(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H01M 12/06 20060101AFI20220302BHJP
B60L 50/75 20190101ALI20220302BHJP
B60L 58/40 20190101ALI20220302BHJP
B60L 58/33 20190101ALI20220302BHJP
H01M 4/46 20060101ALI20220302BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220302BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20220302BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220302BHJP
H01M 50/253 20210101ALI20220302BHJP
【FI】
H01M12/06 Z
B60L50/75
B60L58/40
B60L58/33
H01M12/06 F
H01M12/06 D
H01M4/46
H01M50/249
H01M50/204 401H
H01M10/44 Z
H01M50/253
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541529
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 CN2020089520
(87)【国際公開番号】W WO2020228653
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910398886.2
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920684890.0
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】リアン ジエンイン
(72)【発明者】
【氏名】ウ ドンフア
(72)【発明者】
【氏名】チェン シン
(72)【発明者】
【氏名】デン グイメイ
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ジャンカン
【テーマコード(参考)】
5H030
5H032
5H040
5H050
5H125
【Fターム(参考)】
5H030AS08
5H030BB08
5H032AA02
5H032AA09
5H032AS01
5H032BB02
5H032BB08
5H032CC16
5H032CC21
5H032CC22
5H032CC25
5H032HH05
5H032HH10
5H040AA01
5H040AA28
5H040AA29
5H040AA40
5H040AS04
5H040AT10
5H040NN03
5H050AA08
5H050AA09
5H050AA15
5H050AA19
5H050BA20
5H050CA12
5H050CB11
5H125AA05
5H125AC07
5H125AC12
5H125BB09
5H125BD01
5H125CD06
5H125CD07
5H125DD05
5H125FF08
5H125FF26
(57)【要約】
本出願は高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システムを開示している。該電力供給電池は電解液タンク(10)と、複数の液流ポンプ(20)と、順に直列接続された複数のアルミニウム空気電池パイル(30)とを有し、電解液タンク(10)は複数の長手状の電解液凹溝(101)を含むように構成され、1つの液流ポンプ(20)は1つのアルミニウム空気電池パイル(30)に対応するとともに、1つの電解液凹溝(101)に対応する。該高速磁気浮上列車の電力供給電池及電力供給システムにおいて、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用するので、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。電力供給電池全体の高電圧を保証できるとともに、自己放電を減少させ、アルミニウム空気電池の高度集積に寄与し、装着空間を小さくして、持続的な動作を実現でき、磁気浮上列車に機能を持続的にロードする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速磁気浮上列車の電力供給電池であって、電解液タンクと、複数の液流ポンプと、順に直列接続された複数のアルミニウム空気電池パイルとを備え、
前記電解液タンクは複数の長手状の電解液凹溝を含むように構成され、1つの前記液流ポンプは1つの前記アルミニウム空気電池パイルに対応するとともに、1つの前記電解液凹溝に対応し、
前記液流ポンプの入口が前記電解液凹溝内に設けられ、前記液流ポンプの出口が前記アルミニウム空気電池パイルの入液口に接続され、前記液流ポンプが前記電解液タンクにおける電解液を前記アルミニウム空気電池パイルに導入し、
前記アルミニウム空気電池パイルは直列接続された複数のアルミニウム空気セルを有し、前記アルミニウム空気セルは導入された電解液と反応することで発電することを特徴とする高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項2】
