されるようなアルキニル基に結合した、本明細書で定義されるようなアルキル基である。アルキニル基は、非置換であり得るか、またはアルキルについて上で定義した1つ以上の基で、利用可能な炭素原子を介して置換され得る。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、追加のカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、Δ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビノール(CBN)、Δ9(11)-テトラヒドロカンナビノール(exo-THC)、カンナビクロメン(CBC)、テトラヒドロカンナビノール-C3(THC-C3)、テトラヒドロカンナビノール-C4(THC-C4)、テトラヒドロカンナビノール-C7(THC-C7)、それらのエステルおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0087】
いくつかの実施形態において、式(I)のCBDAエステルまたはカンナビノイド化合物は、溶媒和物を含む。本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、本明細書に開示される化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を指す。この物理的会合は、水素結合を含む様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。特定の例では、溶媒和物は単離することができる。「溶媒和物」は、液相溶媒和物と単離可能溶媒和物の両方を包含する。好適な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが含まれる。「水和物」は、溶媒分子が水である溶媒和物である。
【0088】
CBDAエステルが固体形態で組成物に組み込まれる実施形態において、本開示はその任意の多形も含む。「多形」という用語は、X線回折、電子線回析、IRスペクトル、ラマンスペクトル、融点等の特定の物理的特性によって特徴付けることができる、物質の特定の結晶またはアモルファス状態を指す。
【0089】
本明細書に開示されるカンナビノイドのいずれか、具体的には、式(I)のCBDAエステルは、当業者に既知の任意の方法によって調製することができる。例えば、それは、天然の供給源から単離もしくは抽出され得るか、または合成もしくは半合成手段によって調製され得る。例えば、カンナビノイドは大麻植物から抽出することによって単離することができる。カンナビス属の植物には、Cannabis sativa、Cannabis indica、おびよCannabis ruderalisが含まれるが、これらに限定されない。各可能性は、別個の実施形態を表す。これらの植物はカンナビノイドの天然の供給源である。いくつかの実施形態によれば、特定のカンナビノイドは、大麻植物から単離または抽出され、次いで、式(I)のCBDAエステルに誘導体化される。
【0090】
本明細書で使用される「抽出物」という用語は、物理的手段による(例えば、粉砕、プレス、加熱、パルス電界支援処理、剪断処理および圧力波処理による)、化学的手段による(例えば、酸、塩基、溶媒による処理による)および/または生化学的手段による(例えば、加水分解酵素、微生物を用いた処理による)抽出によって調製される生成物を指す。この用語は、所与の物質からの抽出によって得られる液体物質、または溶媒を含まない、もしくは実質的に含まない濃縮物もしくはエッセンスを指す。抽出物という用語は、特定の抽出ステップまたは一連の抽出ステップから得られる単一の抽出物であり得る。抽出物はまた、別々の抽出ステップまたは別々の原料から得られる抽出物の組み合わせであり得る。したがって、そのような組み合わされた抽出物もまた、「抽出物」という用語に包含される。好適な溶媒を用いた任意の抽出の方法が包含される。例示的な抽出方法は、例えば、米国特許第6,403,126号に見出すことができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。抽出物は、植物の任意の部分から、例えば、葉、花、茎、根、果実および種子から得ることができる。抽出物は水性または油性であり得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、「非医薬的」という用語は、本明細書で非医薬的な使用および組成物に言及する場合に、疾患または他の医学的障害を治療する目的でヒトに薬物を提供する用途以外の用途を意味する。組成物は、任意の化粧品用または食用組成物を含む。
【0092】
「生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤」という用語は、ヒトもしくは非ヒト動物による摂取、または動物の皮膚もしくは毛髪への使用に安全であると一般に認識されている担体を意味することを意図している。より具体的には、許容される担体、賦形剤または希釈剤は、毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒトおよび動物の細胞と接触させて使用するのに適している。生理学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤には、美容的に許容される担体または食用もしくは飲用の担体が含まれるが、これらに限定されない。本発明の食用または化粧品用組成物に添加することができる全ての担体、賦形剤および希釈剤は、それぞれ、ヒトおよび動物による摂取、または化粧品用途について承認されていることを理解されたい。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、賦形剤は、食用製品または化粧品のいずれかに好適であり得る。そのような賦形剤の非限定的な例は、デンプン、マルトデキストリン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、モノステアリン酸グリコール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物が、大麻植物の1つ以上の抽出物中に存在する。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、好適な溶媒または溶媒の組み合わせとの接触によって形成される。いくつかの実施形態によれば、溶媒は、極性溶媒、炭化水素溶媒、二酸化炭素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0095】
好適な溶媒には、水、エタノール、酢酸エチル、CO2、メタノール、アセトン、および酢酸が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態によれば、溶媒はエタノールである。別の実施形態によれば、抽出はCO2によるものである。具体的には、「抽出物」という用語は、本出願に定義される植物からの抽出によって得られる液体もしくは半固体または樹脂性の物質、すなわち、大麻植物、例えばCannabis sativa、Cannabis indica、およびCannabis ruderalisから得られる抽出物を指す。いくつかの実施形態において、この用語は、2つ以上の異なる植物からの抽出によって得られる液体または半固体の樹脂性物質の混合物を指す。いくつかの実施形態において、この用語は、抽出物から精製された化合物も指す。いくつかの実施形態によれば、「抽出物」という用語は、2つ以上の抽出物の混合物または組み合わせの意味を有する。
【0096】
