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特表2022-517603ヘルメット用フィッティングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】ヘルメット用フィッティングシステム
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/08 20060101AFI20220302BHJP
   A42B 3/14 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
A42B3/08
A42B3/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540340
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 KR2019013592
(87)【国際公開番号】W WO2020149496
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】10-2019-0005110
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
2.VELCRO
(71)【出願人】
【識別番号】521305262
【氏名又は名称】エイチジェイシー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】HJC CORP.
【住所又は居所原語表記】23, Seori-ro, Idong-eup, Cheoin-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, 17127, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ,グァンムン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】ユ,デソク
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107BA07
3B107BA08
3B107CA02
3B107DA03
3B107DA05
3B107DA18
3B107DA19
3B107DA21
(57)【要約】
本発明はヘルメット用フィッティングシステムに関するものであり、本発明によるヘルメット用フィッティングシステムは、ヘルメット400に一端が固定されるバンド(100)、及びバンド(100)に連結されて着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部(200)を含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットに一端が固定されるバンドと、
前記バンドに連結されて着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部と、を含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項2】
請求項1記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記バンドが、
前記ヘルメットの一側に一端が固定される第1バンドと、
前記ヘルメットの他側に一端が固定される第2バンドと、を含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項3】
請求項2記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1バンドの他端と前記第2バンドの他端が、前記フィッティング部と弾性力を付与する弾性手段を介して連結される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項4】
請求項3記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記弾性手段が、引張スプリング、バンド、ゴム又はシリコンからなる、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項5】
請求項3記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記弾性手段が、
前記第1バンドの他端と前記フィッティング部を連結する第1弾性手段と、
前記第2バンドの他端と前記フィッティング部を連結する第2弾性手段と、を含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項6】
請求項5記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1弾性手段の一端が前記第1バンドの他端に連結され、前記第1弾性手段の他端が前記フィッティング部に連結され、
前記第2弾性手段の一端が前記第2バンドの他端に連結され、前記第2弾性手段の他端が前記フィッティング部に連結される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項7】
請求項6記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部において前記ヘルメットの一側に近い領域を第1領域と定義し、前記フィッティング部において前記ヘルメットの他側に近い領域を第2領域と定義するとき、
前記第1弾性手段が前記第2領域で前記フィッティング部に結合され、
前記第2弾性手段が前記第1領域で前記フィッティング部に結合される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項8】
請求項5記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が弾性変形する方向と直交する方向に、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が重畳するように配置される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項9】
請求項8記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部が、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段を隔離する分離壁を含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項10】