前記アルミニウム空気電池パイルは相応的な電解液凹溝の上方に設けられ、
前記アルミニウム空気電池パイルの排液口は前記アルミニウム空気電池パイルの上部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項3】
隣接する2つの前記電解液凹溝の間には貫通孔が設けられ、全ての貫通孔は順に前記電解液凹溝の異なる側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項4】
前記電解液タンクの数は複数であり、各前記電解液タンクに対応するアルミニウム空気電池パイルと、隣接する他の電解液タンクに対応するアルミニウム空気電池パイルとの間も順に直列接続されることを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項5】
さらに、起動電源と、電池管理システムと、冷却装置とを有し、
前記起動電源は、前記電池管理システムに接続されており、起動する際に前記電池管理システムに電力を供給し、
前記電池管理システムは前記液流ポンプに接続されており、前記液流ポンプに動作電圧を提供し、
前記アルミニウム空気電池パイルは、さらに車載電気負荷及び前記電池管理システムに電力を供給し、
前記冷却装置は、前記アルミニウム空気電池パイルの周辺に設けられており、前記アルミニウム空気電池パイルを放熱させることを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項6】
前記冷却装置は冷却ファンと放熱シートとを有し、
前記放熱シートは前記アルミニウム空気電池パイルの周辺に設けられ、前記冷却ファンの吹き出し口は前記放熱シートに向かっており、
前記放熱シートの入口は前記アルミニウム空気電池パイルの排液口に接続され、前記放熱シートの出口は前記電解液タンクの入液口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項7】
前記冷却ファンの吸気口は前記アルミニウム空気電池パイルのキャビティに連通することを特徴とする請求項6に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項8】
前記起動電源は車載二次電池であることを特徴とする請求項5に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項9】
前記アルミニウム空気電池パイルはさらに前記車載二次電池を充電することを特徴とする請求項8に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項10】
さらに、前記電池管理システムに接続され、前記電池管理システムから電気エネルギーが提供され、前記電解液タンクを加熱する加熱装置を具備することを特徴とする請求項5に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項11】
さらに単相ダイオードを有し、
前記アルミニウム空気電池パイルは前記単相ダイオードを介して他の機器に電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の高速磁気浮上列車の電力供給電池。
【請求項12】
高速磁気浮上列車の電力供給システムであって、電力供給電池パックと、電圧変換器と、電力供給グリッドとを有しており、
前記電力供給電池パックは、並列接続されたn個の請求項1~11のいずれか1項に記載の電力供給電池を有し、
前記電力供給電池パックの出力端は前記電圧変換器を介して前記電力供給グリッドに接続され、
前記電圧変換器は前記電力供給電池パックの出力電圧を車載電力供給電圧に変換することを特徴とする高速磁気浮上列車の電力供給システム。
【請求項13】
前記電力供給電池パックはさらにn個の接触器を有し、各前記接触器が相応的な電力供給電池に直列接続されることを特徴とする請求項12に記載の高速磁気浮上列車の電力供給システム。
【請求項14】
さらに、低圧変換器と、低圧グリッドと、車載制御システムとを有し、
前記低圧変換器は、その入力端が前記電力供給グリッドに接続され、その出力端が前記低圧グリッドに接続されており、前記電力供給グリッドの車載電力供給電圧に対して降圧処理を行って、
前記車載制御システムは前記低圧グリッドに接続され、前記低圧グリッドから電力が供給され、
前記車載制御システムはさらに前記電力供給電池の電池管理システムに接続され、前記電池管理システムの動作状態を制御することを特徴とする請求項12に記載の高速磁気浮上列車の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、
1)2019年05月14日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910398886.2であり、発明名称が「高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システム」である発明特許出願、
