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  • 特表-高粘度ニコチン製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】高粘度ニコチン製剤
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/167 20200101AFI20220224BHJP
【FI】
A24B15/167
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021537971
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2019086109
(87)【国際公開番号】W WO2020136061
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】18248225.7
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】スパダーロ ファビアナ
(72)【発明者】
【氏名】タウリーノ イレーヌ
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB21
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC11
4B043BC19
4B043BC20
4B043BC22
(57)【要約】
エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤であって、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有し、一つ以上の水混和性多価アルコールは、グリセリンおよびプロピレングリコールを含み、ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約1.5以上である。エアロゾル発生システム(600)で使用するエアロゾル発生物品(500)であって、エアロゾル発生物品(500)はニコチン製剤(511)を包含する。エアロゾル発生システム(600)は、ニコチン製剤(511)と、ニコチン製剤(511)からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザー(622)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤であって、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、前記ニコチン製剤が、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、前記ニコチン製剤が、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有し、前記一つ以上の水混和性多価アルコールが、グリセリンおよびプロピレングリコールを含み、かつ前記ニコチン製剤の前記グリセリン含有量の重量パーセントと前記プロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比が、約1.5以上である、ニコチン製剤。
【請求項2】
一つ以上の金属塩を含む、請求項1または請求項2に記載のニコチン製剤。
【請求項3】
前記一つ以上の金属塩が、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される、請求項2に記載のニコチン製剤。
【請求項4】
前記一つ以上の金属塩が、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される、請求項3に記載のニコチン製剤。
【請求項5】
前記一つ以上の金属塩が、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択され、好ましくは前記一つ以上の金属塩が、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される、請求項4に記載のニコチン製剤。
【請求項6】
前記一つ以上の金属塩がステアリン酸金属塩を含む、請求項5に記載のニコチン製剤。
【請求項7】
前記一つ以上の金属塩がステアリン酸ナトリウムを含む、請求項2または請求項3に記載のニコチン製剤。
【請求項8】
前記ニコチン製剤が、約0.5重量パーセント~約15重量パーセントの金属塩含有量を有する、請求項2~7のいずれか一項に記載のニコチン製剤。
【請求項9】
ポリビニルアセテート(PVA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレン(PE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)から成る群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のニコチン製剤。
【請求項10】
水を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のニコチン製剤。
【請求項11】
約10重量パーセント以下の含水量を有する、請求項10に記載のニコチン製剤。
【請求項12】
一つ以上の有機酸を含み、前記ニコチン製剤が、約0.5重量パーセント~約4重量パーセントの有機酸含有量を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のニコチン製剤。
【請求項13】
前記ニコチン製剤が、25℃にて約10Pa・s以上の粘度を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のニコチン製剤。
【請求項14】
エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品であって、請求項1~13のいずれか一項に記載のニコチン製剤を包含する、前記エアロゾル発生物品。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載のニコチン製剤と、
前記ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤に関する。本発明はまた、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を含むエアロゾル発生物品と、ニコチン製剤およびアトマイザーを備えるエアロゾル発生システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン製剤から吸入可能なエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーを備える、ニコチンをユーザーに送達するためのエアロゾル発生システムが知られている。一部の周知のエアロゾル発生システムは、ニコチン製剤を加熱および気化してエアロゾルを発生するように構成されている電気ヒーターなどの熱アトマイザーを備える。他の周知のエアロゾル発生システムは、例えば衝突噴流、超音波、または振動メッシュ技術を使用して、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されている非熱アトマイザーを備える。エアロゾル発生システムで使用する典型的なニコチン製剤は、液体ニコチン製剤であり、溶媒としてグリセリン、プロピレングリコール、および水を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生システムで使用される時に、典型的なニコチン製剤と比較して、低減された漏れのリスクを呈するニコチン製剤を提供することが望ましいことになる。
【0004】
