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特表2022-517223ビーム情報を用いた測位方法及び測位装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ビーム情報を用いた測位方法及び測位装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20220228BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20220228BHJP
【FI】
H04W64/00 130
H04W64/00 110
H04W16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540129
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2020013045
(87)【国際公開番号】W WO2020146711
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】1930012-8
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プリヤント,バスキ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ベルグレン,アンダース
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD20
5K067DD43
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067KK02
(57)【要約】
無線通信装置(100)は、無線通信ネットワーク(102)の1つ以上のネットワークノード(110)と無線通信を行う無線インタフェース(122)を含む。無線通信装置(100)は、制御回路(118)であって、1つ以上のネットワークノード(110)によって送信された複数の参照信号を受信し、当該複数の参照信号を計測して複数の測位計測値を作成し、当該複数の測位計測値をビーム情報と関連付け、無線通信装置(100)の測位推定値を決定するために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するように構成された制御回路(118)をさらに含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(100)の測位にビーム関連情報を付与する方法であって、
1つ以上のネットワークノード(110)によって送信された複数の参照信号を受信すること(130)と、
前記複数の参照信号に基づいて複数の測位計測値を作成すること(132)と、
前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付けること(134)と、
測位推定に用いるために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択すること(136)とを含む、方法。
【請求項2】
前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、前記ユーザ装置(100)の位置を推定する測位演算ノード(105)にレポートすること(142)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値は、ネットワークノード(110)から受信した命令にしたがってレポートされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ装置(100)によって、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値に基づいて前記ユーザ装置(100)の位置を推定すること(140)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザ装置(100)の位置を推定することは、前記1つ以上のネットワークノード(110)の位置にさらに基づく、請求項2又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択することは、前記複数の測位計測値の各計測結果及び計測結果の質に基づく、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記測位計測値は時間ベースの計測値である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記測位計測値は信号強度ベースの計測値である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ビーム情報は、各参照信号のための送信ビーム(111、113、115)及び/又は受信ビーム(101)を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ビーム情報はビーム指標を含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ビーム情報はアンテナパネル指標を含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記ビーム指標は前記1つ以上のネットワークノード(110)の各ビーム配置に関する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
各ビーム配置は基準方向とサポートされたビームの最大数とを特定する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の測位計測値は、特定のネットワークノード(110)からの送信のマルチパス成分の計測値を含み、
前記方法は、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値に含めるために、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することをさらに含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することは、所定の質基準に基づいて計測値を選択することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記関連付けることは、測位計測値とビーム情報との1対1マッピングを用いることを含む、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記測位計測値又は前記ビーム情報の少なくとも一方は、装置機能又は所望の測位精度レベルの少なくとも一方に応じてレポートされる、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
無線通信ネットワーク(102)で動作するように構成された無線通信装置(100)であって、
無線インタフェース(122)であって、当該無線インタフェースを通じて1つ以上のネットワークノード(110)との無線通信が実行される無線インタフェース(122)と、
制御回路(118)であって、
前記1つ以上のネットワークノード(110)によって送信された複数の参照信号を受信し、
前記複数の参照信号を計測して複数の測位計測値を作成し、
前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付け、
測位推定値を決定するために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するように構成された制御回路(118)と、を含む装置。
【請求項19】
前記制御回路(118)は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、測位演算ノード(105)にレポートするようにさらに構成される、請求項18に記載の無線通信装置(100)。
【請求項20】
前記制御回路(118)は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、ネットワークノード(110)から受信した命令にしたがってレポートするようにさらに構成される、請求項19に記載の無線通信装置(100)。
【請求項21】
前記制御回路(118)は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値と前記1つ以上のネットワークノード(110)の位置とに基づいて前記無線通信装置(100)の位置を推定するようにさらに構成される、請求項18に記載の無線通信装置(100)。
【請求項22】
前記制御回路(118)は、前記複数の測位計測値の各計測の質に基づいて、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するようにさらに構成される、請求項18~21のいずれかに記載の無線通信装置(100)。
【請求項23】
前記複数の測位計測値は、特定のネットワークノード(110)からの送信のマルチパス成分の計測値を含み、
前記制御回路(118)は、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値に含めるために、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択するようにさらに構成される、請求項18~22のいずれかに記載の無線通信装置(100)。
【請求項24】
前記制御回路(118)は、所定の質基準に基づいて前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択するようにさらに構成される、請求項23に記載の無線通信装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願データ〕
本出願は、2019年1月11日に出願されたスウェーデン特許出願第1930012-8号の利益を主張するものであり、その特許出願のすべての内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の技術は無線通信ネットワークにおける無線通信装置の動作に関し、特に測位推定を含むビーム情報を用いる方法と装置とに関する。
【背景技術】
【0003】
既存の無線通信システム(例えば、3G又は4Gベースのシステム)では、装置位置の推定値は通常規制測位要件が満たされたときに受容されると考えられる。例えば、緊急呼出しの場合、位置推定値が正確である必要があるのは4Gシステムでは50m以内だけである。
【0004】
4Gシステムなどのレガシーシステムでは、タイミング計測と角度計測とが一般的な測位の技術になる。例えば、4Gシステムでは観測到着時間差(Observed Time Difference Of Arrival:OTDOA)がマルチラテレーション技術としてある。この技術では、基地局(発展型ノードB)(evolved Node B:eNB)が測位参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)を送信する。ユーザ装置(User Equipment:UE)が、受信したPRSに基づいて到着時間(Time of Arrival:TOA)を推定する。複数の基地局のPRSから計測されたTOAが、基準基地局に対応するTOAから差引かれてOTDOA計測値が作成される。UEは、このOTDOA計測値又は計測された時間差(例えば、参照信号時間差(Reference Signal Time Difference:RSTD)をロケーションサーバにレポートする。ロケーションサーバは、RSTDレポートと既知の基地局の座標とに基づいてUEの位置を推定する。
【0005】
LTEシステムを用いた拡張セルIDなどの、別の技術では、UEによって送信された信号の到達角度(Angle Of Arrival:AOA)を推定する基地局が関連している。この基地局は、2つ以上の受信アンテナからの位相差を利用して、例えばAOAを推定する。
【0006】
一般に、これらの技術では、マルチパス成分がない場合、及び/又は見通し内条件が存在する場合に十分な測位が得られる。ただし、マルチパス条件では誤ったタイミング情報がレポートされて、測位が不正確になる可能性がある。
【0007】
