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特表2022-517340キャップを有するシーシャカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(54)【発明の名称】キャップを有するシーシャカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20220301BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220301BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540002
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2020050501
(87)【国際公開番号】W WO2020152604
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】19153840.4
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フレデリック
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB28
4B162AC13
4B162AC27
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジは、壁開口部を有する一つ以上の壁を有する本体、少なくとも一つの壁開口部と流体連通する本体の空洞、および本体に回転可能に接続されたキャップを含み、キャップは、壁開口部が露出する第一の位置と、壁開口部がキャップによって閉じられる第二の位置との間で移動可能である。キャップは、カートリッジの内容物の一部分を選択的に加熱するための電気的接続点を含む。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジであって、
一つ以上の壁と、前記一つ以上の壁のうちの少なくとも一つにおける壁開口部とを備える本体、
前記少なくとも一つの壁開口部と流体連通する前記本体内の空洞、および、
前記本体に回転可能に接続されたキャップであって、
外縁部と、
非導電性材料と、
前記外縁部に沿って配置される第一の電気的接続点と、
前記外縁部に沿って配置される第二の電気的接続点と、
前記第一の電気的接続点から前記第二の電気的接続点まで延在する導電性経路を形成する導電性材料と、を含むキャップ、を備え、
前記キャップが、前記壁開口部が露出する第一の位置と、前記壁開口部が前記キャップによって閉じられる第二の位置との間で移動可能である、カートリッジ。
【請求項2】
前記第一および第二の電気的接続点ならびに前記導電性経路を形成する導電性材料の外側の、前記キャップの前記外縁部が、非導電性である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記本体の前記一つ以上の壁の少なくとも一つが抵抗性材料を含む、請求項1および2のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記キャップが軸の周りで回転可能で、前記導電性経路および発熱体を備える電気回路を選択的に形成する、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記本体が、前記空洞を少なくとも第一の区画および第二の区画に分割する内部壁を備える、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記キャップが軸の周りで回転可能で、前記第一の区画または前記第二の区画を選択的に開くか、あるいは前記第一および第二の区画の両方を閉じる、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記本体の前記一つ以上の壁の少なくとも一つが、二つ以上の抵抗性材料のセクションを備え、抵抗性材料のセクションの各々が前記二つ以上の区画のうちの一つに対応する、請求項5または請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第一および第二の電気的接続点が、前記キャップのセクターを画定し、前記キャップが前記セクター内にキャップ開口部を備え、前記第一の位置で、前記キャップ開口部が前記壁開口部と少なくとも部分的に整列し、前記第二の位置で、前記キャップ開口部が前記壁開口部と整列しない、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第一および第二の電気的接続点が、20°以上、30°以上、40°以上、50°以上、または60°以上、および/または最大180°、最大150°、最大120°、最大90°、または最大60°まで放射状に離される、請求項1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記キャップが、前記第一の電気的接続点から前記第二の電気的接続点まで延在する切り抜きを含む開口部を備える、請求項1~9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記壁開口部が、上部壁、底部壁または側壁、またはそれらの任意の組み合わせの上にある、請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記空洞に配置されたエアロゾル形成基体を含む、請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記エアロゾル形成基体がシーシャエアロゾル形成基体を含む、請求項12または13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記本体が、前記空洞を第一の区画と第二の区画とに分割する内部壁を備え、前記カートリッジが、前記第一の区画内に配置される第一のタイプのエアロゾル形成基体と、前記第二の区画内に配置される第二のタイプのエアロゾル形成基体とを備える、請求項1~14のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項16】
シーシャシステムであって、
カートリッジ内に配置されてエアロゾル形成基体を有する、請求項1~15のいずれかに記載のカートリッジと、
シーシャ装置であって、
前記カートリッジを受容するための受容部、
前記カートリッジが前記シーシャ装置の前記受容部内に受容されている時に、前記エアロゾル形成基体を加熱するための発熱体、
液体充填レベルを有し、かつ前記液体充填レベルの上方の上部空間を画定するベッセル、
前記受容部から前記ベッセルにエアロゾルを搬送するためのエアロゾル導管、および、
前記上部空間と連通する出口、を備える、シーシャ装置と、を備える、シーシャシステム。
【請求項17】
前記受容部が、前記カートリッジの前記第一および第二の電気的接続点と整列し、かつ接続するように構築された電気的接続点を備える、請求項16に記載のシーシャシステム。
【請求項18】
前記カートリッジの前記第一および第二の電気的接続点が整列されて前記受容部の前記電気的接続点と接続されるときに、選択的に加熱可能である抵抗性材料のセクションの二つ以上を、前記発熱体が備える、請求項17に記載のシーシャシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジに関し、具体的には、エアロゾル発生装置での使用に関し、より具体的には、こうしたカートリッジを閉じるための、または少なくとも部分的に閉じるためのキャップを備えるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用されていて、また消費者によって吸入される前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者によって同時に装置を使用してもよいように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、多くの人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
典型的には、従来のシーシャは、糖分が比較的高い糖蜜(場合によっては、たばこ基体に通常見られる約20%と比較して最大約50%)として知られる基体と組み合わせて使用される。シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすために、または風味を変化させるために、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を燃焼して、ユーザーによる吸入のためにエアロゾルを発生させるために木炭を用いる。たばこを加熱するための木炭のペレットの使用により、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。加えて、木炭のペレットは一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口へと至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する一つの方法は、たばこではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼副産物を除去するが、シーシャ消費者から、従来のたばこ由来の体験を奪う。
