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特表2022-517230電気通信網におけるRTT測定手順のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】電気通信網におけるRTT測定手順のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20220228BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20220228BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20220228BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20220228BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W64/00 140
H04W72/04 136
H04W8/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021540249
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2020050543
(87)【国際公開番号】W WO2020144326
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】19151110.4
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】アラウィー、モハンマド
(72)【発明者】
【氏名】フランケ、ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ハダシク、ニールス
(72)【発明者】
【氏名】エーバーライン、エルンスト
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD30
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE24
5K067JJ53
5K067LL11
(57)【要約】
本明細書の実施形態は、通信ネットワークにおけるRTT測定手順のための方法に関する。該方法は、(701)測位モードを設定するステップと、(702)少なくとも1つのユーザ機器(UE)からの、または前記UEにサーブするサービング無線基地局(s‐gNB)によって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、多くの隣接無線基地局(n‐gNB)を識別するステップと、(703)前記少なくとも1つのUEの能力および前記無線基地局(gNB)からの能力を取得することと、前記少なくとも1つのUEによって、前記少なくとも1つのレポートから、n‐gNBのビーム測定結果を報告することと、s‐gNBおよびn‐gNBに対するリソースを設定することと、によって、設定を開始するステップとを含む。また、UE、gNB、およびロケーションサーバの形態のシステムおよび装置も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのユーザ機器(UE)、前記UEをサービングするサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいてロケーションサーバ(LS)によって実行されるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のための方法であって、
前記少なくとも1つのUEからの、または前記s‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、前記複数のn‐gNBを識別するステップと、
前記少なくとも1つのUEの能力および前記複数のgNBからの能力を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、前記少なくとも1つのUEレポートまたは前記UE情報から、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関して前記UEに通知することと、
前記UEおよび前記複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、前記UEおよび前記複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
設定を開始するステップと、
前記イニシエータからの少なくとも1つのPRS信号を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、前記PRS信号が、前記イニシエータがUEである場合はUL‐PRS信号であり、前記イニシエータがgNBである場合はDL‐PRS信号である、前記関連付けることと、
前記特定の周波数および複数の時間リソース上で前記複数のレスポンダがPRSを送信することと、
前記イニシエータから受信した前記信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
シグナリングおよび複数の測定を実行するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記複数のn‐gNBの設定用に、NRPPaまたはXnインターフェースが用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
開始信号を1つまたは複数の応答側ノードに送信するように、前記開始側ノードを設定するステップと、
前記少なくとも1つの応答側ノードによって、前記開始信号の受信から規定の回答時間後に回答するステップと、
1つまたは複数のレスポンダとしての前記n‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、前記n‐gNBによって、到達時間(TOA)測定用のDL信号を前記UEに送信するステップと、を備える請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
複数の訂正信号、複数の周期的測定、またはスケジューリングされた複数の訂正信号を実行するステップをさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの応答側ノードのうちの1つが回答できない場合または前記回答情報が低品質である場合、前記イニシエータまたは前記ロケーションサーバによって、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンスのうちの少なくとも1つを含む複数のパラメータを調整した測定用の新たな複数のリソースを要求するステップを備える請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記UEによって、前記gNBまたは前記ロケーションサーバから受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびgNB座標のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ロケーションサーバによって、前記UEから前記サーバで受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびUE送受信機遅延のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロケーションサーバによって、前記gNBから受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、gNB座標、およびUE送受信機遅延のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
通信ネットワークにおいてRTT測定手順のためにUEによって実行される方法であって、
ロケーションサーバからのリクエストに応答して、UEレポートからのs‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を送信するステップ、または、前記s‐gNBからのリクエストに応答して、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBによって実行された測定結果に基づくUL信号を送信するステップと、
前記ロケーションサーバから、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバから、請求項1に記載の開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを受信するステップと、
UL‐PRS信号を前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに送信することによって、前記RTT測定手順を開始するステップと、
前記ロケーションサーバから、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバによって、UEベースモードまたはUEアシストモードに設定するステップと、
前記UEがUEベースモードである場合、前記ロケーションサーバから、gNB、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびgNB座標のうちの少なくとも1つを含む情報を取得し、この情報を用いてUEの位置を演算するステップと、
前記UEがUEアシストモードである場合、前記複数のgNBからの設定された前記複数のDLリソースに対応する複数のRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに送信するステップと、
を備える方法。
【請求項10】
請求項9に記載のUEによって実行される方法であって、
前記ロケーションサーバによって、請求項1に記載のレスポンダまたはイニシエータに設定するステップと、
前記UEがイニシエータである場合、1つまたは複数のUL‐PRS信号を、設定された複数のgNBに送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが2つ以上のgNBにより受信される、前記送信するステップ、およびRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに報告するステップと、
前記UEがレスポンダである場合、DL‐PRSに応答してUL‐PRSを送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが1つまたは複数のgNBにより受信される、前記送信するステップ、およびRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに報告するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
gNBまたはUEである請求項1に記載の応答側ノードによって実行される方法であって、
距離決定のための第1の応答側メッセージの送信後、規定の期間に訂正信号を送信するステップと、
測距信号と前記訂正信号との間の期間をそれ自体の時間基準に対して検出するとともに、大部分でUEの複数の距離測定結果におけるクロックオフセットを補償するように、請求項1に記載の開始側ノードを設定するステップと、
