(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】車両ホイールアッセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
B60K 7/00 20060101AFI20220303BHJP
B60K 6/10 20060101ALI20220303BHJP
B60K 6/12 20060101ALI20220303BHJP
B60K 1/00 20060101ALI20220303BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20220303BHJP
B62M 1/10 20100101ALI20220303BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220303BHJP
H02K 7/112 20060101ALI20220303BHJP
B62L 3/08 20060101ALI20220303BHJP
B60T 1/06 20060101ALI20220303BHJP
F16D 65/12 20060101ALI20220303BHJP
F16D 65/02 20060101ALI20220303BHJP
B60K 17/14 20060101ALI20220303BHJP
F16H 33/02 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
B60K7/00
B60K6/10
B60K6/12
B60K1/00
B60K1/04 Z
B62M1/10 Z
H02K7/116
H02K7/112
B62L3/08
B60T1/06 E
B60T1/06 F
F16D65/12 E
F16D65/12 X
F16D65/02 E
B60K17/14
F16H33/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539148
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2020050079
(87)【国際公開番号】W WO2020144566
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】102019000000112
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521293165
【氏名又は名称】インヴァクション エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アッゼニ,クリスチャン
【テーマコード(参考)】
3D042
3D235
3J058
5H607
【Fターム(参考)】
3D042AA03
3D042AA05
3D042AB01
3D042AB04
3D042AB05
3D042BE01
3D042BE02
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3D235AA23
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3D235GB19
3D235GB34
3D235HH06
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3D235HH45
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
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3J058AA69
3J058BA46
3J058BA78
3J058CB14
3J058CC81
3J058DB20
3J058FA02
3J058FA06
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB02
5H607EE03
5H607EE07
5H607EE33
(57)【要約】
アッセンブリ(1)であって、車両ホイール軸(X2)周りに回転し、車両進行面上で回転運動を行うよう設けられた、少なくとも一つの車両ホイール(2)と、車両ホイール(2)と動作的に接続な、少なくとも一つの回転促進部材(4)と、車両ホイール(2)および少なくとも一つの回転促進部材(4)の間に運動力を伝達するよう設けられた、少なくとも一つの変速機(6)と、変速機(6)によって車両ホイール(2)に伝達される制動作用が、少なくとも一つの回転促進部材(4)にかかることにより、車両ホイール(2)を制動するよう、少なくとも一つの回転促進部材(4)に作用する、少なくとも一つの制動装置(18)と、を備える。変速機(6)は、+1以外の速度伝達比を達成する。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイール軸(X2)周りに回転し、車両用走行面上で少なくとも回転運動を行うよう設けられた、少なくとも一つの車両ホイール(2)と、
少なくとも一つの前記車両ホイール(2)と動作的に接続可能な、少なくとも一つの回転促進部材(4)と、
前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの前記回転促進部材(4)の間に機械動力を伝達するよう設けられた、少なくとも一つの変速機(6)と、
前記変速機(6)によって前記車両ホイール(2)に伝達される制動作用が、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)にかかることにより、前記車両ホイール(2)を、可能であれば静止状態になるまで制動するよう、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)に作用する、少なくとも一つの制動装置(18)と、
を備え、
前記変速機(6)は、+1以外の速度伝達比を達成する、ことを特徴とする、アッセンブリ(1)。
【請求項2】
少なくとも一つの前記回転促進部材(4)は、好ましくは、摩擦制動システムを備える前記制動装置(18)の摩耗材と摩擦力を交換するよう設計された、少なくとも一つの制動面(5)を備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項3】
少なくとも一つの前記回転促進部材(4)は、
少なくとも一つのフライホイール、
例えば、カーボン繊維および/またはカーボンセラミック素材からなる、少なくとも一つのブレーキディスク、
少なくとも一つのドラムブレーキ用ドラム、
のうち、少なくとも一つを備える、ことを特徴とする、請求項1または2に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項4】
単一制動装置(18)に連動した単一回転促進部材(4)をさらに備え、これにより、前記単一制動装置(18)は、前記車両ホイール(2)と連動し、前記車両ホイール(2)を可能であれば静止状態になるまで制動するよう設けられた、唯一の装置である、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項5】
車両シャシー(15)の少なくとも一部をさらに備え、
前記変速機(6)は、前記車両シャシー(15)の一部と一体となっているか、一体化するよう形成され、および/または
前記変速機(6)と一体となっている、または一体化するよう形成された前記車両シャシー(15)の前記一部は、焼入れ焼戻し鋼、例えば、steel-39-ニッケルクロムモリブデン鋼からなる、ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項6】
前記変速機(6)は、リングギヤ(31)と、遊星キャリア(34)と連動した遊星ギヤセット(32)と、ピニオン(37)とを備える、ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項7】
前記リングギヤ(31)は、前記車両ホイール(2)と一体となっている、または一体化するよう形成され、
前記ピニオン(37)は、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)および前記遊星ギヤセット(32)と一体となっている、または一体化するよう形成されて回転し、
前記遊星キャリア(34)は、前記車両シャシー(15)と一体となっている、または一体化するよう形成されて回転する、ことを特徴とする、請求項6に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項8】
前記リングギヤ(31)は、前記車両シャシー(15)と一体となっている、または一体化するよう形成され、
前記リングギヤ(37)と、前記遊星キャリア(34)を有する前記遊星ギヤセット(32)とのうちの、いずれか一方は、前記車両ホイール(2)と一体となっている、または一体化するよう形成されて回転し、
前記リングギヤ(37)と、前記遊星キャリア(34)を有する前記遊星ギヤセット(32)とのうちの、他方は、少なくとも一つの他の回転部材(4)と一体となっている、または一体化するよう形成される、ことを特徴とする、請求項6に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項9】
前記リングギヤ(31)と前記ピニオン(37)とのうち、いずれか一方は、前記車両ホイール(2)と一体となっている、または一体化するよう形成され、
前記リングギヤ(31)と前記ピニオン(37)とのうち、他方は、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)と一体となっている、または一体化するよう形成され、
前記遊星キャリア(34)を有する前記遊星ギヤセット(32)は、全体として、前記車両シャシー(15)と一体となっている、または一体化するよう形成される、ことを特徴とする、請求項6に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項10】
前記遊星キャリア(34)は、
少なくとも一つの前記車両ホイール(2)、
前記車両シャシー(15)、
少なくとも一つの前記車両シャシー(15)と動作的に接続する、フォークや揺動アームといった懸架システム、
少なくとも一つのフォーク脚(25)、
少なくとも一つのブレーキキャリパー支持部(27)、
制動装置(18)、好ましくは、摩擦タイプのもの、および
回転止め装置(35)、
のうち、少なくとも一つからなる、ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項11】
前記変速機(6)は、ギヤ対のような単純な歯車列からなり、該ギヤ対をなす二つのギヤのうち、第1ギヤは、前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの回転促進部材(4)のうちの一方と接続し、該ギヤ対をなす二つのギヤのうち、第2ギヤは、前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの回転促進部材(4)のうちの他方と接続し、および/または
前記変速機(6)は、回転運動を伝達するよう設けられた、少なくとも一つの歯車列を備え、
少なくとも一つの前記歯車列は、好ましくは、互いに接触する、少なくとも一組のプーリー、例えば、歯付きプーリー、および、ベルト、例えば、歯付きベルトを備え、
前記プーリーの回転ピンは、その少なくとも一部が、前記車両シャシー(15)と固結している、ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項12】
前記変速機(6)は、前記車両ホイール(2)からの逆回転運動を、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)に伝達し、前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの回転促進部材(4)の、互いに相反する向きへの回転を確定させ、負数の速度伝達比を得る、ことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項13】
前記変速機(6)は、前記車両ホイール(2)の角速度と等しくなるよう、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)の角速度を維持し、速度伝達比-1を達成する、ことを特徴とする、請求項12に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項14】
前記変速機(6)は、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)の角速度を、前記車両ホイール(2)の角速度に対し、所定の減速比だけ減少させることで、絶対値で1未満の速度伝達比を達成する減速機として機能する、ことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項15】
前記変速機(6)は、前記フライホイール(4)の回転速度を、前記車両ホイール(2)の回転速度に対し、所定の増加速度伝達比だけ増加させることで、絶対値で1よりも大きい速度伝達比を達成するマルチプライヤーとして機能する、ことを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項16】
少なくとも一つのクラッチ(8)をさらに備え、
該クラッチは、前記回転促進部材(4)を前記車両ホイール(2)から切り離すため、前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの前記回転促進部材(4)を選択的かつ動作的に接続・切断するよう設けられている、ことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項17】
少なくとも一つのクラッチ(108)をさらに備え、
該クラッチは、前記車両シャシー(15)および前記変速機(6)、例えば、前記遊星キャリア(34)を、選択的かつ動作的に接続・切断するよう設けられている、ことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項18】
少なくとも二つの車両ホイール(2)をさらに備え、
該二つの車両ホイールは、好ましくは、隣接し、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)と連動する、ことを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項19】
前記変速機(6)は、一方向への回転運動を伝達するよう設けられたラチェットホイール(23)等を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項20】
複数の回転促進部材(4)をさらに備え、
該複数の回転促進部材は、好ましくは、制御信号により、順番に制動されるよう設けられ、
該制御信号は、好ましくは、少なくとも一つのホニックホイール(22,24,24’)によって検知された処理情報をもとに、前記アッセンブリ(1)の制御・作動検知システム(20)から送信される、ことを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項21】
少なくとも一つのさらなる変速機(106)は、多数の回転促進部材(4)、好ましくは、前記複数の回転促進部材のうち、少なくとも一組の回転促進部材を互いに動作的に接続する、ことを特徴とする、請求項20に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項22】
少なくとも一つのさらなる変速機(6)は、少なくとも一つの制動装置(18)に連動する、少なくとも一つの回転促進部材(4)を、前記変速機(106)に連結した前記複数の回転促進部材の前記一組の回転促進部材(4)に対して、動作的に接続する、ことを特徴とする、請求項20および21に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項23】
少なくとも一つのクラッチ(8)をさらに備え、
該クラッチは、前記制動装置(18)に連動する、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)を、回転促進部材(4)に対して、選択的かつ動作的に接続・切断するよう設けられる、ことを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項24】
前記変速機(6)は、CVT等の無段変速機である、ことを特徴とする、請求項20乃至23のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項25】
前記複数の回転促進部材のうち、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)が、他の回転促進部材とは反対の方向に回転するか、または、
前記複数の回転促進部材のうち、全ての前記回転促進部材(4)が、同じ方向に回転する、ことを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項26】
異なる質量および/または異なる形状および/または異なる角速度を有する、一組の回転促進部材(4)の質量、形状、および角速度の組合わせによって、互いに等しい、あるいは、近いジャイロ推進力を持たせることができ、例えば、これにより、回転方向が反対の前記さらなる変速機(106)と連結した前記回転促進部材(4)は、発生したジャイロ推進力を補償、好ましくは、相殺するか、前記車両(40)に対して、影響しない程度にとどめる、ことを特徴とする、請求項1乃至25のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項27】
