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特表2022-5177112つの電池セルを解離可能に接触させるための装置
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  • 特表-2つの電池セルを解離可能に接触させるための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】2つの電池セルを解離可能に接触させるための装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20220303BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20220303BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20220303BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20220303BHJP
   H01M 50/583 20210101ALN20220303BHJP
   H01M 50/516 20210101ALN20220303BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/204 401F
H01M50/35
H01M50/583
H01M50/516
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525572
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 AT2019060361
(87)【国際公開番号】W WO2020107043
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】A51060/2018
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318017545
【氏名又は名称】ライファイゼンランデスバンク・オーバーエスターライヒ・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルトシュッツ・ゲルハルト
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB18
5H012CC03
5H040AA12
5H040AA37
5H040AT01
5H040AY05
5H040CC13
5H040CC17
5H040DD03
5H040DD12
5H040DD23
5H040JJ03
5H043AA20
5H043CA03
5H043FA05
5H043GA03
5H043HA09F
5H043JA02F
5H043JA13F
5H043JA29F
5H043JA30F
(57)【要約】
貫通穴(6)を備える基体を備えた、2つの電池セルを独力で接触させるための装置を説明する。簡単なモジュール式の組立て過程だけでなく、個々の電池セルの迅速な交換も可能にするため、基体(1)が、貫通穴(6)に関して対向する2つの収容体(2,3)を、接合方向に収容体(2,3)内に挿入された電池セルのそれぞれ1つの終端部分を周囲側から包囲するために備え、接点バネ(7)が、第1の収容体(2)のガイド通路(9)内に挿入され、このガイド通路が、第2の収容体(3)内に挿入された電池セルと接点バネ(7)を材料固着式に結合するために貫通穴(6)に通じること、及び、接点バネ(7)が、第1の収容体(2)内に挿入された電池セルの解離可能な接続をするための接点舌部(8)を構成すること、を提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通穴(6)を備える基体(1)を備えた、2つの電池セルを独力で接触させるための装置において、
基体(1)が、貫通穴(6)に関して対向する2つの収容体(2,3)を、接合方向に収容体(2,3)内に挿入された電池セルのそれぞれ1つの終端部分を周囲側から包囲するために備え、接点バネ(7)が、第1の収容体(2)のガイド通路(9)内に挿入され、このガイド通路が、第2の収容体(3)内に挿入された電池セルと接点バネ(7)を材料固着式に結合するための貫通穴(6)に通じること、及び、接点バネ(7)が、第1の収容体(2)内に挿入された電池セルの解離可能な接続をするための接点舌部(8)を構成すること、を特徴とする装置。
【請求項2】
