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特表2022-516925無限軌道延伸機の鎖要素を含む延伸鎖の口径領域を交換する方法ならびに無限軌道延伸機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】無限軌道延伸機の鎖要素を含む延伸鎖の口径領域を交換する方法ならびに無限軌道延伸機
(51)【国際特許分類】
   B21C 1/30 20060101AFI20220224BHJP
   B30B 5/04 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
B21C1/30 A
B30B5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021539080
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 DE2019101031
(87)【国際公開番号】W WO2020141005
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】102019100142.0
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019106362.0
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510320690
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ツミール,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】リンドブシュル,イェルク
【テーマコード(参考)】
4E090
4E096
【Fターム(参考)】
4E090AA05
4E090AB01
4E090EA01
4E090EC01
4E090FA02
4E090HA05
4E096EA12
4E096EA14
4E096EA16
4E096FA01
4E096FA41
4E096GA03
4E096GA11
4E096KA09
(57)【要約】
延伸ダイおよび延伸ダイの後方に配置された、2つの延伸鎖がともに延伸鎖の鎖要素に配置された延伸工具を含む無限軌道を有する無限軌道延伸機の場合、2つのうちの少なくとも1つの延伸鎖の延伸工具がそれぞれの鎖要素とともに延伸線に垂直に配向可能であるべきであるため、異なる口径領域を有する2つの延伸凹部の間で口径領域が簡単かつ作業上安全に交換されることができる。第1延伸凹部が、2つのうちの少なくとも1つの延伸鎖のために定められた第1口径領域のために、2つのうちの第2の延伸鎖の2つの異なる延伸凹部が定められたとき、あるいは2つのうちの第1の延伸鎖の延伸凹部が2つのうちの第2の延伸鎖の延伸凹部と異なるときにも、後者は可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延伸ダイ(12)および延伸方向(21)に見て前記延伸ダイ(12)の後方に配置された無限軌道(13)を含む無限軌道延伸機(10)の鎖要素を含む延伸鎖(14)の口径領域の交換方法であり、前記無限軌道(13)は工作物(11)を前記延伸方向(21)に平行に配向された延伸線(20)に沿って変形しながら前記延伸ダイ(12)を通って延伸することができ、前記鎖要素を含む延伸鎖(14)を含み、前記延伸鎖(14)の前記鎖要素にはそれぞれ少なくとも第1延伸凹部(41)および第2延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)が配置または形成され、前記第1延伸凹部(41)は第1口径領域のため、前記第2延伸凹部(41)は第2の、前記第1口径領域とは別の口径領域のために定められ、前記第1延伸凹部(41)および前記第2延伸凹部(41)は、前記それぞれの延伸工具(40)の前記延伸線(20)に垂直な移動によって、選択的に前記延伸線(20)あるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に関して配向され、前記口径領域を相応に前記第1口径領域と前記第2口径領域の間で交換し、前記延伸工具(40)が前記それぞれの鎖要素とともに配向されることを特徴とする、無限軌道延伸機(10)の鎖要素を含む延伸鎖(14)の口径領域の交換方法。
【請求項2】
前記延伸鎖(14)が配向前に緩み、配向後に再び引っ張られることを特徴とする、請求項1に記載の口径交換方法。
【請求項3】
前記無限軌道(13)が鎖要素を含む第2の延伸鎖(14)を含み、前記第2延伸鎖(14)の前記鎖要素にそれぞれ少なくとも2つの延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)を配置するか形成し、前記第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)が前記第1延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)とは異なり、または少なくとも前記延伸線(20)に垂直に逸脱して配置され、前記第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)がそれぞれの前記延伸工具(40)の前記延伸線(20)に垂直な移動により、選択的に前記延伸線(20)あるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に関して前記それぞれの鎖要素とともに配向され、前記口径領域を相応に前記両口径領域間で交換し、前記延伸工具(40)および前記第2延伸鎖(14)のそれぞれの鎖要素が、方向部材によって配向され、前記方向部材は、それによって前記延伸工具(40)および前記第1延伸鎖(14)の鎖要素が配向される方向部材とは別のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の口径交換方法。
【請求項4】
延伸ダイ(12)および延伸方向(21)に見て前記延伸ダイ(12)の後方に配置された無限軌道(13)を含む無限軌道延伸機(10)であり、前記無限軌道(13)は工作物(11)を前記延伸方向(21)に平行に配向された延伸線(20)に沿って変形しながら前記延伸ダイ(12)を通して延伸でき、2つの循環する、鎖要素を含む延伸鎖(14)を含み、前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの前記鎖要素に、それぞれ少なくとも第1延伸凹部(41)および第2延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)が配置されるか、または形成され、前記第1延伸凹部(41)は第1口径領域のために、前記第2延伸凹部(41)は、第2の、前記第1口径領域とは異なる口径領域のために定められ、前記第1延伸凹部(41)および前記第2延伸凹部(41)は、前記それぞれの延伸工具(40)の前記延伸線(20)にあるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に垂直な移動により、選択的に延伸線(20)あるいは前記延伸面(23)に関して配向され、(i)前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの延伸鎖の前記延伸工具(40)が、前記それぞれの鎖要素とともに前記延伸線(20)に垂直に配向され、(ii)前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの延伸鎖の第1延伸凹部(41)が定められた前記第1口径領域のために、前記両延伸鎖のうちの第2延伸鎖(14)の2つの異なる延伸凹部(41)が定められ、および/または、(iii)前記両延伸鎖のうちの第1の延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)が、前記両延伸鎖のうちの第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)と異なり、または少なくとも前記延伸線(20)に垂直に逸脱してそれらのそれぞれの鎖要素に配置されることを特徴とする無限軌道延伸機(10)。
