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特表2022-517575永久磁石非対称場を摂動させて物体を移動させるためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】永久磁石非対称場を摂動させて物体を移動させるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F03G 7/00 20060101AFI20220302BHJP
   F16H 49/00 20060101ALI20220302BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
F03G7/00 H
F16H49/00 A
H01F7/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539948
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 IB2020052039
(87)【国際公開番号】W WO2020144668
(87)【国際公開日】2020-07-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521299905
【氏名又は名称】グリーン ウェイヴ パワー システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】クライマー マーク ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】マコーネル ブレンダ リー
(57)【要約】
永久磁石非対称場を摂動させて物体を移動させるシステム及び方法は、回転軸の周りを回転するように構成された回転本体と、2以上の永久磁石を含む、回転本体上に配置された永久磁石構成体と、摂動要素と、を含む。永久磁石構成体は、摂動点の周りの永久磁石によって非対称磁場が生成されるように構成されている。摂動点又はその近傍での摂動要素の作動は、回転本体又は永久磁石構成体に接線方向の磁気の力を生じさせ、これにより回転本体を回転軸の周りで回転させる。本開示はまた、物体の線形運動にも使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を移動させるための永久磁石非対称場システムであって、
回転軸の周りを回転するように構成された回転本体と、
2以上の永久磁石を含む、前記回転本体上に配置された永久磁石構成体と、
摂動要素と、
を備え、
前記永久磁石構成体は、摂動点の周りの前記永久磁石によって非対称磁場が生成されるように構成されており、
入力された力による前記摂動点又はその近傍での前記摂動要素の作動が、前記回転本体又は前記永久磁石構成体に接線方向の磁気出力の力を生じさせ、これにより前記回転本体を前記回転軸の周りで回転させ、
前記摂動要素の作動が、前記永久磁石構成体からのポテンシャルエネルギーの放出を生じさせる前記非対称磁場の摂動を生じさせて、回転を生じさせる前記出力の力を生成する、永久磁石非対称場システム。
【請求項2】
前記摂動要素が鉄鋼材料を含む、請求項1に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項3】
前記摂動要素が鉄を含む、請求項2に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項4】
前記摂動要素が磁石を含む、請求項1に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項5】
前記磁石が円錐形磁石である、請求項4に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項6】
前記永久磁石構成体は、前記摂動点の周りに配置された4つの磁石を含み、前記4つの磁石のうちの3つの磁石は、第1の極性を共有し前記回転本体の外方を向く側を有し、前記4つの磁石のうちの1つの磁石は、第2の極性を有し前記回転本体の外方を向く側を有する、請求項1に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項7】
前記摂動要素を作動させるように構成された作動入力装置を更に備える、請求項1に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項8】
前記作動入力装置が電気モータである、請求項7に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項9】
前記非対称磁場が主磁場及び副磁場を含み、前記主磁場が前記副磁場よりも大きい及び/又は前記主磁場が前記副磁場よりも大きな磁場強度を有する、請求項1に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項10】
前記摂動点又はその近傍での前記摂動要素の作動は、前記摂動要素を摂動軸から偏位させ、前記摂動軸が前記回転軸と実質的に平行である、請求項9に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項11】
物体を回転させるための永久磁石非対称場システムであって、
