(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】端子ブロック
(51)【国際特許分類】
H02B 3/00 20060101AFI20220228BHJP
H02B 1/26 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
H02B3/00 D
H02B1/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540073
(86)(22)【出願日】2020-01-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2020050128
(87)【国際公開番号】W WO2020144132
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510148186
【氏名又は名称】アジェ・エレクトロ、エスアエス
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ディ ラウロ,マクシム
(72)【発明者】
【氏名】ドガン,トルガ
(72)【発明者】
【氏名】エロイ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ケッテラー,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】プー,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ワイル,ダヴィッド
(57)【要約】
本発明は電気スイッチギア装置の枠に固定することが出来る端子ブロックに関し、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーを有するホルダ(20)、少なくとも1つの位置決めおよび保持ラグ(42)を有するカバー(40)および締め付け装置(60)を含む。少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、枠の位置決めおよび保持凹部内に導入されることが出来る。少なくとも1つのラグ(42)は、枠の位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入されることが出来る。締め付け装置(60)は、位置決めおよび保持フィンガー(22)が位置決めおよび保持凹部内に導入されて、ラグ(42)が位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入されたときに、カバー(40)をホルダ(20)に対して締め付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気スイッチギア装置(100)の枠(110)に固定することが可能である端子ブロックであって、
少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)を有するホルダ(20);少なくとも1つの位置決めおよび保持ラグ(42)を有するカバー(40);および締め付け装置(60)を含み、
前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)は、ホルダ(20)を枠(110)上に位置決めするために、枠(110)の少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(112)内に導入されることが可能であり、前記少なくとも1つのラグ(42)は、カバー(40)を枠(110)上に位置決めするために、枠(110)の位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入可能であり、前記締め付け装置(60)は、前記位置決めおよび保持フィンガー(22)が位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(112)内に導入され、そして前記ラグ(42)が、位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入された際に、カバー(40)をホルダ(20)に締め付けるものである、前記端子ブロック。
【請求項2】
請求項1に記載の端子ブロックであって、
前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)は、第1の方向(D1)に平行に行われる並進運動によって、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(112)内に導入されることが可能であること、および前記少なくとも1つのラグ(42)は、第2の方向(D2)に平行に行われる並進運動によって、位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動導入されることが可能であること、そして第1の方向(D1)と第2の方向(D2)とは互いに離れていくかまたは交叉するものであることを特徴とする、前記端子ブロック。
【請求項3】
請求項1または2に記載の端子ブロックであって、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)が、実質的に一様な断面の端部(24)を含むことを特徴とする、前記端子ブロック。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の端子ブロックであって、
ホルダ(20)が、ホルダ(20)を枠(110)に対して位置決めするために位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持溝(116)内に導入されることが出来る、少なくとも1つのトング(26)を与えられていることを特徴とする、前記端子ブロック。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の端子ブロックであって、