エアロゾル発生システムで使用される時に、典型的な液体ニコチン製剤と比較して、ニコチンのより効率的な気化およびユーザーへの増加したニコチン送達を呈するニコチン製剤を提供することも望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0006】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0007】
本発明によると、一つ以上の水混和性多価アルコールを含むニコチン製剤であって、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0008】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有し、一つ以上の水混和性多価アルコールは、グリセリンおよびプロピレングリコールを含み、ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約1.5以上である。
【0009】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有し、一つ以上の水混和性多価アルコールは、グリセリンおよびプロピレングリコールを含み、ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約1.5以上である。
【0010】
本発明によると、一つ以上の水混和性多価アルコールを含むニコチン製剤であって、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有し、一つ以上の水混和性多価アルコールが、グリセリンおよびプロピレングリコールを含み、かつニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比が、約1.5以上である、ニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0011】
本発明に関連して本明細書で使用される「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述する。ニコチン製剤がニコチン塩基またはニコチン塩を含む実施形態において、本明細書に列挙したニコチンの量は、それぞれ遊離塩基ニコチンの量またはプロトン化されたニコチンの量である。
【0012】
本発明に関連して本明細書で使用される「水混和性多価アルコール」という用語は、20℃にて液体であり、かつあらゆる比率で水と混合して均質な溶液を形成する多価アルコールを記述する。
【0013】
別途記載のない限り、本明細書に列挙したニコチン製剤の構成成分の重量割合は、ニコチン製剤の総重量に基づく。
【0014】
典型的な液体ニコチン製剤と比較して、本発明によるニコチン製剤の硬度または粘度の増加は有利なことに、エアロゾル発生システムで使用した時に、典型的な液体ニコチン製剤と比較して、本発明によるニコチン製剤の漏れのリスクを低減する場合がある。
【0015】
有利なことに、ニコチン製剤中にプロピレングリコールを含むことは、剛直性がより低く、脆性がより低く、かつプラグの中に形成するのがより簡単な固体製剤をもたらす場合がある。これらの特性は、製造プロセス中のニコチン製剤の後続の処理および取り扱いを改善する。
【0016】
ニコチン製剤中にプロピレングリコールを含むことはまた、ニコチン製剤の気化を改善することが示されていて、これは所与の加熱サイクルでのより多くのエアロゾルの生成につながる。
【0017】
ニコチン製剤中にプロピレングリコールを含むことによって、ニコチンの気化に起因するエアロゾルのニコチン含有量の改善がある場合もある。これは、グリセリン(沸点290℃)と比較して、より低い沸点(188℃)を有するプロピレングリコールに起因する場合があると考えられる。しかしながら、ニコチン製剤中に大量のプロピレングリコールがある場合、エアロゾルのニコチン含有量は減少することが分かっている。従って、ニコチン製剤中に限られた量のプロピレングリコールを有することが有利である場合がある。
【0018】
本発明によるニコチン製剤は有利なことに、図1図3に図示する通り、エアロゾル形成基体をアトマイザーに向かって移動または前進させるための自動的な機構または手動の機構を備えるエアロゾル発生システムにおいて、エアロゾル形成基体として使用されてもよい。それ故に、エアロゾル形成基体は、使用中にエアロゾル形成基体が消費されている際でさえも、アトマイザーとの接触を維持する。こうしたエアロゾル発生システムにおいて、前進機構は、ニコチン製剤を含むエアロゾル発生物品の一部分、またはニコチン製剤を含むエアロゾル発生物品を受容するエアロゾル発生装置の一部分を形成してもよい。
【0019】
ニコチン製剤は、固体ニコチン製剤であってもよい。
【0020】
本発明に関連して本明細書で使用される「固体ニコチン製剤」という用語は、ニコチンを含む固体製剤を記述する。
【0021】
ニコチン製剤は、液体ニコチン製剤であってもよい。
【0022】
本発明に関連して本明細書で使用される「液体ニコチン製剤」という用語は、ニコチンを含む液体製剤またはニコチンを含むゲル製剤を記述する。
【0023】
本発明に関連して本明細書で使用される「ゲル」という用語は、定常状態にある時に、流れを呈しない、実質的に希釈した架橋システムを記述する。
【0024】
ニコチン製剤は、25℃にて固体であってもよく、または25℃にて約250Pa・s以上、約500Pa・s以上、もしくは約750Pa・s以上の粘度を有してもよい。
【0025】
ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約1000Pa・s以上の粘度を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、25℃にて固体であってもよく、または25℃にて約2500Pa・s以上、約5000Pa・s以上、もしくは約7500Pa・s以上の粘度を有してもよい。
【0026】
ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約10,000Pa・s以上の粘度を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、25℃にて固体であってもよく、または25℃にて約12,500Pa・s以上、約15,000Pa・s以上、もしくは約17,500Pa・s以上の粘度を有してもよい。
【0027】
別途記載のない限り、本明細書に列挙した粘度値は、Thermo Scientific HAAKE RheoStress 6000レオメーターを使用して、MP60(直径60mm)測定プレートを有する平行板P20プローブを使用し、25℃にて、6回転/分(rpm)の速度で測定された、1立方センチメートル(cm3)のニコチン製剤サンプル体積の粘度である。
【0028】
ニコチン製剤は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0029】
ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント以上のニコチン含有量を有してもよい。
【0030】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント以上のニコチン含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約1.5重量パーセント以上のニコチン含有量を有することがより好ましい。
【0031】
ニコチン製剤は、約10重量パーセント以下または約8重量パーセント以下のニコチン含有量を有してもよい。
【0032】
ニコチン製剤は、約5重量パーセント以下のニコチン含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約3重量パーセント以下のニコチン含有量を有することがより好ましい。