回転軸の周りを回転するように構成された回転本体と、
2以上の永久磁石を含む、前記回転本体上に配置された永久磁石構成体と、
第1の摂動要素と、
を備え、
前記永久磁石構成体は、複数の摂動点の周りの前記永久磁石によって非対称磁場が生成されるように構成されており、
前記摂動点の1つ又はその近傍での前記第1の摂動要素の作動が、前記回転本体及び/又は前記永久磁石構成体に第1の接線方向の磁気の力を生じさせ、これにより前記回転本体を前記回転軸の周りで回転させる、永久磁石非対称場システム。
【請求項12】
第2の摂動要素を更に備え、
前記摂動点の1つ又はその近傍での前記第2の摂動要素の作動が、前記回転本体及び/又は前記永久磁石構成体に第2の接線方向の磁気の力を生じさせ、これにより前記回転本体を前記回転軸の周りで回転させ、前記第1の接線方向の磁気の力及び前記第2の接線方向の磁気の力が、前記回転本体を同じ方向に回転させる、請求項11に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項13】
前記複数の摂動点が少なくとも4つの摂動点を含み、
前記少なくとも4つの摂動点の第1のペアでの前記第1の摂動要素の作動が、前記回転本体を第1の方向に回転させ、前記少なくとも4つの摂動点の第2のペアでの前記第1の摂動要素の作動が、前記回転本体を第2の方向に回転させ、前記第2の方向は前記第1の方向と反対方向である、請求項11に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項14】
前記非対称磁場が主磁場及び副磁場を含み、前記主磁場が前記副磁場よりも大きい及び/又は前記主磁場が前記副磁場よりも大きな磁場強度を有する、請求項11に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項15】
前記摂動点又はその近傍での前記摂動要素の作動が、前記摂動要素を摂動軸から偏位させ、前記摂動軸が前記回転軸と実質的に平行である、請求項14に記載の永久磁石非対称場システム。
【請求項16】
永久磁石非対称場システムを摂動させて物体を移動させる方法であって、
永久磁石非対称場システムを提供するステップを含み、
前記永久磁石非対称場システムが、
回転軸の周りを回転するように構成された回転本体と、
2以上の永久磁石を含む、前記回転本体上に配置された永久磁石構成体と、
摂動要素と、を備え、
前記永久磁石構成体は、摂動点の周りの前記永久磁石によって非対称磁場が生成されるように構成されており、
前記方法が更に、
前記摂動点又はその近傍で前記摂動要素を作動させて、前記回転本体及び/又は前記永久磁石構成体に接線方向の磁気の力を生じさせ、これにより前記回転本体を前記回転軸の周りで回転させる作動ステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記摂動要素を作動させる前記作動ステップは、前記摂動要素を摂動軸から偏位させ、前記摂動軸が前記回転軸と実質的に平行である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記摂動要素を作動させる前記作動ステップは、前記摂動要素の長手方向の延長線が前記摂動点での前記回転本体の表面に垂直な初期位置から前記摂動要素を作動させる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記摂動要素を作動させる前記作動ステップは、電気モータによって駆動される作動アームによって実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記電気モータが、前記作動アームを作動回転軸の周りで回転させるように構成され、前記作動回転軸が前記回転軸と実質的に平行である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
物体を移動させるための永久磁石非対称場システムであって、
回転軸の周りを回転するように構成された回転本体と、
2以上の永久磁石を含む、前記回転本体上に配置された永久磁石構成体と、
摂動要素と、
を備え、
前記永久磁石構成体は、摂動点の周りの前記永久磁石によって非対称磁場が生成されるように構成されており、
入力された力による前記摂動点又はその近傍での前記摂動要素の作動が、前記回転本体又は前記永久磁石構成体に接線方向の磁気出力の力を生じさせ、これにより前記回転本体を前記回転軸の周りで回転させ、
前記摂動要素の作動が、前記永久磁石構成体からのポテンシャルエネルギーの放出を生じさせる前記非対称磁場の摂動を生じさせて、回転を生じさせる前記出力の力を生成し、前記入力された力が前記出力の力よりも小さい、永久磁石非対称場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月9日に出願された米国仮特許出願第62/917,940号の利益を主張し、当該仮特許出願は、適用法の下で許可される最大限にまでその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
