(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(54)【発明の名称】近位圧迫のための弾性のあるアームを有する骨クリップ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/84 20060101AFI20220301BHJP
A61B 17/82 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A61B17/84
A61B17/82
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541479
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2020013568
(87)【国際公開番号】W WO2020150279
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ダブリュー・セイコラ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・シー・スセック
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・ウィダム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL21
4C160LL25
4C160LL27
4C160LL29
4C160LL31
4C160LL70
(57)【要約】
骨を安定させるためのデバイスおよび方法。このデバイスおよび方法は、骨を安定させるとき、よりバランスのとれた近位および遠位圧迫を与え得る。例示的なデバイスは、第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材を含んでもよい。デバイスはまた、固定端と自由端との間に延び、第1の脚部からおよび/または第1の脚部に隣接するブリッジの端部領域から突き出た、弾性のあるアームを含んでもよい。固定端および自由端の中間の弾性のあるアームの少なくとも一部分は、第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域から間隔をあけられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を安定させるためのデバイスであって、
第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材と、
固定端と自由端との間に延び、前記第1の脚部からおよび/または前記第1の脚部に隣接する前記ブリッジの端部領域から突き出た、弾性のあるアームと、
を備え、前記固定端および前記自由端の中間にある前記弾性のあるアームの少なくとも一部分が、前記第1の脚部の上側領域に内方で近接し、前記第1の脚部の上側領域から間隔をあけられる、デバイス。
【請求項2】
前記ステープル部材が、前記第1および第2の脚部が互いに平行である応力をかけられた構成を有しており、前記応力をかけられた構成では、前記弾性のあるアームと、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の中心にある平面との間の最小距離が、前記第1の脚部と前記平面との間の最小距離よりも小さい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記弾性のあるアームおよび前記第1の脚部が、合わせて最大幅を有し、前記ステープル部材が前記応力をかけられた構成のままでありながら、前記弾性のあるアームが、前記最大幅を縮小するように弾性的に変形可能であるように構成される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記弾性のあるアームの一部分と前記第1の脚部の前記上側領域との間の分離距離が、前記デバイスが骨に取り付けられるとき、前記弾性のあるアームの弾性変形によって縮小するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記弾性のあるアームの前記固定端が、前記自由端よりも前記ブリッジから遠い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ステープル部材がゆるんだ構成を有し、前記第1および第2の脚部が、前記ゆるんだ構成ではそれらのそれぞれの縦軸に沿って前記ブリッジから互いに近づき合うように延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスがゆるんだ構成を有し、前記弾性のあるアームの前記固定端および前記自由端に直線が交わり、前記デバイスが前記ゆるんだ構成であるとき、前記直線は、前記第1の脚部の縦軸に対して平行の30度以内である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記弾性のあるアームの前記固定端および自由端のうちの一方が上側端部であり、前記弾性のあるアームの前記固定端および自由端のうちの他方が下側端部であり、前記第1の脚部および前記弾性のあるアームが、前記第1の脚部の外側から前記弾性のあるアームの内側まで測定された総幅を有し、前記デバイスがゆるんだ構成であるとき、前記総幅が、前記弾性のあるアームの前記下側端部近くの前記ブリッジから離れて次第に細くなる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスがゆるんだ構成であるとき、前記弾性のあるアームが、前記固定端を除いて、前記弾性のあるアームの全長に沿って前記ステープル部材から間隔をあけられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記弾性のあるアームが湾曲した縦軸を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記弾性のあるアームが、第1の弾性のあるアームであり、前記第2の脚部から、および/または前記第2の脚部に隣接する前記ブリッジの端部領域から突き出た第2の弾性のあるアームをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