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させない電気ヒーターを採用するその他のシーシャ装置が提案されている。このような電気加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを生成するために十分な温度までたばこ基体を加熱し、従ってたばこの燃焼に関連付けられる副産物を減少させる、または除去する。
【0007】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジを採用してもよい。カートリッジは、このようなエアロゾル形成基体で充填されてもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ、好ましくはシーシャ基体、例えば糖蜜(たばこ、水、糖、およびグリセリン、風味剤などのその他の成分の混合物)を含んでもよい。電気加熱式シーシャ装置の加熱システムは、カートリッジの内容物を加熱してエアロゾルを生成し、このエアロゾルは、気流経路を通ってユーザーに搬送される。
【0008】
カートリッジを通る気流およびカートリッジからのエアロゾルの流れを容易にするために、シーシャカートリッジは、一つ以上の壁を通る一つ以上の孔を有してもよい。カートリッジは、上部に一つ以上の孔を、底部に一つ以上の孔を、または上部の一つ以上の孔と底部の一つ以上の孔との両方を含みうる。孔はまた、カートリッジの側面に沿って配置されてもよい。別の方法として、上部は開いていてもよく、すなわち、上部壁は部分的または完全に存在しなくてもよい。上部壁および底部壁の任意の孔または開口部は、保管中に取り外し可能な(例えば、剥がすことができる)フィルム(例えば、ステッカー)によって閉じられていてもよい。取り外し可能なフィルムは、内容物(例えば、糖蜜)を空気および酸素への曝露から保護しうる。取り外し可能なフィルムは、カートリッジの初回使用前にユーザーによって取り外されてもよい。
【0009】
カートリッジの孔または開口部は、密封されていない場合、漏れの問題だけでなく、基体の新鮮さ(例えば、含水量)の喪失、または汚染をもたらす可能性がある。新鮮さを維持するため、基体の漏れを防止するため、または保管中に基体の品質および完全性を保持するためなどの一つ以上の理由から、使用前または、カートリッジの全内容物が一度に全部使用されない場合、使用と使用との間に、カートリッジの開口部または孔を、閉じる、または密封することが望ましい。
【0010】
一部のユーザーは、二回以上の使用セッションにわたってカートリッジの使用を延長することを望む、またはカートリッジの内容物が完全に枯渇する前に使用セッションを一時停止することを望む場合がある。しかしながら、空気への曝露は、比較的短期間内に糖蜜の酸化を引き起こす場合がある。したがって、カートリッジが短期間内に完全に消費されない場合、糖蜜は、開封されたカートリッジ内で劣化しうる。さらに、典型的な糖蜜は、カートリッジが短期間内に完全に消費されない場合、たとえシーシャ装置内に保管されていてもカートリッジから漏れうる液体成分を含む。漏出した糖蜜は、シーシャ装置の内部を汚染し、ユーザーにとって汚く非衛生的で、または不快である場合があり、鮮度の低下として将来の感覚的体験を損なうことがある。
【0011】
一部のユーザーはさらに、二つ以上の風味または基体のタイプからの選択を望む場合がある。
【0012】
保管中にカートリッジを密封するために使用される既存の取り外し可能なステッカーまたはリッドは、接着剤、溶接、捲縮、またはそれらの組み合わせによって取り付けられてもよい。しかしながら、こうしたステッカーまたはリッドは、典型的には使い捨てであり、使用と使用との間にカートリッジを閉じるために交換可能でも再密封可能でもない。
【0013】
複数の使用を提供することができるか、または一度で一部分だけ使用できるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。使用後に、閉じることができる、好ましくは再密封することができるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。開封時のみ加熱できるシーシャカートリッジを提供することが望ましい。また、選択的に、開くことができるか、または加熱することができるか、またはその両方をすることができるような区画を含むシーシャカートリッジを提供することが望ましい。カートリッジの密封が解かれた後、例えば、使用セッション中にエアロゾル形成基体全体が完全に枯渇していない場合に、カートリッジ内の残りの糖蜜(または他のエアロゾル形成基体)の保護を可能にするシーシャカートリッジを提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【0014】
本開示の様々な態様は、カートリッジ本体の壁(例えば、上部壁、底部壁、または側壁、好ましくは上部壁)上の開口部を閉じる、密封する、または再密封するためのキャップを備える、シーシャカートリッジに関する。カートリッジの本体は、開口部を有する一つ以上の壁を有する。キャップは、開口部を有する壁の少なくとも一部分を覆う。壁の、またはキャップの、またはその両方の開口部は、単一の孔(例えば、扇形形状の開口部)または複数の孔を含みうる。複数の孔は、材料を貫通する穿孔、メッシュ、または通気性材料を含みうる。キャップは、発熱体を備える電気回路を形成するために、他の電気構成要素と整列可能な電気的接続点をさらに含みうる。
【0015】
本開示の一態様は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジに関し、カートリッジは、一つ以上の壁と、一つ以上の壁の少なくとも一つにおける壁開口部とを備える本体、少なくとも一つの壁開口部と流体連通する本体の空洞、および本体に回転可能に接続されたキャップを備える。キャップは、外縁部、非導電性材料、外縁部に沿って配置される第一の電気的接続点、外縁部に沿って配置される第二の電気的接続点、および第一の電気的接続点から第二の電気的接続点まで延在する導電性経路を形成する導電性材料を含む。キャップは、壁開口部が露出される第一の位置と、壁開口部がキャップによって閉じられる第二の位置との間で移動可能である。キャップは、キャップ開口部を備えてもよい。キャップ開口部は、ハッチによってヒンジ式に閉じられてもよい。
【0016】
本開示の態様によれば、キャップは、キャップ開口部が壁開口部と少なくとも部分的に整列している第一の位置から、キャップ開口部が壁開口部と整列していない第二の位置へ軸を中心に回転可能であってもよい。第一の位置では、キャップの電気的接続点は、発熱体を備える電気回路を形成するカートリッジまたはシーシャ装置の他の電気構成要素と整列してもよい。したがって、キャップが第一の(開)位置にある時、カートリッジの内容物は加熱されうる。カートリッジは、内壁によって区画に分けられてもよい。キャップを使用して、区画を選択的に開閉することができる。キャップを使用すると、開かれている区画のみが加熱されるように区画の加熱を選択的に制御しうる。
【0017】
一部の態様によれば、キャップは、リッド部分およびリッド部分から軸方向に延在する円筒形部分を含みうる。キャップは、非導電性材料および導電性材料を含む。キャップは、電気的接続点、および第一の電気的接続点から第二の電気的接続点に延在する導電性経路を含む。第一および第二の電気的接続点は、リッド部分上、または電気的接続点が他の電気構成要素と選択的に整列し、かつ接続することを可能にする円筒形部分上の任意の適切な位置に配置されてもよい。キャップの導電性経路および電気的接続点は、発熱体を有する電気回路を閉じるように構築される。発熱体は、シーシャ装置の受容部、またはカートリッジの本体、またはその両方に抵抗性材料を含みうる。抵抗性材料は、一度につきカートリッジの空洞の一区画のみが加熱されるように配置されうる。
【0018】
一部の態様によれば、キャップは、リッド部分、および本体内に軸方向に延在する管状部分を含んでもよく、リッド部分は、管状部分と整列した中央開口部を含み、管状部分は、カートリッジの本体の空洞内に導く開口部を有する。管状部分の開口部は、一つ以上の孔を含みうる。一部の実施形態では、管状部分において開口部がギャップによって形成されるように、管状部分は完全には形成されない。カートリッジ本体は、外壁と円筒形内壁とを有する二重壁構造であってもよく、その外壁と内壁との間に形成された空洞を有する。キャップの管状部分は、円筒形内壁に隣接して配置されてもよい。キャップの管状部分は、円筒形内壁と同軸であってもよい。円筒形内壁は、開口部を有してもよい。キャップは回転して、本体の円筒形内壁の開口部をキャップの管状部分の開口部と整列させうる。
【0019】
本開示のキャップは、ユーザーがカートリッジを容易に開閉することを可能にする。例えば、ユーザーは、使用と使用の合間にカートリッジを一時的に閉じることができる。キャップは、ユーザーが、内容物またはシーシャ装置を汚染の危険にさらすことなく、エアロゾル形成基体の一部分のみを使用することを可能にしうる。また、キャップは、ユーザーがカートリッジ内のエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱することを可能にしうる。一部の態様によれば、キャップは、ユーザーが、二つ以上の区画を含むカートリッジ内で一度につき一区画のみを開いて加熱することを可能にする。二つ以上の区画を有することはまた、エアロゾル形成基体の異なるブレンドまたは風味を容易にすることができ、ユーザーは様々な選択肢から選択することができる。