機械的な回転運動を含む、物体の機械的運動を生じさせるためのシステム及び方法が知られている。電気モータなど、機械的エネルギー又は仕事もしくは運動を発生させる従来のシステム及び方法が知られている。しかしながら、このようなシステムは、大きな動作電力を使用し、非効率的であることが多い。従って、上記で検討した従来技術の欠点を克服し、従来のシステムよりも少ないエネルギーを用いて極めて効率的に仕事又は運動を提供するシステム及び方法を設計することが望ましいことになる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの平面及び側面図である。
図2】本開示の実施形態による図1の永久磁石非対称場システムの平面図である。
図3】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの平面図である。
図4】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの平面図である。
図5】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの側面図である。
図6】本開示の実施形態による図5の永久磁石非対称場システムの平面図である。
図7】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの側面図である。
図8】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの側面図である。
図9】本開示の実施形態による図8の永久磁石非対称場システムの平面図である。
図10】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの斜視図である。
図11】本開示の実施形態による図10の永久磁石非対称場システムの平面図である。
図12】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの側面図である。
図13】本開示の実施形態による永久磁石非対称場システムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下でより詳細に検討するように、一部の実施形態において、本開示は、永久磁石非対称場を摂動させて物体を移動させるためのシステム及び方法に関する。本開示のシステム及び方法は、所望の設計パラメータに基づいて、任意の形状及びサイズの永久磁石を用いることができ、ハウジングあり又は無しで構成することができる。本開示は、磁気(又はフラックス)回路構成に基づいて磁場に蓄えられたポテンシャルエネルギーを有する非対称磁場をもたらす永久磁石構成体を有する。
【0005】
非対称場を摂動させる摂動要素によって加えられる小さな入力が永久磁石構成によるポテンシャルエネルギーの放出を生じさせ、結果的に加えられる入力よりも大きな出力をもたらし(又は力増幅)、これにより永久磁石駆動(又は支援)の力増幅器が提供されることを見出した。
【0006】
図1及び図2を参照すると、本開示の実施形態による、永久磁石非対称磁場システム100Aの例示的な実施形態が示されている。システム100Aは、回転本体102(フライホイールなど)、複数の永久磁石106を有する永久磁石構成体104、及び摂動要素108(又は制御ロッドもしくは駆動ピン)を含む。回転本体102は、回転軸110の周りを回転するように構成されている。回転本体102は、ボルト123又は同様のものにより本体102に取り付けることができるシャフト125により、オルタネータ/ジェネレータ(発電機)112に接続されているものとして示されている。また、オルタネータ/ジェネレータ112は、オーバーヒートを防止するためベントホール12を有していてもよい。
【0007】
この実施形態では、摂動要素108は、鉄鋼材料で形成された鉄鋼本体を構成する鋼鉄(スチール)スクリュー又は釘又はロッドもしくはピンである。この実施形態は、摂動要素108の先端のためのソケットの形態で任意選択のレスト部(又は座部)107を備えて示されている。レスト部107は、プラスチック及び/又は金属又は他の任意の材料から形成することができ、或いは、一部の実施形態において、底部プレート102における窪み又は凹部とすることができる。
【0008】
構成体104の永久磁石106は、回転本体102上に固定的に配置され(又は取り付けられ)て、結果として生じるメジャー磁場114(又は主磁場114)及びマイナー磁場115(又は副磁場115)を有して、非対称磁場が1又は2以上の摂動点116A、116B、116C、116D(総称して「116」)の周りに生成される。各摂動点116は、摂動点116を円周方向に取り囲む4つの磁石106のクラスター(群)を有し、各磁石106は、摂動点116から等しい半径方向距離又は実質的に等しい距離を有する。一部のクラスターは、1又は2以上の共通の磁石106を共有する。磁石106の各クラスターには、回転本体102の外方を向き主磁場を生成する同じ北(N)極性を有する上面を備える3つの磁石106と、回転本体102の外方を向き副磁場115を生成する南(S)極性を有する上面を備える1つの磁石106が存在する。各摂動点116は、回転軸110に実質的に平行な摂動軸118を有する。また、構成体の中央に配置された共通の磁石106Aがあり、その周りを本体102が回転する。
【0009】
本体102(又は底部プレート)が鋼鉄(スチール)である場合、磁石1067は、本体102に磁気的に固定又は取り付けることができ、或いは、磁石106は、ボルト、接着剤、クランプ、又は他の取り付け手段によって本体に固定することができる。必要に応じて、本体に埋め込むこともできる。
