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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】座席家具シャーシ
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/42 20060101AFI20220302BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A47C7/42
B60N2/64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540250
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2020050512
(87)【国際公開番号】W WO2020144311
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】202019100107.0
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518324784
【氏名又は名称】イノテック モーション ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】INNOTEC MOTION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】マッケルト,ミハエル
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084FA05
3B087DA07
(57)【要約】
本発明は、基体(300)と、固定手段(100)と、背部部分(301)とを備え、固定手段(100)が基体(300)上に配設され、背部部分(301)が固定手段(100)に取外し可能に固定されている座席家具シャーシに関し、固定手段(100)は、ばね要素(105)と固定要素(107)とを備え、ばね要素(105)は、固定要素(107)にばね力を与え、固定要素(107)は、背部部分(301)が固定手段(100)に固定される際に、ばね力に対抗して背部部分(301)から移動されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体(300)と、固定手段(100)と、背部部分(301)とを含み、固定手段(100)が基体(300)上に配設されており、背部部分(301)が固定手段(100)に取外し可能に固定されている座席家具シャーシにおいて、固定手段(100)は、ばね要素(105)と固定要素(107)とを有し、ばね要素(105)は、固定要素(107)にばね力を与え、固定要素(107)は、背部部分(301)が固定手段(100)に固定される際に、ばね力に対抗して背部部分(301)から移動されることを特徴とする座席家具シャーシ。
【請求項2】
固定要素(107)は、第1回動軸まわりに回動可能であり、ばね力に対抗する動きは、第1回動軸まわりの第1回動運動であることを特徴とする請求項1に記載の座席家具シャーシ。
【請求項3】
固定手段(100)がラッチ領域(106)を有し、背部部分(301)がラッチ要素(101)を含み、ラッチ要素(101)が、固定手段(100)上の背部部分(301)の固定状態においてラッチ領域(106)に配設されることを特徴とする、請求項2に記載の座席家具シャーシ。
【請求項4】
ラッチ要素(101)がラッチ領域(106)に配設されているときに、ばね力によって固定要素(107)がラッチ要素(101)にラッチ力を及ぼすことを特徴とする請求項3に記載の座席家具シャーシ。
【請求項5】
ラッチ要素(101)がラッチ領域(106)に配設されているときに、固定要素(107)が第1位置に配設されることを特徴とする、請求項3または4に記載の座席家具シャーシ。
【請求項6】
ばね力は、ラッチ要素(101)がラッチ領域(106)から取外されたときに、第1回動軸まわりの固定要素(107)の第1位置から第2位置への回動運動を誘発することを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項7】
ラッチ要素(101)が、ばね力に抗して固定要素(107)の動きを誘発するように構成されていることを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項8】
ラッチ要素(101)の外側の形状が、ラッチ領域(106)に合わされていることを特徴とする、請求項3~7のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項9】
