(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】制汗剤または消臭剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/33 20060101AFI20220302BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20220302BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220302BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220302BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20220302BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20220302BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20220302BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220302BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20220302BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A61K8/33
C11B9/00 Z
A61K8/37
A61K8/34
A61Q15/00
A61Q13/00 101
A61K8/35
A61K8/49
A61K8/40
A61L9/01 H
A61L9/01 J
A61L9/01 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523728
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2020051037
(87)【国際公開番号】W WO2020148392
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミレーヌ テリアン
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェーン サマース
(72)【発明者】
【氏名】アルノー ストリュイゥ
【テーマコード(参考)】
4C083
4C180
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB222
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC061
4C083AC062
4C083AC071
4C083AC082
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC152
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC211
4C083AC212
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4C083AC341
4C083AC342
4C083AC351
4C083AC352
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4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC512
4C083AC532
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4C083AC771
4C083AC772
4C083AC841
4C083AC842
4C083AC861
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4C083AD162
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4C083AD282
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC17
4C083DD08
4C083DD11
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4C083DD31
4C083EE06
4C083EE18
4C083KK02
4C180AA02
4C180AA03
4C180CA01
4C180CA04
4C180CB01
4C180EB01X
4C180EB03X
4C180EB04X
4C180EB05X
4C180EB06X
4C180EB06Y
4C180EB07X
4C180EB07Y
4C180EB08X
4C180EB15X
4C180EC01
4H059BC10
4H059BC23
4H059DA09
4H059EA32
(57)【要約】
本発明は、制汗剤または消臭剤組成物であって、制汗または消臭活性物質;任意選択で担体;および香料原料を含む香料組成物を含み、香料原料が、- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料を含み、群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、制汗剤または消臭剤組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制汗剤または消臭剤組成物であって、
- 制汗または消臭活性物質;
- 任意選択で担体;および
- 香料原料を含む香料組成物
を含み、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、制汗剤または消臭剤組成物。
【請求項2】
前記第1の群の香料原料が、LogP≦2.5を有する香料原料を含み、前記第2の群の賦香化合物が、LogP≧4.5を有する香料原料を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記香料原料が、2~25重量%の間の第1の群Aの香料原料および/または2~25重量%の間の第2の群Bの香料原料を含む、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
臭気検知閾値(ODT)≦2×10
-3μg/Lを有する群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として8%を超える、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記第1の群Aからの香料原料が、2-(4-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)-1-エタノール、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-エチル-3-ヒドロキシ-4(4H)-ピラノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、7-ヒドロキシ-2-クロメノン、フェニルエチルアルコール、アニスアルデヒド、シンナミルアルコール、4-ノナノリド、2-メトキシ-4-(2-プロペン-1-イル)フェノール、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、フェニルエチルアセテート、バニリン、イソオイゲノール、(3aRS,6SR,7aSR)-ペルヒドロ-3,6-ジメチル-ベンゾ[b]フラン-2-オン、エチルブチレート、メチルナフチルケトン、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボアルデヒド、(±)-3-フェニルブタナール、ベンジルアセトン、4-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-ブタノン、5-エチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フラン-3-オン、イソ酪酸エチル、メチルフェニルグリシド酸エチル、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、ベンゼンメタノール、α-メチレン、アセテート、およびこれらの混合物からなる群で選択される、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記第2の群からの香料原料が、(4Z)-4-ドデセナール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、{1-メチル-2-[(1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メチル]シクロプロピル}メタノール、2-メチルウンデカナール、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、(3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1-(2,2,3,6-テトラメチル-シクロヘキシル)-3-ヘキサノール、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、(2e)-トリデカ-2-エンニトリル、プロピオン酸ベルジル、ナフト[2,1-b]フラン、ドデカヒドロ3a,6,6,9a-テトラメチル、パチョロール、アルデヒドC12、1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、(+)-(3R)-1-[(1R,6S)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、(3E,5Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、ペンタデセノリド、(±)-2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-2-プロパンチオール、アルデヒドスプラ、((-)-(2e)-2-エチル-4-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)、イオノンメチル、3-メチル-シクロペンタデカノン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、(±)-(1S,4aR,8S,8aR)-2,2,6,8-テトラメチル-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-1-ナフタレノール、オキサシクロヘキサデカン-2-オン、ムセノンデルタ、デルタダマスコンおよびそれらの混合物からなる群で選択される、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記担体が、液体であり、かつエタノール、水、界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群で選択される、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、無水物である、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記香料組成物が、香料原料に加えて、ジプロピレングリコール、Isopar M(炭化水素C
13~C
14)、Isopar L(炭化水素C
11~C
13)、ミリスチン酸イソプロピル(テトラデカン酸イソプロピル)、クエン酸エチル(2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸トリエチル)、トリアセチン(1,2,3-プロパントリイルトリアセテート)、安息香酸ベンジル、1,3-プロパンジオール、ジヒドロアビエチン酸メチルとテトラヒドロアビエチン酸メチルとの混合物、植物油、例えば、アーモンド油、アルガン油、綿油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ヒマシ油およびそれらの混合物からなる群で選択される溶媒を含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記香料組成物が、2.5~4の間に含まれるlogPおよび/または2×10
-3μg/L以下の臭気検出閾値(ODT)を有し、好ましくは、酢酸リナリル、安息香酸ベンジル、ジヒドロミルセノール、リナロール、スクラレオラート、アセト酢酸エチル、およびそれらの混合物からなる群で選択される、少なくとも10重量%の、群Cの香料原料をさらに含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記制汗剤または消臭剤が、ボディスプレー配合物、固体配合物、ロールオン配合物、およびエアゾール配合物からなる群で選択される、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
香料原料を含む香料組成物であって、
前記香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、香料組成物。
【請求項13】
香料原料を含む組成物の使用であって、
湿潤条件下で前記組成物の嗅覚特性を改変するために、
前記香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、使用。
【請求項14】
組成物の嗅覚特性を改変する方法であって、
(i)香料原料を含む香料組成物を供給する工程であって、
前記香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、前記香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、工程;および
(ii)前記組成物を湿潤条件にさらす工程
からなる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、香料の分野に関する。特に、本開示は、LogPによって定義され、特定の比率に従って使用される香料原料を含む消臭剤または制汗剤組成物を提供する。この組成物を含む分注装置も本発明の対象である。
【0002】
発明の背景
香料産業が直面している問題の1つは、臭気化合物によってもたらされる嗅覚的利益が、それらの揮発性のために比較的急速に失われることにある。香料産業では、特定の期間にわたって同時にいくつかのフレグランスの混合物の賦香効果を延長または増強することが可能な組成物または添加剤に特に関心が集まっている。特に、揮発性が高すぎるか、またはそれ自体では持続性が低いか、または最終用途の表面に少量しか堆積しない標準香料原料の場合、長期間持続する特性を得ることが望ましい。
【0003】
さらに、フレグランスは製品の性能の認識に重要な役割を果たすため、特定の製品に対する消費者の選択を決定することが多い。洗浄剤、硬質表面洗浄剤、または個人用もしくは身体用のケア製品において、フレグランスは、遊離油として組み込まれかつ/またはマイクロカプセルにカプセル化されて、皮膚または布に好ましい匂いを送達する。
【0004】
制汗剤または消臭剤組成物が、適用時のフレッシュさのブーストを示しつつ、時間の経過とともに嗅覚特性が変化するという二重の効果を提供することは興味深いであろう。
【0005】
本開示は、LogPによって定義され、特定の比率に従って使用される香料原料を含む制汗剤または消臭剤組成物を有する溶液を提供する。
【0006】
発明の概要
したがって、本発明の第1の対象は、
- 制汗または消臭活性物質;
- 任意選択で担体;および
- 香料原料を含む香料組成物
を含む制汗剤または消臭剤組成物であって、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、制汗剤または消臭剤組成物である。
【0007】
本発明の第2の対象は、香料原料を含む香料組成物であって、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超える、香料組成物である。
