(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】穿孔構造
(51)【国際特許分類】
G09B 23/28 20060101AFI20220228BHJP
G01N 33/00 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G09B23/28
G01N33/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021538219
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2020050725
(87)【国際公開番号】W WO2020148238
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ ピエール
(72)【発明者】
【氏名】マジード ショアイブ
(72)【発明者】
【氏名】サンド アントニン
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー サンドロ
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032CA03
2C032CA06
(57)【要約】
模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造が本明細書に記載され、構造は、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔は分岐の開放終端部である。また、本明細書に記載の穿孔構造など、一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプも記載される。試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムにおけるポンプの使用も、このようなシステムの方法および使用と共に記載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造であって、前記構造が、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔が、前記一つ以上の分岐チャネルの開放終端部である、穿孔構造。
【請求項2】
各チャネルの分岐が叉状である、請求項1に記載の穿孔構造。
【請求項3】
n+1個の連続する分岐点後に存在する各チャネルの直径が、n個の分岐点後に存在するチャネルの直径以下である、請求項1または請求項2に記載の穿孔構造。
【請求項4】
n+1個の連続する分岐点後に存在するすべてのチャネルの総断面積が、n個の分岐点後のすべてのチャネルの総断面積以上であり、好ましくは、
前記構造が非対称である、または前記構造が放射対称性を有する、請求項1~3のいずれかに記載の穿孔構造。
【請求項5】
前記構造がモジュール式であり、および/または、
前記構造のすべてまたは一部が、金属および非多孔性合成材料を含む非多孔性材料、多孔質シリコンを含む多孔性材料、サーモゲルを含むゲル状材料、疎水性材料、親水性材料、両親媒性材料、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる群から選択される一つ以上の材料から形成される、および/または、
前記分岐チャネルのうちの一つ以上が、前記分岐チャネルの内部表面の一部またはすべてに一つ以上の被覆をさらに含み、および/または、
前記被覆のうちの一つ以上が、前記分岐チャネルのうちの一つ以上のすべてまたは一部中で増殖した細胞に水および栄養素を提供し、および/または、
前記分岐チャネルのうちの一つ以上の一部またはすべてが、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記構造の中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーで被覆される、および/または、
前記分岐チャネルのうちの一つ以上が、マトリクスを包含する細胞培養液、または前記構造の中の状態を監視するためのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れるために一つ以上の開口部をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の穿孔構造。
【請求項6】
ポート、およびポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプであって、前記一つ以上の分岐チャネルが、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される、ポンプ。
【請求項7】
前記一つ以上の分岐チャネルが、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記穿孔構造内に包含され、および/または、
前記ポンプが、ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記チャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成されたチャンバーを備え、
前記ポンプが、前記ポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備える、請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムであって、
(a)第一のポンプであって、
(i)試験雰囲気を含むガスの第一の容積を包含するように構成される、チャンバーと、
(ii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第一のポートを通る前記ガスの流れを調節するための弁を備える、前記第一のポートであって、前記弁が、開閉位置間を動くことが可能であり、前記開位置で前記弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開くことが可能な、第一のポートと、
(iii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第二のポートを通る前記ガスの流れを調節するための弁を備える、前記第二のポートであって、前記弁が、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、
(iv)前記チャンバーの中のピストンプレートであって、前記ピストンプレートが、前記チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、前記隙間のうちの一つ以上または各々が、開閉位置間を動くことが可能で、前記ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートと、
(v)前記第一のポンプの動作を制御するためのモーターと、を備える、第一のポンプと、
(b)第二のポンプであって、前記第二のポンプが請求項6または7に定義される、第二のポンプと、
(c)前記第一のポンプから前記第二のポンプの中へ、前記ガスを伝達するように動作可能な接続構造と、
(d)前記第一のポンプもしくは前記第二のポンプ、もしくは前記接続構造の壁、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中にある、一つ以上の開口部であって、前記開口部が、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記チャンバー中の状態の監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するためのモジュールを受け入れることができる、一つ以上の開口部と、を備える、システム。
【請求項9】
請求項6または7に記載の前記ポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用を含む、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法。
【請求項10】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための、請求項6または7に記載のポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用。
【請求項11】
請求項6または請求項7に記載のポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用を含む、模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法。
【請求項12】
模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための、請求項6または7に記載のポンプ、または請求項8に記載のシステムの使用。
【請求項13】
模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法であって、
(a)請求項6または請求項7に記載の前記ポンプまたは請求項8に記載の前記システムを提供することであって、前記ポンプまたはシステムが、前記モジュールのうちの一つ以上の中に、細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する、提供することと、
(b)前記試験雰囲気への曝露の前および/または後に、前記細胞の培養物および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーを比較することであって、前記細胞および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーの前記試験雰囲気への曝露の前および/または後における、前記細胞の培養物および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーの差は、前記試験雰囲気が細胞培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、比較することと、を含む、方法。
【請求項14】
請求項11もしくは請求項13の前記方法を実施するように構成される、または適合する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、とりわけ、呼吸気管およびその呼吸行為の構造および/または機能の模擬実験をすることに関する、装置、システム、方法、および使用に関する。本開示は、検査薬剤(例えば、試験雰囲気における吸入可能な薬剤)と呼吸気管との間の相互作用、ならびにエアロゾル力学および展開を調べるのに有用である。特に、本開示はヒトの呼吸気管の模擬実験をすることに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器系は、鼻および上気道から、ガス交換が行われる肺の肺胞表面へと走っている。吸入エアロゾルは、口から上気道を通って移動し、最終的に肺胞に達する。エアロゾルが呼吸気管の中へより深く移動すると、より可溶性のあるガスが吸収され、特定のエアロゾル粒子が気道および肺胞の中深くに堆積しうる。本開示の文脈において対象となる一つのある特定のエアロゾルは、模擬呼吸気管へのまたは模擬呼吸気管を通る煙の影響を研究しうるような、たばこの煙などの煙である。
【0003】
既存のエアロゾル曝露システムは、最も一般的には、連続的で一方向性のエアロゾルの流れ、または受動的な沈降のいずれかに依存する。連続的なエアロゾルの流れは、陽圧または陰圧によって発生し、エアロゾルは、生物学的試験システムへ垂直に方向付けられるか、または生物学的試験システムの平面と平行な方向に流出する。この曝露モードでの用量送達効率は、主に、曝露チャンバーの形状、および試験エアロゾルの流速の関数である。しかしながら、口、息止め時間、およびヒトの呼吸(すなわち、吸息および呼息)中に生じる動的流動パターンは、現行のエアロゾル曝露システムでは模擬実験できない。インビボ状況の典型的な用量送達、特に、粒子状およびガス状のエアロゾル成分の相対的な送達は、それゆえ、達成される可能性が低い。加えて、誘導気道の選別作用は、典型的な手段では模擬実験ができない。したがって、現行のエアロゾル曝露システムでは、同じエアロゾル粒子サイズ分布のエアロゾルが、例えば、気管支細胞培養および鼻汁培養で使用される。しかしながら、生体の中では、より大きいエアロゾル粒子は、主に上方呼吸気管でエアロゾルと相互作用し、そこから除去されるが、呼吸気管のより深い領域が、主により小さいエアロゾル粒子サイズおよびガス状成分に曝露する。加えて、連続的な流れの曝露システムでは、エアロゾルの希釈は、曝露チャンバー近傍の上流で、希釈空気を連続的にエアロゾルへ追加することによって達成される。しかしながら、喫煙行為を生物有機体の中のように模擬実験する場合、この希釈モードは、大容量の希釈空気と共に呼吸気管の中へ引っ張られる前に、非常に高密度のエアロゾルが、最大数秒間熟成することが可能になる、口での保持期間に対処しないため、生物体の典型ではない。
【0004】
受動的なエアロゾル沈降では、試験エアロゾルは、生物学的試験システムの底に位置する、チャンバーの中へ注入される。エアロゾルが注入されると、エアロゾルは、通常重力によって試験システム上に沈降することが可能になる。エアロゾル粒子の試験システムへの静電気引力を使用して、エアロゾル粒子の堆積を増大させてもよい。ナノサイズのエアロゾル粒子は、沈降効率が低いため、特に、静電気引力が必要とされうる。大きいエアロゾル粒子、小さいエアロゾル粒子、およびガス状エアロゾル成分の差分による相対的な送達は、生体の中で生じるプロセスの典型ではないため、ガス状成分だけでなく、様々なサイズおよび密度のエアロゾル粒子を包含する複合エアロゾルへの曝露は、受動的なエアロゾル沈降システムでは実施できない。
【0005】
呼吸気管を研究するための改善された模擬実験システム、特に複合気道モデルを含む呼吸気管を研究するための模擬実験システムに対する当技術分野における継続的な必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
吸入エアロゾルに対する、例えば、ヒトまたは動物からの誘導気道ツリーの効果を模擬実験する構造が本明細書に開示される。この構造は、制御不能な数の接続を同時に生成することなく、気道分岐世代の量を生物学的により関連するレベルまで増大させることを可能にする。気道モデルの異なるバージョンは、システムの全体的な機能に影響を及ぼすことなく、かつ模擬呼吸気管システムの他の部分に対する修正を必要とせずに使用されうる。呼吸気管を模擬実験するシステムと共に使用されて、例えば、任意の種類のエアロゾルが気道ツリーにおいてその基本的特性(例えば、粒子サイズ分布、粒子濃度または化学組成またはそれらの二つ以上の組み合わせ)をどのように変えるかを調査すること、または、エアロゾルが、エアロゾルドシメトリの文脈におけるヒト呼吸気管の上皮を表す表面上にどのように堆積するかを調査するための、インビトロの生体システムに対するその効果についての任意の種類のエアロゾルの分析または試験(例えば、インビトロのエアロゾル曝露システムでの用途)を可能にする。
【0007】
第一の態様では、模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造が提供され、構造は、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔は分岐の開放終端部である。
【0008】
さらなる態様では、模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造が提供され、構造は、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔は、一つ以上の分岐チャネルの開放終端部である。
【0009】
各チャネルの分岐は叉状であるのが適切である。
【0010】
n+1個の連続する分岐点後に存在する各チャネルの直径は、n個の分岐点後に存在するチャネルの直径以下であるのが適切である。
【0011】
n+1個の連続する分岐点後に存在するすべてのチャネルの総断面積は、n個の分岐点後のすべてのチャネルの総断面積以上であるのが適切である。
【0012】
構造は非対称であるか、または放射対称性を有するのが適切である。
【0013】
構造はモジュール式であるのが適切である。
【0014】
構造のすべてまたは一部は、金属および非多孔性合成材料を含む非多孔性材料、多孔質シリコンを含む多孔性材料、サーモゲルを含むゲル状材料、疎水性材料、親水性材料、両親媒性材料、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる群から選択される一つ以上の材料から形成されるのが適切である。
【0015】
分岐チャネルのうちの一つ以上は、分岐チャネルの内部表面の一部またはすべてに、分岐チャネルのうちの一つ以上のすべてまたは一部中で増殖した細胞に水および栄養素を提供するための被覆または複数の被覆などの、一つ以上の被覆をさらに含むことが適切である。
【0016】
分岐チャネルのうちの一つ以上の一部またはすべては、細胞培養液を含むマトリクスで被覆される、または構造の中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを含むのが適切である。
【0017】
分岐チャネルのうちの一つ以上は、細胞培養液を含むマトリクス、および/または構造の中の状態を監視するため、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部をさらに備えるのが適切である。
【0018】
細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。
【0019】
さらなる態様では、ポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプが提供され、分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される。
【0020】
さらなる態様では、ポート、およびポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプが提供され、一つ以上の分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される。
【0021】
さらなる態様では、外部部品および内部部品、ポート、およびポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるさせるためのポンプが提供され、一つ以上の分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される。
【0022】
分岐構造は、本開示による穿孔構造内に包含されるのが適切である。
【0023】
一つ以上の分岐チャネルは、本開示による穿孔構造内に包含されるのが適切である。
【0024】
分岐構造は気道モデルを再現するのが適切である。
【0025】
ポンプは、ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成されたチャンバーを備えるのが適切である。
【0026】
ポンプは、ポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備えるのが適切である。ポンプは、ピストンポンプであるのが適切である。
【0027】
モジュールは、チャンバーの基部の中に位置するのが適切である。
【0028】
モジュールは、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0029】
