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特表2022-517682異方性光センサを有している乗物ウインドウ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(54)【発明の名称】異方性光センサを有している乗物ウインドウ
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20220302BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220302BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20220302BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20220302BHJP
【FI】
G01B11/26 H
H01L27/146 D
H01L31/02 D
G02B5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542160
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020050239
(87)【国際公開番号】W WO2020151942
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】19153012.0
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
【住所又は居所原語表記】Tour Saint-Gobain,12place de l’Iris F-92400 COURBEVOIE France
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100186912
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 淳浩
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マティセン
(72)【発明者】
【氏名】ガーボル ファルガ
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト シュテルツァー
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン カプラン
【テーマコード(参考)】
2F065
2H042
4M118
5F849
【Fターム(参考)】
2F065AA31
2F065AA35
2F065CC11
2F065DD06
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ07
2F065JJ24
2F065JJ26
2F065LL30
2F065QQ25
2F065QQ31
2H042AA03
2H042AA13
2H042AA18
2H042AA22
2H042AA33
4M118AB01
4M118CA02
4M118CA09
4M118FA06
4M118GA07
4M118HA02
4M118HA24
4M118HA26
5F849BA25
5F849BA30
5F849EA04
5F849JA03
5F849JA11
5F849JA20
5F849XB05
(57)【要約】
本発明は、異方性光センサを有している乗物ウインドウに関し、
第一ガラス層(1)と第二ガラス層(9)を備えており、
一群の感光性要素(5)が、前記第一ガラス層(1)と前記第二ガラス層(9)の間で、前記第一ガラス層(1)に、実質的に平行に配置されており、
ペインは、さらに開口(7)を有しており、これによって、光が、前記第二ガラス層(9)及び前記開口(7)を通して、少なくとも一つの前記感光性要素(5)を照射可能であり、
入射光の方向に応じて、前記センサが、方向を示す信号を提供し、
前記一群の感光性要素(5)が、カメラチップを有しており、かつ、
前記一群の感光性要素(5)が、可撓性フィルム(4)に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異方性光センサを有している乗物ウインドウであって、
第一ガラス層(1)と第二ガラス層(9)を備えており、
一群の感光性要素(5)が、前記第一ガラス層(1)と前記第二ガラス層(9)の間で、前記第一ガラス層(1)に、実質的に平行に配置されており、
ペインは、さらに開口(7)を有しており、これによって、光が、前記第二ガラス層(9)及び前記開口(7)を通して、前記感光性要素(5)の少なくとも一つを照射可能であり、
入射光の方向に応じて、前記センサが、方向を示す信号を提供し、
前記一群の感光性要素(5)が、カメラチップを有しており、かつ、
前記一群の感光性要素(5)が、可撓性フィルム(4)に配置されている、
