(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】食品用の鮮度保持負圧容器
(51)【国際特許分類】
B65D 53/02 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
B65D53/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538264
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2019085028
(87)【国際公開番号】W WO2020143994
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】102019000133.8
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519253661
【氏名又は名称】ツヴィリング ヨット アー ヘンケルス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ディンクヘラー ジーモン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AA24
3E084AA32
3E084BA01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DC01
3E084DC03
3E084DC06
3E084FA09
3E084GA08
3E084GB12
3E084HA03
3E084HB02
3E084HB04
3E084HD04
3E084LA17
3E084LB02
(57)【要約】
本発明は、食品を保管するための容器であって、上部水平蓋を有し、その外縁は全周にわたってシーリングプロファイルを有する容器に関する。シーリングプロファイルは、容器が閉じられたときに、容器の上端に接触し、蓋は密閉された容器から空気を吸引し、容器内でより低い圧力(負圧)を得ることができる弁を備えた開口部を有し、その圧力は大気圧よりも低い。
蓋は、蓋の縁によって完全に囲まれる内部領域を有し、蓋の内部領域が、全体にわたって延びる可撓性プロファイルによって蓋の縁に取り付けられ、プロファイルは、蓋の内部領域の可変高さ支持を形成する。
容器内に負圧が存在しない場合、プロファイルは蓋の内部領域を上部の位置に維持し、負圧が存在する場合、プロファイルは蓋の内部領域をより低い位置に移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を保管するための容器(1)であって、上部水平蓋(2)を有し、その外縁は全周にわたってシーリングプロファイル(3)を有し、前記シーリングプロファイルは、前記容器が閉じられたときに、前記容器の上端(4)に接触し、前記蓋(2)は、前記密閉された容器から空気を吸引し、前記容器内でより低い圧力(負圧)を得ることができる弁を備えた開口部(9)を有し、前記圧力は大気圧よりも低い容器において、
前記蓋(2)は、蓋の縁(2b)によって完全に囲まれる内部領域(2a)を有し、前記蓋の内部領域(2a)は、全周に延在して、前記蓋の内部領域(2a)の可変高さ支持を形成する可撓性プロファイル(3)によって、前記蓋の縁(2b)に取り付けられ、
前記プロファイル(3)は、負圧が存在しない場合、前記蓋の内部領域(2a)を上部位置に維持し、負圧が存在する場合、前記蓋の内部領域(2a)をより低い位置に移動できるようにすることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記蓋の内部領域(2a)を前記蓋の縁(2b)に保持する前記プロファイル(3)は、前記蓋の縁(2b)と前記容器(1)の前記上端(4)の間に密封を形成するシーリングプロファイルと一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記蓋の内部領域(2a)のより低い位置において、前記容器の内縁に接触するシーリング領域(3c)が拡張されるように、前記シーリングプロファイル(3)が変形されることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記シーリングプロファイル(3)は、前記容器の内縁に接触するシーリング領域(3c)において、前記シーリングプロファイル(3)の上部の壁厚よりも薄い壁厚を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記シーリングプロファイル(3)、特に前記容器の内縁に接触するシーリング領域(3c)は、こぶ、ビーズ(8)又は層を示すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記シーリングプロファイル(3)は、前記蓋の縁(2b)と前記蓋の内部領域(2a)との間に密封を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を保管するための容器であって、上部水平蓋を有し、その外縁は全周にわたってシーリングプロファイルを有する容器に関する。シーリングプロファイルは、容器が閉じられたときに、容器の上端に接触し、蓋は密閉された容器から空気を吸引し、容器内でより低い圧力(負圧)を得ることができる弁を備えた開口部を有し、その圧力は大気圧よりも低い。
【背景技術】
【0002】
貯蔵食品を新鮮に保つための容器には、バルブ機能のある開口部を有する上蓋で密閉できるものが知られており、容器内部に負圧を発生させるために、ポンプ、特に手動式ポンプが接続されており、その圧力で容器内の食品の保存期間を延長できる。このような食品保存容器は、しばしば「真空」容器と呼ばれるが、大気圧未満の圧力しか達成できず、完全な真空は達成できない。
【0003】