を備える、方法。
【請求項12】
通信ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためのシステムであって、
少なくとも1つのUE、少なくとも1つのs‐gNB、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備え、
前記システムは、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法の特徴のいずれかを実行するように動作する、システム。
【請求項13】
UEであって、
プロセッサおよびメモリを備え、
前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、前記UEは、少なくとも請求項9または10に記載の主題を実行するように動作する、UE。
【請求項14】
gNBまたはUEであって、
プロセッサおよびメモリを備え、
前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、前記gNBまたはUEは、請求項11に記載の応答側ノードの主題を実行するように動作する、gNBまたはUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気通信の分野に関し、特に、ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT : Round Trip Time)測定手順のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現行の拡張セル識別(ECIDまたはE‐CID(Enhanced Cell IDentification))手順のシグナリングは、ユーザ機器(UE : User Equipment)またはeNodeB(eNB)ごとに、一度に1つずつ実行する必要がある。UEは、たとえば第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP : third generation partnership project)において、隣接する無線基地局と接続される必要がある。無線基地局は、3GPPにおいて用いられる無線アクセス技術に応じて、eNBまたはgNBとしても知られている。UEには、送信用のアップリンク(UL : UpLink)リソースおよび測定用のダウンリンク(DL : DownLink)リソースが割り当てられる必要がある。この手法の欠点として、複数の基地局またはgNBによる測距に際して追加のシグナリングを要する点が挙げられる。
【0003】
また、ECID法は、UEおよびeNB報告用の(LTE(Long Term Evolution:ロングタームエボリューション)サンプリング時間での)量子化の係数に起因する精度によっても制限されている。結果としての誤差を補償し得るデバイス、UE、またはネットワークノード(たとえば、gNB)は、LPPまたはLTE測位プロトコル等の、使用する測位プロトコルに対する制限に起因する高精度の恩恵を受けられない可能性がある。
【0004】
ECIDおよびタイミングアドバンス距離ベクトル(TADV : Time Advance Distance Vector)タイプ1手順は、UEおよびeNBまたはgNB報告(Rx‐Tx報告)用の(LTEサンプリング時間での)量子化に起因する精度によっても制限されている(ここで、Rxは受信を表し、Txは送信を表す)。
【0005】
したがって、LTE測位プロトコルは、LTEのサンプリング時間に起因する結果としての誤差を補償し得るデバイス(または、eNBもしくはgNB)が高精度の恩恵を受けられない点において、制限されている。
【0006】
TADVの概念は、複数のUEおよびgNB等の複数のデバイスを想定していないため、複数の基地局による測距に際しては、双方向通信のオーバヘッドに対する追加のシグナリングが必要となる。
【0007】
現行のE‐CID手順のシグナリングは、UEまたはeNBごとに、一度に1つずつ使用する必要があり、内部のハードウェア遅延によって、追加の誤差および補償が生じる。これは、デバイスの処理容量およびハードウェア容量を制限する。
【0008】
結果として、複数のデバイスまたは複数の基地局による測距に際して、信号オーバヘッド、遅延、および誤差がもたらされる。
以下では、ラウンドトリップタイム(RTT)基本手順を説明した後、ECID TA(タイミングアドバンス:Timing Advance)タイプ1手順と、これらの手順が有するさまざまな制限とを説明する。
【0009】
RTT基本手順
RTTには、TDOA(到達時間差:Time Difference Of Arrival)のような単方向測定と比較して、インフラ(または、gNB)間の同期が不要という利点がある。これは、追加のシグナリングによって実現される。
【0010】
TDOAの場合は、デバイス(UE)の位置を見つけるのに、アップリンクにおけるUEから複数のgNBへの単方向送信または複数のgNBから1つまたは複数のUEへの単方向送信で十分である。
【0011】
RTTは、測距信号を送信するとともに、他方の測距対象からの回答が発生するまでの経過時間(treply)を測定することによって作用する。信号の移動時間(tround)を測定することにより、2つの対象間の距離を推定可能である。RTTは、以下のように表すことができる。ここで、tは、信号飛行時間(signal time of flight)である。
【0012】
【数1】
によって、2つの測距デバイス間の距離が以下のように決定される。
【0013】
【数2】
図1は、3つのgNB(gNB1~gNB3)および1つのUEを含むシナリオを示しており、UEと各gNBとの間の異なる距離をd1、d2、d3として図示し、表示している。図1のシナリオを用いた3つのRTT測定の三辺測量によって、測位が実行されてもよい。
【0014】
ECID TAタイプ1手順
LTEにおいて、RTT手順は、非特許文献1に開示されているタイミングアドバンス・タイプ1またはTADVタイプ1として知られる手順を用いて実行可能である。LTEにおけるEICD手順を示す図2に一構成を示すようなULおよびDL無線リソース制御(RRC : Radio Resource Control)測定については、ロケーションサーバおよびサービング(serving)eNBまたはサービングgNBが設定する(TADVタイプ1)。
【0015】
eNBとターゲットUE1との間では、UE1が時間差を測定する。
【0016】
【数3】
同様に、eNBまたはgNBが時間差を測定する。
【0017】
【数4】
2つの差を再構成することにより、ロケーションサーバまたはロケーション測定/管理機能(LMF : Location Measurement/management Function)は、以下のようにRTTを決定することができる。
【0018】
【数5】
SRS(Sounding Reference Signal)は、サウンディング参照信号を表す。SRSは、サブフレームの最後のシンボル上でUEにより送信される。CRS(Cell Specific Reference Signal)は、セル固有参照信号を表し、eNBまたはgNBから送信される。
【0019】
前述の通り、既知の先行技術には以下のような制限がある。
(1)UEは、複数の隣接gNB(eNB)との接続によって、送信用のULリソースおよび測定用のDLリソースが割り当てられる必要がある。
【0020】
(2)複数の基地局による測距に際しての追加の測定シグナリング:現行のE‐CID手順のシグナリングは、UEまたはeNBごとに、一度に1つずつ実行する必要がある。
(3)ECID TADV手順は、UEおよびeNB報告(Rx‐Tx報告)用の(LTEサンプリング時間での)量子化に起因する精度によって制限される。
【0021】
(4)内部のハードウェア遅延によって、追加の誤差および補償が生じる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】3GPP TS 36.305 V15.1.0(2018‐09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
したがって、少なくとも上記提示の欠点を克服する少なくとも1つの解決手段が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記開示の欠点を考慮して、少なくとも以下の技術的効果を実現するとともに以下の利点をもたらす方法および装置が提供される。
・複数のgNB間および複数のデバイス間または複数のgNB間もしくは複数のデバイス間の測距の(測定および報告用の)シグナリングオーバヘッドを低減すること
・単一の測定で複数の応答側グループをトリガーすることにより、受信した開始信号に基づいて、レスポンダ(responder)が時間を回答(または、報告)可能となる、イニシエータ(initiator)として設定されたRTTデバイス(言い換えると、開始RTTデバイスは、単一のシグナリングフレームで複数の応答側グループをトリガー可能である。一方、複数のレスポンダは、開始信号の受信と応答の送信との間の時間を回答し報告する。)
・現行のプロトコルの拡張によって、主に送受信機遅延および量子化報告に由来する上述の(1)および(2)の制限を解消するRTT精度を実現すること(その概念では、LPP(UEからgNB)またはNRPPa(gNBからLMF)を介して測定結果を取得、訂正、または報告するデバイスの能力を識別することによって正確な測距を可能にする手順を導入する。)
一態様によれば、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、UEをサービングする(serving)サービング無線基地局(serving radio base station)(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(neighboring radio base station)(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいてロケーションサーバ(location server : LS)によって実行されるRTT測定手順のための方法が提供され、該方法は、
少なくとも1つのUEからの、またはs‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、複数のn‐gNBを識別するステップと、
前記少なくとも1つのUEの能力および前記gNBからの能力を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、前記少なくとも1つのUEレポートまたはUE情報から、s‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関して前記UEに通知することと、
UEおよび複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、UEおよび複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数(initiator/responder frequency)および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
設定を開始するステップと、
