(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備
(51)【国際特許分類】
C02F 3/34 20060101AFI20220224BHJP
B01D 53/38 20060101ALI20220224BHJP
C02F 11/02 20060101ALI20220224BHJP
C02F 1/32 20060101ALI20220224BHJP
C02F 1/78 20060101ALI20220224BHJP
C02F 1/58 20060101ALI20220224BHJP
B01D 21/00 20060101ALI20220224BHJP
B01D 21/02 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
C02F3/34 101B
C02F3/34 101C
B01D53/38 110
C02F11/02 ZAB
C02F1/32
C02F1/78
C02F1/58 R
B01D21/00 D
B01D21/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538150
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2019127393
(87)【国際公開番号】W WO2020135323
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811594427.3
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521282055
【氏名又は名称】湖南智水環境工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廖文贇
(72)【発明者】
【氏名】蒋明杰
(72)【発明者】
【氏名】劉双
(72)【発明者】
【氏名】周東
(72)【発明者】
【氏名】陳光明
【テーマコード(参考)】
4D002
4D037
4D038
4D040
4D050
4D059
【Fターム(参考)】
4D002AA03
4D002AA13
4D002AC10
4D002BA03
4D002CA07
4D002DA41
4D002EA08
4D002GA02
4D002GA04
4D037AA11
4D037AB03
4D037BA18
4D037CA07
4D038AA08
4D038AB43
4D038BA06
4D038BB12
4D038BB19
4D040BB05
4D040BB33
4D040BB42
4D040BB57
4D040BB73
4D040BB82
4D040BB91
4D040BB92
4D050AA15
4D050AB06
4D050BB02
4D050BD06
4D050CA17
4D059AA03
4D059BA03
4D059BJ00
4D059BK24
4D059CA22
4D059CA28
(57)【要約】
本発明は、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備を開示し、汚水処理設備は、互いに仕切られる嫌気領域、好気領域、沈殿領域、汚泥削減領域及び設備領域が内部に設けられる外部ボックスを含み、嫌気領域と、好気領域と、沈殿領域と、汚泥削減領域とが順に連通し、嫌気領域が浄化槽と連通し、一部の混合液を嫌気領域に還流するように、好気領域が嫌気領域と連通し、一部の活性汚泥を嫌気領域に還流するように、沈殿領域が嫌気領域と連通し、汚泥削減領域が嫌気領域又は浄化槽と連通し、設備領域内には、汚水処理過程の各パラメータを検出する検出ユニット、及び検出ユニットの検出結果に基づいて、汚水処理設備の各種の汚水処理装置の稼働状態を制御するコントローラが設けられる。本発明の複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備は、排水の品質が安定し、自動化調整を実現し、省エネルギー・排出削減の効果を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数住宅から排出された生活汚水に対して一体化処理を行い、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備であって、
互いに仕切られる嫌気領域(11)、好気領域(12)、沈殿領域(13)、汚泥削減領域(14)、及び設備領域が内部に設けられる外部ボックスを含み、
嫌気領域(11)と、好気領域(12)と、沈殿領域(13)と、汚泥削減領域(14)とが順に連通し、嫌気領域(11)が浄化槽と連通し、一部の混合液を嫌気領域(11)に還流するように、好気領域(12)がさらに嫌気領域(11)と還流管路を介して連通し、沈殿領域(13)がさらに嫌気領域(11)と還流管路を介して連通し、一部の活性汚泥を嫌気領域(11)に還流するように、汚泥削減領域(14)が嫌気領域(11)又は浄化槽と連通し、
設備領域内には、汚水処理過程の各パラメータを検出する検出ユニット(161)と、検出ユニット(161)の検出結果に基づいて、汚水処理設備の各種の汚水処理装置の稼働状態を制御するコントローラ(162)とが設けられ、汚水処理装置は、送風機(163)、リフトポンプ、薬剤投入装置、リン物理的除去装置、リン化学的除去装置、混合液還流ポンプ、第2の電気制御スイッチ素子及び炭素源補充装置のうち1種又は複数種を含む、ことを特徴とする汚水処理設備。
【請求項2】
沈殿領域(13)には、水高度処理装置が設けられ、水高度処理装置は、給水口及び排水口が上部に設けられるボックス(131)を含み、
ボックス(131)内には、垂直流体沈殿ユニット(132)、及び傾斜管沈殿ユニット(133)又は傾斜板沈殿ユニットが設けられ、垂直流体沈殿ユニット(132)は、給水口から導入された流体を縦方向に沿って案内し、傾斜壁により反射することで、跳ね上げて出力するものであり、傾斜管沈殿ユニット(133)又は傾斜板沈殿ユニットは、垂直流体沈殿ユニット(132)の出力位置に敷設され、垂直流体沈殿ユニット(132)から出力された流体を傾斜沈殿するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項3】
外部ボックス内には、沈殿領域(13)と連通し且つ沈殿領域(13)から排出された浄水に対してさらに消毒殺菌処理を行う消毒殺菌領域(15)がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の汚水処理設備。
【請求項4】
汚泥削減領域(14)に汚泥削減装置が設けられ、汚泥削減装置は、
曝気することで、微生物からなる活性汚泥と汚水中の有機汚染物とを混合接触し、有機汚染物を分解する曝気ユニット(141)と、
曝気ユニット(141)において生じた残りの活性汚泥の加水分解過程を高周波振動により加速する細胞壁破壊ユニット(142)と、
活性汚泥を還流し無機泥を排出するように、細胞壁破壊ユニット(142)から排出され活性汚泥及び汚水を含む混合液を沈殿する沈殿ユニット(143)とを含み、
曝気ユニット(141)は、沈殿領域(13)と連通し、細胞壁破壊ユニット(142)は、それぞれ曝気ユニット(141)、及び沈殿ユニット(143)と連通し、沈殿ユニット(143)は、さらに、曝気ユニット(141)と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項5】
嫌気領域(11)の最上部に脱臭装置が取り付けられ、前記脱臭装置は、ハウジング(111)と、嫌気領域(11)内の水がハウジング(111)に入ることを防止する保護層(112)と、嫌気領域(11)内において浮き上がった臭気を物理的に吸着する物理吸着層(113)と、物理吸着層(113)を加熱脱着して再生する加熱ユニット(115)と、物理吸着層(113)で吸着処理済みの気体を大気に排出する排気弁(116)とを含み、
ハウジング(111)は、嫌気領域(11)に密封接続され、ハウジング(111)の底部に通気チャンネルが開設され、保護層(112)、及び物理吸着層(113)がハウジング(111)内に収容され、保護層(112)がハウジング(111)の底部に位置し、物理吸着層(113)が保護層(112)の上方に位置し、排気弁(116)がハウジング(111)の最上部に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項6】
検出ユニット(161)は、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のCOD値を検出するCOD検出器を含み、嫌気領域(11)内には、嫌気領域(11)に汚水を導入するリフトポンプが設けられ、COD検出器及びリフトポンプがいずれもコントローラ(162)に接続され、コントローラ(162)は、COD検出器の検出結果に基づいてリフトポンプのインバーターの周波数を制御し、又は
検出ユニット(161)は、汚水処理設備の給水位置及び排水位置に位置し且つ汚水処理設備の給水のCOD値及び排水のCOD値を検出するCOD検出器を含み、嫌気領域(11)内には、嫌気領域(11)に汚水を導入するリフトポンプが設けられ、COD検出器及びリフトポンプがいずれもコントローラ(162)に接続され、コントローラ(162)は、COD検出器の検出結果に基づいてリフトポンプのインバーターの周波数を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項7】
検出ユニット(161)は、汚水処理設備の排水のリン総含有量を検出するリン総含有量検出器をさらに含み、汚水処理設備は、物理的に吸着して沈殿することで、汚水中のリン総含有量を低減させるリン物理的除去装置を含み、リン物理的除去装置及びリン総含有量検出器がいずれもコントローラ(162)に接続され、
コントローラ(162)は、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、リン物理的除去装置の稼働状態を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項8】
汚水処理設備は、汚水中のリン総含有量を低減させるように、汚水に薬剤を投入するリン化学的除去装置をさらに含み、リン化学的除去装置は、コントローラ(162)に接続される薬剤投入ポンプを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の汚水処理設備。
【請求項9】
検出ユニット(161)は、好気領域(12)内に位置し且つ好気領域(12)における溶解酸素濃度を検出する溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータをさらに含み、設備領域には、好気領域(12)に空気を導入する送風機(163)が設けられ、
コントローラ(162)は、溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータの検出結果に基づいて、送風機(163)のインバーターの周波数を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【請求項10】
検出ユニット(161)は、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量を検出するアンモニア態窒素検出器を含み、汚水処理設備は、汚水処理設備の好気領域(12)における混合液を嫌気領域(11)に還流する混合液還流ポンプを含み、アンモニア態窒素検出器及び混合液還流ポンプがいずれもコントローラ(162)に接続され、
