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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】放熱構造体
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6551 20140101AFI20220302BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220302BHJP
   H01M 10/667 20140101ALI20220302BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20220302BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220302BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20220302BHJP
【FI】
H01M10/6551
H01M10/613
H01M10/667
H01M10/651
H01M10/625
H01M10/617
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525332
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 IN2019050823
(87)【国際公開番号】W WO2020095323
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】201841042116
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521190819
【氏名又は名称】ティーブイエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】‘Jayalakshmi Estates’, No.29 (Old No.8), Haddows Road, 600 006 Chennai, India
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】タンガラジャン,シヴァンサセルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】サブビア,センティルナサン
(72)【発明者】
【氏名】ジャベツ ディナガル,サムラジ
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に電気的に接合された電池管理システム(BMS)(102)と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の前記少なくとも1つの側面に摺動可能に且つ直線状に配置された少なくとも1つの放熱構造体(101)とを含むエネルギー貯蔵パック(100)に関する。本発明において、少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つの気流案内部(105)と、少なくとも1つの気流案内部(105)に一体的に形成され且つ気流案内部の少なくとも一部分から側方に且つ外向きに延びる少なくとも1つの固定部(106)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵パック(100)であって、前記エネルギー貯蔵パック(100)は、
少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)と、
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に電気的に接続された電池管理システム(BMS)(102)と、
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の前記少なくとも1つの側面(103a)に摺動可能に且つ直線状に配置された少なくとも1つの放熱構造体(101)と、を含み、前記少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つの気流案内部(105)と、前記少なくとも1つの気流案内部(105)と一体に形成され、且つ、上記気流案内部の少なくとも一部分から側方に且つ外向きに延在する少なくとも1つの固定部(106)とを含む、エネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの気流案内部(105)は、平坦面(105aa)を有する後壁(105a)と、前記後壁(105a)の前記平坦面(105aa)の反対側の面から突出する複数のフィン(105b)とを含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの気流案内部(105)は、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の前記少なくとも1つの側面(103a)と平行に配置可能である、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの固定部(106)は、前記少なくとも1つの気流案内部(105)の前記後壁(105a)の少なくとも一部から側方に延在する延長部材(106a)と、実質的に直交する方向に前記延長部材(106a)と一体に形成された固定部材(106b)とを含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項5】
前記延長部材(106a)は、前記少なくとも1つの固定部(106)の前記固定部材(106b)の平面(P’)に対して所定角度(θ)で前記後壁(105a)の前記平坦面(105aa)との共通平面(P)内に延在している、請求項4に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項6】