請求項5記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部が、
ベース部と、
前記ベース部との間に空間が形成されるように前記ベース部に結合されるカバーと、を含み、
前記ベース部と前記カバーによって形成される空間に第1弾性手段及び前記第2弾性手段が配置される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項11】
請求項10記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1弾性手段の一端が前記第1バンドの他端に連結され、
前記第2弾性手段の一端が前記第2バンドの他端に連結され、
前記ベース部と前記カバーの少なくとも一方に突出した突起が形成され、前記突起に前記第1弾性手段の他端及び前記第2弾性手段の他端が連結される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項12】
請求項11記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部において前記ヘルメットの一側に近い領域を第1領域と定義し、前記フィッティング部において前記ヘルメットの他側に近い領域を第2領域と定義するとき、
前記突起が、
前記第2領域に形成され、前記第1弾性手段の他端に連結される第1突起と、
前記第1領域に形成され、前記第2弾性手段の他端に連結される第2突起と、を含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項13】
請求項10記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1弾性手段及び前記第2弾性手段が弾性変形する方向と直交する方向に前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が重畳するように配置される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項14】
請求項13記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部が、
前記第1弾性手段と前記第2弾性手段を隔離するように、前記ベース部と前記カバーの少なくとも一方に形成された分離壁をさらに含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項15】
請求項2記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1バンドの一端及び前記第2バンドの一端が前記フィッティング部からの距離が異なる二つ以上の地点で前記ヘルメットに固定される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項16】
請求項1記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部が前記ヘルメットに対して前方及び後方に移動することができるように、前記フィッティング部を支持する支持部をさらに含む、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項17】
請求項5記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が上下方向又は前後方向に重畳する、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【請求項18】
請求項5記載のヘルメット用フィッティングシステムにおいて、
前記フィッティング部の所定地点を基準に、前記第1弾性手段が一方向に延びるように配置され、前記第2弾性手段が他方向に延びるように配置される、
ヘルメット用フィッティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘルメット用フィッティングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘルメットは着用者の頭部を保護するものであり、用途によって自転車用ヘルメット、スキー用ヘルメット、バイク用ヘルメットなどがある。
【0003】
このようなヘルメットは、一般的に、両側に備わる顎紐が締結される構造を有し、ヘルメットがずれることを防止するために、後頭部側にバンドが締結されてフィッティング感を高める。
【0004】
従来技術によるヘルメットは、バンドの長さを制御することができるダイヤルを備える。よって、ダイヤルを一方向に回せばバンドが締められ、ダイヤルを他方向に回せばバンドを緩めることができる。しかし、従来技術によるヘルメットは、着脱の度にダイヤルを回してバンドを締めるか緩めなければならないという手間が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0456037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するためのものである。本発明の一側面は、着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部を備えることにより、ヘルメットの着脱の度に必要となる別途の操作を排除したヘルメット用フィッティングシステムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムは、ヘルメットに一端が固定されるバンド、及び前記バンドに連結されて着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部を含む。
【0008】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記バンドは、前記ヘルメットの一側に一端が固定される第1バンド、及び前記ヘルメットの他側に一端が固定される第2バンドを含む。
【0009】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1バンドの他端と前記第2バンドの他端は前記フィッティング部と弾性力を付与する弾性手段を介して連結される。
【0010】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記弾性手段は、引張スプリング、バンド、ゴム又はシリコンである。
