(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220224BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20220224BHJP
F16K 1/36 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K31/06 305L
F16K1/36 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540472
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2020082915
(87)【国際公開番号】W WO2020200265
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201910259740.X
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910380541.4
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ、 ミン
(72)【発明者】
【氏名】チアン、 バイジャン
【テーマコード(参考)】
3H052
3H062
3H106
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA02
3H052CB23
3H062AA02
3H062BB28
3H062CC01
3H062EE06
3H062FF39
3H106DC02
3H106DC17
3H106EE40
(57)【要約】
本出願は、電動弁を開示している。
本出願の電動弁は、弁ボディ部材(10)と、弁座部材(20)と、弁体部材(30)とを含み、弁体部材(30)は、弁ボディ部材(10)の内室に設けられており、略管状を呈する弁体(31)を含み、弁体(31)は、下段部(311)を含み、下段部(311)の外径は、下段部(311)の上端から下端へ漸減し、下段部(311)の外壁と下段部(311)の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、下段部(311)の内径は、下段部(311)の上端から下端へ漸減し、下段部(311)の縦断面で、下段部(311)の内壁と下段部(311)の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であり、さらに、第2密封部(321)を含み、第2密封部(321)の外縁の、下段部(311)での軸方向投影ループの直径は、D1であり、下段部(311)の横断面で、軸方向投影ループの直径D1、下段部(311)の外径D2及び下段部(311)の内径D3は、0.2mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たし、この電動弁は、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボディ部材と、弁座部材と、前記弁ボディ部材の内室に設けられる弁体部材とを含む電動弁であって、
前記弁体部材は、略管状を呈する弁体を含み、
前記弁体は、本体部と、略環状を呈する下段部とを含み、
前記弁座部材は、第1密封部を含み、
前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接可能であり、または、前記第1密封部から分離可能であり、
前記弁ボディ部材は、ブッシュ部材を含み、
前記弁体部材は、第2密封部を含み、前記第2密封部を介して前記ブッシュ部材に摺り嵌めされ、
前記第2密封部は、前記ブッシュ部材の内壁に貼合され、
前記電動弁において、前記内室は、前記弁体部材の上方にある第1室を有し、
前記弁体部材は、バランス流路を含み、前記下段部が前記第1密封部に当接される際、前記第1室は、前記バランス流路を介して前記電動弁の第1流体ポートと連通するように定義され、
前記下段部の外径は、前記下段部の上端から前記下段部の下端へ漸減し、
前記下段部の外壁と前記下段部の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、前記下段部の内径は、前記下段部の上端から前記下段部の下端へ漸減し、前記下段部の縦断面で、前記下段部の内壁と前記下段部の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であり、
前記第2密封部の外縁の、前記下段部の横断面での軸方向投影ループの直径は、D
1であり、
前記下段部の横断面で、前記軸方向投影ループの直径D
1、前記下段部の外径D
2及び前記下段部の内径D
3は、0.2mm
2≦D1×(D2-D3)≦6mm
2という関係を満たすように定義されることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
1mm
2≦D1×(D
2-D
3)≦6mm
2という関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記弁座部材は、軟質材料から製造される密封環を含み、
前記密封環は、前記第1密封部を含み、前記電動弁の第2流体ポートと前記第1流体ポートとを遮断させ、または、連通させるように、前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接され、または、前記第1密封部から離れており、且つ、0.1mm<D
2-D
3<0.6mmという関係を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記弁座部材は、軟質材料から製造される密封環を含み、
前記密封環は、前記第1密封部を含み、前記電動弁の第2流体ポートと前記第1流体ポートとを遮断させ、または連通させるように、前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接され、または、前記第1密封部から離れており、
前記下段部の高さは、Lであると定義されば、L≧0.4mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁座部材は、軟質材料から製造される密封環を含み、
前記密封環は、前記第1密封部を含み、前記電動弁の第2流体ポートと前記第1流体ポートとを遮断させ、または連通させるように、前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接され、または、前記第1密封部から離れており、
前記下段部の高さは、Lであると定義されば、L≧0.4mm、0.1mm<D
2-D
3<0.6mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動弁。
【請求項6】
0.05mm≦D
2-D
3<0.6mmという関係を満たすことを特徴とする請求項3または請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
前記本体部と前記下段部との間には、遷移部を含み、
前記遷移部は、前記下段部に連結される第1遷移セクションを含み、
前記第1遷移セクションの上端の内径は、前記第1遷移セクションの下端の内径より小さいことを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項8】
前記本体部と前記下段部との間には、遷移部を含み、
前記遷移部は、前記下段部に連結される第1遷移セクションを含み、
前記第1遷移セクションの上端の外径は、前記第1遷移セクションの下端の外径より大きいことを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項9】
前記本体部と前記下段部との間には、遷移部を含み、
前記遷移部は、前記下段部に連結される第1遷移セクションを含み、
前記第1遷移セクションの内壁の上端の内径は、前記第1遷移セクションの下端の内径より小さく、
前記第1遷移セクションの上端の外径は、前記第1遷移セクションの下端の外径より大きいことを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項10】
前記本体部と前記下段部との間には、遷移部を含み、
前記遷移部は、前記本体部に連結される第2遷移セクションを含み、
前記第2遷移セクションの上端の内径は、前記第2遷移セクションの下端の内径より小さく、
前記第2遷移セクションの上端の外径は、前記第2遷移セクションの下端の外径、及び前記下段部の外径より小さく、
前記第2遷移セクションの上端の外径は、前記下段部の内径より大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動弁。
【請求項11】
前記弁体部材は、さらに密封モジュールを含み、
前記ブッシュ部材は、略円筒状を呈する第1筒状部を含み、
前記密封モジュールは、前記弁体の外壁と前記第1筒状部の内壁との間に当接され、
