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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(54)【発明の名称】除雪機用のインペラ設計
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/09 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
E01H5/09 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541523
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2020013601
(87)【国際公開番号】W WO2020150301
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】16/252,205
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タンハネ、プシュカー エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ルソー、ポール エー.
(72)【発明者】
【氏名】デカロリー、ルーカス ジー.
(57)【要約】
【解決手段】 例示的な除雪機械は、第一の段階の雪移動装置および第二の段階の雪移動装置を含む。雪は、第一の段階の入口開口部で受けられ、排出開口部に排出される。第二の段階では、インペラチャンバは第一の段階から雪を受ける。インペラチャンバは、排出開口部に近接した雪受け端部から、排出開口部の遠位端後方に延在する。第一の段階から排出された雪を受けて、第二の排出開口部に雪を送達するために、ハブにおいてインペラ軸の周りを回転可能なインペラがインペラチャンバ内に配置される。インペラは、少なくとも部分的にハブ内に配置されるモータ本体を有するインペラモータによって回転されてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二段階式除雪機械(10)であって、
入口開口部(116)から雪を受けて、前記雪を排出開口部(118)に排出するように構成される第一の段階(100、102)と、
第二の段階であって、
前記排出開口部(118)に近接する雪受け端部(128)から、前記排出開口部(118)の後方の遠位端(130)へと延在するインペラチャンバ(106)であって、第二の排出開口部(126)を含む、インペラチャンバ(106)と、
前記インペラチャンバ(106)内に配置されたインペラ(104)であって、前記インペラ(140)が、インペラ軸(138)を中心に回転可能なハブ(132)を有し、前記第一の段階(100、102)から排出された雪を受け、そして前記第二の排出開口部(126)に前記雪を送達するように構成され、かつ前記ハブ(132)がモータハウジング(140、142)を含む、前記インペラ(104)と、
前記インペラ(104)を回転させるように構成されたモータ(108)であって、前記モータハウジング(140、142)内に少なくとも部分的に収容されるモータ本体(152)を含むモータ(108)と、を備える、第二の段階と、を備える機械。
【請求項2】
前記ハブ(132)が、内側表面(144)を有し、前記ハブ(132)の前記内側表面(144)が、前記モータハウジング(140、142)の内径(148)を画定し、前記モータ本体(152)が、横方向断面寸法(150)を画定し、前記モータハウジング(140、142)の前記内径(148)が、インペラ軸(138)に垂直な平面内での前記モータ本体(152)の前記横方向断面寸法(150)よりも大きい、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項3】
前記インペラ(104)がインペラ直径(156)を画定し、前記ハブ(132)が前記モータ本体(152)の少なくとも一部分を取り囲み、前記ハブ(132)の前記内径(148)が、前記インペラ軸(138)に垂直な平面内で前記インペラ直径(156)の少なくとも25%である、請求項2に記載の機械(10)。
【請求項4】
前記モータ本体(152)がモータマウント(172)に結合され、前記モータマウント(172)が前記モータ本体(152)と前記ハブ(132)の前記内側表面(144)との間に配置される、請求項2に記載の機械(10)。
【請求項5】