測位は、新無線(New Radio:NR)などの5Gシステムについての第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)で検討されている重要な特色である。本明細書は、商業利用事例などの、緊急呼出しサービス(すなわち、規制要件)以外の使用事例を対象にしており、5Gシステムはサブメータの測位精度が得られることが期待され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の手法は、測位計測値(例えば、タイミングベース及び/又は信号強度ベースの計測値)とビーム情報とを組み合わせることで測位精度を向上する。見通し外条件又はマルチパス条件でタイミング及び/又は角度ベースの計測値を用いると測位推定誤差が導入される可能性がある。5Gシステムのビームベースの信号送信では送信に指向性が生じる。したがって、測位計測値にビームに関する情報又はパラメータを付与することで精度を高めることができる。
【0009】
本開示の一態様によれば、ユーザ装置の測位にビーム関連情報を付与する方法が、1つ以上のネットワークノードによって送信された複数の参照信号を受信することと、前記複数の参照信号に基づいて複数の測位計測値を作成することと、前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付けることと、測位推定に用いるために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択することとを含む。
【0010】
前記方法の一実施形態によれば、当該方法は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、前記ユーザ装置の位置を推定する測位演算ノードにレポートすることをさらに含む。
【0011】
前記方法の一実施形態によれば、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値は、ネットワークノードから受信した命令にしたがってレポートされる。
【0012】
前記方法の一実施形態によれば、当該方法は、前記ユーザ装置によって、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値に基づいて当該ユーザ装置の位置を推定することをさらに含む。
【0013】
前記方法の一実施形態によれば、前記ユーザ装置の位置を推定することは、前記1つ以上のネットワークノードの位置にさらに基づく。
【0014】
前記方法の一実施形態によれば、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択することは、前記複数の測位計測値の各計測結果及び計測結果の質に基づく。
【0015】
前記方法の一実施形態によれば、前記測位計測値は時間ベースの計測値である。
【0016】
前記方法の一実施形態によれば、前記測位計測値は信号強度ベースの計測値である。
【0017】
前記方法の一実施形態によれば、前記ビーム情報は、各参照信号のための送信ビーム及び/又は受信ビームを含む。
【0018】
前記方法の一実施形態によれば、前記ビーム情報はビーム指標を含む。
【0019】
前記方法の一実施形態によれば、前記ビーム情報はアンテナパネル指標を含む。
【0020】
前記方法の一実施形態によれば、前記ビーム指標は前記1つ以上のネットワークノードの各ビーム配置に関する。
【0021】
前記方法の一実施形態によれば、各ビーム配置は基準方向とサポートされたビームの最大数とを特定する。
【0022】
前記方法の一実施形態によれば、前記複数の測位計測値は、特定のネットワークノードからの送信のマルチパス成分の計測値を含み、前記方法は、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値に含めるために、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することを含む。
【0023】
前記方法の一実施形態によれば、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することは、所定の質基準に基づいて計測値を選択することを含む。
【0024】
前記方法の一実施形態によれば、関連付けることは、測位計測値とビーム情報との1対1マッピングを用いることを含む。
【0025】
前記方法の一実施形態によれば、前記測位計測値又はビーム情報の少なくとも一方は、装置機能又は所望の測位精度レベルの少なくとも一方に応じてレポートされる。
【0026】
本開示の別の態様によれば、無線通信ネットワークで動作するように構成された無線通信ノードが、無線インタフェースであって、当該無線インタフェースを通じて1つ以上のネットワークノードとの無線通信が実行される無線インタフェースと、制御回路であって、前記1つ以上のネットワークノードによって送信された複数の参照信号を受信し、前記複数の参照信号を計測して複数の測位計測値を作成し、前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付け、測位推定値を決定するために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するように構成された制御回路とを含む。
【0027】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記制御回路は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、測位演算ノードにレポートするようにさらに構成される。
【0028】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記制御回路は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、ネットワークノードから受信した命令にしたがってレポートするようにさらに構成される。
【0029】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記制御回路は、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値と前記1つ以上のネットワークノードの位置とに基づいて前記無線通信装置の位置を推定するようにさらに構成される。