前記密封モジュールは、前記第1筒状部の内壁に摺動して貼合される前記第2密封部を含むことを特徴とする請求項1~請求項10の何れかの1項に記載の電動弁。
【請求項12】
前記密封モジュールは、密封リングとパッドとを含み、
前記本体部は、小径段と大径段とを含み、
前記密封リングは、前記パッドと前記小径段との間に設けられ、
前記パッドは、前記第2密封部を含み、
前記弁ボディ部材は、さらに弁ボディを含み、
前記ブッシュ部材は、前記弁ボディに溶接固定されるブッシュを含み、
前記ブッシュは、内径が略等しい前記第1筒状部を含み、
前記第1筒状部の内壁の、前記弁体での軸方向投影ループの直径は、D
1であることを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
【請求項13】
前記ブッシュ部材は、ブッシュと密封モジュールとを含み、
前記弁ボディ部材は、さらに弁ボディを含み、
前記ブッシュは、前記弁ボディに溶接固定されており、第2筒状部を含み、
前記密封モジュールは、前記第2筒状部の内壁と前記本体部の外壁との間に当接され、
前記本体部の外径は、略等しく、
前記本体部は、前記第2密封部を含み、
前記本体部の外壁の、前記弁体での軸方向投影ループの直径は、D
1であることを特徴とする請求項1~請求項10の何れかの1項に記載の電動弁。
【請求項14】
前記密封モジュールは、密封リングとパッドとを含み、
前記密封リングは、前記パッドと前記第2筒状部との間に設けられ、
前記パッドの少なくとも一部は、前記本体部の外壁に貼合されることを特徴とする請求項13に記載の電動弁。
【請求項15】
前記弁座部材は、さらに内部ブシュとブロックとを含み、
前記弁座は、軸方向貫通孔を含み、
前記内部ブシュは、少なくとも部分的に前記軸方向貫通孔に設けられ、
前記密封環は、前記内部ブシュの外側と前記弁座との間に設けられ、
前記弁座は、第1段差部を含み、
前記ブロックの下端面は、前記第1段差部及び/または前記密封環に当接されることを特徴とする請求項1~請求項10の何れかの1項に記載の電動弁。
【請求項16】
前記弁座は、前記ブロックにリベット締め固定され、
前記ブロックは、前記密封環に当接される基部と前記基部の上方に設けられるガイド部とを含み、
前記ガイド部の内径は、大体、下から上へ漸増するように配置され、
前記下段部の端部が前記密封環に当接されると、前記下段部は、前記内部ブシュ及び前記基部に隙間嵌めされることができることを特徴とする請求項15に記載の電動弁。
【請求項17】
前記下段部の縦断面の下端は、略円弧状を呈することを特徴とする請求項1~請求項10の何れかの1項に記載の電動弁。
【請求項18】
前記電動弁は、電子膨張弁または電磁弁であることを特徴とする請求項1~請求項10の何れかの1項に記載の電動弁。
【請求項19】
前記電子膨張弁は、双方向電子膨張弁であり、
前記電磁弁は、双方向電磁弁であることを特徴とする請求項18に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年04月02日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910259740.Xであり、発明名称が「電動弁」であり、及び2019年05月08日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910380541.4であり、発明名称が「電動弁」であるという2つの中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は、流体制御という技術分野に関わり、特に、電動弁に関わる。
【背景技術】
【0003】
図11は、背景技術の電動弁の一部構成を示す模式図である。
図11の電動弁は、弁座01と、流体入口02と、流体出口03とを含む。
弁座01は、弁口部011を含み、弁体04は、弁口部011に当接され、または、弁口部011から離れるように軸方向に移動することで、電動弁の弁口012を閉じて、または、開ける。
如何に電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させるかということは、当業者が解决しようとする技術問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させるための電動弁を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電動弁は、弁ボディ部材と、弁座部材と、弁体部材とを含み、前記弁体部材は、前記弁ボディ部材の内室に設けられており、略管状を呈する弁体を含み、前記弁体は、本体部と、略環状を呈する下段部とを含み、前記弁座部材は、第1密封部を含み、前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接され、または、前記第1密封部から離れており、前記弁ボディ部材は、ブッシュ部材を含み、前記弁体部材は、第2密封部を含み、前記第2密封部を介して前記ブッシュ部材に摺り嵌めされ、前記第2密封部は、前記ブッシュ部材の内壁に貼合され、前記電動弁において、前記内室は、前記弁体部材の上方にある第1室を有し、前記弁体部材は、バランス流路を含み、前記下段部が前記第1密封部に当接される際、前記第1室は、前記バランス流路を介して前記電動弁の第1流体ポートと連通し、前記下段部の外径は、前記下段部の上端から前記下段部の下端へ漸減し、前記下段部の外壁と前記下段部の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、前記下段部の内径は、前記下段部の上端から、前記下段部の下端へ漸減し、前記下段部の縦断面で、前記下段部の内壁と前記下段部の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であるように定義され、前記第2密封部の外縁の、前記下段部の横断面での軸方向投影ループの直径は、D1であり、前記下段部の横断面で、前記軸方向投影ループの直径D1、前記下段部の外径D2及び前記下段部の内径D3は、0.2mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすように定義される。
【0006】
本発明が提供する電動弁において、下段部の外径は、下段部の上端から、下段部の下端へ漸減し、下段部の外壁と下段部の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、下段部の内径は、下段部の上端から、下段部の下端へ漸減し、下段部の縦断面で、下段部の内壁と下段部の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であり、第2密封部の外縁の、下段部での軸方向投影ループの直径は、D1であり、下段部の横断面で、軸方向投影ループの直径D1、下段部の外径D2及び下段部の内径D3は、0.2mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすように定義されることで、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明が提供する電動弁の閉弁状態での構成を示す模式図である。
【
図4A】
図3のI
2における一部を示す拡大図である。
【
図4B】
図4AのI
3における第1変形例の構成を示す模式図である。
【
図4C】
図4AのI
3における別の変形例の構成を示す模式図である。
【
図5A】流体が順方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【
図5B】流体が逆方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【
図6】本発明の電動弁の実施例2の構成を示す模式図である。
【
図9】本発明が提供する電動弁の実施例3の構成を示す模式図である。
【
図10】
図9に示す電動弁の一部構成を示す模式図である。
【
図11】背景技術の電動弁の一部構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者が本発明をよりよく理解するために、以下は、図面及び具体的な実施形態を結合して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】
ここで、本明細書の上、下などの方位用語は、部品が明細書の図面における位置にある際、定義され、ただ、発明を明らか且つ便利に表現するためのものである。
理解できるように、本明細書の方位用語は、本出願が保護を請求する範囲を限定していない。
【0010】
本明細書に記載の「固定接続」は、2つの部品の直接的な固定接続であってもよいし、2つの部品の、他の部品による可能な固定接続、即ち、2つの部品の間接的な固定接続であってもよい。
【0011】
本明細書の「D2-D3」は、いずれも下段部の同一の横断面を基準とする。
【0012】
図1は、本発明の電動弁の実施例1の構成を示す模式図であり、
図2は、
図1のI
1における一部拡大図であり、