前記モータ本体(152)が、前記インペラチャンバ(106)の前記遠位端(130)の前方に延在する、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項6】
前記モータ本体(152)が、前記スピンドル端部(158)から前記スピンドル端部(158)とは反対側の遠位モータ端部(160)まで延在する長さ(154)を有し、前記モータ本体(152)の前記長さ(154)の少なくとも25%が前記ハブ(132)の中へと延在する、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項7】
前記機械(10)を地表面を横切って移動させることができる動力機械に、前記機械(10)を結合するように構成された接続機構(124)をさらに備える、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項8】
前記モータ(108)が、前記モータ本体(152)の前方に延在するスピンドル(109)を含み、前記スピンドル(109)が前記ハブ(132)に結合されて前記インペラ(104)を回転させ、前記モータ本体(152)が、前記スピンドル(109)に近接するスピンドル端部(158)から、前記スピンドル端部(158)とは反対側の遠位モータ端部(160)まで延在する長さ(154)を有し、前記モータ本体(152)の前記スピンドル(109)および前記スピンドル端部(158)が、前記インペラチャンバ(106)内に配置される、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項9】
前記第一の段階が、
雪受け用チャンバを形成するハウジング(100)であって、前記ハウジング(100)が、第一の側壁(112)から、前記第一の側壁(112)とは反対側の第二の側壁(114)まで延在するシュラウド(110)を含み、前記入口開口部(116)が、前記第一の側壁(112)と前記第二の側壁(114)との間に位置し、前記排出開口部(118)が、前記入口開口部(116)とは反対側で、前記第一の側壁(112)と前記第二の側壁(114)との間に位置する、ハウジングと、
前記ハウジング(100)内の、前記第一の側壁(112)と前記第二の側壁(114)との間に配置されたオーガ(102)であって、オーガ軸(120)を中心に回転可能であり、前記入口開口部(116)から雪を受け、そして前記排出開口部(118)に雪を排出するように構成される、オーガ(102)とを備える、請求項1に記載の機械(10)。
【請求項10】
前記オーガ軸(120)および前記インペラ軸(138)が互いに垂直に配置される、請求項9に記載の機械(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、雪を移動するための除雪機械、より具体的には、除雪機械のインペラおよびインペラモータに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
除雪は面倒で費用のかかる作業である。除雪機は、ある場所から別の場所へと雪を除去し、かつ放り投げることができる。除雪機には一般に、私設車道、歩道、道路、鉄道線路、スケート場、滑走路、または家屋など、望まれない場所から雪を除去するための機械が関与する。除雪機は、雪の除去、または「吹き飛ばし」のために一段階もしくは二段階を使用してもよい。こうした除雪装置は、典型的に、雪の放り投げまたは吹き飛ばしに動力を与えるために、電力、またはガソリンもしくはディーゼルエンジンのいずれかを使用する。
【0003】
二段階式除雪機械では、二つのメカニズムによって雪を移動させる。すなわち、オーガがインペラに雪を送り込み、インペラが雪を機械からシュートを通して吹き出す。これらの二段階式除雪機は、一般に、数馬力の小型スタンドアローン型機械から、スキッドステア機械ないし動力が数百馬力の業務用の大型機械用の付属品まで、幅広い範囲に及ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この前述の二段階式オーガ-インペラ配設は、軽くてフワフワした雪にはかなり有効に作動するが、欠点がある。欠点の一つは、インペラの効率である。インペラの流量は、所与の時間の間に移動させうる雪の量に対する寄与因子であるため、除雪機はインペラの流量によって制限される場合がある。インペラの効率が高いほど、機械は、詰まることなくより高速に移動しうる。また、インペラの流量が多いことは、機械が詰まるのを防ぐために役立ちうる。特に、インペラの流量がオーガの流量よりも少ない場合には、機械は詰まった状態になる場合がある。
【0005】
