(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造
(51)【国際特許分類】
C03B 5/425 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
C03B5/425
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540453
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2020108656
(87)【国際公開番号】W WO2021027839
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910743118.6
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517101366
【氏名又は名称】ジュシ グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張毓▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】方▲長▼▲應▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼仙良
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼育▲倉▼
(72)【発明者】
【氏名】翁▲暁▼▲東▼
(57)【要約】
ガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造は、前記タンク窯フォアハースの両側に位置する胸壁レンガ(1)と、前記胸壁レンガ(1)の頂部に跨るカバープレートレンガ(2)と、前記カバープレートレンガ(2)及び前記胸壁レンガ(1)の外面を覆う保温層(3)と、を含み、前記カバープレート構造は、前記カバープレートレンガ(2)と前記保温層(3)の間に固定されるとともに、隣り合う前記カバープレートレンガ(2)の隙間に位置する第1層の隙間塞ぎレンガ(4)を更に含む。カバープレートレンガ(2)の構造を改良し、隣り合うカバープレートレンガ(2)の隙間に、構造とマッチングする隙間塞ぎレンガを充填することで、隙間塞ぎレンガによりタンク窯内の火炎がカバープレートレンガ(2)の隙間から噴出することを効果的に阻止すると同時に、カバープレートレンガ(2)の間の接続安定性を確保し、タンク窯フォアハースのカバープレート構造の安定性及び使用寿命を保証する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク窯フォアハースの両側に位置する胸壁レンガ(1)と、前記胸壁レンガ(1)の頂部に跨るカバープレートレンガ(2)と、前記カバープレートレンガ(2)及び前記胸壁レンガ(1)の外面を覆う保温層(3)と、を含み、
カバープレート構造は、前記カバープレートレンガ(2)と前記保温層(3)の間に固定されるとともに、隣り合う前記カバープレートレンガ(2)の隙間に位置する第1層の隙間塞ぎレンガ(4)を更に含むことを特徴とする、ガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項2】
前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の頂面(42)と前記カバープレートレンガ(2)の頂面(22)は、面一になるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項3】
前記カバープレートレンガ(2)の断面は凸字型であり、前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の断面は矩形であることを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項4】
前記カバープレートレンガ(2)の辺部(20)と頂面(22)の間に第1の凹み溝(21)が設けられ、前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の底部に第2の凹み溝(41)が設けられ、前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の側壁(40)は、前記第1の凹み溝(21)内に嵌め込まれることを特徴とする、請求項3に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項5】
前記第1の凹み溝(21)の深さは、前記第2の凹み溝(41)の深さ以上であることを特徴とする、請求項4に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項6】
前記カバープレートレンガ(2)の辺部(20)と前記カバープレートレンガ(2)の頂面(22)との間の高さの差は、前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の厚さと前記第2の凹み溝(41)の深さとの差分以上であることを特徴とする、請求項4に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項7】
