(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】座席家具シャーシ
(51)【国際特許分類】
B60N 2/75 20180101AFI20220302BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
B60N2/75
A47C7/54 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540251
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2020050510
(87)【国際公開番号】W WO2020144310
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】202019100109.7
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518324784
【氏名又は名称】イノテック モーション ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】INNOTEC MOTION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】マッケルト,ミハエル
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DC02
(57)【要約】
本発明は、基体と、固定手段(101)と、少なくとも1つの側部部分(100)とを備え、固定手段(101)が基体上に配設され、側部部分(100)が固定手段(101)に取外し可能に固定されている座席家具シャーシに関し、固定手段(101)が、ばね要素(104)と固定要素(102)とを含み、ばね要素(104)が固定要素(102)にばね力を与え、固定要素(102)が、側部部分(100)の固定手段(101)への固定時にばね力に対抗して移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、固定手段(101)と、少なくとも1つの側部部分(100)とを含む座席家具シャーシであって、前記固定手段(101)が前記基体上に配設されており、前記側部部分(100)が前記固定手段(101)に取外し可能に固定されている座席家具シャーシにおいて、前記固定手段(101)が、ばね要素(104)と、固定要素(102)とを含み、ばね要素(104)が固定要素(102)にばね力を与え、固定要素(102)が、側部部分(100)を固定手段(101)に固定する際にばね力に対抗して移動することを特徴とする座席家具シャーシ。
【請求項2】
側部部分(100)は受容領域(107)を有し、固定要素(102)は、固定手段(101)における側部部分(100)の固定状態において受容領域(107)に配設され、かつ、ばね力によって受容領域(107)に保持されることを特徴とする、請求項1に記載の座席家具シャーシ。
【請求項3】
受容領域(107)は、固定手段(101)における側部部分(100)の固定状態において固定要素(102)にクランプ力を及ぼすように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の座席家具シャーシ。
【請求項4】
側部部分(100)はアームレストを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項5】
前記側部部分(100)は、前記固定手段(101)に回動動作で固定されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項6】
側部部分(100)は滑動面(108)を有し、固定要素(102)は、側部部分(100)を固定手段(101)に固定する際に、滑動面(108)に沿って滑動するように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の座席家具シャーシ。
【請求項7】
滑動面(108)は、側部部分(100)を固定手段(101)に固定する際に、ばね力に対抗して固定手段(102)の動きを誘発するように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の座席家具シャーシ。
【請求項8】
固定手段(101)は支持要素(105)を含み、側部部分(100)は支持領域(106)を含み、支持領域(106)は、側部部分(100)を固定手段(101)に固定する際に支持要素(105)上に載るように構成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項9】
支持領域(106)は、支持要素(105)の外側の形状に適合した形状を有することを特徴とする、請求項8に記載の座席家具シャーシ。
【請求項10】
支持要素(105)は、回動運動の回動軸を規定することを特徴とする、請求項8または9に記載の座席家具シャーシ。
【請求項11】
