(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】注射支援装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
A61M5/31 534
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539600
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 US2020012630
(87)【国際公開番号】W WO2020146426
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】パリオ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】レットマン,ジェフリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】カスティロ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】デサント,クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】アトキン,マーカス
(72)【発明者】
【氏名】レカヤ,ナスール
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,サイモン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE14
4C066GG16
(57)【要約】
一実施形態では、上面と、底面と、自己注射器を受容するための底面にある開口部と、上面と底面との間に延びる細長シャフトとを備えた、注射作動支援装置が提供される。装置は、第1の端部および第2の端部を有し、シャフトの長さだけ延びて開口部で終端する細長チャンバをさらに備え、チャンバは、自己注射器装置の一部を受容するように構成され、自己注射器装置を把持するためにチャンバ内に延びる複数のリブを備える。装置は、自己注射器装置がチャンバ内に受容されたときに、自己注射器装置の突出部を受容する開口部にノッチをさらに備えてもよく、チャンバ内での自己注射器装置の受容と、自己注射器装置の遠位端部に向かう作動支援装置の移動とが、自己注射器装置を作動させて注射薬を送達する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射作動支援装置であって、
上面と、底面と、注射装置を受容するための前記底面にある開口部と、前記上面と前記底面との間に延びるシャフトと、
第1の端部および第2の端部を備え、前記開口部で終端し、前記注射装置の一部を受容するように構成されたチャンバと、
前記注射装置の第2の嵌合要素と連動するように構成された第1の嵌合要素と
を備え、
前記チャンバ内での前記注射装置の受容と、前記注射装置に向かう前記作動支援装置の遠位移動とが、前記注射装置を作動させて注射薬を送達する、注射作動支援装置。
【請求項2】
前記注射装置は、自己注射器装置を含む、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項3】
前記自己注射器装置は、ボタン作動式自己注射器装置またはシュラウド作動式自己注射器装置を含む、請求項2に記載の注射作動支援装置。
【請求項4】
前記第1の嵌合要素はノッチを構成する、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項5】
前記ノッチは、前記開口部に配置される、請求項4に記載の注射作動支援装置。
【請求項6】
前記第1の嵌合要素は、前記注射装置の第2の嵌合要素と連動し、前記注射作動支援装置内で前記注射装置を固定するように構成される、請求項4に記載の注射作動支援装置。
【請求項7】
前記底面の直径は、前記上面の直径よりも大きい、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項8】
前記目標部位に前記装置を安定化させるために前記装置の前記底面から延びるフランジをさらに備える、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項9】
前記底面は、剛性材料を含む、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項10】
前記支援装置の前記ノッチ内での前記自己注射器装置の前記突出部の受容と、前記注射装置に対する前記支援装置の回転とが、使用のために前記注射装置を所定の位置に係止する、請求項4に記載の注射作動支援装置。
【請求項11】
前記チャンバの上端部に配置され、前記チャンバ内に受容されたときに前記注射装置の第1の端部に当たるように構成されたチャンバ天井をさらに備える、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項12】