【請求項5】
両延伸鎖(14)の前記延伸工具(40)がそれぞれ前記それぞれの鎖要素とともに、前記延伸線(20)に垂直に配向可能であることを特徴とする請求項4に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項6】
前記両延伸鎖のうちの第2の延伸鎖(14)の前記両延伸凹部(41)が前記第1延伸鎖(14)の前記第1口径領域および第2口径領域とは異なる口径領域のために定められていることを特徴とする請求項3に記載の口径交換方法あるいは請求項4または5に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項7】
前記両延伸鎖のうちの第1の延伸鎖(14)の全延伸凹部(41)が前記両延伸鎖のうちの第2の延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)とは異なることを特徴とする請求項3または6に記載の口径交換方法あるいは請求項4~6の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項8】
前記延伸鎖(14)が前記延伸線(20)を含む延伸面(23)に平行に、少なくとも1つのスプロケット(15)の周りを循環して案内され、あるいは案内されており、前記延伸工具(40)が前記延伸面(23)に垂直におよび/または前記スプロケット(15)とともに配向され、あるいは配向可能であることを特徴とする請求項1~3、6および7の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~7の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項9】
前記無限軌道延伸機(10)が延伸ダイホルダ(53)および前記延伸ダイホルダ(53)に関して前記延伸鎖(14)の軸方向への移動のための少なくとも1つの軸駆動(60)を含むことを特徴とする請求項1~3および6~8の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~8の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項10】
前記軸駆動(60)を介して前記スプロケット(15)およびこれとともに前記付属の延伸鎖(14)および前記延伸工具(40)が配向され、あるいは配向可能であり、好適には前記無限軌道延伸機(10)が前記スプロケット(15)を担持する鎖ホルダ(50)を含み、前記鎖ホルダ(50)の前記軸駆動(60)を介し、およびこれとともに前記付属のスプロケット(15)が前記付属の延伸鎖(14)および前記延伸工具(40)と一緒に配向され、あるいは配向可能であることを特徴とする請求項8および9に記載の口径交換方法あるいは無限軌道延伸機(10)。
【請求項11】
前記延伸工具(40)が前記延伸鎖(14)のブロック(17A)に配置されるか、または形成されていることを特徴とする請求項1~3および6~10の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~10の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無限軌道延伸機の鎖要素を含む延伸鎖の口径領域を交換する方法ならびに無限軌道延伸機に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、例えば特許文献1、特許文献2または特許文献3に開示されているような、延伸ダイおよび延伸方向に見て延伸ダイの後方に配置される無限軌道を含む無限軌道延伸機に関する。ここで無限軌道は、工作物を延伸方向に平行に配向された延伸線に沿って、変形しながら延伸ダイを通って延伸することができ、そのために2つの循環する鎖要素および延伸工具が配置または形成されて含まれ、それらは工作物を把持し、無限軌道の延伸鎖の循環運動に従って延伸ダイを通して延伸することができる。通常ここでは、延伸工具あるいは延伸鎖はそれぞれ、延伸線と交差する延伸面に平行に、または延伸線と交差する延伸面内で循環する。
【0003】
特に特許文献4、特許文献5または特許文献6からもわかるように、延伸凹部は少なくとも一定の制限内でそれぞれの延伸されるべき工作物の断面に適合されている。これは、工作物がそこで損傷されることなく、それぞれの工作物が確実に把持されることに役立つ。
【0004】
必要な把持力をもたらすために、それぞれの延伸工具は、例えば、圧力ローラを担持する相応な加圧バーを介して、および必要に応じて同様に把持領域で循環する従属ローラを介して必要な力で互いに押圧され、加圧力が、無限軌道が工作物を変形する延伸のために延伸ダイを通してもたらさなければならない延伸力の約10倍であることが必要であると想定される。具体的な状況に応じて、延伸凹部の特定の形状が、対応する延伸凹部によって作業上安全に把持されうる特定の口径領域を、工作物断面に許容する。
【0005】
この理由から特許文献5、および特許文献6は、それぞれ異なった形状の、それによって異なる口径領域のために定められた2つ以上の延伸凹部を有する延伸工具を開示する。それぞれ鎖要素に形成された工具ホルダ中に保持された延伸工具の移動により、この工具ホルダに関して延伸凹部がそれぞれ延伸線あるいは延伸面に垂直に、選択的に延伸線あるいは延伸面に関して配向されることができる。するとこれは、延伸工具がそれぞれの鎖要素に関して相応に移動されることにより、延伸鎖の口径領域あるいは個々の延伸凹部がそれにしたがって交換されうることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2717383号公報
【特許文献2】国際公開第2006/002613号
【特許文献3】国際公開第2005/092533号
【特許文献4】特許第2986758号公報
【特許文献5】欧州特許第2197601号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第102018111731号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、簡単かつ作業上安全に1つあるいは複数の延伸鎖の口径領域を交換することができるような、口径交換方法ならびに無限軌道延伸機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、無限軌道延伸機の鎖要素を含む延伸鎖の口径領域の交換のための口径領域交換方法ならびに独立請求項の特徴を有する無限軌道延伸機により解決される。他の、場合によってはこれに従属しない有利な本発明の形態は、従属請求項ならびに以下の説明から明らかになる。
【0009】
特に口径交換方法では、第1および第2延伸凹部を含み、無限軌道の延伸鎖の鎖要素に配置された延伸工具が、それぞれの鎖要素とともに配向されうる。これによって1つのあるいは複数の延伸鎖の口径領域は、簡単かつ作業上安全に交換されることができる。なぜなら両延伸凹部が延伸線に関して、これが特定の工作物の延伸に望ましいように、相応に配向されるように、延伸工具がそれぞれの鎖要素とともに延伸線あるいは延伸面に関して配向されることができるためである。
【0010】
延伸工具が、相応の延伸工具を担持するそれぞれの鎖要素と関連なく配向されなくてもよいことにより、延伸工具は配向前に付属する鎖要素から解放されず、配向後に再びこれらと結合される必要がある。
【0011】
したがって、無限軌道延伸機に属する無限軌道の2つの延伸鎖のうちの少なくとも1つの延伸鎖の延伸工具が、それぞれの鎖要素とともに延伸線に垂直に配向されると、無限軌道延伸機においても有利である。したがって鎖要素が延伸工具とともに移動することにより、簡単かつ作業上安全に1つあるいは複数の延伸鎖の口径領域が交換されることができる。
【0012】