【0010】
本出願において、非対称磁場は、「主」磁場及び「副」磁場を含み、主磁場114が副磁場115よりもサイズが大きく、及び/又は主磁場114が副磁場115よりも大きい磁場強度を有する。この実施形態において、磁石は、共平面マトリックスパターンを形成して、主磁場114のHパターン磁束線を形成する。この実施形態では、主磁場114を生成する磁石106の数が副磁場115を生成する磁石106の数よりも多いことを示しているが、副磁場115を生成する磁石106の数が多いことは、本開示の範囲内である。例えば、主磁場114を生成する磁石106は、副磁場を生成する多数の「弱い」磁石106よりも数は少ないが「強い」場合がある。何れの磁場114、115の磁石106も同じ形状、サイズ、又は強度である必要はなく、1又は両方の磁場114、115に対して異なる磁石タイプ/形状が存在することができる。
【0011】
この実施形態では、フライホイール回転本体102は、直径約15インチ×厚さ1.25インチで、約80ポンドであり、自動車/トラックのフライホイールである。しかしながら、他のサイズ、形状、重量の回転本体102は、本開示の範囲内である。オルタネータ/ジェネレータ112は、48ボルトの永久磁石発電機であり、Missouri Wind and Solar製のモデルFREEDOM PMGで、266rpmでバッテリー電圧に到達する。しかしながら、他のタイプのオルタネータ/ジェネレータは、本開示の範囲内にある。
【0012】
様々なハウジング及び磁石構成が本開示の範囲内にある。例えば、限定ではないが、永久磁石106を囲むハウジングは、外径8インチ×内径7インチ×高さ2インチを有し、底部に直径8インチ×厚さ1/4インチの鉄鋼スチールディスク及び上部に直径8インチ×厚さ1/4インチのアルミニウムでキャップされた、密閉高鉄鋼スチールシリンダーとすることができる。本明細書で記載されているように、キャップ、底部、及び側面は、鉄鋼材料又は非鉄鋼材料で作ることができる。永久磁石106は、例えば、限定ではないが、軸方向に磁化された、直径1~1.25インチ×厚さ0.5インチ(又はそれを超える)のNdFe/円筒形希土類磁石とすることができる。永久磁石106は、K&J Magnetics、部品番号DX48から「既成」で購入することができる。
【0013】
動作中、摂動要素108が、摂動点116(又は摂動点116の近傍)において摂動要素108の長手方向の延長線が摂動軸118と平行(又は摂動点116で回転本体102の表面に垂直)である初期位置に配置され、次いで、供給された入力された力(又は加えられた力)によって方向120A、120B、120C、120Dで副磁場115の中心点及び/又は副磁場115を生成する磁石106の中心点に向かって偏位するように作動される。摂動軸118からの偏位119が図1に示される。摂動要素108は、摂動点116の実質的に中心部分に挿入することができるが、システム及び方法は、摂動要素108が摂動点116の中心部分から半径方向にオフセットされている場合に機能することができる。本実施形態では、副磁場115の中心点は、回転本体102(又は底部プレート)から外方を向く南極性(S)を有する磁石106の中心点と整列している。このようにして摂動要素108を作動させて摂動軸118から偏位させると、非対称場114、115の歪み(又は摂動)が生じ、回転軸110の周りに永久磁石構成体104及び/又は回転本体102に結果として接線方向の磁気の力が生じ、これにより、接線方向の磁気の力が、接線方向の磁気の力に抵抗する摩擦及び/又は荷重よりも大きい場合、回転本体102を反時計方向122又は時計方向124で回転軸110の周りに回転させる。有利には、永久磁石構成体104は、反時計回り方向122回転及び時計回り方向124の回転を可能にし、これは、双方向性の順方向及び逆方向オプションと見なすことができる。
【0014】
幾つかの実施形態では、回転本体102の回転は、摂動要素108が摂動軸118から任意の方向に偏位するように作動することによって生じさせることができる。また、例えば、摂動要素108の摂動軸118から数度の揺動が、回転本体102の回転を生じさせる。
【0015】
本開示による実施形態では、摂動要素108を作動させて摂動軸118から偏位するのに必要な入力される力は、回転本体102に作用する結果として生じる接線方向の磁気の力よりも小さい。これは、永久磁石配列(構成体)104に含まれるポテンシャルエネルギーが、提供された入力された力(又は加えられた力)よりも大きい、回転本体102を回転軸110の周りに回転させる接線方向の磁気の力を発生させることにより可能である。従って、本開示は、永久磁石駆動の力増幅器を提供する。
【0016】
回転本体102の回転は、例えば、発電、自動車の推進、ボート又は飛行機のプロペラの駆動、及び同様のものなど、回転本体が仕事を実施するための何らかの用途で用いることができる。例えば、本開示による実施形態は、風力タービンの回転を容易にし、特に低風速で発電するために始動時に必要とされる入力エネルギーを大幅に低減することができる。実施形態は、水平風力タービン(又はHAWT)又は垂直風力タービン(又はVAWT)の回転を容易にすることができる。本開示による実施形態は、風力タービンのフライホイール及びオルタネータもしくはジェネレータ(発電機)と結合することができる。本開示による実施形態は、住宅、商業、及び/又は公共事業体規模の用途で使用することができる。