支持要素(105)が棒状の構成であることを特徴とする、請求項8~10のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項12】
前記支持要素(105)が丸い断面形状を有することを特徴とする、請求項8~11のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項13】
固定要素(102)が棒状の構成であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項14】
固定要素(102)が丸い断面形状を有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項15】
固定手段(101)が案内要素(103)を含み、案内要素(103)が、ばね力に対抗する移動中に固定要素(102)を案内するように構成されていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項16】
案内要素(103)は、固定要素(102)をばね力に対抗して第1位置に保持するように構成されており、固定要素(102)は、ばね力に対抗する移動中に前記第1位置から前記第2位置に移動するように構成されていることを特徴とする、請求項15に記載の座席家具シャーシ。
【請求項17】
固定手段(101)が第1形状接続要素(109)を含み、側部部分(100)が第2形状接続要素(110)を含み、第1形状接続要素(109)および第2形状接続要素(110)が互いに形状接続するように構成されており、形状接続が、固定手段(101)に対する側部部分(100)の垂直方向の動きを制限または防止することを特徴とする、請求項1~16のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項18】
側部部分(100)は、工具を使わずに固定手段(101)に固定可能であり、工具を使わずに固定手段(101)から取外し可能であることを特徴とする、請求項1~17のいずれか1項に記載の座席家具シャーシ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の座席家具シャーシの側部部分(100)を座席家具シャーシの固定手段(101)に固定するための方法であって、
側部部分(100)の支持領域(106)を、固定手段(101)の支持要素(105)上に配設するステップと、
支持要素(105)によって規定された回動軸回りの回動運動を行うステップであって、回動運動中に固定要素(102)がばね力に対抗して移動するステップと、
ばねの力を利用して固定要素(102)を受容領域(107)に挿入するステップと、
受容領域(107)で固定要素(102)をクランプするステップとを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提項に記載の座席家具シャーシに関する。
【背景技術】
【0002】
座席家具シャーシは、先行技術から知られている。それらは、座席用家具に用いられ、詰め物が座席家具シャーシに取り付けられる。座席家具シャーシは、しばしば座席用家具の機械的機能を可能にする。基体と、それに取外し可能に固定された側部部分とを有する座席家具シャーシも、従来技術から知られている。
【発明の概要】
【0003】
これに対し、本発明の基本課題は、基体に単純に固定可能な側部部分を有する座席家具シャーシを作製することである。
【0004】
この課題は、請求項1に記載の座席家具シャーシによって解決される。本発明の実施形態は、従属請求項で与えられる。
【0005】
座席家具シャーシは、基体と、固定手段と、側部部分とを備えている。この明細書の文脈では、基体は、特に、座フレームと、座席家具シャーシが床面に立設可能な1つ以上の支持足とを備える構成体を意味すると理解される。また、基体が、座フレームに固定される背もたれを含むことも可能である。座フレームは、座面を縁取ることが可能である。ユーザは、座面を張り上げた後、その張り上げたものに座ることが可能である。
【0006】
固定手段は、基体上に配設される。たとえば、基体の側方縁部領域に配設することが可能である。
【0007】
側部部分は、固定手段に取外し可能に固定されている。本明細書の文脈において、取外し可能な固定は、特に、側部部分が工具を使わずに固定手段に固定され、また、工具を使わずに固定手段から取外され得ることを意味するように理解される。固定または固定解除の際に、側部部分または固定手段が損傷しないことが保証されなければならない。
【0008】
本明細書の文脈では、側部部分とは、特に、基体に横方向に取り付けられている部分を意味すると理解される。これは、特に、基体の前部および後部に対してほぼ垂直に延びる側面を意味すると理解される。前部とは、座席家具シャーシが意図された通りに使用されたときに、ユーザの脚が基体を越えて突出する側であるとすることができる。後部とは、座席家具シャーシに背もたれがある側とすることができる。
【0009】