従来の除雪機の別の欠点は、インペラを駆動するモータに必要なパッケージングスペースである。インペラモータは、一般に、雪の入力を受けるハウジングの後ろにある機械の移動軸に沿って配置される(例えば、雪を受ける入口と機械の運転者との間)。この位置が、移動軸に沿った機械の長さを短縮させる能力を制限している。機械の長さが長いほど、特に狭いスペースで、機械の操縦がより困難になる。さらに、機械の長さが長くなると、運転中に機械内の構成要素に対してより強い力が作用しかねない。
【0006】
除雪機械の効率が高いほど、特定の作業を実施するために必要な動力は小さくなる。さらに、除雪機械が非効率であると、運転者は、積もった雪のより小さなセクションを除雪しなければならず、何度も往復し、または機械をゆっくりと運転させなければならない場合があり、これらすべてが、除雪プロセスにかなりの時間を追加することになる。
【0007】
除去する対象の領域から効率的な様態で雪を運び出すことができる除雪装置に対するニーズがある。より大きな流量で雪を吹き飛ばすことを容易にする、より効率的なインペラを備えた除雪機械に対するニーズがある。また、運転中の操縦性を改善し、機械内の構成要素に作用する力を低減させるために、移動軸に沿った長さがより短かい除雪機械に対するニーズもある。
【0008】
除雪の問題に対処する一つの試みは、1969年9月23日に発行されたMattsonらによる米国特許第3,468,041号に記載されている。‘041特許は、軸を中心に回転させて雪を排出するために、ハウジング内で、ハウジングの二つの端壁間に取り付けられたインペラ(例えば、オーガ)を含む、除雪装置を記載している。除雪装置は、インペラを回転するように接続された電動モータと、モータを封入し、端壁のうちの一つからハウジングの中へと延在する密封モータケーシングとを有する。ケーシングは、一つの端壁に固定されている。
【0009】
除雪の問題に対処する一つの試みは、1966年8月23日に発行された、同じくMattsonらによる米国特許第3,267,594号に記載されている。‘594特許は、インペラハウジング内に取り付けられた回転可能なインペラと、電動モータと、モータを完全に封止する細長いケーシングとを含む、除雪装置について記載している。細長いケーシングは、インペラハウジングおよびモータを冷却するために、インペラハウジングと良好な熱交換関係にあるかなりの領域を有する。
【0010】
本開示は、記載されている一つ以上の問題を対象とする。
【0011】
一態様では、本開示は、第一の段階の雪移動装置および第二の段階の雪移動装置を含む除雪機械に関する。第一の段階の雪移動装置は、入口開口部から雪を受けて、排出開口部に雪を排出するように構成される。第二の段階の雪移動装置は、排出開口部に近接する雪受け端部に結合され、かつそこから排出開口部の遠位端後方に延在するインペラチャンバを含む。インペラチャンバ内には、内径を有するハブを含むインペラが配置されている。ハブは、インペラ軸を中心に回転可能で、第一の段階の雪移動装置から排出された雪を受け、それを第二の排出開口部に送達する。モータ本体を含むインペラモータは、インペラを回転させるように構成されてもよく、モータ本体はモータの横方向断面寸法を画定し、モータ本体は、インペラのハブ内に少なくとも部分的に収容されてもよい。ハブの内径は、インペラ軸に垂直な平面内で画定される、モータ本体の横方向断面寸法よりも大きくてもよい。
【0012】
別の態様では、本開示は、雪受け用チャンバを形成するハウジングを含む除雪機械に関する。ハウジングは、第一の側壁から第一の側壁とは反対側の第二の側壁に延在するシュラウドを含んでもよい。ハウジングの入口開口部は、雪を受けてもよい。入口開口部は、第一の側壁と第二の側壁との間に位置してもよい。排出開口部は、入口開口部とは反対側で、第一の側壁と第二の側壁との間に位置してもよい。ハウジング内に取り付けられたオーガは、入口開口部から雪を受けて、排出開口部に雪を排出するように構成されてもよい。インペラチャンバは、オーガから雪を受けるように構成されてもよい。インペラチャンバは、排出開口部に近接した雪受け端部から、排出開口部の遠位端後方に延在してもよい。オーガから排出された雪を受けて、第二の排出開口部に雪を送達するために、ハブにおいてインペラ軸の周りを回転可能なインペラがインペラチャンバ内に配置されてもよい。インペラは、少なくとも部分的にハブ内に配置されるモータ本体を有するインペラモータによって回転されてもよい。除雪機械は、地表面を横断して機械を移動させることができる動力機械にハウジングを結合するように構成された接続機構を含んでもよい。
【0013】