【0030】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記制御回路はさらに、前記複数の測位計測値の各計測の質に基づいて、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するようにさらに構成される。
【0031】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記複数の測位計測値は特定のネットワークノードからの送信のマルチパス成分の計測値を含み、前記制御回路はさらに、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値に含めるために、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択するように構成される。
【0032】
前記無線通信デバイスの一実施形態によれば、前記制御回路は、所定の質基準に基づいて前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択するようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、ユーザ装置(UE)とも呼ばれる、無線通信装置の典型的な運用ネットワーク環境の模式的ブロック図である。
図2図2は、ネットワーク環境における無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)の模式的ブロック図である。
図3図3は、ネットワーク環境におけるUEの模式的ブロック図である。
図4図4は、ネットワーク環境における測位演算ノードの模式的ブロック図である。
図5図5は、ビーム情報を用いた測位技術の一例を示す模式図である。
図6図6は、UEにおける測位推定値の決定を可能にするレポートフォーマットの一例を示す模式図である。
図7図7は、UEにおける測位推定値の決定を可能にするレポートフォーマットの一例を示す模式図である。
図8図8は、UEにおける測位推定値の決定を可能にするレポートフォーマットの一例を示す模式図である。
図9図9は、RANノードにおけるビーム配置の一例を示す図である。
図10図10は、ビーム情報を測位に用いる典型的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。全図を通して同様の参照記号を用いて同様の構成要素を示す。各図は必ずしも縮尺されたものではないことは理解されよう。ある実施形態との関連で説明及び/又は図示された特徴は、1つ以上の他の実施形態において同一又は同様に、及び/又は他の実施形態の特徴と組み合わせて又はその代わりに利用可能である。
【0035】
〔システム構成〕
図1は、本開示の技術が実施されるネットワーク環境の一例の模式図である。図示のネットワーク環境は典型例であり、他の環境やシステムを用いても本開示の技術を実施可能なことは理解されよう。また、様々な機能を、無線アクセスノードや、ユーザ装置や、コアネットワークノードなどの1つの装置によって実行可能、又はコンピュータ環境における複数のノード間で分散して実行可能である。
【0036】
このネットワーク環境は、ユーザ装置(UE)100などの電子機器に関するものである。3GPP標準に定められているとおり、UEは移動電話(「スマートフォン」)であってもよい。他の種類のUE100の例として、限定はしないが、ゲーム装置、メディアプレーヤ、タブレット型コンピュータデバイス、コンピュータ、カメラ、及びモノのインターネット(Internet of Things:IoT)装置がある。本開示の技術は非3GPPネットワークにも適用可能であるため、UE100を総称して無線通信装置と呼ぶこともある。
【0037】
ネットワーク環境は、3Gネットワーク、4Gネットワーク、又は5Gネットワークなどの、1つ以上の3GPP標準に準拠して構成され得る無線通信ネットワーク102を含む。本開示の手法は他の種類のネットワークにも適用可能である。一実施形態において、無線通信ネットワーク102は、3G又は4Gネットワークでは利用できない可能性のある、ビームベースの信号送信を使用し得る。
【0038】
ネットワーク102が3GPPネットワークである場合、ネットワーク102は、コアネットワーク(Core Network:CN)104と無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)106とを含む。コアネットワーク104はデータネットワーク(Data Network:DN)108に対するインタフェースとなる。DN108は、オペレータサービス、インターネット接続、及びサードパーティサービスなどに相当する。説明を簡略にするためにコアネットワーク104の詳細は省略するが、コアネットワーク104は、様々なネットワーク管理機能を司る1つ以上のサーバを備えているものと理解される。例えば、それら機能として、限定はしないが、ユーザプレーン機能(User Plane Function:UPF)、セッション管理機能(Session Management Function:SMF)、コアアクセス及び移動体管理機能(Core Access and Mobility Management Function:AMF)、認証サーバ機能(Authentication Server Function:AUSF)、ネットワークエクスポージャ機能(Network Exposure Function:NEF)、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)、ポリシ制御機能(Policy Control Function:PCF)、加入者情報データ管理・処理機能(Unified Data Management:UDM)、アプリケーション機能(Application Function:AF)、及びネットワークスライス選択機能(Network Slice Selection Function:NSSF)がある。さらに、コアネットワーク104は、例えばUE100によりレポートされた情報に基づいてUE100の位置を推定するように構成された測位演算ノード105を含むこともある。
【0039】
