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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(54)【発明の名称】中空体の成形用補助具及び成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/20 20060101AFI20220225BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20220225BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
B29C49/20
B29C49/04
B29C49/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540836
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2020071102
(87)【国際公開番号】W WO2020147640
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】201910036566.2
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514191184
【氏名又は名称】亜普汽車部件股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】YAPP AUTOMOTIVE SYSTEMS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】508th Yangzijiang South Road Yangzhou, Jiangsu 225009, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】姜 林
(72)【発明者】
【氏名】徐 松俊
(72)【発明者】
【氏名】呉 陸順
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲とく▼俊
(72)【発明者】
【氏名】仰 忠亜
(72)【発明者】
【氏名】張 超
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AD18
4F208AG07
4F208AH16
4F208AH17
4F208LA01
4F208LA07
4F208LA09
4F208LB01
4F208LB12
4F208LD15
4F208LG04
4F208LG22
4F208LH06
4F208LJ05
4F208LJ09
(57)【要約】
本発明は、本体(100)と、本体(100)に固定接続される接続体(500)と、本体(100)の一方の面に固設され、補強ハウジングの半分を位置決めするために用いられる第1のマスターモデルアセンブリ(200)と、本体(100)の他方の面に固設され、補強ハウジングの残りの半分を位置決めするために用いられる第2のマスターモデルアセンブリ(300)と、第1のマスターモデルアセンブリ(200)と第2のマスターモデルアセンブリ(300)に設けられる位置決め機構と、を含む中空体の成形用補助具、及び成形方法を開示している。本発明により提供される中空体の成形用補助具及び成形方法は、補強ハウジングの位置決めを実現し、補強ハウジング及びパリソンの成形品質を確保することができ、また、複数のシリンダにより段階的に駆動することなく、マニピュレータによりキャビティにおける補強ハウジングの位置を正確に位置決めすることができるとともに、複数のシリンダを併用して連動させる場合に、シリンダのどこかでねじが緩むことによって成形金型に入れられた補強ハウジングに位置ずれが発生するという問題を回避することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に固定接続される接続体と、前記本体の一方の面に固設され、補強ハウジングの半分を位置決めするために用いられる第1のマスターモデルアセンブリと、前記本体の他方の面に固設され、補強ハウジングの残りの半分を位置決めするために用いられる第2のマスターモデルアセンブリと、前記第1のマスターモデルアセンブリと前記第2のマスターモデルアセンブリに設けられる位置決め機構と、を含む、ことを特徴とする中空体の成形用補助具。
【請求項2】
前記位置決め機構は、前記第1のマスターモデルアセンブリと第2のマスターモデルアセンブリにおける所定の位置に設けられる真空チャックを含み、前記位置決め機構は、前記第1のマスターモデルアセンブリと第2のマスターモデルアセンブリにおける所定の位置に設けられる誘導スイッチを更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の中空体の成形用補助具。
【請求項3】
前記本体は第1の支持板、第2の支持板及び接続板を含み、前記第1の支持板と第2の支持板は前記接続板により固定接続され、前記第1の支持板と、前記第2の支持板と、前記接続板との間には収容空間が形成され、前記第1のマスターモデルアセンブリは前記第1の支持板に設けられ、前記第2のマスターモデルアセンブリは前記第2の支持板に設けられ、前記接続板には、複数の貫通孔が均一に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の中空体の成形用補助具。
【請求項4】