イニシエータからの少なくとも1つのPRS信号を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、PRS信号が、イニシエータがUEである場合はUL‐PRS信号であり、イニシエータがgNBである場合はDL‐PRS信号である、関連付けることと、
特定の周波数および時間リソース上でレスポンダがPRSを送信することと、
イニシエータから受信した信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
シグナリングおよび測定を実行するステップと、
を備える。
【0025】
一実施形態によれば、n‐gNBの設定用に、NRPPa(New Radio Positioning Protocol A : 新無線測位プロトコルA)またはXnインターフェース上のn‐gNBが用いられる。
【0026】
Xnインターフェースは、5Gコアネットワークに接続されている複数のgNBを相互接続するように構成されている。
一実施形態によれば、この方法は、
開始信号(initiator signal)を1つまたは複数の応答側ノード(responder node)に送信するように、前記開始側ノード(initiator node)を設定するステップと、
前記少なくとも1つの応答側ノードによって、開始信号の受信から規定の回答時間後に回答するステップと、
1つまたは複数のレスポンダとしてのn‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、n‐gNBによって、到達時間(TOA : Time of Arrival)測定用のDL信号をUEに送信するステップと、
を含んでいてもよい。
【0027】
一実施形態によれば、この方法は、複数の訂正信号、複数の周期的測定、またはスケジューリングされた複数の訂正信号を実行するステップをさらに含む。
一実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの応答側ノードのうちの1つが回答できない場合または回答情報が低品質である場合、イニシエータまたはロケーションサーバによって、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンス(timing advance)のうちの少なくとも1つを含むパラメータを調整した測定用の新たなリソースを要求するステップを含む。
【0028】
一実施形態によれば、この方法は、UEによって、gNBまたはロケーションサーバから受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差(receiver transmitter time difference)、および/またはgNB座標を含む、推定するステップを含む。
【0029】
一実施形態によれば、この方法は、ロケーションサーバによって、UEからサーバで受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはUE送受信機遅延を含む、推定するステップを含む。
【0030】
一実施形態によれば、この方法は、サーバによって、gNBから受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標、および/またはgNB送受信機遅延を含む、推定するステップを含む。
【0031】
別の態様によれば、通信ネットワークにおいてRTT測定手順のためにUEによって実行される方法が提供され、該方法は、
ロケーションサーバからのリクエストに応答して、UEレポートからのs‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を送信するステップ、または、前記s‐gNBからのリクエストに応答して、s‐gNBおよび複数のn‐gNBによって実行された測定結果に基づくUL信号を送信するステップと、
前記ロケーションサーバから、s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバから、上述のような開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを受信するステップと、
UL‐PRS信号をs‐gNBおよび複数のn‐gNBに送信することによって、RTT測定手順を開始するステップと、
前記ロケーションサーバから、s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバによって、UEベースモードまたはUEアシストモードに設定するステップと、
前記UEがUEベースモードである場合、前記ロケーションサーバから、gNB、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標を含む情報を取得し、この情報を用いてUEの位置を演算するステップと、
前記UEがUEアシストモードである場合、複数のgNBからの設定された複数のDLリソース(configured DL resources)に対応する複数のRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに送信するステップと、
を備える。
【0032】
別の態様によれば、UEによって実行される方法が提供され、該方法は、
前記ロケーションサーバによって、レスポンダまたはイニシエータに設定するステップと、
前記UEがイニシエータである場合、1つまたは複数のUL‐PRS信号を、設定された複数のgNBに送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが2つ以上のgNBにより受信される、送信するステップ、およびRx‐Tx時間差をロケーションサーバに報告するステップと、
前記UEがレスポンダである場合、DL‐PRSに応答してUL‐PRSを送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが1つまたは複数のgNBにより受信される、送信するステップ、およびRx‐Tx時間差をロケーションサーバに報告するステップと、
を備える。
【0033】
別の態様によれば、gNBまたはUEである応答側ノードによって実行される方法が提供され、該方法は、
距離決定のための第1の応答側メッセージの送信後、規定の期間に訂正信号を送信するステップと、
測距信号と訂正信号との間の期間をそれ自体の時間基準(its own time base)に対して検出するとともに、大部分で複数のUEの距離測定結果におけるクロックオフセットを補償するように、開始側ノードを設定するステップと、
を備える。
【0034】
別の態様によれば、少なくとも1つのUE、少なくとも1つのs‐gNB、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備え、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法の特徴のいずれかを実行するように動作する、通信ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためのシステムが提供される。
【0035】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるUEが提供され、メモリが、プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、UEは、少なくとも請求項9に記載の主題を実行するように動作する。
【0036】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるgNBまたはUEが提供され、メモリが、プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、gNBまたはUEは、請求項10に記載の応答側ノードの主題を実行するように動作する。
【0037】
以下、例示を目的として、添付の図面を参照しつつ、実施形態によって、本開示をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】3つのRTT測定結果を用いた三角測量による測位を模式的に示した図である。
図2】LTEにおけるECID手順(タイミングアドバンス・タイプ1)を模式的に示した図である。
図3】RTT手順全体を模式的に示した図である。
図4】複数のUE(本明細書のいくつかの実施形態に係るシステムにおいて、RTTイニシエータとする)と複数のgNBとの間のNR RTT手順を模式的に示した図である。
図5】本明細書の実施形態が採用され得る例示的なシナリオを示した図である。
図6】gNB開始RTTシグナリングを示した図である。
図7】本明細書の例示的な実施形態に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、複数のシナリオにおいて、添付の図面と併せた例示的な実施形態の詳細な説明により、本明細書に記載の1つまたは複数の解決手段の、より容易な理解を可能とする。
まず、測定手順の例を説明するが、その主要な特徴は、以下のようにまとめられる。
・UE(または、ターゲットUE)は、サービング(serving)gNB(s‐gNB)と通信するように構成されている。
・s‐gNBおよび少なくとも1つのn‐gNBは、ネットワークノード、コアネットワークノード、または任意好適なネットワークノード中に存在し得るロケーション管理機能(LMF : Location Measurement Function)またはロケーションサーバ(LS : Location Measurement Function)によって通信が制御または統合(orchestrated)されている際/場合に、たとえばXnインターフェースまたはNRPPaを介して通信を行ってもよい。
・前記少なくとも1つのn‐gNBは、ターゲットUEにより送信され、測定に用いられる少なくとも1つの信号を(バックボーンネットワーク(backbone network)を介して)受信するように構成または調整(armed)されており、また、到達時間を推定するように構成されている。
【0040】
Xnインターフェースは、5Gコアネットワークに接続されている複数のgNBを相互接続するように構成されている。
NRPPaは、5Gにおける新無線測位プロトコルA(New Radio Positioning Protocol A)である。
【0041】
NRPPaプロトコルは、以下の機能を提供してもよい。
・E‐CIDロケーション情報転送:この機能によれば、NG‐RAN(Next Generation Radio Access Network:次世代無線アクセスネットワーク)ノードは、E‐CID測位(positioning)を目的として、LMFとロケーション情報を交換可能である。次世代無線アクセスネットワークは、3GPP5G次世代システムの一部である。
【0042】
・OTDOA(Observed Time Difference of Arrival:観測到達時間差)情報転送:この機能によれば、NG‐RANノードは、OTDOA測位を目的として、LMFと情報を交換可能である。
・一般誤差状況(General Error Situations)の報告:この機能によれば、一般誤差状況の報告が可能となる。
【0043】
上述の通り、本開示の実施形態の目的は、ECID手順によるシグナリングオーバヘッド(signaling overhead)を最小限に抑えることにある。シグナリングは、測定に用いられる複数のシグナリングリソース(アップリンク用のSRS等)と、アクセスおよび報告に用いられる複数のリソース(たとえば、ペイロードデータ)とに分離または分割されてもよい。