図3は、
図1に示す弁体の構成の模式図であり、
図4Aは、
図3のI
2における一部拡大図であり、
図4Bは、
図4AのI
3における第1変形例の構成を示す模式図である。
【0013】
図1~
図3及び
図4Aに示すように、この電動弁は、弁ボディ部材10、弁座部材20、弁体部材30及び密封モジュールを含む。
弁ボディ部材10は、第2流体ポートAが開けられた弁ボディ11を含む。
弁座部材20は、第1流体ポートBが設けられた弁座21と、密封環22とを含む。
弁体部材30は、弁ボディ部材10の内室に設けられており、略管状を呈する弁体31を含み、弁体31は、環状の下段部311を含み、密封環22は、第1密封部221を含み、第2流体ポートAと第1流体ポートBとを遮断させまたは連通させるように、下段部311の端部は、第1密封部221に当接され、または、第1密封部221から離れて、弁ボディ部材10は、さらにブッシュ部材12を含み、弁体部材30は、第2密封部321を含み、第2密封部321を介して、弁体31は、ブッシュ部材12に摺り嵌めされ、第2密封部321は、ブッシュ部材12の内壁に貼合されている。
この電動弁において、弁ボディ部材10の内室は、弁体部材30の上方にある第1室50を含み、弁体部材30は、バランス流路Eを含み、弁体31は、密封環22に当接されると、第1室50は、第2流体ポートAと連通していなく、バランス流路Eを介して、第1室50は、第1流体ポートBと連通するように定義される。
図面を参照して理解できるように、このように設計すれば、弁体部材30の受力のバランスに寄与する。
【0014】
具体的に、
図3に示すように、弁体31は、本体部312を含み、弁体31の本体部312は、小径段3121と大径段3122とを含み、即ち、大径段3122の外径は、小径段3121の外径より大きい。
ブッシュ部材12は、ブッシュ121を含み、ブッシュ121の外壁は、弁ボディ部材10に溶接固定され、ブッシュ121は、略円筒状を呈する第1筒状部1211を含み、第1筒状部1211の内径が略等しい。
さらに、弁体部材30は、小径段3121の外壁と第1筒状部1211の内壁との間に当接される密封モジュールを含む。
具体的に、密封モジュールは、密封リング35とパッド36とを含み、本体部312の大径段3122は、第1筒状部1211の内壁に対して摺動でき、密封リング35は、パッド36と小径段3121との間に設けられ、その内壁が、小径段3121の外壁に当接され、弁体31とブッシュ部材12との間に活動密封を形成するように、パッド36の外壁は、第1筒状部1211の内壁に当接され、活動密封は、密封モジュールはブッシュ121に対して摺動できることを指し、ただし、密封モジュールは、また、弁体部材30とブッシュ121との間に密封を形成し、即ち、密封モジュールの上側と下側とは、該部位で連通していなく、パッド36は、前記第2密封部321を含む。
【0015】
図4A及び
図4Bに示すように、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の外壁と下段部311の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、下段部311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の縦断面で、下段部311の内壁と下段部311の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°である。
第2密封部321の外縁の、下段部311での軸方向投影ループMの直径は、D
1であり、下段部311の横断面で、軸方向投影ループMの直径D
1、下段部311の外径D
2及び下段部311の内径D
3は、1mm
2≦D1×(D2-D3)≦6mm
2という関係を満たす。
ここで、実施例において、下段部311の外壁または下段部311の内壁は、不等径に配置されるから、本明細書のD
2及びD
3は、
図4A及び
図4Bに示される位置に限定されていなく、下段部311の横断面で、いずれも前記関係を満たすことを指す。
【0016】
また、ここで、
図4A及び
図4Bに示される構成は、具体的な実施例のみである。
さらに、本発明において、下段部311の外壁は、略等径に配置される(即ち、図面において、θ=90°である)際、下端311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し(且つ、90<γ≦100°である)、または、下段部311の内壁は、略等径配置される際(即ち、図面において、γ=90°である)、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し(且つ、90<θ≦100°である)てもよく、前記内容は、
図4A及び
図4Bを参照して理解すればよく、ここで、図面で単独に示されていない。
【0017】
この発明の電動弁において、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の外壁と下段部311の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、下段部311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の縦断面で、下段部311の内壁と下段部311の横断面との間は、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°である。
第2密封部321の外縁の、下段部311の横断面での軸方向投影ループの直径は、D1であり、D1と下段部311の外径D2及び下段部311の内径D3とは、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすことで、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させる。
【0018】
前記構成に基づき、D1×(D2-D3)≧1mm2であれば、軸方向投影ループの直径D1が一定に維持される場合、下段部311の壁は、薄く過ぎることがなく、加工を便利にするとともに、弁体31の強度の確実性も優れて、密封の確実性もよい。
また、弁を閉じるように、弁体31は、以下に記載の密封環22に当接される場合、密封環22は、軟質材料、例えば、ゴム材料から製造されると、このような設計は、下段部311が密封環22の材料耐荷重限度を超えるというリスクを低減させ、弁体31の下段部311の、密封環22に対する衝撃を減少させ、密封環の耐用年数を長くして、弁体31と密封環22とをよく係合させ、閉弁際の内部漏れを低減させ、電動弁の閉弁の確実性を向上させる。
【0019】
以上は、D1×(D2-D3)の範囲を与えて、この範囲の下限値は、1mm2であり、理解できるように、密封環22の材質の変化に基づき、D1×(D2-D3)の下限値を調整でき、密封環22が軟質材質である前提で、その材質の硬度は、より高く、そうすれば、下限値は、小さくなるように調整されることができ、D1×(D2-D3)の範囲は、大きくなり、材質の硬度は、より低いと、下限値は、大きくなるように調整されることができ、D1×(D2-D3)の範囲は、小さくなる。
下限値は、0.2mm2まで調整されることができ、即ち、D1×(D2-D3)≧0.2mm2であり、閉弁際の内部漏れを低減させるという目的に達することができる。
例えば、密封環22の材質は、PTFEプラスチックである場合、その硬度は、一般的なゴム材質より高く、そうすれば、(D2-D3)の限界値は、0.2mm2に調整されることができる。
【0020】
軸方向投影ループの直径D1は、一定に維持される場合、D1×(D2-D3)≦6mm2であり、電動弁の開弁動作抵抗は、改良され、閉弁際の内部漏れを低減させ、電動弁の開弁の確実性に寄与する。
具体的に、以下で詳しく記載する。
【0021】
密封環22は、軟質材料から製造されることで、電動弁の閉弁際の密封性能を向上させ、具体的に、密封環22は、ゴム材料、例えば、ニトリルゴムから製造される。
弁体31の下段部311の端部は、第1密封部221に当接され、または、第1密封部221から離れることで、第2流体ポートAと第1流体ポートBとを連通させ、または、連通させていなく、ここで、連通しないということは、弁には、内部漏れが生じていない際、連通しないことを指す。
ただし、実際の製品において、プロセスなどの原因で、少しの内部漏れが生じることを排除できないから、内部漏れの低減は、本特許の効果の1つであり、内部漏れが生じないことを理想の目的とする。
弁体31の下段部311の端部が第1密封部221に当接される場合、弁ボディ部材10の内室は、弁体31と弁ボディ部材10との間にある第2室60を含むように定義され、弁体31は、第1密封部221に当接され、内部漏れが生じていない場合、第2室60は、第1流体ポートBと連通しない。
【0022】
密封環22の材料属性のため、弁体31の下段部311の径方向のサイズが、0.1mm<D2-D3<0.6mmであるように配置されると、D2-D3>0.1mmであり、弁体31の加工を便利にして、弁を閉じるように、弁体31の下段部311の端部が密封環22に当接される際、密封環22に対する損傷を改善する。