【0017】
回転本体102は、単一の摂動要素108による非対称場の摂動によって説明されるように回転を生じさせることができる。しかしながら、それぞれの摂動点116において、任意の数の摂動要素108を作動させることができる。例えば、第1の摂動要素108が摂動点116Aで作動され、第2の摂動要素108が摂動点116Dで同時に(又は実質的に同時に)作動されて、回転本体102を反時計回り方向に駆動する。同様に、第3の摂動要素108が摂動点116Bで作動され、第4の摂動要素108が摂動点116Cで同時に(又は実質的に同時に)作動されて、回転本体102を時計回り方向に駆動する。追加の摂動要素108が、対向する摂動点116で作動されるように示されているが、他の実施形態では、追加の摂動要素108は、回転軸の周りに対向する摂動点116にはない。例えば、摂動要素108は、30°、45°、又は90°の角度分離で摂動点116に存在することができる。しかしながら、他の任意の角度の角度分離は本開示の範囲内である。磁石106の数及び永久磁石配構成体の形状/構成に応じて、任意の数の摂動要素108及び/又は摂動点116が存在することができる。追加の摂動要素108及び摂動点116は、磁石106の強度に応じて、回転本体102に追加の接線方向の磁気の力を提供する能力をもたらす。
【0018】
図1及び図2の実施形態に示され記載された磁石106は、円筒磁石である。しかしながら、あらゆるタイプ又は形状の磁石が、本開示の範囲内にある。例えば、磁石106は、矩形の棒磁石、円形平坦(ディスク状)な磁石、又は同様のものとすることができる。
【0019】
摂動要素108は、鋼製のねじとして図示され説明されてきたが、摂動要素108が実質的に任意のサイズ及び形状であり、例えば、鋼鉄、合金鋼、鉄、鉄合金及び同様のものなどの任意の鉄鋼材料で製造されることは、本開示の範囲内である。摂動要素108はまた、例えば、円錐形磁石、円筒形磁石又は同様のものなどの永久磁石とすることができる。磁石の形態の摂動要素108は、同様の質量、サイズ及び/又は形状の鉄鋼体摂動要素108よりも非対称磁場のより大きな歪み又は摂動を提供することによって、入力された力(又は加えられた力)のより大きな増幅を提供することができる。摂動要素108の質量、サイズ、及び形状は、必要に応じて調整し、摂動要素108の所望の磁場摂動特性、例えば、摂動要素108の作動の角度又は距離当たりの接線方向の磁気の力の強度又は量の調整を達成することができる。幾つかの実施形態では、入力される力のより大きな増幅は、副磁場115を生成し回転本体102の外方を向く磁石106の側の極性と同極性でバイアス磁石を鉄鋼制御ロッドに配置することによって達成され、摂動要素108の上端又は遠位端に配置される。
【0020】
図3を参照すると、磁石106のうちの2つが取り外されていることを除いて、図1及び図2の永久磁石非対称磁場システム100Aと実質的に同じである永久磁石非対称磁場システム100Bが示されている。この実施形態では、システム100Bは、共通の中心磁石106Aを備え、2つの摂動点116B、116Cを取り囲む4つの磁石106の2つのクラスターのみを有する。システム100Bは、図1及び図2のシステム100Aに関連して上に示され説明されたのと同じ原理の下で同様に動作する。図3に示されるシステム100Bと図1及び図2のシステム100Aとの間の1つの相違点は、システム100Bの永久磁石構成体104が、摂動されて接線方向の磁気の力120B、120Dを生成することができる2つの摂動点116B、116Cの周りに非対称磁場114、115のみを生成することであり、その結果、同方向の時計回り方向124の回転をもたらす。
【0021】
図4を参照すると、磁石106のうちの5つが取り外されていることを除いて、図1及び図2の永久磁石非対称磁場システム100Aと実質的に同じである永久磁石非対称磁場システム100Cが示されている。この実施形態では、システム100Cは、1つの摂動点116Cを取り囲む4つの磁石106の1つのクラスターのみを有し、本体は、磁石106Aの中心の周りを回転する。システム100Cは、図1及び図2のシステム100Aに関連して上に示され、説明されたのと同じ原理の下で同じように動作する。図4に示すシステム100Cと図1及び図2のシステム100Aとの間の1つの相違点は、システム100Cの永久磁石構成体104が、摂動されて接線方向の磁気の力120Dを生成することができる1つの摂動点116Cの周りに非対称場114のみを生成することであり、その結果、一方向に時計回りの方向124の回転をもたらす。
【0022】
図5及び図6を参照すると、図1及び図2の永久磁石非対称磁場システム100Aと実質的に同じである永久磁石非対称磁場システム100Dが示されている。システム100Dは、作動入力装置200を含む。この実施形態では、作動入力装置200は、回転軸110と実質的に平行又は同一の作動回転軸204の周りに2つの作動アーム202A、202B(総称して「202」)を回転させるように構成された出力シャフトを有する電気モータである。作動入力装置200は、作動アーム202によって提供される作動力とこれらの作動のタイミングとを制御するように構成されたコントローラ206と動作可能に通信している。電気モータ200は、12ボルトDC高rpm、低トルク直流モータ、モデルXD-3420、DC12ボルト、3,000RPMであり、ラジコンカー及びおもちゃ、小型産業用アクチュエータ用途で使用されているものと同様である。