【0044】
このプロセスは、オーバヘッドおよび性能に関係する。
一例として、測定の場合は、所要SINRが、報告に必要なSINRを大幅に下回る可能性がある。したがって、ECIDの場合よりも多くのgNB間でRTT手順が実行されてもよい。
【0045】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、以下の例示的なステップは、手順の実行によって、RTT手順の精度を維持するが、同時に、シグナリングオーバヘッドを最小限に抑える。なお、以下の手順は一例に過ぎず、本明細書の実施形態は、これらステップの厳密な順序に限定されない。いくつかのステップが陳腐化により省略されること、および、付加的なステップが追加されること、の両方または一方が考えられる。以下の手順は、本開示の教示内容を採用する本明細書のいくつかの実施形態の、より容易な理解のために提示している。
【0046】
RTT手順全体を図3に模式的に示す。図示のように、サービング基地局(s‐gNB)ならびに1つまたは複数の隣接基地局(n‐gNB)のほか、2つのターゲットUE(ターゲットUE1およびターゲットUE2)が示されている。また、ロケーションサーバも示されている。また、図3は、RTT手順全体で採用可能な異なる種類の測定(本明細書のいくつかの実施形態に従って以下に説明する)も示している。図3のUE、gNB、および/またはサーバの数は、一例に過ぎない。
【0047】
DLおよびUL NR(新無線)測位法に基づくタイミング測定(NR‐RTT)では、複数のgNBによる測定が可能であって、E‐CID手順におけるシグナリングオーバヘッドを最小限に抑えることが目標となり得ることに留意するものとする。複数のシグナリングリソースは、ULおよびDL測定に用いられるシグナリングと、アクセスおよび報告に用いられるシグナリングとに分離可能である。複数のgNBまたは複数のUE間で実行され得る効率的なNR‐RTT手順を可能にするには、上記両者の場合において、シグナリングオーバヘッドを最小限に抑える必要がある。
【0048】
以下、本明細書のいくつかの実施形態に係るRTT手順全体を説明する。
I.測位プロセスの開始:
A.オプション:ターゲットサービスレベル(精度ターゲット)の取得
II.初期測定:
A.測位モードの設定:
1.単一のUEとs‐gNBとの間の測距
2.複数のUEとs‐gNBとの間の測距
3.複数のUEと複数のgNBとの間の測距
B.UE SSB(Synchronization Signal Block:同期信号ブロック)レポートまたはs‐gNB初期測定(たとえば、ビームインデックスおよびタイミングアドバンスの両方または一方)に基づく粗いUE情報による1つまたは複数のn‐gNBの識別
C.設定の開始(LPP、NRPPaの開始)
1.1つまたは複数のUEおよび1つまたは複数のgNBの能力を取得するようにLMFまたはs‐gNBを設定
2.SSBレポート、またはCSI‐RSレポート、またはNR‐PRS(NR positioning reference signal to be defined : 規定対象のNR測位参照信号)から1つまたは複数のn‐gNBのビーム測定結果(beam measurements)を報告するようにUEを設定
3.サービングgNBおよび隣接gNBに対する複数のリソースを設定
a)NRPPaまたはXnインターフェースを介してLMFまたはs‐gNBがn‐gNBを設定
b)測位のためにULおよびDLに割り当てられた複数のリソースを1つまたは複数のgNBが予約/確認
c)1つまたは複数のターゲットUEによるRRC測定をs‐gNBが設定
・UEまたは複数のgNBをイニシエータおよびレスポンダとして設定
・開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを規定
III.測定シグナリング手順:
A.1つまたは複数の応答側ノード(gNB/UE)に送信するようにイニシエータ(UE/gNB)を設定(注記:UEまたはgNBをレスポンダまたは応答側ノードと称する場合がある)
B.開始信号の受信から規定の回答時間後に応答側ノードが回答
C.(1つまたは複数のレスポンダとしての)n‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、TOA測定用のDL信号をUEに送信するようにn‐gNBを設定:
ケース1:リソースはn‐gNBの手順で配分済み
ケース2:これらのリソースはオンデマンドで(on demand)割り当てかつs‐gNBとn‐gNBとの間で調整
D.任意選択の付加的な訂正シグナリング(correction signaling)(複数の周期的測定またはスケジューリングされた複数の訂正信号)を実行
E.ステップIIIにおいて、一組のレスポンダが回答していない場合、または、回答情報が低品質である場合、イニシエータまたはサーバ(たとえば、ロケーションサーバ)は、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンス等のパラメータを調整した測定用の新たな複数のリソースを要求可能。
【0049】
IV.位置/距離測定
A.UEベース:シグナリング必要(UE-Based: signaling needed)
LMF(もしくは、ロケーションサーバ)またはgNBからUEにシグナリング可能な情報により、UEは、その位置を推定可能である。UEベースは、UEがその位置を推定可能であることを意味する。UEが取得する情報を下表に例示する。
【0050】
【表1】
B.UEアシスト
UEからLMF(または、LS)にシグナリング可能な情報は、以下の通りである。
【0051】
【表2】
UEアシスト用としてgNBからLMFにシグナリング可能な情報は、以下の通りである。
【0052】
【表3】
以下、前項のステップIIおよびIIIのさらなる詳細として、距離測定手順を説明する。利点として、
・複数のデバイスからのUL/DL参照信号の利用により、RTTシグナリングオーバヘッドを最小限に抑えられる。
イニシエータおよびレスポンダの概念をRTT手順に導入する。
【0053】
a.距離測定
UE UL信号によるRTTの開始(Initiate RTT with UE UL Signal)
ここで、UEは、測距参照信号を送受信するための時間および周波数リソースを把握するように構成されている。ほとんどの設定は、本明細書のいくつかの実施形態に係る初期測定ステップから得られるべきことが強調されるものとする。
【0054】
例示的な一実施形態において、RTT位置測定手順(III)は、UEアップリンク信号により開始されてもよい。参照信号は、サウンディング参照信号(sounding reference signal : SRS)であってもよいし、異なる規定のUL測距または測位参照信号(RRS/PRS)であってもよい。
【0055】
複数のビームペア割り当て(Beam pair assignments):
UEと複数のgNBとの間の複数のビームペア測定に基づいて、UEは、1つまたは複数のビーム(beam)上でリソースを送信するように構成されていてもよい。LMFまたはgNBは、複数のUEにより取得可能な複数のビームセットを決定可能である。
【0056】
・M個のビームペアの選択により、サービングgNBおよび隣接gNBからUEへのSSBまたはCSI‐RSビームレポートに基づいて、RSRPまたはSINRを最大化してもよい(ここで、Mは、UE⇔gNBリンク数に等しい)。
【0057】
・N個のビームペア(ここで、N<M)の選択により、イニシエータまたは開始側ノードが2つ以上のレスポンダと通信してもよい。
図4の手順の場合は、本明細書のいくつかの実施形態に係るシステムにおいて、複数のUEと複数のgNBとの間のNR RTT手順を表している。この例示的なシナリオにおいては、ターゲットUE1がRTT開始側ノードであることを前提とする。
【0058】
ターゲットUE1は、単一のアップリンク参照信号を3つのgNB(s‐gNB、n‐gNB1、およびn‐gNB2)に送信するようにスケジューリングされる。UL信号(本例では、SRS)は、ターゲットUE1と各gNBとを分離する距離に関連して異なる時間に複数のgNBで受信されることになる。この手法が魅力的と考えられ得るのは、ターゲットUE1がビームフォーミングを実行するのに、アンテナに関してリソースの制限がある可能性があり、参照信号が複数のgNBにより受信されるためである。従来のRTTと比較して、このステップでは、(K個のgNBに対する)ULリソースがK個から1つの信号へと最小限に抑えられている。
【0059】
複数のgNBは、受信したSRS信号に対して規定された(既知の)回答時間に、UE固有の信号(UE specific signal)を回答するように構成されている。イニシエータ(ターゲットUE1)は、このステップの後、距離の演算または到達時間(Time of Arrival : TOA)情報のロケーションサーバ(または、LMF)への報告を行ってもよい。ターゲットUE2は、同じ手順に従ってもよいが、この場合、すべてのgNBに対して同じビームでn‐gNB2はアドレス指定される(addressed)ことはできない。したがって、より良好なビーム特性でn‐gNB2にて受信するには、第2の参照信号が必要となる。
【0060】
複数の信号に対する訂正信号の、一組のUEへのブロードキャスト
RTT手順では、クロック発振器のオフセットおよびドリフトを補償して測定結果の信頼性を向上させるために、開始側ノードまたは反射側ノードからの周期信号(periodic signal)が望ましいと考えられる。応答側ノードは、距離決定のための第1の応答側メッセージの送信後、規定の期間に訂正信号を送信するように構成されている。
【0061】
測距信号と訂正信号との間の検出期間をそれ自体の時間基準に対して比較することにより、開始側ノードは、大部分でターゲットUEの複数の距離測定結果におけるクロックオフセットを補償するように構成されていてもよい。一般的なgNBのクロック発振器は、UEのものに比べて非常に高精度と考えられる((たとえば屋内用の)安価な小型gNBには当てはまらない場合もある)。ここでは、クロック発振器がより高精度であることを前提とするが、本明細書の実施形態は、前記クロック発振器がUEのものに比べて高精度ではなくても適用可能である。
【0062】
図4に示すように、訂正信号も複数のUEにブロードキャストされ得る場合は、追加のシグナリングが省略または最小化される(図4の「UE1およびUE2における訂正」参照)。訂正参照信号(correction reference signal)(ここでは、CorrRSと表す)は、複数の測位参照信号(PRSs : positioning reference signals)またはSSBもしくはCSI‐RS等の他の非UE固有シグナリング(non-UE specific signaling)により具体化されてもよい。事前要件として、距離を処理するノードは、RRSおよびCorrRSの送信の厳密な時間差を把握しているべきである。
【0063】
gNB DL信号によるRTTの開始