運動エネルギー回生装置(10)をさらに備え、
該運動エネルギー回生装置は、前記回転促進部材(4)に動作的に連結され、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)に伝達された運動エネルギーを、後の使用のために蓄積するよう設けられる、ことを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項28】
前記運動エネルギー回生装置(10)は、運動エネルギーを、電気エネルギー、好ましくは、直電流に変換するよう設けられた電気機器(12)を備え、および/または
前記電気機器(12)は、回転子と固定子とを備え、
前記回転促進部材(4)は、前記電気機器(12)の回転子および固定子のどちらか一方を形成し、および/または
前記車両ホイール(2)は、前記電気機器(12)の回転子および固定子のうち、他方を形成する、ことを特徴とする、請求項27に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項29】
前記回転促進部材(4)が電気エネルギー蓄電池を形成するよう、前記回転促進部材(4)によって蓄電池が設けられ、および/または
前記電気エネルギー蓄電池は、前記車両(40)に搭載され、および/または
前記回転促進部材(4)に形成された前記電気エネルギー蓄電池、および前記車両(40)に搭載された前記電気エネルギー蓄電池は、動作的に、相互に接続され、協働し、および/または
前記運動エネルギー回生装置(10)は、前記少なくとも一つの蓄電池の動力入力の制御装置を備え、該制御装置は、電力パターンを所定時間間隔で出力し、充電中、前記少なくとも一つの蓄電池で引き起こされた起電反応と対比するため設けられ、および/または
前記電気機器(12)は、電気エネルギーを推進力に変換することができる電気モーターであり、および/または
前記電気エネルギー蓄電池によって出力される電力の前記制御装置は、前記電気機器(12)自体によって、前記ホイール(2)に印加される駆動トルクを制御可能である、ことを特徴とする、請求項1乃至28のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項30】
前記慣性モーター(10)、空気圧モーター、および前記電気モーター(12)のうち、少なくとも二つのモーターにより、インホイールハイブリッドモーターが形成され、該インホイールハイブリッドモーター内では、これらのモーターが、同時にかつ相互に前記ホイール(2)および前記車両(40)を加速するよう協働し、および/または
前記慣性モーター(10)、前記空気圧モーター、および前記電気モーター(12)のうち、少なくとも一つのモーターにより、ハイブリッドモーターが形成され、該ハイブリッドモーターは、前記車両(40)の動力電源を備え、これにより、例えば、前記車両(40)の動力および加速を大幅に増加させることで、前記ホイール(2)および前記車両(40)の加速に寄与する、ことを特徴とする、請求項1乃至29のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項31】
既存の車両に追加導入可能である、ことを特徴とする、請求項1乃至30のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項32】
請求項1乃至31のいずれか一項に記載の、少なくとも一つのアッセンブリ(1)を備える、ことを特徴とする、車両ホイールアッセンブリ。
【請求項33】
請求項1乃至31のいずれか一項に記載の、少なくとも一つのアッセンブリ(1)を備える、ことを特徴とする、車両(40)。
【請求項34】
前記車両シャシー(15)は、フォーク脚(25)を有する、少なくとも一つのフォークを備え、
前記フォーク脚(25)は、好ましくは、焼入れ焼戻し鋼、さらに好ましくは、steel-39-ニッケルクロムモリブデン鋼からなる、ことを特徴とする、請求項33に記載の車両(40)。
【請求項35】
前記アッセンブリ(1)は、前記フォーク脚(25)の前方部(26)と対向するよう、前記フォーク脚(25)の正面に載置された、少なくとも一つのブレーキキャリパーを備え、
この前方部(26)は、前進する際、前記車両(40)の進行方向(Y)に向いている、ことを特徴とする、請求項33または34に記載の車両(40)。
【請求項36】
前記車両は、旋回時に進むよう構成される、ことを特徴とする、請求項33乃至35のいずれか一項に記載の車両(40)。
【請求項37】
請求項1乃至31のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)を制御するよう構成された検知制御作動システム(20)であって、
前記車両(40)の状態に関する情報を検知するよう構成された、少なくとも一つの検知装置と、
前記検知装置によって検知された前記情報を処理し、制御信号を自動で前記アッセンブリ(1)に送信するよう構成された、少なくとも一つのデータ処理部と、
備える、ことを特徴とする、検知制御作動システム(20)。
【請求項38】
慣性プラットフォーム、および/または、複数のホニックホイール(22,24,24’)、および/または、少なくとも一つのホニックホイールに設けられた一つ以上のセンサをさらに有する、ことを特徴とする、請求項37に記載の検知制御作動システム(20)。
【請求項39】
前記クラッチ(8)および/または前記クラッチ(108)は、オートマチック操作され、および/または
前記クラッチ(8)および/または前記クラッチ(108)は、マニュアル操作される、ことを特徴とする、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のアッセンブリ(1)。
【請求項40】
少なくとも一つの前記回転促進部材(4)には、さらにマス(29)が設けられ、
該マスを着脱することで、必要に応じて、少なくとも一つの前記回転促進部材(4)の角運動量、ひいては、回転慣性を調節できる、ことを特徴とする、請求項33乃至36のいずれか一項に記載の車両(40)。
【請求項41】
車両(40)の制動方法であって、
少なくとも一つの車両ホイール(2)を、少なくとも一つの回転促進部材(4)に動作的に接続させる工程と、
前記車両ホイール(2)および少なくとも一つの前記回転促進部材(4)の両方を、異なる角速度で、前記車両(40)のシャシー(15)の一部に対して回転させることを確定する工程と、
制動作用を前記回転促進部材(4)に掛けることで、前記車両ホイール(2)を制動する工程と、
を含む、ことを特徴とする、方法。
【請求項42】
前記回転促進部材(4)に制動作用を掛けることで、前記車両ホイール(2)を止める工程をさらに含む、ことを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
請求項1乃至31および39のいずれか一項に記載の、少なくとも一つのアッセンブリ(1)を設ける工程をさらに含む、ことを特徴とする、請求項41または42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用アッセンブリに関する。
【0002】
さらに、本発明は、少なくとも一つのアッセンブリを備える車両に関する。
【0003】
さらに、本発明は、アッセンブリを備える車両ホイールアッセンブリおよびアッセンブリを制御するシステムに関する。
【0004】
さらに、本発明は、制動方法に関する。
【0005】
さらに、本発明は、運動エネルギー回生方法に関する。
【0006】
さらに、本発明は、車両の瞬発力を高める方法に関する。
【背景技術】
【0007】
一般的に、電気モーター等を動力とするモーター式車両は、制動時、運動エネルギーを熱として消費する。これにより、制動装置部品がオーバーヒートし、効率が低下したり、制動指示に対する反応が遅れたりする。
【0008】
一方、カーボンセラミックからなるブレーキディスクを備えるレース用車両の場合、所望の制動作用を得るにあたり、ブレーキディスクがある程度オーバーヒートすることが好ましい。
【0009】
そこで、制動パラメータを必要に応じてカスタマイズする需要が生じた。
【0010】
自動二輪車や脚けり自転車といった搭載車両において、前進状態にある車両の挙動を制御することは、ジャイロ効果によって付勢された動釣合バランスにより、複雑なものとなっている。もちろん、路面等の車両進行面で、搭載車両のホイールが転動すると、ホイール自体の各回転軸周りでの回転作用により、ジャイロ推進力が生まれる。
【0011】
もちろん、旋回時には、自動二輪車等の搭載車両の運転者は、横に傾けたり、自動車両を旋回方向に回動したりしなければならない。これにより、操舵ホイールの回転、または、一つ以上のホイールが設けられている場合は、被操舵ホイールの回転がジャイロ推進力を生む。ジャイロ推進力は、好ましくは、旋回方向に向いた、一般的には車両前部に接続された二輪車の操舵ホイールを回転させるものである。同様に、回動停止時には、縦方向、つまり、重力方向に対して傾斜しているホイールによるジャイロ効果は、ジャイロ反応により、自動二輪車を直進させるような、換言すれば、転舵角を減少・解消するような推進力を生み出す。その結果、二輪車が旋回を終えて、直進しようとする際、操舵ホイールの回転、または、一つ以上のホイールが設けられている場合は、被操舵ホイールの回転によって生み出されるジャイロ推進力は、搭載車両を直進させようとする。さらに、好ましくは、二輪車が転動状態にある際、例えば、旋回時に、二輪車ホイールの動きによるジャイロ効果により、車両が偏走する。
【0012】
こうした理由により、ジャイロ効果は、旋回時だけでなく、旋回に入る際、および旋回を終える際に、転動状態にある搭載車両を安定させる効果をもたらす。ジャイロ効果により、二輪車の進行速度が上がるほど、旋回時の二輪車の挙動が安定する。もちろん、自動二輪車の進行速度、ひいては、二輪車ホイールの回転角速度が大きくなるにつれ、自動二輪車の一つ以上の回転ホイールによって、ジャイロ推進力が生み出される。このジャイロ推進力によってもたらされる安定効果により、一般的に、運転者は、例えば、旋回時に転動状態にある二輪車を直進させるジャイロ効果を抑えることができない。そのため、速い進行速度で旋回できるような有効転舵角で二輪車を傾けても、運転者は、不可能な状態にあるか、少なくとも減速させられる。したがって、転動状態にある時、例えば、旋回時に進行速度が落ちるため、回転する二輪車ホイールによって生み出されたジャイロ推進力がもたらす安定効果は、レースでの使用でなくても、望まれない場合がある。ジャイロ推進力は、ホイールと一体化して設けられたモーター、つまり、インホイールモーターによって、さらに増加する。インホイールモーターには、一般的に、固定子および回転子のうち、いずれか一方が、車両シャシーに対して、またはその一部に対して、固定された状態で一体化されており、固定子および回転子のうち、他方が、ホイールに対して、回転可能に一体化されている。これにより、質量、ひいては、ジャイロ効果が増加してしまう。一方、自動二輪車のホイールの回転速度が遅く、二輪車が低速で前進する場合、ジャイロ安定効果が最小限に抑えられてしまうため、二輪車は、バランスが不安定な状態に陥る。したがって、一般的に、直線コースにおいて、進行速度が低速の場合、安定効果が得られないことも好ましくない。
【0013】
また、四輪車の場合、つまり、回動に適さない車両の場合、旋回時、例えば、横に引っ張られる力が生み出される時、ジャイロ安定効果は望まれない。この横に引っ張られる力により、狭い旋回動線、つまり、小さい曲率半径を高速走行で達成しようとする車両性能を制限してしまいかねない。さらに、四輪車には、少なくとも一つのインホイールモーターが設けられ、これにより、さらなるジャイロ効果がもたらされる。そのため、レース用車両や緊急車両のように、車両が速い進行速度で走行している場合、例えば、車両が大きく旋回、つまり、大きい曲率半径で旋回しなければならず、旋回時の車両の操縦性がさらに損なわれる。
【0014】
車両の回転ホイールによるジャイロ推進力を制御するための解決するための手段を模索する必要があった。これに対し、例えば、特許文献1では、車両が減速した際に、こうした小型車両が安定するよう、プログラマブルロジック制御部に接続されたフライホイールが設けられた磁気変速機を備える小型二輪車が提示されている。
さらに、特許文献2は、ドライブトレーンをベースとした無段速機システム(CVT)による解決するための手段を開示している。これにより、フライホイールが、車両ホイールに対して、同一面で、かつ逆方向に回転できる。
【0015】
さらに、停止状態にある車両を発車される際、モーターや、その他部品等から、駆動ホイールや車両ホイールにごく短時間で機械エネルギーを伝達することが求められる。それゆえ、停止状態から車両を発車する際に、制動作用時に発散される運動エネルギーを活用できるよう、その少なくとも一部を蓄積できる方法を模索する必要があった。こうしたニーズを満たすため、例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7に示すように、例えば、車両ホイールと接続可能で、ホイールから切り離されても慣性で回転するよう構成されたフライホイールを備える、発車/停止タイプのブレーキ装置等、様々な回生ブレーキ装置が提示されている。また、特許文献8では、鉄道車両での適用例まで示されている。こうした回生ブレーキ装置は、過剰に蓄積されたエネルギーを発散するため、フライホイールを緊急ブレーキに嵌合する必要がある。フライホイール用緊急ブレーキに関する特許文献例として、特許文献9が挙げられる。これは、フライホイールが、ホイールから切り離された際、フライホイールを停止させるものである。
【0016】
既知のものとしては、蓄電池や充電システムを備えた電動車両がある。ここでは、制動時の摩擦によって発散され得る運動エネルギーの一部が回生される。しかしながら、車両を制動する段階において、こうした既知のシステムの性能は、既存の蓄電池では制限されてしまう。一般的に、既存の蓄電池は、運動エネルギーの一部を変換することで得た大きなピーク電流を蓄積するのに、不向きとされ、こうしたエネルギーは、短時間の間に、熱として発散されてしまう。しかし、従来の運動エネルギー回生システムでは、車両が動かなければ、バッテリーを充電することはできない。
【0017】
したがって、常用制動作用が効いている間に発散されてしまう運動エネルギーの少なくとも一部を蓄積できる、柔軟かつ多目的に利用可能な解決方法を模索する必要性が生じていた。このような方法が実現すれば、車両が減速し、さらには、停止状態にあったとしても、必要に応じて、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、専用の電気エネルギー蓄積部で蓄積することができる。
【0018】
同様に、車両が常用制動後に加速する段階であっても、必要に応じて、制動作用時に発散されてしまう運動エネルギーの少なくとも一部を蓄積できる解決方法を模索する必要性が生じている。
【0019】
また、内燃機関の燃料消費や、電動モーターの消費電力より一般的には、使用されるいかなるエネルギーの消費を抑えることができる解決方法を模索する必要性が生じている。
【0020】
さらに、車両の燃料消費や、バッテリー式電子部品等、耐用年数に限りのある部品などを廃棄することによって生じる環境への影響を低減することができる解決方法を模索する必要性が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】欧州特許第2085037号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/041326号
【特許文献3】国際公開第2005/100068号
【特許文献4】独国特許出願公開番号3126487号明細書
【特許文献5】国際公開第2015/19803号
【特許文献6】欧州特許出願公開第2848835号明細書
【特許文献7】国際公開第2013/083885号
【特許文献8】国際公開第2016/157146号
【特許文献9】国際公開第2019/010306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、従来技術の問題点を克服し、従来技術を参照して説明した難題に対する解決するための手段を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
こうした目的や、その他の目的は、請求項1に記載のアッセンブリ、添付の請求項に記載の車両、ホイールアッセンブリ、および方法、によって達成される。
【0024】
有利な実施形態については、従属項において説明される。
【0025】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、アッセンブリは、少なくとも一つの車両ホイールと、車両ホイールと連動可能な少なくとも一つの回転促進部材と、+1以外の速度伝達比を達成する少なくとも一つの変速機と、を備える。
【0026】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つの回転促進部材を制動する、少なくとも一つの制動装置が設けられる。この制動装置は、少なくとも一つの回転促進部材に制動作用がかかることにより、車両ホイールを、可能であれば静止状態になるまで、制動する。
【0027】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つの回転促進部材は、好ましくは、少なくとも一つの制動面を備える。この制動面は、摩擦制動システムを備える、あるいは形成する制動装置の摩耗材と摩擦力を交換するよう設計されている。