【0023】
以上は、(D2-D3)の範囲を与えて、この範囲の下限値は、0.1mmであり、前記のように、密封環22の材質の変化に基づき、(D2-D3)の下限値を調整でき、密封環22が軟質材質である前提で、その材質の硬度は、より高く、そうすれば、下限値は、小さくなるように調整されることができ、(D2-D3)の範囲は、大きくなり、材質硬度が、より低いと、下限値は、大きくなるように調整されることができ、(D2-D3)の範囲は、小さくなる。
下限値は、0.05mmまで調整されることができ、即ち、(D2-D3)≧0.05mmであり。
例えば、密封環22の材質が、PDFEプラスチックである場合、その硬度は、一般的なゴム材質より高く、そうすれば、(D2-D3)の限界値は、0.05mmに調整されることができる。
【0024】
D2-D3<0.6mmであり、D2-D3>0.6mmの場合より、弁体部材10が受けた差圧力を低減させ、下段部311の厚い厚肉による、電動弁の開弁の確実性に対する不利を避ける。
また、弁体31が小開度位置(例えば、開弁パルスは、弁全開パルスの10%以下である)にあるまで、弁体が開弁方向に動作することで、流体を下段部311と密封環22との間に速く通過させ、弁の動作性能をさらに向上させる。
さらに、実施例において、D1=16.2mm、D2-D3の最小値が、0.2mmであると、電動弁が双方向電動弁である場合、電動弁の順方向及び逆方向際の動作性能、並び、密封環22の耐用年数をよく配慮する。
【0025】
密封環22は、ゴムなどの軟質材料から製造されると、一定の弾性を有し、外力作用を受けた場合、弾性変形が生じる。
弁体31は、下に移動して、第1密封部221に当接されることで、弁を閉じる際、弁体31の下向きの移動過程で、接触面積の大きさが、下段部311の厚肉(即ち、D2-D3の値)により決定されるように、制御弁体31の下段部311と密封環22との係合の接触面積を制御するために、弁体31の下段部311の高さL≧0.4mmに設定される。
【0026】
さらに、弁体31は、本体部312と下段部311との間に設けられる遷移部313を含む。
前記弁体31の下段部311と密封環22との係合の接触面積を制御するために、遷移部313は、下段部311に連結され、縦断面が、略錐状を呈する第1遷移セクション3131を含み、
図4Aに示すように、第1遷移セクション3131の上端の内径は、第1遷移セクション3131の下端の内径より小さい。
具体的に、第1遷移セクション3131の内壁は、水平方向に対して第1鋭角の夾角αを有する。
第1遷移セクション3131の上端の外径は、第1遷移セクション3131の下端の外径より大きく、具体的に、第1遷移セクション3131の外壁は、水平方向に対して第2鋭角の夾角βを有する。
図3に示すように、遷移部313は、さらに、本体部312に連結される第2遷移セクション3132を含み、第2遷移セクション3132の上端の内径は、第2遷移セクション3132の下端の内径より小さく、第2遷移セクション3132の上端の外径は、第2遷移セクション3132の下端の外径より小さく、第2遷移セクション3132の上端部の外径は、下段部311の最小外径より大きい。
第2遷移セクション3132の上端の外径は、下段部311の最小外径より小さく、このように配置されると、第2密封部321の外縁の、弁体31での軸方向投影ループMは、下段部311の何れかの横断面に位置でき、弁体部材30の受力のバランスに寄与する。
ここで、本明細書の「受力のバランス」は、必ず完全なバランスではなく、大体のバランスを指し、少しの受力の非バランスがあれば、電動弁の駆動部材の作用力を適切に変更することで、調節すればよい。
【0027】
弁体31の下段部311の縦断面の下端は、略円弧状を呈することで、弁体31の、密封環22に対する摩損を低減させ、密封環22の耐用年数を向上させる。
ここで、本発明において、弁体31の下端面は、この円弧状に配置されなくてもよく、例えば、弁体31の下端面は、略小平面状であってもよい。
ここで、下段部311の縦断面の下端略が円弧状を呈する場合、この円弧状部分は、小さくて、下段部311の全体の外径及び内径は、依然として、それぞれ略等径に配置され、円弧部の、下段部311の構成全体に対する影響は小さい。
【0028】
図4Cは、
図4AのI
3における別の変形例の構成を示す模式図である。
この実施例の弁体において、遷移部313Cには、
図4Aの構成の第1遷移セクションが設けられていなく、遷移部313Cには、第2遷移セクション3132Cのみが設けられる。
第2遷移セクション3132Cは、直接的に下段部311Cに連結される。
その有益な効果は、前述した
図4Aの弁体構成と同じであるから、ここで、贅言していない。
【0029】
さらに、
図2に示すように、弁座部材20は、内部ブシュ25とブロック26とを含む。
弁座21は、軸方向貫通孔27を含み、内部ブシュ25は、部分的に軸方向貫通孔27に設けられるとともに、弁座21に溶接固定され、密封環22は、具体的に、内部ブシュ25の外側と弁座21との間に設けられ、弁座21は、第1段差部215を含み、弁座21の上端は、ブロック26を、弁座21の第1段差部215の段階面にリベット締め固定する。
さらに、ブロック26の下端面は、密封環22の上端面と対向配置されることで、密封環22に対してさらなる軸方向の位置制限を行う。
無論、理解できるように、ブロック26の下端面は、密封環22に当接されてもよいし、当接されなくてもよい。
ブロック26は、基部261とガイド部262とを含む。
ガイド部262の内径は、基部261の内径より大きく、下段部311の端部が密封環22の第1密封部221に当接される場合、弁体31の下段部311は、内部ブシュ25及びブロック26の基部261に隙間嵌めされることができる。
ここで、隙間嵌めすることができるということは、理想状態の場合、干渉を避けるために、弁体31は、内部ブシュ25及びブロック26に、いずれも隙間嵌めされることを指し、ところが、組立及びプロセスなどの要因を考慮すると、弁体31は、内部ブシュ25または外部ブシュ26に隙間嵌めされていなく、干渉が生じるという不所望の状況が存在する恐れがある。
さらに、ガイド部262の内径は、略、下から上へ漸増するように配置され、即ち、ガイド部262の内孔は、下から上へ、略拡径状に配置され、そうすれば、ガイド部の内側で、弁体31の軸方向の運動にガイドを提供する上に、弁体31の下段部311の端部は、密封環22の第1密封部に当接される場合、弁体31の外部とブロック26の内壁との間に、流体の流動に寄与するための導流空間Qを形成できる。
【0030】
本明細書の各実施例の電動弁は、双方向流通機能を有する電動弁であってもよい(即ち、電動弁の開弁の際、流体の流れ方向は、第2流体ポートAから入って、第1流体ポートBから流出してもよいし(以下は、順方向と略称され)、または、電動弁の開弁の際、流体の流れ方向は、第1流体ポートBから入って、第2流体ポートAから流出してもよい(以下は、逆方向と略称される))。
無論、各実施例の電動弁は、ただ単方向の流通のためのものであってもよい。
【0031】
図5Aは、流体が順方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図であり、
図5Bは、流体が逆方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【0032】
図5A及び
図5Bに示すように、圧力がPである流体は、順方向で入る際、閉弁状態で、弁体部材30が主に受けた差圧力F
順=Pπ(D
2
2-D
1
2)であり、力の作用方向は、下向きであり、圧力がPである流体は、逆方向で入る際、閉弁状態で、弁体部材30が、主に受けた差圧力F
逆=Pπ(D
1
2-D
3
2)であり、力の作用方向は、下向きであり、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させ、閉弁の動作の確実性に寄与する。
【0033】
電動弁の、弁体以外の構成サイズが一定、即ち、D1が一定に維持される場合、D1×(D2-D3)≧6mm2であれば、D2-D3が大きくなり、そうすれば、D2が一定に維持され、D3が小さくなることと、D2が大きくなり、D3が一定に維持されることと、D2及びD3がいずれも大きくなることと、という3つの状況がある。
【0034】
D2が一定に維持され、D3が小さくなると、F順がほとんど変化しなく、F逆が大きくなり、即ち、流体は、順方向で流入する場合、開弁及び閉弁動作に対する影響が小さくて、流体は、逆方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が逆方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
【0035】
