(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(54)【発明の名称】携帯型人形劇場
(51)【国際特許分類】
A63J 19/00 20060101AFI20220301BHJP
A63J 99/00 20090101ALI20220301BHJP
【FI】
A63J19/00
A63J99/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541074
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2020050366
(87)【国際公開番号】W WO2020148713
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】102019000000807
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521311492
【氏名又は名称】フェラーラ、アルトゥーロ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェラーラ、アルトゥーロ
(57)【要約】
携帯型人形劇場1は、1対の側壁2と、観客と面するように設計された中央開口部4を有する前方壁3と、1つ又は複数の背景5A及び幕5Bを画定する複数の内壁5と、側壁2及び前方壁3を覆うように適合されたカバー要素6とを備える。側壁2及び前方壁3は、略鉛直であり、ヒンジ式に共に結合し、壁2、3が互いに重なり合う関係にある潰れた構成から、壁2、3が直角をなし、略鉛直である起立構成に変わる、又はその逆に変わるように適合された、折り畳み可能な構造体7を形成する。カバー要素6は蓋の形態であり、平らな中央部分13及び上向きに折り曲げられた縁14が、内壁5、及び、潰れた構成にある折り畳み可能な構造体7を中に受け入れる。カバー要素6は、反転され、折り曲げられた縁14が下方を向き、起立構成にある側壁2及び前方壁3と接触するように適合される。更に、カバー要素6の平らな中央部分13は、複数のスリット15を有し、内壁5が、中央開口部4に面する位置まで、取り外し可能に上からスリットの中に導入されることが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の側壁(2)と、観客と面するように設計された中央開口部(4)を有する前方壁(3)と、1つ又は複数の背景(5A)及び幕(5B)を画定する複数の内壁(5)と、前記側壁(2)及び前記前方壁(3)を覆うように適合されたカバー要素(6)とを備える、携帯型人形劇場(1)であって、前記側壁(2)及び前記前方壁(3)は、略鉛直であり、ヒンジ式に共に結合し、前記壁(2、3)が互いに重なり合う関係にある潰れた構成から、前記壁(2、3)が直角をなし、略鉛直である起立構成に変わる、又はその逆に変わるように適合された、折り畳み可能な構造体(7)を形成し、前記カバー要素(6)は蓋の形態であり、平らな中央部分(13)及び上向きに折り曲げられた縁(14)が、前記内壁(5)、及び、前記潰れた構成にある前記折り畳み可能な構造体(7)を中に受け入れ、前記カバー要素(6)は、反転され、前記折り曲げられた縁(14)が下方を向き、直立構成にある前記側壁(2)及び前記前方壁(3)と接触するように適合され、前記カバー要素(6)の前記平らな中央部分(13)は、複数のスリット(15)を有し、前記内壁(5)が、前記中央開口部(4)に面する位置まで、取り外し可能に上から導入されることが可能となる、携帯型人形劇場(1)。
【請求項2】
前記スリット(15)は略平行であり、一連の前記後方スリット(15A)が、前記背景(5A)を受け入れるように設計され、前記カバー要素(6)の前方スリット(15B)が、前記幕(5B)を受け入れるように設計されることを特徴とする、請求項1に記載の劇場。
【請求項3】
前記スリット(15)は、対応する前記スリット(15)の中に上から前記内壁(5)を導入することを容易にするために、前記内壁(5)の幅(l
2)よりもわずかに大きい長さ(l
1)まで延在することを特徴とする、請求項1に記載の劇場。
【請求項4】
前記内壁(5)は、その上縁に付加部(18)を有し、前記付加部(18)が、前記平らな中央部分(13)に載るように前記スリット(15)の端部より先に延在し、前記スリット(15)の中に導入された前記内壁(5)を、垂れ下がった状態に保つことを特徴とする、請求項1に記載の劇場。