【0028】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つの回転促進部材は、フライホイール、ブレーキディスク、ブレーキドラム、およびこれらの組合わせのうち、少なくとも一つを備える。
【0029】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、運動エネルギー回生装置が、フライホイールに動作的に連結されるよう、設けられ、フライホイールに伝達された運動エネルギーを、後の使用のために蓄積するよう構成される。
【0030】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、一つ以上のフライホイール対をなすよう、別のフライホイールが設けられる。フライホイール対のフライホイールは、互いに逆回転してもよい。
【0031】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、単一回転促進部材は、単一制動装置に連動するよう設けられる。これにより、単一制動装置は、車両ホイールに連動し、車両ホイールを、可能であれば静止状態になるまで制動する唯一の装置となる。
【0032】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、こうした変速機は、車両シャシーの一部と一体となっている、または一体化するよう形成される。
【0033】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、変速機は、遊星ギヤを有する遊星歯車列と、遊星キャリアと、を備える。遊星キャリアは、車両ホイール、車両シャシー、例えば、フォークまたは揺動アームといった懸架システム、フォーク脚、例えば、フローティングキャリパーブラケット等のブレーキキャリパー支持部、好ましくは、摩擦式制動装置、および、これらの組合わせのうち、少なくとも一つからなる。
【0034】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つのクラッチは、車両ホイールおよびフライホイールを、選択的かつ動作的に接続・切断するよう構成される。
【0035】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つのクラッチは、少なくとも一つのフライホイール対のフライホイールを、選択的かつ動作的に接続・切断するよう構成される。
【0036】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、少なくとも一つのクラッチは、第2フライホイール対から第1フライホイール対を、選択的かつ動作的に接続・切断するよう構成される。
【0037】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、車両、例えば、自動二輪車は、フォークの正面に載置されたブレーキキャリパーを備える。
【0038】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、好ましくは、歯車列を備える変速機が設けられる。歯車列は、車両シャシー、ホイール、および少なくとも一つの回転促進部材が、動作的に互いに接続されるよう構成される。これにより、+1とは異なる値の速度伝達比が達成できる。
【0039】
本発明の一形態に係るアッセンブリ、装置、車両、および方法によれば、変速機の歯車列の少なくとも一つの遊星ギヤは、クラッチを形成する。添付の図面を参照し、非制限的な例示として、好ましい実施形態に関する説明をしながら、本発明のさらなる特徴・利点を明らかにする。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1C】
図1Cは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1D】
図1Dは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1E】
図1Eは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1F】
図1Fは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図1G】
図1Gは、実施形態に係るアッセンブリのブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、実施形態に係るアッセンブリを備える車両を、模式的に示す。
【
図2B】
図2Bは、実施形態に係るアッセンブリを備える車両を、模式的に示す。
【
図3A】
図3Aは、実施形態に係るアッセンブリを模式的に示す。
【
図3B】
図3Bは、実施形態に係るアッセンブリを模式的に示す。
【
図4A】
図4Aは、実施形態に係るアッセンブリの軸測分解図である。
【
図5A】
図5Aは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図5B】
図5Bは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図6A】
図6Aは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図6B】
図6Bは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図7A】
図7Aは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aの詳細を拡大して示しており、見易さのため、一部分を透明化している。
【
図8A】
図8Aは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図8B】
図8Bは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図9A】
図9Aは、実施形態に係るアッセンブリを示す、軸線半径面に沿った断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るクラッチおよび変速機の遊星ギヤの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
車両40のアッセンブリ1は、第1の一般的な実施形態に即して設けられる。添付の図面を参照すると、アッセンブリ1は、参照符号1で表される。共通の要素、要素における共通の部位は、同一参照符号で表される。
【0042】
アッセンブリ1は、車両ホイール軸X2周りに回転し、車両40の進行面39(路面等)上で、少なくとも回転運動をするよう構成された少なくとも一つの車両ホイール2を備える。ホイール軸X2は、車両40の前進方向Yやその逆方向と直交する。
【0043】
車両ホイール2は、好ましくは、リム本体42と、リム本体42に接続した、例えば、チューブレス状のタイヤ41とを備える。車輪軸3は、車両ホイール2を、車両40のシャシー15、例えば、車両サスペンションおよび/またはフォークまたは揺動アームに回転可能に接続することで、車両ホイール2を支持することができる。車輪軸3は、好ましくは、シャシー15と一体化されている。転動部材43が、車輪軸3および車両ホイール2のリム本体42の間に介在していてもよい。車両ホイール2は、電気モーター、例えば、インホイール電気モーター等のモーターによって駆動される駆動ホイールであってもよく、車両の被駆動ホイールであってもよい。
【0044】
車両ホイール2を設けることで、車両40が路面等の進行面39上で、方向Yに進行または退行する際、車両40の挙動を安定させる効果を有するジャイロ推進力が生み出される。
【0045】
アッセンブリ1は、限定はされないが、特に、四輪車や、二輪車、自動二輪車、および/または、エンジン付き自転車、および/または、少なくとも二つ、または少なくとも三つのホイールを備えるスクーター、具体的には、二つの操舵および/または駆動ホイールを備えるスクーターといった、旋回時、傾いたり、転動したりする車両40に利用される。好ましくは、アッセンブリ1は、限定はされないが、特に、自動二輪車への利用に適している。
【0046】
好ましくは、アッセンブリ1は、四輪車への利用に適している。好ましくは、アッセンブリ1は、トラック、列車、航空機等の複数のホイールを備える車両40への利用に適している。
【0047】
アッセンブリ1は、限定はされないが、特に、内燃機関および/または電気モーターを備える自動車両等への利用に適している。
【0048】
アッセンブリ1は、限定はされないが、特に、レース用車両40や高性能車両40への利用に適している。
【0049】
ホイール回転軸X2に略合致する軸方向X-Xと、軸方向X-Xに直交し、軸方向X-Xに面する内径方向RIおよび内径方向RIとは逆の外径方向ROを画定する、径方向R-Rと、軸方向X-Xおよび径方向R-Rの両方に直交する接線方向C-Cまたは周方向C-Cと、が画定されている。
【0050】
アッセンブリ1は、少なくとも一つの車両ホイール2に連動可能で、別のフライホイール軸X4の回転軸周りに回転する少なくとも一つのフライホイール4をさらに備える。回転促進部材X4の回転軸は、車両40の前進方向Yやその逆方向と直交し、好ましくは、ホイール軸X2に平行である。実施形態によれば、ホイール軸X2および回転促進部材X4の回転軸は、平行である。実施形態によれば、ホイール軸X2および回転促進部材X4の回転軸は、略合致している。
【0051】
少なくとも一つの回転促進部材4および少なくとも一つの車両ホイール2の間の動作的接続は、第1変速機6および第1クラッチ8によって実現されてもよい。
【0052】
実施形態によれば、例えば、
図1Dに模式的に示すように、少なくとも一つの回転促進部材4および少なくとも一つの車両ホイール2間の動作的接続は、変速機6およびクラッチ8の両方によって実現される。例えば、変速機6は、車両ホイール2に対する回転促進部材4の毎分回転数を倍にするよう、設計されていてもよい。
【0053】
回転促進部材4は、転動部材43を介して、車輪軸3に回転可能に連動していてもよい。
【0054】
二つ以上の回転促進部材4が設けられている場合、回転促進部材の少なくとも一部、あるいは全ての間で、動作的接続が実現されていてもよい。回転促進部材の少なくとも一部の間における動作的接続は、さらに別の変速機106およびさらに別のクラッチによって、実現されていてもよい。
【0055】
好ましい実施形態によれば、上述した全ての実施形態と組み合わせ可能でなくてもよいが、変速機6は、少なくとも一つのフライホイール等の少なくとも一つの回転促進部材4および/またはその他回転促進部材4と、車両ホイール2との間の機械動力、好ましくは、回転運動エネルギーを伝達し、少なくとも一つの可動接続部、例えば、可動連結部に直接接続している、および/または、少なくとも一つの可動接続部、例えば、可動連結部を備えている。換言すれば、変速機は、車両ホイール2から、少なくとも一つのフライホイール等の少なくとも一つの回転促進部材4、および/または、別の回転促進部材4に、例えば、少なくとも一つの可動連結、例えば、可動連結を介して、直接または間接的に、運動エネルギーを伝達するよう構成される。例えば、少なくとも三つの回転促進部材が設けられていてもよい。そのうち一つは、制動装置18と連動し、他二つは、フライホイール対をなすよう、互いに連動する。フライホイール対は、好ましくは、互いに逆回転する。変速機は、好ましくは、ブレーキとして動作する回転促進部材と、フライホイール対の少なくとも一つのフライホイールとの間に設けられる。例えば、少なくとも二つの別の回転部材が設けられていてもよい。そのうち一つは、制動装置18と連結し、もう一方は、フライホイール、好ましくは、少なくとも二つの逆回転回転部材をなす。変速機は、好ましくは、これらの間に介在し、クラッチも介在する。
【0056】
少なくとも一つの回転促進部材4は、ブレーキディスク、および/または、ブレーキドラム、および/または、フライホイール、および/または、電気機器の回転子/固定子として動作可能である。二つ以上の回転促進部材4が設けられている場合、それらは、異なる機能を有し、車両40の挙動に対する効果を有する、合計のジャイロ推進力を生み出す。少なくとも一つの回転促進部材4は、ブレーキディスク、および/または、フライホイール、および/または、電気機器の回転子/固定子として動作してもよい。
【0057】
好ましい実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも一つの車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4の間の機械動力、好ましくは、回転運動エネルギーを伝達するよう構成された変速機6を備える。変速機6は、機械動力を一方にのみ伝達してもよいが、好ましくは、双方向に伝達するよう構成されている。
【0058】
変速機6によって達成される速度伝達比は、正の値であっても、負の値であってもよい。
【0059】
「負数の速度伝達比」という表現は、逆回転速度伝達比を意味する。このようにして、車両ホイール2および回転促進部材4は、変速機6の働きにより、車輪軸3、車両サスペンション、二輪車フォーク等、車両40のシャシー15に対して、略固定された共通基準に対して、逆方向に回転する。したがって、「逆回転」という表現は、車両ホイール2および回転促進部材4のうちどちらか一方がシャシー15に対して固定され、もう一方が回転するということを意味しているのではなく、むしろ、車両ホイール2および回転促進部材4の両方が、シャシー15に対して、逆方向に回転しているということを示している。
【0060】
車両ホイール2および回転促進部材4間の逆回転を決定づける、負数の速度伝達比が達成されている場合、車両40を安定させる効果を生み出すような、車両ホイール2のジャイロ推進力の少なくとも一部が補償される。このように、負数の速度伝達比を適切に調整し、少なくとも一つの車両ホイール2および/または少なくとも一つの回転促進部材4の径方向に質量が分布することで、車両40に対する動揺効果がもたらされる。
【0061】
車両40に対するさらなる安定効果または超安定効果も、負数の速度伝達比を調節し、少なくとも一つの車両ホイール2および/または少なくとも一つの回転促進部材4の径方向に質量を分布させることによって、実現される。
【0062】
好ましい実施形態によれば、変速機6は、-1の速度伝達比を実現する。このようにして、車両ホイール2および回転促進部材4は、同等の角速度で回転する。
【0063】
車両ホイール2および回転促進部材間の速度伝達比が正数の場合、車両40に対して、さらなる安定効果がもたらされる。
【0064】
例えば、負数の増加速度伝達比、つまり、-3未満の速度伝達比を実現することにより、また、負数の速度伝達比を実現し、負数の速度伝達比を適切に調整し、および少なくとも一つの車両ホイール2および/または少なくとも一つの回転促進部材4の径方向に質量を分散させることにより、車両40に対する、さらなる安定効果がもたらされることは、当業者にとって、明らかであろう。
【0065】
実施形態によれば、ブレーキディスクとして動作する回転促進部材4は、カーボン繊維および/またはカーボンセラミック素材からなる。カーボン繊維および/またはカーボンセラミック素材からなるブレーキディスクにとって、適切な動作温度は、逓倍率を調整することで得られる。
【0066】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、フライホイール制動装置18をさらに備える。フライホイール制動装置18は、フライホイール4に連動し、フライホイール4に対して制動作用を掛け、速度伝達比を達成する変速機6によって、車両ホイール2を、可能であれば静止状態になるまで、制動する。
【0067】
好ましい実施形態によれば、変速機6は、+1以外の速度伝達比を達成する。
【0068】
速度伝達比は、速度伝達比が速度逓倍率となるよう、絶対値で1よりも大きい、つまり、+1より大きい値および/または-1より小さい値であり得る。本特許の目的において、速度増加速度伝達比とは、速度伝達比が正数および負数の両方の場合、回転促進部材4の角速度が、車両ホイール2の角速度に対して、変速機6によって達成される速度伝達比で乗算されることを言う。
【0069】
速度伝達比は、速度伝達比が速度逓倍率となるよう、絶対値で1未満、つまり、0をのぞく、-1より大きく、1より小さい値、であってもよい。本特許の目的において、速度減少速度伝達比とは、速度伝達比が正数および負数の両方の場合、回転促進部材4の角速度が、車両ホイール2の角速度に対して、変速機6によって達成される速度伝達比によって減少されることを言う。
【0070】
速度伝達比が変数となるよう、変速機6は、CVTといった無段変速装置を備えていてもよい。
【0071】
変速機6は、ギヤ対といった、複雑でない歯車列を備えていてもよい。ギヤ対の二つのギヤのうち、第1ギヤは、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4のいずれか一方と接続され、ギヤ対の二つのギヤのうち、もう一方の第2ギヤは、少なくとも一つの回転促進部材4および車両ホイール2のうち、もう一方と接続されている。
【0072】
実施形態によれば、変速機6は、回転運動を伝達するよう構成された、少なくとも一つの歯車列を備える。実施形態によれば、少なくとも一つの前記歯車列は、歯付きプーリー等の少なくとも一対のプーリーと、歯付きベルト等のベルトとを備える。プーリーとベルトは、互いに接触しており、プーリーの回転軸は、その少なくとも一部が、車両のシャシー15と一体化されている。例えば、アッセンブリ1は、車両ホイールアッセンブリを形成するよう構成され、ホイール2の回転軸X2およびフライホイール4の回転軸X4は、平行である。