モジュールは、細胞培養液を含むマトリクスを包含するように適合する、もしくは細胞培養液を含むマトリクスを保存するように構成される、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合する、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合する、またはガスをサンプリングするように適合する、またはガスを特徴付けるように適合するのが適切である。別の方法として、または追加的に、モジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーまたはプローブを包含するように適合する、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合された少なくとも一つのマイクロセンサーまたはプローブを保存するように構成される、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合する、またはガスをサンプリングするように適合する、またはガスを特徴付けるように適合する。
【0030】
一つ以上のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクス包含するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する。
【0031】
細胞培養液を含むマトリクスは、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元もしくは3次元培養物を備えるか、またはそれと接触するのが適切である。
【0032】
細胞培養液、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するように適合するモジュールは、マイクロ流体チャネル、および随意に、それに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備えるのが適切である。
【0033】
モジュールは、一つ以上のマイクロセンサーを包含する、または包含するように適合するのが適切である。
【0034】
モジュールは、水晶振動子マイクロバランスを備えるのが適切である。
【0035】
接続構造は、ポートへ接合するのが適切である。
【0036】
接続構造は中空であるのが適切である。
【0037】
ポンプは、ポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備えるのが適切である。
【0038】
ポンプ圧は、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当するのが適切である。
【0039】
ポンプの移動容積は、約0~1000mlまたは約1~約100mlであるのが適切である。
【0040】
ポンプはステンレス鋼を含むのが適切である。
【0041】
チャンバーはシリンダーであるのが適切である。
【0042】
チャンバーはガラスを含むのが適切である。
【0043】
チャンバーの容積は、肺内腔またはその一部の容積を表すのが適切である。
【0044】
さらなる態様では、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムが提供されており、システムは、(i)試験雰囲気を含むガスの第一の容積を包含するように構成される、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第一のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第一のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開くことが可能な、第一のポートと、(iii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第二のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第二のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、(iv)チャンバーの中のピストンプレートであって、ピストンプレートは、チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートと、(v)第一のポンプの動作を制御するためのモーターとを備える、(a)第一のポンプと、(b)本明細書に記載の第二のポンプと、(c)第一のポンプから第二のポンプの中へ、ガスを伝達するように動作可能な接続構造と、(d)第一のポンプもしくは第二のポンプ、もしくは接続構造の壁、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中にある、一つ以上の開口部であって、開口部は、細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するためのモジュールを受け入れることができる、または細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合された少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための、またはガスをサンプリングする、またはガスを特徴付けるように適合するプローブを保存するように構成される、一つ以上の開口部とを備える。
【0045】
ポンプは、ピストンプレートおよび基部を備える、ピストンポンプであるのが適切である。
【0046】
接続構造は中空であるのが適切である。
【0047】
接続構造は分岐しているのが適切である。
【0048】
接続構造の一つの終端分岐部は、第二のポンプへ接合され、一つ以上のさらなる終端分岐部は、別個のポンプへ接合されるのが適切であり、各別個のポンプは、(i)ガスの容積を包含するチャンバーであり、ガスの容積は、第二のポンプ中のガスの第二の容積と同じ容積である、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れて排出し、接続構造へ接合するためのポートと、(iii)ポンプの動作を制御するためのモーターとを備える。
【0049】
各別個のポンプは、第二のポンプと同じであるのが適切である。
【0050】
システムは、ハウジング、適切には、温度制御ハウジングの中に包含されるのが適切である。
【0051】
ハウジングの温度は、サーモスタットによって制御されるのが適切である。
【0052】
ハウジングの中の温度は、約37℃であるのが適切である。
【0053】
第一および第二のポンプの異なる容積は、呼吸気管、適切には、ヒトの呼吸気管の異なる区画の内部容積を表すのが適切である。
【0054】
別個のポンプの容積は、呼吸気管、適切には、ヒトの呼吸気管の異なる区画の内部容積を表すのが適切である。
【0055】
第一および第二のポンプの移動容積は、呼吸気管の対応する区画の中で、最大限に達成可能な容積取り込みと、少なくとも同じくらい大きいのが適切である。
【0056】
別個のポンプの移動容積は、呼吸気管の対応する区画の中で、最大限に達成可能な容積取り込みと、少なくとも同じくらい大きいのが適切である。
【0057】
モーターまたはポンプのポンプ圧は、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当しうるのが適切である。
【0058】
第一のポンプの移動容積は、約0~100mlまたは約1~100mlであるのが適切である。
【0059】
第二のポンプの移動容積は、約0~4000mlまたは約1~約4000mlであるのが適切である。
【0060】
ポンプはステンレス鋼を含むのが適切である。
【0061】
チャンバーはシリンダーであるのが適切である。
【0062】
チャンバーはガラスを含むのが適切である。
【0063】
第一のポンプのチャンバーは、第二のポンプのチャンバーよりも小さい容積を有するのが適切である。
【0064】
第一のポンプのチャンバーの容積は、口腔および中咽頭腔の容積を表すのが適切である。
【0065】
第二のポンプのチャンバーの容積は、肺内腔またはその一部の容積を表すのが適切である。
【0066】
接続構造の容積は、肺、適切には、ヒトの肺の誘導気道の容積を表すのが適切である。
【0067】
システムはさらに、システムの動作を同期化できる、コンピュータコントローラを備えるのが適切である。
【0068】
第一のポンプ、もしくは第二のポンプ、または接続構造のうちの一つ以上は、水晶振動子マイクロバランスを包含する、一つ以上のモジュールを備えるのが適切である。
【0069】
第一のポンプ、もしくは第二のポンプ、または接続構造の壁の中にある開口部は、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0070】
開口部のうちの一つ以上は、モジュールを包含するのが適切である。
【0071】
一つ以上のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクスを包含するように適合する、または細胞培養液を含むマトリクスを保存するように適合する、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合する、またはガスをサンプリングするように適合する、またはガスを特徴付けるように適合するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するように適合する、または、チャンバーの中の状態を監視するために少なくとも一つのマイクロセンサーを保存するように構成される、または、チャンバーの中の状態を監視するように適合する、または、ガスをサンプルするように適合する、または、ガスを特徴付けるように適合する。
【0072】
モジュールは、第一および/もしくは第二のポンプのピストンプレートの基部上、ならびに/または接続構造の壁の中に位置するのが適切である。
【0073】
一つ以上のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクス包含するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する。
【0074】
細胞培養液を含むマトリクスは、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元もしくは3次元培養物を備えるか、またはそれと接触するのが適切である。
【0075】
細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するように適合するモジュールは、マイクロ流体チャネル、および随意に、それに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備えるのが適切である。
【0076】
モジュールは、第一のポンプ、もしくは第二のポンプ、または接続構造の壁のうちの一つ以上の水平面の中に位置付けられるのが適切である。
【0077】
接続構造はステンレス鋼を含むのが適切である。
【0078】
第一のポンプのチャンバーは、約100mlの容積を有するのが適切である。
【0079】
第二のポンプのチャンバーは、約1リットルから約4リットルの容積を有するのが適切である。
【0080】
また、ガスの容積を移動させるためのポンプが記載されており、ポンプは、(i)ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含または保存するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成される、チャンバーと、(ii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを受け入れて排出するための、第一のポートであって、第一のポートを通るガスの流れを調節するための第一の弁を備え、第一の弁は、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開かれうる、第一のポートと、(iii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを受け入れて排出するための、第二のポートであって、第二のポートを通るガスの流れを調節するための第二の弁を備え、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、(iv)チャンバーの中のピストンプレートであって、ピストンプレートは、チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートとを備える。
【0081】
ポンプは、ピストンポンプであるのが適切である。
【0082】
チャンバーの中の一つ以上の開口部は、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0083】
一つ以上の開口部は、モジュールを備えるのが適切である。
【0084】
モジュールは、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0085】
一つ以上のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するように適合する、または、細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを保存する、またはチャンバーの中の状態を監視するように構成される、またはチャンバーの中の状態を監視するように適合する、またはガスをサンプリングするように適合する、またはガスを特徴付けるように適合するのが適切である。
【0086】
モジュールは、ポンプの基部上に位置するのが適切である。
【0087】
一つまたは複数のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクスを包含するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する。
【0088】
細胞培養液を含むマトリクスは、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元もしくは3次元培養物を備えるか、またはそれと接触するのが適切である。
【0089】
細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するように適合するモジュールは、マイクロ流体チャネル、および随意に、それに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備えるのが適切である。
【0090】
モジュールは、第一のポンプ、もしくは第二のポンプ、または接続構造の壁のうちの一つ以上の水平面の中に位置付けられるのが適切である。
【0091】
モジュールは、水晶振動子マイクロバランスを備えるのが適切である。
【0092】
ポンプはさらに、モーターを備えるのが適切である。
【0093】
ポンプ圧は、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当するのが適切である。
【0094】
ポンプの移動容積は、約0~100mlまたは約1~約100mlであるのが適切である。
【0095】
ポンプはステンレス鋼を含むのが適切である。
【0096】
チャンバーはシリンダーであるのが適切である。
【0097】
チャンバーはガラスを含むのが適切である。
【0098】
ポンプのチャンバーは、約100mlの容積を有するのが適切である。
【0099】
また、ガスの容積を移動させるためのピストンポンプが記載されており、ピストンポンプは、(i)ガスの容積を包含するように、およびチャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備える、ピストンプレートを包含するように構成される、チャンバーであって、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れるための第一のポートであって、第一のポートを通るガスの流れを調節するための第一の弁を備え、第一の弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第一のポートと、(iii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを排出するための第二のポートであって、第二のポートを通るガスの流れを調節するための第二の弁を備え、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートとを備える。チャンバーは基部を含み、もう一つの開口部を備えるのが適切である。
【0100】
開口部は、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0101】
開口部は、開口部のうちの一つ以上の中にモジュールを備えるのが適切である。
【0102】
モジュールは、ねじ式または非ねじ式であるのが適切である。
【0103】
モジュールは、細胞培養液を含むマトリクス、および/または、チャンバーの中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサーまたはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含または保存するように適合するのが適切である。
【0104】
一つまたは複数のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクスを包含するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する。
【0105】
細胞培養液を含むマトリクスは、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元または3次元培養物を備えるのが適切である。
【0106】
細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するように適合するモジュールは、マイクロ流体チャネル、および随意に、それに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備えるのが適切である。
【0107】
モジュールは、水晶振動子マイクロバランスを備えるのが適切である。
【0108】
接続構造は、第二のポートへ接合するのが適切である。
【0109】
接続構造は中空であるのが適切である。
【0110】
ポンプはさらに、モーターを備えるのが適切である。
【0111】
ポンプのポンプ圧は、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当するのが適切である。
【0112】
ポンプの移動容積は、約0~100mlまたは約1~約100mlであるのが適切である。
【0113】
ポンプはステンレス鋼を含むのが適切である。
【0114】
チャンバーはシリンダーであるのが適切である。
【0115】
チャンバーはガラスを含むのが適切である。
【0116】
ポンプのチャンバーは、約100mlの容積を有するのが適切である。
【0117】
さらなる態様では、本明細書に記載するポンプまたはシステムの使用を含む、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法が提供される。
【0118】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための、本明細書に記載するようなポンプまたはシステムの使用についても開示する。
【0119】
本明細書に記載するポンプまたはシステムの使用を含む、模擬呼吸気管におけるマトリクス中に包含される細胞の培養物または少なくとも一つのマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定するための方法についても開示する。
【0120】
模擬呼吸気管におけるマトリクス中に包含される細胞の培養物または少なくとも一つのマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定するための、本明細書に記載するポンプまたはシステムの使用についても開示する。
【0121】