【請求項5】
前記背景(5A)を受け入れるように設計された前記一連の前記スリット(15A)は、前記1つ又は複数の人形(19)を導入することを容易にするために、前記幕(5B)を受け入れるように設計された前記スリット(15B)から適切に離間されることを特徴とする、請求項2に記載の劇場。
【請求項6】
前記折り畳み可能な構造体(7)の前記前方壁(3)及び前記側壁(2)は、厚紙、プラスチックペーパー、又はプラスチック積層体などのシート材の単一パネル(8)から形成され、前記単一パネル(8)は、適切に型抜きされ、互いにヒンジ式に結合した、折り重ねられ得る隣接する部分パネルを画定する、折り線(9)が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の劇場。
【請求項7】
前記部分パネル(10)は少なくとも4つであり、第1の対の隣接するパネル(10A)が、前記前方壁(3)を共に画定し、第2の対の端部パネル(10B)が、前記1対の側壁(2)を画定することを特徴とする、請求項6に記載の劇場。
【請求項8】
前記部分パネル(10)は、前記起立構成にある前記折り畳み可能な構造体(7)を、前記側壁(2)及び前記前方壁(3)で安定させるために、前記カバー要素(6)の前記平らな中央部分(13)に形成された対応するスロット(17)に入り込むように適合された、上向きに延在する対応するタブ(16)を有することを特徴とする、請求項6に記載の劇場。
【請求項9】
前記前方壁(3)を画定する前記第1の対の部分パネル(10A)には、前記起立構成においてそれらを同一平面上に保つために、補強手段が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の劇場。
【請求項10】
前記補強手段は、前記部分パネル(10A)のそれぞれに形成されたバックル又はポケットに入り込むように適合された端部を有する、シート材のストリップを備えることを特徴とする、請求項9に記載の劇場。
【請求項11】
前記1つ又は複数の人形(19)は、可撓性材料のストリップ(21)を有する細長い本体(20)を含む、略L字の形状であり、前記ストリップ(21)は、前記細長い本体(20)から延在し、1つの端部(21′)が、縦長のスロット(22)に入り込み、前記ストリップ(21)を前記細長い本体(20)に対して垂直な位置に保ち、前記人形(19)を保持する、又は、それを直立構成に保つように適合されることを特徴とする、請求項5に記載の劇場。
【請求項12】
前記人形は、2D又は3Dシート媒体に印刷されることを特徴とする、請求項11に記載の劇場。
【請求項13】
前記潰れた状態の前記折り畳み構造体(7)と、前記内壁(5)と、前記人形(19)とを収納する前記カバー要素(6)を中に収容するように適合された基箱(23)と、前記劇場(1)を、その本質的な構成要素が紛失又は損傷する恐れを伴わずに整然と搬送するために、前記基箱(23)を閉じることができる上箱(24)とからなる、外側容器を備えることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の劇場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として、ボードゲームの分野での用途を見いだし、特に携帯型人形劇場に関する。
【背景技術】
【0002】
子供及び大人が、様々な年齢の子供の観客の娯楽及び教育のために使用するように設計された、以下、単に「劇場」と呼ぶ、人形劇場の形態の構造体がボードゲームの分野で知られている。
【0003】
実際の劇場体験を模倣するために、劇場は、劇場が使用される場所で後に組み立てられるように設計された、所与の数の基本的な構成要素から構成されなければならない。
【0004】
そのような物品の使用者は、その携帯性、即ち、劇場を組み立て、分解し、ある場所から別の場所へ、本質的な構成要素が移動中に損傷及び紛失する恐れを伴わずに容易に運び得ることが必要であると感じる。
【0005】
寸法を最小限にし、従って、例えば子供部屋などの関連空間へのエントロピー的な影響を、特に、その空間のサイズが小さいときは、最小限にすることが更に必要である。実際には、そのような物品は、典型的には、かさばる恒久的な構造体を有し、容易に搬送することができない。
【0006】
この必要性は、サイズが小さいことを容認することによってのみ満たされ得るが、概して平らな容器に整然と収納され得る、折り畳み可能な構造体を使用することによっても満たされ得る。