【0008】
本発明の第3の対象は、湿潤条件下で上記組成物の嗅覚特性を改変するための、上記で定義された組成物の使用である。
【0009】
本発明の第4の対象は、
- 上記で定義された香料組成物を提供する工程;および
- 上記組成物を、湿潤状態、例えば汗にさらす工程
からなる工程を含む、組成物の嗅覚特性を改変する方法である。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、LogP値によって定義された原料でそれぞれ形成された、第1の群の賦香化合物および第2の群の賦香化合物を含む香料組成物を含む制汗剤または消臭剤組成物を提供する。
【0011】
出願人は、本発明で定義された香料組成物の嗅覚特性が湿潤条件下で変化することを示す。
【0012】
実際、それらの物理化学的特性に従って定義された原料の特定の組み合わせを含む香料組成物の使用は、上記組成物が湿潤状態にさらされた場合に、1つのフレグランス内に異なる匂いを作り出すことを可能にする。
【0013】
換言すれば、乾燥段階から湿潤段階への移行中に、消費者は1つのフレグランスから2つの異なるフレグランス方向を知覚することができる。例えば、発汗時には、消費者は、フレッシュさおよび強さの知覚の変化を知覚することになる。
【0014】
したがって、本発明の第1の対象は、
- 制汗または消臭活性物質;
- 任意選択で担体;および
- 香料原料を含む香料組成物
を含む制汗剤または消臭剤組成物であって、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、制汗剤または消臭剤組成物である。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「香料原料」という用語は、快楽効果を付与するために賦香調製物または組成物中で使用される、賦香成分の化合物または混合物を指す。換言すれば、賦香するものであるとみなされるべき、このような賦香成分は、単に匂いを有するものとしてではなく、組成物の匂いを肯定的または好ましい方法で付与または改変することができるものとして当業者によって認識されなければならない。
【0016】
本明細書中で使用される、「賦香成分」という用語は、匂いを付与または調整するという主な目的のために使用される化合物を意味する。換言すれば、賦香するものであるとみなされるべき、このような成分は、単に匂いを有するものとしてではなく、組成物の匂いを少なくとも肯定的または好ましい方法で付与または改変することができるものとして当業者によって認識されなければならない。本開示の目的のために、香料アコードはまた、賦香成分、例えば、香料前駆体、エマルションまたは分散液の送達を共に改善、増強または改変する物質と賦香成分との組み合わせ、ならびに匂いを改変または付与することを超える追加の利点、例えば、長期持続性、ブルーミング、悪臭防止作用、抗菌効果、微生物安定性、昆虫防除を付与する組み合わせを含む。
【0017】
賦香成分の性質および種類は、ここでより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅的なものではなく、当業者は、一般的知識に基づいて、意図された使用または用途および所望の官能効果に従って賦香成分を選択することができる。一般的には、これらの賦香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素または硫黄の複素環化合物および精油のように様々な化学的クラスに属し、上記の賦香補助成分は、天然または合成由来のものであり得る。これらの成分の多くは、いずれの場合も、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAによる書籍もしくはその最近版、または類似の性質の他の論文などの参考文献、ならびに香料分野における豊富な特許文献に列記されている。また、上記の成分は、種々のタイプの賦香化合物を制御された方法で放出することが知られている化合物であってもよいことも理解されている。
【0018】
本発明によれば、香料組成物は、香料原料に加えて、香料産業で現在使用されている、上記の香料原料を溶解する少なくとも1種の溶媒を含み得る。溶媒は、好ましくは、ジプロピレングリコール(4-オキサ-2,6-ヘプタンジオール+2-メチル-3-オキサ-1,5-ヘキサンジオール+2,4-ジメチル-3-オキサ-1,5-ペンタンジオール)、Isopar M(炭化水素C13~C14)、Isopar L(炭化水素C11~C13)、ミリスチン酸イソプロピル(テトラデカン酸イソプロピル)、クエン酸エチル(2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸トリエチル)、トリアセチン(1,2,3-プロパントリイルトリアセテート)、安息香酸ベンジル、1,3-プロパンジオール、ジヒドロアビエチン酸メチルとテトラヒドロアビエチン酸メチルとの混合物、植物油、例えば、アーモンド油、アルガン油、綿油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ヒマシ油およびそれらの混合物からなる群で選択される。
【0019】
換言すれば、これは、本発明で定義される香料原料には溶媒が含まれていないことを意味する。
【0020】
本発明によれば、香料原料は、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計は、香料原料の総重量を基準として35重量%を超える。
【0021】
一実施形態によれば、群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計は、香料原料の総重量を基準として35重量%~80重量%の間に含まれる。
【0022】
当業者は、一般的な知識に基づいて、LogP値に従って第1の群からの原料および第2の群の原料を選択することができる。LogPは、推定されるオクタノール-水の分配係数の常用対数であり、これは親油性の尺度として知られている。
【0023】
多くの賦香化合物のLogP値は、例えば、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS),アーバイン,カリフォルニア州から入手可能なPomona92データベースに報告されており、元の文献の引用も含まれている。LogP値は、Daylight CISからも入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便利に計算される。このプログラムでは、実験的なlogP値も、Pomona92データベースで利用可能な場合に列挙されている。「計算されたlogP」(cLogP)は、HanschおよびLeo(A. Leo, in Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol. 4, C. Hansch, P. G. Sammens, J. B. Taylor and C. A. Ramsden, Eds., p. 295, Pergamon Press, 1990を参照)のフラグメントアプローチによって求められる。フラグメントアプローチは、各香油成分の化学構造に基づき、原子の数およびタイプ、原子結合性、ならびに化学結合を考慮している。この物理化学的特性について最も信頼性が高く、かつ広く使用されている推定値であるcLogP値は、好ましくは、本発明において有用な賦香化合物の選択において実験的LogP値の代わりに使用されている。
【0024】
このように、LogPの低い原料とLogPの高い原料との間の正しいバランスを調整することにより、2つの異なる嗅覚的方向が、湿潤条件下で強さの増加(ブースト)と併せてもたらされる、「1つで2役」のフレグランスが得られる。
【0025】
一実施形態によれば、第1の群の賦香化合物は、LogP≦2.5を有する香料原料から形成され、第2の群の賦香化合物は、LogP≧4.5を有する香料原料で作られる。
【0026】
別の実施形態によれば、香料原料は、2~25重量%の間の第1の群Aの香料原料と、2~25重量%の間の第2の群Bの香料原料とを含む。
