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特表2022-517249計時器のための月および閏年表示機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(54)【発明の名称】計時器のための月および閏年表示機構
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/253 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
G04B19/253 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540536
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020053330
(87)【国際公開番号】W WO2020165095
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】19157299.9
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501475413
【氏名又は名称】グラスヒュッテ・ウーレンベトリーブ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,エム・トニー
(57)【要約】
月表示と一体化される閏年表示を有する計時器(1000)のための表示機構(10)は、制御機構(3)を備える。制御機構(3)は、毎月1回、ダイヤル(1)下部に配置される月表示車セット(2)を軸(D)の周りを回転するように駆動する。ダイヤル(1)は四分円に月窓(1C)を有し、それによって、月表示車セット(2)の4分の1のみが表示されるようになる。月表示車セット(2)は、4年に1回転を完了し、90°の扇形の部分に、少なくとも1つの特有の閏年の印を有する。月表示車セット(2)は、指針または等間隔の月の印のいずれかを有する。指針のそれぞれは、ダイヤル(1)の固定された月の記号上で1つの月を示すように構成される。月の印のうち1つはダイヤル(1)の固定マークによって指される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器(1000)のための月および閏年表示機構(10)であって、前記機構(10)は月表示と一体化される閏年表示を備え、前記機構(10)はムーブメント(100)を備えるか、またはムーブメント(100)と協働するように構成され、前記ムーブメント(100)は、前記機構(10)に含まれる制御機構(3)を介して月表示車セット(2)が回転軸(D)の周りを回転するように駆動し、前記月表示車セット(2)はカバー板下部またはダイヤル(1)下部に配置され、前記回転軸(D)に対して90°の扇形の部分に含まれる月窓(1C)によって、ユーザは前記月表示車セット(2)の4分の1を見ることができ、前記月表示車セット(2)の他の4分の3はユーザから隠されるように構成され、前記制御機構(3)によって、前記月表示車セット(2)は4年に1回転を完了するように構成され、前記月表示車セット(2)は、90°の扇形の部分にわたって、少なくとも1つの特有の閏年の印を有し、指針または等間隔の月の印のいずれかを有し、前記指針のそれぞれは、前記ダイヤル(1)の固定された月の記号上で1つの月を示すように構成され、月の印のうち1つは前記ダイヤル(1)の固定マークによって指される、月および閏年表示機構(10)であって、前記月窓(1C)は、少なくとも部分的に透光性クリスタル(70)を備え、前記クリスタル(70)は、12の透光性の月の上側の印(71)を有し、前記月表示車セット(2)は、前記クリスタル(70)下部で回転し、前記月表示車セット(2)は、等間隔で、色付きおよび/または反射性の4つの下側の印(72)を有し、各前記下側の印(72)は1つの月の印の角度振幅を有し、他の月の上側の印(71)と視覚的に明暗をつけることによって、今月の名称を見せるように構成され、前記下側の印(72)のうち1つは閏年の下側の印(72A)であり、平年の下側の印(72B)である他の下側の印(72)とは異なり、今月に対して、他の月の視覚効果とは異なる視覚効果を前記ユーザに対して与えるように構成されることを特徴とする、月および閏年表示機構(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の月および閏年表示機構(10)であって、少なくともカバー板またはダイヤル(1)を備え、前記カバー板またはダイヤル(1)は、月の記号(1D)に対向する月窓(1C)を含み、前記表示機構(10)は、円板またはリングによって形成される月表示車セット(2)を備え、前記円板またはリングは、前記ムーブメント(100)によって間接的に回転軸(D)の周りを駆動し、前記月窓(1C)内部でユーザは前記円板またはリングを部分的に見ることができるように構成され、前記月の記号(1D)は、前記回転軸(D)に対して90°の中心角で延在することを特徴とし、前記制御機構(3)によって、前記表示車セット(2)は4年に1回転するように構成されることを特徴とし、前記月表示車セット(2)は前記月窓(1C)を通じて可視な表示軌道を含み、4つの等間隔の指針を備え、前記月窓(1C)を通して一度にそのうち1つのみが可視であり、前記月の記号(1D)上で今月に対応する記号を恒常的に指すことを特徴とし、前記指針のうち、1つは閏年指針(2A)であり、他の3つは平年指針(2B)であり、前記閏年指針(2A)は、前記ユーザに今年が閏年であることを示す目立つ印を備えることを特徴とする、月および閏年表示機構(10)。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示機構(10)であって、前記月表示車セット(2)は表示リングまたは円板であり、前記表示リングまたは円板は、前記ダイヤル(1)の固定された月の記号(1D)上で月を示すように構成される指針を有し、前記指針は4つの等間隔の指針(2A;2B)から形成され、そのうち1つのみが前記月窓(1C)を通して一度に可視であり、前記ダイヤル(1)の月の記号(1D)上で今月の記号を恒常的に指すように構成され、前記4つの指針(2A;2B)のうち、閏年指針(2A)は、前記他の平年指針(2B)とは異なるため、前記月表示と一体化可能であることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項4】