2)2019年05月14日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201920684890.0であり、発明名称が「高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システム」である実用新案特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は磁気浮上列車の車載電力供給という技術分野に関わり、具体的に、高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システムに関わる。
【背景技術】
【0003】
現在、国内の高速磁気浮上列車の最も高い試験運転速度は503km/hに達して、最も高い実際の運営時速は430km/hに達することができる。時間の経過及び技術の革新開発に連れて、600km/h以上のより高速の磁気浮上列車が出現し、そうなると、高速磁気浮上列車は必ず長距離運転の主な交通手段の1つになる。ただし、高速磁気浮上列車の長距離運転も新たな技術問題をもたらし、例えば、列車が故障で駐車する際、如何に車内乗客の快適度を保証するか、及び、列車の故障を修復した後、如何に再起動し及び再運転するかということがある。従って、長距離運転の線路で、列車が故障でいずれの地点に駐車する際、列車に電力を供給し続けなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、高速磁気浮上列車が駐車する際、いずれも接触型集電レール(または非接触型集電コイル)を介して列車に電力を供給し続けることで、車内の照明、空調などのシステムの電力消費を促し、また、列車の動力電池を充電することで、列車の再度浮上及び運転の電力消費を促す。現在、国内のオンラインで運営する磁気浮上鉄道の交通線路が短く、単一であり、オンラインで運営する列車の数が少なくて、高速磁気浮上列車は高信頼性の冗長設計を具備するから、故障問題が発生した場合、列車は近所の駅の接触型集電レール(または非接触型電力供給コイル)に運転できる。従って、現在、国内の高速磁気浮上列車は短距離運転の線路には、故障による駐車の電力供給という技術問題が存在していない。
【0005】
長距離運転の線路で、列車が故障でいずれの地点に駐車する際、列車に電力を供給し続けることを実現するために、線路全体に集電レール(または電力供給コイル)に敷設することは、磁気浮上鉄道の投資コストを大幅に増やすとともに、維持コスト及び電力供給コストを増やし、その同時、列車は高信頼の冗長性設計を具備するから、列車の故障による駐車の確率が小さくて、このように、電力供給レール(または電力供給コイル)を敷設する経済的利益も低い。従って、列車は、長距離運転の高速磁気浮上の、故障による駐車への電力供給という技術問題を解決するための、特殊な車載エネルギー貯蔵システムを必要とする。
【0006】
前記問題を解決するために、本発明の実施例は、高速磁気浮上列車の電力供給電池及び電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様として、本発明の実施例は高速磁気浮上列車の電力供給電池を提供し、電解液タンクと、複数の液流ポンプと、順に直列接続された複数のアルミニウム空気電池パイルとを備え、
前記電解液タンクは複数の長手状の電解液凹溝を含むように構成され、1つの前記液流ポンプは1つの前記アルミニウム空気電池パイルに対応するとともに、1つの前記電解液凹溝に対応し、
前記液流ポンプの入口が前記電解液凹溝内に設けられ、前記液流ポンプの出口が前記アルミニウム空気電池パイルの入液口に接続され、前記液流ポンプが前記電解液タンクにおける電解液を前記アルミニウム空気電池パイルに導入し、
前記アルミニウム空気電池パイルは直列接続される複数のアルミニウム空気セルを有し、前記アルミニウム空気セルは導入された電解液と反応することで発電する。
【0008】
実現可能な形態において、前記アルミニウム空気電池パイルは相応的な電解液凹溝の上方に設けられ、
前記アルミニウム空気電池パイルの排液口は前記アルミニウム空気電池パイルの上部に設けられる。
【0009】
実現可能な形態において、前記電解液タンクの数は複数であり、各前記電解液タンクに対応するアルミニウム空気電池パイルと、隣接する他の電解液タンクに対応するアルミニウム空気電池パイルとの間も順に直列接続される。
【0010】
実現可能な形態において、該電力供給電池はさらに、起動電源と、電池管理システムと、冷却装置とを備え、
前記起動電源は前記電池管理システムに接続されており、起動する際に前記電池管理システムに電力を供給し、
前記電池管理システムは前記液流ポンプに接続されており、前記液流ポンプに動作電圧を提供し、
前記アルミニウム空気電池パイルはさらに車載電気負荷及び前記電池管理システムに電力を供給し、
前記冷却装置は前記アルミニウム空気電池パイルの周辺に設けられており、前記アルミニウム空気電池パイルを放熱させる。
【0011】
実現可能な形態において、前記冷却装置は冷却ファンと放熱シートとを有し、
前記放熱シートは前記アルミニウム空気電池パイルの周辺に設けられ、前記冷却ファンの吹き出し口は前記放熱シートに向かっており、
前記放熱シートの入口は前記アルミニウム空気電池パイルの排液口に接続され、前記放熱シートの出口は前記電解液タンクの入液口に接続される。
【0012】
実現可能な形態において、前記冷却ファンの吸気口は前記アルミニウム空気電池パイルのキャビティに連通する。
【0013】
実現可能な形態において、前記起動電源は車載二次電池である。
【0014】
実現可能な形態において、前記アルミニウム空気電池パイルはさらに前記車載二次電池を充電する。
