(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ツール不要ゼロ点調節を備えたライフルスコープターレット
(51)【国際特許分類】
F41G 1/38 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
F41G1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539944
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 US2020012580
(87)【国際公開番号】W WO2020146385
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520168099
【氏名又は名称】シェルタード ウィングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】モレル ロブ
(72)【発明者】
【氏名】トイ セス
(72)【発明者】
【氏名】パークス スコット
【テーマコード(参考)】
2C014
【Fターム(参考)】
2C014AA01
(57)【要約】
【課題】ユーザによって望まれる追加の特徴を保持しながら追加ツールの必要性及び/又は構成要素の除去の必要性なしにゼロ点調節を可能にするライフルスコープを提供する。
【解決手段】ライフルスコープは、スコープ本体、可動光学要素、ターレット、ゼロ点及び調節サブアセンブリを有し、ターレットは、ターレットスクリュー、ターレットシャーシサブアセンブリ、及びターレットキャップを含み、ターレットスクリューは、スクリュー軸線を定め、かつ光学要素に作動可能に接続され、ターレットキャップは、ターレットシャーシサブアセンブリに少なくとも部分的に重なり、ゼロ点調節サブアセンブリは、ターレットスクリューに接続されたゼロキャップ及びロッキング機構を含み、ロッキング機構は、ゼロキャップ及びターレットを解除可能に固定し、ゼロ点調節サブアセンブリは、ツールの使用なしにゼロ点の調節を可能にする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコープ本体と、
前記スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学要素と、
(A)スクリュー軸線を定めるターレットスクリューであって、該スクリューの回転に応答して前記光軸を調節するための前記光学要素に作動可能に接続された前記ターレットスクリュー、
(B)ターレットシャーシサブアセンブリ、及び
(C)前記ターレットシャーシサブアセンブリに少なくとも部分的に重なるターレットキャップ、
を含むターレットと、
(a)前記ターレットスクリューに接続されたゼロキャップ、及び
(b)前記ゼロキャップと前記ターレットとを解除可能に固定するロッキング機構、
を含むゼロ点調節サブアセンブリと、
を含むことを特徴とするライフルスコープ。
【請求項2】
前記ロッキング機構は、制動ディスク及びロッキングリングを含むことを特徴とする請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項3】
前記ターレットキャップの上面が凹部を定め、前記ゼロキャップ、制動ディスク、及びロックリングは、該凹部に同心的に位置決めされることを特徴とする請求項2に記載のライフルスコープ。
【請求項4】
前記ロッキング機構は、ロックリングロックボタンを更に含むことを特徴とする請求項3に記載のライフルスコープ。
【請求項5】
前記ロックリングロックボタンは、前記ターレットキャップ内に形成され、かつ少なくとも1つのバネ含有ガイド-ロッドを含むことを特徴とする請求項4に記載のライフルスコープ。
【請求項6】
前記ロッキング機構は、ロックリング、カムリング、及び複数のバネ従動部を含むことを特徴とする請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項7】
前記ターレットキャップの上面が凹部を定め、前記ゼロキャップ、カムリング、及びロックリングは、該凹部に同心的に位置決めされることを特徴とする請求項6に記載のライフルスコープ。
【請求項8】
前記複数のバネ従動部は、前記ゼロキャップと前記凹部の上面との間に挿入されることを特徴とする請求項7に記載のライフルスコープ。
【請求項9】
前記ロッキング機構は、レバー、円錐楔、及びコレットを含むことを特徴とする請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項10】
前記レバーは、前記ターレットスクリューに接続されることを特徴とする請求項9に記載のライフルスコープ。
【請求項11】
前記円錐楔は、前記ターレットスクリューの周りに位置決めされることを特徴とする請求項10に記載のライフルスコープ。
【請求項12】
前記ターレットキャップの上面が凹部を定め、前記ゼロキャップは、該凹部に位置決めされることを特徴とする請求項11に記載のライフルスコープ。
【請求項13】
前記ゼロキャップは、前記レバーがそれを通して前記ターレットスクリューに接続する中心開口部を有することを特徴とする請求項12に記載のライフルスコープ。
【請求項14】
前記コレットは、前記ゼロキャップと前記凹部の上面との間に挿入されることを特徴とする請求項13に記載のライフルスコープ。
【請求項15】
前記ターレットシャーシサブアセンブリは、
カムピンが係合し、停止要素による係合に対して各々が位置決めされた第1の停止面及び第2の停止面を定める螺旋カム機構、
を含み、
前記第1の停止面及び第2の停止面は、少なくとも部分的にそれ自体に重なるチャネルによって接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のライフルスコープ。
【請求項16】
前記停止要素に接続された回転インジケータを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のライフルスコープ。
【請求項17】
前記ターレットは、仰角ターレットであることを特徴とする請求項1に記載のライフルスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、本明細書に引用によってその全体が組み込まれている2019年1月8日出願の米国仮特許出願第62/789,769号の非仮特許出願であり、かつそれに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、ライフルスコープターレット、より具体的には、ツール不要調節機能を有するライフルスコープターレットに関する。
【背景技術】
【0003】
ライフルスコープの関連では、ユーザに対して非常に望ましいライフルスコープターレットのいくつかの特徴:すなわち、ターレットをダイヤル調整位置にロックする機能、ゼロストップ機構の具備、無限可変ゼロ点機能、触知及び可視回転インジケータ、及び各ダイヤル調整位置間でのターレットのクリアかつポジティブなクリック操作が存在する。
【0004】
