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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】シート弁
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20220303BHJP
   F16K 15/02 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
F04B39/10
F16K15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021539849
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2020050280
(87)【国際公開番号】W WO2020144213
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】19150667.4
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592229502
【氏名又は名称】ブルクハルト コンプレッション アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ、ライナー
【テーマコード(参考)】
3H003
3H058
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AC02
3H003CC02
3H003CC06
3H058AA02
3H058BB34
3H058CA04
3H058CD05
3H058CD28
3H058EE13
(57)【要約】
シート弁(10)であって、複数の入口チャネル(94)を有する弁本体(92)と、長手方向(L)に移動可能に配置された複数の閉鎖要素(14)とを備え、各入口チャネル(94)は入口チャネル(94)を開閉するための閉鎖要素(14)に割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、それぞれの閉鎖要素(14)に入口チャネル(94)を閉鎖するように向けられたプレストレス力を付与する閉鎖ばね(15)が割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、閉鎖要素(14)とは別に構成され、入口チャネル(94)が開かれたときに、閉鎖ばね(15)とは独立して、それぞれの閉鎖要素(14)の開放動作を緩やかに制動するブレーキ装置(16)が割り当てられている、シート弁(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート弁(10)であって、複数の入口チャネル(94)を有する弁本体(92)と、長手方向(L)に移動可能に配置された複数の閉鎖要素(14)とを備え、各入口チャネル(94)には、入口チャネル(94)を開閉するための閉鎖要素(14)が割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、それぞれの閉鎖要素(14)に入口チャネル(94)を閉鎖するように向けられたプレストレス力を付与する閉鎖ばね(15)が割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、閉鎖要素(14)とは別に構成され、入口チャネル(94)が開かれたときに、閉鎖ばね(15)とは独立して、それぞれの閉鎖要素(14)の開放動作を緩やかに制動するブレーキ装置(16)が割り当てられている、シート弁(10)において、
ブレーキ装置(16)は、停止面(16c)を含む停止本体(16a)を有しており、停止面(16c)は、入口チャネルが開いたとき、開放動作後に、閉鎖要素(14)を支えることができ、停止本体(16a)は、閉鎖要素(14)の開放方向に移動または降伏あるいはその両方ができるように構成されていることを特徴とする、シート弁(10)。
【請求項2】
前記ブレーキ装置(16)が、ガイド手段(20)によって長手方向(L)に案内され、前記停止本体(16a)が、長手方向(L)に移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のシート弁(10)。
【請求項3】
前記ブレーキ装置(16)が、長手方向(L)に少なくとも部分的に移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシート弁(10)。
【請求項4】
前記ブレーキ装置(16)が、長手方向(L)において少なくとも部分的に降伏するように構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項5】
前記閉鎖要素(14)が、入口チャネル(94)を閉鎖する位置(S)から、前記ブレーキ装置(16)に対して最小距離(L)に沿った開放方向(L)において、長手方向(L)に移動可能であり、前記ブレーキ装置(16)が、入口チャネル(94)を閉鎖する位置(S)から最小距離(L)を移動した後にのみ、前記閉鎖要素(14)を緩やかに制動するように構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項6】
前記閉鎖要素(14)が、前記ガイド手段(20)によって長手方向(L)に沿って移動可能に案内され、前記閉鎖要素(14)が、ガイド内部(32)であって、その内部を前記ガイド手段(20)が該閉鎖要素(14)を長手方向(L)に案内するために延在するガイド内部(32)を有しており、前記ガイド手段(20)がキャッチャー(22)に接続されていることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項7】
前記閉鎖要素(14)が、閉鎖ヘッド(14a)およびガイド部(14b)を含み、閉鎖ヘッド(14a)およびガイド部(14b)が長手方向(L)において続けて配置されており、閉鎖要素(14)が、ガイド部(14b)から、長手方向(L)において前記閉鎖ヘッド(14a)の方向に前記閉鎖要素(14)の内部に延びる前記ガイド内部(32)を有していることを特徴とする、請求項6に記載のシート弁(10)。
【請求項8】
前記ガイド手段(20)がスリーブ状部(20b)を有し、前記ブレーキ装置(16)がスリーブ状部(20b)の凹部(20a)内に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項9】
前記ガイド手段(20)がスリーブ状部(20b)を有し、前記ガイド手段(20)が前記ブレーキ装置(16)の凹部(16k)内に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項10】
前記停止本体(16a)が、キャッチばね(34)、特にらせんばねを介して前記ガイド手段(20)に対して支持されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項11】
前記停止本体(16a)が弾性材料でできているか、または停止面(16c)を弾性的に支持するための弾性部分(16b)を有しており、弾性部分(16b)が好ましくは少なくとも1つの材料の凹部(16e)によって形成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項12】
前記停止本体(16a)が、前記ガイド手段(20)内に嵌合形状に配置されていることを特徴とする、請求項2~11のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項13】
前記ブレーキ装置(16)が、前記ガイド手段(20)を少なくとも部分的に包囲し、前記閉鎖要素(14)が前記ブレーキ装置(16)によって長手方向(L)に案内され、前記ブレーキ装置(16)が前記ガイド手段(20)に対して相対的に移動可能であることを特徴とする、請求項9に記載のシート弁(10)。
【請求項14】
前記停止本体(16a)がスリーブ形状であり、周方向の支持カラー(16i)を有するように形成されており、前記停止面(16c)が支持カラー(16i)上に形成されており、前記停止本体(16a)が、支持カラー(16i)を介してキャッチばね(34)に支持されていることを特徴とする、請求項13に記載のシート弁(10)。
【請求項15】
前記ブレーキ装置(16)のキャッチばね(34)が、前記ガイド手段(20)の受け部(87)、特に環状の円周受け部(87)に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載のシート弁(10)。
【請求項16】
前記キャッチばね(34)が、前記閉鎖要素(14)のガイド内部(32)に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項17】
前記ガイド手段(20)およびブレーキ装置(16)、特に前記停止本体(16a)が、空気通路(46、48、50)を有しており、前記ブレーキ装置(16)の空気通路(46)が前記ガイド手段(20)の空気通路(48)と流体連通しており、空気通路(50)が前記キャッチャー(22)を貫通することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項18】
好ましくは請求項1~17のいずれか一項に記載のシート弁(10)のための閉鎖装置(12)であって、入口チャネル(94)を開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素(14)と、入口チャネル(94)を閉鎖するように向けられた閉鎖要素(14)にプレストレス力を加える閉鎖ばね(15)と、ブレーキ装置(16)であって、閉鎖要素(14)とは別に配置され、入口チャネルが開かれると、閉鎖ばね(15)とは独立して、閉鎖要素(16c)の開放動作を緩やかに制動するブレーキ装置(16)と、を有する閉鎖装置(12)において、
前記ブレーキ装置(16)が停止面(16c)を備えた停止本体(16a)を有しており、停止面(16c)に対して閉鎖要素(14)が、入口チャネルが開かれたとき、開放動作の後で当接することができ、前記停止本体(16a)が、前記閉鎖要素(14)の開放方向に移動可能または降伏可能あるいはその両方ができるように構成されていることを特徴とする、閉鎖装置(12)。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のシート弁または閉鎖装置を備えるピストン圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート弁およびシート弁の閉鎖装置に関する。本発明はまた、そのようなシート弁またはそのような閉鎖装置を備えたピストン圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2は、圧縮機に使用される、ポペット弁とも呼ばれるシート弁を開示している。そのようなシート弁では、それぞれの閉鎖要素は、運ばれる流体により加えられた圧力のために、開放位置と閉鎖位置との間で前後に動かされる。閉鎖要素の開放動作中に、閉鎖要素がそれぞれの弁座から離れた側での開放動作を制限する表面にぶつかる危険性がある。これは、弁の安全な操作を損なう望ましくない摩耗や損傷につながる可能性がある。特許文献2はまた、閉鎖要素に作用する力を低減するための弾性材料で作られたダンパーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4489752号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2549159号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景から、本発明の目的は、より高度な操作信頼性または向上した耐久性で操作できるシート弁を提供することであった。本発明の目的はまた、閉鎖装置とピストン圧縮機を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート弁に関して、上記の目的は、請求項1の主題によって解決されている。本発明による閉鎖装置は、請求項18に記載されている。有利な実施形態は、従属請求項に記載されており、また以下で説明する。