前記第1のマスターモデルアセンブリは第1のマスターモデル、第2のマスターモデル及び第3のマスターモデルを含み、前記第1のマスターモデル、第2のマスターモデル及び第3のマスターモデルはいずれも前記本体に取り外し可能に固設され、前記第2のマスターモデルアセンブリは第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルを含み、前記第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルはいずれも前記本体に取り外し可能に固設される、ことを特徴とする請求項1に記載の中空体の成形用補助具。
【請求項5】
前記本体に取り外し可能に設けられるバッキングプレートを更に含み、前記第1のマスターモデルアセンブリと前記第2のマスターモデルアセンブリの両方は、それぞれ前記バッキングプレートに固設され、前記接続体は固定ベース、第1のフランジ、支持柱及び第2のフランジを含み、前記固定ベースには、前記本体に固定接続されるクランプジョーが設けられ、前記第1のフランジは前記固定ベースに固定接続され、前記支持柱の一端は前記第1のフランジに固定接続され、前記支持柱の他端は前記第2のフランジに固定接続され、前記第2のフランジはマニピュレータとの固定接続のために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の中空体の成形用補助具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の中空体の成形用補助具を用いた中空体の成形方法であって、補強ハウジングの半分を前記第1のマスターモデルアセンブリに固定する工程と、補強ハウジングの残りの半分を前記第2のマスターモデルアセンブリに固定する工程と、マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する工程と、溶融した筒状パリソンのブランキングを完了する工程と、前記筒状パリソンの開口側をシールする工程と、前記筒状パリソンに対して予備ブローを行うことにより、前記筒状パリソンを予備膨張させる工程と、成形金型を閉じるように制御する工程と、前記筒状パリソンに対して高圧ブローを行うことにより、溶融した筒状パリソンと前記補強ハウジングとを貼り合わせ、一体的に溶接する工程と、溶融した筒状パリソンを冷却して成形する工程と、成形金型を開けるように制御し、成形した中空体を取り出す工程と、を含む、ことを特徴とする中空体の成形方法。
【請求項7】
マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する前記工程は、具体的には、マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間の位置まで移動させるように駆動することと、左半分の金型と右半分の金型を互いに近接する方向へ閉じるように制御することにより、前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを左半分の金型と右半分の金型にそれぞれ吸着固定することと、左半分の金型と右半分の金型を開けるように制御することと、マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動することと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の中空体の成形方法。
【請求項8】
マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する前記工程は、具体的には、マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、前記中空体の成形用補助具の一方の側における補強ハウジングを左半分の金型に吸着固定することと、マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を右半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、前記中空体の成形用補助具の他方の側における補強ハウジングを右半分の金型に吸着固定することと、マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動することと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の中空体の成形方法。
【請求項9】
前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングと、前記左半分の金型及び右半分の金型との間にそれぞれ負圧を設定することにより、前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを前記左半分の金型と前記右半分の金型にそれぞれ吸着固定する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の中空体の成形方法。
【請求項10】
筒状パリソンをブランキングする過程において、パリソン保温装置により前記筒状パリソンを保温することを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の中空体の成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空体製造の技術分野に関し、特に中空体の成形用補助具及び成形方法に関している。
【背景技術】