乗物ウインドウ。
【請求項2】
前記開口(7)と前記一群の感光性要素(5)との間の中間空間(6)が、前記第第二ガラス層(9)の屈折率よりも低い屈折率を有している材料を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の乗物ウインドウ。
【請求項3】
前記一群の感光性要素(5)が、少なくとも四つの感光性要素のアレイ状の配置を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乗物ウインドウ。
【請求項4】
ポリイミド、ポリウレタン、ポリメチレンメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、FR6、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドを含む群から選択される結合材料が、前記第一ガラス層(1)と前記第二ガラス層(9)の間に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の乗物ウインドウ。
【請求項5】
前記フィルムが、50μm~500μmの厚さを有していることを特徴とする、請求項4に記載の乗物ウインドウ。
【請求項6】
前記開口(7)が、ピンホール開口であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の乗物ウインドウ。
【請求項7】
前記開口(7)が、前記一群の感光性要素(5)と前記第二ガラス層(9)の間に、所定の距離で配置されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗物ウインドウ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の乗物ウインドウを有している乗物。
【請求項9】
乗物が、陸上、水上、航空、又は宇宙の乗物である、請求項8に記載の乗物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性光センサを有している乗物ウインドウに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物に高解像度カメラを装備することが知られている。これらの高解像度カメラは、さまざまな目的で使用されている。しかし、それらは、その機能を提供するために、例えば周囲光の検出など、追加情報に依存している。追加情報は、例えば、例えば、絞りのパラメータのような撮影パラメータを制御して、カメラシステムを変化する条件に適合させ、それによって、有意義な画像をユーザに提供することができる。
【0003】
必要な光学系を確保するため、これらのカメラは非常に容積が大きく、乗物ウインドウに組み込むことができない。
【0004】
例えば、乗物ウインドウに光センサを装備することも知られている。このようなセンサは、例えば、周囲光を検出するため、及び/又は乗物ウインドウ上の液滴の検出器(雨検出器)として使用される。
【0005】
典型的なセンサは、明度ベースであり、光は、レンズとミラーシステムを介してフォトレジスター/フォトトランジスター/フォトダイオード/感光性要素に、直接又は間接的に導かれる。
【0006】
しかし、これらのセンサは、周囲光を、太陽光/ヘッドライト(例えば、対向車)及びそれらの反射光のような他の光源からの光と区別するのには適していない。
【0007】
すなわち、「光/光なし」の情報あるいは明度を除いて、それ以上の情報を取得することはできない。
【0008】
米国特許第9,041,135B2号から、航空機用のモノリシック太陽センサアセンブリが周知であり、感光性要素が半導体基板上に提供されている。
【0009】
モノリシックセンサーが、乗物ウインドウに組み込むに適していないのは、サイズだけでなく、電子部品への接続に問題があるためである。
【0010】
米国特許第6,521,882B1号から、別の光学センサが周知である。これは、レンズアセンブリを備えている、単独動作のセンサでもある。しかし、センサは、仰角の決定のみを可能にする。センサは、方向を決定することはできない。同様に、センサは、乗物ウインドウに組み込むのに適しておらず、それは、そのサイズだけでなく、電子部品への接続に問題があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、同時に、方向情報も必要である。また、乗物のウインドウに、機能を省スペースで組み込みたいという要望もある。
【0012】
この状況に鑑み、本発明の目的は、異方性光センサを有している乗物ウインドウを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本目的は、異方性光センサを有している乗物ウインドウによって達成され、その乗物ウインドウは、
第一ガラス層と第二ガラス層を備えており、
一群の感光性要素が、前記第一ガラス層と前記第二ガラス層の間で、前記第一ガラス層に、実質的に平行に配置されており、