レチクルがどれほど遠くまで調節されたかを正確に知ることは、ユーザにとって極めて重要である。従って、ターレットのそれが各インジケータを通って移動する時のクリア、触知性、かつ可聴のクリックは、ユーザが適切な仰角をターレットキャップ上に刻まれたインジケータを読み取る必要性なしにダイヤル調整することを可能にする。ターレットキャップは、いくつかの回転を通して回転することができ、かつ射手は、ゼロに対するレチクルの移動が既知であるようにターレットがオンである回転を知らなければならないので、触知及び可視回転インジケータは、同じく極めて重要である。触知回転インジケータ及び可聴クリックは、視覚以外の感覚を利用し、これは、ユーザがライフルスコープの背後の定位置に留まることを可能にし、従って、正確な射撃を行うのに要求される時間を短縮する。補正がターレットの中にダイヤル調整された状態で、ターレットをロックしてそれが不意に変わることを防止することは、設定値を変えるリスクのないライフルを扱い続ける際の射手の自信を与える。ゼロストップ機構は、ユーザが補正をターレットの中にダイヤル調整した後にスコープを容易にゼロに戻すことを可能にし、かつエンドユーザによって大いに望まれる別の特徴である。
【0005】
環境条件に対して補正するためにターレットをダイヤル調整することに加えて、別の極めて重要なタスクは、ゼロ点調節過程である。上述のようにターレットをゼロ点からダイヤル調整する前に、所与のスコープ、ライフル、及び弾薬の組合せに対するゼロが確立されなければならない。上述の特徴(例えば、ターレットをダイヤル調整位置にロックする機能、ゼロストップ機構の具備、無限可変ゼロ点機能、触知かつ可視回転インジケータ、及び各ダイヤル調整位置間でのターレットのクリアかつポジティブなクリック操作)のうちの1又は2以上を含有する現在のターレットは、多くの場合に、スコープをそれがライフルに装着された後にゼロ点調節するための複雑な方法を必要とする。例えば、多くのターレットは、ターレットからの構成要素及び追加のツールの除去を必要とする。ターレットからの構成要素の除去は、水分及びデブリのための不要な進入点を生じる。更に、除去される構成要素が多いほど、構成要素を損失又は損傷するリスクが大きい(例えば、摩滅)。追加ツールの要件は、射手が荷造りして携帯しなければならない装備の量を増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,919,026号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ユーザによって望まれる追加の特徴(例えば、ターレットをダイヤル調整位置にロックする機能、ゼロストップ機構の具備、無限可変ゼロ点機能、触知かつ可視回転インジケータ、及び各ダイヤル調整位置間でのターレットのクリアかつポジティブなクリック操作)を依然として保持しながら追加ツールの必要性及び/又は構成要素の除去の必要性なしにゼロ点調節を可能にするライフルスコープターレットに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、本発明の開示は、ゼロ点調節サブアセンブリを備えたターレットを含むライフルスコープを提供する。本発明の開示の実施形態により、ライフルスコープは、スコープ本体と、スコープ本体に接続された光軸を定める可動光学要素と、(A)スクリュー軸線を定め、かつスクリューの回転に応答して光軸を調節するための光学要素に作動可能に接続されたターレットスクリュー、(B)ターレットシャーシサブアセンブリ、及び(C)ターレットシャーシサブアセンブリに少なくとも部分的に重なるターレットキャップを含むターレットと、(A)ターレットスクリューに接続されたゼロキャップ及び(B)ゼロキャップ及びターレットを解除可能に固定するロッキング機構を含むゼロ点調節サブアセンブリと、を含む。
【0009】
本発明の開示の実施形態により、ゼロ点調節サブアセンブリのためのロッキング機構は、ロックリング、カムリング、及び複数のバネ従動部を含む。本発明の開示の更に別の実施形態により、ゼロ点調節サブアセンブリのためのロッキング機構は、レバー、円錐楔、及びコレットを含む。本発明の開示の更に別の実施形態により、ゼロ点調節サブアセンブリのためのロッキング機構は、制動ディスク及びロッキングリングを含む。
【0010】
他の実施形態は、本発明の詳細説明と共に図面の考察から明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の開示の実施形態によるライフルスコープの実施形態の側面図である。
【
図2】本発明の開示の実施形態による線2-2に沿って切り取ったターレットの断面図である。
【
図3】本発明の開示の実施形態による例示的ターレットの等角投影図である。
【
図4】本発明の開示の実施形態による線4-4に沿って切り取った
図2のターレットの断面図である。
【
図5】本発明の開示の実施形態による線5-5に沿って切り取った
図2のターレットの断面図である。
【
図6】本発明の開示の実施形態によるターレットの更に別の実施形態の断面図である。
【
図7】本発明の開示の実施形態によるターレットの更に別の実施形態の等角投影図である。
【
図8】本発明の開示の実施形態による線8-8に沿って切り取ったターレットの断面図である。
【
図9】本発明の開示の実施形態による線9-9に沿って切り取ったターレットの断面図である。
【
図10】本発明の開示の実施形態によるターレットの更に別の実施形態の等角投影図である。
【
図11】本発明の開示の実施形態による線11-11に沿って切り取ったターレットの断面図である。
【
図12】本発明の開示の実施形態による線12-12に沿って切り取ったターレットの断面図である。
【
図13】本発明の開示の実施形態によるターレットスクリューサブアセンブリの上部斜視分解組立図である。
【
図14】本発明の開示の実施形態によるターレットスクリューサブアセンブリ及びターレットハウジングの上部斜視分解組立図である。
【
図15】本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシ及びインジケータの上部斜視図である。
【
図16A】本発明の開示の実施形態によるカムディスクの上部斜視図である。
【
図16B】本発明の開示の実施形態によるカムディスクの底部斜視図である。
【
図17】カムディスクが部分的に透明にされた本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシの中に挿入されたカムディスクの上面図である。
【
図18A】本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシサブアセンブリの上部斜視分解組立図である。
【
図18B】本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシサブアセンブリの側面断面図である。
【
図19A】本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシサブアセンブリ、ターレットスクリューサブアセンブリ、及びターレットハウジングの上部斜視分解組立図である。
【