ガイド通路(9)が、貫通穴(6)を中心として螺旋状に延在し、接続方向に対して横に遊びをもって接点バネ(7)を収容すること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガイド通路(9)が、第1の収容体(2)の収容空間(4)の側を防火装置によって覆われていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
接点バネ(7)の接点舌部(8)が、ガイド通路(9)から接合方向とは逆方向に、第1の収容体(2)の収容空間(4)に隣接する周囲側の凹部(10)内へ突出すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
第2の収容体(3)が、この収容体の収容空間内に挿入された電池セルの溝(18)に係合するための、第2の収容体の収容空間(5)内に突出する係止体(17)を構成すること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
基体(1)が、第2の収容体(3)とガイド通路(9)と貫通穴(6)との間に、第2の収容体(3)の収容空間(5)を基体(1)の少なくとも1つの外周側の脱ガス穴と接続する脱ガス通路(14)を備えること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
基体(1)が、第2の収容体(3)の収容空間(5)内に挿入された電池セルから流出する高温ガスを脱ガス通路(14)内へ導入するための誘導面(15)を構成すること、を特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
第2の収容体(3)が、収容空間(5)を周囲側から包囲する、基体(1)から突出する係止アーム(12)を構成すること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
接点バネ(7)が、貫通穴(6)に通じるその終端部分にクランプフィン(11)を形成すること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の装置を複数備えたモジュールにおいて、
第2の収容体(3)を周囲側から解離可能に包囲するための複数の凹部を備えるキャリアが設けられていること、を特徴とするモジュール。
【請求項11】
第1の収容体内に挿入された電池セルBをそのセル外周を介して互いに電気的に接触する接点ユニット(20)が設けられていること、を特徴とする請求項10に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通穴を備える基体を備えた、2つの電池セルを独力で接触させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個々の電池セルを1つの電池貯蔵モジュールに接続するため、電池セルを頭部側から接点プレートの収容空間内に配置し、接点バネを介して、第1の電池セルの接合方向に並べられた第2の電池セルと直列に電気的に接続することが知られている(欧州特許出願公開第3096372号明細書)。直列に接続された複数のこのような電池集合の並列接続は、接点バネを互いに接続する導電性の平行プレートを介して行なわれる。但し、この構成の欠点は、これに関係する組立て費用を除いて、例えば瑕疵のある電池セルだけを交換するために、全ての電池セルの材料固着式の結合部を、瑕疵のある電池セルをアッセンブリから取外して交換できるように解離しなければならないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3096372号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の根底にある課題は、より簡単なよりモジュール式の組立過程を可能にするだけでなく、個々の電池セルの迅速な交換も可能にする、電池貯蔵モジュールの接続可能な電池セルを接触させるための装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基体が、貫通穴に関して対向する2つの収容体を、接合方向に収容体内に挿入された電池セルのそれぞれ1つの終端部分を周囲側から包囲するために備え、接点バネが、第1の収容体のガイド通路内に挿入され、このガイド通路が、第2の収容体内に挿入された電池セルと接点バネを材料固着式に結合するための貫通穴に通じること、及び、接点バネが、第1の収容体内に挿入された電池セルの解離可能な接続をするための接点舌部を構成することによって、提起した課題を解決する。