コントローラ(162)は、アンモニア態窒素検出器の検出結果に基づいて、混合液還流ポンプの稼働状態を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の汚水処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理設備の技術分野に関し、特に、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、中国の工業化と都市化のプロセスが加速し、産業レイアウトと経済的構造の調整が強化されるが、人間の居住環境の管理が弱く、政策が遅れており、産業汚染と都市の生活汚染が急激に増加している。都市下水の収集パイプラインがカバーされていない地域では、現在、複数住宅の下水処理装置の配置プランが市場に出ているが、体積が大きく、排水指標の達成率が低く、普及性が低く、実際に、複数住宅の汚水の全面的処理を実現しにくいという問題がある。また、従来の複数住宅の汚水処理設備は、排水の品質の検出結果に応じて、自動化調整を行うことができ、汚水処理設備の排水の品質が安定しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の複数住宅の汚水処理設備が排水の品質の検出結果に応じて、自動化調整を行うことができず、汚水処理設備の排水の品質が安定しないという技術課題を解決するように、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、複数住宅から排出された生活汚水に対して一体化処理を行い、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備が提供され、汚水処理設備は、互いに仕切られる嫌気領域、好気領域、沈殿領域、汚泥削減領域、及び設備領域が内部に設けられる外部ボックスを含み、
嫌気領域と、好気領域と、沈殿領域と、汚泥削減領域とが順に連通し、嫌気領域が浄化槽と連通し、一部の混合液を嫌気領域に還流するように、好気領域がさらに嫌気領域と還流管路を介して連通し、一部の活性汚泥を嫌気領域に還流するように、沈殿領域がさらに嫌気領域と還流管路を介して連通し、汚泥削減領域が嫌気領域又は浄化槽と連通し、
設備領域内には、汚水処理過程の各パラメータを検出する検出ユニット、及び検出ユニットの検出結果に基づいて、汚水処理設備の各種の汚水処理装置の稼働状態を制御するコントローラが設けられ、汚水処理装置は、送風機、リフトポンプ、薬剤投入装置、リン物理的除去装置、リン化学的除去装置、混合液還流ポンプ、第2の電気制御スイッチ素子及び炭素源補充装置のうち1種又は複数種を含む。
【0005】
さらに、沈殿領域に水高度処理装置が設けられ、前記水高度処理装置は、給水口及び排水口が上部に設けられるボックスを含み、
ボックス内には、垂直流体沈殿ユニット、及び傾斜管沈殿ユニット又は傾斜板沈殿ユニットが設けられ、垂直流体沈殿ユニットは、給水口から導入された流体を縦方向に沿って案内し、傾斜壁により反射することで、跳ね上げて出力するものであり、傾斜管沈殿ユニット又は傾斜板沈殿ユニットは、垂直流体沈殿ユニットの出力位置に敷設され、垂直流体沈殿ユニットから出力された流体を傾斜沈殿するものである。
【0006】
さらに、外部ボックス内には、沈殿領域と連通し且つ沈殿領域から排出された浄水に対してさらに消毒殺菌処理を行う消毒殺菌領域がさらに設けられる。
【0007】
さらに、汚泥削減領域に汚泥削減装置が設けられ、汚泥削減装置は、
曝気することで、微生物からなる活性汚泥と汚水中の有機汚染物とを混合接触し、有機汚染物を分解する曝気ユニットと、
曝気ユニットにおいて生じた残りの活性汚泥の加水分解過程を高周波振動により加速する細胞壁破壊ユニットと、
活性汚泥を還流し無機泥を排出するように、細胞壁破壊ユニットから排出され活性汚泥及び汚水を含む混合液を沈殿する沈殿ユニットとを含み、
曝気ユニットは、沈殿領域と連通し、細胞壁破壊ユニットは、それぞれ曝気ユニット及び沈殿ユニットと連通し、沈殿ユニットは、さらに、曝気ユニットと連通する。
【0008】
さらに、嫌気領域の最上部に脱臭装置が取り付けられ、前記脱臭装置は、ハウジングと、嫌気領域内の水がハウジングに入ることを防止する保護層と、嫌気領域内において浮き上がった臭気を物理的に吸着する物理吸着層と、物理吸着層を加熱脱着して再生する加熱ユニットと、物理吸着層で吸着処理済みの気体を大気に排出する排気弁とを含み、
ハウジングは、嫌気領域に密封接続され、ハウジングの底部に通気チャンネルが開設され、保護層及び物理吸着層がハウジング内に収容され、保護層がハウジングの底部に位置し、物理吸着層が保護層の上方に位置し、排気弁がハウジングの最上部に設けられる。
【0009】
さらに、検出ユニットは、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のCOD値を検出するCOD検出器を含み、嫌気領域内には、嫌気領域に汚水を導入するリフトポンプが設けられ、COD検出器及びリフトポンプがいずれもコントローラに接続され、コントローラは、COD検出器の検出結果に基づいてリフトポンプのインバーターの周波数を制御し、又は
検出ユニットは、汚水処理設備の給水位置及び排水位置に位置し且つ汚水処理設備の給水のCOD値及び排水のCOD値を検出するCOD検出器を含み、嫌気領域内には、嫌気領域に汚水を導入するリフトポンプが設けられ、COD検出器及びリフトポンプがいずれもコントローラに接続され、コントローラは、COD検出器の検出結果に基づいてリフトポンプのインバーターの周波数を制御する。
【0010】
さらに、検出ユニットは、汚水処理設備の排水のリン総含有量を検出するリン総含有量検出器をさらに含み、汚水処理設備は、物理的に吸着して沈殿することで、汚水中のリン総含有量を低減させるリン物理的除去装置を含み、リン物理的除去装置及びリン総含有量検出器がいずれもコントローラに接続され、
コントローラは、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、リン物理的除去装置の稼働状態を制御する。
【0011】
さらに、汚水処理設備は、汚水中のリン総含有量を低減させるように、汚水に薬剤を投入するリン化学的除去装置をさらに含み、リン化学的除去装置は、コントローラに接続される薬剤投入ポンプを含む。
【0012】
さらに、検出ユニットは、好気領域内に位置し且つ好気領域中の溶解酸素濃度を検出する溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータをさらに含み、設備領域には、好気領域に空気を導入する送風機が設けられ、
コントローラは、溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータの検出結果に基づいて送風機のインバーターの周波数を制御する。
【0013】
さらに、検出ユニットは、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量を検出するアンモニア態窒素検出器を含み、汚水処理設備は、汚水処理設備の好気領域内の混合液を嫌気領域に還流する混合液還流ポンプを含み、アンモニア態窒素検出器及び混合液還流ポンプがいずれもコントローラに接続され、
コントローラは、アンモニア態窒素検出器の検出結果に基づいて混合液還流ポンプの稼働状態を制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明の複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備は、嫌気領域、好気領域、沈殿領域、汚泥削減領域及び設備領域が外部ボックスの内部に集積され、外部ボックス内に高効率・一体化の生活汚水処理システムが作成され、給水管及び排水管を取り付ければ、使用できるようになり、汚水処理設備の体積が小さく、地上型、地下埋め込み型及び半分埋め込み型の3つの取り付け形態が可能であり、非常に取り付けやすく、臭気が生じることがなく、ノイズが低く、占有面積が小さく、電気消費が低い利点を有し、本発明の汚水処理設備で処理済みの排水の品質が『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準を満たすことができる。また、本発明の汚水処理設備は、汚水処理中の各パラメータに基づいて検出し、検出結果に基づいて汚水処理設備の各種の汚水処理装置が制御パラメータを調整するように制御し、汚水処理設備の排水の品質が安定し、自動化調整を実現することができ、省エネルギー・排出削減の効果を実現する。
【0015】
本発明は、以上に説明された本発明の目的、特徴及び利点のほか、他の目的、特徴及び利点を有する。以下、図を参照しながら、本発明についてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の一部を構成する図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成しない。図面において、
【
図1】
図1は、本発明の好適な実施例の複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備のモジュール構造の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の好適な実施例の
図1における嫌気領域の最上部に脱臭装置が設けられる模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の好適な実施例の
図1における好気池内に曝気装置が設けられる模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の好適な実施例の
図1における沈殿領域内に水高度処理装置が設けられる模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の好適な実施例の
図4における傾斜管の断面模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の好適な実施例の
図1における汚泥削減領域内に汚泥削減装置が設けられる模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の好適な実施例の
図1における設備領域内に設けられるコントローラ及び送風機などの部品のモジュール接続構造の模式図である。
【符号の説明】
【0017】
11 嫌気領域、12 好気領域、13 沈殿領域、14 汚泥削減領域、15 消毒殺菌領域、161 検出ユニット、162 コントローラ、163 送風機、164 アラームモジュール、165 通信モジュール、166 変換器、167 タッチパネル、168 ビデオカメラ、169 ニューラルネットワークモジュール、20 遠隔監視コンピュータ、30 モバイル端末、40 クラウドサーバ、111 ハウジング、112 保護層、113 物理吸着層、115 加熱ユニット、116 排気弁、1111 ハンドル、121 曝気主管、122 曝気分岐管、123 曝気ホース、124 ケーシング、125 固定ブラケット、126 支持フレーム、131 ボックス、132 垂直流体沈殿ユニット、133 傾斜管沈殿ユニット、1313 水槽、1315 スロープ、1321 中心バケツ、1322 跳ね上げ部材、1331 支持管、1332 傾斜管、1333 仕切板、1334 下導流板、1335 上導流板、1337 支持レバー、1338 上向き流れ口、1339 下向き流れ口、141 曝気ユニット、142 細胞壁破壊ユニット、143 沈殿ユニット、1421 振動モーター、1422 振動部材。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は、以下に限定され、カバーされる様々な異なる方法で実施することができる。
【0019】