前記乗物ウインドウは、さらに開口を有しており、これによって、光が、前記第二ガラス層及び前記開口を通して、前記感光性要素の少なくとも一つを照射可能で、
入射光の方向に応じて、前記センサが、方向を示す信号を提供する。
前記一群の感光性要素は、カメラチップを有している。
本発明の別の実施形態によれば、前記一群の感光性要素は、可撓性フィルム(4)に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
すなわち、本発明は、入射光の方向を検出することができ、それによって、それが太陽光であるか対向車の光であるかを区別することができる異方性光センサを、簡単な方法で提供する。そして、本発明は、実証済みのコンポーネントの概念に基づいて構築することができ、開発コスト及び/又は製造コストを低く抑えることができる。そのような配置により、湾曲した乗物ウインドウは、例えば、本発明を備えることができる。
【0015】
本発明の一実施形態では、開口と一群の感光性要素との間の中間空間が、第二ガラス層の屈折率よりも低い屈折率を有する材料を有している。
【0016】
屈折率を適切に選択することにより、屈折を適切に設定でき、それにより、反射角は入射角よりも大きいため、その結果、角度分解能を適切に調整することができる。
【0017】
本発明の別の実施形態では、一群の感光性要素は、少なくとも四つの感光性要素のアレイ状の配置を有している。
【0018】
すなわち、方向検出は、四象限検出を使用して、特に簡単な方法で実行することができる。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態では、ポリイミド、ポリウレタン、ポリメチレンメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、FR6、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドを含む群から選択される結合材料が、第一ガラス層と第二ガラス層との間に配置されている。
【0020】
したがって、本発明はまた、複合ペインシステムに、容易に適合させることができる。
【0021】
原則として、乗物ウインドウの製造及び使用の条件下で、熱的及び化学的に安定している全ての電気絶縁基板が、ガラス層として好適である。
【0022】
ガラス層は、好ましくはガラス、特に好ましくはフラットガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、又は透明プラスチック、好ましくは硬質透明プラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルクロリド、及び/又はそれらの混合物を含む。本発明のさらに別の実施形態によれば、フィルムは、50μm~500μmの厚さを有している。
【0023】
本発明の別の実施形態では、開口は、ピンホール開口として設計されている。ピンホール開口は特に簡単に形成することができ、光学特性の観点から適切に制御することができる。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態では、開口は、感光性要素の配置と第二ガラス層との間に、所定の距離で配置されている。
【0025】
すなわち、事前に構成されたシステムを提供することにより、開発及び製造コストを低く抑えることができる。
【0026】
一般性を失うことなく、本発明はまた、本発明による乗物ウインドウを有している乗物を提供することを可能にする。特に、乗物は、陸上、水、航空、又は宇宙の乗物であってよく、それらの混合形態を排除することはない。
【0027】
以下、本発明を図面及び例示的な実施形態を参照して、詳細に説明する。図面は、概略図であり、原寸に比例していない。図面は、本発明を制限するものではない。それらは、次を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の態様での、層の配置に係る概略断面図である。
図2図2は、本発明の態様及び例示的な光の入射での、層の配置に係る概略断面図である。
図3図3は、本発明の態様及び例示的な光の入射での、層の配置に係る概略断面図である。
図4図4は、本発明の実施形態における一群の感光性要素の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図を参照して、本発明をより詳細に提示する。いずれの場合も、個別に又は組み合わせて使用することができる様々な態様が説明されていることに留意されたい。すなわち、純粋な代替として明示的に提示されない限り、任意の態様を、本発明の異なる実施形態で使用することができる。
【0030】
さらに、簡単にするために、以下では、通常、常に一つの本質的なもののみを参照する。しかし、明示的に記載されていない場合、本発明は、それぞれの場合において、関係する複数の本質的なものを有していてもよい。