さらなる態様では、模擬呼吸気管に包含されるマトリクス中の細胞の培養物または少なくとも一つのマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定するための方法について開示し、方法は、(a)本明細書に記載するようなポンプまたはシステムを提供することであって、ポンプまたはシステムは、モジュールのうちの一つ以上の中に、細胞の培養物を含むマトリクスまたは少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する、提供することと、(b)試験雰囲気への曝露の前および/または後に、細胞の培養物を含むマトリクスまたは少なくとも一つのマイクロセンサーを比較することであって、細胞またはマイクロセンサーの試験雰囲気への曝露の前および/または後における、細胞の培養物を含むマトリクスおよび/または少なくとも一つのマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞の培養物または少なくとも一つのマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、比較することと、を含む。
【0122】
さらなる態様は、本明細書に記載するシステムで、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法に関し、方法は、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、試験雰囲気を接続構造の中へ引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含む。
【0123】
本明細書に記載するシステムで、模擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定するための方法についてさらに開示し、方法は、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、接続構造を通って試験雰囲気を引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を、周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物を含むマトリクスまたは少なくとも一つのマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの、試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後における、細胞培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0124】
モジュールは、システム状態を監視するように、および/もしくはガスサンプリングに対して、ならびに/またはガスの特徴付けに対して適合し、方法は、モジュールから一つ以上の測定値を手に入れることを含むのが適切である。
【0125】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法についても開示し、方法は、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプの中へ、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを行うこととを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、細胞培養物に接触する。
【0126】
工程(d)は、定義される時間中、第二のポンプと、試験雰囲気をいまだに包含する接続構造の一部分との中に、試験雰囲気を保持することを含むのが適切である。
【0127】
ポンプは、ピストンプレートおよび基部を備える、ピストンポンプであるのが適切である。
【0128】
第一のポンプは、本開示の実施形態に定義される通りであるのが適切である。
【0129】
第二のポンプは、本開示の実施形態に定義される通りであるのが適切である。
【0130】
接続構造は、本開示の実施形態に定義される通りであるのが適切である。
【0131】
方法は、ハウジング、適切には、温度制御ハウジングの中で実施されるのが適切である。
【0132】
ハウジングの温度は、サーモスタットによって制御されるのが適切である。
【0133】
ハウジングの中の温度は、約37℃であるのが適切である。
【0134】
第一および第二のポンプの異なる容積は、呼吸気管、適切には、ヒトの呼吸気管の異なる区画の内部容積を表すのが適切である。
【0135】
第一および第二のポンプの移動容積は、呼吸気管の対応する区画の中で、最大限に達成可能な容積取り込みと、少なくとも同じくらい大きいのが適切である。
【0136】
ポンプ圧は、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当するのが適切である。
【0137】
第一のポンプの移動容積は、約0~100mlまたは約1~約100mlであるのが適切である。
【0138】
第二のポンプの移動容積は、約0~4000mlまたは約1~約4000mlであるのが適切である。
【0139】
第一のポンプのチャンバーは、第二のポンプのチャンバーよりも小さい容積を有するのが適切である。
【0140】
第一のポンプのチャンバーの容積は、口腔および中咽頭腔、適切には、ヒトの口腔および中咽頭腔の容積を表すのが適切である。
【0141】
第二のポンプのチャンバーの容積は、肺内腔またはその一部、適切には、ヒトの肺内腔またはその一部の容積を表すのが適切である。
【0142】
接続構造は、肺、適切には、ヒトの肺の誘導気道の容積を表すのが適切である。
【0143】
細胞の培養物を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーは、第一および/または第二のポンプのピストンプレートの基部上、および/または接続構造の壁の中に位置するのが適切である。
【0144】
細胞の培養物は、2次元または3次元培養物であるのが適切である。
【0145】
方法はさらに、第一のポンプ、もしくは第二のポンプ、または接続構造のうちの一つ以上の中で、その中に包含される一つ以上のモジュールを使用して、状態の、および/もしくはガスサンプリングのための、ならびに/またはガスの特徴付けのための監視を含むのが適切である。
【0146】
細胞の培養物を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを備えるチャンバーは、マイクロ流体チャネル、および随意に、そこに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備えるのが適切である。
【0147】
接続構造はステンレス鋼を含むのが適切である。
【0148】
第一のポンプのチャンバーは、約100mlの容積を有するのが適切である。
【0149】
第二のポンプのチャンバーは、約1リットルから約4リットルの容積を有するのが適切である。
【0150】
さらなる態様では、模擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定するための方法について記載し、方法は、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことであって、第二のポンプは本明細書に記載のポンプである、取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプを通って、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを実施することとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、または接続構造、または第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後の細胞培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0151】
モジュールは、システム状態を監視するように、および/もしくはガスサンプリングに対して、ならびに/またはガスの特徴付けに対して適合し、方法は、モジュールから一つ以上の測定値を手に入れることを含むのが適切である。
【0152】
また、少なくとも二つのポンプの間をガスが伝達するために、それらを接合するように適合する接続構造であって、接続構造の壁に、中空チャネル、およびまたはより多くのねじ式もしくは非ねじ式開口部を備える、接続構造も記載される。
【0153】
ねじ式開口部は、開口部のうちの一つ以上の中にねじ式モジュールを包含し、モジュールは、細胞培養液を包含するように適合し、もしくは細胞培養液を保存するように構成されるか、もしくはチャンバーの中の状態を監視するように適合し、もしくはチャンバーの中の状態を監視するように適合するか、またはガスをサンプリングするように適合し、もしくはガスを特徴付けるように適合するかであるのが適切である。
【0154】
一つまたは複数のモジュールは、細胞培養液を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するのが適切である。細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含するのが適切である。別の方法として、または追加的に、一つ以上のモジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する。
【0155】
細胞培養液は、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元もしくは3次元培養物を備えるか、またはそれと接触するのが適切である。
【0156】
細胞培養液を包含または保存するように適合するモジュールはさらに、マイクロ流体チャネル、および随意に、そこへ接続するマイクロ流体ポンプを備えるのが適切である。
【0157】
接続構造は中空であるのが適切である。
【0158】
接続構造は分岐しているのが適切である。
【0159】
接続構造の各終端分岐部は、別個のポンプへ接合できるのが適切である。
【0160】
接続構造は、肺、適切には、ヒトの肺の誘導気道の容積を表すのが適切である。
【0161】
モジュールは、接続構造の壁にある水平面の中に位置付けられるのが適切である。
【0162】
モジュールは、細胞の培養物、適切には、細胞の2次元または3次元培養物を含むマトリクスを包含するように適合するのが適切である。別の方法として、または追加的に、モジュールは、少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するように適合する。
【0163】
モジュールは、細胞の培養物を含むマトリクス、および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するためのチャンバーであり、チャンバーは、マイクロ流体チャネル、および随意に、そこに接続されるマイクロ流体ポンプを備えるのが適切である。
【0164】
モジュールは、接続構造中の状態の監視に対して、および/もしくはガスサンプリングに対して、ならびに/またはガスの特徴付けに対して適合するのが適切である。
【0165】
接続構造はステンレス鋼を含むのが適切である。
【0166】
本明細書に記載するポンプを備える、システムについても記載する。
【0167】
システムはさらに、本明細書に記載するような接続構造を備えるのが適切である。
【0168】
ポンプは接続構造によって接合するのが適切である。
【0169】
本明細書に記載する方法を行うように構成または適合する装置もまた、開示する。
【0170】
また、本明細書に記載されるような穿孔構造を製造する方法が開示される。
【0171】
穿孔構造は、少なくとも部分的に、3次元印刷によって製造されるのが適切である。
【0172】
穿孔構造は、モデリングによって形成されるのが適切である。
【0173】
穿孔構造はテンプレートから鋳造されるのが適切である。
【0174】
穿孔構造は、i)哺乳類の気管支気道の分岐構造を実質的に模倣する、ii)理想化した分岐構造である、またはiii)i)およびii)の組み合わせであるのが適切である。
【0175】
さらなる態様は、ポンプ内部の一つ以上のインシリコ分岐チャネルに関し、分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される。
【0176】
分岐構造は、本開示による穿孔構造内に包含されるのが適切である。
【0177】
分岐構造は気道モデルを再現するのが適切である。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造1の図であり、
図1Aは、模擬呼吸気管内のチャンバーのベースプレートの概略図であり、
図1Bは、セクションX~Xに沿った断面概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による穿孔構造1のモジュール構造を示す、
図1の模擬呼吸気管内のチャンバーのベースプレートの概略図である。
【
図3】
図3Aは、本開示の実施形態による擬似呼吸気管で使用するための穿孔構造1の概略図であり、
図3Bは、本開示の実施形態による、モジュール113、213が内部に挿入されうる曝露チャンバーとして機能する局所的な拡大部の拡大図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態によるシステム10の図である。本開示の実施形態による第一のポンプ40についてもまた、開示する。本開示の実施形態による第二のポンプ80についてもまた、開示する。本開示の実施形態による接続構造50についてもまた、開示する。
【
図5】
図5および6は、本開示の実施形態によるモジュール113、213の図である。
【0179】
いくつかの利点
本開示は、吸入可能な消費者製品の評価を可能にする、吸入毒物学および吸入療法などの分野に関連する、エアロゾル特性に対するインビボ気道の効果のインビトロ模擬試験で使用されうる。
【0180】
本開示は、安定し、良好に特徴付けられ、再現性があり、倫理的にクリティカルではない条件下における、呼吸気管に対するインビボエアロゾルドシメトリを判定するための実験モデルを提供しうる。本開示の気道モデルとしての穿孔構造は、気管支モデルと第二のポンプとの間の接続などの、制御不能な数の接続を同時に生成することなく、気道分岐世代の量を生物学的に関連するレベルまで増大することを可能にしうる。
【0181】
気道モデルの異なるバージョンは、システムの全体的な機能に影響を及ぼすことなく、かつ模擬呼吸気管システムの他の部分に対する修正を必要とせずに使用されうる。これにより、呼吸気管がエアロゾルにどのように影響を及ぼすか、またはエアロゾルが呼吸気管にどのように影響するかを調べることに対する柔軟性が最大化する。気道は、i)肺胞腔へ到達するエアロゾルの特性に対して関連する影響を有し、ii)かなりの個体間変動(罹患状態対健康状態とも言及される)を示すため、呼吸気管の特定の部分における柔軟性および適合性は、科学的価値が大きい。
【0182】
二つの間の相互作用のモード(例えば、用量送達)だけでなく、呼吸気管中の試験雰囲気の物理化学的特性をもたらすプロセスの模擬実験を、システムの物理的および機能的特性によって行うとき、臨床的に関連する投薬情報が、本開示の実施形態により取得されてもよい。
【0183】
呼吸気管の一つ以上の区画への一つ以上の試験雰囲気の効果は、本開示の実施形態により研究できる。
【0184】
呼吸気管の一つ以上の区画への一つ以上の試験雰囲気の効果は、本開示の実施形態により必要に応じて、同時にまたは段階的に研究できる。
【0185】
システムで使用できるモジュールは、本開示の実施形態により監視される、曝露される試験システム、実験エンドポイント、および曝露パラメータに関連して柔軟性を提供する。
【0186】
モジュールは、本開示の実施形態によりシステムの全体的な構造および機能を変更する必要なく、特定の要件に従って再設計または変更できる。
【0187】
多くの用途において、エアロゾル発生は、システム自体によって駆動され、本開示の実施形態により、エアロゾル発生器/喫煙機械が必要とされないことを意味する。これは、システムの構造を簡略化するのに役立ちうる。
【0188】
ある実施形態では、システムは本来、モジュール式でありうる。これは、ポンプおよび接続構造などの様々な構成要素が、例えば、必要に応じて個々にかつ容易に交換できることを意味する。特定の要件によるシステムの部分的な再設計、改良、または交換を促進しうる。
【0189】
呼吸中に生じる口、息止め時間、および動的流動のパターンは、本開示の実施形態により模擬実験できる。
【0190】
ある実施形態により、本開示は、高密度のエアロゾルを、大量の希釈空気と共に呼吸気管の中へ引っ張る前に、最大数秒間熟成することが可能になる、口での保持期間に対処できる。
【発明を実施するための形態】
【0191】
本開示の実践には、ある実施形態では、工学、微生物学、細胞生物学、および生化学の従来の技法を用いる。生物学的技法については、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,second edition(Sambrook et al.,1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis (MJ.Gait, ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.CeIMs, ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,IB.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons;Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)。市販のキットおよび試薬を採用する手順は、別途記載のない限り、通常、製造業者が定めたプロトコールに従い使用される。
【0192】
本明細書で使用する技術的な用語および表現には、概して関連分野でそれらに共通して適用される意味が与えられる。本明細書で使用する用語の定義はどれも、本出願の全内容に適用される。
【0193】
「備える(comprising)」という用語は、他の要素または工程を除外しない。
【0194】
不定冠詞の「a」または「an」は、複数を除外しない。
【0195】
「および/または」という用語は、例えば、(a)もしくは(b)、または(a)および(b)を意味する。
【0196】
本明細書で使用される「備える(comprising、comprises)」および「で構成される(comprised of)」という用語は、「含む(including、includes)」または「包含する、含んでいる(containing、contains)」と同義であり、包括的または非限定的であり、列挙していない追加の部材、要素、または方法工程を除外しない。「からなる(consisting of)」という用語は、追加の構成要素が除外され、列挙された要素のみを有し、それ以上の要素を有しないことを意味する。
【0197】
パラメータ、量、時間の長さ、およびこれらに類するものなどの測定可能な値に言及するときに、本明細書で使用される「約」という用語は、変動が本開示で実施するのに適切である限り、特定の値の変動および特定の値からの変動、具体的には、特定の値のおよび特定の値からの+/-10%以下、好ましくは+/-5%以下、より好ましくは+/-1%以下、さらにより好ましくは+/-0.1%以下を包含することを意味する。「約」という修飾語句が言及する値もまた、それ自体で具体的かつ好ましく開示されることは理解すべきである。
【0198】