図1に示すように、本発明の好適な実施例は、複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備を提供し、前記汚水処理設備は、複数住宅から排出された生活汚水に対して一体化処理を行うことができ、汚水浄化の作用を果たし、排水の品質が安定する。前記汚水処理設備は、一体化構造設計であり、汚水処理設備は、外部ボックスを含み、外部ボックス内に嫌気領域11、好気領域12、沈殿領域13、汚泥削減領域14及び消毒殺菌領域15が設けられ、各領域は、互いに仕切られ、管路を介して連通し、嫌気領域11と、好気領域12と沈殿領域13とが順に連通し、一部の混合液を嫌気領域11に還流し、嫌気領域11内において無酸素環境を確立するように、好気領域12が嫌気領域11と連通し、一部の活性汚泥を嫌気領域11に還流するように、沈殿領域13がさらに嫌気領域11と連通し、沈殿領域13がそれぞれ汚泥削減領域14及び消毒殺菌領域15と連通し、汚泥削減領域14の排水を嫌気領域11又は浄化槽に再び還流し、再び汚水処理を行うように、汚泥削減領域14がさらに嫌気領域11又は浄化槽と連通する。前記消毒殺菌領域15が沈殿領域13から排出された浄水に対してさらに消毒処理を行うことができ、さらに本発明の汚水処理設備の排水の品質が排出基準を満たすことを確保することが理解され得る。前記消毒殺菌領域15内に紫外線消毒器及び/又はオゾン殺菌器が設けられ、紫外線消毒器を用いることが好ましく、紫外線が水中の細菌を照射した後、細胞の核タンパク質及びデオキシリボ核酸が該波長帯域のエネルギーを強く吸収し、それらの間の鎖が開けられて切断され、それにより、細菌が死亡する。複数住宅から排出された生活汚水は、腐敗及びケーク分離処理された後に、嫌気領域11に導入される。嫌気領域11の内部に充填材が入れられ、微生物が充填材の濾過材に付着成長して生物膜が形成され、汚水が生物膜つきの濾過材を流れると、水中の有機物が生物膜の面に拡散して生物膜における微生物により分解される。嫌気領域11の排水が好気領域12に排出され、好気領域12内に充填材及び曝気システムが設けられ、汚水は好気領域12内において十分に生化学反応し、汚水が好気領域12内において十分に反応して形成された一部の混合液は、沈殿領域13まで流入するとともに、嫌気領域11内において無酸素環境を確立するように、一部の混合液は、混合液還流管を介して嫌気領域11まで還流される。沈殿領域13は、混合液を均一に散布して沈殿することができ、沈殿領域13の排水は、消毒殺菌領域15まで流れ、消毒殺菌処理された後に基準を満たして排出されるとともに、沈殿領域13は、さらに、一部の活性汚泥を排出して嫌気領域11に還流する。沈殿領域13から排出された一部の活性汚泥及び汚水は、汚泥削減領域14まで導入されて汚泥削減処理され、汚泥削減領域14は、細胞壁を破壊することで汚泥削減を行い、汚泥が60%~80%削減することができ、汚泥削減領域14の排水は、嫌気領域11又は浄化槽に再び導入されて再び汚水処理され、汚泥削減処理された後に沈殿して無機泥が出力される。嫌気領域11内において無酸素環境を確立するように、好気領域12が一部の混合液を嫌気領域11に還流することは、具体的には、以下のように行われる。混合液を長距離のパイプを介して輸送して嫌気領域11に還流し、長距離の輸送では、混合液中の溶解酸素が徐々に揮発し、排気装置を介して排出され、還流された混合液中の溶解酸素濃度が大幅に低減され、次に混合液の還流比を制御することで、嫌気領域11内の溶解酸素濃度をさらに低減させ、それにより、嫌気領域11内において無酸素環境を確立する目的を実現することが理解され得る。
【0020】
前記汚水処理設備は、個別に仕切りされて設けられる設備領域をさらに含み、設備領域にコントローラ162、送風機163及び検出ユニット161が設けられ、検出ユニット161及び送風機163がいずれもコントローラ162に接続される。検出ユニット161は、汚水処理中の各パラメータを検出することができ、例えば、汚水処理設備の給水・排水の品質を検出し、又は好気領域12内の溶解酸素含有量を検出する、などである。コントローラ162は、検出ユニット161の検出結果に基づいて、汚水処理設備における各汚水処理装置の制御パラメータを制御し、汚水処理設備の排水が排出基準を満たすことを確保し、スマート制御調整を実現し、人為的干渉が必要とされず、省エネルギー・排出削減の効果を実現することができる。前記コントローラ162は、PLC又はMCUであってもよいことが理解され得る。
【0021】
本発明の複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備は、嫌気領域11と、好気領域12と、沈殿領域13と、汚泥削減領域14と、消毒殺菌領域15とが外部ボックスの内部に集積され、外部ボックス内において高効率・一体化の生活汚水処理システムが確立され、給水管及び排水管を取り付ければ、使用できるようになり、汚水処理設備の体積が小さく、地上型、地下埋め込み型及び半分埋め込み型の3つの取り付け形態が可能であり、非常に取り付けやすく、臭気が生じることがなく、ノイズが低く、占有面積が小さく、電気消費が低い利点を有し、本発明の汚水処理設備で処理済みの排水の品質が『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準を満たすことができる。また、本発明の汚水処理設備は、汚水処理中の各パラメータに基づいて検出し、検出結果に基づいて汚水処理設備の各種の汚水処理装置が制御パラメータを調整するように制御し、汚水処理設備の排水の品質が安定し、自動化調整を実現することができ、省エネルギー・排出削減の効果を実現する。
【0022】
図2に示すように、前記嫌気領域11の最上部には、汚泥が嫌気消化中において生じた硫化水素、アンモニアガスや脂肪酸など、臭味を有するガスに対して吸着除去を行う脱臭装置が取り付けられる。前記脱臭装置は、嫌気領域11とともに密閉空間を形成し、嫌気領域11内のガスを大気に排出するには、脱臭装置で脱臭処理する必要があることが理解されたい。前記脱臭装置は、ハウジング111と、保護層112と、物理吸着層113と、加熱ユニット115と、排気弁116とを含み、保護層112は、嫌気領域11内の汚水がハウジング111内に入ることを防止し、物理吸着層113は、嫌気領域11内において浮き上がった臭気を物理的に吸着し、加熱ユニット115は、物理吸着層113を加熱脱着して再生し、排気弁116は、物理吸着層113で吸着処理済みの気体を大気に排出する。ハウジング111が嫌気領域11に密封接続され、前記保護層112及び物理吸着層113がハウジング111内に収容され、嫌気領域11において生じた臭気をハウジング111内に導入するように、前記ハウジング111の底部に通気チャンネルが開設され、保護層112がハウジング111の底部に位置し、前記物理吸着層113が保護層112に設けられ、加熱ユニット115がハウジング111に設けられ、前記排気弁116がハウジング111の最上部に設けられ、且つ物理吸着層113に位置する。前記ハウジング111の底部の通気チャンネルは通気孔であってもよく、又は、ハウジング111の底部は肉抜きされてもよいことが理解されたい。嫌気領域11内において生じた臭気は、ハウジング111の底部の通気孔を通過して、ハウジング111内に導入され、保護層112を経由し、次に物理吸着層113で吸着処理された後に、排気弁116を介して大気に排出される。前記物理吸着層113における吸着材料は、臭気を物理的に吸着可能な活性炭であることが理解されたい。前記活性炭の多孔質構造は、メソ孔及びマクロ孔を主とし、平均孔径は、1.5~2.5nmであり、好ましくは、1.5~2nmであり、活性炭の多孔質構造の平均孔径がこの範囲内にあると、物理吸着層113の物理吸着効果が最適であることがさらに理解されたい。加熱ユニット115は、太陽熱を吸収して物理吸着層113を加熱できるソーラーパネルであり、それにより、活性炭の加熱脱着・再生過程を実現する。加熱ユニット115がハウジング111内に設けられてもよいが、ハウジング111が加熱ユニット115の位置で透明であり、この場合、加熱ユニット115が物理吸着層113の両側又は周辺に設けられてもよいことが理解されたい。前記保護層112は、半透明膜であるか、又は、マイクロ孔が開設される板状部材であり、孔径サイズは、0.1mm~0.6mm、好ましくは0.1~0.5mmであることが理解されたい。前記保護層112は、嫌気領域11内において浮き上がった臭気しかハウジング111内に入ることができず、嫌気領域11内の汚水をハウジング111の外に遮断し、汚水がハウジング111内に入った物理吸着層113の活性炭吸着構造を破壊し、及び/又は、加熱ユニット115を破損することを防止する。
【0023】
本発明の脱臭装置では、嫌気領域11内において浮き上がった臭気は、まず、保護層112を通過し、保護層112は、嫌気領域11内の汚水がハウジング111内に入ることを防止することができる。臭気は、次に、物理吸着層113により物理的に吸着された後に、大気に排出される。加熱ユニット115により、物理吸着層113の吸着材料を加熱脱着して再生することができ、物理吸着層113は、再利用可能であり、長期使用後でも良好な吸着効果を有し、物理吸着層113の吸着材料を定期的に交換する必要がなく、運転コストを低減させる。
【0024】
前記脱臭装置は、嫌気領域11に固定して接続され又は取り外し可能に接続され、取り外し可能な接続は、係止接続、ねじ締め接続、磁気吸引接続又は締まり嵌め接続などであってもよいことが理解されたい。前記ハウジング111には、引きやすいハンドル11がさらに設けられる。具体的には、前記ハンドル11がハウジング111の最上部に設けられ、脱臭装置を嫌気領域11から取り外すとき、脱臭装置を手で引きやすい。
【0025】
好ましくは、前記脱臭装置は、排気ガス処理装置(図示せず)をさらに含み、排気ガス処理装置は、物理吸着層113により加熱脱着されて再生された排気ガスに対してクリーン処理を行い、排気ガスの無害化排出を実現することが理解されたい。加熱ユニット115が太陽熱を吸収して物理吸着層113を加熱すると、物理吸着層113内の活性炭が加熱脱着して再生され、加熱脱着・再生中に生じた排気ガスが排気弁116を介して排気ガス処理装置に導入され、クリーン処理された後に大気に排出される。たとえば、前記排気ガス処理装置は、光触媒分解により、排気ガスの無害化排出を実現する光触媒装置である。
【0026】
好ましくは、本発明の脱臭装置は、自動的検出を行い、気体排出を制御する機能を実現できることが理解されたい。前記脱臭装置は、検出装置をさらに含み、前記排気弁116は、電磁弁であり、前記排気弁116及び検出装置は、いずれもコントローラ162に接続され、前記コントローラ162は、さらに加熱ユニット115に接続されることで、加熱ユニット115が稼働し始めるように制御する。前記検出装置は、物理吸着層113で吸着処理済みのガスの成分を検出し、検出結果をコントローラ162にフィードバックし、コントローラ162には、排出基準に基づいて、各種のガス成分の含有量閾値が予め設定される。コントローラ162は、比較することにより、物理吸着層113で吸着処理済みのガス成分が排出基準を満たすことを判断した場合、排気弁116が開くように制御し、吸着処理済みのガスを排気弁116を介して大気に排出し、コントローラ162は、比較することにより、物理吸着層113で吸着処理済みのガス成分が排出基準を満たさないことを判断した場合、物理吸着層113の吸着効果が大幅に低減し、臭気をよく物理的に吸着できないことが証明され、排気弁116が閉じるように制御し、加熱ユニット115が稼働し始めるように制御し、物理吸着層113における活性炭を加熱脱着して再生し、次に排気弁116と排気ガス処理装置とを連通し、コントローラ162は、排気弁116が開くように制御し、物理吸着層113により加熱脱着されて再生された排気ガス及び嫌気領域11のガスを排気ガス処理装置に導入し、クリーン処理した後に大気に排出する。前記検出装置は、ガス分析機である。本発明の脱臭装置は、検出装置及びコントローラ162によって、臭気の自動的検出及びスマート排出を実現し、脱臭装置が良好な脱臭効果を有することを確保することが理解されたい。
【0027】
1つの変形としては、前記加熱ユニット115は、物理吸着層113を加熱する電気加熱板又は電気加熱管(図示せず)であってもよく、前記電気加熱板又は電気加熱管は、物理吸着層113の上方に設けられることが好ましく、前記電気加熱板は、さらに物理吸着層113を加熱し、加熱ユニット115と協働し、物理吸着層113の加熱脱着・再生過程を加速することが理解されたい。
【0028】