D2が大きくなり、D3が一定に維持されると、F順が大きくなり、F逆がほとんど変化しなく、流体は、順方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が順方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
流体が逆方向で流入する場合、開弁及び閉弁動作に対する影響が小さい。
【0036】
D2及びD3がいずれも大きくなると、F順が大きくなり、F逆が小さくなり、流体は、順方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が順方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
流体が逆方向で流入する場合、開弁の動作に寄与する。
【0037】
従って、本発明の電動弁において、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2に設計され、電動弁は、双方向電動弁である場合、内部漏れの性能及び閉弁の確実性を改良するとともに、電動弁の、順方向及び逆方向際の開弁の確実性をいずれもよい程度に制御できる。
【0038】
さらに、前記設計は、製品のシリアル化に寄与し、即ち、D1が決定された場合、前記数値関係を介して、D2-D3の数値範囲を計算でき、即ち、弁棒の下段部311の厚肉範囲を取得できる。
同じように、D2-D3の範囲が決定された場合、前記数値関係を介してD1の数値範囲を計算できる。
【0039】
ここで、前記発明の説明に基づき、理解できるように、前記各実施例の電動弁は、流体の流量を調節できる電子膨張弁であってもよいし、電磁弁、または、双方向電磁弁のような開閉弁であってもよい。
【0040】
図6は、本発明の電動弁である実施例2の構成を示す模式図である。
図7は、
図6の一部構成を示す模式図であり、
図8は、
図6に示す弁体の構成を示す模式図である。
【0041】
本実施例の電動弁と前述した実施例の電動弁との相違点は、密封モジュールが密封座部材の一部であり、弁体部材が密封モジュールに摺り嵌めされ、弁体が第2密封部を含むことにある。
【0042】
具体的な説明は、以下の通り、
図6~
図8に示すように、弁座部材は、内部ブシュ25Eとブロック26Eとを含む。
ブッシュ部材12Eは、ブッシュ121Eと密封モジュールとを含み、ブッシュ121Eは、第2筒状部1211E(図面は、一部のみを示す)を含み、密封モジュールは、ブッシュ121Eに固定され、または、位置制限されており、密封リング35Eとパッド36Eとを含み、弁体31Eは、本体部312Eと下段部311Eとを含み、パッド36Eの少なくとも一部は、本体部312Eの内壁に貼合当接され、密封リング35Eは、ブッシュ121Eの内壁に当接される。
本体部312Eは、密封モジュールに対して摺動できる。
本体部312Eの外径は、略同様であり、本体部312Eの外壁は、第2密封部321Eを含む。
本体部312Eの外壁の、弁体31Eの下段部311Eでの軸方向投影ループNの直径は、D
1である。
下段部311Eの横断面で、下段部311Eの外径は、D
2であり、下段部311Eの内径は、D
3であり、直径D
1、下段部311Eの外径の直径D
2、及び、下段部の内径D
3の関係は、1mm
2≦D1×(D2-D3)≦6mm
2を満たすように定義される。
本実施例の他の構成について、実施例1を参照して理解すればよく、実施例1の、下段部の各種の変形及びその受力関係は、同じように本実施例に適用されることができ、相応するように、本実施例も、実施例1の有益な効果を具備して、実施例1を参照して理解すればよく、ここで、贅言していない。
より具体的に、実施例において、D
1=9.2mmである場合、D
2-D
3の最小値を0.5mmに設定する。
電動弁が双方向電動弁である場合、電動弁の順方向、及び、逆方向際の動作性能、並び密封環22の耐用年数をよく配慮する。
【0043】
図9は、本発明の電動弁である実施例3の構成を示す模式図であり、
図10は、
図9に示す電動弁の一部構成を示す模式図である。
【0044】
図に示すように、この電動弁は、具体的に電磁弁であり、封止ヘッド100と可動鉄芯101とを含み、封止ヘッド100と可動鉄芯101とは、駆動部材の構成部分であり、弁ボディ部材102は、弁座部材103に溶接固定され、弁体31Fは、本体部312Fと下段部311Fとを含む。
弁座部材は、内部ブシュ25Fとブロック26Fとを含む。
実施例において、本体部312Fの外壁は、等径に設計され、その外壁を第2密封部とし、第2密封部の直径D1、下段部311Fの外径D2及び下段部311Fの内径D3は、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たし、実施例1の、下段部の構成及び変形例も、同じように、この電磁弁に適用されることができ、この電磁弁も同じように、前記実施例の電動弁による、閉弁際の内部漏れを低減させるという作用を実現でき、この電磁弁の他の構成について、前記実施例を参照して設計すればよく、本出願の原理から逸脱しない範囲内で、変更設計を行ってもよく、ここで、贅言していない。
【0045】
以上は、本発明が提供する電動弁を詳しく紹介する。
本明細書において、具体的な例示を利用して、本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその中心思想を理解するためのものである。
指摘すべきは、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対して複数の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も、本発明の請求項の保護範囲に該当する。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年04月02日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910259740.Xであり、発明名称が「電動弁」であり、及び2019年05月08日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910380541.4であり、発明名称が「電動弁」であるという2つの中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は、流体制御という技術分野に関わり、特に、電動弁に関わる。
【背景技術】
【0003】
図11は、背景技術の電動弁の一部構成を示す模式図である。
図11の電動弁は、弁座01と、流体入口02と、流体出口03とを含む。
弁座01は、弁口部011を含み、弁体04は、弁口部011に当接され、または、弁口部011から離れるように軸方向に移動することで、電動弁の弁口012を閉じて、または、開ける。
如何に電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させるかということは、当業者が解决しようとする技術問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させるための電動弁を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電動弁は、弁ボディ部材と、弁座部材と、弁体部材とを含み、前記弁体部材は、前記弁ボディ部材の内室に設けられており、略管状を呈する弁体を含み、前記弁体は、本体部と、略環状を呈する下段部とを含み、前記弁座部材は、第1密封部を含み、前記下段部の端部は、前記第1密封部に当接され、または、前記第1密封部から離れており、前記弁ボディ部材は、ブッシュ部材を含み、前記弁体部材は、第2密封部を含み、前記第2密封部を介して前記ブッシュ部材に摺り嵌めされ、前記第2密封部は、前記ブッシュ部材の内壁に貼合され、前記電動弁において、前記内室は、前記弁体部材の上方にある第1室を有し、前記弁体部材は、バランス流路を含み、前記下段部が前記第1密封部に当接される際、前記第1室は、前記バランス流路を介して前記電動弁の第1流体ポートと連通し、前記下段部の外径は、前記下段部の上端から前記下段部の下端へ漸減し、前記下段部の外壁と前記下段部の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、前記下段部の内径は、前記下段部の上端から、前記下段部の下端へ漸減し、前記下段部の縦断面で、前記下段部の内壁と前記下段部の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であるように定義され、前記第2密封部の外縁の、前記下段部の横断面での軸方向投影ループの直径は、D1であり、前記下段部の横断面で、前記軸方向投影ループの直径D1、前記下段部の外径D2及び前記下段部の内径D3は、0.2mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすように定義される。
【0006】
