(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】バッテリー管理システムのための補助電源出力
(51)【国際特許分類】
B60L 50/60 20190101AFI20220303BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220303BHJP
B60L 1/00 20060101ALI20220303BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20220303BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20220303BHJP
【FI】
B60L50/60
H02J7/00 A
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
B60L1/00 L
B60L3/00 J
B60L53/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531508
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 US2019063332
(87)【国際公開番号】W WO2020112832
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521237044
【氏名又は名称】クラブ カー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Club Car, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ロビンズ
(72)【発明者】
【氏名】トッド スティール
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エドワーズ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503DA04
5G503EA08
5G503FA06
5H125AA14
5H125AC12
5H125BA00
5H125BB00
5H125BE02
5H125CA08
5H125CB02
5H125EE13
5H125EE23
(57)【要約】
ユーティリティカートはリチウムイオン電池パックの形態とすることができるエネルギー貯蔵デバイスを備える。電池パックは、原動力としての電動モータのような高電圧コンポーネントを駆動するのに有用なメイン電源出力を備えることができる。電池パックは、さらに、様々な他のコンポーネントに補助電力を供給するのに有用な1つ以上の補助出力を備えることができる。補助出力は、低及び/又は高電圧出力のいずれかとすることができる。補助DC/DC出力は、リチウムイオン電池パックの高電圧を低電圧に逓減させるのに使用することができる。モータコントローラ供給もモータコントローラに幾分の電力を供給する補助出力として設けることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと選択的給電連通状態にあるエネルギー貯蔵デバイスを有するユーティリティカートを備える装置であって、前記電動モータは少なくとも1つの被駆動ホイールに連結され、前記エネルギー貯蔵デバイスは、電動駆動トレインに電力を供給して前記ユーティリティカートを運動させるよう構成され、前記エネルギー貯蔵デバイスは、管理システムに接続され、かつ前記電動モータを付勢させるのに十分なメイン電圧レベルのメイン電源出力と、前記メイン電圧レベルよりも低い電圧レベルである第1補助電圧レベルの第1補助電源出力と、第2補助電圧レベルの第2補助電源出力を供給することができる、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記エネルギー貯蔵デバイスはリチウムイオン電池パックであり、前記リチウムイオン電池パックは、前記リチウムイオン電池パックの電圧を逓減させるよう構成されたDC/DCコンバータを有し、前記補助電源出力は、前記DC/DCコンバータからの出力電力を供給し、前記リチウムイオン電池パックは、外部筐体を有し、前記ユーティリティカートは、前記リチウムイオン電池パックを制御するよう構成されたバッテリー管理システムを備える、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、さらに、車両制御モジュール及びモータコントローラを備え、前記モータコントローラは前記電動モータへの電力を調節するよう構成され、前記車両制御モジュールは前記第1補助電源出力からの電力を受け取るよう構成され、また前記モータコントローラは前記第2補助電源出力からの電力を受け取るよう構成され、前記モータコントローラは、前記リチウムイオン電池パックからのメイン電源出力が前記モータコントローラから切り離されているとき、前記第2補助電源出力からの電力を受け取るよう構成されている、装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記モータコントローラは、前記ユーティリティカートが少なくとも1つのホイールのコマンドを受けていない動きをしている状態にあることを検出し、また前記1つのホイールの動きを緩慢にする前記車両における牽引システムを有効化するよう構成される置き去りブレーキ掛けモードを有し、前記置き去りブレーキ掛けモードは、メイン電源出力が無効化されるよう前記エネルギー貯蔵デバイスのコンタクタがオフ(OFF)条件にあるとき有効化されるものである、装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記第2補助電源出力はモータコントローラ供給出力であり、前記モータコントローラは、モータ係合の準備としてバスを予充電するよう構成された予充電回路を有し、前記予充電回路は、前記メイン電源から離れておりかつ前記第2補助電源出力を介してモータコントローラ供給出力から電力を受け取るよう構成されており、前記モータコントローラ供給出力は、前記メイン電源出力がオフ(OFF)状態であるとき電力を供給するよう構成され、またさらに、前記メイン電源出力と同一電圧の第3補助電源出力を有する第3補助電源出力を備え、前記第3補助電源出力はディスプレイユニットに電力を供給するよう構成されている、装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記第1補助電源出力は前記エネルギー貯蔵デバイスの補助DC/DCコンバータから供給され、さらに、前記エネルギー貯蔵デバイスから離れており、前記エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力から電力を受け取るよう構成されたメインDC/DCコンバータを備え、前記リチウムイオン電池パックは、前記メイン電源出力に接続され、かつ前記メイン電源出力に電力を選択的に供給するため開閉するよう構成されたコンタクタを有する、装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、前記メインDC/DCコンバータは、前記メイン電源出力が選択的にオフ(OFF)条件にされているとき、前記モータコントローラを放電するため前記モータコントローラからさらに電力を受け取るよう構成されている、装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、前記エネルギー貯蔵デバイスは、第2コンタクタとシリアルな電気的接続状態にある第1コンタクタを有し、前記第1コンタクタ及び第2コンタクタの各々は、ON条件とOFF条件との間で選択的に指令を受け、前記ユーティリティカートは、前記エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力と電気的接続状態にあるメインコンタクタを備える、装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記ユーティリティカートは、さらに、前記メインコンタクタ、前記第1コンタクタ、及び前記第2コンタクタのうち任意なものにおける少なくとも1つのコンタクタ溶着チェックを実施するよう構成された車両制御モジュールを備え、前記車両制御モジュールは、前記少なくとも1つのコンタクタ溶着チェックを実施する目的のために前記ユーティリティカートの通信バスから電圧情報を受け取るよう構成され、前記通信バスは、前記コンタクタ溶着チェックに使用される以下のもの、すなわち、電動モータコントローラキャパシタバス電圧、エネルギー貯蔵出力電圧、エネルギー貯蔵内部電圧、前記第1コンタクタと前記第2コンタクタとの間における電圧、及びチャージャー電圧のうち任意なものを伝達するよう構成されている、装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記第2補助電圧出力は、前記メインDC/DCコンバータと通信するよう構成され、前記コンタクタ溶着チェック中に前記メインDC/DCコンバータをOFF状態にし、また前記メイン電源出力が選択的にOFF状態にされたとき前記メインDC/DCコンバータをON状態にするよう構成された、メインDC/DCコンバータイネーブル出力であり、また前記モータコントローラは、前記DC/DCコンバータから放電するよう構成されている、装置。