前記延長部材(106a)は、前記少なくとも1つの固定部(106)の前記固定部材(106b)に対して85°~95°の範囲内の所定角度(θ)に指向している、請求項5に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの放熱構造体(101)は、前記電池管理システム(BMS)(102)の少なくとも1つの回路にて生じた熱の少なくともいくらかの量は、前記後壁(105a)および第1の所定方向(D)の共通面(P)に沿った前記延長部材(106a)並びに第2の所定方向(P’)の平面(P’)に沿った固定部材(106b)を通じて直接放散される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の外側ケーシング(104)と熱的に接続された前記固定部材(106b)は、前記少なくともいくらかの量の熱を前記外側ケーシング(104)を通じて第3の所定方向(F)に誘導し、外部に放散するように構成されている、請求項7に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項9】
前記外側ケーシング(104)は、横方向(XX)に沿ってその内面の少なくとも一部と一体的に形成された1以上の溝構造(104a)を備える、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項10】
前記外側ケーシング(104)と、前記外側ケーシング(104)内に収容された、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)との間に、少なくともギャップ部分(G)が形成されている、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの固定部(106)は、前記少なくとも1つの放熱構造体(101)を前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の前記少なくとも1つの側面(103a)に、前記少なくとも1つの溝構造(104a)の少なくとも一部に沿った前記少なくとも1つのギャップ部分(G)を通じて摺動可能に固定されるように構成されている、請求項1に記載のエネルギー貯蔵パック(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの放熱構造体に関する。より詳細には、本発明は、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置用の電池管理システム(BMS)に用いられる少なくとも1つの放熱構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再充電可能エネルギー貯蔵装置は、多くの電子および電気ユニット、ハイブリッドおよび電気自動車のエネルギー源として広く使用されている。一般的に使用される再充電可能エネルギー貯蔵装置には、例えば、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、およびリチウム再充電可能電池が含まれる。リチウム再充電可能エネルギー貯蔵装置は、充電可能であり、大容量でコンパクトなサイズに作ることができ、高い動作電圧を有し、単位重量当たりのエネルギー密度が高いことから、電気およびハイブリッド自動車に広く使用されている。
【0003】
既存のエネルギー貯蔵パックは、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置を含む。典型的には、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置は、1以上のエネルギー貯蔵セルを内部に保持可能に構成された少なくとも1つのホルダ構造体を含む。1以上のエネルギー貯蔵セルは、少なくとも1つの配列で配置される。少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の充電および放電を、例えば、1以上のエネルギー貯蔵セルの電圧および/または電流を測定することによって、効率的に管理するように構成された電池管理システム(BMS)が、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に電気的に接続される。一般に、少なくとも1つの相互接続構造体は、1以上のエネルギー貯蔵セルと電池管理システム(BMS)とを電気的に相互接続するように構成されている。少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置によって生成される出力電圧および出力電流は、電池管理システム(BMS)によって監視および調整された後に、エネルギー貯蔵パックによって電力供給されるように構成された1以上の電子および電気構成要素に伝送される。
【0004】
公知のエネルギー貯蔵パックでは、1以上のエネルギー貯蔵セルによって生成された電圧を監視するように構成された電池管理システム(BMS)は、MOSFETとして知られる電界効果トランジスタなどの1以上の集積回路を含む少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)を含み、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置から、それによって給電可能に構成された1以上の電子および電気構成要素への電流の流れを制御する。少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の1以上のエネルギー貯蔵セルの放電および充電中に、電池管理システム(BMS)の1以上の集積回路は、少なくとも1つのプリント基板(PCB)上の1以上の集積回路のはんだ接続を溶融する可能性がある大量の熱を生成し、この熱によって電池管理システム(BMS)を損傷し、その結果、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の性能を低下させ、さらに、少なくとも1つのエネルギー貯蔵パックの電池管理システム(BMS)の高コスト化および頻繁な交換をもたらすこととなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付の図面を参照して、詳細な説明を記載する。特徴や構成要素などを参照するために、図面全体に亘って同じ番号を使用する。