本明細書で使用される「大麻抽出物」という用語は、大麻植物からの1つ以上の植物抽出物を指す。大麻抽出物は、1つ以上のカンナビノイドに加えて、植物材料からカンナビノイドと共抽出される1つ以上の非カンナビノイド成分を含む。それらのそれぞれの重量範囲は、出発植物材料と使用する抽出方法とによって異なるであろう。カンナビノイド含有植物抽出物は、大麻植物材料の様々な抽出手段によって得ることができる。そのような手段には、CO2による超臨界または亜臨界抽出、高温または低温ガスによる抽出、および溶媒による抽出が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、この用語は、2つ以上の異なる大麻種からの抽出によって得られる液体または半固体の樹脂性物質の混合物を指す。いくつかの実施形態において、この用語は、抽出物から精製された化合物も指す。本明細書で使用される「大麻植物」という用語は、Cannabis sativa、Cannabis indica、およびCannabis ruderalisを含むがこれらに限定されない、大麻属の植物を指す。いくつかの実施形態によれば、大麻植物は、大麻植物のCBDリッチ株または大麻植物のTHCリッチ株である。各可能性は、別個の実施形態を表す。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalis、ハイブリッド株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる。さらなる実施形態によれば、大麻植物抽出物は、高CBD株、高THC株、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される株から得られる。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、それらの酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのカンナビノイドを含む。
【0098】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1~約45%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約10%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約25%(w/w)のCBDを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約45%(w/w)のCBDを含む。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%~約25%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1~約45%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約1%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約10%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約25%(w/w)のTHCを含む。いくつかの実施形態によれば、大麻植物抽出物は、約45%(w/w)のTHCを含む。
【0100】
「ハイブリッド株」という用語は、異なる量および/または比率の様々なカンナビノイド化合物を含む大麻の異なる株を指す。例えば、Cannabis sativaは、通常、比較的高いTHC/CBD比を有する。逆に、Cannabis indicaは、Cannabis sativaと比べると比較的低いTHC/CBD比を有する(但し、THCの絶対量はCannabis sativaよりもCannabis indicaの方が高い可能性がある)。
【0101】
本明細書で使用される場合、「高CBD株」および「CBDリッチ株」という用語は、CBDと、任意選択的に1つ以上の追加のカンナビノイド、例えば、限定されないが、THC、CBN等を含む大麻植物の株を指す。いくつかの実施形態によれば、CBDは、高CBD株の主成分である。
【0102】
本明細書で使用される場合、「高THC株」および「THCリッチ株」という用語は、THCと、任意選択的に1つ以上の追加のカンナビノイド、例えば、限定されないが、CBD、CBN等を含む大麻植物の株を指す。いくつかの実施形態によれば、THCは、高THC株の主成分である。
【0103】
大麻植物では、CBDを含む中性カンナビノイドの濃度は、それらの酸型前駆体よりもはるかに低い。中性カンナビノイドは、抽出ステップ中に非酵素的脱炭酸によって人工的に形成され、例えば、CBDはCBDAから形成される(Yamauchi et.Al.,Chem.Pharm.Bull.,1967,15(7),1075-1076;Takeda et.al.,Toxicol.Lett.,2012,214(3),314-319)。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、約0.01~約20%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。いくつかの実施形態によれば、組成物は、約20%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約10%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。いくつかの実施形態によれば、組成物は、約8%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約7%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらなる実施形態によれば、組成物は、約5%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらに別の実施形態によれば、組成物は、約2%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。さらに別の実施形態によれば、組成物は、約1%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.1%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.01%(w/w)未満のカンナビノイド成分を含む。
【0105】
本発明のカンナビノイド成分の組み合わせは、上記の比率で混合物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、CBDAエステルと、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物、または1つ以上の大麻植物の抽出物とを、1つ以上のステップで混合して比較的均一な状態にすることを含む。
【0106】
化粧品用組成物
いくつかの実施形態によれば、組成物は、メイクアップ製品、ファンデーション製品、およびスキンケア製品からなる群から選択される化粧品用組成物である。本明細書で使用される場合、「化粧品」という用語には、メイクアップ、ファンデーション、およびスキンケア製品が含まれるが、これらに限定されない。「メイクアップ」という用語は、黒色および褐色のファンデーションを含む、顔に色を残す製品、すなわちマスカラ、コンシーラー、アイライナー、眉マスカラ、アイシャドウ、頬紅、リップカラー、パウダー、固体エマルションコンパクト等を指す。「ファンデーション」という用語は、皮膚の全体的な色を均一にするために化粧品会社によって作成または再導入される液体、クリーム、ムース、コンパクト、およびコンシーラー等の製品を指す。ファンデーションは、保湿したおよび/または油分を塗った皮膚の上でより良好に機能するように製造される。本明細書で使用される場合、「過剰な水分」は、ヒトの皮膚に沈着した望ましくないおよび/または不健康なレベルの体液を意味する。「スキンケア製品」とは、皮膚を治療もしくはケアするため、または何らかの形で保湿、改善、もしくは洗浄するために使用される製品である。「スキンケア製品」という表現で想定される製品には、絆創膏、包帯、無水閉塞性保湿剤、制汗剤、防臭剤、パーソナルクレンジング製品、マニキュア液、パウダー、ティッシュ、ワイプ、無水ヘアコンディショナー、シェービングクリーム等が含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