RAN106は複数のRANノード110を備えている。図示の例では、3つのRANノード110a、110b、及び110cが存在する。2つ以下又は4つ以上のRANノード110が存在してもよい。3GPPネットワークでは、各RANノード110は、発展型ノードB(eNB)基地局又は第5世代gNB基地局などの基地局であってもよい。RANノード110は1つ又は2つ以上の送受信ポイント(Tx/Rx Point:TRP)を備えていてもよい。本開示の技術の態様は非3GPPネットワークにも適用可能であるため、RANノード110は、別の例ではWiFiアクセスポイントであり、総称してネットワークアクセスノードと呼ぶこともある。
【0040】
UE100に無線通信サービスを提供するためにUE100といずれかのRANノード110との間に無線リンクが確立されることがある。無線リンクが確立されるRANノード110を、サービングRANノード110又はサービング基地局と呼ぶこともある。他のRANノード110がUE100の通信範囲内に存在していてもよい。RAN106はユーザプレーンと制御プレーンとを有すると考えられる。制御プレーンは、UE100とRANノード110との間の無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)信号伝達によって実施される。UE100とコアネットワーク104との間に他の制御プレーンが存在して非アクセスストラタム(Non-Access Stratum:NAS)信号伝達によって実施されることもある。
【0041】
図2を参照する。各RANノード110は通常、制御回路112であって、本記載の動作を実行するようにRANノード110を制御することを初めとして、RANノード110の動作全体に関与する制御回路112を含む。一実施形態例において、この制御回路は、プロセッサ(例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサなど)であって、RANノード110の動作を実行するために、制御回路112のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体など)に記憶された論理命令(例えば、一連のコード、ソフトウェア他)を実行するプロセッサを含んでもよい。
【0042】
さらにRANノード110はUE100と無線接続を確立するための無線インタフェース114を有する。無線インタフェース114は、TRPを形成するための1つ以上の無線トランシーバとアンテナアセンブリとを備えていてもよい。さらにRANノード110はコアネットワーク104へのインタフェース116を含む。さらにRANノード110は、RAN106内のネットワーク調整を行うための、1つ以上の隣接RANノード110へのインタフェース(図示せず)を含む。
【0043】
図3にUE100の模式的ブロック図を示す。UE100は通常、制御回路118であって、本記載の動作を実行するようにUE100を制御することを初めとして、UE100の動作全体に関与する制御回路118を備えている。一実施形態例において、制御回路118は、プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサなど)であって、UE100の動作を実行するために、制御回路118のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体など)又は別体のメモリ120に記憶された論理命令(例えば、一連のコード、ソフトウェア他)を実行するプロセッサを含んでもよい。
【0044】
UE100は、サービング基地局110との無線接続を確立するための、無線トランシーバ及びアンテナアセンブリなどの、無線インタフェース122を有する。場合によっては、UE100は充電式電池(図示せず)によって電力供給されてもよい。装置の種類によっては、UE100は1つ以上の他の構成要素を備えていてもよい。他の構成要素として、限定はしないが、センサ、ディスプレイ、入力部品、出力部品、及び電気コネクタなどがあってもよい。
【0045】
図4に、測位演算ノード105の実施形態例の模式的ブロック図を示す。測位演算ノード105は論理命令(例えば、1つ以上のソフトウェアアプリケーション形式の命令)を実行して測位推定値を作成する。ただし、測位演算ノード105の態様は、コアネットワーク104又は他のコンピュータ環境の様々なノードに分散可能なことは理解されよう。
【0046】
測位演算ノード105は、コンピュータベースのシステムであって、演算ノード105の機能を実行するコンピュータアプリケーション(例えば、ソフトウェアプログラム)を実行可能なシステムとして実施され得る。通常のコンピュータプラットフォームと同様に、測位演算ノード105は、データと、情報セットと、ソフトウェアとを保存する、メモリ126などの非一時的コンピュータ可読媒体と、ソフトウェアを実行するプロセッサ124とを備えていてもよい。プロセッサ124とメモリ126とはローカルインタフェース127を用いて接続されることもある。ローカルインタフェース127は、例えば、制御バスを伴うデータバス、ネットワーク、又は他のサブシステムであってもよい。演算ノード105は、様々な周辺機器に動作可能に接続するための様々な入出力(Input/Output:I/O)インタフェース、並びに1つ以上のインタフェース128を有していてもよい。インタフェース128は、例えば、モデム及び/又はネットワークインタフェースカードを備えていてもよい。通信インタフェース128によって、演算ノード105は、コアネットワーク104内、RAN106内、及び/又は他の適切なロケーション内の他の演算機器とのデータ信号の送受信が可能になり得る。
【0047】
〔ビーム情報を用いた測位〕
以下、ビーム情報を他の測位技術と関連して用いることで精度を高める技術を説明する。前述したとおり、既存の技術では所望の精度が得られないことがあり、特にマルチパス成分が存在する状況では顕著である。ビーム関連情報と測位計測値とを組み合わせることで計測誤差範囲を狭め得る。さらに、ビーム関連情報と測位計測値とを組み合わせることで、(既存の無線通信システムにおいて最小の)3より少ない数の基地局(gNB)によって正確な測位推定値の算出が可能になり得る。
【0048】