ステープル部材が、前記第1および第2の脚部が互いに平行であり、かつ前記第1の弾性のあるアームと前記第2の弾性のあるアームとの間の最小距離が、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の最小距離よりも小さい、応力をかけられた構成を有する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の弾性のあるアームおよび前記第2の弾性のあるアームが、前記ステープル部材が前記応力をかけられた構成のままでありながら、前記第1の弾性のあるアームと前記第2の弾性のあるアームとの間の前記最小距離を増やすために弾性的に変形するように構成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスが、ニッケルチタン合金で構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ステープル部材が平面を定義し、前記ステープル部材および前記弾性のあるアームが、前記平面と直交する、互いと同じ厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ステープル部材および前記弾性のあるアームが、互いと一体的に形成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスが、ただ1つの個別部品である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ステープル部材が、前記ブリッジによって互いに接続された少なくとも3つの脚部を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
各脚部が、骨または骨断片に形成された穴に位置している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
請求項1に記載のデバイスを使用して骨を安定させる方法であって、
請求項1に記載のデバイスを選択するステップと、
骨に第1の穴および第2の穴をあけるステップと、
前記第1の脚部および前記弾性のあるアームを前記第1の穴に、前記第2の脚部を前記第2の穴に挿入するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の相互参照
本出願は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月17日に出願された米国特許出願第16/250,869号のパリ条約に基づく利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
骨クリップは、骨ステープルとも呼ばれ、骨を安定させるための留め具である。クリップは、骨折、切断、または解剖学的関節など、骨の不連続部をまたぐように、1つまたは複数の骨に取り付けられる場合がある。取り付けられるとクリップは、治癒および/または癒合を促すために、不連続部にわたって圧迫を加える。
【0003】
骨22に挿入中および挿入後の、従来技術を表す例示的な骨クリップ20を、それぞれ
図1および
図2に示している。骨には骨折24があり、骨断片26、28を作っている。クリップ20は、ブリッジ32で互いに接続された一対の鋸歯状の脚部30を有する。脚部30は、クリップ20が変形されていない、ゆるんだ構成であるとき、ブリッジ32から収束経路(convergent path)に沿って延びる(図示せず)。クリップ20は、弾性的に変形可能な材料で構成され、クリップが挿入ツール34で一時的に応力をかけられた構成で設置され、保持されるのを可能にする。たとえば、ツール34は、ブリッジ32に曲げモーメントを加える上側および下側の顎部36、38を有してもよく、
図1に示す応力をかけられた構成で脚部30を互いに実質的に平行になるように向きを変える。ツール34は応力をかけられた構成でクリップ20を維持し、脚部30は、断片26、28の平行な、あらかじめあけられた穴42に、40に示されるように、挿入されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2は、脚部30が穴42に完全に挿入され、挿入ツール34が取り外された後のクリップ20を示す。クリップ20は、脚部30を顎部とする、ばねクランプとして働く。クリップ20の応力をかけられた構成で蓄積されたエネルギーが解放されて、骨折24にわたって圧迫を加えるので、脚部は、骨断片26、28を互いに向かって動かす。しかしながら、この設計は骨折24に沿って一様に圧迫を加えない。代わりに、
図2に示すように、圧迫量は、ブリッジ32からの距離に関係し、脚部30の自由端間の遠位圧迫44は近位圧迫46よりもかなり大きい。圧迫力のこの差は、異なるサイズの力矢印および骨折部位の近位の残りの隙間によって示される。改善された骨クリップが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、骨を安定させるためのデバイスおよび方法を提供する。このデバイスおよび方法は、骨を安定させるとき、よりバランスのとれた近位および遠位圧迫を与え得る。例示的なデバイスは、第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材を含んでもよい。デバイスはまた、固定端と自由端との間に延び、第1の脚部からおよび/または第1の脚部に隣接するブリッジの端部領域から突き出た、弾性のあるアームを含んでもよい。固定端および自由端の中間の弾性のあるアームの少なくとも一部分は、第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域から間隔をあけられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】従来技術を表す骨クリップの取付け中にとらえられた、骨クリップの脚部が骨のあらかじめあけられた穴に進められ、骨クリップが弾性的に変形され、例示的な挿入ツールによって応力をかけられた構成で保持されている、骨折した骨の部分断面図である。
【
図2】骨クリップの取付けが完了された後にとらえられた、骨折に沿った一様でない圧迫を示す、