【0006】
図1】本発明の一実施態様による、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置を含むエネルギー貯蔵パックの斜視図である。
【0007】
図2】本発明の一実施態様による、図1のエネルギー貯蔵パックの分解図である。
【0008】
図3】本発明の一実施態様による、少なくとも1つの放熱構造体を含むエネルギー貯蔵パックの分解図である。
【0009】
図4】本発明の一実施態様による、図1のエネルギー貯蔵パックの外側ケーシングの斜視図である。
【0010】
図5】本発明の一実施態様による、少なくとも1つの放熱構造体を示す、図1のエネルギー貯蔵パックの少なくとも一部の拡大分解図である。
【0011】
図6】本発明の一実施態様による、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つの放熱構造体の斜視図である。
【0012】
図7a】本発明の一実施態様による、図6の少なくとも1つの放熱構造体の正面図である。
【0013】
図7b】本発明の一実施態様による、図6の少なくとも1つの放熱構造体の側面図である。
【0014】
図8】本発明の一実施態様による、図1の線LL’に沿ったエネルギー貯蔵パックの横方向の断面図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
典型的には、再充電可能エネルギー貯蔵パックは、直列及び並列アレイの1以上の配列で配置された複数のエネルギー貯蔵セルを有し、エネルギー貯蔵セルは、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つのホルダ構造体内に配置されている。再充電が可能なエネルギー貯蔵パックは、過充電および過放電から保護され、充電は電池管理システム(BMS)によって制御されている。電池管理システム(BMS)は、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の充電状態(SOC)を管理するように構成されている。
【0016】
従来、電池管理システム(BMS)は、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置に備えられ、充電および放電中の1以上のエネルギー貯蔵セルを監視している。電池管理システム(BMS)は、少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)を有しており、プリント回路基板(PCB)は、1以上のはんだネットワークを介して一体的に組み込まれた1以上の集積回路を含む。しかしながら、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の1以上のエネルギー貯蔵セルの充電および放電中において、1以上のエネルギー貯蔵セルの出力電圧および出力電流を監視、調整する電池管理システム(BMS)の1以上の集積回路が大量の熱を発生し、この熱に起因して、電池管理システム(BMS)の少なくとも一部分が著しく温度上昇する。上記熱を適時に外部に放散することができない場合には、電池管理システム(BMS)の少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)が損傷する虞れがある。
【0017】
一般に、放熱構造体に組み込まれた金属板構造体は、1以上の締結具を介して電池管理システム(BMS)に取り付けられる。従来の放熱構造体は、少なくとも一部に一体的に形成された複数のフィンを含み、フィンは、電池管理システム(BMS)の1以上の集積回路によって生成された熱の少なくとも一部を放散するように構成されている。しかしながら、1以上のエネルギー貯蔵セルは、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置内に直列または並列アレイの閉鎖配列にて配置され、少なくとも1つの放熱構造体は、電池管理システム(BMS)の少なくとも一部分に着脱可能に取り付けられている。従って、1以上の集積回路によって生じる熱の放散は、放熱構造体の複数のフィンを通してのみ行なわれる。すなわち、生成された全熱の少なくとも一部分のみが、放熱構造体内に装着された複数のフィンを通して放散される。一方、電池管理システム(BMS)の少なくとも一部分には、依然として少なくとも一部の熱が残存し、電池管理システム(BMS)の少なくとも1つの回路を損傷する虞れがある。従って、既存の放熱構造体の構成は、電池管理システム(BMS)用の適切な冷却機構を提供する上で効果的ではない。
【0018】
上述の目的に鑑み、上記の問題のすべてを克服するために、本発明は、エネルギー貯蔵パック内の少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置が装備された電池管理システム(BMS)用の少なくとも1つの放熱構造体の改良された構成を提供する。より具体的には、本発明の目的は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置用の少なくとも1つの放熱構造体の改良された構成を提供することである。放熱構造体によれば、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の1以上のエネルギー貯蔵セルの充電および放電中における電池管理システム(BMS)の放熱性の改良を図り、電池管理システム(BMS)用の改良された冷却機構を提供することができ、その結果、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置のパフォーマンスを改良することができると共に、1以上のエネルギー貯蔵セルの長寿命化を図ることができる。