締め付け装置(60)が、カバー(40)をホルダ(20)に対して積極的な結合で締め付けることが可能であることを特徴とする、前記端子ブロック。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の端子ブロックであって、
締め付け装置(60)が、ヘッド(64)と実質的に軸(A)に沿って延びるシャフト(66)とおよびシャフト(66)から軸に直角に伸びる少なくとも1つの肩(68)とを有する少なくとも1つの固定要素(62)を含み、該少なくとも1つの固定要素(62)は、積極的な結合によってカバー(40)に保持されており、カバー(40)をホルダ(20)に締め付けるために、ホルダ(20)には肩(68)を受け入れる少なくとも1つのノッチ(70)を有することを特徴とする、前記端子ブロック。
【請求項7】
少なくとも1つの位置決めおよび保持開口および/または位置決めおよび保持凹部112が設けられた枠(110)と、少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド(114)と、請求項1~6のいずれか一項に記載された端子ブロックとを含む電気スイッチギア装置であって、前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)が位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(112)内に導入されており、少なくとも1つのラグ(42)が少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入されており、締め付け装置(60)がカバー(40)をホルダ(20)に対して締め付けている、前記電気スイッチギア装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電気スイッチギア装置(100)を組み立てるための組み立て方法であって、次のステップ
-ホルダ(20)の少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)を、ホルダ(20)を枠(110)上に位置決めするために、枠(110)の少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に導入する、
-カバー(40)の少なくとも1つのラグ(42)を、カバー(40)を枠(110)上に位置決めするために、枠(110)の位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動挿入する、および
-端子ブロック(10)を枠(110)に固定するために、前記締め付け装置(60)を用いてカバー(40)をホルダ(20)に締め付ける、
を特徴とする、前記方法。
【請求項9】
請求項8に記載の組み立て方法であって、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(22)が、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(112)内に、第1の方向(D1)に平行に行われる並進運動によって導入されること、および、少なくとも1つのラグ(42)が、第2の方向(D2)に平行に行われる並進運動によって、位置決めおよび保持スライド(114)内に摺動導入されること、そして第1の方向(D1)と第2の方向(D2)とは互いに離れていくかまたは交叉するものであることを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の組み立て方法であって、締め付け装置(60)が、カバー(40)をホルダ(20)に対して積極的な結合で締め付けることを特徴とする、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠と端子ブロックとを含む電気スイッチギア(switchgear)装置の、枠に固定することができる、端子ブロックに関し、また、そのような電気スイッチギア装置のための組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような端子ブロックは、例えば文献EP0986153A1に開示されている。この端子ブロックはねじを用いて電気スイッチギア装置の枠に固定されてもよい。ねじを用いた枠への固定は、時間がかかるものでありまた困難であるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、これらの欠点を解消することにある。本発明の目的は、単純で迅速に装着できる端子ブロックを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の端子ブロックは、電気スイッチギア装置の枠に固定することができる。本端子ブロックは、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー(finger)を有するホルダと、少なくとも1つの位置決めおよび保持ラグ(lug)を有するカバーと、締め付け装置とを含む。前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、ホルダを枠の上で位置決めするために、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部(recess)の中に挿入することができる。少なくとも1つのラグは、カバーを枠の上で位置決めするために、枠の位置決めおよび保持スライド中にスライドすることができる。締め付け装置は、位置決めおよび保持フィンガーが一義も及び保持開口または位置決めおよび保持凹部中に挿入されているとき、そしてラグが位置決めおよび保持スライド中に摺動されているときに、カバーをホルダに対して締め付ける。
【0005】
本発明の端子ブロックは、枠に対して簡潔で素早いやりかたで固定することができるという利点を有する。カバーをホルダに対して締め付けることが、端子ブロックを枠に固定することを積極的な結合により行うことを可能とする。
【0006】