前記注射装置を把持するために前記チャンバ天井に、または前記チャンバ内に配置された複数の隆起をさらに備える、請求項11に記載の注射作動支援装置。
【請求項13】
自己注射器装置を作動させる方法であって、
自己注射器装置が作動支援装置の前記チャンバ内に部分的に配置されるように、請求項1に記載の注射作動支援装置を前記自己注射器装置の一部の上に配置するステップと、
前記自己注射器装置の上部が前記支援装置のチャンバ天井に接触するまで、前記支援装置の前記チャンバ内に前記自己注射器装置を挿入するステップと、
前記支援装置に前記注射装置に向かう遠位方向の力を加えて、前記自己注射器装置を作動させて注射薬を送達するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記自己注射器装置は、ボタン作動式自己注射器装置であり、前記支援装置に遠位方向の力を加えて、前記自己注射器装置を作動させることにより、前記自己注射器装置のボタンを押し下げ、注射を開始する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記自己注射器装置を前記支援装置チャンバ内に挿入すると、前記自己注射器装置の外面にある少なくとも1つの突出部は、前記支援装置のノッチと長手方向に位置合わせされる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記自己注射器装置の前記少なくとも1つの突出部が前記支援装置の前記ノッチ内に取り外し可能に受容されるまで、前記支援装置を回転させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自己注射器装置は、シュラウド作動式自己注射器装置であり、前記支援装置に遠位方向の力を加えて、前記自己注射器装置を作動させることにより、前記自己注射器装置へとシュラウドを後退させ、注射を開始する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記自己注射器装置の突出部は、前記チャンバ内に挿入される前に装置受容インジケータと位置合わせされる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記装置受容インジケータは、前記装置の位置合わせまたは受容に基づくフィードバックを提供し、前記フィードバックは視覚、可聴、および/または触覚フィードバックを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記注射装置に接触して前記注射作動支援装置内で前記注射装置を固定するために、前記チャンバ内に延びる複数のリブをさらに備える、請求項1に記載の注射作動支援装置。
【請求項21】
前記リブは前記チャンバの前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる、請求項3に記載の注射作動支援装置。
【請求項22】
注射作動支援装置であって、
上面と、底面と、注射装置を受容するための前記底面にある開口部と、前記上面と前記底面との間に延びるシャフトと、
第1の端部および第2の端部を備え、前記開口部で終端し、前記注射装置の一部を受容し固定するように構成されたチャンバと
を備え、
前記チャンバ内での前記注射装置の受容と、前記注射装置に向かう前記作動支援装置の遠位移動とが、前記注射装置を作動させて注射薬を送達する、注射作動支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
[001]関節リウマチ(RA)は、関節付近の組織および他の身体部位を攻撃し、慢性的な腫れおよび痛みを引き起こす自己免疫疾患である。RAは、関節内の滑膜組織に集中している。自己免疫疾患は、身体の免疫システムが自身の組織を異物であると誤解し、滑膜中の「侵入者」を探し出して破壊する抗体により組織を攻撃するときに起こる。RAを患う患者は、手足の指から始まることが多い関節のこわばりがあり、関節の痛みならびに動きの制限が生じる。これらの患者は、関節運動がしにくくなり、結果的に手で装置を操作することが困難になる。ほとんどの自己投与薬は、自己注射器などの薬物送達装置を必要とするが、これらの装置は、用量を自己投与するために患者による装置の操作を必要とすることが多い。自己注射器は、シュラウド作動式またはボタン作動式であることができる。ボタン作動式自己注射器装置は、典型的には装置の上端部に配置された作動ボタンを備え、これは使用者が操作して薬剤注射を送達しなければならない。RA患者は、関節の動きが制限されているため、これらの装置の操作に苦労する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[002]一実施形態では、上面と、底面と、注射装置を受容するための底面にある開口部と、上面と底面との間に延びるシャフトとを備えた、注射作動支援装置が提供される。この装置は、第1の端部および第2の端部を有し、開口部で終端するチャンバをさらに備え、チャンバは、注射装置の一部を受容するように構成され、注射装置を把持するためにチャンバ内に延びる複数のリブを備える。本装置は、注射装置がチャンバ内に受容されたときに、注射装置の突出部を受容する開口部にノッチをさらに備えてもよく、チャンバ内での注射装置の受容と、注射装置の遠位端部に向かう作動支援装置の移動とが、注射装置を作動させて注射薬を送達する。