また、上記手順は、サービングgNBまたは隣接gNBにより開始されてもよく、gNBは、サービングgNB、LMF、またはUEによって(UEベースの測位の場合は、サービングNBを介して)距離測定を開始するようにスケジューリングされている。gNBは、複数のUE(たとえば、UE1およびUE2等)により受信可能な1つまたは複数の参照信号を送信するように構成されていてもよく、アドレス指定された複数のUE(addressed UEs)は、応答側ノードまたは応答側ノードとして作用してもよい。この手法は、隣接gNB専用の最適な電力およびタイミングアドバンスをn‐gNBへのシグナリングに設定可能であることから、アップリンク干渉を最小限に抑える。たとえばターゲットUEが、特にn‐gNBに対して複数のUL参照信号を送信する場合、該n‐gNBは、これに応じたTA値によるタイミングオフセットの調節(調整)をs‐gNBに要求してもよい。
【0064】
図5は、図4の例に対するシナリオであって、2つのUE、3つのgNB、および複数のビームを示している。
図6は、gNB開始RTTシグナリングの一例を示している。
【0065】
以下では、いくつかの例示的な実施形態に従って、これら記載の例示的な実施形態の範囲を制限することなく、特徴を説明する。
UL信号の電力制御:
通常の動作において、UEは、LTEおよび5Gにおいて電力(power)を送信するように構成されており(開ループモード)、前記電力は、以下の式に従って、サービングgNB‐UEリンクから推定される経路損失(PL : pathloss)に基づいて決定される。
【0066】
【数6】
複数のgNBによるRTTまたはUTDOAの場合、UE電力は、K個のn‐gNBに対して十分ではなくてもよい。ここで、Kは、任意の数(たとえば、1、2、3、…、K)を取り得る。
【0067】
UEが複数アンテナの能力を保持もしくは採用していない場合または特定のgNBに対するチャネル品質が良好でないかもしくは十分でない場合は、以下が当てはまり得る。
UEは、サービングセル(サービング無線基地局またはs‐gNB)に対してのみ電力制御を制限することなく、既定のリソース、または電力レベルがより高い規定のリソース上で送信を行うように構成されていてもよい。この場合、UL‐RRS(UpLink Reservation Reference Signal:アップリンク予約参照信号)、UL‐PRS、またはSRSの送信電力は、以下によって規定されていてもよい。
【0068】
【数7】
UEがイニシエータとして設定され、複数のパネルまたはアンテナポートを介して同時に送信可能である場合は、UL受信品質に従って、K個のgNBがグループ(K、…K)に分離されてもよい。
【0069】
【数8】
b.初期測定
本項では、LPP[3]において必要となるRTT追加シグナリングまたは初期プロトコル拡張に焦点を当てる。
【0070】
LMFは、精度およびレイテンシに関して要求されたサービスレベルに基づいて、以下を決定するように構成されていてもよい。
・UE能力に関する情報
・DLおよびULにおける参照信号パラメータの設定
○(帯域幅、時間および周波数における複数の信号リソース、複数の周期的測定)
・複数のRTT測定結果を有効と識別するための有効時間の規定
LPP拡張プロトコルにおけるRTT(TS 36.355[3])
3GPP技術仕様書TS 36.355に規定されたLTE測位プロトコル(LPP : LTE Positioning Protocol)における、RAT(Radio Access Technology:無線アクセス技術)法の観測到達時間差(OTDOA)およびeCIDまたはGNSSおよびWLAN等のRAT独立技術に対するロケーションサーバとターゲットデバイス(UE)との間のメッセージ交換。NR(New Radio:新無線)に対するLPPの拡張によって、LPPは、RTT測定を可能にするためのメッセージを含むように拡張され得る。
【0071】
UE能力(UE capabilities)
必要なサービスレベルに応じて、LMFは、ターゲットデバイス(または、ターゲットUE)に以下の能力を要求することができる。
【0072】
TOAサブサンプル推定
RTTにおいて、応答側ノードは、イニシエータから送信された信号の受信後、規定の時間(Tcサンプル中(in Tc samples)(ここで、Tcは、設計タイミングパラメータ))に回答を送信するように構成されている。
【0073】
UEが開始側ノードであって、補間または高度な検出法等の最新の方法を用いてTOAを推定可能な場合、UEは、「TOAサブサンプル精度推定(TOA subsample accuracy estimation)」と表される情報要素のシグナリングによって、量子化誤差を訂正可能であることを把握するように構成されている。UEは、記録されたRTT測定結果中の誤差を補償するLMFに対して上記訂正を報告するように構成することも可能であるし、訂正と同等の位相遅延の加算または減算によって、検出回答時間におけるサブサンプル訂正を補償するように構成することも可能である。UEは、訂正を実行可能な場合、その能力をLMFに通知する。測定するUE(measuring UE)は、訂正が適用されていない場合、測定レポートメッセージRTT‐TargetDeviceErrorCauses中のフィールドまたはフラグによって、LMFへの通知を行ってもよい。このフラグは、LPPと同様に提供されてもよい(ECIDErrorcause情報フィールド)。
【0074】
【表4】
上掲のコードまたはアルゴリズムは、LPPを介したLMFへのRTT提供誤差のソースを表す(太字強調した部分が新しく、LPP[3]に含まれる可能性がある)。これらの強調部分には、以下を含む。
【0075】
【表5】
送受信機遅延:
フィルタ、増幅器、伝送線等、送受信機チェーン(transceiver chain)中の複数の構成要素が信号の遅延を付加しているため、厳密な測定結果が評価可能となるには、校正(calibration)が必要である。なお、1ns(ナノ秒)の校正誤差(calibration error)は、30cmの単方向距離誤差となる。gNBに対する遅延は、アンテナからRF(無線周波数)フロントエンドまでのさまざまな接続オプションおよびさまざまな構成要素(ミキサ、フィルタ、増幅器、ADC、…)からのデバイスのハードウェア固有遅延を伴う異なるアーキテクチャ、異なる配置間で大幅に異なる。
【0076】
各方法共通のある校正法は、既知の位置での距離の測定またはgNBの送信機チェーンから受信機チェーンを通じて信号を直接供給することによるタイミングオフセットの計算により、実現される。
【0077】
タイミングオフセットは、温度および動作周波数等のさまざまな影響パラメータを用いて、オフラインセッション(offline session)で(事前に)測定されてもよい。その後、測距デバイスは、オフラインセッションにおいて取得された情報に基づいて、タイミングオフセットを補償することができる。また、遅延は、送信機ポートから受信機ポートまでの送信信号の移動時間を同じデバイスの受信機が推定可能な場合に測定されてもよい。この手法は、全二重(full duplex)の場合に、または半二重(half duplex)の場合に送信信号の一部をRF Tx‐Rxスイッチから復元可能な場合に、適用されてもよい[1]。
【0078】
いずれの場合も、高い精度(高いサービスレベル)のためには、両方の測距デバイスから複数の送受信機遅延が決定されることが重要である。複数の送受信機遅延は、レスポンダ(UEまたはgNB)から、LPPおよびNRPPaプロトコルの両方または一方を介して、開始側ノード等の距離測定ノード(UEまたはgNBが可能)またはLMFに報告されてもよい。
【0079】
LMFは、複数のサンプル(samples)(Tc)において送受信機遅延を報告するとともに、デバイスが可能である場合はこれに応じて複数のサブサンプル(subsamples)を訂正するように、測距デバイス(たとえば、UEまたはgNB)に対して要求するように構成されていてもよい。一例として、UE能力がLPPを介してLMFに提供されるRTTを以下に示す。
【0080】
【表6】
一例として、UE能力がLPPを介してLMFに提供されるRTTを以下にも示す。
【0081】
【表7】
図7を参照して、本明細書のいくつかの実施形態に係る方法のフローチャートが提供される。通信ネットワークにおけるRTT測定手順のための方法であって、該方法は、
(701)測位モード(単一のUEとs‐gNBとの間の測距、複数のUEとs‐gNBとの間の測距、および/または複数のUEと複数のgNBとの間の測距を含んでいてもよい(なお、選択または設定されるモードは、本明細書の実施形態を採用可能なシナリオまたはネットワークトポロジに基づく))を設定するステップと、
(702)少なくとも1つのユーザ機器(UE)からの、または前記UEをサービングするサービング無線基地局(s‐gNB)によって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を識別するステップと、
(703)前記少なくとも1つのUEの能力および前記複数の無線基地局(gNB)からの能力を取得することと、
前記少なくとも1つのUEによって、前記少なくとも1つのレポートから、前記複数のn‐gNBのビーム測定結果を報告することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のリソースを設定することと、
によって、設定を開始するステップと、
を備える。
【0082】
一実施形態によれば、上述の通り、s‐gNBおよびn‐gNBに対する複数のリソースを設定することは、
NRPPaまたはXnインターフェースを介してn‐gNBを設定することと、
測位のためにULおよびDLに割り当てられた複数のリソースを1つまたは複数のgNBが予約することと、
前記少なくとも1つのUEまたは前記少なくとも1つのgNBを開始側ノードおよび応答側ノードとして設定することと、
開始側ノード/応答側ノード周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを規定することと、によって、
前記少なくとも1つのUEによる無線リソース制御(Radio Resource Control : RRC)測定をs‐gNBが設定することと、を含む。
【0083】
一実施形態によれば、上述の通り、この方法は、
開始信号を1つまたは複数の応答側ノードに送信するように、前記開始側ノードを設定するステップと、
前記少なくとも1つの応答側ノードによって、開始信号の受信から規定の回答時間後に回答するステップと、
(1つまたは複数のレスポンダとしての)n‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、n‐gNBによって、到達時間(Time OF Arrival : TOA)測定用のDL信号をUEに送信するステップと、を含んでいてもよい。
【0084】
一実施形態によれば、この方法は、複数の訂正信号、複数の周期的測定、またはスケジューリングされた複数の訂正信号(on scheduled correction signals)を実行するステップをさらに備える。
【0085】
一実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの応答側ノードが回答できない場合または回答情報が低品質である場合、イニシエータまたはロケーションサーバによって、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンスのうちの少なくとも1つを含む複数のパラメータを調整した測定用の新たな複数のリソースを要求するステップを含む。
【0086】
一実施形態によれば、この方法は、UEによって、gNBまたはロケーションサーバから受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標を含む、推定するステップを備える。