【0006】
本発明によるシート弁は、特にピストン圧縮機で使用するように設計されている。本発明によるシート弁は、好ましくはポペット弁と称される。
本発明によるシート弁は、複数の入口チャネルを有する弁本体を含み、また長手方向に移動可能に配置された複数の閉鎖要素を含んでおり、各入口チャネルには、入口チャネルを開閉するための閉鎖要素が割り当てられ、各閉鎖要素に割り当てられた閉鎖ばねは、入口チャネルを閉鎖するように向けられたプレストレス力でそれぞれの閉鎖要素に作用し、各閉鎖要素には、閉鎖要素とは別に構成されたブレーキ装置が割り当てられており、ブレーキ装置は、入口チャネルが開いたときに、閉鎖ばねとは独立して、各閉鎖要素の開放動作を緩やかに制動する。有利なことに、ブレーキ装置は、入口チャネルが開いたとき、開放動作の後に、閉鎖要素が接触することができる停止面を有する停止本体を有しており、停止本体は、閉鎖要素の開放方向に移動可能および/または降伏可能であるように配置されている。
【0007】
したがって、閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する閉鎖位置の方向に閉鎖ばねによってプレストレス力を与えることができ、その結果、閉鎖要素の開放動作によって入口チャネルが開いたときに、閉鎖ばねのプレストレス力が増加する。開放プロセスの後、閉鎖要素、したがって入口チャネルは自動的に再び閉鎖することができる。
【0008】
入口チャネルが開いたときに、閉鎖位置の方向に閉鎖ばねのプレストレス力が増加しても、ブレーキ装置は、入口チャネルが開いているときに閉鎖要素を段階的に制動することができる。本発明によれば、ブレーキ装置による閉鎖要素の制動は、特に閉鎖要素の急激な動きを制限することなく、緩やかに行われる。このように、移動状態から、ブレーキ装置によって閉止要素をゆっくりと、または好ましくは連続的に制動することにより、閉止要素の損傷または過度の摩耗、あるいは閉止要素の構成要素の停止を回避することができる。
【0009】
本発明によれば、ブレーキ装置は、閉鎖要素とは別個にまたは独立して設けられる。したがって、閉鎖要素は、ブレーキ装置に直接接続することなく配置することができ、その結果、閉鎖要素の質量を低く保つことができ、基本的には、シート弁の良好な応答挙動を確保することができる。特に、閉鎖要素はブレーキ装置とは別に設けられるので、制動方向とは無関係に、少なくとも一定の移動範囲に沿って動かすことも可能である。
【0010】
本発明によるシート弁では、弁本体は、弁座で有利に形成することができ、入口チャネルは、弁座に向かって開くことができる。この場合、入口チャネルを閉鎖するための閉鎖要素は、弁座と接触して弁座を密封することができる。入口チャネルを開くために、閉鎖要素は、弁座から離れる方向に移動し、したがって、弁座から持ち上げることができる。
【0011】
閉鎖要素は、入口チャネルを開閉するために軸方向に移動可能であるように配置することができる。軸方向は、好ましくは、入口チャネルの長手方向軸および/または閉鎖要素の長手方向軸および/またはブレーキ装置の長手方向軸である。
【0012】
シート弁は、複数の入口チャネルおよび複数の閉鎖要素を含み、それぞれの閉鎖要素は、入口チャネルに関連付けられてもよい。したがって、単一のシート弁は、複数の閉鎖弁を装備することができ、各閉鎖弁は、少なくとも1つの入口チャネルおよび入口チャネルに関連する閉鎖要素によって形成される。
【0013】
好ましい実施形態によれば、ブレーキ装置は、モーションダンパーおよび/またはキャッチばねを有する。モーションダンパーまたはキャッチばねを使用して、特に有利な方法で、材料の摩耗のリスクを低減しながら、閉鎖要素の緩やかな制動を実現することができる。この場合、閉鎖装置の運動エネルギーは、モーションダンパーを配置することによって有利に吸収することができ、キャッチばねを配置する場合、それぞれのキャッチばねは、閉鎖要素を制動することによってチャージされ、閉鎖要素を緩めることによって再びディスチャージされ得る。この場合、緩めることで、入口チャネルを閉じる閉鎖位置への閉鎖要素の任意の戻り運動を促進することができる。
【0014】
ブレーキ装置は、好ましくは、ガイド手段によって長手方向に沿って案内され、停止本体は、長手方向に移動可能であるように配置される。
ブレーキ装置は、好ましくは、ばね止めおよび/またはばね緩衝器および/または停止緩衝器として設計することができる。このような設計は費用効果が高く、高度な操作上の安全性を保証する。
【0015】
ブレーキ装置は、減衰特性とばね特性を持つことができ、この目的のために個別の構成要素を提供することができる。単一の構成要素、例えば、変形するとばね弾性および減衰特性の両方を有するゴム材料で作られた構成要素によって、減衰および/またはばね機能を提供することも可能である。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、閉鎖要素は、入口チャネルを閉じる位置から、最小距離に沿って開く方向に、ブレーキ装置の制動効果を受けない。さらに、入口チャネルを閉じる位置から、閉鎖要素は、ブレーキ装置に対して最小距離に沿って開く方向に移動可能であってもよい。したがって、閉鎖要素は、ブレーキ装置の制動作用が働いて閉鎖部材が緩やかに制動される前に、閉鎖部材をわずかな力で閉鎖位置から開放位置に移動させることができる。つまり、低いガス圧でも閉鎖要素を自動的に開くことができるが、急な停止や静止した状態での制動プロセスによって材料が過度に摩耗するリスクはない。
【0017】
したがって、ブレーキ装置は、入口ポートを閉じる位置から、最小距離を移動した後にのみ閉鎖要素を緩やかに制動するように設定することができる。最小距離は、制動が始まるときに入口チャネルが十分に開いているか、または閉鎖要素が弁座から十分に離れているように最小距離を選択することができ、同時に閉鎖要素を開放方向に緩やかに制動するのに十分な制動距離が得られるようにすることができる。このようにして、一方ではシート弁の安全な機能が保証され、他方では、固定された停止面への急な制動または閉鎖要素の強い衝撃のリスクを回避することができる。
【0018】
閉鎖要素をガイド手段によって軸方向に移動可能に案内することで、閉鎖要素の位置のずれや弁座への片側荷重を回避することができる。有利な方法で、閉鎖要素は、閉鎖要素を軸方向に案内するガイド手段が延在する、および/またはブレーキ装置の少なくとも1つの構成要素および/または部分が配置されるガイド内部を有することができる。これにより、ブレーキ装置による高度なガイド安全性または制動安全性を同時に備えた、特に省スペースの構成が実現する。
【0019】
さらなる有利な実施形態によれば、閉鎖要素は、閉鎖ヘッドおよびガイド部分を含むことができ、閉鎖ヘッドおよびガイド部分は、好ましくは、軸方向に沿って続けて配置されており、および/または閉鎖装置がガイド部分から、閉鎖ヘッドの方向において閉鎖要素の内部に軸方向に延びるガイド内部を有する。閉鎖ヘッドとガイド部分に分かれていることで、閉鎖ヘッドは特に良好な閉鎖特性と耐摩耗性を考慮して設計することができ、一方、ガイド部分は信頼性の高いガイド機能を有利に確保することができる。
【0020】
さらに好ましくは、ガイド手段は、ブレーキ装置によって少なくとも部分的に形成することができる。ブレーキ装置は、ガイド手段に結合することもできる。したがって、ブレーキ装置は、ガイド機能を提供するか、またはガイド手段に固定することができる。結果的に、ブレーキ装置の移動または変形の範囲は、ガイド手段によって、またはガイド手段との係合および/または結合によってあらかじめ定めることができる。
【0021】
さらに好ましくは、ブレーキ装置は、特に閉鎖要素を制動するために、ガイド手段に対して少なくとも部分的に移動可能であってもよい。このようにして、ガイド手段またはガイド手段の一部を固定位置に配置し、ブレーキ装置またはブレーキ装置の一部を移動可能に配置することで、閉鎖要素に緩やかな制動効果を与えることができる。特に、ガイド手段は、開放動作中に閉鎖要素を適切に案内することができ、移動可能に配置されたブレーキ装置は、開放動作を緩和するか、または制動式に開放動作を緩和することができる。換言すれば、ブレーキ装置は、閉鎖要素の開放動作によってガイド手段に対して移動することができる。
【0022】
さらに好ましい実施形態によれば、閉鎖要素を制動するためのブレーキ装置の少なくとも1つの部分および/または1つの構成要素は、弾性変形可能であり、特に線形的に弾性変形可能であってもよい。線形的な弾性変形性は、例えば、金属材料またはプラスチックで作ることができるコイルばねで提供することができる。同様に、線形または線形的な弾性変形性は、ゴム材料、例えばエラストマー材料で作られた構成要素によって提供されてもよい。弾性または線形的な弾性変形性を有する構成要素および/または部分は、最小限の設計労力で閉鎖要素を緩やかに制動するための安全な制動効果を提供でき、特に線形的な弾性変形性は、元の変形していない状態をとるための適切な復元力を提供することができる。これは、本発明によるシート弁の連続動作に特に良好な適合性をもたらす。
【0023】
さらなる有利な実施形態によれば、ブレーキ装置は、ガイド手段の凹部内に少なくとも部分的に配置することができ、および/またはガイド手段によって囲むことができる。したがって、ブレーキ装置は、ガイド手段によって一部を囲むことができ、それによって、ブレーキ装置の動作位置を事前に定めることができる。さらに、ブレーキ装置を凹部内に配置することによって、またはブレーキ装置をガイド手段によって囲むことによって、ブレーキ装置、特にブレーキ装置の構成要素またはブレーキ装置の一部の変形挙動に、所望の方法で影響を与えることができる。特に、主にまたは排他的に軸方向に沿った変形を可能にし、ガイド手段を成形することによって軸方向を横切る方向の変形を制限または完全に防止することが可能である。
【0024】
好ましい方法では、ガイド手段は、スリーブ形状であるか、および/またはスリーブ形状の部分を有することができる。スリーブ形状の構成またはスリーブ形状の部分は、さらに円周方向の段部を有することができるので、ガイド手段の外周は、軸方向に沿って異なる部分で異なる寸法を有することができる。例えば、ガイド手段は、ガイド内部の入口領域において、閉鎖ヘッドに隣接するガイド内部の領域よりも大きな外周を有することができる。したがって、閉鎖ヘッドまたは閉鎖ヘッドに隣接するガイド部分の領域は、特に安定するように設計することができ、これにより、閉鎖要素の耐摩耗性を向上させることができる。
【0025】