【0020】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、揮発性風味化合物を含有していてもよい、空気などの気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁物を指す。
【0021】
本明細書で使用される「基体」という用語は、カートリッジ内に配置されうる消耗品材料を指す。
【0022】
本明細書で使用される用語「一体」および「一体的に形成された」は、単一部品(単一の一元的部品)で形成されており、その部品に構造的な損傷を引き起こすことなく分離可能に取り外し合うことができない要素を表す。
【0023】
本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0024】
本明細書で使用される「または」は概して、「一方、または他方、または両方」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0025】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「から成る(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0026】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0027】
「実質的に」という用語は、本明細書で使用される「著しく」と同一の意味を有し、修飾する後続の用語の意味の度合いが少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%であると理解されうる。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される「著しく~ではない」と同一の意味を有し、また「実質的に」と逆の意味を有し、すなわち修飾する後続の用語の意味の度合いが10%以下、5%以下、または2%以下であると理解されうる。
【0028】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭化および簡潔性のために本明細書に記載され、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0029】
カートリッジは、空洞を画定する任意の適切な本体を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞の中に配置されうる。本体は、耐熱性金属またはポリマーなどの一つ以上の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含んでもよい。本体は、電流を流すことによって加熱されうる電気抵抗性材料を含みうる。例えば、本体はアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、それらの任意の合金、およびそれらの組み合わせのいずれかを含んでもよい。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0030】
カートリッジは、任意の適切な形状であってもよい。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受容されるように構成された形状を有してもよい。カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意のその他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、略円筒形状または円錐台形状を有することが好ましい。
【0031】
シーシャ装置は、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。装置は、伝導によって、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されうる。カートリッジは、カートリッジ中で発熱体からエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供するために、シーシャ装置の発熱体との接触を可能にするように、またはシーシャ装置の発熱体との間の距離を最小化するように形状設定およびサイズ設定されていることが好ましい。熱は、抵抗加熱または誘導によるなどの、任意の適切な機構によって生成されうる。誘導加熱を促進するために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタの機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよく、またはそれを含んでもよく、あるいはサセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片等)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。
【0032】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体もしくは液体であってもよく、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、シーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に適した消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体は、糖蜜を含みうる。
【0033】
エアロゾル形成基体はニコチンを含みうる。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0034】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含みうる。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0035】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は、使用時に高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%超であることが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0036】
エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、グリセリン、またはグリセリンと一つ以上の他の適切なエアロゾル形成体(上記のものなど)との混合物である。
【0037】
エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤、甘味料など)を含んでもよい。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、スクロースを分割することによって得られるグルコースとフルクトースとの混合物である転化糖を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例において、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0038】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚促進剤を含む。適切な感覚促進剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0039】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含んでもよい。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0040】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置してもよい。一部の好ましい実施形態において、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることが好ましい。一部の実施形態では、カートリッジは、カートリッジの区画内に配置される二つ以上の異なるタイプのエアロゾル形成基体を含む。
【0041】