さらに、改良された少なくとも1つの放熱構造体によれば、電池管理システム(BMS)用の強化された冷却機構を可能とし、1以上の集積回路によって生じる熱に起因して、電池管理システム(BMS)の少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)に損傷が生じることを防止する。さらに、本発明の一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体の改良された構成は、電池管理システム(BMS)用の強化された冷却機構を可能に且つエネルギー貯蔵パックの温度の均一性を図ることができる放熱能力を備える。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一実施態様によれば、エネルギー貯蔵パックは、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に電気的に接続された電池管理システム(BMS)と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に摺動可能に且つ整列状に配置された少なくとも1つの放熱構造体とを含む。一実施態様においては、少なくとも1つの放熱構造体は、少なくとも1つの気流案内部と、少なくとも1つの気流案内部に一体的に形成され且つ気流案内部の少なくとも一部から側方に且つ外向きに延びる少なくとも1つの固定部とを含む。本発明の一実施態様によれば、少なくとも1つの気流案内部は、平坦な表面を有する後壁と、この後壁の平坦な表面の反対側の面から突出する複数のフィンとを含む。特に、複数のフィンは、少なくとも1つの気流案内部材の少なくとも一部分に設けられ、少なくとも1つの放熱構造体の表面積を増大させて、周囲の空気を電池管理システム(BMS)の少なくとも一部分に誘導し、電池管理システム(BMS)の熱を少なくとも1つの放熱構造体を通じて外部に放散させている。
【0020】
一実施態様においては、少なくとも1つの気流案内部は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に平行に配置可能である。さらに、少なくとも1つの固定部は、少なくとも1つの気流案内部の後壁の少なくとも一部から側方に延在する延長部材と、延長部材に一体に形成された固定部材とを含む。本発明の一実施態様によれば、延長部材は、少なくとも1つの固定部の固定部材の平面に対して所定角度でもって、後壁の平坦面との共通平面内に延在している。特に、延長部材は、少なくとも1つの固定部の固定部材に対して85°~95°の範囲内の所定角度に指向している。さらに、本発明の一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体によれば、電池管理システム(BMS)の少なくとも1つの回路によって生成された熱の少なくともいくらかの量は、後壁、および第1の所定方向にある共通平面に沿った延長部材、並びに、第2の所定方向にある平面に沿った少なくとも1つの固定部材を通じて、直接放散されるように構成されている。一実施態様によれば、固定部材は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の外側ケーシングと熱的に接続されている。固定部材は、少なくともいくらかの量の熱を、外側ケーシングを通じて第3の所定方向に誘導して外部に放散させるように構成されている。
【0021】
さらに、一実施態様によると、少なくとも1つの放熱構造体の少なくとも1つの気流案内部は、少なくとも1つの放熱構造体を少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に配設された電池管理システム(BMS)に着脱可能に取り付けるための1以上の締結具を受け入れる可能に構成された1以上の締結具受容部分を含む。一実施態様を参照すると、電池管理システム(BMS)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の長さに実質的に沿った状態に延在している。一実施態様においては、エネルギー貯蔵パックの外側ケーシングは、内部に少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置を収容可能に構成されている。外側ケーシングは、その内面の少なくとも一部に横方向に沿って一体的に形成された1以上の溝構造を含む。一実施態様においては、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置が外側ケーシング内に収容された状態において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置と外側ケーシングとの間には、少なくとも1つのギャップ部分が形成される。本発明の一実施態様によれば、少なくとも1つの固定部は、少なくとも1つの放熱構造体を、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの側面に、少なくとも1つの溝構造の少なくとも一部に沿った少なくとも1つのギャップ部分を通じて摺動可能に固定されるように構成される。
【0022】