【0015】
実現可能な形態において、該電力供給電池はさらに、
前記電池管理システムに接続され、前記電池管理システムから電気エネルギーが提供され、前記電解液タンクを加熱する加熱装置を具備する。
【0016】
実現可能な形態において、該電力供給電池はさらに単相ダイオードを有し、
前記アルミニウム空気電池パイルは前記単相ダイオードを介して他の機器に電力を供給する。
【0017】
第2態様として、本発明の実施例はさらに、電力供給電池パックと、電圧変換器と、電力供給グリッドとを有する高速磁気浮上列車の電力供給システムを提供し、
前記電力供給電池パックは並列接続されたn個の前記電力供給電池を有し、
前記電力供給電池パックの出力端は前記電圧変換器を介して前記電力供給グリッドに接続され、
前記電圧変換器は前記電力供給電池パックの出力電圧を車載電力供給電圧に変換する。
【0018】
実現可能な形態において、前記電力供給電池パックはさらにn個の接触器を有し、各前記接触器は相応的な電力供給電池に直列接続される。
【0019】
実現可能な形態において、前記高速磁気浮上列車の電力供給システムはさらに、低圧変換器と、低圧グリッドと、車載制御システムとを有し、
前記低圧変換器は、その入力端が前記電力供給グリッドに接続され、その出力端が前記低圧グリッドに接続され、前記電力供給グリッドの車載電力供給電圧に対して降圧処理を行って、
前記車載制御システムは前記低圧グリッドに接続され、前記低圧グリッドから電力が供給され、
前記車載制御システムはさらに前記電力供給電池の電池管理システムに接続され、前記電池管理システムの動作状態を制御する。
【0020】
本発明の実施例の前記第1態様が提供した方案において、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用するので、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。その同時、電解液タンクを複数の長手状の電解液凹溝に分けて、各電解液凹溝に1つのアルミニウム空気電池パイル及び液流ポンプを配置することで、電力供給電池全体の高電圧を保証できるとともに、自己放電を減少させ、アルミニウム空気電池の高度集積に寄与し、装着空間を小さくして、持続的な動作を実現でき、磁気浮上列車に対して機能を持続的にロードする。
【0021】
本発明の前記目的、特徴及び利点が明らか且つわかりやすくなるように、以下は好適な実施例を挙げて、図面を結合して、詳しく説明する。
【0022】
本発明の実施例または従来技術における技術案を明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載の図面はただ本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池の第1構成模式図である。
【
図2】本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池における電解液タンクの平面視構成模式図である。
【
図3】本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池の第2構成模式図である。
【
図4】本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池の第3構成模式図である。
【
図5】本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に対する記載において、理解すべきのは、「中心」、「縦方向」、「横方」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語による指示される方位または位置関係は、図面に基づく方位または位置関係であり、指された装置または素子は必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造され及び操作されるように指示しまたは暗示していなく、ただ本発明を記載し、及び記載を簡略化するから、本発明に対する限定として理解されるべきではない。
【0025】
また、「第1」、「第2」という用語は、相対的な重要性を指示しまたは暗示し、或いは指示された技術特徴の数を暗黙的に指定すると理解されるわけではなく、ただ記載を目的とする。これによって、「第1」、「第2」という特徴が限定されることで、1つまたは複数の該特徴を有するように明らかまたは暗黙的に示す。本発明の記載において、特に具体的に限定しなければ、「複数」の意味は2つまたは2つ以上である。
【0026】
本発明において、明らかな規定及び限定がなければ、「装着」、「接続」、「連結」、「固定」などの用語に対して広義で理解され、例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体接続であってもよいし、機械接続、電気接続であってもよいし、直接的な接続であってもよし、中間媒体による間接的な接続であってもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、前記用語の本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0027】
図1を参照し、本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池は、電解液タンク10と、複数の液流ポンプ20と、順に直列接続される複数のアルミニウム空気電池パイル30とを有する。
