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特表2022-517105全身筋骨格モデル及び姿勢最適化に基づく術後の全体的な矢状面アライメントの予測
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(54)【発明の名称】全身筋骨格モデル及び姿勢最適化に基づく術後の全体的な矢状面アライメントの予測
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20220225BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540505
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020013578
(87)【国際公開番号】W WO2020150288
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/792,349
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イグナシアク,ドミニカ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL39
(57)【要約】
対象における脊椎の病変又は脊椎変形矯正の手術計画及び評価のためのシステムであって、システムは、生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体をX線写真の1つ又は複数の椎体に整列させるように構成された制御ユニットを有する。制御ユニットは、1つ又は複数の脊椎矯正入力を受信するように構成される。制御ユニットは、受信された1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で生体力学的モデルをシミュレートするように構成される。制御ユニットは、シミュレートされた生体力学的モデルの1つ又は複数の特性の表示を提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における脊椎の病変又は脊椎変形矯正の手術計画及び評価のためのシステムであって、前記システムは:
生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を、前記対象のX線写真の1つ又は複数の椎体に整列させ;
1つ又は複数の脊椎矯正入力を受信し;
受信された前記1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で前記生体力学的モデルをシミュレートし;
シミュレートされた前記生体力学的モデルの1つ又は複数の特性の表示を提供する;ように構成される、
制御ユニットを有する、
システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の脊椎矯正入力は、前記1つ又は複数の椎体間の椎間高さ及び角度における1つ又は複数の変化を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記生体力学的モデルは、前記対象の筋骨格モデルを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記筋骨格モデルの処理は、逆-逆ダイナミクスモデリングを含む、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記筋骨格モデルは、脊椎-骨盤パラメータ、靭帯パラメータ、及び関節運動学のうちの1つ又は複数を含む、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記X線写真の前記1つ又は複数の椎体に基づいて矢状面湾曲プロファイルを生成するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記生体力学的モデルの前記1つ又は複数の椎体の前記整列は、前記矢状面湾曲プロファイルにマッチするように前記生体力学的モデルを修正することを含む、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記生体力学的モデルを修正することは、前記1つ又は複数の椎体をスケーリングすること、前記1つ又は複数の椎体の位置を調整すること、及びシミュレートされた対象の解剖学的構造をモーフィングすることのうちの1つ又は複数を含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記所定の姿勢は、立位姿勢である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記立位姿勢は、前記生体力学的モデル内の質量中心の位置に従って決定される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
対象における脊椎変形矯正の手術計画及び評価のための方法であって、前記方法は:
生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を、X線写真の1つ又は複数の椎体に整列させることと;
1つ又は複数の脊椎矯正入力を受信することと;