さらに好ましい実施形態によれば、ガイド手段は、ブレーキ装置の凹部内に少なくとも部分的に配置することができ、および/またはブレーキ装置によって囲むことができる。そのような実施形態では、ブレーキ装置はまた、閉鎖要素を案内するために有利な方法で使用することができる。この場合、ガイド手段は、ブレーキ装置を直接案内し、ブレーキ装置を介して閉鎖要素にガイド機能を間接的に提供することができる。
【0026】
さらに好ましい実施形態によれば、ガイド手段を、キャッチャーに固定および/または支持することができ、特に、波形ばね、コイルスばねによって、および/または減衰板によって、ばね荷重および/または、減衰および/またはばね弾性的に支持することができる。同様に、ブレーキ装置をガイド手段上でばね弾性的に支持することができる。そのようなキャッチャーは、弁本体に対して固定するか、または固定された所定の距離に配置することができる。したがって、ガイド手段をキャッチャーに固定および/または支持することにより、弁本体に対するガイド手段の位置を適切に定めることができ、閉鎖要素を移動するための適切なガイド機能も確保することができる。弾性および/または減衰支持またはキャッチャーへの取り付けによって、ガイド手段は、閉鎖要素の制動動作をさらに有利にするか、または閉鎖要素の急なまたは突然の動作制限のリスクをさらに低減することができる。
【0027】
好ましくは、ブレーキ装置はまた、入口チャネルが開放されたとき、開放動作後に閉鎖要素が接触することができる停止面を有する停止本体を有することができる。停止面および/または停止本体は、特に閉鎖要素の開放方向に移動可能および/または降伏可能であるように配置することができる。
【0028】
閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する位置から開放方向に移動することができ、最小距離を進んだ後に停止本体の停止面と接触することもできる。閉鎖要素のさらなる開放動作中に、停止本体または停止面が閉鎖要素と一緒に移動するので、閉鎖要素の急な制動を防ぐことができる。したがって、停止面と接触すると、閉鎖要素は減速されるが、停止本体および/または停止面の移動可能または降伏可能な配置は、閉鎖要素の完全なまたは時間的な減速を徐々にもたらすだけである。
【0029】
さらなる実施形態によれば、停止本体は、特にコイルばねとして設計することができるキャッチばねによって、ガイド手段に対して、およびキャッチャーに対して支持される。コイルばねは、比較的長い制動距離を可能にし、したがって、減速度の比較的ゆっくりとした増加を可能にし、これは、材料に対して特に緩やかである。
【0030】
停止本体は、弾性材料でできていてもよく、および/または停止面を弾性的に支持するための弾性部分を有することも可能である。この場合、弾性部分は、例えば、少なくとも1つの材料のくぼみおよび/または材料の中断によって形成することができる。このようにして、別個のばね要素なしで制動機能を提供することができ、全体的に堅牢で費用効果の高い構造となる。
【0031】
さらに好ましい実施形態によれば、停止本体は、閉鎖要素の閉鎖方向において、ガイド手段に形状に適合するように支持および/または保持される。さらに、停止本体および/または停止面の閉鎖方向または閉鎖要素の閉鎖方向への動きは、ガイド手段との形状適合係合によって制限することができる。したがって、停止本体または停止面は、開放動作の際に閉鎖要素が徐々に減速する間、ガイド手段に支持されることで、規定されたコンプライアンスを有することができる。同時に、停止本体または停止面の閉鎖方向または閉鎖要素の閉鎖方向への動きを制限することで、閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する位置に到達する前に、停止本体または停止面から再び離脱することができる。したがって、入口チャネルを閉じる閉鎖要素の位置で、停止本体または停止面との間の最小距離を維持することができる。
【0032】
さらに好ましい態様では、スナップリングが停止本体とガイド手段との間に配置される。同様に、停止本体の外周には、ガイド手段の凹部に係合する、および/またはガイド手段のカラー部の後方に係合する突起を形成することができる。同様に、停止本体の外周に凹部を形成することが可能であり、この凹部に、ガイド手段の突起が係合し、特にガイド手段の内周に形成された突起が係合する。
【0033】
最後に、好ましい実施形態によれば、カラー部は、ガイド手段のヘッド部分の後方に係合するように、停止本体の内周に形成されてもよい。さらに、停止本体の後方に係合するガイド手段の外周にカラー部を形成することができる。
【0034】
そのような設計は、停止本体とガイド手段との間の相対的な動きを有利に規定または制限することができる。例えば、スナップリングは、ガイド手段の内周溝内に配置することができ、それにより、所定の位置に固定することができる。同時に、スナップリングは、停止本体の外周溝に係合することができるが、外周溝は、ガイド手段の内周溝よりも軸方向に沿ってより大きな延長部を有する。したがって、スナップリングは、停止本体のそれぞれの外周溝の終了位置に到達するまで、停止本体の移動を可能にする。
【0035】
シート弁のさらなる実施形態によれば、停止本体は、スリーブ形状であってもよく、および/または円周方向に段差があり、および/または円周方向に支持カラーを有してもよい。好ましくは、停止面は、段差または支持カラー上に形成され、および/または停止本体は、支持カラーを介してキャッチばね上で支持される。そのようなスリーブ形状の停止本体は、特に安価に製造することができ、閉鎖要素のガイド内部に安全に配置することができる。ガイド内部へのスリーブ形状の停止本体の誘導を安全に行うことができ、シート弁の高度な機能を保証する。キャッチばねの支持カラーを介して停止本体を支持することで、力の分散が良好になり、閉鎖要素によるキャッチばねの直接接触を回避できるため、低い表面圧力に対して好ましい効果を有する。
【0036】
さらなる有利な実施形態によれば、ブレーキ装置のキャッチばねは、ガイド手段の受け部、特に環状の円周受け部に配置される。ブレーキ装置のキャッチばねは、減衰要素に取り付けることができる。したがって、減衰要素は、同様に、ガイド手段の環状に回転する受け部に配置することができ、好ましくは、軸方向に閉鎖要素から離れたキャッチばね側に配置することができる。さらに、キャッチばねは、閉鎖要素に軸方向に隣接して、および/または閉鎖要素のガイド内部の完全に外側に配置することができる。したがって、キャッチばねは、ガイド内部の寸法とは無関係に、特にガイド内部の直径よりも大きい直径で形成することができる。これにより、キャッチばねの安定性が比較的高くなる。しかしながら、キャッチばねを、閉鎖要素のガイド内部の少なくとも一部に配置することも可能であり、これは、特に省スペースで行うことができ、同時に、閉鎖部材を制動するための変形時にキャッチばねを案内することができる。
【0037】
シート弁のさらなる実施形態によれば、ガイド手段および/またはブレーキ装置、特に停止本体は、好ましくは、閉鎖要素の開閉動作中にガイド内部を換気および/または排気するための空気通路を有することができる。同様に、空気通路をキャッチャーを通して提供してもよい。空気通路のそのような構成は、閉鎖要素のガイド内部の圧力変化にほとんど、または全く影響されずに開閉動作を行うことができる。過度の過圧または不十分な不足圧によって、閉鎖要素の望ましい動きが損なわれることはない。
【0038】
閉鎖要素の接触によって、および/または停止本体とガイド手段との間の相対的な動きによって、停止本体の空気通路を閉鎖および/または開放することができる場合にも有利である。このように空気通路を開閉することにより、閉鎖要素のガイド内部の一般的な圧力条件に目標とする影響を与えることができ、閉鎖要素の動きに所望の方法で影響を与えることができる。
【0039】
本発明のさらなる態様は、特にピストン圧縮機の上流に設置されるシート弁であって、入口チャネルを有する弁本体と、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素と、入口チャネルを閉鎖するように向けられた付勢力を閉鎖要素に加える閉鎖ばねと、入口チャネルが開放されたときに閉鎖要素の開放動作を減衰させるために配置された運動ダンパーを有するブレーキ装置と、を備えたシート弁に関する。本発明によるシート弁に関する上記の説明は、本発明のさらなる態様によるシート弁にも同様に適用される。
【0040】
本発明のさらに別の態様は、好ましくは先に述べたシート弁用の閉鎖装置であって、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素と、入口チャネルを閉鎖するように向けられた付勢力を閉鎖要素に加える閉鎖ばねと、ブレーキ装置であって、閉鎖要素とは独立して配置され、入口チャネルが開かれると、閉鎖ばねとは無関係に、閉鎖要素の開放動作を緩やかに制動するブレーキ装置と、を有する閉鎖装置に関する。
【0041】
本発明のさらに別の態様は、好ましくは上記のシート弁用の閉鎖装置であって、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素と、入口チャネルを閉鎖するように向けられた付勢力を閉鎖要素に加える閉鎖ばねと、入口チャネルが開かれると、閉鎖要素の開放動作を減衰させるように配置された運動ダンパーを有するブレーキ装置と、を有する閉鎖装置に関する。
【0042】
最後に、本発明はまた、上記のシート弁および/または上記の閉鎖装置を備えたピストン圧縮機に関する。
本発明によるシート弁の可能な設計または異なる態様に関する上記の説明は、本発明による閉鎖装置、または本発明によるピストン圧縮機にも適用される。
【0043】
本発明は、有利な実施形態および添付の図面を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明のシート弁の閉鎖装置の第1の実施形態を示す斜視縦断面図である。
図2】ブレーキ装置のない図1に示す閉鎖装置である。
図3図1の閉鎖装置のブレーキ装置である。
図4】本発明のシート弁を示す斜視断面図である。
図5】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図6】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図7】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図8】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図9】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図10】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図11】本発明のシート弁の閉鎖要素のさらなる実施形態を示す斜視縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
同一部品は、図面において同じ参照符号が付けられている。
図4は、本発明によるシート弁10の実施形態の斜視断面図を示している。図1は、例えば、図4に示されるシート弁10に適した閉鎖装置12の第1の実施形態の斜視縦断面図を示している。このようなシート弁は、特にピストン圧縮機で使用するために設計されている。シート弁10は、複数の入口チャネルを備えた、図1には示されていない弁本体を含み、また、複数の閉鎖装置12を含む。図2は、ブレーキ装置16のない図1に示される閉鎖装置を示している。図3は、図1に示す閉鎖装置12のブレーキ装置16を示している。