図1の骨折した骨の部分断面図である。
【
図3】骨クリップが、それぞれの脚部から突き出し、よりバランスのとれた骨の圧迫を与えるように構成された一対の弾性のあるアームを有する、ゆるんだ構成の例示的な骨クリップの正面図である。
【
図4】例示的な挿入ツール(断片的に示す)によって弾性的に変形された構成で保持されている
図3の骨クリップの正面図である。
【
図5】
図4の挿入ツールを使用して
図3、
図3A、および
図4の骨クリップを取り付けている間にとらえられた、
図1の骨折した骨の断面部分図である。
【
図6】
図4の挿入ツールを使用して
図3、
図3A、および
図4の骨クリップを取り付けている間にとらえられた、
図1の骨折した骨の断面部分図である。
【
図7】
図4の挿入ツールを使用して
図3、
図3A、および
図4の骨クリップを取り付けている間にとらえられた、
図1の骨折した骨の断面部分図である。
【
図8】
図4の挿入ツールを使用して
図3、
図3A、および
図4の骨クリップを取り付けた後にとらえられた、
図1の骨折した骨の断面部分図である。
【
図10】骨クリップのブリッジから突き出た弾性のあるアームを有する例示的な骨クリップの部分正面図である。
【
図11】両端部で固定されたばね部材を有する例示的な骨クリップの部分正面図である。
【
図12】同じ脚部と関連する一対の弾性のあるアームを有する例示的な骨クリップの部分正面図である。
【
図13】同じ脚部と関連する一対の弾性のあるアームを有する別の例示的な骨クリップの部分等角図である。
【
図14】関連する脚部によって定められるスロットから突き出た弾性のあるアームを有する例示的な骨クリップの部分等角図である。
【
図15】弾性のあるアームとそれぞれ関連する4つの同一平面上の脚部を有する例示的な骨クリップの等角図である。
【
図16】弾性のあるアームとそれぞれ関連する3つの脚部の三角形の配置を有する例示的な骨クリップの等角図である。
【
図17】弾性のあるアームとそれぞれ関連する4つの脚部の矩形の配置を有する例示的な骨クリップの等角図である。
【
図18】一対の細長いヒンジ部材を有する例示的な複数ピースの骨クリップの等角図である。
【
図19】応力をかけられた構成で配置され(すなわちそれの脚部が互いに平行である)、一対の弾性のあるアームおよび傾斜したブリッジを有する例示的な骨クリップの正面図である。
【
図20】応力をかけられた構成で配置され(すなわちそれの脚部が互いに平行である)、一対の弾性のあるアームおよび段のあるブリッジを有する例示的な骨クリップの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、骨を安定させるためのデバイスおよび方法を提供する。このデバイスおよび方法は、骨を安定させるとき、よりバランスのとれた近位および遠位圧迫を与え得る。例示的なデバイスは、第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材を含んでもよい。デバイスはまた、固定端と自由端との間に延び、第1の脚部からおよび/または第1の脚部に隣接するブリッジの端部領域から突き出た、弾性のあるアームを含んでもよい。固定端および自由端の中間の弾性のあるアームの少なくとも一部分は、第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域から間隔をあけられてもよい。
【0008】
骨を安定させるための別の例示的なデバイスを提供する。このデバイスは、第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材を含んでもよい。このデバイスはまた、第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域に枢動可能に接続されたアームを含んでもよい。アームは、第1の脚部の下側領域に堅固に付けられてもよい。
【0009】
デバイスを用いて骨を安定させるための例示的な方法を提供する。この方法では、第1の穴および第2の穴が、骨にあけられる。デバイスの第1の脚部およびアームは、第1の穴に挿入されてもよく、デバイスの第2の脚部は、第2の穴に挿入されてもよい。
【0010】
以下のセクション、すなわち(I)近位圧迫のための骨クリップの概要、(II)骨クリップを用いて骨を安定させるための方法、(III)実施例において、本開示のさらなる態様を説明する。
【0011】
I. 近位圧迫のための骨クリップの概要
このセクションは、骨クリップ50によって例示されるように、少なくとも1つのばね部材および/またはアームを使用して近位圧迫を与える骨クリップの概要を提供する。
図3、
図3A、および
図4参照。
【0012】
骨クリップ50は、
図3および
図3Aではゆるんだ構成で、
図4では応力をかけられた構成で示されている。クリップ50は、一対の脚部56に結合され、これらを相互に接続しているブリッジ54を有するステープル部材52を含む。各脚部56は、ブリッジ54との接続部を形成する上側端部58(互換的に近位端部と呼ばれる)と、ブリッジ54から最も遠い下側端部60(互換的に遠位端部と呼ばれる)とを有する。「上側」および「下側」、ならびに「近位」および「遠位」という用語は、ブリッジ54への相対近接度によって定義され、上側および近位が、下側および遠位よりもブリッジに近い。「内側」および「外側」という用語は、以下で定義するように、それぞれ中心平面および/または中心軸により近い、およびそれらからより遠い。他の実施形態では、骨クリップ50は、少なくとも3つまたは少なくとも4つの脚部56を有する場合がある(たとえば、セクションIIIの実施例2参照)。
【0013】
ばね部材62が、少なくとも1つの脚部56と関連していてもよく、またはそれぞれのばね部材62が、図示の実施形態のように各脚部56などの少なくとも2つの脚部と関連していてもよい。より具体的には、各ばね部材62は、脚部56の1つからおよび/または脚部に隣接するブリッジ54の端部領域から突き出てもよい。図示の実施形態では、各ばね部材62は、脚部56から近位に突き出て、遠位固定端66と、近位自由端68とを有するアーム64である。アーム64は、弾性のあるアームとして説明され得る(すなわちアームは弾性的に変形可能であり、それによりアームは、片持ちばねなどのばねとして機能することが可能になる)。他の実施形態では、固定端66は近位であり、自由端68は遠位であり、ばね部材62の両端は固定端であり、かつ/またはばね部材62は、脚部56の1つと関連する一対の弾性のあるアーム64を含む(セクションIIIの実施例1参照)。他の実施形態では、骨クリップは、互いに枢動可能に接続された複数の個別部品を含む(セクションIIIの実施例3参照)。