本発明による装置の基体は、2つの収容体を備え、これら収容体は、2つの電池セルの終端部分を周囲側から包囲する。これら電池セルの反対方向の2つの極を短い経路で電気的に接続するために、基体は、更に、接点バネ用の貫通穴を有し、この接点バネは、第1の収容体の収容空間内に挿入された電池セルと解離可能に接続され、基体の貫通穴を経て第2の収容体の収容空間内に挿入された電池セルと材料固着式に、従って解離不能に接続されている。材料固着式の結合を容易化するために、接点バネは、位置決めのためにガイド通路内に挿入され、このガイド通路は、第1の収容体の底部に延在し、貫通穴に接続する。第1の収容体内に挿入された電池セルとの解離可能な接続は、基本的に、異なるように行なうことができるが、ただし、特に有利な接合条件は、接点バネが挿入された電池セルに弾性的に当接する接点舌部を構成する場合に得られる。第1の収容体の収容空間内での特に確実な着座は、接点舌部が、接合方向とは逆方向に突出し、挿入された電池セルを予荷重下で周囲側から包囲する場合に得られる。従って、本発明による特徴によれば特に有利な接合過程が得られる。何故なら、先ず、電気的に接続すべき電池セルを、第2の収容体の収容空間内に導入することができ、その後、接点バネが、貫通穴に関して対向する第1の収容体のガイド通路内に挿入されるからである。その後、接点バネの貫通穴内に突出する終端部分が、導入された電池セルのセル極と材料固着式に結合される。そうして、このように準備された電池セルは、第1の収容体の収容空間内に挿入することによって簡単に別の電池セルと接続することができ、接点舌部が、別の電池セルとの電気的な接触を可能にする。
【0006】
電池セルを接合方向に対して横にも接合方向にも良好に機械的に互いに切離するために、ガイド通路が、貫通穴を中心として螺旋状に延在し、接合方向に対して横に遊びをもって接点バネを収容することが提案される。これは、接点バネも螺旋状に形成され、これにより、接合方向の接点バネの伸縮が容易化されることを意味する。更に、バネ横断面の寸法設定が適切である場合、ヒューズが得られる。
【0007】
故障時の隣接するセルの損害を防止するため、ガイド通路は、第1の収容体の収容空間の側を防火装置によって覆うことができる。これにより、一方では、特にヒューズとしての形成時の接点バネ内の発熱が、第1の収容体内に挿入された電池セルに伝達されることが防止される。他方で、第2の収容体内に挿入された電池セルの損傷時、防火装置がガイド通路だけでなく貫通穴も覆う場合に、流出する高温ガス又は流出する火炎が貫通穴を経て第1の収容体の収容空間内に達するとの連鎖反応を回避することができる。
【0008】
第1の収容体の収容空間内で電池セルの収容が省スペースで噛合い係合式であるにもかかわらず、接点バネの機械的な過剰規定を回避し、同時に必要な全てのクランプ力を接点バネに導入しないため、接点バネの接点舌部が、ガイド通路から接合方向とは逆方向に、第1の収容体の収容空間に隣接する周囲側の凹部内へ突出することが提案される。従って、第1の収容体の外周面の内側の大部分との電池セルの外周の直接的な接触を得ることができ、これにより、電池セルの外周が、一方では、接点舌部によって十分に高い予荷重でもって包囲され、他方では、第1の収容体と電池セルの間の持続的な噛合い係合式の結合が促進されることによって、プラグイン機構の十分に高い安定性が得られる。それにもかかわらず、この形成によれば、接点舌部は、基体もしくは第1の収容体に対して遊びをもって可動であり続ける。
【0009】
接点バネと、第2の収容体によって収容された電池セルとの間の材料固着式の結合部の損傷を防止するため、本発明による装置の特に有利な形成では、第2の収容体が、この収容体の収容空間内に挿入された電池セルの溝に係合するための、第2の収容体の収容空間内に突出する係止体を構成することが望ましい。これにより、接点バネと材料固着式に結合された電池セルの接合方向の移動の自由度が制限され、これにより、接点バネもしくは材料固着部の破壊が防止される。
【0010】
第2の収容体の収容空間内に挿入された電池セルの排気時に生じるガス量を確実に導出することができ、それにもかかわらず本発明による装置のコンパクトなデザインを達成することができるように、基体が、第2の収容体とガイド通路と貫通穴との間に、第2の収容体の収容空間を基体の少なくとも1つの外周側の脱ガス穴と接続する脱ガス通路を備えることが提案される。これは、少なくとも脱ガス穴が接合方向でガイド通路の高さもしくは貫通穴の高さに配置されていることを意味する。点状の圧力ピークを回避し、同時に流出速度を低下させるため、脱ガス通路の横断面は、1つ又は複数の脱ガス穴に向かって拡大することができる。