【0046】
閉鎖装置12は、入口チャネルを開閉するために長手方向Lに移動可能に配置された閉鎖要素14と、入口チャネルを閉鎖するように向けられたプレストレス力で閉鎖要素14に作用する閉鎖ばね15とを有する。さらに、閉鎖装置12はブレーキ装置16を有しており、ブレーキ装置16は、閉鎖要素14とは別個にまたは独立して設けられ、閉鎖要素14がブレーキ装置16と接触するとすぐに、入口チャネルが開くと閉鎖ばね15とは独立して、閉鎖要素14の開放動作を緩やかに制動する。閉鎖要素14がブレーキ装置16から別個にまたは独立して配置されているため、閉鎖要素14とブレーキ装置16との間には直接的な接続はない。
【0047】
図1に示す位置では、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16から離間した位置にあるので、閉鎖要素14は、図示されていない弁本体の弁座と接触して配置することができる。この位置から、閉鎖要素14を弁本体の弁座から離して、入口チャネルを開くか、または弁本体の弁座を持ち上げて、ブレーキ装置16の方に移動させることができる。したがって、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16に対して、長手方向軸Lに沿って軸方向に移動することができる。よって、開放動作は、図1において下向きに発生する。
【0048】
閉鎖要素14を移動可能に案内するためのガイド手段20も設けられている。ガイド手段20は、例えば、図4に示すキャッチャー22に支持または固定することができる。キャッチャー22は、図示されていない弁本体に対して位置決め固定されてもよいし、所定の距離を保って配置されてもよい。キャッチャー22上でガイド手段20を支持するために、ガイド手段20は、支持部24を有していてもよい。支持部24は、キャッチャー22におけるガイド手段20の取付部21の挿入深さを制限するカラー状の突起であってもよい。支持部24には、閉鎖ばね15を支持するための軸受座26が設けられていてもよい。したがって、閉鎖ばね15は、閉鎖要素14と軸受座26との間で作用することができる。
【0049】
閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを有し、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bは、軸方向Lに沿って続けて配置されており、閉鎖要素14は好ましくは一体で構成されている。閉鎖要素14はさらに、ガイド部14bから、軸方向Lにおいて閉鎖要素14の内部を閉鎖ヘッド14aに向かって延びるガイド内部空間32を有する。ガイド内部空間32は、ガイド手段20またはブレーキ装置16を受け入れる役割を果たす。ブレーキ装置16および/またはガイド手段20の少なくとも1つの構成要素または部分は、ガイド内部空間32内に受容されてもよい。
【0050】
図1による実施形態では、ブレーキ装置16は、停止本体16aおよびばね弾性部分16bを含み、ばね弾性部分16bは、ガイド手段20の軸受面20c上に載る軸受面16dを有する。これにより、停止本体15aが軸方向Lに沿ってバネ弾性支持される。停止本体16aには、入口チャネルを開放するための開放動作時に閉鎖要素14が接触可能な停止面16cが形成されている。特に、閉鎖要素14は、ガイド内部32の端面14cを介して停止面16cと接触することができる。停止本体16aまたは停止本体16a上に形成された停止面16cは、特に部分16bがばね弾性特性を有するために、軸方向Lに沿って移動可能または降伏可能であるように構成されている。
【0051】
また、図1に示すように、ブレーキ装置16はガイド手段20により長手方向Lに案内されることで、停止本体16aが長手方向Lに移動可能に配置される。ブレーキ装置16は、長手方向Lに移動可能に構成されており、ガイド手段20の軸受面20c上に載置される軸受面16dを有していることから、この端部においてブレーキ装置16が長手方向Lに移動可能になるように配置されていない。ブレーキ装置16は、弾性部分16bを有しており、長手方向Lの弾性部分16bに沿って降伏できるように設計されている。したがって、停止本体16aは、軸方向Lに沿って移動可能であり、弾性部分16bおよび支持面16dを介して支持面20cに対して弾性的に支持されるように構成されている。
【0052】
図1に示すように、弾性部分16bおよび停止本体16aの一部が、ガイド手段20内に少なくとも部分的に配置または収容されている。支持面20cを弾性部分16bが支持されるガイド手段20内に設けることができる。
【0053】
さらに、ガイド手段20は、内周凹部33を有する。また、停止本体16aは、突出したカラー16fと突出したノーズ16gとを有する。これらの要素33、16f、16gは、特に閉鎖要素14の方向での停止本体16aの動きが制限されるように連動する。したがって、図1に示す初期位置では、停止面16cと閉鎖要素14の反対側に配置された端面14cとの間に最小距離を維持することができる。よって、閉鎖要素14の開放動作の間、閉鎖要素14がガイド内部32でその端面14cを介して停止本体16aの停止面16cに対して静止するまで、初期には制動効果がない。さらなる開放動作の際には、停止本体16aを閉鎖要素14と共に軸方向Lに沿って開方向に移動させ、その過程で弾性部分16bを圧縮させる。弾性部分16bの圧縮により、閉鎖要素14が緩やかに制動される。特に、端面14cが停止面16cと接触した後、弾性部16bを圧縮することによって、固定された停止部に対する閉鎖要素14の急激な制動または急激な打撃、およびここで問題となる構成要素、特に閉鎖要素14の摩耗を回避することができる。
【0054】
閉鎖要素14の開放方向の終了位置に達した後、閉鎖要素14は再び閉鎖方向(図1では上方向)に移動する。閉鎖方向へのこの動きは、閉鎖ばね15と弾性部分16bの弛緩とによっても支持され、これにより、閉鎖要素14の閉鎖方向への動きは、限られた距離にわたって、特に、図1に示すように、停止本体16aの上端位置に達するまで、弾性部分16bの弛緩によってのみ支持することができる。
【0055】
停止本体16aは、金属材料で作られていても、プラスチック材料で作られていてもよい。プラスチック材料の場合、停止本体16aが減衰性を有していてもよい。特に、停止本体は、エラストマー材料などで作ることができることから、閉鎖要素14の開放動作を適切に減衰させ、それにより、摩耗の少ない、特に好ましい態様で緩やかな制動を可能にする。
【0056】
図1および図3にさらに示すように、停止本体16aには空気通路46が設けられており、ガイド手段20にも空気通路48が設けられている。個々の構成要素の空気通路は、互いに流体連通していてもよい。この点に関して、ガイド手段の空気通路48は、キャッチャー22を貫通することができる。空気通路の配置により、ガイド手段20およびブレーキ装置16の内部の換気および/または通気を、閉鎖要素14の開閉動作中に確保することができる。
【0057】
図4は、図1に示す閉鎖装置12を備えるシート弁10の斜視断面図である。図4に示すシート弁10は、複数の入口チャネル94が形成されるとともに、複数の閉鎖要素14を備えた弁本体92を備え、各閉鎖要素14は、入口チャネル94の1つに関連付けられている。閉鎖要素14は、開いた状態で示されている。
【0058】
図4に示すシート弁10は、複数の閉鎖弁を有しており、各閉鎖弁は、少なくとも1つの入口チャネル94およびそれぞれの関連する閉鎖要素14によって形成することができる。好ましくは、図4に示すように、ブレーキ装置16は、各閉鎖要素14に設けられる。それぞれのブレーキ装置16は、例えば、図1~3に示す実施形態、または図5~11に示す実施形態の1つに従って形成されてもよい。したがって、図4の各閉鎖弁は、シート弁10について、図1~3および図5~11に示す実施形態に従って形成することができる。
【0059】
図4にさらに示すように、各入口チャネル94は、弁座96に開口し、ここで、各弁座96は、閉鎖要素14によって閉鎖することができる。各閉鎖要素14は、弁座96に関連付けられ、ここで、閉鎖要素14はそれぞれ、軸方向Lにおいて関連する弁座96の反対側に配置されており、閉鎖要素14は、弁座96およびそれぞれの入口チャネル94を開閉することができるように、軸方向Lに変位可能である。
【0060】
さらに、図4によるシート弁10は、キャッチャー22と、軸方向Lに延び、キャッチャー22に取り付けられた、閉鎖要素14用のガイド手段20とを有する。さらに、閉鎖ばね15が、弁座96または弁本体92に向けられた閉鎖要素14にプレストレス力を及ぼすために設けられる。閉鎖要素14は、ポペットまたはバルブコーンとも呼ばれる。
【0061】
図4によれば、キャッチャー22は、好ましくは軸方向Lに対して垂直に延びる保持構造23を備え、ガイド手段20は、軸方向Lに延び、保持構造23に配置され、そこでガイド手段および閉鎖要素14は、軸方向Lに移動可能または直線的に移動可能となるように、および好ましくは摺動するように配置される。図に示す実施形態の例では、ガイド手段20は中空円筒形に設計されているが、図1~3および図5~11に示す実施形態の例に従って設計することもできる。
【0062】
図4に示す実施形態の例では、閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを含み、閉鎖要素14は、同心円状に設計されており、対称軸に沿ってボアを有し、このボアは、ガイド手段20と平面軸受を形成し、ガイド手段20が閉鎖要素14に対して内側ガイド部を形成する。したがって、ボアはガイド内部32を形成することができる。
【0063】
閉鎖ヘッド14aは、有利には平坦な設計の支持部14dをさらに備える。閉鎖ばね15は、第1のばね端15aおよび第2のばね端15bを含み、弁座96に向かって作用する閉鎖要素14にプレストレス力を及ぼすために、第1のばね端15aが支持体14dに当接し、第2のばね端15bが支持部24に当接する。閉鎖ばね15は内部15cを有する。閉鎖ばね15は、ガイド手段20および閉鎖要素14を部分区間100に沿って軸方向Lに外側から囲み、その結果、ガイド手段20および閉鎖要素14の両方が、この部分区分100に沿って閉鎖ばね15の内部空間15cに配置される。閉鎖ばね15は、弁座96に向かう軸方向Lに直径が大きくなり、閉鎖ばね15は、好ましい実施形態では円錐状に広がる。有利には、閉鎖ばね15は、支持部14dでのみ閉鎖要素14に接触するように設計されている。拡径の閉鎖ばね15には、第2のばね端15bが第1のばね端15aよりも小さい直径または小さい接触面を有しており、その結果、流体Fが通過するキャッチャー22の領域において、より大きな構成要素のない中間空間ができるという利点がある。図4は、隣り合って配置された2つの弁の流体の流れF、Fの例を示している。
【0064】
流体の流れF、Fは、例えば図示のように、流体の流れF、Fがキャッチャー22に向かって流れるように、閉鎖要素14の端面によって軸方向Lに対して横方向に偏向される。交差する流体の流れF、Fは、特に隣接する閉鎖要素14またはその閉鎖ばね15の一部の周りを流れる。これらの流体の流れF、Fをできる限り妨げないためには、構成要素のない中間空間、特にキャッチャー22に向かって広がる構成要素のない中間空間が有利である。キャッチャー22に向かって先細になる閉鎖要素14は特に有利である。閉鎖ばね15の配置はまた、流体の流れF、Fにわずかな、好ましくは無視できる程度の影響しか及ぼさないので、特に有利である。