図1において、2つのアルミニウム空気電池パイル30の間はリード線 302を介して直列接続を実現する。
【0028】
電解液タンク10は複数の長手状の電解液凹溝101を含むように構成され、1つの液流ポンプ20は1つのアルミニウム空気電池パイル30に対応するとともに、1つの電解液凹溝101に対応する。
図3において、3つの液流ポンプ20と3つのアルミニウム空気電池パイル30とを含むことを例として説明し、その同時、アルミニウム空気電池パイルは直列接続される複数のアルミニウム空気セルを有し、
図3において、各アルミニウム空気電池パイルは8つのアルミニウム空気セル301を有する。
【0029】
液流ポンプ20の入口は電解液凹溝101内に設けられ、液流ポンプ20の出口はアルミニウム空気電池パイル30の入液口に接続され、液流ポンプ20は電解液タンク10における電解液をアルミニウム空気電池パイル30に導入し、アルミニウム空気電池パイル30は直列接続される複数のアルミニウム空気セル301を有し、アルミニウム空気セル301は導入された電解液と反応することで発電する。
【0030】
本発明の実施例において、高速磁気浮上列車の電力供給電池として、アルミニウム空気燃料電池を選択する。高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用することは、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。
【0031】
また、長距離運転の高速磁気浮上の、故障による駐車への電力供給という技術問題を解決するために、電力供給電池は高い容量を具備する必要があり、この場合、多いアルミニウム空気セルを直列接続する必要がある。アルミニウム空気電池パイル内の直列接続されるアルミニウム空気セルの数が多すぎると、アルミニウム空気電池パイルにおける電解液は1つの負荷に相当し、これによって、直列接続されるアルミニウム空気セルと自己放電回路を形成し、自己放電の現象を発生させ、直列接続されるアルミニウム空気セルの数が多いほど、自己放電がひどくなり、電解液の発熱を招致し、電力供給電池の放熱効果に影響する。
【0032】
本実施例において、自己放電効果を低減させるために、電解液タンク10を複数の長手状の電解液凹溝101に分けて、各電解液凹溝101に1つのアルミニウム空気電池パイル30及び液流ポンプ20を配置し、即ち、アルミニウム空気電池パイル30の間の電解液回路は互いに独立し、これによって、直列接続されるアルミニウム空気セルが多すぎるという問題を避け、その同時、アルミニウム空気電池パイル30が順に直列接続されることで、電力供給電池全体の高電圧を保証できるとともに、自己放電を減少させ、アルミニウム空気電池の高度集積に寄与し、装着空間を小さくする。
【0033】
好ましくは、
図2を参照し、
図2は電解液タンク10を模式的に示す平面図であり、隣接する電解液凹溝101の間には貫通孔102が設けられることで、電解液凹溝101における電解液を互いに連通させ、その同時、全ての貫通孔102は順に前記電解液凹溝101の異なる側に設けられることで、電解液タンク10にはS状の電解液回路が形成され、具体的に
図2における破線を参照すればよい。全ての電解液凹溝101を1つの完全な回路に組み合わせて、回路全体は冷却装置に連通でき、構成全体を簡略化できる。
【0034】
好ましくは、電解液タンク10の数は複数であってもよく、各電解液タンク10に対応するアルミニウム空気電池パイル30と、隣接する他の電解液タンク10に対応するアルミニウム空気電池パイル30との間も順に直列接続される。
【0035】
本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池において、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用することは、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。その同時、電解液タンクを複数の長手状の電解液凹溝に分けて、各電解液凹溝に1つのアルミニウム空気電池パイル及び液流ポンプを配置することで、電力供給電池全体の高電圧を保証できるとともに、自己放電を減少させ、アルミニウム空気電池の高度集積に寄与し、装着空間を小さくする。
【0036】
前記実施例に基づき、アルミニウム空気電池パイル30は相応的な電解液凹溝101の上方に設けられ、アルミニウム空気電池パイル30の排液口はアルミニウム空気電池パイル30の上部に設けられる。
【0037】
本発明の実施例において、アルミニウム空気電池パイル30を相応的な電解液凹溝101の上方に設けて、アルミニウム空気電池パイル30の排液口をアルミニウム空気電池パイル30の上部に設けており、アルミニウム空気電池パイル30に電解液をポンプインしようとすると、電解液はアルミニウム空気電池パイル30の下方からポンプインされ、上方から流出する。液流ポンプ20が動作しないと、電解液が誤ってアルミニウム空気電池パイル30に入ることがなく、これによって、アルミニウム空気電池パイル30が発電することを必要がない際、磁気浮上列車が運転状態にあって電解液タンク10における電解液が揺れても、電解液が誤ってアルミニウム空気電池パイル30に入ることがない。
【0038】