図3に示すように、前記好気領域12内には、好気領域12内の溶解酸素濃度を向上させる曝気装置が設けられ、前記曝気装置は、曝気主管121と、曝気分岐管122と、曝気ホース123と、ケーシング124と、固定ブラケット125とを含み、前記曝気主管121が好気領域12の最上部の両側に設けられ、前記曝気ホース123が好気領域12内の底部に設けられ、曝気ホース123が曝気作用を果たす。曝気ホース123は、薄肉、真っ直ぐなチャンネルの特徴を有し、曝気抵抗損失を大幅に低減させることができ、その曝気孔は、幅が変化可能なスリット状であり、従来の曝気ヘッドが詰まりやすい問題を解決し、曝気が均一であり、縦方向環流を形成でき、生じた気泡が小さく、酸素利用率が高いことが理解され得る。前記曝気主管121が設備領域の送風機163と連通し、前記固定ブラケット125が好気領域12の内側壁に固定して接続され、前記ケーシング124が固定ブラケット125に固定して接続され、前記ケーシング124が縦方向に設けられ又は斜方向に設けられ、すなわち、ケーシング124が垂直に設けられ又は縦方向に傾斜して設けられ、前記曝気分岐管122の一端が曝気主管121に取り外し可能に接続され、前記曝気分岐管122の他端がケーシング124を貫通して好気領域12の底部の曝気ホース123に取り外し可能に接続される。好気領域12の対向する2つの側壁にいずれも固定ブラケット125及びケーシング124が設けられ、曝気分岐管122がケーシング124を貫通してそれぞれ曝気ホース123の両端に取り外し可能に接続されることが理解され得る。取り外し可能な接続形態は、クリップ接続、クイックプラグ接続、又は、螺合接続(接続された2つの管の一方が雄ねじ構造を有する接続部品であり、他方が雄ねじ構造を有する接続部品である)であってもよいことが理解され得る。曝気主管121は、吸気主管と排気主管とに分けられ、吸気主管は、送風機163と連通し、好気領域12の一側の曝気分岐管122に接続され、好気領域12の他側の曝気分岐管122は、排気主管と連通し、送風機163から輸送された空気は、吸気主管、一側の曝気分岐管122、曝気ホース123、他側の曝気分岐管122及び排気主管を経由して好気領域12内を流れることが理解され得る。前記曝気分岐管122は、ホースであり、曝気分岐管122及び曝気ホース123の材質は、PU又はソフトPVCであってもよいことが理解され得る。曝気分岐管122は、ホースであり、内部に空気が導入されると、浮きやすく、ケーシング124は、曝気分岐管122に対して制限作用を果たし、曝気分岐管122が縦方向に設けられ且つ左右に揺れないように制限することができることが理解され得る。また、ケーシング124は、さらに、曝気ホース123が激しく浮き上がらないように制限することができる。前記曝気ホース123は、複数であり、好気領域12の底部に均一な間隔をおいて設けられ、均一に曝気することを確保することが理解され得る。前記曝気分岐管122は、曝気ホース123に一対一に対応して敷設されてもよく、又は1本の曝気分岐管122は、分岐管を介してそれぞれ曝気ホース123に連通してもよい。1つの変形としては、前記曝気分岐管122及び曝気ホース123は、一体ホースであってもよいことが理解され得る。1つの変形としては、前記固定ブラケット125が省略されてもよく、ケーシング124が直接好気領域12の内側壁に固定して設けられることがさらに理解され得る。
【0029】
本発明の曝気装置は、曝気ホース123を交換する必要があるとき、一側の曝気分岐管122及び曝気主管121を取り外し、次に曝気分岐管122と、新しく交換される曝気ホース123とを接続し、次に他側の曝気分岐管122及び曝気主管121を取り外し、一端から均一に力をかけて曝気分岐管122を引き上げることで、重要な制限作用を果たすケーシング124内に沿って好気領域12の底部から曝気ホース123を引き出し、次に新しく交換される曝気ホース123と曝気分岐管122とを接続し、曝気分岐管122と曝気主管121とを接続すればよい。それにより、停止せずに、設備内の水を完全に吸引することなく、曝気ホース123を交換することができ、交換又は修理が非常に容易である。
【0030】
好ましくは、曝気主管121と曝気分岐管122との取り外し可能な接続位置、及び曝気分岐管122と曝気ホース123との取り外し可能な接続位置に密封構造が設けられ、該密封構造は、シールリング、シーラント、止水リング、オス型溝とメス型溝との密封嵌合又はほぞ接続嵌合であってもよいことが理解され得る。
【0031】
好ましくは、前記曝気装置は、好気領域12の底部に設けられ且つ曝気ホース123を支持する支持フレーム126をさらに含むことが理解され得る。前記曝気ホース123が張架される前記支持フレーム126は、好気領域12の底部にボルトを介して固定して設けられ、複数であり、且つ均一な間隔をおいて設けられ、それにより、曝気ホース123を良好かつ均一に支持することができる。さらに好ましくは、支持フレーム126は、曝気ホース123を交換する際の保護構造を有し、該保護構造は、支持フレーム126の入出口位置に設けられる柔軟性ガスケットであってもよいし、又は、支持フレーム126及び曝気ホース123の面に設けられる柔軟性層であってもよいし、又は支持フレーム126の曝気ホース123との円錐接触面又は弧面接触面であってもよいし、又は互いに転動接触するように、支持フレーム126の曝気ホース123との接触部位に設けられるローラ、ボール又はコロであってもよい。
【0032】
1つの変形としては、前記曝気装置は、好気領域12の底部に固定して設けられ且つ曝気ホース123を制限する制限部材(図示せず)をさらに含み、制限部材は、好気領域12の底部にねじ又はボルトを介して固定して設けられ、曝気ホース123が貫通するように、制限部材に貫通孔が開設される。曝気ホース123は、柔軟性材料であるため、内部に空気が導入されると、浮きやすく、制限部材は、曝気ホース123を良好に制限することで、曝気ホース123が好気領域12の底部において略水平状であるとともに、曝気ホース123の生じた気泡がほぼ垂直に上昇する状態であり、より均一に曝気することを確保することが理解され得る。前記制限部材は、複数であり、且つ好気領域12の底部に均一な間隔をおいて設けられることが理解され得る。
【0033】
好ましくは、好気領域12の内側壁における前記固定ブラケット125の固定位置は、調整可能であることがさらに理解され得る。具体的には、前記好気領域12の内側壁に、複数のねじ孔が均一な間隔をおいて開設され、前記固定ブラケット125は、好気領域12の内側壁にねじを介して締結され、ねじ孔の位置を選択することで、固定ブラケット125の垂直高さを調整し、さらに曝気ホース123の水平高さを調整することができ、実際の必要に応じて、曝気ホース123の高さ位置を調整しやすい。又は、前記好気領域12の内側壁には1つの摺動溝が縦方向に設けられ、摺動溝内に複数の位置決め凸点が間隔をおいて設けられ、前記固定ブラケット125に突起が設けられ、前記固定ブラケット125が摺動溝内において上下に摺動可能であり、摺動溝内の位置決め凸点を介して位置決めされ、固定ブラケット125の高さ位置を非常に調整しやすく、さらに曝気ホース123の高さ位置を調整する。
【0034】
好ましくは、前記曝気装置は、曝気分岐管122と曝気ホース123との接続位置に設けられる被覆接続曲管(図示せず)をさらに含み、被覆接続曲管の一端がケーシング124に接続され、前記曝気ホース123の、曝気分岐管122に接続される他端が被覆接続曲管内に位置する。曝気ホース123を交換する必要がある場合、曝気分岐管122を力をかけて引き上げることで、曝気ホース123をケーシング124内に沿って引き出し、ケーシング124が縦方向又は斜方向に設けられるが、曝気ホース123が略水平に設けられるため、曝気ホース123を引くと、ケーシング124の底部が曝気ホース123に傷を付けやすいことが理解され得る。曝気分岐管122と曝気ホース123との接続位置に被覆接続曲管が設けられることによって、曝気ホース123が傷付けられることを回避することができる。さらに好ましくは、前記被覆接続曲管の内面に柔軟性層が設けられ、又は被覆接続曲管の入出口位置に柔軟性ガスケットが設けられ、又は被覆接続曲管と曝気ホース123との接触面が円錐面又は円弧面である。
【0035】
図4に示すように、前記沈殿領域13には、汚水を高度処理する水高度処理装置が設けられ、本発明の水高度処理装置で処理済みの排水は、中国基準の1級A類の排水基準を満たすことができる。前記水高度処理装置は、ボックス131と、垂直流体沈殿ユニット132と、傾斜管沈殿ユニット133とを含み、前記垂直流体沈殿ユニット132及び傾斜管沈殿ユニット133がいずれもボックス131内に収容されて位置決めされる。前記ボックス131は、給水口及び排水口のみを介して外部と連通する密閉式構造であり、具体的には、前記給水口及び排水口がボックス131の上側壁に設けられる。給水管は、給水口を介してボックス131内に垂直流体沈殿ユニット132と連通するように挿入され、前記垂直流体沈殿ユニット132は、ボックス131の中軸線に位置し且つ垂直に設けられ、前記垂直流体沈殿ユニット132の両端がそれぞれ傾斜管沈殿ユニット133を貫通する。前記垂直流体沈殿ユニット132は、給水口から導入された流体を縦方向に沿って案内し、傾斜壁により反射することで跳ね上げて出力する。前記傾斜管沈殿ユニット133は、垂直流体沈殿ユニット132の出力位置に設けられ、垂直流体沈殿ユニット132から出力された流体を傾斜管により沈殿する。傾斜管沈殿ユニット133は、水を一連の浅い沈殿層に分割し、処理された水及び沈降した泥は、各浅い沈殿層において相対移動して分離され、沈殿面積が広く、沈殿効率が高く、沈殿時間が短いなどの利点を有する。前記ボックス131の内側壁には、全周に渡った水槽1313が設けられ、前記水槽1313の底部の位置が排水口の位置より低く、前記排水管が排水口と連通し、最上層に位置する沈殿処理済みの清液しか水槽1313に流入できず、さらに清液しか排水管を介して排出されず、本発明の水高度処理装置が良好な沈殿処理効果を有することをさらに確保する。本発明の水高度処理装置は、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿とを重ね合わせて組み合わせることで、構造空間が節約され、設備全体が集積化・コンパクト化される。1つの変形としては、前記垂直流体沈殿ユニット132は、ボックス131内の一側に設けられてもよく、傾斜板を用いて水流を他側に跳ね上げればよいことが理解されたい。
【0036】
前記垂直流体沈殿ユニット132は、接続された中心バケツ1321と跳ね上げ部材1322とを含み、前記中心バケツ1321の上端は、密閉されてもよいし、密閉されなくてもよい。前記中心バケツ1321の上部が給水管と連通し、前記跳ね上げ部材1322が中心バケツ1321の下端に設けられ、跳ね上げ部材1322が傾斜管沈殿ユニット133の下方に位置する。給水管から導入された汚水は、中心バケツ1321を経由し、自由落下した後に、傾斜管沈殿ユニット133の傾斜壁まで跳ね上げ部材1322により跳ね上げられ、それにより、泥と水とを予備分離することができる。前記跳ね上げ部材1322は、汚水の落下方向に位置する少なくとも1つの斜面を有することが理解されたい。好ましくは、前記跳ね上げ部材1322の形状は、二辺が自由落下した汚水に対して跳ね上げ作用を果たす二等辺三角形である。前記中心バケツ1321は、一端が中心バケツ1321に接続され、他端がボックス131の内側壁に接続される固定レバー(図示せず)を介して固定されることがさらに理解されたい。中心バケツ1321の位置が安定することを確保するように、ボックス131の内側壁の円周方向に沿って複数本の固定レバーを介して設けられることが好ましい。前記中心バケツ1321と跳ね上げ部材1322とが2つの連結レバーを介して接続され、連結レバーの形状がL字形であることが好ましいことがさらに理解されたい。前記跳ね上げ部材1322の斜面の傾斜角度は、10°~45°であり、好ましくは、10°~20°であり、跳ね上げ部材1322の斜面の傾斜角度がこの範囲内にあると、中心バケツ1321内に自由落下した汚水は、傾斜管沈殿ユニット133の傾斜壁まで均一に跳ね上げられ、泥と水とを予備分離する効果が最適である。前記跳ね上げ部材1322は、傾斜板、円錐板又は錐体板であってもよいことが理解されたい。前記跳ね上げ部材1322の斜面の傾斜角度が調整可能であり、跳ね上げ部材1322の斜面の傾斜角度を調整することで、中心バケツ1321内に落下した水流が跳ね上げ部材1322に衝突する角度を調整し、さらに水流の跳ね上げ角度を調整することができ、それにより、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿との完璧な組み合わせを実現し、良好な沈殿効果を確保することがさらに理解されたい。
【0037】
1つの変形としては、前記中心バケツ1321の軸方向長さが調整可能であることが理解されたい。具体的には、前記中心バケツ1321は、複数のバケツ体を接続してなる伸縮可能構造であり、隣接する2つのバケツ体は、それらの軸方向に沿って相対摺動可能に位置決めされ、それにより、中心バケツ1321の軸方向長さを調整することができる。中心バケツ1321の軸方向長さを調整することで、給水量及び排水口の高さ位置を調整することができ、操作が十分に容易であり、排水口の高さ位置を調整することで、中心バケツ1321内に自由落下した水流が跳ね上げ部材1322に衝突する衝突力を調整し、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿とを完璧に組み合わせることができる。前記中心バケツ1321の高さも調整可能であることがさらに理解されたい。具体的には、前記中心バケツ1321の最上部が昇降可能機構を介してボックス131の上内側壁に接続され、昇降機構の昇降を制御することで、中心バケツ1321の高さを調整し、さらに排水口の高さ位置を調整し、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿とを完璧に組み合わせることができる。
【0038】
