(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】マイクロアレイ受け部
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20220302BHJP
【FI】
A61M37/00 510
A61M37/00 520
A61M37/00 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541515
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2019082542
(87)【国際公開番号】W WO2020148009
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】102019200558.6
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】クーリック,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】フェール,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】エルホーファー,ステファン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA72
4C267BB07
4C267BB24
4C267CC05
4C267EE08
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、第1の側(12)及び第2の側(14)を有するマイクロアレイ受け部(10)に関する。更に、マイクロアレイ受け部(10)は、マイクロアレイ受け部(10)を適用箇所(18)と連結するための支持構造体(16)を備えている。支持領域(20)が、支持構造体(16)に連結されてマイクロアレイ(22)に連結されている。支持領域(20)と支持構造体(16)との間に関節デバイス(26)が配置されており、関節デバイス(26)は、支持領域(20)に連結されているマイクロアレイ(22)をマイクロアレイ(22)の延長部分に沿って支持構造体(16)に対して移動させることを可能にする。本発明は、このような複数のマイクロアレイ受け部(10)を備えたマイクロアレイ受け部群(100) に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロアレイ受け部(10)であって、
第1の側(12)、好ましくは上側と、
第2の側(14)、好ましくは下側と、
前記マイクロアレイ受け部(10)を適用箇所(18)と連結するための支持構造体(16)と、
前記支持構造体(16)と連結されている支持領域(20)と、
前記支持領域(20)と連結されているマイクロアレイ(22)と、
前記支持領域(20)と前記支持構造体(16)との間に設けられている関節デバイス(26)と
を備えており、
前記関節デバイス(26)は、前記支持領域(20)に連結されている前記マイクロアレイ(22)を前記マイクロアレイ(22)の延長部分に沿って前記支持構造体(16)に対して移動させることを可能にすることを特徴とするマイクロアレイ受け部。
【請求項2】
前記関節デバイス(26)は少なくとも第1の屈曲部(28)を有しており、前記第1の屈曲部(28)は、前記支持領域(20)と特に一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項3】
前記関節デバイス(26)は第2の屈曲部(30)を有しており、前記第1の屈曲部(28)及び前記第2の屈曲部(30)は、好ましくは実質的に互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項4】
好ましくは前記第1の屈曲部(28)と前記第2の屈曲部(30)との間に設けられている係合デバイス(60)、特に係合ピン(32)を備えており、前記係合デバイス(60)の係合の際に、前記第1の屈曲部(28)及び前記第2の屈曲部(30)、好ましくは前記支持構造体(16)の相対的な移動を防止することを特徴とする請求項3に記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項5】
前記第1の屈曲部(28)及び/又は前記第2の屈曲部(30)は、線形の屈曲部、特に線形板タイプの屈曲部であることを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項6】
前記支持領域(20)は、前記関節デバイス(26)及び/又は前記マイクロアレイ(22)と一体に形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項7】
前記関節デバイス(26)は1自由度を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項8】
特に前記第1の屈曲部(28)と前記第2の屈曲部(30)との間に設けられている、前記支持領域(20)の好ましくは線形案内のためのガイドデバイス(70)を備えており、前記ガイドデバイスは、特にガイドロッド(72)を有していることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項9】