【0007】
米国特許第2837863号明細書及び米国特許第1600554号明細書は、運搬用ケースと、このケースに、人形遊び用の道具(puppet game)を組み立てるための構造体とを備える、携帯型人形劇場を開示する。構造体は、側壁と、後幕と、屋根と、前方門部とを備え、これらは、タブによって、更には固定手段によって共に結合される。
【0008】
米国特許第2837863号明細書では、人形使いを隠すために使用される後幕が、側壁の貫通孔に固定された伸縮ロッドから垂れ下がり、ケース及び折り畳み可能な構造体の両方が、様々な折り線を有する厚紙のブランクから形成される。更に、ケースは、ケースのブランクに取り付けられたハンドルを有する。
【0009】
この先行技術の携帯型劇場の1つの欠点は、それが比較的複雑であり、折り畳み可能な構造体及びケースの両方が、3D部品を使用して形成されることである。
【0010】
米国特許第2368188号明細書は、予めつけられた折り線を有する、型抜きされた平らなブランクから得られる箱状の要素と、スロットに入り込むタブによって構造体の底部に連結され得る、床用の別のシートとを備える、劇場を開示する。劇場は、スパイラルの周りを回転することによってページが変わる、後方壁に近接して施された本を有する。
【0011】
この劇場には容器が提供されず、構造体の部品がいったん分解されると、それらは、搬送中に収納及び保護され得ず、紛失及び損傷する恐れを伴う。
【0012】
米国特許第3961426号明細書は、土台と、ヒンジ式に結合した(hinged)折り畳み式の側壁及び底壁と、前方門部と、土台と、一連の側パネル又は幕とを備える、携帯型劇場を開示する。一連の側パネル又は幕は、棒状の支持要素から垂れ下がり、支持要素の端部は、折り畳み可能な構造体の側壁の上方縁に沿って形成された凹部に載り得る。
【0013】
韓国公開特許第20-2010-0008300号公報は、共にヒンジ式に結合して折り畳み可能な構造体を形成する、1対の側壁と、前方壁とを有する、劇場を開示し、折り畳み可能な構造体は、潰れた構成(collapsed configuration)から起立構成(upstanding configuration)に変わるように適合される。更に、起立構成では、構造体を起立構成に保つように適合された弾性支持手段によって、側壁が前方壁に結合される。
【0014】
後者の場合でもやはり、劇場をある場所から別の場所へ移す際に、劇場の様々な部品を収納し、劇場の搬送及び保護を容易にする容器は提供されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第2837863号明細書
【特許文献2】米国特許第1600554号明細書
【特許文献3】米国特許第2368188号明細書
【特許文献4】米国特許第3961426号明細書
【特許文献5】韓国公開特許第20-2010-0008300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来技術の観点から、本発明が取り組む技術的問題は、非常に単純で効果的な構造体を有する、コンパクトで容易に搬送することができる携帯型人形劇場を提供することであると考えられ得る。
【0017】
本発明の目的は、非常に効率的で、比較的費用効果のある携帯型人形劇場を提供することによって、上述の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の特定の目的は、典型的な人形劇場の全ての機能を提供しながら、占有する空間が非常に小さい劇場を提供することである。
【0019】
これら及び他の目的は、以下でより明確に説明されるように、請求項1に記載される携帯型人形劇場によって果たされ、携帯型人形劇場は、1対の側壁と、観客と面するように設計された中央開口部を有する前方壁と、1つ又は複数の背景及び幕を画定する複数の内壁と、略鉛直位置にある該側壁及び該前方壁を覆うように適合された略水平のカバー要素とを備え、該側壁及び該前方壁は、ヒンジ式に共に結合し、該壁が互いに重なり合う関係にある潰れた構成から、該壁が直角をなし、略鉛直である起立構成に変わる、又はその逆に変わるように適合された、折り畳み可能な構造体を形成する。
【0020】