カートリッジの本体は、一つ以上の壁を含みうる。一部の実施形態では、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。側壁は、上部から底部へと延在する円筒形または円錐台形であってもよい。本体は、一つ以上の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部壁は、任意の適切な様式で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、ねじ係合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部壁は、任意の適切な様式で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、ねじ係合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部壁は、一緒に接合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって、一緒に接合されてもよい。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の適切な様式で互いに係合するように構成された三つの別個の部品であってもよい。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、ねじ係合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成されてもよい。
【0042】
本体の一つ以上の壁は、加熱可能な壁または表面を形成しうる。本明細書で使用される「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかで熱が加えられうる、あるいは、例えば誘導または電気抵抗によって、それ自体が熱を生成しうる、壁または表面の区域を意味する。加熱可能な壁または表面は、それを通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面へと伝達されうる熱伝達表面として機能しうる。加熱可能な壁または表面は、加熱し、カートリッジの内容物(例えば、基体)に熱を伝達する発熱体として機能しうる。
【0043】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一実施形態において、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有してもよい。本体の内径は、約1.75cm以上であってもよい。カートリッジは空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。一実施形態において、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は、約1.5cm~約4cmであってもよい。本体は空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、約25cm3~約40cm3であることが好ましい。本体は円筒形または円錐台形であることが好ましい。
【0044】
カートリッジ本体は、本体の一つ以上の壁を通る一つ以上の開口部または通気孔を含みうる。通気孔は、入口、または出口、またはその両方であってもよい。通気孔は、カートリッジの底部壁に、上部壁に、側面に、またはこれらの組み合わせに配置されてもよい。一部の実施形態において、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にするための一つ以上の入口および一つ以上の出口を含む。一部の実施形態において、カートリッジの上部壁は、カートリッジの一つ以上の入口を形成するために一つ以上の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部壁は、カートリッジの一つ以上の出口を形成するための一つ以上の開口部を画定してもよい。一つ以上の入口および出口は、カートリッジを通した適切な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および形状設定されていることが好ましい。一部の実施例において、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmH2O~約50mmH2Oであってもよく、約20mmH2O~約40mmH2Oであることが好ましい。標本のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断された時の、標本の二つの端の間の静圧の差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定してもよい。
【0045】
本体上の一つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、または20%以上、または25%以上を覆ってもよい。例えば、開口部が上部壁上にある場合、開口部は、上部壁の面積の少なくとも5%を覆ってもよい。本体上の一つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を覆ってもよい。
【0046】
一実施形態によれば、カートリッジは、本体に回転可能に接続されたキャップを含む。キャップは、カートリッジ本体上の開口部を閉じるため、および繰り返し閉じるために使用されてもよい。キャップは、本体上の一つ以上の開口部を選択的に開閉するために使用されうる。キャップは、発熱体を有する電気回路を選択的に閉じるために使用されうる。
【0047】
キャップは、キャップを通って延びる中心軸の周りの少なくとも第一の位置と第二の位置との間で回転可能であってもよい。第一の位置では、本体上の開口部は、環境に対して露出されているか、または開かれていてもよい。第二の位置では、本体上の開口部は、覆われているか、または閉じていてもよい。キャップの中心軸は、カートリッジ本体の中心軸と平行または同軸であってもよい。カートリッジ本体の中心軸は、本体が直立位置にある時に本体の中心を垂直に通過する仮想線であるとみなされる。キャップは取り外し可能であってもよく、または本体に永久的に取り付けられていてもよい。キャップは、ファスナー、スナップ嵌め、または摩擦嵌めなどの任意の適切な機構によって本体に取り付けられてもよい。
【0048】
キャップは、本体の上部壁または底部壁を少なくとも部分的に覆ってもよい。キャップは、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。キャップは、カートリッジの本体の上部または底部を覆うリッド部分を有してもよい。リッド部分は、平面であってもよく、または輪郭(例えば、ドーム型の)を有してもよい。リッド部分は、キャップの上部面を形成しうる。キャップはまた、リッド部分から軸方向に中心軸の方向に延びる円筒形部分を含んでもよい。円筒形部分は、キャップの側壁であってもよく、本体の側壁の少なくとも一部分を覆ってもよい。一部の実施形態では、キャップは、リッド部分のみを含み、円筒形部分を含まない。
【0049】
実施形態によれば、キャップは、第一および第二の電気的接続点を含む。用語「電気的接続点」は、別の電気構成要素との電気接続を形成する(例えば、電気回路)ことができるキャップの一部を指すために本明細書で使用される。点は小さな点であってもよく、または、より大きな構造が電気的接続を形成することができる少なくとも一つの点を含む限り、より大きな構造の一部(例えば、区域、表面、プレート、グリッド、線など)であってもよい。キャップは、外縁部を有してもよく、第一および第二の電気的接続点の一方または両方は、外縁部に沿って配置されてもよい。キャップは、主に(例えば、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%)非導電性材料から作製されてもよい。キャップは、非導電性材料上に配置される、非導電性材料内に配置される、または非導電性材料内に部分的に配置される導電性材料を含みうる。導電性材料は、第一の電気的接続点から第二の電気的接続点に延在する導電性経路を形成しうる。
【0050】
第一および第二の電気的接続点は、20°以上、30°以上、40°以上、50°以上、または60°以上、放射状に離されてもよい。第一および第二の電気的接続点は、最大180°、最大150°、最大120°、最大90°、または最大60°まで放射状に離されてもよい。
【0051】
キャップは、一つ以上のキャップ開口部を有してもよい。例えば、キャップは、リッド部分に、円筒形部分に、またはその両方にキャップ開口部を有してもよい。キャップ開口部は、キャップの材料を通る孔もしくは開口であってもよく、またはキャップの縁部に延びる切り抜きであってもよく、またはその両方であってもよい。一部の実施形態では、第一および第二の電気的接続点は、キャップのセクターを画定し、ここで、キャップ開口部は、そのセクター内に配置される。一実施例では、キャップ開口部はリッド部分の切り抜きであり、第一の電気的接続点から第二の電気的接続点まで延在する。導電性経路は、切り抜きの縁部に沿って延在しうる。第一および第二の電気的接続点の外側の、キャップの外縁部は、非導電性であってもよい。第一および第二の電気的接続点ならびに導電性経路の外側の、キャップの材料は、非導電性であってもよい。
【0052】