1つの変形としては、前記中心バケツ1321と跳ね上げ部材1322との間の間隔距離が調整可能であることが理解されたい。具体的には、前記中心バケツ1321の外壁面に複数の係止口が均一な間隔をおいて設けられ、跳ね上げ部材1322が固定して接続される2つの連結レバーが中心バケツ1321の外壁面における係止口内に係止可能であり、係止口の位置を選択することで、跳ね上げ部材1322と中心バケツ1321との間の距離を調整する。中心バケツ1321と跳ね上げ部材1322との間の間隔距離を調整することで、中心バケツ1321内の水が流れて自由落下した後に跳ね上げ部材1322に衝突する衝突力を調整でき、さらに跳ね上げ部材1322が水流を跳ね上げる角度を調整し、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿とを完璧に組み合わせることができる。
【0039】
前記傾斜管沈殿ユニット133は、少なくとも2本の支持管1331と、平行に設けられた複数本の傾斜管1332とを含み、少なくとも2本の支持管1331がいずれもボックス131の内側壁に固定して接続され、複数本の傾斜管1332が少なくとも2本の支持管1331を介して固定される。前記傾斜管1332の傾斜角度は、50°~70°であり、好ましくは、55°~60°であり、傾斜管1332の傾斜角度がこの範囲内にあると、傾斜管沈殿ユニット133は、最適な沈殿効果を有する。好ましくは、前記支持管1331が2本であり、平行に設けられた複数本の傾斜管1332の一端がいずれも一方の支持管1331に接続され、他端が他方の支持管1331に接続される。前記支持管1331が水平に設けられることが好ましく、傾斜管沈殿ユニット133の構造がより安定することが理解されたい。好ましくは、前記傾斜管1332内にハニカム充填材が設けられ、沈殿効果がさらに向上されることが理解されたい。前記傾斜管1332の下端の給水口及び上端の排水口の密閉度がいずれも調整可能であり、具体的には、封口板により傾斜管1332の下端給水口及び上端排水口の密閉度を調整することが理解されたい。前記傾斜管1332の傾斜角度が調整可能であり、具体的には、傾斜管1332の下端が支持管1331に固定して接続され、傾斜管1332の上端が支持管1331に可動に接続され、又は傾斜管1332の上端が支持管1331に可動に接続され、傾斜管1332の上端が支持管1331に固定して接続されることがさらに理解されたい。沈殿処理速度を加速ように、傾斜管1332の傾斜角度を調整することで、傾斜管1332内の砂泥堆積速度を調整することできる。
図5に示すように、好ましくは、前記傾斜管1332の下端の給水口内には、その軸方向に沿って仕切板1333が設けられ、具体的には、前記仕切板1333は、支持レバー1337を介して傾斜管1332内に固定され、傾斜管1332の給水口を上向き流れ口1338と下向き流れ口1339とに分け、傾斜管1332の給水口に位置する前記仕切板1333の一端に下導流板1334がさらに設けられることで、垂直流体沈殿ユニット132から流出した水が下導流板1334で案内された後に上向き流れ口1338から傾斜管1332内に流入するようにする。また、給水口から離れる仕切板1333の一端に上導流板1334が設けられることで、沈降した砂泥が上導流板1335に沿って下向き流れ口を介して傾斜管1332から流出し、それにより、傾斜管1332に入った水流と、沈殿して傾斜管1332から流出した砂泥とが分離されて流れることを実現し、上昇した水流により、沈降した砂泥が傾斜管1332の上端の排水口まで移動することが防止され、沈殿効率及び沈殿効果が向上されることがさらに理解されたい。1つの変形としては、前記傾斜管沈殿ユニット133全体は、中心バケツ1321に対してその軸方向に沿って昇降可能であり、具体的には、前記ボックス131の2つの内側壁に、複数組の係止口が対称的に設けられ、前記支持管1331の両端がそれぞれ2つの側壁における係止口内に係止可能であり、前記支持管1331を係止する係止口位置を選択することで、さらに支持管1331の高さ位置を調整し、さらに傾斜管1332の高さ位置を調整する。傾斜管沈殿ユニット133の高さ位置を調整することで、垂直流体沈殿ユニット132から出力された水流が傾斜管沈殿ユニット133の傾斜壁に跳ね上げられる角度を調整し、泥と水とを予備分離する最適効果を確保する。さらに好ましくは、砂泥と汚水とを傾斜管1332内において分流する効果を確保するために、前記仕切板1333は、下向き流れ口1339に可動板(図示せず)がさらに設けられ、前記可動板の一側が仕切板1333にヒンジ連結され、前記可動板の幅が下向き流れ口1339の幅より大きく、汚水が下向き流れ口1339から傾斜管1332内に入ることを防止し、沈降した砂泥が上導流板1334により案内され、傾斜管1332に流入した後、傾斜管1332内に堆積した砂泥が重力の作用下で可動板を押し、それにより、下向き流れ口1339から排出されることが理解され得る。
【0040】
1つの変形としては、本発明の傾斜管沈殿ユニット133が傾斜板沈殿ユニットに置換されてもよく、汚水を傾斜板と傾斜板との間の間隔内に沈殿分離し、傾斜管沈殿ユニット133及び傾斜板沈殿ユニットがいずれも傾斜沈殿を行うことが理解され得る。
【0041】
好ましくは、本発明の水高度処理装置の汚水処理効果をさらに向上させるために、水高度処理装置は、水槽1313内に設けられた砂濾過層及び/又はカーボン濾過層をさらに含み、前記砂濾過層及び/又はカーボン濾過層は、水流に対して最後の濾過処理を行い、汚水処理効果をさらに向上させる。砂濾過層は、汚水中の粒子物をさらに除去することができ、カーボン濾過層は、汚水中の油脂をさらに吸着することができる。好ましくは、前記砂濾過層及び/又はカーボン濾過層の給水面がボックス131のキャビティに向かって傾斜することで、濾過された不純物が自体重力及び水流による衝突力を受けるため、ボックス131内に戻って沈殿し、それにより、砂濾過層及び/又はカーボン濾過層のセルフクリーニング機能を実現する。1つの変形としては、前記砂濾過層及び/又はカーボン濾過層が直接ボックス131の排水口に設けられてもよいことが理解され得る。
【0042】
好ましくは、前記ボックス131の下部の内側壁にスロープ1313が設けられ、沈降した汚泥がスロープ1313の面に沿ってボックス131の底部まで落下し、スロープ1313が設けられることで、汚泥の沈降速度が加速され、汚水沈殿処理の速度が向上される。前記スロープ1313の傾斜角度は、50°~70°であり、好ましくは、55°~65°である。さらに好ましくは、前記ボックス131の底部の汚泥沈降領域に汚泥排出口(図示せず)が設けられることで、ボックス131内の汚泥が定期的に排出される。
【0043】
好ましくは、前記水槽1313は、ボックス131の内側壁に対して上下に摺動可能であり、それにより、ボックス131内のリアルタイム水位に基づいて水槽1313の位置を調整することで、排水口の排水流量を調整できることが理解され得る。前記水槽1313がボックス131の内側壁に対して上下に摺動可能な構造としては、水槽1313の外壁上に突起が設けられ、ボックス131の内側壁に凹溝が設けられ、水槽1313とボックス131とが突起及び凹溝により相対摺動し、また、凹溝内には、複数の位置決め凸点が垂直方向に沿って均一な間隔をおいて設けられ、位置決め凸点により水槽1313が位置決めされる。前記突起がボックス131の内側壁に設けられ、凹溝が水槽1313の外壁に設けられてもよいことがさらに理解され得る。
【0044】
本発明の水高度処理装置では、汚水は、給水管を介して中心バケツ1321まで導入された後、中心バケツ1321を自由落下し、次に跳ね上げ部材1322により傾斜管1332の傾斜壁まで跳ね上げられ、泥と水とが予備分離され、ボックス131内の汚水流速が低減され、汚水は、ボックス131内においてゆっくりと上昇する。ボックス131内の水流の上昇方向と、粒子沈殿方向とは反対し、上昇速度が沈降速度に等しい粒子は、ボックス131内において一層の浮遊層を形成し、それにより、上昇する粒子は、遮断されて濾過され、沈殿後にボックス131の底部まで落下し、沈殿処理済みの上清液は、水槽1313により緩衝され、水槽1313内において砂濾過層及び/又はカーボン濾過層を介して最後に濾過され篩い分けされた後、排水管を介して排出される。本発明の水高度処理装置は、垂直流体沈殿と傾斜管沈殿とを組み合わせることで、設置形態が合理的であり、衝突負担に耐える能力が強く、沈殿処理効果が高い利点を有し、排水の固体浮遊物濃度が中国基準の1級A類の排出基準を満たすことができる。
【0045】
図6に示すように、前記汚泥削減領域14内には、汚水処理中の汚泥に対して削減処理を行う汚泥削減装置が設けられる。前記汚泥削減装置は、曝気することで、活性汚泥と汚水中の有機汚染物とを混合接触し、有機汚染物を分解する曝気ユニット141と、高周波振動により残りの汚泥の加水分解過程を加速する細胞壁破壊ユニット142と、細胞壁破壊ユニット142から排出された汚泥を沈殿することで、一部の活性汚泥を還流し、沈殿した無機泥を排出する沈殿ユニット143とを含み、細胞壁破壊ユニット142は、それぞれ曝気ユニット141及び沈殿ユニット143と連通し、沈殿ユニット143は、さらに、曝気ユニット141と連通する。具体的には、前記沈殿ユニット143は、汚泥還流管を介して曝気ユニット141と連通する。前の汚水処理工程の沈殿領域13で沈殿処理された後に、活性汚泥及び汚水を含む混合液は、出力され、曝気ユニット141に導入され、該活性汚泥は、微生物からなる活性汚泥であることが理解され得る。前記曝気ユニット141に曝気装置が設けられ、前記曝気装置は、曝気ユニット141内に空気を導入することができ、池内の有機汚染物が沈殿することを防止でき、また、曝気ユニット141内の酸素含有量を向上でき、曝気ユニット141内の有機物汚染物及び微生物活性汚泥と溶解酸素とを十分に混合接触させ、有機物汚染物の分解吸収を加速する。前記曝気装置は、表面曝気装置又は水下曝気装置であってもよい。好ましくは、前記曝気ユニット141における曝気装置は、以上に記載の好気領域12内の曝気装置を用いる。細胞壁破壊ユニット142は、高周波振動により活性汚泥の細胞壁を破壊し、活性汚泥に含まれる水、微生物細胞内の多糖、脂肪、タンパク質及び核酸などを放出し、活性汚泥の加水分解過程を加速する。沈殿ユニット143は、細胞壁破壊ユニット142から排出され活性汚泥及び汚水を含む混合液を沈殿し、一部の活性汚泥を曝気ユニット141及び嫌気領域11内に還流し、それにより、曝気ユニット141及び嫌気領域11に炭素源を補充し、沈殿後に得られた無機汚泥を排出し、沈殿後の排水を嫌気領域11又は浄化槽に還流し、汚水処理を再び行う。例えばタンパク質、多糖、脂肪及び核酸を全て炭素源として曝気ユニット141内に補充することができ、曝気ユニット141内に炭素源を補充する必要がなく、生産コストを低減させる。曝気ユニット141内に炭素源が追加されると、残りの活性汚泥が不必要に増加され、汚泥削減負担が増加されてしまう。また、沈殿ユニット143から曝気ユニット141内に還流された活性汚泥は、曝気ユニット141内の給水のCOD値を効果的に低減させ、窒素除去及びリン除去効果を向上することができる。
【0046】
本発明の汚泥削減装置は、曝気ユニット141における曝気により、微生物からなる活性汚泥と汚水中の有機物汚染物とを十分に混合接触し、有機汚染物を分解し、細胞壁破壊ユニット142の高周波振動を用いて、曝気ユニット141に成長した活性汚泥の細胞壁を破壊し、活性汚泥に含まれる大量の水、微生物細胞内の多糖、脂肪、タンパク質及び核酸を分解し、次に沈殿ユニット143によって泥と水とを分離し、分離されたほとんどの活性汚泥を曝気ユニット141及び嫌気領域11に還流し、曝気ユニット141及び嫌気領域11に炭素源を補充し、生産コストを低減させるだけではなく、曝気ユニット141及び嫌気領域11内の給水のCOD値を効果的に低減させ、窒素除去及びリン除去の効果を向上させることができる。汚泥削減装置は、沈殿して得られた無機泥を排出し、排水を嫌気領域11又は浄化槽に還流し、再び汚水処理を行い、環境に汚染を引き起こすことがない。本発明の汚泥削減装置は、残りの活性汚泥の回収利用を実現し、活性汚泥を効果的な減少させ、環境に汚染を引き起こすことがなく、また、生産コストを低減させ、汚水処理効果を向上させ、沈殿した無機泥しか排出されず、環境に汚染を引き起こすことがない。
【0047】
好ましくは、前記曝気ユニット141内に撹拌装置がさらに設けられ、撹拌装置は、曝気ユニット141内の活性汚泥及び汚水中の有機汚染物を撹拌するとき、均一に混合することをさらに促進し、有機汚染物の分解速度を向上させる。
【0048】