請求項3に記載の表示機構(10)であって、前記平年指針(2B)は互いに異なり、それぞれがユーザから可視であり、次の閏年までの残り年数を表す数字のついた表示を備えることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項5】
請求項3に記載の表示機構(10)であって、前記平年指針(2B)は互いに異なり、それぞれがユーザから可視であり、最後の閏年からの経過年数を表す数字のついた表示を備えることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項6】
請求項1に記載の表示機構(10)であって、前記月表示車セット(2)は等間隔の月の印(80)を有し、前記月の印(80)は4年にわたって連続する月に対応し、前記月の印(80)のうち1つは前記ダイヤル(1)の固定マーク(83)によって指され、前記固定マーク(83)は指針(84)および/または色付きの透光性のクリスタル(85)であり、前記月の印(80)は48の月の印(81;82)から形成され、そのうち12の連続した印は閏年の月の印(81)であり、平年の月の印(82)である他の36の印(80)とは異なることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記制御機構(3)は入力車セット(31)を備え、前記入力車セット(31)は、前記ムーブメント(100)の筒車によって、前記筒車とかみ合う輪列によって、または日付機構(200)によって駆動されるように構成され、前記入力車セット(31)は指(311)を備え、中間車(32)と一体化される第1の星車(321)を枢動するように構成され、前記中間車(32)は変換輪列(33)とかみ合い、凹み(34A)を備える停止車(34)を駆動し、前記凹み(34A)は、ばね(352)によって休止位置まで戻される爪(35)と協働するように構成され、前記停止車(34)は第2の星車(341)と一体化され、前記第2の星車(341)の歯(342)は、前記停止車(34)が枢動するとき、前記月表示車セット(2)に含まれるピン(22)を駆動するように構成され、前記第1の星車(321)の枢動がない状態で前記停止車(34)が前記爪(35)によって静止を維持するとき、前記ピン(22)を所定の位置に保持するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項8】
請求項7に記載の表示機構(10)であって、前記入力車セット(31)は、前記第1の星車(321)を毎月1回、月の最終日に駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の表示機構(10)であって、前記停止車(34)は、凹み(34A)と先端(34B)とを交互に備えることを特徴とし、前記中間車(32)および前記変換輪列(33)は、2つの連続した凹み(34A)間の角ピッチを通じて、前記第1の星車(321)の各基本回転中に、停止車(34)を駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項10】
請求項9に記載の表示機構(10)であって、前記第1の星車(321)の各基本回転によって、前記爪(35)に含まれるローラ(351)は、角ピッチの第1の部分で、前記ばね(352)に対抗して、前記凹み(34A)と前記先端(34B)の間のカムの傾斜を上り、前記ばね(352)を巻くことを特徴とし、前記ばね(352)は、前記ローラ(351)が前記先端(34B)を通り過ぎた後に解かれる間、前記角ピッチの第2の部分で、前記停止車(34)を新しい休止位置まで枢動するように構成され、前記新しい休止位置では、前記ローラ(351)は翌月末まで、前記凹み(34A)内に留められることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項11】
請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記停止車(34)の各回転によって、前記月表示車セット(2)は48分の1回転することを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項12】
請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記第1の星車(321)の各基本回転によって、前記停止車(34)は4分の1回転することを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記表示機構(10)は月修正機構(20)を備え、前記月修正機構(20)は、前記ユーザの指示によって、前記月表示車セット(2)の角度位置を変更するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項14】
請求項13に記載の表示機構(10)であって、前記修正機構(20)は、前記ユーザが直接操作可能な駆動要素を備え、前記駆動要素は、かみ合い、摩擦または磁気との協働によって前記月表示車セット(2)を直接駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の表示機構(10)であって、前記修正機構(20)はアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ユーザが直接操作可能であり、回転している前記停止車(34)を駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項16】
日付機構(200)を備えるカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は計時器(1000)のムーブメント(100)と協働するように構成され、前記カレンダー機構(300)は、請求項7および請求項1から請求項15のいずれかに記載の少なくとも1つの表示機構(10)を含み、前記日付機構(200)は輪列を含み、前記輪列は今月の日数を数えるように構成され、前記輪列は、前記入力車セット(31)を、月の1日から27日まで、31分の1回転させ、今月が28日しかない場合は最終日に31分の4回転させ、今月が29日ある場合は31分の3回転させ、今月が30日ある場合は31分の2回転させ、今月が31日ある場合は31分の1回転させて、今月中に前記入力車セット(31)に1回転完了させるように構成される、カレンダー機構(300)。