【0014】
ばね部材62および/またはアーム64は、任意の好適な特性を有してもよい。ばね部材62の少なくとも一部分70および/またはそれの両端の中間のアーム64は、関連する脚部56の上側領域72に内方で近接して位置し、関連する脚部56の上側領域72から間隔をあけられていてもよい。本明細書で使用する「内方に」という用語は、骨クリップ50の異なる脚部56に少なくとも概ね向かっている、および/または、ブリッジ54と交差し、脚部56の間の中心にある中心平面74(および/または中心軸75)に少なくとも概ね向かっていることを意味する。「内側」および「外側」という用語は、それぞれ中心平面74または中心軸75により近い、およびそれからより遠い。たとえば、図示の実施形態では、各脚部56は、鋸歯状の内側と、滑らかな外側とを有する。
【0015】
部分70(および/または自由端68)は、関連する脚部56の上側領域72から、脚部56間の最大距離の約25%、20%、もしくは15%未満、および/またはこの最大距離の約2%、3%、4%、もしくは5%を超えるなど、好適な距離だけ間隔をあけられてもよい。骨断片および/または骨間の接触面から骨が再び吸収されるとき、動的に圧迫を維持するために、場合によってはより大きい間隔が好ましいことがある。
【0016】
ばね部材および/またはアームは、それの両端間に延び、縦軸を定めてもよく、縦軸は、特に直線的または湾曲していてもよい。湾曲は、たとえば、図示の実施形態のように、中心平面74および/または中心軸75に対して凸であってもよい。湾曲した縦軸が、ばね部材および/またはアームに2つの別個のばね定数、すなわち、もしあれば、自由端68と上側領域72との間の隙間を閉じるための第1のばね定数と、もしあれば、ばね部材および/またはアームの湾曲を減らすための第2のばね定数とを与え得るとき、湾曲した縦軸が、場合によっては好ましい。
【0017】
脚部56は、
図3および
図3Aに示すように、骨クリップ50がゆるんだ構成であるとき、ブリッジ54から互いに近づき合うように延びてもよい。言い換えれば、脚部56の上側端部58は、下側端部60の互いまでよりも、互いからかなり遠くてもよい。各脚部は、中心平面74に平行であるそれぞれの平面と(および/または中心軸75に平行であるそれぞれの軸と)、特に、少なくとも約5度もしくは10度、および/または約5度~25度、または10度~20度など、任意の好適な角度を形成してもよい。脚部56は、平面および/または軸と同じサイズの角度を形成してもよい。
【0018】
骨クリップ50が、骨への挿入前または挿入中に、挿入ツール34によって応力をかけられた構成で保持されているとき、脚部56は、
図4のように、互いに実質的に平行であってもよい。挿入ツール34は、変形応力をかけるために(
図1のように)骨クリップ50のブリッジ54のみに係合してもよい。他の実施形態では、挿入ツール34は、骨クリップのブリッジ54および脚部56、または脚部56のみに係合してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、骨クリップ50は、挿入ツール34が骨クリップ50と動作可能に係合するのを容易にするために、タブ76などの1つまたは複数の突起を有してもよい。各突起は、本明細書に示すように、ブリッジ54からそれの端部で縦方向にブリッジ54の上側、ブリッジ54の前および/もしくは後ろ側、ブリッジ54の底部側、ならびに/または脚部56の1つなど、ステープル部材52の任意の好適な位置から突き出てもよい。各突起は、ステープル部材から突起を折り取ること、もしくは切断することによって、ステープル部材52から取り外されるように構成されてもよく、または突起は、骨クリップ50が患者に埋め込まれた後にステープル部材52に付けられたままになるようにサイズ決定され、位置決めされてもよい。
【0020】
挿入ツール34は、ステープル部材52に曲げモーメントを加えることによってブリッジ54を変形させてもよい。ブリッジ54は、
図3に示すように、ステープル部材52のゆるんだ構成で上方へ曲げられてもよく(または真っ直ぐでもよく)、
図4に示すように、ステープル部材52の応力をかけられた構成で、湾曲が少なくなってよくかつ/または下方へ曲げられてもよい。挿入ツール34は、ブリッジ54に沿って中心に下方の応力、およびブリッジ54の端部のより近くに上方の応力を加えることによって、曲げモーメントをもたらしてもよい。たとえば、図示の実施形態では、挿入ツール34は、タブ76と結合するそれぞれの切り抜き80がある一対のリム78を有する。リム78はその場合、互いに向かって回転され、それにより各リム78の先端82が、ブリッジ54の中心領域を下方に押すようになり、各切り抜き80の壁が、タブ76の1つを上方に引っ張る。リム78はその場合、脚部56が骨に挿入されるまで、骨クリップ50を
図4の応力をかけられた構成で維持するために、互いにロックされてもよい。
【0021】
各アーム64は、骨クリップ50が
図4の応力をかけられた構成であるとき、それの関連する脚部56よりも、中心平面74および/または中心軸75に近くてもよい。言い換えれば、アーム64と平面74および/または軸75との最小距離84は、脚部56と平面74および/または軸75との最小距離86よりも小さくてもよい。骨への骨クリップ50の挿入は、骨クリップが
図4の応力をかけられた構成で保持されながら、以下でさらに説明するように、少なくとも1つのアーム64を弾性的に変形させることによって距離84を増やしてもよい。
【0022】
本開示の骨クリップは、任意の好適な構造および組成を有してもよい。各骨クリップは、