本発明の一実施態様において、少なくとも1つの放熱部分の改良された構成は、少なくとも1つの気流案内部と、気流案内部の少なくとも一部分から側方に延在する少なくとも1つの固定部とを含み、少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)内の1以上の集積回路にて生じた熱は、少なくとも1つの放熱構造体を通じて、第1の所定方向、第2の所定方向、および第3の所定方向を含む1以上の所定方向に沿って外部に放散される。特に、本発明の一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体は、アルミニウム、銅などを含む熱伝導性材料から構成され、銅およびアルミニウムのような金属の特性によって、容易に熱を吸収し、その構造体全体に熱を伝達することができる。少なくとも1つの放熱構造体の改良された構成は、少なくとも1つの気流案内部と、少なくとも1つの気流案内部から外側に延在する少なくとも1つの固定部とを含み、放熱構造体は、エネルギー貯蔵パックの熱伝導性の外側ケーシングの少なくとも一部分と接触しており、これによって、少なくとも1つの放熱構造体を通じた、電池管理システム(BMS)の少なくとも一部分から外側ケーシングへの熱伝導によって、電池管理システム(BMS)から外部への熱放散を容易に改善することができ、ひいては、エネルギー貯蔵パックの外部への熱放散を容易に改善することができる。従って、電池管理システム(BMS)からの放熱を改良するために、本発明の一実施態様は、少なくとも1つの気流案内部から外側に延びる少なくとも1つの固定部の形態を有する延在構造体を含む改良された少なくとも1つの放熱構造体を提供する。一実施態様において、少なくとも1つの固定部の固定部材は、外側ケーシングと接触し、伝導伝熱によって熱を外部に放散する。さらに、本発明の一実施態様においては、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の充電および放電中に電池管理システム(BMS)にて生じた熱の少なくとも一部は、少なくとも1つの気流案内構造体の後壁の反対側の面に形成された複数のフィンを通じて所定の飽和レベルまで放散される。そして、電池管理システム(BMS)にて生じた熱の少なくともいくらかの量は、少なくとも1つの放熱構造体の後壁、延長部材および固定部材を通じて伝導伝熱をへて外側ケーシングに放散され、さらにエネルギー貯蔵パックの外部に放散される。
【0023】
本発明の目的は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置のための電池管理システム(BMS)用の少なくとも1つの放熱構造体のための改良された構成を提供することであり、の放熱構造体によれば、電池管理システム(BMS)のプリント回路基板(PCB)に一体的に組み込まれている1以上の集積回路にて生じる熱を効率的に放散することによって、電池管理システム(BMS)用の強化された冷却機構を可能とすることができる。
【0024】
本発明の別の目的は電池管理システム(BMS)用の少なくとも1つの放熱構造体のための改良された構成を提供することであり、この構成によれば、少なくとも1つの放熱構造体からの熱が外側ケーシングに、ひいては外部に広がり、電池管理システム(BMS)と少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の外側ケーシングと少なくとも1つの放熱デバイスとの間の伝導伝熱機構を介して、電池管理システム(BMS)にて生じた熱の外部への放散を効果的に最大化することができる。従って、改良された構成を備えることで、少なくとも1つの放熱構造体の放熱能力を大幅に向上させることができる。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、アルミニウム、銅などを含む熱伝導性材料で形成された少なくとも1つの放熱構造体のための改良された構成を提供することである。従って、一実施態様において、改良された少なくとも1つの放熱構造体は、アルミニウム材料で構成される外側ケーシングに熱的に接続されており、少なくとも1つの放熱構造体を介して電池管理システム(BMS)からの熱を外部に放散することができる。
【0026】
さらに、一実施態様によれば、本発明は、エネルギー貯蔵パックの電池管理システム(BMS)用の改良及び単純化された少なくとも1つの放熱構造体を提供する。この放熱構造体によれば、少なくとも1つの放熱構造体を介した、電池管理システム(BMS)と外側ケーシングとの間の伝導伝熱性を改良することができる。それによって、電池管理システム(BMS)の効果的な冷却機構を可能とし、その結果、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置の性能を向上させることができる。
【0027】
有利なことに、本発明は、エネルギー貯蔵パックの少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置のための電池管理システム(BMS)用の少なくとも1つの放熱構造体の改良及び単純化された構成を提供する。一実施態様においては、改良された少なくとも1つの放熱構造体は、少なくとも1つの気流案内部と、少なくとも1つの気流案内部の少なくとも一部分から側方に延在する少なくとも1つの固定部とを含み、電池管理システム(BMS)の1以上の集積回路にて生じた熱の少なくとも一部は、伝導伝熱機構を介して外側ケーシングに、ひいては外部に容易に放散される。さらに、少なくとも1つの気流案内部材の少なくとも1つの固定部の固定部材を好適に提供する。この固定部材によって、少なくとも1つの放熱部分と少なくとも1つのエネルギー貯蔵構造体の外側ケーシングとの外部への熱的な接触を確率し、電池管理システム(BMS)の1以上の集積回路にて生じる熱の放散の改良を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の種々の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。図面において、同様の参照番号は、概して、同一の、機能的に類似した、および/または構造的に類似した要素を示す。要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号の左端の数字によって示される。添付の図面を参照すると、いくつかの図を通して同じまたは類似の要素を識別するために同じ参照番号が使用される。なお、図面は、参照番号の向きの方向から見たものである。