カバー要素は蓋の形態であり、平らな中央部分及び上向きに折り曲げられた縁が、該内壁、及び、潰れた構成にある該耐荷構造体を中に受け入れ、該カバー要素は、反転され、その縁が下方を向き、鉛直位置にある該側壁及び該前方壁と接触するように適合され、該カバー要素の該平らな中央部分は、複数のスリットを有し、該内壁が、該中央開口部に面する位置まで、取り外し可能に上からスリットの中に導入されることが可能となる。
【0021】
図示され記載される1つの実施例では、スリットは略平行であり、一連の後方スリットは、背景を受け入れるように設計され、カバー要素の前方スリットは、幕を受け入れるように設計される。
【0022】
スリットは、対応するスリットの中に上から内壁を導入することを容易にするために、内壁の幅よりもわずかに大きい長さまで延在すると好都合である。
【0023】
図1から
図5に示されるように、内壁は、その上縁に付加部を有し、付加部は、平らな部分に載るようにスリットの端部より先に延在し、スリットの中に導入された内壁を、垂れ下がった状態に保つ。
【0024】
図に示される1つの実施例では、背景を受け入れるように設計された一連のスリットは、1つ又は複数の人形を導入することを容易にするために、幕を受け入れるように設計されたスリットから適切に離間される。
【0025】
好ましくは、折り畳み可能な構造体の前方壁及び側壁は、厚紙、プラスチックペーパー(plastified paper)、又はプラスチック積層体などのシート材のユニットパネルから形成され、ユニットパネルは、適切に型抜きされ、互いにヒンジ式に結合した、折り重ねられ得る隣接する部分パネルを画定する、折り線が形成される。
【0026】
有利には、部分パネルは、鉛直構成において、起立構成にある折り畳み可能な構造体を、その側壁及び前方壁で安定させるために、カバー要素の平らな部分に形成された対応するスロットに入り込むように適合された、上向きに延在する対応するタブを有する。
【0027】
本発明の更なる特徴及び有利性は、以下の図面を利用して非限定的な実例として説明される、本発明による携帯型人形劇場の好ましい非限定的な実施例の詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】起立構成にある本発明の携帯型人形劇場の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図を詳細に参照すると、携帯型人形劇場の全体が符号1で示され、この携帯型人形劇場は、子供及び大人などの使用者が、様々な年齢の子供の観客の娯楽及び教育のために使用するように設計される。
【0030】
図1に示されるように、劇場1は、1対の側壁2と、観客と面するように設計された中央開口部4を有する前方壁3と、1つ又は複数の背景5A及び幕5Bを画定する複数の内壁5と、側壁2及び前方壁3を覆うように適合されたカバー要素6とを備える。
【0031】
周知のように、側壁2及び前方壁3は、略鉛直であり、ヒンジ式に共に結合し、壁2、3が互いに重なり合う関係にある潰れた構成から、壁2、3が直角をなし、略鉛直である起立構成に変わる、又はその逆に変わるように適合された、折り畳み可能な構造体7を形成する。
【0032】
以下で使用される場合、「潰れた構成」という用語は、折り畳まれた構成を示すことを意図し、折り畳まれた構成では、折り畳み可能な構造体7の側壁2及び前方壁3が、かさばりを最小限にするために重なり合って、収納時の折り畳まれた平らな構造体を形成する。
【0033】
加えて、以下で使用される場合、「起立構成」という用語は、劇場1が、使用するための展開された構造体を形成する構成を示すことを意図し、この構造体は、支持面に対して略直角をなして、鉛直に配置される。
【0034】
有利には、折り畳み可能な構造体7の前方壁3及び側壁2は、厚紙、プラスチックペーパー、又はプラスチック積層体からなる群から、或いは、高い延性特性を有する限りであるが、同様の材料から選択される、シート材のユニットパネル8から形成される。
【0035】
更に、ユニットパネル8は、適切に型抜きされ、潰れた構成から起立構成に変わるために、互いにヒンジ式に結合した、折り重ねられ得る隣接する部分パネル10を画定する、折り線9が形成される。
【0036】
本発明の好ましい実施例では、
図7に示されるように、部分パネル10は少なくとも4つであり得、第1の対の隣接する部分パネル10Aは、前方壁3を画定し、第2の対の端部部分パネル10Bは、1対の側壁2を画定するように適合される。
【0037】