ここでは特に、全延伸鎖が全体として相応に移動あるいは配向されることも考えることができ、それは例えば延伸鎖が局部的な箇所、例えばスプロケットに相応に移動されることによって行われることができ、それが循環している間に、一循環後または複数回の循環後にさえ相応の移動が完了する。ここでは、配向のために望ましい特定の全体移動の際、移動が複数の個別の段階で連続的に行われうるため、全ての鎖がその後、それぞれ第1延伸凹部が延伸線に関して配向される第1配向位置から、第2延伸凹部が延伸線に関して配向される第2配向位置に移動されるまで、複数の循環が必要になることがわかる。その一方で特に、例えば延伸鎖を担持する鎖ホルダおよび、場合によりその周りに相応の延伸鎖が案内されるスプロケットがともに移送されることで、全ての鎖が一段階で相応に移動されることも考えうる。そのような移動は特に、鎖ホルダおよび/または少なくとも1つのスプロケットが軸駆動を使って相応に移動されるとき、あるいは鎖がまだ牽引されているときにさえ行われうる。ここではそのような移動の際、延伸鎖を循環させることは特に必ずしも必要ではない。なぜなら鎖と接触している全アセンブリが一様に軸移動されることができるため、大きな摩擦力はここでは生じないはずだからである。
【0013】
2つの延伸鎖のうちの第1の延伸鎖の延伸凹部が、2つの延伸鎖のうちの第2の延伸鎖の延伸凹部とは異なり、または少なくとも延伸線に垂直に逸脱してそれらのそれぞれの鎖要素に配置されるときにも、簡単で作業上安全である延伸鎖の口径領域の交換が保証されうる。これは、両延伸鎖のうちの少なくとも1つの延伸鎖の第1延伸凹部が定められた第1口径領域のために、2つの延伸鎖のうちの第2の延伸鎖の2つの異なる延伸凹部が定められるときにも当てはまる。結果としてこれは、これによって第1延伸鎖の延伸凹部の第2延伸鎖の延伸凹部への複合的な配置が可能になることを意味するため、与えられた延伸されるべき工作物の場合、第1延伸鎖の延伸凹部と第2延伸鎖の延伸凹部との適合する組み合わせの選択により、延伸工具から延伸線へのそれぞれの間隔を考慮し、それによって延伸工具が最終的に特定の工作物を把持するところの口径が、可能な限り正確に工作物の断面に適合することができるため、把持は可能な限り工作物に損傷がなく、しかし十分な力で行われることができる。それによって最終的にそれぞれの工作物を延伸工具によって把持されることができる、適合する口径のそのように厳密な選択は、この方法で簡単かつ作業上安全に行われることが保障され、特にそれによって延伸工具の交換が必要ではなくなる。ここでは、2つの延伸鎖の延伸工具のそれぞれの延伸凹部が適合した方法で選択されるとき、2つの延伸鎖のための延伸工具の相応な一式により、場合により相応な大きさの口径領域が全体的にカバーされることができる。
【0014】
特に延伸工具および第2延伸鎖のそれぞれの鎖要素が、それによって延伸工具および第1延伸鎖の鎖要素が配向される方向部材とは別の方向部材によって配向されることができる。そのため、第1延伸鎖の延伸工具は延伸線と交差する延伸面に関して左に移動することが考えられ、第2延伸鎖の延伸工具は延伸面に関して右に移動され、それによってそれぞれ延伸線に関して配向される第1延伸鎖の延伸凹部および第2延伸鎖の延伸凹部の所望の結合が維持される。
【0015】
ここでは、結果におけるこの比較的大きな柔軟性が、発生しうる摩耗が、延伸工具あるいは鎖要素の延在、しかしまたは、無限軌道の他のアセンブリ、例えば加圧バーまたは従動ローラの延在に渡って、それぞれ延伸面に垂直に均等に分散し、それが相応のアセンブリの使用期間が延びることにも繋がると想定される。
【0016】
一般に、延伸ダイおよび延伸方向に見て延伸ダイの後方に配置された無限軌道を含む無限軌道延伸機の場合、工作物が延伸方向に平行に配向された延伸線に沿って変形しながら延伸ダイを通って延伸される。例えば2キャリッジ延伸機または循環ローラ延伸機のような他の延伸機と比べ、これによって非常に高い延伸速度が、延伸されるべき工作物の優れた真直度において保障され、全体的にこのような無限軌道延伸機は無限軌道のため比較的複雑かつそれゆえにコスト高であることがわかっている。
【0017】
無限軌道を形成するために、これは相応の鎖要素を有する少なくとも1つの延伸鎖を含み、すでに従来技術から、純粋なブロック鎖、ブロック継目鎖または純粋な継目鎖、あるいはまた2つの平行な鎖からなる複合的な鎖列のような、特に延伸鎖としての異なる鎖の種類が公知である。
【0018】
例えばプライヤのような形状または他の措置により工作物と延伸工具の間の摩擦結合が保障されうるとき、延伸工具とそれぞれの延伸される工作物の間の相互作用の具体的な形成に関連して、無限軌道はすでに延伸鎖および、延伸鎖によって駆動される相応の延伸工具一式のみによって、工作物の延伸を実行する。場合により、同様に従来技術から公知のように、延伸工具は2つの平行に循環する延伸鎖によっても一緒に駆動されることができる。
【0019】
したがって延伸鎖の鎖要素にそれぞれ少なくとも第1および第2延伸凹部を含む延伸工具を配置、または形成している点では、すでに上記で示唆したように、適した措置により工作物と延伸工具の間に十分な摩擦結合あるいは力結合が保障されうる限り、すでにこのように形成された無限軌道によって相応の工作物の延伸ダイによる延伸が保障されうる。
【0020】
その範囲で延伸工具も第1および第2延伸凹部を備えることができ、第1延伸凹部は第1口径領域のために、第2延伸凹部は第2の、第1口径領域とは異なる口径領域のために定められているため、それぞれ1つの延伸工具によって、第1および第2口径領域を含む口径領域全体が用意されることができる。
【0021】
ここでは延伸凹部が有利には1つの部材によって延伸線に垂直にそれぞれの延伸工具に隣接して配置されるため、それぞれの延伸工具の延伸線に垂直な相応の移動により、第1延伸凹部および第2延伸凹部が選択的に延伸線に関して配向されることができ、それによって口径領域が相応に第1と第2口径領域の間で交換される。
【0022】
延伸鎖とともに循環する延伸工具とそれぞれの工作物の間の、作業上安全かつ簡単な摩擦結合あるいは力結合を保障することは比較的複雑であると判明しているため、特に高い循環速度が達成されなければならないときには、それは相応に速く、作業上より安全に閉鎖され、再び開放されることができ、一方の側だけから延伸工具が工作物に投入されるときには、特に無限軌道および、2つの循環する鎖要素を含む延伸鎖が設けられた、相応の無限軌道延伸機が有利であることが判明した。
【0023】
すると延伸鎖とともに循環するそれぞれの延伸工具は、延伸されるべき工作物を把持するために、それぞれ一緒に使用されることができる。
【0024】
上述のように、両延伸鎖の少なくとも1つの延伸鎖の延伸工具が2つの延伸凹部を含む限り、2つのうちのもう1つの延伸鎖の延伸工具がそれぞれ1つだけの延伸凹部を有するとき、これが、第1延伸鎖の延伸工具の両延伸凹部との相互作用で、所望の口径領域を、それぞれの延伸工具の調整を考慮しながら、延伸線に関して、それぞれの工作物が十分に固定的に把持され、これらが損傷しないように、カバーされうることに適合している限り、十分でありうる。
【0025】
そうすることでも第1延伸鎖の第1および第2延伸凹部はそれぞれの延伸工具の延伸線に垂直な移動によって、選択的に延伸線に関して配向されることができる。
【0026】
それぞれの延伸工具の延伸線への間隔を調整することにより、最終的な口径がその後相応にそれぞれの工作物に関して選択されることができる。
【0027】
特に第2延伸鎖の鎖要素に、同様に少なくとも2つの延伸凹部を含む延伸工具が配置されるか、または形成されることができる。このような方法で工作物に関する最終的な口径の調節がさらにより正確に行われ、それは相応に工作物を把持するときの作業上の安全性を高め、および/または工作物の損傷の危険を最小限にする。しかし第2延伸鎖の延伸凹部が第1延伸鎖の延伸凹部から逸脱し、または少なくとも延伸線に垂直に逸脱することができ、この方法で、それぞれの延伸凹部が適合した方法で互いに調整されるとき、延伸工具のそれぞれの一式にカバーされることができる全口径領域が、相応に拡大されることができる。
【0028】
少なくとも第2延伸鎖の延伸凹部が延伸線に垂直に第1延伸鎖の延伸凹部から逸脱して配置されることができると、全摩耗を低減するはずであると予想される。なぜなら口径交換により、無限軌道あるいは無限軌道延伸機のそれぞれ異なる領域に負担がかかるためである。
【0029】