【0027】
特定の実施形態によれば、臭気検知閾値(ODT)≦2×10-3μg/Lを有する群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計は、香料原料の総重量を基準として8%を超え、好ましくは8~80%の間、より好ましくは15~80%の間である。
【0028】
本発明によれば、「臭気検出閾値」という用語は、嗅覚的に検出され得るその物質の最低蒸気濃度を指す。
【0029】
賦香化合物の臭気閾値濃度は、ガスクロマトグラフ(GC)を使用して決定される。具体的には、ガスクロマトグラフは、既知の濃度および鎖長分布の炭化水素標準を用いて、注射器によって注入される香油成分の正確な体積、正確な分割比、および炭化水素応答を決定するように較正される。空気流量が、正確に測定され、ヒトが12秒間吸入したと仮定して、サンプリングされた体積が計算される。任意の時点における検出器での正確な濃度が既知であるため、吸入された体積当たりの質量が既知であり、したがって、賦香化合物の濃度は既知である。閾値濃度を決定するために、溶液は、逆計算された濃度で臭いを嗅ぐポート(sniff port)に送達される。パネリストは、GC排出物を嗅ぎ、臭いが感知された場合の保持時間を特定する。すべてのパネリストの平均が、賦香化合物の臭気閾値濃度を決定する。臭気閾値の決定は、C. Vuilleumierら, Multidimensional Visualization of Physical and Perceptual Data Leading to a Creative Approach in Fragrance Development, Perfume & Flavorist, 第33巻, 2008年9月, 54~61頁により詳細に記載されている。
【0030】
特定の実施形態によれば、香料組成物は、2.5~4(2.5および4は除く)の間に含まれるlogPおよび/または2×10-3μg/L以下の臭気検出閾値(ODT)のODTを有する少なくとも10重量%の群Cの香料原料をさらに含む。
【0031】
logP≦2.5およびODT≦2×10
-3ug/L空気の香料原料の非限定的な例として、以下の表Aに列挙される化合物を挙げることができる。
【表1】
【0032】
logP≧4およびODT≦2×10
-3ug/L空気の香料原料の非限定的な例として、表Bの香料原料を挙げることができる。
【表2】
【0033】
2.5~4の間に含まれるlogPおよび2×10-3μg/L以下の臭気検出閾値(ODT)のODTを有する香料原料の非限定的な例としては、酢酸リナリル、安息香酸ベンジル、ジヒドロミルセノール、リナロール、スクラレオラート((-)-プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート)、アセト酢酸エチル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
一実施形態によれば、香料組成物は、香料原料を可溶化するための少なくとも1種の溶媒を含み、上記溶媒は、好ましくは、ジプロピレングリコール、Isopar M(炭化水素C13~C14)、Isopar L(炭化水素C11~C13)、ミリスチン酸イソプロピル(テトラデカン酸イソプロピル)、クエン酸エチル(2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸トリエチル)、トリアセチン(1,2,3-プロパントリイルトリアセテート)、安息香酸ベンジル、1,3-プロパンジオール、ジヒドロアビエチン酸メチルとテトラヒドロアビエチン酸メチルとの混合物、植物油、例えば、アーモンド油、アルガン油、綿油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ油、ヒマシ油およびそれらの混合物からなる群で選択される。
【0035】
存在する場合、溶媒は、香料組成物の50重量%まで、好ましくは30重量%まで含まれ得る。
【0036】
本発明の香料組成物は、遊離油としておよび/またはカプセル化された形で使用され得る。
【0037】
カプセル化された形は、従来技術において広く記載されているマイクロカプセルであり得る。例えば、水溶性ポリマー、例えば、デンプン系水溶性ポリマーで作られたポリマーマトリックスを有するポリマーシェルまたはマイクロカプセルを有するコア-シェル型を挙げることができる。ポリマーマトリックスを有するマイクロカプセルは、噴霧乾燥によって得ることができる。
【0038】
本発明のマイクロカプセルからのポリマーシェルの性質は、変化し得る。非限定的な例として、シェルは、アミノプラスト系、ポリウレア系またはポリウレタン系であり得る。シェルは、ハイブリッド、すなわち有機-無機、例えば、架橋された少なくとも2種の無機粒子から構成されたハイブリッドシェル、またはさらにポリアルコキシシランマクロモノマー組成物の加水分解および縮合反応から生じるシェルであってもよい。
【0039】
一実施形態によれば、シェルは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミン-ホルムアルデヒドまたは尿素-ホルムアルデヒドまたは架橋メラミンホルムアルデヒドまたはメラミングリオキサールを含む。
【0040】
別の実施形態によれば、シェルは、例えば、これらに限定されないが、イソシアネート系モノマーおよびアミン含有架橋剤、例えば、グアニジンカーボネートおよび/またはグアナゾールから作られる、ポリウレタン系である。好ましいポリウレアマイクロカプセルは、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1種のポリイソシアネートと、アミンからなる群から選択される少なくとも1種の反応物との間の重合の反応生成物であるポリウレア壁(例えば、水溶性グアニジン塩およびグアニジン);コロイド安定剤または乳化剤;およびカプセル化香料を含む。しかしながら、アミンの使用は、省略され得る。
【0041】
特定の実施形態によれば、コロイド安定剤は、0.1%~0.4%の間のポリビニルアルコール、0.6%~1%の間のビニルピロリドンと四級化ビニルイミダゾールとのカチオン性コポリマーの水溶液を含む(すべてのパーセンテージは、コロイド安定剤の総重量に対する重量によって定義されている)。別の実施形態によれば、乳化剤は、好ましくはアラビアガム、大豆タンパク質、ゼラチン、カゼインナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性または両親媒性の生体高分子である。
【0042】
別の実施形態によれば、シェルは、例えば、これらに限定されないが、ポリイソシアネートおよびポリオール、ポリアミド、ポリエステル等から作られるポリウレタン系である。
【0043】
コア-シェルマイクロカプセルの水性分散液/スラリーの調製は、当業者に周知である。一態様では、上記マイクロカプセル壁材料は、任意の適切な樹脂を含んでよく、特に、メラミン、グリオキサール、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等を含む。適切な樹脂には、アルデヒドおよびアミンの反応生成物が含まれ、適切なアルデヒドには、ホルムアルデヒドおよびグリオキサールが含まれる。好適なアミンには、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、およびそれらの混合物が含まれる。好適なメラミンには、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびそれらの混合物が含まれる。好適な尿素には、ジメチルロール尿素、メチル化ジメチルロール尿素、尿素-レゾルシノール、およびそれらの混合物が含まれる。製造に適した材料は、次の会社Solutia Inc.(米国ミズーリ州セントルイス)、Cytec Industries(米国ニュージャージー州ウエストパターソン)、Sigma-Aldrich(米国ミズーリ州セントルイス)の1つ以上から入手され得る。
【0044】