図19B】本発明の開示の実施形態によるターレットシャーシサブアセンブリ、ターレットスクリューサブアセンブリ、及びターレットハウジングの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで本明細書に開示する装置及び方法を本発明の開示の実施形態を示す添付図面を参照して以下により完全に説明する。本明細書に開示する装置及び方法は、しかし、多くの異なる形態に具現化することができ、本明細書に説明する実施形態に限定されないと解釈しなければならない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が徹底的かつ完全であることになり、本発明の範囲を当業者に完全に伝達することになるように提供するものである。
【0013】
特徴及び/又は機能のセットは、独立型武器照準器、前部装着又は後部装着式クリップ留め器照準器、及び一連の配備された光学武器照準器の他の置換の関連内で容易に適応させることができることは当業者によって認められるであろう。更に、特徴及び機能の様々な組合せは、あらゆる種類の既存の固定又は可変武器照準器に換装するためのアド-オンモジュールの中に組み込むことができることは当業者によって認められるであろう。
【0014】
要素又は層が、別の要素又は層「上」である、それに「接続」されている、又はそれに「結合」されているとして参照される時に、それは、他方の要素又は層のすぐ上である、それに接続されている又は結合されているとすることができることは理解されるであろう。これに代えて、介在する要素又は層が存在する場合がある。これとは対照的に、要素が、別の要素又は層の「すぐ上」である、それに「直接に接続」されている又は「直接に結合」されているとして参照される時に、介在する要素又は層は存在しない。
【0015】
類似の数は、一貫して類似の要素を指す。本明細書に使用する時に用語「及び/又は」は、関連の説明された品目のうちの1又は2以上の全ての組合せを含む。
【0016】
用語第1、第2などは、様々な要素、構成要素、領域、及び/又はセクションを説明するために本明細書に使用することができるが、これらの要素、構成要素、領域、及び/又はセクションは、これらの用語によって制限されないことは理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、又はセクションを別の要素、構成要素、領域、又はセクションと区別するのに使用されるに過ぎない。従って、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、又はセクションは、本発明の開示から逸脱することなく第2の要素、構成要素、領域、又はセクションと呼ぶことができる。
【0017】
「下方」、「下」、「下側」、「上方」、「上側」のような空間的相対用語は、別の要素又は特徴との1つの要素又は特徴の関係を図に示すように説明するのに説明しやすいように本明細書に使用することができる。空間的相対用語は、図に示す向きに加えて使用中又は作動中のデバイスの異なる向きを包含するように意図していることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転された場合に、他の要素又は特徴の「下方」又はその「下」と説明する要素は、他の要素又は特徴の「上方」に向けられる。従って、例示的用語「下方」は、上下の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他に向けることができ(90°回転又は他の向き)、本明細書に使用する空間的相対記述子は、相応に解釈することができる。
【0018】
全ての特許、特許出願、及び非特許文献参照は、全体が本明細書に組み込まれている。
【0019】
定義
本発明の開示での数値の範囲は、大体のものであり、従って、特に指示がない限り範囲外の値を含むことができる。数値の範囲は、いずれかの低い値といずれかの高い値の間に少なくとも2つの単位の分離があることを条件として、1つの単位の区分での下の値及び上の値からのかつ下の値及び上の値を含む全ての値を含む。例として、例えば、分子量、粘性のような構成上、物理的、又は他の特性が100~1,000である場合に、100、101、102のような全ての個々の値及び100~144、155~170、197~200のような部分範囲が明示的に数え上げられるように意図している。1未満である値を含むか又は1よりも大きい小数(例えば、1.1、1.5のような)を含む範囲に関して、1つの単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01、又は0.1であると見なされる。10未満(例えば、1~5)の1桁の数字を含む範囲に関して、1つの単位は、典型的には0.1であると見なされる。これらは、何が具体的に意図されているかの例にすぎず、数え上げられた最小値と最高値の間の数値の全ての可能な組合せは、明示的に本発明の開示に説明されているものとする。数値の範囲は、本発明の開示では、取りわけ、デバイスのユーザからターゲットまでの距離に対して示されている。
【0020】
本明細書で「A及び/又はB」のような語句に使用されるような用語「及び/又は」は、A及びBの両方、A又はB、A(単独)、及びB(単独)を含むように意図している。同様に、「A、B、及び/又はC」のような語句に使用されるような用語「及び/又は」は、以下の実施形態:A、B、及びC、A、B、又はC、A又はC、A又はB、B又はC、A及びC、A及びB、B及びC、A(単独)、B(単独)、及びC(単独)の各々を包含するように意図している。
【0021】
本明細書に使用する時に「エレクタスリーブ」は、エレクタチューブ及び/又はカムチューブ内のスロットに係合するか又は類似した目的に機能するエレクタレンズマウントからの突起である。これは、マウントと一体又は切り離し可能とすることができると考えられる。
【0022】
本明細書に使用する時に「エレクタチューブ」は、エレクタレンズマウントを受け入れる開口部を有するあらゆる構造体又はデバイスである。
【0023】
本明細書に使用する時に「火器」は、爆発力の作用によって駆動されることが多い1又は2以上の発射体を発進させる銃身を有する武器である携帯銃である。本明細書に使用する時に用語「火器」は、拳銃、長銃、ライフル、ショットガン、カービン銃、自動火器、半自動火器、機械銃、軽機関銃、自動小銃、及び突撃銃を含む。
【0024】