【請求項11】
地点間でユーティリティカートを運送する複数の回転ホイールを有するユーティリティカートを備える装置であり、前記ユーティリティカートは、
前記複数のホイールの駆動ホイールに原動力を供給するよう連結かつ構成された電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するよう構成された車載のエネルギー貯蔵デバイスを有し、
前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記電動モータに接続され、またメイン電力レベルの電力を供給するよう構成されたメイン電源電圧レベルのメイン電源出力を有し、前記エネルギー貯蔵デバイスは、さらに、複数の直流電圧で電力を供給するよう構成された複数の補助電源出力を有し、前記複数の電源出力の各々は、前記メイン電力レベルより小さい電力を供給するよう構成されている、
装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置において、前記ユーティリティカートはさらにモータコントローラを備え、また前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つは、メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき論理電力を前記モータコントローラに供給するよう構成され、前記モータコントローラは、前記メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき前記論理電力に基づいて動作するよう構成され、前記論理電力は、少なくとも部分的に前記モータコントローラによって消費されて、前記メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき前記複数のホイールのうち少なくとも1つの運動を検出するのに有用なエンコーダに給電し、前記エンコーダからの信号を前記モータコントローラが使用して、前記複数のホイールのうち少なくとも1つの運動に抵抗する回生ブレーキを加える、装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置において、前記論理電力は前記メイン電源電圧レベルで供給される、装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置において、前記モータコントローラは容量バスを有し、また前記モータコントローラは、さらに、前記複数の補助電源出力における少なくとも1つで配給される前記論理電力により前記容量バスを予充電するよう構成される、装置。
【請求項15】
請求項11記載の装置において、前記ユーティリティカートは、さらに、前記車載のエネルギー貯蔵デバイスにおけるメイン電源出力からの電力を受け取るよう構成されたカートDC/DCコンバータを備え、前記車載のエネルギー貯蔵デバイスは、前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つを介してDC電力を供給するよう構成された内部DC/DCコンバータを有する、装置。
【請求項16】
請求項15記載の装置において、前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つは、前記カートDC/DCコンバータと電気的連通状態にあり、前記カートDC/DCコンバータを選択的にON状態とOFF状態との間に切り替えるよう構成されているイネーブル/ディスエーブル電源出力である、装置。
【請求項17】
請求項15記載の装置において、前記車載エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力は、ON状態とOFF状態との間で切り替わるよう構成され、また前記車載エネルギー貯蔵デバイスからのメイン電源出力がONであるとき、前記カートDC/DCコンバータは、前記ユーティリティカートにおける少なくとも1つのDC給電されるコンポーネントに一次電力を供給する、装置。
【請求項18】
請求項17記載の装置において、前記ユーティリティカートは、前記車載エネルギー貯蔵デバイスとモータコントローラとの間における切替え可能な電力接続に適応するカートコンタクタを備え、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記カートコンタクタと切替え可能な電力接続状態にあるデバイスコンタクタを有し、前記ユーティリティカートはコンタクタ溶着チェックモードを備え、前記コンタクタ溶着チェックモード中には前記イネーブル/ディスエーブル電源出力を介して前記カートDC/DCコンバータをオフ(OFF)状態にする、装置。
【請求項19】
請求項18記載の装置において、前記ユーティリティカートは、さらに、前記カートコンタクタと切替え可能な電力接続状態にある他のデバイスコンタクタを備え、前記デバイスコンタクタ及び前記他のデバイスコンタクタは直列関係にあるものとし、前記ユーティリティカートは、さらに、バッテリー管理システム及び前記モータコントローラが測定した電圧を送る通信ネットワークを備え、前記通信ネットワークは、以下のもの、すなわち、モータコントローラのキャパシタバンク電圧、前記車載エネルギー貯蔵デバイスの外部バッテリー端子におけるパック出力電圧、内部パック電圧、前記デバイスコンタクタと前記他のデバイスコンタクタとの間における電圧、前記車載エネルギー貯蔵デバイスに電荷を供給するよう構成されたチャージャーのチャージャー出力電圧のうち2つ以上を送るよう構成されている、装置。
【請求項20】
請求項19記載の装置において、前記コンタクタ溶着チェックは、前記カートコンタクタ、デバイスコンタクタ、及び他のデバイスコンタクタを含むコンタクタのうちいずれかが溶着している場合を決定するステップを有し、前記コンタクタ溶着チェックは、以下の溶着チェック、すなわち、
(1) ドライブ用コンタクタ溶着チェックであって、以下の条件、すなわち、(a) キャパシタバンク電圧とパック出力電圧との差が第1閾値より大きい、及び(b) キャパシタバンク電圧と、前記デバイスコンタクタ及び前記他のデバイスコンタクタ間における電圧との差が第2閾値より大きいという条件のうち少なくとも一方が満たされている場合に前記コンタクタが溶着していないと決定する、該ドライブ用コンタクタ溶着チェック、並びに
(2) 充電用コンタクタ溶着チェックであって、以下の条件、すなわち、(a) チャージャー出力電圧とパック出力電圧との差の絶対値が第3閾値より小さい、及び(b) パック電圧が第4閾値より大きいという条件の双方が当てはまる場合に前記コンタクタが溶着していないと決定する、該充電用コンタクタ溶着チェック
のうち少なくとも一方を有する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して再充電可能バッテリーを有するユーティリティ(多用途)カート(utility carts)に関し、またより具体的には、絶対的にではないが、高電圧再充電可能バッテリーを有する多用途カートに関する。
【背景技術】
【0002】
再充電可能バッテリー(電池)パックからモータ電力を供給できるモードに加えて補助電源モードで電力を供給する能力は関心対象の領域にある。幾つかの既存システムは若干の用途に関して様々な欠点がある。したがって、この技術分野で更なる貢献の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施形態は、ユーティリティカートのためのユニークなバッテリーシステムである。他の実施形態としては、多用途カートに補助電力を供給するための装置、システム、デバイス、ハードウェア、方法、及びそれらの組合せがある。さらに他の実施形態、形態、特徴、態様、利益、及び利点は、本明細書に提示する説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書における説明は、幾つかの図の全体を通して類似参照符号が類似部分に言及するものである添付図面について行う。