受信された前記1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で前記生体力学的モデルをシミュレートすることと;
シミュレートされた前記生体力学的モデルの1つ又は複数の特性を表示することと;を含む、
方法。
【請求項12】
前記1つ又は複数の脊椎矯正入力は、前記1つ又は複数の椎体間の椎間高さ及び角度における1つ又は複数の変化を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記生体力学的モデルは、前記対象の筋骨格モデルを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記筋骨格モデルの処理は、逆-逆ダイナミクスモデリングを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記筋骨格モデルは、脊椎-骨盤パラメータ、靭帯パラメータ、及び関節運動学のうちの1つ又は複数を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は:
前記X線写真の前記1つ又は複数の椎体に基づいて矢状面湾曲プロファイルを生成することをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記生体力学的モデルの前記1つ又は複数の椎体を整列させることは、前記矢状面湾曲プロファイルにマッチするように前記生体力学的モデルを修正することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生体力学的モデルを修正することは、前記1つ又は複数の椎体をスケーリングすること、前記1つ又は複数の椎体の位置を調整すること、及びシミュレートされた対象の解剖学的構造をモーフィングすることのうちの1つ又は複数を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記所定の姿勢は、立位姿勢である、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記立位姿勢は、前記生体力学的モデル内の質量中心の位置に従って決定される、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月14日に出願された米国仮特許出願第62/792,349号の利益及び優先権を主張し、その全開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、生体力学的(biomechanical)モデルのシミュレーションに基づく術後の矢状面アライメント(post-operative sagittal alignment)の予測を記載する。
【背景技術】
【0003】
直立した体の姿勢及び水平注視を維持する能力は、適切な立位バランスと正常な脊椎-骨盤(spino-pelvic)矢状面アライメントを必要とする。アライメント不良と低下した健康関連の生活の質との間の関係がいくつかの研究で実証されており、脊椎手術を計画する際に矢状面のバランスを考慮することの重要性が強調されている。これは、局所的なアライメント不良であっても、最適な全体的バランスを歪ませ、痛みや障害につながる可能性があるので、変形だけでなく変性の場合にも当てはまる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、対象(subject)における脊椎の病変(spinal pathology)又は脊椎変形矯正の手術計画及び評価のためのシステムは、制御ユニット、入力装置及び表示装置を含む。制御ユニットは、生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を、X線写真(radiograph)の1つ又は複数の椎体に整列させる(align)ように構成される。制御ユニットはまた、1つ又は複数の脊椎矯正(spinal correction)入力を受信するように構成される。制御ユニットはまた、受信された1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で生体力学的モデルをシミュレートするように構成される。制御ユニットはまた、シミュレートされた生体力学的モデルの1つ又は複数の特性(characteristics)の表示を提供するように構成される。
【0005】
別の実施形態では、対象における脊椎変形矯正の手術計画及び評価のための方法は、生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を、X線写真の1つ又は複数の椎体に整列させることを含む。本方法はまた、1つ又は複数の脊椎矯正入力を受信することを含む。本方法はまた、受信された1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で生体力学的モデルをシミュレートすることを含む。本方法はまた、シミュレートされた生体力学的モデルの1つ又は複数の特性を表示することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の多くの利点は、添付の図面と共に本明細書を読むことにより当業者には明らかになるであろう。ここで、同様の参照番号は、同様の要素に適用され。
【0007】
図1】本開示の一実施形態による、手術処置を実施するための例示的システムを示す。
【0008】