本明細書に使用する時に用語「視認光学機器」は、ターゲットを選択、識別、又はモニタするために射手又は観的手によって使用される装置を指す。「視認光学機器」は、ターゲットの目視観察、又は例えばターゲットの赤外線(IR)、紫外線(UV)、レーダー、サーマル、マイクロ波、又は磁気画像化、X線、ガンマ線、同位元素及び粒子放射を含む放射線、暗視、超音波、音波パルス、ソナー、地震振動、磁気共振、重力レセプタを含む振動レセプタ、電波、テレビ及びセルラーレセプタを含むブロードキャスト周期数、又は他の画像に依存することができる。「視認光学機器」デバイスによって射手に示すターゲットの画像は、不変とすることができ、又は例えば拡大、増幅、減法、重複、濾過、安定化、テンプレート照合、又は他の手段によって改善することができる。「視認光学機器」によって選択、識別、又はモニタされたターゲットは、射手の視線内か又は射手の視野に対してタンジェンシャルである場合があり、又は射手の視線は、ターゲット取得デバイスがターゲットのフォーカスされた画像を射手に提示する間は妨げることができる。「視認光学機器」によって得られるターゲットの画像は、例えば、アナログ又はデジタルとすることができ、例えば、ビデオ、物理ケーブル又はワイヤ、IR、電波、セルラー接続、レーザパルス、例えば、html、SML、SOAP、X.25、SNAなどであるのプロトコル、Bluetooth(登録商標)、Serial、USB、USBを使用する光学的、802.11b、又は他の無線伝送、又は他の適切な画像配信方法により、1又は2以上の射手及び観的手のネットワーク内で共有、保存、アーカイブすることができ、又はそこに送ることができる。用語「視認光学機器」は、「光学照準器」と交換可能に使用される。
【0025】
本明細書に使用する時に用語「外側シーン」は、ターゲットを含むがこれらに限定されない現実世界シーンを指す。
【0026】
本明細書に使用する時に用語「射手」は、射撃を行うオペレータ又は射撃を行うオペレータと連携して射撃を見守る個人に適用される。
【0027】
本明細書に使用する時に「ゼロ点調節」は、特定の距離で照準点(射手が狙っているもの)と着弾点(火器から発射された弾丸が実際に衝突する場所)とを位置合わせすることを指す。一実施形態では、ゼロ点調節は、正確な許容範囲が指定の範囲に対してウィンデージ及び仰角に対して課せられた設定値にライフルスコープを調節する過程である。
【0028】
本発明の開示は、視認光学機器ターレットに関する。一実施形態では、本発明の開示は、ライフルスコープターレット、より具体的には、調節を行うツールを必要としないゼロ調節機構を有するライフルスコープターレットに関する。本発明の開示のある一定の好ましいかつ例示的な実施形態を以下に説明する。本発明の開示は、これらの実施形態に限定されない。
【0029】
図1~
図2は、本発明の開示の実施形態によるライフルスコープ10を全体的に示している。ライフルスコープ10は、エレクタチューブである可動光学要素13を取り囲む本体12を有する。スコープ本体12は、より大きい開口部を前部14にかつより小さい開口部を後部16に有する細長チューブである。接眼レンズ18は、スコープ本体12の後部に取り付けられ、対物レンズ20は、スコープ本体12の前部に取り付けられる。可動光学要素13の中心軸線は、ライフルスコープ10の光軸17を定める。
【0030】
仰角ターレット22及びウィンデージターレット24は、スコープ本体12の外側中心部内の2つのノブである。仰角ターレット22及びウィンデージターレット24は、それらの周囲30及び32上に印し34によって区分的にマーク付けされており、可動光学要素13の仰角及びウィンデージを着弾点変更に対して調節するのに使用される。これらのノブ22、24は、ターレットハウジング36から突出する。ターレット22、24は、仰角ターレット回転軸26がウィンデージターレット回転軸28に垂直であるように配置される。印しは、典型的には、クリックに各々が対応するチェックマーク、及び選択された間隔でのより大きいチェックマーク、並びに弾丸落下補償のための調節角度又は距離を示す数字を含む。
【0031】
可動光学要素13は、ターレットを1又は2以上のクリックだけ回転させることによって調節される。クリックは、ライフルスコープ10のウィンデージ又は仰角ターレット上の1触知調節区分であり、その各々は、印し34のうちの1つに対応する。この実施形態では、1クリックは、スコープの着弾点を0.1ミリラジアン(mrad)だけ変える。しかし、本明細書に開示するターレット、システム、及び概念は、他の区分手段と共に使用することができる。他の実施形態では、区分は、度数分(MOA)区分とすることができる。
【0032】
可動光学要素13の仰角及びウィンデージを調節するためにターレット22、24を使用して仰角及びウィンデージがゼロ点に対して調節される。そのゼロ点を確立する必要があり、一部の事例では、ゼロ点を調節することは望ましくさえある。スコープ、ライフル、及び弾薬タイプの各組合せは、固有のゼロ点を有する可能性がある。各ターレット22、24のゼロ点は、一般的に、所与のターレット上の特徴部として設けられる。
図4~
図10は、仰角ターレット22と組み合わせたゼロ点調節サブアセンブリ500を含む例示的ターレットを示すが、ゼロ点調節サブアセンブリ500は、ウィンデージターレット又は視差調節機構を含むがこれらに限定されず、あらゆる調節ターレットと共に使用することができることは認められるであろう。
【0033】
図3~
図12は、ゼロ点調節サブアセンブリ500を有するターレット22の例示的実施形態を示している。一般的に、ターレット22は、ターレットスクリュー38、ターレットシャーシサブアセンブリ230、及びターレットキャップ501を含む。ターレットスクリュー38は、スクリュー軸線を定め、スクリュー38の回転に応答して光学要素13を調節するために光学要素13に作動可能に接続される。ターレットシャーシサブアセンブリ230は、ターレットシャーシ100と、ターレット22によって許容される仰角(あるいは、他の)調節をもたらすために必要とされる追加の構成要素とを含む。例示的ターレットシャーシサブアセンブリをより詳細に以下に説明する。
【0034】
ターレットキャップ501は、ターレットシャーシサブアセンブリ230の上に着座し、かつ印し34と設けられた場合に他の可視及び/又は触知特徴部とを含む構造体である。ターレットキャップ501は、ほぼ円形であり、ターレットキャップ501上で中心に位置付けられた凹部504(図示せず)を定める上部502を有する。凹部は、ほぼ平坦である上部506を有する。開口部(図示せず)は、ターレットスクリュー38が突出するターレットキャップ501の中心を通って延びる。
【0035】
ゼロ点調節サブアセンブリ500は、本明細書に説明する実施形態により、直接又は間接に関わらずターレットスクリュー38に接続するゼロキャップ510と、ゼロキャップ510をターレットキャップ501に固定するロッキング機構とを含む。
図3~
図12に示すように、ゼロキャップ510は、ターレットキャップ501の凹部504に位置決めされ、ロッキング機構の少なくとも1つの構成要素は、ゼロキャップ510と凹部504の上部506の間に位置決めされる。
【0036】
図3~
図5に示す代表的な図示の実施形態では、ロッキング機構は、ロックリング530、カムリング540、複数のバネ従動部550、及びロックリングロックボタン539を含む。ロックリング530、カムリング540、及びゼロキャップ510は、凹部504内に同心に位置決めされ、カムリング540は、ゼロキャップ510と外部的に同心であり、ロックリング530は、カムリング540及びゼロキャップ510と外部的に同心である。ゼロキャップ510は、ターレットスクリュー38に係合する下方に突出するステム512を有する。カムリング540上のフランジ542は、ゼロキャップ510の周縁514の上に着座し、ゼロキャップ510をターレットキャップ501内に保持する。ロックリング530は、カムリング540の第2のフランジ544の上に着座し、ターレットキャップ501に係合してカムリング540を保持する。