【
図1】本出願における図示の実施形態による例示的車両システムの概略的説明図を示す。
【
図2】本出願における図示の実施形態による車両制御システムの例示的サブシステムの概略的説明図を示す。
【
図3】リチウムイオン電池パックに接続される電子バッテリー制御モジュールを有する車両制御システムのサブシステムにおける例示的アーキテクチャの説明図を示す。
【
図4】リチウムイオン電池パックに接続される電子バッテリー制御モジュールを有する車両制御システムのサブシステムにおける例示的アーキテクチャの説明図を示す。
【
図5】リチウムイオン電池パック接続される電子バッテリー制御モジュールを有する例示的リチウム/AC車両制御システムアーキテクチャの説明図を示し、このアーキテクチャにおいて、車両制御モジュールが複数のDC給電負荷に対して信号を出力する。
【
図6】リチウムイオン電池パックに接続される電子バッテリー制御モジュールを有する例示的リチウム/AC車両制御システムアーキテクチャの説明図を示し、このアーキテクチャにおいて、ユーザーディスプレイが補助DC/DCコンバータを介して電力を受け取る。
【
図7】本出願における図示の実施形態による車両制御システムの例示的サブシステムの概略的説明図を示す。
【
図8】リチウムイオン電池パックに接続された電子バッテリー制御モジュールを有する車両制御システムのサブシステムに対する例示的アーキテクチャの概略的説明図を示す。
【
図9】リチウムイオン電池パックに接続された電子バッテリー制御モジュールを有する車両制御システムのサブシステムに対する例示的アーキテクチャの概略的説明図を示す。
【
図10】リチウムイオン電池パック接続される電子バッテリー制御モジュールを有する例示的リチウム/AC車両制御システムアーキテクチャの説明図を示し、このアーキテクチャにおいて、車両制御モジュールが複数のDC給電負荷に対して信号を出力する。
【
図11】リチウムイオン電池パック接続される電子バッテリー制御モジュールを有する例示的リチウム/AC車両制御システムアーキテクチャの説明図を示し、このアーキテクチャにおいて、ユーザーディスプレイが補助DC/DCコンバータを介して電力を受け取る。
【0005】
上述の概要、並びに本発明による若干の実施形態における以下の詳細な説明は、添付図面とともに読むとき、より良く理解されるであろう。本発明を説明する目的のために図面に幾つかの実施形態を示す。しかし、本発明は、添付図面に示した構成及び手段に限定されないと理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
或る用語は便宜のため上述の説明で使用されるが限定を意図しない。「上側(upper)」、「下側(lower)」、「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「第1(first)」、及び「第2(second)」のような単語としては、参照される図面における方向を示す。この用語としては、特に上述した単語、その派生形、及び同様趣旨の単語を含む。さらに、単語「1つの(a)」及び「一つの(one)」は、特別に記述しない限り1つ以上の言及項目を含むと定義する。2つ以上のリストが続く、例えば、「A、B又はC」のような語句「少なくとも1つの(at least one of)」は、A、B又はCのうち任意な個別の1つ、並びにそれらの任意な組合せを意味する。
【0007】
図1は、本出願における図示の実施形態による例示的車両システム10の概略的説明図を示す。図示のような例示的車両システム10は、関連の車両制御システム14を有するユーティリティ車両12を備えることができる。様々な異なるタイプの車両は、このユーティリティ車両12として使用することができる。さらに、ユーティリティ車両12は、電動化車両とすることができ、他の動力化様態に加えて、例えば、電力、バッテリー、内燃機関、再生エネルギー源、及び/又はそれらの組合せの使用により電動化又は給電される車両とすることができる。1つの特別な形態において、ユーティリティ車両12は、ユーティリティ車両12の動かす駆動力を発揮するユーティリティ車両12のモータに給電するのに使用される電力を供給する、及び/又はユーティリティ車両12の1つ以上の電気的デバイスに電力を供給するよう構成されたリチウムイオン電池パックを備える。さらに、ユーティリティ車両12は、様々な異なるタイプの用途及び/又は使用向けに適合させることができる。例えば、若干の実施形態によれば、ユーティリティ車両12は、電動ゴルフカー又はカートとする。代替的又は付加的に、他の実施形態によれば、ユーティリティ車両12は、完全自律車両、比較的小さい全地形万能ユーティリティ車両、近隣地域車両、又は同様に分類される任意な他の軽量ユーティリティ乗用車である。したがって、「ユーティリティ車両(utility vehicle)」について記述する本明細書で見られる説明は、限定されたものと解すべきではなく、本明細書記載のものより広く適用することができる。
【0008】
ユーティリティ車両12内及び/又はその周辺に位置決めすることができる車両制御システム14は、様々な異なるタイプのハードウェア及び/又はソフトウェアを利用することができる。さらに、車両制御システム14は、例えば、少なくとも以下に詳述し、また
図2~6につき図示するものを含めて様々な異なるコンピュータベースのアプリケーションを実行するよう構成することができる。加えて、若干の実施形態によれば、車両制御システム14は、種々のコンピュータソフトウェア・アプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール及び/又はデータ構造を実行又はそれらに依存することができる。さらにまた、種々のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、及び/又はモジュールは、車両制御システム14における1つ以上のプロセッサ上、又は車両制御システム14に接続される他のデバイス若しくはウェブサーバーネットワーク上で実行することができる。
【0009】
図1に示す例示的実施形態によれば、車両制御システム14は、処理デバイス16、入力/出力デバイス18,メモリ20、及び演算論理22を備える。さらに、図示のように、車両制御システム14は、以下に詳述するように、1つ以上の外部デバイス24と通信することができる。入力/出力デバイス18は、車両制御システム14が外部デバイスと通信できるようにする、並びに/又は命令及び/若しくは情報を受信/交信できるようにする任意なタイプのデバイスとすることができる。例えば、若干の実施形態によれば、入力/出力デバイス18は、ネットワークアダプター、ネットワークカード、又はポート(例えば、USBポート、シリアルポート、パラレルポート、VGA、VDI、HDMI、FireWire、CAT5、又は任意な他のポートタイプ)とすることができる。入力/出力デバイス18は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアより成るものとすることができる。入力/出力デバイス18は、これらアダプタ、カード、又はポートのうち1つより多いものを含むことが考えられる。さらに、若干の実施形態によれば、車両制御システム14は、例えば、通信プロトコルのうちとりわけ、1つ以上の無線プロトコル若しくはデータストリームを使用することにより、外部デバイス24と通信するよう構成される1つ以上のトランシーバーを備える、又は接続することができる。
【0010】
外部デバイス24は、車両制御システム14からデータを入力又は出力できるようにする任意なタイプのデバイスとすることができる。2、3の非限定的な実施例について説明すると、外部デバイス24は、携帯デバイス、他のコンピュータ、サーバー、プリンタ、ディスプレイ、アラーム、照明インジケータ、キーボード、マウス、マウスボタン、又はタッチスクリーンディスプレイとすることができる。さらにまた、若干の実施形態によれば、外部デバイス24は車両制御システム14内に統合できることが考えられる。例えば、車両制御システム14は、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、又はタブレットコンピュータとし得る。さらに、若干の実施形態によれば、外部デバイス24のディスプレイは、あるとすれば、車両制御システム14に1つのユニットとして統合させる又はさせないようにすることができ、例えば、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、又はタブレットコンピュータ等々のような若干の外部デバイス24の一般設計に一致させることができる。さらに、車両制御システム14と通信する1つより多い外部デバイスを存在させることが考えられる。