図2】本開示の一実施形態による、生体力学的モデルの例示的な図を示す。
【0009】
図3】本開示の一実施形態による、2つの椎体の例示的な図を示す。
【0010】
図4】本開示の一実施形態による、2つの椎体の別の例示的な図を示す。
【0011】
図5】本開示の一実施形態による、2つの椎体及びインプラントの例示的な図を示す。
【0012】
図6】本開示の一実施形態による例示的なワークフローを示す。
【0013】
図7】本開示の一実施形態による、例示的なフロー図を示す。
【0014】
図8】本開示の一実施形態による、例示的なコンピュータ可読媒体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の例示的な実施形態を以下に記載する。明確にするために、実際の実装のすべての特徴がこの明細書に記述されているわけではない。当然のことながら、このような実際の実施形態の開発においては、システム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標をアクティブにするために、実装ごとに異なる実装特有の多数の決定が行われなければならない。さらに、そのような開発努力は、複雑であり、時間がかかるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者のための日常的な取り組みであることが認められる。さらに、本発明のシステム及び方法は、主として脊椎手術の文脈の中で以下に議論されるが、全身にわたる任意の数の異なる外科的標的部位へのアクセスを提供するために、任意の数の解剖学的設定において使用され得ることは、容易に理解されるべきである。
【0016】
図面を参照すると、図1は、手術処置(surgical procedure)を実施するための例示的なシステム100の図である。例示的なシステム100は、Cアームイメージングデバイス103を支持するベースユニット102を含む。Cアーム103は、患者Pの下に配置され、放射線ビームを受信機105に向けて上方に向ける放射線源104を含む。Cアーム103の受信機105は、画像データを制御ユニット122に送信する。制御ユニット122は、トラッキング装置130と通信して、手術処置の間に使用される様々な器具(例えば、器具T)の位置及び向き情報を得ることができる。
【0017】
ベースユニット102は、制御パネル110を含み、これを通して、ユーザは、Cアーム103の位置及び放射線曝露を制御することができる。従って、制御パネル110は、放射線技師が外科医の指示で手術部位の画像を取得し、放射線量を制御し、放射線パルス画像を開始することを可能にする。
【0018】
Cアーム103は、手術部位の異なるビューイング角度(viewing angles)のために、患者Pに平行な軸周りに回転され得る。場合によっては、インプラント又は器具Tが手術部位に位置していることがあり、そのため、その部位を妨げずに見るためにビューイング角度を変化させる必要がある。従って、患者Pに対する、より具体的には、関心のある手術部位に対する受信機の位置は、外科医又は放射線科医によって必要とされる処置の間に変化し得る。従って、受信機105は、トラッキング装置130を用いてCアーム103の位置のトラッキングを可能にする、そこに取り付けられたトラッキングターゲット(tracking target)106を含み得る。単なる例として、トラッキングターゲット106は、ターゲットの周囲に間隔を置かれた複数の赤外線(IR)反射器又はエミッタを含み得、一方、トラッキング装置130は、トラッキングターゲット106によって反射又は放射されたIR信号から受信機105の位置を三角測量するように構成される。
【0019】
制御ユニット122は、それに関連付けられたデジタルメモリと、デジタル及びソフトウェア命令を実行するためのプロセッサとを含むことができる。また、制御ユニット122は、表示装置126上の表示(displays)123及び124として投影するためのデジタル画像を生成するためにフレームグラバー(frame grabber)技術を使用するフレームグラバーを組み込み得る。表示123及び124は、処置中に外科医が対話的に見るために配置される。2つの表示123及び124は、横方向及び前後方向(A/P)のような2つのビュー(views)からの画像を示すために使用され得る、又は、手術部位のベースラインスキャン及び現在のスキャン、若しくは現在のスキャン及び以前のベースラインスキャンと低放射線の現在のスキャンとに基づく「マージされた」スキャンを示し得る。キーボード又はタッチスクリーンのような入力装置125は、外科医が画面上の画像を選択及び操作することを可能にする。入力装置は、制御ユニット122によって実装される種々のタスク及び特徴に対応するキー又はタッチスクリーンアイコンのアレイを組み込み得ることが理解される。制御ユニット122は、受信機105から得られた画像データをデジタルフォーマットに変換するプロセッサを含む。一例では、制御ユニット122は、対象からのX線データ、コンピュータ断層撮影イメージングデータ、磁気共鳴イメージングデータ、又は2平面X線データを受信するように構成される。場合によっては、Cアーム103は、シネマティック露出モード(cinematic exposure mode)で動作し、毎秒多数の画像を生成し得る。これらの場合には、複数の画像を短時間にわたって1つの画像に平均化して、モーションアーチファクト及びノイズを低減することができる。