図5に測位技術の一実施形態例を示す。図5に示すとおり、UE100は、1つ以上のRANノード110によって送信された1つ以上の参照信号を受信し得る。参照信号はRANノード110からビーム伝送装置を介して送信され得る。例えば、RANノード110はビームスイーピングを用いて、一連の設定ビームにより参照信号を送信し得る。例えば、RANノード110aは、ビーム111a、111b、及びビームパターンに応じてその他の設定ビームにより参照信号を送信し得る。同様に、RANノード110bはビーム113a、113b、他を用いて参照信号を送信することができ、RANノード110cはビーム115a、115b、及びその他の設定ビームを用いて参照信号を送信し得る。一例では、参照信号は、既存の通信システムにおけるPRSと同様の測位参照信号(PRS)であり得る。別の例では、データ送信の支援に通常用いられる他の既存の信号が測位のために用いられ得る。例えば、チャネル状態情報―参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)、トラッキング参照信号(Tracking Reference Signal:TRS)、及び/又は同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)が測位のための参照信号として用いられ得る。
【0049】
図5において、UE100は、各RANノード110から、受信ビーム101a-101cを介して参照信号を受信してもよい。受信された参照信号は、特定の送信のマルチパス成分を含んでもよい。UE100は受信した参照信号に基づいて測位計測値を作成する。測位計測値はタイミングベース(例えば、TOA、OTDOAなど)及び/又は信号強度ベース(例えば、参照信号の受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)、受信信号強度表示(Received Signal Strength Indication:RSSI)など)の値であり得る。例えば、タイミングベースの計測値の場合、UE100は、マルチパス成分の存在を表し得る、電力遅延プロファイルに基づいてTOAを決定し得る。この場合、UE100は、ある基準を満たす成分についてのタイミング計測値を保ち得る。例えば、UE100は、所定の閾値より大きい正規化パワーを有する成分のタイミング計測値を保ち得る。
【0050】
UE100はビーム情報を測位計測値と関連付ける。この関連付けは1対1マッピングで行われ得る。例えば、UE100は、ビーム111a及び/又はビーム101aに関するビーム情報を、RANノード110aからの参照信号に基づいて取得された測位計測値と関連付けることもある。ビーム情報として、RANノード110又はUE100に対する所定のビーム配置に対応するビーム指標と、観察又は推定されたビームパラメータ(例えば、発射角(Angle of Departure:AoD)、到来角(Angle of Arrival:AOA)、ビーム幅など)、及び/又はアンテナパネル指標があり得る。例えば、1つのアンテナパネルが複数のビームをサポートすることもある。例えば、UE100が2つのパネルであって、それぞれが4つのビームをサポートする2つのパネルを有することもある。これに応じて、ビーム情報がアンテナパネル指標と上記対応するビーム指標とを有することもある。したがって、UEの機能が関連するビーム情報の特性に影響することは理解されよう。複数の測位計測値をビーム情報に関連付けた後、UE100は、測位推定値の作成に使用可能な、関連付けられたビーム情報を伴う一連の計測値を選択し得る。この選択は、上記計測結果及び/又は各計測結果の質に基づいて行われ得る。所定の質基準によってUE100による選択が可能になり得る。あるいは、UE100は、より上位の信号伝達又は特定のリクエストによる特定の質基準を備えて構成されることもある。例えば、UE100は、RANノード110又はCN104によって、測位推定に用いる計測値の数を制限するように指示されることもある。さらに、選択基準は、UE機能及び/又は所望の測位精度に依存することもある。
【0051】
一例において、選択された計測値がある所定の質を超える計測値を含むこともある。例えば、信号強度ベースの計測値の場合、計測値は、計測された信号強度がある閾値を超えると選択され得る。タイミングベースの計測値の場合は、閾値より高い正規化パワーを伴う最短の推定タイミングが選択され得る。マルチパス成分が存在する場合は、さらなる変形が利用可能になり得る。マルチパス成分の場合、追加の諸成分に関連する諸計測値は、各成分が閾値条件を満たす場合に選択され得る。例えば、UE100は、当該成分が閾値を超えるときに、最短の推定タイミングに関連する計測値をレポートし得る。最短の推定タイミングが閾値を超えない場合、UE100は計測値を選択しないこともある。また、UE100は、これら成分が閾値を超える場合、さらなる成分(例えば、第2最短推定タイミング)を選択することもある。閾値条件は、例えば、直接成分が1次反射光と実質的に同様となり得る条件を占める範囲を包含し得る。したがって、最短推定タイミングが閾値よりわずかに短くて、第2最短タイミングも閾値付近にある場合、UE100は両方の推定値を選択することもある。
【0052】
別の態様では、特定の測位計測値の質が、関連付けられたビーム情報に基づいて決定されることもある。例えば、測位計測値に関連するビーム情報が狭いビーム幅を示すこともある。狭いビーム幅によって多経路チャネルによる影響が最小限になる可能性があり、計測精度が向上する。したがって、測位推定値の作成に用いる測位計測値の選択は、関連付けられたビーム情報に関する基準に基づいて行われることもある。
【0053】
さらに、測位計測値の質が他の測位計測値に関して決定されることもある。例えば、第1測位計測値が第1基地局からの第1参照信号送信から導出され得る。この第1計測値は、UE100が第1基地局に相対的に近接していることを示し得る。第2基地局からの第2参照信号送信に基づく第2測位計測値は、UE100が相対的に離れていることを示し得る。これに応じて、UE100は第1測位計測値を選択して第2測位計測値を廃棄することもある。第1測位計測値と第2測位計測値とにそれぞれ関連するビーム情報を用いて第1測位計測値と第2測位計測値とを等級付けして第2測位計測値に対する第1測位計測値の優先度を高めることもある。
【0054】