前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の側壁(40)の厚さは、前記第1の凹み溝(21)の幅以下であり、前記第2の凹み溝(41)の幅は、前記カバープレートレンガ(2)の辺部(20)の幅の2倍以上であることを特徴とする、請求項4に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項8】
前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)と前記カバープレートレンガ(2)とは、材質が同じであり、再焼結ムライト、ジルコン又は焼結AZS30を使用することを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【請求項9】
前記カバープレート構造は、前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)と前記保温層(3)の間に固定されるとともに、隣り合う前記第1層の隙間塞ぎレンガ(4)の隙間の間に位置する第2層の隙間塞ぎレンガ(5)を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年8月13日に中国特許局に提出された出願番号が201910743118.6で、発明の名称が「ガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ガラス繊維生産装置の技術分野に関し、特にガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラス繊維タンク窯フォアハースの上部空間は、両側に位置する胸壁レンガ、頂部に位置するカバープレートレンガ及び保温層を含み、従来のフォアハースの上部空間のカバープレート構造では、カバープレートレンガ上に保温層が覆われている。タンク窯を生産に使用する前に昇温させる必要があり、昇温過程で、カバープレートレンガが膨脹して移動し、隣り合うカバープレートレンガの間が確実に閉鎖できず、タンク窯を生産に使用した後に、フォアハース内の火炎が隣り合うカバープレートレンガの隙間から噴出し、保温層を焼き切り、燃え上がりを招き、タンク窯の運転安全性及び使用寿命に深刻な影響を与え、更に安全性の事故の発生を招く。
【発明の概要】
【0004】
上記の問題に対して、本発明の目的は、上記の技術問題を解決するガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造を提供することである。具体的には、本発明は、火炎がカバープレートレンガの隙間から噴出することを回避できるガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造を提供する。
【0005】
本発明により提供されるガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造は、前記タンク窯フォアハースの両側に位置する胸壁レンガと、前記胸壁レンガの頂部に跨るカバープレートレンガと、前記カバープレートレンガ及び前記胸壁レンガの外面を覆う保温層と、を含み、前記カバープレート構造は、前記カバープレートレンガと前記保温層の間に固定されるとともに、隣り合う前記カバープレートレンガの隙間に位置する第1層の隙間塞ぎレンガを更に含む。
【0006】
そのうち、前記第1層の隙間塞ぎレンガの頂面と前記カバープレートレンガの頂面は、面一になるように設けられる。
【0007】
そのうち、前記カバープレートレンガの断面は凸字型であり、前記第1層の隙間塞ぎレンガの断面は矩形である。
【0008】
そのうち、前記カバープレートレンガの辺部と頂面の間に第1の凹み溝が設けられ、前記第1層の隙間塞ぎレンガの底部に第2の凹み溝が設けられ、前記第1層の隙間塞ぎレンガの側壁は、前記第1の凹み溝内に嵌め込まれる。
【0009】
そのうち、前記第1の凹み溝の深さは、前記第2の凹み溝の深さ以上である。
【0010】
そのうち、前記カバープレートレンガの辺部と前記カバープレートレンガの頂面との間の高さの差は、前記第1層の隙間塞ぎレンガの厚さと前記第2の凹み溝の深さとの差分以上であり、好ましくは、前記カバープレートレンガの辺部と前記カバープレートレンガの頂面との間の高さの差は、前記第1層の隙間塞ぎレンガの厚さと前記第2の凹み溝の深さとの差分に等しい。
【0011】
そのうち、前記第1層の隙間塞ぎレンガの側壁の厚さは、前記第1の凹み溝の幅以下であり、前記第2の凹み溝の幅は、前記カバープレートレンガの辺部の幅の2倍以上である。
【0012】
そのうち、前記第1層の隙間塞ぎレンガと前記カバープレートレンガとは、材質が同じであり、再焼結ムライト、ジルコン又は焼結AZS30を使用する。
【0013】
そのうち、前記カバープレート構造は、前記第1層の隙間塞ぎレンガと前記保温層の間に固定されるとともに、隣り合う前記第1層の隙間塞ぎレンガの隙間の間に位置する第2の隙間塞ぎレンガを更に含む。
【0014】
本発明の有益な効果は、以下を含む。