また別の態様では、本開示は、雪受け用チャンバを形成するハウジングを含む除雪機械に関する。ハウジングは、第一の側壁から第一の側壁とは反対側の第二の側壁に延在するシュラウドを含んでもよい。ハウジングの入口開口部は、雪を受けてもよい。入口開口部は、第一の側壁と第二の側壁との間に位置してもよい。排出開口部は、入口開口部とは反対側で、第一の側壁と第二の側壁との間に位置してもよい。ハウジング内に取り付けられたオーガは、入口開口部から雪を受けて、排出開口部に雪を排出するように構成されてもよい。インペラチャンバは、オーガから雪を受けるように構成されてもよい。インペラチャンバは、排出開口部に近接した雪受け端部から、排出開口部の遠位端後方に延在してもよい。オーガから排出された雪を受けて、第二の排出開口部に送達するために、ハブにおいてインペラ軸の周りを回転可能なインペラをインペラチャンバ内に配置してもよい。インペラは、少なくとも部分的にハブ内に配置されるモータ本体を有するインペラモータによって回転されてもよく、またモータ本体はインペラチャンバの遠位端の前方にインペラチャンバの中へと延在する。除雪機械は、地表面を横断して機械を移動させることができる動力機械にハウジングを結合するように構成された接続機構を含んでもよい。
【0014】
図面は、必ずしも実寸に比例して描かれてはおらず、ここでは同様の数字は、異なる図で類似した構成要素を記述する場合がある。異なる文字の添え字を有する同様の数字は、類似した構成要素の異なる事例を表す場合がある。図面は、概して、一例として、ただし限定するものではなく、本明細書において論じた様々な実施例を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、少なくとも一つの実施例による、例示的な二段階式除雪機の正面斜視図である。
図2図2は、少なくとも一つの実施例による、図1の除雪機のインペラおよびモータのスピンドル端の正面斜視図である。
図3図3は、少なくとも一つの実施例による、線A-A’に沿った図1の除雪機の断面側面図である。
図4図4は、少なくとも一つの実施例による、図3の除雪機の断面図の一部分を示す拡大図である。
図5図5は、少なくとも一つの実施例による、図3および図4の除雪機の断面図の一部分を示す、さらなる拡大図である。
図6図6は、少なくとも一つの実施例による、図1の除雪機の背面斜視図である。
図7図7は、少なくとも一つの実施例による、図6の除雪機の背面斜視図の一部分を示す拡大図である。
図8図8は、少なくとも一つの実施例による、別のインペラの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
除雪機とは、雪を除去し、別の場所に放り投げて、または吹き飛ばして、邪魔にならない場所に移動させる機械である。実施例に図示したタイプの除雪機械は、除雪機付属品を地表面を横切って移動させるための原動力を供給するスキッドステア機械に取り付けるための二段階式除雪機付属品であるが、除雪機械は、他のいかなるタイプの除雪機であってもよい。除雪機械はまた、例えば、家庭用のスタンドアローン型の除雪機も含んでもよい。除雪機付属品は、様々な実施例の特徴を開示するために主に例示目的で示されている。
【0017】
本開示では、相対的な用語、例えば、「後方」または「前方」は、前方方向である作動方向に移動する除雪機械に関して記述される場合がある。さらに、用語「後方」または「前方」は、除雪機械のオーガまたはハウジングに関して記述される場合がある。例えば、オーガの後方は、除雪機械が移動軸に沿って作業(例えば、前方)方向に移動するときの、オーガの後方として定義される場合がある。
【0018】
本開示では、「実質的に」などの相対用語は、記述された数値の可能性のある変動(例えば、±10%の変動)を示すために使用される。
【0019】
図1は、雪を移動するための除雪機械10(以下、「機械」という)の実施例を図示する。機械10は、雪受け用チャンバを形成するハウジング100と、ハウジング100内に配置されたオーガ102とを含む、第一の段階を含んでもよい。機械10の第二の段階は、インペラチャンバ106内に配置され、インペラモータ108(図3図7)によって回転されるインペラ104を含んでもよい。これにより雪は、第二の排出開口部126(図3)へ、そして機械10の外の離れた場所に除去するための排出シュート127(図1および図3)へと吹き飛ばされる。
【0020】