前記関節デバイス(26)は、偏移後に開始位置に独立して戻るように形成されているか、又は偏移後に偏移位置に留まるように形成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項10】
前記マイクロアレイ(22)及び/又は前記支持領域(20)の後側に間接的に又は直接連結されて、好ましくは前記マイクロアレイ(22)及び/又は前記支持領域(20)の後側から凸状に延びている力導入構造体(34)を備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項11】
好ましくは前記マイクロアレイ(22)によって貫通され得るベースフィルム(36)を備えており、前記ベースフィルム(36)は、前記マイクロアレイ受け部(10)を前記第2の側(14)で特に滅菌して周囲から隔離することを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項12】
前記ベースフィルム(36)は、前記支持構造体(16)に、好ましくは剥離可能に連結されていることを特徴とする請求項11に記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項13】
好ましくは前記支持構造体(16)に連結されているカバーフィルム(38)を備えており、前記カバーフィルム(38)は、前記マイクロアレイ受け部(10)を前記第1の側(12)で特に滅菌して周囲から隔離することを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項14】
前記カバーフィルム(38)は可撓性及び/又は脆性を有することを特徴とする請求項13に記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項15】
マイクロアレイアプリケータ(50)に連結するための連結デバイス(40)を特に前記第1の側(12)に備えており、前記連結デバイス(40)は、好ましくはねじ及び/又は係合デバイス及び/又は形状嵌合式連結片及び/又はフランジを有していることを特徴とする請求項1~14のいずれか1つに記載のマイクロアレイ受け部(10)。
【請求項16】
マイクロアレイ受け部群(100) であって、
請求項1~15のいずれか1つに記載の複数のマイクロアレイ受け部(10)を備えており、
前記複数のマイクロアレイ受け部(10)の支持領域(20)及び/又は前記複数のマイクロアレイ受け部(10)のベースフィルム(36)及び/又は前記複数のマイクロアレイ受け部(10)のカバーフィルム(38)及び/又は前記複数のマイクロアレイ受け部(10)の支持構造体(16)は、共に連結されており、特に一体に構成されていることを特徴とするマイクロアレイ受け部群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロアレイ受け部及びマイクロアレイ受け部群に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロアレイは、通常、パッチ、プラスタなどの支持面に配置されているか又は支持面に連結されている多数のマイクロニードルを備えている。このようなマイクロアレイは、多数のマイクロニードル、例えば1cm2 当たり500 ~600 のニードルを備えている。マイクロニードルを患者の皮膚に押し込むとき、神経及び血管ができる限りニードル先端と接触しない程度に、ニードルが皮膚に或る程度しか貫通しないように、ニードルの長さは短い。マイクロニードルは有効成分又は薬剤を含む。対応する有効成分をニードルの表面に塗布してもよく、又はニードル内に含めてもよい。ニードルが、患者の皮膚で溶解する材料から製造されていることが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロアレイをヒトの皮膚に適用するとき、特に確実な薬剤送達を保証するために、皮膚へのマイクロニードルの導入が再現可能でなければならないという問題がある。更に、再現性が保証されなくなるため、マイクロニードルの導入はユーザ又は患者と無関係でなければならない。
【0004】
特に、特定の貫通深さが常に保証されるように、マイクロニードルの導入は更に皮膚の性質と無関係とすべきである。
【0005】
現在、マイクロアレイの適用がユーザによって手動で行われることが多い。通常、このために、ユーザは、標準パッケージ、例えばブリスターパックからマイクロアレイを外す。一方では、マイクロアレイは、この瞬間以降汚染にさらされる。他方では、個々のマイクロニードル及び/又はマイクロアレイ全体が損傷する危険性がある。マイクロアレイを外した後、ユーザは、マイクロニードルアレイを適用箇所、例えば皮膚に置く。次のステップで、適用を行う。このため、ユーザが、例えばマイクロアレイの後側を指で押し、結果としてニードルを皮膚に適用することが一般的である。このため、再現可能な適用が提供されない。
【0006】
多数のマイクロニードルを備えたマイクロアレイ又は複数のマイクロニードルアレイが適用箇所に適用される場合、又はマイクロアレイが湾曲した皮膚表面に適用される場合、1つの更なる問題が生じる。この場合も、再現可能な適用が現在提供されていない。
【0007】