様々な実施形態によれば、カンナビノイド成分は、水性または油性担体のいずれかにおける使用に適した配合物に乳化、溶解、分散、またはカプセル化することができる。
【0108】
「美容的に許容される担体、賦形剤または希釈剤」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、毒性、刺激、過度のアレルギー反応等がなく、ヒトおよび動物の細胞と接触して使用するのに適した担体、賦形剤または希釈剤を意味することを意図している。本発明の化粧品用組成物に添加することができる全ての担体、賦形剤および希釈剤は、化粧品用途のためにヒトおよび動物に対して承認されていることを理解されたい。
【0109】
好適な担体、賦形剤、または希釈剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、二酸化ケイ素、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリコール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、およびワックスが含まれるが、これらに限定されない。好適なワックスには、蜜蝋、ラノリン、カンデリラ、ダイズ、およびカルナウバワックスが含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
好適なさらなる賦形剤には、粘度調整剤、乳化剤、皮膜形成剤、発泡剤、着色剤、防腐剤、芳香剤、溶媒、電解質、pH調整剤、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0111】
好適な粘度調整剤には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ケイ酸塩、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0112】
好適な乳化剤には、レシチン、水素化レシチン、グリセロール、水素化ヒマシ油、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0113】
好適な着色料には、無機顔料、有機顔料、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
好適な無機顔料には、ルチル二酸化チタン、アナターゼ二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、マンガンバイオレット、酸化セリウム、ウルトラマリンブルー、カーマイン、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
好適な有機顔料には、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリトルロース、カルボニル誘導体、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
好適な防腐剤には、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピオン酸塩、第四級アンモニウム化合物、安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、安息香酸、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
好適な芳香剤には、植物抽出物から得られるエッセンシャルオイル、合成香料、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
好適な溶媒には、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ヘキサノール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-オクタンジオール、ソルビトール、グリセロール、酢酸エチル、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
好適な電解質には、塩化ナトリウムが含まれるが、これに限定されない。
【0120】
好適なpH調整剤には、有機および鉱酸または塩基が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、化粧品用組成物は、保湿剤をさらに含む。好適な保湿剤には、グリセリン、炭化水素油およびワックス、例えば、鉱油、ワセリン、パラフィン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、およびペルヒドロスクアレン;シリコーン油;トリグリセリド油脂、例えば、ホホバ油およびシアバターを含む、植物、動物、海洋由来のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、化粧品用組成物は、日焼け止め剤、しわ防止剤および老化防止剤、皮膚剥離剤、美白剤および漂白剤、サンレスタンニング剤、ビタミン、皮膚コンディショニング剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される化粧品活性成分をさらに含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0123】
本発明の組成物に使用されるさらなる好適な活性剤およびアジュバントは、国際化粧品成分辞書およびハンドブック(INCI、第16版、2016)において表に示されている。一般に、具体的な材料への言及は、INCI採用の命名法を利用している。化粧品分野の当業者は精通しているように、活性剤およびアジュバントは、それらの意図する機能を発揮する量で本発明の化粧品用組成物に組み込まれる。一般に、この量は、組成物の約0.001~約25重量%、より一般的には0.01~15重量%、またある特定の場合には0.1~10重量%である。
【0124】
好適な日焼け止めには、アミノ安息香酸および誘導体、ベンゾフェノン、樟脳誘導体、ジベンゾイルメタン、サリチル酸塩、金属酸化物、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
好適なしわ防止剤および老化防止剤には、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、フルーツ酸、サトウキビ抽出物、グリコマー、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
好適な皮膚剥離剤には、サリチル酸、乳酸、グリコール酸、酢酸、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
好適な美白剤および漂白剤には、ヒドロキノンおよびその誘導体、アスコルビル酸およびその誘導体、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
