(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】遊星歯車
(51)【国際特許分類】
F16H 1/28 20060101AFI20220302BHJP
F16H 55/18 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
F16H1/28
F16H55/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531236
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2020051099
(87)【国際公開番号】W WO2020152041
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】102019200933.6
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508282993
【氏名又は名称】アクティエボラゲット・エスコーエッフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】インゴ・シュルツ
【テーマコード(参考)】
3J027
3J030
【Fターム(参考)】
3J027FA01
3J027GA03
3J027GC13
3J027GC24
3J027GC26
3J027GE01
3J027GE14
3J030AB00
3J030BA05
(57)【要約】
はすば歯車(34)を有する第1の中空ホイール(2)、およびはすば歯車(34)を有する第2の中空ホイール(4)であって、第1の回転方向(30)および反対の第2の回転方向(32)に回転するよう適合された第1の中空ホイール(2)および第2の中空ホイール(4)と、第1の中空ホイール(2)のはすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第1のホイール(14)を有し、かつ第2の中空ホイール(4)のはすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第2のホイール(16)を有する第1の二重遊星(6)と、を少なくとも備える遊星歯車(1)が開示され、各はすば歯車(34)は、第1の側面および第1の側面の反対の第2の側面を有し、第1の側面の面法線は、第1の回転方向(30)を向き、かつ第2の側面の面法線は、第2の回転方向(32)を向き、第1の二重遊星(6)の第1のホイール(14)のはすば歯車(34)の第1の側面は、第1の中空ホイール(2)のはすば歯車(34)の第2の側面に接触し、かつ第1の二重遊星(6)の第2のホイール(16)のはすば歯車(34)の第2の側面は、第2の中空ホイール(4)のはすば歯車(34)の第1の側面に接触するように、第1の力作用要素(36)が第1の力を第1の方向に加え、それにより中空ホイール(2,4)に第1および第2の回転方向(30,32)の予荷重を与える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車(1)であって、
はすば歯車(34)を有する第1の中空ホイール(2)、およびはすば歯車(34)を有する第2の中空ホイール(4)であって、第1の回転方向(30)および反対の第2の回転方向(32)に回転するよう適合された第1の中空ホイール(2)および第2の中空ホイール(4)と、
前記第1の中空ホイール(2)の前記はすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第1のホイール(14)を有し、かつ前記第2の中空ホイール(4)の前記はすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第2のホイール(16)を有する第1の二重遊星(6)と、
を少なくとも備え、
各はすば歯車(34)は、第1の側面および前記第1の側面の反対の第2の側面を有し、前記第1の側面の面法線は、前記第1の回転方向(30)を向き、かつ前記第2の側面の面法線は、前記第2の回転方向(32)を向く、遊星歯車(1)において、