【0037】
バネ従動部550は、ゼロキャップ510と凹部504の上部506の間に挿入される。バネ従動部550は、下方に突出するステム512の外面516に接触する。
図4に示す実施形態では、バネ従動部550のテール552は、自由であるように示されているが、バネ従動部550のテール552は、ファスナを使用してゼロキャップ510の下側に全体的に固定される。ファスナは、明確にするためにかつバネ従動部550の幾何学的形状を示すために
図5には示されていない。
【0038】
図4に示すように、ゼロ点調節サブアセンブリ500は、そのロック位置にある。カムリング540の内面546は、少なくとも2つ(例えば、図示の実施形態では、3つ)の傾斜面548を有する。
図4では、バネ従動部550の各々は、傾斜面548の最も厚い端部と係合し、これは、バネ従動部550がゼロキャップ510に力を印加し、ゼロキャップ510が自由に回るのを妨げることを意味する。カムリング540を反時計回り方向(
図4に示すような実施形態に対して)に回すと、バネ従動部550が傾斜面548のより薄い端部と位置合わせされることをもたらす。従って、ゼロキャップ510に作用する力が少ないほど(あるいは、力がないと)、ゼロキャップ510は、凹部504内で自由に回る。時計回り方向のカムリング540の回転は、バネ従動部550が傾斜面548の最も薄い端部と再度位置合わせされ、ゼロキャップ510が定位置にもう一度ロックされることをもたらす。
【0039】
ゼロ点調節サブアセンブリ500は、ツールを使用せずゼロ点の調節を可能にすることは認められるであろう。すなわち、ユーザは、カムリング540及びゼロキャップ510を手で回転させることができる。それによって時間が節約され、ユーザは、いずれかのゼロ点調節を行うためにライフルスコープから目を離す必要はない。
【0040】
図6は、本発明の開示の実施形態によるゼロ点調節サブアセンブリ500’の更に別の実施形態を示している。
図6に示す実施形態では、ゼロキャップ510’は、ピボット点513a’を有するレバー513’を含む。レバー513’は、ゼロキャップ510’の開口部511’を通って突出し、ターレットスクリュー38に接続するステム515’を有する。ロッキング機構は、円錐楔52及びコレット523’を含む。円錐楔52は、ターレットスクリュー38の周りに位置決めされ、ターレットキャップ501の開口部(図示せず)を部分的に通過して延びる。円錐楔52Gは、作動的にレバー513-01に接続され、以下でより詳細に説明するように、レバー513-01の作動により、円錐楔52Gの垂直移動が生じるようになっている。コレット523-01はまた、中心開口部を有し、かつターレットスクリュー38及び円錐楔52と外部的に同心のターレットキャップ501の凹部504(図示せず)に着座する。
【0041】
図6に示すように、ゼロ点調節サブアセンブリ500’はロック位置にある。レバー513’は、ゼロキャップ510’の上部に対して同一平面である。円錐楔52は、増加する下側半径(楔のような半径)を有し、このロック位置では、円錐楔52Gは、レバー513-01によって上方に押し進められた後であり、円錐楔52Gのより厚い部分521a’は、コレット523’のフランジ523a’に接触し、これに起因して、コレット523’は、ターレットキャップ501を半径方向外向きに拡張し、ゼロキャップ510-01が自由に回らないようにロックするようになっている。ゼロ点を調節するために、レバー513’は、ピボット点513a’に沿って反転し、それによって円錐楔52Pが下がる。コレット523’が円錐楔52Gから離脱した状態で、ゼロキャップ510’は、自由に回転することができる。
【0042】
ゼロ点調節サブアセンブリ500’は、ツールの使用なしにゼロ点の調節を可能にすることは認められるであろう。すなわち、ユーザは、レバー513’を作動させてゼロキャップ510’を手で回転させることができる。それによって時間が節約され、ユーザは、いずれかのゼロ点調節を行うためにライフルスコープから目を離す必要はない。
【0043】
図7~
図9は、本発明の開示の実施形態によるゼロ点調節サブアセンブリ500’’の更に別の実施形態を示している。ゼロ点調節サブアセンブリ500’’は、ゼロキャップ510’’’及びロッキング機構520’’を含む。ロッキング機構520’’は、制動ディスク527’’及びロックリング530’’を含む。
【0044】
図7~
図8に示すように、ゼロキャップ510’’’は、ターレットスクリュー38に係合してターレットキャップ501の凹部(図示せず)に着座する。制動ディスク527’’は、中心開口部を伴って円形であり、凹部内でゼロキャップ510’’のフランジ514’’上に着座する。制動ディスク527’’は、ターレットキャップ501の内壁上の凹部501a’’との制動ディスク527’’上の突出部527a’’の嵌合を通してターレットキャップ501に締結される。従って、制動ディスク527’’は、回転することが妨げられるが、自由に垂直に平行移動する。ロックリング530’’は、ゼロキャップ510’’及び制動ディスク527’’に対して外部的に同心であり、螺合係合を通してターレットキャップ501と回転可能に固定される。ロックリング530’’がロック位置に回転される時に(例えば、時計回り)、下方の垂直平行移動によって力が制動ディスク527’’に印加される。制動ディスク527’’は、その下方の力をゼロキャップ510’’に伝達し、それによってゼロキャップ510’’は、自由に回ることが妨げられる。反対方向(例えば、反時計回り)のロックリング530’’の回転により、制動ディスク527’’及び従ってゼロキャップ510’’に作用する力が解除され、ゼロキャップ510’’は、ターレットキャップ501内で自由に回ることができる。
【0045】
図10~
図12は、ゼロ点調節サブアセンブリ500’’’の更に別の実施形態を示し、ゼロ点調節サブアセンブリ500’’’は、本発明の開示の実施形態によるサブアセンブリ500’’の修正である。ゼロ点調節サブアセンブリ500’’’は、ゼロキャップ510’’’及びロッキング機構520’’’を含み。ロッキング機構520’’’は、ロッキングリング530’’’、制動ディスク527’’’、及びロックリングロックボタン539’’’から構成される。ロッキングリング530’’’、制動ディスク527’’’、及びゼロキャップ510’’’は、全てが凹部(図示せず)内に同心に位置決めされ、制動ディスク527’’’は、ゼロキャップ510’’’と外部的に同心であり、ロッキングリング530’’’は、制動ディスク527’’’及びゼロキャップ510’’’と外部的に同心である。ゼロキャップ510’’’は、ターレットスクリュー38に係合する下方に突出するステム512’’’を有する。制動ディスク527’’’上のフランジ542は、ゼロキャップ510’’’の上部516’’’の少なくとも一部上に着座してゼロキャップ510’’’をターレットキャップ501内に保持する。ロッキングリング530’’’は、制動ディスク527’’’のフランジ518’’’上に着座してターレットキャップ501に係合する。図示の実施形態では、ロッキングリング530’’’は、ターレットキャップ501と螺合係合している。