特定の実施形態によれば、コア-シェルマイクロカプセルは、ホルムアルデヒドを含まないカプセルである。アミノプラストホルムアルデヒドを含まないマイクロカプセルスラリーを調製するための典型的な方法は、
1)オリゴマー組成物を調製する工程であって、
a)メラミンの形、またはメラミンと2つのNH2官能基を含む少なくとも1種のC1~C4化合物との混合物の形のポリアミン成分;
b)グリオキサール、C4~62,2-ジアルコキシ-エタナール、および任意選択でグリオキサレートの混合物の形のアルデヒド成分であって、上記混合物は、1/1~10/1の間に含まれるグリオキサール/C4~62,2-ジアルコキシ-エタナールのモル比を有する、アルデヒド成分;および
c)プロトン酸触媒
の反応生成物を含むか、または一緒に反応させることによって得られる、オリゴマー組成物を調製する工程;
2)液滴サイズが1~600μmの間に含まれ、かつ
i.油;
ii.水媒体;
iii.工程1で得られた少なくとも1種のオリゴマー組成物;
iv.少なくとも1種の架橋剤であって、
A)C4~C12の芳香族または脂肪族のジ-またはトリ-イソシアネート、ならびにそれらのビウレット、トリウレット、トリマー、トリメチロールプロパン-付加物およびそれらの混合物;および/または
B)式
A-(オキシラン-2-イルメチル)n
[式中、nは、2または3を表し、Aは、2~6個の窒素および/または酸素原子を任意選択で含むC2~C6基を表す]のジ-またはトリ-オキシラン化合物
の中から選択される、少なくとも1種の架橋剤;
v.任意選択で、2つのNH2官能基を含むC1~C4化合物
を含む、水中油分散液を調製する工程;
3)上記分散液を加熱する工程;
4)上記分散液を冷却する工程
を含む。
【0045】
この方法は、国際公開第2013/068255号により詳細に記載されており、その内容は、参照により含まれる。
【0046】
別の実施形態によれば、マイクロカプセルのシェルは、ポリウレア系またはポリウレタン系である。ポリウレア系およびポリウレタン系のマイクロカプセルスラリーを調製するための方法の例は、例えば、国際公開第2007/004166号、欧州特許出願公開第2300146号明細書、欧州特許出願公開第2579976号明細書に記載されており、その内容も参照により含まれる。典型的には、ポリウレア系またはポリウレタン系のマイクロカプセルスラリーを調製するための方法は、以下の工程:
a)少なくとも2つのイソシアネート基を有する少なくとも1種のポリイソシアネートを油中に溶解して油相を形成する工程;
b)水相を形成するために乳化剤またはコロイド安定剤の水溶液を調製する工程;
c)油相を水相に添加して水中油分散液を形成する工程であって、平均液滴サイズが、1μm~500μmの間、好ましくは5μm~50μmの間に含まれる、工程
d)界面重合を誘発し、スラリーの形のマイクロカプセルを形成するのに十分な条件を適用する工程
を含む。
【0047】
制汗剤または消臭剤製品
本明細書に提示される組成物は、任意の制汗剤または消臭剤製品に組み込まれ得る。例示的な製品には、ワックスベースのスティック、石鹸ベースのスティック、圧縮された粉末スティック、ロールオン式懸濁液または溶液、エマルション、ジェル、クリーム、スクイーズスプレー、ポンプスプレー、エアゾール等が含まれる。各製品形態は、独自に選択した追加の要素、いくつかの必須要素およびいくつかの任意要素を含有し得る。上記の製品形態の各々に典型的な要素の種類は、本明細書に提示された対応する組成物に組み込まれ得る。
【0048】
本明細書で使用される、「制汗剤または消臭剤製品」という用語は、当該技術分野における通常の意味;すなわち、体臭を軽減または防止するために皮膚に塗布される組成物を指す。適切な消臭活性剤は、汗および/または発汗に関連する悪臭を含む、悪臭を防止または除去するのに公知であるか、または他の方法で有効な任意の局所用物質を含み得る。適切な消臭活性剤は、抗菌剤(例えば、殺菌剤、殺真菌剤)、悪臭吸収物質、エチルヘキシルグリセリン、アルコール、例えば、エタノールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0049】
制汗活性剤は、収斂性金属塩、特にアルミニウム、ジルコニウムおよび亜鉛の無機塩および有機塩、ならびにそれらの混合物を含み得る。さらにより具体的には、制汗活性剤は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムクロロヒドレックスPG、アルミニウムクロロヒドレックスPEG、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムジクロロヒドレックスPG、アルミニウムジクロロヒドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPG、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPEG、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレートGLYおよびアルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレートGLYからなる群から選択され得る。
【0050】
製品の種類に応じて、消臭剤または制汗剤製品は、所望の形態を得ることを可能にする補助成分を含み得る。適切な成分の非限定的な例には、皮膚軟化剤、可溶化剤、酸化防止剤、保存剤、担体、臭気封入剤、噴射剤、一次構造剤(primary structurant)、追加のシャーシ成分、揮発性シリコーン溶媒、ゲル化剤、緩衝剤および残留物マスキング材料が含まれる。当業者は、一般的な知識に基づいて、消臭剤または制汗剤組成物の意図される形に従ってそれらを選択することができる。
【0051】
例えば、例証として、ロールオン式消臭剤または制汗剤製品は、水、皮膚軟化剤、可溶化剤、消臭剤または制汗剤活性剤、酸化防止剤、保存剤、またはそれらの組み合わせを含んでよく;透明ジェル製品または制汗剤製品は、水、皮膚軟化剤、可溶化剤、消臭剤または制汗剤活性剤、酸化防止剤、保存剤、エタノール、またはそれらの組み合わせを含んでよく;ボディスプレーは、担体、消臭剤または制汗剤活性剤、臭気封入剤、噴射剤、またはそれらの組み合わせを含んでよく;目に見えない固体の消臭剤または制汗剤製品は、一次構造剤、消臭剤または制汗剤活性剤、および追加のシャーシ成分を含んでよく;柔らかい固体の消臭剤または制汗剤製品は、揮発性シリコーン、消臭剤または制汗剤活性剤、ゲル化剤、残留物マスキング材料、またはそれらの組み合わせを含んでよく;エアゾール消臭剤または制汗剤製品は、担体、噴射剤、またはそれらの組み合わせを含んでよい。
【0052】
消臭剤または制汗剤製品に適した皮膚軟化剤には、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えばジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、PEG-4、PEG-8,1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、C2~C20の一価アルコール、C2~C40の二価または多価アルコール、多価および一価アルコールのアルキルエーテル、ジカプリリルカーボネート、ジカプリリルエーテル、ジエチルヘキシルシクロヘキサン、アジピン酸ジブチル、揮発性シリコーン皮膚軟化剤、例えば、シクロペンタシロキサン、不揮発性シリコーン皮膚軟化剤、例えば、ジメチコン、鉱油、ポリデセン、ペトロラタム、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。適切な皮膚軟化剤の一例は、PPG-15ステアリルエーテルを含む。適切な皮膚軟化剤の他の例には、ジプロピレングリコールおよびプロピレングリコールが含まれる。
【0053】