図3のように、ただ1つの部品(すなわち、一体構造)として形成されてもよく、または、互いに動かせるように接続された2つ以上の個別部品を含んでもよい(たとえば、セクションIIIの実施例3参照)。ブリッジ54、脚部56、(1つもしくは複数の)ばね部材62(および/または(1つもしくは複数の)アーム64)、ならびにタブ76(ある場合)の任意の組合せが、互いに一体的に形成されてもよい。骨クリップは、金属(ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム、マグネシウム、マグネシウム合金など)、ポリマー、または同様のものなど、任意の好適な生体適合性材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、骨クリップは、ニッケルおよびチタンの一般的にほぼ同量の合金である、ニチノールとしても知られるニッケルチタンで構成されてもよい。ニッケルチタンは、形状記憶合金として説明される場合がある。
【0023】
骨クリップ50は、前側88と後ろ側90との間で測定された一様な厚さを有してもよい(
図3A参照)。側面88、90は、実質的に、互いに平行な平面であってもよい。したがって、骨クリップは、クリップを平板から切り取ることによって製造されてもよい。骨クリップ50の厚さは、(ブリッジおよび脚部が定める平面で測定された)ブリッジ54および/または各脚部56の平均の幅よりも大きい、それとほぼ同じ、またはそれよりも小さくてもよい。たとえば、その厚さは、ブリッジおよび/または各脚部の平均の幅の少なくとも約25%であってもよい。
【0024】
好適である可能性がある骨クリップ50のさらなる態様について、セクションIIおよびセクションIIIなど、本明細書の他の場所で説明する。
【0025】
II. 骨クリップを用いて骨を安定させる方法
このセクションは、弾性のあるアーム64と各々関連する2つの脚部56を有する
図3、
図3A、および
図4の骨クリップ50で例示するように、本開示の骨クリップを用いて骨を安定させる例示的な方法について説明する。
図4~
図9参照。ここで説明するステップは、本開示の骨クリップのいずれかを使用して、任意の好適な順序および組合せで行われる可能性がある。
【0026】
安定させる骨が選択され得る。骨は、単一の骨22、または(たとえば、互いに癒合される)少なくとも一対の隣接する骨である場合がある。単一の骨の場合、骨は、(
図5に示すような)骨折24、(骨切り術のための)切断、構造的な弱さなどを有することがある。好適である可能性がある例示的な骨は、腕の長骨(上腕骨、尺骨、および/または橈骨)、手の骨(手根骨、中手骨、および/または指骨)、脚の長骨(大腿骨、脛骨、および/または腓骨)、足の骨(距骨、踵骨、足根骨、中足骨、および/または趾骨)、骨盤、肋骨、胸骨、椎骨、鎖骨、肩甲骨、または同様のものを含む。骨は、外科的処置の間のみ、骨クリップによって一時的に、または骨クリップが患者に埋め込まれた後に任意の好適な時間の間より永続的に、安定させてもよい。したがって、骨クリップは、骨折固定、骨切り術固定、解剖学的関節の骨の癒合、一時的な整復(reduction)などのために使用されてもよい。
【0027】
骨を安定させるために骨クリップが選択され得る。骨クリップは、2つの脚部を有してもよく、または3つ以上の脚部を有してもよい。骨クリップのサイズは、安定させる骨のサイズおよび安定した後に骨にかかる負荷の大きさに従って選ばれてもよい。
【0028】
選択された骨に、穴42があけられてもよい。骨クリップ50の各脚部56を受け入れるために、別個の穴42があけられてもよい。穴は、受け入れられる脚部56の長さよりもわずかに深くてもよい。穴は、選択された骨にある不連続部(たとえば、骨折24)が、クリップの一対の脚部56の中間にあるように位置決めされてもよい。各穴42は、選択された骨の局所外面に概ね垂直にあけられてもよく、穴は、互いに平行にあけられてもよい。断片26、28間に小さい隙間96が存在する場合があるが、穴は、骨片が位置合わせされ、それの表面(たとえば、骨折または切断表面92、94)が近づけられた後に、あけられてもよい。穴42は、穴間の最小距離98が実質的に脚部56間の最小距離100に一致するように、互いに間隔をあけられてもよい。アーム64間の最小距離102は、一般的に距離98(および距離100)よりも小さい。各穴42は、直径D1を有し、骨クリップ50は、骨クリップによって定められる平面で測定された、対応する脚部56およびアーム64の、合わせてゆるんだ状態の最大幅D2を定義してもよい。一般的には、D1 ≧ D2である。
【0029】
骨クリップ50は、挿入ツール34を用いて応力をかけられた構成に変形されてもよい。挿入ツールは、
図6および
図7に示すように、骨クリップ50の脚部56がそれぞれの穴42に実質的に完全に挿入されるまで、応力をかけられた構成で骨クリップを保持してもよい。
図7に示すように、挿入のプロセスは、アーム64が(
図5と比べて距離102を増やすために)変形によって互いから離れてさらに動くようにしてもよい。挿入の開始時には骨断片または骨間の小さい隙間96が存在し得るので、骨断片26、28もまた、(近位に距離98を縮小するように(
図5参照))互いにより近づけられ得る。この動きは、脚部56の近位部分およびそれらの隣接するアーム64が穴42に挿入されるにつれて、アーム64によって穴42の近い側104にかかる力によって作り出され得る(
図7参照)。もしあれば、骨断片26、28間の隙間は、アーム64によって加えられる近位圧迫106に応じて、近位のみ閉じられ得る。アームは、各穴42の近い側104との接触によってそれらの関連する脚部56に向かって圧迫されてもよい。結果として、D
2に対応する総幅(collective width)は減少し得る(同じく
図5参照)。
【0030】
図8は、完全に取り付けられた構成の骨クリップ50を示す。挿入ツール34が取り除かれ、タブ76がブリッジ54から取り外されている。脚部56は、互いにより近づいて、距離100を縮小し、遠位圧迫107をもたらす。圧迫は、従来技術の骨クリップ(たとえば、
図1および
図2参照)を用いるよりも、骨折24に沿ってより一様であり得る。さらに、骨クリップ50は、治癒の間に骨折24の周りで骨吸収が起こる場合、近位圧迫106および遠位圧迫107を加え続けることができる。アーム64が近位圧迫を動的に加えように脚部56から内方に延びるので、この吸収は、距離98をさらに縮小し得る(同じく
図5参照)。(この伸張は、脚部56の外側と対応するアーム64の内側との間で測定される総幅を増やす。)D