前記第1の二重遊星(6)の前記第1のホイール(14)の前記はすば歯車(34)の前記第1の側面が前記第1の中空ホイール(2)の前記はすば歯車(34)の前記第2の側面に接触し、かつ前記第1の二重遊星(6)の前記第2のホイール(16)の前記はすば歯車(34)の前記第2の側面が前記第2の中空ホイール(4)の前記はすば歯車(34)の前記第1の側面に接触するように、第1の力作用要素(36)が第1の力を第1の方向に加え、それにより前記中空ホイール(2,4)に前記第1および前記第2の回転方向(30,32)の予荷重を与えることを特徴とする、遊星歯車。
【請求項2】
前記第1の中空ホイール(2)の前記はすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第1のホイール(18)を有し、かつ前記第2の中空ホイール(4)の前記はすば歯車(34)と噛み合うはすば歯車(34)を有する第2のホイール(20)を有する第2の二重遊星(8)を備え、
前記第2の二重遊星(8)の前記第1のホイール(18)の前記はすば歯車(34)の前記第2の側面が前記第1の中空ホイール(2)の前記はすば歯車(34)の前記第1の側面に接触し、かつ前記第2の二重遊星(8)の前記第2のホイール(20)前記はすば歯車(34)の前記第1の側面が前記第2の中空ホイール(4)の前記はすば歯車(34)の前記第2の側面に接触するように、第2の力を前記第1の方向と反対の第2の方向に加える第2の力作用要素(38)を備え、それにより、前記中空ホイール(2,4)に前記第1および前記第2の回転方向(30,32)の予荷重を与える、請求項1に記載の遊星歯車。
【請求項3】
偶数の二重遊星(6,8,10,12)を備え、前記二重遊星(6,12)の第1の半分は、前記第1の回転方向(30)に予荷重がかけられ、前記二重遊星(8,10)の第2の半分は、前記第2の回転方向(32)に予荷重がかけられる、請求項1または2に記載の遊星歯車。
【請求項4】
前記二重遊星(6,8,10,12)の前記第1の半分および前記第2の半分は、交互に配置されている、請求項3に記載の遊星歯車。
【請求項5】
前記第1の力および前記第2の力は、回転中に前記二重遊星(6,8,10,12)および前記中空ホイール(2,4)の前記はすば歯車(34)の噛み合いによって加えられる軸方向の力よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載の遊星歯車。
【請求項6】
前記第1の力および前記第2の力は等しい、請求項1~5のいずれか一項に記載の遊星歯車。
【請求項7】
前記力作用要素(36,38)は、バネ要素、空気圧要素、磁気要素および/または油圧要素である、請求項1~6のいずれか一項に記載の遊星歯車。
【請求項8】
前記二重遊星(6,8)の一方向への動きを可能にし、特に他方向への動きをロックする少なくとも1つの力作用制限要素をさらに備える、1~7のいずれか一項に記載の遊星歯車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、少なくとも第1の中空ホイールおよび第2の中空ホイールと第1の二重遊星とを備える遊星歯車に関する。
【背景技術】
【0002】
遊星歯車は通常、複数のホイールまたは歯車で構成される。このような遊星歯車のホイールの歯車が噛み合っていると、歯車間にバックラッシュが生じることがよくある。一回転方向にしか回転しない歯車の場合、2つの噛み合うホイールの歯車が始動時に一度接触し、この接触を維持しながら回転するため、それ以上の関連性はない。その後の動作中に、歯車間の追加の接触は発生しない。
【0003】
ホイールが回転方向を変える場合、すなわち、前後の動きを実行する場合、および/または2つの方向の間で振動運動を実行する場合、歯車間のバックラッシュは、ホイールの不均一な運動プロファイルを引き起こす可能性がある。これは、ホイールの望ましくない摩耗につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、遊星歯車のホイールの歯車間のバックラッシュを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1による遊星歯車によって解決される。
【0006】
遊星歯車は、少なくとも、はすば歯車を有する第1の中空ホイールと、はすば歯車を有する第2の中空ホイールとを備え、第1の中空ホイールおよび第2の中空ホイールは、第1の回転方向および反対の第2の回転方向に回転するように適合されている。遊星歯車は、第1の中空歯車のはすば歯車と噛み合うはすば歯車を有する第1のホイールと、第2の中空歯車のはすば歯車と噛み合うはすば歯車を有する第2のホイールとを有する第1の二重遊星をさらに備える。