【0020】
一例では、制御ユニット122は、対象の1つ又は複数の椎体のデジタル化された位置を決定するように構成される。椎体は、例えば、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、又は尾骨であり得る。一例では、制御ユニット122は、それぞれ1つ又は複数の椎体に対する任意の数の位置に対応する1つ又は複数のデジタル化された位置を、受信し、収集し、及び/又は決定するように構成されたソフトウェアを含む。別の例では、制御ユニット122は、対象のX線画像、コンピュータ断層撮影画像、磁気共鳴イメージング画像、又は2平面X線画像を含むが、これらに限定されない、椎体を十分に詳細に描写する対象の任意のデータソースからのデジタル化された位置を収集し得る。一例では、制御ユニット122は、それによって制御ユニット122が、対象のX線画像、コンピュータ断層画像、磁気共鳴イメージング画像、2平面X線画像などの提供されたデータをデジタル化する画像認識ソフトウェアを含み得、制御ユニット122は、画像認識ソフトウェアからの出力に基づいてデジタル化された位置を選択し得る。画像認識ソフトウェアは、例として、画像を処理し、1つ又は複数の椎体のコーナーなどの位置を識別し、送信し得る。いくつかの実施形態では、この処理及び識別は自動的であるが、他の実施形態では、ユーザは、制御ユニット122がユーザからデジタル化された位置を受信するように、制御ユニット122に提供されたデータから位置を手動で選択又は検証する。さらに別の実施形態では、デジタル化された位置は、デジタルラジオグラフィシステムなどのデジタルイメージングコンポーネントからデジタル的に受信される。
【0021】
トラッキング装置130は、手術処置において使用される種々の要素(例えば、赤外線反射器又はエミッタ)に関連する位置データを決定するためのセンサを含み得る。一例では、センサは、電荷結合デバイス(CCD)イメージセンサであり得る。別の例では、センサは、相補型金属酸化物半導体(COMS)イメージセンサであり得る。また、記載される機能を達成するために、異なる数の他のイメージセンサが使用され得ることも想定される。
【0022】
制御ユニット122は、手術室(operating room)内又は手術現場(surgical theatre)内の手術システムに関連して図1に示されているが、制御ユニット122は、入力装置125及び表示装置126を用いた手術計画のために図1に示されているシステムの残りのコンポーネントなしに、利用され得ることが考えられる。
【0023】
図2は、全身の一般的な生体力学的モデル200の例示の図である。生体力学的モデル200は、1つ又は複数の剛体セグメント214、216、218、220、及び222に接続された筋肉202、204、206、208、210、212、及び224を含む。図示のように、生体力学的モデル200は、立位姿勢である。別の例では、生体力学的モデル200は、座位姿勢などの異なる所定の姿勢にある。所定の姿勢は、本明細書に記載されていない他の姿勢を含むことができることが想定される。
【0024】
一例では、生体力学的モデル200は、ヒト対象(human subject)の筋骨格モデルである。一例では、筋骨格モデルは、骨(例えば、剛体(rigid bodies))、関節(例えば、可動部(mobilizers)、拘束及び力)、接触要素(例えば、堅い拘束(rigid constraints)及びコンプライアント力(compliant forces))、並びに靭帯及び筋肉アクチュエータ(例えば、力)などのいくつかの要素を含む。一例では、筋骨格モデルの要素は、ユーザ定義機能(user-defined functions)に基づく。例えば、ユーザ定義機能は、2つの椎体間の最大角度などの拘束に関連付けられ得る。一例では、関節から伸びる筋肉は腱と靭帯を介して骨に接続される。例えば、筋肉は力と動きを生み出すことができる。別の例では、筋骨格モデルは、1つ又は複数の脊椎-骨盤パラメータ、靭帯パラメータ、筋肉パラメータ、及び関節運動学を含む。
【0025】
一実施形態によれば、生体力学的モデル200は、患者固有のパラメータを表すようにカスタマイズされる。例えば、体重及び身長、筋力、ならびに骨盤入射角(pelvic incidence angle)、仙骨傾斜角、及び骨盤傾斜のような脊椎-骨盤パラメータを含む患者に特有のパラメータを使用して、患者の脊椎(spine)の矢状湾曲(sagittal curvature)を決定する。別の例では、脊椎-骨盤パラメータは、腰椎前弯、胸椎後弯、及びC7プラムライン(C7 plumbline)の矢状面並進(sagittal translation)を含み得る。別の例では、脊椎-骨盤パラメータは、椎体の相対的位置及び角度を含み得る。一例では、靭帯パラメータは、近似されたたるみ長さ、及び力と長さの関係の係数を含み得る。
【0026】
一例では、関節運動学は、筋骨格モデルの2つの連続するセグメント間の相対運動を含む。一例では、2つの連続するセグメント(例えば、剛体)の解析は、関与するリンクの相対運動を定義するためにスカラ量の知識を必要とする。例えば、スカラ量は、人間の解剖学的構造に関して3つの回転及び3つの並進に関して記述され得る。一例では、関節可動域を分析するために、関節運動学は、矢状面(すなわち、縦断面)、横断面(すなわち、軸平面又は水平面)、及び前頭面(すなわち、冠状面)などの1つ又は複数の平面における可動域の特性評価(characterization)を考慮し得る。