【0046】
図10~
図11に示すように、ゼロキャップ510’’’は、ターレットスクリュー38に係合してターレットキャップ501の凹部(図示せず)に着座する。制動ディスク527’’’は、中心開口部を伴って円形であり、凹部内でゼロキャップ510’’’のフランジ514’’’上に着座する。制動ディスク527’’’は、ターレットキャップ501の内壁上の凹部501a’’’との制動ディスク527’’’上の突出部527a’’2の嵌合を通してターレットキャップ501に締結される。従って、制動ディスク527’’’は、回転することが妨げられるが、自由に垂直に平行移動する。ロックリング530’’’は、ゼロキャップ510’’’及び制動ディスク527’’’に対して外部的に同心であり、螺合係合を通してターレットキャップ501と回転可能に固定される。ロックリング530’’’がロック位置に回転される時に(例えば、時計回り)、下方の垂直平行移動により、力が制動ディスク527’’’に印加される。制動ディスク527’’’は、その下方の力をゼロキャップ510’’’に伝達し、それによってゼロキャップ510’’’は、自由に回ることが妨げられる。反対方向(例えば、反時計回り)のロックリング530’’’の回転により、制動ディスク527’’’及び従ってゼロキャップ510’’’に作用する力が解除され、ゼロキャップ510’’’は、ターレットキャップ501内で自由に回ることができる。
【0047】
図10~
図12に示すように、ゼロ点調節サブアセンブリ500’’’は、ロックリングロックボタン539’’’を更に含む。ロックリングロックボタン539’’’は、外側部分539a’’’を含み、外側部分539a’’’は、図示の実施形態では、ターレットキャップ501の一部分であり、かつターレットキャップ501の各取り囲み部分とは異なる触知要素を含む。
図10~
図12に示すように、ロックリングロックボタン539’’’は、ロック位置にあり、これは、ロックリング530及び従ってゼロキャップ510’’’の回転が妨げられることを意味する。
図11を参照すると、ロックリングロックボタン539’’’には、少なくとも1つ(図示の実施形態では2つ)のバネ含有ガイド-ロッド539b’’’が設けられ、ボタン539’’’の上部539c’’’がロックリング530’’’のレベルの下方になった状態で、ロックリング530’’’は、自由に回転させることができる。ロックリング530’’’の下面は、ユーザが調節している間にロックリングロックボタン539’’’がロック位置に戻るのを防止するためにボタン539’’’を覆うことになる。バネ含有ガイド-ロッド539b’’’のバネは、ユーザがロックリング530’’’を回転ロック位置に回転させた状態で、ボタン539’’’をロック位置に「自動的」に上方に押し戻すことを認識するであろう。
【0048】
図12を参照すると、ターレットキャップ501は、溝539d’’’を更に含み、ロッキングリング530’’’は、対応する突起539e’’’を更に含む。溝539d’’’/突起539e’’’システムは、ロッキングリングロックボタン539’’’が押下されている間にロッキングリング530’’’の回転を制限する。これは、サブアセンブリ500’’’の各部分が回転を制限するだけでなく捕捉されることを保証する。回転が制限されるので、ロッキングリング530’’’を螺合解除してターレットキャップ501から除去することはできない。
【0049】
ゼロ点調節サブアセンブリ500’、500’’、500’’’は、ツールの使用なしにゼロ点の調節を可能にすることは認められるであろう。すなわち、ユーザは、ロックリング530’’/530’’’及びゼロキャップ510’’/510’’’を手で回転させ、同様にサブアセンブリ500’’及び500’’’の他の構成要素を手で操作することができる。それによって時間が節約され、ユーザは、いずれかのゼロ点調節を行うためにライフルスコープから目を離す必要はない。
【0050】
上述のゼロ点調節サブアセンブリ500、500’、500’’、及び500’’’は、多くの異なる様式のシャーシサブアセンブリと共に使用することができるが、
図3~
図12に示す例示的ターレットシャーシサブアセンブリ400は、引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,919,026号明細書に開示されたものに従うものである。ここで、そのような例示的ターレットシャーシサブアセンブリ230をより詳細に以下に説明する。
【0051】
図13に示すように、ターレットスクリュー38は、ターレットスクリューサブアセンブリ88の一部である。ターレットスクリューサブアセンブリは、ターレットスクリュー38、ターレットスクリューベース60、摩擦パッド86、及び様々なファスナから構成される。図示の実施形態におけるターレットスクリュー38は、黄銅で製造された円筒本体である。ターレットスクリュー38の上部40は、ゼロ点調節サブアセンブリ500(図示せず)に係合するスロット又はネジ山40のような他の特徴部を定める。2つの対向するカムスロット46は、上側部分から側部44を下って延びる。2つのo-リング溝50及び52は、カムスロットの下方に位置付けられた側面上にある。ターレットスクリューの底部42は、リングスロット54を定める低減された半径部分56を有する。リングスロット54は、保持リング84を受け入れ、底部でのボア304は、摩擦パッド86のシャフト306を受け入れる。o-リング溝52のすぐ下方及びリングスロット54の上方のターレットスクリューの側面は、ネジ山部分58である。
【0052】
ターレットスクリューベース60は、同じく黄銅で製造することができるディスク形本体である。円筒カラー66は、ターレットスクリューベースの中心から上部62まで上昇する。カラーは、ネジ山70を有するターレットスクリューボア68を有する。カラーの外部は、位置決めスクリューV-溝78をターレットスクリューベースの上部の上方に、o-リング溝74をo-リング溝76の上方に、かつリングスロット72をo-リング溝74の上方に定める。ターレットスクリューベース60は、滑らかな側部とスクリュー80を受け入れる肩部とを備えた3つの装着孔82を有する。
【0053】
ハウジングターレット36へのターレットスクリューサブアセンブリ88の取り付けが
図14に示されている。ターレットハウジングの上部92は、凹部94を定める。ネジ山98を有する3つの装着孔96及び滑らかな中心ボア508が、凹部内でターレットハウジングの上部に定められる。ターレットスクリューボア68のネジ山70は、ターレットスクリューボアがターレットスクリュー38上のネジ山58を受け入れることができるようなものである。保持リング84が、ターレットスクリュー38をターレットスクリューボアから不用意に除去することができないようにターレットスクリュー38の上向き移動を制限する。
【0054】