したがって、第2延伸鎖の延伸凹部もそれぞれ延伸線に垂直に、あるいは延伸線と交差する延伸面に関して隣接して配置されるとき、第2延伸鎖の延伸凹部が、それぞれの延伸工具の延伸線に垂直な移動により、口径領域を相応に両口径領域の間で交換するために、選択的に延伸線に関してそれぞれの鎖要素と一緒に配向されることができ、有利である。すでに上述したように、これは特に、それによって所望の全口径に到達するための第1延伸鎖の延伸工具および鎖要素が配向される方向部材とは別の方向部材によって生じる。
【0030】
通常、変形の際には、工作物が延伸ダイを通って延伸されるとき、延伸線に垂直な材料の再配布だけではなく、工作物の延伸も行われるため、材料も延伸線に沿って分配される。これは特に金属管または棒あるいは竿の延伸工程で行われる。他には例えば、延伸方向に垂直のみの、例えばケーブルの個々のフィラメントの再配布のための運搬または変形のみが中心である、ケーブル用の延伸機も公知である。
【0031】
この場合、無限軌道延伸機は特に、ここでは特に材料再分配が垂直にだけではなく、延伸線に沿っても行われる変形工程にもたらされうる、比較的大きな変形力のために適合する。相応に本願の無限軌道延伸機あるいは相応の口径交換方法は特に変形されるべき管、棒または竿、好適には相応に変形されるべき金属製の管、棒または竿に適合する。
【0032】
好適には両延伸鎖の延伸工具がそれぞれ一緒にそれぞれの鎖要素とともに延伸線に垂直に配向され、それは-すでに上記で説明されたように-柔軟性および/またはここでカバーされうる全口径領域の大きさが相応に拡大することは明白である。
【0033】
2つの延伸鎖のうちの第2の延伸鎖の両延伸凹部が、2つの延伸鎖のうちの第1延伸鎖の第1および第2口径領域とは別の口径領域のために定められるとき、特に1つの全体的に大きい口径領域が、延伸工具のそれぞれの一式によって用意されることができる。代替的にここでは、それぞれの延伸凹部が、この延伸凹部の可能な限り最適な形成に関して可能な限り類似して形成され、この方法で可能な限り丁寧に、しかしそれでも十分に作業上安全に工作物を把持することができる。
【0034】
相応に高い柔軟性あるいは相応に高い全体的な口径領域は特に、2つの延伸鎖のうちの第1の延伸鎖の全口径領域が2つの延伸鎖のうちの第2の延伸鎖の延伸凹部から逸脱するときに達成されうる。
【0035】
通常それぞれの無限軌道には、中に延伸線がある延伸面が割り当てられることができる。するとその限りで延伸面は延伸線をも含む。
【0036】
通常、鎖はそれぞれその中に割り当てられることができる面の中で循環するため、延伸面は少なくとも、延伸鎖の1つに関して、この延伸鎖が循環する面に平行に配置されうる。すると、場合により存在するスプロケットもこの延伸面に平行に配置されることになる。
【0037】
2つの延伸鎖のみが相応の無限軌道に使用されるとき、生じた力をすでに可能な限り均等に配分するために、これらは通常互いに向き合って配置される。付属の延伸面はその後延伸線と交わり、上下に重なる。それでも例えばそれぞれ120°の角度で延伸線の周りに配置される3つの延伸鎖が使用される場合、延伸面も延伸線に、それらが重複することなく、交わるかあるいは交差する。しかし複数の延伸面を有する配置は、構造的に比較的複雑であり、その点で比較的コスト高ならびに操作が煩雑になることが判明した。
【0038】
そのため、延伸線を含む延伸面に平行に案内される2つの延伸鎖が無限軌道のために使用されるとき、特に有利である。
【0039】
その限りで、したがって有利には、延伸鎖によっても少なくとも1つのスプロケットおよび特に2つのスプロケットが存在し、それらは同様に延伸面に平行に配置され、その周りに延伸鎖が案内される。具体的な実施形態により、1つのスプロケットまたは複数のスプロケットは延伸線と交差する延伸面に平行に配向され、それぞれの延伸鎖もこの延伸面に平行に循環し、有利にはこの延伸面の中でさえ循環する。ここではスプロケット自体がより複合的に構築されることができ、例えば複数の、スプロケットの軸に関して互いに平行に配置され、それぞれ延伸鎖中に把持され、またはこれを相応に案内する鎖板を含む。
【0040】
このスプロケットの1つまたはこのスプロケットの両方は通常、鎖を駆動し、それによって相応の延伸力をもたらすためにも使用される。
【0041】
有利には延伸工具および延伸鎖の鎖要素の配向は、口径領域を相応に第1と第2口径領域の間で交換するために、共同で1つのスプロケットまたは複数のスプロケットを設け、それは構造的に特に簡単に実現することができる。後者は特に、スプロケットが、好適にはさらなる、特にそれぞれの延伸鎖を案内する役割も果たす鎖ホルダに配置されるときに該当する。すると、口径領域を相応に第1と第2口径領域の間で交換するための、この相応な移動は、鎖ホルダとともに行われることが可能であり、その際全鎖ホルダが相応に移動される。延伸面に垂直な延伸工具の移動が、延伸面がスプロケットを介して、またはその他の、例えば延伸鎖の循環面のような形状的構成によって定義されるか、あるいは複数または1つのスプロケットが一緒に移動されるかに関わらず、相応に有利でありうることは明白である。
【0042】
ここでは、例えば従動ローラ、従動ローラ鎖または加圧バーのような特定のアセンブリが一緒に移動されないことも考えられる。すると特に、場合によると、このアセンブリに対する配向を容易にするために、それぞれの延伸鎖を配向前に緩め、配向後に再び張ることが有意になりうる。後者は、配向が全ての鎖の同時移動によって行われるのではなく、鎖が例えば局部的に側方にずらすことにより移動され、その後引き続き鎖の循環の際に相応な側方への移動が、最後に全鎖要素およびそれにより相応の延伸凹部も所望のやり方で延伸線に関して配向されるまで行われるときにも該当する。
【0043】
この場合、延伸線が延伸工具あるいは延伸凹部および鎖要素の配向の際、延伸線に関して変更または移動される必要がないため、延伸ダイの移動が一方でしかし、無限軌道延伸機と協働し、工作物と延伸の前あるいは後に、例えばスケール除去、矯正、長さ方向への切断のために相互作用する、さらなる集合体の移動も一緒に動かす必要がないことが、特に有利にみえる。
【0044】
好適には無限軌道延伸機が、延伸ダイを担持する延伸ダイホルダおよび、少なくとも1つの鎖、または少なくとも付属する鎖ガイドを担持し、それ自体が無限軌道の一部である鎖ホルダを有する。ここでは鎖ホルダが好適には鎖ホルダの軸方向移動のための軸駆動を使って、延伸線に垂直に移動可能でありうるため、これによって付属の延伸鎖は延伸ダイホルダに関して相応に移動されることができる。そのような軸駆動はそれぞれの鎖要素およびそれによって付属の延伸工具の簡単で合目的的な移動を可能にし、この方法でそれぞれの延伸凹部を相応に配向することができる。
【0045】
すでに上述したように、鎖要素には延伸工具が配置されるか、または形成されることができる。延伸鎖がブロックを含む限り、延伸工具が延伸鎖のブロックに配置されるか、または形成されることは有利であることが判明している。それは例えばすでに特許文献5または、特許文献2の特定の実施形態例、あるいは特許文献6に開示されている。もう一方では、特許文献4または特許文献2の特定の実施形態例にも開示されたように、延伸鎖の継目のみに固定された別個の延伸工具も設けられることができる。特に延伸凹部は延伸鎖あるいは複数の延伸鎖の1つのブロック中に形成されることができる。なぜなら鎖要素、およびそれによって鎖要素としてのブロックも、延伸工具と一緒に移動されることができるため、構造上の分離が不可欠ではないためである。したがって特に好適な実施形態では、それぞれの鎖要素に、つまり例えばブロックに設けられるか形成される、別々に形成された工具ホルダが省略されることができるため、それぞれの鎖要素および延伸工具、および場合により工具ホルダも、構造上のユニットとしてあるいは一体的に形成されることができる。
【0046】
-具体的な実施形態により-無限軌道延伸機は複数の延伸ダイをも含むこともでき、するとそれによって無限軌道が相応な工作物を連続的に延伸することは明白である。
【0047】