【0029】
本発明は、全ての2輪車、3輪車及び4輪車に拡張して適用される。
【0030】
図1は、本発明の一実施態様によるエネルギー貯蔵パック(100)の斜視図である。一実施態様においては、エネルギー貯蔵パック(100)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)(図2に示す)と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に電気的に接続された電池管理システム(BMS)(102)とを含む。一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)(図2に示す)に、整列状に摺動可能に配置される。
【0031】
図2は、本発明の一実施態様による、図1のエネルギー貯蔵パック(100)の分解図である。本発明の一実施態様においては、少なくとも1つのエネルギー貯蔵パック(100)の少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)は、その内部の少なくとも一部に1以上の直列および並列配列にて配置された1以上のエネルギー貯蔵セル(103b)(図8に示す)を備えている。一実施態様によれば、電池管理システム(BMS)(102)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に電気的に接続されている。一実施態様においては、少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に摺動可能に配置されるように構成されている。さらに図2では、一実施態様を参照すると、少なくとも1つのエネルギー貯蔵パック(100)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)を内部に収容可能に構成された外側ケーシング(104)を有する。
【0032】
図3は、本発明の一実施態様による、少なくとも1つの放熱構造体(101)を含むエネルギー貯蔵パック(100)の分解図である。一実施態様においては、少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)(図2に示す)に摺動可能に配置可能に構成されている。特に、一実施態様においては、電池管理システム(BMS)(102)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の長手方向に沿って長手軸方向(AA)に延在している。一実施態様によれば、電池管理システム(BMS)(102)は、1以上の締結具(200)を介して少なくとも1つの放熱構造体(101)を着脱可能に固定するための1以上の実装部(102a)を有している。さらに、一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)の少なくとも一部には、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の充電および放電中に電池管理システム(BMS)(102)にて生じた熱の少なくとも一部を外部に放散するための複数のフィン(105b)が設けられている。一実施態様によれば、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)(図2に示す)は、エネルギー貯蔵パック(100)の外側ケーシング(104)内に収容される。
【0033】
図4は、本発明の一実施態様による、図1のエネルギー貯蔵パック(100)の外側ケーシング(104)の斜視図である。一実施態様においては、外側ケーシング(104)は、その内面の少なくとも一部に、横方向(XX)に沿って1以上の溝構造(104a)を有している。
【0034】
図5は、本発明の一実施態様による、少なくとも1つの放熱構造体(101)を示した図1のエネルギー貯蔵パック(100)の少なくとも部分拡大分解図である。一実施態様においては、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)が外側ケーシング(104)内に収容された状態において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置と外側ケーシングとの間には、少なくとも1つのギャップ部分(G)が形成される。一実施態様を参照すると、少なくとも1つの固定部(106)によって、少なくとも1つの放熱構造体(101)を、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面に、少なくとも1つの溝構造(104a)の少なくとも一部に沿った少なくとも1つのギャップ部分(G)を通じて摺動可能に固定するように構成されている。一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)の少なくとも一部は、1以上の締結具(200)を介して電池管理システム(BMS)(102)の少なくとも一部に着脱可能に固定されている。
【0035】
図6は、本発明の一実施態様による、エネルギー貯蔵パック(100)の電池管理システム(BMS)(102)の少なくとも1つの放熱構造体(101)の斜視図である。一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)は、少なくとも1つの気流案内部(105)と、少なくとも1つの気流案内部(105)に一体的に形成され且つ気流案内部の少なくとも一部分から側方に且つ外向きに延びる少なくとも1つの固定部(106)とを含む。一実施態様においては、少なくとも1つの気流案内部(105)は、平坦面(105aa)を有する後壁(105a)と、後壁(105a)の平坦面(105aa)の反対側の面から突出する複数のフィン(105b)とを含む。