【0027】
図3は、図2の一般的な生体力学的モデル200に患者固有のパラメータを適用することから生成された2つの椎体302、304の患者固有の生体力学的モデルの例示的な図300を示している。示されるように、2つの椎体302、304は、互いに対して所与の角度306及び互いから所与の距離308にある。
【0028】
例示的な実施形態によれば、患者のX線写真が術前に撮影される。X線写真は、患者が立位姿勢の間に取られ得る。代替的には、X線写真は、患者が腹臥位や仰臥位など、立位以外の姿勢にある間に取られ得る。手術計画中、X線写真は、制御ユニットに送信され、制御ユニットは、生体力学的モデル200に示される1つ又は複数の椎体を、患者の術前X線写真の1つ又は複数の椎体に整列させる(位置合わせする)(align)ように構成され、患者固有の生体力学的モデル200を作成する。一例では、1つ又は複数の椎体のアライメントは、患者固有の脊椎-骨盤矢状面アライメント、椎体の形態計測、体重及び身長、ならびに筋力(例えば、最大許容作用力(maximum allowed active force))を表すように生体力学的モデル200を修正することを含み得る。追加の患者固有のパラメータの術前のX線写真及び入力に基づいて、患者固有のモデル200に示される個々の椎骨が、例えば、図4に示すように、矢状面における脊柱の湾曲を反映するようにモーフィングされ(morphed)得る。
【0029】
更に別の例によれば、患者のX線写真は、図1に示されるシステムのようなシステムを用いて手術中に撮影され得る。この例示的な実施形態によれば、制御ユニット122は、Cアームなどのイメージングシステムと通信し、手術直前又は手術中にイメージングシステムによって取得された対象のX線写真を受信する。術中イメージングは、患者固有の生体力学的モデル200を作成するため、又は術前に作成された既存の患者固有の生体力学的モデル200を更新するために使用され得る。
【0030】
図4は、患者の術前X線写真の対応する椎体に従ってモーフィングされた図3の一般的な生体力学的モデル200から生成された、患者固有の生体力学的モデル200によって表される2つの椎体302、304の例示的な図400を示す。図4に示すように、実際の患者の2つの椎体302、304の間の所与の角度406は、図3に示す一般的な生体力学的モデル200の2つの椎体302、304の間の所与の角度306よりも小さい。さらに、図4の実際の患者の2つの椎体302、304の間の所与の距離408は、図3の一般的な生体力学的モデル200の2つの椎体302、304の間の所与の高さ308よりも小さい。一例では、実際の患者の椎体間の高さの不一致または角度の不一致と、一般的な生体力学的モデル200によって表されるより典型的な脊椎の不一致は、脊椎症などの病状の結果である可能性がある。
【0031】
一例では、制御ユニット122は、シミュレートされた外科的矯正が術後の患者の姿勢にどのように影響するかを予測又は決定するように構成され得る。図5は、2つの椎体302、304の間に配置されたインプラント510を有する2つの椎体302、304を示す、患者固有の生体力学的モデル200の例示的な図500を示す。図5に示すように、インプラント510の挿入時に、椎体302、304の間の所与の角度506は、インプラント510の挿入前の椎体302、304の間の所与の角度406(図4)よりも大きい。さらに、2つの椎体302、304の間の所与の距離508は、インプラント510の挿入前の2つの椎体302、304の間の所与の距離408よりも大きい。例示的な実施形態は、外科的矯正として椎間インプラントを用いて説明されるが、他のタイプのインプラント及び/又は患者の脊椎の改変(骨の全部又は一部の除去を含む)又は操作を用いた他の外科的矯正もまた、生体力学的モデルを用いてシミュレートされ得ることが企図される。
【0032】
例えば、図5に示されるように、2つの椎体302、304への受信された1つ又は複数の脊椎矯正入力(例えば、インプラント510の挿入をシミュレートする)に基づいて、制御ユニット122は、生体力学的モデル200を所定の姿勢でシミュレートするように構成される。一例では、堅い拘束が、融合した又は固定されたセグメント(例えば、椎体302、304の間に埋め込まれたインプラント510を伴う椎体302、304)に適用され、これは、所与の平面内での動きは許されないが、完全な力及びモーメントの伝達を可能にする。
【0033】
一例では、制御ユニット122は、外科的矯正入力を考慮に入れて、患者の予測される全体的な(global)姿勢をシミュレートするように構成される。例として、立っている体の姿勢(standing body posture)は、足首関節上の体の重心の水平位置を制御することによってモデル化される。この例では、頭蓋骨の全体的な回転は水平注視をモデル化するために制限される。膝屈曲、骨盤傾斜、腰椎及び胸椎の補正角度は、姿勢最適化中に変化し得る。一例では、腰部及び胸部の湾曲に対する変化は、相対的セグメント移動度(relative segmental mobility)の比を用いて個々のセグメント間で分布される。
【0034】