【0011】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記弾性手段は、前記第1バンドの他端と前記フィッティング部を連結する第1弾性手段、及び前記第2バンドの他端と前記フィッティング部を連結する第2弾性手段を含む。
【0012】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段の一端が前記第1バンドの他端に連結され、前記第1弾性手段の他端が前記フィッティング部に連結され、前記第2弾性手段の一端が前記第2バンドの他端に連結され、前記第2弾性手段の他端が前記フィッティング部に連結される。
【0013】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部における前記ヘルメットの一側に近い領域を第1領域と定義し、前記フィッティング部において前記ヘルメットの他側に近い領域を第2領域と定義するとき、前記第1弾性手段は前記第2領域で前記フィッティング部と結合され、前記第2弾性手段は前記第1領域で前記フィッティング部と結合される。
【0014】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段及び前記第2弾性手段が弾性変形する方向と直交する方向に、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が重畳するように配置される。
【0015】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部は、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段を隔離する分離壁を含む。
【0016】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部は、ベース部、及び前記ベース部との間に空間が形成されるように、前記ベース部と結合されるカバーを含み、前記ベース部と前記カバーによって形成される空間に前記第1弾性手段及び前記第2弾性手段が配置される。
【0017】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段の一端が前記第1バンドの他端に連結され、前記第2弾性手段の一端が前記第2バンドの他端に連結され、前記ベース部と前記カバーの少なくとも一方には突出した突起が形成され、前記突起に前記第1弾性手段の他端及び前記第2弾性手段の他端が連結される。
【0018】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部において前記ヘルメットの一側に近い領域を第1領域と定義し、前記フィッティング部において前記ヘルメットの他側に近い領域を第2領域と定義するとき、前記突起が、前記第2領域に形成され、前記第1弾性手段の他端に連結される第1突起、及び前記第1領域に形成され、前記第2弾性手段の他端に連結される第2突起を含む。
【0019】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段及び前記第2弾性手段が弾性変形する方向と直交する方向に、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が重畳するように配置される。
【0020】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部は、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段を隔離するように、前記ベース部と前記カバーの少なくとも一方に形成された分離壁をさらに含む。
【0021】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1バンドの一端と前記第2バンドの一端が前記フィッティング部からの距離が異なる二つ以上の地点で前記ヘルメットに固定される。
【0022】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部が前記ヘルメットに対して前方及び後方に移動することができるように、前記フィッティング部を支持する支持部をさらに含む。
【0023】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が上下方向に重畳するか又は前後方向に重畳する。
【0024】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記第1弾性手段と前記第2弾性手段が上下方向に重畳するか又は前後方向に重畳する。
【0025】
また、本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムにおいて、前記フィッティング部の所定地点を基準に前記第1弾性手段は一方向に延びるように配置され、前記第2弾性手段は他方向に延びるように配置される。
【0026】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づく以下の詳細な説明によってより明らかになるであろう。
【0027】
詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的又は辞書的な意味として解釈されず、発明者が自身の発明を最良の方法で説明するために、用語の概念を適切と定義することができるという原則に従って本発明の技術的思想に合う意味及び概念として解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部を備えることにより、ヘルメットの着脱の度に必要となる別途の操作を排除するという利点がある。
【0029】
また、本発明によれば、初期セット位置を着用者が自ら調節することができるように、第1及び第2突出部が結合される第1及び第2陥没部を2個以上備えることにより、着用者の所望とおりにフィッティング部を移動させて後頭部の方向に多様な弾性力を付与できるという効果が奏される。すなわち、着用者に多様な着心地を提供することができ、着用者の頭部の大きさにも対応して自由に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの斜視図である。
図2】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムのフィッティング部を拡大した拡大斜視図である。
図3】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの斜視図である。
図4】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムのフィッティング部を拡大した拡大斜視図である。