例示的な第一の段階では、ハウジング100は、シュラウド110、第一の側壁112、第二の側壁114、雪を受けるように構成された入口開口部116を含んでもよい。ハウジング100はまた、雪を第二の段階(例えば、インペラチャンバ106)へと排出するように構成された排出開口部118も含んでもよい。シュラウド110は、第一の側壁112から第一の側壁112とは反対側の第二の側壁114まで延在してもよい。入口開口部116は、第一の側壁112と第二の側壁114との間に位置してもよい。排出開口部118は、第二の段階へと雪を送達するように構成されてもよく、一実施例では、インペラチャンバ106内にインペラ104を含んでもよい。インペラチャンバ106は、入口開口部116とは反対側で、第一の側壁112と第二の側壁114との間の位置で、ハウジング100から雪を受けてもよい。
【0021】
入口開口部116から雪を受け、雪を排出開口部118に排出するように構成されるオーガ102は、ハウジング100内に配置され、かつハウジング100に結合されてもよい。一部の実施例では、オーガ102(例えば、オーガの少なくとも一部分)は、第一の側壁112と第二の側壁114の間に取り付けられてもよい。オーガ102は、オーガ軸120を中心に回転可能であってもよい。オーガ軸120は、移動軸122に対して垂直(例えば、実質的に垂直)であってもよく、作動方向に移動するとき、それに沿って機械10は移動する。一部の実施例では、機械10は自己推進式である。他の実施例では、機械10は、機械10(例えば、除雪機械、除雪機付属品)を、原動力を提供する動力機械に結合するよう構成された一つ以上の接続機構(図6の124、図7の125)を含んでもよい。こうした動力機械は、地表面を横断して機械10を移動させる能力を有する場合がある。こうした動力機械の一実施例は、スキッドステア機械または除雪機械の付属品(例えば、機械)に結合されてもよい様々なタイプのトラクターを含んでもよい。一部の実施例では、動力機械は、スタンドアローン型の除雪機械のシャーシ、ホイールおよびモータであってもよい。
【0022】
例示的な第二の段階では、インペラ104は、インペラチャンバ106内に配置されてもよい(例えば、少なくとも部分的にその内部に配置されてもよい)。インペラ104は、オーガ102から排出された雪を受け、それを第二の排出開口部126(図3)に送達するように回転されてもよい。インペラチャンバ106は、排出開口部118に近接する雪受け端部128(図1および図4)から、雪受け端部128の後方でそれとは反対側の遠位端130(図4)へと延在してもよい。
【0023】
図2は、図1の例示的なインペラ104をさらに詳細に示す。インペラ104は、ハブ132と、ハブ132から外側に延在する一つ以上のブレード134とを含んでもよい。インペラ104に回転運動を提供するために、インペラ104は、スピンドル-ハブ接続136においてインペラモータ108(図3図7)のスピンドル109に結合されてもよい。スピンドル-ハブ接続136は、ハブ132の中心135に近接して位置してもよい。ハブ132の中心135は、図2に示すように、中心135に近接し、かつ/または中心135を取り囲む、ハブ132の中心部分を含んでもよい。
【0024】
インペラモータ108(図3図7)は、オーガ軸120に垂直で、かつ/または移動軸(図1)と平行(実質的に平行)な、インペラ軸138を中心にインペラ104を回転させてもよい。
【0025】
一部の実施例では、インペラ104は、ブレード134を強化し、使用中にブレード134の屈曲および振動を低減するために、ブレード134とハブ132との間に配置される補強部材133を含んでもよい。
【0026】
ハブ132は、ハブ端部140と、ハブ端部140から後方に延在するモータハウジング壁142とを含んでもよく、モータ108の少なくとも一部分を囲むように構成されてもよいモータハウジングを形成する。一部の実施例では、モータハウジング壁142は、インペラ軸138に沿ってハブ端部140から後方に延在する長さ143を有する円筒形壁を含んでもよい。
【0027】
図3は、少なくとも一つの実施例による、線A-A’に沿った図1の除雪機の全体的な断面側面図を示す。図4および図5は、図3の追加的な拡大図を示す。
【0028】
図3図5に示され、特に図5の拡大図で示されるように、ハブ132は、モータ108のモータ本体152に面する内側表面144と、インペラチャンバ106に面する外部表面146とを有してもよい。外部表面146は、内側表面144とは反対側にあり、その間にハブ132の厚さが形成される。ハブ132は、内径148を含んでもよい。内径148は、モータ本体152の横方向断面寸法150より大きくてもよい。例えば、インペラ軸138に垂直な一つ以上の特定の平面では、ハブ132の内径148は、モータ本体152の横方向断面寸法150より大きくてもよい。一部の実施例では、ハブ132の内径148は、ハブ132が取り囲むインペラモータ108の長さ154、特定の長さ、または全長に沿って、モータ本体152の横方向断面寸法150よりも大きい。