説明しようとするのは、電力供給電池の構成を便利に示すために、
図1において、各部材の間には隙間が設けられ、当業者が理解できるように、空間の利用率を向上させるために、各部材の間が緊密に配置されてもよい。例えば、隣接する電解液凹溝101を互いに密着させ、隣接するアルミニウム空気セル301も互いに密着させることで、空間を節約する。
【0039】
前記実施例に基づき、
図3を参照し、該電力供給電池はさらに起動電源40と、電池管理システム50と、冷却装置60とを有する。
【0040】
具体的に、
図3を参照し、起動電源40は電池管理システム50に接続され、起動する際、電池管理システム50に電力を供給する。電池管理システム50は液流ポンプ20に接続され、液流ポンプ20に動作電圧を提供する。
【0041】
前記アルミニウム空気電池パイルはさらに、導入された電解液と反応することで発電し、車載電気負荷及び電池管理システム50に電力を供給する。冷却装置60はアルミニウム空気電池パイル30の周辺に設けられ、アルミニウム空気電池パイル30を放熱させる。
【0042】
本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池の動作過程は具体的に以下の通り:
該電力供給電池を利用して電力を供給しようとする場合、液流ポンプ20を起動させ、即ち、まず電源40を起動させることで、液流ポンプに電力を供給する。具体的に、電池管理システム50には、起動電源40と液流ポンプ20とを直接的に電気接続するためのリード線が設けられることで、起動電源40は液流ポンプ20に電力を供給でき、電池管理システム50には電源処理回路が設けられることで、起動電源40の電気エネルギーを処理した後、液流ポンプ20に伝送し、液流ポンプ20を起動させ、動作させる。電池管理システム50は具体的にアルミニウム空気電池及び液流ポンプ20の動作状態を制御し、例えば、開始および停止、回転速度の大きさなどを制御し、該電源処理回路は電圧変換回路、スイッチ制御回路などであってもよく、本実施例はこれを限定していない。
【0043】
液流ポンプ20が動作を始めた場合、電解液タンク10における電解液をアルミニウム空気電池パイル30に導入することで、電解液を電池パイルと反応させ、発電を実現する。該電解液は具体的に、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液であってもよい。その同時、電解液は電池パイル50と反応すると、化学エネルギーを電気エネルギー、且つ熱エネルギーに変換し、即ち、反応過程において発熱することで、アルミニウム空気電池パイル30の昇温を招致し、本発明の実施例において、冷却装置60によりアルミニウム空気電池パイル30を放熱させ、アルミニウム空気電池パイルの温度が高すぎることを避ける。
【0044】
現在、主に二次電池(例えば、アルカリ電池、リチウム電池)を高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源とする。二次電池は充放電を行って、繰り返し使用可能という利点を具備するが、二次電池は長期間で保存されると、電池の放電量の減少を招致し、重量が大く、電池充電制御論理回路という設計を増やす必要があるなどの技術問題が存在する。アルミニウム空気气電池は高純度アルミニウムAl(アルミニウム含有量99.99%)を負極とし、酸素を正極とし、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を電解質とする。アルミニウムは空気における酸素を摂取し、電池が放電する際、化学反応を発生させ、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水酸化ナトリウム電解質を例として、具体的に、以下のように反応する。
Al+O2+NaOH→NaAlO2+H2O
本発明の実施例において、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用することは、長期間に保存しても電力損失がないという利点を備え、且つアルミニウム空気電池は、更に、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。また、高速磁気浮上は、故障による駐車の予備電源エネルギー貯蔵システムとして、アルミニウム空気燃料電池を利用することが、主に列車に必要な負荷電力供給及び車載動力電池電力供給を満足するためであり、この際、必要な電力密度が相対的に少なくなり、列車が高信頼性冗長設計を採用するから、列車に非駅故障が生じる確率が低くなる。そのため、アルミニウム空気電池は、高速磁気浮上列車の予備エネルギー貯蔵システムとしての理想の選択である。
【0045】
その同時、アルミニウム空気電池が放電する際、液流ポンプ20が電解液タンク10における電解液を電池パイル50に吸引し、持続時間が短いので、電池パイル50に反応が生じた後、液流ポンプ20に電力を供給できる。従って、本発明の実施例において、1つの起動電源40を別途に配置すれば、アルミニウム空気電池の起動を実現でき、該起動電源40が大容量の電源ではなくてもよく、起動電源40の容量に対する要求が低い。具体的に、高速磁気浮上列車の車載二次電池をアルミニウム空気電池の起動電源としてもよい。アルミニウム空気電池パイルは電力を送り出す場合、電池管理システム50、液流ポンプ30及び列車負荷などの機器に電力を供給でき、これによって、アルミニウム空気燃料電池の発電過程を実現する。