図5】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの分解斜視図である。
図6】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの底面斜視図である。
図7】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの作動過程を示す側面図である。
図8】本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの作動過程を示す側面図である。
図9】本発明の他の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムのフィッティング部の断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の目的、特定の利点及び新規の特徴は添付図面に基づく以下の詳細な説明と好ましい実施例からより明らかになるであろう。本明細書で、各図の構成要素に符号を付するに際して、同じ構成要素は、たとえ他の図に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、「第1」、「第2」などの用語は一の構成要素を他の構成要素と区別するために使われるものであり、構成要素が前記用語によって制限されるものではない。以下、本発明の説明において、本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性がある関連の公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0032】
以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0033】
図1及び図3は本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの斜視図であり、図2及び図4は本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムのフィッティング部を拡大した拡大斜視図であり、図5は本発明の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの分解斜視図である。
【0034】
図1図5に示したように、本実施例によるヘルメット用フィッティングシステムは、ヘルメット400に一端が固定されるバンド100、及びバンド100に連結されて着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部200を含む。
【0035】
バンド100はフィッティング部200を支持するものであり、バンド100の一端がヘルメット400に固定され、バンド100の他端が弾性手段300を介してフィッティング部200に連結される。全体的に、バンド100は一対からなってヘルメット400の両側に固定され、着用者の後頭部の方向に延びてフィッティング部200に連結することができる。具体的に、バンド100は、ヘルメット400の一側に一端が固定される第1バンド110と、ヘルメット400の他側に一端が固定される第2バンド120とを含むことができる。例えば、第1バンド110の一端は着用者の頭部の左側と向き合うヘルメット400の内側に固定することができ、第2バンド120の一端は着用者の頭部の右側と向き合うヘルメット400の内側に固定することができる。ここで、第1バンド110の一端と第2バンド120の一端は互いに対向する位置に固定することができる。さらに、第1バンド110の一端と第2バンド120の一端はヘルメット400の一定位置のみに固定されるわけではない。第1バンド110の一端と第2バンド120の一端はフィッティング部200からの距離が異なる二つ以上の地点でヘルメット400に固定することができる。すなわち、ヘルメット400の内側にはフィッティング部200から距離が異なる二つ以上の地点が備えられ、この中の一地点に第1バンド110と第2バンド120が結合される。例えば、フィッティング部200から距離が相対的に遠い地点に第1及び第2バンド110、120が結合されれば、第1及び第2バンド110、120によってフィッティング部200は相対的に前方に配置することができる。反対に、フィッティング部200から距離が相対的に近い地点に第1及び第2バンド110、120が結合されれば、第1及び第2バンド110、120によってフィッティング部200は相対的に後方に配置することができる。このように、第1及び第2バンド110、120がヘルメット400に結合される地点によって、フィッティング部200の位置が移動すれば、実質的にフィッティング部200に後頭部の方向に付与する弾性力も変化させることができる。これについての具体的な内容は後述する。また、第1及び第2バンド110、120とヘルメット400の結合方法は特に限定されるものではないが、図6に示したように、第1バンド110の一端と第2バンド120の一端にはそれぞれ突出した第1突出部113と第2突出部123が形成され、ヘルメット400の内側には第1突出部113が挿入されるように陥没した第1陥没部410が二つ以上備えられ、第2突出部123が挿入されるように陥没した第2陥没部420が二つ以上備えられる。ここで、第1及び第2突出部113、123と第1及び第2陥没部410、420の結合は、例えばスナップ(snap)方式でなされる。
【0036】
図1図5に示したように、第1バンド110の他端は第1弾性手段310を介してフィッティング部200に連結され、第2バンド120の他端は第2弾性手段320を介してフィッティング部200に連結される。具体的に、第1バンド110の他端には第1貫通ホール115が形成され、このような第1貫通ホール115に第1弾性手段310の一端に備えられた第1連結具315が結合される。これと同様に、第2バンド120の他端には第2貫通ホール125が形成され、このような第2貫通ホール125に第2弾性手段320の一端に備えられた第3連結具325が結合される。このように、第1及び第2バンド110、120がヘルメット400に固定され、弾性手段300を介してフィッティング部200に連結されるので、フィッティング部200には着用者の後頭部の方向に弾性力が付与される。これについての具体的な内容は後述する。
【0037】