本発明の好ましい実施例では、図に示されるように、ユニットパネル8は、底縁11と上縁12とを有する。劇場1の起立構成では、上縁12は上方に向き、底縁11は、図示されていない支持面に載る。
【0038】
好ましくは、部分パネル10の折り線9は、底縁11から上縁12まで、それらに対して直角をなして延在し得る。
【0039】
本発明の特有の態様では、カバー要素6は蓋の形態であり、平らな中央部分13及び上向きに折り曲げられた縁14が、内壁5、及び、潰れた構成にある折り畳み可能な構造体7を中に受け入れ、反転され、折り曲げられた縁14が下方を向き、起立構成にある側壁2及び前方壁3と接触するように適合される。
【0040】
更に、カバー要素6の平らな中央部分13は、複数のスリット15を有し、内壁5が、中央開口部4に面する位置まで、取り外し可能に上からスリットの中に導入されることが可能となる。
【0041】
従って、
図4及び
図6に最も良く示されるように、カバー要素6も、適切に型抜きされ、平らな中央部分13を画定する折り線9が形成される。縁14は、中央部分13に対して直角に折り曲げられることに留意されたい。
【0042】
有利には、折り畳み可能な構造体7の部分パネル10は、起立鉛直構成において、起立構成にある折り畳み可能な構造体7を、その側壁2及び前方壁3で安定させるために、カバー要素6の平らな中央部分13に形成された対応するスロット17に入り込むように適合された、上向きに延在する対応するタブ16を有する。
【0043】
例示した実施例では、タブ16は、ユニットパネル8の上縁12に形成され、各部分パネル10は、折り畳み可能な構造体7が起立構成にあるときに対応するスロット17と整合する、それぞれの舌状部16を備える。
【0044】
詳細には、
図1から
図3に示されるように、スロット17は、起立構成において、カバー要素6が側壁2及び前方壁3より先に延在しないように、カバー要素6の折り線9に近接して、平らな中央部分13と折り曲げられた縁14との間に形成される。
【0045】
図2及び
図3に示されるように、カバー要素6の複数のスリット15は略平行であり、カバー要素6は、背景5Aを受け入れるように設計された一連の後方スリット15Aと、幕5Bを受け入れるように設計された前方スロット15Bとを備える。
【0046】
代替え的には、スリット15は、本発明の範囲を逸脱しない限り、平行でなくてもよい。
【0047】
スリット15は、対応するスリット15の中に上から内壁5を導入することを容易にするために、内壁5の幅l2よりもわずかに大きい長さl1まで延在すると好都合である。
【0048】
更に、内壁5は、その上縁に付加部18を有し、付加部18は、平らな中央部分13に載るようにスリット15の端部より先に延在し、スリット15の中に導入された内壁5を、垂れ下がった状態に保つ。
【0049】
図1から
図3に示されるように、付加部18は、内壁の長さを、スリット15の長さl
1よりもわずかに大きい長さl
3に延在させるのに十分な大きさであり、内壁5がスリット15の中に導入されるときに、劇場1の中に滑り込むことを防止する。
【0050】
図1に示されるように、1つの内壁5Aが、そのそれぞれのスリット15Aに完全に導入された、折り畳み可能な構造体7の起立構成では、付加部18は、カバー要素6の平らな中央部分13の折り線9より先に延在しないことを留意されたい。
【0051】
図に示される実施例では、背景5Aを受け入れるように設計された一連のスリット15Aは、幕と背景との間に1つ又は複数の人形19を導入することを容易にするために、幕5Bを受け入れるように設計されたスリット15Bから適切に離間される。
【0052】
周知のように、中央開口部4は、略長方形の形状を有し、劇場1の使用者が片手を導入することを可能にし、幕5Bと背景5Aとの間に人形19を導入することを容易にするように適合された寸法を備える。
【0053】
図示されない本発明の代替え的な実施例では、ユニットパネル8の中央開口部4を通して使用者の手を観客の視界に晒すことなく、人形19を、動的に配置及び移動させるために、追加的な一連の開口部が、ユニットパネル8の側壁2に、底縁11において形成され得る。
【0054】
図8及び
図9に概略的に示されるように、人形19は、可撓性材料のストリップ21を有する細長い本体20を含む、略L字の形状を備えることができ、ストリップ21は、細長い本体20から延在し、1つの端部21′が、縦長のスロット22に入り込み、ストリップ21を細長い本体20に対して垂直な位置に保ち、人形19を保持する、又は、それを直立構成に保つように適合される。