本発明の目的は、マイクロアレイの適用の再現性を向上させるマイクロアレイ受け部を作製することである。本発明の更なる一目的は、複数のマイクロアレイの適用を最適化するためのマイクロアレイ受け部群を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するマイクロアレイ受け部及び請求項15の特徴を有するマイクロアレイ受け部群によって本発明に従って達成される。
【0009】
本発明に係るマイクロアレイ受け部は、好ましくはマイクロアレイの適用の際の格納及び/又は取扱及び/又は案内のためのマイクロアレイ受け部である。マイクロアレイ受け部は第1の側を有し、第1の側は、好ましくはマイクロアレイ受け部の上側である。この第1の側は特に、適用箇所、特に皮膚から離れる方向を向いた側である。更に、マイクロアレイ受け部は第2の側、好ましくは下側を有し、この第2の側は、特に皮膚の方を向いた側である。マイクロアレイ受け部は、適用箇所と連結されるように形成されている支持構造体を有している。適用箇所は、ユーザの皮膚であることが特に好ましい。このように、支持構造体は、好ましくは皮膚とのマイクロアレイ受け部の接触面を有している。この接触面は、特に接着性を有するように形成されてもよい。従って、マイクロアレイ受け部は、支持構造体の接触面で皮膚に接着され得る。更に、マイクロアレイ受け部は、支持構造体に連結されている支持領域を有している。好ましい実施形態では、この支持領域は、特に円形状又は矩形状の板として形成されている。支持領域を実質的に2次元領域で具体化することが好ましい。マイクロアレイが支持領域と連結されている。特にマイクロアレイのパッチが支持領域に接着及び/又は溶接されるように、マイクロアレイと支持領域との連結を行ってもよい。他方、マイクロアレイが支持領域と「一体的に」とも称される一体に形成される構成が更に可能である。マイクロ構造体、好ましくはマイクロアレイのマイクロニードルが支持領域に直接取り付けられることが可能である。最初の状態では適用箇所と支持領域及びマイクロアレイとの間に距離があるように、支持構造体が形成されている及び/又は支持領域に連結されていることが好ましい。支持領域は、特に第1の側に対して滅菌バリアを構成するように形成されてもよい。更に、マイクロアレイ受け部は、支持領域と支持構造体との間に関節デバイスを備えている。関節デバイスは、支持領域と連結されているマイクロアレイの支持構造体に対する移動を可能にするように形成されている。支持構造体に対するマイクロアレイのこの相対的な移動は、特にマイクロアレイのマイクロ構造体、好ましくはマイクロニードルの延長部分に沿うように行われる。言い換えれば、特にマイクロアレイと皮膚との距離がこのような移動によって克服され、ひいては皮膚へのマイクロアレイの適用が行われるように、支持領域上のマイクロアレイは、関節デバイスによって支持構造体と連結されて取り付けられている。この場合、関節デバイスは、マイクロ構造体の延長部分に沿った移動のみを可能にするように特に形成されている。しかしながら、更なる移動、特に傾き又は横方向の移動などが可能である構成が更に可能である。関節デバイスは、一側への移動、特に皮膚の方への移動のみを可能にするように具体化され得る。他方、関節デバイスは、両側への移動、特に前後の移動を可能にするように更に具体化されてもよい。支持構造体は、好ましくはマイクロアレイ受け部の特に筒状の筐体を形成している。筐体の筒形状は、好ましくは円形又は矩形、特に正方形又は楕円形基部であってもよい。
【0010】
好ましい実施形態では、関節デバイスは少なくとも第1の屈曲部を有している。第1の屈曲部は、支持領域と一体に形成されていることが好ましい。屈曲部及び支持領域で構成される一体型構成が設けられる場合、マイクロアレイが屈曲部に直接連結されることが特に可能である。この場合、マイクロアレイ及び屈曲部の一体型構成が更に可能である。
【0011】
関節デバイスが、第1の屈曲部に加えて第2の屈曲部を有していることが好ましい。この場合、第1の屈曲部及び第2の屈曲部が実質的に互いに平行に配置されていることが好ましい。第2の屈曲部は、特にマイクロアレイ受け部への好ましくは外部の作用のための作用面を形成している。特に、第2の屈曲部は、外側から移動可能であるように形成されてもよい。このように移動する第2の屈曲部が第1の屈曲部に作用可能であることが好ましい。マイクロアレイ及び/又は支持領域が一次元の、好ましくは線形の偏移のみを受けることができるように、2つの屈曲部が特に形成又は配置されている。この偏移はマイクロアレイのマイクロ構造体の延長部分に沿った偏移であることが好ましい。第1の屈曲部と第2の屈曲部との間にスペーサが設けられていることが好ましい。
【0012】
好ましい実施形態では、マイクロアレイ受け部は、第1の屈曲部及び第2の屈曲部を互いに対して固定するための阻止デバイスを備えている。特に、阻止デバイスは、係合の際に第2の屈曲部に対する第1の屈曲部の相対的な移動を防ぐ係合デバイスである。或いは又は加えて、係合デバイスが、係合の際に第1の屈曲部と支持構造体との相対的な移動を防ぐことが可能である。係合デバイスが、係合の際に第1の屈曲部、第2の屈曲部及び支持構造体の相対的な移動を防ぐように形成されていることが好ましい。係合デバイスが第1の屈曲部と第2の屈曲部との間の係合ピンであることが好ましい。係合ピンは、最初の状態で第1の屈曲部又は第2の屈曲部と既に連結されており、係合の際に他方の屈曲部と係合し、ひいては2つの屈曲部の相対的な移動を防ぐように構成されてもよい。他方、係合ピンが係合の際に両方の屈曲部と係合することが更に可能である。同様に、係合ピンが支持構造体と更に係合することが可能である。