前記細胞壁破壊ユニット142には、接続された振動モーター1421及び振動部材1422が設けられ、前記振動モーター1421は、高周波振動を提供し、前記振動部材1422は、残りの活性汚泥の細胞壁を高周波振動により破壊し、残りの活性汚泥に含まれる水、微生物細胞内の多糖、脂肪、タンパク質及び核酸などを放出し、残りの活性汚泥の加水分解過程を加速する。前記振動部材1422の長さが大体細胞壁破壊ユニット142の高さに等しく、残りの活性汚泥の細胞壁を十分に破壊することができる。前記振動部材1422の長さについては、具体的に限定されず、実際ニーズに応じて調整されてもよいことが理解され得る。
【0049】
好ましくは、前記細胞壁破壊ユニット142の内側壁には、振動部材1422が高周波振動して生じたノイズを伝播することを防止する防音層がさらに設けられることが理解され得る。好ましくは、前記細胞壁破壊ユニット142内には、撹拌装置(図示せず)がさらに設けられ、前記撹拌装置は、細胞壁破壊ユニット142内の残りの活性汚泥に対して撹拌作用を与え、細胞壁破壊の均一性を向上させることが理解され得る。
【0050】
図7に示すように、前記設備領域には、コントローラ162、送風機163及び検出ユニット161が設けられ、検出ユニット161及び送風機163がいずれもコントローラ162に接続される。検出ユニット161は、汚水処理中の各パラメータを検出し、例えば、汚水処理設備の給水・排水の品質を検出し、又は好気領域12内の溶解酸素含有量を検出する、などである。コントローラ162は、検出ユニット161の検出結果に基づいて、汚水処理設備における各種の汚水処理装置の制御パラメータを制御することで、汚水処理設備の排水が排出基準を満たすことを確保し、スマート制御調整を実現し、人為的干渉が必要とされず、省エネルギー・排出削減の効果を実現することができる。前記検出ユニット161は、液位検出器、流量検出器、酸素溶解器、リン総含有量検出器、酸化還元電位メータ、アンモニア態窒素検出器及びCOD検出器のうち1種又は複数種を含むことが理解され得る。前記コントローラ162は、CPUユニットを含み、CPUユニットは、検出ユニット161のデジタル信号及びアナログ信号を収集し、すなわち、CPUユニットは、検出ユニット161の各監視結果及び稼働状態を取得し、監視結果に基づいて、汚水処理結果が基準を満たすか否かを判定し、稼働状態に基づいて、正常に運転しているか否かを判定する。CPUユニットは、汚水処理結果が基準を満たさないことを判定した場合、予め搭載されたプログラムに基づいて計算し、計算結果に基づいて対応する制御信号を生成し、各種の汚水処理装置の制御パラメータを制御する。CPUユニットは、検出ユニット161のデジタル信号を収集した後、ある検出ユニット161が故障したことを判定した場合、故障警報信号を生成する。前記コントローラ162は、PLC又はMCUであることが理解され得る。前記汚水処理設備における各種の汚水処理装置は、以上に記載の送風機163、リフトポンプ、薬剤投入装置、リン物理的除去装置、リン化学的除去装置、混合液還流ポンプ、第2の電気制御スイッチ素子、炭素源補充装置などを含むことが理解され得る。
【0051】
本発明の汚水処理設備は、検出ユニット161によって汚水処理中の各パラメータを監視し、検出結果をコントローラ162に転送し、コントローラ162は、検出結果に基づいて、汚水処理設備における各種の汚水処理装置の制御パラメータを調整制御し、汚水処理過程において、自動的検出及び自動化調整の機能を実現し、人為的干渉が必要とされず、調整過程がコントローラ162内に予め搭載された計算プログラムによって制御され、調整正確性が高く、汚水処理設備が最適な汚水処理効果を有することを確保し、また、汚水処理設備の汚水処理効率を向上させる。
【0052】
好ましくは、前記設備領域には、コントローラ162によって収集されたデジタル信号とアナログ信号、及び生成された故障警報信号をクラウドサーバ40に転送する通信モジュール165がさらに設けられ、通信モジュール165は、それぞれコントローラ162及びクラウドサーバ40に接続されることが理解され得る。スタッフは、クラウドサーバ40に接続された遠隔監視コンピュータ20において警報通知を取得し、遠隔監視コンピュータ20は、さらにコントローラ162によって収集されたデジタル信号及びアナログ信号に対してコンフィグレーションの遠隔読み取り・書き込みを行い、それにより、現場に人がいない場合でも、汚水処理設備の運転状態を把握することができる。また、遠隔監視コンピュータ20は、クラウドサーバ40を介してコントローラ162を遠隔制御し、設備の起動・停止、パラメータ設定及び故障リセットなどを制御することができる。クラウドサーバ40は、同時に複数台の汚水処理設備と通信可能であり、遠隔監視コンピュータ20が同時に複数台の汚水処理設備を遠隔制御することを実現できることが理解され得る。前記通信モジュール165とクラウドサーバ40との通信方式は、無線電通信、光ファイバー通信、GPRS通信のうち1種又は複数種であり得ることが理解され得る。前記通信モジュール165は、無線電通信モジュール、光ファイバー通信モジュール及びGPRS通信モジュールのうち1種又は複数種を含む。さらに好ましくは、前記通信モジュール165は、さらに、モバイル端末30に無線通信接続され、コントローラ162は、ショートメッセージ制御モジュールを含み、すなわち、コントローラ162は、ショートメッセージを読み書きする機能をサポートすることができ、ショートメッセージ制御モジュールとしては、GRM200型PLCショートメッセージ制御モジュールを選択できることが理解され得る。コントローラ162は、故障警報信号を生成した後、通信モジュール165を介してアラーム情報をモバイル端末30に送信し、スタッフが現場又は遠隔監視コンピュータ20の前にいなくても、汚水処理設備の運転状況をリアルタイムに把握することができる。スタッフは、モバイル端末30を介してアラーム情報を取得した後、情報を通信モジュール165に送信し、次にコントローラ162は、情報内容を読み書きする制御信号に変換することで、汚水処理設備の稼働状態を制御する。例えば、ショートメッセージを読み書きすることで、汚水処理設備の起動・停止、関連するパラメータ又は故障リセットなどを制御することができる。前記モバイル端末30は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ウェアラブル電子機器等であることが理解され得る。
【0053】
本発明の汚水処理設備は、通信モジュール165を介してクラウドサーバ40と通信し、遠隔監視コンピュータ20は、クラウドサーバ40にログインすることにより、複数台の汚水処理設備の運転状態を同時に取得することができ、クラウドサーバ40によって、複数台の汚水処理設備を遠隔制御することもでき、監視範囲がより広く、ユビキタスネットワークの発展のニーズに合わせる。また、通信モジュール165を介してモバイル端末30と無線通信し、アラーム情報をショートメッセージでモバイル端末30に転送し、スタッフが現場又は遠隔監視コンピュータ20の前にいなくても、汚水処理設備の運転状況をリアルタイムに把握することができる。コントローラ162は、さらに、ショートメッセージ読み書き機能をサポートし、スタッフは、モバイル端末30を介して汚水処理設備の稼働状態を遠隔制御することができる。
【0054】
好ましくは、前記設備領域には、通信モジュール165からクラウドサーバ40までの通信距離を延長させる変換器166がさらに設けられ、変換器166は、それぞれクラウドサーバ40及び通信モジュール165に接続されることが理解され得る。例えば、前記変換器166は、RS232レベルをRS485レベルに変換できるRS232/RS485変換器であり、伝送距離がより遠く、通信モジュール165からクラウドサーバ40までの通信距離を延長させる。
【0055】
好ましくは、前記設備領域には、コントローラ162に接続され且つ警報信号を発出するアラームモジュール164がさらに設けられる。コントローラ162は、検出ユニット161が故障したことを検出した場合、アラームモジュール164が警報信号を発出するように制御でき、それにより、現場のスタッフがすぐに気づき、故障を迅速に排除することが理解され得る。前記警報信号は、音声信号、光信号又は両者の組み合わせであり得る。さらに好ましくは、前記設備領域には、通信モジュール165に接続され且つモニター能を果たすビデオカメラ168がさらに設けられ、ビデオカメラ168は、現場の生産環境及び設備運転状態を監視し、監視内容を通信モジュール165を介してクラウドサーバ40にリアルタイム転送する。例えば、アラームモジュール164が警報信号を発出すると、スタッフは、遠隔監視コンピュータ20においてビデオカメラ168を介してすぐに警報信号に気づき、故障を迅速に排除し、ビデオカメラ168は、監視補助の役割を果たす。
【0056】
好ましくは、前記設備領域には、コントローラ162に接続され且つコントローラ162に対してパラメータ設定及び制御を行うタッチパネル167がさらに設けられることが理解され得る。スタッフは、タッチパネル167によって汚水処理設備の起動・停止、パラメータ設定及び故障リセット等を制御することができる。また、タッチパネル167は、さらに、検出ユニット161の検出結果及び汚水処理設備における各種の汚水処理装置の制御パラメータを表示することができる。
【0057】
前記検出ユニット161は、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のCOD値を検出するCOD検出器を含み、前記嫌気領域11内には、嫌気領域11に汚水を導入するリフトポンプが設けられ、コントローラ162は、COD検出器の検出結果に基づいてリフトポンプのインバーター周波数を調整し、それにより、リフトポンプの回転数を制御し、さらに汚水処理設備の汚水処理量を自動的に調整することが理解され得る。前記コントローラ162に排水のCOD基準値が予め設定され、コントローラ162は、比較することにより、COD検出器によって検出された汚水処理設備の排水のCOD値が基準を超えることを判断した場合、汚水処理設備の汚水処理量がその定格負担を超えることが証明され、前記コントローラ162は、制御信号を生成し、リフトポンプのインバーター周波数パラメータを低減制御し、それにより、リフトポンプの回転数を低減させ、汚水処理設備の汚水給水量を低減させることによって、汚水処理設備の汚水処理量がその定格負担を満たし、さらに排水のCOD値が基準を満たすようにする。例えば、『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準には、排水のCOD値が50mg/L以下であることが規定されている。汚水処理設備の排水のCOD値が50mg/Lを超えることがCOD検出器により検出された場合、コントローラ162は、リフトポンプのインバーター周波数を低減制御し、汚水処理設備の汚水給水量を減少させる。
【0058】
好ましくは、前記汚水処理設備は、薬剤投入ポンプを含む薬剤投入装置を含むことが理解され得る。薬剤投入装置は、薬剤投入ポンプを介して薬剤を投入し、汚水中のCOD値を低減させ、前記コントローラ162は、COD検出器の検出結果に基づいて薬剤投入ポンプの開度を制御し、薬剤投入ポンプの薬剤輸送量を制御する。例えば、排水のCODが基準を超えることがCOD検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの回転数を増加制御し、薬剤輸送量を増加させ、それにより、汚水のCOD値を迅速に低減させ、排水のCODが早めに基準を満たす。排水のCODが基準を満たすことがCOD検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの開度を縮小制御し、薬剤投入量が大きすぎるため、汚水処理コストが増加されてしまうことを防止する。本発明では、コントローラ162は、COD検出器の検出結果に基づいて薬剤投入ポンプの回転数を低減制御し、排水のCOD値を迅速に低減させ、汚水処理コストを増加させることがなく、全過程が自動的に制御され、人為的干渉が必要とされず、調整正確性が高い。
【0059】
前記コントローラ162は、比較することにより、COD検出器によって検出された汚水処理設備の排水のCOD値が基準を超えることを判断した場合、警報制御信号を生成して遠隔クラウドサーバ40及び/又はモバイル端末30及び/又はアラームモジュール164に送信することにより、スタッフがすぐにメンテナンスし、自動調整の結果を確認し、すなわち、排水のCOD値が正常に回復されたか否かを確認することが理解され得る。
【0060】