実施形態についてより詳細に論じる前に、まず概要を提供する。実施形態によって、呼吸気管を研究するために様々な用途で使用できる、装置および方法を提供する。例えば、再蒸発を含む、装置の内部表面上での、試験雰囲気中に存在する一つ以上の成分の堆積および/または凝縮について研究する際に、実施形態によって有用性を見つける。また実施形態によって、エアロゾル濃度、および/もしくはエアロゾル粒子の成長、ならびに/またはエアロゾル粒子の収縮の変化を研究するために、装置を通過中に調べることができる試験雰囲気の評価も提供する。装置/システム内部に存在する、試験雰囲気の生物学的試験システムへの効果は、本開示の実施形態で研究できる。
【0199】
気道モデル
一態様では、模擬呼吸気管システム10で使用される穿孔構造1が記載されており、構造は、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔エンベロープを備え、各穿孔は分岐の開放終端部である。使用において、各穿孔は、分岐の開放終端部でありうる。添付図に示すように、各穿孔は空の穿孔である。
【0200】
図1は、本開示の実施形態による穿孔構造1を含む模擬気道システム10を示す。
【0201】
穿孔構造1は、実質的に固体の本体と、構造が使用される実験室器具の関連する部位において気密かつ安定した接続を提供するのに適した接手を含む開口部2とを有しうる。適切なシステムを以下に説明し、
図4に図示するが、構造1は、ガスを受け入れて排出するポート83内に嵌合する。使用時に、開口部2は、構造の底面上に位置し、締付機構を使用した単純な差込みにより、またはねじ係止によって、ベースプレート84上に中央に嵌合される。接続の気密性は、シールによって確立されうる。ポンプ80は、最も近位の胸腔内気道、すなわち気管および主気管支を表す中空構造への肺容積を表しうる(
図4参照)。
【0202】
構造1の本体は、一つ以上の分岐チャネル4を収容する。構造1の外表面は穿孔され、各穿孔6は分岐4の開放終端部である。穿孔構造1の内部では、近位開口部2から発生するチャネルが連続的に分岐している。所与の分岐点から発生するチャネル4間の角度、その直径および長さ、ならびに分岐点の数は、それによって、ヒトまたは動物の気道ツリーなどの気道ツリーと構造的に似うる分岐ツリーをもたらすように設計される。チャネル4の最後の世代、すなわち、小さな気道を表す構造の遠位端開口部または穿孔6は、周囲に向けて開放している。本明細書に記載されるシステム10の場合、第二のポンプ80の内部容積である。構造1は、それによって、システム10の近位気道のモデル(例えば、気管および主気管支)を肺内腔のモデルに接続して、例えば、ヒトの呼吸気管における分岐構造を提供し、二つの領域を分離する。
【0203】
構造1の内部のチャネル4の分岐パターンは、(i)完全な動物気道の分岐パターンに厳密に、(ii)完全な動物気道の理想化した(例えば、対称性および規則性が増大された)バージョンに、または(iii)これら二つのいずれかまたは両方の一部、すなわち、ヒトまたは動物気道の一部のみが再現されること、に従いうる。構造1がどのようにエアロゾル特性に影響を及ぼすかについて、理想化は、試験するヒトまたは動物気道に対する計算的または実験的等価性を必要とする。
【0204】
構造1の放射対称性は、気道の分岐パターンを理想化することによって、または気道の一部の複数の複製を対称的に配設することのいずれかによって達成されうる。
【0205】
ヒトまたは動物の気道の分岐パターンに厳密に従う構造1は、気道キャスト、または断層撮影法または類似の技法を使用して取得したデジタル3Dモデルに基づいてもよい。理想化したヒトまたは動物の分岐パターンを有するモデルは、関連する文献に基づいてもよく、例えば、Weibelのモデルは、ヒトの気道の構造に関して広く受け入れられたモデルであり(Fishman’s Pulmonary Diseases and Disorders(2015)Ed.M.A.Grippi、ISBN:0071807284を参照)、あるいは、計算的または実験的アプローチによって新たに展開されうる。
【0206】
Weibelのモデルに従うと、考慮されうる重要なパラメータとしては、n+1個の連続的な分岐点後に存在するチャネルの直径が、n個の分岐点後に存在するチャネルの直径以下であること、n+1個の連続的な分岐点後に存在するすべてのチャネルの総断面積が、n個の分岐点後の全てのチャネルの総断面積以上であること、および分岐が叉状であることが挙げられる。
【0207】
分岐世代の数は、構造1のサイズ、それが作製される材料、および付加製造に利用可能な技法の性能に依存する。世代の数が多いほど、生体内の気道の効果の模擬実験が近似する。
【0208】
気道構造1は、完全な気道ツリーが内部に包含される、一つの単一の材料のブロックからなってもよく、または、実験的要件に基づいて組み立てられうる副部品1a、1bからなってもよい(
図2参照)。副部品1a、1b間の接続7は、気密であることが必要であり、例えば、差込み機構またはねじ山係止によって達成されうる。
【0209】
気道モジュールの全体的な形状およびサイズは、その意図される用途に依存する。以下で本明細書に記載されるシステム10で使用される気道構造の場合、放射対称性は、典型的には、エアロゾルを第二のポンプ容積に均一に送達するために必要とされる。放射対称性は、例えば、曝露チャンバー内の細胞培養物の分布が放射方向に対称である場合に必要とされる。
【0210】
放射対称性は、一つの培養物のみが存在する場合、または培養物の分布が他の対称性、同一の実験において曝露される複製細胞培養物の等価性が必要とされないこと、対象の(例えば、エアロゾル研究の分野における)対称性の関数としてのエアロゾル堆積、または完全なシステムが非対称であること、に従う場合などの特定の状況においては、省略されうる。
【0211】
例えば、3D再現されたヒトの肺では、呼吸気管の固有の生物学的非対称性のために、非対称性が必要となる。
【0212】
構造1の空間的寸法は、i)構造が表していると考えられる気道のタイプ(これらは、(例えば、ヒトと齧歯類では)サイズが大きく異なりうるため)、およびii)システムの関連する部位に嵌合しなければならないため、構造1が組み合わせて使用される模擬呼吸気管システムに依存する。
【0213】
本明細書に記載のシステム10における用途の場合、水平方向の最大サイズ(モジュールの直径、
図4参照)は、構造1の直径は、そうでなければモジュール113、213が構造1によって被覆されることから、細胞培養物モジュール113、213が位置する円の直径よりも大きくなることはないため、ポンプ80(本明細書において以下に説明する)における細胞培養物モジュール113、213(本明細書において以下に説明する)の位置によって画定されうる。モジュールの垂直方向の最大サイズ(その高さ、放射対称軸の方向におけるサイズ、
図4参照)は、典型的には、所与の実験プロトコール下の吸入サイクル間の第二のポンプ80に存在する空気の残留容積によって(すなわち、吸入サイクル中のピストンの最低位置によって)画定される。例えば、ヒトでは、残留容積は1200mLの範囲内である。各ポンプにおけるおよそ600mLの適合容積を達成するためのストローク長さは、構造1の最大高さを画定する。
【0214】
気道構造1は、ヒトもしくは動物の肺形態、またはヒトもしくは動物の呼吸器の利用可能なデジタル3D形状、またはそれらの理想化された形状に関する関連文献を考慮に入れて、インシリコで設計されうる。設計された3D形状を使用して、構造1は次に、3D印刷によって生成されて気道モデルを形成しうる。気道構造1は、典型的には、人工または合成気道構造であり、人工または合成気道モデルを形成する。別の方法として、利用可能な気道キャストまたは3D気道モデルを、構造1の形成に適した材料内にそれらを包埋することによって、物理的テンプレートとして使用しうる。気道キャストは、適切な溶媒を使用してそれを溶解することによって、適切な酵素を使用して消化することによって、または気道キャストが気道構造1に対して選択された材料よりも低い融点の材料からなる場合には、加熱することによって除去することができる。気道モデルを設計および生成するための方法の例は、Rinboson et al(The Anatomical Record(2009)292:1028-1044)、Zopf et al(New England J.Med.(2013),365(21);2043-2045)、およびZhang et al(Annals of Biomedical Engineering,(2008),36(12),2095-2110)に記載されている。
【0215】
したがって、さらなる態様は、穿孔構造を製造する方法に関し、方法は、(i)それぞれが開放終端部を含む一つ以上の分岐チャネルを、穿孔構造の形成に適切な材料内に包埋することと、(ii)一つ以上の分岐チャネルのキャストを材料から除去することとを含む。穿孔構造は、少なくとも部分的に、3次元印刷によって製造されるのが適切である。穿孔構造は、モデリングによって形成されるのが適切である。穿孔構造はテンプレートから鋳造されるのが適切である。穿孔構造は、i)哺乳類の気管支気道の分岐構造を実質的に模倣する、ii)理想化した分岐構造である、またはiii)i)およびii)の組み合わせであるのが適切である。気道キャストは、適切な溶媒を使用して溶解することによって、適切な酵素を使用して消化することによって、または、気道が気道構造に対して選択された材料よりも低い融点の材料からなる場合には、加熱することによって除去されるのが適切である。
【0216】
気道構造1は、付加製造または、例えば、金属、セラミックまたは合成材料への気道キャストの包埋などの上記技法のうちに一つによって、複合構造が形成されうる任意の材料から製造されうる。材料の正確なタイプは、意図される用途に依存する。
【0217】
例として、試験エアロゾル中の固体粒子および/または液体粒子の不揮発性部分のサイズ分布および濃度に対する気道モデルの効果を調査する場合には、非多孔性材料が使用されうる。例としては、金属(例えば、ステンレス鋼)、非多孔性合成材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはそれらの二つ以上の組み合わせ)が挙げられる。さらなる例としては、固体粒子および/または液体粒子の揮発性部分のサイズ分布および濃度に対する、ならびに試験エアロゾル中の揮発性化合物に対する気道モデルの効果を調査する場合には、多孔性材料が使用されうる。揮発性化合物は一般的に、非多孔質表面上では凝縮しないが、多孔性材料の細孔に進入し、利用可能な表面が大きいために、そこに付着する場合がある。(活性化された木炭の作用方法)。例は、多孔質シリコン(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS))である。さらなる例として、固体粒子および/または液体粒子の揮発性部分のサイズ分布および濃度に対する、ならびに、試験エアロゾル中の揮発性化合物に対する気道モデルの効果が調査される場合、もしくは、細胞が気道モデルの内部表面で培養される場合には、ゲル状材料が使用されうる。この場合、ゲル状材料は、細胞培養液に浸されてもよく、または細胞培養液を付加製造プロセスの基材として含めてもよい。例としては、ポリ(ビニルメチルエーテル)(PVME)またはポリ(N-ビニルカプロラクタム)(PNVC)などのサーモゲル、またはそれらの二つ以上の組み合わせが挙げられる。さらなる例として、エアロゾル中の疎水性化合物と気道モデルとの間の相互作用を強化する場合には、疎水性材料が使用されうる(例:PDMS)。さらなる例として、エアロゾル中の親水性化合物と気道モデルとの間の相互作用を強化する場合には、親水性材料が使用されうる。例としては、PVMEまたはPNVCまたはそれらの組み合わせなどのハイドロゲルが挙げられる。さらなる例として、エアロゾル中の疎水性および疎水性化合物と気道モデルとの間の相互作用を強化する場合には、両親媒性材料が使用されうる。両親媒性は、例えば、界面活性剤で表面を被覆することによって達成されうる。さらに、気道構造1の親水性、疎水性、および吸収特性は、内側チャネル表面を適切な材料(例えば、ハイドロゲル、ワックス、またはタンパク質、またはそれらの二つ以上の組み合わせ)で被覆することによって調節することができる。例えば、ハイドロゲルを包含する細胞培養液による被覆を使用して、細胞が培養されうる表面を提供してもよい。細胞培養物を気道モデルを通過する試験エアロゾルに曝露する可能性は、曝露チャンバー8を構造内に含めることによって提供されうる(
図3参照)。こうした曝露チャンバー8は、例えば、一次元(チャネル軸に垂直)にあるチャネル4の局所的な拡大部によって形成されうる。拡大部は、少量の栄養素を提供するハイドロゲル上またはマイクロ流体構造中に培養されうる利用可能な細胞培養物モジュール113、213のうちの一つ以上(例えば、すべて)のサイズおよび形状に一致する。細胞培養物およびハイドロゲルは、「露出プラグ」9の先端に存在してもよく、露出プラグ9は、気道構造1内に差し込まれ、それによって細胞培養物を露出チャンバー8まで運び、これによって、細胞培養物の表面は、曝露チャンバー8の内表面の平面にある。
【0218】
プローブまたはセンサーが気流チャネル4内に挿入される場合、類似のアプローチ、例えば、完全な気道構造1内のチャネル4のすべて、またはその一部を、構造1のチャネル4中に直接増殖された細胞に十分な水および栄養素を送達するハイドロゲルで被覆することが続きうる。このアプローチは、通常、気道構造1が大量の培養液を保存することができる高多孔性材料からなる、またはこれを含むこと、または栄養素および水を提供するゲル状材料から気道構造1を形成することによることを必要とする。
【0219】
したがって、さらなる態様では、気道モデルを再現する一つ以上(例えば、複数)の分岐チャネルを開示しており、分岐チャネルは、分岐チャネルの少なくとも一部またはすべての細胞培養液の被覆を含み、細胞が培養されうる表面を提供する。被覆は細胞を包含するのが適切である。さらなる態様では、気道モデルを再現する一つ以上(例えば、複数)の分岐チャネルを開示しており、分岐チャネルは、チャネル内に一つまたは複数の拡大部を含む、または細胞を培養するための一つまたは複数のマトリクスを含む。マトリクスは細胞を包含するのが適切である。
【0220】
システム
さらなる態様では、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステム10について記載し、システムは、(i)試験雰囲気を含むガスの第一の容積を包含するように構成される、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れ排出するように適合し、第一のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第一のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開くことが可能な、第一のポートと、(iii)ガスを受け入れ排出するように適合し、第二のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第二のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、(iv)第一のポンプの動作を制御するためのモーターとを備える、(a)第一のポンプと、(i)ガスの第二の容積を包含するように構成されるチャンバーであって、ガスの第一および第二の容積が異なる、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れて排出するように適合するポートと、(iii)チャンバーの中のピストンプレートであって、ピストンプレートは、チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートと、(iv)第二のポンプの動作を制御するためのモーターとを備える、本明細書に記載するような第二のポンプと、(c)第一のポンプから第二のポンプの中へ、ガスを伝達するように動作可能な接続構造と、(d)第一のポンプもしくは第二のポンプ、もしくは接続構造の壁、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中にある、一つ以上の開口部であって、開口部は、細胞培養液を含むマトリクスおよび/またはチャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングもしくはガスの特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するためのモジュールを受け入れることができる、一つ以上の開口部とを備える。
【0221】
ガスは、試験雰囲気でありうるか、または試験雰囲気を含みうる。
【0222】
図4は、本開示の実施形態によるシステム10を示す。システム10は、少なくとも二つのポンプ40、80を含む。二つ以上のポンプ40、80は相互に接続する。ある実施形態では、二つ以上のポンプ40、80は、分枝中空構造50によって相互に接続する。各ポンプ40、80は、ポンプ自体の個々のモーター41、81によって動作してもよく、または二つ以上のポンプは、必要に応じて、同じモーター41、81によって動作してもよい。完全なシステム10は、ハウジング11中の温度を制御するように、サーモスタット12を装備する気候に影響されるハウジング11の中に位置できる。ポンプ40、80のチャンバーは、ヒトまたは動物の呼吸気管など、呼吸気管の異なる区画の内部k容積を表すように構成できる。チャンバーは、呼吸気管のそれぞれの区画で最大限に達成可能な取り込み容積と、少なくとも同じくらい大きい移動容積を提供するように構成できる。特に、一つの(第一の)ポンプ40は、ヒトまたは動物の口腔および中咽頭腔など、口腔および中咽頭腔の容積を表すことができる。別の第二のポンプ80は、特に、ヒトもしくは動物の肺内腔またはその一部である、個々の肺葉またはより小さいサブユニットの内腔など、肺内腔またはその一部の容積を表すことができる。分枝中空接続構造50は、呼吸細気管支へ至るまでの鼻咽頭腔、下咽頭、喉頭、気管、気管支、および細気管支構造のうちの一つ以上などの誘導気道、特に、ヒトまたは動物の誘導気道の寸法を表すことができる。分枝中空接続構造50は、呼吸細気管支へ至るまでの鼻咽頭腔、下咽頭、喉頭、気管、気管支、および細気管支構造を含む、誘導気道の寸法を表すことができる。接続構造50の異なる副部品の分枝パターンだけでなく、例えば、直径および長さといった寸法も、誘導気道の樹形状に似ることができる。
【0223】
図4に示すように、分枝中空構造50は、各ポンプ40、80のチャンバー42、82の基部44、84中の中央開口部43、83へ接続できる。ある実施形態では、複数の開口部、穴、またはソケット51は、チャンバー42、82の基部44、84上に存在でき、中央開口部43、83の周りに対称に配設されうる。ポンプ40と接続構造50との間の接続に直接、弁44aを使用して、すべての他のシステム部品からポンプ40を密封するのを可能にできる。
【0224】
口腔を表すポンプ40は、試験雰囲気および希釈空気が、分枝中空構造50に向かってポンプ40を去りうるときに通る、一つ以上の開口部43を有することができる。試験雰囲気90の出入り点は、通常、ポンプ40の、適切にはその中心のピストンプレート45上に位置する。これは、中空ピストン軸46を通り抜けることができ、その上部に、三方弁などの弁44aが存在しうる。実施形態では、弁44aは、試験雰囲気源もしくは周囲空気に向かって閉じるか、または開くことができる。周囲空気が通ってシステムに進入できる一つ以上(例えば、複数)の隙間47の配列は、随意に放射状配設で、ピストンプレート45上に配設される。隙間の一つ以上またはすべての上にある、一つ以上の弁48(例えば、複数)を使用して、これらの隙間47のうちの一つ以上の開口または閉口を可能にできる。ある実施形態では、各隙間47は弁48によって制御される。ある実施形態では、周囲空気が通ってシステムに進入できる一つ以上(例えば、複数)の隙間の配列は、随意に放射状配設で、第二のポンプのピストンプレート84上に配設できる。一つ以上の弁(例えば、複数)を使用して、これらの隙間のうちの一つ以上の開口または閉口を可能にできる。ある実施形態では、各隙間は弁によって制御される。ある実施形態では、周囲空気が通ってシステムに進入できる一つ以上(例えば、複数)の隙間の配列は、随意に放射状配設で、第一および第二のポンプのピストンプレート上に配設できる。分枝中空構造50はポンプ40、80から切り離すことができるのが、有利である。分枝中空構造50はその主要部品へ分解できるのが有利である。これにより、試験システムを配置もしくは除去するため、および/または洗浄のために容易なアクセスが可能になりうる。