本発明は、カバープレートレンガの構造を改良し、隣り合うカバープレートレンガの隙間に、構造とマッチングする隙間塞ぎレンガを充填することで、隙間塞ぎレンガによりタンク窯内の火炎がカバープレートレンガの隙間から噴出することを効果的に阻止すると同時に、カバープレートレンガの間の接続安定性を確保し、タンク窯フォアハースのカバープレート構造の安定性及び使用寿命を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本発明の実施例を示し、且つ説明と共に本発明の原理を解釈するために用いられる。これらの図面において、類似する図面符号は、類似する要素を表すために用いられる。下記の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例であり、全ての実施例ではない。当業者であれば、創造的な労力を要さずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の構造模式図である。
【
図3】本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の別の構造の側面断面図である。
【
図4】
図3のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の模式図である。
【
図5】カバープレートレンガの構造の断面模式図である。
【
図7】第1層の隙間塞ぎレンガの構造の断面模式図である。
【
図8】本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の別の構造模式図である。
【
図9】第1の隙間塞ぎレンガの具体的な構造模式図である。
【
図10】第2の隙間塞ぎレンガの具体的な構造模式図である。
【
図12】第3の隙間塞ぎレンガの具体的な構造模式図である。
【
図13】第4の隙間塞ぎレンガの具体的な構造模式図である。
【
図14】本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の別の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要さずに得た他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属する。衝突しない限り、本出願の実施例及び実施例における特徴は、互いに任意に組み合わせることができることを説明しておきたい。
【0017】
本発明は、カバープレートレンガの辺部構造を改良し、隣り合うカバープレートレンガの隙間に隙間塞ぎレンガを設け、隙間塞ぎレンガにより隣り合う2つのカバープレートレンガの隙間を覆うことで、タンク窯フォアハース内の火炎が隙間を介して噴出することを効果的に回避すると同時に、隙間塞ぎレンガの構造とカバープレートレンガの辺部構造がマッチングすることで、隣り合う2つのカバープレートレンガの接続安定性を保証し、タンク窯フォアハースのカバープレート構造の安定性及び使用寿命を確保することもできる。
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明により提供されるガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の具体的な実施例の構造模式図を示し、
図2は、この実施例のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造のA-A断面図であり、
図1及び
図2を合わせて参照し、本発明のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造は、タンク窯フォアハースの両側に位置する胸壁レンガ1と、胸壁レンガ1の頂部に跨るカバープレートレンガ2と、カバープレートレンガ2及び胸壁レンガ1の外面を覆う保温層3と、を含み、このカバープレート構造は、カバープレートレンガ2と保温層3の間に固定されるとともに、隣り合うカバープレートレンガ2の隙間に位置する第1層の隙間塞ぎレンガ4を更に含み、第1層の隙間塞ぎレンガ4は、隣り合うカバープレートレンガ2の間の隙間と保温層3との間を仕切り、火炎が隙間を介して噴出して保温層3を焼損することを効果的に防止し、更にガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の安定性及び使用寿命を保証する。
【0020】
本実施例において、取り付けの便宜上、第1層の隙間塞ぎレンガ4の頂面42とカバープレートレンガ2の頂面22は、面一になるように設けられる。図示するように、カバープレートレンガ2の断面は凸字型であり、第1層の隙間塞ぎレンガ4の断面は矩形であり、第1層の隙間塞ぎレンガ4は、隣り合う2つのカバープレートレンガ2の間の頂部に充填され、隣り合う2つのカバープレートレンガ2の間の隙間を覆って遮蔽し、火炎の噴出を効果的に阻止する。
【0021】
本解決手段において、カバープレートレンガ2はタンク窯フォアハースの跨り方向において一体的であり、隙間がないため、タンク窯フォアハースの長さ方向に沿う隣り合う2つのカバープレートレンガ2の間の隙間を覆って遮蔽する必要があることを説明しておきたい。
【0022】
図3は、本発明の別の実施例のガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の側面断面図を例示的に示し、
図4は、このカバープレート構造のカバープレートレンガの隙間部の断面図である。
図3及び