本発明が提供する電動弁において、下段部の外径は、下段部の上端から、下段部の下端へ漸減し、下段部の外壁と下段部の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、下段部の内径は、下段部の上端から、下段部の下端へ漸減し、下段部の縦断面で、下段部の内壁と下段部の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°であり、第2密封部の外縁の、下段部での軸方向投影ループの直径は、D1であり、下段部の横断面で、軸方向投影ループの直径D1、下段部の外径D2及び下段部の内径D3は、0.2mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすように定義されることで、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明が提供する電動弁の閉弁状態での構成を示す模式図である。
【
図4A】
図3のI
2における一部を示す拡大図である。
【
図4B】
図4AのI
3における第1変形例の構成を示す模式図である。
【
図4C】
図4AのI
3における別の変形例の構成を示す模式図である。
【
図5A】流体が順方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【
図5B】流体が逆方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【
図6】本発明の電動弁の実施例2の構成を示す模式図である。
【
図9】本発明が提供する電動弁の実施例3の構成を示す模式図である。
【
図10】
図9に示す電動弁の一部構成を示す模式図である。
【
図11】背景技術の電動弁の一部構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者が本発明をよりよく理解するために、以下は、図面及び具体的な実施形態を結合して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】
ここで、本明細書の上、下などの方位用語は、部品が明細書の図面における位置にある際、定義され、ただ、発明を明らか且つ便利に表現するためのものである。
理解できるように、本明細書の方位用語は、本出願が保護を請求する範囲を限定していない。
【0010】
本明細書に記載の「固定接続」は、2つの部品の直接的な固定接続であってもよいし、2つの部品の、他の部品による可能な固定接続、即ち、2つの部品の間接的な固定接続であってもよい。
【0011】
本明細書の「D2-D3」は、いずれも下段部の同一の横断面を基準とする。
【0012】
図1は、本発明の電動弁の実施例1の構成を示す模式図であり、
図2は、
図1のI
1における一部拡大図であり、
図3は、
図1に示す弁体の構成の模式図であり、
図4Aは、
図3のI
2における一部拡大図であり、
図4Bは、
図4AのI
3における第1変形例の構成を示す模式図である。
【0013】
図1~
図3及び
図4Aに示すように、この電動弁は、弁ボディ部材10、弁座部材20、弁体部材30及び密封モジュールを含む。
弁ボディ部材10は、第2流体ポートAが開けられた弁ボディ11を含む。
弁座部材20は、第1流体ポートBが設けられた弁座21と、密封環22とを含む。
弁体部材30は、弁ボディ部材10の内室に設けられており、略管状を呈する弁体31を含み、弁体31は、環状の下段部311を含み、密封環22は、第1密封部221を含み、第2流体ポートAと第1流体ポートBとを遮断させまたは連通させるように、下段部311の端部は、第1密封部221に当接され、または、第1密封部221から離れて、弁ボディ部材10は、さらにブッシュ部材12を含み、弁体部材30は、第2密封部321を含み、第2密封部321を介して、弁体31は、ブッシュ部材12に摺り嵌めされ、第2密封部321は、ブッシュ部材12の内壁に貼合されている。
この電動弁において、弁ボディ部材10の内室は、弁体部材30の上方にある第1室50を含み、弁体部材30は、バランス流路Eを含み、弁体31は、密封環22に当接されると、第1室50は、第2流体ポートAと連通していなく、バランス流路Eを介して、第1室50は、第1流体ポートBと連通するように定義される。
図面を参照して理解できるように、このように設計すれば、弁体部材30の受力のバランスに寄与する。
【0014】
具体的に、
図3に示すように、弁体31は、本体部312を含み、弁体31の本体部312は、小径段3121と大径段3122とを含み、即ち、大径段3122の外径は、小径段3121の外径より大きい。
ブッシュ部材12は、ブッシュ121を含み、ブッシュ121の外壁は、弁ボディ部材10に溶接固定され、ブッシュ121は、略円筒状を呈する第1筒状部1211を含み、第1筒状部1211の内径が略等しい。
さらに、弁体部材30は、小径段3121の外壁と第1筒状部1211の内壁との間に当接される密封モジュールを含む。
具体的に、密封モジュールは、密封リング35とパッド36とを含み、本体部312の大径段3122は、第1筒状部1211の内壁に対して摺動でき、密封リング35は、パッド36と小径段3121との間に設けられ、その内壁が、小径段3121の外壁に当接され、弁体31とブッシュ部材12との間に活動密封を形成するように、パッド36の外壁は、第1筒状部1211の内壁に当接され、活動密封は、密封モジュールはブッシュ121に対して摺動できることを指し、ただし、密封モジュールは、また、弁体部材30とブッシュ121との間に密封を形成し、即ち、密封モジュールの上側と下側とは、該部位で連通していなく、パッド36は、前記第2密封部321を含む。
【0015】
図4A及び
図4Bに示すように、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の外壁と下段部311の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、下段部311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の縦断面で、下段部311の内壁と下段部311の横断面とは、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°である。
第2密封部321の外縁の、下段部311での軸方向投影ループMの直径は、D
1であり、下段部311の横断面で、軸方向投影ループMの直径D
1、下段部311の外径D
2及び下段部311の内径D
3は、1mm
2≦D1×(D2-D3)≦6mm
2という関係を満たす。
ここで、実施例において、下段部311の外壁または下段部311の内壁は、不等径に配置されるから、本明細書のD
2及びD
3は、
図4A及び
図4Bに示される位置に限定されていなく、下段部311の横断面で、いずれも前記関係を満たすことを指す。
【0016】
また、ここで、
図4A及び
図4Bに示される構成は、具体的な実施例のみである。
さらに、本発明において、下段部311の外壁は、略等径に配置される(即ち、図面において、θ=90°である)際、下段部311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し(且つ、90<γ≦100°である)、または、下段部311の内壁は、略等径配置される際(即ち、図面において、γ=90°である)、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し(且つ、90<θ≦100°である)てもよく、前記内容は、
図4A及び
図4Bを参照して理解すればよく、ここで、図面で単独に示されていない。
【0017】
この発明の電動弁において、下段部311の外径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の外壁と下段部311の横断面とは、第1鈍角θを有し、且つ、90<θ≦100°であり、及び/または、下段部311の内径は、下段部311の上端から下段部311の下端へ漸減し、下段部311の縦断面で、下段部311の内壁と下段部311の横断面との間は、第2鈍角γを有し、且つ、90<γ≦100°である。
第2密封部321の外縁の、下段部311の横断面での軸方向投影ループの直径は、D1であり、D1と下段部311の外径D2及び下段部311の内径D3とは、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たすことで、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させる。
【0018】
前記構成に基づき、D1×(D2-D3)≧1mm2であれば、軸方向投影ループの直径D1が一定に維持される場合、下段部311の壁は、薄く過ぎることがなく、加工を便利にするとともに、弁体31の強度の確実性も優れて、密封の確実性もよい。
また、弁を閉じるように、弁体31は、以下に記載の密封環22に当接される場合、密封環22は、軟質材料、例えば、ゴム材料から製造されると、このような設計は、下段部311が密封環22の材料耐荷重限度を超えるというリスクを低減させ、弁体31の下段部311の、密封環22に対する衝撃を減少させ、密封環の耐用年数を長くして、弁体31と密封環22とをよく係合させ、閉弁際の内部漏れを低減させ、電動弁の閉弁の確実性を向上させる。