【0031】
製造方法が以下に説明されている限り、その内容が何か異なることを明示的に示さない限り、製造方法の個々のステップは、任意の順序で配置及び/又は組み合わせることができる。また、特に明記されていない限り、製造方法は互いに組み合わせることができる。
【0032】
数値を含むデータは、通常、正確な値として解釈されるべきではなく、±1%~±10%の許容誤差も含まれる。
【0033】
本出願において、規格及び明細書等に記載されている限り、少なくとも出願日に適用される規格及び明細書等を常に参照する。すなわち、規格/仕様等が更新又は差し替えられた場合、本発明はそれにも適用可能である。
【0034】
図面は、様々な実施形態を示している。
【0035】
図1~3は、本発明の実施形態の異方性光センサを有している乗物ウインドウを概略的に示している。
【0036】
乗物ウインドウは、第一ガラス層1及び第二ガラス層9を有している。ガラス層1及び9は、平坦又は湾曲していてよい。以下では、検出対象の光の入射は、第二ガラス層9を介して発生すると想定される。
【0037】
第一ガラス層1と第二ガラス層9との間に、第一ガラス層1とほぼ平行に、一群の感光性要素5が配置されている。一般性を失うことなく、一群の感光性要素5は、代替的に、又は追加的に、第二ガラス層9に実質的に平行に配置されていてもよい。
【0038】
また、乗物ウインドウは、開口を有しており、それによって、光は、第二ガラス層9及び開口7を通って、感光性要素5の少なくとも一つを照射することができ、入射光の方向に応じて、センサは、方向を示す信号を提供する。
【0039】
図2及び3を参照して説明するように、本発明は、開口7によって、開口の前の異なる空間角度からの光もまた、開口の後ろの異なる空間角度で画像化するという事実を利用する。これにより、追加の光学系なしで、信頼性が高く、経済的に方向検出を可能にする、経済的なピンホールカメラが利用可能である。
【0040】
そして、適切な評価回路によって、例えば、測定ブリッジ、コンパレータ等によって、空間方向の光が、どの(大まかな)方向から入ったかについて、電気信号を使用して決定を下すことができる。評価回路は、乗物ウインドウに統合されていてもよいし、外部に提供されていてもよい。
【0041】
すなわち、本発明は、簡便な方法で、入射光の方向を検出することができ、それによって、それが太陽光であるか対向車の光であるかを区別することができる異方性光センサを提供する。
【0042】
非常に簡便な配置では、一群の感光性要素5は、図4に示されるように、少なくとも四つの感光性要素のアレイ状の配置を有している。
【0043】
この配置の助けによって、異なる方向の光を区別することが可能である。光が一つの特定の感光性要素にのみ当たる場合、特定の空間角度を、この感光性要素に割り当てることができる。
【0044】
例えば、光が右下の要素5RUに当たる場合、第一特定空間角度の範囲を、これから導出することができる。例えば、光が右上の要素5ROに当たる場合、第二特定空間角度の範囲を、これからを導出することができる。
【0045】
一方、光が、右下の要素5RUと右上の要素5ROの両方に当たる場合、光の起源は、第一特定空間角度の範囲と第二特定空間角度の範囲の重なり領域/境界領域からであると結論付けることができる。
【0046】
すなわち、簡便な評価ロジックによって、象限検出、及びそれによる方向検出は、特に簡便な方法で、既に実行されている。
【0047】
本発明の一実施形態では、一群の感光性要素5は、カメラチップを有している。
【0048】
評価する利用可能なピクセルの全て又はサブセットのみを準備することができる。また、高速処理を確保するため、隣接するピクセルを、ピクセルグループとして一緒に評価するための準備をすることができる。
【0049】
カメラチップには、カラーチャンネルを個別に評価する選択肢もある。その結果、例えば、角度範囲に関連する異なる色の強度から、人工光(ヘッドライトからの光)又は太陽光等の光源に関する追加のデータを取得することが可能である。適切な寸法と配置により、信号機、警告灯などの交通信号も検出することができる。この配置により、異なる方向(及び色組成)を使用して、同時に異なる光源を検出することができる。そして、適切な解像度で、感光性要素5はまた、トンネル、橋、街灯、信号機などの空間構造の認識を提供することができる。
【0050】
すなわち、本発明は、実証済みの構成要素の概念に基づいて構築することによって、開発コスト及び/又は製造コストを低く保つことができる。
【0051】
図3に示される一実施形態では、開口7と一群の感光性要素5との間の中間空間6は、第二ガラス層9の屈折率よりも小さい屈折率を有している材料を備えている。中間空間6は、充填されていてもよいし、中空空間として残留していてもよい。
【0052】
屈折率を適切に選択することにより、屈折を適切に設定することができ、それによって、例えば、反射角は入射角よりも大きく、その結果、角度分解能を適切に設定することができる。すなわち、非常に低い製品高さも提供することができる。