【0073】
好ましい実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも一つの制動装置18、好ましくは、摩擦制動装置を備える。制動装置18は、少なくとも一つの回転促進部材4によって、少なくとも一つの車両ホイール2を、可能であれば静止状態になるまで、制動するため、制動作用、好ましくは、摩擦制動作用を、少なくとも一つの回転促進部材4にかけるよう、構成されている。例えば、制動作用は、電磁気手段によって生み出されてもよい。
【0074】
制動装置18によって、少なくとも一つの回転促進部材4にかけられる制動作用は、速度伝達比を達成する変速機6によって、車両ホイール2に伝達される。変速機6によって達成される速度伝達比が、+1および-1以外の値である場合、制動装置18によってかけられる制動作用は、速度伝達比にしたがって、車両ホイール2に伝達される。
【0075】
少なくとも一つの回転促進部材4に連動する制動装置18を設けることで、回転促進部材4は、車両40に対する安定効果または動揺効果を有するジャイロ推進力を生み出すよう、そして、同時に、少なくとも一つの車両ホイール2に対して、ブレーキトルクを生み出すよう、構成される。
【0076】
好ましくは、少なくとも一つの回転促進部材4は、少なくとも一つの制動面5、をさらに備える。制動面5は、例えば、車両ホイール2を、可能であれば静止状態になるまで、制動するため、摩擦制動装置18から摩耗材を受け止めるよう構成される。
【0077】
回転促進部材4が設けられる場合、全ての回転促進部材が制動装置18に接続されている必要はない。このようにして、車両40の挙動に対するジャイロ効果の調整、および、車両40に対する制動作用の調整が可能となる。
【0078】
変速機6が、角速度増加速度伝達比を達成した際、回転促進部材4にかけられた制動作用、好ましくは、摩擦制動によって生み出されたブレーキトルクが、車両ホイール2に増幅されて伝達されることは、当業者にとって、明らかであろう。
【0079】
好ましい実施形態によれば、制動装置は、摩擦制動装置18である。
【0080】
変形例によれば、制動装置は、油圧式変速機を備える制動装置である。
【0081】
変形例によれば、制動装置は、電磁気制動装置を備える制動装置である。
【0082】
変速機6は、好ましくは、その少なくとも一部が、車両40のシャシー15と固結されており、例えば、クラッチ108によって、シャシー15の一部と一体となっている、または一体化するよう形成される。この固結は、ゆるやかに進行する。変速機6は、ディファレンシャルとして機能してもよい。
【0083】
変速機6およびその部材を適切に構成することで、車両ホイール2または少なくとも一つの回転促進部材4を、ある所定の動作条件下では回転させないようにすることができる。
【0084】
変速機6およびその部材を適切に構成することで、回転促進部材4を、車両ホイール2に対して回転させないように、つまり、例えば一時的に、車両ホイール2と一体のままでいるようにできる。例えば、遊星キャリア34は、車両ホイール2によって、回転促進部材4とともに回転可能に設けられたシャシー15から、切り離されてもよい。例えば、複数の遊星ギヤのうち、少なくとも一つの遊星ギヤ33は、少なくとも一つの遊星ギヤを車両40と一体にするため、運動伝達軸を備えていてもよい。これにより、少なくとも一つの回転促進部材4から、少なくとも一つの遊星ギヤへ、そして、その逆方向に、回転運動を伝えることができる。遠心力可変速駆動装置、伝導可変速駆動装置、機械式可変速駆動装置といった可変速駆動装置を、変速機6に連動させてもよい。これにより、車両ホイール2の回転モーメントおよび少なくとも一つの回転促進部材4の回転モーメント間の比率を変化させることができる。好ましくは、可変速駆動装置は、変速機6に含まれ、例えば、車両ホイール2のリム本体42内に挿入されている。
【0085】
好ましい実施形態によれば、変速機6は、ピニオン37を備える遊星ギヤセットといった歯車列と、インナーギヤホイールまたはクラウンギヤ31と、遊星歯車列32を形成し、リングギヤ31と動作的に電動する複数の遊星ギヤ33と、を備える。好ましくは、遊星キャリア34に連動する、遊星ギヤ33が三つ設けられている。遊星キャリア34は、歯車列の回転を係止する、Y形状を有するキータップ装置に嵌合されるキャリアを備えていてもよい。好ましくは、遊星歯車列34が、車両シャシー15に対して回転するのを防ぐため、遊星キャリア34は、車両40のシャシー15、例えば、自動二輪車のフォーク脚25に接続可能な回転係止装置35に連動されている。補強リング36は、遊星キャリア34と連動可能である。ねじ付きファスナー等の締結要素44を設けて、車両シャシー15と一体化された変速機6の少なくとも一部を形成してもよい。
【0086】
実施形態によれば、変速機6のリングギヤ31は、例えば、クラッチによって、車両ホイール2と一体となっている、または一体化するよう形成される。ピニオン37は、例えば、クラッチによって、回転するよう、少なくとも一つの回転促進部材4と一体となっている、または一体化するよう形成される。遊星ギヤセット32は、例えば、クラッチによって、回転するよう、車両シャシー15、例えば、車両40のサスペンション装置または車両40のフォーク25と一体となっている、または一体化するよう形成される。このようにして、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4間の逆回転が得られる。例えば、こうした変速機6が設けられたアッセンブリ1は、インホイールモーターにおいて、車両ホイールアッセンブリを形成するよう構成される。
【0087】
実施形態によれば、変速機6のリングギヤ31は、車両シャシー15と一体となっている、または一体化するよう形成される。ピニオン37および遊星ギヤセット32のうち、いずれか一方は、車両ホイール2と一体となっている、または一体化するよう形成されて回転する。ピニオン37および遊星ギヤセット32のうち、もう一方は、少なくとも一つの回転促進部材4と一体となっている、または一体化するよう形成される。このようにして、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4間の同方向への回転が得られる。例えば、こうした変速機6が設けられたアッセンブリ1は、インホイールモーターにおいて、車両ホイールアッセンブリを形成するよう構成される。
【0088】
実施形態によれば、ピニオン37は、車両シャシー15と一体となっている、または一体化するよう形成される。リングギヤ31および遊星ギヤセット32のうち、いずれか一方は、車両ホイール2と一体となっている、または一体化するよう形成されて回転する。リングギヤ31および遊星ギヤセット32のうち、もう一方は、少なくとも一つの回転促進部材4と一体となっている、または一体化するよう形成される。このようにして、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4間の同方向への回転が得られ、アッセンブリ1は、車両ホイールアッセンブリ30において、インホイールモーターを形成するよう構成される。
【0089】
例えば、遊星キャリアをシャシー15に固定することで、車両ホイール2および回転促進部材4の逆回転が得られる。
【0090】
好ましい実施形態によれば、リングギヤ31およびピニオン37のうち、いずれか一方は、車両ホイール2と一体となっている、または一体化するよう形成される。リングギヤ31およびピニオン37のうち、もう一方は、少なくとも一つの回転促進部材4と一体となっている、または一体化するよう形成される。遊星ギヤセット32は、全体として、車両シャシーと一体となっている、または一体化するよう形成される。車両シャシー15は、例えば、車両40のサスペンション装置と一体となっている、または一体化するよう形成される。このようにして、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4間の逆回転が得られる。
【0091】
実施形態によれば、リングギヤ31およびピニオン37のうち、いずれか一方は、車両ホイール2と一体となっている、または一体化するよう形成され、リングギヤ31およびピニオン37のうち、もう一方は、少なくとも一つの回転促進部材4と一体となっている、または一体化するよう形成される。遊星ギヤセット32は、例えば、クラッチ108によって、車両シャシー15、と一体となっている、または一体化するよう形成される。車両シャシー15は、例えば、車両40のサスペンション装置と一体となっている、または一体化するよう形成される。例えば、遊星ギヤセット32が、車両シャシー15に対して一体となっている場合、車両ホイール2および回転促進部材4は、互いに逆回転する。一方、遊星ギヤセット32が、車両シャシー15に対して、回転自在に形成されている場合、車両ホイール2、回転促進部材4、および遊星ギヤセット32は、同一方向に回転する。
【0092】
実施形態によれば、変速機6は、一方向のみに回転運動を伝達するよう構成された、ラチェットホイール23(またはフリーホイール)および/またはラチェット等のラチェット機構23を備える。好ましくは、ラチェットホイール機構23は、ギヤホイールの少なくとも一つの歯の一方に当接するばねによって付勢される、少なくとも一つのかえしを備える。これにより、かえしおよび歯が協働して、ギヤホイールを一方向にのみ回転させる。このようにすることで、機械的な回転力を一方向にのみ伝えることができ、車両ホイール2を制動せずに、少なくとも一つの回転促進部材4を制動するとともに、回転促進部材4によってもたらされ、フライホイールに作用するジャイロ効果を調整することができる。さらに、フライホイールの勢いを殺すことなく、車両ホイール2を減速できる。これにより、車両ホイール2がフライホイールよりも低い角速度を有する場合、例えば、車両40が、低速走行している場合、車両40を安定させうる、フライホイールが生み出す所定のジャイロ推進力を得ることができる。同時に、エネルギー回生のため、車両ホイール2を減速させることなく、ホイール2の角速度よりも高い、少なくとも一つの回転促進部材4の角速度を活用することができる。例えば、複数の遊星ギヤのうち、少なくとも一つの遊星ギヤ33は、遊星ギヤの一方向への回転を許容するラチェットホイール23を備える。このようにして、遊星キャリア32がシャシー15に一体化するよう形成されている場合、遊星ギヤ33が自由方向に回転可能に設けられると、その軸に対して旋回する。これにより、クラウンギヤ31およびピニオン37間の逆方向の回転運動が伝達される。逆に、遊星キャリア32が、シャシー15に対して自由に回転できるよう形成され、遊星ギヤ33が、係止方向に回転して設けられると、その軸まわりの回転が回避される。これにより、回転運動が、遊星キャリア32全体、ピニオン37、そしてクラウンギヤ31に伝わり、これらが同一方向に回転する。
【0093】
好ましい実施形態によれば、車両ホイール2の角運動量は、少なくとも一つの回転促進部材4、例えば、少なくとも一つのフライホイールの回転モーメントとは異なる。好ましくは、車両ホイール2の角運動量および少なくとも一つの回転促進部材4の角運動量の比率は、約2であり、好ましくは、2~4、好ましくは、4である。好ましくは、少なくとも一つの回転促進部材4の角運動量および車両ホイール2の角運動量の比率は、、約2であり、好ましくは、2~4、好ましくは、4である。実施形態によれば、車両ホイール2は、少なくとも一つの回転促進部材4よりも、大きい直径および/または半径を有する。実施形態によれば、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4は、略同一の質量を有する。好ましい実施形態によれば、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4は、異なる質量を有し、好ましくは、車両ホイール2は、少なくとも一つの回転促進部材4よりも高い質量を有する。
【0094】
実施形態によれば、少なくとも一つの回転促進部材4および/または、動きに必要な部位は、流体に浸されたフライホイールハウジング内に収容されている。これにより、少なくとも一つの回転促進部材4および/または動きに必要な部位に対する摩擦を、最小化することができる。例えば、流体は、気体、ゲル状、粉状、液体、あるいは、これらの組合わせであってもよい。例えば、流体は、不活性雰囲気、オイル、真空雰囲気、高圧雰囲気、あるいは、これらの組合わせであってもよい。実施形態によれば、この流体は、潤滑油である。
【0095】
実施形態によれば、車両40がフォーク脚25を有する少なくとも一つのフォークを備える場合、フォーク脚25は、焼入れ焼戻し鋼、好ましくは、steel-39-ニッケルクロムモリブデン鋼等の、特に強固な材料から形成される。例えば、フォーク脚25は、steel-C40、steel-39NiCrMo3、steel-42CrMo4、またはsteel-36CrMn5から形成されていてもよい。
【0096】
実施形態によれば、車両40が一つのフォーク脚25を有する少なくとも一つのフォークを備え、少なくとも一つの回転促進部材4が、車両ホイール2よりも高速で、好ましくは、少なくとも二倍の速さで、回転または逆回転をしている場合、少なくとも一つの制動面5を備える、少なくとも一つの回転促進部材4を単体で使用することができる。これにより、ホイール2に対して、他の制動・停止システムを設ける必要がなくなり、フォークのホイールベース値を最小限にできる。「フォーク」という用語は、「揺動アーム」と読み替えてもよく、一般的に、自動車やトラック等、二つ以上のホイールを備える車両40の固定具またはホイール懸架システムである。
【0097】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、クラッチ8をさらに備える。クラッチ8は、少なくとも一つの車両ホイール2を、少なくとも一つの回転促進部材4に、選択的かつ動作的に接続するよう、構成される。
【0098】
実施形態によれば、クラッチ8のかわりに、あるいは、クラッチ8に追加したかたちで、アッセンブリ1は、クラッチ108を備えていてもよい。クラッチ108は、少なくとも一つの回転促進部材4を、車両シャシー15に、選択的かつ動作的に接続するよう、構成される。
【0099】
制動装置18、例えば、摩擦制動装置に連動する、クラッチ8および少なくとも二つの回転促進部材4が、ともに設けられていることで、少なくとも二つの回転促進部材4を順番に制御することができる。これにより、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動するよう、車両ホイール2に伝わるブレーキトルクを調整することができる。
【0100】
少なくとも一つのクラッチを設けることで、回転促進部材4のなかから、どの回転促進部材を、いくつ、車両ホイール2に動作的に接続するかを選択することができ、ジャイロ推進力、ひいては、車両40に対する安定効果または動揺効果を調節できる。
【0101】
好ましい実施形態によれば、上述した全ての実施形態と組み合わせる必要はないが、アッセンブリ1は、少なくとも一つの運動エネルギー回生装置10、KERS10、または、慣性モーター10を備える。該装置は、後の使用のため、少なくとも一つの回転促進部材4に伝達された運動エネルギーを蓄積するよう構成される。運動エネルギー回生装置10は、少なくとも一つの回転促進部材4と連動する。このようにして、車両ホイール2の運動エネルギーを蓄積するため、少なくとも一つの回転促進部材4は、慣性で回転するよう構成されたフライホイールとして、機能する。
【0102】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、車両ホイール2に連動可能なフライホイール対を形成するフライホイールとして機能する、少なくとも二つの回転促進部材4を備える。合計のジャイロ効果を調節し、回転促進部材4の回転の慣性を調節する目的で、付加マス29またはラジアルマス29を、回転促進部材4に載置し、回転促進部材4の質量分布を調節してもよい。
【0103】
実施形態によれば、速度伝達比を達成する、少なくとも一つのさらなる変速機106によって、少なくとも二つの回転促進部材を連動させることができる。好ましくは、さらなる変速機106は、負数の速度伝達比を達成する。これにより、少なくとも二つの回転促進部材4が逆回転する。換言すれば、二つの回転促進部材4が逆回転することで、逆回転フライホイール対が形成される。このようにして、フライホイール対の逆回転から発生したジャイロ推進力を、略相殺することができる。同時に、運動エネルギーを所定量蓄積することができ、慣性モーターを形成することができる。少なくとも二つの逆回転する回転部材4は、少なくとも一つの制動装置と連動していてもよい。制動装置は、必ずしも、少なくとも二つの回転促進部材4に制動作用をかけることで、車両ホイール2を制動することを意図していなくてもよい。また、例えば、この制動装置は、二つの逆回転するフライホイールに蓄積された回転運動エネルギーを発散するよう、設計されていてもよい。
【0104】