【請求項17】
請求項16に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は日付表示(1B)を備えることを特徴とし、前記入力車セット(31)は、前記日付表示(1B)の位置を制御するように構成されることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は、前記日付表示(1B)の前記位置を変更するように構成される日付修正装置(220)を備えることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項19】
請求項18に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付修正装置(220)はまた、前記月表示車セット(2)の前記角度位置を変更するように構成されることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項20】
少なくとも1つの計時器ムーブメント(100)を有する計時器(1000)であって、前記少なくとも1つの計時器ムーブメント(100)は、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの表示機構(10)を駆動するように構成され、および/または請求項16から請求項19のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカレンダー機構(300)を駆動するように構成される、計時器(1000)。
【請求項21】
請求項20に記載の計時器(1000)であって、前記計時器(1000)は腕時計であることを特徴とする、計時器(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器のための月および閏年表示機構に関する。
【0002】
本発明は、カレンダーを備える計時器の複雑機構の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
カレンダー機構は、計時器の典型的な複雑機構のうちの1つである。複雑な機構によって、月または年の期間を管理することができる。閏年表示または指標によって、ユーザは今年が閏年か否かを判断することができ、腕時計の複雑さのレベルによっては、2月最終日の表示を管理し、3月1日に正しく変更することができる。
【0004】
最も簡潔なカレンダー機構の事例では、今年が閏年か否かを知ることのみによって、ユーザは、一般に制御巻真によって、今月の最終日の表示を正しく修正することができる。単純な日付カレンダー、年次カレンダーまたは永久カレンダーのいずれに関与するかによって、機構は異なる。年次カレンダーまたは永久カレンダーの事例では、閏年制御機構は、たとえばマルタ十字型のカムなどの高価な構成部品を必要とし、腕時計ケース内、またはクロックのように静止している場合は計時器ケース内の相当な空間を占める。
【0005】
閏年の表示は一般に、小窓内に4つの四分円を有する円板のうちの1つの扇形を表示することによって、または指針と前述の円板の一部との協働によって行われる。
【0006】
BELPANORMによる特許文献1は、永久カレンダー機構を開示する。同永久カレンダー機構は、計時器ムーブメントの電動車によって起動され、少なくともカレンダーの日付を表示する。同永久カレンダー機構は、ギアによって形成される回転可動要素からのみ構成され、原動車は毎日深夜に瞬時に1回転する。ギアの1つは日車であり、日付を表示する可動要素を駆動する。日車は31の歯を備え、原動車と一体化する原動歯によって、毎日1段階の割合で駆動される。その他のギアの少なくとも1つは、月の長さのための可動要素であり、日車と一体化する制御車によって月の最後の4日間において駆動可能である。月の長さのための可動要素は、0から3群の歯のセットで構成される歯のセットを備える。各群は、年の1つの月に対応する。日車は、31と該当する月の日数との差に対応する数の段階だけ、調整クロック列によって、31日を有する月の月末に駆動される。調整クロック列は、原動車と一体化する少なくとも1つの原動カナと、月の期間のための可動要素と、日付駆動カナと、制御車とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/48568号
【発明の概要】
【0008】
本発明は、機構を用いて、今月の表示を、今年の種類(閏年または非閏年)の表示と組み合わせることを提案する。この機構は非常に簡潔かつ低価格で、信頼性が高く、修正しやすい機構であり、該当計時器の内部の合理的な空間に内包される。
【0009】
そのために、本発明は、請求項1に記載の計時器のための月および閏年表示機構に関する。
【0010】
本発明はまた、カレンダー機構に関する。カレンダー機構は、計時器ムーブメントと協働するように構成される日付機構を備え、請求項17に記載の少なくとも1つの月および閏年表示機構を備える。
【0011】
本発明はまた、少なくとも1つの計時器ムーブメントを備える計時器に関する。少なくとも1つの計時器ムーブメントは、少なくとも1つの前述の月および閏年表示機構を駆動するように構成され、および/または少なくとも1つの前述のカレンダー機構を駆動するように構成される。
【0012】
本発明のその他の特徴および有利点は、添付図を参照して、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】カレンダー機構を備える腕時計の概略平面図である。カレンダー機構は、日付機構と、月および閏年表示機構とを有する。日付機構では、日付は腕時計の制御巻真の近く、おおよそ3時の位置にある日付窓に表示される。本発明による、月および閏年表示機構は、3時と6時の間の四分円にわたって延在する月表示窓を備える。第1の変形では、固定された月の目盛は、この月の窓に沿って腕時計ダイヤルにわたって延在する。月表示車セットは、4つの異なる指針を有する年次軌道を備える。各指針は窓内に1年のみ表示され、今月の名称を指す。図は、今年の2月を指す閏年特有の指針を示す。