逆ダイナミクス(Inverse dynamics)とは、所与の機械システムのニュートンの運動方程式を逆に解くことによって、既知の変位から未知の力を推定することである。筋骨格モデリングに関しては、関心のある力のいくつかは、体の姿勢又は動きをサポートすることを担当している内筋(internal muscle)及び関節の反力である。多数の筋肉のために、運動方程式は、無数の筋活動(muscle activations)の組み合わせに基づくユニークな解を持たず、シミュレートされた身体運動学を生成できる。一例では、筋肉の補充基準(muscle recruitment criterion)は、3乗された筋活動(cubed muscle activities)の総和に基づいている。3乗された筋活動の総和は、対象内の種々の筋肉のグループの相互作用に基づく筋活動を最小化し得る。
【0035】
一例では、姿勢予測は、図6の例示的ワークフロー600に示されているように、逆-逆ダイナミクスアプローチ(inverse-inverse dynamics approach)を使用することによって決定することができる。逆-逆ダイナミクスアプローチでは、逆ダイナミクスシミュレーションの出力に基づいて、運動学(例えば、姿勢)を反復的に調整するために、追加の最適化ループが追加される。一例では、シミュレーションで予測された筋努力(simulation-predicted muscle effort)を、最適な姿勢を見つけるために最小化されることになる目的関数として、使用することができる。例として、姿勢最適性基準(posture optimality criterion)としての最小の筋支出(muscle expenditure)の選択は、節約の円錐(cone of economy)の原理に対応し得る(すなわち、理想的な脊柱アライメントは、最小限の筋エネルギで立位姿勢を可能にする)。一例では、姿勢最適化の間、非融合セグメントにおける胸椎及び腰椎の補正の角度、骨盤傾斜、及び既知の屈曲は、解が見出されるまで同時に最適化される。一例では、制御ユニット122は、ワークフロー600に示されるように、逆-逆ダイナミクスアプローチを実装するように構成される。
【0036】
図6を参照すると、ブロック602によって示されるように、制御ユニット122は、本明細書に記載されるように、患者にカスタマイズされた生体力学的モデル(例えば、生体力学的モデル200)を受信するように構成される。一例では、ユーザは、生体力学的モデルが、足首の上に質量中心を維持し、一定の水平注視を維持し、姿勢筋エネルギが最小化される姿勢で立ち、イメージング中の患者にマッチする腕の位置を有し、冠状面変形を有さない、又はこれらの論理パラメータの任意の組み合わせを有するように、1つ又は複数の論理パラメータを適用することを選択し得る。
【0037】
ブロック604によって示されるように、制御ユニット122は、運動学的解析を行うように構成される。一例では、運動学的解析は、患者の典型的な活動(例えば、座る、立つ、歩くなど)及び基本的な人体の動きのために、全身のセグメントの位置、速度及び加速度をシミュレートすることを含む。一例では、制御ユニットは、患者の解剖学的特性を用いて外科的矯正(例えば、椎体302、304の間のインプラント510の挿入)をシミュレートするように構成される。例として、患者の解剖学的特性は、椎体のサイズ及び形状、筋肉付着部位、並びに関節回転中心の位置を含み得る。
【0038】
ブロック606によって示されるように、制御ユニット122は、1つ又は複数の運動方程式を決定するように構成される。一例では、1つ又は複数の運動方程式は、生体力学的モデル200の様々な要素の位置、速度、及び加速度のうちの1つ又は複数を決定することに向けられ得る。別の例では、1つ又は複数の運動方程式は、生体力学的モデル200の様々な要素に作用する力及びトルクの1つ又は複数を決定することに向けられ得る。
【0039】
ブロック608に示されるように、制御ユニット122は、筋肉補充問題(muscle recruitment problem)を解くように構成される。一例では、筋肉補充問題は、対象の1つ又は複数の姿勢に対応する筋肉の力データ又は筋活動(muscle activation)データの最適化を含み得る。
【0040】
ブロック610に示されるように、制御ユニット122は、ワークフロー600の前のステップで決定された筋肉及び関節の力を出力するように構成される。ブロック612によって示されるように、制御ユニット122は、姿勢最適性基準が満たされているかどうかを決定するように構成される。姿勢最適性基準が満たされている場合、ワークフロー600はブロック618で終了する。さもなければ、制御ユニット122はワークフロー600のブロック614に進む。例えば、姿勢最適性基準は、最小の筋努力、最小の矢状方向の不均衡、及び1つ又は複数の椎体への最小の荷重のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0041】
ブロック614によって示されるように、制御ユニット122は、最適化された変数を更新するように構成される。一例では、最適化された変数は、脊椎-骨盤パラメータ、腰椎補正、胸椎補正、頚椎補正、骨盤傾斜、股関節屈曲、膝屈曲、足首屈曲、又は体の重心の位置を含み得る。
【0042】
ブロック616によって示されるように、制御ユニットは、1つ又は複数の姿勢測定値を決定するように構成される。例えば、姿勢測定値は、胸郭補正、腰椎補正、骨盤傾斜、及び膝屈曲のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0043】