【0019】
以上は、D1×(D2-D3)の範囲を与えて、この範囲の下限値は、1mm2であり、理解できるように、密封環22の材質の変化に基づき、D1×(D2-D3)の下限値を調整でき、密封環22が軟質材質である前提で、その材質の硬度は、より高く、そうすれば、下限値は、小さくなるように調整されることができ、D1×(D2-D3)の範囲は、大きくなり、材質の硬度は、より低いと、下限値は、大きくなるように調整されることができ、D1×(D2-D3)の範囲は、小さくなる。
下限値は、0.2mm2まで調整されることができ、即ち、D1×(D2-D3)≧0.2mm2であり、閉弁際の内部漏れを低減させるという目的に達することができる。
例えば、密封環22の材質は、PTFEプラスチックである場合、その硬度は、一般的なゴム材質より高く、そうすれば、D1×(D2-D3)の限界値は、0.2mm2に調整されることができる。
【0020】
軸方向投影ループの直径D1は、一定に維持される場合、D1×(D2-D3)≦6mm2であり、電動弁の開弁動作抵抗は、改良され、閉弁際の内部漏れを低減させ、電動弁の開弁の確実性に寄与する。
具体的に、以下で詳しく記載する。
【0021】
密封環22は、軟質材料から製造されることで、電動弁の閉弁際の密封性能を向上させ、具体的に、密封環22は、ゴム材料、例えば、ニトリルゴムから製造される。
弁体31の下段部311の端部は、第1密封部221に当接され、または、第1密封部221から離れることで、第2流体ポートAと第1流体ポートBとを連通させ、または、連通させていなく、ここで、連通しないということは、弁には、内部漏れが生じていない際、連通しないことを指す。
ただし、実際の製品において、プロセスなどの原因で、少しの内部漏れが生じることを排除できないから、内部漏れの低減は、本特許の効果の1つであり、内部漏れが生じないことを理想の目的とする。
弁体31の下段部311の端部が第1密封部221に当接される場合、弁ボディ部材10の内室は、弁体31と弁ボディ部材10との間にある第2室60を含むように定義され、弁体31は、第1密封部221に当接され、内部漏れが生じていない場合、第2室60は、第1流体ポートBと連通しない。
【0022】
密封環22の材料属性のため、弁体31の下段部311の径方向のサイズが、0.1mm<D2-D3<0.6mmであるように配置されると、D2-D3>0.1mmであり、弁体31の加工を便利にして、弁を閉じるように、弁体31の下段部311の端部が密封環22に当接される際、密封環22に対する損傷を改善する。
【0023】
以上は、(D2-D3)の範囲を与えて、この範囲の下限値は、0.1mmであり、前記のように、密封環22の材質の変化に基づき、(D2-D3)の下限値を調整でき、密封環22が軟質材質である前提で、その材質の硬度は、より高く、そうすれば、下限値は、小さくなるように調整されることができ、(D2-D3)の範囲は、大きくなり、材質硬度が、より低いと、下限値は、大きくなるように調整されることができ、(D2-D3)の範囲は、小さくなる。
下限値は、0.05mmまで調整されることができ、即ち、(D2-D3)≧0.05mmであり。
例えば、密封環22の材質が、PTFEプラスチックである場合、その硬度は、一般的なゴム材質より高く、そうすれば、(D2-D3)の限界値は、0.05mmに調整されることができる。
【0024】
D2-D3<0.6mmであり、D2-D3>0.6mmの場合より、弁体部材10が受けた差圧力を低減させ、下段部311の厚い厚肉による、電動弁の開弁の確実性に対する不利を避ける。
また、弁体31が小開度位置(例えば、開弁パルスは、弁全開パルスの10%以下である)にあるまで、弁体が開弁方向に動作することで、流体を下段部311と密封環22との間に速く通過させ、弁の動作性能をさらに向上させる。
さらに、実施例において、D1=16.2mm、D2-D3の最小値が、0.2mmであると、電動弁が双方向電動弁である場合、電動弁の順方向及び逆方向際の動作性能、並び、密封環22の耐用年数をよく配慮する。
【0025】
密封環22は、ゴムなどの軟質材料から製造されると、一定の弾性を有し、外力作用を受けた場合、弾性変形が生じる。
弁体31は、下に移動して、第1密封部221に当接されることで、弁を閉じる際、弁体31の下向きの移動過程で、接触面積の大きさが、下段部311の厚肉(即ち、D2-D3の値)により決定されるように、制御弁体31の下段部311と密封環22との係合の接触面積を制御するために、弁体31の下段部311の高さL≧0.4mmに設定される。
【0026】
さらに、弁体31は、本体部312と下段部311との間に設けられる遷移部313を含む。
前記弁体31の下段部311と密封環22との係合の接触面積を制御するために、遷移部313は、下段部311に連結され、縦断面が、略錐状を呈する第1遷移セクション3131を含み、
図4Aに示すように、第1遷移セクション3131の上端の内径は、第1遷移セクション3131の下端の内径より小さい。
具体的に、第1遷移セクション3131の内壁は、水平方向に対して第1鋭角の夾角αを有する。
第1遷移セクション3131の上端の外径は、第1遷移セクション3131の下端の外径より大きく、具体的に、第1遷移セクション3131の外壁は、水平方向に対して第2鋭角の夾角βを有する。
図3に示すように、遷移部313は、さらに、本体部312に連結される第2遷移セクション3132を含み、第2遷移セクション3132の上端の内径は、第2遷移セクション3132の下端の内径より小さく、第2遷移セクション3132の上端の外径は、第2遷移セクション3132の下端の外径より小さく、第2遷移セクション3132の上端部の外径は、下段部311の最小外径より大きい。
第2遷移セクション3132の上端の外径は、下段部311の最小外径より小さく、このように配置されると、第2密封部321の外縁の、弁体31での軸方向投影ループMは、下段部311の何れかの横断面に位置でき、弁体部材30の受力のバランスに寄与する。
ここで、本明細書の「受力のバランス」は、必ず完全なバランスではなく、大体のバランスを指し、少しの受力の非バランスがあれば、電動弁の駆動部材の作用力を適切に変更することで、調節すればよい。
【0027】
弁体31の下段部311の縦断面の下端は、略円弧状を呈することで、弁体31の、密封環22に対する摩損を低減させ、密封環22の耐用年数を向上させる。
ここで、本発明において、弁体31の下端面は、この円弧状に配置されなくてもよく、例えば、弁体31の下端面は、略小平面状であってもよい。
ここで、下段部311の縦断面の下端略が円弧状を呈する場合、この円弧状部分は、小さくて、下段部311の全体の外径及び内径は、依然として、それぞれ略等径に配置され、円弧部の、下段部311の構成全体に対する影響は小さい。
【0028】
図4Cは、
図4AのI
3における別の変形例の構成を示す模式図である。
この実施例の弁体において、遷移部313Cには、
図4Aの構成の第1遷移セクションが設けられていなく、遷移部313Cには、第2遷移セクション3132Cのみが設けられる。
第2遷移セクション3132Cは、直接的に下段部311Cに連結される。
その有益な効果は、前述した
図4Aの弁体構成と同じであるから、ここで、贅言していない。
【0029】
さらに、
図2に示すように、弁座部材20は、内部ブシュ25とブロック26とを含む。
弁座21は、軸方向貫通孔27を含み、内部ブシュ25は、部分的に軸方向貫通孔27に設けられるとともに、弁座21に溶接固定され、密封環22は、具体的に、内部ブシュ25の外側と弁座21との間に設けられ、弁座21は、第1段差部215を含み、弁座21の上端は、ブロック26を、弁座21の第1段差部215の段階面にリベット締め固定する。
さらに、ブロック26の下端面は、密封環22の上端面と対向配置されることで、密封環22に対してさらなる軸方向の位置制限を行う。
無論、理解できるように、ブロック26の下端面は、密封環22に当接されてもよいし、当接されなくてもよい。
ブロック26は、基部261とガイド部262とを含む。
ガイド部262の内径は、基部261の内径より大きく、下段部311の端部が密封環22の第1密封部221に当接される場合、弁体31の下段部311は、内部ブシュ25及びブロック26の基部261に隙間嵌めされることができる。
ここで、隙間嵌めすることができるということは、理想状態の場合、干渉を避けるために、弁体31は、内部ブシュ25及びブロック26に、いずれも隙間嵌めされることを指し、ところが、組立及びプロセスなどの要因を考慮すると、弁体31は、内部ブシュ25または外部ブシュ26に隙間嵌めされていなく、干渉が生じるという不所望の状況が存在する恐れがある。
さらに、ガイド部262の内径は、略、下から上へ漸増するように配置され、即ち、ガイド部262の内孔は、下から上へ、略拡径状に配置され、そうすれば、ガイド部の内側で、弁体31の軸方向の運動にガイドを提供する上に、弁体31の下段部311の端部は、密封環22の第1密封部に当接される場合、弁体31の外部とブロック26の内壁との間に、流体の流動に寄与するための導流空間Qを形成できる。