好ましい実施形態によれば、少なくとも一つの回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクが制動装置18と連動し、変速機6によって、車両ホイール2に連動する。変速機6は、逓倍逆回転比率、例えば、-2と略等しい速度伝達比を伝達する。クラッチ8は、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクと、少なくとも一対の回転促進部材4、例えば、フライホイール対との間に介在する。対をなすフライホイールは、負数の速度伝達比を達成する、さらなる変速機106によって、互いに連動可能となっている。これにより、二つのフライホイールが、互いに逆方向に回転する。このようにして、フライホイール対の逆回転から発生したジャイロ推進力を相殺することができる。また、同時に、運動エネルギーを所定量蓄積することができ、慣性モーターを形成することができる。例えば、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクのジャイロ推進力は、少なくとも部分的に、車両ホイール2のジャイロ推進力と釣り合うことで、車両40の挙動をより機敏なものにし、逆回転するフライホイール対は、車両40の操作性に偏りをもたせない。このように、例えば、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクの角速度が、フライホイール対の角速度よりも大きい場合、クラッチ8をつないで、一組のフライホイール4を回転させることができ、車両ホイール2から運動エネルギーを発散させながら、車両40を減速させる。このように、例えば、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクの角速度が、フライホイール対の角速度4よりも小さい場合、クラッチ8をつないで、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクを加速させることができ、回転運動エネルギーをホイール2に供給して、車両40を加速させる。例えば、車両40の減速時、クラッチ8をつないで、第1回転促進部材4の角速度が、フライホイール対の角速度と同等になった場合、クラッチ8を切って、第1回転部材4の制動装置18を活用することができる。これにより、車両ホイール2の回転が止まるまで、さらに減速できる。このような状況下において、逆回転するフライホイール対は、車両40の操作性に偏りをもたせない。例えば、車両40が停止状態にあり、第1回転促進部材4、例えば、ブレーキディスクの角速度が0で、逆回転するフライホイール対の角速度が、0より大きい場合、クラッチ8をつないで、回転開始運動を車両ホイール2に伝達することができる。
【0105】
実施形態によれば、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4は、電気機器12を形成する。好ましくは、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4のうち、いずれか一方が電気機器の回転子を形成し、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4のうち、もう一方が、電気機器の固定子を形成する。
【0106】
電気機器12によって発生した電気エネルギーを回収するために、配線46を設けてもよく、ひいては、電気機器12を発電機として機能させ、蓄電池とすることができる。
【0107】
電気エネルギーを電気機器12に供給するために、配線46を設けてもよく、ひいては、電気機器12を、車両ホイール2を動かす電気モーターとして機能させることができる。
【0108】
好ましい実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも一つの回転促進部材4を含む筐体を形成して、インホイール構造を構成する、リム本体42を備える。
【0109】
あるいは、または、上記に追加して、アッセンブリ1のリム本体42によって形成される筐体は、少なくとも一つの回転促進部材4および少なくとも一つの制動装置18を収容する。制動装置は、回転促進部材4に働きかけ、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで、制動し、インホイール制動装置として機能する。
【0110】
あるいは、または、上記に追加して、アッセンブリ1のリム本体42によって形成される筐体は、運動エネルギー回生装置10、例えば、フライホイールの少なくとも一部を収容する。フライホイールは、クラッチ8に接続された少なくとも一つの回転部材4からなり、車両ホイール2に接続・切断することで、インホイール慣性モーターを形成する。
【0111】
あるいは、または、上記に追加して、アッセンブリ1のリム本体42によって形成される筐体は、電気機器12を収容して、インホイール電気モーターを形成する。
【0112】
実施形態によれば、例えば、
図3Aに示すように、アッセンブリ1は、少なくとも一つの回転促進部材4に、動作的に、かつ、同軸上に接続された車両ホイール2を備える。これにより、ホイール回転軸X2および回転促進部材回転軸X4が、略合致する。
【0113】
実施形態によれば、例えば、
図3Bに示すように、アッセンブリ1は、少なくとも一つの回転促進部材4に、動作的に、かつ、偏心的に接続された車両ホイール2を備える。これにより、ホイール回転軸X2および回転促進部材回転軸X4は、径方向に、所定の半径距離R4だけ離れる。
【0114】
実施形態によれば、例えば、
図5Aに示すように、アッセンブリ1は、二つの回転促進部材4と連動する車両ホイール2を備える。二つの回転促進部材4は、変速機6によって、車両ホイール2の同軸状に、軸方向X-Xにおいて車両ホイール2の反対側に配置される。変速機6は、二つの回転促進部材4それぞれと連動し、+1以外の速度伝達比を達成する。アッセンブリ1は、二つの回転促進部材4それぞれと連動する摩擦制動装置18(図示略)を備え、この制動装置は、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動する。摩擦制動装置18は、軸方向X-Xを向いた制動面5を有する少なくとも一つの回転促進部材4をまたいで配置される少なくとも一つの常用ブレーキキャリパーを備えていてもよい。摩擦制動装置18は、少なくとも一つの回転促進部材4の少なくとも一つの制動面5を押圧する、少なくとも一組のドラムブレーキシューを備えていてもよい。制動面5は、回転軸X2,X4に向かって、内径方向RIに面している。摩擦制動装置18は、少なくとも一つの回転促進部材4の少なくとも一つの制動面5を押圧する、少なくとも一つのパッドを備えていてもよい。ここに示す実施形態は、後付けする場合を検討するものである。本例において、制動面5は、ブレーキディスク上に設けられ、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動するためである。各変速機6は、負数の速度伝達比を達成してもよい。これにより、二つの回転促進部材4が、互いに同じ方向に回転しつつ、車両ホイール2とは異なる方向に回転することで、発生したジャイロ推進力が、車両40に対する動揺効果を発揮する。各変速機6は、正数の速度伝達比を達成してもよい。これにより、二つの回転促進部材4が、互いに同じ方向に回転しつつ、車両ホイール2とも同じ方向に回転することで、発生したジャイロ推進力が、比較的小径のリム42を有するスクーター等に適用される、車両40に対する超安定効果を発揮する。各回転促進部材4の回転から発生したジャイロ効果は、付加マス29またはラジアルマス29を追加/撤去することで、増加、および/または、調節、および/または釣り合わされる。
【0115】
実施形態によれば、例えば、
図5Bに示す通り、アッセンブリ1は、二つの回転促進部材4と連動する車両ホイール2を備える。二つの回転促進部材4は、変速機6によって、車両ホイール2の同軸状に、軸方向X-Xにおいて車両ホイール2の反対側に配置される。変速機6は、+1以外の速度伝達比を達成する。アッセンブリ1は、二つの回転促進部材4それぞれと連動する摩擦制動装置18、例えば、ブレーキキャリパーを備え、この制動装置は、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動する。クラッチ8は、車両ホイール2を、各回転促進部材4から、選択的かつ動作的に、接続・切断するよう設けられ、これにより、回転促進部材4が、運動エネルギー回生装置10を形成する。付加マス29またはラジアルマス29は、回転促進部材4に設置、または、回転促進部材4にから取り外すことができ、回転促進部材4は、ブレーキディスクおよびフライホイールの両方の役割を果たすことができる。変速機6は、回転促進部材4を一方向にのみ回転させるラチェットホイール23等を備えていてもよい。各変速機6は、歯車列、例えば、遊星キャリア34を有する遊星ギヤセットを備えていてもよい。遊星キャリア34は、車輪軸3と回転可能に一体化されている。車輪軸3は、一方で、車両シャシー15、例えば、自動二輪車のフォーク脚25と回転可能に一体化され、リングギヤキャリア31’は、リム本体42、ひいては、車両ホイール2と回転可能に一体化されている。変速機6によって達成される速度伝達比は、好ましくは、絶対値で1よりも大きい、つまり、絶対値で6より大きく、例えば、+6より大きい値、または、-6より小さい値である。速度伝達比はまた、絶対値で10より大きくてもよい。
【0116】
当業者にとって、速度伝達比の絶対値を増加させるため、無段変速駆動装置またはCVTが設けられることは、明らかであろう。
【0117】
実施形態によれば、例えば、
図6Aに示す通り、アッセンブリ1は、二つの回転促進部材4と連動する車両ホイール2を備える。二つの回転促進部材4は、運動エネルギー回生装置10を形成し、それぞれが、変速機6によって、車両ホイール2の同軸状に配置される。これにより、二つの回転促進部材4は、二つの回転促進部材4で発生したジャイロ推進力を、少なくとも部分的に相殺するため、相互に逆回転する。摩擦制動装置18は、二つの逆回転する回転部材4のそれぞれと連動し、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動する。車両ホイール2のリム本体42は、少なくとも二つの回転部材4を収容する筐体を形成する。筐体内には、少なくとも一つのクラッチ8が設けられ、各回転促進部材4を選択的に接続・切断する。このようにして、回転促進部材4は、フライホイールおよびブレーキディスクの両方として機能する。付加マス29またはラジアルマス29を、回転促進部材4に設けてもよい。各変速機6は、歯車列、例えば、遊星キャリア34を有する遊星ギヤセットを備えていてもよい。遊星キャリア34は、車輪軸3と、ひいては、車両シャシー15と回転可能に一体化されている。リングギヤキャリア31’は、リム本体42、ひいては、車両ホイール2と回転可能に一体化されている。
【0118】
実施形態によれば、例えば、
図6Bに示す通り、
図6Aに示す実施形態のアッセンブリ1は、少なくとも一つの回転促進部材4および車両ホイール2、例えば、リム本体42からなる電気機器12をさらに備えていてもよい。これにより、回転促進部材4および車両ホイール2のうち、いずれか一方が、電気機器12’の第1部分を形成し、回転促進部材4および車両ホイール2のうち、もう一方が、電気機器12’の第1部分と回転可能に連動する電気機器12’’の第2部分を形成する。このようにして、少なくとも一つの回転促進部材4は、ブレーキディスク、フライホイール、そして回転子/固定子として機能する。摺動接点または誘電接点47および/または配線46が、例えば、車両40のシャシー15と一体化された、車輪軸3の本体内に配置され、設けられていてもよい。付加マス29は、電気機器12で発生した電気エネルギーを蓄積するためバッテリーを備えていてもよく、同時に、少なくとも一つの回転促進部材4の、ある程度の半径方向高さまで、質量を調整できる。付加マス29は、部分12’’または、電気機器12の部分12’’として機能できる。
実施形態によれば、例えば、
図7Aおよび
図7Bに示す通り、アッセンブリ1は、車両ホイール2および複数の回転促進部材4を備える。変速機6は、摩擦制動装置18と連動するブレーキディスクとして機能する回転促進部材4と、車両ホイール2との間で、+1以外の速度伝達比を達成する。フライホイールとして機能する一対の回転促進部材は、選択的かつ動作的に、回転促進部材4と接続される。回転促進部材4は、クラッチ8によって、摩擦制動装置18と連動する。さらなる変速機106は、動作的に、一対の回転促進部材4のうち、負数の速度伝達比を有する一つの回転促進部材と接続する。電気機器12は、一対の回転促進部材4および車両ホイール2、例えば、リム本体42からなるよう、設けられる。ホイール22のホニックホイールおよび回転促進部材24のホニックホイールが設けられていてもよい。
図7Bに示す例において、リム本体42は、見易さのため、一部分を透明化している。変速機6は、リングギヤキャリア31’と、遊星キャリア34’とを備える。リングギヤキャリア31’は、リム本体42と回転可能に一体化され、遊星キャリア34’は、車輪軸3、ひいては、車両シャシー15、例えば、二輪車フォーク脚25と一体化される。さらなる変速機106は、車輪軸3と一体化された遊星キャリア34を備え、速度伝達比、好ましくは、-1と同等の速度伝達比を達成する。したがって、一対の回転促進部材4のフライホイールは、互いに逆回転することで、二つの回転促進部材自体により発生したジャイロ推進力の少なくとも一部を補償し、アッセンブリ1のジャイロ均衡への偏重を相殺、あるいは略相殺する。クラッチ8は、無段変速駆動装置またはCVTを備え得るさらなる変速機と連動していてもよい。ブレーキディスクとして機能する回転促進部材4の回転により、車両40に対する動揺効果を有するジャイロ推進力が発生し、例えば、車両ホイール2で発生したジャイロ推進力を少なくとも部分的に補償し、車両40の挙動が機敏なものになる。実施形態によれば、少なくとも一つのさらなる変速機6は、少なくとも一つの制動装置18に連動する、少なくとも一つの回転促進部材4を、変速機106につながれた複数の回転促進部材のうち、一対の回転促進部材4に対して、動作的に接続する。
【0119】
実施形態によれば、例えば、
図8Aに示す通り、アッセンブリ1は、+1以外の速度伝達比を達成する変速機6によって、一対の回転促進部材4に連動する車両ホイール2を備える。クラッチ8は、変速機6を、運動エネルギー回生装置10を形成するフライホイールとして機能する一対の回転促進部材4と、動作的に接続する。さらなる変速機106は、回転促進部材4同士を、動作的に接続する。これにより、負数の速度伝達比、例えば、-1と同等の速度伝達比を達成し、逆回転するフライホイール対によって発生したジャイロ推進力を、少なくとも部分的に補償、好ましくは、相殺する。車両ホイール2のリム本体42は、回転促進部材を収容する筐体を形成することで、インホイール慣性モーターを形成する。ブレーキディスクおよび摩擦制動装置18は、車両ホイール2と一体化されて設けられ、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動する。
【0120】
実施形態によれば、例えば、
図8Bに示す通り、アッセンブリ1は、一対の変速機6によって、一対の回転促進部材4と連動可能な車両ホイール2を備える。各変速機6は、クラッチ8と連動している。変速機6は、負数の速度伝達比を達成する。これにより、回転促進部材4が反回転して、逆回転するフライホイール対で発生したジャイロ推進力を、少なくとも部分的に補償する。電気機器12は、少なくとも、回転促進部材4および車両ホイール2、例えば、リム本体42から形成されていてもよい。
【0121】
実施形態によれば、例えば、
図9A、
図9B、そして
図9Cに示す通り、アッセンブリ1は、車両ホイール2と、少なくとも一つの回転促進部材4と、少なくとも一つの摩擦制動装置18と、少なくとも一つのクラッチ108とを備える。少なくとも一つの回転促進部材4は、+1以外の速度伝達比を達成する変速機6によって、車両ホイール2に連動可能となっている。少なくとも一つの摩擦制動装置18は、少なくとも一つの回転促進部材4に作用する。少なくとも一つのクラッチ108は、変速機6、好ましくは、変速機6における歯車列の遊星キャリア34、例えば、遊星ギヤセットを、車両シャシー15と選択的につなぐ。この例において、クラッチ108は、遊星キャリア34と一体化されたブレーキディスクと、車両シャシー15と一体化されたブレーキキャリパーとを備える。しかし、クラッチ108は、かわりに、あるいは、上記に追加して、ダブルディスククラッチ、および/または、遠心クラッチ、および/または、マニュアルまたは電子制御装置により操作されるクラッチを備えていてもよい。
【0122】
アッセンブリ1の動作時において、例えば、
図9A、
図9B、および
図9Cに示す通り、クラッチ108が、車両シャシー15および変速機6を動作的に切断した場合、回転促進部材4および遊星ギヤセット32は、車両ホイール2によってフィードされ、車両ホイール2とともに回転する。これによって、例えば、車両40が低速で前進する二輪車の場合に適切な、車両40の超安定効果を有するジャイロ推進力が発生する。クラッチ108が、シャシー15および変速機6の遊星キャリア34を互いにつないだ場合、回転促進部材4は、車両ホイール2に対して、好ましくは、高い速度伝達比、例えば、-6よりも小さい速度伝達比で逆回転し、摩擦制動装置18と連動したブレーキディスクとして機能するよう構成される。このようにして、車両ホイール2に対して逆回転する回転促進部材4で発生したジャイロ推進力は、アッセンブリ1を搭載した車両40に対する動揺効果をもたらすよう構成される。例えば、このジャイロ推進力は、高速での前進、および/または、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動するためのブレーキングに適している。クラッチ108は、好ましくは、電子制御装置によって制御されていてもよい。クラッチ108が制動される、つまり、クラッチ108が、シャシー15および変速機6の遊星キャリア34を互いにつなぐと、車両ホイール2に対して、制動効果が発揮されるが、これは、停止させるには適さない。このことは、当業者にとっても明らかであろう。クラッチ108が、制動されると、つまり、シャシー15および変速機6の遊星キャリア34を一体化させると、クラッチ108は、実質、選択的かつ動作的な回転止め装置35として機能する。