【0087】
一実施形態によれば、この方法は、ロケーションサーバによって、UEからサーバで受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはUE送受信機遅延を含む、推定するステップを備える。
【0088】
一実施形態によれば、この方法は、サーバによって、gNBから受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標、および/またはgNB送受信機遅延を含む、推定するステップを備える。
【0089】
別の態様によれば、上述の通り、通信ネットワークにおいてRTT測定手順のためにUEによって実行される方法であって、UEが、測距参照信号を送受信するための時間および周波数リソースを把握する、方法において、該方法は、
UL信号を送信することによって、RTT測定手順を開始するステップと、
1つまたは複数のビーム上で複数のリソースを送信するステップと、を備える。
【0090】
別の態様によれば、gNB、UE、またはロケーションサーバである応答側ノードによって実行される方法であって、該方法は、
距離決定のための第1の応答側メッセージの送信後、規定の期間に訂正信号を送信するステップと、
測距信号と訂正信号との間の期間をそれ自体の時間基準に対して検出するとともに、大部分でUEの距離測定結果におけるクロックオフセットを補償するように、開始側ノードを設定するステップと、を備える。
【0091】
別の態様によれば、少なくとも1つのUE、少なくとも1つのs‐gNB、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備え、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法の複数の特徴のいずれかを実行するように動作する、通信ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のための上記システムが提供される。
【0092】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるUEが提供され、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、UEは、少なくとも請求項9に記載の主題を実行するように動作する。
【0093】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるgNB、UE、またはロケーションサーバである応答側ノードが提供され、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、応答側ノードは、少なくとも請求項10に記載の主題を実行するように動作する。
【0094】
また、上述の実施形態に係る開始側ノードが提供される。
上述の関連するプロセスまたは方法ステップを実行するために、UE、gNB、またはロケーションサーバは、プロセッサ、処理回路、処理モジュール、またはプロセッサもしくは手段と、受信回路または受信モジュールと、送信回路または送信モジュールと、メモリモジュールと、送信回路および受信回路を含み得る送受信回路または送受信モジュールと、を備える。UEは、少なくともUE、複数のgNB、または複数のLMFに対して信号を送受信するアンテナ回路を含むアンテナシステムをさらに備えていてもよい。
【0095】
UE、gNB、またはロケーションサーバは、2G、3G、4G、もしくはLTE、LTE‐A、5G、WLAN、およびWiMax等の如何なる無線アクセス技術に属していてもよい。
【0096】
処理モジュール/回路は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を含み、「プロセッサ」と称する場合がある。プロセッサは、UE、gNB、またはサーバ、およびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ならびに/またはプロセッサが使用可能なデータおよび命令を格納する別の種類のメモリを含む。一般的に、1つまたは複数の実施形態におけるUE、gNB、またはサーバは、本明細書に開示の実施形態のいずれかにおける動作を実行するように構成された固定またはプログラム式回路を含むことが了解されよう。
【0097】
上記のような少なくとも1つの例において、UE、gNB、またはサーバは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または処理回路中もしくは処理回路がアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムからのコンピュータプログラム命令を実行するように構成された他の処理回路を含む。ここで、「非一時的」は、必ずしも永久的または不変のストレージを意味するものではなく、ワーキングメモリまたは揮発性メモリ中のストレージを含んでいてもよい。ただし、この用語は、少なくともいくらかは持続性であるようなストレージを含まない。プログラム命令の実行は特に、特許請求の範囲を含めて上述した方法ステップのいずれかを含む本明細書に開示の動作を実行するように、処理回路を構成または設定する。さらに、当然のことながら、UE、gNB、またはサーバは、付加的な構成要素を備えていてもよい。
【0098】
また、UE、gNB、またはサーバの少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、少なくとも対応する特許請求の範囲に係る方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0099】
また、請求項11に記載のシステムの少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、少なくとも請求項1~8に記載の方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0100】
例証したような複数の技術的効果が実現されるとともに、本明細書の実施形態は、少なくとも以下のような利点をもたらす。
・複数のgNB間および複数のデバイス間または複数のgNB間もしくは複数のデバイス間の測距の(測定および報告用の)シグナリングオーバヘッドを低減すること
・単一の測定で複数の応答側グループをトリガーすることにより、受信した開始信号に基づいて、複数のレスポンダが時間を回答(または、報告)可能となる、イニシエータとして設定されたRTTデバイス
・現行のプロトコルの拡張によって、主に送受信機遅延および量子化報告に由来する上述の(1)および(2)の制限を解消するRTT精度を実現すること(その概念では、LPP(UEからgNB)またはNRPPa(gNBからLMF)を介して測定結果を取得、訂正、または報告するデバイスの能力を識別することによって正確な測距を可能にする手順を導入する。)
本開示の全体を通して、用語「ロケーション管理機能(LMF : Location Management Function)」および用語「ロケーションサーバ(LS : Location Server)」の両者を使用している。当業者は、通信ネットワーク中のネットワークユニットがロケーションサーバとして機能することも可能であるし、ロケーション管理機能を含むことも可能であることを理解する。特許請求の範囲ではロケーションサーバ(LS)という用語を使用しており、ロケーション管理機能(LMF)を有する任意のユニットがロケーションサーバとして機能し得ることが了解される。
【0101】
本開示の全体を通して、単語「備える(compriseまたはcomprising)」を非限定的な意味で使用している。すなわち、「少なくとも~から成る(consist at least of)」を意味する。本明細書においては、特定の用語を採用しているが、これらは、一般的かつ説明的な意味で使用しているに過ぎず、何ら限定を目的としたものではない。本明細書の実施形態は、GSM、3GまたはWCDMA、LTEまたは4G、LTE‐A(または、LTEアドバンスト)、5G、WiMax、WiFi、衛星通信、TV放送等の任意の無線システムにおいて適用されてもよい。
【0102】
刊行物
[1]3GPP TS 38.211, 「物理チャネルと変調(Physical channels and modulation)(Release 15)」、3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network, Version 15.3.0, September 2018
[2]3GPP TS 36.355,” Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); LTE Positioning Protocol (LPP)”, V15.1.0 (2018-09)
[1]3GPP TS 38.455,” NG-RAN; NR Positioning Protocol A (NRPPa),” V15.1.0 (2018-09)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションサーバ(LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、前記UEをサービングするサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいて実行されるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のための方法であって、
前記LSが、前記少なくとも1つのUEからの、または前記s‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、前記複数のn‐gNBを識別するステップと、
前記少なくとも1つのUEの能力および前記複数のgNBからの能力を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、前記少なくとも1つのUEレポートまたは前記UE情報から、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関して前記UEに通知することと、
前記UEおよび前記複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、前記UEおよび前記複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
前記LSが、設定を開始するステップと、
前記イニシエータからの少なくとも1つの測位参照信号(PRS)を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、前記PRSが、前記イニシエータがUEである場合はUL‐PRSであり、前記イニシエータがgNBである場合はDL‐PRSである、前記関連付けることと、
前記特定の周波数および複数の時間リソース上で前記複数のレスポンダからPRSを受信することと、
前記イニシエータから受信した前記信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