【0004】
[003]別の実施形態では、注射装置を作動させる方法が提供される。本方法は、注射装置が支援装置のチャンバ内に部分的に配置され、注射装置の外面上の少なくとも1つの突出部が支援装置のノッチと長手方向に位置合わせされるように、注射装置上に注射作動支援装置を配置することを含む。本方法は、ボタンが支援装置のチャンバ天井に接触するまで、支援装置のチャンバ内に注射装置を挿入することと、注射装置の少なくとも1つの突出部が支援装置のノッチ内に取り外し可能に受容されるまで、支援装置を回転させることとをさらに含む。本方法はさらに、支援装置に下向きの力を印加して、注射装置を作動させて注射薬を送達することをさらに含む。
【0005】
[004]上記の簡単な説明は、添付の図面に示されているその具体的な実施形態を参照することによって、より詳細に説明される。これらの図面は本発明の典型的な実施形態のみを描いたものであり、その範囲を限定するものとして考えてはならないことを理解した上で、添付の図面を用いることにより、実施形態はさらに具体的に詳細に記述され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[005]注射作動支援装置の実施形態の斜視図である。
【
図2】[006]注射作動支援装置の実施形態の側面図である。
【
図3】[007]注射作動支援装置の実施形態の斜視底面図である。
【
図4】[008]注射作動支援装置の実施形態の底面図である。
【
図5】[009]注射作動支援装置の実施形態の断面図である。
【
図6】[010]自己注射器装置が内部に受容されている注射作動支援装置の実施形態の上面図である。
【
図7】[011]注射作動支援装置の代替的実施形態の上面斜視図である。
【
図8】[012]注射作動支援装置と、注射作動支援装置内に配置するための注射装置との斜視断面図である。
【
図9】[013]作動支援装置内に受容された注射装置の断面図である。
【
図10】[014]使用のために注射作動支援装置内に固定された注射装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[015]本発明の原理および動作の理解を促す目的で、ここでは図面に示された実施形態を参照し、特定の言語を使用して説明する。それでもなお、本発明の範囲のいかなる限定も意図されず、図示された装置におけるそのような変更およびさらなる修正、ならびに図示される本発明の原理のそのようなさらなる適用は、本発明が関連する技術分野の当業者が通常思いつくであろうことが意図されていると理解されるであろう。
【0008】
[016]本明細書で使用されるとき、用語「第1」、「第2」などは、任意の順序、量、または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素から区別するために使用されていることに留意されたい。用語「a」および「an」は、量の制限を示すものではなく、参照される項目のうちの少なくとも1つの存在を示すものである。さらに、発明を実施するための形態および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて、用語「含む、備える(including、includes)」、「有する(having、has、with)」またはその活用が使用されている限りにおいて、これらの用語は、「含む、備える(comprising)」と同様に包括的であることが意図される。量に関連して使用される修飾語「約(about)」は、記載された値を含み、文脈に応じた意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。本明細書中で開示されているすべての範囲は包括的であり、独立して組み合わせ可能であることに留意されたい。
【0009】
[017]本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形も包含することが意図され、別途明確に文脈が指示しない限り、これらの用語は量の制限を示すものではなく、参照される項目のうちの少なくとも1つの存在を示すものである。さらに、発明を実施するための形態および/または特許請求の範囲のいずれかにおいて、用語「含む、備える(including、includes)」、「有する(having、has、with)」またはその活用が使用されている限りにおいて、これらの用語は、「含む、備える(comprising)」と同様に包括的であることが意図される。さらに、別途指示がない限り、用語「第1の」、「第2の」などの使用は、任意の順序、量または重要性を示すものではなく、用語「第1の」、「第2の」などはある要素を他の要素と区別するために使用される。