【0023】
図7を参照すると、図5及び図6の永久磁石非対称磁場システム100Dと実質的に同じである永久磁石非対称磁場システム100Eが示されている。システム100Eは、作動アーム202に対して力(又は圧力)を加える力補助装置208を含む。力補助装置208は、高いねじれ角度要因のはすば歯車又はスパイラルギヤなどのねじ付き駆動スクリュー機構212を介してねじ付き加重要素210(例えば、2.2ポンド)の重量をアーム202に対して配給して、ピン108に対して力を加える。力補助装置208の補助は、アーム202によってピン108を維持し、モータを補助し、そうでなければ回転本体102の不均一な回転を生じさせるであろう摂動要素108からのアーム202の分離を生じさせることによる振動又は変動の影響を低減する。この実施形態の力補助装置208は、「重力」タイプの力補助装置であるが、アクティブな力補助を利用する他の力補助装置は、本開示の範囲内である。この場合、モータシャフト216及びスクリュードライブシャフト212の両方が、アーム202Aを駆動して、摂動ピン108に力を加える。
【0024】
図8及び図9を参照すると、本開示の実施形態による、永久磁石非対称場システム100Fが示されている。システム100Fは、回転本体102上に配置された2つの永久磁石構成体104A、104Bを含み、構成体104A、104Bの各々は、摂動点116E、116Fの周りに4つの永久磁石106を有し、及び摂動点から延びる摂動要素108を有し、これは、構成体104A、104Bが、摂動点116E、116Fを取り囲むクラスター(又は永久磁気構成体)内に共通の永久磁石を共有していないことを除いて図3のシステム100Bと同様である。構成体104A、104Bは、回転軸110から半径方向にオフセットして配置されている。摂動点116を所望の半径方向距離(d)、例えば、回転軸110から8インチに配置するよう永久磁石構成体104を構成することは、本開示の範囲内である。構成体104A、104Bの摂動及び動作は、実質的に他の実施形態に関連して上で検討した通りである。摂動点116E、116Fの一方又は両方は、非対称磁場を摂動させるために摂動要素108を作動させることができる。構成体104A、104Bの摂動から結果として生じる接線方向の磁気の力320A、320Bは、回転本体102を回転軸110の周りに回転させる。各構成体104A、104Bは、任意選択のハウジング300A、300Bに配置されている。
【0025】
各構成体104A、104Bは、外径5インチ×内径4インチ×高さ1.5インチの密閉型鉄鋼スチールシリンダーハウジング300A、300Bで囲まれ、上部に直径5インチで厚さ1/4インチのアルミニウムディスクと同じ寸法の鋼鉄製の底部プレートで覆われている。しかしながら、本明細書で検討されるように、他のハウジング300A、300B構成の形状及びサイズは、本開示の範囲内である。また、上記で検討したように、ハウジング300A、300Bは任意選択であり、永久磁石106は、回転本体102上に直接配置又は固定することができる。この実施形態では、回転本体102は、上記で検討した80ポンドのフライホイールである。しかしながら、他の回転本体102のサイズ、形状、材質は本開示の範囲内である。回転本体102は、鉄鋼又は非鉄鋼材料で作ることができる。
【0026】
また、図5図7に示される摂動ピン108に対して押し付ける回転アームを備えたモータ駆動及び/又は螺旋ギア構成体は、図8及び図9のこの実施形態で使用することができる。
【0027】
図10及び図11を参照すると、本開示の実施形態による、永久磁石非対称場システム100Gが示されている。システム100Gは、円筒形の回転本体402、複数の壁磁石406、2つの円筒形バイアス磁石407A、407B(総称して「407」)、及び摂動要素408を含む。回転本体402は、回転軸410の周りを回転するように構成されている。壁磁石406は、回転本体402の内側円周壁412上に配置されている。回転本体402を分岐する仮想赤道414の片側の壁磁石406は、北極性(N)で回転軸410に面する側を有し、仮想赤道414の反対側にある壁磁石406は、南極性(S)で回転軸410に面する側を有する。バイアス磁石407は、回転本体402の底面418上の摂動点416に配置され、「赤道」414上に整列されて、回転軸410から半径方向にオフセットされている。底面418から外方を向くバイアス磁石407の上面は、異なる極性を有する。詳細には、バイアス磁石407Aの上面が北極性(N)を有し、バイアス磁石407Bの上面が南極性(S)を有する。
【0028】
幾つかの実施形態では、壁磁石406は、長さ3インチ、幅1/2インチ、厚さ1/4インチの矩形の永久磁石であり、バイアス磁石は、直径1/4インチ、厚さ1/8インチの円筒形磁石であり、ハウジングは、外径が4インチ、内径が3.5インチ、高さが4インチである。ハウジングの上部は開いているが、完全に密閉された円筒体又は円筒形ハウジングは、矩形、楕円形、三角形などの他の形状と同様に本開示の範囲内である。幾つかの実施形態では、ハウジングは鉄鋼材料で作られ、他の実施形態では、ハウジングは非鉄鋼材料で作られている。幾つかの実施形態では、ハウジングは、何らかの鉄鋼材料と、何らかの非鉄鋼材料とを有し、例えば、鉄鋼材料(例えば、スチール)で作られた壁412及び底面418と、非鉄鋼材料(例えば、プラスチック又はアルミニウム)で作られた上部とを有する円筒形ハウジングを有する。しかしながら、他の寸法、形状、材料の選択は、本開示の範囲内であり、用途に応じて又は必要に応じて変更することができる。