キャップ開口部は、任意の適切なサイズおよび形状としうる。例えば、キャップ開口部は、円形、多角形(例えば、正方形、三角形など)、扇形形状、スロット、または不規則な形状であってもよい。キャップ開口部は、単一の孔または複数の孔を含みうる。キャップ開口部のサイズは、キャップの外側の面積に対する割合として表されてもよい。キャップの外側の面積は、リッド部分および円筒形部分の外向きの表面の面積など、キャップの外側を向いている(例えば、本体に向いていない)表面の面積を意味すると理解される。一部の実施形態では、キャップ開口部は、キャップの面積の5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、または25%以上を含みうる。キャップ開口部は、キャップの面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を構成しうる。本体の開口部とキャップの開口部とは、必ずしも同じ形状、数、またはサイズである必要はない。一部の実施形態では、キャップ開口部は本体開口部とは異なる(例えば、異なる形状、サイズ、または孔の数を有する)。一部の実施形態では、キャップ開口部は本体開口部と同じであるかまたは類似している(例えば、同じ形状、サイズ、または孔の数を有する)。
【0053】
本体の開口部とキャップの開口部とは、キャップを第一の位置に回転させることによって少なくとも一部の開口部が整列し、その結果本体の空洞が、整列した開口部を通じて環境と(例えば、シーシャ装置の気流経路と)流体連通するように、かつキャップを第二の位置に回転させることによって、開口部が整列しないように(すなわち、キャップが本体の開口部を閉じるように)位置付けられてもよい。
【0054】
カートリッジの本体は、空洞を区画に分割する一つ以上の内部壁を有してもよい。例えば、空洞は、第一の区画および第二の区画に分割されてもよい。空洞は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはさらには8つの区画に分割されてもよい。内部壁は、本体の底部から上部に延びうる。一部の実施形態では、内部壁は穿孔または開口部を有してもよい。
【0055】
キャップを回転させて、区画を選択的に開けうる。キャップを回転させて、区画のすべてを閉じるか、または一つの区画を除くすべてを閉じてもよい。これにより、ユーザーは、他の区画を閉めたまま(好ましくは密封したまま)、一つの区画の内容物を選択的に使用することができる。カートリッジの区画は、同じ基体で充填されてもよい。一部の事例では、区画は、異なる基体、例えば、異なる風味を有する基体、あるいは異なる化合物を含有する基体で充填されてもよい。キャップを回転させることによって、ユーザーは、使用セッションに対して特定の基体(例えば、特定の風味)を選択しうる。
【0056】
キャップを回転して、第一および第二の電気的接続点を他の電気構成要素と整列させて電気回路を閉じうる。他の電気構成要素は、カートリッジの本体上またはシーシャ装置上の、電気的接続点あるいは導電性経路または区域であってもよい。第一および第二の電気的接続点を他の電気構成要素と整列させることにより、第一および第二の電気的接続点を他の電気構成要素と電気的に接続させて、電気回路を閉じることが好ましい。電気回路の閉鎖はまた、カートリッジをシーシャ装置の受容部内に置くなどの、他の動作も必要としうる。キャップを回転させて、第一および第二の電気的接続点を他の電気構成要素と整列させて電気回路を閉じることで、カートリッジ内の基体の一部分を選択的に加熱しうる。例えば、カートリッジの本体は、本体の外辺部を取り巻いて配置された複数の発熱体を含んでもよく、キャップを回転させることを利用して、他の発熱体は加熱せずに、一つの発熱体を選択的に加熱しうる。別の実施例では、シーシャ装置は、複数の発熱体を含んでもよく、キャップを回転させることを利用して、他の発熱体は加熱せずに、一つの発熱体を選択的に加熱しうる。
【0057】
一部の実施形態では、カートリッジの本体は、空洞がそれらの間に形成されるように外壁および内円筒壁を有する。空洞はさらに、一つ以上の内部壁によって区画に分割されうる。内部壁は、外壁から内円筒壁に延在してもよい。内円筒壁は、キャップの管状部分を受容しうる中央空洞を形成しうる。内円筒壁は、基体を収容する空洞の区画に中央空洞を接続する一つ以上の開口部を含みうる。キャップの管状部分は、内円筒壁の開口部と整列して、区画、中央空洞、およびカートリッジの外側の間に気流経路を提供することができる、対応する開口部を含みうる。キャップは、内円筒壁上の開口部を開閉するために回転されうる。
【0058】
カートリッジは、一つ以上の入口を覆う取り外し可能な密封層、および一つ以上の出口を覆う第二の取り外し可能な層をさらに含んでもよい。取り外し可能な層は、剥がすことができるラベル、ステッカー、箔等を含みうる。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な様態でカートリッジに貼り付けられてもよい。取り外し可能な層は、初回使用の前に、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されてもよいタブを含んでもよい。
【0059】
一部の実施形態では、カートリッジは、任意の適切なシーシャ装置と共に使用されうるシーシャカートリッジである。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱するように構成されてもよく、約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱することがより好ましい。
【0060】
シーシャ装置は、カートリッジを受容するための受容部を備えてもよい。シーシャ装置は、カートリッジが受容部の中に受容されている時に、カートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を備えうる。発熱体は、受容部の少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞中のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。あるいは、発熱体は、カートリッジの本体上に配置されてもよい。一部の実施形態では、発熱体は電気発熱体を含む。一部の実施形態では、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたは他の抵抗性要素を含んでもよい。抵抗性ワイヤーは、熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって配分してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部分を形成してもよい。一部の実施形態では、発熱体は、カートリッジの本体上に含まれ、シーシャ装置は発熱体を含まない。
【0061】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を含んでもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラ、またはメモリとコントローラを含んでもよい。コントローラは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を包含するメモリを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0062】
電子回路はマイクロプロセッサを含んでもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0063】
一部の実施例において、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器は抵抗性要素の温度を調節してもよい。
【0064】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサーを含んでもよい。温度センサーは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、受容部内に受容された時にカートリッジの中に挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分にて温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよい。制御電子機器は、センサーにて適切な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整してもよい。
【0065】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能であってもよく、または取り外し可能かつ交換可能であってもよく、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力供給源であってもよい。別の方法として、組立品は、外部電力供給源に接続されてもよく、またこうした目的のために電気的および電子的に設計されていてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一つのシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される前、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0066】
一実施例において、シーシャ装置は、カートリッジ受容部、発熱体、エアロゾル出口、および外気入口を含むエアロゾル発生要素を含む。カートリッジ受容部は、エアロゾル形成基体を含んだ、本開示によるカートリッジを受容するように構成される。発熱体は、受容部の表面の少なくとも一部を画定してもよく、またはカートリッジの一部であってもよい。