それぞれ全ての延伸工具、または延伸鎖を交換する必要なく、例えばこれが摩耗の際に、速く延伸凹部を交換することが妥当であるようにみえるとき、それ自体相応の無限軌道延伸機の場合に、それに関連して口径交換が必要ではないが、その耐用年数が相応に延長されるべきとき、-具体的な実施形態により-1つまたは両方の延伸鎖の1つまたは全ての延伸工具の両延伸凹部が、同一の口径領域を割り当てられることができることは同様に明白である。
【0048】
上述の、あるいは特許請求の範囲に記載された解決法の特徴は、場合により利点を相応に累積して使用することができるように組み合わされることもできることは明白である。
【0049】
本発明のさらなる利点、目的および性質は、特に添付の図面にも示される以下の実施形態例の説明において解説される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】第1無限軌道延伸機の側面図を概略的に示す。
図2図1の第1無限軌道延伸機の概略上面図を、延伸鎖および従動ローラ鎖なしで、第1延伸工具配向で示す。
図3図1および図2の第1無限軌道延伸機の概略上面図を、延伸鎖および従動ローラ鎖なしで、第2延伸工具配向で示す。
図4図1図3の第1無限軌道延伸機の、第1延伸工具配向における、図1の線IV-IVに沿った断面を示す。
図5図1図3の第1無限軌道延伸機の、第2延伸工具配向における、図4の断面を示す。
図6】第2無限軌道延伸機の側面図を概略的に示す。
図7図6の第2無限軌道延伸機の概略上面図を、延伸鎖および従動ローラ鎖なしで、第1延伸工具配向で示す。
図8図6および図7の第2無限軌道延伸機の概略上面図を、延伸鎖および従動ローラ鎖なしで、第2延伸工具配向で示す。
図9図6図8の第2無限軌道延伸機の、第1延伸工具配向における、図6の線IX-IXに沿った断面を示す。
図10図1図9の実施形態の延伸凹部に替わる延伸凹部を有する延伸工具配置を示す。
図11図1図10の実施形態の延伸凹部に替わる延伸凹部を有する延伸工具配置を示す。
図12図1図11の実施形態の延伸凹部に替わる延伸凹部を有する延伸工具配置を示す。
図13図1図12の実施形態の延伸凹部に替わる延伸凹部を有する延伸工具配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図示された無限軌道延伸機10はそれぞれ1つの延伸ダイ12および延伸方向21の方を見て延伸ダイ12の後方に配置された無限軌道13を含み、工作物11を延伸方向に延伸線20に沿って延伸ダイ12を通して延伸する働きをする。
【0052】
ここで無限軌道延伸機10は底板56を有し、それによって一方では延伸ダイ12を担持するための延伸ダイホルダ53が、もう一方ではエキセントリックホルダ52が互いに固定的に配置されている。別の実施形態では場合により、エキセントリックホルダ52および延伸ダイホルダ53が別の方法で、例えば、相応のアセンブリが直接土台またはその他のハウジングユニットに固定されることにより、十分に安定的に互いに対して位置付けられている限りで、底板46が省略されうる。ここでは、別の実施形態で底板56がエキセントリックホルダ52および延伸ダイホルダ53を直接にではなく、場合により間接的にのみ担持することができる。
【0053】
それによって延伸ダイホルダ53は、延伸ダイホルダ12が延伸ダイ53にもたらし、それに延伸ダイホルダ53が底板56を介して対抗するべき、発生した延伸力に、十分な規模で対抗することができ、延伸ダイホルダ53の側方に延伸力スタビライザー55を配置し、それは板状の突起部として延伸ダイホルダ53を安定させる。
【0054】
特に図2図3図7および図8でわかるように、延伸力スタビライザー55はエキセントリックホルダ52の側にエキセントリックホルダ52までおよびこれを超えて延び、この方法で全配置をさらに安定させ、特にエキセントリックホルダ52の延伸ダイホルダ53に関する安定した支持も保証する。
【0055】
本実施形態例の場合、無限軌道13が延伸面23に平行して循環するそれぞれ2つの延伸鎖14を含む。ここでは各延伸鎖14が2つのスプロケット15の周りを案内され、それらの軸が延伸面23に垂直に配向される。
【0056】
別の実施形態で相応に循環するさらなる延伸鎖が設けられうることは明白である。すると例えば、これらの平行な延伸鎖がそれぞれともに相応に延伸鎖と平行に循環する延伸工具を直接または間接的に担持するとき、2つの延伸鎖が互いに対して平行に配向され、循環されることが考えられる。2つ以上の延伸線20に関して互いに対して配向される延伸鎖14、例えば120°の角度で延伸線20の周りに配置される3つの延伸鎖14が設けられることが考えられ、するとそれぞれの延伸鎖14に割り当てられた延伸面が延伸線20と交差する。本願の無限軌道13の配置の際、それぞれの延伸鎖14に割り当てられる延伸面23が同様に延伸線20と交差し、それはしかしこの延伸面23の唯一の延伸面23への重なりをもたらす。
【0057】
延伸面23に垂直に面25が定義されることができ、これは同様に延伸線20と交差し、原則的に左右対称面を形成し、このために両延伸鎖14およびそれらのスプロケット15は延伸線20に関して原則的に配置される。
【0058】
各延伸鎖14は少なくとも1つの把持領域18の中に加圧バー82を使って、延伸線20に配向される成分22を有する加圧力で印加される。
【0059】
加圧力により、延伸鎖14の鎖要素に配置されるか、または形成される延伸工具40が、延伸線20上にある工作物11に対して押圧されることができ、この方法で、相応の工作物11の延伸ダイ12を通る延伸が可能となる、十分な摩擦結合または力結合が保証される。
【0060】
この延伸の間、延伸ダイ12が相応の工作物11を変形させる働きをし、この変形工程の際、工作物11を構成する材料の少なくとも1つの材料分配が、延伸線20に垂直な面で行われ、それも好適には再配分が延伸線20に沿って行われるため、工作物が延伸工程中にも延伸される。
【0061】
この方法で特に棒、管または竿、特に金属製の棒、管または竿が相応に変形加工される。
【0062】
図1図5に示された実施形態例の延伸鎖14はブロック継目鎖として形成され、ブロック17A、継目17Bならびにボルト19を鎖要素として含む。
【0063】
これとは別に図6図9に示された実施形態例の延伸鎖14はブロック鎖として形成され、ブロック17Aおよびボルト19のみを鎖要素として含む。
【0064】
それぞれの延伸鎖14のボルト19を介して、残りの鎖要素は継手で互いに連結されている。
【0065】
別の実施形態例ではより複合的な鎖または二重鎖および類似のものが相応に延伸鎖14として使用されることもできることは明白である。
【0066】
本実施形態例では、ボルト19がそれぞれ、個別に番号が付けられていないスプロケット15のスプロケット板に係合できる鎖ローラ16を担持するため、延伸鎖がそれぞれスプロケット15の周囲に案内され、それによって場合により駆動されることもできる。
【0067】
図1図5に示された実施形態例の無限軌道13は、鎖駆動54を延伸鎖14ごとに有し、それはそれぞれ延伸方向21で後方にあるスプロケット15に介入し、この方法でそれぞれの延伸鎖14を駆動する。
【0068】
それに対して図6図9に示された実施形態例では、延伸鎖14のそれぞれの両スプロケット15が鎖駆動54を使って駆動され、それはおよそ同等の延伸のために必要な延伸力をもたらすことを可能にする。
【0069】
別の実施形態例ではこれらの2つの実施形態例の間の駆動の種類が交換されうることも明白である。
【0070】
本実施形態例では延伸工具40がそれぞれ延伸鎖14のブロック17Aの中に形成される。その限りで本実施形態例では、延伸工具40およびブロック17Aならびに延伸工具40を鎖要素に保持する工具ホルダ30が一体的に形成されている。
【0071】
従来技術からよく知られているように、延伸工具40が別の実施形態例でブロック17Aから、分離したアセンブリとしても形成されうることは明白である。しかしこれは構造的な複雑さをいくらか増やすことにつながる。なぜならそうすると相応のブロックが工具ホルダ30として形成されなければならず、相応に保持する装置が工具ホルダ30および/または延伸工具40に設けられなければならないためである。もう一方では、これが延伸工具40の交換を、それが摩耗している場合に可能にする。
【0072】