追加の実施形態によれば、組成物はさらにビタミンを含み得る。好適なビタミンには、例えば、ビタミンAおよび誘導体、例えば、レチノイン酸、レチニルアルデヒド、トレチノイン(Retin A(登録商標))、パルミチン酸レチニル、アダパレン、およびβカロチン;ビタミンB(パンテノール、プロビタミンB5、パントテン酸、ビタミンB複合体因子);ビタミンC(アスコルビン酸およびその塩)およびパルミチン酸アスコルビル等の誘導体;ビタミンD例えばカルシポトリエン(ビタミンD3類似体);ビタミンE、例えばその個々の構成成分であるアルファ-、ベータ-、ガンマ-、デルタ-トコフェロールおよびコトリエノール、ならびにそれらの混合物、ならびにビタミンE誘導体、例えばビタミンEパルミテート、ビタミンEリノレートおよびビタミンEアセテート;ビタミンKおよび誘導体;ビタミンQ(ユビキノン);ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
【0129】
好適な皮膚コンディショニング剤には、トコフェロールおよびトコフェロール誘導体、パラフィン、キシリトール、乳酸、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。皮膚コンディショニング剤は、全組成物の0.01~30重量%でこの組成物に組み込むことができる。
【0130】
いくつかの実施形態によれば、CBDAエステルの量は、組成物の総量の約0.0001から約20%(w/w)まで異なる。いくつかの実施形態によれば、組成物は、約20%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約10%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。さらなる実施形態によれば、組成物は、約5%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。さらなる実施形態によれば、組成物は、約2%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。さらなる実施形態によれば、組成物は、約1%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.5%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.1%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。追加の実施形態によれば、組成物は、約0.01%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。
【0131】
組成物は、パウダー、ケーキ、ペンシル、スティック、軟膏、クリーム、ミルク、ローション、液相、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、フォーム、スプレー、ワイプ、リキッドおよびパウダーファンデーションを含む様々な形態をとることができる。組成物は、液体(例えば、懸濁液または溶液)、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、クリーム、軟膏、ペースト、セラム、ミルク、フォーム、バーム、エアロゾル、リポソーム、固体(固形パウダー)、無水油およびワックス組成物等の、美容的に許容される担体またはビヒクルに組み込むことができる。
【0132】
代替的に、組成物は、リキッドまたはパウダーファンデーションに使用される。より具体的には、組成物は、スキンローション、スキンミルク、スキンクリーム、ゲルなどのフェイシャルスキンケア化粧品、およびファンデーション、ファンデーションプライマーベース、頬紅、リップスティック、アイシャドウ、アイライナー、ネイルエナメル、コンシーラー、マスカラ、およびボディメイクアップ商品等のメイクアップを含む。
【0133】
化粧品用組成物の使用方法
いくつかの実施形態において、化粧品用組成物は、外観、幸福、および/または全般的な健康を改善するために使用するためのものである。さらに、前記組成物は、毛髪用化粧品としての使用、顔のしわおよび皮膚の欠陥に適している。本明細書に開示および請求される組成物の使用方法は、皮膚の審美的外観の改善に関するものであり、限定されないが、特に顔面、首、または唇領域の上もしくは周辺のしわ、小じわ、毛穴、皮膚の欠陥のうちの1つ以上を隠すための方法;しみ、そばかす、赤み、クモ状静脈、および目の周りのくま等の皮膚の欠陥を修正するための方法:皮膚の色を強調または変更する方法、完成したメイクアップを改善する方法、および毛髪、まつげ、および眉毛に塗布するための方法を含む。いくつかの実施形態によれば、本発明は、対象の皮膚に組成物を局所的に塗布することを含む、皮膚の外観を改善するための方法を提供する。「対象」という用語は、哺乳動物、任意選択的にヒトを指すが、家畜または飼育動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ等)を含む動物、または娯楽目的でまたはペットとして使用されるもの(例えば、イヌ、ネコ、ウマ等)も指し得る。いくつかの実施形態によれば、組成物は、コラーゲン、エラスチン、またはメタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP)の皮膚産生を刺激し、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の産生を阻害する。
【0134】
理論または作用機序に拘束されることを望むものではないが、CBDAエステルは、化粧品用途のCBDおよびCBDA等の生物学的に活性な天然カンナビノイドの前駆体として作用すると考えられる。理論または作用機序に拘束されることをさらに望むものではないが、本発明の非常に安定な前駆体は、コラーゲン、エラスチン、またはメタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)の少なくとも1つの皮膚産生、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の産生、および抗酸化活性の刺激の長期的な生物学的活性を可能にする。
【0135】
「前駆体」という用語は、生物学的に活性な薬剤の前駆体を指す。前駆体は、生物学的に活性な薬剤になるために、化学的または代謝的変換を受けなければならない。前駆体は、化学的変換プロセスによってエクスビボで生物学的に活性な薬剤に変換することができる。インビボでは、前駆体は、代謝プロセス、酵素プロセス、または前駆体部分を除去して生物学的に活性な薬剤を形成する分解プロセスの作用によって生物学的に活性な薬剤に変換される。
【0136】
当業者は、使用される構成成分の性質および組成物の使用目的を考慮して、一般的な知識に基づいて、適切な提示形態、およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0137】
本明細書に記載の組成物は、安全かつ有効な量の組成物を皮膚の領域に局所的に塗布することによって使用することができる。有効量は、ユーザが容易に決定することができる。本明細書で使用される場合、「安全かつ有効な量」という用語は、皮膚の外観の空間充填を有意に誘発するのに十分な量であるが、当業者の健全な判断の範囲内で過度の副作用(例えば、重大な皮膚の刺激または感作)を回避するように十分に少ない、化合物、組成物またはこの句によって説明される他の材料の量を指す。化合物、組成物または他の材料の安全かつ有効な量は、処置される特定の皮膚、処置される生物学的対象の年齢および物理的状態、皮膚状態の重症度、処置期間、併用処置の性質、使用される具体的な化合物、組成物、または他の材料、用いられる特定の美容的に許容される局所担体、ならびに当業者の知識および専門技術内の因子によって異なり得る。