【0002】
プラグインハイブリッド車及び航続距離延長型電気自動車は通常、モータで駆動されるため、エンジンが長期間作動しない状態にある。昼夜の温度差による温度変化や燃料タンクの内部の熱交換に伴い、燃料タンク内の燃料(例えばガソリン)に大きな温度差が発生し、燃料タンクの内部の蒸気圧が上昇してしまう。したがって、燃料タンクの耐圧性に対する要求が高まっている。
【0003】
従来技術では、燃料タンクの耐圧性を向上させるために、通常、燃料タンクの内部には、燃料タンクの壁板を支持するための支持柱が設けられている。しかし、支持柱を設けることによる燃料タンクの耐高圧レベルの向上効果が限られており、その製造プロセスの安定性が低く、落下・衝撃試験における性能が要求を満たすことが困難である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、中空体の成形用補助具及び成形方法を提供することにより、上記の従来技術における問題を解決し、中空体の製造品質及び耐圧性能を向上させることを目的とする。
【0005】
本発明は、
本体と、
前記本体に固定接続される接続体と、
前記本体の一方の面に固設され、補強ハウジングの半分を位置決めするために用いられる第1のマスターモデルアセンブリと、
前記本体の他方の面に固設され、補強ハウジングの残りの半分を位置決めするために用いられる第2のマスターモデルアセンブリと、
前記第1のマスターモデルアセンブリと前記第2のマスターモデルアセンブリに設けられる位置決め機構と、を含む、中空体の成形用補助具を提供している。
【0006】
上記した中空体の成形用補助具では、好ましくは、前記位置決め機構は、前記第1のマスターモデルアセンブリと第2のマスターモデルアセンブリにおける所定の位置に設けられる真空チャックを含み、
前記位置決め機構は、前記第1のマスターモデルアセンブリと第2のマスターモデルアセンブリにおける所定の位置に設けられる誘導スイッチを更に含む。
【0007】
上記した中空体の成形用補助具では、好ましくは、前記本体は第1の支持板、第2の支持板及び接続板を含み、前記第1の支持板と第2の支持板は前記接続板により固定接続され、前記第1の支持板と、前記第2の支持板と、前記接続板との間には収容空間が形成され、
前記第1のマスターモデルアセンブリは前記第1の支持板に設けられ、前記第2のマスターモデルアセンブリは前記第2の支持板に設けられ、
前記接続板には、複数の貫通孔が均一に設けられる。
【0008】
上記した中空体の成形用補助具では、好ましくは、前記第1のマスターモデルアセンブリは第1のマスターモデル、第2のマスターモデル及び第3のマスターモデルを含み、前記第1のマスターモデル、第2のマスターモデル及び第3のマスターモデルはいずれも前記本体に取り外し可能に固設され、
前記第2のマスターモデルアセンブリは第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルを含み、前記第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルはいずれも前記本体に取り外し可能に固設される。
【0009】
上記した中空体の成形用補助具では、好ましくは、前記本体に取り外し可能に設けられるバッキングプレートを更に含み、前記第1のマスターモデルアセンブリと前記第2のマスターモデルアセンブリの両方は、それぞれ前記バッキングプレートに固設され、
前記接続体は固定ベース、第1のフランジ、支持柱及び第2のフランジを含み、
前記固定ベースには、前記本体に固定接続されるクランプジョーが設けられ、
前記第1のフランジは前記固定ベースに固定接続され、
前記支持柱の一端は前記第1のフランジに固定接続され、前記支持柱の他端は前記第2のフランジに固定接続され、
前記第2のフランジはマニピュレータとの固定接続のために用いられる。
【0010】
本発明は、本発明により提供される中空体の成形用補助具を用いた中空体の成形方法であって、
補強ハウジングの半分を前記第1のマスターモデルアセンブリに固定する工程と、
補強ハウジングの残りの半分を前記第2のマスターモデルアセンブリに固定する工程と、
マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する工程と、
溶融した筒状パリソンのブランキングを完了する工程と、
前記筒状パリソンの開口側をシールする工程と、
前記筒状パリソンに対して予備ブローを行うことにより、前記筒状パリソンを予備膨張させる工程と、
成形金型を閉じるように制御する工程と、
前記筒状パリソンに対して高圧ブローを行うことにより、溶融した筒状パリソンと前記補強ハウジングとを貼り合わせ、一体的に溶接する工程と、
溶融した筒状パリソンを冷却して成形する工程と、
成形金型を開けるように制御し、成形した中空体を取り出す工程と、を含む、中空体の成形方法を更に提供している。
【0011】
上記した中空体の成形方法では、好ましくは、マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する前記工程は、具体的には、
マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間の位置まで移動させるように駆動することと、
左半分の金型と右半分の金型を互いに近接する方向へ閉じるように制御することにより、前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを左半分の金型と右半分の金型にそれぞれ吸着固定することと、