別の実施形態例では、場合により別個の工具ホルダ30が設けられうることも明白であり、それは鎖要素、例えばブロック、継目または相応の延伸鎖14のボルトに、延伸工具40を相応に保持するために設けられ、あるいは取り付けられることができる。ここでも場合により、工具ホルダ30および延伸工具40が一体的に形成されることが考えられる。
【0073】
全実施形態例の延伸工具40は、延伸面23に垂直に配置され、それぞれの延伸工具40の面25に配向された側に、少なくとも2つの延伸凹部41を備える。ここではそれぞれの延伸工具40の延伸凹部41がそれぞれ異なる口径領域のために定められるため、全体としてこの延伸工具40により比較的大きな全口径領域がカバーされうる。
【0074】
延伸凹部41はここではその断面で、それらが、そのために相応の延伸凹部41が定められた口径領域内にある工作物11に対して押圧されるとき、十分に高い力結合あるいは摩擦結合的に作用する加圧力がもたらされ、工作物11が例えば損傷または変形するなど著しく損なわれることなく、延伸鎖14が工作物11を延伸ダイ12を通して延伸することができるように形成されている。
【0075】
すでに上述したように、この加圧力は加圧バー82により提供され、ここでは加圧バー82がエキセントリック51とともに延伸面23に平行に延伸線20に近づいたり遠ざかったりすることができる。
【0076】
エキセントリック51は相応の加圧力、しかしまた相応の延伸力にも対抗できるように、エキセントリックホルダ52の中に担持されている。
【0077】
別の実施形態ではエキセントリック51の代わりに、例えば場合により適合したギア、レバー、および/またはガイドと組み合わせた電動リニアドライブのような他の設備も、必要とされる加圧力を面25に垂直に、あるいはそれぞれの延伸面23にもたらすために、適用されうることも明白である。それにしたがって、その後エキセントリックホルダ52の代わりに適合するホルダが適用され、それはそれぞれの延伸ダイホルダ53と空間的に関連し、相応の設備を担持し、ならびに相応の加圧力および場合により延伸力も受ける。
【0078】
本実施形態例では、延伸鎖14および付属のスプロケット15がそれぞれエキセントリック51に担持される鎖ホルダ50に配置され、これは図1図5の実施形態例で直接エキセントリック51を介して行われ、それぞれの鎖ホルダ50は加圧バー82も担持し、あるいは形成する。それに対して図6図9に示された実施形態例では、加圧バー82が別個のアセンブリとして形成され、そこで付属の加圧力をもたらすために直接エキセントリック51に担持され、すると付属の鎖ホルダ50が交換可能に担持される。これに関して具体的な要件により、鎖ホルダ50の具体的な形態が加圧バー82に関し、およびエキセントリック51またはその他に関し、加圧力をもたらす設備に適合あるいは交換されることができる。
【0079】
加圧バー82が延伸工具40にもたらすであろう高い加圧力に対処するため、図1図9の実施形態例では、それぞれ従属ローラ80を設け、従属ローラ80はそれぞれ従属ローラ鎖81の中に配置され、それぞれの延伸鎖14とともに、しかし異なる走行速度で加圧バー82を通り過ぎるか、あるいはその周りを循環する。
【0080】
従属ローラ鎖81はここでは、ボルトにそれぞれ従属ローラ80が配置された継目鎖として形成され、従属ローラ鎖81の継目84はそれぞれ従属ローラ80の両面に配置されている。
【0081】
図1図5の実施形態例では、従属ローラ鎖81がさらにガイドワッシャー83を担持し、ガイドワッシャー83は本実施形態例では継目84と従属ローラ80の間に設けられ、従属ローラ80の軌道を超えて突出している。この継目84により一方では従属ローラ80あるいは従属ローラ鎖81も、-もう一方では-間接的に-延伸鎖14あるいは延伸鎖14の鎖要素も、延伸面23に関して、延伸面23に垂直に案内される。
【0082】
延伸鎖14あるいは延伸鎖14の鎖要素の延伸面23に垂直な加圧バー82を介する案内は、図6図9に示された実施形態例では設けられない。そこでは従属ローラ80あるいは従属ローラ鎖81が、加圧バー82に設けられ、従属ローラを側方にそれぞれ延伸面23に平行に把持する、側方の従属ローラガイド85を介して案内される。本実施形態例では、延伸鎖14の案内が、延伸面23に関し、スプロケット15により、および/または、-場合により-例えば鎖ホルダ50に、または完全にこれとは無関係に設けられる、ここでは別個に示されない外部からの側方の案内が行われる。そのような実施形態は、延伸鎖14がそれぞれの延伸面23に垂直に従属ローラ80に関し、あるいは加圧バー82に関して移動されることを-これが、以下に詳しく説明されるように-望ましい場合には、可能にする。従属ローラ80あるいは加圧バー82に関する相応の移動が望まれないとき、延伸鎖14の鎖要素にも、あるいは工具ホルダ30にも、または延伸工具40にも、相応なガイドが、それらが従属ローラガイド85として従属ローラ80を把持するように、設けられることができ、延伸面23に関する相応な側方のガイドを保障することは自明である。
【0083】
後者の案内の代わりに、ここでは場合により図1図5の実施形態例のガイドが設けられることができるか-またその逆である。
【0084】
図6図9に示された実施形態例では、加圧バー82が別個のアセンブリとして、従属ローラ鎖81を担持し、ガイドバーとして、従属ローラ鎖81のためにも、加圧力をもたらすことにも使用され、それ自体エキセントリックホルダ52に据え付けられたエキセントリック51に直接担持される。
【0085】
すでに上述されたように、本実施形態例の延伸工具40はそれぞれ少なくとも2つの延伸凹部41を備え、それらは延伸線20に平行に、あるいは延伸面23に垂直にずらされてあり、それぞれ選択的に延伸線20に関して配向されうる。これは図1図5で示された実施形態例では、加圧バー82が鎖ホルダ50とともに相応の移動をすることによって行われることができ、これは図6図9に示された実施形態例では、鎖ホルダ15が鎖ホルダ50とともに、あるいは別個に図示されない側方のガイドとともに移動することによって行われる。
【0086】
このような移動のために、図1図9の実施形態例は、軸駆動60を備え、それは図1図5の実施形態例では油圧システム61として、および図6図9の実施形態例では、リニアモータ62として形成されている。ここでも場合により、駆動方法の交換が他の適合した駆動により、あるいはそれらの間で行われうることは明白である。
【0087】
図1図5で示された実施形態例では、油圧システム61がエキセントリック51およびエキセントリックホルダ52の中に直接形成されるため、ここでは別個のアセンブリは必要とされず、エキセントリック51はそれ自体で油圧システム61により相応に移動されることができる。別の実施形態例でも、別個の軸駆動60が設けられることができ、それは-場合により-全エキセントリックホルダ52、あるいは加圧力をもたらすアセンブリを担持する1つのアセンブリを相応に軸方向に移動することは明白である。
【0088】
図1図9で示された実施形態例では、両延伸鎖の延伸工具40がそれぞれの鎖要素とともに延伸線20に垂直に、あるいは延伸面23に垂直に配向可能である。しかし具体的な実施形態によっては、両延伸鎖14の1つだけでこの条件には十分であるときには、それで十分である。
【0089】
そのことから両延伸鎖14の延伸凹部41は、延伸面23に垂直に配向された面25に関して左右対称に形成されるため、口径領域が交換されるべきとき、延伸工具は同一の方向部材とともに延伸面23に関して移動される。ここではそれぞれの延伸工具40の延伸凹部41がそれぞれ異なる断面を有する。
【0090】
もう一方で、延伸凹部は面25に関して鏡映対称にではなく、図11の実施形態例を元に例示的に示されるように、延伸線20に対して線対称に、配置されうる。延伸線20に対するこの対称性が保持される限りで、それぞれ両口径領域を延伸線20に合わせて配向するために、延伸工具40の移動は図11bおよび図11cに類似して行われることができる。
【0091】