ラッチ要素(101)が上方からラッチ領域(106)に挿入可能であることを特徴とする、請求項3~8のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項10】
背部部分(301)は、背部部分(301)の第2回動動作を介して固定手段(100)に固定可能であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項11】
背部部分(301)が位置決め要素(102)を含み、固定手段(100)が位置決め領域(104)を含み、位置決め要素(102)が位置決め領域(104)に挿入可能であり、位置決め要素(102)が第2回動軸を規定し、第2回動運動が第2回動軸まわりに行われることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項12】
位置決め要素(102)の外側の形状が、位置決め領域(104)の形状に合わされていることを特徴とする、請求項11に記載の座席家具シャーシ。
【請求項13】
位置決め要素(102)が上方から位置決め領域(104)に挿入可能であることを特徴とする、請求項11または12に記載の座席家具シャーシ。
【請求項14】
背部部分(301)が背もたれを含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項15】
固定手段(100)が案内手段(401)とラッチ手段(402)とを有し、固定要素(107)がばね手段(400)を有し、ばね手段(400)は、固定要素(107)の移動中に案内手段(401)内に案内され、ばね手段(400)は、ラッチ手段(402)内でラッチ可能であり、固定要素(107)は、ばね手段(400)がラッチされた状態でラッチ要素(101)を解放することを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項16】
ばね手段(400)は、弾性変形可能であり、弾性変形によってラッチ手段(402)から取外し可能であることを特徴とする、請求項15に記載の座席家具シャーシ。
【請求項17】
固定要素(107)が、回動可能な保持要素(700)の第2突出部(702)と係合可能な第1突出部(701)を有し、第2突出部(702)は、第1突出部(701)が第2突出部(702)と係合しているときに、重力によって第1突出部(701)を保持し、それによって、固定要素(107)は、ラッチ要素(101)を解放する位置にとどまることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の座席家具シャーシと、複数の背部部分(301)とを含むモジュラーシステムであって、背部部分(301)が異なるサイズを有し、すべての背部部分(301)が同じ方法で固定手段(100)に固定可能であることを特徴とするモジュラーシステム。
【請求項19】
位置決め要素(102)を位置決め領域(104)に挿入するステップと、
第2回動運動を実行するステップであって、第2回動運動の間、ラッチ要素(101)が第1回動軸まわりに固定要素(107)を回動させ、第2回動運動によって、ラッチ要素(101)がラッチ領域(106)内に挿入されるステップと、
固定要素(107)によってラッチ要素(101)にラッチ力を及ぼすステップとを含む、
請求項1~16のいずれか1項に記載の座席家具シャーシの背部部分(301)を座席家具シャーシの固定手段(100)に固定するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提項に記載の座席家具シャーシに関する。
【背景技術】
【0002】
基体の固定手段に固定可能な背部部分を有する座席家具シャーシは、従来技術から知られている。
【発明の概要】
【0003】
これに対して、本発明の基本課題は、特別に簡単な方法で固定することが可能である背部部分を有する座席家具シャーシを作製することである。さらに、そのような座席家具シャーシと複数の背部部分とを有するモジュラーシステム、およびそのような座席家具シャーシの背部部分をそのような座席家具シャーシの基体に固定するための方法を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1に従った座席家具シャーシ、請求項18に従ったモジュラーシステム、および請求項19に従った方法によって解決される。本発明の実施形態は、従属請求項で述べられている。
【0005】