【0033】
ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセント、約0.5重量パーセント~約5重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0034】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン含有量を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約8重量パーセント、約1重量パーセント~約5重量パーセント、または約1重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0035】
ニコチン製剤は、約1.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約1.5重量パーセント~約8重量パーセント、約1.5重量パーセント~約5重量パーセント、または約1.5重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン含有量を有してもよい。
【0036】
ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有する。
【0037】
ニコチン製剤は、約50重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約60重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約70重量パーセント以上、約80重量パーセント以上、または約90重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有してもよい。
【0038】
ニコチン製剤は、約95重量パーセント以下の水混和性多価アルコール含有量を有することが好ましい。
【0039】
ニコチン製剤は、約40重量パーセント~約95重量パーセントの水混和性多価アルコール含有量を有してもよい。
【0040】
ニコチン製剤は、約50重量パーセント~約95重量パーセントの水混和性多価アルコール含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約60重量パーセント~約95重量パーセントの水混和性多価アルコール含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約70重量パーセント~約95重量パーセント、約80重量パーセント~約95重量パーセント、または約90重量パーセント~約95重量パーセントの水混和性多価アルコール含有量を有してもよい。
【0041】
ニコチン製剤は、1,3-ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、およびトリエチレングリコールから成る群から選択される一つ以上の水混和性多価アルコールを含むことが好ましい。
【0042】
ニコチン製剤はグリセリンを含むことがより好ましい。
【0043】
ニコチン製剤は植物グリセリンを含むことが最も好ましい。
【0044】
ニコチン製剤は、約5重量パーセント以上のグリセリン含有量を有してもよい。ニコチン製剤は、約10重量パーセント以上、約20重量パーセント以上、または約30重量パーセント以上のグリセリン含有量を有してもよい。
【0045】
ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有することが好ましい。
【0046】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤はグリセリンを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、またニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、グリセリンを含むニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0048】
本発明の好ましい一実施形態によると、グリセリンを含むニコチン製剤であって、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0049】
ニコチン製剤は、約50重量パーセント以上のグリセリン含有量を有することがより好ましい。ニコチン製剤は、約60重量パーセント以上のグリセリン含有量を有することが最も好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約70重量パーセント以上、約80重量パーセント以上、または約90重量パーセント以上のグリセリン含有量を有してもよい。
【0050】
ニコチン製剤は、約95重量パーセント以下のグリセリン含有量を有することが好ましい。
【0051】
ニコチン製剤は、約5重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約10重量パーセント~約95重量パーセント、約20重量パーセント~約95重量パーセント、または約30重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有してもよい。
【0052】
ニコチン製剤は、約40重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約50重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有することがより好ましい。ニコチン製剤は、約60重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有することが最も好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約70重量パーセント~約95重量パーセント、約80重量パーセント~約95重量パーセント、または約90重量パーセント~約95重量パーセントのグリセリン含有量を有してもよい。
【0053】
ニコチン製剤は、グリセリンおよびプロピレングリコールを含んでもよい。
【0054】
ニコチン製剤がグリセリンおよびプロピレングリコールを含む実施形態において、ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約1以上であることが好ましい。ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約1.5以上であることがより好ましい。例えば、ニコチン製剤のグリセリン含有量の重量パーセントとプロピレングリコール含有量の重量パーセントとの比は、約2以上、約2.5以上、または約3以上であってもよい。
【0055】
ニコチン製剤は、一つ以上の金属塩を含むことが好ましい。
【0056】
ニコチン製剤中の一つ以上の金属塩と一つ以上の多価アルコールとの間の結合は、ニコチン製剤を固化させる、またはニコチン製剤の粘度を約100Pa・s以上に増加させる場合がある。これは有利なことに、一つ以上の金属塩を含まない典型的な液体ニコチン製剤と比較して、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤の漏れのリスクを有利に減少させる場合がある。
【0057】
ニコチン製剤中の一つ以上の金属塩と一つ以上の多価アルコールとの間の結合は、一つ以上の多価アルコールの沸点を上昇させる場合がある。これは有利なことに、一つ以上の金属塩を含まない典型的な液体ニコチン製剤と比較して、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤からのニコチンの気化を有利に高める場合がある。