【0065】
図4のシート弁のさらに有利な実施形態によれば、座板97が設けられており、座板97は、閉鎖要素14の閉鎖ヘッド14aがこれに当接し、それによってそれぞれの入口チャネル94を閉じるように配置される。したがって、弁座96は、座板97内に、または座板97の一部によって形成される。弁座96または作用する閉鎖ヘッド14aにより、座板97は摩耗部品であり、簡単な方法で有利に交換することができる。別の可能な実施形態では、閉鎖ヘッド14aが弁体92に直接当接して、弁座96が弁本体92の一部となるように、座板97を省略することができる。
【0066】
さらなる実施形態では、シート弁10はまた、単一の入口チャネル94と、閉鎖ばね15を備えた単一の閉鎖要素14とだけを含むように設計することができる。したがって、図4に記載されているすべての詳細は、図1~3および図5~11による実施形態に移行することができるか、またはこの点に関して記載されている実施形態と組み合わせることができる。
【0067】
図5は、本発明によるさらなる閉鎖装置12の縦断面図を示す。閉鎖装置12は、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素14と、入口チャネルを閉鎖するように閉鎖要素14にプレストレス力を加える閉鎖ばね15とを有する。さらに、閉鎖装置12はブレーキ装置16を有しており、ブレーキ装置16は、閉鎖要素14とは別個にまたは独立して設けられ、入口チャネルが開放されたときに閉鎖要素14の開放方向Lへの開放動作を、閉鎖ばね15とは独立して緩やかに制動する。閉鎖要素14がブレーキ装置16から別個にまたは独立して配置されているため、閉鎖要素14とブレーキ装置16とは直接に接続されていない。
【0068】
図5による位置では、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16から離間した位置にあり、好ましくは入口チャネルを閉鎖する位置Sにあるので、図示されていない弁本体の弁座と接触して配置することができる。この位置から、閉鎖要素14を弁本体の弁座から離して、入口チャネルを開くか、または持ち上げて、ブレーキ装置16に向かって移動させることができる。したがって、閉鎖要素14は、端面14cが停止面16cに接触する前に、ブレーキ装置16に対して、長手方向軸Lに沿って軸方向に最小距離Lを移動することができる。よって、図5の下向きの方向に沿って開く動作が生じる。
【0069】
閉鎖要素14を移動可能に案内するためのガイド手段20をさらに備えている。ガイド手段20は、スリーブ形状の部分20bを有することができ、ブレーキ装置16は、少なくともスリーブ形状の部分20bの凹部20a内の部分に配置される。ガイド手段20は、キャッチャー22上に支持または固定されてもよい。キャッチャー22は、図示されていない弁本体に対して固定して配置されてもよく、または固定された所定の距離に配置されてもよい。キャッチャー22上でガイド手段20を支持するために、ガイド手段20は、支持部24を有することができる。支持部24は、キャッチャー22内のガイド手段20の挿入深さを制限するカラー状の突起であってもよい。支持部24には、閉鎖ばね15を支持するための軸受座26が設けられていてもよい。したがって、閉鎖ばね15は、閉鎖要素14と軸受座26との間で作用することができる。
【0070】
閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを有し、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bは、軸方向Lに沿って続けて配置される。閉鎖要素14はさらに、ガイド部14bから、軸方向Lに延びる内部空間32を、閉鎖要素14の内部に閉鎖ヘッド14aに向かって有する。ガイド内部空間32は、ガイド手段20またはブレーキ装置16を受け入れる役割を果たす。ブレーキ装置16および/またはガイド手段20の少なくとも1つの構成要素または部分は、ガイド内部空間32内に受容されてもよい。
【0071】
図5に示す実施形態では、ブレーキ装置16は、軸方向Lに沿って停止本体16aを弾性的に支持するキャッチばね34を有する。停止本体16aは、停止面16cを有する。停止面16cは、停止本体16a上に形成され、停止面16cに対して、入口チャネルを開くための開放動作中に閉鎖要素14が接触することができる。特に、閉鎖要素14は、ガイド内部32の端面14cを介して停止面16cと接触することができる。停止本体16aまたは停止本体16a上に形成された停止面16cは、特にキャッチばね34によるばね弾性支持のために、軸方向Lに沿って移動可能または順応するように配置されている。キャッチばね34は、特にうず巻きばね等として設計することができる。
【0072】
図5に示すように、キャッチばね34および停止本体16aの一部が、ガイド手段20内に配置または収容されている。ばね受け部35は、ガイド手段20内に設けることができ、そこでは、キャッチばね34および停止本体16aの一部も受け入れられる。ばね受け部35は、ポット形状であり、ガイド手段20とは別の構成要素として設計することができる。キャッチばね34および停止本体16aは、ガイド手段20内および/またはばね受け部35内で軸方向Lに沿って案内される。
【0073】
さらに、スナップリング42はガイド手段20と停止本体16aとの間に配置され、それによって、停止本体16aの、特に閉鎖要素14の方向における動きが制限される。したがって、図5に示す初期位置では、停止面16cと閉鎖要素14の反対側に配置された端面14cとの間に最小距離を維持することができる。よって、閉鎖要素14の開放動作の間、閉鎖要素14がガイド内部32にある端面14cを介して停止本体16aの停止面16cと接触するまで、初期の制動作用はない。さらなる開放動作時には、停止本体16aは、閉鎖要素14と共に軸方向Lに沿って開放方向に移動して、その課程でキャッチばね34が圧縮される。キャッチばね34の圧縮によって、閉鎖要素14の緩やかな制動が起こる。特に、ここで問題となる構成要素、特に閉鎖要素14の固定された停止および摩耗に対する閉鎖要素14の急な制動または急な打撃を回避することができる。
【0074】
閉鎖要素14の開放方向の終了位置に達した後、閉鎖要素14は再び閉鎖方向(図1では上向き)に移動する。この閉鎖動作は、閉鎖ばね15によって、またキャッチばね34の弛緩によっても支持され、それにより、閉鎖要素14の閉鎖動作は、限られた距離にわたって、特に図5に示すように、停止本体16aの上端位置に到達するまで、キャッチばね34の弛緩によってのみ支持され得る。
【0075】
停止本体16aは、金属材料で作られていても、プラスチック材料で作られていてもよい。プラスチック材料の場合、停止本体16aが減衰特性を有することができる。特に、停止本体は、エラストマー材料などで作ることができることから、閉鎖要素14の開放動作を適切に減衰させ、それにより、摩耗の少ない、特に好ましい態様で緩やかな制動を可能にする。さらに、ブレーキ装置16の減衰特性は、キャッチばね34と停止本体116aとの間、またはキャッチばね34とガイド手段20との間にも、減衰要素または運動ダンパーを設けることによって達成することができる。例えば、キャッチばね34は、ガイド手段20の内側に配置された減衰要素に取り付けることができる。そのようなモーションダンパーは、例えば、キャッチばね34を支持するためのガイド手段20内に減衰板44として配置することができる。減衰板44は、ばね受け部35の一部として、またはばね受け部35と一体に形成することができる。特に、減衰板44は、ばね受け部35のスリーブ部分45を画定することができる。
【0076】
図5にさらに示すように、停止本体16aは空気通路46を備えており、ガイド手段20もまた空気通路48を備えている。最後に、ばねホルダー35または減衰板44はまた、空気通路50を備えることができる。個々の構成要素の空気通路は、互いに流体連通していてもよい。この点に関して、ガイド手段の空気通路48は、キャッチャー22を貫通することができる。空気通路の配置により、ガイド内部32の換気および/または通気を閉鎖要素14の開閉動作中に確保することができる。
【0077】
図6は、本発明による閉鎖装置12のさらなる実施形態を示している。図6に示す閉鎖装置12は、ブレーキ装置16の構成のみが図5の実施形態と異なる。停止本体16aは、ガイド手段20に対して別個のキャッチばねによって支持されていないが、停止本体16a自身が弾性部分16bを有する。弾性部分16bは、凹部16eによって形成され、したがって、停止本体16aの圧縮またはばね弾性圧縮を可能にする。
【0078】
図7は、本発明のさらなる実施形態による閉鎖装置12を示している。図7に示す実施形態は、特にガイド手段20の構成において、またガイド手段20と停止本体16aとの間の形状適合性のある係合に関して、図5および6による実施形態とは異なる。ガイド手段20は、円周方向の段差60を有しているため、外径または外周が異なる部分を有する。したがって、ガイド内部32もまた、異なる内径または内周の部分を有する。この場合、閉鎖ヘッド14aに隣接するガイド内部32の領域は、より小さな内周または内径を有することができることから、閉鎖ヘッド14aは、材料の厚さがより大きくなり、安定性が増す。
【0079】
図7に示す実施形態では、停止本体16aを、特にガイド手段のガイド部62内で案内することができる。支持カラー64は、停止本体16a上に形成することができ、ガイド手段20上の段差60の領域で停止本体16aを支持するため、停止本体16aの閉鎖要素14の方向における動きを制限する。ガイド手段20内に閉鎖要素66をさらに設けることによって、ガイド手段の内部空間が、閉鎖要素14とは反対側で制限される。ガイド手段20の空気通路48は、終端要素66内に形成されてもよい。キャッチばね34は、終端要素66と停止本体16aとの間に配置することができ、それによって、停止本体16aは弾性的に支持される。この実施形態では、キャッチばね34は、らせんばねなどであってもよい。
【0080】
図8は、閉鎖装置12のさらなる実施形態を示している。図8による実施形態は、特に、ガイド手段20に対する停止本体16aの形状適合による支持の種類と、異なる弾性部分16bとにおいて、図5の実施形態とは異なる。図8に示す実施形態では、スナップリング42の代わりに、停止本体16aの外周面に突起56が設けられている。突起56は、ガイド手段20の溝状の凹部58に係合し、所定の範囲でガイド手段20内での停止本体16aの相対移動、または所定の範囲での圧縮および弛緩を可能にする。特に、突起56は、停止本体16aの隣接部分に対して直径を増加させることによって形成することができる。さらに、凹部58は、停止面16cがガイド手段20の受け部から出て、限定された範囲までのみ閉鎖要素14の方向に移動することができるように、突起56に係合することができる。
【0081】