前記検出ユニット161は、汚水処理設備の排水のリン総含有量を検出するリン総含有量検出器をさらに含み、前記汚水処理設備は、物理的に吸着して沈殿することで、汚水中のリン総含有量を低減させるリン物理的除去装置を含むことが理解され得る。前記コントローラ162に排水のリン総含有量の基準値が予め記憶され、コントローラ162は、比較することにより、リン総含有量検出器によって検出された汚水処理設備の排水のリン総含有量が基準を超えることを判断した場合、制御信号を生成してリン物理的除去装置が稼働し始めるように制御し、汚水中のリン総含有量を低減させ、それにより、排水のリン総含有量が基準を満たすようにする。排水のリン総含有量が基準を満たすことがリン総含有量検出器により検出された場合、フィードバック情報を生成してコントローラ162に転送し、コントローラ162は、リン物理的除去装置が稼働を停止するように制御する。リン物理的除去装置は、従来のリン化学的除去方法に比べて、リン除去速度が速く、リン除去効果のフィードバックが速いという利点を有し、リン物理的除去装置が稼働し始めると、すぐに排水のリン総含有量を低減させることができ、排水のリン総含有量が基準を満たすと、すぐにリン物理的除去装置が稼働を停止するように制御し、運営コストを低減させる。例えば、『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準には、排水のリン総含有量が0.5mg/Lを超えてはいけないことが規定されている。汚水処理設備の排水のリン総含有量が0.5mg/Lを超えることがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、リン物理的除去装置が稼働し始めるように制御し、汚水処理設備の排水のリン総含有量を迅速に低減させる。汚水処理設備の排水のリン総含有量が0.5mg/L以下であることがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、リン物理的除去装置が稼働を停止するように制御する。
【0061】
本発明の汚水処理設備は、リン総含有量検出器によって汚水処理設備の排水のリン総含有量を検出し、コントローラ162は、比較することにより、リン総含有量検出器によって検出された汚水処理設備の排水のリン総含有量が基準を超えることを判断した場合、リン物理的除去装置が稼働し始めるように制御し、排水のリン総含有量を迅速に低減させ、リン除去過程を自動的かつ迅速に調整し、人為的干渉が必要とされず、調整過程がコントローラ162により制御され、調整正確性が高い。また、リン物理的除去装置は、従来のリン化学的除去方法に比べて、リン除去速度が速く、リン除去効果のフィードバックが速いという利点を有し、リン物理的除去装置が稼働し始めると、すぐに排水のリン総含有量を低減させることができ、排水のリン総含有量が基準を満たすと、リン物理的除去装置が稼働を停止するように制御することができ、調整全過程が自動的に制御され、運営コストが低減される。
【0062】
前記リン物理的除去装置は、汚水中のリンを物理的に吸着する充填材キャビティと、充填材キャビティの給水口に設けられる第1の電気制御スイッチ素子とを含み、第1の電気制御スイッチ素子がコントローラ162に接続され、コントローラ162は、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、第1の電気制御スイッチ素子の汚水輸送量を制御することが理解され得る。汚水処理設備の排水リン総含有量が基準を超えることがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、第1の電気制御スイッチ素子が開くように制御し、汚水が充填材キャビティに流入し、充填材キャビティが汚水中のリンを物理的に吸着した後に汚水を排出することで、排水のリン総含有量を迅速に低減させる。汚水処理設備の排水リン総含有量が基準を満たすことがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、第1の電気制御スイッチ素子が閉じるように制御する。前記第1の電気制御スイッチ素子は、電磁弁又は電気制御弁であり、電気制御弁であることが好ましい。前記コントローラ162は、電気制御弁の開度を制御することができ、第1の電気制御スイッチ素子の汚水輸送量を調整し、正確な調整を実現する。前記充填材キャビティにおける充填材の粒径サイズは、2mm~8mmであり、好ましくは、2mm~5mmであり、充填材の粒径サイズがこの範囲内にあると、充填材キャビティが最適なリン除去効果有し、充填材の摩耗率が低く、リン物理的除去装置のメンテナンスコストを低減させる。1つの変形としては、前記充填材キャビティは、充填材結晶床に置換されてもよく、第1の電気制御スイッチ素子を経由して流入した汚水が充填材結晶床を流れた後、汚水中のリンが充填材粒子の面に濃縮され、さらに結晶沈殿が生成され、それにより、汚水中のリン総含有量を低減させる効果を実現することが理解され得る。別のオプションとしては、前記充填材キャビティは、人工湿地に置換されてもよく、人工湿地のマトリックスを用いて汚水中のリンを濾過、遮断及び堆積すると、同様に、汚水中のリン総含有量を低減させる効果を実現することがさらに理解され得る。
【0063】
さらに好ましくは、前記汚水処理設備は、コントローラ162に接続され且つリン物理的除去装置を洗浄する逆方向洗浄装置をさらに含む。リン物理的除去装置が汚水中のリンを物理的に吸着するため、使用時間が長すぎると、リン物理的除去装置のリン除去効果が低下し、このとき、コントローラ162は、逆方向洗浄装置がリン物理的除去装置を定期的に逆方向洗浄するように制御し、充填材キャビティに吸着されたリンを洗浄し、充填材キャビティが優れたリン除去効果を維持し、リン除去効果を確保するように、充填材キャビティ内の充填材を定期的に交換し、リン物理的除去装置の耐用年数を延長させ、汚水処理の運営コストを低減させる。1つの変形としては、前記リン物理的除去装置の排水端には、コントローラ162に接続された流量モニターが設けられ、流量検出器は、リン物理的除去装置の排水量が急激に低減したことを検出した場合、警報信号を生成してコントローラ162に転送し、コントローラ162は、洗浄装置が起動し、リン物理的除去装置を逆方向洗浄するように制御する。
【0064】
好ましくは、前記汚水処理設備は、汚水に薬剤を投入して汚水中のリン総含有量を低減させるリン化学的除去装置をさらに含み、リン化学的除去装置は、薬剤投入ポンプを含むことが理解され得る。リン化学的除去装置は、薬剤投入ポンプを介してリン除去薬剤を汚水に投入し、汚水中のリン酸粒子が難溶性塩を生成し、凝集体を形成して水と分離し、それにより、リン除去効果を実現する。前記コントローラ162は、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、薬剤投入ポンプの開度を制御し、薬剤投入ポンプの薬剤輸送量を制御する。例えば、排水のリン総含有量が基準を超えることがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの回転数を増加制御し、薬剤輸送量を増加させ、それにより、汚水のリン総含有量を迅速に低減させ、排水のリン総含有量が早めに基準を満たすようにする。排水のリン総含有量が基準を満たすことがリン総含有量検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの開度を縮小制御し、リン除去薬剤の投入量が多すぎるため、汚水処理コストが増加されてしまうことを防止する。本発明では、コントローラ162は、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、薬剤投入ポンプの回転数を低減制御することで、排水のリン総含有量を迅速に低減させ、汚水処理コストを増加させることがなく、全過程自動化制御、人為的干渉が必要とされず、調整正確性が高い。
【0065】
別のオプションとしては、前記汚水処理設備は、さらに、給水のリン総含有量に基づいて、リン物理的除去装置及びリン化学的除去装置の稼働状態を対応して制御することが理解され得る。前記リン総含有量検出器は、汚水処理設備の給水のリン総含有量を検出し、前記コントローラ162に給水のリン総含有量の第1の閾値及び第2の閾値が予め記憶される。給水のリン総含有量が第1の閾値以下である場合、汚水処理設備の現在の稼働状態では、排水のリン総含有量が基準を満たすように維持でき、汚水処理設備の現在の稼働状態でのリン除去範囲内にあることが意味される。給水のリン総含有量が第1の閾値~第2の閾値である場合、汚水処理設備の現在の稼働状態では、排水のリン総含有量を低減できず、排出基準を満たすことができず、給水のリン総含有量が汚水処理設備の現在の稼働状態でのリン除去範囲を超え、その他のリン除去方法を用いて排水のリン総含有量をさらに低減させる必要があることが意味される。給水のリン総含有量が第2の閾値以上である場合、給水のリン総含有量が基準を遥かに超え、給水のリン総含有量が汚水処理設備の現在の稼働状態でのリン除去範囲を遥かに超え、非常に効果的なリン除去方法を用いて排水のリン総含有量を低減させる必要があることが意味される。コントローラ162は、給水のリン総含有量が第1の閾値以下である場合、リン物理的除去装置及びリン化学的除去装置を停止状態に制御し、給水のリン総含有量が第1の閾値~第2の閾値であることがリン総含有量検出器により検出された場合、リン物理的除去装置が稼働し始めるように制御し、給水のリン総含有量が第2の閾値を超えることがリン総含有量検出器により検出された場合、リン化学的除去装置が稼働し始めるように制御する。例えば、給水のリン総含有量が3mg/L以下であることが検出された場合、汚水処理設備自体の汚水処理システムは、排水が排出基準を満たすように、汚水中のリン総含有量を低減することがきる。給水のリン総含有量が3mg/L~6mg/Lであることが検出された場合、汚水処理設備自体の汚水処理システムで処理済みの排水のリン総含有量が排出基準を超え、コントローラ162は、リン物理的除去装置が稼働し始めるように制御し、排出基準を満たすように、物理的に吸着して沈殿することで、汚水中のリン総含有量を低減させる。給水のリン総含有量が6mg/L~9mg/Lであることが検出された場合、リン物理的除去装置が稼働し始めても、汚水中のリン総含有量を基準値以下に低減できないことが意味され、この場合、コントローラ162は、リン化学的除去装置が稼働し始めるように同時に制御し、排出基準を満たすように、リンを化学的に除去することで、汚水中のリン総含有量を低減させる。リン物理的除去装置は、物理的に吸着して沈殿することで、リン除去を行うため、リン除去量が少なく、給水のリン総含有量が所定の閾値を超える場合、リン総含有量を基準値以下に低下できない一方、リン化学的除去装置は、化学薬剤を投入することで、リン化学的除去を行う。給水のリン総含有量が基準を遥かに超える場合、リン化学的除去装置のリン除去効果は、リン物理的除去装置より大幅に優れることが理解され得る。本発明の汚水処理設備は、リン総含有量検出器の検出結果に基づいて、リン物理的除去装置及びリン化学的除去装置の稼働状態を対応して制御し、リンを迅速に除去できるが、リン除去量が少ないというリン物理的除去装置の特徴と、リン除去量が大きいが、リン除去コストが高く、リン除去効果のフィードバックが遅いというリン化学的除去装置の特徴とを組み合わせることによって、排水のリン総含有量が排出基準を満たすことを確保し、生産コストを低減させることができ、全過程が自動化的に制御され、人為的干渉が必要とされず、汚水処理設備が優れたリン除去効果を確保する。
【0066】