図7は、本明細書に記載される少なくとも1つ又は複数の実施形態による、手術処置中の例示的方法のフロー図である。各図のブロックは、順番に示されているが、ブロックは、いくつかの例においては、並列に、及び/又はそこに記載されているものとは異なる順序で実行され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに結合され得る、追加のブロックに分割され得る、及び/又は除去され得る。
【0044】
さらに、図7のフロー図は、本実施形態の可能な実施形態の機能及び動作を示す。この点に関し、各ブロックは、特定の論理機能又はプロセス内のステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ又は複数の命令を含む、モジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスク又はハードドライブを含む記憶装置のような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、又はランダムアクセスメモリ(RAM)のような短時間データを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体、及び/又は、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、光学若しくは磁気ディスク、又はコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)のような永続的長期記憶装置を含み得る。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性又は不揮発性記憶システムであり得る又はこれらを含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、有形記憶装置、又は他の製造品と考えられ得る。
【0045】
代替的には、図7の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線された回路を表し得る。図7に示されるような例示的な方法は、全体的に又は部分的に、クラウド及び/又は図1のシステム100内の1つ又は複数のコンポーネントによって実行され得る。しかし、例示的な方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、他のエンティティ又はエンティティの組み合わせ(すなわち、他のコンピューティングデバイス及び/又はコンピュータデバイスの組み合わせ)によって代わりに実行され得ることを理解されたい。例えば、図7の方法の機能は、コンピューティングデバイス(又は、1つ又は複数のプロセッサなどのコンピューティングデバイスのコンポーネント)によって完全に実行され得る、又は、コンピューティングデバイスの複数のコンポーネントにわたって、複数のコンピューティングデバイス(例えば、図1の制御ユニット122)にわたって、及び/又は、サーバにわたって分散され得る。
【0046】
図7を参照すると、手術処置中の例示的方法700は、ブロック702~708によって示されるように、1つ又は複数の操作、機能、又は動作を含み得る。一実施形態では、方法700は、図1のシステム100によって全体的に又は部分的に実装される。別の実施形態によれば、方法700は、図1のシステム100の1つ又は複数のコンポーネントと通信し得る手術室内のコンピューティングデバイスによって全体的又は部分的に実装される。さらに別の実施形態によれば、方法700は、例えば、外科医のオフィス又は手術計画が行われる任意の場所など、手術室又は手術現場の外のコンピューティングデバイスによって全体的又は部分的に実施される。
【0047】
ブロック702によって示されるように、方法700は、生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を、実際の患者のX線写真の1つ又は複数の椎体に整列させるステップを含む。一例では、生体力学的モデルは、対象の筋骨格モデルを含む。一例では、筋骨格モデルは、脊椎-骨盤パラメータ、靭帯パラメータ、及び関節運動学のうちの1つ又は複数を含む。一例では、筋骨格モデルの処理は、逆-逆ダイナミクスモデリングを含む。別の例では、この方法はまた、X線写真の1つ又は複数の椎体に基づいて矢状面湾曲プロファイル(sagittal curvature profile)を生成することを含む。一例では、生体力学的モデルの1つ又は複数の椎体を整列させることは、矢状面湾曲プロファイルにマッチするように生体力学的モデルを修正することを含む。一例として、生体力学的モデルを修正することは、1つ又は複数の椎体をスケーリングすること、1つ又は複数の椎体の位置を調整すること、及びシミュレートされた対象の解剖学的構造をモーフィングすることのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0048】
ブロック704によって示されるように、方法700は、1つ又は複数の脊椎矯正入力を受信することを含む。一例では、1つ又は複数の脊椎矯正入力は、1つ又は複数の椎体間の椎間高さ及び角度における1つ又は複数の変化を含む。一例では、1つ又は複数の脊椎矯正入力は、1つ又は複数の椎体間の1つ又は複数の脊柱インプラントをシミュレートすることを含む。別の例では、1つ又は複数の脊柱補正入力は、複数の椎体の間の1つ又は複数の椎間板の除去をシミュレートすることを含む。