【0138】
前記組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間にわたって、任意の間隔で1回、2回、またはそれ以上の回数塗布することができる。組成物は、一般に、組成物を皮膚に軽くマッサージすることによって塗布される。しかしながら、塗布の方法は、当該技術分野で既知の任意の方法であり得るため、前述のものに限定されない。組成物は、必要に応じて、石けんと水または他の化粧品用クレンジング剤を使用して除去することができる。
【0139】
化粧品用組成物の調製方法
本発明の組成物は、化粧品用組成物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、原料を1つ以上のステップで混合して比較的均一な状態にすることを含む。
【0140】
本発明の組成物は、単相水性または非水性組成物として配合することができる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の組成物は、エマルションとして配合される。これらのエマルションは、水中油型(水中シリコーン型を含む)エマルション、油中水型(シリコーン中水型を含む)エマルション、または油中水中油(o/w/o)型もしくは水中油中水(w/o/w)型等の多重エマルションであり得る。油相は、シリコーン油、非シリコーン有機油、またはそれらの混合物を含み得ることを理解されたい。組成物は、使用時に振盪することによって混合される2つの非混和性相を含むことができる。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0141】
一実施形態において、組成物は、好適な溶媒(分散剤)中で各成分の分散液を調製し、pH調整剤で分散液のpHを調整し、分散液を剪断により混合して所望のマトリックスの形成を可能にすることによって作製される。場合によっては、構成成分の特性のために、分散剤の一方または両方を予熱する必要があり得る。pH調整剤はまた、各分散液に個々に提供されるのではなく、混合された分散液に提供されてもよい。特定のアジュバントは、化粧品分野で一般的に既知であるように、溶媒とのプレミックスとしての添加を必要とする場合がある。
【0142】
当業者は、使用される構成成分の性質および組成物の使用目的を考慮して、一般的な知識に基づいて、適切な提示形態、およびそれを調製する方法を選択することができる。上記の組成物を含むキットも企図される。本発明の組成物は、容器、説明書、または指示パンフレットを含むように、それらとは別に、またはそれらと一緒にキットの形態で包装することができる。
【0143】
食用組成物
いくつかの実施形態によれば、食用または飲用組成物は、食品、栄養補助食品、飲料、および動物飼料からなる群から選択される。
【0144】
本明細書で使用される場合、「食用」という用語は、食料品、栄養補助食品、飲料製品、動物飼料および飲料水添加剤を含む。本明細書で使用される場合、「飲用」という用語は、飲料製品および飲料水添加物を含む。「食用」および「飲用」という用語は、飲食に適した安全な材料、成分、組成物、化合物または配合物を指す。本明細書で使用される場合、「栄養補助食品添加物」または「食品添加物」という用語は、食用もしくは飲用組成物としてそれ自体で摂取され得る、または食料品、動物飼料、動物飲料水もしくは飲料に添加され得る組成物を指す。
【0145】
「食用担体、賦形剤または希釈剤」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、毒性、刺激、過度のアレルギー反応等がなく、ヒトおよび動物による摂取に好適かつ安全な担体、賦形剤または希釈剤を意味することを意図している。
【0146】
食用組成物は、デンプン、マルトデキストリン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、炭酸カルシウム、モノステアリン酸グリコール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせから選択される食用賦形剤をさらに含み得る。
【0147】
組成物は、液体(例えば、懸濁液または溶液)、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、クリーム、軟膏、ペースト、セラム、ミルク、フォーム、バーム、エアロゾル、リポソーム、固体(固形パウダー)、無水油およびワックス組成物等の食用担体またはビヒクルに組み込むことができる。
【0148】
食用担体は、食用組成物の約0.5~約60重量%の量で食用組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態によれば、生理学的に許容される担体はデンプンを含む。いくつかの実施形態によれば、デンプンは、小麦、ジャガイモ、トウモロコシ、米、キャッサバ(タピオカ)、またはそれらの任意の組み合わせから生成される。デンプンは修飾されていても修飾されていなくてもよく、当業者は、本発明で使用され得る1つ以上のデンプンから選択する方法を理解するであろう。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0149】
さらなる実施形態によれば、食用組成物は、充填剤、乳化剤、固化防止剤、防腐剤、着色剤、香味剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される食用賦形剤を含む。
【0150】
本発明のCBDAエステルの性質は疎水性である。分子の疎水性は、それらのオクタノール/水分配係数X log Pによって定義される。本明細書で使用される場合、「疎水性」および「実質的に水不溶性」という用語は、2より大きい、特定の実施形態では3より大きい、また他の実施形態では4より大きい、オクタノール/水分配係数X log Pを有する分子/化合物/材料/成分を指す。
【0151】
リン脂質および乳化剤等の両親媒性材料は、疎水性ドメインと親水性ドメインの両方を有する材料であり、ミセルおよび二重層を形成することにより、疎水性分子を水に可溶化することができる。両親媒性材料は、水分子との強い水素結合の形成を通じて水中の疎水性基を維持することにより、疎水性分子の相分離を防ぐ。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、CBDAエステルは水溶液中で消費される。いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、乳化剤またはリン脂質をさらに含み、水溶液中のCBDAエステルの均一な分散を可能にする。
【0153】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、リン脂質をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、リン脂質は、天然に存在するリン脂質および合成リン脂質からなる群から選択される。さらなる実施形態によれば、天然に存在するリン脂質は、大豆レシチン、卵レシチン、水素化大豆レシチン、水素化卵レシチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態によれば、合成リン脂質は、ホスホコリン、ホスホエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスホグリセロール、ホスホセリン、混合鎖リン脂質、リゾリン脂質、ペグ化リン脂質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。様々な実施形態によれば、リン脂質は、ミセル、エマルション、またはリポソームを形成し得る。いくつかの実施形態によれば、食用組成物はコレステロールをさらに含む。