図4を合わせて参照し、本実施例において、第1層の隙間塞ぎレンガ4は、隣り合うカバープレートレンガ2の間の隙間を覆うだけでなく、隣り合うカバープレートレンガ2の間の位置を固定することもでき、カバープレート構造の構造安定性が更に保証される。
【0023】
図5は、本実施例におけるカバープレートレンガ2の断面模式図を示し、
図6は、このカバープレートレンガ2の上面図を示し、
図7は、本実施例における第1層の隙間塞ぎレンガ4の断面模式図を示す。
図3、
図5、
図6及び
図7を合わせて参照し、本実施例のカバープレートレンガ2の辺部20と頂面22の間に第1の凹み溝21が設けられ、それに応じて、第1層の隙間塞ぎレンガ4の底部に第2の凹み溝41が設けられ、取り付け時に、第1層の隙間塞ぎレンガ4の側壁40は、第1の凹み溝21内に嵌め込まれる。
【0024】
第1層の隙間塞ぎレンガ4の取り付け安定性を保証するために、第1の凹み溝21の深さは、第2の凹み溝41の深さ以上である。更に、カバープレートレンガ2の辺部20とカバープレートレンガ2の頂面22との間の高さの差は、第1層の隙間塞ぎレンガ4の厚さと第2の凹み溝41の深さとの差分以上である。取り付け後に第1層の隙間塞ぎレンガ4の頂面42とカバープレートレンガ2の頂面22が面一になるように保証し、更に保温層3の取り付け安定性及びその保温効果を確保するために、好ましくは、カバープレートレンガ2の辺部20とカバープレートレンガ2の頂面22との間の高さの差は、第1層の隙間塞ぎレンガ4の厚さと第2の凹み溝41の深さとの差分に等しい。
【0025】
それに応じて、取り付けの便宜上、第1層の隙間塞ぎレンガ4の側壁40の厚さは、第1の凹み溝21の幅以下であり、第2の凹み溝41の幅は、カバープレートレンガ2の辺部20の幅の2倍以上である。
【0026】
具体的には、第1層の隙間塞ぎレンガ4は、隣り合う2つのカバープレートレンガ2の頂部の間の隙間を覆うだけでなく、その側面の隙間をも覆う。従って、本実施例において、
図6に示すように、カバープレートレンガ2の第1の凹み溝21は、その2つの側面まで延伸し、即ち、隣り合う2つのカバープレートレンガ2の側面の辺部も第2の凹み溝41付きの第1層の隙間塞ぎレンガ4により覆われるように取り付けられる。
【0027】
図1及び
図4に示すように、この2つの実施例において、第1層の隙間塞ぎレンガ4の端部が面一構造であるため、隣り合う2つの第1層の隙間塞ぎレンガ4の間の隙間と隣り合う2つのカバープレートレンガ2の隙間の間は連通する可能性があり、ある程度の貫通隙間が残存する可能性がまだある。このような可能性に対して、本発明において、多くの対応する回避手段が与えられている。
【0028】
図8は、別の実施例におけるガラス繊維タンク窯フォアハースのカバープレート構造の構造模式図を示し、本実施例において、第1層の隙間塞ぎレンガ4の端面は、単一な面一構造ではなく、相互にマッチングする構造である。具体的には、本実施例において、第1層の隙間塞ぎレンガ4は、カバープレートレンガ2の頂部の一端に位置する第1の隙間塞ぎレンガ401、カバープレートレンガ2の頂部の中部に位置するとともに順に接続される複数の第2の隙間塞ぎレンガ402、カバープレートレンガ2の頂部の他端に位置する第3の隙間塞ぎレンガ403、及びカバープレートレンガ2の側面に位置する第4の隙間塞ぎレンガ404を含み、第1の隙間塞ぎレンガ401、第2の隙間塞ぎレンガ402、第3の隙間塞ぎレンガ403の両端面及び第4の隙間塞ぎレンガ404の頂面のいずれにも、相互にマッチングする非面一構造が設けられ、且つ、第1の隙間塞ぎレンガ401、第2の隙間塞ぎレンガ402、第3の隙間塞ぎレンガ403の両端面は、いずれも非縦方向貫通構造である。
【0029】
図9は、典型的な実施例における第1の隙間塞ぎレンガ401の側面構造模式図を示し、
図10は、それとマッチングする第2の隙間塞ぎレンガ402の側面構造模式図を示し、
図11は、
図10の第2の隙間塞ぎレンガ402の斜視図であり、
図12は、対応する第3の隙間塞ぎレンガ403の側面構造模式図を示し、
図13は、第4の隙間塞ぎレンガ404の側面構造模式図を示す。図示するように、隣り合う塞ぎレンガの端面の間のシームレスな接続を確保するために、第1の切欠き411と第3の切欠き413は相互にマッチングし、第2の切欠き412と第4の切欠き414は相互にマッチングする。ここの「相互にマッチングする」とは、両者を突き合せれば矩形を形成できることを指し、具体的には、第1の切欠き411の幅が第3の切欠き413の幅に等しく、且つ第1の切欠き411の高さと第3の切欠き413の高さとの和が第1層の隙間塞ぎレンガ4の厚さに等しく、第2の切欠き412の高さが第4の切欠き414の高さに等しく、且つ第4の隙間塞ぎレンガ404の厚さと第4の切欠き414の幅との差が第2の切欠き412の幅に等しいことを指す。
【0030】
図8~