一実施形態において、UE100は、関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を用いて測位推定値を算出することもある。このUEベースの推定をサポートするために、UE100に、RANノード110の座標又は位置並びに各ビーム配置が与えられることもある。この情報は上位層信号又は他の手段を介してUE100に信号伝達され得る。
【0055】
別の実施形態では、UE100が、関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を測位演算ノード105又はRANノード110(例えば、サービング基地局)にレポートすることもある。測位演算ノード105(又はUE100からレポートを受け取る他のノード)は、レポートに含まれた情報を用いて測位推定値を作成し得る。ビーム情報の測位計測値へのマッピングは、上位層信号伝達(例えば、LTE測位プロトコル(LTE Positioning Protocol:LPP)プロトコル)を介して測位演算ノード105に信号伝達されることもある。図1はコアネットワークノードである測位演算ノード105を示しているが、本記載の測位演算ノードによって実行される機能はRANノードによっても実行可能なことは理解されよう。したがって、本明細書で用いる「測位演算ノード」とは、測位推定値を算出してかつRAN、コアネットワーク、又は他のコンピュータ環境に含まれ得るすべてのネットワークノードを指している。
【0056】
図6図8に、測位情報を測位演算ノード105又は他のノードにレポートするために使用され得る様々なレポート構造の例を示す。図6では、計測情報とそれに対応する送信ビーム(例えば、基地局ビーム)とが、各基地局であって、参照信号が受信、計測、及び選択されてレポートされる対象の基地局にレポートされる。UE100がビーム操作の面でより高機能である場合、又はより正確な推定が望まれる場合、UE100は図7又は図8に示したようなレポート構造を用いることがある。図7では、UE100はさらに、基地局ビームに加えて計測情報に関連するUEビーム(例えば、参照信号を受信する受信ビーム)をレポートする。図8では、UE100は、より高い測位精度を得るためにより綿密なレポートを行い得る。図示のとおり、UE100は、1つ以上の基地局に対して、UEビーム毎に複数の計測値と対応するビーム情報とをレポートし得る。
【0057】
前述したとおり、ビーム情報として様々なビーム関連の情報があり得、例えば、限定はしないが、RANノード110又はUE100に対する所定のビーム配置に対応するビーム指標と、観察又は推定されたビームパラメータ(例えば、AoD、AOA、ビーム幅など)、及び/又はアンテナパネル指標があり得る。推定ビームパラメータの場合、UE100は、検出されたビーム指標又は他の技術に基づいて実角度(例えば、AoD、AOAなど)を導出し得る。UE100は次に導出又は推定された角度を用いて測位推定値を算出するか、又は推定された角度をレポートし得る。レポートにおいては、信号ビットを減らすために角度は量子化形式でレポートされ得る。例えば、2ビットが用いられる場合、UE100は角度を90度スライス形式(すなわち、00→0度、01→90度、10→180度、11→270)でレポートする。一般に、使用されるビット数によってレポートされた角度の精度が決定される。例えば、8ビットの場合、角度はそれぞれが1.4度である複数のセグメントとしてレポートされる。より一般的には、角度推定の精度は360/2nで表すことができる(nはレポートに使用されたビット数)。3次元空間でのビーム角を特定するために2種類の角度(例えば、水平角(方位角)と垂直角(仰角))がレポートされることがあることは理解されよう。
【0058】
図9を参照する。さらなる態様によれば、信号伝達及び/又はビーム情報を基地局に対する所定のビーム配置を用いて簡略化し得る。例えば、RANノード110は、地理的基準方向(例えば、北)に整合した特定のビーム形状を用いることができる。この基準方向とのアライメント並びにサポートされたビームの数によって各ビームの地理的配置を決定することができるようになる。サポートされたビームの数によってビーム幅が定まる。図9に示した例ではビーム数は8であり、ビーム1の方向が地理的北に整合している。したがって、各ビームのビーム幅は45度である。この(例えば、基準方向との)アライメントとビーム数とが与えられると、レポートされたビーム指標(例えば、90度のAoDに対応するビーム3)に基づいて発射角が導出され得る。UE100及び/又は測位演算ノード105は、測位推定を容易にするためにRANノード110に対するそれぞれの配置を通知され得る。RANノード110は必ずしも全方向(図9の例では360度)をカバーしなくてもよいことは理解されよう。したがって、RANノード110は、例えば、アクティブなビーム指標を表示することによって実際のカバー領域を示すこともあり得る。図9は2次元の例を示しているが、実際のビーム配置は3次元でもよく、ビームの発射角が仰角成分及び/又は垂直方向の帯域を有していてもよいことは理解されよう。
【0059】
図10に、UE100によって実施可能な工程を表す処理フローの一例を示す。コアネットワーク104、測位演算ノード105、及び/又はRANノード110の無料動作が本開示から理解されるであろう。論理的進行として図示されているが、図10に示した諸ブロックは、他の順で実行及び/又は2つ以上のブロックで同時に実行されてもよい。したがって、図示の流れ図は(工程の省略を含めて)変更可能、かつ/又はオブジェクト指向又は状態指向方式でも実施可能である。
【0060】
この論理フローは、ブロック130であって、UEが複数の参照信号を受信するブロック130から始まり得る。複数の参照信号は1つ以上の基地局(例えば、RANノード、gNBなど)によって送信されることもあり、ある特定の基地局からの1つ以上のマルチパス成分の送信を含むこともある。ブロック132で、UEは、複数の参照信号に基づいて複数の測位計測値を作成する。前述したとおり、測位計測値はタイミングベース又は信号強度ベースの値であり得る。ブロック134で、UEは複数の測位計測値をビーム情報と関連付ける。ビーム情報は、基地局ビーム(例えば、送信ビーム)又はUEビーム(例えば、受信ビーム)に関する情報であり得る。ブロック136で、(関連付けられたビーム情報を伴う)一連の計測値が複数の計測値から選択される。この選択は、計測値自体、ビーム情報と組み合わせた計測値、又はビーム情報単独に基づく品質測定法に基づいて、及び/又は計測値間の相対比較に基づいて行われ得る。さらに、計測値の選択又はフィルタリングが段階的に行われることもある。例えば、ブロック132の計測値作成が行われた後、第1選択が最初に行われることもある。この第1選択は各計測値の質に基づいて行われてもよい。したがって、ブロック134でビーム情報が第1選択で選択された計測値と関連付けられ得る。ビーム情報が関連付けされると、そのビーム情報を考慮した第2選択が行われ得る。