【0154】
追加の実施形態によれば、充填剤は、デンプン、マルトデキストリン、デキストリン、ならびにグルコース、ラクトースおよびスクロース等の糖類、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。充填剤は、食用組成物の約0.5~約60重量%の量で食用組成物中に存在し得る。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0155】
好適な乳化剤には、水素化レシチン、リン酸ナトリウム、モノグリセリドおよびジグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
乳化剤は、食用組成物の約0.5~約40重量%の量で食用組成物中に存在し得る。
【0157】
好適な固化防止剤には、セルロース、微結晶性セルロース、二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、塩化ナトリウム、重曹、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、および炭酸マグネシウムが含まれるが、これらに限定されない。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。固化防止剤は、食用組成物の約0.5~約10重量%の量で食用組成物中に存在し得る。
【0158】
いくつかの実施形態によれば、防腐剤は、二酸化硫黄および亜硫酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。防腐剤は、食用組成物の約0.5~約10重量%の量で食用組成物中に存在し得る。
【0159】
いくつかの実施形態によれば、着色剤は、ブリリアントブルー(E133)、インジゴチン(E132)、ファストグリーン(E143)、エリスロシン(E127)、アルラレッド(E129)、タートラジン(E102)、サンセットイエロー(E110)、および天然食用色からなる群から選択される。
【0160】
いくつかの実施形態によれば、天然食用色素は、アナトー(E160b)、キャラメル(E150a~d)、カーマイン(E120)、コチニールカイガラムシ、エルダーベリー果汁(E163)、リコピン(E160d)、パプリカ(E160c)、ターメリック(E100)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。着色剤は、食用組成物の約0.5~約10重量%の量で食用組成物中に存在し得る。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0161】
さらなる実施形態によれば、香味剤は、リンゴ、チェリー、緑茶、シナモン、クローブ、紅茶、プラム、マンゴー、ナツメヤシ、スイカ、ココナッツ、ナシ、ジャスミン、ピーチ、フェンネル、ライチ、ミント、チョコレート、コーヒー、クリーム、バナナ、アーモンド、ブドウ、イチゴ、ブルーベリー、ブラックベリー、マツ、キウイ、サポテ、タロ、ハス、パイナップル、オレンジ、レモン、メロン、甘草、バニラ、バラ、オスマンサス、ジンセン、スペアミント、柑橘類、キュウリ、ハニーデューメロン、クルミ、ハチミツ、またはそれらの組み合わせから抽出される。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。香味剤は、食用組成物の約0.5~約10重量%の量で食用組成物中に存在し得る。
【0162】
いくつかの実施形態によれば、食用または飲用組成物は、水をさらに含み得る。
【0163】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、食用組成物の所望のpHを提供するためのpH調整剤をさらに含み得る。好適なpH調整剤には、食用技術で周知であるように、例えば有機酸および鉱酸または塩基が含まれる。確立されたpHを維持するための緩衝液、例えば乳酸ナトリウムも組み込まれ得る。
【0164】
本発明の食用組成物は、栄養素をさらに含み得る。本明細書で使用される「栄養素」という用語は、本質的な栄養価を有する化合物を指す。栄養素の量は、所望の効果および選択される栄養素に依存する。一般に、栄養素の量は、約0.0001から約50%(w/w)まで異なる。しかしながら、代替的に、最終組成物中の栄養素の量は、約0.01から約20%(w/w)まで、また代替的に、約0.1から約10%(w/w)まで異なる。栄養素は、任意の所望の条件(例えば、加熱;加圧下)および任意の所望の形態(例えば、固体、液体、ゲル、結晶、懸濁液)で、任意の所望の方法(例えば、混合、撹拌)で、本発明の食用または飲用組成物中に配合され得る。
【0165】
いくつかの実施形態によれば、食用または飲用組成物は、本発明の文脈で使用され得る1つ以上の食用栄養素をさらに含み得る。好適な栄養素には、ビタミン、ミネラル、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0166】
いくつかの実施形態によれば、ビタミンは、ビタミンA(レチノールおよびカロテノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸または葉酸塩)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノール)、ビタミンK(キノン)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0167】
さらなる実施形態によれば、ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、粉末、フレーク、顆粒、カプセル、錠剤、シロップ、溶液、エマルションおよび懸濁液からなる群から選択される形態である。いくつかの実施形態において、食品は、パン、シリアル、パスタ、ペストリー、ビスケット、キャンディー、および菓子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、本発明の食用組成物を含む製品は飲料である。いくつかの実施形態において、飲料は、ミネラルウォーター、通気水、フルーツ飲料、フルーツジュース、シロップ、ビール、およびアルコール飲料からなる群から選択される。
【0169】
組成物は、限定されないが、固体(例えば、粉末)、液体(例えば、懸濁液または溶液)、ゲル、エマルション、乳化ゲル、ムース、クリーム、ペースト、ミルク、およびフォーム等の食用ビヒクルに組み込むことができる。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0170】
いくつかの実施形態によれば、CBDAエステルの量は、食用組成物の総量の約0.0001から約20%(w/w)まで異なる。さらなる実施形態によれば、食用組成物は、約20%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。追加の実施形態によれば、食用組成物は、約10%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。さらなる実施形態によれば、前記組成物は、約2%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。いくつかの実施形態によれば、食用組成物は、約1%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。さらなる実施形態によれば、前記組成物は、約0.5%(w/w)未満のCBDAエステルを含む。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0171】
食用組成物の使用方法