【0058】
理論に束縛されることを望むものではないが、ニコチン製剤中の一つ以上の金属塩と一つ以上の多価アルコールの分子との間の相互作用は、一つ以上の多価アルコールの分子間の相互作用より強い場合がある。これは結果的に、一つ以上の多価アルコールを気化するためにより多くのエネルギーが必要になる場合がある。使用時に、ニコチン製剤中に一つ以上の金属塩を含むことは、それによって有利なことに、一つ以上の金属塩を含まない典型的な液体ニコチン製剤と比較して、ニコチン製剤から発生したエアロゾル中のニコチンの割合を最大1桁増加させる場合がある。
【0059】
ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント以上の金属塩含有量を有することが好ましい。
【0060】
ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント以上または約1重量パーセント以上の金属塩含有量を有してもよい。
【0061】
ニコチン製剤は、約15重量パーセント以下の金属塩含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約12重量パーセント以下の金属塩含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約10重量パーセント以下の金属塩含有量を有してもよい。
【0062】
ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約15重量パーセントの金属塩含有量を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントの金属塩含有量を有してもよい。
【0063】
ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約15重量パーセントの金属塩含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.75重量パーセント~約10重量パーセントの金属塩含有量を有してもよい。
【0064】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約15重量パーセントの金属塩含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約12重量パーセント、または約1重量パーセント~約10重量パーセントの金属塩含有量を有してもよい。
【0065】
一つ以上の金属塩は、約500g/mol以下または約400g/mol以下のモル質量を有してもよい。
【0066】
一つ以上の金属塩は、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩であることが好ましい。
【0067】
一つ以上の金属塩は、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択されることが好ましい。
【0068】
一つ以上の金属塩は、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択されることが好ましい。
【0069】
一つ以上の金属塩は、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択されることが好ましい。
【0070】
好ましくは、一つ以上の金属塩は、ステアリン酸金属塩を含むことが好ましい。
【0071】
有利なことに、ニコチン製剤中の一つ以上のステアリン酸金属塩と一つ以上の水混和性多価アルコールとの間の共有結合は、一つ以上の水混和性多価アルコールの沸点をさらに上昇させる場合がある。製剤がニコチンを含む時、これは有利なことに、一つ以上のステアリン酸金属塩を含まない典型的な液体ニコチン製剤と比較して、エアロゾル発生システムで使用される時に、ニコチン製剤からのニコチンの気化の効率を高める場合がある。
【0072】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0073】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0074】
本発明の好ましい一実施形態によると、ニコチン製剤であって、一つ以上の水混和性多価アルコールと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含み、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0075】
一つ以上の金属塩は、アルギン酸金属塩およびステアリン酸金属塩から成る群から選択されることがより好ましい。
【0076】
ニコチン製剤は、一つ以上のステアリン酸金属塩を含むことが最も好ましい。
【0077】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0078】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコールおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0079】
本発明の好ましい一実施形態によると、ニコチン製剤であって、一つ以上の水混和性多価アルコールおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含み、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する、ニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0080】
ニコチン製剤は、グリセリンと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含むことが好ましい。
【0081】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、グリセリンと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0082】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、グリセリンと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含むニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0083】
本発明の好ましい一実施形態によると、ニコチン製剤であって、グリセリンと、アルギン酸金属塩、安息香酸金属塩、ケイ皮酸金属塩、シクロヘプタンカルボン酸金属塩、レブリン酸金属塩、プロパン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、およびウンデカン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含み、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0084】
ニコチン製剤は、グリセリンと、アルギン酸金属塩およびステアリン酸金属塩から成る群から選択される一つ以上の金属塩とを含むことがより好ましい。
【0085】
ニコチン製剤は、グリセリンおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含むことが最も好ましい。