1 > D
2のとき、アーム64がそれらのゆるんだ構成に戻っても、脚部56の外側は、穴42の遠い側108と接触しない。
【0031】
図9は、110に示す、近位で広くされた穴42、ただし選択的にそれの遠い側で広げられた穴42に取り付けられた骨クリップ50を示す。このように広げることは、骨クリップ50が取り付けられる前または取り付けられた後に、パンチで行われてもよい。パンチまたは同様のツールの使用は、距離98が同じままでありながら、骨吸収量がより多いこと(したがって骨断片が互いに向かって移動する距離がより大きいこと)に対応するために、近位で穴42の直径を増大させることを可能にする。したがって、最初により広い穴42をあけるのと比べて、取り除かれる骨の全体積をより小さくすることができる。
【0032】
III. (実施例)
このセクションは、骨を安定させるための骨クリップの選択された実施形態、および骨を安定させるために骨クリップを使用する方法について説明する。このセクションで説明するデバイスおよび方法の特徴のいずれも、互いとおよび本開示の他の場所で説明する特徴のいずれかと、任意の好適な組合せで組み合わされてもよい。これらの実施形態は説明を目的としており、本開示の全範囲を限定するものではない。
【0033】
(実施例1)
ばね部材構成
この例は、
図3、
図3A、および
図4~
図9の骨クリップ50に組み込むための例示的な代替ばね部材構成を説明する。
図10~
図14参照。各実施形態について、1つの脚部56およびブリッジ54の端部領域のみが示されている。クリップの各他の脚部56が、ばね部材と関連し、場合によっては図示したものと同様であっても(またはなくても)よい。
【0034】
図10は、ブリッジ54から遠位に突き出ている弾性のあるアーム64の形態のばね部材62を有する骨クリップ50を示す。アーム64の固定端66は、ブリッジ54と脚部56との間の接続部に位置しており、アームの自由端68は、そこから遠位の、脚部56の下側端部60の近くに位置している。
【0035】
図11は、自由端のないばね部材62を有する骨クリップ50を示す。代わりに、両端は、ステープル部材52に固定されている。
【0036】
図12は、一対の弾性のあるアーム64a、64bによって形成されたばね部材62を有する骨クリップ50を示す。各アーム64a、64bが、固定端66と、自由端68とを有する。アーム64aは、ブリッジ54から遠位に突き出て、アーム64bは、脚部56から近位に突き出る。
【0037】
図13は、脚部56からブリッジ54により近い自由端68まで近位に各々延びる、一対の弾性のあるアーム64a、64bを有する骨クリップ50を示す。アームは、脚部56のそれぞれ前側88および後ろ側90に付けられ、ステープル部材52から横方向にずれていてもよい。
【0038】
図14は、脚部56によって定められるスロット112から近位に突き出た弾性のあるアーム64を有する骨クリップ50を示す。スロット112は、アームが変形するとき、アーム64の少なくとも一部がスロットに入ることを可能にするようにサイズ決定されてもよい。
【0039】
(実施例2)
少なくとも3つの脚部がある骨クリップ
この例は、少なくとも3つの脚部を有し、骨に近位圧迫を加えるためのばね部材および/または弾性のあるアームを含む、例示的な骨クリップ50を説明する。
図15~
図17参照。
【0040】
図15は、各々がそれぞれの弾性のあるアーム64と関連する4つの同一平面上の脚部56を有する骨クリップ50を示す。他の実施形態では、脚部56の一部のみが、弾性のあるアーム64と関連する。
【0041】
図16は、各々が弾性のあるアーム64と関連する3つの脚部56の三角形配置を有する骨クリップ50を示す。他の実施形態では、脚部56の一部のみが、弾性のあるアーム64と関連する。
【0042】
図17は、各々が弾性のあるアーム64と関連する4つの脚部56の矩形配置を有する骨クリップ50を示す。他の実施形態では、脚部56の一部のみが、弾性のあるアーム64と関連する。
【0043】
(実施例3)
枢動可能に接続された部材を有する骨クリップ
この例は、少なくとも1つの枢動可能に接続された細長い部材122を含む例示的な骨クリップ120を説明する。
図18参照。
【0044】
骨クリップ120は、一対の脚部56を互いに接続するブリッジ54を有するステープル部材52を含む。ブリッジ54および一対の上側脚部領域124は、本体126によって形成され、ただ1つの部品であってもよい。それぞれの細長い部材122が、上側脚部領域124の遠位端に、枢動可能な接合部128で枢動可能に接続される。細長い部材122は、脚部56の一方の下側脚部領域130を形成し、アーム132もまた形成する。しかしながら、アーム132は、実質的に、骨クリップ50のアーム64よりも変形しにくい可能性がある。アーム132は、下側脚部領域130に堅固に付けられてもよく(たとえば、下側脚部領域と一体に形成されてもよく)、枢動可能な接合部128から近位端134まで、近位に延びてもよい。
【0045】
骨クリップ120は、骨クリップ50についてセクションIIで上述したように取り付けられてもよい。しかしながら、関連する脚部に対するアームの弾性変形ではなく、各細長い部材122の枢動動作が、バランスのとれた近位および遠位圧迫をもたらす。
【0046】
(実施例4)
弾性のあるアームおよび傾斜したまたは段のあるブリッジを有する骨クリップ
この例は、一対の脚部56を互いに接続する傾斜したブリッジ54(
図19)または段のあるブリッジ54(
図20)を有する例示的な骨クリック50を説明する。骨クリップは、応力をかけられた構成(たとえば、
図4と同様)で、脚部56を互いに平行にして、ただし簡略化のために、応力をかけられた構成を作り出す/維持するための挿入ツールがない状態で示されている。各骨クリップ50は、少なくとも1つの脚部56(または図示のように各脚部56)と関連するそれぞれのばね部材62および/または弾性のあるアーム64を有してもよい。この例の骨クリップは、本開示で説明する特徴の任意の好適な組合せを有してもよい。
【0047】