【0030】
本明細書の各実施例の電動弁は、双方向流通機能を有する電動弁であってもよい(即ち、電動弁の開弁の際、流体の流れ方向は、第2流体ポートAから入って、第1流体ポートBから流出してもよいし(以下は、順方向と略称され)、または、電動弁の開弁の際、流体の流れ方向は、第1流体ポートBから入って、第2流体ポートAから流出してもよい(以下は、逆方向と略称される))。
無論、各実施例の電動弁は、ただ単方向の流通のためのものであってもよい。
【0031】
図5Aは、流体が順方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図であり、
図5Bは、流体が逆方向で入る際の、弁体部材の受力分析の模式図である。
【0032】
図5A及び
図5Bに示すように、圧力がPである流体は、順方向で入る際、閉弁状態で、弁体部材30が主に受けた差圧力F
順=Pπ(D
2
2-D
1
2)であり、力の作用方向は、下向きであり、圧力がPである流体は、逆方向で入る際、閉弁状態で、弁体部材30が、主に受けた差圧力F
逆=Pπ(D
1
2-D
3
2)であり、力の作用方向は、下向きであり、電動弁の閉弁際の内部漏れを低減させ、閉弁の動作の確実性に寄与する。
【0033】
電動弁の、弁体以外の構成サイズが一定、即ち、D1が一定に維持される場合、D1×(D2-D3)≧6mm2であれば、D2-D3が大きくなり、そうすれば、D2が一定に維持され、D3が小さくなることと、D2が大きくなり、D3が一定に維持されることと、D2及びD3がいずれも大きくなることと、という3つの状況がある。
【0034】
D2が一定に維持され、D3が小さくなると、F順がほとんど変化しなく、F逆が大きくなり、即ち、流体は、順方向で流入する場合、開弁及び閉弁動作に対する影響が小さくて、流体は、逆方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が逆方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
【0035】
D2が大きくなり、D3が一定に維持されると、F順が大きくなり、F逆がほとんど変化しなく、流体は、順方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が順方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
流体が逆方向で流入する場合、開弁及び閉弁動作に対する影響が小さい。
【0036】
D2及びD3がいずれも大きくなると、F順が大きくなり、F逆が小さくなり、流体は、順方向で流入する場合、開弁抵抗が大きくなり、流体が順方向で流入する際の、電動弁の開弁の確実性には不利であり、D2-D3の値が大きいほど、その不利の影響が大きくなる。
流体が逆方向で流入する場合、開弁の動作に寄与する。
【0037】
従って、本発明の電動弁において、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2に設計され、電動弁は、双方向電動弁である場合、内部漏れの性能及び閉弁の確実性を改良するとともに、電動弁の、順方向及び逆方向際の開弁の確実性をいずれもよい程度に制御できる。
【0038】
さらに、前記設計は、製品のシリアル化に寄与し、即ち、D1が決定された場合、前記数値関係を介して、D2-D3の数値範囲を計算でき、即ち、弁体31の下段部311の厚肉範囲を取得できる。
同じように、D2-D3の範囲が決定された場合、前記数値関係を介してD1の数値範囲を計算できる。
【0039】
ここで、前記発明の説明に基づき、理解できるように、前記各実施例の電動弁は、流体の流量を調節できる電子膨張弁であってもよいし、電磁弁、または、双方向電磁弁のような開閉弁であってもよい。
【0040】
図6は、本発明の電動弁である実施例2の構成を示す模式図である。
図7は、
図6の一部構成を示す模式図であり、
図8は、
図6に示す弁体の構成を示す模式図である。
【0041】
本実施例の電動弁と前述した実施例の電動弁との相違点は、密封モジュールが密封座部材の一部であり、弁体部材が密封モジュールに摺り嵌めされ、弁体が第2密封部を含むことにある。
【0042】
具体的な説明は、以下の通り、
図6~
図8に示すように、弁座部材は、内部ブシュ25Eとブロック26Eとを含む。
ブッシュ部材12Eは、ブッシュ121Eと密封モジュールとを含み、ブッシュ121Eは、第2筒状部1211E(図面は、一部のみを示す)を含み、密封モジュールは、ブッシュ121Eに固定され、または、位置制限されており、密封リング35Eとパッド36Eとを含み、弁体31Eは、本体部312Eと下段部311Eとを含み、パッド36Eの少なくとも一部は、本体部312Eの内壁に貼合当接され、密封リング35Eは、ブッシュ121Eの内壁に当接される。
本体部312Eは、密封モジュールに対して摺動できる。
本体部312Eの外径は、略同様であり、本体部312Eの外壁は、第2密封部321Eを含む。
本体部312Eの外壁の、弁体31Eの下段部311Eでの軸方向投影ループNの直径は、D
1である。
下段部311Eの横断面で、下段部311Eの外径は、D
2であり、下段部311Eの内径は、D
3であり、直径D
1、下段部311Eの外径D
2、及び、下段部の内径D
3の関係は、1mm
2≦D1×(D2-D3)≦6mm
2を満たすように定義される。
本実施例の他の構成について、実施例1を参照して理解すればよく、実施例1の、下段部の各種の変形及びその受力関係は、同じように本実施例に適用されることができ、相応するように、本実施例も、実施例1の有益な効果を具備して、実施例1を参照して理解すればよく、ここで、贅言していない。
より具体的に、実施例において、D
1=9.2mmである場合、D
2-D
3の最小値を0.5mmに設定する。
電動弁が双方向電動弁である場合、電動弁の順方向、及び、逆方向際の動作性能、並び密封環22の耐用年数をよく配慮する。
【0043】
図9は、本発明の電動弁である実施例3の構成を示す模式図であり、
図10は、
図9に示す電動弁の一部構成を示す模式図である。
【0044】
図に示すように、この電動弁は、具体的に電磁弁であり、封止ヘッド100と可動鉄芯101とを含み、封止ヘッド100と可動鉄芯101とは、駆動部材の構成部分であり、弁ボディ部材102は、弁座部材103に溶接固定され、弁体31Fは、本体部312Fと下段部311Fとを含む。
弁座部材は、内部ブシュ25Fとブロック26Fとを含む。
実施例において、本体部312Fの外壁は、等径に設計され、その外壁を第2密封部とし、第2密封部の直径D1、下段部311Fの外径D2及び下段部311Fの内径D3は、1mm2≦D1×(D2-D3)≦6mm2という関係を満たし、実施例1の、下段部の構成及び変形例も、同じように、この電磁弁に適用されることができ、この電磁弁も同じように、前記実施例の電動弁による、閉弁際の内部漏れを低減させるという作用を実現でき、この電磁弁の他の構成について、前記実施例を参照して設計すればよく、本出願の原理から逸脱しない範囲内で、変更設計を行ってもよく、ここで、贅言していない。
【0045】
以上は、本発明が提供する電動弁を詳しく紹介する。
本明細書において、具体的な例示を利用して、本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその中心思想を理解するためのものである。
指摘すべきは、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対して複数の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も、本発明の請求項の保護範囲に該当する。
【符号の説明】
【0046】
10・・・弁ボディ部材
11・・・弁ボディ
12・・・ブッシュ部材
121・・・ブッシュ
1211・・・第1筒状部
20・・・弁座部材
21・・・弁座
215・・・第1段差部
22・・・密封環
221・・・第1密封部
25・・・内部ブシュ
261・・・基部
262ガイド部
27・・・軸方向貫通孔
30・・・弁体部材
31・・・弁体
311・・・環状の下段部
312・・・本体部
3121・・・小径段
3122・・・大径段
313・・・遷移部
3131・・・第1遷移セクション
3132・・・第2遷移セクション
321・・・第2密封部
35・・・密封リング
36・・・パッド
50・・・第1室
60・・・第2室
100・・・封止ヘッド
101・・・可動鉄芯
102・・・弁ボディ部材
103・・・弁座部材
A・・・第2流体ポート
B・・・第1流体ポート
E・・・バランス流路
θ・・・第1鈍角
γ・・・第2鈍角
α・・・第1鋭角の夾角
β・・・第2鋭角の夾角
D1・・・下段部311での軸方向投影ループMの直径
D2・・・下段部311の外径
D3・・・下段部311の内径
M・・・下段部311での軸方向投影ループ
【国際調査報告】