【0011】
処理デバイス16は、プログラム可能なタイプ、専用ハード・ワイヤード状態マシン、又はこれらの組合せとすることができ、またさらに、多重プロセッサ、算術論理演算ユニット(ALUs)、中央処理ユニット(CPUs)又は同様のものを備えることができる。多重処理ユニットを有する処理デバイス16の形態に関しては、分散型、パイプライン型、及び/又は並列型の処理が適切なものとして利用することができる。処理デバイス16は、本明細書記載の動作自体を実施するよう専用化したものとすることができる、又は1つ以上の付加的用途に利用できるものとすることができる。専用化形態では、処理デバイス16は、メモリ20に記憶されたプログラミング命令(ソフトウェア又はファームウェアのような)によって定義される演算論理22に従ってアルゴリズムを実行し、またデータ処理するプログラム可能型がある。代替的又は付加的に、処理デバイス16のための演算論理22は、少なくとも部分的にハード・ワイヤード論理又は他のハードウェアによって定義される。処理デバイス16は、入力/出力デバイス18、外部デバイス24、又は他の場所から受信する信号を処理するのに適した任意なタイプの1つ以上のコンポーネントより成り、並びに所望の出力信号を供給することができる。このようなコンポーネントとしては、デジタル回路、アナログ回路、又はその双方の組合せがあり得る。
【0012】
メモリ20は、固体型、電磁型、光学型、又はこれら型式の組合せのような1つ以上のタイプとすることができる。若干の実施形態によれば、メモリ20は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、補助レベルのメモリ(例えば、キャッシュメモリ、不揮発性若しくはバックアップのメモリ(例えば、プログラム可能メモリ若しくはフラッシュメモリ))、リード・オンリー・メモリ、又はそれらの組合せが含まれる。さらに、メモリ20は、揮発性、不揮発性、又はこれらタイプの混成体とすることができ、またメモリ20のうち幾つか又はすべては、可搬式、例えば、ディスク、テープ、メモリスティック、カートリッジ、又は同様のものとすることができる。さらに、メモリ20は、処理デバイス16の演算論理22によって操作されるデータ、例えば、その一実施例に指定される演算論理22を定義するプログラミング命令を記憶することに加えて又はその代わりに、入力/出力デバイス18に対して受信及び/又は送信される信号を表しているデータを記憶することができる。
図1に示すように、若干の実施形態によれば、このメモリ20は、処理デバイス16に含まれる及び/又は処理デバイス16に接続され得る。メモリ20は、例えば、データのうちとりわけ、1つ以上のユーティリティ車両12の少なくともセッティング制御に関するデータを含めて様々なデータを記憶することができる。メモリ20に加えて、車両システム10は、車両システム10のいずれかの場所に配置した他のメモリを備えることができ、例えば、外部デバイス24のCPUにおけるキャッシュメモリ、並びに仮想メモリとして使用される任意な記憶容量(例えば、記憶装置上又は車両システム10に接続される他のコンピュータ上に記憶される)を含むことができる。
【0013】
外部デバイス24は、上述した車両制御システム14の1つ以上の類似特性を有することができる。外部デバイス24を任意の特別なタイプのデバイスに限定することは意図しない。外部デバイス24からのデータは、任意の様々な技術を用いて車両制御システム14に供給することができる。例えば、データは有線又は無線のリンク上で伝送することができ、及び/又はメモリモジュール(例えば、USBスティック)を外部デバイス24から抜き出し、また車両制御システム14に接続することができる。外部デバイス24から車両制御システム14に情報を搬送する上述した技術のうち2つまたはそれ以上の組合せも考えられる。
【0014】
若干の実施形態によれば、ユーティリティ車両12は、1つ以上のネットワークを含む外部デバイス24により外部に情報を通信するよう構成することができる。1つ以上のネットワークの各々は、データを送信及び/又は受信するよう構成されたネットワークのうちとりわけ、例えば、無線LAN(すなわち、Wi-Fi)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク(例えば、3G、4Gロング・ターム・エボリューション(LTE)、5G、等々)及び/又はインターネットを含むローカル・エリア・ネットワーク(LAN)のような、1つ以上のコンピュータネットワークを有する、又はこれと動作可能に通信することができる。
【0015】
図1に示す例示的実施形態において、ユーティリティ車両12は、テレマティクス・システム及び/又は個別テレマティクス・システムとも称することができるナビゲーション及び測位システム(NPS)を備える、又はそれと接続することができる。例えば、若干の実施形態によれば、NPSは、ユーティリティ車両12の外部に備え付けられる全地球測位システム(GPS)、及び/又はユーティリティ車両12に接続される電子水平デバイスである。このような実施形態によれば、NPSは、例えば、データのうちとりわけ、地理的場所データを含む情報の提供及び/又は受信目的で車両制御システム14に電子的に接続することができる。さらに、若干の実施形態によれば、他の追加情報をNPS及び車両制御システム14に対して/から送信することができる。
【0016】
図1に図示した実施形態において、車両制御システム14は、さらに、例えば、ユーティリティ車両12のユーザー又はオペレータが見るよう位置決めされるディスプレイ26に接続することができる。若干の実施形態において、このディスプレイ26は、タッチスクリーン・インタラクティブ・ディスプレイのような、視覚的表示装置(とりわけ、例えば、モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネル)とすることができ、このディスプレイは、ユーティリティ車両12の現在場所に関してリアルタイムにアップデートされる情報、並びに他のユーティリティ車両に関与する情報を含む、様々な情報を表示することができる。
【0017】
車両12は、ホイールを駆動する原動力源として使用されるエネルギー貯蔵デバイスを備えることができる。このエネルギー貯蔵デバイスはリチウムイオン電池(バッテリー)の形態をとることができ、また一形態ではリチウムイオン電池パックである。本明細書における種々の図はエネルギー貯蔵システムの実施形態を示す。車両12に使用されるエネルギー貯蔵デバイスは、メイン電源出力を提供するよう、並びに1つ以上の補助電源出力を提供するよう構成することができる。補助電源出力は、電力を保存するためメイン電源出力をオフ条件にするが、1つ以上の電力出力を介して電力を提供することができる。メイン電源又は補助電源を車両に提供する能力は、個別バッテリーの排除(例えば、12Vバッテリーの排除)を可能にする。
【0018】
図2は、ユーティリティ車両12におけるネットワーク通信を介して相互接続できる種々のコンポーネントを示す。図示の実施形態において、種々のコンポーネントはCANネットワークを介して相互接続することができるが、他のネットワーク構成/プロトコル/等々も考えられる。図示の実施形態は、3つの個別ネットワーク(例えば、CAN1、CAN2、及びCAN3)を備えるが、他の個数のネットワークも考えられる。本明細書に使用されるように、BMSはバッテリー管理システムを示し、MCUはモータコントローラを示し、VDUはヴィサージ(商標名:Visage)ディスプレイユニット(テレマティクスユニットとして使用することもできる)を示す。このヴィサージは、ジョージア州オーガスタのゴルフ用及び他の多用途タイプのカートのメーカーであるクラブカー(Club Car)社から入手可能である。当業者には理解されるように、ヴィサージは、自動車トラッキング(リアルタイム位置、ドライブ履歴、メッセージング、等々)、自動車制御(ゾーン速度制御、フリートロックダウン、ジオフェンシング、最大速度、等々)、電力(バッテリー状態、故障コード通知、オドメーター、充電故障/中断、等々)を含む幾つかの機能を提供し、また通信(フード及び飲み物注文、モバイルアプリケーション、トーナメント接続、等々)のような他の特徴も提供することができる。図示の実施形態は無線接続モジュールを備えるが、幾つかの実施形態において、VDUが無線接続モジュールとして役することもできる。このようなモジュールは、限定しないが、車両12における様々なデバイスのソフトウェアアップデートのような空中通信を可能にする。本明細書で使用される用語「テレマティクス(telematics)」は、遠隔通信デバイスからの情報をリモート対象物に記憶及び受信するための通信及び情報技術の統合的使用を含む。幾つかの形態において、テレマティクスとしては、ナビゲーション及び測位情報提供、ナビゲーション及び測位情報通信、中央場所と車両との間における情報交換、車両オペレーションの管理及びモニタリング、フリート管理、ジオフェンシング、等々のうち任意な1つ以上を含むことができる。通信はセルラーネットワーク上で行うことができるが、他タイプのデータ送受信も考えられる。