【0013】
第1の屈曲部及び/又は第2の屈曲部は、特に線形の屈曲部である。第1の屈曲部及び/又は第2の屈曲部が線形板タイプの屈曲部であることがより好ましい。線形板タイプの屈曲部は、ランドによって互いに対して移動可能に連結された少なくとも2つの領域を有する剛性板である。これらの領域の互いに対する可動性は、特に平行移動及び/又は直角移動に制限されている。ランド及び/又はこれらの領域は、特に剛性板の打ち抜き及び/又はレーザ切断によって形成されている。線形板タイプの屈曲部は、「ダイヤフラム屈曲部」とも称される。支持領域が、関節デバイス及び/又はマイクロアレイと一体に構成されていることが好ましい。支持領域が支持構造体と一体に連結されることが更に可能である。
【0014】
好ましい実施形態では、関節デバイスは1自由度を有する。従って、関節デバイスが、特にマイクロアレイのマイクロ構造体の延長部分に沿った線形偏移のみを可能にすることが好ましい。言い換えれば、関節デバイスは、Z方向の移動のみを可能にするように構成されていることが好ましい。関節デバイスが一方向への移動、好ましくはマイクロニードルのニードル先端方向への移動のみを可能にすることが特に好ましい。
【0015】
マイクロアレイ受け部が、支持領域の特に線形案内のためのガイドデバイスを備えていることが好ましい。ガイドデバイスは、好ましくは関節デバイスを案内すべく具体化されている。特に、ガイドデバイスは第1の屈曲部と第2の屈曲部との間に配置されている。ガイドデバイスは、特に円形のガイドロッドを有していることが好ましい。好ましくは、ガイドロッドが第1の屈曲部及び/又は第2の屈曲部を案内し、第1の屈曲部及び/又は第2の屈曲部は、好ましくはガイドロッドによる案内のための開口部を有している。
【0016】
一方、関節デバイスが、偏移後に支持領域を開始位置に独立して戻すように構成されることが可能である。他方、関節デバイスが支持領域を偏移位置に保持することが可能である。この第1の可能な構成によれば、特にマイクロニードルの皮膚への貫通の際に関節デバイスが特に外側から偏移させられなくなると即座に、その後のマイクロニードルの皮膚からの抜き取りが行われる。可能な第2の構成によれば、初めて関節デバイスが偏移した後、マイクロニードルが皮膚に貫通し、好ましくは関節デバイスによって偏移させられ、ひいては皮膚に貫通したままであることが特に可能である。このために、マイクロアレイ受け部が固定デバイス、特に係合固定デバイスを備えていることが好ましく、固定デバイスは、関節デバイス及び/又は支持領域を偏移位置で阻止又は固定し、このようにして開始位置へのマイクロアレイの戻りを少なくとも一時的に防ぐ。特に、係合固定デバイスは、関節デバイスを支持する係合ヒンジ、及び/又は特に支持領域と支持構造体との間に作用するスナップファスナである。マイクロアレイ受け部、特に関節デバイスがばねなどの予張力デバイスを有していることが好ましい。予張力デバイスは、特に偏移中の支持領域の加速及び/又は偏移位置での支持領域の保持を引き起こすように具体化されている。
【0017】
マイクロアレイ受け部が、マイクロアレイの後側に間接的に又は直接連結されている力導入構造体を備えていることが好ましい。
【0018】
特に、力導入構造体はマイクロアレイの反対側の支持領域と連結されてもよい。力導入構造体が凸状に構成されていることが好ましい。
【0019】
マイクロアレイ受け部は、特にベースフィルムを備えている。ベースフィルムは、好ましくはマイクロアレイ受け部の第2の側に配置されている。好ましい実施形態では、ベースフィルムは、周囲に対して第2の側にマイクロアレイの滅菌バリアを構成している。ベースフィルムが、マイクロアレイによって貫通され得るように構成されることが可能である。従って特にマイクロアレイのマイクロニードルはベースフィルムを穿孔し得る。
【0020】
ベースフィルムが支持構造体に連結されていることが好ましい。この場合、ベースフィルムが支持構造体に剥離可能に又は取り外し可能に連結されていることが特に好ましい。この剥離式連結は、特にベースフィルムを支持構造体に接着することにより行われる。従って、特に使用前に、ユーザがベースフィルムを支持構造体から外し、このようにしてマイクロアレイを露出することが可能である。
【0021】
ベースフィルムが接着層を有することが可能である。このようにして、特にマイクロアレイ受け部を適用箇所に固定することが可能である。
【0022】
マイクロアレイ受け部は、好ましくはカバーフィルムを備えている。カバーフィルムは、特に支持構造体に連結されている。この場合、固定式の着脱不可能な連結が好ましい。特に、カバーフィルムは支持構造体に、好ましくは超音波溶接によって溶接されてもよく又は接着されてもよい。カバーフィルムは、好ましくは周囲に対してマイクロアレイ受け部の第1の側に滅菌バリアを形成している。
【0023】