【0225】
ポンプ40、80の基部44、84は、試験システムを配置/除去するため、および洗浄のために取り外すことができる。
【0226】
接続構造50の異なる部品だけでなく、各ポンプ40、80の基部44、84の中にも、ねじ式もしくは非ねじ式開口部、ねじ式もしくは非ねじ式穴、またはねじ式もしくは非ねじ式ソケット113、213などの、開口部、穴、またはソケット51は位置できる。開口部、穴、またはソケット51は、ポンプ40、80のうちの一つ以上の基部44、84上など、様々な位置に置くことができ、または中央開口部43、83の周り、もしくは分岐中空構造50の中の様々な最適な場所、適切には、分枝中空構造50の下側上、またはそれらのいかなる組み合わせでも配設できる。
【0227】
開口部、穴、またはソケット51は、システム10の動作を監視する、および/もしくは実験を実施する、ならびに/またはサンプルおよびこれに類するものを収集するために使用できる、様々なモジュール112、212、またはそれらの中もしくは上へのデバイスの取り付けを可能するように使用できる。こうしたモジュール112、212またはデバイスの例を、
図5および
図6に示し、本明細書に記載する。
【0228】
したがって、システム10で使用されるポンプ40、80は、試験雰囲気を輸送するように機能できるだけでなく、曝露チャンバーとして機能できることも有利である。
【0229】
図5および
図6は、開口部、穴、またはソケット51が、ねじ式開口部、穴、またはソケット112、212の任意の形態である、開示の実施形態を示す。一つ以上の開口部、穴、またはソケット51は、一つ以上のモジュール112、212を包含できる。ねじ山の使用により、モジュール112、212の単純な挿入および置換が促進される。開口部、穴、またはソケット51でのねじ山の使用は、モジュールを構成できるように任意であり、そのため、モジュールは、開口部、穴、もしくはソケット51の中へと差し込むか、または押し込んで密封係合することができる。モジュールは押し込み型でありうる。締め付けは、Oリングおよびこれに類するものを使用して達成できる。
【0230】
使用するモジュール112、212は、構成されるシステムの要件に応じて、様々な目的に対して適合できる。例えば、モジュール112、212は、細胞培養液を包含もしくは保存するように、もしくはチャンバー42、82の中の状態を監視するように、またはガスもしくは液体をサンプリングするように、もしくはガスを特徴付けるように、およびこれに類するものに対して適合できる。モジュール112、212は、第一ポンプ40および/もしくは第二ポンプ80の基部44、84上、ならびに/または接続構造50の壁の中に位置できる。特定の実施形態では、一つ以上のモジュール112、212は、細胞培養液を含むマトリクスを包含または保存するように構成されうる。この実施形態によると、一つ以上のモジュール112、212は、液体または溶液を保持できる容器でありうる。細胞培養液は、細胞の2次元もしくは3次元培養物など、細胞の培養物を備えることができるか、またはそれと接触できる。特定の実施形態では、一つ以上のモジュール113、213は、細胞培養液マトリクスの代替として、またはそれに加えて、少なくとも一つのマイクロセンサーを保持または位置決めすることができる。特定の実施形態では、細胞培養液を含むマトリクスおよび/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するように適合するモジュール113、213は、マイクロ流体チャネル、および随意に、それに接続されるマイクロ流体ポンプをさらに備える。モジュール113、213は、概して、第一のポンプ40、もしくは第二のポンプ80、または接続構造50の壁のうちの一つ以上の水平面の中に位置付けられるであろう。
【0231】
図5および6で分かる通り、開口部、穴、またはソケット51は、ねじ式穴またはソケット112、212を包含するように随意に構成できる。ねじ式穴またはソケット113、213は、一つ以上のデバイス116、216の一つ以上のプローブ114、214を備えることができる。こうしたデバイス116、216は、内部システム状態の監視のため、もしくは試験雰囲気の特徴付けのため、またはサンプリングおよびこれに類するもののために使用できる。デバイス116、216の動作は、コンピュータ117、217によって制御できる。ねじ式穴もしくはソケット113、213、ならびに/またはモジュール112、212は、中で生物学的試験システム(例えば、本明細書に記載するような、ヒトの呼吸気管上皮の器官型細胞培養物)は、試験雰囲気への曝露のために配置できる、培養チャンバー115、215として使用するように適合できる。ねじ式開口部、穴、またはソケット113、213は、分析のために試験雰囲気をサンプリングできる、捕捉剤を包含するように適合できる。試験雰囲気への曝露中の細胞培養液または捕捉剤のサンプリングは、マイクロ流体ポンプシステム211および/または一つ以上のマイクロセンサーの使用によることを含む、様々な手段によって達成されうる。水晶振動子マイクロバランス(QCM、219)を保持するモジュール112、212を使用できる。プローブ214、チャンバー215、またはQCM219を取り付けることができるモジュール112、212は、システムのどのチャンバー42、82の中にも、または分枝中空構造50の内部の中へ挿入できる。QCM219の動作は、コンピュータ220によって制御できる。システム10は、必要に応じてコンピュータ13によって完全にまたは一部制御できる。システム10は、一部または完全に自動化できる。
【0232】
システム10は、一つ以上の(例えば、複数の)第一のポンプを備えることができる。システム10は、一つ以上の(例えば、複数の)第二のポンプを備えることができる。システム10は、一つ以上の(例えば、複数の)第一のポンプおよび一つ以上の第二のポンプを備えることができる。
【0233】
ポンプ
さらなる態様では、ポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプ、好適にはピストンポンプが開示されており、分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される。ポンプは、外部部品および内部部品を有しうる。一つ以上の分岐チャネルは、ポンプの内部にありうる。ポートは、ポンプ上に位置してもよい。ポンプは、ポートを含んでもよい。ポートは、ポンプの内部または外部に位置してもよい。分岐チャネルは、本明細書に記載の穿孔構造内に包含されるのが適切である。分岐チャネルは、気道モデルを再現するのが適切である。ポンプは、ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つ以上のマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成される、チャンバーを備えるのが適切である。ポンプは、ポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備えるのが適切である。上述のように、分岐構造は、ヒトまたは動物の気道の分岐パターンに従ってもよく、気道キャストまたは断層撮影法または類似の技法を使用して取得されたデジタル3Dモデルに基づいてもよい。ポンプは、本明細書で以下に記載されるような第二のポンプに実質的に対応しうる。
【0234】
試験雰囲気とポンプを含む模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムもまた意図している。試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムでの、ポンプの使用もまた意図している。
【0235】
ポンプの中で細胞を培養するための方法もまた、意図している。細胞を培養するためのポンプの使用についても開示する。
【0236】
第一のポンプ
別の態様では、ガスの容積を移動させるためのポンプ、好適には、ピストンポンプについて開示し、ポンプは、(i)ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を包含もしくは保存するための、もしくはチャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガスの特徴付けのためのモジュールを受け入れることができる、一つ以上の開口部とを備えるように構成される、チャンバーと、(ii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを受け入れて排出するための、第一のポートであって、第一のポートを通るガスの流れを調節するための第一の弁を備え、第一の弁は、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開かれうる、第一のポートと、(iii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを受け入れて排出するための、第二のポートであって、第二のポートを通るガスの流れを調節するための第二の弁を備え、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、(iv)チャンバーの中のピストンプレートであって、ピストンプレートは、チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートとを備える。
【0237】
ガスの容積を移動させるためのピストンポンプについても開示し、ピストンポンプは、(i)ガスの容積を包含するように、およびチャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備える、ピストンプレートを包含するように構成される、チャンバーであって、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れるための第一のポートであって、第一のポートを通るガスの流れを調節するための第一の弁を備え、第一の弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第一のポートと、(iii)チャンバーの中に包含されるとき、ガスを排出するための第二のポートであって、第二のポートを通るガスの流れを調節するための第二の弁を備え、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートとを備える。
【0238】
図4に示すように、システム10は、ガスの容積を移動させるための第一のポンプ40を包含できる。第一のポンプ40は、本開示の別個の態様として本明細書に開示され、その使用は、本明細書に記載するシステム10での使用に限定されない。
【0239】
第一のポンプは一次ポンプであることができ、そのように呼ばれるのは、ガス用の進入点としてのシステム中の場所による。第一のポンプは、ガスの容積を包含するために構成される、チャンバー42(例えば、シリンダー)を備え、
図5および6に示すように、および本明細書に記載するように、基部44と、穴またはソケット112、212中のねじ式または非ねじ式モジュール113、213などの、モジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部43とを備える。第一のポンプはまた、チャンバー42の中に包含されるとき、ガスを受け入れ排出するための第一のポート90も包含し、第一のポート90を通るガスの流れを調節するための三方弁など、第一の弁44aを備え、第一の弁44aは、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁44aは、試験雰囲気または周囲空気の方へ開かれうる。第一のポンプはまた、チャンバー42の中に包含されるとき、ガスを受け入れ排出するための第二のポート43も包含する。第二のポート43は、開口部として構成されるのが適切である。第一のポンプ40と接続構造50との間の接続で、第二のポート43の場所にある第二の弁49によって、他のシステム部品からポンプ40を密封することが可能になる。第二の弁49は、第二のポート43を通るガスの流れを調節するために使用でき、第二の弁49は、開閉位置間を動くことが可能である。
図4で分かる通り、ポンプ40は、ピストンプレート45を備えるピストンポンプでありうる。チャンバー42中の開口部、穴、またはソケット51のうちの一つ以上は、ねじ式112、212または非ねじ式でありうる。チャンバー42中の開口部、穴、またはソケット51のうちの一つ以上は、本明細書で論じるように、ねじ式または非ねじ式モジュール113、213など、モジュール113、213を備えることができる。ポンプ40はさらに、ポンプの動作を制御するようにモーター41を備える。モーター41のポンプ圧は、気圧に相当でき、または必要に応じて、気圧より上もしくは下でありうる。ある実施形態では、モーター41のポンプ圧は、試験雰囲気を移動させるように、気圧より上または下でありうる。ポンプ40の移動容積は、約0~100mlまたは約1~約100mlでありうる。ポンプ40のチャンバー42は、最大約100mlまでの容積を有しうる。ポンプ40は、ステンレス鋼など、当業界で知られる様々な材料から製造できる。チャンバー42はシリンダーであるのが適切である。チャンバー42は、ガラスから作られうるのが適切である。ポンプ40のピストンプレート45は、ガスの取り込みまたは流入のために、一つ以上の隙間47を備える。隙間47のうちの一つ以上は、開閉位置間で移動可能であり、ガスの取り込みまたは流入を調節できる、弁48を含みうる。
【0240】
同じく
図4に示すように、ポンプ40は、ガスの容積を移動させるためのピストンポンプでありうる。ピストンポンプは、ガスの容積を包含するように、およびチャンバー42の中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間47を備える、ピストンプレート45を包含するように構成される、チャンバー42(例えば、ガラスシリンダーなどのシリンダー)を備える。隙間47のうちの一つ以上、または隙間47の各々は、隙間47を通るガスの取り込みまたは流入を調節するための、弁48を備える。
【0241】
これは、ガスを受け入れるための第一のポート90と、三方弁など、第一のポート90を通るガスの流れを調節するための第一の弁44aとを含むことができる。第一の弁44aは開閉位置間を動くことが可能である。これはまた、チャンバー42の中に包含されるとき、ガスを排出するための第二のポート43も含み、第二のポート43は随意に、第二のポート43を通るガスの流れを調節するための第二の弁を備え、弁は、開閉位置間を動くことが可能である。チャンバー42は、基部44a、およびもう一つの開口部43を含むことができる。基部は、加えて、ねじ式119もしくは非ねじ式でありうる、一つ以上の開口部、穴、またはソケット51を含むことができる、および/またはそれらは、本明細書で論じるように、モジュール113、213を備えうる。中空接続構造などの接続構造50は、第二のポート43へ接合できる。ポンプ40はさらに、ポンプ圧が気圧に、または気圧より上もしくは下に相当する、モーター41を備えることができる。ポンプ40の移動容積は、約0~100mlまたは約1~約100mlでありうる。ポンプ40のチャンバー42は、約100mlの容積を有しうる。
【0242】
二つ以上の第一のポンプを備えるシステムを意図している。試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムでの、二つ以上の第一のポンプの使用もまた意図している。
【0243】
第一のポンプの中で細胞を培養するための方法もまた、意図している。細胞を培養するための第一のポンプの使用についても開示する。
【0244】
第二のポンプ
別の態様では、ポンプ、好適にはピストンポンプが開示されており、ポンプは、(i)ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングもしくはガスの特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成されたチャンバーと、(ii)ガスを受け入れて排出するためのポートと、(iii)ポート内に位置する一つ以上の分岐チャネルとを備える。分岐チャネルは、本明細書に記載されるような穿孔構造内に包含されうる。
【0245】
図4に示すように、本明細書で以下に記載する模擬呼吸気管システム10は、ガスの容積を包含するように構成される、シリンダーなどのチャンバー82を備える、ガスの容積を移動させるためのポンプ80を包含でき、チャンバー82は、基部84と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバー82の中の状態を監視するため、またはガスサンプリングもしくはガスの特徴付けおよびこれに類するもののための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含または保存するために一つ以上のモジュール113、213とを備える。ポンプ80は二次ポンプでありうる。
【0246】
ポンプ80は、本開示の別個の態様として本明細書に開示され、その使用は、本明細書に記載するシステム10での使用に限定されない。
【0247】
ポンプ80は、本明細書に記載の穿孔構造1が内部に嵌合されうる、ガスを受け入れて排出するよう動作可能なポート83をさらに含む。
【0248】
図4に示すように、ポンプ80は、ピストンプレート83を備えるピストンポンプでありうる。ピストンプレート83には、いかなる隙間または開口部もない可能性がある。本明細書で論じるような、ねじ式または非ねじ式モジュール113、213など、モジュール113、213はチャンバー82の基部84の中に位置できる。中空接続構造など、接続構造50はポート83へ接合できる。ポンプ80は、モーター81をさらに備える。ポンプ80のポンプ圧は、概して、気圧に、または気圧より上もしくは下に相当する。ポンプ80の移動容積は約0~約1000ml、もしくは約0~約4000ml、もしくは約1~約1000ml、または約1~約4000mlでありうる。チャンバー82の容積は、肺内腔またはその一部の容積を表すことができる。ある実施形態では、周囲空気が通ってシステムに進入できる一つ以上の(例えば、複数の)隙間の配列は、随意に放射状配設で、ピストンプレート84上に配設できる。一つ以上の弁(例えば、複数)を使用して、これらの隙間のうちの一つ以上の開口または閉口を可能にできる。ある実施形態では、各隙間は弁によって制御される。
【0249】
本明細書に記載の二つ以上のポンプ80を備えるシステムを意図している。試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムでの、二つ以上のポンプ80の使用もまた意図している。
【0250】
本明細に記載のポンプ80の中で細胞を培養するための方法もまた、意図している。細胞を培養するためのポンプ80の使用についても開示する。
【0251】
接続構造
二つ以上のポンプ間でガスを伝達するか、または運ぶように動作可能な接続構造についてもまた開示する。接続構造は、ガスを通して誘導できるか、または伝えることができる、管、もしくはパイプ、もしくは導管、またはこれに類するものでありうる。接続構造は、間でガスを伝達するか、または伝えるために、少なくとも二つのポンプを接続するように適合できる。接続構造によって、第一のポンプの第二のポートで第一のポンプと、本明細書に記載する第二のポンプのポートとを接合できる。接続構造は、接続構造の壁の中に、中空チャネルと、ねじ式または非ねじ式開口部など、一つ以上の開口部とを備えることができる。接続構造は、本明細書に記載するシステムおよび方法で使用できる。システムは、少なくとも二つのポンプ間を通ってガスを伝達するために、それらを接合するように適合する接続構造を備えることができる。