前記フィッティング部200は着用者に優れたフィッティング感を提供する役割を果たすものであり、バンド100に連結されて着用者の後頭部の方向に弾性力を付与する。基本的に、フィッティング部200はヘルメット400の両側に固定された第1及び第2バンド110、120に連結され、ヘルメット400の後方側に固定された支持部500に連結されて支持される。ここで、フィッティング部200は第1及び第2バンド110、120と弾性手段300を介して連結されるので、フィッティング部200には着用者の後頭部の方向に弾性力が付与され、支持部500によって支持された状態でフィッティング部200はヘルメット400の前方及び後方に移動可能である。一方、弾性手段300はフィッティング部200に弾性力を付与することができれば特に限定されるものではないが、例えば引張スプリングからなることができる。ただ、弾性手段300が引張スプリングからなるものは例示であり、その他にもバンド、ゴム、シリコンなどからなることができる。
【0038】
ここで、弾性手段300を具体的に見れば、弾性手段300は、第1バンド110の他端とフィッティング部200を連結する第1弾性手段310、及び第2バンド120の他端とフィッティング部200を連結する第2弾性手段320を含むことができる。ここで、第1弾性手段310の一端が第1バンド110の他端に連結され、第1弾性手段310の他端がフィッティング部200に連結される。これと同様に、第2弾性手段320の一端が第2バンド120の他端に連結され、第2弾性手段320の他端がフィッティング部200に連結される。より具体的に、第1弾性手段310の一端には第1連結具315が備えられ、第1バンド110の他端に形成された第1貫通ホール115に挿入され、第1弾性手段310の他端には第2連結具317が備えられ、フィッティング部200の第1突起215aが挿入される。これと同様に、第2弾性手段320の一端には第3連結具325が備えられ、第2バンド120の他端に形成された第2貫通ホール125に挿入され、第2弾性手段320の他端には第4連結具327が備えられ、フィッティング部200の第2突起215bが挿入される。上述したように、第1弾性手段310が第1バンド110とフィッティング部200を連結し、第2弾性手段320が第2バンド120とフィッティング部200を連結する。したがって、フィッティング部200の後方に外力が印加されれば、第1及び第2弾性手段310、320が伸びるのに伴いフィッティング部200は前方から後方に移動することができる(図2―>図4参照)。仮に、フィッティング部200に印加される外力が除去されれば、第1及び第2弾性手段310、320が収縮するのに伴いフィッティング部200は後方から前方に移動することができる(図4―>図2参照)。
【0039】
また、フィッティング部200を具体的に見れば、フィッティング部200は、ベース部210及びカバー220を含むことができる。ここで、ベース部210は板状に形成されて支持部500に連結され、カバー220はベース部210との間に空間が形成されるようにベース部210に結合される。ベース部210とカバー220との間に形成される空間には第1弾性手段310及び第2弾性手段320が配置される。ここで、ベース部210から突出した突起215が設けられており、それに伴って、第1弾性手段310の他端に備えられた第2連結具317と第2弾性手段320の他端に備えられた第4連結具327が連結される。より具体的に、図2に示したように、フィッティング部200においてヘルメット400の一側に近い領域(左側領域)を第1領域Aと定義し、フィッティング部200においてヘルメット400の他側に近い領域(右側領域)を第2領域Bと定義するとき、突起215は第2領域Bに形成された第1突起215aと第1領域Aに形成された第2突起215bとを含むことができる。ここで、第1突起215aには第1弾性手段310の他端に備えられた第2連結具317に挿入されて連結され、第2突起215bには第2弾性手段320の他端に備えられた第4連結具327に挿入されて連結される。よって、第1弾性手段310と第2弾性手段320はベース部210の長手方向に沿って並んで配置され、第1及び第2弾性手段310、320が弾性変形する方向(第1及び第2弾性手段310、320の長手方向)と直交する方向(上下方向)に、第1弾性手段310と第2弾性手段320が重畳するように配置される。このように、第1弾性手段310と第2弾性手段320が上下方向に重畳するように配置されれば、相対的に小さな厚さ内に第1及び第2弾性手段310、320を保管/維持できる。また、着用者の後頭部と接触する仮想の面を基準に見ると、相対的に広い面積に第1及び第2弾性手段310、320が配置されるので、着用者の後頭部に均一な圧力が分布する。
【0040】
また、フィッティング部200は、第1弾性手段310と第2弾性手段320を隔離するように、カバー220から突設された分離壁225を含むことができる。すなわち、第1弾性手段310と第2弾性手段320を隔離する分離壁225を備えることができる。このような分離壁225が第1弾性手段310と第2弾性手段320を隔離することにより、第1弾性手段310と第2弾性手段320が弾性変形しながら互いに干渉する可能性を完全に排除することができる。
【0041】
一方、突起215がベース部210から突出し、分離壁225がカバー220から突出するものとして説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、突起215がカバー220から突出し、分離壁225がベース部210から突出してもよい。すなわち、突起215と分離壁225はベース部210とカバー220のいずれか一方に形成される。
【0042】
そして、図5に示したように、ベース部210の長手方向の両端にはガイドホール219が形成されたガイド部217を備えることができる。このようなガイド部217のガイドホール219には第1及び第2バンド110、120が貫通するように配置され、第1及び第2バンド110、120はベース部210に対して自由に移動可能である。また、カバー220の長手方向の両端には締結突起227が備えられ、このような締結突起227がガイドホール219に挿入されることにより、カバー220とベース部210が結合可能になる。
【0043】
一方、支持部500はフィッティング部200のベース部210から上側に延び、ヘルメット400の後方内側に分離可能に固定することができる。このような支持部500によってフィッティング部200が支持されることにより、フィッティング部200は下側に垂れず、第1及び第2弾性手段310、320の弾性変形によって前方及び後方に移動することができる。
【0044】