【0007】
中空ホイールおよび二重遊星の各はすば歯車は、第1の側面と、第1の側面とは反対の第2の側面とを有する。第1の側面の表面法線は、第1の回転方向に向けられ、第2の側面の表面法線は、第2の回転方向に向けられている。
【0008】
第1の二重遊星のホイールのはすば歯車と中空ホイールとの間のバックラッシュを最小化するために、第1の力作用要素が設けられる。第1の力作用要素は、第1の方向に第1の力を加え、第1の二重遊星の第1のホイールのはすば歯車の第1の側面が、第1の中空ホイールのはすば歯車の第2の側面と接触するようにし、第1の二重遊星の第2のホイールのはすば歯車の第2の側面が、第2の中空ホイールのはすば歯車の第1の側面と接触するようにする。この接触により、中空ホイールに第1の回転方向の予荷重が与えられる。第1の二重遊星を第1の中空ホイールの方向に押すことにより、第1の二重遊星のはすば歯車は、第1および第2の中空ホイールのはすば歯車と接触する。予荷重により、起動時に中空ホイールのはすば歯車と二重遊星のホイールのはすば歯車との接触がすでに存在することになる。さらに、この接触は、予荷重を維持することにより、動作中に第1の力作用要素によって維持できるため、はすば歯車間のバックラッシュを回避することができる。
【0009】
第1の二重遊星の第1のホイールと第2のホイールは相互に固定されている。この固定により、第1の二重遊星の両方のホイールに同時に第1の力を加えることができ、第1のホイールのはすば歯車の第1の側面および第1の二重遊星の第2のホイールの第2の側面は、それぞれ、第1の中空ホイールのはすば歯車の第2の側面および第1の中空ホイールのはすば歯車の第1の側面と接触することができる。
【0010】
中空ホイールの一方は、遊星歯車で典型的に使用される入力、すなわち、シャフトによって駆動される要素として実装され得、他方の中空ホイールは、出力として機能し得る。第1の二重遊星が第1の中空ホイールと接触し、第2のホイールを介して第2の中空ホイールと接触すると、入力として機能する中空ホイールの動きが出力として機能する中空ホイールに伝達される。また、他の組み合わせも可能である。たとえば、入力として機能する遊星キャリアが設けられる場合がある。さらに、遊星歯車は太陽ホイールを備えていてもよく、中空ホイールの1つが太陽ホイールとして機能してもよい。
【0011】
二重遊星が1つだけ使用されている場合、2つの中空ホイールが相互に関連して移動することができる。このような動きを避けるために、遊星歯車は、第1の中空ホイールのはすば歯車と噛み合うはすば歯車を有する第1のホイールと、第2の中空ホイールのはすば歯車と噛み合うはすば歯車を有する第2のホイールとを有する第2の二重遊星を含むことができ、第1の方向とは反対の第2の方向に第2の力を加える第2の力作用要素を含むことができ、第2の二重遊星の第1のホイールのはすば歯車の第2の側面が第1の中空ホイールのはすば歯車の第1の側面と接触し、かつ第2の二重遊星の第2のホイールのはすば歯車の第1の側面が、第2の中空ホイールのはすば歯車の第2の側面と接触し、それによって中空ホイールへの第2の回転方向の予荷重を提供する。
【0012】
第1および第2の二重遊星を使用することにより、遊星歯車の安定性を改善することができる。第2の二重遊星を使用すると、第1の二重遊星が第1および第2の中空ホイールに対して移動することを回避することができる。この目的のために、第1および第2の二重遊星は、遊星キャリアを介して結合することもできる。遊星キャリアは、シャフトから二重遊星に、したがって中空ホイールに力を伝達するための入力として機能することができる。
【0013】
予荷重された二重遊星を使用するため、2つの中空ホイールと二重遊星の間のバックラッシュが回避される。第1の二重遊星の予荷重とは逆方向の第2の二重遊星の予荷重により、歯車間のバックラッシュを回避し、さらに改善することができる。さらに、2つの二重遊星による力の均等な分散により、中空ホイールが所定の位置に保持され得る。
【0014】
さらなる実施形態によれば、遊星歯車は、偶数の二重遊星を備え、二重遊星の第1の半分は第1の回転方向に予荷重がかけられ、二重遊星の第2の半分は第2の回転方向に予荷重gかけられる。偶数の二重遊星を設けることにより、第1の力と第2の力を二重遊星の数に均等に分散させることができる。また、第1の回転方向の予荷重と第2の回転方向の予荷重を均等に分散させることができる。