抗菌剤は、セチル-トリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ナトリウムN-ラウリルサルコシン、ナトリウムN-パルメチルサルコシン、ラウロイルサルコシン、N-ミリストイルグリシン、カリウムN-ラウリルサルコシン、トリメチルアンモニウムクロリド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えば、L-リジンヘキサデシルアミド、シトレート、サリチレートおよびピロクトース(Piroctose)の重金属塩、特に亜鉛塩、およびそれらの酸、ピリチオンの重金属塩、特に亜鉛ピリチオン、硫酸亜鉛フェノール、ファルネソール、およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0054】
本明細書中で使用するのに適した臭気封入剤には、例えば、可溶化された、水溶性の、複合体化されていないシクロデキストリンが含まれる。本明細書で使用されるように、「シクロデキストリン」という用語は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンおよび/またはそれらの誘導体および/またはそれらの混合物を含む、6~12個のグルコース単位を含む未置換シクロデキストリンなどの公知のシクロデキストリンのいずれかを含む。
【0055】
代替的な悪臭封入剤(malodour entrapper)は、リシノール酸亜鉛&誘導体、例えば、TEGO(登録商標)SORB B 80、TEGO(登録商標)Sorb Conc.50&TEGO(登録商標)SORB A 30であり得る。
【0056】
適切な可溶化剤は、例えば、界面活性剤、例えば、非発泡性または低発泡性界面活性剤であり得る。適切な界面活性剤は、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、およびそれらの混合物である。適切な可溶化剤には、例えば、セテアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油などの水添ヒマシ油、ポリオキシエチレン2ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン20ステアリルエーテル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0057】
適切な保存剤には、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール材料、イソチアゾリノン、第4級化合物、安息香酸塩、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはそれらの混合物が含まれる。
【0058】
市販の保存剤の非限定的な例には、約77%の5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび約23%の2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの混合物、Rohm and Haas Co.による商標名Kathan(登録商標)CGの下で1.5%の水溶液として入手可能な幅広いスペクトルの保存剤;Bronidox L(登録商標)という商品名でHenkelより入手可能な5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;Bronopol(登録商標)という商品名でInolexより入手可能な2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;一般的にクロルヘキシジンとして知られている1,1’-ヘキサメチレンビス(5-(p-クロロフェニル)ビグアニド)およびその塩、例えば、酢酸およびジグルコン酸との塩;Glydant Plus(登録商標)という商品名でLonzaから入手可能な1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオンおよび3-ブチル-2-ヨードプロピニルカルバメートの95:5混合物;Germall(登録商標)IIという商品名でSutton Laboratories, Inc.から入手可能な、一般的にジアゾリジニル尿素として知られている、N-[1,3-ビス(ヒドロキシメチル)2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]-N,N’-ビス(ヒドロキシメチル)尿素;例えば、Abiol(登録商標)という商標名で3V-Sigmaから入手可能な、Unicide U-13(登録商標)という商品名でInduchemから入手可能な、German 115(登録商標)という商品名でSutton Laboratories, Inc.から入手可能な、一般的にイミダゾリジニル尿素として知られている、N,N’’-メチレンビス{N’-[1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]尿素};Nuosept(登録商標)Cという商品名でHills Americaから入手可能な、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン;ホルムアルデヒド;グルタルアルデヒド;Cosmocil CQ(登録商標)という商品名でICI Americas, Inc.から入手可能な、またはMikrokill(登録商標)という商品名でBrooks, Inc.から入手可能な、ポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;およびKoralone(商標)B-119という商品名でRohm and Hass Corporationから入手可能なベンズイソチアゾリノン(benzsiothiazolinone)が含まれる。
【0059】
保存剤の適切なレベルは、組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%、あるいは約0.0002重量%~約0.2重量%、あるいは約0.0003重量%~約0.1重量%の範囲であり得る。
【0060】
適切な担体には、水、アルコール、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。有用なアルコールにはC1~C3アルコールが含まれる。いくつかの態様では、アルコールは、エタノールである。
【0061】
噴射剤のいくつかの例には、圧縮空気、窒素、不活性ガス、二酸化炭素、およびそれらの混合物が含まれる。噴射剤には、また、プロパン、n-ブタン、イソブテン、シクロプロパン、およびそれらの混合物;例えば、A-46(イソブタン、ブタンおよびプロパンの混合物)、A-31(イソブタン)、A-17(n-ブタン)、A-108(プロパン)、AP70(プロパン、イソブタンおよびnブタンの混合物)、AP40(プロパン、イソブテンおよびn-ブタンの混合物)、AP30(プロパン、イソブタンおよびn-ブタンの混合物)などのガス状炭化水素も含まれ得る。噴射剤のいくつかの非限定的な例には、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン、ジメチルエーテル、ジクロロジフルオロメタン(噴射剤12)、1,1-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン(噴射剤114)、1-クロロ-1,1-ジフルオロ-2,2-トリフルオロエタン(噴射剤115)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエチレン(噴射剤142B)、1,1-ジフルオロエタン(噴射剤152A)、モノクロロジフルオロメタン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0062】