カバーフィルムは、特に可撓性及び/又は脆性を有するように形成されている。可撓性を有する構成の場合、特にカバーフィルムに外側から作用が生じる場合があり、カバーフィルムは弾性的に撓む。壊れやすい、好ましくは穿孔された構成の場合、カバーフィルムは外部の作用で裂けて、ひいてはマイクロアレイ受け部への外側からの作用を可能にすることができる。
【0024】
好ましい構成では、マイクロアレイ受け部は連結デバイスを備えている。連結デバイスは、特にマイクロアレイ受け部の第1の側に設けられている。連結デバイスが支持構造体に、好ましくは一体に連結されていることが特に好ましい。連結デバイスは、特にマイクロアレイアプリケータのための連結デバイスである。連結デバイスは、好ましくはねじ及び/又はプラグタイプの連結部及び/又は形状嵌合式連結片及び/又は接着ポイント及び/又はフランジ及び/又はバヨネット-ファスナ式連結片及び/又は磁気式連結片、特に磁石を有している。
【0025】
本発明に係るマイクロアレイ受け部群は、上記の定義に従って本発明に係る複数のマイクロアレイ受け部を備えている。特に、異なる作用物質及び/又は異なるニードル数などを有する異なるマイクロアレイが設けられてもよいように、複数のマイクロアレイ受け部は同一又は異なるマイクロアレイを有してもよい。複数のマイクロアレイ受け部の支持領域及び/又はベースフィルム及び/又はカバーフィルム及び/又は支持構造体は、好ましくは共に連結されており、特に一体連結が好ましい。このようにして、複数のマイクロアレイ受け部が共に連結され得る。特に、このようにして複数のマイクロアレイ受け部が共に、好ましくは連続的に形成され得る。このようにして、共に連結された複数のマイクロアレイ受け部を、適用される身体部位、特に湾曲した皮膚部分に適用することが更に有利に可能である。そのため、これらの複数のマイクロアレイ受け部を同時的に又は経時的に交互に適用することが可能である。
【0026】
本発明について、図面を参照して好ましい実施形態を用いて以下に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係るマイクロアレイ受け部群を示す平面略図である。
【
図2】本発明に係るマイクロアレイ受け部の実施形態を示す、
図1の領域IIの詳細図である。
【
図3】
図2の断面III に沿ったマイクロアレイ受け部に実質的に相当する、本発明に係るマイクロアレイ受け部の実施形態を示す断面略図である。
【
図4】本発明に係るマイクロアレイ受け部の更なる実施形態を示す断面略図である。
【
図5】本発明に係るマイクロアレイ受け部の更なる実施形態を示す断面略図である。
【
図6a】開始位置における本発明に係るマイクロアレイ受け部の更なる実施形態を示す断面略図である。
【
図6b】適用位置における
図6aのマイクロアレイ受け部を示す断面略図である。
【
図7】本発明に係るマイクロアレイ受け部の更なる実施形態を示す断面略図である。
【
図8a】開始位置におけるマイクロアレイアプリケータ及び本発明に係るマイクロアレイ受け部の実施形態を備えた適用システムを示す断面略図である。
【
図8b】適用位置における
図8aのデバイスを示す断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
同様又は同一の部品又は要素が、図面に同一の参照番号で特定されている。特に明瞭性を向上させるために、好ましくは既に特定されている要素は、全ての図面に参照番号が記載されていない。
【0029】
図1は、(ベースフィルム36を省いた)本発明に係るマイクロアレイ受け部群100 の実施形態の下側を示す平面図である。
【0030】
マイクロアレイ受け部群100 は、カバーフィルム38によって共に連結されている本発明に係るマイクロアレイ受け部10, 10’, 10’’, 10’’’の複数の実施形態を示す。マイクロアレイ受け部群を適用するために、マイクロアレイ受け部群100 の図示された側102 が皮膚に載置され、ひいてはカバーフィルム38によって周囲から保護されるように、マイクロアレイ受け部群が特にヒトの皮膚に置かれる。この場合、マイクロアレイ受け部群100 が特に皮膚の湾曲部分に適合するように、カバーフィルム38及び/又はマイクロアレイ受け部10, 10’, 10’’, 10’’’は、可撓性を有するように構成されていることが好ましい。
【0031】
マイクロアレイ受け部群100 が皮膚に置かれると、特に個々のマイクロアレイ受け部10は互いに独立して適用されることができるか、又は全てのマイクロアレイ受け部を共に適用することができる。
【0032】
図示された実施形態の代わりに、支持構造体16, 16’, 16’’, 16’’’を共に、特に一体に連結することが可能である。
【0033】
図2は、
図1のマイクロアレイ受け部10の詳細図である。
図2は、この図では確認できない上側12の反対側にあるマイクロアレイ受け部10の下側14を示す。
【0034】
マイクロアレイ受け部10は、支持領域20を越えて部分的に突出する周方向を囲む支持構造体16を有しており、支持構造体16は、支持領域20と重なる領域によって支持領域20と連結されている(
図3参照)。支持構造体16の突出領域が、
図2に示されていないカバーフィルム38に連結されていることが好ましい(
図1及び