一つの実施態様によれば、前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、前記位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部中に、第1の方向と平行な並進運動によって挿入されることができ、前記少なくとも1つのラグは前記位置決めおよび保持スライド中に、第2の方向と平行な並進運動によって摺動されることができ、第1の方向と第2の方向とは、互いに離間していくかまたは交叉するものである。
【0007】
一つの代替例によれば、前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、前記位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部中に、第1の方向と平行な並進運動によって挿入されることができ、前記少なくとも1つのラグは前記位置決めおよび保持スライド中に、第2の方向と平行な並進運動によって摺動されることができ、第1の方向と第2の方向とは、互いに平行であって、向きは逆向きである。
【0008】
かくして、上述した2つの代替手法によれば、端子ブロックは、枠に対して簡潔な態様で固定される。ホルダはカバーに対して締め付けられるので、枠の前記位置決めおよび保持スライド、およびカバーの位置決めおよび保持ラグは、カバーに締め付けられたホルダが第1の方向と反対の方向に逆向き移動することを防止する。そのうえ、ホルダの位置決めおよび保持フィンガー、および、枠の位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部は、ホルダに締め付けられたカバーが第2の方向と反対の方向に逆向き移動することを防止する。
【0009】
可能な1つの実施態様では、前記少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、実質的に一様な断面を有する端部を含む。
【0010】
これらの技術事項は、位置決めおよび保持フィンガーを位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部内へ簡単に挿入することを可能にする。
【0011】
さらなる実施態様によれば、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部は、実質的に一様な断面の部分を含む。
【0012】
一つの実施態様では、前記ホルダを枠に対して位置決めするために、前記ホルダは、枠の位置決めおよび保持スロットまたは位置決めおよび保持溝(groove)の中に挿入することができる、少なくとも一つのトング(tongue)を含む。
【0013】
これらの技術事項は、ホルダの枠に対する簡潔で正確な位置決めを可能にする。
【0014】
一つの可能な実施態様によれば、締め付け装置はカバーをホルダに対して積極的な結合によって締め付けることができる。
【0015】
一つの実施態様によれば、締め付け装置は、ヘッド、軸に沿って伸びるシャフトおよび前記軸に直角方向に前記シャフトから延びる少なくとも1つのショルダーを有する少なくとも1つの締め付け要素であって該少なくとも1つの締め付け要素はカバーの上に積極的結合によって保持されている前記締め付け要素と、カバーをホルダに締め付けるために前記ショルダーをその中に受け入れる少なくとも1つのノッチを含むホルダとを含む。
【0016】
本発明の主題はまた、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口および/または少なくとも1つの位置決めおよび保持凹部および少なくとも1つの位置決めおよび保持スライドを有する枠、および本発明の端子ブロックを含む電気スイッチギア装置であり、この電気スイッチギア装置は、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または少なくとも1つの位置決めおよび保持凹部に導入される少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーと、前記位置決めおよび保持スライド内に摺動して入る少なくとも1つのラグと、カバーをホルダに締め付ける締め付け装置と、を含む。
【0017】
最後に、本発明の主題は、以下のステップを特徴とする、本発明の電気スイッチギア装置を組み立てる方法である。
-ホルダの少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーを、ホルダを枠の上で位置決めするために、枠の、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または少なくとも1つの位置決めおよび保持凹部内に導入するステップ、
-カバーの少なくとも1つのラグを、カバーを枠の上で位置決めするために、枠の少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド内に滑動させるステップ、
-端子ブロックを枠に固定するために、カバーをホルダに締め付け装置を用いて締め付けるステップ。
【0018】
電気スイッチギア装置の、本発明による組み立て方法は、端子ブロックの枠への単純で容易な固定を、有利に許容する。カバーのホルダへの締め付けは、端子ブロックの枠への固定を積極的な結合によって可能とする。
【0019】
可能な1つの実施態様によれば、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガーは、第1の方向に平行に実行される、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部内への並進運動によって導入され、少なくとも1つのラグは、位置決めおよび第2の方向に平行に実行される、保持スライド内への並進運動によって滑入されるが、第1の方向と第2の方向とは、互いにずれているかまたは交叉するかである。
【0020】
1つの実施態様によれば、締め付け装置はカバーをホルダに対して積極的な結合によって締め付ける。
【0021】
本発明は、好適な実施態様についての、非限定な例で与えられ、付随する説明的な図面を参照して説明される以下の記述によって、より明確に理解されるであろう。