本明細書で使用される「一次構造剤」という用語は、組成物に懸濁性、ゲル化性、粘度化性、固化性、および/または増粘性を付与することにおいて公知であるか、または他の方法で効果的であるか、または他の方法で最終製品形態に構造を付与する任意の材料を意味する。これらの一次構造剤には、ゲル化剤、およびポリマーまたは非ポリマーまたは無機の増粘剤または粘度化剤が含まれる。このような材料は、典型的には、周囲条件下で固体であり、有機固体、結晶性または他のゲル化剤、無機微粒子、例えば、粘土またはシリカ、またはそれらの組み合わせを含む。適切な一次構造剤の非限定的な例には、ステアリルアルコールおよび他の脂肪族アルコール;水添ヒマシワックス(例えば、Castorwax MP80、Castor Wax等)が含まれ;炭化水素ワックスには、パラフィンワックス、蜜蝋、カルナウバロウ、キャンデリラワックス、鯨蝋、オゾケライト、セレシン、シロヤマモモ蝋、合成ワックス、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、および微結晶性ワックス;分子量200~1000ダルトンのポリエチレン;固体のトリグリセリド;ベヘニルアルコール、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0063】
シャーシ成分は、追加の構造剤、例えば、ステアリルアルコールおよび他の脂肪族アルコール;水添ヒマシワックス(例えば、Castorwax MP80、Castor Wax等)であってよく;炭化水素ワックスには、パラフィンワックス、蜜蝋、カルナウバロウ、キャンデリラワックス、鯨蝋、オゾケライト、セレシン、シロヤマモモ蝋、合成ワックス、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、および微結晶性ワックス;分子量200~1000ダルトンのポリエチレン;および固体のトリグリセリド;ベヘニルアルコール、またはそれらの組み合わせ;不揮発性有機流体、例えば、鉱物油、PPG-14ブチルエーテル、ミリスチン酸イソプロピル、ペトロラタム、ステアリン酸ブチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、C12~15アルキルベンゾエート(例えば、Finsolve.TM.)、オクチルドデカノール、イソステアリン酸イソステアリル、安息香酸オクタドデシル、乳酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリルまたはステアリン酸イソブチル;粘土鉱物粉末、例えば、タルク、マイカ、セリサイト、シリカ、ケイ酸マグネシウム、合成フルオロフロゴパイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイトおよびモンモリロナイト;真珠顔料、例えば、アルミナ、硫酸バリウム、二次リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、微細に分割された酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、クエン酸鉄(iron titrate)、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化チタン被覆マイカ;有機粉末、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート樹脂、セルロース、12-ナイロン、6-ナイロン、スチレン-アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、窒化ホウ素、フィッシュスケールグアニン、レーキ化タール着色染料、レーキ化天然着色染料;およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0064】
制汗剤組成物での使用に適した揮発性シリコーン溶媒には、溶媒、例えば、シクロメチコンD-5;GE7207およびGE7158(General Electric Co.から市販);ダウコーニング344;ダウコーニング345;ダウコーニング200;およびDC1184(Dow Corning Corp.から市販);およびSWS-03314(SWS Siliconesから市販)が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
ゲル化剤材料は、約20~約60個の炭素原子、あるいは約20~約40個の炭素原子を有する飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族アルコールまたは脂肪族アルコールの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、ゲル化剤材料は、脂肪族アルコールの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、脂肪族アルコールゲル化剤は、約110℃未満、あるいは約60℃~約110℃、あるいは約100℃~110℃の融点を有する、飽和非置換一価アルコールまたはそれらの組み合わせであり得る。
【0066】
市販の制汗剤製品に使用するための脂肪族アルコールゲル化剤の具体例には、Unilin(登録商標)425、Unilin(登録商標)350、Unilin(登録商標)550およびUnilin(登録商標)700(Petroliteにより供給)が含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
適切な緩衝剤は、アルカリ性、酸性または中性であり得る。緩衝剤は、所望のpHを維持するために組成物または生成物中で使用され得る。好適な緩衝剤には、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0068】
制汗剤製品に使用するための適切な残留物マスキング材料の非限定的な例には、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ペトロラタム、不揮発性シリコーン、オクチルドデカノール、フェニルトリメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、C12~15エタノールベンゾエートおよびPPG-14ブチルエーテルが含まれる。
【0069】
本明細書に開示される消臭剤または制汗剤製品は、他の任意成分、例えば、乳化剤、分配剤、抗菌剤、医薬または他の局所活性剤、界面活性剤等を含み得る。
【0070】
成分の性質、量および種類は、ここでより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合も網羅的なものではなく、当業者は、一般的な知識に基づいて意図された形に従ってそれらを選択することができる。
【0071】
いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して95重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して90重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して85重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して80重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して75重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して70重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して65重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して60重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物の全重量に対して55重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、消臭剤または制汗剤組成物の全重量に対して50重量%未満、または40重量%未満、または30重量%未満、または20重量%未満、または10重量%未満の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、水を含まない。
【0072】
本発明の別の対象は、香料原料を含む香料組成物であって、
香料原料は、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超える、香料組成物である。