【0252】
接続構造50の実施形態を
図4に示す。接続構造は概して、中空チャネルを備えるであろう。接続構造は概して、分枝状であろう。実施形態では、接続構造の各終端分岐部は、システムの中に包含されるとき、別個のポンプ40、80へ接合できる。接続構造50は、接続構造の壁の中に、一つ以上の開口部、特に、ねじ式または非ねじ式開口部を備えることができる。ねじ式または非ねじ式開口部は、モジュール112、212を包含できる。モジュール112、212は、本明細書で論じるように、培養液の包含、および/もしくはシステム状態の監視、および/もしくはガスサンプリング、ならびに/またはガスの特徴付けに対して適合できる。接続構造は、ある実施形態では、二つ以上の分岐を伴う分枝状でありうる。接続構造の各終端分岐部は、別個のポンプへ接合できる。接続構造は、肺の誘導気道の容積を表すことができる。接続構造50は、様々な材料から作ることができる。ある実施形態では、ステンレス鋼の使用が好ましい。
【0253】
接続構造を含む、細胞を培養するための方法もまた、意図している。細胞を培養するための接続構造の使用もまた開示する。
【0254】
システム動作および機能
システムは、必要に応じてコンピュータによって完全にまたは一部制御できる。これによって、ポンプおよび弁のいくつかまたはすべての動作の同期化を可能にできる。これによって、システムの要素の一部またはすべての動作の同期化を可能にできる。コンピュータは、ポンプのうちの一つ以上のストローク長さ、および/またはポンプのうちの一つ以上のストローク速度を設定するように使用できる。コンピュータを使用して、システムの温度を制御できる。
【0255】
ここで、
図4に描写するような、システム10の実施形態の動作について記載する。静止状態では、第一のポンプ40のピストンはダウンストローク位置にあり、第二のポンプ80の位置は、定義されたガスの容積をチャンバー82の中に保つための位置にあり、弁48、49は閉じている。試験雰囲気は、口腔を表しうるポンプ40の中へ吸収される。この流入はポンプ40によって駆動でき、中空ピストン軸46を介してチャンバー42に進入できる。中空ピストン軸46は、試験雰囲気源へ直接接続できる。ポンプ40がアップストロークを完了すると、中空ピストン軸46の上部の中央開口部にある、三方弁でありうる弁44aが閉まり、弁48が、ピストンプレート45中の隙間47を通る周囲空気の流入を調節し、接続構造50への入口にある弁49が開く。
【0256】
試験雰囲気を、誘導気道を表しうる接続構造50を通って、口腔を表しうるチャンバー42から取り除く。これは、肺内腔またはその一部を表しうる、第二のポンプ80のアップストロークによって駆動できる。第二のポンプ80の総移動容積が、ポンプ40の容積の倍数でありうるため、接続構造50の少なくとも一部だけでなく、ポンプ40のチャンバー42も周囲空気で流すことができ、周囲空気は、ピストンプレート45の隙間47を通って、第一のポンプ40に進入できる。
【0257】
第一のポンプ40では、ピストン軸46の上部にある弁44aが、周囲の方へ開くことができる。ピストンプレート45上の弁48は閉じることができ、ポンプ40はダウンストロークを行う。ダウンストローク位置では、このポンプ40は、中空ピストン軸46と基部44の中の開口部43との間に密封接続を形成できる。密封接続は、ガスケット53によって達成できる。ガスケット53は、基部44またはピストンプレート45のいずれかの上に位置できる。定義された「呼吸保持時間」の後、第二のポンプ80はそれから、ダウンストロークを行うことができ、それによって、接続構造50を通って、第一のポンプ40のピストン軸46を通って、直接周囲へ試験雰囲気を移動させる。ポンプ40がダウンストローク位置のままで、弁44aを周囲の方へ開いたままにして、弁44aが、試験雰囲気源の方へ向かって再度開いて、次の試験雰囲気の吸息サイクルが始まる前に、第二のポンプ80は、周囲空気を呼吸するサイクルを一回以上(例えば、数回)行うことができる。
【0258】
さらなる態様では、(a)チャンバーを備える、本明細書に記載する第一のポンプなどのポンプを提供することと、(b)ポンプから、本明細書に記載する第二のポンプなどのさらなるポンプへポンプを接合する接続構造の中へ、試験雰囲気などのガスを取り除くことと、(c)工程(a)で提供されるポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、さらなるポンプおよび接続構造の中に、ガスを保持することと、(e)さらなるポンプを使用して、接続構造および工程(a)で提供されるポンプの中へ、ガスを移動させることと、(f)さらなるポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを行うこととを含む方法を提供する。
【0259】
さらなる態様では、(a)試験雰囲気などのガスを、本明細書に記載する第一のポンプなどのポンプのチャンバーへ提供することと、(b)工程(a)に記載するポンプから、本明細書に記載する第二のポンプなどのさらなるポンプへポンプを接合する接続構造の中へ、ガスを取り除くことと、(c)工程(a)のポンプおよび接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、さらなるポンプおよび接続構造の中に、ガスを保持することと、(e)さらなるポンプを使用して、接続構造および工程(a)のポンプを通ってガスを移動させることと、(f)さらなるポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを行うこととを含む方法を提供する。
【0260】
試験雰囲気の発生
開示するシステム10および方法を使用して研究されるべき、エアロゾルなどの試験雰囲気は、様々な手段によって発生できる。多くの用途に対して、例えば、たばこ製品、または共通の医療用吸入器およびこれに類するものを試験するために、試験雰囲気の発生は、システム自体によって駆動でき、すなわち、一次ポンプまたは二次ポンプ自体が、試験エアロゾルの発生および抽出に必要な陰圧を発生させ、これは有利なことに、エアロゾル発生器/喫煙機械の使用が必要ないことを意味する。
【0261】
試験雰囲気は、例えば、工業用地に極めて近接する室内の空気品質、職業曝露、もしくは環境汚染を監視するための、ガスまたはエアロゾルの環境試料でありうる。このようなある特定の場合には、試験雰囲気は発生せず、システムの作用によってサンプリングされる。
【0262】
試験雰囲気は、煙などのエアロゾルでありうるか、または煙に由来しうる。本明細書で使用される場合、「煙」という用語は、紙巻タバコなどの喫煙物品によって、またはエアロゾル形成材料を燃焼することによって生成されるエアロゾルの種類を説明するために使用される。煙は様々な作用物質を含み、それらはもし必要であれば研究用の個々の化合物として提供され得る。このような作用物質の例としては、ニコチンフリー乾燥粒子状物質、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、メチル-エチルケトン、ブチルアルデヒド、ベンゾ[a]ピレン、フェノール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,3-ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、ベンゼン、トルエン、ピリジン、キノリン、スチレン、N’-ニトロソノルニコチン(NNN)、N’-ニトロソアナタビン(NAT)、N’-ニトロソアナバシン(NAB)、4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン(NNK)、1-アミノナフタレン、2-アミノナフタレン、3-アミノビフェニル、4-アミノビフェニル、一酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(NOx)、シアン化水素酸、アンモニア、ヒ素、カドミウム、クロム、鉛、ニッケル、セレンおよび水銀が挙げられる。
【0263】
エアロゾルが煙の場合、システム10は随意に喫煙機械へ接続できる喫煙機械によって、システムにより提供されているポンプまたは本開示のポンプで、たばこを保持し火をつけるのが適切である。タバコ一本当たりの規定された吹き数、および曝露一分当たりの規定された吹き数を使用してもよく、タバコの本数を変えて、曝露時間を調整してもよい。基準たばこ、例えば、基準たばこの3R4Fを煙の源として使用してもよく、およびInternational Organization for Standardizationの喫煙レジメン(ISO 2000)に基本的に準拠して、喫煙機械上で発煙させてもよい。
【0264】
試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気の使用もまた意図している。対照雰囲気の使用は、対照雰囲気との比較における、試験雰囲気の効果を判定するのに役立ちうる。
【0265】
システム10は、システム10への煙に流路を提供する適切な導管によって、喫煙機械へ接続できる。煙は、空気などのキャリアガスと共に、またはキャリアガスなしで、導管を通って伝達されてもよい。キャリアガスを使用する場合、導管は、煙の流れと混ざるように、導管の中へのキャリアガスの導入用の入口を備えるのが好ましい。導管は、較正の目的で、ニコチンなど、システム10)中への標準的な基準の導入または注入用に、少なくとも一つの入口を備えることができる。煙流動は概して、本開示のシステムまたはポンプによって制御されるであろう。
【0266】
喫煙機械は、線形または回転喫煙機械であってもよい。喫煙機械は、複数の喫煙物品からの累積煙を収集および分析できるように、複数の喫煙物品を同時に吸うように動作するのが適切である。本開示に使用するための適切な喫煙機械は、当業者に周知である。
【0267】
本明細書に記載するシステム10および方法は、喫煙試験中に喫煙物品により発生する、主流煙の分析を行うように使用できる。「主流煙」は、喫煙物品を通って引き込まれ、使用中に消費者によって吸入されるであろう煙を指す。
【0268】
試験雰囲気は、エアロゾルを発生させるように、エアロゾル形成基体と相互作用するデバイスである、「エアロゾル発生デバイス」からであってもよい。エアロゾルの例は煙である。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるのに適切な、一つ以上の構成要素を備えうる。エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させるために、電力によって動作するヒーターを備えたエアロゾル発生デバイスである、電気加熱式のエアロゾル発生デバイスでありうる。エアロゾル発生デバイスは、ガス加熱式のエアロゾル発生デバイス、炭素質熱源によって加熱されるデバイス、他の発熱化学反応、またはヒートシンクであってもよい。エアロゾルを発生させる他の適切な手段は、当業界で周知である。エアロゾル発生デバイスは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるデバイスであってもよい。
【0269】
「エアロゾル発生デバイス」の別の例は、医学的活性化合物など、活性成分を含有するエアロゾルを送達するように概して使用される、吸息デバイス(吸入器)である。こうした吸息デバイスは、概して、エアロゾル化薬剤の呼吸気管への送達に使用される。吸息デバイスは、呼吸器および他の疾患の治療に使用できる。こうした吸入器は、技術分野で周知であり、概して、加圧式定量タイプ、ドライパウダータイプ、または噴霧器タイプである。概して薬剤は、液化性噴霧剤に懸濁する一つ以上の医薬化合物の微粒子を含有する加圧製剤、または噴霧剤/共溶媒系に溶解する一つ以上の化合物の溶液の形態である。こうした製剤は、当業界で周知である。
【0270】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体の上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。ある用途では、エアロゾル形成基体は、例えば、エアロゾル発生物品または加熱式紙巻たばこなどのロッド状のエアロゾル発生物品といった、エアロゾル発生物品の中に包含される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体をヒーターと接触させるために、エアロゾル発生デバイスと係合するのに適切なサイズおよび形状である。
【0271】
エアロゾル形成基体は、医学的活性化合物、または呼吸気管を介して患者へ送達できる、抗生物質もしくは抗炎症薬などの薬剤を含んでもよい。多数の医療用吸息デバイス(吸入器)が、様々な呼吸気管関連および非呼吸気管関連疾患の治療用として知られ、日常的に処方されている。
【0272】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含み得る。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有する、たばこ含有材料を含んでもよい。ある実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料、例えば、キャストリーフたばこを含んでもよい。「均質化したたばこ材料」は、本明細書で使用する場合、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を指す。均質化したたばこは、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎のうちの一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えばたばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、その他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填材、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0273】
細胞培養物
本開示で使用するための細胞培養物には、2次元および3次元細胞培養物を含む。本明細書に記載するように、細胞培養物は、概して、一つ以上のポンプの一つ以上のモジュール、および/もしくは接続構造の中で包含または培養されるであろう。細胞培養物は、細胞培養物への試験雰囲気の効果を判定できるように、試験雰囲気へ曝露できる。二つ以上の細胞培養物は、呼吸気管を模倣する、これらの異なる場所での細胞培養物への試験雰囲気の効果が判定できるように、一つ以上のポンプ、および/もしくは接続構造、ならびに/またはシステムの周りの異なる位置にあろうことが適切である。2次元細胞培養物は、細胞生理、および試験雰囲気などの刺激への応答のいくつかの態様の研究が可能になる、プラスチック表面上の平坦な層における細胞の成長を伴うが、器官の現実の構造および構築を反映していない。2次元単層では、分化、増殖、および細胞機能にとって必須である、細胞外マトリクス、細胞間相互作用、ならびに細胞-マトリクス相互作用が失われている。3次元培養システムは、インビボで観察される特性と類似する特性を伴う、機能的組織を形成できる。2次元培養システムと比較して、3次元細胞培養によって、細胞が三方向すべての周囲と相互作用するのが可能になり、より生理的な関連性が高くなる。こうした細胞は、生存性、増殖、分化、形態、刺激応答、薬物代謝、遺伝子発現、およびタンパク質合成、ならびにこれらに類するもので改良を示し得る。3次元細胞培養によって、従来の2次元細胞単層よりも生理的に関連性が高くなるような方法で、特定の組織様構造を生み出し、実際の組織の機能および応答を模倣できる。ヒトの器官を模倣した3次元組織がいくつか市販されている。本開示の文脈で特定の対象となる肺の3次元器官組織は、細胞が分化し機能的組織を形成する、気相液相界面(ALI:air-liquid interface)で成長した初代ヒト細胞を使用して調製できる。これら3次元組織は、ヒトの気管支組織に近い形態類似性および代謝特性を保有する。これらは、多列構造に配置された基底細胞、ゴブレット細胞、および線毛細胞から構成されている。肺に似て、活発に波打つ線毛が存在しており、それによりその機能と活性に関する研究が可能となる。ヒトの肺と比較して、これら3次元ALI培養において、生体異物酵素をコードするmRNAは同等レベルであることが判明している。加えて、これら組織は長期間インビトロで維持できる。肺組織のこの3次元モデルは、本開示にしたがって、試験雰囲気およびこれに類するものの効果を探求するのに適切なモデルである。
【0274】
「3次元細胞培養」という用語は、マトリクスもしくはスキャホールドの使用を伴う、または伴わない、3次元での細胞の培養を提供するいかなる方法も含む。スフェロイド培養および器官型培養をはじめとする、多くの様々な3次元細胞培養方法が開発されている。
【0275】
スフェロイド
「スフェロイド」という用語は、スフェロイド内での3次元細胞の増殖を支援するためのマトリックスもしくはスキャホールドの使用を伴うか、または伴わないかのいずれかで、3次元の細胞の球へ、または3次元の複数の細胞の凝集のいずれかへ分裂する単一細胞である、当分野で通常理解される意味とみなされる。3次元スフェロイドは、付着性スフェロイドまたは懸濁液中で増殖したスフェロイドであってもよい。本開示での使用向けにスフェロイドを培養するために、数種の異なるシステムが利用可能であり、例えば、ナノ培養プレート上で、懸濁培養液中で、ゲル上で、ポリ-HEMAでコートされたプラスチック上で、細胞カプセル化によって、または懸滴システムによって、凝集体として成長したスフェロイドが挙げられる。他の方法としては、スピナーフラスコ、回転システム、凹面法、および液体オーバーレイの使用が挙げられる。バイオリアクターを3次元スフェロイド細胞培養における使用に適合させてもよい。一実施形態では、使用される方法は、懸滴システム、例えば、GravityPLUS Hanging Drop System(InSphero社)である。この方法は、スフェロイドの作製用に設計された、非付着性コート済みマイクロタイタープレートであるGravityTRAP ULA Plateの使用を含む。スフェロイドの成熟は通常、細胞の種類および培養条件に応じて、播種から2~5日以内に生じる。スフェロイドは100μl以上、もしくは200μl以上、または300μl以上の容積中で培養されるのが適切である。スフェロイドは、Corning(登録商標)スフェロイドマイクロプレート中で培養されるのが適切である。
【0276】
3次元細胞培養マトリクスまたはスキャホールドを、スフェロイド培養に使用することができる。これらは多くの場合、3次元細胞の成長および分化をサポートできる多孔性基質である。様々な材料が開発され、外観、多孔性、透過性、機械的特性、およびナノスケールの表面形態に差異がある、3次元スキャホールドが生み出されている。こうした材料の例には、コラーゲンゲル、スポンジ、またはバイオゲル;フィブリン;フィブロネクチン;ラミニン;アルギン酸塩、ヒドロゲル;架橋グリコサミノグリカ;ポリマー系スキャホールド、合成スキャホールド;ペプチドスキャホールド;およびキトサン複合スキャホールドが挙げられる。
【0277】
3次元スフェロイドは、その細胞内情報伝送および細胞外マトッリクスの発生という点で、インビボ組織に非常によく似ている。これらマトッリクスは、生きた組織中で細胞が移動する方法と同様に、スフェロイド内での細胞の移動を補助する。したがって、スフェロイドは、分化、生存、細胞移動、細胞極性化、遺伝子発現、および成長に関し、大きく改善されたモデルである。
【0278】
スフェロイドは、プレートリーダーを用いて計測される比色分析、蛍光、および発光アッセイが含まれる、当該技術分野において周知の様々な方法を使用して採取および研究でき、または顕微鏡で容易に観察できる。追加の技法としては、ウェスタンブロット、ノーザンブロット、またはサザンブロット、組織学的技法(例えば、免疫組織化学法、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫蛍光法)、およびこれに類するものが挙げられる。光学撮像法-例えば、倒立明視野顕微鏡、蛍光顕微鏡、単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)、陽電子放出断層撮影法(PET)、磁気共鳴画像法(MRI)、およびチェレンコフ光発光イメージング(CLI)の使用も企図される。