図2図1と同様の様式で、平年の同じ腕時計の詳細を表す。平年の指針が図1の閏年の特別な指針と置き換えられ、今年の2月を指す。
図3】月表示車セットの制御機構を例示する。図1と同様の様式で月表示車セット全体を表す。月表示車セットは、4つの三角形の指針を有する。そのうち1つは6時の近辺にあり、他の3つとは異なり、閏年の指標である。図3はまた、月表示車セットと制御機構との協働も表す。
図4】月表示車セットの制御機構を例示する。月末に近づいた本制御機構の詳細図が、入力車セット31から示される。本制御機構はムーブメントまたは日付機構によって駆動されるように構成され、第1の星車を枢動するように構成される指を有する。第1の星車は、輪列を介して停止車を駆動する。この停止車は、ばねによって休止位置まで戻される爪と協働するように構成される凹みを備え、第2の星車と一体化される。第2の星車は、停止車が枢動するとき、月表示車セットのピンを駆動するように構成され、第1の星車の枢動がない状態で停止車が爪によって静止しているとき、ピンを所定の位置に保持するように構成される。
図5】月表示車セットの制御機構を例示する。図4と同様に、ある月の8日目の制御機構の状態を表す。
図6】月表示車セットの制御機構を例示する。図4と同様に、月の最終日の制御機構の状態を表す。この制御機構の状態は、深夜直前であり、月表示車セットを駆動するために第2の星車の回転を始める直前のものである。
図7】第2の変形を例示する。図中、月表示車セットは下側の印を有する。月窓は少なくとも部分的に透光性のクリスタルを有する。少なくとも部分的に透光性のクリスタルは12の透光性の上側の印を有する。12の透光性の上側の印はそれぞれ、1年の月に対応する。月表示車セットはこのクリスタル下部で回転する。4つの下側の印は等間隔であり、色付きおよび/または反射性の目立つ印である。4つの下側の印のそれぞれは月の印の角度振幅を有する。本図では、クリスタルおよび月表示車セットを別々に例示する。
図8】閏年ではない平年の3月の重ね合わせを例示する。図中、平年特有の斜線の下側の印は、3月の文字の開口を通じて可視である。
図9】第2の変形を例示する。閏年の10月の重ね合わせを例示する。図中、閏年特有の市松模様の下側の印は、10月の文字の開口を通じて可視である。
図10】第3の変形を例示する。図中、月表示車セットは48の等間隔の月の印を有する。月の印は、4年にわたって連続する月に対応し、月の印のうち1つはダイヤルの固定マークによって指される。固定マークは指針および/または色付きの透光性のクリスタルである。これらの48の月の印のうち、12の連続した印は閏年の月の印であり、平年の月の印であるその他の36の印とは異なる。図10は非限定的な実施例を示す。平年の月の印は薄い文字で月の名称を有し、閏年の月の印は濃い文字で月の名称を有する。平年である今月の2月の名称は、色付きの透光性のクリスタルの下部で可視であり、色付きの透光性のクリスタル自体はダイヤル上の固定された指針と対向する。
図11】前述の3変形と併用可能な修正機構の実施例を例示する。図3と同様の様式で、第1の変形の月表示車セット全体を表し、および巻真の近くの3時の位置で、制御機構を有する月表示車セットと月修正機構との協働を表す。
図12】前述の3変形と併用可能な修正機構の実施例を例示する。修正車の詳細平面図を示す。修正車は、修正星車と一体化される修正カナを移動するように構成される。修正星車は、月末に、第2の星車と同様の様式で、月表示車セットのピンを駆動するように構成される。
図13】前述の3変形と併用可能な修正機構の実施例を例示する。修正車の詳細透視図を示す。修正車は、修正星車と一体化される修正カナを移動するように構成される。修正星車は、月末に、第2の星車と同様の様式で、月表示車セットのピンを駆動するように構成される。
図14】計時器、具体的には腕時計を表すブロック図である。計時器は、ムーブメントと、日付機構および日付修正機構を有するカレンダー機構と、月修正装置を有する、本発明による月および閏年表示機構とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、計時器1000用の月および閏年表示機構10に関する。図1は、このような1つの計時器1000を例示する。計時器1000は、本事例では腕時計であり、時針および分針による従来の時間表示1Aと、日付表示1Bを有する日付機構200と、具体的には日付修正装置220を制御する制御巻真221と、本発明による月および閏年表示機構10とを備える。
【0015】
本発明によれば、本機構10は、月表示と一体化される閏年表示を含む。本発明は、具体的かつ非限定的に、グレゴリオ暦表示の例として説明するが、たとえば太陰暦または星座を用いた他の種類のカレンダーにも完全に適用可能である。以下で説明するように、月末の表示を変更するための装置を、太陰暦の月末または任意の期間の終わりに表示を変更するための装置と置き換えることによって製造する方法は、当業者には明らかであろう。
【0016】
計時器の構成によって、機構10はムーブメント100を備えるか、または機構10はムーブメント100と協働するように構成されるかのいずれかである。いずれの事例においても、このムーブメント100は、月表示車セット2を駆動するように構成される。月表示車セット2は、具体的には、制御機構3を介して、機構10に含まれる表示リングまたは表示円板によって形成されるが、これに限定されない。この月表示車セット2は、回転軸Dの周りを回転するように構成され、カバー板下部またはダイヤル1下部に配置される。このダイヤル1またはカバー板は、たとえばブリッジなどであり、月窓1Cを備える。月窓1Cは、回転軸に対して90°の扇形の部分に含まれる。この月窓1Cによって、ユーザは月表示円板2の4分の1を見ることができる一方、残りの月表示円板2の4分の3は、計時器100のダイヤル1および/または少なくとも1つの固定部分によってユーザには隠される。
【0017】
本発明によれば、制御機構3によって、月表示車セット2は4年で1回転を完了するように構成される。したがって、月表示車セット2は、月末ごとに48分の1回転する。
【0018】
この月表示車セット2は、90°の扇形の部分に、少なくとも1つの特有の閏年の印を有する。
【0019】
月表示車セット2は、指針または等間隔の月の印のいずれかを有する。各指針は、ダイヤル1の固定された月の目盛上で1つの月を示すように構成される。等間隔の月の印を有する場合は、月の印の1つがダイヤル1の固定マークによって指される。