【0086】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤はグリセリンおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、またニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0087】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、グリセリンおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含むニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0088】
本発明の好ましい一実施形態によると、グリセリンおよび一つ以上のステアリン酸金属塩を含むニコチン製剤であって、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0089】
ニコチン製剤中の一つ以上のステアリン酸金属塩とグリセリンとの間の共有結合は、ニコチン製剤を固化させる、またはニコチン製剤の粘度を約100Pa・s以上に増加させる場合がある。これは有利なことに、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤の漏れのリスクを低減する場合がある。
【0090】
ニコチン製剤中の一つ以上のステアリン酸金属塩とグリセリンとの間の共有結合は、グリセリンの沸点を上昇させる場合がある。これは有利なことに、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤からのニコチンの気化を高める場合がある。
【0091】
ニコチン製剤は、任意の適切な金属の一つ以上の塩を含んでもよい。
【0092】
一つ以上の金属塩は、一つ以上のアルカリ金属塩であることが好ましい。
【0093】
一つ以上の金属塩は、一つ以上のナトリウム塩であることがより好ましい。
【0094】
一つ以上の金属塩は、アルギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ケイ皮酸ナトリウム、シクロヘプタンカルボン酸ナトリウム、レブリン酸ナトリウム、プロパン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、およびウンデカン酸ナトリウムから成る群から選択される一つ以上のナトリウム塩であることがより好ましい。
【0095】
一つ以上の塩は、アルギン酸ナトリウムおよびステアリン酸ナトリウムから成る群から選択される一つ以上のナトリウム塩であることが最も好ましい。
【0096】
ニコチン製剤がアルギン酸ナトリウムを含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント以上または約0.5重量パーセント以上のアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント以上または約1重量パーセント以上のアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0097】
ニコチン製剤は、約15重量パーセント以下のアルギン酸ナトリウム含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約12重量パーセント以下のアルギン酸ナトリウム含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約10重量パーセント以下のアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0098】
ニコチン製剤がアルギン酸ナトリウムを含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント~約15重量パーセントのアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.25重量パーセント~約10重量パーセントのアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0099】
ニコチン製剤がアルギン酸ナトリウムを含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約15重量パーセントのアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0100】
ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約15重量パーセントのアルギン酸ナトリウムを有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.75重量パーセント~約10重量パーセントのアルギン酸ナトリウムを有してもよい。
【0101】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約15重量パーセントのアルギン酸ナトリウムを有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約12重量パーセント、または約1重量パーセント~約10重量パーセントのアルギン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0102】
ニコチン製剤は、ステアリン酸ナトリウムを含むことが特に好ましい。
【0103】
高い加重平均分子量を有する金属塩は、ニコチンの気化の効率に関する上述の利点を改善する場合がある。しかしながら、金属塩の加重平均分子量が過度に高い場合、溶解度などの特性が悪影響を受け始める。有利なことに、製剤中にステアリン酸ナトリウムを含むことは、溶解度を維持する一方で、ニコチンの気化の効率の改善において最適なトレードオフを提供する場合がある。
【0104】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコール、およびステアリン酸ナトリウムを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0105】
本発明の好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、一つ以上の水混和性多価アルコール、およびステアリン酸ナトリウムを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0106】
本発明の好ましい一実施形態によると、ニコチン製剤であって、一つ以上の水混和性多価アルコール、およびステアリン酸ナトリウムを含み、約40重量パーセント以上の水混和性多価アルコール含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0107】
ニコチン製剤がステアリン酸ナトリウムを含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント以上のステアリン酸ナトリウム含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント以上のステアリン酸ナトリウム含有量を有することがより好ましい。
【0108】
例えば、ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント以上または約1重量パーセント以上のステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0109】
ニコチン製剤は、約15重量パーセント以下のステアリン酸ナトリウム含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約12重量パーセント以下のステアリン酸ナトリウム含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約10重量パーセント以下のステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0110】
ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント~約15重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約0.25重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.25重量パーセント~約10重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0111】
ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約15重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0112】
ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約15重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.75重量パーセント~約12重量パーセント、または約0.75重量パーセント~約10重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0113】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約15重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約12重量パーセント、または約1重量パーセント~約10重量パーセントのステアリン酸ナトリウム含有量を有してもよい。
【0114】
ニコチン製剤は、グリセリンおよびステアリン酸ナトリウムを含むことが特に好ましい。
【0115】
ニコチン製剤中のステアリン酸ナトリウムとグリセリンの間の共有結合は、ニコチン製剤を固化させる、またはニコチン製剤の粘度を約100Pa・s以上に増加させる場合がある。これは有利なことに、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤の漏れのリスクを低減する場合がある。
【0116】
ニコチン製剤中のステアリン酸ナトリウムとグリセリンの間の共有結合は、グリセリンの沸点を上昇させる場合がある。これは有利なことに、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤からのニコチンの気化を高める場合がある。
【0117】
本発明の特に好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するニコチン製剤が提供されていて、ニコチン製剤はグリセリンおよびステアリン酸ナトリウムを含み、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、またニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0118】
本発明の特に好ましい一実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は、グリセリンおよびステアリン酸ナトリウムを含むニコチン製剤を包含し、ニコチン製剤は、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、ニコチン製剤は、25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する。
【0119】
本発明の特に好ましい一実施形態によると、グリセリンおよびステアリン酸ナトリウムを含むニコチン製剤であって、約40重量パーセント以上のグリセリン含有量を有し、かつ25℃にて固体であるか、または25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0120】
ニコチン製剤は、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレン(PE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)から成る群から選択される一つ以上のポリマーを含んでもよい。
【0121】
ポリビニルアセテート(PVA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレン(PE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)から成る群から選択される一つ以上のポリマーを含むことは、ニコチン製剤の粘度を約100Pa・s以上に増加させる場合がある。これは有利なことに、エアロゾル発生システムで使用される時、ニコチン製剤の漏れのリスクを低減する場合がある。
【0122】
ニコチン製剤は、水を含んでもよい。
【0123】
ニコチン製剤は、約20重量パーセント以下または約15重量パーセント以下の含水量を有してもよい。
【0124】
ニコチン製剤は、約10重量パーセント以下の含水量を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約8重量パーセント以下または約6重量パーセント以下の含水量を有してもよい。
【0125】
ニコチン製剤が水を含む実施形態において、ニコチン製剤は、約1重量パーセント以上の含水量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント以上または約3重量パーセント以上の含水量を有してもよい。
【0126】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約20重量パーセントの含水量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント~約20重量パーセント、または約3重量パーセント~約20重量パーセントの含水量を有してもよい。
【0127】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約15重量パーセントの含水量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント~約15重量パーセント、または約3重量パーセント~約15重量パーセントの含水量を有してもよい。
【0128】
ニコチン製剤が水を含む実施形態において、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約10重量パーセントの含水量を有することが好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント~約10重量パーセント、または約3重量パーセント~約10重量パーセントの含水量を有してもよい。
【0129】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約8重量パーセントの含水量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント~約8重量パーセント、または約3重量パーセント~約8重量パーセントの含水量を有してもよい。
【0130】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約6重量パーセントの含水量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント~約6重量パーセント、または約3重量パーセント~約6重量パーセントの含水量を有してもよい。
【0131】
ニコチン製剤は、一つ以上の有機酸を含んでもよい。
【0132】