座席家具シャーシは、基体、固定手段、および背部部分を含む。この明細書の文脈においては、基体は、特に、座フレームと、座席家具シャーシが床面に立設可能な1つ以上の支持足とを備える構造体を意味すると理解される。座フレームは、座面を縁取ることが可能である。ユーザは、座面を布張りした後、布張りの上に座ることが可能である。
【0006】
固定手段は、基体上に配設される。たとえば、固定手段は、基体の後端領域に配設することが可能である。これは、特に、座席家具シャーシが意図された通りに使用された場合に、布張りの座フレームに座っているユーザの後ろに配設されるエッジ領域とすることが可能である。
【0007】
背部部分は、固定手段に取外し可能に固定可能である。本明細書の文脈においては、取外し可能な固定とは、特に、背部部分が直感的に、工具を使わない方法で固定手段に固定され、また、工具を使わない方法で固定手段から取外され得ることを意味すると理解される。固定または固定の解除の際に、背部部分または固定手段のいずれもが損傷しないことが保証されなければならない。
【0008】
本明細書の文脈において、背部部分とは、特に、座席家具シャーシが意図されたとおりに使用されたときにユーザの背中を支持する部分を意味すると理解される。
【0009】
固定手段は、ばね要素と固定要素とを含む。ばね要素は、固定要素に力を及ぼす。背部部分を固定手段に固定すると、固定要素は、背部部分から、ばね力に対抗して移動する。本明細書においては、固定とは、特に、背部部分を基体に固定する工程を意味すると理解される。このように、背部部分は、ばね力を利用して固定手段に固定することができ、ばね力に打ち勝って再び取外すことが可能である。
【0010】
取外し可能な背部部分には、基体を背部部分とは別に輸送可能であるという特別な利点がある。したがって、1つの大きくて面倒な物ではなく、2つの個別の、切り離された、より面倒でない物体を輸送することが可能である。また、ユーザが自宅で背部部分を固定手段に固定可能であることは、ユーザが自分に適した背部部分を選択することができ、既に基体に固定されている特定の背部部分に制限されないという点で有利である。また、背部部分の交換も簡単である。これは、たとえば、ユーザがより大きいまたは小さい背部部分を使用したい場合に特に有利である。
【0011】
また、製造時の座席家具シャーシの取り扱いが容易になる。安全衛生上の理由から、一人の作業者が基体と背部部分との両方を同時に運ぶことは、重量の点で許されない場合がある。背部部分と基体とはそれぞれ個別に運ぶことが可能であるので、作業者は一人で補助手段なしで座席家具シャーシ全体を運ぶことが可能である。
【0012】
本発明の一実施形態に従えば、固定要素は、第1回動軸まわりに回動可能であってよい。ばね力に対抗する動きは、第1回動軸を中心とした第1回動動作とすることが可能である。本明細書の文脈において、回動軸は、特に、幾何学的な軸を意味すると理解される。軸は、必ずしも構成要素として存在しなくてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に従えば、固定手段は、ラッチ領域を有することが可能である。背部部分は、ラッチ要素を含むことが可能である。ラッチ要素は、背部部分が固定手段に固定された固定状態において、ラッチ領域に配設されることが可能である。
【0014】
本発明の一実施形態に従えば、ばね力によって引き起こされた固定要素は、ラッチ要素がラッチ領域に配設されているときに、ラッチ要素にラッチ力を及ぼすことが可能である。たとえば、ばね要素は、固定要素上の第1端部領域で固定することができ、それによって、第1端部領域の反対側に配設された固定要素の第2端部領域が、ラッチ要素にラッチ力を及ぼすことが可能である。この場合、ばねの力により、トルクが固定要素に作用し、これにより、ラッチ力が生じる。
【0015】
ばねの力によって引き起こされるラッチ力に加えて、固定要素は、ラッチ要素をラッチ領域に保持する力をラッチ要素に及ぼすことが可能である。
【0016】
本発明の一実施形態に従えば、固定要素は、ラッチ要素がラッチ領域に配設されているときに、第1位置に配設することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態に従えば、ラッチ要素がラッチ領域から取外されたときに、ばね力は、第1回動軸まわりの固定要素の第1位置から第2位置への回動運動を引き起こすことが可能である。
【0018】
本発明の一実施形態に従えば、ラッチ要素は、ばね力に対抗する固定要素の動きを誘発するように構成することが可能である。たとえば、背部部分を固定手段に固定する際に、ラッチ要素が固定要素に接触し、それによって動きを誘発することが可能である。
【0019】