ターレットスクリューサブアセンブリ88が36ハウジングターレット上に装着される時に、スクリュー80は、装着孔82の中に挿入されてターレットスクリューベースの底部64から突出する。スクリューは、次に、ターレットハウジング内で装着孔96の中に螺合される。その後に、ターレットスクリューベースは、仰角ターレット22が回転される時にスコープ本体12に対して固定位置に留まる。それによってターレットスクリューベースは、本質的にスコープ本体と機能的に一体になり、ターレットスクリューベースは、ユーザによって除去又は調節されることが意図されない。ターレットハウジングの上部での滑らかな中心ボア508により、スコープ本体12の中への摩擦パッド86及びターレットスクリュー38の底部42の通過が可能である。
【0055】
図15に移ると、ターレットシャーシ100の上部110は、レリーフカット240が床部264に隣接して、歯付き面108がレリーフカットの上方に、下側クリック溝106が歯付き面108の上方に、かつ上側クリック溝104が下側クリック溝106の上方にある内部周囲102を有する。レリーフカット240は、歯付き面108を切り込むツールのためのものである。床部は、滑らかな中心ボア120及びスロット122を定める。滑らかな中心ボア120により、ターレットシャーシ100を通る摩擦パッド86及びターレットスクリュー38の底部42の通過が可能である。
【0056】
ターレットシャーシ100の外部周囲112は、o-リング溝244を定める。ターレットシャーシの底部116の近くでは、外部周囲は、肩部114を定めるために広がる。ネジ山158を有する3つの孔118は、外部周囲からターレットシャーシを通って滑らかなボア120まで連通する。この実施形態では、ターレットシャーシ100は、鋼で製造される。
【0057】
ターレットシャーシ100の床部264のスロット122は、ターレットシャーシ100の外部周囲112内で孔124と連通する。孔124は、仰角インジケータ136のようなインジケータを受け入れる。
【0058】
インジケータ136の後部140は、カムピン孔154を定める。インジケータ136の前部138は、2つのストライプ148及び150とo-リング溝152とを有する。ストライプ148は、第1の位置142を第2の位置144から分割する。ストライプ150は、第2の位置144を第3の位置146から分割する。図示のように、仰角インジケータ136は、黒塗り鋼で製造され、ストライプは、光らないが代替実施形態では発光性とすることができると考えられる白線である。
【0059】
カムピン孔154は、カムピン126の底部134を受け入れる。この実施形態では、カムピンは、鋼で製造された円筒本体である。カムピン126の上部128は、肩部132を定める低減された半径部分130を有する。カムピンの低減された半径部分は、ターレットシャーシ100の床部264の上方でスロット122を通って上向きに突出する。
【0060】
図16A及び
図16Bは、上面162及び底面164を有するカムディスク160を示している。上面162は、カムディスク160の外部周囲170の周りに肩部168を定める低減された半径部分166を有する。上面162はまた、ネジ山182を有する3つの装着孔180を定める。低減された半径中心部分176は、肩部172及び滑らか中心ボア178を定める。滑らか中心ボア178により、カムディスク160を通るターレットスクリューサブアセンブリ88の通過が可能である。
【0061】
外部周囲170の上部162での半径方向のクリッカーチャネル186は、チャネル186内で往復運動して半径方向外向きに付勢されるクリッカー188を受け入れる。クリッカー186の前部自由端190は、外部周囲170から突出する。クリッカー186は、ターレットの回転軸に平行な垂直頂点を有する楔形状を有し、かつ鋼で製造される。
【0062】
カムディスク160の底部164は、凹んだ螺旋チャネル184を定める仰角ターレット回転軸26に垂直な平坦面である。螺旋チャネル184は、時計回り方向に移動される時にゼロストップ面198で終端し、かつ反時計回り方向に移動される時に移動停止面200の端部で終端する。反時計回り方向に移動される時に、螺旋チャネル184は、螺旋チャネルがそれぞれ1回目及び2回目にわたってそれ自体に重複し始める時に第1の移行194及び第2の移行196を定める。螺旋チャネル184は、カムピン126の低減された半径部分130を受け入れるようになっている。螺旋チャネル184及び停止面198、200は、カムディスク160と一体であり、かつ調節可能ではない。
【0063】
図17では、カムディスク160は、ターレットシャーシ100内に設置されるように示されている。螺旋チャネル184は、カムピン126の低減された半径部分130を受け入れる。クリッカー188は、カムディスク160の外部周囲170内のクリッカーチャネル186から突出する。クリッカー188の後部192でのバネ202は、クリッカー188が付勢されてターレットシャーシ100の内部周囲102上の歯付き面108と係合するようにクリッカー188を外向きに付勢する。設定値(例えば、仰角設定値)を変える時にターレット22が回転されるようにカムディスク160が回転する時に、クリッカー188は、歯付き面108の上を移動し、それによって回転抵抗力を与えて特徴的なクリック音を出す。
【0064】
図示の実施形態では、歯付き面108は、100個の歯を有し、それによって仰角ターレット22の1回転につき100回のクリックが可能である。螺旋チャネル184は、ディスク中心上に中心があってほぼ全円に延びる一定半径のいくつかの弓形で形成され、その端部は、内側弓形の一端が次のアークの端部に接続される等々で段付き螺旋を実質的に形成するようにチャネルの移行部分によって接合される。これは、インジケータが回転の殆どに対して1つの位置に留まること及びターレット回転の限定部分においてのみ移行することを規定する。代替実施形態では、螺旋は、チャネルがその回転位置に比例してその半径方向位置で増大する真の螺旋である場合がある。最も基本的な実施形態では、チャネルは、その端部を異なる半径方向位置に有し、チャネルは、360°を超えて延び、端部は、材料によって半径方向に分離され、かつ各チャネル端部に設けられたストップを用いて全360°の回転円を可能にする。
【0065】
ターレット22は、カムピン126がゼロストップ面198と同一平面である時に0°の調節に対応する印し34に位置決めされる。実施形態では、螺旋チャネル184は、仰角ターレットが9mrad(324°)回転されるまで回転軸26から一定距離でカムピン126を円弧セグメントに保持する。第1の移行194は、ターレット22が9mrad(324°)から10mrad(360°)まで反時計回りに回転した時に発生する。第1の移行中に、螺旋チャネル184は、螺旋チャネル184がそれ自体と重複し始めることができるようにカムピン126を外部周囲170に向けてシフトする。ターレット22がその反時計回り回転を続ける時に、螺旋チャネル184は、仰角ターレットが19mrad(684°)回転されるまで回転軸26から一定の更に別の距離でカムピン126を円弧セグメントに保持する。第2の移行196は、ターレット22が19mrad(684°)から20mrad(720°)まで反時計回りに回転する時に発生する。第2の移行中に、螺旋チャネルは、螺旋チャネル184が2回目にそれ自体と重複し始めることができるように外部周囲170に向けてカムピン126を更にシフトする。ターレット22がその反時計回り回転を続ける時に、螺旋チャネル184は、仰角ターレットが28.5mrad(1026°)回転されるまで中心ボア178から一定の更に別の距離でカムピン126を円弧セグメントに保持する。その時に、カムピン126は、移動停止面200の端部と同一平面であり、ターレット22の更に別の反時計回り回転及び仰角調節が防止される。図示の実施形態では、第1及び第2の移行194、196は、螺旋チャネルの回転軸26の周りの同心円弧セグメント間に適度な壁厚を可能にするために約36°(回転の10%)で角度が付けられる。カムピン直径は、ターレットの全体直径を決める。3つの回転があるので、直径のいずれの増加も、それが全体ターレット直径に影響を与える方法において3で乗算されることになる。実施形態では、1.5mmのカムピン直径は、ターレットの全体直径が過大になるのを防ぐのに十分に小さく留まりながら適度な強度を提供する。