【0046】
本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池において、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用するので、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。起動電源を利用してアルミニウム空気電池に発電を始めることができ、その後、アルミニウム空気電池により電池管理システム、液流ポンプなどに電力を供給でき、持続的な動作を実現でき、磁気浮上列車に機能をロードし続ける。
【0047】
前記実施例に基づき、
図4を参照し、冷却装置60は冷却ファン601と放熱シート602とを有する。
【0048】
放熱シート602はアルミニウム空気電池パイル30の周辺に設けられ、冷却ファン601の吹き出し口は放熱シート602に向かって、放熱シート602の入口はアルミニウム空気電池パイル30の排液口に接続され、放熱シート602の出口は電解液タンク10の入液口に接続される。
【0049】
従来のアルミニウム空気燃料電池の放電際の負荷特性が柔らかく、占有空間がちょっと大きく、ただし、鉄道交通業界の、機器空間の大きさに対する要求が厳しくて、磁気浮上列車の、電力供給電池を装着するための空間が小さく、伝統のアルミニウム空気電池は直接的に磁気浮上列車に応用されることができない。本発明の実施例において、電池パイルと反応する電解液を放熱シート602の冷却液とし、別途の水冷システムを必要とせず、電池空間を低減させるとともに、電池パイル50の内部から流出した電解液を利用して高効率の放熱を行って、放熱効率を向上させることができる。
【0050】
本発明の実施例において、冷却装置60の動作過程は具体的に以下の通り:アルミニウム空気電池が発電することを必要とすると、液流ポンプ20は電解液タンク10における電解液をアルミニウム空気電池パイル30にポンプインすることで、電池パイルを電解液と反応させ、電気エネルギーを提供し、その同時、アルミニウム空気電池パイル内の電解液(反応後の溶液を含む)が化学反応により昇温し、その後、昇温した電解液は放熱シート602内に流入し、放熱シート602と冷却ファン601との作用により放熱シート602内の電解液を放熱させ、電解液は放熱シート602を経た後、電解液タンク10に流入することで、液流ポンプ20は電解液タンク10における電解液を再びアルミニウム空気電池パイル30内に導入させ、発電させ、このように循環する。該冷却装置は直接的に電池パイル内の電解液を冷却液とし、直接的に電池パイル内の電解液を放熱させることに相当し、放熱効率が高くて、別途の水冷システムを必要とせず、電池の体積を小さくして、磁気浮上列車により適用される。
【0051】
前記実施例に基づき、
図4を参照し、
図4の細線の矢印は回路を示し、粗線の矢印は電解液の水路を示し、破線は空気通路を示す。具体的に、冷却ファン601の吸気口はアルミニウム空気電池パイル30のキャビティに連通する。冷却ファン601は動作すると、アルミニウム空気電池パイル30のキャビティ内の空気を吸い出し、その同時、アルミニウム空気電池パイル30のキャビティ内の単位面積あたりの圧力が低くなるから、外部の空気をアルミニウム空気電池パイル30内に導入し、これによって、アルミニウム空気電池パイル30の酸素含有量を保証するとともに、アルミニウム空気電池に化学反応を効率的に発生させることを保証する。その同時、アルミニウム空気電池に化学反応を発生させる場合、アルミニウム空気電池パイル30のキャビティ内の空気も熱空気であり、冷却ファン601を介して熱空気を吸い出すことも、さらなる放熱に寄与する。
【0052】
前記実施例に基づき、アルミニウム空気電池パイル30は発電する際、車載二次電池、即ち、起動電源40を充電でき、起動電源40は該電力供給電池を起動させるための十分な電気エネルギーを有することを保証する。
【0053】
前記実施例に基づき、
図4を参照し、該電力供給電池はさらに、電池管理システム50に接続され、電池管理システム50から電気エネルギーが提供され、電解液タンク10を加熱する加熱装置70を備える。
【0054】
本発明の実施例において、電解液タンク10が主に電解液を保存するためのものであり、寒い天気で電解液が凍結されるおそれがあり、該加熱装置70は電解液タンク10の底部に設けられ、電解液が凍結される際、加熱装置70により電解液に対して加熱及び解凍を行って、液流ポンプ20が正常に電解液をポンプアウトすることを保証する。アルミニウム空気電池が正常に動作した後、該加熱装置70をオフすることができる。
【0055】
前記実施例に基づき、該電力供給電池はさらに単相ダイオードを有し、アルミニウム空気電池パイル30は単相ダイオードを介して他の機器に電力を供給する。本発明の実施例において、電流の還流を避けるように、単相ダイオードはアルミニウム空気電池パイル30の出力端に設けられる。
【0056】