一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)の少なくとも1つの気流案内部(105)の少なくとも一部には、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に配設された電池管理システム(BMS)(102)に、少なくとも1つの放熱構造体(101)をサンドイッチした状態に着脱可能に取り付けるための1以上の締結具(200)(図5に示す)を受け入れるように構成された1以上の締結具受容部分(200a)、(200b)、(200c)が形成されている。一実施態様においては、少なくとも1つの固定部(106)は、少なくとも1つの気流案内部(105)の後壁(105a)の少なくとも一部分から外方に延在する延長部材(106a)と、延長部材(106a)に一体的に形成され且つ延長部材(106a)に対して実質的に直交した状態に形成された固定部材(106b)とを含む。一実施態様によれば、少なくとも1つの放散構造体(101)が、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも一面(図2に示す)に固定された状態において、少なくとも1つの気流案内部(105)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)に対して平行に配設可能に構成されている(図1に示す)。
【0036】
図7aは、本発明の一実施態様による、図6の少なくとも1つの放熱構造体(101)の正面図である。一実施態様においては、少なくとも1つの放熱構造体(101)の少なくとも1つの気流案内部(105)は、少なくとも1つの放熱構造体(101)を、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも1つの側面(103a)に配設された電池管理システム(BMS)(102)に対して実質的に直交するように着脱可能に取り付けるための1以上の締結具(200)(図5に示す)を受け入れる1以上の締結具受容部分(200a)、(200b)、(200c)を有している。一実施態様において、少なくとも1つの固定部(106)(図6に示す)の固定部材(106a)は、少なくとも1つの気流案内部(105)の少なくとも一部から外方に延在する。一実施態様において、気流案内部(105)は、その少なくとも一部に一体的に形成された複数のフィン(105b)を有する。
【0037】
図7bは、本発明の一実施態様による、図6の少なくとも1つの放熱構造体(101)の側面図である。一実施態様において、少なくとも1つの気流案内部(105)は、電池管理システム(BMS)(102)の1以上の集積回路(図示せず)にて生じた熱の少なくとも一部を外部に案内するように構成された複数のフィン(105b)を含む。一実施態様においては、少なくとも1つの固定部(106)は、少なくとも1つの気流案内部(105)の後壁(105a)の少なくとも一部から外方に延在する延長部材(106a)を含み、固定部材(106b)は、延長部材(106a)にこの延長部材に対して実質的に直交する方向に一体的に形成されている。一実施態様によれば、延長部材(106a)は、後壁(105a)の平坦面(105aa)と共通する平面(P)内に延長して形成され、少なくとも1つの固定部(106)の固定部材(106b)の平面(P’)に対して所定角度(θ)をなしている。一実施態様においては、延長部材(106a)は、少なくとも1つの固定部(106)の固定部材(106b)に対して85°~95°の範囲内の所定角度(θ)に指向している。一実施態様によれば、少なくとも1つの放熱構造体(101)によれば、電池管理システム(BMS)(102)の少なくとも1つの回路によって生じた熱の少なくともいくらかの量を、後壁(105a)及び第1の所定方向(D)にある共通平面(P)に沿った延長部材(106a)と、第2の所定方向(E)にある平面(P’)に沿った固定部材(106b)とを通じて直接、放散されるように構成される。更に、一実施態様においては、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の外側ケーシング(104)(図8に示される)と熱的に接続された固定部材(106b)によって、少なくともいくらかの量の熱が、第3の所定方向(F)に誘導されて外側ケーシング(104)を通じて放散させるように構成している。本発明の別の実施態様によれば、気流案内部(105)と固定部(106)とは、別々に形成され、適切な熱伝導性取り付け手段を介して互いに接続されている。
【0038】
図8は、本発明の一実施態様による、図1の線LL’に沿ったエネルギー貯蔵パック(100)の、その横方向(XX)に沿った断面図である。一実施態様においては、エネルギー貯蔵パック(100)は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)の少なくとも一部に直列及び並列アレイの1以上の配列で配置された1以上のエネルギー貯蔵セル(103b)を含む、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)を有する。一実施態様において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵装置(103)は、エネルギーパック(100)の外側ケーシング(104)内に収容される。一実施態様においては、少なくとも1つの放熱構造体(101)の改良された構成は、エネルギー貯蔵パック(100)の外側ケーシング(104)の少なくとも一部と接触し、伝導伝熱機構を介して、電池管理システム(BMS)(102)にて生じた熱の少なくとも一部を、外側ケーシング(104)の少なくとも一部を通じて、即ち、外部に容易に放散することができ、そして、エネルギー貯蔵パック(100)の電池管理システム(BMS)(102)用の改良された冷却機構を提供する。
【0039】
本発明の範囲から逸脱することなく、改良例および変更例を本明細書に組み入れることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
【国際調査報告】