前記検出ユニット161は、汚水処理設備の排水位置に位置し且つ汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量を検出するアンモニア態窒素検出器を含み、前記汚水処理設備は、汚水処理設備の好気領域12内の混合液を嫌気領域11に還流する混合液還流ポンプを含むことが理解され得る。前記コントローラ162に排水のアンモニア態窒素含有量の基準値が予め記憶され、コントローラ162は、比較することにより、アンモニア態窒素検出器によって検出された汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量が基準を超えることを判断した場合、制御信号を生成し、混合液還流ポンプが稼働し始めるように制御し、好気領域12内の混合液を嫌気領域11に還流し、再脱窒処理を行うことにより、汚水中のアンモニア態窒素含有量を低減させ、排水のアンモニア態窒素含有量が基準を満たす。アンモニア態窒素検出器は、排水のアンモニア態窒素含有量が基準を満たすことを検出した場合、フィードバック情報を生成してコントローラ162に転送し、コントローラ162は、混合液還流ポンプが稼働停止するように制御する。例えば、『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準には、排水のアンモニア態窒素含有量が5(8)mg/Lを超えてはいけないことが規定されている。汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量が5(8)mg/Lを超えることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、コントローラ162は、混合液還流ポンプが稼働し始めるように制御し、汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量を迅速に低減させる。汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量が5(8)mg/L以下であることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、コントローラ162は、混合液還流ポンプが稼働を停止するように制御する。コントローラ162は、混合液還流ポンプのインバーターの周波数を制御することで、混合液還流ポンプの回転数を調整し、さらに混合液の還流量を調整することが理解され得る。前記コントローラ162は、比較することにより、アンモニア態窒素検出器によって検出された汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量が基準を超えることを判断した場合、警報制御信号を生成してクラウドサーバ40及び/又はモバイル端末30及び/又はアラームモジュール164に送信し、スタッフがすぐにメンテナンスし、自動調整の結果を確認し、すなわち、排水のアンモニア態窒素含有量が正常に回復されたか否か、及び設備が正常に運転しているか否かを確認することを通知することが理解され得る。前記コントローラ162は、アンモニア態窒素検出器の検出結果に基づいて、混合液還流比を制御することができ、例えば、コントローラ162は、排水のアンモニア態窒素含有量が第1の範囲内にあることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、混合液還流比を100%に制御し、排水のアンモニア態窒素含有量が第2の範囲内にあることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、混合液還流比を200%に制御し、排水のアンモニア態窒素含有量が第3の範囲内にあることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、混合液還流比を300%に制御し、排水のアンモニア態窒素含有量が第4の範囲内にあることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、混合液還流比を400%に制御し、第1の範囲、第2の範囲、第3の範囲及び第4の範囲の数値が順に増加することがさらに理解され得る。具体的には、好気領域12は、複数本の混合液還流管を介して嫌気領域11と連通し、混合液還流管のそれぞれに電磁弁が設けられ、コントローラ162は、混合液還流ポンプの回転数及び/又は電磁弁の開き数を制御することで、混合液還流比を制御する。すなわち、排水のアンモニア態窒素含有量の各範囲がいずれも1つの混合液還流比に対応し、本発明の汚水処理設備は、検出された排水のアンモニア態窒素含有量に基づいて、レンジを切り替えることができ、それにより、異なる混合液還流比を制御し、自動化調整を実現し、汚水処理設備が優れたアンモニア態窒素除去効果を有することを確保する。
【0067】
1つの変形としては、本発明の汚水処理設備の好気領域12は、嫌気領域11と複数本の還流管を介して連通し、各還流管のそれぞれには、混合液の還流量を制御する第2の電気制御スイッチ素子が設けられ、前記第2の電気制御スイッチ素子がコントローラ162に接続されることが理解され得る。前記アンモニア態窒素検出器によって検出された汚水処理設備の排水のアンモニア態窒素含有量が基準を超える場合、コントローラ162は、第2の電気制御スイッチ素子が開くように制御し、それにより、好気領域12内の混合液を嫌気領域11に還流する。前記コントローラ162は、複数の第2の電気制御スイッチ素子の開き数を制御することができ、それにより、好気領域12から嫌気領域11に還流された混合液の還流量を正確に調整することを実現する。コントローラ162は、混合液還流ポンプ及び第2の電気制御スイッチ素子の両方を制御することで混合液の還流量を調整してもよく、調整が多様化され、また、正確になることがさらに理解され得る。前記第2の電気制御スイッチ素子は、電磁弁又は電気制御弁であってもよく、電気制御弁であることが好ましい。前記コントローラ162は、第2の電気制御スイッチ素子の混合液の還流量を調整ように、電気制御弁の開度を制御することができ、正確な調整を実現する。
【0068】
好ましくは、前記汚水処理設備は、混合液還流ポンプ及び第2の電気制御スイッチ素子を含み、前記検出ユニット161は、混合液の還流量を検出する流量検出器をさらに含み、前記流量検出器がコントローラ162に接続されることが理解され得る。前記流量検出器は、混合液の還流量を検出し、フィードバック信号を生成してコントローラ162に転送し、前記コントローラ162には、第2の電気制御スイッチ素子及び混合液還流ポンプの異なる制御パラメータに基づいて、異なる混合液の還流量のデフォルト値が対応して記憶され、コントローラ162は、比較することにより、流量検出器によって検出された混合液の還流量がデフォルト値より低いことを判断した場合、アラームモジュール164が警報したり、アラーム情報をクラウドサーバ40又はモバイル端末30に転送したりするように制御し、スタッフが第2の電気制御スイッチ素子及び混合液還流ポンプをメンテナンスすることを通知し、それにより、還流管及び混合液還流ポンプが詰まったため、混合液の還流量が少なく、さらに汚水中のアンモニア態窒素含有量を低減できないことを防止する。さらに好ましくは、混合液の還流量がデフォルト値より低いことを前記流量検出器により検出された場合、コントローラ162は、逆方向洗浄装置が混合液還流ポンプ及び第2の電気制御スイッチ素子に対して逆方向洗浄を行うように制御し、詰まったため、混合液の還流量が少なかったり、還流できかったりし、さらに排水のアンモニア態窒素含有量が高くなることを防止することが理解され得る。
【0069】
嫌気領域11は、脱窒作用が行われ続けるとともに、内部の炭素源が消費され続けるため、順調に脱窒作用を行うことを確保するように、嫌気領域11に新しい炭素源を連続的に補充する必要がある。好ましくは、前記汚水処理設備は、薬剤投入ポンプを含む炭素源補充装置(図示せず)をさらに含むことが理解され得る。前記炭素源補充装置は、薬剤投入ポンプを介して嫌気領域11に新しい炭素源を補充し、前記コントローラ162は、アンモニア態窒素検出器の検出結果に基づいて、薬剤投入ポンプの開度を制御することで、薬剤投入ポンプの輸送量を制御する。前記炭素源は、メチルアルコール、エタノール、酢酸又は酢酸ナトリウムなどであってもよいことが理解され得る。例えば、排水のアンモニア態窒素含有量が基準を超えることがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの開度を増大させるか、又は完全に開くように制御することで、汚水のアンモニア態窒素含有量を迅速に低減させ、排水のアンモニア態窒素含有量が早めに基準を満たすようにし、排水のアンモニア態窒素含有量が基準を満たすことがアンモニア態窒素検出器により検出された場合、コントローラ162は、薬剤投入ポンプの開度を縮小制御し、薬剤投入量が多すぎるため、汚水処理コストが増加されてしまうことを防止する。本発明では、コントローラ162がアンモニア態窒素検出器の検出結果に基づいて、薬剤投入ポンプの開度を制御することによって、排水のアンモニア態窒素含有量を迅速に低減させることを実現し、また、汚水処理コストを増加させることがなく、全過程が自動的に制御され、人為的干渉が必要とされず、調整正確性が高い。
【0070】
嫌気領域11内には、無酸素状態を維持する必要があり、通常、溶解酸素の濃度が0.5mg/Lを超えてはいけない。そうでないと、嫌気領域11内の脱窒作用が破壊され、窒素除去効果が大幅に低減される。好ましくは、前記検出ユニット161は、汚水処理設備の嫌気領域11内に位置し且つ嫌気領域11中の溶解酸素濃度を検出する溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータ(図示せず)をさらに含み、前記溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータがコントローラ162に接続されることが理解され得る。溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータは、嫌気領域11内の溶解酸素濃度が基準を超えることを検出した場合、溶解酸素テスターは、警報信号を生成してコントローラ162に転送し、スタッフがすぐにメンテナンスするように、コントローラ162は、アラームモジュール164が警報し、又は、アラーム情報を生成してクラウドサーバ40及びモバイル端末30に転送するように制御する。
【0071】
好ましくは、前記検出ユニット161は、好気領域12内に位置し且つ好気領域12中の溶解酸素濃度を検出する溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータをさらに含み、コントローラ162は、溶解酸素テスター又は酸化還元電位メータに基づいて、送風機163のインバーターの周波数を制御し、送風機163の回転数を調整し、それにより、好気領域12内の曝気量を自動的に調整することを実現し、スマート制御及び省エネルギーの効果が得られることが理解され得る。
【0072】
好ましくは、前記設備領域には、コントローラ162に接続されるニューラルネットワークモジュール169がさらに設けられ、ニューラルネットワークモジュール169は、コントローラ162によって収集されたデジタル信号とアナログ信号、及びコントローラ162によって各種の汚水処理装置に転送された制御信号に基づいて、ディープ学習してスマート制御を行うことが理解され得る。前記コントローラ162によって各種の汚水処理装置に転送された制御信号は、各種の汚水処理装置の設定パラメータである。前記ニューラルネットワークモジュール169は、ニューロンチップであることがさらに理解され得る。ニューラルネットワークモジュール169が設けられることで、ディープ学習して最適なパラメータ設定を得、最適なパラメータをコントローラ162を介して各種の汚水処理装置にそれぞれ伝送することができ、それにより、汚水処理設備を手動でデバッグしたり、故障を排除したりすることなく、スマート制御を実現する。汚水処理設備の運転に伴って、ニューラルネットワークモジュール169によって取得された基礎データがますます多くなり、ディープ学習の結果がますます正確になり、制御正確性がますます高くなる。
【0073】
本発明の複数住宅の生活汚水処理に適用される汚水処理設備であって、処理対象は、一般的な生活汚水であり、給水のCODは、200mg/L~300mg/Lであり、BODは、100mg/L~120mg/Lであり、SSは、80mg/L~100mg/Lであり、アンモニア態窒素含有量は、20mg/L~25mg/Lであり、リン総含有量は、1mg/L~3mg/Lである。本発明の汚水処理設備で汚水処理済みの排水の品質は、『都市・鎮の汚水処理場の汚染物排出基準』GB18918-2002の1級A基準を満たし、排水のCODは、50mg/Lであり、BODは、10mg/Lであり、SSは、10mg/Lであり、アンモニア態窒素含有量は、5(8)mg/Lであり、リン総含有量は、0.5mg/Lである。
【0074】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を限定することものではない。当業者であれば、本発明に様々な修正および変更を添加ことができる。本発明の精神及び原理の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換や改良などは本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】