いくつかの実施形態において、本発明の食用組成物は、食料品、動物飼料、動物飲料水および飲料製品としての使用を対象とする。当業者は、使用される構成成分の性質および食用組成物の使用目的を考慮して、一般的な知識に基づいて、適切な提示形態、およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0172】
理論または作用機序に拘束されることを望むものではないが、CBDAエステルは、食料品、栄養補助食品、飲料および動物飼料を含む非医薬的用途に使用するためのCBDおよびCBDA等の生物学的に活性な天然カンナビノイドの前駆体として作用すると考えられる。理論または作用機序にさらに拘束されることをさらに望むものではないが、本発明の非常に安定な前駆体は、腸内毒素症に対する長期の有益な効果を可能にする。
【0173】
「前駆体」という用語は、生物学的に活性な薬剤の前駆体を指す。前駆体は、生物学的に活性な薬剤になるために、化学的または代謝的変換を受けなければならない。前駆体は、化学的変換プロセスによってエクスビボで生物学的に活性な薬剤に変換することができる。インビボでは、前駆体は、代謝プロセス、酵素プロセス、または前駆体部分を除去して生物学的に活性な薬剤を形成する分解プロセスの作用によって生物学的に活性な薬剤に変換される。
【0174】
本明細書に記載の組成物は、毎日の栄養と組み合わせて、一緒にまたは単独で添加または混合することによって使用することができる。有効量は、当業者の健全な判断の範囲内で使用されるように、各ユーザが容易に決定することができる。
【0175】
別の態様によれば、本発明は、本発明の食用組成物を前記対象が摂取することを含む、対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識を改善するための方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、組成物は、対象のマイクロバイオームに有益な効果を及ぼす。追加の実施形態によれば、身体的幸福および/または幸福の精神的認識の改善は、対象のマイクロバイオームに対する有益な効果を含む。本発明では、「対象」という用語は、哺乳動物、任意選択的にヒトを指すが、家畜または飼育動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ等)を含む動物、または娯楽目的でもしくはペットとして用いられるもの(例えば、イヌ、ネコ、ウマ等)も指し得る。
【0176】
「安全かつ有効な量」という用語は、対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識(例えば、心臓の健康、骨および歯の強さ、より高いエネルギーレベル、体重管理、脳の健康、気質、および情動状態)を有意に誘発するのに十分な化合物、組成物、またはこの句によって説明される他の材料の量を指す。化合物、組成物または他の材料の安全かつ有効な量は、処置される生物学的対象の身体的幸福および/または幸福の精神的認識、処置期間、併用処置の性質、使用される具体的な化合物、組成物、または他の材料、用いられる特定の食用または飲用担体、ならびに当業者の知識および専門技術内の因子によって異なり得る。
【0177】
前記組成物は、数日間、数週間、数ヶ月間、または数年間にわたって、任意の間隔で1回、2回、またはそれ以上の回数摂取することができる。食用または飲用組成物は、一般的に経口投与によって摂取される。
【0178】
食用組成物の調製方法
本発明の食用組成物は、食用組成物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、原料を1つ以上のステップで混合して比較的均質化された混合物にすることを含む。
【0179】
本発明の食用組成物は、非水性または単相水性組成物として配合することができる。いくつかの実施形態によれば、食用組成物は粉末の形態である。これらの粉末は、使用時に振盪することにより混合または添加することができる。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、食用または飲用組成物は、好適な溶媒(分散剤)中で各成分の分散液を調製し、pH調整剤で分散液のpHを調整し、分散液を剪断により混合して所望の混合物の形成を可能にすることによって作製される。場合によっては、構成成分の特性のために、分散剤の一方または両方を予熱する必要があり得る。pH調整剤はまた、各分散液に個々に提供されるのではなく、混合された分散液に提供されてもよい。特定の賦形剤は、当該技術分野で一般的に既知であるように、溶媒とのプレミックスとしての添加を必要とする場合がある。それぞれの可能性は、本発明の個別の実施形態を表す。
【0181】
本発明で使用される全ての担体、賦形剤、および希釈剤は、ヒトおよび動物による摂取について承認され、「一般に安全と認められている(GRAS)」ことを理解されたい。
【0182】
本発明のカンナビノイド成分の組み合わせは、上記の比率で混合物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、カンナビジオール酸エステルと、1つ以上の追加のカンナビノイド化合物とを、1つ以上のステップで混合して比較的均一な状態にすることを含む。
【0183】
当業者は、使用される構成成分の性質および組成物の使用目的を考慮して、一般的な知識に基づいて、適切な提示形態、およびそれを調製する方法を選択することができる。
【0184】
以下の実施例は、本発明を例示するために、および当業者に対して本発明の方法の説明を提供するために、本発明の特定の耐用を記載する。「および」という用語または「または」という用語は、文脈による明確な別段の指示がない限り、「および/または」を含む意味で、一般的に用いられることに留意すべきである。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%の変動を包含することを意味する。
【実施例】
【0185】
実施例1.カンナビジオール酸(CBDA)の合成
PCT公開WO2018/235079号に記載されている調製プロセスを適用した。ジメチルホルムアミド(DMF)中のカンナビジオール(CBD、314mg、1mmol)と炭酸マグネシウムメチルの2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)との混合物を130℃で3時間加熱した。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル-石油エーテル)により洗浄した。
【0186】
実施例2.カンナビジオール酸メチルエステル(HU-580)の合成
PCT公開WO2018/235079号に記載されている調製プロセスを適用した。2.5mlのジクロロメタン(CH2Cl2)中のカンナビジオール酸(CBDA)の溶液(175mg、0.488mmol)に、0.02mlのメタノール(CH3OH,0.488mmol)および7.2mgの4-ピロリジノピリジン(0.048mmol)を加えた。反応物を室温で5分間撹拌し、続いてカップリング剤、N、N’ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CH2Cl2)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3)で洗浄し、乾燥剤である硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた後、蒸発させた。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル-石油エーテル)により洗浄する。
【0187】