一部の実施形態において、一つ以上の有機酸は水溶性有機酸であってもよい。本発明に関連して本明細書で使用される「水溶性有機酸」という用語は、20℃にて約100mg/mL以上、好ましくは約500mg/mL以上、より好ましくは約750mg/mL以上、最も好ましくは約1000mg/mL以上の水溶性を有する有機酸を記述する。
【0133】
別途記載のない限り、本明細書に列挙した水溶性値は、OECD(1995),Test No.105:Water Solubility,OECD Guidelines for the Testing of Chemicals,Section 1,OECD Publishing,Paris,https://doi.org/10.1787/9789264069589-enの事前試験に基づいて測定された水溶性である。段階的手順において、蒸留水の増加体積が20℃にて10mLのガラスストッパ付きメスシリンダー中の0.1gの試料(固形物質は粉砕されなければならない)に添加される。しかしながら、物質が酸である場合、試料は第一の工程で蒸留水に添加される。ある量の水の毎回の添加後に、混合物を10分間振盪し、試料の溶解していない部分がないかを視覚的に確認した。10mLの水を添加した後、試料または試料の一部が溶解していないままである場合、この実験は100mLのメスシリンダーで継続される。その体積の水で試料の完全な溶解が起こるおよその溶解度が以下の表1に示されている。
【0134】
溶解度が低い時、物質を溶解するのに長い時間が必要とされる場合があり、少なくとも24時間かけるべきである。24時間後に物質が依然として溶解していない場合、メスシリンダーを40℃にて超音波浴中に15分間定置し、さらに24時間かける(最大96時間まで)。物質が依然として溶解していない場合、溶解度が限界値を下回るか、または可溶性ではないと見なされる。
【0135】
【表1】
【0136】
ニコチン製剤は、一つ以上のカルボン酸を含んでもよい。
【0137】
適切なカルボン酸としては、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、ピルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
ニコチン製剤が一つ以上の有機酸を含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント以上、または約1重量パーセント以上の有機酸含有量を有してもよい。
【0139】
ニコチン製剤は、約6重量パーセント以下の有機酸含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約4重量パーセント以下の有機酸含有量を有することがより好ましい。例えば、ニコチン製剤は、約2重量パーセント以下の有機酸含有量を有してもよい。
【0140】
ニコチン製剤が一つ以上の有機酸を含む実施形態において、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約6重量パーセントの有機酸含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約0.5重量パーセント~約4重量パーセント、または約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの有機酸含有量を有してもよい。
【0141】
ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約6重量パーセントの有機酸含有量を有してもよい。例えば、ニコチン製剤は、約1重量パーセント~約4重量パーセント、または約1重量パーセント~約2重量パーセントの有機酸含有量を有してもよい。
【0142】
ニコチン製剤は、一つ以上の風味剤を含んでもよい。適切な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
【0143】
ニコチン製剤は、約4重量パーセント以下の風味剤含有量を有することが好ましい。ニコチン製剤は、約3重量パーセント以下の風味剤含有量を有することがより好ましい。
【0144】
本発明によると、エアロゾル発生システムで使用するエアロゾル発生物品も提供されていて、エアロゾル発生物品は本発明によるニコチン製剤を包含する。
【0145】
エアロゾル発生物品は、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーを備えてもよい。
【0146】
エアロゾル発生物品はカートリッジであってもよい。
【0147】
ニコチン製剤およびアトマイザーを包含するカートリッジは、「カトマイザー」と呼ばれる場合がある。
【0148】
アトマイザーは、熱アトマイザーであってもよい。
【0149】
本発明に関連して本明細書で使用される「熱アトマイザー」という用語は、ニコチン製剤を加熱してエアロゾルを発生するよう構成されているアトマイザーを記述する。
【0150】
エアロゾル発生物品は、任意の適切なタイプの熱アトマイザーを備えてもよい。
【0151】
熱アトマイザーは電気ヒーターを備えてもよい。例えば、熱アトマイザーは、抵抗発熱体または誘導発熱体を備える電気ヒーターを備えてもよい。
【0152】
発熱体はグリッドまたはメッシュ要素または層であってもよい。こうした実施形態において、ニコチン製剤は、グリッドまたはメッシュ要素を形成するすきま空間の中に流れてもよい。
【0153】
アトマイザーは、非熱アトマイザーであってもよい。
【0154】
本発明に関連して本明細書で使用される「非熱アトマイザー」という用語は、加熱以外の方法によってニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されているアトマイザーを記述する。
【0155】
エアロゾル発生物品は、任意の適切なタイプの非熱アトマイザーを含んでもよい。
【0156】
例えば、非熱アトマイザーは、衝突噴流アトマイザー、超音波アトマイザー、または振動メッシュアトマイザーであってもよい。
【0157】
本発明によると、本発明によるニコチン製剤と、ニコチン製剤からエアロゾルを発生するように構成されたアトマイザーとを備えるエアロゾル発生システムがさらに提供されている。
【0158】
アトマイザーは、熱アトマイザーであってもよい。
【0159】
エアロゾル発生システムは、任意の適切なタイプの熱アトマイザーを備えてもよい。
【0160】
熱アトマイザーは電気ヒーターを備えてもよい。例えば、熱アトマイザーは、抵抗発熱体または誘導発熱体を備える電気ヒーターを備えてもよい。
【0161】
発熱体はグリッドまたはメッシュ要素または層であってもよい。こうした実施形態において、ニコチン製剤は、グリッドまたはメッシュ要素を形成するすきま空間の中に流れてもよい。
【0162】
アトマイザーは、非熱アトマイザーであってもよい。
【0163】
エアロゾル発生システムは、任意の適切なタイプの非熱アトマイザーを備えてもよい。
【0164】
例えば、非熱アトマイザーは、衝突噴流アトマイザー、超音波アトマイザー、または振動メッシュアトマイザーであってもよい。
【0165】
エアロゾル発生システムは、ニコチン製剤を包含する本発明によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するように構成された装置空洞を画定するハウジングを備えるエアロゾル発生装置とを備えてもよい。
【0166】
エアロゾル発生システムは、ニコチン製剤を包含する本発明による消耗品エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するように構成された装置空洞を画定するハウジングを備える再使用可能なエアロゾル発生装置とを備えてもよい。
【0167】
エアロゾル発生装置は、電池および制御電子機器を備えてもよい。
【0168】