【0067】
シーシャ装置は、受容部と流体接続している外気入口チャネルを含む。使用中、カートリッジ内の基体が加熱されると、基体中のエアロゾル形成体構成成分が気化する。外気入口チャネルからカートリッジを通って流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成成分から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0068】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱された空気を採用し、かつ吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動するように気流経路を典型的に採用する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0069】
外気入口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通って、かつ一つ以上の開口を通ってカートリッジ受容部の中に流れうるように、カートリッジ受容部を通る一つ以上の開口を含んでもよい。チャネルが二つ以上の開口を含む場合、チャネルは、チャネルを通って各開口に流れる空気を方向付けるためのマニホールドを含んでもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気入口チャネルを含むことが好ましい。
【0070】
上述のように、カートリッジは、本体に形成される一つ以上の開口部(入口または出口など)を含む。回転可能なキャップを回転させて、キャップ上の少なくとも一つの開口部を本体上の少なくとも一つの開口部と整列させると、空気をカートリッジを通して流すことができる。受容部が一つ以上の入口開口を含む場合、カートリッジ中の入口のうちの少なくとも一部は、受容部の上部の開口と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジが受容部の中へと挿入された時に、受容部の相補的な整列機能と嵌合して、カートリッジの入口を受容部の開口と整列させるように構成された整列機能を含む場合がある。
【0071】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体にわたって、またはそれを通って、またはそれにわたって、かつそれを通って流れ、エアロゾルを同伴し、そしてエアロゾル出口を経由してカートリッジおよび受容部を出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0072】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルより上の上部空間に出口を画定する任意の好適なベッセルを含んでもよい。ベッセルは、ベッセル内に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ組立品の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0073】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤とが随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0074】
受容部のエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通って移動してもよい。導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に連結されてもよく、またベッセルの液体充填レベルの下方に開口部を有してもよく、これによって、ベッセルを通って流れるエアロゾルは、消費者への送達のために、導管の開口部を通り、その後液体を通ってベッセルの上部空間の中に入り、そして上部空間出口を通って出る。
【0075】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザーの吸煙を検出するように配設された吸煙センサー、またはユーザーによって起動可能なスイッチと吸煙センサーの両方などの起動要素を含んでもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結される。起動要素は、制御電子機器に無線で連結されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体の起動を生じさせてもよい。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、常時加熱ではなく要求に応じた加熱を提供しうる。
【0076】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用する一つの方法が下記に、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填されてもよい。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み立てされる。カートリッジは、任意の取り外し可能な層(存在する場合)を除去し、キャップ上の開口部が本体上の開口部と整列するようにキャップを回転させることによって準備されうる。キャップは、本体上または受容部上のいずれかで、または両方で、電気的接続点を他の電気構成要素と整列させるために回転されうる。キャップを回転させて、本体内部の空洞の区画を選択的に開き、電気的接続点を整列させて開いている区画を選択的に加熱してもよい。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジを受容部の中に挿入することを可能にするように取り外されてもよく、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされるかまたは閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることで、エアロゾル形成基体の蒸発温度まで、またはエアロゾル形成基体の蒸発温度以上であるが燃焼温度未満の温度まで、エアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルが開始されうる。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを生成する。ユーザーは望む通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザーは、所望の長さの時間、あるいはエアロゾルが見えなくなるまで、または送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態では、カートリッジ、またはカートリッジの区画で使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇した時に、装置が自動的に停止するように配設されてもよい。ユーザーは、カートリッジ上のキャップを回転させて、別の区画を開いて加熱し、シーシャ装置を使用し続けることができる。あるいは、ユーザーは、キャップを回転させてカートリッジを閉じるか、またはカートリッジの残りの区画を閉じることができる。一部の実施形態では、消費者は、例えばカートリッジ中のエアロゾル形成基体、または区画が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、別の区画を開けるか、または装置を未使用のカートリッジで再充填してもよい。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることで、消費者によっていつでもオフにしうる。
【0077】
シーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例において、ユーザーからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して、装置内部に低圧を引き起こすことになり、これは外部の空気を装置の空気吸込み口を通して外気入口チャネルの中に、そして受容部の中に流れさせる。次に、空気は、受容部の中のカートリッジを通って流れて、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルを搬送しうる。次に、同伴されたエアロゾルを含む空気は、受容部のエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセル内部の液体に流れる。次に、エアロゾルは、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルより上の上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、そして消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内部のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙の動作によって駆動されてもよい。
【0078】