本発明の一実施形態に従えば、ラッチ要素の外側の形状をラッチ領域に適合させることが可能である。ラッチ領域は、たとえば、丸みを有することができ、その半径は、ラッチ要素の丸みの半径にほぼ対応している。これにより、ラッチ要素は、ラッチ領域内で特に良好に受け取られることが可能である。
【0020】
本発明の一実施形態に従えば、ラッチ要素は、上方からラッチ領域に挿入可能である。特に、背部部分を固定手段に固定する際に、ラッチ要素が上方からラッチ領域に挿入されることが可能である。
【0021】
本発明の一実施形態に従えば、背部部分は、背部部分の第2回動運動を介して固定手段に固定可能であることが可能である。特に、この第2回動運動の際に、ばね力に対抗する固定要素の移動が、ラッチ要素によってトリガされることが可能である。
【0022】
本発明の一実施形態に従えば、背部部分は、位置決め要素を含んでよい。固定手段は、位置決め領域を含んでよい。位置決め要素は、位置決め領域に挿入可能であり得る。位置決め要素は、第2回動軸を規定することが可能である。第2回動運動は、第2回動軸まわりに行われることが可能である。位置決め要素と位置決め領域との相互作用は、背部部分を固定手段に特に簡単に固定するために特に有利である。
【0023】
本発明の一実施形態に従えば、位置決め要素の外側の形状は、位置決め領域の形状に適合させることが可能である。位置決め領域は、たとえば、丸みを有することができ、その半径は、位置決め要素の丸みの半径にほぼ対応する。これにより、位置決め要素は、位置決め領域に特に良好に受け入れられる。
【0024】
本発明の一実施形態に従えば、位置決め要素は、上方から位置決め領域に挿入可能である。
【0025】
本発明の一実施形態に従えば、背部部分は、背もたれを含んでよい。この文脈において、背もたれとは、ユーザによって布張りを施した後、座席家具シャーシが意図された通りに使用されたときに、背中を休めるために使用することが可能である領域であると理解される。
【0026】
本発明の一実施形態に従えば、固定手段は、ガイド手段とラッチ手段とを含んでよい。固定要素は、ばね手段を含んでよい。ばね手段は、固定要素の移動時に案内手段内に案内され得る。ばね手段は、ラッチ手段においてラッチ可能であってよい。ばね手段のラッチ状態においては、固定要素はラッチ要素を解放することが可能である。本明細書の文脈においては、このことは、特に、固定要素がラッチ要素に力を及ぼさず、ラッチ要素が固定手段から取外せることを意味すると理解される。
【0027】
この実施形態は、背部部分の分解が簡素化されるので、有利である。ユーザは、ばね手段がラッチ手段においてラッチされることによって、固定要素を固定することが可能である。背部部分は容易に取外すことが可能である。
【0028】
本発明の一実施形態に従えば、ばね手段は弾性変形可能としてよい。特に、弾性変形によって、ラッチ手段から取外し可能とすることが可能である。したがって、ばね手段は、特に簡単な方法でラッチ手段から分離することが可能である。その後、固定要素は、上述のように再び使用することが可能である。
【0029】
本発明の一実施形態に従えば、固定要素は、回動可能な保持要素の第2突出部と係合可能である第1突出部を有することが可能である。第2突出部は、第1突出部が第2突出部と係合しているときに、重力によって第1突出部を保持することができ、その結果、固定要素は、ラッチ要素を解放する位置にとどまる。
【0030】
この実施形態は、背もたれを簡単に分解するのに特に有利である。使用者は、固定要素がラッチ要素を解放するときに、大きな障害なく、落ち着いて背もたれを分解することが可能である。
【0031】
請求項18に記載のモジュラーシステムは、先行する請求項のいずれかに記載の座席家具シャーシと、複数の背部部分とを備える。背部部分は、異なるサイズを有する。すべての背部部分が、同じ方法で固定手段に固定可能である。
【0032】
本明細書の文脈において、モジュラーシステムとは、特に、異なる背部部分を、背部部分と固定手段との適合なしに固定手段に固定可能であるシステムを意味すると理解される。
【0033】
モジュラーシステムは、たとえば、ユーザが背部部分を交換したいと思ったときに、特に有利である。ユーザは新しい背部部分が必要になるだけであって、自分で交換作業を行うことが可能である。
【0034】
請求項19に記載の方法においては、位置決め要素が位置決め領域に挿入される。次いで、第2回動運動が行われる。第2回動運動の間、ラッチ要素は、第1回動軸まわりに固定要素を回動させる。第2回動運動により、ラッチ要素も、好ましくは上方からラッチ領域に挿入される。そして、固定要素は、ラッチ要素にラッチ力を与える。