【0010】
[018]広範囲を示す数値的範囲およびパラメータは、近似値であるが、具体的な非限定例に記載の数値は可能な限り正確に報告される。それでもなお、いずれの数値もそれぞれの各試験測定において見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本来含有する。さらに、開示されているすべての範囲は、そこに含まれるあらゆる部分範囲を包含するものと理解されたい。非限定的な例として、「10未満」の範囲は、最小値0と最大値10との間の(これらを含む)あらゆる部分範囲、すなわち、0以上の最小値および10以下の最大値を有するあらゆる部分範囲、例えば、1~7を包含し得る。
【0011】
[019]図面に目を向けると、
図1は、上面102と、底面104と、自己注射器を受容するための底面にある開口部103(
図3に示す開口部)と、上面102と底面104との間に延びる細長シャフト106とを備えた、注射作動支援装置100の斜視図である。装置100は、第1の端部108aおよび第2の端部108bを有し、シャフト106の長さだけ延びて開口部103で終端する細長チャンバ108(
図4~
図5に示すチャンバ)をさらに備え、チャンバ108は、自己注射器装置20(
図6に示す)の一部を受容するように構成され、自己注射器装置20を把持するためにチャンバの第1の端部108aと第2の端部108bとの間に延びる複数のチャネル109を備える。1つまたは複数の転がり防止特徴、またはスタビライザ111が
図1の装置100の底部に示されている。これらの転がり防止特徴111は、横倒しにして表面に置かれたときの装置100の転がりを防止する。
【0012】
[020]一実施形態では、注射作動支援装置100は、第1の嵌合要素を備えてもよく、注射装置は、第2の嵌合要素を備えてもよく、第1および第2の嵌合要素は、使用中に注射作動支援装置100および注射装置20を一緒に維持するように互いに係合する。いくつかの非限定的な例では、第1および第2の嵌合要素は、ノッチと突出部との関係を含んでいてもよく、第1または第2の嵌合要素のうちの一方はノッチを校正紙、第1または第2の嵌合要素のうちの他方は突出部を構成する。別の非限定的実施形態では、第1の嵌合要素および/または第2の嵌合要素は、他方の装置の別の部分または表面に摩擦によって保持される、一方の装置の部分または表面を含んでもよい。
【0013】
[021]非限定的実施例では、第1の嵌合要素はノッチ110を構成してもよく、一実施例では、ノッチ110は、
図1に示すように、装置100の開口部103に配置されてもよい。非限定的実施形態では、第2の嵌合要素は、突出部22を構成してもよい。ノッチ110は、
図7に示す非限定的な一実施形態において、使用中にチャンバ108内に注射装置20を維持するために自己注射器装置20がチャンバ108内に受容されたときに、注射装置20の突出部を受容するように構成されてもよい。チャンバ108内での注射装置20の受容と、注射装置20の遠位端部に向けて、注射装置20へと注射作動支援装置に下向きの力を加えることによって、注射装置20を作動させて注射薬を送達する。このように、注射作動支援装置100を用いた注射装置20の作動は、装置を作動させて注射薬を送達するために装置の遠位端部または下端部を目標注射部位に押し当てながら、薬剤を注射するために自己注射器装置を押し下げる必要性を取り除くことができるため、関節運動がしづらく、手の指を動かすのが困難な患者を支援する。
【0014】
[022]さらに、患者によっては器用ではない、または単に手の筋力が不足しているため、自己注射器装置(または任意の注射装置)の作動は厄介になり得る。本明細書に記載されている注射作動支援装置100の実施形態は、ボタン作動式自己注射器のボタンの作動を、例えば注射作動支援装置に移すことによって、これらの患者にとってより簡単な注射を容易にする。使用者は、装置を目標注射部位に押し付けながら装置の作動ボタンを操作する代わりに、装置の持ちやすく握りやすいシャフトを握りながら、支援装置に下向きの力を与えるだけである。シュラウド作動式注射装置を用いて使用する場合、注射作動支援装置は、注射の目標部位に向かって下向きの圧力を加えながら、より人間工学的に握りやすい形状の物体(すなわちシャフト)を設けることによって、自己注射器装置のより簡単な作動を可能にする。
【0015】
[023]いくつかの実施例では、注射作動支援装置の外側輪郭は、
図1に示す一実施形態では、注射プロセスをさらに容易にするために、使用者の手の中で容易に保持されるように構成された人間工学的形状を備えでもよい。いくつかの非限定的実施形態では、注射支援装置の外側輪郭は、例えば、装置の基部から延びる長手方向のシャフトを備えてもよい。さらなる他の実施形態では、使用中の装置の把持を強化するために、様々な形状、サイズおよび輪郭が注射支援装置のシャフト部分に使用されてもよい。さらなる他の実施形態では、使用中に使用者が装置を保持し把持しやすくするために、注射作動支援装置100の材料に対する表面処理または変形が行われてもよい。