【0020】
図は、このような閏年表示の設計を例示する。この閏年表示は、本具体的かつ非限定的な例において、月表示車セット2のカバー板と、制御および配分機構3とを含む。カバー板は、具体的にはダイヤル1の形であり、年間表示軌道を有するリングまたは円板である。月表示車セット2は回転軸Dの周りの枢軸に取り付けられる。制御機構3はムーブメント100または日付機構200によって駆動される。制御機構3は、月が変わるごとに月表示車セット2を1つの角ピッチだけ駆動する機能と、翌月末に起動されるまで、月車セット2を新しい休止位置に戻す機能とを有する。
【0021】
第1の変形では、図1および2から分かるように、月および閏年表示機構10は、月窓1Cを含む。月窓1Cは固定されたダイヤル1の月の記号1Dに対向する。月の記号1Dは、連続してそれぞれの月の名称を備える。より具体的には、月の記号1Dは、回転軸Dに対して90°の中心角で延在する。月表示車セット2は、月窓1Cを通じて可視な表示軌道を含み、4つの等間隔の指針2Aまたは2Bを含む。4つの指針の1つのみが、月窓1Cから一度に可視であり、月の記号1D上で今月に対応する記号を恒常的に指す。より具体的には、指針のうち1つは閏年指針2Aであり、他の3つは平年指針2Bである。閏年指針2Aは、ユーザに今年が閏年であることを示す目立つ印を備える。この閏年指針2Aは、平年指針2Bとは異なるため、月表示と一体化可能である。
【0022】
図中、これらの指針は三角形であり、閏年指針2Aは閏年(ドイツ語で「Schaltjahr」)を表すSの文字を有する。
【0023】
具体的な実施形態では、平年指針2Bは互いに異なり、それぞれが数字のついた表示を備える。数字はユーザから可視であり、次の閏年までの残り年数を表す。
【0024】
別の具体的な実施形態では、通常の閏年指針2Bは互いに異なり、それぞれが数字のついた表示を備える。数字はユーザから可視であり、最後の閏年から経過した年数を表す。
【0025】
第2の変形では、図7から9から分かるように、月窓1Cは、少なくとも部分的に透光性の固定されたクリスタル70を含む。クリスタル70は、12の固定された透光性の上側の印71を有し、印71のそれぞれは、年の1つの月に対応する。月表示車セット2は、このクリスタル70下部で回転する。この月表示車セット2は4つの下側の印72Aおよび72Bを有する。4つの下側の印72Aおよび72Bは等間隔の目立つ印であり、具体的には色付きおよび/または反射性の印であり、それぞれが月の印71の角度振幅を有する。下側の印72Aまたは72Bのそれぞれは、関与する下側の印72Aまたは72Bと、今月の上側の印71とを局所的に重ねて、他の月の上側の印71と視覚的に明暗をつけることによって、今月の名称を見せるように構成される。下側の印72のうち1つは閏年の下側の印72Aであり、平年の下側の印72Bである他の下側の印72とは異なり、1年の他の月の視覚効果とは異なる今月の視覚効果をユーザに対して生み出すように構成される。4つの下側の印72Aおよび72Bは、閏年の下側の印72Aと、平年の下側の印72Bとで違う色の平面から形成され、上側の印71の輪郭を通して可視であってもよく、または異なる色の反射平面などで形成されてもよい。上側の印71の輪郭によって表示車セット2の表面が見えるため、今月の名称(または記号)のみが表示される。図7から9は、閏年の下側の印72Aが市松模様にされ、平年の下側の印72Bが簡潔な網掛けを有する非限定的な実施例を例示する。図8は、平年の3月の表示を例示し、図9は閏年の10月を例示する。具体的な実施形態では、図8および9で例示するように、クリスタル70は上側の印71でのみ、たとえば月の名称の文字内で透明であってもよい。
【0026】
第3の変形では、図10に示すように、月表示車セット2は等間隔の月の印80を有する。月の印80は、4年にわたって連続する月に対応し、月の印80のうち1つはダイヤル1の固定マーク83によって指される。固定マーク83は指針84および/または色付きの透光性のクリスタル85である。これらの月の印80は、48の月の印81および82から形成され、そのうち12の連続した印は閏年の月の印81であり、平年の月の印82であるその他の36の印80とは異なる。図10は非限定的な実施例を示す。本実施例では、平年の月の印82は薄い文字で月の名称を有し、閏年の月の印81は濃い文字で月の名称を有する。今月の名称は、色付きの透光性のクリスタル85下部に可視であり、色付きの透光性のクリスタル85自体は指針84と対向する。月表示車セット2は、各月末に48分の1回転することは明らかである。
【0027】
制御機構3について、具体的かつ非限定的な様式で図3から6に例示する。この制御機構3は入力車セット31を備える。入力車セット31は、ムーブメント100の筒車によって、筒車とかみ合う輪列によって、または日付機構200によって駆動されるように構成される。入力車セット31は指311を備え、中間車32と一体化される第1の星車321を枢動するように構成される。この中間車32は変換輪列33とかみ合い、停止車34を駆動する。停止車34は凹み34Aを備える。凹み34Aは、ばね352によって休止位置まで戻される爪35と協働するように構成される。停止車34は第2の星車341と一体化される。第2の星車341の歯342は、停止車34が枢動するとき、月表示車セット2に含まれるピン22を駆動するように構成され、第1の星車321の枢動がない状態で停止車34が爪35によって静止され続けるとき、ピン22を所定の位置に保持するように構成される。
【0028】
入力車セット31は、毎日の終わりに31分の1回転だけ枢動する。入力車セット31は、好ましくは日付機構200によって枢動される。日付機構の種類(特に永久カレンダーまたは年次カレンダー)によっては、この回転は従来、1日の終わりに2、3時間かかることもある。日付機構は月末に修正を行う。
【0029】
より具体的には、入力車セット31は日付機構200の車と一体化される。
【0030】
限定的な興味にはなるが、月および閏年表示機構10がいずれの日付機構からも独立していることも考察可能である。そのような事例では、表示機構10はムーブメント100によって駆動され、月末の修正はユーザがすることとなる。
【0031】
より具体的には、入力車セット31は、第1の星車321を月の最終日に毎月1回枢動するように構成される。