【0035】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照した、好ましい例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。同じ参照数字は、同一または類似の構成要素、および同一または類似の機能を有する構成要素に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】一実施形態に従った固定手段と背部部分の部品との4つの側面図である。
図2図1の固定手段の概略斜視図である。
図3】基体と、基体に固定された背部部分とを備える、本発明の一実施形態に従った座席家具シャーシの概略側面図である。
図4】本発明の一実施形態に従った固定手段の概略斜視図である。
図5図5A図5Eは、図4の実施形態の複数の概略側面図である。
図6図6A図6Cは、本発明のさらなる実施形態に従った座席家具シャーシのアセンブリの複数の概略側面図である。
図7図7A図7Dは、図6A図6Cから座席家具シャーシを分解した際の複数の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
固定手段100は、図1A図1Dに示すように、図示しない座席家具シャーシの基体に配設されている。背部部分は、固定手段に固定することが可能である。この目的のために、背部部分は、ラッチ要素101と、位置決め要素102とを有する。位置決め要素102は、ボルト103を含む。固定手段は、位置決め領域104と、ばね要素105と、ラッチ領域106と、固定要素107とを含む。
【0038】
第1ばね要素105は、固定要素107に接続され、第1固定要素107にばね力を及ぼす。固定要素107は、第1回動軸まわりに回動可能である。
【0039】
図1A図1Dにおいては、背部部分の固定手段100への固定工程を時系列で示している。まず最初に、図1Aに示すように、背部部分と固定手段100とは互いに分離している。次に、位置決め要素102を用いて、固定手段100と背部部分との間に接続を確立する。ボルト103は、位置決め領域104に挿入される。この目的のためには、ボルト103の外側の形状が、位置決め領域104の形状に適合していることが有利である。さらに、ボルト103および位置決め領域104は、同じ色を有することができ、同じ色は、これらの2つの構成要素が互いに接続されなければならないことをユーザに示すので、ユーザにとって組み立てが簡素化される。代替的または追加的に、触覚的な形状マーキングを、ボルト103上および位置決め領域104上に設けることが可能である。形状マーキングは、同様にまたは同一に構成することができ、組立てにおいて盲目のユーザをサポートすることが可能である。このようにして、ボルト103は、その軸まわりに背部部分が回動可能となる第2回動軸を規定する。この状態は、図1Bに示されている。
【0040】
ボルト103の位置決め領域104への挿入を簡単にするために、位置決め要素102は、ボルト103が位置決め領域104に挿入されるように、位置決め要素102が滑ることが可能である斜面を有している。
【0041】
次に、背部部分は、第2回動軸まわりに回動される。そうすることで、ラッチ要素101は固定要素107と接触し、ばね力に対抗して回動軸まわりに回動する。ここで、ラッチ要素101が、固定工程の間、固定要素107に面する側に傾斜を有し、したがって挿入が単純化され、有利である。この状態は、図1Cに示されている。
【0042】
第2回動軸まわりの背部部分の回動運動が継続されると、ラッチ要素101はラッチ領域106に到達する。この目的のために、ラッチ要素101の一部分の外側の形状は、ラッチ領域106の形状に適合することが有利である。この位置においては、固定要素107は、ラッチ要素101に、ばね要素105によって引き起こされるラッチ力を及ぼす。このようにして、ラッチ要素101は、ラッチ領域106にしっかりと保持される。この状態は、図1Dに示されている。
【0043】
固定要素107は、フック状の突出部を有し、この突出部は、ラッチ要素101がラッチ領域106に配設されたときに、ラッチ要素101の一部を把持する。フック状の突出部は、曲率を有している。曲率の領域において、固定要素107は、ラッチ要素101がラッチ領域106に配設されているとき、ラッチ要素101と接触している。曲率が一貫性のない曲率半径を有することも可能である。固定要素107の一端部の近傍においては、曲率半径は、該一端部からさらに離れた領域よりも小さくすることが可能である。
【0044】