1H-NMRスペクトルは、重水素化DMSOを用いて、Bruker AMX 300MHz装置を使用して得た。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60F254プレート(Merck)上で実行した。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60Å(Merck)上で行った。化合物は、254nmのUVランプを使用して特定した。
【0188】
1HNMR(300MHz,((CD3)2SO))δ6.18(1H,s,Ar),5.07(1H,s),4.44(1H,s),4.41(1H,s),3.82(3H,s),3.35(1H,m),2.66(1H,m),2.49(2H,t),2.09(1H,b),1.95(3H,s),1.71-1.05(12,ms),0.86(3H,t)
【0189】
実施例3.カンナビノイド成分
本発明のカンナビノイド成分は、混合物を作製する当該技術分野で既知であるような従来の方法によって一般的に調製され、カンナビノイド成分は、カンナビジオール酸エステルを、単独で、または1つ以上の追加のカンナビノイド化合物と組み合わせて含む。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用等を用いてまたは用いずに、カンナビジオール酸エステルと、1つ以上のカンナビノイド化合物(複数可)とを、1つ以上のステップで混合して比較的均一な状態にすることを含む。
【0190】
実施例4.リップクリーム:
【表1】
第1のビーカーで、蜜蝋、ラノリンおよびカルナウバワックスの混合物を65℃に加熱混合し、次いで約35℃に冷却する。第2のビーカーで、カカオバター、種子油、カンナビノイド成分およびトコフェロールの混合物を40℃に加熱混合し、次いで、混合物を第1のビーカーに注いでから、芳香油を加えて混合物中に混合する。最後に、得られた混合物を円筒形の型に注ぎ入れ、室温まで冷却する。
【0191】
実施例5:修復性リーブオンヘアセラムの有効性
プラセボおよびカンナビノイド活性化リーブオン修復ヘアセラムは、以下を含むように調製する:グリセリン、水、デンプン、スクロース、アルコール、水添ヒマシ油、カンナビノイド成分(活性化セラムのみ)、および適切であると思われる追加の賦形剤。未処理の毛髪、脱色した毛髪、おび脱色した処理済み毛髪のサンプルを本試験に使用する。脱色サンプルを酸化剤に基づく脱色手順を用いて損傷させることにより、メラニンおよび他の毛髪成分が酸化される。未処理、プラセボセラムによる処理、または活性化セラムによる処理を複数回繰り返した後、Benaiges et al.(Journal of Applied Polymer Sci.,,2013,861-868)に従って、毛髪サンプルを、つや、強度、収着、および形態変化について評価する。データは、つや、強度、収着、および形態変化への影響について、3因子ANOVAを使用して分析する(p<0.05)。
【0192】
実施例6:アンチエイジングクリームの有効性
アンチエイジングクリームは、皮膚の老化の兆候を軽減する、隠す、または予防するのに役立つ。アンチエイジングクリームは、カンナビノイド成分、ステアリン酸、セチルアルコール、液体パラフィン、グリセリン、メチルパラベン、プロピレングリコール、および蒸留水を含む、当該技術分野で既知の方法を使用して調製される。アンチエイジング効果の証拠は、以下のパラメータを使用した自己評価および臨床評価によって検証される:しわおよびざらつき、皮膚の水分補給、皮膚の弾力性、および皮膚の色。Nigam(Indian J.Dermatol.Venereol.Leprol.,2009,10-19).に従って、クリームを細胞毒性、皮膚刺激、およびアレルギー感作について試験する。
【0193】
実施例7:保湿性および角質除去性キューティクルクリーム
キューティクルクリームは、爪領域の皮膚の様々な美容的な状態、例えば、乾燥肌またはささくれを保湿し、角質を除去し、それに対応するように設計される。キューティクルクリームは、生きている皮膚の角質を除去して調子を整えるだけでなく、爪甲から死んだ角質を取り除く働きもする。キューティクルクリームは、カンナビノイド成分、ステアリン酸、グリセリン、プロピレングリコール、ラノリン、蜜蝋、セチルアルコール、鉱油、芳香剤、着色剤、および水を含む、当該技術分野で既知の方法を使用して作製される。Nigam(Indian J.Dermatol.Venereol.Leprol.,2009,10-19).に従って、クリームを細胞毒性、皮膚刺激、およびアレルギー感作について試験する。
【0194】
実施例8.粉末食用添加剤
粉末添加剤は、タピオカマルトデキストリンもしくは微結晶性セルロースまたはそれらの混合物等の充填剤、大豆レシチン顆粒等の乳化剤、CBDA-ME、および香味剤をブレンドすることによって配合される。全ての原料を、上で詳述したように、室温で高速剪断デバイスに加える。
【0195】
実施例9.飲料水添加剤の配合
飲料水添加剤は、CBDA-MEを充填したリポソームを形成し、次いで水に分散させることによって配合される。任意選択的に、エタノールまたはPEG等の承認された食品に許容される有機溶媒を追加する。
【0196】
実施例10:カンナビノイドでコーティングされた粉砂糖
丸みを帯びた角を有するポリプロピレン容器に粉砂糖を加え、中央を窪ませる。容器の側面に触れないように、加温カンナビノイド液を窪みに注ぎ入れる。容器の蓋を回して閉じ、容器を冷蔵庫に入れてカンナビノイドを硬化させる。冷却した容器を二重非対称遠心分離機(DAC)に入れ、視覚的な均質性を実現するために必要に応じて操作する。カンナビノイドの塊がまだ残っている場合は、粉末が均質になるまで、さらに間隔を置いて容器を操作する。
【0197】
例11:カンナビノイド濃縮油
カンナビノイド成分を植物油に溶解し、必要に応じて所定の期間加熱する。油は、ヒトまたは動物が摂取する食用製品に使用される。油は、食用製品の製造中の所望の段階で組み込まれる。油は、防腐剤および香味剤を含むがこれらに限定されない材料とともに、最終的な「濃縮段階」の間に食用製品に噴霧することができる。
【0198】
例12:ペットフード
ペットフードの原料には、限定されないが、肉、鶏肉、および魚介類の副産物、飼料穀物、大豆粕、トウモロコシ粕、亀裂の入った小麦、大麦、水、肉汁、血液、塩、防腐剤、安定剤、ゲル化剤、豆およびグアーガム、セルロース、カラギナン、ならびに他のデンプンが含まれる。
【0199】
ドライフード:
原料を一緒にミキサーに入れ、しっとりした生地を形成する。生地を高温および高圧力下で調理し、次いで切断して「キブル」に成形する。これは標準気圧に曝露されると急速に膨張する。キブルをオーブンで乾燥し、冷却し、調味料およびカンナビノイド成分を噴霧する。
【0200】
ウェットフード:
カンナビノイド成分を含む原料をミキサーに入れる。空の容器を充填し、密封し、汚染物質を破壊するために所定の温度で所望の時間調理する。
【0201】
前述の特定の実施形態の説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするので、他の人は、現在の知識を適用することによって、過度の実験なしに、および一般的な概念から逸脱することなく、かかる特定の実施形態の様々な用途に容易に修正および/または適合することができ、したがって、かかる適合および変更は、本開示の実施形態の均等物の意味および範囲内で理解されるべきであり、そのように意図されている。本明細書で用いられる表現または用語は、説明を目的としたものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。様々な本開示の機能を実施するための手段、材料、およびステップは、本発明から逸脱することなく、様々な代替形態をとることができる。
【国際調査報告】