【0049】
ブロック706によって示されるように、方法700は、受信された1つ又は複数の脊椎矯正入力に基づいて、所定の姿勢で生体力学的モデルをシミュレートすることを含む。一例では、所定の姿勢は、立位姿勢である。一例では、立位姿勢は、生体力学的モデル内の質量中心(center of mass)の位置に従って決定される。別の例では、所定の姿勢は、座位姿勢である。
【0050】
ブロック708によって示されるように、方法700は、シミュレートされた生体力学的モデルの1つ又は複数の特性の表示を提供することを含む。一例では、シミュレーション生体力学的モデルの特性は、患者における筋活動の値、前弯の値、後弯の値、及びコブ(Cobb)角の値の任意の組み合わせを含み得る。別の例では、1つ又は複数の特性は、最小の筋努力、最小の矢状方向の不均衡、及び1つ又は複数の椎体への最小の荷重に対応する1つ又は複数の値を含み得る。
【0051】
図8は、例示的な実施形態に従って構成された例示的なコンピュータ可読媒体を示す。例示的な実施形態では、例示のシステムは、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数の形式のメモリ、1つ又は複数の入力デバイス/インターフェース、1つ又は複数の出力デバイス/インターフェース、及び1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときにシステムに上述の様々な機能、タスク、能力などを実行させる機械可読命令を含み得る。
【0052】
上述のように、いくつかの実施形態では、開示された技術は、機械可読フォーマットでコンピュータ可読記憶媒体上に、又は他の媒体もしくは製造物品上に符号化されたコンピュータプログラム命令によって実装され得る。図8は、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、コンピュータプロセスをコンピューティングデバイス上で実行するためのコンピュータプログラムを含む、例示的なコンピュータプログラム製品の概念的部分図を示す概略図である。
【0053】
一実施形態では、例示的なコンピュータプログラム製品800は、信号伝達媒体802を用いて提供される。信号伝達媒体802は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、図1~7に関して上述した機能又は機能の一部を提供し得る1つ又は複数のプログラミング命令804を含み得る。いくつかの例では、信号伝達媒体802は、限定されるものではないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ等のようなコンピュータ可読媒体806であり得る。幾つかの実装では、信号伝達媒体802は、限定されるものではないが、メモリ、読み出し/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等のような、コンピュータ記録可能媒体808であり得る。いくつかの実装では、信号伝達媒体802は、通信媒体810(例えば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンクなど)であり得る。したがって、例えば、信号伝達媒体802は、無線形態の通信媒体810によって搬送され得る。
【0054】
1つ又は複数のプログラミング命令804は、例えば、コンピュータ実行可能命令及び/又は論理実装命令であり得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、コンピュータ可読媒体806、コンピュータ記録可能媒体808、及び/又は通信媒体810のうちの1つ又は複数によってコンピューティングデバイスに伝達されたプログラミング命令804に応答して、種々の操作、機能、又は動作を提供するように構成され得る。
【0055】
コンピュータ可読媒体806はまた、互いに離れて配置され得る複数のデータ記憶要素の間に分散され得る。記憶された命令の一部又は全部を実行するコンピューティングデバイスは、外部コンピュータ、又はスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどのようなモバイルコンピューティングプラットフォームであってもよい。あるいは、記憶された命令の一部又は全部を実行するコンピューティングデバイスは、サーバのような遠隔に配置されたコンピュータシステムであってもよい。
【0056】
本明細書に記載される構成は、単に例示の目的のためのものであることが理解されるべきである。したがって、当業者であれば、他の構成及び他の要素(例えば、マシン、インターフェース、機能、命令、及び機能のグループ化など)を代わりに使用することができ、所望の結果に従って一部の要素が完全に省略され得ることを理解するであろう。さらに、記載される要素の多くは、任意の適切な組み合わせ及び位置において、別個の若しくは分散コンポーネントとして、又は他のコンポーネントと共に実装され得る機能的実体であり、又は独立した構造として記載される他の構造要素は組み合わされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】