図3参照)。カバーフィルム38と支持構造体16との連結は、溶接及び/又は接着によって具体化されることが好ましいが、一体型又は他の構成も可能である。支持構造体16と支持領域20との連結は、特に接着及び/又は溶接によって行われてもよいが、一体に構成されてもよい。支持領域20は、複数のマイクロニードル24を有するマイクロアレイ22と連結されている。図示されているようなマイクロアレイ22は、マイクロニードル24が配置されているパッチであり、マイクロニードル24は、特にパッチと一体に形成されている。この場合、マイクロニードル24は、紙面から(Z方向に)好ましくは円錐状に延びている。図示されている実施形態の代わりに、マイクロアレイ22を支持領域20と直接連結することが更に可能であり、一体連結も可能である。従って、支持領域20をマイクロアレイ22及び/又はマイクロニードルと共に一体に構成することが可能である。支持構造体16は、特に支持領域20と適用箇所との距離を保証する(
図2の紙面から突出する)高さを有することが好ましい。
【0035】
図2のマイクロアレイ受け部10は、関節デバイス26を更に有している。この場合、関節デバイス26は、屈曲部として、特に線形板タイプの屈曲部として具体化されている。このため、支持構造体16は、特に実質的に支持領域20と好ましくは対応する板を穿孔することにより形成されたスリット42, 44を有している。これらのスリット42, 44間にランド48がある。好ましくは可撓性を有するこれらのランド48は、支持領域20の外側領域に対する内側領域の可動性を可能にする。関節デバイス26は、特にマイクロアレイのZ方向の移動を可能にする。しかしながら、図示されている屈曲部の関節デバイス26の実施形態で具体化されているため、マイクロアレイ22の傾きが更に可能であるので、X軸及び/又はY軸を中心とした移動が同様に可能である。
【0036】
マイクロアレイ受け部10がマイクロアレイ受け部群100 から独立して形成されることが可能である。従って、
図2の実施形態に係るマイクロアレイ受け部10は、特に別個のカバーフィルム38を有する。
【0037】
図3は、本発明に係るマイクロアレイ受け部10の実施形態を示す断面略図であり、マイクロアレイ受け部10は、(マイクロアレイ受け部群100 から独立して)
図2の断面III に沿ったマイクロアレイ受け部と実質的に対応する。
【0038】
図2の実施形態とは異なり、
図3では、ベースフィルム36が示されている。このベースフィルム36は支持構造体16に連結されている。ベースフィルム36と支持構造体16とのこの連結は、好ましくは接着連結として具体化されている。特に適用前にユーザがマイクロアレイ受け部10からベースフィルム36を外すことができるように、ベースフィルム36が剥離可能又は取り外し可能に形成されていることが特に好ましい。或いは又は加えて、ベースフィルム36が、マイクロアレイ22によって、つまり特にマイクロニードル24によって穿孔され得るように、ベースフィルム36が具体化されることが可能である。特に、マイクロアレイ受け部10がベースフィルム36の接着層によって接着方式で適用箇所に連結され得るように、ベースフィルム36は、好ましくは図示された下側に接着層を有してもよい。
【0039】
図示されている形態では、マイクロアレイ受け部10は、偏移していない位置又は適用されていない位置にある。従って、特に線形板タイプの屈曲部である屈曲部26は偏移しない。マイクロアレイ22の後側又は支持領域20の後側に、凸状力導入構造体34が連結されている。この凸状力導入構造体34により、特に対向する凸状のアプリケータを用いて力を導入する場合、マイクロアレイ22の適用を適用箇所、つまり特に皮膚に法線ベクトルで行うことが可能になる。従って、結果として、Z軸に沿った偏移が生じ、皮膚へのマイクロニードルの最適な穿孔及び適用が可能になる。
【0040】
マイクロアレイ22は、ベースフィルム36及びカバーフィルム38及び/又は支持領域20によって周囲から保護されている。この場合、特に周囲からの滅菌保護が可能である。
【0041】
図4は、本発明に係るマイクロアレイ受け部10の更なる実施形態を示す。
図4の実施形態は、大部分が
図3の実施形態に対応する。
図3の実施形態とは対照的に、
図4のマイクロアレイ受け部は力導入構造体34を有さない。同様に、
図4の実施形態にはカバーフィルム38が示されていない。しかしながら、
図4の実施形態にカバーフィルム38を設けることが同様に可能である。
【0042】
更に、
図4の関節デバイス26の実施形態は、
図3の実施形態とは異なる。この場合、関節デバイス26は第1の屈曲部28を有しており、この第1の屈曲部28は、実質的に
図3の実施形態に対応し、つまり特に線形板タイプの屈曲部として具体化されている。更に、マイクロアレイ受け部は、第1の屈曲部28の上側に第2の屈曲部30を有している。第2の屈曲部30は、特にばね鋼から構成された板であり、板は上方に湾曲しており、このようにして予張力状態であることが好ましい。言い換えれば、第2の屈曲部30の実施形態は、「クリッカ"Knackfroschs"」の形態の実施形態に相当する。第2の屈曲部30に上から圧力を加えると、第2の屈曲部30は変形して反対側に跳ね、その結果、第2の屈曲部30は下方に湾曲して、この位置に留まる。この変形変化により、第2の屈曲部30は第1の屈曲部28に作用し、第1の屈曲部28を同様に偏移させる。その結果、第1の屈曲部に連結されているマイクロアレイ22の偏移又は適用が行われる。
【0043】