【0019】
図3及び4は、車両12における様々なコンポーネントの概略図を示す。
図3及び4におけるリチウムイオン電池パック内の破線(リチウムイオン電池パックを示す他の図面における破線としても示す)は、BMSに含まれるコンポーネントを表す。これらコンポーネントのうち1つ以上はエネルギー貯蔵システムにおける外部筐体内に設けることができる。
図3及び4に示すように、エネルギー貯蔵システムは、MCUのメイン電源に電力を提供するのに使用されるメイン電源を有する。メイン電源は、比較的高い電圧であり、また比較的高い電力であり得る。メイン電源はメインDC/DCに提供される。チャージャーはメイン電源出力を経由してエネルギー貯蔵デバイスに接続することができる。このメインDC/DCは、
図5に示すような種々のコンポーネント(
図5の左下コーナーにおけるコンポーネント)に電力を供給するのに使用することができる。メインDC/DCコンバータの排除も、そのデバイスから駆動されるよう構成される種々のデバイスの排除によって遂行される(多くのコンポーネントがない
図6参照)。
【0020】
これら図のメイン電源出力は、Liイオンセル(電池)とモータコントローラとの間における少なくとも1つのコンタクタ(接触器)を有することができる。図示の実施形態にはコンタクタA、B、及びメインを示す。幾つかの実施形態はメインコンタクタを排除することができる。付加的及び/又は代案的に、幾つかの実施形態はバッテリーパックにおける単一のコンタクタのみを有することができる。車両12のホイールを駆動するのに電力が必要となるとき、コンタクタA、B、及びメインが閉成される。コンタクタの使用は電力量を必要とするが、コンタクタが開状態に留まる場合にはこの電力量を排除できる。
図4は、種々のコンタクタの近傍に種々の電圧(Vcap、Vout、Vm、Vp)を示し、これら電圧の重要性は以下にさらに詳述する。
【0021】
バッテリーパックは少なくとも1つの補助出力を提供するよう構成される。図示の実施形態において、パックは、コンタクタ、VCMに給電する補助12V DC/DC出力(Auxiliary 12V DC/DC output)及び任意な他の低電圧デバイス(例えば、
図6の後進アラーム)、メインDC/DCイネーブルライン、並びに電動モータに電力を提供するのに必要なMCUのキャパシタバンクに制御信号を供給する及び/又は予充電するのに使用できるモータコントローラ供給(Motor Controller Supply)からメイン電源(Main Power)が切り離されるとき、テレマティクス能力を提供するのに有用なVDU供給出力電力を供給することができる。モータコントローラ供給補助出力(Motor Controller Supply auxiliary output)は、メイン電源出力が切り離されている間にMCUに電力を供給するのに使用することもでき、これは、さらに、メイン電源がオフ状態(OFF)である間にバッテリーパック及び/又はBMS間における通信を可能にする。所望に応じて単一出力のみを含めた、任意な数の補助電源出力を設けることができると考えられる。多くの形態において、バッテリーパックは、少なくともメイン電源が提供されないときVCMに電力を供給するのに使用することができる、補助12V DC/DC供給(Aux 12V DC/DC Supply)を有することが考えられる。VCMは種々の車両コンポーネントに対して監視制御機能を供給することができるが、他の使用も考えられる。
【0022】
図5及び6は、車両12の様々な実施形態を展開できる異なるアーキテクチャを示す。
図5は、
図6においては存在しない左下側コーナーに示す、VCMによって制御される幾つかのコンポーネントを示す。VCMの出力で駆動される
図5におけるコンポーネントは、メインDC/DCコンバータから給電することができる。
図6はメインDC/DCコンバータが排除されているため、コンポーネントも排除される。説明から分かるように、本明細書に使用される用語「HV」は、概して、モータコントローラ及び電動モータに給電するための12Vを超える適当な電圧であることを意図する高電圧を示す。幾つかの形態においてHVは24Vを示し、他の実施形態においてHVは48Vを示す。12Vを超える他の電圧も考えられる。
【0023】
図示の実施形態の補助出力は、以下の機能性を可能にする。すなわち、
・メインパック出力切離し状態での12V電力の供給
(Supply 12V power with main pack output disconnected)
・メインパック出力切離し状態での種々のHVアクセサリに対する電力供給
(Supply power to various HV accessories with main pack output disconnected)
・DC/DCコンバータ制御(Control a DC/DC converter)
・HVバスの予充電(HV Bus Pre-Charge)
・置き去りブレーキ掛け(Walkaway Braking)
・コンタクタ溶着チェック(Contactor Weld Check)
を可能にする。
【0024】
補助出力によって提供されるこれら能力の各々を以下に詳述する。当然のことながら、補助出力は、例えば、供給される前に電圧を逓減させるのに使用することができる図に示されるDC/DCコンバータのようなそれ以外を示さない限り、エネルギー貯蔵デバイスのメインパック電源出力と同一又は類似の電圧で電力を供給することができる。
【0025】
メインパック出力切離し状態での12V電力の供給
12V補助出力は、車両に12Vバッテリーを設ける必要なしに12V電力を供給する。
【0026】
メインパック出力切離し状態での種々のHVアクセサリに対する電力供給
車両は低電圧を引き出すHVアクセサリを有することができる。補助バッテリー出力は、車両制御システムが決定する必要となるもの基本にして切替え可能な電力をアクセサリに供給するのに使用することができる。電流系統において、給電されるHVはヴィサージ(Visage)システムである。パックコンタクタとは独立的にヴィサージに給電することは、車両に関するテレマティクス情報を連続的に又は予め規定した間隔で報告することができる。付加的に、ヴィサージシステムは、車両コンポーネントのオーバー・ジ・エア(Over the Air:OTA)アップデートを実施することができる。とくに、パックのメイン出力が接続されるときにアップデートを阻止する内部ソフトウェアルールを有するBMSをアップデートすることができる。
【0027】
DC/DCコンバータ制御
車両はパック電圧から12Vを生成するDC/DCコンバータを有することができる。補助バッテリー出力#4(
図3で出力#3のラベル表示した)は、パックメイン電源出力が切り離される、又は溶着チェック動作を生ずるとき、制御システムがDC/DCコンバータを無効(Disable)にすることを可能にする(例えば、コンタクタの使用により)。さらに、制御システム(例えば、BMS又はVCM)は、パックメイン電源出力が切り離された後、HVバスを放電させる負荷として使用するようDC/DCコンバータをオンにすることができる。
【0028】
HVバスの予充電
高電圧バスはモータドライブ及び/又はMCUの一部であると理解される。モータコントローラ(例えば、MCU)は、内部キャパシタバンクをパック電圧に充電するための予充電回路を有する。コントローラ論理に給電する補助出力は、予充電回路のために使用される電力を供給する。このことは、モータコントローラがバッテリーパックに予充電回路を使用することなく車両におけるHVバスを予充電するのを可能にする。