前記LSが、シグナリングおよび複数の測定を実行するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記複数のn‐gNBの設定用に、前記LSによってNRPPaまたはXnインターフェースが用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LSが、開始信号を1つまたは複数の応答側ノードに送信するように、前記開始側ノードを設定するステップと、
前記少なくとも1つの応答側ノードによって、前記開始信号の受信から規定の回答時間後に回答するステップと、
1つまたは複数のレスポンダとしての前記n‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、前記n‐gNBによって、到達時間(TOA)測定用のDL信号を前記UEに送信するステップと、を備える請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記レスポンダが、前記イニシエータまたは前記LSに複数の訂正信号を送信するステップ、および前記イニシエータまたは前記LSが、受信した複数の訂正信号に従って、複数の周期的測定またはスケジューリングされた複数の訂正信号に対して複数の訂正を実行するステップをさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの応答側ノードのうちの1つが回答できない場合または前記回答情報が低品質である場合、前記イニシエータまたは前記ロケーションサーバによって、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンスのうちの少なくとも1つを含む複数のパラメータを調整した測定用の新たな複数のリソースを要求するステップを備える請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記UEによって、前記gNBまたは前記ロケーションサーバから受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびgNB座標のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ロケーションサーバによって、前記UEから前記サーバで受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびUE送受信機遅延のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロケーションサーバによって、前記gNBから受信した情報に基づいて前記UEの位置を推定するステップを備え、
前記情報が、gNB回答時間、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、gNB座標、およびUE送受信機遅延のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ロケーションサーバ(LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、前記UEをサービングするサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいてラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のために前記LSによって実行される方法であって、
前記少なくとも1つのUEからの、または前記s‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、前記複数のn‐gNBを識別するステップと、
前記少なくとも1つのUEの能力および前記複数のgNBからの能力を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、前記少なくとも1つのUEレポートまたは前記UE情報から、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関して前記UEに通知することと、
前記UEおよび前記複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、前記UEおよび前記複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
設定を開始するステップと、
前記イニシエータからの少なくとも1つの測位参照信号(PRS)を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、前記PRSが、前記イニシエータがUEである場合はUL‐PRSであり、前記イニシエータがgNBである場合はDL‐PRSである、前記関連付けることと、
前記特定の周波数および複数の時間リソース上で前記複数のレスポンダからPRSを受信することと、
前記イニシエータから受信した前記信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
シグナリングおよび複数の測定を実行するステップと、
を備える方法。
【請求項10】
通信ネットワークにおいてラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためにユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
ロケーションサーバからのリクエストに応答して、UEレポートからのs‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を送信するステップ、または、前記s‐gNBからのリクエストに応答して、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBによって実行された測定結果に基づくUL信号を送信するステップと、
前記ロケーションサーバから、前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバから、請求項1に記載の開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを受信するステップと、
UL測位参照信号(PRS)を前記s‐gNBおよび前記複数のn‐gNBに送信することによって、前記RTT測定手順を開始するステップと、
前記ロケーションサーバによって、UEベースモードまたはUEアシストモードに設定するステップと、
前記UEがUEベースモードである場合、前記ロケーションサーバから、gNB、受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、およびgNB座標のうちの少なくとも1つを含む情報を取得し、この情報を用いてUEの位置を演算するステップと、
前記UEがUEアシストモードである場合、前記複数のgNBからの設定された前記複数のDLリソースに対応する複数のRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに送信するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
請求項10に記載のUEによって実行される方法であって、
前記ロケーションサーバによって、請求項1に記載のレスポンダまたはイニシエータに設定するステップと、
前記UEがイニシエータである場合、1つまたは複数のUL‐PRSを、設定された複数のgNBに送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが2つ以上のgNBにより受信される、前記送信するステップ、およびRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに報告するステップと、
前記UEがレスポンダである場合、DL‐PRSに応答してUL‐PRSを送信するステップであって、少なくとも1つのUL‐PRSが1つまたは複数のgNBにより受信される、前記送信するステップ、およびRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに報告するステップと、
を備える方法。
【請求項12】
gNBまたはUEである請求項1に記載の応答側ノードによって実行される方法であって、
距離決定のための第1の応答側メッセージの送信後、規定の期間に訂正信号を送信するステップと、
測距信号と前記訂正信号との間の期間をそれ自体の時間基準に対して検出するとともに、大部分でUEの複数の距離測定結果におけるクロックオフセットを補償するように、請求項1に記載の開始側ノードを設定するステップと、
を備える、方法。
【請求項13】
通信ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためのシステムであって、
ロケーションサーバ(LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、前記UEをサービングする少なくとも1つのサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備え、
前記システムは、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法の特徴のいずれかを実行するように動作する、システム。
【請求項14】
LSであって、
プロセッサおよびメモリを備え、
前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、前記LSは、少なくとも請求項9に記載の主題を実行するように動作する、LS。
【請求項15】
UEであって、
プロセッサおよびメモリを備え、
前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、前記UEは、少なくとも請求項10または11に記載の主題を実行するように動作する、UE。
【請求項16】
gNBまたはUEであって、
プロセッサおよびメモリを備え、
前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、前記gNBまたはUEは、請求項12に記載の応答側ノードの主題を実行するように動作する、gNBまたはUE。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
上記開示の欠点を考慮して、少なくとも以下の技術的効果を実現するとともに以下の利点をもたらす方法および装置が提供される。
・複数のgNB間および複数のデバイス間または複数のgNB間もしくは複数のデバイス間の測距の(測定および報告用の)シグナリングオーバヘッドを低減すること
・単一の測定で複数の応答側グループをトリガーすることにより、受信した開始信号に基づいて、レスポンダ(responder)が時間を回答(または、報告)可能となる、イニシエータ(initiator)として設定されたRTTデバイス(言い換えると、開始RTTデバイスは、単一のシグナリングフレームで複数の応答側グループをトリガー可能である。一方、複数のレスポンダは、開始信号の受信と応答の送信との間の時間を回答し報告する。)
・現行のプロトコルの拡張によって、主に送受信機遅延および量子化報告に由来する上述の(1)および(2)の制限を解消するRTT精度を実現すること(その概念では、LPP(UEからgNB)またはNRPPa(gNBからLMF)を介して測定結果を取得、訂正、または報告するデバイスの能力を識別することによって正確な測距を可能にする手順を導入する。)