【0279】
3次元スフェロイドの使用の用途には、インビボと分かる細胞および組織により厳密に近似する環境における、インビトロの細胞および組織の増殖の研究、化合物および試験雰囲気、毒性アッセイ、および臨床試験のスクリーニング、ならびにこれに類するものを含む。
【0280】
3次元細胞培養でのスフェロイドの使用は、Expert Opin.Drug Discov..(2015)10,519-540に概ね概説されている。インビトロで、肺スフェロイド細胞は大量に増やすことができ、肺胞様構造を形成し、成熟した肺上皮表現型を獲得できる。
【0281】
細胞源
本開示における使用のための肺細胞および細胞株は、当業界で周知の方法を使用して組織または液体から単離できる。肺細胞および細胞株は、胚性幹細胞または人工多能性幹細胞などの幹細胞から分化でき、または体細胞から直接分化できる。細胞および細胞株は、ヒトもしくは動物対象、またはヒト細胞もしくは動物細胞からであってもよく、またはそれらに由来してもよく、多くの哺乳類種のいずれか、適切にはヒトが挙げられるが、ラット、マウス、ブタ、ウサギ、および非ヒト霊長類、ならびにこれらに類するものも含む。細胞および細胞株は、商業的供給源から取得することもできる。ある実施形態では、ヒト細胞の使用が望ましい。
【0282】
肺上皮細胞を含む肺細胞は、対象の細胞タイプである。気管支および/または気道の上皮細胞は、本開示で特に有用である。ヒト気管支上皮細胞は、気管支鏡検査手順の間にドナーの肺をブラッシングすることにより採取することができる。一実施形態では、肺細胞は、正常なヒト気管支上皮(NHBE:Normal Human Bronchial Epithelial)細胞である。肺上皮細胞は、未分化細胞の単層として培養されか、または気液界面で器官型肺上皮様組織へとさらに分化させることができる。細胞は、以下の方法論を使用して気相液相界面で確立できる。簡潔に述べると、上皮細胞をフラスコ内で培養して、細胞数を増加できる。インキュベーション期間後、細胞をフラスコからはがし、計数して、インサート上に播種する。これらインサート上で、先端側および底側で、培地とともに細胞をインキュベートする。この段階によって、確実に細胞が分裂しインサートを完全に覆って、上皮を形成する。その後、先端部の培地を取り除き、底側の培地を保持して、より完全な培地と交換する。さらにしばらくの間、このように培養物をインキュベートする。その間に、細胞は3種の細胞:基底細胞、ゴブレット細胞および線毛細胞へと分化する。成熟が終わると、培養物を使用することができる。ヒト鼻上皮細胞を培養するための気相液相界面の使用は、J Vis Exp.2013年;(80):50646に記載されている。
【0283】
肺上皮細胞は、喫煙者または非喫煙者と分類される対象を含む、異なる病態のヒト対象または動物対象から取得することができる。
【0284】
マイクロセンサー
様々なマイクロセンサーが開発され、記載されている。例えば、Routkevitch et al(NSTI-nanotech 2005 ISBN 0-9767954-1-4;Vol.2)は、ナノ構造アルミナセラミックに基づくナノ構造ガスマイクロセンサープラットフォームの概要を提供する。別の例として、NigamおよびShukla(J.マイクロビオールBiotechnol.(2015)、25(11)、1773~1781)は、微生物バイオセンサーを使用して、大気中の有機および無機汚染物質の検出、定量化、および分解または変換を研究する。バイオセンサーには、細菌、真菌、および藍藻および酵素などの単細胞微生物が含まれ、Appl.Biochem.Biotechnol.(2015)175、3093-3119に概説されている。酵素阻害の測定値、または酵素反応に関与する化合物の直接的な測定に基づきうる酵素ベースのバイオセンサーなど、様々な種類のバイオセンサーが利用可能である。バイオセンサーのその他の例は、アプタマー、分子インプリントポリマー、バイオチップもしくはナノテクノロジー、またはそれらの組み合わせの使用を伴いうる。
【0285】
分子インプリントポリマーに基づくバイオセンサーは、試験エアロゾルの標的成分に特異的に結合しうる。標的成分は、たばこ煙中のニコチンなど、既知の量で試験エアロゾル中に存在し、それによって、模擬呼吸気管内側の全体的なエアロゾル質量堆積を計算することを可能にする。別の方法として、毒性活性化合物または生理活性化合物を、例えば、環境モニタリング中に標的とすることができる。特に、ポリアロマティックハイドロカーボンなどの毒性のあるエアロゾル化合物、または治療用エアロゾルを開発する場合、薬理学的に活性なエアロゾル成分、例えば、喘息の治療に使用される、ブデソニドなどのコルチコステロイドを標的とすることができる。
【0286】
必要に応じて、マイクロセンサーは、例えば、穿孔構造内、または模擬呼吸気管内、または穿孔構造の分岐チャネル内などの組み合わせで配置されうる。例として、一つ以上の分岐チャネルのうちの一部またはすべては、構造の中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを含む。さらなる例として、一つ以上の分岐チャネルは、構造の中の状態を監視するためのマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部を含みうる。さらなる例として、マイクロセンサーは、一つ以上の曝露プラグ内、または一つ以上のプローブ内、または一つ以上の水晶振動子マイクロバランス内、またはそれらに関連付けられた一つ以上のホルダー内など、細胞培養物が存在する部位に配置されてもよい。いずれの場合でも、当然のことながら、標的とされる化学種および選択されるマイクロセンサーは、試験されるエアロゾルに依存する。
【0287】
アッセイ
本開示は、模擬呼吸気管への試験雰囲気の影響を研究するための、様々な用途に使用できる。例えば、本開示は、インビトロ吸入毒性の研究、呼吸気管におけるエアロゾルの動態(例えば、ガスの細胞培養物の中へのエアロゾル粒子の堆積および吸収)の調査、または呼吸気管の上皮にわたる試験雰囲気(例えば、エアロゾル分子)の代謝活性もしくは輸送の調査で使用できる。本開示は、エアロゾル、煙、もしくはたばこ製品の効果、または医療用吸入器などの吸入器の効果を試験するために使用できる。本開示は、エアロゾル、煙、もしくはたばこ製品の効果、または呼吸気管のうちの一つ以上の一部の細胞への医療用吸入器の効果を試験するために使用できる。
【0288】
一態様は、模擬呼吸気管に包含される、細胞の一つ以上の培養物および/またはマイクロセンサーなど、細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法に関し、方法は、(a)本明細書に記載するシステムを提供することであって、システムは、モジュールのうちの一つ以上の中に、細胞の培養物および/またはマイクロセンサーを包含する、提供することと、(b)試験雰囲気への曝露の前および/または後に、細胞の培養物および/またはマイクロセンサーを比較することであって、細胞の試験雰囲気への曝露の前および/または後における、細胞の培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、比較することとを含む。
【0289】
細胞の培養物および/またはマイクロセンサーの差を、細胞および/またはマイクロセンサーの試験雰囲気への曝露後に判定する実施形態では、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーは、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサー、または試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露される細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと比較できる。この実施形態によると、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差、または試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0290】
別の態様は、本明細書に記載するシステムで、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法に関し、方法は、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、試験雰囲気を接続構造の中へ引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を、周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含む。
【0291】
別の態様は、本明細書に記載のシステムで、模擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定するための方法に関し、方法は、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、接続構造を通って試験雰囲気を引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を、周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物培養物および/またはマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後の細胞培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0292】
細胞の培養物および/またはマイクロセンサーの差を、細胞の試験雰囲気への曝露後に判定する実施形態では、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーは、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサー、または試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露される細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと比較できる。この実施形態によると、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差、または試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0293】
さらなる態様は、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法に関し、方法は、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプの中へ、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを行うこととを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、細胞培養物に接触する。
【0294】
さらなる態様は、擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定する方法に関し、方法は、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプを通って、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを実施することとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、または接続構造、または第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物および/またはマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後の細胞培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。細胞の培養物および/またはマイクロセンサーの差を、細胞および/またはマイクロセンサーの試験雰囲気への曝露後に判定する実施形態では、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーは、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサー、または試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露される細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと比較できる。この実施形態によると、試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気へ曝露されていない細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差、または試験雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーと、試験雰囲気を包含しない雰囲気など、対照雰囲気へ曝露された細胞の培養物および/またはマイクロセンサーとの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す。
【0295】
試験雰囲気の効果は、一つ以上の薬剤が存在する中で研究されうる。薬剤には、薬物、毒素、病原体、タンパク質、核酸、抗原、抗体、および化学化合物などが含まれうるが、これらに限定されない。測定されうる効果の例には、酸素消費、二酸化炭素の産生、細胞の生存能力、タンパク質の発現、酵素活性、浸透、透過障壁機能、サーファクタント産生、サイトカインへの反応、トランスポーター機能、チトクロームP450発現、アルブミン分泌、毒性、およびこれらに類するものを含む。
【0296】
異なる濃度の試験雰囲気および/または薬剤を用いて、複数のアッセイを並行して行い、様々な濃度に対する異なる反応を取得してもよい。
【0297】
薬剤は、対象のいかなる被験化合物であってもよく、低分子有機化合物、ポリペプチド、ペプチド、高分子量炭水化物、ポリヌクレオチド、脂肪酸および脂質、エアロゾルまたはエアロゾルの一つ以上の構成要素、ならびにこれに類するものを含む。被験化合物は、個々に、または化合物のセットもしくはコンビナトリアルライブラリーでスクリーニングされてもよい。被験化合物は、合成化合物または天然化合物のライブラリーをはじめとする、広範で様々な源から取得できる。細菌、真菌、植物、および動物の抽出物の形態である、天然化合物ライブラリーを使用することができる。天然のまたは合成的に作製されたライブラリー、および従来の化学的手段、物理的手段、および生化学的手段を介して改変された化合物を使用して、コンビナトリアルライブラリーを作製してもよい。既知の薬理学的作用物質は、例えば、アシル化、アルキル化、エステル化、酸性化などの化学的改変を直接または無作為にかけられ、スクリーニング用の構造的アナログを作製してもよい。
【0298】
測定されうる一つ以上の変数は、細胞、細胞内物質、細胞内構成要素、または細胞産物の要素を含む。一例として、試験雰囲気の毒性を測定できる。呼吸気管中のエアロゾル動態(例えば、細胞培養物中へのガスのエアロゾル粒子の堆積および吸収)を測定できる。さらなる例として、呼吸気管の上皮にわたる分子の代謝活性および/または輸送について研究できる。
【0299】
コンピュータ
また、コンピュータ/プロセッサによって実行されるとき、本明細書に記載する方法のうちの一つ以上を行うよう、コンピュータを制御するように動作可能なコンピュータプログラムについても開示する。
【0300】
当業者は、上に記載した様々な方法の工程が、プログラムされたコンピュータにより実施されうることを容易に認識するであろう。本明細書では、一部の実施形態はまた、プログラム記憶デバイス、例えば、機械またはコンピュータで読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体を対象とし、命令の機械実行可能プログラムまたはコンピュータ実行可能プログラムをコードするように意図され、命令は、上に記載した方法の工程の一部またはすべてを行う。プログラム記憶デバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的可読デジタルデータ記憶媒体であってもよい。実施形態はまた、上に記載した方法の工程の一部またはすべてを行うように、プログラムされたコンピュータを対象とすることも意図される。
【0301】
プロセッサまたは論理を含む様々な要素の機能は、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行できるハードウェアだけでなく、専用ハードウェアの使用によって提供されてもよい。プロセッサにより提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または一部が共有されうる複数の個々のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」、もしくは「コントローラ」、または「論理」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、限定されないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を黙示的に含みうる。他のハードウェア、従来および/または特注のものもまた含まれうる。同様に、図に示すいかなるスイッチも概念上のみである。それらの機能は、プログラム論理の動作によって、専用論理によって、プログラム制御と専用論理との相互作用によって、または手動でさえも遂行されてもよく、ある特定の技法は、文脈からより具体的に理解されるように、実装者によって選択可能である。
【0302】
開示のさらなる態様を、以下の番号付きの段落に記載する。
【0303】
1.模擬呼吸気管で使用するための穿孔構造であって、構造は、一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔は分岐の開放終端部である、穿孔構造。
2.各チャネルの分岐が叉状である、段落1に記載の穿孔構造。
3.n+1個の連続する分岐点後に存在する各チャネルの直径は、n個の分岐点後に存在するチャネルの直径以下である、段落1または段落2に記載の穿孔構造。
4.n+1個の連続する分岐点後に存在するすべてのチャネルの総断面積は、n個の分岐点後のすべてのチャネルの総断面積以上である、段落1~3のいずれか一つに記載の穿孔構造。
5.構造が非対称である、段落1~4のいずれか一つに記載の穿孔構造。
6.構造が放射対称性を有する、段落1~4のいずれか一つに記載の穿孔構造。
7.構造がモジュール式である、段落1~6のいずれか一つに記載の穿孔構造。
8.構造のすべてまたは一部は、金属および非多孔性合成材料を含む非多孔性材料、多孔質シリコンを含む多孔性材料、サーモゲルを含むゲル状材料、疎水性材料、親水性材料、両親媒性材料、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる群から選択される一つ以上の材料から形成される、段落1~7のいずれか一つに記載の穿孔構造。
9.分岐チャネルのうちの一つ以上が、分岐チャネルの内部表面の一部またはすべてに一つ以上の被覆をさらに備える、段落1~8のいずれか一つに記載の穿孔構造。
10.被覆のうちの一つ以上が、分岐チャネルのうちの一つ以上のすべてまたは一部中で増殖した細胞に水および栄養素を提供する、段落9に記載の穿孔構造。