ここで本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面を参照する。しかしながら、当然のことながら図面に描写されていない他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。しかしながら、当然のことながら、所与の図において一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図において同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図しない。加えて、異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1図1は、シーシャ装置の概略図である。
図2A-2B】図2Aおよび2Bは、一実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、回転可能なキャップを有するシーシャカートリッジの図である。
図3A-3B】図3Aおよび3Bは、実施形態による図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図3C図3Cは、上部が取り外されたシーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図3D図3Dは、シーシャカートリッジの底面図である。
図4A-4D】図4A~4Dは、実施形態による、図1のシーシャ装置で使用するための、シーシャカートリッジのキャップの断面図および斜視図である。
図5A-5B】図5Aおよび5Bは、実施形態による図1のシーシャ装置の受容部内のシーシャカートリッジの概略図である。
図6A-6C】図6A~6Cは、実施形態によるカートリッジの本体へのキャップの取り付け機構の断面図である。
図7A図7Aは、一実施形態による図1のシーシャ装置で使用するための、管状部分を有する回転可能なキャップ、および区画に分割された本体を有するシーシャカートリッジの斜視図である。
図7B図7Bは、図7Aのシーシャカートリッジのキャップの斜視図である。
図7C図7Cは、図7Aのシーシャカートリッジの本体の斜視図である。
図7D図7Dは、図7Aのシーシャカートリッジのキャップの、別の実施形態の斜視図である。
図7E図7Eは、図7Aのキャップをシーシャカートリッジ内に挿入する際の概略である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を含有するように構成された内部容積を画定する、かつ液体19の充填レベルの上方にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、一つ以上の風味剤、または一つ以上の着色剤と一つ以上の風味剤とが随意に注入されていてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0081】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル形成基体を含むカートリッジ200を受容するように構成された受容部140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、受容部140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160を含む。図示した実施形態では、発熱体160は、受容部140の側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中に引き込む外気入口チャネル170を含む。一部の実施形態では、外気入口チャネル170の一部分は、空気が受容部140に入る前に空気を加熱するための発熱体160によって形成される。次に、予熱された空気はカートリッジ200に入り、これはまた発熱体160によって加熱され、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0082】
導管190は、空気およびエアロゾルをベッセル17中の液体19のレベルの下方に搬送する。空気およびエアロゾルは液体19を通って泡になり、ベッセル17の上部空間出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口に搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよく、またはその一部を形成してもよい。
【0083】
使用時における装置の例示的な気流経路は、図1に太い矢印で描写されている。
【0084】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意のその他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子機器30と無線通信して、例えば電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子機器に発熱体160を起動させてもよい。
【0085】
制御電子機器30および電源35は、図1に図示するエアロゾル発生要素130の底部部分以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の適切な位置に位置しうる。
【0086】
図2Aおよび図2Bを参照すると、カートリッジ200は、エアロゾル形成基体201がその中に配置されうる空洞218を形成する本体210を有する。本体210は、上部壁215、底部壁213、および側壁212を含む。側壁212は、図示するように円筒形であってもよく、または円錐台形であってもよく、または形状の組み合わせであってもよい。本体210は、本体210を通って延びる中心軸Aを有してもよい。本体210は、一つ以上の部品から形成されてもよい。例えば、上部壁215または底部壁213は、側壁212から取り外し可能に取り付けられて、エアロゾル形成基体201が空洞218の中に配置されることを可能にしうる。カートリッジ200はまた、キャップ300を含む。示される実施例では、キャップ300は、上部壁215と側壁212の一部とを少なくとも部分的に覆う。
【0087】
図2Bに示す実施例では、キャップ300は、リッド部分315と、リッド部分315から軸方向(すなわち、中心軸Aの方向)に延びる円筒形部分312とを含む。キャップ300はまた、円筒形部分なしで、リッド部分315のみで提供されてもよい。リッド部分315は、本体210の上部壁215を少なくとも部分的に覆ってもよい。リッド部分315は、平面部分であってもよい。キャップ300は、リッド部分315を通って延びるキャップ開口部317を有する。キャップ300は、中心軸Aの周りで回転可能であってもよい。 キャップ300を回転させることを利用してキャップ開口部317を本体210上の開口部と整列させることによって、カートリッジ200を開くことができる。
【0088】
キャップ300は、第一の電気的接続点341および第二の電気的接続点342を含む。キャップ300は、第一および第二の電気的接続点341、342の間に延在する導電性経路343をさらに含む。導電性経路343は、非導電性材料上に配置されうるか、または非導電性材料内に配置されうる(例えば、埋め込まれる)導電性材料を含む。電気的接続点は、見やすくするために、概略図内で誇張されている。しかし、電気的接続点は、単に導電性経路343の端部を含みうるだけである。第一および第二の電気的接続点341、342の一方または両方は、キャップ300の縁部に沿って、または例えば、リッド部分315の縁部に沿って配置されてもよく、または円筒形部分312に沿って下に延在してもよい。第一および第二の電気的接続点341、342は、本体210上またはシーシャ装置上の対応する電気的接続点などの別の電気構成要素に電気的接続するように露出される。
【0089】
ここで図3A~3Dを参照すると、本体210の様々な態様が示されている。本体210は、図3Aに示すように単一の開口部217、または図3Bに示すように複数の開口部217を含みうる。開口部(複数可)217は、上部壁215上に配置されてもよく、底部壁213上に配置されてもよく、またはその両方に配置されてもよい。キャップ300を回転させることによって、開口部217が露出(開かれる)または被覆(閉じられる)されうるように、一つ以上の開口部217は、本体210のキャップ300によって覆われた区域内に配置されることが好ましい。一つ以上の開口部217が配置される壁はまた、非透過性部分214を含んでもよい。非透過性という用語は、本明細書では空気に対して浸透性ではない材料を指すために使用される。本体210はまた、対向する壁(例えば、底部壁)上に複数の開口216を含み、カートリッジの使用時、カートリッジを通って空気が流れることを可能にしうる。底部壁213の開口216の例示的な配設が図3Dに示されている。カートリッジ200はまた、もしくは別の方法として、側壁212に沿って開口を含んでもよい。本体開口部および開口217、216のうちの一つ以上は、カートリッジが使用前に保存されている時、剥がすことができるシールまたはカバーによってさらに遮断されてもよい。
【0090】