本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給電池において、高速磁気浮上列車の車載エネルギー貯蔵システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用するので、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。起動電源により、アルミニウム空気電池は発電を始めることができ、その後、アルミニウム空気電池を利用して電池管理システム、液流ポンプなどに電力を供給し、持続的な動作を実現でき、磁気浮上列車に機能をロードし続ける。冷却装置は直接的に電池パイル内の電解液を冷却液とし、直接的に電池パイル内の電解液を放熱させることに相当し、放熱効率が高く、別途の水冷システムを必要とせず、電池の体積を小さくして、磁気浮上列車により適用される。冷却ファンの吸気口はアルミニウム空気電池パイルのキャビティに連通し、アルミニウム空気電池パイル内には十分な酸素があることを保証するとともに、放熱効率をさらに向上させる。
【0057】
同じ発明構想に基づき、本発明の実施例はさらに高速磁気浮上列車の電力供給システムを提供し、
図5を参照し、電力供給電池パック100と、電圧変換器200と、電力供給グリッド300とを有する。電力供給電池パック100は並列接続されるn個の電力供給電池を有し、電力供給電池パック100の出力端は電圧変換器200を介して電力供給グリッド300に接続され、電圧変換器200は電力供給電池パック100の出力電圧を車載電力供給電圧に変換する。
【0058】
本発明の実施例において、電力供給電池は前記実施例に記載のアルミニウム空気燃料電池であり、並列接続されたn個のアルミニウム空気燃料電池を介して電力供給を実現し、電圧変換器200はアルミニウム空気燃料電池の出力電圧に対して圧力安定化を行って、磁気浮上列車に必要な車載電力供給電圧、例えば440Vに変換し、その後、電力供給グリッド300を介して車載電気機器に電力を供給でき、例えば、
図5における空調システム、磁気浮上ガイドシステムなどに電力を供給する。
【0059】
本発明の実施例が提供した高速磁気浮上列車の電力供給システムにおいて、高速磁気浮上列車の電力供給システムの電源として、アルミニウム空気電池を採用し、長期間に保存しても電力損失がなく、エネルギー密度が大きく、安全性が高く、資源が豊かで、製造コストが低く、清潔で回収しやすいなどの利点を具備する。多電力供給電池及び多電圧変換器の冗長設計は、列車に対する冗長電力供給を実現でき、1台のアルミニウム空気燃料電池には異常故障が生じると、他のアルミニウム空気燃料電池により、列車に電力を供給し続けることができ、このように、アルミニウム空気燃料電池のシームレスな切り替えの電力供給接続を実現でき、電力供給システムの信頼性を増やす。
【0060】
前記実施例に基づき、
図5を参照し、電力供給電池パックはさらにn個の接触器KMを有し、各接触器KMは相応的な電力供給電池に直列接続される。
図5に示すように、n個の接触器(KM1~KMn)はn個の電力供給電池(アルミニウム空気燃料電池1~n)に対応し、接触器KMは電力供給電池の出力端に設けられることで、複数のパックのアルミニウム空気電池の並列接続及び切除を実現する。その同時、電流の還流を避けるために、
図5におけるダイオードDは電力供給電池の一方向ダイオードである。
【0061】
前記実施例に基づき、
図5を参照し、該電力供給システムはさらに、低圧変換器400と、低圧グリッド500と、車載制御システム600とを有する。
【0062】
低圧変換器400は、その入力端が電力供給グリッド300に接続され、その出力端が低圧グリッド500に接続され、電力供給グリッド300の車載電力供給電圧に対して降圧処理を行って、車載制御システム600は低圧グリッド500に接続され、低圧グリッド500から電力が供給され、車載制御システム600はさらに電力供給電池の電池管理システム50に接続され、電池管理システム50の動作状態を制御する。
【0063】
本発明の実施例において、該電力供給システムは低圧変換器400により高圧を低圧に変換することで、車載電気機器に低電圧を提供でき、車載制御システム600により車載電気機器及び電力供給電池パック100に対する制御を実現する。具体的に、
図5を参照し、
図5における粗線は電力供給線路を示し、細線は低圧線路を示し、破線は信号線路を示す。電力供給電池パック100におけるアルミニウム空気電池の故障切除、及び列車の他の非必要な負荷の切除は、いずれも車載制御システム600により制御されることができる。このように、アルミニウム空気燃料電池と列車電力供給ネットワークとのインターフェース関係を実現し、磁気浮上列車の車両全体に対する電力供給を実現する。
【0064】
以上は本発明の保護範囲を限定していなく、本発明の具体的な実施形態のみであり、当業者であれば、本発明が開示した技術範囲内で、容易に想到し得る変更または差し替えは、いずれも本発明の保護範囲に該当すべきである。従って、本発明の保護範囲は前記請求項の保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0065】
10 ・・・電解液タンク
20 ・・・液流ポンプ
30 ・・・アルミニウム空気電池パイル
40 ・・・起動電源
50 ・・・電池管理システム
60 ・・・冷却装置
70 ・・・加熱装置
101 ・・・電解液凹溝
102 ・・・貫通孔
301 ・・・アルミニウム空気セル
302 ・・・リード線
601 ・・・冷却ファン
602 ・・・放熱シート
100 ・・・電力供給電池パック
200 ・・・電圧変換器
300 ・・・電力供給グリッド
400 ・・・低圧変換器
500 ・・・低圧グリッド
600 ・・・車載制御システム
【国際調査報告】