【0029】
図3に示すように、インペラ104は、インペラ直径156を有してもよい。インペラ直径156は、ハブ132の内径148よりも大きくてもよい。インペラ軸に垂直な一つ以上の平面では、ハブ132の内径148は、インペラ直径156の少なくとも20%、または20~80%の範囲内であってもよい。おそらくはより好ましい実施例では、機械10の望ましい特性に応じて、内径148は、インペラ直径156の少なくとも30%、または30~70%の範囲内であってもよい。
【0030】
図3図7に示すように、インペラモータ108は、モータ108の構成要素を封入するモータ本体152(図4および図5)を含んでもよい。図5に示すように、モータ本体152は、回転可能スピンドル109に近接するスピンドル端158から、油圧接続部(例えば、162、図7)を受けるように構成された遠位モータ端160まで延在してもよい。図3図5に示すように、モータ本体152は、インペラチャンバ106内に、および/またはインペラ104のハブ132内に少なくとも部分的に配置(例えば、収容)されてもよい。例えば、ハブ132のハブ端部140は、ハブ132の中心135(図2も参照)で、モータ108のスピンドル109に結合されてもよく、モータハウジング壁142(図5)は、モータ本体152の少なくとも一部分の周りに(例えば、それを取り囲んで、少なくとも部分的に取り囲んで、封止して)モータハウジングを形成してもよい。一部の実施例では、モータ本体152の少なくとも一部分は、インペラチャンバ106の遠位端130の前方に、インペラチャンバ106の中へと延在してもよい。
【0031】
図5に示すように、モータ本体152のスピンドル端部158は、インペラチャンバ106内に配置されてもよい。一部の実施例では、モータ108は、モータ本体152の前方に延在するスピンドル109を含んでもよく、モータ本体152の回転可能スピンドル109および静止しているスピンドル端部158の両方は、インペラチャンバ106内に配置されてもよい。一部の実施例では、モータ108は、一つ以上の締結具168および一つ以上のアイソレータ170によって、一つ以上のモータマウント172に結合されてもよい。一部の実施例では、モータマウント172は、モータ本体152とハブ132の内側表面144との間に配置されてもよい。一部の実施例では、アイソレータ170は、モータ本体152とモータマウント172との間に配置されてもよい。インペラ104がモータ本体152とモータマウント172の周りを自由に回転できるように、ギャップ174が、モータマウント172とハブ132の内側表面144との間に存在してもよい。
【0032】
一部の実施例では、モータ本体152の長さ154の少なくとも10%または10~90%は、インペラチャンバ106および/またはハブ132内に配置されてもよい。おそらくはより好ましい実施例では、機械10の所望の特性に応じて、モータ本体152の少なくとも25%または25~75%が、インペラチャンバ106および/またはハブ132内に配置されてもよい。さらにより好ましい実施例では、モータ本体152の少なくとも30%または30~65%は、インペラチャンバ106および/またはハブ132内に配置されてもよい。インペラチャンバ106および/またはハブ132内に配置されたモータ本体152の少なくとも一部分を有することの一つの利益は、機械10全体の長手方向のパッケージングスペースが縮小されてもよいことである。
【0033】
一部の実施例では、油圧ホース162をモータ108に接続するためのアクセスを提供するために、油圧接続部(例えば、図7の162)を含むモータ本体152の一部分を、インペラチャンバ106の後方に維持することが好ましい場合がある。一部の実施例では、モータ108の長さの100%は、インペラチャンバ106および/またはハブ132内に配置されてもよい。
【0034】
図5に示すように、一部の実施例では、モータ本体152は、モータ本体152の中間部に沿って支持されてもよい。中間部は、スピンドル端部158と遠位モータ端160との間に位置してもよい。一部の実施例では、中間部は、長手方向中間点164の周りを中心としたモータ本体152の長さ154の75%に沿って延在する。おそらくはより好ましい実施例では、中間部は、長手方向中間点164の周りを中心としたモータ本体152の長さの50%に沿って延在する。一部の実施例では、モータ本体152の少なくとも一部分は、モータ本体が中間部近傍において片持ちの様態で支持されるように、インペラチャンバの中へと延在する。
【0035】