【0073】
本発明の別の対象は、香料原料を含む組成物の使用であって、
湿潤条件下で上記組成物の嗅覚特性を改変するために、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、使用である。
【0074】
本発明の別の対象は、組成物の嗅覚特性を改変する方法であって、
(i)香料原料を含む香料組成物を供給する工程であって、
香料原料が、
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≦2.5を有する第1の群Aの香料原料、および
- 0.01重量%~50重量%の、LogP≧4を有する第2の群Bの香料原料
を含み、
群Aの香料原料と群Bの香料原料との合計が、香料原料の総重量を基準として35重量%を超えることを特徴とする、工程;および
(ii)上記組成物を湿潤条件にさらす工程
からなる工程を含む、方法である。
【0075】
ここで、以下の実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、量は、香料組成物の重量に対して重量%で示される。
【0076】
実施例1
水の添加時に消臭アルコールスプレーに組み込まれた香料組成物の放出の嗅覚的評価
試験を、標準的な消臭アルコールスプレー基剤を用いて行った。以下の最終組成を有する消臭アルコールスプレー基剤を調製した。
【表3】
【0077】
消臭スプレー配合物の調製
すべての成分を、第1表の順序に従って混合し、溶解した。次に、エアゾール缶を充填し、圧着し、噴射剤(エアゾールの充填:40%活性溶液60%プロパン/ブタン2.5バール)を添加した。
【0078】
上記の消臭スプレー基剤において、以下のフレグランスを有する40gの試料を調製した:0.4grsのフレグランス、15.6grsの消臭液体基剤、および24grsのガス(=43.64mL)。
・ フレグランスA(第2表)
・ フレグランスB(第3表)
・ フレグランスC(第4表)
・ フレグランスD(第5表)
・ フレグランスE(第6表)
・ 比較フレグランスX(第7表)
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
試料を、評価のために新しく生成した。
0.35gの試料を、ボール紙製ブロッター(4.5cm
*12cm)上に塗布した:2つのブロッターを、試料により調製した。
6時間乾燥した後、パネリストは、「1」(無臭)から「7」(非常に強い)までの尺度を用いて、嗅覚の強さを評価し、フレグランスの快楽を嗅覚的に説明した。
結果は以下のとおりである。
【表10】
【0086】
評価の結果、本発明による香料組成物に水を添加した後の快楽の強さおよび変化に有意差が認められた。
比較フレグランスXには、有意な変化が認められない。
【0087】
実施例2
水の添加時に制汗スプレーに取り込まれたフレグランスの放出の嗅覚的評価
試験を、標準的な制汗スプレー基剤を用いて行った。以下の最終組成を有する制汗スプレー基剤を調製した。
【表11】
【0088】
制汗スプレー配合物の調製
高速撹拌機を用いて、シリカおよびクオタニウム-18-ヘクトライトを、ミリスチン酸イソプロピルおよびシクロメチコン混合物に添加した。完全に膨潤したところで、混合物が均質になり塊がなくなるまで攪拌しながらアルミニウムクロロハイドレートを少量ずつ添加した。エアゾール缶を、25%懸濁液の懸濁液および75%のプロパン/ブタン(2.5バール)で満たした。
【0089】
下記のフレグランスを有する40gの試料を、上記の制汗スプレー基剤で調製した:0.4grsのフレグランス、9.6grsの消臭液体基剤、および30grsのガス(=54.55mL)。
・ フレグランスA
・ フレグランスD
【0090】
試料を、評価のために新しく生成した。
0.25gの試料を、ボール紙製ブロッター(4.5cm*12cm)上に塗布した:2つのブロッターを、試料により調製した。
【0091】
6時間乾燥した後、パネリストは、「1」(無臭)から「7」(非常に強い)までの尺度を用いて、嗅覚の強さを評価し、フレグランスの快楽を嗅覚的に説明した。
結果は以下のとおりである。
【表12】
【0092】
評価の結果、本発明による香料組成物に水を添加した後の快楽の強さおよび変化に有意差が認められた。
比較フレグランスXには、有意な変化が認められない。
【0093】
実施例3
制汗スプレーエマルション組成物
フレグランスA~E(AまたはBまたはCまたはDまたはE)を秤量し、制汗スプレーエマルション組成物に混合する(第11表を参照)。
【表13-1】
【表13-2】
【0094】
A部およびB部の成分を、別々に秤量する。A部の成分を60℃まで加熱し、B部の成分を55℃まで加熱する。B部の成分を、連続的に撹拌しながらAに少量ずつ注入する。混合物を、室温に達するまでよく攪拌した。次に、C部の成分を添加する。エマルションを混合してエアゾール缶に導入する。噴射剤を圧着添加する。エアゾール充填:30%エマルション:70%プロパン/ブタン2.5バール
【0095】
実施例4
制汗剤ロールオンエマルション組成物
フレグランスA~Eを秤量し、制汗剤組成物に混合する(第12表を参照)。
【表14】
【0096】
A部およびB部を、別々に75℃に加熱する;A部を、撹拌しながらB部に添加し、混合物を10分間均質化する。次に、混合物を撹拌しながら冷却し;撹拌しながら、混合物が45℃に達したらC部をゆっくりと添加し、35℃に達したらD部を添加する。次に、混合物を、室温まで冷却する。
【0097】
実施例5
制汗剤ロールオン組成物
フレグランスA~Eを秤量し、制汗剤組成物に混合する(第13表を参照)。
【表15】
【0098】
B部の成分を容器に混合し、次いでA部の成分を添加する。次にC部を、A部およびB部に溶解する。香料とともに、1部の香料に対して1部のCremophor RH40を、よく混合しながら添加する。
【0099】
実施例6
制汗剤ロールオン組成物
十分な量のフレグランスA~Eを秤量し、制汗剤組成物(第14表を参照)に混合し、1%相当の香料を添加する。
【表16】
【0100】
タービンで高速撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを少しずつ水に撒くことにより、A部を調製する。ヒドロキシエチルセルロースが完全に膨潤し、柔軟なゲルが得られるまで撹拌を続ける。次に、全体が均一になるまで撹拌を続けながら、B部を、A部に少しずつ注入する。C部を、添加する。
【0101】
実施例7
アルコール配合物を用いない消臭ポンプ
フレグランスA~Eを秤量し、消臭剤組成物に混合する(第15表を参照)。
【表17】
【0102】
すべての成分を、表の順序に従って混合し、混合物を、わずかに加熱して乳酸セチルを溶解する。
【0103】
実施例8
アルコール配合物を用いる消臭ポンプ
フレグランスA~Eを秤量し、消臭剤組成物に混合する(第16表を参照)。
【表18】
【0104】
B部からの成分を混ぜ合わせる。A部の成分を表の順序に従って溶解し、B部に注ぎ入れる。
【0105】
実施例9
アルコール配合物を用いない消臭スティック
十分な量のフレグランスA~Eを秤量し、消臭剤組成物(第17表を参照)に混合し、1%相当の香料を添加する。
【表19】
【0106】
A部のすべての要素を秤量し、70~75℃に加熱する。他のA部成分を混合し、加熱してから、Ceteareth-25を添加する。Ceteareth-25を溶解してから、ステアリン酸を添加する。トリクロサンを1,2プロピレングリコールに溶解することによってB部を調製する。蒸発した水を添加する。ゆっくり混合しながら、B部をA部に注ぎ入れる。貯蔵するために、プラスチック袋をバケットに入れ、冷却後に密封する。モールドを約70℃で充填した。
【0107】
実施例10
制汗スティック
十分な量のフレグランスA~Eを秤量し、制汗剤組成物(第18表を参照)に混合し、1%相当の香料を添加する。
【表20】
【0108】
A部のすべての要素を秤量し、70~75℃に加熱し、よく混合する。B部の成分を、A部に分散させる。混合物を混合し、65℃でスティックに注ぎ込む。
【国際調査報告】