【0029】
壁磁石406及びバイアス磁石407は、磁束力線420Aを生成し、この磁束力線は、バイアス磁石407の近傍で赤道414から偏位するが、回転軸410が赤道414と交差する点の実質的に近傍で赤道414と交差する。具体的には、磁束力線420Aは、赤道414から、バイアス磁石407の上面とは反対極性の回転軸410に面する側を有する壁磁石406に向かって偏位している。磁束力線420Aの構成により、バイアス磁石407の位置に実質的に位置する2つの摂動点416が生じる。バイアス磁石407は、内壁から回転中心410までの距離の約3分の1に配置することができる。
【0030】
動作中、摂動要素408は、摂動要素408の長手方向延長線が回転軸410に平行又は実質的に平行になるように、摂動点416の何れかで(又は実質的に何れかで)回転本体402に挿入される。次に、摂動要素408を作動させて、磁束力線420Aに向かって方向430Aに移動又は傾斜させる。摂動要素の作動は、非対称磁束力線420Aを摂動させ、回転軸410の周りに壁磁石406、バイアス磁石407及び/又は回転本体402に対して結果として接線方向の磁気の力を発生させ、これにより、接線方向の磁気の力が接線方向の磁気の力に抵抗する摩擦及び/又は負荷よりも大きい場合に、反時計回りの方向422に回転軸410の周りで回転本体402を回転させる。他の実施形態に関連して上記で検討したように、必要に応じて両方の摂動点416で同時に作動する摂動要素408が存在するように、追加の摂動要素408(図示せず)が存在することができ、これにより本体402に2倍の回転力を提供することができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、バイアス磁石407の上面は、同じ極性(N-N;又はS-S)を有することができる。このような実施形態では、N-N構成体の場合、磁束力線は、軸410の右側にある磁束力線420Bの形状を有する。この構成は、本体402の双方向回転を可能にする。例えば、バイアス磁石407Aの摂動点416で方向430Aに作動する摂動要素408は、回転本体402の反時計回り422の回転を引き起こし、バイアス磁石407Bの摂動点416での方向432Bの摂動要素408の作動(又は第2の摂動要素408の作動)により、回転本体402の時計回り424の回転が生じる。
【0032】
2つのバイアス磁石407のうちの1つは任意選択であり、取り外すことができる。例えば、バイアス磁石407Bが取り外された場合、磁束力線420Aは、単一のバイアス磁石407Aで実質的に赤道から偏位するだけとなる。この実施形態では、単一バイアス磁石407Aに摂動点416が1つだけ存在する。
【0033】
図12を参照すると、本開示の実施形態による、永久磁石非対称場システム100Hが示されている。システム100Hは、回転本体502と、図8及び図9の構成体300A、300Bと同様の複数の磁石506を有する永久磁石構成体504と、摂動要素508とを含む。システム100Hは更に、摂動要素開口512を定める摂動要素ガイド(又はサポート)510を含む。摂動要素開口512は、摂動要素508を受け入れるように構成され、摂動軸514の周りに配置され、動要素508が作動されて他の実施形態に関連して本明細書で検討されるように、摂動軸518から又は磁束力線に向かって偏位すると、回転本体502の運動を生じさせる。摂動要素ガイド510は、摂動要素508の摂動軸514からの偏位の範囲(又は磁束力線からの距離119(図1))を制限するように機能する。ガイド510は、摂動要素508が、電気モータなどの作動装置及び/又は図5図7のような重力重量により、すなわち、必要又は望ましい距離よりも長い距離で作動することを有利に防止することができる。ガイド510はまた、摂動要素508が作動装置によって作動又は保持されていないときに、摂動要素508が磁石506によって移動するのを防ぐためのストップを有利に構成することができる。ガイド510は、孔512を備えたカバー又はキャップとすることができ、摂動要素508の運動範囲を制限するために、本明細書の何れかの実施形態で使用することができる。
【0034】
摂動要素開口512は、必要に応じて又は用途に応じて、任意のサイズ又は形状とすることができる。例えば、摂動要素開口512は、円形の孔、真っ直ぐなスロット、湾曲したスロット、又はジグザグのスロットとすることができる。しかしながら、他の形状は本出願の範囲内である。
【0035】