【0032】
太陰暦の具体的な事例では、従来の59の歯のついた車を駆動することによって、星座暦、イスラム暦またはユダヤ暦などの表示のために、太陰月の最終日に第1の星車321の枢動を起動することが可能となる。
【0033】
より具体的には、停止車34は、凹み34Aと先端34Bを交互に有する。中間車32および変換輪列33は、2つの連続した凹み34A間の角ピッチを通じて、第1の星車321の各基本回転中に、停止車34を駆動するように構成される。
【0034】
より具体的には、第1の星車321の各基本回転によって、爪35に含まれるローラ351は、角ピッチの第1の部分で、ばね352に対抗して、凹み34Aと先端34Bとの間のカムの傾斜を上り、ばね352を巻く。このばね352は、ローラ351が先端34Bを通り過ぎた後に解かれるとき、角ピッチの第2の部分で、停止車34を新しい休止位置まで枢動するように構成される。新しい休止位置では、ローラ351は、翌月末まで凹み34A内に留められる。
【0035】
より具体的には、停止車34の各回転によって、月車セット2は48分の1回転する。
【0036】
より具体的には、第1の星車321の各基本回転によって、停止車34は4分の1回転する。
【0037】
図によって例示される非限定的な変形において、ある月の最終日から翌月の初日まで変化する間、入力車セット31は中間車32を駆動し、8分の1回転させる。変換輪列33は次に、停止車34を枢動し、4分の1回転させるように構成される。
【0038】
停止車34はこのように、中間車および変換輪列33を介して入力車セット31によって、およそ4分の1回転駆動される。この90°の回転のうち、約45°を用いて爪35を解放し、図6に示す位置までばね352を巻く。ローラ351が先端34Bを超えた後、ばね352は簡潔にローラ351を押す。ローラ351は停止車34の次の凹み34Aに入る。この衝動によって、月表示車セット2は48分の1回転し、窓1Cに翌月が表示される。このように、停止車34は常に月表示車セット2のピン22と接触する。この停止車34はすべての月で爪35上にある。停止車34が完全に4分の1回転するのは、前月の最終日と翌月の初日との間であり、入力車セット31の毎月の移動の間のみである。爪35はまた、月間は停止車34の凹み34A上で静止し、入力車セット31が付与する毎月の動作の間にのみ、停止車34に沿って移動される。
【0039】
当然のことながら、本発明から逸脱することなく、他の歯車減速要因も用いることができる。
【0040】
有利には、表示機構10は月修正機構20も含む。月修正機構20は、ユーザの指示によって、月表示車セット2の角度位置を変更するように構成される。
【0041】
変形では、本修正機構20は、ユーザが直接操作可能な駆動要素222を備える。駆動要素222は、かみ合い、摩擦または磁気との協働によって月表示車セット2を直接駆動するように構成される。
【0042】
変形では、修正機構20は、アクチュエータを備える。アクチュエータは、ユーザによって直接操作可能であり、回転している停止車34を駆動するように構成される。
【0043】
図11から13は、前述の月修正機構20の非限定的な実施例を例示する。月修正機構20は、修正車21を駆動するユーザ制御機構(不図示)を備える。修正車21は、修正星車23と一体化される修正カナ24を動かすように構成される。修正カナ24は、第2の星車341が月末に行っているのと同様の方法で、月表示車セット2のピン22を駆動するように構成される。当然のことながら、この月修正機構20は、ばね352からこの第2の星車341に常に加えられる抵抗力を、変形せずに克服するように設計される。
【0044】
代替として、修正は、曜日および日付を表示するカレンダー機構のための曜日に対しても同様の様式で行うことができる。巻真221の位置の1つにおいて、具体的には巻真の位置T2において、日付は回転の第1の方向で修正され、曜日は第1の回転と反対の回転の第2の方向で修正される。本発明の精神において、修正はしたがって以下のようになる。巻真の位置T2において、日付は回転の第1の方向で修正され、月表示車セット2の位置は第1の回転と反対の回転の第2の方向で修正される。
【0045】
本発明はまた、カレンダー機構300に関する。カレンダー機構300は、計時器1000のムーブメント100と協働するように構成される日付機構200を含む。カレンダー機構300は、本発明による少なくとも1つの表示機構10を含む。より具体的には、この日付機構200は輪列を含み、今月の日数を数えるように構成される。輪列は、入力車セット31を月の1日から27日まで、31分の1回転させ、今月が28日しかない場合は最終日に31分の4回転させ、今月が29日ある場合は31分の3回転させ、今月が30日ある場合は31分の2回転させ、今月が31日ある場合は31分の1回転させて、今月中に入力車セット31が1回転完了するように構成される。
【0046】
より具体的には、日付機構200は日付表示1Bを有する。入力車セット31は、日付表示1Bの位置を制御するように構成される。
【0047】
より具体的には、日付機構200は、日付表示1Bの位置を変更するように構成される日付修正装置220を含む。
【0048】
より具体的には、日付修正装置220はまた、月表示車セット2の角度位置を変更するように構成される。
【0049】
グレゴリオ暦カレンダーの場合における修正を記載する。ムーブメントまたはユーザによる制御によって、具体的には、一定の時間での修正が必要となる太陰暦など、他の種類のカレンダーに対しても同様の修正機構が実現可能である。
【0050】
本発明はまた、少なくとも1つの計時器ムーブメント100を有する計時器1000に関する。少なくとも1つの計時器ムーブメント10は、少なくとも1つの前述の表示機構10を駆動するように構成され、および/または少なくとも1つの前述のカレンダー機構300を駆動するように構成される。
【0051】
より具体的には、この計時器1000は腕時計である。
【0052】
当然のことながら、本発明の原理は、具体的には天文学的腕時計または天文学的クロックなど、他の種類のカレンダーを有する計時器にも適用可能である。天文学的腕時計または天文学的クロックでは、具体的には、本発明の原理によれば、年表示車セット上で、月表示に加えて年表示の管理も可能である。つまり、平年と、閏年と、400で割り切れず、2月が28日ある閏年ではない西暦年と、400で割り切れ、2月が29日ある閏年である西暦年と、または理論的には閏年であるが、2月が28日ある1000年ごとの年とを区別して、年表示の管理も可能である。