図3Cは、上部壁215が取り除かれた例示的なカートリッジ本体210を示す。本体210は、内壁228または仕切りを含みうる。内壁228は、空洞218を複数の区画219に分割しうる。六つの区画219が示されているが、任意の適切な数が作られてもよい。内壁228を有する本体210は、上部壁215なしで(開いた上側を覆うキャップを有する)、または区画219のそれぞれと整列した開口部217を含む上部壁215と共に使用されうる。一部の実施形態では、複数の内壁228のうちの一つは、隣接する区画219を接続する貫通孔227を含みうる。キャップ300がカートリッジ本体210上に置かれた時、キャップ300を回転させて、キャップ開口部317を本体開口部217と整列させることによって、またはキャップ開口部317を区画219の開いた上部と整列させることによって、キャップ開口部317を少なくとも一つの区画219と整列させて、空気がカートリッジを通って流れることを可能にしうる。
【0091】
一部の実施形態では、本体210は、区画219内の基体を加熱するために選択的に起動されうる発熱体260を含みうる。発熱体260は、カートリッジ210の壁212上に配置されてもよい。発熱体260は、カートリッジ210の区画219と整列されてもよい。発熱体260は、キャップ300が回転するにつれて、キャップ300の第一および第二の電気的接続点341、342と整列して接続されうる、第一および第二の電気的接続点241、242に接続されてもよい。
【0092】
図4A~4Dは、キャップ300の様々な実施形態を示す。キャップは、図4Aに示すように、平面であってもよいリッド部分315を含みうる。図示されてはいないが、キャップ300はまた、リッド部分315から軸方向に延びる円筒形部分312を含んでもよい。円筒形部分は、図2Bに示すように、キャップの側壁を形成しうる。キャップ300は、キャップ開口部317を含む。キャップ開口部317は、図4Bに示すように単一の開口部317、または図4Cに示すように複数の開口部317を含みうる。キャップ開口部317が複数の開口部を備える場合、一部の実施形態では、複数の開口部はメッシュによって提供されてもよい。図4Dに示す実施形態では、キャップ300は、ハッチ325によって覆われた単一の開口部317を含む。ハッチ325は、開閉のためにヒンジ留めされていてもよい。単一の開口部317を有するキャップ300は、単一の開口部217、または複数の開口部217を有する本体210と連結されてもよい。複数の開口部317を有するキャップ300は、単一の開口部217、または複数の開口部217を有する本体210と連結されてもよい。キャップ300(例えば、リッド部分315)はまた、非透過性部分314を含んでもよい。実施形態によれば、キャップ300は、キャップ開口部317が本体210上の少なくとも一つの開口部217と整列する(開口部217を露出する)第一の位置から、キャップ開口部317が本体210上の異なる開口部217と整列するか、またはキャップ開口部317が本体210上のいかなる開口部とも整列しない(カートリッジ200を閉じる)第二の位置まで回転可能である。閉位置において、キャップ開口部317は、本体210の非透過性部分214と整列し、本体開口部217は、キャップ300の非透過性部分314と整列する。
【0093】
キャップ300は、第一の電気的接続点341および第二の電気的接続点342を含む。第一および第二の電気的接続点341、342の一方または両方は、キャップ300の縁部に沿って配置されてもよい。導電性材料で作製された導電性経路343は、第一および第二の電気的接続点341、342を接続する。導電性経路343は、非導電性材料に埋め込まれてもよい。第一および第二の電気的接続点341、342は、本体210上またはシーシャ装置上の対応する電気的接続点などの別の電気構成要素に電気的接続するように露出される。
【0094】
図5Aおよび5Bは、キャップ300の第一および第二の電気的接続点341、342、ならびに導電性経路343が、シーシャ装置の受容部140上に配置された発熱体160を有する電気回路440を形成するような配設を、概略的に示す。電気回路440は、少なくとも第一および第二の電気的接続点341、342、導電性経路343、ならびに発熱体160を含みうる。電気回路440は、ワイヤー、コネクタ、電源、スイッチ、制御手段などの、他の電気構成要素をさらに含みうる。受容部140は、図5Bに示すように、複数の発熱体160を含みうる。発熱体160は、カートリッジ本体210の区画219と整列するように配置されてもよい。カートリッジ200および受容部140は、カートリッジが受容部内に挿入される時に、キャップ300の区画219および電気的接続点341、342を受容部140の発熱体160と整列させるのに役立つ相補的な整列機能を含みうる。
【0095】
図6A~6Cは、キャップ300を本体210に取り付けるのに適した様々な機構を示す。キャップ300は、取り外し可能に取り付けられてもよい。キャップ300は、ねじ接続を介して取り付けられてもよい。キャップ300は、図6Aに示すように、摩擦嵌めによって取り付けられてもよい。キャップ300はまた、図6Bおよび6Cに示すように、スナップ嵌めによって取り付けられてもよい。本体210はリップ222などの構造を含んでもよく、キャップ300はリップ322などの対応する構造を含んでもよく、これは、図6Bに示すように、本体210の構造に被さるように嵌合してキャップ300を所定位置に回転可能な状態で保持する。図6Cに示すように、本体210の構造はまた、リップ223を有する中央ポストを含んでもよく、キャップ300は、リップ323を有する対応するくぼみを含んでもよい。中央ポスト取付部を有するキャップ300は、円筒形部分312を含む場合、または含まない場合がある。
【0096】
ここで図7A~7Cを参照すると、空洞218からの気流は中央開口部を通るように配設されてもよい。キャップ300は、中央開口部に嵌合するよう構築された管状部分352を含みうる。管状部分352は、リッド部分315の直径D315よりも小さい直径D352を有してもよい。管状部分352は、リッド部分315から軸方向に延在しうる。キャップ300は、追加的に、管状部分352と同軸であってもよい円筒形部分312(図示せず)を含んでもよい。管状部分352は、リッド部分315上のキャップ開口部317と実質的に整列した空洞318を形成してもよい。管状部分352はまた、本体210上の開口部と整列可能であってもよい一つ以上の開口部327を含みうる。キャップ300は、図4A~4Dに関連して先に説明したように、第一の電気的接続点341および第二の電気的接続点342を含む。
【0097】
本体210は、対応する内円筒壁232を含みうる(図7C)。空洞218は、外壁212と内円筒壁232との間に形成されてもよい。
【0098】
空洞218は、随意に、一つ以上の内部壁228によって区画219に分割されてもよい。内部壁228は、カートリッジ本体の側壁212の内部表面から内円筒壁232の外部表面まで延在しうる。内円筒壁232は、中央空洞227を形成しうる。キャップ300の管状部分352は、本体210の中央空洞227を画定する内円筒壁232と協働してもよい。例えば、キャップ300の管状部分352は、図7Eに示すように、本体210の内円筒壁232によって画定される中央空洞227に受容されうる。内円筒壁232は、区画を中央空洞227に接続する一つ以上の開口部237を含みうる。
【0099】
本体210の中央空洞227内への管状部分352の挿入は、図7Eに下向き矢印で示されている。キャップ300は、リッド部分315が本体210の側壁212と合う(または嵌合する)まで、押し下げられてもよい。管状部分352が中央空洞227内に受容されるように、キャップ300が本体210上に配置される場合、キャップ300を軸Aの周りに回転させて、開口部327を本体210の内円筒壁232上の一つ以上の開口部237と整列させうる。開口部327、237を整列させることはまた、第一および第二の電気的接続点341、342を、本体210上、またはシーシャ装置上の他の電気構成要素(例えば、第一および第二の電気的接続点241、242)と整列させる。開口部327、237がそのように整列している時、発熱体160または260は、特定の区画219で(区画219に対する電気的接続点341、342の位置に応じて)基体を加熱するように起動されてもよく、また空気は、空洞318から区画219内に流れてもよい(または、シーシャ装置内の流路の配置および流れの方向に応じて、その逆でもよい)。
【0100】
キャップ300が回転して、開口部318を非透過性部分と整列させて空洞218からの気流経路を閉じうるように(カートリッジを閉じうるように)、内円筒壁232はまた、非透過性部分(図示せず)も含んでもよい。
【0101】
カートリッジは、シーシャ装置の受容部内でのカートリッジの位置付け、または受容部からのカートリッジの取り外しを容易にする機能を含みうる。例えば、カートリッジは、整列、位置決め、把持などのための突起部(例えば、フランジ)を含んでもよい。キャップもまた、突起部の機能を果たしうる。
【0102】
それ故に、シーシャ装置のためのカートリッジが記述される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求の通りの本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術、化学技術およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
【国際調査報告】