図19は、一方の端部の脚部56と90度未満の角度を、および他方の脚部と90度を超える角度を形成するブリッジ54を示す。本明細書に示すように、骨クリップが応力をかけられた構成であるとき、角度は、合計すると約180度になってもよい。より小さい角度は、特に約85、80、75、70、65、もしくは60度未満であり、かつ/または特に約30、40、45、50、もしくは60度を超えてもよい。
【0048】
図20は、各脚部56と約90度の角度を形成するブリッジ54を示す。しかしながら、ブリッジは、それの両端の中間で急に曲がって、段を形成し、段は脚部を、クリップの中心軸に平行にもう一方に対してずらす。
【0049】
(実施例5)
選択された実施形態
この例は、本開示の選択された態様を、一連のインデックス付きのパラグラフとして説明する。
【0050】
パラグラフ1。骨を安定させるためのデバイスであって、(a)第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材と、(b)固定端と自由端との間に延び、第1の脚部からおよび/または第1の脚部に隣接するブリッジの端部領域から突き出た弾性のあるアームとを備え、固定端および自由端の中間にある弾性のあるアームの少なくとも一部分が、第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域から間隔をあけられる、デバイス。
【0051】
パラグラフ2。ステープル部材が、第1および第2の脚部が互いに平行であり、(それのゆるんだ構成の)弾性のあるアームと、第1の脚部と第2の脚部との間の中心にある平面との間の最小距離が、第1の脚部と平面との間の最小距離よりも小さい、応力をかけられた構成を有する、パラグラフ1に記載のデバイス。
【0052】
パラグラフ3。弾性のあるアームおよび第1の脚部が、合わせて最大幅を有し、ステープル部材が応力をかけられた構成のままでありながら、弾性のあるアームが、最大幅を縮小するために弾性的に変形可能であるように構成される、パラグラフ2に記載のデバイス。
【0053】
パラグラフ4。弾性のあるアームの一部分と第1の脚部の上側領域との間の分離距離が、デバイスが骨に取り付けられるとき、弾性のあるアームの弾性変形によって縮小するように構成される、パラグラフ1から3のいずれかに記載のデバイス。
【0054】
パラグラフ5。弾性のあるアームの固定端が、自由端よりもブリッジから遠い、パラグラフ1から4のいずれかに記載のデバイス。
【0055】
パラグラフ6。ステープル部材がゆるんだ構成を有し、第1の脚部および第2の脚部が、ゆるんだ構成ではそれらのそれぞれの縦軸に沿ってブリッジから互いに近づき合うように延びる、パラグラフ1から5のいずれかに記載のデバイス。
【0056】
パラグラフ7。デバイスがゆるんだ構成を有し、弾性のあるアームの固定端および自由端に直線が交わり、デバイスがゆるんだ構成であるとき、直線は、第1の脚部の縦軸に対して平行の約10、20、25、または30度以内である、パラグラフ1から6のいずれかに記載のデバイス。
【0057】
パラグラフ8。弾性のあるアームの固定端および自由端のうちの一方が上側端部であり、弾性のあるアームの固定端および自由端のうちの他方が下側端部であり、第1の脚部および弾性のあるアームが、第1の脚部の外側から弾性のあるアームの内側まで測定された総幅を有し、デバイスがゆるんだ構成であるとき、総幅が、弾性のあるアームの下側端部近くのブリッジから離れて次第に細くなる、パラグラフ1から7のいずれかに記載のデバイス。
【0058】
パラグラフ9。デバイスがゆるんだ構成であるとき、弾性のあるアームが、固定端を除いて、弾性のあるアームの全長に沿ってステープル部材から間隔をあけられる、パラグラフ1から8のいずれかに記載のデバイス。
【0059】
パラグラフ10。弾性のあるアームが湾曲した縦軸を有する、パラグラフ1から9のいずれかに記載のデバイス。
【0060】
パラグラフ11。弾性のあるアームが、第1の弾性のあるアームであり、第2の脚部から、および/または第2の脚部に隣接するブリッジの端部領域から突き出た第2の弾性のあるアームをさらに含む、パラグラフ1から10のいずれかに記載のデバイス。
【0061】
パラグラフ12。ステープル部材が、第1および第2の脚部が互いに平行であり、かつ第1の弾性のあるアームと第2の弾性のあるアームとの間の最小距離が、第1の脚部と第2の脚部との間の最小距離よりも小さい、応力をかけられた構成を有する、パラグラフ11のデバイス。
【0062】
パラグラフ13。第1の弾性のあるアームおよび第2の弾性のあるアームが、ステープル部材が応力をかけられた構成のままでありながら、第1の弾性のあるアームと第2の弾性のあるアームとの間の最小距離を増やすために弾性的に変形するように構成される、パラグラフ12のデバイス。
【0063】
パラグラフ14。デバイスが、ニッケルチタン合金で構成される、パラグラフ1から13のいずれかに記載のデバイス。
【0064】
パラグラフ15。ステープル部材が平面を定義し、ステープル部材および弾性のあるアームが、その平面と直交する、互いと同じ厚さを有する、パラグラフ1から14のいずれかに記載のデバイス。
【0065】
パラグラフ16。ステープル部材および弾性のあるアームが、互いに一体的に形成される、パラグラフ1から15のいずれかに記載のデバイス。
【0066】
パラグラフ17。デバイスが、ただ1つの個別部品である、パラグラフ1から16のいずれかに記載のデバイス。
【0067】
パラグラフ18。ステープル部材が、ブリッジによって互いに接続された少なくとも3つの脚部を有する、パラグラフ1から17のいずれかに記載のデバイス。
【0068】
パラグラフ19。デバイスが、皮質骨および/または海綿骨に使用されるように構成される、パラグラフ1から18のいずれかに記載のデバイス。
【0069】
パラグラフ20。(i)各脚部が骨もしくは骨断片に形成された穴に位置している、かつ/または(ii)中心軸が脚部間の中心にあり、脚部の上側端部が中心軸に平行に互いに対してずれている、かつ/もしくは中心軸に平行に、脚部の上側端部の互いに対するずれを作り出すためにブリッジが傾斜しているかつ/もしくは段付きである、パラグラフ1から19のいずれかに記載のデバイス。
【0070】
パラグラフ21。パラグラフ1から20のいずれかに記載のデバイスを使用して骨を安定させる方法であって、(i)骨に第1の穴および第2の穴をあけるステップと、(ii)第1の脚部および弾性のあるアームを第1の穴に挿入し、第2の脚部を第2の穴に挿入するステップとを含む、方法。