エアロゾル発生システムは、ニコチン製剤およびアトマイザーを包含する本発明によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するように構成された装置空洞を画定するハウジングを備えるエアロゾル発生装置とを備えてもよい。
【0169】
エアロゾル発生システムは、ニコチン製剤を包含する本発明によるエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品およびアトマイザーの少なくとも一部分を受容するように構成された装置空洞を画定するハウジングを備えるエアロゾル発生装置とを備えてもよい。
【0170】
疑義を避けるために、本発明の一態様に関する上述の特徴はまた、本発明の他の態様にも適用されてもよい。特に、本発明のニコチン製剤に関する上述の特徴はまた、適切な場合、本発明のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生システムに関する場合がある。同様に、本発明のエアロゾル発生物品に関する上述の特徴はまた、適切な場合、本発明のエアロゾル発生システムに関する場合があり、その逆も可能である。
【0171】
例証としてのみであるが、以下の実施例および添付図面を参照しながら、ここで本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0172】
図1図1は、エアロゾル発生装置と、本発明によるニコチン製剤を含むエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略断面側面図である。
図2図2は、本発明によるニコチン製剤を含むばね式エアロゾル発生物品の概略断面図である。
図3図3は、本発明によるニコチン製剤を含む「リップスティック」前進機構のエアロゾル発生物品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0173】
図1は、エアロゾル発生装置600とエアロゾル発生物品500とを備えるエアロゾル発生システム400を示す。
【0174】
図1に示すエアロゾル発生装置600は、エアロゾル発生物品500を受容するために構成されている。エアロゾル発生装置600は、ハウジング601と、ハウジング601の中にされた受容部610とを備える。受容部610は、エアロゾル発生物品500を受容するために構築されている。受容部610は、エアロゾル発生物品500が受容部610の中に挿入されている時、エアロゾル発生物品500の少なくとも一部分が受容部610の外側に留まるように、サイズ設定されてもよく、また形作られてもよい。
【0175】
エアロゾル発生装置600は、受容部610の閉端部に発熱体622を備える。発熱体622はメッシュ層を備える。
【0176】
エアロゾル発生装置600は、コントローラ653および随意のグラフィカルユーザーインターフェース652に動作可能に接続された電源651を含んでもよい。コントローラ653に動作可能に接続された電源651は、ハウジング601内に配置されてもよい。グラフィカルユーザーインターフェース652は、ハウジング601上に配置されてもよい。
【0177】
エアロゾル発生物品500は、空洞開口部515を有する空洞512を画定する本体512を含む。エアロゾル形成基体511は空洞510の中に配置されている。本体512は、リングまたは回転部分または固定された支持部であってもよい閉鎖端部分551を含む。
【0178】
別の方法として、エアロゾル発生物品500は前進機構を含んでもよく、エアロゾル発生物品500の近位端に配設されてもよい。前進機構は、ピストンタイプの要素として構成されてもよい。前進機構は、ねじタイプの要素として構成されてもよい。前進機構は、回転移動を横方向の移動に変換してもよい。
【0179】
エアロゾル発生物品500の空洞開口部は、エアロゾル発生物品500がエアロゾル発生装置600の受容部610の中に受容されている時、発熱体622に当接する。発熱体622は空洞開口部515に近接して配置されている。エアロゾル発生物品500のエアロゾル形成基体511は、発熱体622のメッシュ層の中に、かつこのメッシュ層を通して流れる場合がある本発明によるニコチン製剤である。
【0180】
空気はエアロゾル発生装置600の受容部610の中に流れ、加熱されたエアロゾル形成基体511からの揮発したエアロゾル構成成分を同伴し、エアロゾル発生装置600を通して、空気チャネル650を経由し、消費者に流れてもよい。
【0181】
図2は、ばね式エアロゾル発生物品500の概略断面図である。エアロゾル発生物品500は、空洞開口部515を有する空洞510を画定する本体512を含む。エアロゾル形成基体511は空洞512の中に配置されている。発熱体622は空洞開口部515に近接して配置されている。本体512は、固定された支持部であってもよい閉鎖端部分551を含む。ばね要素517は、移動可能な剛直な基部513を、本体512に固定されたばね支持部551に対して付勢する。エアロゾル形成基体511は、本発明によるニコチン製剤である。
【0182】
図3は、「リップスティック」前進機構のエアロゾル発生物品500の概略断面図である。エアロゾル発生物品500は、空洞開口部515を有する空洞510を画定する本体512を含む。エアロゾル形成基体511は空洞512の中に配置されている。発熱体622は空洞開口部515に近接して配置されている。本体512は、移動可能な剛直な基部513に連結されている、かつ回転移動をスパイラルまたはらせん状の溝514を介して横方向の移動に変換する、リングまたは回転要素551を含む。ピン(図示せず)は、剛直な基部513をスパイラルまたはらせん状の溝514に連結して、エアロゾル形成基体511の横方向の移動を提供する。エアロゾル形成基体511は、本発明によるニコチン製剤である。
【0183】
代替的な実施形態(図示せず)において、エアロゾル発生システムは、発熱体622に向かってエアロゾル形成基体511を移動または前進させる自動機構を備えてもよい。こうした代替的な実施形態において、エアロゾル発生装置600のコントローラ653は、エアロゾル発生物品500またはエアロゾル発生装置600のいずれか上のアクチュエータまたは前進機構を起動して、発熱体622がエアロゾル形成基体511と接触していないことを検出した後、エアロゾル形成基体511および剛直な基部513を発熱体622に向かって前進させてもよい。
【0184】
実施例
25℃にて約100Pa・s以上の粘度を有する本発明による三つのニコチン製剤(実施例A、BおよびC)を、表2に示される組成物および粘度を有するように調製した。
【0185】
【表2】
【0186】
25℃にて固体である本発明による三つのニコチン製剤(実施例D、E、およびF)を、表3に示す組成を有するように調製した。
【0187】
【表3】
【0188】
ニコチン組成物のそれぞれを、以下によって調製した。
(1)ホットプレート攪拌器を使用して、一つ以上の多価アルコールを約100℃~約120℃の温度に加熱し、
(2)常に攪拌しながら、前記一つ以上の多価アルコールに一つ以上の金属塩の微粉を加え、その後、混合物が透明になるまで混合物を約85℃~約95℃の温度に加熱し続け、
(3)透明な混合物に水を添加し、
(4)常に攪拌しながら、混合物の加熱温度を約50℃に減少させ、かつ混合物にニコチンを添加し、
(5)加熱された混合物を型の中に注ぎ、その後、混合物を冷却させ、かつ凝結させて前記ニコチン組成物を形成する。
【0189】
表2に示される通り、約1重量パーセント以下の金属塩(ステアリン酸ナトリウム)を含むことは、25℃にて約185Pa・s以上の粘度を有するニコチン製剤をもたらす。
【0190】
表3に示される通り、約8重量パーセント以上の金属塩(ステアリン酸ナトリウムおよびアルギン酸ナトリウム)を含むことは、25℃にて固体であるニコチン製剤をもたらす。
図1
図2
図3
【国際調査報告】