図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、電気スイッチギア装置の、端子ブロックを有する本実施態様を示す。
【0023】
【0024】
【
図3】
図3は、本実施態様による本電気スイッチギア装置の、分解図を示す。
【0025】
【
図4】
図4は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の第1ステップを描写する。
【0026】
【
図5】
図5は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の前記第1ステップを描写する。
【0027】
【
図6】
図6は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の第2ステップを描写する。
【0028】
【
図7】
図7は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の第3ステップを描写する。
【0029】
【
図8】
図8は、本実施態様による本電気スイッチギア装置の枠に締め付けられた、端子ブロックの前面図を示す。
【0030】
【
図9】
図9は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の前記第2ステップを描写する。
【0031】
【
図10】
図10は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の前記第3ステップを描写する。
【0032】
【
図11】
図11は、本実施態様による本電気スイッチギア装置のための、組み立て方法の前記第3ステップを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本出願は、電気スイッチギア装置100の枠110に締め付けることができる端子ブロック10に関し、そのような端子ブロック10を有するスイッチ装置100にも関し、また、そのようなスイッチ装置100の組み立て方法にも関する。
【0034】
そのような電気スイッチギア装置100は電気キャビネット内に設置されるように設計されてよく、例えば枠110の内部において移動式である引き出し式サーキットブレーカーを備えていてよい。サーキットブレーカーは、例えば6000アンペアまでの定格を有する高性能のものであってよい。
【0035】
端子ブロック10は、制御装置または遠隔モニタ装置のような外部付属機器をサーキットブレーカーに接続するために使用されてよい。
【0036】
本実施態様の端子ブロック10は、少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22を有するホルダ20、少なくとも1つの位置決めおよび保持ラグ42および締め付け装置60を含む。
【0037】
ホルダ20の少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22は、ホルダ20を枠110に位置決めするために、枠110の位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に導入されることが出来る。少なくとも1つの位置決めおよび保持ラグ42は、カバー40を枠110に位置決めするために、枠110の位置決めおよび保持スライド114の上に滑動することが出来る。
【0038】
締め付け装置60は、位置決めおよび保持フィンガー22が位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に導入され、そして、位置決めおよび保持ラグ42が位置決めおよび保持スライド114の上に滑動されたときに、カバー40をホルダ20に対し締め付ける。
【0039】
本実施態様による電気スイッチギア装置100の枠110は、二つの位置決めおよび保持凹部112を有してもよく、ホルダ20は二つの位置決めおよび保持フィンガーを有してもよい。
【0040】
ホルダ20および/又はカバー40は、複数の端子(表示されていない)を受容することが出来るハウジング28を有してもよい。それらの端子のそれぞれは、外部付属機器に接続されるように設計されていてもよい。
【0041】
本出願の端子ブロック10は、枠110に対して単純で素早い固定ができるという利点を有する。カバー40のホルダ20への締め付けは、端子ブロック10の枠への固定が積極的な結合によりなされることを可能とする。
【0042】
少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22は、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112の中に、第1の方向D1に平行な並進運動によって導入されることが出来てよい。少なくとも1つのラグ42は、位置決めおよび保持スライド114の中に、第2の方向D2に平行な並進運動によって滑入されることが出来てよい。第1の方向D1と第2の方向D2とは、互いに外れる方向または交叉する方向である。
【0043】
そのために、位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112は、位置決めおよび保持フィンガー22を第1の方向D1にだけ挿入することが許されるようにすることができていてよい。位置決めおよび保持スライド114はしたがって、位置決めおよび保持ラグ42が位置決めおよび保持スライド内を第2の方向D2にだけ摺動することを可能としてよい。ホルダ20の第1の方向D1への並進経路の終端において、ホルダ20の突合せ表面30は枠110の上面118に対して突合わさる状態になってもよい。カバー40の第2の方向D2への並進経路の終端において、カバー40の突合せ表面44は、ホルダ20の平行表面32に対して突合わさる状態になってもよい。
【0044】
図示はされていない、ひとつの代替案によれば、第1の方向D1と第2の方向D2とは、互いに平行で反対向きである。
【0045】