固定手段は、ばね要素と固定要素とを含む。ばね要素は、固定要素に力を及ぼす。側部部分が固定手段に固定されると、固定要素は、ばね力に対抗して移動する。本明細書の文脈において、固定とは、特に、側部部分を基体に固定することを意味すると理解される。このようにして、ばね力を利用して側部部分を固定手段に固定することができ、そしてばね力に打ち勝って再び取外すことが可能である。
【0010】
取外し可能な側部部分は、基体を側部部分とは別に輸送することが可能であるという特別な利点がある。したがって、1つの大きくて面倒な物体の代わりに、2つの個別の、切り離された、より面倒でない物体を輸送することが可能である。また、ユーザが自宅で側部部分を固定手段に固定可能であることは、ユーザが自分に適した側部部分を選択することができ、既に基体に固定されている特定の側部部分に制限されないという点で有利である。また、側部部分の交換も簡単である。
【0011】
さらに、製造中の座席家具シャーシの取り扱いが簡単になる。安全衛生上の理由から、一人の作業者が基体と側部部分の両方を同時に運ぶことは、重量の観点から許されない場合がある。側部部分と基体とはそれぞれ個別に運ぶことが可能であるので、一人の作業者が工具を使わずに座席家具シャーシ全体を運ぶことが可能である。
【0012】
本発明の一実施形態に従えば、側部部分は、受容領域を含むことが可能である。固定手段における側部部分の固定状態において、固定要素は、受容領域に配設され、ばね力によって受容領域に保持され得る。
【0013】
本発明の一実施形態に従えば、受容領域は、固定手段での側部部分の固定状態において、固定要素にクランプ力を及ぼすように構成することが可能である。このようにして、特に良好な固定が達成され、固定要素と受容領域との間に遊びがないことが保証される。
【0014】
本発明の一実施形態に従えば、側部部分はアームレストを含むことが可能である。本明細書の文脈では、アームレストとは、特に、詰め物をして上張りされるように構成され、張り合わされた状態で、座席家具シャーシに座っているユーザのためのアームサポートとして機能するように構成された構成要素を意味すると理解される。
【0015】
本発明の一実施形態に従えば、側部部分は、回動動作で固定手段に固定されるように構成することが可能である。これは、ユーザが直感的に、工具を使わずに、少ない労力で行うことが可能である、特に単純なタイプの固定である。
【0016】
本発明の一実施形態に従えば、側部部分は、滑動面を有することが可能である。固定要素は、側部部分を固定手段に固定する際に、滑動面に沿って滑るように構成することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態に従えば、滑動面は、側部部分を固定手段に固定する際に、ばね力に対抗する固定手段の動きを誘発するように構成することが可能である。たとえば、この動きは、回動運動中に自動的に行われ得る。したがって、側部部分を固定手段に固定することは特に簡単である。
【0018】
本発明の一実施形態に従えば、固定手段は、支持要素を有することが可能である。側部部分は、支持領域を備えることが可能である。支持領域は、固定手段への側部部分の固定時に支持要素上に載るように構成することが可能である。これは、特に、支持領域が、側部部分の回動運動中に支持要素上に載っていることを意味することが可能である。このようにして、ユーザにとっては、回動運動を正しく行うことが特に容易になる。この場合、支持要素および支持領域は、位置決め補助の役割を果たしている。
【0019】
本発明の一実施形態に従えば、支持領域は、支持要素の外側の形状に適合した形状を有することが可能である。支持領域は、たとえば、丸みを有することができ、その半径は、支持要素の丸みの半径にほぼ対応するものである。このようにして、回動運動の実行が再び単純化される。
【0020】
本発明の一実施形態に従えば、支持要素は、回動運動の回動軸を定義することが可能である。本明細書の文脈において、回動軸とは、特に、必ずしも構成要素として存在しなくてもよい幾何学的軸を意味すると理解される。
【0021】
本発明の一実施形態に従えば、支持要素は棒状としてよい。本明細書の文脈において、「棒状」とは、特に、支持要素の長さがその幅および高さを何倍も上回る細長い構造を意味すると理解される。たとえば、長さは、幅および高さの10倍以上とすることが可能である。
【0022】
本発明の一実施形態に従えば、支持要素は、丸い断面形状を有することが可能である。丸い断面形状は、側部部分の回動運動を良好に行うことを可能とするために、特に有利である。
【0023】
本発明の一実施形態に従えば、固定要素は、棒状の構成とすることが可能である。
【0024】
本発明の一実施形態に従えば、固定要素は、丸い断面形状を有することが可能である。
【0025】
本発明の一実施形態に従えば、固定手段は、案内手段を含むことが可能である。案内手段は、運動中、ばね力に対抗して固定要素を案内するように構成することが可能である。
【0026】
本発明の一実施形態に従えば、案内要素は、ばね力に対抗して固定要素を第1位置に保持するように構成することが可能である。固定要素は、ばね力に対抗する移動中に、第1位置から第2位置に移動するように構成することが可能である。