【0015】
好ましい実施形態では、二重遊星の第1の半分と第2の半分は交互に配置されている。これにより、第1および第2の力、ならびに第1の回転方向の予荷重および第2の回転方向の予荷重の均等な分散がさらに改善され得る。
【0016】
さらなる実施形態によれば、第1の力および第2の力は、回転中に二重遊星のはすば歯車と中空ホイールとの噛み合いによって加えられる軸方向の力よりも大きい。第1および第2の力と軸方向力の間のこのような分布により、システムの弾性挙動が低下する可能性がある。これは、遊星歯車の動作中に二重遊星が第1の方向と第2の方向に移動することを回避できることを意味する。
【0017】
遊星歯車では、第1の力と第2の力は好ましくは等しい。また、奇数の二重遊星を使用する場合、第1の力の合計量と第2の力の合計量は等しいことが好ましい。
【0018】
さらなる実施形態によれば、力作用要素は、ばね要素、磁気要素、および/または油圧要素であり得る。また、他の種類の力作用要素も可能である。
【0019】
さらなる実施形態によれば、遊星歯車は、特に他の方向への動きがロックされ得る、一方向への二重遊星の動きを可能にするための少なくとも1つの力作用制限要素をさらに備える。力作用制限要素は、二重遊星が第1の力と第2の力の方向にのみ移動できるようにするために使用でき、もう一方の方向はロックされる。
【0020】
ロック要素は、力を使用するか、または閉鎖を形成することができるラチェット機構から構成することができる。このような機構は、セルフジャミングカムや非対称歯などの原理的な解決策に基づいている場合がある。
【0021】
さらなる利点および好ましい実施形態は、特許請求の範囲、説明および図に開示されている。当業者は、本発明の範囲を拡張することなく、提示された特徴を個別に検討または使用するか、または示された以外の方法で提示された特徴を組み合わせることができることにさらに留意されたい。
【0022】
以下において、本発明は、図に示される実施形態によって説明される。示されている実施形態は、例示的にのみであり、保護の範囲を制限することを意図するものではない。保護の範囲は、添付のクレームによってのみ定義される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、同じまたは類似の機能要素が同じ参照番号で示されている。
【0025】
図1は、第1の中空ホイール2および第2の中空ホイール4を備える遊星歯車1を示す。遊星歯車1は、第1の二重遊星6、第2の二重遊星8、第3の二重遊星10、および第4の二重遊星12をさらに含む。二重遊星6、8、10、12は、二重遊星6、8、10、12の間に配置され得る遊星キャリア(図示せず)によって結合され得る。遊星歯車1はまた、1つの二重遊星6のみ、または任意の他の数の二重遊星6、8、10、12を含み得る。さらに、一方または両方の中空歯車に加えて、またはその代わりとして、太陽ホイール(図示せず)を使用することができる。
【0026】
図1に示す実施形態では、第1の中空ホイール2は、第2の中空ホイール4よりも大きい。第1の中空ホイール2は入力として機能し得、第2の中空ホイール4は出力として機能し得る。また、ならびに中空ホイール2、4および二重遊星6、8、10、12の他の比率の実施形態も可能である。
【0027】
二重遊星6、8、10、12はそれぞれ2つのホイール14、16;18、20;22、24;26、28を備える。第1のホイール14、18、22、26は、第1の中空ホイール2と接触しており、第2のホイール16、20、24、28は、第2の中空ホイール4と接触している。二重遊星6、8、10、12と中空ホイール2、4との間のこの接触により、第1の回転方向30または第2の回転方向32における第1の中空ホイール2の動きは、第2の中空ホイール4に、およびその逆に伝達される。中空ホイール2、4の回転方向30、32は、図の矢印30、32で示されている。
【0028】
図2は、中空ホイール2、4と組み合わせた各二重遊星6、8、10、12の断面図を示している。