【0123】
実施形態によれば、例えば、
図10に示す通り、クラッチ8,108は、第1部分51および第2部分52を備える。第1部分51および第2部分52は、クラッチが、摩擦ばね38によって発生した弾性力を押さえ込むクラッチ作動装置45、例えば、ボーデンケーブルによって作動された際、互いに接触するよう構成される。摩耗材48は、クラッチの第1部分51上に配置されることで、第2部分52の摩擦当接部分49に接触可能となる。さらに、クラッチ8を備える実施形態において、第1部分51および第2部分52の両方にかみ合うギヤを有する、変速機6の遊星ギヤ33が設けられているため、高い比率、例えば、絶対値で8よりも高い比率で、遊星ギヤを使用できる。
【0124】
実施形態によれば、マニュアル作動式制御装置によって、クラッチ8,108を作動できる。換言すれば、アッセンブリ8,108は、少なくとも一つのクラッチ8,108の、少なくとも一つのマニュアル制御・作動システムを備える。例えば、クラッチ8,108は、制御ボタン、および/または、制御レバー、および/または制御ペダルによって、作動する。例えば、クラッチ8,108は、親指での制御で作動できる。
【0125】
実施形態によれば、オートマチック作動式制御装置によって、例えば、アッセンブリ1を搭載した車両40のあらゆる状況を検知して、クラッチ8,108を作動できる。
【0126】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、制御・作動検知システム20をさらに備える。制御・作動検知システム部20は、車両40の状態に関する情報、および車両40の状態における処理情報を検知し、少なくとも一つのクラッチ8,108に、制御信号を自動で送信するよう構成される。制御・作動検知システム部20はまた、制御信号を制動装置18にも送信することができる。
【0127】
実施形態によれば、制御・作動検知システム20は、アッセンブリ1を搭載した車両40の動的パラメータを検知するよう構成された、少なくとも一つの慣性プラットフォームを備える。好ましくは、制御・作動検知システム20の慣性プラットフォームは、一つ以上のジャイロスコープ、および/または、一つ以上の加速度計を備える。例えば、慣性プラットフォームは、路面に対する、車両40のローリング傾斜および/または偏揺れや、限定はされないが、制動および/または静止状態からの立ち上がり時に、車両40やその部品が受ける加速の瞬時量を、実質リアルタイムで検知するよう構成される。好ましくは、「慣性プラットフォーム」という用語は、IMU(慣性測定ユニット)型の検知システムを指し、該検知システムは、好ましくは、一つ以上のMEMS(微小電気機械センサ)を備える。このようにして、制御・作動検知システム20は、クラッチ8,108に、好ましくは、制動装置18にも、慣性プラットフォームによって、実質リアルタイムで検知された情報に基づいた制御信号を送信できる。例えば、慣性プラットフォームは、車両40のパラメータに関する情報を、制御システムのデータ処理部に送信する。パラメータとしては、例えば、あらかじめ設定された基準に対する、相対空間位置、例えば、旋回時の、回転方向車両ホイール2および/またはホイールの瞬時角速度および回転方向や、少なくとも一つの回転促進部材4および/または回転防止システム35の瞬時角速度および回転方向、瞬時転舵角、車両ホイール2および/または少なくとも一つの回転促進部材4および/また回転防止システム35の瞬時角加速度および/または減速、車両40の瞬時角加速度および/または減速、車両40の偏揺れ角が含まれる。また、車両40に関するその他のデータに基づいて、制御信号が制御・作動検知システム20のデータ処理部に送信され、少なくとも一つのクラッチ8,108の作動度合を制御する。このようにして、角速度、可能であれば、少なくとも一つの回転促進部材4の角速度や、回転している場合は、その回転方向を微調整することができる。これにより、例えば、車両40の転舵角、好ましくは、旋回時に転動するよう構成された車両の転舵角に応じて、所望のジャイロ推進力を得ることができ、旋回時、車両40の挙動をより機敏なものにできる。
【0128】
好ましい実施形態によれば、制御・作動検知システム20は、検知装置を備える。該検知装置は、少なくとも一つの回転促進部材4と連動する回転促進部材24の少なくとも一つのホニックホイールと、回転止め装置35と連動する少なくとも一つのホニックホイール24’と、車両ホイール2と連動するホイール22の少なくとも一つのホニックホイールと、少なくとも一つのホニックホイール読取センサと、を備える。ホニックホイール読取センサは、回転促進部材24のホニックホイール、回転防止装置35のホニックホイール24’、およびホイール22ホニックホイールのうち、少なくとも一つ、好ましくは、それら全ての角速度および/または回転方向に関する情報を取得するよう、構成されている。
【0129】
実施形態によれば、こうした制御・作動検知システム20は、例えば、少なくとも一つのプログラマブルロジック制御部(PLC)を備える、少なくとも一つのデータ処理部を備える。少なくとも一つのデータ処理部は、検知装置が検知した情報を処理し、アッセンブリ1へ、好ましくは、少なくとも一つのクラッチ8,108へ、自動的に制御信号を送信するよう構成される。このようにして、制御・作動検知システム20は、少なくとも一つのクラッチ8の前進作動を調整することができ、これにより、少なくとも一つの回転促進部材4および車両ホイール2間を、段階的に接続できる。また、制御・作動検知システム20は、少なくとも一つのクラッチ108の前進作動も調整することができ、回転止め装置35によって、遊星ギヤセット32および車両シャシー15間を段階的に接続できる。実施形態によれば、回転止め装置35および遊星ギヤセット32の遊星キャリア34は、同一装置であってもよい。
【0130】
常用制動作用が終了した場合に、限定する意図はないが、車両が停止状態にある場合に、フライホイール等として機能する少なくとも一つの回転促進部材4が、慣性モーターとして機能し、車両を加速させる。上記のような制御・作動検知システム20が設けられていれば、このようなケースにおいて、特に有利になる。
【0131】
常用制動作用が終了した場合に、限定する意図はないが、車両が停止状態にある場合に、例えば、フライホイールおよび電気機器12の部品の両方として機能する、少なくとも一つの回転促進部材4が、同時に、慣性モーターおよび電気モーターとして機能し、車両を加速させる。上記のような制御・作動検知システム20が設けられていれば、このようなケースにおいて、特に有利になる。
【0132】
車両の加速は、車両40の動力電源と協働する、慣性モーター10、空気圧モーター、および電気モーター12の働きの、任意の組合わせによって、実現され、ホイール2および車両40が加速する。
【0133】
常用制動作用が終了した場合に、限定する意図はないが、車両が逆回転状態にある場合に、フライホイール等として機能する少なくとも一つの回転促進部材4が、慣性モーターとして機能し、車両を加速させる。制御・作動検知システム20と、遊星ギヤセット32および車両シャシー15間を接続・切断するクラッチ108とが設けられていれば、このようなケースにおいて、特に有利になる。
【0134】
実施形態によれば、制御・作動検知システム20は、少なくとも傾角計を有する検知装置を備える。傾角計は、車両40の転舵角に関する情報を取得し、その情報を制御・作動検知システム20のデータ処理部に送信するよう構成され、これにより、少なくとも一つのクラッチ8の作動を調整する。このようにして、角速度、可能であれば、少なくとも一つの回転促進部材4の角速度を微調整することができる。これにより、例えば、車両40の転舵角、好ましくは、旋回時に転動するよう構成された車両の転舵角に応じて、所望のジャイロ推進力を得ることができ、旋回時、車両40の挙動をより機敏なものにできる。
【0135】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、複数の回転促進部材4、例えば、複数のフライホイール4を備える。回転促進部材4は、制御信号により、好ましくは、少なくとも一つのホニックホイール22,24,24’を備える検知装置が検知した処理情報に基づいて、制御・作動検知システム20が送信した制御信号により、順番に制動される。好ましくは、複数のフライホイールに含まれるフライホイールは、互いに連続して接続され、+1以外の比率を送信可能な、少なくとも一つのクラッチおよび/またはさらなる変速機6および/または遠心可変速駆動装置および/またはCVT変速機等が、複数のフライホイールのうち、二つの隣接したフライホイール間に介在する。好ましくは、制御・作動検知システム20は、複数のフライホイールのうち隣接するフライホイール間の少なくとも一つのクラッチに、制御信号を送信する。実施形態によれば、複数のフライホイールのうち、少なくとも一つのフライホイールが、車両ホイール2に連動可能となっている。好ましくは、車両ホイール2は、一体化されているブレーキディスクと連動する。ここで、少なくとも一つのブレーキキャリパーは、ブレーキディスクをまたいで配置される。これにより、少なくとも一つのクラッチ8が、少なくとも一つのフライホイール4を、車両ホイール2から切り離しても、摩擦制動作用が、車両ホイール2に発揮される。実施形態によれば、複数のフライホイールは、偶数個設けられている。複数のフライホイール4のうち、車両ホイール2と連動可能な、少なくとも一つのフライホイールが、他のフライホイールとは逆の方向に回転する。このようにして、少なくとも一つのフライホイールは、複数のフライホイールのうち、他のフライホイールとは逆回転するよう、設けられる。好ましくは、逆回転するフライホイールは、各ジャイロ推進力を補償、好ましくは相殺し、車両40の操縦性が偏重しないよう、他のフライホイールと対を形成する。単一のフライホイール4の大きさおよび/または形状要素、質量および、角速度に働きかけることで、フライホイールが、それぞれ異なる角度特性および速度を有していても、ジャイロ反応を測定できる。実施形態によれば、複数のフライホイールは、偶数個設けられている。複数のフライホイール4のうち、少なくとも一つのフライホイールは、クラッチによって、車両ホイール2と連動することができ、さらなる変速機106によって、他のフライホイールとは逆方向に回転する。変速機106は、ジャイロ推進力を均衡させる役割を有しており、各フライホイール間の比率は、-1またはそれ以外の値であってもよい。このようにして、少なくとも一つのフライホイールは、複数のフライホイールのうち、他のフライホイールとは逆に回転するよう設けられている。好ましくは、逆回転するフライホイールは、各ジャイロ推進力を補償、好ましくは相殺し、車両40の操縦性が偏重しないよう、他のフライホイールと対を形成する。こうしたフライホイールは、車両ホイール2に順次接続でき、同時に、フライホイール対を形成する、二つのフライホイールの間も、クラッチが設けられていないことが好ましいが、接続される。一方、クラッチ8は、好ましくは、フライホイール対間に設けられ、そして、フライホイール間を接続する。例えば、単一のフライホイール4の大きさおよび/または形状要素、質量および、角速度に働きかけることで、フライホイールが、それぞれ異なる角度特性および速度を有していても、ジャイロ反応を測定できる。例えば、このように、フライホイールが車両ホイール2に接続し、フライホイール対をなし、クラッチにつながれている場合で、車両ホイール2の角速度が、そうしたフライホイールの角速度よりも大きい場合、さらなるフライホイール4を回転させることで、車両を減速させることができる。フライホイールが、減速に寄与できないほどの比率が許容する、最大角速度に達した際、または、ホイール2を減速する必要がなくなった際、クラッチを切断する。続いて、加速時または再スタート時、または、例えば、ホイールの角速度が、ホイールに接続可能なフライホイール4の角速度よりも小さい場合、クラッチ8が、段階的につながるため、有利である。これにより、さらなるフライホイール4の回転力を利用でき、ホイール2および車両40を回転させ、さらなる駆動トルクを得ることができる。
【0136】
実施形態によれば、複数のフライホイールは、奇数個設けられていてもよい。複数のフライホイールのうち、少なくとも一つの1次フライホイールは、ブレーキディスクとして機能する少なくとも一つの制動面5を備える。1次フライホイールは、変速機6によって、車両ホイール2に連動可能であり、クラッチによって、複数のフライホイールのうち、さらなるフライホイールと連動可能である。複数のフライホイールのうち、さらなるフライホイールは、互いに対になっており、変速機106によって、互いに逆方向に回転する。ジャイロ推進力の均衡に応じて、変速機106は、-1と同等、あるいは-1以外の値の比率を有していてもよい。好ましくは、各ジャイロ推進力を補償、好ましくは相殺し、車両の操縦性が偏重しないような比率を有する。したがって、複数のフライホイールのうち、さらなるフライホイールは、フライホイール対間の、1次および同時のフライホイールに対し、シーケンシャルトリガを有し、好ましくは、クラッチは、対をなすフライホイール間には、設けられていない。一方、好ましくは、クラッチは、クラッチに接続可能な、連続する対の間に設けられる。好ましくは、奇数個設けられた複数のフライホイールのうち、少なくとも「1次フライホイール」は、均衡されておらず、したがって、車両40の操縦性も偏重している。例えば、少なくとも一つの不均衡フライホイールによって、各フライホイールによって均衡のとれていないジャイロ効果が発生する。これにより、フライホイールに対して逆回転する各車両ホイール、および/または、限定はされないが、モーターのフライホイールおよび/またはエンジン自体の回転部材等、反対方向にジャイロ効果を発生させる車両の部品において、少なくとも部分的に均衡を保つ。複数のフライホイールの大きさおよび/または形状要素、質量、角速度、およびフライホールの個数に働きかけることで、フライホイールが、それぞれ異なる特性、質力、および角速度を有していても、アッセンブリ1を搭載した車両40のジャイロ反応を測定できる。例えば、このように、1次フライホイールに対する、さらなるフライホイールの回転速度が、クラッチ8をつなぐことで、1次フライホイール自体の回転速度よりも小さくなった場合、さらなるフライホイールを、すでに回転動作を行っている1次フライホイールに対して回転させることで、車両を減速できる。フライホイールが、減速に寄与できないほどの最大速度に達した場合、クラッチ8を切り離して、制動装置18を、制動面5を有する1次フライホイール上で作動させ、ホイール2の回転をさらに減速させ、最終的には停止させる。続いて、リスタート工程において、クラッチ8は、有利かつ段階的に1次フライホイールに接続し、さらなるフライホイールの回転力を活用する。これにより、1次フライホイールを回転させ、静止状態にあったホイール2および車両40を回転させる。同様に、さらなるフライホイールから1次フライホイールへの速度が、1次フライホイールの回転速度よりも早くなると、クラッチをつなげて、さらなる駆動トルクを得る。
【0137】
実施形態によれば、複数のフライホイールは奇数個設けられている。複数のフライホイールのうち、車両ホイール2と連動可能な、少なくとも一つのフライホイールは、他のフライホイールに対して、反対の回転方向を有する。このようにして、少なくとも一つのフライホイールは、複数のフライホイールの他のフライホイールに対して、逆回転するよう設けられる。好ましくは、逆回転するフライホイールは、他のフライホイールとともに、対をなし、それにより、各ジャイロ推進力を補償、好ましくは相殺し、車両の操縦性が偏重しないようにする。好ましくは、複数のフライホイールが奇数個設けられている場合、少なくともフライホイールは、均衡されておらず、したがって、車両40の操縦性も偏重している。例えば、少なくとも一つの不均衡なフライホイールは、各フライホイールおよび/またはそれぞれに逆回転する車両ホイールによって均衡されないジャイロ効果を生み出す。複数のフライホイールの大きさおよび/または形状要素、質量、角速度、およびフライホールの個数に働きかけることで、フライホイールが、それぞれ異なる特性、および角速度を有していても、アッセンブリ1を搭載した車両40のジャイロ反応を測定できる。
【0138】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも一つのさらなる変速機を備え、異なるフライホイール対に属する、二つのフライホイール同士を動作的に接続することで、フライホイール対とフライホイール4の別の対と間の機械動力を伝達する。
【0139】
実施形態によれば、制御信号は、マニュアルで作動される。実施形態によれば、複数のフライホイールのうち、少なくとも一つのフライホイールは、運動エネルギー回生装置10と連動する。
【0140】
運転者の指示、または、検知装置20の制御・作動による制動を受けない場合、複数のフライホイールに対するシーケンシャルトリガにより、フライホイールは静止状態となる。これにより、一定であった車両ホイール2の毎分回転数と、そこから減算され、フライホイールによる慣性回転運動エネルギーの形で蓄積されるエネルギー量とが変化する。さらに、フライホイールで発生したジャイロ推進力および回転慣性運動エネルギーの蓄積容量は、調節可能である。好ましくは、フライホイールで蓄積された慣性運動エネルギーは、続いて、車両ホイールに伝達され、車両ホイールを加速させる。および/または、車両40の挙動を偏重し、および/または、少なくとも一つの蓄電池にエネルギーを蓄える。
【0141】
実施形態によれば、複数の回転促進部材4、例えば、複数のフライホイール4は、すべて、同一回転方向に回転する。
【0142】