図13を参照すると、上記で検討した実施形態は、回転軸の周りを回転する回転本体を有するシステムに関連しているが、非回転運動(例えば、並進運動又は線形運動)を生成する永久磁石非対称場システムは、本開示の範囲内である。例えば、図13を参照すると、本開示の実施形態による、永久磁石非対称場システム100Iが示されている。システム100Iは、複数の軸受(又はホイール)603を有する線形運動本体602と、複数の磁石606を有する永久磁石構成体604と、摂動要素608とを含む。永久磁石構成体604は、他の実施形態に関連して上記で検討したように、主磁場及び副磁場を生成する。摂動要素608が副磁場に向かって方向610に偏位又は移動すると、磁石606及び/又は線形運動本体602に結果として生じる磁気の力が、線形運動本体602を方向612に移動させる。軸受603は、線形運動本体602が方向612に強制的に移動する際に遭遇する可能性のある摩擦又は抵抗を低減するのに役立つ。
【0036】
線形運動本体602は、ガードレールを有することができる任意選択の線形トラック614に配置されているように示されている。線形トラック614は、線形運動本体602がトラック614から非線形方向に移動するのを防止するように線形運動本体602を制限する。回転の実施形態に関連して上記で検討した双方向性はまた、線形運動の実施形態にも適用可能である。詳細には、摂動要素608(又は別の摂動要素)の摂動が線形運動本体602を反対の線形方向に移動させ、これによりシステム100Iの順方向及び逆方向制御を与える磁石構成体が存在することができる。
【0037】
本開示による実施形態では、磁石は、風力タービンなどの構造における回転を容易にするように動作するように配置され、これは、風力タービンの回転を開始するために必要な入力エネルギーを大幅に低減することができる。
【0038】
本明細書で提供される寸法は概算であり、本明細書で記載されるのと同じ機能及び性能を提供する条件下で、必要に応じて他の寸法を使用することができる。
【0039】
本明細書で開示される実施形態では、非対称場の摂動は、永久磁石からポテンシャルエネルギーを角度又は線形(並進)速度又は加速度の形で運動エネルギーへ放出させる。回転軸に平行又はその近傍(又は構成体のフロアに垂直)に配置された摂動要素に作用する小さな入力の力は、このようなエネルギー放出(又は運動エネルギーへの変換)に起因して増幅された出力の力を生じるこすことが分かった。
【0040】
特定の永久磁石構成体は、摂動点の周りに非対称磁場を生成するものとして示され記載されてきたが、永久磁石構成体が、摂動点の周りに非対称磁場を生成するように構成されている限り、構成体が事実上他の任意の形状又は構成もしくは磁石の数を有することは本開示の範囲内である。例えば、摂動点の周りに対称磁場を生成するが、磁場シールド、干渉又は迂回構造が存在する場合の永久磁石構成体は本開示の範囲内であり、すなわち、磁場シールド、干渉、又は迂回構造は、最終的に、永久磁石構成体に摂動点の周りに非対称場を生成させることになる。
【0041】
本明細書に図示され記載されている磁場線は、磁場の位置の近似値である。磁場又は磁力線の実際の形状及び位置は、図示されているものとは異なる場合があり、及び/又はシステムの物理的特性及び材料に基づいて異なる場合がある。
【0042】
本明細書に記載のシステム及び方法の磁石の磁気極性は、反転させて、同じ意図の機能及び構造を達成できることは容易に理解されるはずである。具体的には、北極N極性の磁石側(又は表面)は南極S極性を有することができ、南極S極性の磁石側(又は表面)は、北極N極性を有することができ、永久磁石非対称システム及び方法は、本明細書に開示されるものと実質的に同じように機能することになる。
【0043】
本開示は、永久磁石が円形の平坦な磁石、円筒形の磁石、及び棒磁石であるように図示し記載しているが、任意の永久磁石の形状が本開示の範囲内にあることは容易に理解されるべきである。磁石の形状及びタイプが異なる場合がある。例えば、円筒形磁石は、円筒形磁石の長手方向に定められた中央ボア又は孔を有する円筒体及び/又は円筒形とすることができる。中央ボアの代わりに(又はこれに加えて)、磁石がブラインドボアを備えることができる。磁石は、磁場を増強するため、又は所望の磁場を生成するために必要な中央ボア及び/又はブラインドボアで構成することができる。矩形磁石又は平坦磁石などの他の磁石の形状は、強化又は所望の磁場形状/強度のために、横方向(厚さ方向)ボア又は孔もしくはブラインド孔を有することができる。更に、様々な磁石が別個の磁石として記載されてきたが、磁石が単一の一体要素又は構造を形成することは、本開示の範囲内である。また、本明細書に記載の任意の所与の永久磁石は、必要に応じて、所与の永久磁石と同じ機能及び極性を実行するために共に積み重ねられる複数のより小さな永久磁石を含むことができる。
【0044】
本発明は、その例示的な実施形態に関して記載及び図示されてきたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、上述及び他の様々な追加及び省略を行うことができる。本明細書に明示的又は黙示的に示されない限り、本明細書の特定の実施形態に関する特徴、特性、代替又は修正の何れもが、本明細書に記載の他の実施形態に適用、使用、又は組み込むことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0045】
100A 永久磁石非対称磁場システム
102 回転本体
104 永久磁石構成体
106 永久磁石
108 摂動要素
110 回転軸
112 オルタネータ/ジェネレータ
123 ボルト
125 シャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】