図2に示すように、中空ホイール2、4、および二重遊星6、8、10、12は、それぞれはすば歯車34を有する。各はすば歯車34は、第1の側面と、第1の側面とは反対の第2の側面とを有する。第1の側面の面法線は、第1および第2の中空ホイール2、4の第1の回転方向30に向いており、第2の側面の面法線は、中空ホイール2、4の第2の回転方向32に向いている。
【0029】
ホイール(中空ホイール2、4、および二重遊星6、8、10、12のホイール14、16、18、20、22、24、26、28)が回転方向30、32を変える場合、すなわち、前進および後退運動を実行する、および/または2つの回転方向の間で振動運動を実行する場合、歯車34間のバックラッシュは、ホイールの不均一な運動プロファイルを引き起こす可能性がある。
【0030】
二重遊星6、8、10、12のホイール14、16;18、20;22、24;26、28および中空ホイール2、4のはすば歯車34間のバックラッシュを最小化するために、1つまたは複数の力作用要素36、38を設けることができる。第1の力作用要素36は、第1の方向に第1の力を加え、第2の力作用要素38は、第1の方向とは反対の第2の方向に第2の力を加える。第1の方向および第2の方向は、第1および第2の回転方向30、32に垂直である。
【0031】
図1および
図2に示される実施形態では、第1の力は、第1および第4の二重遊星6、12に加えられ、第2の力は、第2および第3の二重遊星8、10に加えられる。第1の力により、第1および第4の二重遊星6、12の第1のホイール14、26のはすば歯車34の第1の側面は、第1の中空ホイール2のはすば歯車の第2の側面と接触する。また、第1および第4の二重遊星6、12の第2のホイール16、28のはすば歯車34の第2の側面は、第2の中空ホイール4のはすば歯車の第1の側面と接触する。この接触により、中空ホイール2、4に第1の回転方向30の予荷重が与えられる。
【0032】
さらに、第2の力により、第2および第3の二重遊星8、10の第1のホイール18、22のはすば歯車34の第2の側面は、第1の中空ホイール2のはすば歯車の第1の側面と接触する。さらに、第2および第3の二重遊星8、10の第2のホイール20、24のはすば歯車34の第1の側面は、第2の中空ホイール4のはすば歯車の第2の側面と接触する。この接触により、中空ホイール2、4に第2の回転方向32の予荷重が与えられる。
【0033】
第1および第4の二重遊星6、12を第1の中空ホイール2の方向に押すことにより、第1および第4の二重遊星6、12のはすば歯車34は、第1および第2の中空ホイール2、4のはすば歯車と接触する。第2および第3の二重遊星8、10を第2の中空ホイール4の方向に押すことにより、第2および第3の二重遊星8、10のはすば歯車34は、第1および第2の中空ホイール2、4のはすば歯車と接触する。
【0034】
この予荷重により、中空ホイール2、4のはすば歯車34と二重遊星6、8、10、12のホイール14、16;18、20;22、24;26、28のはすば歯車34との間の接触が起動時にすでに存在することになる。さらに、この接触は、予荷重を維持することにより、動作中に力作用要素36、38によって維持することができ、したがって、はすば歯車34間のバックラッシュを回避することができる。
【0035】
力作用要素36、38は、例えば、ばね、磁気要素、油圧要素、または二重遊星6、8、10、12に力を加えることができる任意の他の種類の要素として実施することができる。好ましくは、第1の力作用要素36によって加えられる第1の力の合計量と、第2の力作用要素38によって加えられる第2の力の合計量は等しい。
【0036】
第1および/または第2の回転方向の中空ホイールに対する二重遊星の予荷重により、二重遊星と中空ホイールの歯車間のバックラッシュを最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 遊星歯車
2 第1の中空ホイール
4 第2の中空ホイール
6 第1の二重遊星
8 第2の二重遊星
10 第3の二重遊星
12 第4の二重遊星
14 第1の二重遊星の第1のホイール
16 第1の二重遊星の第2のホイール
18 第2の二重遊星の第1のホイール
20 第2の二重遊星の第2のホイール
22 第3の二重遊星の第1のホイール
24 第3の二重遊星の第2のホイール
26 第4の二重遊星の第1のホイール
28 第4の二重遊星の第2のホイール
30 第1の回転方向
32 第2の回転方向
34 はすば歯車
36 第1の力作用要素
38 第2の力作用要素
【国際調査報告】