【0053】
つまり、本発明の結果として、任意の計時器に、今年が閏年であるかの情報をユーザに対して与える表示を容易に組み込むことは可能であり、および/または、表示指針の構成によっては、次の閏年まで何年あるか、または最後の閏年から何年経過したかという情報を与える表示を容易に組み込むことは可能である。2月の理論的な期間と、今年の日数とをこのように知ることができる。本発明によって、永久カレンダー機構を正確に調整することが可能となる。
【0054】
本発明によって、関連する計時器のケース内で空間を顕著に節約することができる。さらに、計時器ダイヤル上に、追加の指標のための領域を必要としない。腕時計の基本的かつ典型的な表示、たとえば時間および日付は、前面に完全に見やすく、読みやすいまま表示される。
【0055】
表示はグレゴリオ暦カレンダーの原理によって、またはユリウスカレンダーの原理によって考察されるが、他の種類のカレンダー、具体的には太陰暦にも適用可能である。
【0056】
さらに、本表示は時間的に限定されず、任意の有効期限において機能を失うこともない。
【0057】
本発明による表示機構ならびに修正機構は経済的である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器(1000)のための月および閏年表示機構(10)であって、前記機構(10)は月表示と一体化される閏年表示を備え、前記機構(10)はムーブメント(100)を備えるか、またはムーブメント(100)と協働するように構成され、前記ムーブメント(100)は、前記機構(10)に含まれる制御機構(3)を介して月表示車セット(2)が回転軸(D)の周りを回転するように駆動し、前記月表示車セット(2)はカバー板下部またはダイヤル(1)下部に配置され、前記回転軸(D)に対して90°の扇形の部分に含まれる月窓(1C)によって、ユーザは前記月表示車セット(2)の4分の1を見ることができ、前記月表示車セット(2)の他の4分の3は前記ユーザに隠されるように構成され、前記制御機構(3)によって、前記月表示車セット(2)は4年に1回転を完了するように構成され、前記月表示車セット(2)は、90°の扇形の部分にわたって、少なくとも1つの特有の閏年の印を有し、指針または等間隔の月の印のいずれかを有し、前記指針のそれぞれは、前記ダイヤル(1)の固定された月の記号上で1つの月を示すように構成され、前記月の印のうち1つは前記ダイヤル(1)の固定マークによって指される、月および閏年表示機構(10)であって、前記制御機構(3)は入力車セット(31)を備え、前記入力車セット(31)は、前記ムーブメント(100)の筒車によって、前記筒車とかみ合う輪列によって、または日付機構(200)によって駆動されるように構成され、前記入力車セット(31)は指(311)を備え、中間車(32)と一体化される第1の星車(321)を枢動するように構成され、前記中間車(32)は変換輪列(33)とかみ合い、凹み(34A)を備える停止車(34)を駆動し、前記凹み(34A)は、ばね(352)によって休止位置まで戻される爪(35)と協働するように構成され、前記停止車(34)は第2の星車(341)と一体化され、前記第2の星車(341)の歯(342)は、前記停止車(34)が枢動するとき、前記月表示車セット(2)に含まれるピン(22)を駆動するように構成され、前記第1の星車(321)の枢動がない状態で前記停止車(34)が前記爪(35)によって静止を維持するとき、前記ピン(22)を所定の位置に保持するように構成されることを特徴とする、月および閏年表示機構(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の月および閏年表示機構(10)であって、少なくともカバー板またはダイヤル(1)を備え、前記カバー板またはダイヤル(1)は、月の記号(1D)に対向する月窓(1C)を含み、前記表示機構(10)は、円板またはリングによって形成される月表示車セット(2)を備え、前記円板またはリングは、前記ムーブメント(100)によって間接的に回転軸(D)の周りを駆動し、前記月窓(1C)内部でユーザは前記円板またはリングを部分的に見ることができるように構成され、前記月の記号(1D)は、前記回転軸(D)に対して90°の中心角で延在することを特徴とし、前記制御機構(3)によって、前記表示車セット(2)は4年に1回転するように構成されることを特徴とし、前記月表示車セット(2)は前記月窓(1C)を通じて可視な表示軌道を含み、4つの等間隔の指針を備え、前記月窓(1C)を通して一度にそのうち1つのみが可視であり、前記月の記号(1D)上で今月に対応する記号を恒常的に指すことを特徴とし、前記指針のうち、1つは閏年指針(2A)であり、他の3つは平年指針(2B)であり、前記閏年指針(2A)は、前記ユーザに今年が閏年であることを示す目立つ印を備えることを特徴とする、月および閏年表示機構(10)。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示機構(10)であって、前記月表示車セット(2)は表示リングまたは円板であり、前記表示リングまたは円板は、前記ダイヤル(1)の固定された月の記号(1D)上で月を示すように構成される指針を有し、前記指針は4つの等間隔の指針(2A;2B)から形成され、そのうち1つのみが前記月窓(1C)を通して一度に可視であり、前記ダイヤル(1)の月の記号(1D)上で今月の記号を恒常的に指すように構成され、前記4つの指針(2A;2B)のうち、閏年指針(2A)は、前記他の平年指針(2B)とは異なるため、前記月表示と一体化可能であることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項4】
請求項3に記載の表示機構(10)であって、前記平年指針(2B)は互いに異なり、それぞれがユーザから可視であり、次の閏年までの残り年数を表す数字のついた表示を備えることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項5】