図6および図7の拡大図は、少なくとも一つの実施例による、図1の機械10の背面斜視図を示す。図6および図7は、遠位モータ端部160と、インペラチャンバ106の後方に延在する油圧接続部(例えば、162、図7)とを含むモータ108の一部分(図6)を図示する。
【0036】
図7は、図1の機械10で使用されてもよい別の例示的なインペラ204設計を示す。インペラ204は、ブレード234の間に延在して、それらを互いに接続し、かつハブ232に接続する、補強部材233を含んでもよい。補強部材233は、インペラ204を強化し、使用中の振動を低減する場合がある。
【0037】
本明細書に記載の例示的なインペラ104、204を含む機械10の利点の一つは、それらが従来のインペラに優る雪の流量を改善する能力を有する場合があることである。本明細書に記載のインペラ104、204は、流量を改善するためにインペラのハブを最小化する従来のインペラに優る、予想外の結果を提供する。しかしながら、本明細書に記載のようなハブ132、232の設計、サイズおよび形状は、有益な結果をもたらすことが発見されてきた。例えば、一つの利益は、インペラ104、204の流量を増加させることができることである。別の利益は、モータ本体152を少なくとも部分的にハブ132内に収容できることであり、これにより結果的に、機械10(図1)の移動軸122に沿った、モータ108とインペラ104、204を組み合わせた長さが短縮されるだけでなく、機械10全体の長さ(図3)も短縮される。機械10の長さ166(図3)を短縮することで、操縦性や出荷の制約を改善し、機械10を展示するために必要な床面積を低減する場合がある。さらに別の利益としては、モータ本体152を少なくとも部分的にハブ内に取り付けることが、モータ108にかかる負荷を均等にする場合があり、またモータ寿命の延長につながる場合があることを挙げることができる。特に、ハブ132内のモータ108の配置と、モータ108の中間部に沿ったモータ108の支持とによって、モータ108内の軸受にかかる曲げ応力が低減される。
【0038】
本明細書に記載の実施例に従って様々なインペラ設計(104および204など)を使用して実行されるシミュレーションコンピュータモデルでは、インペラ104、204は、ハブ132内にモータ本体152のいかなる部分も収容されていなかった小さなハブを有する、対応する従来のインペラと比較して約100~300%多いという予想外の流量を生成した。
【産業上の利用可能性】
【0039】
概して、前述の開示によって、除雪機械の付属品またはスキッドステアローダの取付物など、様々な産業用途において有用性が見出されるが、スタンドアローン型の除雪機においても有用性が見出される場合がある。本明細書に記載のインペラ104、204は、インペラ104、204から排出される雪の流量を改善を提供する場合がある。ここで、除雪機械10の動作について説明する。
【0040】
機械10の通常運転中、第一の段階で、ハウジング100は、第一の側壁112から第一の側壁112とは反対側の第二の側壁114まで延在するシュラウド110の入口開口部116の中へと雪を受ける雪受け用チャンバを形成する。ハウジング100内で、第一の側壁112と第二の側壁114との間であり、かつ入口開口部116とは反対側に取り付けられたオーガ102は、回転して、受け取った雪を排出開口部118に移動させる。
【0041】
第二の段階では、ハブ132を含み、インペラチャンバ106内に配置されたインペラ104が、雪受け端部128でオーガ102から雪を受ける。インペラ104は、ハブ132内に少なくとも部分的に配置されるインペラモータ108によって回転され、雪受け端部128から第二の排出開口部126に雪を移動させる。
【0042】
インペラモータ108のモータ本体152の少なくとも一部分をインペラ104のハブ132内に位置付けることで、インペラ104から出る雪の流量の改善を提供する場合がある。インペラモータ108を記載されるように位置付けることは、モータ108内部のベアリングにかかる曲げ応力を低減することを含めて、モータ108にかかる望ましくない力も低減する場合がある。
【0043】
本開示の除雪機械に対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。その他の実施形態は、本明細書および開示された機械の実施を考慮することで、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、以下の請求項およびその均等物によって示される真の範囲を有する単なる模範とみなされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】