11.分岐チャネルのうちの一つ以上の一部またはすべては、細胞培養液を含むマトリクス、および/または構造の中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブで被覆される、段落1~10のいずれか一つに記載の穿孔構造。
12.分岐チャネルのうちの一つ以上は、細胞培養液を含むマトリクス、または構造の中の状態を監視するためのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部をさらに備える、段落1~11のいずれか一つに記載の穿孔構造。
13.細胞培養液は、ゼラチンメタクリロイル(GelMa)などの一つ以上のハイドロゲルを包含する、段落11または段落12に記載の穿孔構造。
14.ポンプの内部に一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプであって、分岐チャネルは、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される、ポンプ。
15.分岐構造が、段落1~13のいずれか一つに記載の穿孔構造内に包含される、段落14に記載のポンプ。
16.ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成されたチャンバーを備える、段落14または段落15に記載のポンプ。
17.ポンプはポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備える、段落14~16のいずれか一つに記載のポンプ。
18.試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムであって、システムは、(i)試験雰囲気を含むガスの第一の容積を包含するように構成される、チャンバーと、(ii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第一のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第一のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能であり、開位置で弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開くことが可能な、第一のポートと、(iii)ガスを受け入れ排出するように適合し、第二のポートを通るガスの流れを調節するための弁を備える、第二のポートであって、弁は、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、(iv)チャンバーの中のピストンプレートであって、ピストンプレートは、チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、隙間のうちの一つ以上または各々は、開閉位置間を動くことが可能で、ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートと、(v)第一のポンプの動作を制御するためのモーターとを備える、(a)第一のポンプと、(b)段落13~16のいずれかに記載の第二のポンプと、(c)第一のポンプから第二のポンプの中へ、ガスを伝達するように動作可能な接続構造と、(d)第一のポンプもしくは第二のポンプ、もしくは接続構造の壁、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中にある、一つ以上の開口部であって、開口部は、細胞培養液を含むマトリクス、および/またはチャンバーの中の状態を監視するための少なくとも一つのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するためのモジュールを受け入れることができる、一つ以上の開口部とを備える、システム。
19.段落14~17のいずれかに記載のポンプ、または段落18に記載のシステムの使用を含む、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法。
20.試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための、段落14~17のいずれかに記載のポンプ、または段落18に記載のシステムの使用。
21.段落14~17のいずれかに記載のポンプ、または段落18に記載のシステムの使用を含む、模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法。
22.模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための、段落14~17のいずれかに記載のポンプ、または段落18に記載のシステムの使用。
23.模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法であって、(a)段落14~17のいずれかに記載のポンプまたは段落18に記載のシステムを提供することであって、ポンプまたはシステムは、モジュールのうちの一つ以上の中に、細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する、提供することと、(b)試験雰囲気への曝露の前および/または後に、細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを比較することであって、細胞および/または少なくとも一つのマイクロセンサーの試験雰囲気への曝露の前および/または後における、細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、比較することと、を含む、方法。
24.段落18に記載するシステムで、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法であって、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、試験雰囲気を接続構造の中へ引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を、周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含む、方法。
25.段落18に記載するシステムで、模擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定するための方法であって、(a)第一のポンプの第一の弁を開き、第一のポンプの第二の弁を閉じて、試験雰囲気を含むガスを、第一のポートを介して第一のポンプへ提供することと、(b)第一のポンプの第一の弁を閉じて、第二の弁を開き、第一のポンプのピストンプレート上の弁を閉じることと、(c)第二のポンプを操作して、接続構造を通って試験雰囲気を引き込み、第一のポンプのチャンバーおよび接続構造を、周囲空気で流すことと、(d)第一のポンプの第一の弁を、周囲空気の方へ開き、第一のポンプの第一のポートと第二のポートとの間に密封接続を形成することと、(e)ある時間後に、第二のポンプを使用して、接続構造を通って、第一のポンプの第一の弁を通って、試験雰囲気を移動させることとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物を含むマトリクスおよび/または少なくとも一つのマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後の細胞培養物および/またはマイクロセンサーの差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、方法。
26.試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を模擬実験するための方法であって、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことであって、第二のポンプは段落14~17のいずれかに記載のポンプである、取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプの中へ、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを実施することとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、細胞培養物を含むマトリクスおよび/または少なくとも一つのマイクロセンサーに接触する、方法。
27.模擬呼吸気管への試験雰囲気の効果を判定するための方法であって、(a)試験雰囲気を第一のポンプのチャンバーへ提供することと、(b)第一のポンプから、第一のポンプを第二のポンプへ接合する接続構造の中へと、試験雰囲気を取り除くことであって、第二のポンプが段落14~17のいずれかに記載のポンプである、取り除くことと、(c)第一のポンプ、および接続構造の少なくとも一部分を、周囲空気で流すことと、(d)定義される時間中、第二のポンプおよび接続構造の中に試験雰囲気を保持することと、(e)第二のポンプを使用して、接続構造および第一のポンプを通って、試験雰囲気を移動させることと、(f)第二のポンプの中で、周囲空気の一回以上のポンプサイクルを実施することとを含み、試験雰囲気は、第一のポンプ、もしくは接続構造、もしくは第二のポンプ、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中に位置する、一つ以上のモジュールの中に位置する細胞培養物を含むマトリクスおよび/または少なくとも一つのマイクロセンサーと接触し、方法は、細胞培養物および/またはマイクロセンサーへの試験雰囲気の効果を判定する、さらなる工程を含み、試験雰囲気への曝露の前および/または後の細胞培養物の差は、試験雰囲気が細胞培養物および/またはマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、方法。
28.段落26または段落27に記載の方法を実施するように構成される、または適合する装置。
29.(i)それぞれが開放終端部を含む一つ以上の分岐チャネルを、穿孔構造の形成に適切な材料内に包埋することと、(ii)一つ以上の分岐チャネルのキャストを材料から除去することとを含む、段落1~13のいずれ一つの穿孔構造の製造方法。
30.穿孔構造は、少なくとも部分的に、3次元印刷によって製造される、段落29の方法。
31.穿孔構造は、モデリングによって形成される、段落29の方法。
32.穿孔構造は、テンプレートから鋳造される、段落29の方法。
33.穿孔構造は、i)哺乳類の気管支気道の分岐構造を実質的に模倣する、ii)理想化した分岐構造である、またはiii)i)およびii)の組み合わせである、段落29~32のいずれか一つに記載の方法。
【0304】
吸入毒物学および吸入療法の分野における、および吸入可能な消費者製品の評価に対して関連するエアロゾル特性に対するインビボ気道の効果のインビトロ模擬試験が本明細書に開示される。さらに、本開示は、安定し、良好に特徴付けられ、再現性があり、倫理的にクリティカルではない条件下における、呼吸気管に対するインビボエアロゾルドシメトリを判定するための実験モデルとして機能しうる。本明細書に記載の気道のモデルは呼吸気管または類似の複雑な構造におけるエアロゾル力学を研究するための堅牢なモデルとして機能するため、基礎研究のための値が特定され、それ故に、こうした複合構造における呼吸器官およびエアロゾルの力学の理解に寄与しうる。
【0305】
本明細書に引用または記載されるあらゆる刊行物は、本出願の出願日以前に開示された関連情報を提供する。本明細書における記述は、本発明者らがそのような開示に先だって権利を与えられないことの承認としては解釈されないものとする。上記の明細書で言及したすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な改変および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連付けて本発明を説明してきたが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者にとって明らかである、本発明を遂行するために記載した様式の種々の改変は、以下の特許請求の範囲内であることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬呼吸気管との使用のための穿孔構造であって、前記構造が、一つ以上の穿孔を含みかつ一つ以上の分岐チャネルを収容する穿孔されたエンベロープを備え、各穿孔が、前記一つ以上の分岐チャネルの開放終端部であり、前記分岐チャネルの一つ以上が前記分岐チャネルの内表面の部分または全体上に一つ以上の被覆を含む、穿孔構造。
【請求項2】
各チャネルの分岐が叉状である、請求項1に記載の穿孔構造。
【請求項3】
n+1個の連続する分岐点後に存在する各チャネルの直径が、n個の分岐点後に存在するチャネルの直径以下である、請求項1または請求項2に記載の穿孔構造。
【請求項4】
n+1個の連続する分岐点後に存在するすべてのチャネルの総断面積が、n個の分岐点後のすべてのチャネルの総断面積以上であり、好ましくは、
前記構造が非対称である、または前記構造が放射対称性を有する、請求項1~3のいずれかに記載の穿孔構造。
【請求項5】
前記構造がモジュール式であり、および/または、
前記構造のすべてまたは一部が、金属および非多孔性合成材料を含む非多孔性材料、多孔質シリコンを含む多孔性材料、サーモゲルを含むゲル状材料、疎水性材料、親水性材料、両親媒性材料、またはそれらの二つ以上の組み合わせからなる群から選択される一つ以上の材料から形成される、および/または、
前記被覆のうちの一つ以上が、前記分岐チャネルのうちの一つ以上のすべてまたは一部中で増殖した細胞に水および栄養素を提供し、および/または、
前記分岐チャネルのうちの一つ以上の一部またはすべてが、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記構造の中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーで被覆される、および/または、
前記分岐チャネルのうちの一つ以上が、マトリクスを包含する細胞培養液、または前記構造の中の状態を監視するためのマイクロセンサー、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのためのプローブを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れるために一つ以上の開口部をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載の穿孔構造。
【請求項6】
ポート、およびポンプ内部の一つ以上の分岐チャネルを含む、ガスの容積を移動させるためのポンプであって、前記一つ以上の分岐チャネルが、ガスを受け入れて排出するためにポートに接続される、ポンプ。
【請求項7】
前記一つ以上の分岐チャネルが、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記穿孔構造内に包含され、および/または、
前記ポンプが、ガスの容積を包含するように、および基部と、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記チャンバーの中の状態を監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するための一つ以上のモジュールを受け入れることができる一つ以上の開口部とを備えるように構成されたチャンバーを備え、
前記ポンプが、前記ポンプの動作を制御するためのモーターをさらに備える、請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用を判定するためのシステムであって、
(a)第一のポンプであって、
(i)試験雰囲気を含むガスの第一の容積を包含するように構成される、チャンバーと、
(ii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第一のポートを通る前記ガスの流れを調節するための弁を備える、前記第一のポートであって、前記弁が、開閉位置間を動くことが可能であり、前記開位置で前記弁は、試験雰囲気または周囲空気の方へ開くことが可能な、第一のポートと、
(iii)ガスを受け入れて排出するように適合し、第二のポートを通る前記ガスの流れを調節するための弁を備える、前記第二のポートであって、前記弁が、開閉位置間を動くことが可能である、第二のポートと、
(iv)前記チャンバーの中のピストンプレートであって、前記ピストンプレートが、前記チャンバーの中へのガスの取り込みまたは流入のための一つ以上の隙間を備え、前記隙間のうちの一つ以上または各々が、開閉位置間を動くことが可能で、前記ガスの取り込みまたは流入を調節することができる、弁を含む、ピストンプレートと、
(v)前記第一のポンプの動作を制御するためのモーターと、を備える、第一のポンプと、
(b)第二のポンプであって、前記第二のポンプが請求項6または7に定義される、第二のポンプと、
(c)前記第一のポンプから前記第二のポンプの中へ、前記ガスを伝達するように動作可能な接続構造と、
(d)前記第一のポンプもしくは前記第二のポンプ、もしくは前記接続構造の壁、またはそれらの二つ以上の組み合わせの中にある、一つ以上の開口部であって、前記開口部が、細胞培養液を含むマトリクス、および/または前記チャンバー中の状態の監視するための、またはガスサンプリングまたはガス特徴付けのための少なくとも一つのマイクロセンサーを包含するためのモジュールを受け入れることができる、一つ以上の開口部と、を備える、システム。
【請求項9】
請求項6または7に記載の前記ポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用を含む、試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための方法。
【請求項10】
試験雰囲気と模擬呼吸気管との間の相互作用の模擬実験をするための、請求項6または7に記載のポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用。
【請求項11】
請求項6または請求項7に記載のポンプ、または請求項8に記載の前記システムの使用を含む、模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法。
【請求項12】
模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための、請求項6または7に記載のポンプ、または請求項8に記載のシステムの使用。
【請求項13】
模擬呼吸気管内に包含される細胞の培養物への試験雰囲気の効果を判定するための方法であって、
(a)請求項6または請求項7に記載の前記ポンプまたは請求項8に記載の前記システムを提供することであって、前記ポンプまたはシステムが、前記モジュールのうちの一つ以上の中に、細胞の培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーを包含する、提供することと、
(b)前記試験雰囲気への曝露の前および/または後に、前記細胞の培養物および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーを比較することであって、前記細胞および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーの前記試験雰囲気への曝露の前および/または後における、前記細胞の培養物および/または前記少なくとも一つのマイクロセンサーの差は、前記試験雰囲気が細胞培養物および/または少なくとも一つのマイクロセンサーに効果をもたらすことを示す、比較することと、を含む、方法。
【請求項14】
請求項11もしくは請求項13の前記方法を実施するように構成される、または適合する装置。
【国際調査報告】