図7は、非限定的実施例を提供し、シャフトは、外面にリブ付き特徴を備える。
【0016】
[024]本明細書に記載される注射作動支援装置100の実施形態では、使用者は、自己注射器が内部に配置されると、単に装置100に圧力を加え、自己注射器装置を作動させて注射薬を送達するために、目標注射部位に対して圧力を加えればよい。
【0017】
[025]さらに、装置を作動させるためのボタンが装置の上面に配置されているボタン作動式装置の場合、注射支援装置100への下向きの力は、ボタンとチャンバ天井112との間の接触を介してボタンを圧縮することによって、注射装置の作動を引き起こす。この動作により、ボタン作動式注射装置と注射作動支援装置との間で移動が生じ得る。
【0018】
[026]
図2は、注射作動支援装置100の実施形態の側面図である。
図2において、長さaは装置の底面104の直径を示し、上面102の直径bも示されている。
図2に示すように、一実施形態では、底面の最大直径bは、上面の最大直径aよりも大きい。非限定的な一実施形態では、底面104は、剛性材料を含んでもよい。底面104は、シャフトから延びるフランジ105を備えてもよい。フランジ105は、使用者の目標表面で装置を安定させるために使用されてもよい。フランジ105は、非限定的な一実施形態において、剛性材料で形成されてもよい。材料としては、プラスチック、ゴム、および本発明が関連する技術分野の当業者に知られている他の材料を挙げることができる。支援装置のシャフト106は、支援装置100の使用中に使用者に快適さを与える手助けをするために、軟質の基材材料で形成されてもよい。装置の底部表面には、装置受容インジケータ107が示されている。装置受容インジケータ107は、内部に受容するための装置100内での装置の位置合わせを可能にする。注射装置(
図7~
図10に示す)を注射作動支援装置100内に受容すると、注射装置20の外面にある突出部22が装置受容インジケータ107と位置合わせされ、装置100内での受容および係止のために注射装置を位置決めすべきである。いくつかの実施形態では、装置受容インジケータは、位置合わせガイドを備えてもよい。他の非限定的実施形態では、装置受容インジケータは、視覚、可聴、または触覚フィードバックによって、注射装置の位置合わせおよび/または受容を示してもよい。
【0019】
[027]
図3は、装置100の底面104に配置された開口部103と、自己注射器装置の突出部を受容する開口部103に配置されたノッチ110とを示す、注射作動支援装置100の実施形態の斜視底面図である。自己注射器装置は通常、その外面に突出部を備え、これらの突出部はしばしば「ピップ」と呼ばれる。注射作動支援装置100内に受容されると、自己注射器の近位端部はチャンバ108内に配置され、自己注射器装置が装置100のチャンバ天井112(
図4に示す)に接触するまで、支援装置100が自己注射器装置上を部分的に摺動する。
【0020】
[028]
図4は、チャンバ108内の図を示す注射作動支援装置100の実施形態の底面図である。ノッチ110は、
図3と同様に、装置100の底面104におけるチャンバ108の開口部103に配置されるように示されている。チャンバ108内の図は、装置100の使用中に自己注射器装置に当たるように設けられたチャンバ天井112を示す。チャンバ天井112には、自己注射器装置が配置されるとこれと連動する複数の隆起114が設けられる。自己注射器装置がチャンバ108内に受容されたことを示すための装置受容インジケータ113は、非限定的な一実施形態では装置100の底面に示されている。
【0021】
[029]
図5は、チャンバ108への開口部103にノッチ110が配置された、注射作動支援装置100の実施形態の底面104から見た断面図である。
図5は、自己注射器が配置されるとこれを把持するチャネル109を示す。チャネル109は、チャンバの第1の端部108aからチャンバの第2の端部108bまで延び、装置100の使用中にチャンバ108内で自己注射器を受容し、維持するための追加の摩擦を提供する。
【0022】
[030]
図6は、注射作動支援装置100の実施形態の上面図であり、自己注射器装置20およびフランジと共に上面102の図を示している。転がり防止特徴111は、装置100の上面図において、装置100の底面104と関連して見ることができる。
【0023】
[031]
図7は、注射作動支援装置200の代替的実施形態の上面斜視図であり、支援装置200のチャンバ208内に注射装置20を受容することが示されている。注射作動支援装置200は、上面202および底面204、ならびに上面202と底面204との間に延びるシャフト206を備える。注射作動支援装置200は、非限定的な一実施形態において、転がり防止特徴211を備える。さらに、注射作動支援装置200の実施形態のシャフト206は、細長の垂直シャフトとして示されている。シャフト206は、支援装置200のチャンバ内に注射装置を受容することによって注射の作動を支援するために、使用者の手で把持するのに十分な任意の形状で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、表面処理が装置の外面に施されてもよい。一実施例では、シャフト206は、