既知の真空食品保存容器は、表示装置/真空計又は指示器を有さないため、容器内に負圧があるかどうかは明らかではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の種類の真空食品保存容器を、容器内に負圧が有るかかどうか、及び、既存の負圧が低いか高いかが容易に明らかになるように、改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は、蓋が、蓋の縁によって完全に囲まれる内部領域を有し、その蓋の内部領域が、全周に延在する可撓性プロファイルによって蓋の縁に取り付けられ、そのプロファイルが、蓋の内部領域の可変高さ支持を形成し、及び、負圧が存在しない場合、蓋の内部領域を上部位置に維持し、負圧が存在する場合、蓋の内部領域をより低い位置に移動できるようにすることで解決される。
【0006】
容器内に発生した負圧により、移動可能に支持された蓋の内部領域が下向きに引っ張られるため、ユーザーは容器内に負圧が存在するかどうかを簡単に確認できる。蓋の内部領域の支持部は、わずかな負圧が存在する場合、蓋の内部領域の下向きへの移動がより高い負圧が存在する場合よりも少なくなるように設計できる。蓋の内部領域の設計と支持部は特にシンプルで扱いやすい。
【0007】
蓋の内部領域を蓋の縁に保持するプロファイルが、容器の上端で蓋の縁を密封するシーリングプロファイルと一体に形成される場合、特に単純な製造及び組み立てが達成される。
【0008】
容器の内縁で、蓋の高い気密性(締付け)を達成するために、蓋の内部領域のより低い位置において、容器の内縁に接触するシーリング領域が拡張されるように、シーリングプロファイルが変形される場合、それは特に有利である。
【0009】
高い気密性(締付け)を達成するために、シーリングプロファイルが、容器の内縁に接触するシーリング領域において、シーリングプロファイルの上部の壁厚よりも薄い壁厚を有する場合も有利である。この点に関して、シーリングプロファイル、特に容器の内縁に接触するシーリング領域が、こぶ(突起)、ビーズ、又は層を示すことが提案される。
【0010】
シーリングプロファイルはまた、蓋の内部領域がそれのより低い位置にあるとき、プロファイルが蓋の縁と容器の上端との間に密封(シール)を形成し、同時に蓋の縁と蓋の内部領域との間に密封を形成するように設計することもできる。したがって、負圧が存在する場合、シーリングプロファイルはその両端でシーリング効果がある。
【0011】
本発明の2つの実施形態が図面に示され、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による食品用の鮮度保持負圧容器の上部領域を通る垂直断面における第1実施形態を示しており、内部領域2aは、負圧の結果として最も低い位置にある。
【
図2】シーリングプロファイルが容器の蓋の縁と上端との間に密封を形成し、同時に蓋の縁と蓋の内部領域との間に密封を形成する第2実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
食品を保管するための容器1は、水平な、円形、楕円形、又はほぼ長方形の底部と、取り囲む容器壁7を有する。その容器の内部空間5は、上部に開いており、水平蓋2によって閉じることができる。容器の外縁には、取り囲むシーリングプロファイル3が取り付けられており、それは、シリコーン又はアクリルポリマーなどの弾性プラスチック材料製であり、好ましくは、エンドレスプロファイルとして押出機によって製造され、定寸にカットされる。
【0014】
蓋2は、蓋の縁部2bによって完全に囲まれている蓋の内部領域2aを有する。蓋の内部領域2aは、シーリングプロファイル3の上部内側領域3bを介して蓋の縁部2bと接続され、シーリングプロファイル3は、蓋の縁部2bと容器壁7の上端4との間に密封(シール)を形成している。
【0015】
シーリングプロファイル3は、その上部領域3dが蓋の縁部2bの下側に取り付けられ、その下部外側面3cと下部領域3aとで、外側シーリング領域を形成し、蓋が閉じられるか、又は容器上に置かれると、容器壁7の上端4の内面に密封して接触する。
【0016】
リング状プロファイル3は、上部に開いたV字型断面を有し、その上部外縁領域3dは、特に接着されて、蓋の縁部2bの底面に取り付けられ、上部内縁領域3bは、特に接着されて、蓋の内部領域2aの外縁の底面に取り付けられている。
【0017】
上部に開いたシーリングプロファイル3の下部リング形状領域3aは、容器内部空間5の境界を定め、シーリングプロファイル3は、容器内に存在する負圧にさらされる。負圧は、シーリングプロファイルの下部領域3a、特に横方向外側3cの外側への移動に影響を及ぼし、その結果、シーリングプロファイルのシーリング領域3cが拡張され、シーリング圧力が増加する。
【0018】
有利な実施形態では、容器の内縁に接触するシーリング領域3cの壁厚は、シーリングプロファイル3の上部領域3b、3dの壁厚よりも薄い。さらに、シーリングプロファイル3、特に容器の内縁に接触するシーリング領域3cは、突起(こぶ)、ビーズ8又は層を有することができる。
【0019】
図2に示される代替の実施形態では、シーリングプロファイル3は、蓋の内部領域2aに取り付けられ、その上部内側領域3bとシーリング領域を形成し、蓋が閉じられるか、又は容器上に置かれると、蓋の縁部2b及び蓋の内部領域2aに密封的に接触する。
【0020】
両方の実施形態において、容器の底部、容器壁、及び蓋は、様々な材料、特にプラスチック、金属、又はガラスで作ることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 容器
2 (水平)蓋
2a 内部領域
2b 縁部
3 シーリングプロファイル
3a 下部領域
3b 上部領域
3c シーリング領域
3d 上部領域
4 上端
5 (容器の)内部空間
7 容器壁
8 ビーズ
【国際調査報告】