図8に示す実施形態は、特に、キャッチャー22に対するガイド手段20の支持部の種類においても、図6に示す実施形態とは異なる。図6に示す実施形態のように、ガイド手段20は、カラー状の支持部24を備えているが、この支持部は、波形ばね82を介してキャッチャー22上で支持されている。このようにして、キャッチャー22上のガイド手段20のばね弾性支持を確保することができ、開放動作中の閉鎖要素14の緩やかな制動をさらに促進させることができる。図示されていない締結手段、例えばスナップリングを設けて、スナップリングが締結部21よりも半径方向に突出してキャッチャー22に接することで、締結部21がキャッチャー22から抜け出るのを防止することができる。
【0082】
図9は、本発明のさらに別の実施形態による閉鎖装置12を示している。図9の実施形態は、特にガイド手段20またはキャッチャー22上のガイド手段20の支持部の構成において、図8による実施形態とは異なる。図9において、ガイド手段は、別個の減衰板80を介してキャッチャー22上に支持されている。減衰板80は、ばね弾性特性を有しており、開放動作中の閉鎖要素14の減衰または緩やかな制動にも寄与する。波形ばね82は、減衰板80とキャッチャー22との間にさらに設けられてもよく、波形ばね82によって、ガイド手段20のばね弾性支持をさらに向上させることができる。
【0083】
図10は、本発明のさらに別の実施形態による閉鎖装置12を示している。図10に示す実施形態は、ガイド手段20およびブレーキ装置16の構成において、図7の実施形態とは異なる。図10に示す実施形態では、ブレーキ装置16は、ガイド手段20が一部に収容されているスリーブ形状の要素である。したがって、ブレーキ装置16は、停止本体16aが閉鎖要素14のガイド内部32内に直接案内されるので、ガイド手段20の一部を形成する。さらに、ガイド手段20は、ブレーキ装置16内で案内されるので、ブレーキ装置16を介して閉鎖要素14を間接的に案内する。ブレーキ装置16は、例えばベローズの形態の薄壁の中空円筒体として構成された弾性部分16bを含み、この弾性部分は弾性特性を有する。特に、ブレーキ装置16は、青銅などの金属またはPEAKなどのプラスチックでできている。ガイド手段20は、好ましくは鋼鉄製である。
【0084】
図10においてさらに示すように、ブレーキ装置16は、段部68を備えているため、異なる外径または外周を有する部分を有する。したがって、ガイド内部32はまた、異なる内径または内周を有しており、閉鎖ヘッド14aに隣接するガイド内部32の領域は、ガイド内部32の入口領域よりも小さい内径または内周を備えている。
【0085】
さらに図10において示すように、カラー部70は、ガイド手段の支持部24で支持されている停止本体16a上に形成されている。ばね要素または減衰要素は、カラー部70と支持部24との間に配置されてもよい。特に、波形ばねは、カラー部70と支持部24との間に配置されてもよく、例えば、図9に示すような波形ばね82であり、この波形ばねによって、停止本体16aとガイド手段20との間の相対運動が弾性的に支持される。そのような波形ばねによって、例えば、数十分の1mm、特に1mm未満の可動範囲が可能になる。
【0086】
図10に示すように、ガイド手段20は、保持部72をさらに備えることができる。保持部72は、釘のような形状であってもよく、停止本体16aの後方にしっかりと嵌めて係合するためのヘッド部74を有していてもよい。特に、ヘッド部74は、停止本体16aの内周部に形成されたカラー部76に嵌合し、それによって、停止本体16aの閉鎖部材14の端面14cに向かう動きを制限することができる。ガイド手段20の保持部72は、ガイド手段のスリーブ部分78に固定して接続することができ、空気通路48と流体連通するための横方向の開口部を、保持手段72とスリーブ部分78との間の移行部に設けることができる。
【0087】
図11は、さらに別の実施形態による閉鎖装置12の斜視断面図を示している。図11に示す実施形態は、ブレーキ装置16およびガイド手段20の構成において、図1~3および図5~10による実施形態とは異なる。図11に示すように、ブレーキ装置16は、スリーブ形状の部分16lと、半径方向に突出する停止本体16aとを有する。スリーブ形状の部分16lは、閉鎖要素14のガイド内部32内の一部に延在し、少なくとも部分的にガイド手段20を取り囲む。ガイド手段20は、スリーブ形状の部分20bを有し、ブレーキ装置16の凹部16k内に少なくとも部分的に配置されている。停止本体16aは、ガイド内部32の外側に配置された周方向の支持カラー16iとして構成されている。支持カラー16iは、同じくガイド内部32の外側に配置されたキャッチばね34として形成された弾性部分16bを介してガイド手段20上に支持されている。図11に示すキャッチばね34は、らせんばねなどであってもよい。キャッチばね34は、ガイド手段20の受け部87内に配置することができる。受け部87は、環状または円周状であってもよい。さらに、減衰要素88は、キャッチばね34が支持されている受け部87内に配置することができ、その結果、ばね特性に加えて、ブレーキ装置16の減衰特性も生じる。
【0088】
図11の実施形態によれば、スリーブ形状の部分16lは、ガイド手段20のカラー部90によって形状適合して後方で係合され、その結果、スリーブ形状の部分16lの閉鎖要素の方向への相対運動、すなわち、図11において上向きの動きに対応する動きが制限される。
【0089】
図11はまた、閉鎖ばね15用の軸受26がガイド手段20上に形成されていることを示している。したがって、閉鎖ばね15は、ガイド手段の軸受26と閉鎖要素14との間で作用する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート弁(10)であって、
複数の入口チャネル(94)を有する弁本体(92)と、長手方向(L)に移動可能に配置された複数の閉鎖要素(14)とを備え、各入口チャネル(94)には、入口チャネル(94)を開閉するための閉鎖要素(14)が割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、それぞれの閉鎖要素(14)に入口チャネル(94)を閉鎖するように向けられたプレストレス力を付与する閉鎖ばね(15)が割り当てられており、各閉鎖要素(14)には、閉鎖要素(14)とは別に構成され、入口チャネル(94)が開かれたときに、閉鎖ばね(15)とは独立して、それぞれの閉鎖要素(14)の開放動作を緩やかに制動するブレーキ装置(16)が割り当てられており
ブレーキ装置(16)は、停止面(16c)を含む停止本体(16a)を有しており、停止面(16c)は、入口チャネルが開いたとき、開放動作後に、閉鎖要素(14)を支えることができ、停止本体(16a)は、閉鎖要素(14)の開放方向に移動または降伏あるいはその両方ができるように構成されており、
停止本体(16a)が長手方向(L)に移動可能に配置されるように、ブレーキ装置(16)はガイド手段(20)によって長手方向(L)に案内され、
ガイド手段(20)はスリーブ状部(20b)を有しており、
ブレーキ装置(16)はスリーブ状部(20b)の凹部(20a)内に少なくとも部分的に配置されており、
ガイド装置(20)は、閉鎖要素(14)に対して内側ガイド部を形成し、この内側ガイド部に沿って閉鎖要素(14)は長手方向(L)に移動可能に案内されることを特徴とする、シート弁(10)。
【請求項2】
前記閉鎖ばね(15)が、前記ガイド手段(20)および閉鎖要素(14)を部分区間(100)に沿って軸方向(L)に外側から囲み、その結果、前記ガイド手段(20)および閉鎖要素(14)の両方が、部分区分(100)に沿って前記閉鎖ばね(15)の内部空間(15c)に配置され、前記閉鎖ばね(15)が、弁座(96)に向かう軸方向(L)に直径が大きくなることを特徴とする、請求項1に記載のシート弁(10)。
【請求項3】
前記ブレーキ装置(16)が、長手方向(L)に少なくとも部分的に移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシート弁(10)。
【請求項4】
前記ブレーキ装置(16)が、長手方向(L)において少なくとも部分的に降伏するように構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項5】
前記閉鎖要素(14)が、入口チャネル(94)を閉鎖する位置(S)から、前記ブレーキ装置(16)に対して最小距離(L)に沿った開放方向(L)において、長手方向(L)に移動可能であり、前記ブレーキ装置(16)が、入口チャネル(94)を閉鎖する位置(S)から最小距離(L)を移動した後にのみ、前記閉鎖要素(14)を緩やかに制動するように構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項6】
前記閉鎖要素(14)が、前記ガイド手段(20)によって長手方向(L)に沿って移動可能に案内され、前記閉鎖要素(14)が、ガイド内部(32)であって、その内部を前記ガイド手段(20)が該閉鎖要素(14)を長手方向(L)に案内するために延在するガイド内部(32)を有しており、前記ガイド手段(20)がキャッチャー(22)に接続されていることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項7】
前記閉鎖要素(14)が、閉鎖ヘッド(14a)およびガイド部(14b)を含み、閉鎖ヘッド(14a)およびガイド部(14b)が長手方向(L)において続けて配置されており、閉鎖要素(14)が、ガイド部(14b)から、長手方向(L)において前記閉鎖ヘッド(14a)の方向に前記閉鎖要素(14)の内部に延びる前記ガイド内部(32)を有していることを特徴とする、請求項6に記載のシート弁(10)。
【請求項8】
前記停止本体(16a)が、キャッチばね(34)、特にらせんばねを介して前記ガイド手段(20)に対して支持されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項9】
前記停止本体(16a)が弾性材料でできているか、または停止面(16c)を弾性的に支持するための弾性部分(16b)を有しており、弾性部分(16b)が好ましくは少なくとも1つの材料の凹部(16e)によって形成されていることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項10】
前記停止本体(16a)が、前記ガイド手段(20)内に嵌合形状に配置されていることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項11】
前記ガイド手段(20)およびブレーキ装置(16)、特に前記停止本体(16a)が、空気通路(46、48、50)を有しており、前記ブレーキ装置(16)の空気通路(46)が前記ガイド手段(20)の空気通路(48)と流体連通しており、空気通路(50)が前記キャッチャー(22)を貫通することを特徴とする、請求項1~1のいずれか一項に記載のシート弁(10)。
【請求項12】