【0055】
代替え的には、人形19の細長い本体20は、カバー要素6のスロット17に入り込むことができ、ストリップ21は、縦長のスロット20によって保持され、平らな中央部分13に載ることができ、劇場1の中に人形19が落ちることを防止する。
【0056】
本発明の好ましい実施例では、人形19は、2Dシート媒体に印刷されるが、本発明の範囲を逸脱することなく、3D印刷物などの異なる媒体も使用され得る。
【0057】
本発明の特定の態様によれば、
図10に示されるように、劇場1は、潰れた状態の折り畳み可能な構造体7と、内壁5と、人形19とを収納するカバー要素6を中に受け入れるように適合された基箱23からなる、外側容器を備える。
【0058】
又、上箱24も提供され、これは、劇場1を、その本質的な構成要素が紛失又は損傷する恐れを伴わないことなく劇場の形態で整然と搬送するために、基箱23を閉じるように設計される。
【0059】
従って、劇場1は、典型的な人形劇場の全ての特徴を提供しながらも、空間をほとんど占有しない。
【0060】
好ましくは、外側容器は、物語集、台本、人形を作り変えるための紙の付属品、又は、提供される物語の目的を果たすように適合された他の同等の材料からなる群から選択される、編集用材料を含むことができる。
【0061】
本発明の更なる好ましい実施例では、
図11に示されるように、前方壁3を画定する第1の対のパネル10Aは、同一平面上のパネル10aを起立構成に保ち、従って、劇場1が、起立構成から潰れた構成に所望せず変わることを防止するように適合された、補強手段25を備えることができる。
【0062】
補強手段は、第1の対の隣接する部分パネル10Aのそれぞれに形成されたバックル又はポケット25Bに入り込むように適合された端部を有する、シート材のストリップ25Aを備えることができる。
【0063】
使用する際に劇場1は、以下のように組み立てられる。
【0064】
まず、使用者が容器にアクセスすることができるように、基箱23から上箱24が外され、それから、人形19、内壁5、及び折り畳み可能な構造体7が、カバー要素6から取り出される。
【0065】
その後、折り畳み可能な構造体7は、壁2、3が互いに重なり合う関係にある潰れた構成から、側壁2が前方壁3に対して直角をなし、ユニット要素8の底縁11が支持台に載る、起立構成に展開される。
【0066】
カバー要素6は、反転されて、折り曲げられた縁14が下方を向き、第1の対の隣接するパネル10A及び第2の対の端部パネル10Bのタブ16が、カバー要素6のそれぞれのスロット17に入り込むように、起立構成にある側壁2及び前方壁3と接触する。
【0067】
ここで、幕5Bが、カバー要素6の前方スリット15bに容易に導入され、背景5Aは、対応する後方スリット15Aに導入され、人形19は、細長い本体20の縦長のスロット22にストリップ21の端部21′を入り込ませ、人形19を支持面に配置することによって設置される。
【0068】
代替え的には、本発明の範囲を逸脱することなく、別の組み立て順序を使用することもできる。
【0069】
例えば、折り畳み可能な構造体7が展開されると、シート材のストリップ25Aが補強手段25Bに入り込み、同一平面上の部分パネル10Aを起立構成に保つことができる。
【0070】
上記の内容から、劇場1が意図した目的を果たし、特に、コンパクトで、搬送が容易である構成と、とても単純で効果的な構造体とを有することが理解されるであろう。
【0071】
本発明の劇場は、添付の特許請求の範囲で開示される本発明の概念の範囲内で、多くの変更及び変形が可能である。
【0072】
添付の図面を詳細に参照して劇場を説明したが、本開示及び特許請求の範囲で言及される符号は、単に本発明をより良く理解するために使用され、いかなる方法でも特許請求された範囲を限定することを意図するものではない。
【0073】
本明細書での「1つの実施例」又は「本実施例」又は「いくつかの実施例」への参照は、説明されている特定の特徴、構造体、又は要素が、本発明の主題の少なくとも1つの実施例に含まれることを示す。
【0074】
更に、特定の特徴、構造体、又は要素は、1つ又は複数の実施例を提供するために任意の適切な方法で組み合わされ得る。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、ボードゲームの分野において工業的規模で生産され得るため、産業上の利用可能性を見出すことができる。
【国際調査報告】