【0066】
図18A及び
図18Bは、完全なターレットシャーシサブアセンブリ230を示している。ターレットシャーシサブアセンブリ230は、ロッキングギヤ206をカムディスク160の上部上のターレットシャーシ100の中に挿入することによって組み立てられる。ターレットシャーシサブアセンブリ230は、
図15Bにロック位置で示されている。
【0067】
ロッキングギヤ206は、上部208及び底部210を有する。上部208は、ネジ山218を有する3つの装着孔216を定める。ロッキングギヤ206はまた、3つの滑らかな装着孔220及び滑らかな中心ボア222を定める。ロッキングギヤ206の底部210は、歯付き面214を定める。歯付き面214は、シャーシサブアセンブリ230が組み立てられた時にカムディスク160の上部162の低減された半径部分166を取り囲むためにロッキングギヤ206の底部210の下方に下向きに延びる。この実施形態では、歯付き面214は、仰角ターレット22がロックされた時にターレットシャーシ100の内部周囲102上の歯付き面108の100個の歯と正確に噛み合う100個の歯を有する。
【0068】
4つの玉軸受226は、歯付き面及び上部の間に位置付けられた外部周囲212でのボア232から外向きに突出する。玉軸受の背後に位置付けられたバネ400は、外玉軸受が付勢されてターレットシャーシ100の内部周囲102上で上側クリック溝104及び下側クリック溝106と係合するように玉軸受を外向きに付勢する。ターレット22がアンロック及びロックされるようにロッキングギヤが上昇及び下降する時に、玉軸受226は、下部及び上側クリック溝104、106間で移動し、それによって垂直抵抗力を与えて特徴的なクリック音を出す。
【0069】
ターレットシャーシサブアセンブリ230が組み立てられた時に、スクリュー224は、装着孔220の中に挿入され、かつロッキングギヤ206の底部210から突出する。スクリュー224は、次に、ロッキングギヤ206をカムディスク160に装着するためにカムディスク160の上部162で装着孔180の中に螺合される。その後に、ロッキングギヤ206は、ターレット22がアンロックされて回転される時にカムディスク160に対して固定回転位置に留まる。スクリュー224のヘッド234は、ロッキングギヤ206の上部208から肩部236までの装着孔220の深さよりも薄い。スクリュー224は、スクリューが固定された時にカムディスク160の上部162と接触する肩部228を有する。その結果、ロッキングギヤ206は、スクリュー224のヘッド234が肩部236に接触するまで上昇し、かつロッキングギヤ206の底部がカムディスク160の上部162に接触するまで下降するのが自由である。この垂直移動は、ロッキングギヤ206の歯付き面214がターレットシャーシ100の歯付き面108の上方に上昇するのに十分であり、それによって仰角22ターレットがアンロックされて自由に回転することを可能にする。
【0070】
図19A及び
図19Bは、ターレットシャーシサブアセンブリ230、スクリューサブアセンブリ88、及びターレットハウジング36を示している。より具体的には、ターレットシャーシサブアセンブリ230は、組み立てられて示されており、
図19Aにおいてターレットスクリューサブアセンブリ88上に装着され、かつ
図19Bにおいてターレットスクリューサブアセンブリ上に装着される工程にある。
【0071】
ターレットシャーシサブアセンブリ230がターレットスクリューサブアセンブリ88上に装着された時に、ターレットスクリュー38の上部40及びターレットスクリューベース60のカラー66は、ターレットシャーシ100の滑らかな中心ボア120、カムディスク160の滑らかな中心ボア178、及びロッキングギヤ206の滑らかな中心ボア222を上向きに通過する。保持リング246は、ターレットシャーシサブアセンブリ230がターレットスクリューサブアセンブリ88から持ち上げられるのを防止するためにカラー66のリングスロット72によって受け入れられる。ターレットシャーシ100の底部116での3つの凹部245は、ターレットスクリューベース60の上部62から突出するスクリュー80のヘッドを受け入れ、従って、ターレットシャーシ100の底部116は、ターレットハウジング36の上部92に対して同一平面で着座することができる。
【0072】
ターレットシャーシサブアセンブリ230は、仰角ターレットであるターレットに関して先に説明したが、当業者は、類似の設計をウィンデージターレットのような他の調節を行うターレットに使用することができることを認識するであろう。更に、上述のターレットシャーシサブアセンブリ230は、実施形態500によるゼロ点調節サブアセンブリに関しても説明される。本明細書に説明するターレットシャーシサブアセンブリ230は、ゼロ点調節サブアセンブリ500、500’、500’’、500’’’のいずれかの実施形態又は本明細書に説明する実施形態の組合せを用いて実施することができることは認められるであろう。
【0073】
本発明の上述の組成及び方法の様々な修正及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者に明らかであろう。当業者は、本発明を様々な材料から及び様々な異なる方法で構成することが可能であると考えられることを直ちに認識するであろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して説明したが、本発明がそのような特定の実施形態に不当に限定されてはならないことを理解しなければならない。好ましい実施形態を詳細に説明して添付図面に示したが、様々な更に別の修正が添付の特許請求の範囲に列挙するような本発明の範囲から逸脱することなく可能であることは明白であろう。実際に、射撃技術又は関連分野の当業者に明らかである本発明を実施するための上述のモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲内であるように意図している。
【符号の説明】
【0074】
22 ターレット
500 ゼロ点調節サブアセンブリ
501 ターレットキャップ
530 ロックリング
540 カムリング
【国際調査報告】