図示されている実施形態では、マイクロアレイ受け部10は係合デバイス60を有している。図示されているように、係合デバイス60は、ピン32及び第2の屈曲部30の開口部31を有している。ピン32は、第1の屈曲部28に連結されており、特に第1の屈曲部28と一体に形成されている。ピン32は、骨形の略半分の構造を有しているため、一端部に一種の半球体又は肉厚部分33が設けられていることが好ましい。ピン32は、第1の屈曲部28と連結されている他側に向かって先細になっている。第2の屈曲部30が偏移すると、第2の屈曲部30が、第2の屈曲部30に設けられている開口部31によって、特に可撓性を有するように形成されているピン32の肉厚部分33に押し付けられる。結果として、第1の屈曲部28との第2の屈曲部30の係合が生じるため、第1の屈曲部28及び第2の屈曲部30のその後の相対的な移動が防止される。言い換えれば、第2の屈曲部30は第1の屈曲部28と係合する。第2の屈曲部30の予張力のため、第1の屈曲部28及び第2の屈曲部30は偏移位置に留まり、マイクロアレイ22が偏移して、ひいては適用されたままである。
【0044】
図4に示されている係合デバイス60を使用した実施形態の代わりに、係合デバイス無しの、従って好ましくは第2の屈曲部30の開口部31も無しのマイクロアレイ受け部10の実施形態が同様に可能である。
【0045】
特に
図3の実施形態とは対照的に、好ましくは互いに平行に関連付けられている2つの屈曲部28, 30が設けられているため、X軸及び/又はY軸を中心としたマイクロアレイ22の傾き、つまり移動が不可能である。このように互いに対して配置された2つの屈曲部28, 30は、Z軸に沿った偏移のみが可能であることを保証する。
【0046】
図5は、本発明に係るマイクロアレイ受け部10の更なる実施形態を示す。マイクロアレイ受け部10は2つの屈曲部28, 30を有している。この場合、2つの屈曲部28, 30は、
図3の屈曲部28のように具体化されており、つまり、特に線形板タイプの屈曲部として具体化されている。ここでも、2つの屈曲部28, 30の構成により、Z軸に沿った偏移のみが可能であることが保証される。第1の屈曲部28は開口部29を有しており、第2の屈曲部30は開口部31を有している。開口部間に、図示されている実施形態では係合ピン32として具体化されている係合デバイス60が設けられている。係合ピン32は実質的に骨形であるため、係合ピン32の2つの端部に肉厚部分33’, 33’’ が設けられている。第2の屈曲部30が正のZ方向に偏移すると、第1の屈曲部28への第2の屈曲部30の作用のため、同様に第1の屈曲部28の偏移、ひいてはマイクロアレイ22のZ方向への適用が行われる。更に、この偏移により、開口部29を有する第1の屈曲部28及び開口部31を有する第2の屈曲部30が係合ピン32に押し付けられて、係合ピン32の中央領域に係合されたままになることが保証される。このようにして、第2の屈曲部30に対する第1の屈曲部28の係合が生じる。
【0047】
第1の屈曲部28と第2の屈曲部30との間に支持構造体16が設けられている。
図3の実施形態のように、この支持構造体16は同様に第1の屈曲部28の下側に延びており、このようにして特に適用箇所からの距離を空ける。更に、
図3の実施形態のように
図5の実施形態では、同様にベースフィルム36及び/又はカバーフィルム38及び/又は力導入構造体34が設けられ得る。
【0048】
図6aは、本発明に係るマイクロアレイ受け部10の更なる実施形態を示す。この実施形態は、
図5の実施形態に基づいている。
【0049】
図5の実施形態とは対照的に、ピン32は最初の状態で既に開口部29, 31に挿入されている。この場合、ピン32は、2つの軸段部72, 74を有する軸の実施形態に実質的に対応し、ピン32の非常に広範囲な形状、例えば円形、矩形、正方形などが可能である。軸段部72が開口部31に挿入され、軸段部74が開口部29に挿入されている。この場合、ピン32は、一方では第1の屈曲部28と第2の屈曲部30との間のスペーサとして機能する。更に、この実施形態では、ピン32の軸段部72, 74及び開口部29, 31を含むガイドデバイス70が設けられている。この場合、一種のガイドロッドとしてのピン32により、Z方向への偏移のみが可能であるように、第1の屈曲部28及び第2の屈曲部30の線形案内が保証される。従って、第1の屈曲部28に傾き又はねじりモーメントが生じるような作用がある場合、ピン32はこのねじりモーメントを吸収して傾きを防ぐ。その結果、マイクロアレイ22のZ方向への線形偏移のみが生じる。
【0050】
同様に、この実施形態には係合デバイス60が設けられている。係合デバイス60は、ピン32の突出部33及び係合板62を有している。係合板62は支持構造体16と固定して連結されるように図示されており、特に一体に構成されており、傾斜面を有する開口部64を有している。開始位置(
図6a)では、ビードとして更に構成されてもよい突出部33は、係合板62の開口部64に載置されている。例えばユーザが第2の屈曲部30を押すため、第2の屈曲部30がZ方向に偏移すると(