【0011】
第1の収容体に向かうガス流を防止するため、基体は、第2の収容体の収容空間内に挿入された電池セルから流出する高温ガスを脱ガス通路内へ導入するための誘導面を構成することができる。この目的のため、誘導面は、第2の収容体の収容空間内に挿入された電池セルの排気弁から流出する高温ガスが、基体の貫通穴から導出され、脱ガス通路内に導入されるように形成されている。流動条件を改善するため、第2の収容体の収容空間は、脱ガス通路に対する流動開口を形成しつつ防火装置によって画成することができ、この防火装置は、例えば雲母又は当業者が容易に思いつく選択的な材料から成り得る。
【0012】
第2の収容体の収容空間内への電池セルの挿入を容易化するため、第2の収容体が、収容空間を周囲側から包囲する、基体から突出する係止アームを構成することが提案される。この場合、係止アームの間に生じる自由空間は、脱ガス通路用の脱ガス穴を構成することができる。
【0013】
材料固着式の結合に入る前に結合すべき接点バネ部分を正確に位置決めするため、接点バネが、貫通穴に通じるその終端部分にクランプフィンを形成する場合が有利である。但し、結果として接点バネが予荷重下でのみ貫通穴内に位置決めされることにより、接点バネは、更に遊びをもって変位可能であり続けるので、位置決めをするにもかかわらず電気的な接点バネの機械的負荷が回避される。
【0014】
複数の電池セルから成るモジュール内で、一方で、組立過程を容易化し、他方で、モジュール内でのその位置に依存せずに個々の電池セルの交換を可能にするため、第2の収容体を周囲側から解離可能に包囲するための複数の凹部を備えたキャリアを備える、本発明による装置を複数備えたモジュールが企図され得る。このように配置されたキャリアは、凹部が、接合方向に対して横の第2の収容体用の制限ストッパを構成する場合に、第2の収容体と電池セルの間の溝-係止体-結合部の解離を防止することができる。この場合、最も簡単な場合は、凹部は、第2の収容体を噛合い係合式に包囲する。組み立てるため、本発明による装置では、前記のように、まず第2の収容体内に電池セルを挿入することができ、この後、接点バネと第1の電池セルの間に材料固着式の結合部が形成される。その後、第1の電池セルを備えた装置が、キャリアから突出する第1の収容体内に導入される。モジュールの電池セルが破損している場合、該当する装置を、他の装置に依存せずにキャリアプレートから解離し、相応の交換を実行することができる。種々の本発明による装置をキャリアにおいて均等に高さ位置調整するため、それぞれの第2の収容体は、接合方向に作用するストッパ面を形成することができる。
【0015】
モジュール式の形成であるにもかかわらず等電位化を可能にするため、第1の収容体内に挿入された電池セルをそのセル外周を介して互いに電気的に接触する接点ユニットによって接続されていることが提案される。この接点ユニットは、キャリアから離間すること、及び、キャリアと共に、本発明による装置の個々の脱ガス穴が通じる流路を構成すること、ができる。
【0016】
図面には、例えば本発明の対象が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第2の収容体の収容空間内に電池セルが収容された本発明による装置
図2図1の線II-IIに応じた、本発明による装置を介して直列に接続された2つの電池セルを経る断面
図3】本発明による装置から構成されたモジュールの一部
【発明を実施するための形態】
【0018】
2つの電池セルを独力で接触させるための本発明による装置は、それぞれの電池セルの終端部分を周囲側から包囲する第1の収容体2と第2の収容体3を備える基体1を有する。収容体2,3の収容空間4,5内に挿入された電池セルの接触は、貫通穴6を経てガイドされる接点バネ7を介して行なわれる。このため、接点バネ7は、接合方向とは逆方向に突出し、第1の収容体2に付設された電池セルをクランプするように包囲する接点舌部8を備え、基体1の貫通穴6を経て突出し、これにより、収容体3の収容空間5内に挿入された電池セルとの接点バネ7の材料固着式の結合が、例えば溶接過程又ははんだ付け過程によって可能にされる。材料固着式の接触を容易化するため、接点バネ7は、第1の収容体2の底部に延在するガイド通路9内に配置されている。
【0019】