さらに、フィッティング部200は着用者に着用安定感を提供するためにパッド600を備えてもよい。具体的に、着用者の後頭部と向き合うフィッティング部200の一面には曲面状に延びたパッド支持体650が備えられ、このようなパッド支持体650にパッド600がベルクロ(velcro)などによって分離可能に結合される。したがって、着用者がヘルメット400を着用したとき、フィッティング部200に付与される弾性力によってパッド600が着用者の後頭部に安定的に接触する。
【0045】
上述したように、フィッティング部200はヘルメット400に固定された第1及び第2バンド110、120と第1及び第2弾性手段310、320を介して連結されるので、着用者の後頭部の方向に弾性力を付与することができる。よって、着用者がヘルメット400を着脱する度に第1及び第2弾性手段310、320が延びるのに伴い第1及び第2バンド110、120の末端がフィッティング部200の内部から外部に突出し(図2―>図4参照)、フィッティング部200は後方に移動することができる(図7―>図8参照)。したがって、着用者は別途の操作なしにヘルメット400を容易に着脱することができる。ここで、フィッティング部200は支持部500によって支持され、ヘルメット400に対して前方及び後方に移動することができる。また、着用者がヘルメット400を被ったとき、フィッティング部200には着用者の後頭部の方向に弾性力が付与されるので、フィッティング部200が着用者の後頭部に接触し、ヘルメット400が勝手に脱がれることを防止するだけでなく、着用者に楽な着心地を提供することができる。
【0046】
一方、図6を参照して見れば、第1及び第2バンド110、120のヘルメット400に結合される地点が変更されて、フィッティング部200の位置が移動すれば、フィッティング部200が後頭部の方向に付与する弾性力が変化する。例えば、フィッティング部200から距離が相対的に遠い地点の第1及び第2陥没部410、420に第1バンド110の第1突出部113と第2バンド120の第2突出部123が結合されれば、フィッティング部200は相対的に前方に配置することができる。よって、着用者がヘルメット400を被ったとき、後頭部に対する相対的に強い着心地を実現することができる。反対に、フィッティング部200から距離が相対的に近い地点の第1及び第2陥没部410、420に第1バンド110の第1突出部113と第2バンド120の第2突出部123が結合されれば、フィッティング部200は相対的に後方に配置することができる。したがって、着用者がヘルメット400を被ったとき、後頭部に対する相対的に弱い着心地を実現することができる。結局、初期セット位置を着用者が自ら調節することができるように、第1及び第2突出部113、123が結合される第1及び第2陥没部410、420を2個以上備えることにより、着用者の所望とおりにフィッティング部200を移動させるので、後頭部の方向に多様な弾性力を付与することができる。すなわち、着用者に多様な着心地を提供することができ、着用者の頭部サイズにも対応することができる。
【0047】
図9は本発明の他の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムのフィッティング部の断面図である。上述した実施例で、第1弾性手段310と第2弾性手段320は上下方向に重畳するものとして説明したが(図2参照)、第1弾性手段310と第2弾性手段320は必ずしも上下方向に重畳するように配置されなくてもよい。例えば、図9に示したように、第1弾性手段310と第2弾性手段320は前後方向に重畳するように配置することができる。このように、第1弾性手段310と第2弾性手段320が前後方向に重畳するように配置すれば、相対的に狭い面積内に第1及び第2弾性手段310、320を保管/維持することができる。したがって、全体的なフィッティング部200の面積を最小化することで、小型化が可能になり、児童用に利用できる。参考までに、第1弾性手段310と第2弾性手段320はフィッティング部200のベース部210とカバー220によって形成される空間に配置され、フィッティング部200のカバー220に形成された分離壁225によって第1弾性手段310と第2弾性手段320が前方及び後方に隔離される。
【0048】
図10は本発明のさらに他の実施例によるヘルメット用フィッティングシステムの断面図である。上述した実施例で、第1弾性手段310と第2弾性手段320は上下方向に又は前後方向に重畳するものとして説明したが(図2及び図9参照)、第1弾性手段310と第2弾性手段320は必ずしも重畳するように配置されなくてもよい。例えば、図10に示したように、第1弾性手段310と第2弾性手段320は連続的に配置される。すなわち、フィッティング部200の所定地点を基準に第1弾性手段310は一方向に延びるように配置され、第2弾性手段320は他方向(一方向の反対方向)に伸びるように配置される。
【0049】
一方、上述した実施例で、弾性手段300が第1弾性手段310と第2弾性手段320を含むものとして説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されないというのは言うまでもなく、1個の弾性手段300を備え、1個の弾性手段300において、第1及び第2バンド110、120とフィッティング部200を連結してもよい。
【0050】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であるというのは明らかである。
【0051】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求範囲によって明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は着用者の後頭部の方向に弾性力を付与するフィッティング部を備えることにより、ヘルメットの着脱の度に必要となる別途の操作を排除したヘルメット用フィッティングシステムを提供する。
【符号の説明】
【0053】
100 バンド
110 第1バンド
113 第1突出部
115 第1貫通ホール
120 第2バンド
123 第2突出部
125 第2貫通ホール
200 フィッティング部
210 ベース部
215 突起
215a 第1突起
215b 第2突起
217 ガイド部
219 ガイドホール
220 カバー
225 分離壁
227 締結突起
300 弾性手段
310 第1弾性手段
315 第1連結具
317 第2連結具
320 第2弾性手段
325 第3連結具
327 第4連結具
400 ヘルメット
410 第1陥没部
420 第2陥没部
500 支持部
600 パッド
650 パッド支持体
A 第1領域
B 第2領域
X 所定地点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】