請求項1~1のいずれか一項に記載のシート弁を備えるピストン圧縮機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート弁に関する。本発明はまた、そのようなシート弁を備えたピストン圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2は、圧縮機に使用される、ポペット弁とも呼ばれるシート弁を開示している。そのようなシート弁では、それぞれの閉鎖要素は、運ばれる流体により加えられた圧力のために、開放位置と閉鎖位置との間で前後に動かされる。閉鎖要素の開放動作中に、閉鎖要素がそれぞれの弁座から離れた側での開放動作を制限する表面にぶつかる危険性がある。これは、弁の安全な操作を損なう望ましくない摩耗や損傷につながる可能性がある。特許文献2はまた、閉鎖要素に作用する力を低減するための弾性材料で作られたダンパーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4489752号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2549159号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景から、本発明の目的は、より高度な操作信頼性または向上した耐久性で操作できるシート弁を提供することであった。本発明の目的はまた、ピストン圧縮機を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート弁に関して、上記の目的は、請求項1の主題によって解決されている。本発明による閉鎖装置は、請求項18に記載されている。有利な実施形態は、従属請求項に記載されており、また以下で説明する。
【0006】
本発明によるシート弁は、特にピストン圧縮機で使用するように設計されている。本発明によるシート弁は、好ましくはポペット弁と称される。
本発明によるシート弁は、複数の入口チャネルを有する弁本体を含み、また長手方向に移動可能に配置された複数の閉鎖要素を含んでおり、各入口チャネルには、入口チャネルを開閉するための閉鎖要素が割り当てられ、各閉鎖要素に割り当てられた閉鎖ばねは、入口チャネルを閉鎖するように向けられたプレストレス力でそれぞれの閉鎖要素に作用し、各閉鎖要素には、閉鎖要素とは別に構成されたブレーキ装置が割り当てられており、ブレーキ装置は、入口チャネルが開いたときに、閉鎖ばねとは独立して、各閉鎖要素の開放動作を緩やかに制動する。ブレーキ装置は、入口チャネルが開いたとき、開放動作の後に、閉鎖要素が接触することができる停止面を有する停止本体を有しており、停止本体は、閉鎖要素の開放方向に移動可能および/または降伏可能であるように配置されている。停止本体が長手方向に移動可能に配置されるように、ブレーキ装置はガイド装置によって長手方向に案内され、ガイド装置はスリーブ状部を有しており、さらにブレーキ装置はスリーブ状部の凹部内に少なくとも部分的に配置される。ガイド装置は閉鎖要素に対して内側ガイド部を形成し、この内側ガイド部に沿って閉鎖要素が長手方向に移動可能に案内される。
【0007】
したがって、閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する閉鎖位置の方向に閉鎖ばねによってプレストレス力を与えることができ、その結果、閉鎖要素の開放動作によって入口チャネルが開いたときに、閉鎖ばねのプレストレス力が増加する。開放プロセスの後、閉鎖要素、したがって入口チャネルは自動的に再び閉鎖することができる。
【0008】
入口チャネルが開いたときに、閉鎖位置の方向に閉鎖ばねのプレストレス力が増加しても、ブレーキ装置は、入口チャネルが開いているときに閉鎖要素を段階的に制動することができる。本発明によれば、ブレーキ装置による閉鎖要素の制動は、特に閉鎖要素の急激な動きを制限することなく、緩やかに行われる。このように、移動状態から、ブレーキ装置によって閉止要素をゆっくりと、または好ましくは連続的に制動することにより、閉止要素の損傷または過度の摩耗、あるいは閉止要素の構成要素の停止を回避することができる。
【0009】
本発明によれば、ブレーキ装置は、閉鎖要素とは別個にまたは独立して設けられる。したがって、閉鎖要素は、ブレーキ装置に直接接続することなく配置することができ、その結果、閉鎖要素の質量を低く保つことができ、基本的には、シート弁の良好な応答挙動を確保することができる。特に、閉鎖要素はブレーキ装置とは別に設けられるので、制動方向とは無関係に、少なくとも一定の移動範囲に沿って動かすことも可能である。
【0010】
本発明によるシート弁では、弁本体は、弁座で有利に形成することができ、入口チャネルは、弁座に向かって開くことができる。この場合、入口チャネルを閉鎖するための閉鎖要素は、弁座と接触して弁座を密封することができる。入口チャネルを開くために、閉鎖要素は、弁座から離れる方向に移動し、したがって、弁座から持ち上げることができる。
【0011】
閉鎖要素は、入口チャネルを開閉するために軸方向に移動可能であるように配置することができる。軸方向は、好ましくは、入口チャネルの長手方向軸および/または閉鎖要素の長手方向軸および/またはブレーキ装置の長手方向軸である。
【0012】
シート弁は、複数の入口チャネルおよび複数の閉鎖要素を含み、それぞれの閉鎖要素は、入口チャネルに関連付けられてもよい。したがって、単一のシート弁は、複数の閉鎖弁を装備することができ、各閉鎖弁は、少なくとも1つの入口チャネルおよび入口チャネルに関連する閉鎖要素によって形成される。
【0013】
好ましい実施形態によれば、ブレーキ装置は、モーションダンパーおよび/またはキャッチばねを有する。モーションダンパーまたはキャッチばねを使用して、特に有利な方法で、材料の摩耗のリスクを低減しながら、閉鎖要素の緩やかな制動を実現することができる。この場合、閉鎖装置の運動エネルギーは、モーションダンパーを配置することによって有利に吸収することができ、キャッチばねを配置する場合、それぞれのキャッチばねは、閉鎖要素を制動することによってチャージされ、閉鎖要素を緩めることによって再びディスチャージされ得る。この場合、緩めることで、入口チャネルを閉じる閉鎖位置への閉鎖要素の任意の戻り運動を促進することができる。
【0014】
ブレーキ装置は、好ましくは、ガイド手段によって長手方向に沿って案内され、停止本体は、長手方向に移動可能であるように配置される。
ブレーキ装置は、好ましくは、ばね止めおよび/またはばね緩衝器および/または停止緩衝器として設計することができる。このような設計は費用効果が高く、高度な操作上の安全性を保証する。
【0015】
ブレーキ装置は、減衰特性とばね特性を持つことができ、この目的のために個別の構成要素を提供することができる。単一の構成要素、例えば、変形するとばね弾性および減衰特性の両方を有するゴム材料で作られた構成要素によって、減衰および/またはばね機能を提供することも可能である。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、閉鎖要素は、入口チャネルを閉じる位置から、最小距離に沿って開く方向に、ブレーキ装置の制動効果を受けない。さらに、入口チャネルを閉じる位置から、閉鎖要素は、ブレーキ装置に対して最小距離に沿って開く方向に移動可能であってもよい。したがって、閉鎖要素は、ブレーキ装置の制動作用が働いて閉鎖部材が緩やかに制動される前に、閉鎖部材をわずかな力で閉鎖位置から開放位置に移動させることができる。つまり、低いガス圧でも閉鎖要素を自動的に開くことができるが、急な停止や静止した状態での制動プロセスによって材料が過度に摩耗するリスクはない。
【0017】
したがって、ブレーキ装置は、入口ポートを閉じる位置から、最小距離を移動した後にのみ閉鎖要素を緩やかに制動するように設定することができる。最小距離は、制動が始まるときに入口チャネルが十分に開いているか、または閉鎖要素が弁座から十分に離れているように最小距離を選択することができ、同時に閉鎖要素を開放方向に緩やかに制動するのに十分な制動距離が得られるようにすることができる。このようにして、一方ではシート弁の安全な機能が保証され、他方では、固定された停止面への急な制動または閉鎖要素の強い衝撃のリスクを回避することができる。
【0018】
閉鎖要素をガイド手段によって軸方向に移動可能に案内することで、閉鎖要素の位置のずれや弁座への片側荷重を回避することができる。閉鎖要素は、閉鎖要素を軸方向に案内するガイド手段が延在する、およびブレーキ装置の少なくとも1つの構成要素および/または部分が配置されるガイド内部を有する。これにより、ブレーキ装置による高度なガイド安全性または制動安全性を同時に備えた、特に省スペースの構成が実現する。
【0019】
さらなる有利な実施形態によれば、閉鎖要素は、閉鎖ヘッドおよびガイド部分を含むことができ、閉鎖ヘッドおよびガイド部分は、好ましくは、軸方向に沿って続けて配置されており、および/または閉鎖装置がガイド部分から、閉鎖ヘッドの方向において閉鎖要素の内部に軸方向に延びるガイド内部を有する。閉鎖ヘッドとガイド部分に分かれていることで、閉鎖ヘッドは特に良好な閉鎖特性と耐摩耗性を考慮して設計することができ、一方、ガイド部分は信頼性の高いガイド機能を有利に確保することができる。
【0020】
さらに好ましくは、ガイド手段は、ブレーキ装置によって少なくとも部分的に形成することができる。ブレーキ装置は、ガイド手段に結合することもできる。したがって、ブレーキ装置は、ガイド機能を提供するか、またはガイド手段に固定することができる。結果的に、ブレーキ装置の移動または変形の範囲は、ガイド手段によって、またはガイド手段との係合および/または結合によってあらかじめ定めることができる。
【0021】
さらに好ましくは、ブレーキ装置は、特に閉鎖要素を制動するために、ガイド手段に対して少なくとも部分的に移動可能であってもよい。このようにして、ガイド手段またはガイド手段の一部を固定位置に配置し、ブレーキ装置またはブレーキ装置の一部を移動可能に配置することで、閉鎖要素に緩やかな制動効果を与えることができる。特に、ガイド手段は、開放動作中に閉鎖要素を適切に案内することができ、移動可能に配置されたブレーキ装置は、開放動作を緩和するか、または制動式に開放動作を緩和することができる。換言すれば、ブレーキ装置は、閉鎖要素の開放動作によってガイド手段に対して移動することができる。
【0022】
さらに好ましい実施形態によれば、閉鎖要素を制動するためのブレーキ装置の少なくとも1つの部分および/または1つの構成要素は、弾性変形可能であり、特に線形的に弾性変形可能であってもよい。線形的な弾性変形性は、例えば、金属材料またはプラスチックで作ることができるコイルばねで提供することができる。同様に、線形または線形的な弾性変形性は、ゴム材料、例えばエラストマー材料で作られた構成要素によって提供されてもよい。弾性または線形的な弾性変形性を有する構成要素および/または部分は、最小限の設計労力で閉鎖要素を緩やかに制動するための安全な制動効果を提供でき、特に線形的な弾性変形性は、元の変形していない状態をとるための適切な復元力を提供することができる。これは、本発明によるシート弁の連続動作に特に良好な適合性をもたらす。
【0023】
さらなる有利な実施形態によれば、ブレーキ装置は、ガイド手段の凹部内に少なくとも部分的に配置することができ、および/またはガイド手段によって囲むことができる。したがって、ブレーキ装置は、ガイド手段によって一部を囲むことができ、それによって、ブレーキ装置の動作位置を事前に定めることができる。さらに、ブレーキ装置を凹部内に配置することによって、またはブレーキ装置をガイド手段によって囲むことによって、ブレーキ装置、特にブレーキ装置の構成要素またはブレーキ装置の一部の変形挙動に、所望の方法で影響を与えることができる。特に、主にまたは排他的に軸方向に沿った変形を可能にし、ガイド手段を成形することによって軸方向を横切る方向の変形を制限または完全に防止することが可能である。
【0024】