一貫性のない曲率半径は、特に、ラッチ要素101がラッチ領域106に挿入された場合、固定要素107が、ラッチ要素101をラッチ領域に引き込み、挿入された状態でクランプするという利点を有する。このようにして、ラッチ要素101は、クリアランスなしにラッチ領域106に保持される。
【0045】
ラッチ要素101は、ラッチ領域106に色を合わせることが可能である。たとえば、ラッチ要素101は、ラッチ領域106と同じ色を有することが可能である。ユーザにとって組み立てがさらに単純化される。
【0046】
さらにまた、またはその代わりに、一致する形状マーキングを、ラッチ領域106上およびラッチ要素101上に設けることが可能である。たとえば、ラッチ領域106上に、ラッチ要素101上と同じ形状マーキングを配設することが可能である。本明細書の文脈においては、形状マーキングとは、触覚性のあるマーキングを意味すると理解される。それは、たとえば、隆起または窪みとして構成することが可能である。形状マーキングは、目の不自由なユーザが組み立てを行う際に補助することが可能である。
【0047】
また、ラッチ要素101および/またはラッチ領域106が磁気要素を含んでもよく、したがって、ラッチ要素101およびラッチ領域106は、磁力によって共に保持される。これは特に、組み立て時に有利であり、ユーザは磁力によって、どのように正しい挿入工程が進行するか気づくからである。挿入工程は、たとえば、磁力によって誘導されることが可能である。
【0048】
図2には、固定手段100が示され、背部部分が固定手段100に固定されている。したがって、この状態は、図1Dに示された状態に対応する。図2においてはさらに、固定手段100が2つの固定要素107を含むことが明らかである。背部部分は、複数の位置決め要素102を含む。固定手段100は、対応する数の位置決め領域を有する。また、図2は、2つのばね固定手段200を示しており、それぞれの固定要素107にばね力を作用させるために、ばね要素105の1つがそれぞれに固定されている。
【0049】
図3に示す座席家具シャーシは、座フレームを備えた基体300と、基体300上に配設された固定手段100と、固定手段100に固定された背部部分301とを含む。背部部分301は、位置決め要素102とラッチ要素101とを含む。背部部分301は、ラッチ要素101と位置決め要素102とで固定手段100に固定されている。
【0050】
図4に示す実施形態は、特に、固定要素107が、案内手段401に案内され、ラッチ手段402にラッチ可能なばね手段400を備える点で、図2の実施形態とは異なる。
【0051】
図4からの実施形態の機能は、図5A図5Eを用いて理解することが可能である。ラッチ要素101を固定手段100から解放する場合、固定要素107は回動し、したがって、ラッチ要素101は解放される。この状態においては、ラッチ要素101は、もはや固定要素107に力を及ぼさない。固定要素107の回動中に、ばね手段400は、案内手段401内に案内され、ラッチ手段402にラッチされ、したがって固定要素107は、もはや自動的に戻されない。この状態は、図5Aに示されている。
【0052】
次に、背部部分を取外すことが可能である。その後、ばね手段400は、弾性変形可能であり、したがって、ばね手段400は、ラッチ手段402から移動される(図5B)。ばね手段400は、ばね要素105のばね力によって後ろに回動され(図5C)、停止位置に到達する。その後、ばね手段400は、再び元のように変形可能であり、案内手段401に到達する。そして、固定要素107は、さらに後ろに回動され、したがって、固定要素107は、ラッチ要素101の固定に再び適した状態になる。
【0053】
図6および図7の実施形態は、固定要素107が、背部部分を取外すことが可能であるように、分解中にどのように保持されるかという点において、特に図4および図5の実施形態とは異なる。
【0054】
組立ては、図6A図6Cに示されている。まず、固定要素107がラッチ要素101によって回動される。図7A図7Dに示される分解のために、固定要素107の突出部701が、回動可能な保持要素700の突出部702と係合させられる。そして、回動可能な保持要素700の突出部702は、重力によって固定要素107の突出部701を保持し、したがって、固定要素は、ラッチ要素101を解放する位置にとどまる。
【0055】
ラッチ領域からラッチ要素101を取り除いた後、固定要素と保持要素700との両方を回動させることによって、2つの突起部701,702を互いに解放することが可能である。図7Dでは、図6Aにも示されているように、組立ての開始位置が再び示されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】