そのようにして、上述の2つの代替案では、端子ブロック10は容易に枠110に固定することが出来る。ホルダ20はカバー40に対して締め付けられているので、枠110の位置決めおよび保持スライド114、およびカバー40の位置決めおよび保持ラグは、締め付け装置60によってカバー40に締め付けられたホルダ20の第1の方向D1と反対の方向への逆移動を妨げる。さらに、ホルダの位置決めおよび保持フィンガー22、および枠110の位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112は、締め付け装置60によってホルダ20に締め付けられているカバー40の、第2の方向D2と反対の方向への逆移動を妨げる。
【0046】
少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22は実質的に一様な断面を有する端部24を含んでよい。断面は例えば、円形、楕円形、正方形または矩形であってよい。好ましくは、該実質的に一様な断面は、第1の方向D1に垂直な面として形成される断面に一致する。
【0047】
ホルダ20を枠110上に位置決めするために、ホルダ20もまた、枠110の位置決めおよび保持スロットまたは位置決めおよび保持溝116内に導入されることができる、少なくとも1つのトング26を与えられてよい。本実施例によれば、枠110は、ホルダ20が枠110上に位置するに際し、トング26が挿入される、位置決めおよび保持溝116を含む。
図4に開示するように、例えばトング26は実質的に一様な断面の端部24からつながっている。
【0048】
締め付け装置60は、カバー40をホルダ20に対し積極的な結合で締め付けることが出来てよい。
【0049】
締め付け装置60は、ヘッド64と、軸Aに実質的に沿って伸びるシャフト66と、軸Aに直角にシャフト66から伸びる少なくとも1つの肩(shoulder)68とを有する、少なくとも1つの固定要素62を含んでよい。少なくとも1つの固定要素62は、カバー40上に積極的な結合で保持されていてよい。ホルダ20は、カバー40をホルダに締め付けるために、前記少なくとも1つの肩68をその内部に受け入れる少なくとも1つのノッチ70を含んでよい。ノッチ70は、ホルダ20の空間34内に有ってよい。反対に、ノッチはカバー40上に有ってもよい。
【0050】
固定要素62は、カバー40の開口46内に保持されて良い。
【0051】
図9が開示するように、例えば、固定要素62のヘッド64は、クロスヘッドねじの形をしていて良い。ヘッド64および開口46は、固定要素62を軸Aの周りに90度回転することを許容する構成を有していて良い。固定要素62およびノッチ70は、肩68がノッチ70内に係合し、ついて固定要素が90度回転されるように設計されていて良い。固定要素62の90度回転前の位置は、肩68がノッチ70の外にある位置であり、
図10描写されており、固定要素62が90度回転を行った後の位置は、肩68がノッチ70の内側にある位置であり、
図11に描写されている。反対に、カバー40をホルダ20から解放するために、固定要素を逆方向へ90度回転することは、肩68がノッチ70から離れることを許し、かくして端子ブロックを枠110から取り外すことを許す。
【0052】
図9~11が示すように、とりわけ、固定要素62には軸Aに垂直な方向で互いに反対方向にシャフト66から延びる二つの肩68を設けられていて良い。
【0053】
本出願は、また、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口および/または少なくとも1つの位置決めおよび保持凹部112、および少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド114、および本出願の端子ブロック10を含む、電気スイッチギア装置100にも関する。少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22は、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に導入される。少なくとも1つのラグ42は、少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド114内に摺動移動する。締め付け手段60がカバー40をホルダ20に対して締め付ける。
【0054】
最後に、本出願は、本願にしたがった電気スイッチギア装置100の組み立て方法に関する。本方法は、以下のステップを特徴とする。
-第1のステップにおいて、ホルダ20を枠110に対して位置決めするために、ホルダ20の少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22を、枠110の少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に導入する。
-第2のステップにおいて、カバー40を枠に対して位置決めするために、カバー40の少なくとも1つのラグ42を、枠110の少なくとも1つの位置決めおよび保持スライド114内に摺動させる。
-第3のステップにおいて、端子ブロック10を枠110に対して固定するために、締め付け装置60を用いてカバー40をホルダ20に締め付ける。
【0055】
少なくとも1つの位置決めおよび保持フィンガー22は、少なくとも1つの位置決めおよび保持開口または位置決めおよび保持凹部112内に、第1の方向D1に平行に行われる並進運動によって導入されて良い。少なくとも1つのラグ42は、位置決めおよび保持スライド114内に、第2の方向D2に平行に行われる並進運動によって、摺動して入って良い。第1の方向D1と第2の方向D2とは、互いに離れていくかまたは互いに交叉する。代替の構成では、第1の方向D1と第2の方向D2とは、平行であって反対向きであって良い。
【0056】
締め付け装置60は、カバー40をホルダ20に対して積極的な結合で締め付けて良い。
【0057】
当然のこととして、本発明は記述されおよびそれに付随して示された図面の実施例に限定されるものではない。複数の変形が可能である余地が、とりわけ、数多くの要素による組成または技術的等価物との交換の観点から、本発明の保護範囲を逸脱することなく残されている。
【国際調査報告】