請求項3に記載の表示機構(10)であって、前記平年指針(2B)は互いに異なり、それぞれがユーザから可視であり、最後の閏年からの経過年数を表す数字のついた表示を備えることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項6】
請求項1に記載の表示機構(10)であって、前記月表示車セット(2)は等間隔の月の印(80)を有し、前記月の印(80)は4年にわたって連続する月に対応し、前記月の印(80)のうち1つは前記ダイヤル(1)の固定マーク(83)によって指され、前記固定マーク(83)は指針(84)および/または色付きの透光性のクリスタル(85)であり、前記月の印(80)は48の月の印(81;82)から形成され、そのうち12の連続した印は閏年の月の印(81)であり、平年の月の印(82)である他の36の前記印(80)とは異なることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記入力車セット(31)は、前記第1の星車(321)を毎月1回、月の最終日に駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記停止車(34)は、凹み(34A)と先端(34B)とを交互に備えることを特徴とし、前記中間車(32)および前記変換輪列(33)は、2つの連続した凹み(34A)間の角ピッチを通じて、前記第1の星車(321)の各基本回転中に、停止車(34)を駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項9】
請求項8に記載の表示機構(10)であって、前記第1の星車(321)の各基本回転によって、前記爪(35)に含まれるローラ(351)は、角ピッチの第1の部分で、前記ばね(352)に対抗して、前記凹み(34A)と前記先端(34B)の間のカムの傾斜を上り、前記ばね(352)を巻くことを特徴とし、前記ばね(352)は、前記ローラ(351)が前記先端(34B)を通り過ぎた後に解かれる間、前記角ピッチの第2の部分で、前記停止車(34)を新しい休止位置まで枢動するように構成され、前記新しい休止位置では、前記ローラ(351)は翌月末まで、前記凹み(34A)内に留められることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記停止車(34)の各回転によって、前記月表示車セット(2)は48分の1回転することを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記第1の星車(321)の各基本回転によって、前記停止車(34)は4分の1回転することを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の表示機構(10)であって、前記表示機構(10)は月修正機構(20)を備え、前記月修正機構(20)は、前記ユーザの指示によって、前記月表示車セット(2)の角度位置を変更するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項13】
請求項12に記載の表示機構(10)であって、前記修正機構(20)は、前記ユーザが直接操作可能な駆動要素を備え、前記駆動要素は、かみ合い、摩擦または磁気との協働によって前記月表示車セット(2)を直接駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の表示機構(10)であって、前記修正機構(20)はアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ユーザが直接操作可能であり、回転している前記停止車(34)を駆動するように構成されることを特徴とする、表示機構(10)。
【請求項15】
日付機構(200)を備えるカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は計時器(1000)のムーブメント(100)と協働するように構成され、前記カレンダー機構(300)は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの表示機構(10)を含み、前記日付機構(200)は輪列を含み、前記輪列は今月の日数を数えるように構成され、前記輪列は、前記入力車セット(31)を、月の1日から27日まで、31分の1回転させ、今月が28日しかない場合は最終日に31分の4回転させ、今月が29日ある場合は31分の3回転させ、今月が30日ある場合は31分の2回転させ、今月が31日ある場合は31分の1回転させて、今月中に前記入力車セット(31)に1回転完了させるように構成される、カレンダー機構(300)。
【請求項16】
請求項15に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は日付表示(1B)を備えることを特徴とし、前記入力車セット(31)は、前記日付表示(1B)の位置を制御するように構成されることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付機構(200)は、前記日付表示(1B)の前記位置を変更するように構成される日付修正装置(220)を備えることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項18】
請求項17に記載のカレンダー機構(300)であって、前記日付修正装置(220)はまた、前記月表示車セット(2)の前記角度位置を変更するように構成されることを特徴とする、カレンダー機構(300)。
【請求項19】
少なくとも1つの計時器ムーブメント(100)を有する計時器(1000)であって、前記少なくとも1つの計時器ムーブメント(100)は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの表示機構(10)を駆動するように構成され、および/または請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカレンダー機構(300)を駆動するように構成される、計時器(1000)。
【請求項20】
請求項19に記載の計時器(1000)であって、前記計時器(1000)は腕時計であることを特徴とする、計時器(1000)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【国際調査報告】