【0029】
置き去りブレーキ掛け
置き去りブレーキ掛けは、誰かがブレーキを掛けることなしに、車両を「置き去り(“walked away”)」にした場合車両を停止させるまで車両を遅い速度に減速するプロセスである。モータコントローラ論理供給に供給する補助出力は、パックメイン電源出力が切り離される(例えば、1つ以上のコンタクタの使用により)とき、モータコントローラが車両の移動を検出することを可能にする。移動が検出されるとき、車両制御システム(例えば、MCU)は、ブレーキ(例えば、ブレーキペダル及び/又は駐車ブレーキ)が掛かっていない場合、車両移動を遅くする車両牽引システムをイネーブル状態にする(有効にする)。例えば、車両が停止しかつアクセルペダルコマンドが検出されない場合、車両制御システムがモータの運動を感知する場合、車両牽引システムがこの動きを停止させることに従事する。このように車両牽引システムを動作させる例としては、以下のものがある。すなわち、一般的にモータとして作動する電動機が発電機として動作するよう構成される。このことが生じるときにコンタクタが開いている場合、車両制御システムは、任意な関連のコンタクタを閉じるようデータバスに信号を送信する。このようなメッセージとしては、制御の下で任意なコンタクタを閉じるBMSのためのBMSへのCANバスメッセージがあり得る。図示の実施形態に示すように、直列関係にあるコンタクタA及びコンタクタBは、BMSの制御内にあり、またしたがって、回生ブレーキを構成するよう閉成する。
【0030】
ドライブ用コンタクタ溶着チェック
車両制御システムは、BMS及びモータコントローラからCAN上で報告される種々の電圧をモニタリングする。電圧は、モータコントローラ入力キャップ電圧(Vcap)、パック出力電圧(外部バッテリー端子における、又はVout)、パック内部電圧(Vp)、2つの直列接続パックコンタクタ間の電圧(Vm)より成る。モータコントローラ予充電回路を用いて、車両制御システムは、任意なコンタクタが溶着した場合を検出することができる。チェックは以下のうち一方又は双方より成る。すなわち、Vcap-Vout>閾値である場合、電圧は互いに追跡されず、またコンタクタが溶着していないと評価することができる。Vcap-Vm>閾値(先の閾値と同一又は異なるものとすることができる)である場合、電圧は互いに追跡されず、またコンタクタが溶着していないと評価することができる。これら条件のうちいずれか一方又は双方が満たされない場合、後の診断に対してエラーをセットするか又はシステムを無効にするかのいずれかを行う。このチェックは、条件が所定期間にわたり満たされなければならない該所定期間で決定することができる。データはバス上で送信されるため、ドライブ用コンタクタ溶着チェックは、任意な数のコンポーネント内で実施することができる。
【0031】
充電用コンタクタ溶着チェック
車両制御システムは、BMS、モータコントローラ、及び車両チャージャーからCAN上で報告される種々の電圧をモニタリングする。電圧は、モータコントローラ入力キャップ電圧(Vcap)、チャージャー出力電圧(Vcharger_output)、パック出力電圧(外部バッテリー端子における、又はVout)、パック内部電圧(Vp)、2つの直列接続パックコンタクタ間の電圧(Vm)より成る。モータコントローラ予充電回路を用いて、車両制御システムは、任意なコンタクタが溶着した場合を検出することができる。いかなるコンタクタも溶着していない場合、車両制御システムは、充電回路が開路又は短絡している場合を検出するよう低い電圧又は電流でチャージャー出力をオン状態(ON)にする。チェックは以下のもの、すなわち、開路又は短絡回路条件に対してチェックする。これら条件のいずれか一方又は双方が満たされている場合、後の診断に対してエラーをセットするか又はシステムを無効にするかのいずれかを行う。次に、(Vcharger_output-Vout<閾値)かつ(Vout>他の閾値)の絶対値がある場合、このことは、コンタクタが溶着していないことを示す。このチェックは、条件が所定期間にわたり満たされなければならない該所定期間で決定することができる。データはバス上で送信されるため、ドライブのためのコンタクタ溶着チェックは、任意な数のコンポーネント内で実施することができる。
【0032】
当然のことながら、上述したバッテリーパックからの補助出力によって利用可能な任意な機能は任意な他の機能と組み合わせることができる。
【0033】
本明細書で使用する「車両制御システム(vehicle control system)」は、VCM、BMS、MCU、VDU、等々のような、詳述される任意な種々のコンポーネントのうち1つ以上を含むことができる。本明細書記載の説明で理解されるように、車両制御システムは、本明細書記載のユーティリティカートにおける種々のコンポーネントを制御することができる。例えば、BMSは、バッテリーに関連するコンタクタ、例えば、コンタクタA及びBを制御することができる。幾つかの形態において、BMSは、上述したモードの動作(例えば、コンタクタ溶着チェック)を考慮して、コンタクタA及びBのうちいずれか一方又は双方を開閉するようVCMからのコマンドを受信することができる。VCMは、さらに、メインコンタクタを開閉するようMCUにコマンドを発令することができる。さらに他の形態において、VCMは、BCMに対して、メインDC/DCコンバータをイネーブル(有効化)/無効化するよう補助電源出力上に電力を送るリクエストするのに使用することができる。幾つかの形態において、VCMはユーティリティカートの状態又はモードをネットワーク上でブロードキャストすることができ、MCU、BMS、等々のうち任意なものが個別コンポーネントを制御することができる。他の形態において、VCMは個別コンポーネントに対してコマンドをブロードキャストすることができ、このことからMCU、BMS、等々のうち任意なものがこれら個別コンポーネントに対して確認及びコマンドを発令することにより応答することができる。
【0034】
上述した説明は特に
図2~6についてのものであるが、バッテリーの補助電源出力につき本明細書で詳述した実施形態のうち任意なものは、
図2~11のうち任意な組合せを含めて、任意な実施形態で使用することができる。
図7~11で示したRTCは、ユーティリティカートのスケジュール設定行為のために時刻を提供するのに有用なリアルタイムクロックに関する。
【0035】
本明細書で言及される高電圧バスは多数の形態をとることができ、そのうちの1つとしては、MCU、メインDC/DCコンバータ、及び/又はチャージャーがある。
【0036】
BMSはバッテリーパック内のコンタクタを制御するのに使用することができる。
本出願の一態様としては、電動モータと選択的給電連通状態にあるエネルギー貯蔵デバイスを有するユーティリティカートを備える装置であって、前記電動モータは少なくとも1つの被駆動ホイールに連結され、前記エネルギー貯蔵デバイスは、電動駆動トレインに電力を供給して前記ユーティリティカートを運動させるよう構成し、前記エネルギー貯蔵デバイスは、管理システムに接続し、かつ前記電動モータを付勢させるのに十分な第1電圧レベルでメイン電源出力を供給することができ、また補助電源出力を供給することもできる、該装置がある。
【0037】
本出願の特徴として、前記ユーティリティカートはゴルフカートである。
【0038】
本出願の別の特徴として、前記エネルギー貯蔵デバイスはリチウムイオン電池である。
【0039】
本出願のさらに別の特徴として、前記リチウムイオン電池はリチウムイオン電池パックである。
【0040】
本出願のさらなる別の特徴として、前記補助電源出力が複数の補助電源出力を有する。
【0041】
本出願のさらにまた別の特徴として、前記補助電源出力は、第1電圧よりも低い第2電圧で電力を供給するよう構成される。
【0042】
本出願のさらにまた別の特徴として、前記リチウムイオン電池パックは、リチウムイオン電池パックの電圧を逓減させるよう構成したDC/DCコンバータを有し、また前記補助電源出力は、前記DC/DCコンバータからの出力電力を供給する。
【0043】
本出願の他の特徴として、前記リチウムイオン電池パックは、外部筐体を有し、また前記管理システムを有する。
【0044】
本出願のさらに他の特徴として、さらに、前記補助電源出力から電力を受け取るよう構成した車両制御モジュールを備える。
【0045】
本出願のさらに他の特徴として、さらに、少なくとも1つの前記補助電源出力から電力を受け取るよう構成したモータコントローラを備える。