一態様によれば、ロケーションサーバ(location server :LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、UEをサービングする(serving)サービング無線基地局(serving radio base station)(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(neighboring radio base station)(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいて実行されるRTT測定手順のための方法が提供され、該方法は、
前記LSが、少なくとも1つのUEからの、またはs‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、複数のn‐gNBを識別するステップと、
前記少なくとも1つのUEの能力および前記gNBからの能力を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、前記少なくとも1つのUEレポートまたはUE情報から、s‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関して前記UEに通知することと、
UEおよび複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、UEおよび複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数(initiator/responder frequency)および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
前記LSが、設定を開始するステップと、
イニシエータからの少なくとも1つの測位参照信号(PRS)を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、PRSが、イニシエータがUEである場合はUL‐PRSであり、イニシエータがgNBである場合はDL‐PRSである、関連付けることと、
特定の周波数および時間リソース上でレスポンダからPRSを受信することと、
イニシエータから受信した信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
前記LSが、シグナリングおよび測定を実行するステップと、
を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
一実施形態によれば、n‐gNBの設定用に、前記LSによってNRPPa(New Radio Positioning Protocol A : 新無線測位プロトコルA)またはXnインターフェース上のn‐gNBが用いられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
Xnインターフェースは、5Gコアネットワークに接続されている複数のgNBを相互接続するように構成されている。
一実施形態によれば、この方法は、
前記LSが、開始信号(initiator signal)を1つまたは複数の応答側ノード(responder node)に送信するように、前記開始側ノード(initiator node)を設定するステップと、
前記少なくとも1つの応答側ノードによって、開始信号の受信から規定の回答時間後に回答するステップと、
1つまたは複数のレスポンダとしてのn‐gNBが十分な品質の信号を受信している場合、n‐gNBによって、到達時間(TOA : Time of Arrival)測定用のDL信号をUEに送信するステップと、
を含んでいてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
一実施形態によれば、この方法は、レスポンダが、イニシエータまたはLSに複数の訂正信号を送信するステップ、およびイニシエータまたはLSが、受信した複数の訂正信号に従って、複数の周期的測定またはスケジューリングされた複数の訂正信号に対して複数の訂正を実行するステップをさらに含む。
一実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの応答側ノードのうちの1つが回答できない場合または回答情報が低品質である場合、イニシエータまたはロケーションサーバによって、送信電力、周期性、信号持続時間、またはタイミングアドバンス(timing advance)のうちの少なくとも1つを含むパラメータを調整した測定用の新たなリソースを要求するステップを含む。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
一実施形態によれば、この方法は、ロケーションサーバによって、gNBから受信した情報に基づいてUEの位置を推定するステップであって、情報が、gNB回答時間、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標、および/またはgNB送受信機遅延を含む、推定するステップを含む。
一態様によれば、ロケーションサーバ(LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、UEをサービングするサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備えた通信ネットワークにおいてラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためにLSによって実行される方法が提供され、該方法は、
少なくとも1つのUEからの、またはs‐gNBによって実行された少なくとも1つの測定に基づくUE情報からの少なくとも1つのレポートに基づいて、複数のn‐gNBを識別するステップと、
少なくとも1つのUEの能力および複数のgNBからの能力を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBによって実行された測定に基づいて、少なくとも1つのUEレポートまたはUE情報から、s‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を取得することと、
s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のリソースに関してUEに通知することと、
UEおよび複数のgNBのうちの1つをイニシエータに設定するとともに、UEおよび複数のgNBの残りを複数のレスポンダに設定することと、
開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを提供することと、によって、
設定を開始するステップと、
イニシエータからの少なくとも1つの測位参照信号(PRS)を、受信する複数のレスポンダと関連付けることであって、PRSが、イニシエータがUEである場合はUL‐PRSであり、イニシエータがgNBである場合はDL‐PRSである、関連付けることと、
特定の周波数および複数の時間リソース上で複数のレスポンダからPRSを受信することと、
イニシエータから受信した信号に対応するタイミング情報を測定することと、によって、
シグナリングおよび複数の測定を実行するステップと、
を備える。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
別の態様によれば、通信ネットワークにおいてラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためにユーザ機器(UE)によって実行される方法が提供され、該方法は、
ロケーションサーバからのリクエストに応答して、UEレポートからのs‐gNBおよび複数のn‐gNBのビーム測定結果を送信するステップ、または、前記s‐gNBからのリクエストに応答して、s‐gNBおよび複数のn‐gNBによって実行された測定結果に基づくUL信号を送信するステップと、
前記ロケーションサーバから、s‐gNBおよび複数のn‐gNBに対する複数のDLリソースに関する情報を受信するステップと、
前記ロケーションサーバから、上述のような開始側/応答側周波数および複数の時間リソースならびに複数のグループ共有リソースを受信するステップと、
UL測位参照信号(PRS)をs‐gNBおよび複数のn‐gNBに送信することによって、RTT測定手順を開始するステップと、
前記ロケーションサーバによって、UEベースモードまたはUEアシストモードに設定するステップと、
前記UEがUEベースモードである場合、前記ロケーションサーバから、gNB、および/または受信機‐送信機(Rx‐Tx)時間差、および/またはgNB座標を含む情報を取得し、この情報を用いてUEの位置を演算するステップと、
前記UEがUEアシストモードである場合、複数のgNBからの設定された複数のDLリソース(configured DL resources)に対応する複数のRx‐Tx時間差を前記ロケーションサーバに送信するステップと、
を備える。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
別の態様によれば、ロケーションサーバ(LS)、少なくとも1つのユーザ機器(UE)、前記UEをサービングする少なくとも1つのサービング無線基地局(s‐gNB)、および複数の隣接無線基地局(n‐gNB)を備え、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法の特徴のいずれかを実行するように動作する、通信ネットワークにおけるラウンドトリップタイム(RTT)測定手順のためのシステムが提供される。
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるLSが提供され、メモリが、プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、LSは、少なくとも請求項9に記載の主題を実行するように動作する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるUEが提供され、メモリが、プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、UEは、少なくとも請求項10または11に記載の主題を実行するように動作する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるgNBまたはUEが提供され、メモリが、プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、gNBまたはUEは、請求項12に記載の応答側ノードの主題を実行するように動作する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるUEが提供され、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、UEは、少なくとも請求項10または11に記載の主題を実行するように動作する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
別の態様によれば、プロセッサおよびメモリを備えるgNB、UE、またはロケーションサーバである応答側ノードが提供され、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な複数の命令を含むことにより、応答側ノードは、少なくとも請求項12に記載の主題を実行するように動作する。
【国際調査報告】