本発明による装置により、特に有利な組立条件が得られる。従って、第1の組立ステップで、接点バネ7がガイド通路9内に挿入され、その上で、第1の電池セルが、第2の収容体3の収容空間5内に挿入される。第1の収容空間2の収容空間4の最初は自由なアクセス性により、接点バネ7とのこの電池セルの材料固着式の接触は、簡単に実行することができる。最後のステップで、別の電池セルが、第1の収容体2の収容空間4内に挿入され、接触が、クランプ式の接点舌部8を介して解離可能に行なわれる。必要なクランプ力全体を、接点舌部8だけによって加える必要がないように、接点舌部8は、第1の収容体2に形成されかつその収容空間4に隣接する凹部10から突出することができる。これにより、接点バネ7の接点舌部8によってクランプ式に包囲される電池セルは、第1の収容体2と電池セルの間の噛合い係合式に結合によって付加的に固定される。
【0020】
図1からわかるように、ガイド通路9とその中に配置された接点バネ7の両方を螺旋状に形成することができ、これにより、接合方向の機械的な切離が達成される。機械的な切離を、接合方向だけでなく、接合方向に対して横にも可能にされるべきである場合、ガイド通路9は、図2からわかるように、その中に配置された接点バネが、遊びをもって接合方向に対して横に変位可能であるように、寸法設定することができる。この遊びにもかかわらず接点バネ7と第2の収容体3によって収容された電池セルとの間の材料固着式の結合を正確に実行することができるように、接点バネ7は、貫通穴6内に突出するその終端部分にクランプフィン11を形成する。電池セルは、第2の収容体が電池セルを周囲側から包囲する係止アーム12を形成する場合は、この第2の収容体3内に特に簡単かつ省エネルギーで挿入することができる。
【0021】
図2は、本発明による装置を介して直列に接続された2つの電池セルを示す。隣接する電池セルの相互の損害を防止することができるように、図2に示した装置は、ガイド通路9と、この構成では貫通穴6も覆う防火装置13を備える。別の防火装置13を、第2の収容体3の収容空間5内に収容された電池セルとこれに続く脱ガス通路14との間に配置することができ、例えば雲母又は当業者が容易に思いつく他の耐火材料から成るこの防火装置13は、接点バネ7と電池セルの材料固着式の結合をするための突破口を備えなければならない。収容空間5とガイド通路9と貫通穴6の間に配置された脱ガス通路14の横断面は、第2の収容体3の外周側に配置された脱ガス口に向かって基体1の方向に拡大するので、点状の圧力ピークは、本発明による装置の構造がコンパクトであるにもかかわらず回避することができる。脱ガス通路14は、例えば図2及び3に図示したように、基体1によって構成された誘導面15に隣接することができ、これにより、電池セルから流出する高温ガスの脱ガス通路14への適切な偏向が促進される。
【0022】
図3には、複数の本発明による装置から構成されたモジュールの一部が図示されている。このため、キャリアとして使用されるキャリアプレート16は、装置の第2の収容体3を包囲する複数の凹部を備え、これにより、電池セルに形成された溝18からの第2の収容体3の係止体17の意図しない解離が防止される。均等な高さ位置調整のため、それぞれの第2の収容体3は、接合方向に作用するストッパ面19を形成することができる。キャリアプレート16の図3に示した選択的な構成で、その凹部は、収容体3も、その中に配置された電池セルも包囲することができる。第1の収容体2内に挿入された電池セルは、そのセル外周を介して接点ユニット20によって互いに接続することができ、この接点ユニット20は、支持部として作用する平行プレート21に配置することができる。適切な解離可能な接触は、接点ユニット20が、電池セルを周囲側から包囲する凹部を備える場合が望ましい。特に確実な着座を保証するため、接点ユニット20は、図3に図示したように、凹部内に配置された電池セルを包囲する接点舌部8を形成することができる。
【0023】
本発明による装置により、モジュール内でのその位置に依存しない個々の電池セルの交換が可能にされる。電池セルが破損している場合、接点ユニット20は、モジュールに組み立てるべき電池セルのセル外周から解離される。収容体2の収容空間4から解離可能に接続された電池セルを引き抜いた後、本発明による装置は、未だ残っている破損した及び材料固着式に結合された電池セルを含めて自由に接近可能である。対で、装置は、引き抜くことによってキャリアプレート16から解離することができ、これにより、破損した電池セルの交換が可能にされる。無傷の電池セルの本発明による装置の位置は、不変のままである。本発明による装置のモジュールへの組立ては、逆の順序で行なわれる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】