【0053】
本発明の一実施形態では、乗物ウインドウは、第一ガラス層1と第二ガラス層9との間に周囲層3を有している。周囲層3は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリメチレンメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、FR6、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドを含む群から選択される結合材料を備えている。
【0054】
したがって、本発明はまた、複合ペインシステムに容易に適合させることができる。
【0055】
本発明の実施形態では、一群の感光性要素5は、可撓性フィルム4、例えば、可撓性プリント回路基板に配置されている。
【0056】
このような配置により、例えば、湾曲した乗物ウインドウに本発明を適用することができる。
【0057】
本発明の別の実施形態では、フィルム4は、50μm~500μmの厚さ、特に約300μmの厚さを有している。
【0058】
本発明の別の実施形態では、開口はピンホール開口として構成されている。ピンホール開口は、特に形成が容易であり、光学特性の観点から制御が容易である。
【0059】
本発明のさらに別の実施形態では、開口4は、一群の感光性要素5と第二ガラス層9との間に、所定の距離で配置されている。
【0060】
開口4は、例えば、材料の厚さが約0.5mm以下、特に0.025mm以下であってよい。
【0061】
一般性を失うことなく、開口7と一群の感光性要素5との間の距離は、0.8mm以下、特に0.6mm以下であってよい。
【0062】
すなわち、事前構成されたシステムを提供することにより、開発コストと製造コストの両方を低く抑えることができる。
【0063】
一般性を失うことなく、本発明はまた、本発明の乗物ウインドウを有している乗物を提供することを可能にする。特に、乗物は、陸上、水上、航空、又は宇宙の乗物であってよく、それらの混合形態を排除することはない。
【0064】
これらの図は、他の任意の結合層8及び/又は2を示している。任意の結合層2は、任意の結合層8の代替として、又はそれと組み合わせて、単独で存在していてもよい。これらの任意の結合層8及び/又は2はまた、周囲層と同一/類似の材料、すなわち複合材料でできていてよい。典型的には、これらの任意の結合層8及び/又は2は、0.01mmの厚さを有している。結合層によって、例えば、ガラス層9の厚さと併せて、角度範囲は、一群の感光性要素5からの開口7の所定の距離に設定することができる。
【0065】
すなわち、本発明は、光学センサアレイ5を積層中に組み入れることを可能にする。これは、カメラチップとして組み込むことができる。開口7を設けることにより、ピンホールカメラに類似した簡便な光学画像が提供される。
【0066】
光学特性は、空間角度範囲を個別に画像化するのに充分であり、それによって、光源の空間角度範囲の検出を効果的に行うことができる。
【0067】
方向センサは、乗物ウインドウ自体に統合することができる。
【0068】
このような方向センサによって、乗物ウインドウ自体に提供することができるヘッドアップディスプレイの明るさを、例えば、太陽光の方向の関数として制御することができる。また、方向情報(及び強度情報)は、照明制御等の他の目的で利用できるようにすることができる。
【0069】
一群の感光性要素5からの開口7の距離を選択することによって、そして、可能な中間層8の厚さの選択及び/又は中間空間6のための材料の選択を通じて、分析に利用できる空間角度範囲は適切に選択することができる。開口7の開口部のサイズを、例えば、0.5mm以下、特に0.1mm以下にすることによって、開口7と一群の感光性要素5との間で利用可能な距離(及びそれらのサイズ)に関して、必要な光強度と解像度の間で、適切な解像度を選択することができる。
【0070】
一群の感光性要素5は、可能なブラックプリントの下に配置することもでき、それは、光が適切な空間角度範囲から開口7に入ることが確実であるという条件であることに留意されたい。これは、例えば、比較的小さな切欠きによって提供することができる。
【0071】
一群の感光性要素5、開口7、及びフィルム4は、複合ガラス板に挿入するための事前に組み立てられた構造ユニットとして、容易に事前に製造することができる。
【0072】
中間層6は、ガラス、ポリマー、窒化ケイ素などでできていてよい。それはまた、フィルター機能及び/又は反射防止特性(例えば、赤外線放射/ UV放射)を有していてよい。
【符号の説明】
【0073】
1 第一ガラス層
2 結合層(任意)
3 周囲層
4 可撓性フィルム
5 一群の感光性要素
6 中間層(任意)
7 開口
8 結合層(任意)
9 第二ガラス層
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】