左半分の金型と右半分の金型を開けるように制御することと、
マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動することと、を含む。
【0012】
上記した中空体の成形方法では、好ましくは、マニピュレータを制御し、前記補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように前記中空体の成形用補助具を駆動する前記工程は、具体的には、
マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、前記中空体の成形用補助具の一方の側における補強ハウジングを左半分の金型に吸着固定することと、
マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を右半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、前記中空体の成形用補助具の他方の側における補強ハウジングを右半分の金型に吸着固定することと、
マニピュレータを制御し、前記中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動することと、を含む。
【0013】
上記した中空体の成形方法では、好ましくは、
前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングと、左半分の金型及び右半分の金型との間にそれぞれ負圧を設定することにより、前記中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを左半分の金型と右半分の金型にそれぞれ吸着固定する。
上記した中空体の成形方法では、好ましくは、筒状パリソンをブランキングする過程において、
パリソン保温装置により前記筒状パリソンを保温することを更に含む。
【0014】
本発明により提供される中空体の成形用補助具及び成形方法は、第1のマスターモデルアセンブリ及び第2のマスターモデルアセンブリにより補強ハウジングの位置決めを実現し、補強ハウジング及びパリソンの成形品質を確保することができ、また、複数のシリンダにより段階的に駆動することなく、マニピュレータによりキャビティにおける補強ハウジングの位置を正確に位置決めすることができるとともに、複数のシリンダを併用して連動させる場合に、シリンダのどこかでねじが緩むことによって成形金型に入れられた補強ハウジングに位置ずれが発生するという問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を更に詳細に説明する。
図1】本発明の実施例により提供される中空体の成形用補助具の構造模式図である。
図2】本発明の実施例により提供される中空体の成形用補助具の平面図である。
図3】本発明の実施例により提供される中空体の成形用補助具の側面図である。
図4】本発明の実施例により提供される中空体の成形方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。上記の実施例の例は添付の図面において示され、同一又は類似の参照符号は、常に同一若しくは類似の要素、又は同一若しくは類似の機能を有する要素を示している。以下に図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を制限するものとして解釈することはできない。
【0017】
図1図3に示されるように、本発明の実施例は、本体100、接続体500、第1のマスターモデルアセンブリ200、第2のマスターモデルアセンブリ300及び位置決め機構を含む中空体の成形用補助具を提供している。接続体500は本体100に固定接続される。第1のマスターモデルアセンブリ200は本体100の一方の面に固設され、補強ハウジングの半分を位置決めするために用いられる。第2のマスターモデルアセンブリ300は本体100の他方の面に固設され、補強ハウジングの残りの半分を位置決めするために用いられる。位置決め機構は第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300に設けられる。
【0018】
作業過程において、補強ハウジングの半分を第1のマスターモデルアセンブリ200に固定し、補強ハウジングの残りの半分を第2のマスターモデルアセンブリ300に固定することができ、位置決め機構により成形前の補強ハウジングの位置決めを実現することができる。この中空体の成形用補助具は接続体500によりマニピュレータに固定することができ、マニピュレータによりこの中空体の成形用補助具を移動させるように駆動することで、補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むことができる。この中空体の成形用補助具がキャビティにおける所定の位置に到達すると、補強ハウジングとキャビティの内壁との間で真空引きすることにより、補強ハウジングをキャビティの内壁に吸着固定することができ、続いて、その後のキャビティでのブランキング及び成形のために、マニピュレータによりこの中空体の成形用補助具をキャビティ外に移動させるように駆動することができる。従来技術に比べて、この中空体の成形用補助具は、複数のシリンダにより段階的に駆動することなく、マニピュレータによりキャビティにおける補強ハウジングの位置を正確に位置決めすることができるとともに、複数のシリンダを併用して連動させる場合に、シリンダのどこかでねじが緩むことによって成形金型に入れられた補強ハウジングに位置ずれが発生するという問題を回避することができる。