図7に示すように、リブ付き表面を備えてもよい。装置の特定の材料、表面処理、または形状は、使用者が装置200を把持して使用する能力を高めることができる。
【0024】
[032]
図8は、
図7に示す注射作動支援装置200の実施形態の断面図であり、注射装置20の断面図は支援装置200の下に示される。
図8にノッチとして示されている第1の嵌合要素210は、装置200のチャンバ208への開口部に配置されている。
図8に示す実施形態では突出部として示されている第2の嵌合要素22は、注射装置20の外面に設けられる。突出部22をノッチ210と位置合わせし、
図9に示すように注射装置20を注射作動支援装置200のチャンバ208に挿入すると、突出部はノッチ210内に受容され、注射装置20を使用のために注射作動支援装置200に係止する。注射装置20は、代替的実施形態において、注射支援装置200に取り外し可能に係止されても、または注射支援装置200に永久的に係止されてもよい。
【0025】
[033]
図10に示すように、突出部22をノッチ210内で受容し、注射装置20を注射作動支援装置200に対して回転させるか、または注射作動支援装置200を注射装置20に対して回転させるか、または両方の構成部品を互いに相対的に回転させると、突出部22は、注射薬を送達する装置の使用のためにノッチ210内に係止される。
【0026】
[034]別の実施形態では、注射装置20を作動させる方法が提供される。一実施形態では、注射装置としては自己注射器を挙げることができる。さらなる非限定的実施形態では、自己注射器としては、ボタン作動式自己注射器またはシールド作動式自己注射器を挙げることができる。本方法は、自己注射器装置20が支援装置100のチャンバ108内に少なくとも部分的に配置されるように、注射装置20を注射作動支援装置チャンバ108内に配置するステップを含む。一実施形態では、注射装置20の外面にある少なくとも1つの突出部22は、支援装置100のノッチ110と長手方向に位置合わせされる。本方法は、注射装置20の上面が支援装置100のチャンバ天井112に接触し、そして注射装置が注射作動支援装置100、200内に固定されるまで、注射装置20を支援装置100のチャンバ108内に挿入するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、注射装置20を注射作動支援装置100、200内に固定することは、注射装置20を注射作動支援装置100、200内に固定するために、チャンバ108、208内に配置されたときの注射装置20の回転を必要とする。例えば
図7~
図10に示す実施形態における注射装置20の回転により、注射装置20の突出部22が注射作動支援装置200のノッチ210内に受容され得る。本方法は、支援装置100に下向きの力を加えて、自己注射器装置20を作動させ、自己注射器装置20を介して注射薬を送達するステップをさらに含む。
【0027】
[035]本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、本明細書で定義されていない限り、当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を持つことが意図されていると留意することは、本発明の理解にとって重要である。また、本明細書で採用されている技術は、特に明記されていない限り、当業者に知られているものである。本明細書に開示され、特許請求されている本発明の理解をより明確に促す目的で、以下の定義を提供する。
【0028】
[036]本発明の複数の実施形態を本文脈中で本明細書において図示し説明したが、かかる実施形態は単なる例として記載されたものであり、限定として記載されていない。当業者であれば、本発明から実質的に逸脱することなく、多くの変形、変更、および置換を思いつくであろう。例えば、他の用途も同様に本発明の教示の恩恵を受けることができるため、本発明は本明細書に開示された最良の態様に限定される必要はない。また、特許請求の範囲において、ミーンズプラスファンクションおよびステッププラスファンクションクローズは、記載された機能を実行するものとして本明細書に記載された構造および行為をそれぞれカバーすることを意図しており、構造的等価物または行為的等価物だけでなく、等価な構造または等価な行為もそれぞれカバーすることを意図している。したがって、すべてのそのような変形は、その解釈の関連する法律に従って、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【国際調査報告】