図13を合わせて参照し、第4の隙間塞ぎレンガ404の頂部に第4の切欠き414を設け、第1の隙間塞ぎレンガ401の一端に第2の切欠き412を設け、他端に第1の切欠き411を設け、第4の切欠き414と第2の切欠き412が相互にマッチングすることで、第4の隙間塞ぎレンガ404の頂部と第1の隙間塞ぎレンガ401のシームレスな接続を実現し、第2の隙間塞ぎレンガ402の一端に第3の切欠き413を設け、他端に第1の切欠き411を設け、第3の切欠き413と第1の切欠き411が相互にマッチングすることで、第1の隙間塞ぎレンガ401と第2の隙間塞ぎレンガ402、及び隣り合う第2の隙間塞ぎレンガ402同士の間のシームレスな接続を実現し、それに応じて、第3の隙間塞ぎレンガ403の一端に第3の切欠き413を設け、他端に第2の切欠き412を設けることで、第2の隙間塞ぎレンガ402と第3の隙間塞ぎレンガ403の間のシームレスな接続、及び第3の隙間塞ぎレンガ403と第4の隙間塞ぎレンガ404の頂部の間のシームレスな接続を実現することができる。このような構造の第1の隙間塞ぎレンガ401、第2の隙間塞ぎレンガ402、第3の隙間塞ぎレンガ403及び第4の隙間塞ぎレンガ404を組み合わせることで、隣り合うカバープレートレンガ2の間の隙間を全面的に覆うことを効果的に実現し、カバープレートレンガ2から保温層3まで直接貫通する何らの隙間が存在することを効果的に回避し、火炎が噴出して保温層を焼き切ることを回避することができ、同時にカバープレート構造の安定性を効果的に保証し、その使用寿命を延長することができる。
【0031】
具体的には、第1層の隙間塞ぎレンガ4とカバープレートレンガ2とは、材質が同じであり、例えば、いずれも再焼結ムライト、ジルコン又は焼結AZS30のうちのいずれか1つの材質を使用することができる。
【0032】
また、第1層の隙間塞ぎレンガ4の間の隙間とカバープレートレンガ2の間の隙間が相互に連通する可能性を回避するために、本発明において、
図14に別の実施例が示され、このカバープレート構造は、第1層の隙間塞ぎレンガ4と保温層3の間に固定されるとともに、隣り合う第1層の隙間塞ぎレンガ4の隙間の間に位置する第2層の隙間塞ぎレンガ5を更に含む。具体的には、第1層の隙間塞ぎレンガ4の頂面の端部に矩形切欠きが設けられ、第2層の隙間塞ぎレンガ5が隣り合う第1層の隙間塞ぎレンガ4の間の隙間を覆うように保証すると同時に、第2層の隙間塞ぎレンガ5の取り付け安定性を保証するために、当該矩形切欠きの厚さは第2層の隙間塞ぎレンガ5の厚さに等しく、且つ第2層の隙間塞ぎレンガ5の幅は当該矩形切欠きの幅の2倍である。矩形切欠きの長さは、第2層の隙間塞ぎレンガ5の長さ以上であり、例示的には、当該矩形切欠きは、第1層の隙間塞ぎレンガ4の幅方向において貫通してもよく、第2層の隙間塞ぎレンガ5の長さは、第1層の隙間塞ぎレンガ4の幅より大きくてもよく、それに等しくてもよく、それより小さくてもよい。
【0033】
最後に、第2層の隙間塞ぎレンガ5の材質と第1層の隙間塞ぎレンガ4の材質とは、同じであり、再焼結ムライト、ジルコン又は焼結AZS30のうちのいずれか1つの材質を使用してもよいことを指摘しておきたい。
【0034】
以上に説明された内容は、単独で実施されてもよく、様々な形で組み合わせて実施されてもよく、これらの変形はいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0035】
本発明に挙げられた部材の具体的な寸法の数値は、例示的な数値であり、異なる部材の寸法パラメータは、ガラス繊維タンク窯の需要に応じて実際のプロセスで異なる数値を使用することができる。
【0036】
説明しておきたいこととして、本明細書において、第1及び第2などのような関係用語は、1つのエンティティ又は操作と別のエンティティ又は操作とを区別するためのものに過ぎず、これらのエンティティ又は操作の間に何らかのこのような実際の関係又は順序が存在するように要求又は示唆するわけではない。また、用語の「含む」、「からなる」又はその任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図するため、一連の要素を含む物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素を更に含み、或いは、このような物品又は装置に固有の要素を更に含むものとする。更なる制限がない限り、「…を含む」という文によって限定される要素は、前記要素を含む物品又は装置に別の同じ要素が更に存在することを排除するものではない。
【0037】
以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、本発明を制限するものではなく、単に好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明した。当業者であれば、本発明の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の技術的解決手段に修正又は等価置換を行うことができ、それらの修正又は等価置換はいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるものとすべきである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、カバープレートレンガの辺部構造を改良し、隣り合うカバープレートレンガの隙間に隙間塞ぎレンガを設け、隙間塞ぎレンガにより隣り合う2つのカバープレートレンガの隙間を覆うことで、タンク窯フォアハース内の火炎が隙間を介して噴出することを効果的に回避すると同時に、隙間塞ぎレンガの構造とカバープレートレンガ辺部構造が相互にマッチングすることで、隣り合う2つのカバープレートレンガの接続安定性を保証し、タンク窯フォアハースのカバープレート構造の安定性及び使用寿命を確保することもできる。
【国際調査報告】