図6b)、ピン32を介して第1の屈曲部28に力が伝達され、ひいてはピン32及び第1の屈曲部28のZ方向の偏移が同様に生じる。この場合、突出部33は係合板62の開口部64を越える。結果として、ピン32は(Z方向に)係合板62の下方で係合する。このため、第1の屈曲部28は偏移位置で固定され、この固定の結果として、第1の屈曲部28に連結されているマイクロアレイ22に一種の押圧がその後で生じる。従って、マイクロアレイ22を適用したままにすることが可能である。特に、開口部64の傾斜のため、突出部33が開口部64を通過すると、その後の反対方向への通過、ひいては開始位置への戻りが防止される。
【0051】
第2の屈曲部30が、最初の偏移後に開始位置に再度戻ることが可能である。特に軸段部72と開口部31とのプラグタイプの連結を着脱可能とすることにより、この戻りを引き起こすことができる。他方、開口部31を有する軸段部72及び/又は開口部29を有する軸段部74を着脱不可能に、特に一体に構成することが可能である。同様に、ピン32がいかなる軸段部72, 74も有さない、及び/又は屈曲部28, 30がいかなる開口部29, 31も有さないが、ピン32が第1の屈曲部28に一側で第2の屈曲部30に他側で、好ましくは着脱不可能に直接連結され、特に一体に構成されることが可能である。
【0052】
突出部33は、可撓性を有するように構成されてもよい。或いは又は加えて、係合板62又は係合板62の開口部64の領域が可撓性を有するように構成されてもよい。
【0053】
係合デバイス60を有さない、つまり特に係合板62及び/又はピン32の突出部33を有さない
図6aの実施形態のような実施形態が更に可能である。
【0054】
図7は、本発明に係るマイクロアレイ受け部10の更なる実施形態を示す。この実施形態は、
図6aの実施形態に実質的に対応する。
【0055】
図6aの実施形態とは異なり、この実施形態の係合デバイス60は、突出部33’ に加えて突出部33’ より幅広い更なる突出部33’’を有している。突出部33’ が開口部64を通過すると、突出部33’ 及び突出部33’’により、係合板62の開口部64へのピンの係合が両側で生じる。係合板62に載置された突出部33’’の幅のため、Z方向への更なる偏移が防止される。このようにして偏移後に初めてマイクロアレイ受け部の常時係合、ひいては阻止が生じることが好ましい。
【0056】
図8aは、適用箇所18に配置された
図3のマイクロアレイ受け部10を示し、適用箇所18は、特にユーザ又は患者の皮膚である。ベースフィルム36は、適用のために引き剥がされているか又は取り除かれている。
【0057】
実質的に直方体で筒状のマイクロアレイアプリケータ50が、マイクロアレイ受け部10に置かれているか又はマイクロアレイ受け部10に連結されている。例えば正方形又は矩形であってもよい直方体形状に加えて、通常の円筒形などの更なる形状が可能である。マイクロアレイアプリケータ50へのマイクロアレイ受け部10の連結は、特にマイクロアレイ受け部10の連結デバイス40で行われる。連結デバイス40は、好ましくはねじ及び/又は係合デバイス及び/又は形状嵌合式連結片又はフランジとして構成されており、マイクロアレイアプリケータは対応する係合連結片を有している。この場合、特にマイクロアレイ受け部10は、このような一又は複数の連結デバイス40を有しており、マイクロアレイアプリケータ50は、特に分離可能な連結部分を形成するために連結デバイス40に対応する係合片を有している。
【0058】
マイクロアレイアプリケータ50は、一側に関節体54を有し、他側に所定の破断点52を有している。同様に、マイクロアレイアプリケータは、マイクロアレイ受け部10の力導入構造体34に対向して凸状に形成されている凸状構造体56を有している。
【0059】
マイクロアレイ受け部10及びマイクロアレイ受け部10に連結されているマイクロアレイアプリケータ50は共に適用システム1000を構成している。
【0060】
図8bは、適用位置における
図8aの適用システム1000を示す。
【0061】
例えば、ユーザがマイクロアレイアプリケータ50の図示された上側を押すため、所定の破断点52で破断が生じ、関節体54を中心としたマイクロアレイアプリケータ50の凸状構造体56の偏移が生じる。所定の破断点の破断は、特に所望の荷重が加えられた場合に生じ、所望の荷重は、好ましくはマイクロアレイの最適な適用力に対応する。偏移位置では、凸状構造体56は、マイクロアレイ受け部の力導入構造体34に作用する。対向する凸状構造体のため、構造体56, 34間に集中荷重が生じ、皮膚に対して法線ベクトルに沿った適用が生じる。この場合、マイクロアレイ22が連結されている屈曲部28が、関節デバイス26の周りで適用箇所18に押し込まれる。所定の衝撃で所定の破断点52が破断するように、所定の破断点52が具体化されることが特に好ましく、この衝撃は、特にマイクロアレイ22のための最適な適用力に対応する。
【0062】
マイクロアレイアプリケータ50は、偏移位置で係合する凸状構造体56を固定する係合機構を有することが好ましい。このようにして、マイクロアレイ受け部の力導入構造体34への凸状構造体56の一種の押圧がその後で生じる。これは、特に持続的な適用が可能であることを意味する。
【0063】
マイクロアレイアプリケータ50を用いてマイクロアレイ受け部10を始動させる又は適用する代わりに、他のタイプの始動が更に可能である。マイクロアレイ受け部10は、特にユーザの指で手動で開始し得ることが好ましい。他のマイクロアレイアプリケータを更に使用することができる。
【国際調査報告】