【0046】
本出願のさらに他の特徴として、前記モータコントローラは、前記メイン電源出力が前記モータコントローラから切り離されるとき、前記補助電源出力から電力を受け取るよう構成される。
【0047】
本出願のさらに別の特徴として、さらに、少なくとも1つの前記補助電源出力から電力を受け取るよう構成したテレマティクスデバイスを備える。
【0048】
本出願のさらに別の特徴として、前記メイン電源出力から電力を受け取るよう構成したメインDC/DCコンバータを備える。
【0049】
本出願のさらに別の特徴として、リチウムイオン電池パックは、前記メイン電源出力に接続されたコンタクタを有し、また前記メイン電源出力に対して選択的に電力を供給するため開閉するよう構成される。
【0050】
本出願のさらに別の特徴として、前記モータコントローラは、前記ユーティリティカートが少なくとも1つのホイールのコマンドを受けていない動きをしている状態にあることを検出し、また前記1つのホイールの動きを緩慢にする前記車両における牽引システムを有効化するよう構成される置き去りブレーキ掛けモードを有する。
【0051】
本出願のさらに別の特徴として、前記置き去りブレーキ掛けモードは、メイン電源出力が無効化されるよう前記エネルギー貯蔵デバイスのコンタクタがオフ条件にあるとき有効化される。
【0052】
本出願のさらに別の特徴として、前記メインDC/DCコンバータは、前記モータコントローラを放電するよう前記モータコントローラから電力をさらに受け取るよう構成される。
【0053】
本出願のさらに別の特徴として、前記補助電源出力は、モータコントローラ供給出力(motor controller supply output)であって、前記モータコントローラは、モータ係合の準備としてバスを予充電するよう構成された予充電回路を有し、前記予充電回路は、前記メイン電源から離れておりかつ前記モータコントローラ供給出力から電力を受け取るよう構成されている、該モータコントローラ供給出力である。
【0054】
本出願のさらに別の特徴として、前記モータコントローラ供給出力は、前記メイン電源出力がオフ状態(OFF)であるとき電力を供給するよう構成される。
【0055】
本出願のさらに別の特徴として、エネルギー貯蔵デバイスは、ON条件とOFF条件との間で選択的に指令(コマンド)される第1コンタクタを有する。
【0056】
本出願のさらに別の特徴として、エネルギー貯蔵デバイスは、前記第1コンタクタとシリアル連通状態にある第2コンタクタを有する。
【0057】
本出願のさらに別の特徴として、メインコンタクタは前記エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力に使用される。
【0058】
本出願のさらに別の特徴として、ドライブ用コンタクタ溶着チェックを有する。
【0059】
本出願のさらに別の特徴として、充電用コンタクタ溶着チェックを有する。
【0060】
本出願のさらに別の特徴として、前記充電用コンタクタ溶着チェックは、(1) チャージャーの出力電圧-(マイナス)エネルギー貯蔵デバイスの出力電圧の絶対値が閾値を超える、かつ(2) エネルギー貯蔵デバイスの出力電圧が他の閾値を超える条件に基づく。
【0061】
本出願のさらに別の特徴として、前記ドライブ用コンタクタ溶着チェックは、前記キャパシタの電圧-(マイナス)エネルギー貯蔵システムの出力電圧が閾値より大きい条件に基づく。
【0062】
本出願のさらに別の特徴として、前記ドライブ用コンタクタ溶着チェックは、キャパシタバンクの電圧(図におけるVcap)-(マイナス)エネルギー貯蔵システムの出力電圧の電圧(図におけるVout)が閾値より大きい条件に基づく。
【0063】
本出願の別の態様は、電動モータと選択的給電連通状態にあるエネルギー貯蔵デバイスを有するユーティリティカートを備える装置であって、前記電動モータは少なくとも1つの非駆動ホイールに連結され、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記ユーティリティカートを運動させる被給電駆動トレインに電力を供給するよう構成され、前記エネルギー貯蔵デバイスは、管理システムに接続され、かつ前記電動モータを付勢するに十分なメイン電圧レベルのメイン電源出力、前記メイン電圧レベルより低い電圧レベルである第1補助電圧レベルの第1補助電源出力、及び第2補助電圧レベルの第2補助電源出力を供給することができる、該装置である。
【0064】
本出願の特徴として、前記エネルギー貯蔵デバイスは、リチウムイオン電池パックであって、前記リチウムイオン電池パックの電圧を逓減させるよう構成されたDC/DCコンバータを有する、該リチウムイオン電池パックであり、また前記補助電源出力は、前記DC/DCコンバータから出力電力を生じ、前記リチウムイオン電池パックは外部筐体を有し、また前記ユーティリティカートは、前記リチウムイオン電池パックを制御するよう構成されたバッテリー管理システムを備える。
【0065】
本出願の別の特徴として、さらに、車両制御モジュール及びモータコントローラを備え、前記モータコントローラは、前記電動モータへの電力を調節するよう構成され、前記車両制御モジュールは、前記第1補助電源出力からの電力を受け取るよう構成され、また前記モータコントローラは、前記第2補助電源出力からの電力を受け取るよう構成されており、前記モータコントローラは、前記リチウムイオン電池パックからのメイン電源出力が前記モータコントローラから切り離されているとき、前記第2補助電源出力からの電力を受け取るよう構成される。
【0066】
本出願の他の特徴として、前記モータコントローラは、前記ユーティリティカートが前記少なくとも1つのホイールのコマンドを受けていない運動をしているときを検出し、また前記少なくとも1つのホイールの運動を遅くさせる牽引システムをイネーブル状態にする(有効化する)よう構成された置き去りブレーキ掛けモードを有し、前記置き去りブレーキ掛けモードは、前記エネルギー貯蔵デバイスのコンタクタがメイン電源出力をディスエーブル状態にする(無効化する)オフ(OFF)条件になるとき有効化される。
【0067】
本出願のさらに他の特徴として、前記第2補助電源出力はモータコントローラ供給出力であり、前記モータコントローラは、モータ係合の準備としてバスを予充電するよう構成された予充電回路を有し、前記予充電回路は、前記メイン電源から離れておりかつ前記第2補助電源出力を介してモータコントローラ電力供給から電力を受け取るよう構成され、前記モータコントローラ供給出力は、前記メイン電源出力がオフにされるとき電力を供給するよう構成され、またさらに、前記メイン電源出力と同一電圧の第3補助電源出力を有する第3補助電源出力を備え、前記第3補助電源出力は、ディスプレイユニットに電力を供給するよう構成されている。
【0068】
本出願のさらに他の特徴として、前記第1補助電源出力は前記エネルギー貯蔵デバイスの補助DC/DCコンバータから供給され、さらに、前記エネルギー貯蔵デバイスから離れているメインDC/DCコンバータであって、前記エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力から電力を受け取るよう構成されている、該メインDC/DCコンバータを備え、前記リチウムイオン電池パックは、前記メイン電源出力に接続されたコンタクタであって、前記メイン電源出力に電力を選択的に供給するため開閉するよう構成されている、該コンタクタを有する。
【0069】
本出願のさらに他の特徴として、前記メインDC/DCコンバータは、前記メイン電源出力が選択的にオフ(OFF)条件にされているとき、前記モータコントローラを放電するため前記モータコントローラからさらに電力を受け取るよう構成されている。
【0070】
本出願のさらに他の特徴として、前記エネルギー貯蔵デバイスは、第2コンタクタとシリアルな電気的接続状態にある第1コンタクタを有し、前記第1コンタクタ及び第2コンタクタの各々は、ON条件とOFF条件との間で選択的に指令(コマンド)を受け、前記ユーティリティカートは、前記エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力と電気的接続状態にあるメインコンタクタを備える。
【0071】