図11の具体的な実施形態例に示されているように、延伸凹部41が全てそれぞれ異なる形態を有し、したがってそれぞれ異なった口径領域のために定められることも特に考えられる。それぞれの延伸工具の異なった偏移によって、その後様々な口径領域を有する異なる延伸凹部が相応に、その上でその後工作物11が延伸される、延伸線20に関して配置されることができる。それにしたがって、両延伸鎖14のうちの少なくとも1つの延伸鎖の第1延伸凹部41が定められた第1口径領域のために、両延伸鎖14のうちの第2の延伸鎖14のそれぞれ2つの異なる延伸凹部41が定められる。
【0092】
このような実施形態の場合、延伸工具40および第2延伸鎖14のそれぞれの鎖要素が方向部材により配向されることが続き、それは、例えば図11bおよび11cの配置の移行の場合に直接判別可能であるように、延伸工具40および第1延伸鎖14の鎖要素が配向される方向部材とは別のものである。
【0093】
2つ以上の延伸凹部41が延伸工具40あるいは延伸鎖14ごとに設けられるときも、同様である。
【0094】
必ずしも両方あるいは全部の延伸鎖14が複数の延伸凹部41を備えなければならないわけではないことは明白である。むしろここでは異なる数量が設けられることができ、特に延伸鎖14の1つも延伸凹部41を1つだけ備えうることも考えられる。
【0095】
図10および図11で示された具体的な実施形態例では、それぞれの延伸鎖14の全延伸凹部41が互いから逸脱する。延伸工具40がここでは鎖要素とともにあるいは一体的に、または別々にも適用されることができ、後者では好適にさらに相応な工具ホルダ30ならびに、工具ホルダ30および延伸工具40にそれぞれ適合した保持装置が設けられるべきであることは明白である。
【0096】
図12および13に示される延伸凹部41は特に管に適合し、結局ここでは延伸工具40も鎖要素とともにあるいは一体的にまたは別々にも適用されることができる。
【0097】
図13に示される延伸工具40では延伸凹部40が同一の口径のために設計されているため、ここでは口径交換の代わりに延伸工具40の移動あるいは配向により、例えば、すぐに延伸工具40あるいは延伸鎖14さえ交換される必要なく、摩耗に対処することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 無限軌道延伸機
11 工作物
12 延伸ダイ
13 無限軌道
14 延伸鎖
15 スプロケット
16 鎖ローラ
17A 延伸鎖14のブロック
17B 延伸鎖14の継目
18 把持領域
19 延伸鎖14のボルト
20 延伸線
21 延伸方向
22 延伸線20に配向された加圧力の成分
23 延伸面
25 延伸面23に垂直に配向された面
30 工具ホルダ
40 延伸工具
41 延伸凹部
42 延伸面23に垂直に配置され面25に配向された延伸工具40の面
50 鎖ホルダ
51 エキセントリック
52 エキセントリックホルダ
53 延伸ダイホルダ
54 鎖駆動
55 延伸力スタビライザー
56 底板
60 軸駆動
61 油圧システム
62 リニアモータ
80 従属ローラ
81 従属ローラ鎖
82 加圧バー
83 ガイドワッシャー
84 従属ローラ鎖81の継目
85 従属ローラガイド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11a
図11b
図11c
図11d
図11e
図11f
図11g
図11h
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無限軌道延伸機(10)の鎖要素を含む延伸鎖(14)の口径領域の交換方法であり、延伸ダイ(12)および延伸方向(21)に見て前記延伸ダイ(12)の後方に配置された無限軌道(13)を含み、それは工作物(11)を前記延伸方向(21)に平行に配向された延伸線(20)に沿って変形しながら前記延伸ダイ(12)を通って延伸することができ、前記鎖要素を含む延伸鎖(14)を含み、前記延伸鎖(14)の前記鎖要素にはそれぞれ少なくとも第1延伸凹部(41)および第2延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)が配置または形成され、前記第1延伸凹部(41)は第1口径領域のため、前記第2延伸凹部(41)は第2の、前記第1口径領域とは別の口径領域のために定められ、前記第1延伸凹部(41)および前記第2延伸凹部(41)は、前記それぞれの延伸工具(40)の前記延伸線(20)に垂直な移動によって、選択的に前記延伸線(20)あるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に関して配向され、前記口径領域を相応に前記第1口径領域と前記第2口径領域の間で交換し、前記無限軌道(13)がそれぞれ2つの延伸鎖(14)を含み、それらは延伸面(23)に平行に循環し、各前記延伸鎖(14)は2つのスプロケット(15)の周りを案内され、それらの軸は前記延伸面(23)に垂直に配向され、各前記延伸鎖(14)は少なくとも1つの把持領域(18)の中に、加圧バー(82)を使って加圧力で印加され、従属ローラ(80)が設けられ、それらはそれぞれ従属ローラ鎖(81)中に配置され、前記それぞれの延伸鎖(14)とともにしかし異なる走行速度で加圧バー(82)を通り過ぎるか、あるいはその周りを循環し、前記延伸工具(40)が前記それぞれの鎖要素とともに配向され、前記それぞれの延伸工具(40)の1つが前記延伸線(20)に垂直に移動可能であり、前記両延伸鎖(14)のもう1つの前記延伸工具(40)が、前記第1延伸鎖(14)の前記延伸工具(40)の前記両延伸凹部(41)との相互作用で、所望の口径領域を、前記それぞれの延伸工具(40)の調整を考慮しながら、前記延伸線(20)に関して、前記それぞれの工作物(11)が十分に固定的に把持され、これらが損傷しないように、カバーされうることに適合することを特徴とする、無限軌道延伸機(10)の鎖要素を含む延伸鎖(14)の口径領域の交換方法。
【請求項2】
前記延伸鎖(14)が配向前に緩み、配向後に再び引っ張られることを特徴とする、請求項1に記載の口径交換方法。
【請求項3】
前記無限軌道(13)が鎖要素を含む第2の延伸鎖(14)を含み、前記第2延伸鎖(14)の前記鎖要素にそれぞれ少なくとも2つの延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)を配置するか形成し、前記第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)が前記第1延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)とは異なり、または少なくとも前記延伸線(20)に垂直に逸脱して配置され、前記第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)がそれぞれの前記延伸工具(40)の前記延伸線(20)に垂直な移動により、選択的に前記延伸線(20)あるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に関して前記それぞれの鎖要素とともに配向され、前記口径領域を相応に前記両口径領域間で交換し、前記延伸工具(40)および前記第2延伸鎖(14)のそれぞれの鎖要素が、方向部材によって配向され、前記方向部材は、それによって前記延伸工具(40)および前記第1延伸鎖(14)の鎖要素が配向される方向部材とは別のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の口径交換方法。
【請求項4】