【0027】
たとえば、案内要素は、細長い穴を有し、その中で固定要素が案内されることが可能である。
【0028】
本発明の一実施形態に従えば、固定手段は、第1形状接続要素を含むことができ、側部部分は、第2形状接続要素を含むことが可能である。第1形状接続要素および第2形状接続要素は、互いに形状接続接続するように構成することが可能である。形状接続は、固定手段に対する側部部分の垂直方向の動きを制限または防止することが可能である。このようにして、側部部分は、固定手段にしっかりと固定されることが可能である。
【0029】
本発明の一実施形態に従えば、側部部分は、工具を使わずに固定手段に固定可能であり、工具を使わずに固定手段から取外し可能である。
【0030】
本方法では、本発明の一実施形態に従って、座席家具シャーシの側部部分がこの座席家具シャーシの固定手段に固定される。まず、側部部分の支持領域が、固定手段の支持要素上に配設される。次いで、支持要素によって規定された回動軸回りに回動運動が行われる。回動運動の間、固定要素は、ばね力に対抗して移動する。
【0031】
その後、固定要素は、ばねの力を利用して受容領域に挿入され、受容領域にクランプされる。
【0032】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照した、好ましい例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。同じ参照数字は、同一または類似の構成要素、ならびに同一または類似の機能を有する構成要素に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態に係る座席家具シャーシにおいて、側部部分を固定手段に固定する経過を示す概略工程図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る座席家具シャーシの固定手段を示す概略斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る座席家具シャーシの概略平面図である。
【
図5】
図4の座席家具シャーシの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1A~
図1Dは、側部部分100の一部分のみを示している。これは、側部部分100が固定手段101に固定されている部分である。
図1Eにおいて、
図1DのDと書かれた部分が拡大されて示されている。
【0035】
固定手段101は、固定要素102と、案内要素103と、ばね要素104と、支持要素105とを備える。側部部分100は、支持領域106と、受容領域107と、滑動面108と、クランプ手段109とを有する。ばね要素104は、固定要素102が
図1Aに示す第1位置に保持されるように、固定要素102にばね力を及ぼす。
【0036】
側部部分100を固定手段101に固定するために、まず、支持領域106が支持要素105上に配設される。ユーザの組立てを容易にするために、支持要素105と支持領域106とを同じ色に仕上げることが可能である。このようにして、これらの2つの構成要素が互いに接続されなければならないことを、簡単な方法でユーザに明らかにすることが可能である。さらに、または代わりに、支持要素105および支持領域106はそれぞれ、形状マーキングを有してもよい。これにより、特に目の不自由な人にとって、組立てが容易になる。形状マーキングは、2つの構成要素が、互いに属していることを手探りで感じることが可能であるように、互いに同一としたり、または互いに対応していたりすることが可能である。
図1Bでは、支持要素105と支持領域とが連結された状態で示されている。そして、側部部分100は、支持要素105によって規定される回動軸回りに回動運動される。この回動運動の間、滑動面108は、固定要素102と接触し、それをばね力に対抗して移動させる。この動きの間、固定要素は、案内要素103の細長い穴に案内される。この状態を
図1Cに示す。
【0037】
回動運動の間、たとえばボルトまたはリベットなどの側部部分100の突起110が、固定手段101の凹部109と係合する。突起110と凹部109とは、垂直方向に形状接続を形成する。このようにして、固定手段101に対する側部部分100の垂直方向の動きが制限または防止される。
【0038】
図1Dには、側部部分100が固定手段101にいかように固定されるかが示されている。固定要素102は、再び第1位置にあり、ばね力によってそこに保持される。加えて、クランプ手段109は、特に良好な固定が達成されて、第1位置における固定要素102の機械的な遊びが低減されるように、この位置において固定要素102にクランプ力を及ぼす。
【0039】
図4および
図5から、座席家具シャーシが、固定手段101が配設された座フレーム400を有することが明らかである。それによって、側部部分100は座フレームに横方向に固定されている。
【国際調査報告】