実施形態によれば、複数の回転促進部材4、例えば、複数のフライホイール4における回転部材4は、それぞれ、各フライホイール回転軸X4周りに回転する。好ましくは、回転軸X4同士は、互いに平行である。実施形態によれば、複数の回転促進部材4、例えば、複数のフライホイール4は、同軸上にある。換言すれば、複数の回転促進部材4、例えば、複数のフライホイール4は、単一回転軸X4、またはその延長線周りに回転する。
【0143】
好ましい実施形態によれば、少なくとも一つの回転促進部材4は、車両ホイール2と同軸上に、つまり、略同心円上に載置される。このようにして、インホイール慣性モーターを構築できる。
【0144】
実施形態によれば、車両ホイール回転軸X2は、ホイール回転軸X2から、あらかじめ設定された半径距離R4だけ離れて配置された回転促進部材X4の回転軸と、平行である。このようにして、回転軸X2,X4と平行な方向において、アッセンブリ1全体の寸法を小さくすることができる。例えば、車両ホイール2が、車両の前車軸におけるホイールである場合、少なくとも一つの回転促進部材4を、例えば、車両ホイール2の後方に配置することができる。例えば、少なくとも一つの回転促進部材4を、車両ホイール2の上部に配置することができる。実施形態によれば、車両ホイール回転軸(X2)は、フライホイール回転軸(X4)と平行であり、フライホイール軸から、所定の距離(R4)をもって配置されている。フライホイール(4)は、車両ホイール(2)の直径と、あらかじめ設定された距離との差よりも小さい直径を有している。この、あらかじめ設定された距離は、車両ホイール(2)の半径方向寸法範囲内の距離である。
【0145】
実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、少なくとも一つの回転促進部材4からなる。このようにして、少なくとも一つの回転促進部材4は、慣性モーターを、少なくとも部分的に形成する。このようにして、車両ホイール2から、少なくとも一つの回転促進部材4へ、本体の慣性エネルギーとして、好ましくは、少なくとも一つの回転フライホイールの慣性エネルギーとして伝達された運動エネルギーを蓄積することができる。実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、巻線および磁石を備え、これにより、電気機器12、例えば、発電機を構成する。このようにして、車両ホイール2から、少なくとも一つの回転促進部材4へ、電気エネルギーとして伝達された運動エネルギーを蓄積することができる。実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、電気機器12、例えば、運動エネルギーを、電気エネルギー、好ましくは、直電流に変換するよう構成されたダイナモを備える。実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、電気機器12で発生した電気エネルギーを蓄積して、充電するよう構成された、少なくとも一つの蓄電池をさらに備える。好ましくは、電気エネルギー蓄電池あるいはバッテリーは、少なくとも一つの回転促進部材4に連動する。例えば、少なくとも一つの回転促進部材4からなる蓄電池は、発生した電気エネルギーの一部、好ましくは、全体を蓄積することができる。
【0146】
実施形態の変形例によれば、電気エネルギー蓄電池やバッテリーが車両に搭載され、電気機器12のその他の部品に電気的に接続される。例えば、車両40に搭載された蓄電池は、発生した電気エネルギーの一部、好ましくは、その全てを蓄積することができる。実施形態によれば、回転促進部材4、例えば、フライホイールによって形成される電気エネルギー蓄電池および電気エネルギー車両40に搭載された蓄電池は、有用となるよう、動作的に相互連携し、協働する。
【0147】
実施形態によれば、蓄電池は、少なくとも一つの回転促進部材4からなる。このようにして、フライホイールは、フライホイールの回転運動エネルギーの形で、および/または、フライホイールバッテリー自体に蓄積された電気エネルギーの形で、運動エネルギーを蓄積する、慣性蓄電池またはフライホイールバッテリーを形成する。実施形態によれば、空気圧式装置は、回転促進部材によって蓄積された運動エネルギーを、圧縮空気の形をとる位置エネルギーに変換する。例えば、こうした蓄電池は、ピストンを偏重する、少なくとも一つの空気ばねおよび/またはダイヤフラムばねを備える。例えば、こうした蓄電池は、膜および/または緩衝器と協働する、加圧流体、例えば、窒素を内包する少なくとも一つのシリンダーを備える。
【0148】
実施形態によれば、蓄電池は、フライホイールからなる。このようにして、フライホイールは、少なくとも一つの回転促進部材4の回転運動エネルギーの形で、および/またはフライホイールバッテリー自体に蓄積された位置エネルギー(加圧流体)の形で、運動エネルギーを蓄積する、慣性蓄電池またはフライホイールバッテリーを形成する。実施形態によれば、空気圧式または油圧式装置、例えば、空気圧モーターが、少なくとも一つの蓄電池に蓄積された加圧流体を、機械エネルギーに変換するよう、構成されている。実施形態によれば、少なくとも一つの蓄電池に蓄積された加圧流体を、運動エネルギー、例えば、フライホイール回転エネルギーに変換するよう構成された空気圧モーター等の空気圧式または油圧式装置、および、運動エネルギーを、位置エネルギー(加圧流体)、好ましくは、圧縮空気に変換するよう構成されたダイナモ等の空気圧式または油圧式装置は、同一の空気圧式または油圧式装置である。そのため、運動エネルギー回生装置10の寸法を小型化できる。
【0149】
実施形態によれば、慣性モーター10および空気圧モーターは、協働し、同時に、車両ホイール2および車両40を加速する。
【0150】
実施形態によれば、慣性モーター10および電気機器は、互いに、さらに、車両40の動力電源装置と同時に協働し、車両ホイール2および車両40に伝達される動力および加速を増加させる。
【0151】
実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、少なくとも一つの蓄電池に入力する動力を制御する装置を備える。好ましくは、蓄電池は、充電中の少なくとも一つの蓄電池で引き起こされた起電反応、換言すれば、蓄電池の充電中の起電反応に、適切に対処する電力パターンを、所定時間間隔で送信するよう構成される。電力制御装置によって、少なくとも一つのバッテリーの充電時間を適正化することができる。電力制御装置によって、充電を可能にし、損失を最小限にするのに適した範囲内で、充電トルク、ひいては、少なくとも一つの回転促進部材4を制動するトルクを制御することができる。したがって、例えば、車両40を緊急停止させる常用制動時、つまり、制動作用時に、全ての運動エネルギーを充電トルクに変換する時間がない場合、電力制御装置は、車両が停止状態にあり、少なくとも一つの回転促進部材4が回転している状況で、蓄電池自体の充電容量に応じた、必要充電トルク量を供給する。車両が静止状態にある間も、電力制御装置によって、充電トルク、ひいては、少なくとも一つ以上の回転部材4を制動するトルクを制御することができる。車両40を加速させる必要があり、少なくとも一つ以上の回転部材4が、まだその回転を停止していない場合、電力制御装置は、停止するまで、ブレーキトルクを調整することができる。これにより、クラッチ8をつないで、残りのフライホイールトルクを有利に活用し、車両ホイール2の回転を直接スタートさせることができる。
【0152】
実施形態によれば、運動エネルギー回生装置10は、少なくとも一つの蓄電池から出力される電力を制御する装置を備える。この出力電力制御装置によって、電気機器12で発生し、車両ホイール2に出力する駆動トルクを制御することができる。
【0153】
そして、蓄電池、好ましくは、フライホイール蓄電池4に蓄積された電気エネルギーは、電気機器12に伝達され、車両ホイール2、例えば、車両40を加速させることが好ましい。
【0154】
実施形態によれば、慣性モーター10および電気機器12は、同時に協働して、車両ホイール2、例えば、車両40を加速する。
【0155】
実施形態によれば、慣性モーター10および電気機器12は、互いに、さらに、車両40の動力電源装置と同時に協働し、車両ホイール2および車両40に伝達される動力および加速を増加させる。
【0156】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、本発明以前から存在する車両に対して、後付け作業が行えるよう、構成される。こうした後付け作業は、本発明以前から存在するホイール部品を、車両40から単に取り除くことを含んでいてもよく、あるいは、さらに専用のインターフェース部品を使用することを含んでいてもよい。こうした後付け作業により、改造前の既存部品を再利用してもよい。限定する意図はないが、
図5Aにおいて、既存のブレーキディスクを、締結要素44によって、回転促進部材4上に設置する。これにより、ホイール2を、可能であれば停止するまで制動する機能と、逆回転フライホイールの機能の両方を果たすことができ、車両40の挙動を機敏なものにできる。
【0157】
実施形態によれば、車両40の変速機6;106が設けられる。変速機6;106は、一つ以上の実施形態に係る変速機6;106を参照して説明した、任意の特徴を備える。
【0158】
好ましくは、変速機6,106は、歯車列、例えば、遊星キャリア34と連動した遊星ギヤ33を備える遊星ギヤセットを備える。
【0159】
好ましくは、変速機6;106は、+1以外の比率を達成する。
【0160】
こうした変速機を設けることで、少なくとも一つの車両ホイール2、車両シャシー15、少なくとも一つの車両シャシー15と連動するフォークまたは揺動アーム等の懸架システム、少なくとも一つのフォーク脚25、少なくとも一つのブレーキキャリパー支持部27、および制動装置18、好ましくは、摩擦制動装置35のうち、少なくとも一つから、遊星キャリア34を形成することができる。
【0161】
好ましくは、変速機6;106は、ラチェットホイール23、つまり、回転運動を一方向にのみ伝達するよう構成されたラチェットホイール23を備える。
【0162】
一般的な実施形態によれば、車両ホイールアッセンブリは、適切な場合に、上述した実施形態のうちいずれか一つに係る、少なくとも一つのアッセンブリ1を備えて設けられる。
【0163】
好ましくは、少なくとも一つの回転促進部材4が、フライホイールとして機能する場合に、ホイールアッセンブリが、インホイールモーターを形成する。このようにして、車両ホイール2の径方向寸法内に、好ましくは、車両ホイール2の容積寸法内に、慣性モーターを完全に収容することができる。
【0164】
実施形態によれば、インホイール慣性モーターは、回転子および固定子を備えるインホイール電気モーターと連動し、駆動パワーを、車両ホイール2に伝える。ここで、電気モーターは、例えば、電気機器12である。
【0165】
このように、ホイール2に対して逆回転するフライホイール4を備える、車両ホイールアッセンブリを設けることで、全体の寸法をコンパクトにできるため、車両ホイール2の全体寸法内に収容されるインホイール慣性モーターを作製することができる。例えば、車両が既にインホイールモーターを備えており、車両ホイール2と一体化されているモーターに、ある程度の重量があり、ジャイロ推進力を増加させるものの、車両40の挙動が機敏ではないとする。この場合、こうしたアッセンブリ1を設けることで、車両ホイール2で発生したジャイロ効果を補償することができ、車両40の挙動をより機敏なものにできる。
【0166】
好ましくは、少なくとも一つの回転促進部材4が制動面5を備えている場合、ホイールアッセンブリがインホイールブレーキを形成する。
【0167】
実施形態によれば、少なくとも一つの回転促進部材4が、フライホイールとして機能し、少なくとも一つの制動面5を備える。これにより、慣性モーター、インホイールブレーキ装置、車両の挙動をより機敏なものとする揺動装置、またはこれらの特徴を組合わせたものが形成される。
【0168】
好ましい実施形態によれば、車両ホイールユニットは、本発明以前から存在する車両に対して、後付け作業が行えるよう、構成される。こうした後付け作業は、本発明以前から存在するホイール部品を、車両40から単に取り除くことを含んでいてもよく、あるいは、さらに専用のインターフェース部品を使用することを含んでいてもよい。
【0169】
好ましい実施形態によれば、少なくとも一つの回転促進部材4が、電気機器12の固定子および回転子のうち、いずれか一方であり、リム本体42が、電気機器12の固定子および回転子のうち、もう一方である。少なくとも一つの回転促進部材4およびリム本体42は、負数の比率を伝達する変速機6によって連動し、つまり、少なくとも一つの回転促進部材4およびリム本体42は、逆回転する。これにより、電気機器12の固定子および回転子の回転から発生した各ジャイロ推進力は、互いに、少なくとも部分的に均衡をとる、好ましくは、互いに相殺し車両40の挙動を機敏なものとする。
【0170】
一般的な実施形態によれば、車両40は、上述した実施形態のいずれか一つに係る少なくとも一つのアッセンブリ1を備えるよう、設けられる。
【0171】
実施形態によれば、例えば、
図2Aに示す通り、車両40は、少なくとも一つの車両ホイール2と少なくとも一つの回転促進部材4とを備える、少なくとも一つのアッセンブリ1を搭載した車両である。少なくとも一つの回転促進部材4は、少なくとも、負数の速度伝達比を発生させる変速機6によって、車両ホイール2と動作的に接続されたブレーキディスクとして機能する。ブレーキキャリパーは、車両40のフォーク25の前方部26に対向するよう配置され、車両ホイール2を、可能であれば停止するまで制動するよう設けられている。このようにして、車両40が前進方向Yに進んでいる場合、車両ホイール2および回転促進部材4間の、車両シャシー15、例えば、フォーク25に対する逆回転による効果で、ブレーキキャリパーのディスク出力側が、フォーク25に対向する。
【0172】
実施形態によれば、車両は、内燃機関や、ハイブリッドエンジン、換言すれば、吸熱エンジンまたは別のタイプの動力電源を有する牽引装置にアシストされる吸熱エンジンを動力とする車両である。このようにして、ここに記載した実施形態のいずれか一つで説明したように、少なくとも一つのフライホイールを備えるアッセンブリ1を設けることで、車両の内燃機関の燃料消費を抑えることができる。
【0173】
実施形態によれば、車両は、電気モーター、またはハイブリッドモーターを動力とする車両である。
【0174】
実施形態によれば、車両は、脚けり自転車、例えば、ペダル式自転車やハイブリッド自転車など、人力による牽引、重力、その他の力を動力とする車両である。自動車両は、例えば、重力、運動エネルギー、空気圧力等の代替エネルギーを動力としてもよい。
【0175】
好ましい実施形態によれば、車両は、搭載車両、例えば、自動二輪車である。好ましくは、二輪車は、高性能自動二輪車、例えば、レース用自動二輪車である。
【0176】
好ましい実施形態によれば、二輪車は、少なくとも一つの前輪ホイールを備える車両前部を備える。車両前部は、車両ホイール1を備える。車両ホイール2は、自動二輪車の前輪ホイールとして機能する。例えば、自動車両の車両前部は、二つの前輪ホイールを隣接して備える。二つの前輪ホイールは、好ましくは、同一回転軸を有する。互いに隣接した二つホイールのうち、いずれか一つ、または両方が、車両ホイール2である。
【0177】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも二つの車両ホイール2を備える。車両ホイール2は、好ましくは、互いに隣接し、少なくとも一つの単一回転促進部材4に連動する。
【0178】
好ましい実施形態によれば、二輪車は、少なくとも一つのリアホイールを備える後輪を備える。後輪は、車両ホイール1を備え、車両ホイール2は、自動二輪車の後輪ホイールとして機能する。
【0179】
一般的な実施形態によれば、上述した実施形態のいずれか一つに係るアッセンブリ1を制御されるよう構成された、上述した実施形態のいずれか一つに係る制御・作動検知システム20が設けられる。
【0180】
少なくとも一つの回転促進部材4、好ましくは、少なくとも一つのフライホイールは、付加マス29と嵌合していてもよく、これにより、少なくとも一つの回転促進部材4の角運動量、ひいては回転イナーシャを調節する。
【0181】
アッセンブリ1は、レーシングカー、好ましくは、ラリーカー等の車や、市販車やトラックといった四輪車の、少なくとも一つのホイール、あるいは全てのホイールに適用可能である。
【0182】
アッセンブリ1は、例えば、レース用の搭載車両における、少なくとも一つのホイール、あるいは全てのホイールに適用可能である。
【0183】
制動方法を、以下に説明する。
【0184】
車両40の制動方法は、少なくとも一つの車両ホイール2を、少なくとも一つの回転促進部材4に、動作的に接続する工程を含む。
【0185】
方法は、車両ホイール2および少なくとも一つの回転促進部材4の両方が、車両40のシャシー15の一部に対して、異なる角速度で回転していることを判定する工程を含む。
【0186】
方法は、車両ホイール2を制動することで、制動作用を回転促進部材4に掛ける工程を含む。
【0187】
可能な操作形態によれば、方法は、回転促進部材4に制動作用を掛けて、車両ホイール2を停止させる工程をさらに含む。
【0188】
可能な操作形態によれば、上述した実施形態のいずれか一つに係るアッセンブリ1を車両に設ける工程がさらに含まれている。
【0189】
運動エネルギー回生方法を以下に説明する。
【0190】
車両ホイール2の運動エネルギー回生方法は、少なくとも一つのフライホイール4を、車両ホイール2に、動作的に接続して、車両ホイール2の運動エネルギーの一部を、少なくとも一つのフライホイール4に伝達する工程を含む。
【0191】