【0061】
ブロック138で、UEはUEベースの測位推定値を決定すべきかどうかを判定する。決定する場合は、論理フローはブロック140に移り、関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の計測値に基づいてUEの位置が決定される。推定値がUEベースでない場合は、論理フローはブロック142に移り、UEが選択された一連の計測値を測位演算ノード(例えば、ロケーションサーバ、RANノード、又は他のコアネットワークノードなど)にレポートする。
【0062】
〔結論〕
特定の実施形態を図示及び説明したが、当業者が本明細書を読んで理解することで添付した請求の範囲内の等価物と修正とを実施し得るものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(100)の測位にビーム関連情報を付与する方法であって、
1つ以上のネットワークノード(110)によって送信された複数の参照信号を受信すること(130)と、
前記複数の参照信号に基づいて複数の測位計測値を作成すること(132)と、
前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付けること(134)と、
測位推定に用いるために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択すること(136)とを含む、方法。
【請求項2】
前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値を、前記ユーザ装置(100)の位置を推定する測位演算ノード(105)にレポートすること(142)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値は、ネットワークノード(110)から受信した命令にしたがってレポートされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ装置(100)によって、前記関連付けられたビーム情報を伴う選択された一連の測位計測値に基づいて前記ユーザ装置(100)の位置を推定すること(140)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択することは、前記複数の測位計測値の各計測結果及び計測結果の質に基づく、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記測位計測値は少なくとも時間ベースの計測値又は信号強度ベースの測定値を含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ビーム情報は、各参照信号のための送信ビーム(111、113、115)及び/又は受信ビーム(101)を含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ビーム情報は1つ以上のビーム指標又はアンテナパネル指標を含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ビーム指標は前記1つ以上のネットワークノード(110)の各ビーム配置に関し、
各ビーム配置は基準方向とサポートされたビームの最大数とを特定する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の測位計測値は、特定のネットワークノード(110)からの送信のマルチパス成分の計測値を含み、
前記方法は、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値に含めるために、前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することをさらに含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記マルチパス成分の1つ以上の計測値を選択することは、所定の質基準に基づいて計測値を選択することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記関連付けることは、測位計測値とビーム情報との1対1マッピングを用いることを含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記測位計測値又は前記ビーム情報の少なくとも一方は、装置機能又は所望の測位精度レベルの少なくとも一方に応じてレポートされる、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
無線通信ネットワーク(102)で動作するように構成された無線通信装置(100)であって、
無線インタフェース(122)であって、当該無線インタフェースを通じて1つ以上のネットワークノード(110)との無線通信が実行される無線インタフェース(122)と、
制御回路(118)であって、
前記1つ以上のネットワークノード(110)によって送信された複数の参照信号を受信し、
前記複数の参照信号を計測して複数の測位計測値を作成し、
前記複数の測位計測値をビーム情報と関連付け、
測位推定値を決定するために、関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するように構成された制御回路(118)と、を含む装置。
【請求項15】
前記制御回路(118)は、前記複数の測位計測値の各計測の質に基づいて、前記関連付けられたビーム情報を伴う一連の測位計測値を選択するようにさらに構成される、請求項14に記載の無線通信装置(100)。
【国際調査報告】