延伸ダイ(12)および延伸方向(21)に見て前記延伸ダイ(12)の後方に配置された無限軌道(13)を含む無限軌道延伸機(10)であり、前記無限軌道(13)は工作物(11)を前記延伸方向(21)に平行に形成された延伸線(20)に沿って変形しながら前記延伸ダイ(12)を通して延伸でき、2つの循環する、鎖要素を含む延伸鎖(14)を含み、前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの前記鎖要素に、それぞれ少なくとも第1延伸凹部(41)および第2延伸凹部(41)を含む延伸工具(40)が配置されるか、または形成され、前記第1延伸凹部(41)は第1口径領域のために、前記第2延伸凹部(41)は、第2の、前記第1口径領域とは異なる口径領域のために定められ、前記第1延伸凹部(41)および前記第2延伸凹部(41)は、前記それぞれの延伸工具(40)の前記延伸線(20)にあるいは前記延伸線(20)と交差する延伸面(23)に垂直な移動により、選択的に延伸線(20)あるいは前記延伸面(23)に関して配向され、前記無限軌道(13)がそれぞれ2つの延伸鎖(14)を含み、それらが前記延伸面(23)に平行に循環し、各前記延伸鎖(14)が2つのスプロケット(15)の周りを案内され、それらの軸は前記延伸面(23)に垂直に配向され、各前記延伸鎖(14)が少なくとも1つの把持領域(18)の中で加圧バー(82)を使って加圧力で印加され、従属ローラ(80)が設けられ、それらはそれぞれ従属ローラ鎖(81)の中に配置され、前記延伸鎖(14)とともに、しかし異なる走行速度で加圧バー(82)を通り過ぎるか、あるいはその周りを循環し、前記それぞれの延伸工具(40)は前記相応の加圧バー(82)および前記同様に循環する従属ローラ(80)を介して、把持領域に必要とされる力で互いに対して押圧され、
(i)前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの延伸鎖の前記延伸工具(40)が、前記それぞれの鎖要素とともに前記延伸線(20)に垂直に配向され、前記それぞれの延伸工具(40)の1つが、前記延伸線(21)に垂直に移動可能であり、前記両延伸鎖(14)のもう1つの延伸鎖の前記延伸工具(40)が、前記第1延伸鎖(14)の前記延伸工具(40)の前記両延伸凹部(41)との相互作用で、所望の口径領域を、前記それぞれの延伸工具(40)の調整を考慮しながら、前記延伸線(20)に関して、前記それぞれの工作物(11)が十分に固定的に把持され、これらが損傷しないように、カバーされることができることに適合し、(ii)前記両延伸鎖(14)の少なくとも1つの延伸鎖の第1延伸凹部(41)が定められた前記第1口径領域のために、前記両延伸鎖のうちの第2延伸鎖(14)の2つの異なる延伸凹部(41)が定められ、および/または、(iii)前記両延伸鎖のうちの第1の延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)が、前記両延伸鎖のうちの第2延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)と異なり、または少なくとも前記延伸線(20)に垂直に逸脱してそれらのそれぞれの鎖要素に配置されることを特徴とする無限軌道延伸機(10)。
【請求項5】
両延伸鎖(14)の前記延伸工具(40)がそれぞれ前記それぞれの鎖要素とともに、前記延伸線(20)に垂直に配向可能であることを特徴とする請求項4に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項6】
前記両延伸鎖のうちの第2の延伸鎖(14)の前記両延伸凹部(41)が前記第1延伸鎖(14)の前記第1口径領域および第2口径領域とは異なる口径領域のために定められ、前記延伸凹部(41)が部材とともに前記延伸線(20)に垂直に隣接して前記それぞれの延伸工具(40)に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の口径交換方法あるいは請求項4または5に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項7】
前記両延伸鎖のうちの第1の延伸鎖(14)の全延伸凹部(41)が前記両延伸鎖のうちの第2の延伸鎖(14)の前記延伸凹部(41)とは異なることを特徴とする請求項3または6に記載の口径交換方法あるいは請求項4~6の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項8】
前記延伸鎖(14)が前記延伸線(20)を含む延伸面(23)に平行に、少なくとも1つのスプロケット(15)の周りを循環して案内され、あるいは案内されており、前記延伸工具(40)が前記延伸面(23)に垂直におよび/または前記スプロケット(15)とともに配向され、あるいは配向可能であることを特徴とする請求項1~3、6および7の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~7の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項9】
前記無限軌道延伸機(10)が延伸ダイホルダ(53)および前記延伸ダイホルダ(53)に関して前記延伸鎖(14)の軸方向への移動のための少なくとも1つの軸駆動(60)を含むことを特徴とする請求項1~3および6~8の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~8の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項10】
前記軸駆動(60)を介して前記スプロケット(15)およびこれとともに前記付属の延伸鎖(14)および前記延伸工具(40)が配向され、あるいは配向可能であり、好適には前記無限軌道延伸機(10)が前記スプロケット(15)を担持する鎖ホルダ(50)を含み、前記鎖ホルダ(50)の前記軸駆動(60)を介し、およびこれとともに前記付属のスプロケット(15)が前記付属の延伸鎖(14)および前記延伸工具(40)と一緒に配向され、あるいは配向可能であることを特徴とする請求項8および9に記載の口径交換方法あるいは無限軌道延伸機(10)。
【請求項11】
前記延伸工具(40)が前記延伸鎖(14)のブロック(17A)に配置されるか、または形成されていることを特徴とする請求項1~3および6~10の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~10の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項12】
前記延伸鎖(14)および前記付属のスプロケット(15)がそれぞれ前記エキセントリック(51)に担持される鎖ホルダ(50)に配置され、これが直接前記エキセントリック(51)を介して行われ、前記それぞれの鎖ホルダ(50)が加圧バー(82)も担持し、あるいは形成することを特徴とする請求項1~3および6~11の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~11の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項13】
前記加圧バー(82)が別個のアセンブリとして前記従属ローラ鎖(81)を担持し、案内バーとして、前記従属ローラ鎖(81)のためにも、加圧力をもたらすためにも使用され、直接エキセントリック(51)によって担持され、前記エキセントリック(51)自体はエキセントリックホルダ(52)に据え付けられることを特徴とする請求項1~3および6~12の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~12の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項14】
前記従属ローラ鎖(81)が継目鎖として形成され、そのボルトにそれぞれ前記従属ローラ(80)が配置され、前記従属ローラ鎖(81)の前記継目(84)がそれぞれ前記従属ローラ(80)の両側に配置され、前記従属ローラ鎖(81)がさらにガイドワッシャー(83)を担持し、前記ガイドワッシャー(83)は継目(84)と前記従属ローラ(80)の間に設けられ、従属ローラ(80)の軌道を超えて突出していることを特徴とする請求項1~3および6~13の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~13の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【請求項15】
前記従属ローラ(80)あるいは前記従属ローラ鎖(81)が前記加圧バー(82)に設けられ、前記従属ローラを側方にそれぞれ前記延伸面(23)に平行に把持する、側方の従属ローラガイド(85)を介して案内されることを特徴とする請求項1~3および6~14の何れか1項に記載の口径交換方法あるいは請求項4~14の何れか1項に記載の無限軌道延伸機(10)。
【国際調査報告】