本出願のさらに別の特徴として、前記ユーティリティカートは、さらに、前記メインコンタクタ、前記第1コンタクタ、及び前記第2コンタクタのうち任意なものにおける少なくとも1つのコンタクタ溶着チェックを実施するよう構成された車両制御モジュールを備え、前記車両制御モジュールは、前記少なくとも1つのコンタクタ溶着チェックを実施する目的のために前記ユーティリティカートの通信バスから電圧情報を受け取るよう構成され、前記通信バスは、前記コンタクタ溶着チェックに使用される以下のもの、すなわち、電動モータコントローラキャパシタバス電圧、エネルギー貯蔵出力電圧、エネルギー貯蔵内部電圧、前記第1コンタクタと前記第2コンタクタとの間における電圧、及びチャージャー電圧のうち任意なものを伝達するよう構成されている。
【0072】
本出願のさらに別の特徴として、前記第2補助電圧出力は、前記メインDC/DCコンバータと通信するよう構成され、前記コンタクタ溶着チェック中に前記メインDC/DCコンバータをオフ状態(OFF)にし、また前記メイン電源出力が選択的にオフ状態(OFF)にされたとき前記メインDC/DCコンバータをオン状態(ON)にするよう構成された、メインDC/DCコンバータイネーブル出力であり、また前記モータコントローラは、DC/DCコンバータから放電するよう構成されている。
【0073】
本出願のさらに別の態様としては、地点間でユーティリティカートを運送する複数の回転ホイールを有するユーティリティカートを備える装置であり、前記ユーティリティカートは、前記複数のホイールの駆動ホイールに原動力を供給するよう連結かつ構成された電動モータと、前記電動モータに電力を供給するよう構成された車載のエネルギー貯蔵デバイスとを備え、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記電動モータに接続され、またメイン電力レベルの電力を供給するよう構成されたメイン電源電圧レベルのメイン電源出力を有し、前記エネルギー貯蔵デバイスは、さらに、複数の直流電圧で電力を供給するよう構成された複数の補助電源出力を有し、前記複数の電源出力は、メイン電力レベルより小さい電力を供給するよう構成されている。
【0074】
本出願の特徴として、前記ユーティリティカートはさらにモータコントローラを備え、また前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つは、メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき論理電力を前記モータコントローラに供給するよう構成され、前記モータコントローラは、前記メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき前記論理電力に基づいて動作するよう構成され、前記論理電力は、少なくとも部分的に前記モータコントローラによって消費されて、前記メイン電力が前記モータコントローラに供給されないとき前記複数のホイールのうち少なくとも1つの運動を検出するのに有用なエンコーダに給電し、前記エンコーダからの信号を前記モータコントローラが使用して、前記複数のホイールのうち少なくとも1つの運動に抵抗する回生ブレーキを加える。
【0075】
本出願の別の特徴として、前記論理電力は前記メイン電源電圧レベルで供給される。
【0076】
本出願の別の特徴として、前記モータコントローラは容量バスを有し、また前記モータコントローラは、さらに、前記複数の補助電源出力における少なくとも1つで配給される前記論理電力により前記容量バスを予充電するよう構成される。
【0077】
本出願の別の特徴として、前記ユーティリティカートは、さらに、前記車載のエネルギー貯蔵デバイスにおけるメイン電源出力からの電力を受け取るよう構成されたカートDC/DCコンバータを備え、前記車載のエネルギー貯蔵デバイスは、前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つを介してDC電力を供給するよう構成された内部DC/DCコンバータを有する。
【0078】
本出願のさらに別の特徴として、前記複数の補助電源出力のうち少なくとも1つは、前記カートDC/DCコンバータと電気的連通状態にあり、前記カートDC/DCコンバータを選択的にオン(ON)状態とオフ(OFF)状態との間に切り替えるよう構成されているイネーブル(有効化)/ディスエーブル(無効化)電源出力である。
【0079】
本出願のさらに別の特徴として、前記車載エネルギー貯蔵デバイスのメイン電源出力は、ON状態とOFF状態との間で切り替わるよう構成され、また前記車載エネルギー貯蔵デバイスからのメイン電源出力がONであるとき、前記カートDC/DCコンバータは、ユーティリティカートにおける少なくとも1つのDC給電されるコンポーネントに一次電力を供給する。
【0080】
本出願の他の特徴として、前記ユーティリティカートは、前記車載エネルギー貯蔵デバイスとモータコントローラとの間における切替え可能な電力接続に適応するカートコンタクタを備え、前記エネルギー貯蔵デバイスは、前記カートコンタクタと切替え可能な電力接続状態にあるデバイスコンタクタを有し、前記ユーティリティカートはコンタクタ溶着チェックモードを備え、前記コンタクタ溶着チェックモード中には前記イネーブル/ディスエーブル電源出力を介して前記カートDC/DCコンバータをオフ(OFF)状態にする。
【0081】
本出願のさらに他の特徴として、前記ユーティリティカートは、さらに、前記カートコンタクタと切替え可能な電力接続状態にある他のデバイスコンタクタを備え、前記デバイスコンタクタ及び前記他のデバイスコンタクタは直列関係にあるものとし、前記ユーティリティカートは、さらに、バッテリー管理システム及び前記モータコントローラが測定した電圧を送る通信ネットワークを備え、前記通信ネットワークは、以下のもの、すなわち、モータコントローラのキャパシタバンク電圧、前記車載エネルギー貯蔵デバイスの外部バッテリー端子におけるパック出力電圧、内部パック電圧、前記デバイスコンタクタと前記他のデバイスコンタクタとの間における電圧、前記車載エネルギー貯蔵デバイスに電荷を供給するよう構成されたチャージャーのチャージャー出力電圧のうち2つ以上を送るよう構成されている。
【0082】
本出願のさらに他の特徴として、前記コンタクタ溶着チェックは、前記カートコンタクタ、デバイスコンタクタ、及び他のデバイスコンタクタを含むコンタクタのうちいずれかが溶着している場合を決定するステップを有し、前記コンタクタ溶着チェックは、以下の溶着チェック、すなわち、(1) ドライブ用コンタクタ溶着チェックであって、以下の条件、すなわち、(a) キャパシタバンク電圧とパック出力電圧との差が第1閾値より大きい、及び(b) キャパシタバンク電圧と、前記デバイスコンタクタ及び前記他のデバイスコンタクタ間における電圧との差が第2閾値より大きいという条件のうち少なくとも一方が満たされている場合に前記コンタクタが溶着していないと決定する、該ドライブ用コンタクタ溶着チェック、並びに(2) 充電用コンタクタ溶着チェックであって、以下の条件、すなわち、(a) チャージャー出力電圧とパック出力電圧との差の絶対値が第3閾値より小さい、及び(b) パック電圧が第4閾値より大きいという条件の双方が当てはまる場合に前記コンタクタが溶着していないと決定する、該充電用コンタクタ溶着チェックのうち少なくとも一方を有する。
【0083】
本発明は、現在最も実用的でありかつ好適な実施形態であるとみなされるものにつき説明してきたが、本発明は、記載された実施形態に限定せず、特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる種々の変更例及び等価的構成をカバーすることを意図し、この範囲は、特許法の下で許可されるすべての変更例及び等価的構造を包括するよう最も広い解釈に従うべきであると理解されたい。さらにまた、上述した説明における、好ましい、好適には、又は好適なという用語の使用は、そのように記載された特徴がより望ましいものであり得ることを示すとともに、それにもかかわらず、必須ではないこともあり得るもので、またそれが欠けているいかなる実施形態も発明の範囲内であると見なすことができ、その範囲は特許請求の範囲によって定義されると理解すべきである。特許請求の範囲を読むにあたり、「1つ(a)」、「1つ(an)」、「少なくとも1つ(at least one)」、「少なくとも一部分(at least a portion)」の用語を使用するとき、特許請求の範囲でそれ以外を特別に表現しない限り特許請求の範囲を1つの言及項目に限定することは意図しない。さらに、「少なくとも一部分(at least a portion)」及び/又は「一部分(a portion)」という語句を使用するとき、その言及項目は、それ以外を特別に表現しない限り、対象項目の一部分及び/又は全体を含むことができる。
【国際調査報告】