【0019】
具体的には、位置決め機構は、第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300における所定の位置に設けられる真空チャック400を含んでもよい。補強ハウジングを第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300に配置する時、真空チャック400により補強ハウジングを吸着固定することで、位置決めを実現することができ、また、その後の成形金型のキャビティへの搬送時の安定性に寄与している。補強ハウジングの吸着の信頼性を更に確保するために、第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300の両方とも、真空チャック400が複数設けられてもよい。
【0020】
更に、位置決め機構は、第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300における所定の位置に設けられる誘導スイッチ600を更に含んでもよい。誘導スイッチ600により、補強ハウジングが第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300における所定の位置に確実に取り付けられることを確保することができる。
【0021】
図1に示されるように、第1のマスターモデルアセンブリ200は第1のマスターモデル210、第2のマスターモデル220及び第3のマスターモデル230を含んでもよく、第1のマスターモデル210、第2のマスターモデル220及び第3のマスターモデル230はいずれも本体100に取り外し可能に固設される。第2のマスターモデルアセンブリ300は第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルを含んでもよく、第4のマスターモデル、第5のマスターモデル及び第6のマスターモデルはいずれも本体100に取り外し可能に固設される。そのため、複数のマスターモデルを設けることにより、補強ハウジングにおける所定の箇所を相応的に位置決めすることができると同時に、各マスターモデルを着脱・交換しやすくなり、異なる補強ハウジングの位置決めニーズを満たし、この中空体の成形用補助具の汎用性を実現することができる。
【0022】
ここで、補強ハウジングの表面との貼り合わせと位置決めを容易にするために、マスターモデルにおける位置決め面の形状が補強ハウジングの位置決め面の形状と一致してもよいことは理解できる。
【0023】
更に、本体100の構造強度を向上させるために、本体100は第1の支持板110、第2の支持板120及び接続板130を含んでもよく、第1の支持板110と第2の支持板120は接続板130により固定接続され、第1の支持板110と、第2の支持板120と、接続板130との間には収容空間が形成される。第1のマスターモデルアセンブリ200は第1の支持板110に設けられ、第2のマスターモデルアセンブリ300は第2の支持板120に設けられる。上記収容空間には、真空チャック400に真空吸着力を提供するための真空ポンプが設けられてもよく、また、上記収容空間は、ワイヤーハーネスを収容するために用いることができ、これによって、この中空体の成形用補助具の外部に占める空間を小さくした。また、接続板130には、ワイヤーハーネスの出し入れ及び収容空間内の真空ポンプなどの部材のデバッグを容易にするために、複数の貫通孔131が均一に設けられてもよい。
【0024】
更に、この中空体の成形用補助具は、本体100に取り外し可能に設けられるバッキングプレート700を更に含み、第1のマスターモデルアセンブリ200と第2のマスターモデルアセンブリ300の両方は、それぞれバッキングプレート700に固設される。そのため、第1のマスターモデルアセンブリ200及び第2のマスターモデルアセンブリ300を損傷することなく、第1のマスターモデルアセンブリ200及び第2のマスターモデルアセンブリ300を容易に着脱することができる。
【0025】
具体的には、接続体500は固定ベース510、第1のフランジ520、支持柱530及び第2のフランジ540を含んでもよい。固定ベース510には、本体100に固定接続されるクランプジョー511が設けられる。第1のフランジ520は固定ベース510に固定接続される。支持柱530の一端は第1のフランジ520に固定接続され、支持柱530の他端は第2のフランジ540に固定接続される。第2のフランジ540はマニピュレータとの固定接続のために用いられる。クランプジョー511はねじにより本体100に固定接続されてもよく、また、第1のフランジ520と第2のフランジ540を設けることにより、この中空体の成形用補助具とマニピュレータとの接続の信頼性も向上させた。
【0026】
図4に示されるように、本発明は、本発明の任意の実施例により提供される中空体の成形用補助具を用いた中空体の成形方法を更に提供し、この方法は以下の工程を含む。
工程S1:補強ハウジングの半分を第1のマスターモデルアセンブリに固定する。
工程S2:補強ハウジングの残りの半分を第2のマスターモデルアセンブリに固定する。
工程S3:マニピュレータを制御し、補強ハウジングを成形金型のキャビティ内に送り込むように中空体の成形用補助具を駆動する。
【0027】
具体的には、一実施例では、工程S3は具体的に以下の工程を含んでもよい。
【0028】
工程S301:マニピュレータを制御し、中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間の位置まで移動させるように駆動する。