【0071】
パラグラフ22。挿入するステップが、弾性のあるアームを外へ弾性的に変形させる、パラグラフ21に記載の方法。
【0072】
パラグラフ23。挿入するステップが、骨に近位圧迫を加える、パラグラフ21または22に記載の方法。
【0073】
パラグラフ24。近位圧迫が、部分的に、第1の穴での弾性のあるアームと骨との接触によって加えられる、パラグラフ23に記載の方法。
【0074】
パラグラフ25。デバイスが一対の弾性のあるアームを有し、近位圧迫が、第1および第2の穴で一対の弾性のあるアームによって骨に加えられる、パラグラフ23または24に記載の方法。
【0075】
パラグラフ26。第1の脚部と第1の穴との、および第2の脚部と第2の穴との接触により、骨に遠位圧迫を加えるステップをさらに含む、パラグラフ21から25のいずれかに記載の方法。
【0076】
パラグラフ27。挿入するステップが、ステープル部材が挿入ツールで応力をかけられた構成で保持される間に行われ、第1および第2の脚部の遠位端が、ステープル部材のゆるんだ構成に比べて応力をかけられた構成で互いからより離れており、遠位圧迫を加えるステップが、挿入ツールからステープル部材を解放するステップを含む、パラグラフ26に記載の方法。
【0077】
パラグラフ28。第1および第2の穴が同じ骨に形成され、同じ骨が、第1の穴および第2の穴の中間に骨折または切断を有する、パラグラフ21から27のいずれかに記載の方法。
【0078】
パラグラフ29。挿入するステップが、弾性のあるアームの一部分を第1の脚部により近く動かすステップ、および/または骨断片または異なる骨を互いにより近く動かすステップを含む、パラグラフ21から28のいずれかに記載の方法。
【0079】
パラグラフ30。第1および第2の穴が、穴の中心軸よりも互いに近い、それぞれの近い側を有し、挿入するステップが、弾性のあるアームを第1の穴の近い側と接触して配置する、パラグラフ21から29のいずれかに記載の方法。
【0080】
パラグラフ31。弾性のあるアームが、第1の弾性のあるアームであり、デバイスが、第2の脚部と関連する第2の弾性のあるアームを有し、挿入するステップが、第2のアームを第2の穴の近い側と接触して配置する、パラグラフ30に記載の方法。
【0081】
パラグラフ32。デバイスがゆるんだ構成であるとき、第1の脚部および弾性のあるアームが総幅を有し、挿入するステップが総幅を縮小する、パラグラフ21から31のいずれかに記載の方法。
【0082】
パラグラフ33。骨を安定させるためのデバイスであって、(a)第1の脚部を第2の脚部に接続するブリッジを含むステープル部材と、(b) 第1の脚部の上側領域に内方で近接し、第1の脚部の上側領域に枢動可能に接続されたアームとを備え、アームが第1の脚部の下側領域に堅固に付けられた、デバイス。
【0083】
パラグラフ34。第1の脚部が、第1の脚部の近位端および遠位端の中間に形成された枢動可能な接合部を有し、アームおよび第1の脚部の下側領域が、枢動可能な接合部により第1の脚部の上側領域に対して一体として枢動可能である細長い部材によって形成される、パラグラフ33に記載のデバイス。
【0084】
パラグラフ35。アームおよび第1の脚部の下側領域が、互いに一体的に形成される、パラグラフ33または34に記載のデバイス。
【0085】
パラグラフ36。アームが第1のアームであり、細長い部材が第1の細長い部材であり、第2の細長い部材が、第2のアームおよび第2の脚部の下側領域を形成し、第2の脚部の上側領域に対して枢動可能である、パラグラフ33から35のいずれかに記載のデバイス。
【0086】
パラグラフ37。ブリッジが、第1の脚部の上側領域と、かつ第2の脚部の上側領域と、一体的に形成され、それぞれの細長い部材が、第1の脚部の上側領域および第2の脚部の上側領域の遠位端に枢動可能に接続される、パラグラフ33から36のいずれかに記載のデバイス。
【0087】
上記に記載した開示は、独立した有用性を有する複数の異なる発明を含み得る。これらの発明の各々をそれの好ましい形態で開示したが、本明細書で開示し、例示する特定の実施形態は、数多くの変形形態が可能であるので、限定的な意味で考えられてはならない。本発明の主題は、本明細書で開示する様々な要素、特徴、機能、および/または特性の新規かつ非自明の組合せおよび部分組合せすべてを含む。以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明と見なされるいくつかの組合せおよび部分組合せを詳細に指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組合せおよび部分組合せで具体化される発明が、このまたは関連の出願から優先権を主張する出願において請求され得る。そのような請求は、異なる発明を対象とするものであろうと、同じ発明を対象とするものであろうと、また元の請求に対する範囲がより広くても、より狭くても、等しくても、または異なっても、やはり本開示の発明の主題内に含まれると見なされる。さらに、識別された要素に対する、第1、第2、または第3などの序数標識は、要素間で区別するために使用され、別段に明記されていない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示さない。
【符号の説明】
【0088】
22 骨
24 骨折
26 骨断片
28 骨断片
30 脚部
32 ブリッジ
34 挿入ツール
36 顎部
38 顎部
40 穴
42 穴
44 遠位圧迫
46 近位圧迫
50 骨クリップ
52 ステープル部材
54 ブリッジ
56 脚部
58 上側端部
60 下側端部
62 ばね部材
64 アーム
66 固定端
68 自由端
70 一部分
72 上側領域
74 中心平面
75 中心軸
76 タブ
78 リム
80 切り抜き
82 先端
84 距離
86 距離
88 前側
90 後ろ側
92 切断表面
94 切断表面
96 小さい隙間
98 距離
100 距離
102 距離
104 近い側
106 近位圧迫
107 遠位圧迫
108 遠い側
120 骨クリップ
122 細長い部材
124 上側脚部領域
126 本体
128 枢動可能な接合部
130 下側脚部領域
132 アーム
134 近位端
【国際調査報告】