可能な操作形態によれば、方法は、少なくとも一つのフライホイール対を、車両ホイール2に、動作的に接続する工程をさらに含む。
【0192】
可能な操作形態によれば、方法は、車両ホイール2および少なくとも一つのフライホイール4の両方が、車両40のシャシー15の一部に対して、異なる角速度で回転していることを判断する工程をさらに含む。
【0193】
可能な操作形態によれば、動作的に接続する工程には、制御信号を少なくとも一つのクラッチに送信する工程が含まれている。
【0194】
可能な操作形態によれば、上述した実施形態のいずれか一つに係るアッセンブリ1を車両に設ける工程がさらに含まれている。
【0195】
車両の瞬発力を増加させる方法について、以下に説明する。
【0196】
車両の瞬発力を増加させる方法には、以下の工程が含まれている。
【0197】
例えば、慣性および/または空気圧式および/または油圧式および/または電気位置エネルギーの形で、車両ホイール2の運動エネルギーの第1部を蓄積する工程が含まれている。
【0198】
車両ホイール2に蓄積された位置エネルギーの第2部を、車両ホイールを加速するために戻す工程が含まれている。
【0199】
可能な操作形態によれば、上述した実施形態のいずれか一つに係るアッセンブリ1を、車両に設ける工程が含まれており、これにより、蓄積工程および/または戻し工程を実施する。
【0200】
蓄積工程は、少なくとも一つのフライホイール4によって、例えば、車両ホイール2の制動中に、実施される。
【0201】
戻し工程は、少なくとも一つのフライホイール4によって実施される。
【0202】
可能な操作形態によれば、第1部は、第2部以上であるが、好ましくは、第2部より大きい。
【0203】
一般的な実施形態によれば、アッセンブリ1は、車両ホイール軸X2周りに回転するよう構成され、車両用走行面で、少なくとも回転運動を実行するよう構成される少なくとも一つの車両ホイール2と、少なくとも一つの車両ホイール2と動作的に接続可能で、フライホイール軸X4周りに回転するよう構成される少なくとも一つのフライホイール4と、少なくとも一つの変速機6であって、運動エネルギーを、車両ホイール2からフライホイール4に転送するよう構成される変速機6と、を備えて設けられる。動作時、変速機6が、車両ホイール2の逆回転動作をフライホイール4に伝達すると、車両ホイール2およびフライホイール4が、互いに相反する向きに回転する。これにより、二つの相反するジャイロ推進力が発生し、アッセンブリ1に連動可能な車両の挙動が、機敏なものになる。
【0204】
アッセンブリ1は、アッセンブリ1を参照しながら上述した実施形態のうちいずれか一つに記載の任意の特徴を、さらに備えていてもよい。
【0205】
実施形態によれば、変速機6は、運動エネルギーをフライホイール4から車両ホイール2へ伝達するようにも構成される。これにより、動作時において、変速機6はまた、フライホイール4から車両ホイール2に逆回転動作を伝達することができる。
【0206】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、フライホイール4と連動した少なくとも一つのフライホイール制動装置を備え、少なくとも一つのフライホイール制動装置は、フライホイール4に制動作用を掛けて、変速機6によって車両ホイール2を制動するよう構成される。
【0207】
実施形態によれば、少なくとも一つの変速機6;106は、ラチェットホイール機構23や、ラチェットホイールおよび/またはオーバーランニングホイール23等を備え、こうした機構は、一回転方向の回転運動を伝えるよう構成される。
【0208】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、車両ホイール2およびフライホイール4を、選択的かつ動作的に、接続・切断するよう構成された、少なくとも一つのクラッチ8を備える。これにより、フライホイール4を車両ホイール2から切り離す。
【0209】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、少なくとも一つのクラッチ8の、少なくとも一つのマニュアル制御・作動システムをさらに備える。
【0210】
実施形態によれば、アッセンブリ1は、車両状態情報を検知し、車両状態情報を処理し、制御信号を、少なくとも一つのクラッチ8に自動的に送信するよう構成された制御・作動検知システム20をさらに備える。
【0211】
実施形態によれば、車両ホイールアッセンブリは、インホイール慣性モーターを形成する、上述の少なくともアッセンブリ1を備える。
【0212】
実施形態によれば、車両ホイールユニット30は、本発明以前から存在する車両に後付けできるよう構成されている。
【0213】
一般的な実施形態によれば、車両は、上述した実施形態のいずれか一つに係る少なくとも一つのアッセンブリ1を備える。
【0214】
実施形態によれば、車両は、旋回時、傾斜または転動するよう構成されている。
【0215】
実施形態によれば、変速機6は、その少なくとも一部が車両と固結されており、これにより、遊星ギヤセットとして機能する。
【0216】
実施形態によれば、変速機6は、その少なくとも一部が車両と一体化されており、これにより、ディファレンシャルとして機能する。
【0217】
実施形態によれば、上述した実施形態のいずれか一つに係るアッセンブリ1を制御するよう構成され、制御・作動検知システム20が設けられている。制御・作動検知システム20は、少なくとも一つの検知装置と、少なくとも一つのデータ処理部と、を備える。検知装置は、車両状態情報を検知するよう構成され、データ処理部は、検知装置で検知された情報を処理し、制御信号を自動的にアッセンブリ1に送信するよう構成されている。
【0218】
実施形態によれば、少なくとも一つのデータ処理部は、検知装置で検知した情報を処理し、制御信号を、アッセンブリ1の少なくとも一つのクラッチ8に、自動的に送信するよう構成されている。これにより、少なくとも一つのクラッチ8の前進作動を実行され、少なくとも一つのフライホイール4および車両ホイール2が段階的につながる。
【0219】
実施形態によれば、検知装置は、下記のうち、少なくとも一つを備える。
・少なくとも一つの慣性プラットフォーム。アッセンブリ1が連動可能な車両の動的パラメータを検知するよう構成され、好ましくは、一つ以上のジャイロスコープおよび/または一つ以上の加速度計を備える。
・少なくとも一つの傾角計。車両の転舵角に関する情報を取得し、それを制御・作動検知システム20のデータ処理部に送信し、少なくとも一つのクラッチ8の作動を調整するよう構成されている。
・フライホイール4に連動した少なくとも一つのフライホイールホニックホイール24と、車両ホイール2に連動した少なくとも一つのホイールホニックホイール22と、フライホイールホニックホイール24およびホイールホニックホイール22のうち少なくとも一つの、好ましくは両方の角速度を計測するよう構成された、少なくとも一つのホニックホイール読取センサ。これにより、フライホイール4および車両ホイール2間の相対角速度に関する情報を取得する。
【0220】
上述した特徴により、個別に、あるいは組み合わせて適切に設けることによって、上述したニーズに応えることができ、特に上述した利点を得ることができる。
【0221】
ジャイロ効果を有効活用し、好ましくは、車両の挙動をより機敏なものにすることができる。
【0222】
車両が過剰に安定することを防ぐことができる。
【0223】
同時に、ジャイロ効果を有効活用し、好ましくは、車両をより安定させることができる。例えば、ある条件下、例えば、スタートにおいて、車両を転動に適したものにする。
【0224】
車両のさらなる安定を実現できる。
【0225】
車両の燃料消費を抑えることができる。
【0226】
環境への影響を抑えることができる。
【0227】
ホイールと連動する少なくとも一つの回転促進部材を、+1以外の速度伝達比で制動することにより、車両を、可能であれば停止するまで制動することができる。
【0228】
したがって、必ずしも調整可能でなはない速度伝達比を選択することができ、制動性能に対して、所望の効果を得ることができる。
【0229】
車両ホイールと連動する単一回転部材により、車両の挙動をより機敏なものにすることができ、同時に、ブレーキキャリパーの一定のクランプ力で伝達されたブレーキトルクを増加することができる。
【0230】
したがって、ブレーキ装置の軸方向における全体寸法を抑えることができ、つまり、ホイールの回転軸と平行にすることができ、伝達される一定のブレーキトルクを抑えることができる。
【0231】
例えば、自動車両の場合、転動状態において、自動車両の挙動をより機敏なものとし、アッセンブリのジャイロ慣性、ひいては、車両のジャイロ慣性を減少させることができる。同時に、キャリパーの一定のクランプ力とともに、増加したブレーキトルクが伝達される。これにより、自動車両の運転者の疲労を軽減し、より安全な運転ができるようになる。
【0232】
さらに、二輪車フォークのホイールベースを減少させ、伝達されるブレーキトルクが等しくなる。
【0233】
例えば、自動車の場合、線状に旋回する際、アッセンブリのジャイロ慣性を低減し、ホイール、ひいては、車両の横に引っ張られる力を低減しながら、自動車の挙動をより機敏なものにできる。同時に、キャリパーの一定のクランプ力とともに大きなブレーキトルクを伝達することができ、自動車の運転手がよりスムースに運転できるようになり、疲れが軽減され、より安全な運転ができるようになる。
【0234】
同時に、あらかじめ設定された車両速度範囲におさまるような、ブレーキディスクの所望の動作温度を実現できる。これにより、カーボンセラミック製のブレーキディスクを使用することができ、車両が低速走行していても、効率化が図れる。
【0235】
車両ホイールおよび少なくとも一つの制動装置の間の速度伝達比を調節することで、制動力に対するブレーキトルクを設定できる。
【0236】
速度伝達比を選択でき、これにより、所望のブレーキキャリパー構成を得ることができる。例えば、一定のブレーキトルクで伝達されたキャリパークランプ力の増加を必要とすることなく、内径方向RIにおいて、ブレーキキャリパーをホイールハブに近づけることができる。
【0237】
同時に、速度伝達比を選択でき、これにより、所望のブレーキディスク直径を得ることができる。
【0238】
フライホイールを、慣性モーターおよび位置エネルギー蓄電池(加圧流体)として利用することができる。
【0239】
フライホイールを、電気エネルギー電池として利用することができる。
【0240】
摩耗材および少なくとも一つの回転促進部材間(例えば、ブレーキパッドおよびブレーキディスク間)の相対動作を、狙い通りに設定することができる。これにより、例えば、天候条件、路面の湿潤条件に合わせて、あるいは、車両がレース用の場合、車両の設計速度範囲または車両の使用速度範囲内で、制動作用をより適切に発揮できる。
【0241】
摩耗材および少なくとも一つの回転促進部材(例えば、ブレーキパッドおよびブレーキディスク間)間の相対速度を設定することができる。これにより、相対速度が、車両の速度範囲により適したものとなる。
【0242】
いかなる場合においても、歯車やギヤといった変速機の部品が、疲労することなく、安全に使用できる状態にある。
【0243】
同時に、一定のブレーキトルクが伝達されることで、摩耗材の消費を抑えることができる。これは、環境への配慮という観点から、好ましい効果といえる。
【0244】
例えば、変速機、クラッチ、回転促進部材、および転動部材等、一部の部品、好ましくは、全ての部品が、例えば、ホイールスペース内に封入・潤滑される。これは、消費削減および環境への配慮という観点から、好ましい効果といえる。
【0245】
カスタマイズの自由度が高い制動パラメータが保証された、多目的車両制動機構を得ることができる。
【0246】
例えば、鋼や金属といった、鋳造において、リサイクルに適した素材の利用が促進される。これは、環境への配慮という観点から、好ましい効果といえる。同時に、制動パラメータのカスタマイズ自由度を高めることができる。このカスタマイズ自由度は、少なくとも部分的に、電子制御システムを使用することで得られる制動パラメータのカスタマイズ自由度に匹敵する。
【0247】
フライホイールを、慣性モーターおよび慣性蓄電池として使用できる。これにより、車両が静止状態にあっても、電気蓄電池を充電できる。したがって、回生エネルギー量を増加させ、エネルギー消費を減少させることができる。
【0248】
フライホイールを、慣性モーターおよび慣性蓄電池として使用できる。これにより、車両が静止状態にあっても、電気蓄電池を充電でき、通常、フライホイールが、リスタート時に回転している場合は、貯めたエネルギーを、車両のスタートに利用することができる。
【0249】
インホイール慣性モーターを作製することができる。
【0250】
インホイール慣性蓄電池を作製することができる。
【0251】
電気インホイール蓄電池を作製することができる。
【0252】
インホイール車両用の、インホイール蓄電池、インホイールモーター、インホイールブレーキとして機能するのに適したホイールユニットを得ることができる。
【0253】
インホイール電気モーターを作製することができる。回転子および固定子のうち、いずれか一つを回転させることで、逆転ジャイロ推進力を発生させ、車両の挙動をより機敏なものにする。
【0254】
インホイール電気モーターを作製することができる。回転子および固定子のうち、いずれか一つを逆回転させることで、逆転ジャイロ推進力を発生させる。回転子および固定子のうち、いずれか一の回転数が調整できるため、所望のジャイロ均衡を達成し、必須のおよび/または所望の条件によって、車両挙動の機敏性を変化させることができる。
【0255】
インホイールハイブリッドモーター、慣性モーター、電気モーターを作製することができる。ここにおいて、回転子および固定子のうち、いずれか一つが逆回転し、逆転ジャイロ推進力を発生させることで、車両の挙動をより機敏なものにする。
【0256】
インホイールハイブリッドモーター、慣性モーター、電気モーターを作製することができる。回転子および固定子のうち、いずれか一つが反回転し、逆転ジャイロ推進力を発生させる。ここにおいて、回転子および固定子のうち、いずれか一つの回転数が調節できるため、所望のジャイロ均衡を達成し、必須のおよび/または所望の条件によって、車両挙動の機敏性を変化させることができる。
【0257】
インホイールハイブリッドモーターを作製することができる。ここにおいて、慣性モーター、空気圧モーター、および電気モーターのうち、少なくとも二つが同時に協働し、ホイールおよび車両を加速させる。
【0258】
ハイブリッドモーターを作製することができる。ここにおいて、慣性モーター、空気圧モーター、および電気モーターのうち、少なくとも一つが、車両動力電源と協働し、例えば、車両の動力および加速を大幅に増加させることで、ホイールおよび車両を加速させる。
【0259】
負数の速度伝達比を調節して、逆回転運動を得ることができる。これにより、車両に対し、ニュートラルなジャイロ偏重(速度伝達比が-1)を有することができ、車両を動揺または超安定させることができる。
【0260】
ブレーキキャリパーをフォークの前に載置することができる。
【0261】
同時に、ブレーキキャリパーを冷却気流に当てるため、ブレーキキャリパーをフォークの前に載置することで、ブレーキキャリパーの冷却が改善できる。
【0262】
アッセンブリの頑強性および信頼性を損なうことなく、車両のばね下質量を低減できる。
【0263】
既存車両に変更を加えることができる。
【0264】
元来、二つのブレーキ装置を有する単一ホイールが設けられた既存車両の場合、ブレーキトルクを調整することで、既存車両に変更を加えることができる。これにより、一つのブレーキ装置のみを設置することができ、例えば、ばね下質量や、必要とされるメンテナンス頻度を低減できる。
【0265】
言うまでもなく、添付の請求項に記載の特徴を組み合わせたものも、本明細書の不可欠な要素とみなされる。
【0266】
当業者であれば、添付の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、付随的なニーズを満たすため、上述の実施形態に種々の変更・改造を加えてもよく、また、要素を、機能的に同等な他の要素に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0267】
1 アッセンブリ
2 車両ホイール
3 車輪軸
4 回転促進部材
5 制動面
6 変速機
8 クラッチ
10 運動エネルギー回生装置
12 電気機器
12’ 電気機器の第1部分
12’’ 電気機器の第2部分
15 車両シャシー
18 制動装置または摩擦制動装置
20 制御・作動検知システム
22 車両ホニックホイール
23 ラチェットホイールまたはラチェットホイール
24 回転促進部材のホニックホイール
24’ 遊星ギヤセット回転止め装置のホニックホイール
25 二輪車フォーク
26 前方部
27 制動装置支持部
29 付加マスまたはラジアルマス
31 リングギヤ
31’ リングギヤキャリア
32 遊星ギヤセット
33 遊星ギヤ
34 遊星キャリア
35 遊星ギヤセット回転止め装置
36 遊星キャリア補強リング
37 ピニオン
38 クラッチばね
39 進行面
40 車両
41 タイヤ
42 リム本体
43 転動部材
44 締結要素
45 クラッチ作動装置
46 配線
47 摺動接点
48 クラッチ摩耗材
49 クラッチ境界面
51 クラッチ第1部分
52 クラッチ第2部分
106 別の変速機
108 クラッチ
X-X 軸方向
X2 車両ホイール回転軸
X4 回転促進部材回転軸
Y 車両前方方向
R-R 径方向
RI 内径方向
RO 外径方向
R4 所定の半径距離
C-C 接戦方向または周方向
C2 ホイール回転
C4 回転促進部材の回転
【国際調査報告】