【0029】
工程S302:左半分の金型と右半分の金型を互いに近接する方向へ閉じるように制御することにより、中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを左半分の金型と右半分の金型にそれぞれ吸着固定する。
【0030】
工程S303:左半分の金型と右半分の金型を開けるように制御する。
【0031】
工程S304:マニピュレータを制御し、中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動する。
【0032】
また、別の実施例では、工程S3は具体的に以下の工程を含んでもよい。
【0033】
工程S31:マニピュレータを制御し、中空体の成形用補助具を左半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、中空体の成形用補助具の一方の側における補強ハウジングを左半分の金型に吸着固定する。
【0034】
工程S32:マニピュレータを制御し、中空体の成形用補助具を右半分の金型の位置へ移動させるように駆動することにより、中空体の成形用補助具の他方の側における補強ハウジングを右半分の金型に吸着固定する。
【0035】
ここで、マニピュレータを右半分の金型の方向へ移動させてから、左半分の金型の方向へ移動させるように制御してもよく、本実施例ではこれを限定しない。
【0036】
工程S33:マニピュレータを制御し、中空体の成形用補助具を左半分の金型と右半分の金型との間以外に移動させるように駆動する。
【0037】
ここで、中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングと、左半分の金型及び右半分の金型との間にそれぞれ負圧を設定することにより、中空体の成形用補助具の両側における補強ハウジングを左半分の金型と右半分の金型にそれぞれ吸着固定することができる。そのため、負圧を設定することにより補強ハウジングを吸着固定することで、特定の構造により補強ハウジングを固定することによる傷などの問題を回避することができる。
【0038】
工程S4:溶融した筒状パリソンのブランキングを完了する。
【0039】
工程S5:筒状パリソンの開口側をシールする。
【0040】
工程S6:筒状パリソンに対して予備ブローを行うことにより、筒状パリソンを予備膨張させる。それにより、溶融したパリソン同士のブロッキングを防止することができるとともに、ブローピンをパリソンに挿入して高圧ブローを行うことが容易になる。
【0041】
工程S7:成形金型を閉じるように制御する。
【0042】
工程S8:筒状パリソンに対して高圧ブローを行うことにより、溶融した筒状パリソンと補強ハウジングとを貼り合わせ、一体的に溶接する。
【0043】
工程S9:溶融した筒状パリソンを冷却して成形する。具体的には、キャビティの内部へ循環冷却水を流すことにより冷却と成形を実現することができる。
【0044】
ここで、冷却過程における筒状パリソンの収縮を防止するために、筒状パリソンの冷却過程において筒状パリソンの内壁に対して持続的に高圧ブローを行うことができる。
【0045】
工程S10:成形金型を開けるように制御し、成形した中空体を取り出す。そのため、補強ハウジングとパリソンとの組合せで形成された中空体は、高い耐圧性能を有することができる。
【0046】
なお、筒状パリソンのブランキング過程における過度の熱損失を回避するために、パリソン保温装置により筒状パリソンを保温することができる。
【0047】
本発明の実施例により提供される中空体の成形用補助具及び成形方法は、第1のマスターモデルアセンブリ及び第2のマスターモデルアセンブリにより補強ハウジングの位置決めを実現し、補強ハウジング及びパリソンの成形品質を確保することができ、また、複数のシリンダにより段階的に駆動することなく、マニピュレータによりキャビティにおける補強ハウジングの位置を正確に位置決めすることができるとともに、複数のシリンダを併用して連動させる場合に、シリンダのどこかでねじが緩むことによって成形金型に入れられた補強ハウジングに位置ずれが発生するという問題を回避することができる。
【0048】
上記では、図面に示される実施例に基づいて本発明の構造、特徴及び作用や効果を詳細に説明したが、上記の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲は図面に示されるものによって限定されない。本発明の構想に基づいて行われる変更、又は同等の変更に補正された等価な実施例は、明細書及び図面に含まれる精神から逸脱しない限り、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0049】
100 : 本体
110 : 第1の支持板
120 : 第2の支持板
130 : 接続板
131 : 貫通孔
200 : 第1のマスターモデルアセンブリ
210 : 第1のマスターモデル
220 : 第2のマスターモデル
230 : 第3のマスターモデル
300 : 第2のマスターモデルアセンブリ
400 : 真空チャック
500 : 接続体
510 : 固定ベース
511 : クランプジョー
520 : 第1のフランジ
530 : 支持柱
540 : 第2のフランジ
600 : 誘導スイッチ
700 : バッキングプレート
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】