イド手段は、スリーブ形状の部分を有する。スリーブ形状の部分は、さらに円周方向の段部を有することができるので、ガイド手段の外周は、軸方向に沿って異なる部分で異なる寸法を有することができる。例えば、ガイド手段は、ガイド内部の入口領域において、閉鎖ヘッドに隣接するガイド内部の領域よりも大きな外周を有することができる。したがって、閉鎖ヘッドまたは閉鎖ヘッドに隣接するガイド部分の領域は、特に安定するように設計することができ、これにより、閉鎖要素の耐摩耗性を向上させることができる。
【0025】
さらに好ましい実施形態によれば、ガイド手段は、ブレーキ装置の凹部内に少なくとも部分的に配置することができ、および/またはブレーキ装置によって囲むことができる。そのような実施形態では、ブレーキ装置はまた、閉鎖要素を案内するために有利な方法で使用することができる。この場合、ガイド手段は、ブレーキ装置を直接案内し、ブレーキ装置を介して閉鎖要素にガイド機能を間接的に提供することができる。
【0026】
さらに好ましい実施形態によれば、ガイド手段を、キャッチャーに固定および/または支持することができ、特に、波形ばね、コイルスばねによって、および/または減衰板によって、ばね荷重および/または、減衰および/またはばね弾性的に支持することができる。同様に、ブレーキ装置をガイド手段上でばね弾性的に支持することができる。そのようなキャッチャーは、弁本体に対して固定するか、または固定された所定の距離に配置することができる。したがって、ガイド手段をキャッチャーに固定および/または支持することにより、弁本体に対するガイド手段の位置を適切に定めることができ、閉鎖要素を移動するための適切なガイド機能も確保することができる。弾性および/または減衰支持またはキャッチャーへの取り付けによって、ガイド手段は、閉鎖要素の制動動作をさらに有利にするか、または閉鎖要素の急なまたは突然の動作制限のリスクをさらに低減することができる。
【0027】
閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する位置から開放方向に移動することができ、最小距離を進んだ後に停止本体の停止面と接触することもできる。閉鎖要素のさらなる開放動作中に、停止本体または停止面が閉鎖要素と一緒に移動するので、閉鎖要素の急な制動を防ぐことができる。したがって、停止面と接触すると、閉鎖要素は減速されるが、停止本体および/または停止面の移動可能または降伏可能な配置は、閉鎖要素の完全なまたは時間的な減速を徐々にもたらすだけである。
【0028】
さらなる実施形態によれば、停止本体は、特にコイルばねとして設計することができるキャッチばねによって、ガイド手段に対して、およびキャッチャーに対して支持される。コイルばねは、比較的長い制動距離を可能にし、したがって、減速度の比較的ゆっくりとした増加を可能にし、これは、材料に対して特に緩やかである。
【0029】
停止本体は、弾性材料でできていてもよく、および/または停止面を弾性的に支持するための弾性部分を有することも可能である。この場合、弾性部分は、例えば、少なくとも1つの材料のくぼみおよび/または材料の中断によって形成することができる。このようにして、別個のばね要素なしで制動機能を提供することができ、全体的に堅牢で費用効果の高い構造となる。
【0030】
さらに好ましい実施形態によれば、停止本体は、閉鎖要素の閉鎖方向において、ガイド手段に形状に適合するように支持および/または保持される。さらに、停止本体および/または停止面の閉鎖方向または閉鎖要素の閉鎖方向への動きは、ガイド手段との形状適合係合によって制限することができる。したがって、停止本体または停止面は、開放動作の際に閉鎖要素が徐々に減速する間、ガイド手段に支持されることで、規定されたコンプライアンスを有することができる。同時に、停止本体または停止面の閉鎖方向または閉鎖要素の閉鎖方向への動きを制限することで、閉鎖要素は、入口チャネルを閉鎖する位置に到達する前に、停止本体または停止面から再び離脱することができる。したがって、入口チャネルを閉じる閉鎖要素の位置で、停止本体または停止面との間の最小距離を維持することができる。
【0031】
さらに好ましい態様では、スナップリングが停止本体とガイド手段との間に配置される。同様に、停止本体の外周には、ガイド手段の凹部に係合する、および/またはガイド手段のカラー部の後方に係合する突起を形成することができる。同様に、停止本体の外周に凹部を形成することが可能であり、この凹部に、ガイド手段の突起が係合し、特にガイド手段の内周に形成された突起が係合する。
【0032】
最後に、好ましい実施形態によれば、カラー部は、ガイド手段のヘッド部分の後方に係合するように、停止本体の内周に形成されてもよい。さらに、停止本体の後方に係合するガイド手段の外周にカラー部を形成することができる。
【0033】
そのような設計は、停止本体とガイド手段との間の相対的な動きを有利に規定または制限することができる。例えば、スナップリングは、ガイド手段の内周溝内に配置することができ、それにより、所定の位置に固定することができる。同時に、スナップリングは、停止本体の外周溝に係合することができるが、外周溝は、ガイド手段の内周溝よりも軸方向に沿ってより大きな延長部を有する。したがって、スナップリングは、停止本体のそれぞれの外周溝の終了位置に到達するまで、停止本体の移動を可能にする。
【0034】
シート弁のさらなる実施形態によれば、停止本体は、スリーブ形状であってもよく、および/または円周方向に段差があり、および/または円周方向に支持カラーを有してもよい。好ましくは、停止面は、段差または支持カラー上に形成され、および/または停止本体は、支持カラーを介してキャッチばね上で支持される。そのようなスリーブ形状の停止本体は、特に安価に製造することができ、閉鎖要素のガイド内部に安全に配置することができる。ガイド内部へのスリーブ形状の停止本体の誘導を安全に行うことができ、シート弁の高度な機能を保証する。キャッチばねの支持カラーを介して停止本体を支持することで、力の分散が良好になり、閉鎖要素によるキャッチばねの直接接触を回避できるため、低い表面圧力に対して好ましい効果を有する。
【0035】
さらなる有利な実施形態によれば、ブレーキ装置のキャッチばねは、ガイド手段の受け部、特に環状の円周受け部に配置される。ブレーキ装置のキャッチばねは、減衰要素に取り付けることができる。したがって、減衰要素は、同様に、ガイド手段の環状に回転する受け部に配置することができ、好ましくは、軸方向に閉鎖要素から離れたキャッチばね側に配置することができる。さらに、キャッチばねは、閉鎖要素に軸方向に隣接して、および/または閉鎖要素のガイド内部の完全に外側に配置することができる。したがって、キャッチばねは、ガイド内部の寸法とは無関係に、特にガイド内部の直径よりも大きい直径で形成することができる。これにより、キャッチばねの安定性が比較的高くなる。しかしながら、キャッチばねを、閉鎖要素のガイド内部の少なくとも一部に配置することも可能であり、これは、特に省スペースで行うことができ、同時に、閉鎖部材を制動するための変形時にキャッチばねを案内することができる。
【0036】
シート弁のさらなる実施形態によれば、ガイド手段および/またはブレーキ装置、特に停止本体は、好ましくは、閉鎖要素の開閉動作中にガイド内部を換気および/または排気するための空気通路を有することができる。同様に、空気通路をキャッチャーを通して提供してもよい。空気通路のそのような構成は、閉鎖要素のガイド内部の圧力変化にほとんど、または全く影響されずに開閉動作を行うことができる。過度の過圧または不十分な不足圧によって、閉鎖要素の望ましい動きが損なわれることはない。
【0037】
閉鎖要素の接触によって、および/または停止本体とガイド手段との間の相対的な動きによって、停止本体の空気通路を閉鎖および/または開放することができる場合にも有利である。このように空気通路を開閉することにより、閉鎖要素のガイド内部の一般的な圧力条件に目標とする影響を与えることができ、閉鎖要素の動きに所望の方法で影響を与えることができる。
【0038】
本発明のさらなる態様は、特にピストン圧縮機の上流に設置されるシート弁であって、入口チャネルを有する弁本体と、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素と、入口チャネルを閉鎖するように向けられた付勢力を閉鎖要素に加える閉鎖ばねと、入口チャネルが開放されたときに閉鎖要素の開放動作を減衰させるために配置された運動ダンパーを有するブレーキ装置と、を備えたシート弁に関する。本発明によるシート弁に関する上記の説明は、本発明のさらなる態様によるシート弁にも同様に適用される。
【0039】
最後に、本発明はまた、上記のシート弁を備えたピストン圧縮機に関する。
本発明によるシート弁の可能な設計または異なる態様に関する上記の説明は、本発明によるピストン圧縮機にも適用される。
【0040】
本発明は、有利な実施形態および添付の図面を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明のシート弁の閉鎖装置の第1の実施形態を示す斜視縦断面図である。
図2】ブレーキ装置のない図1に示す閉鎖装置である。
図3図1の閉鎖装置のブレーキ装置である。
図4】本発明のシート弁を示す斜視断面図である。
図5】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図6】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図7】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図8】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図9】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図10】閉鎖要素のさらなる実施形態を示す縦断面図である。
図11】本発明のシート弁の閉鎖要素のさらなる実施形態を示す斜視縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
同一部品は、図面において同じ参照符号が付けられている。
図4は、本発明によるシート弁10の実施形態の斜視断面図を示している。図1は、例えば、図4に示されるシート弁10に適した閉鎖装置12の第1の実施形態の斜視縦断面図を示している。このようなシート弁は、特にピストン圧縮機で使用するために設計されている。シート弁10は、複数の入口チャネルを備えた、図1には示されていない弁本体を含み、また、複数の閉鎖装置12を含む。図2は、ブレーキ装置16のない図1に示される閉鎖装置を示している。図3は、図1に示す閉鎖装置12のブレーキ装置16を示している。
【0043】
閉鎖装置12は、入口チャネルを開閉するために長手方向Lに移動可能に配置された閉鎖要素14と、入口チャネルを閉鎖するように向けられたプレストレス力で閉鎖要素14に作用する閉鎖ばね15とを有する。さらに、閉鎖装置12はブレーキ装置16を有しており、ブレーキ装置16は、閉鎖要素14とは別個にまたは独立して設けられ、閉鎖要素14がブレーキ装置16と接触するとすぐに、入口チャネルが開くと閉鎖ばね15とは独立して、閉鎖要素14の開放動作を緩やかに制動する。閉鎖要素14がブレーキ装置16から別個にまたは独立して配置されているため、閉鎖要素14とブレーキ装置16との間には直接的な接続はない。
【0044】
図1に示す位置では、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16から離間した位置にあるので、閉鎖要素14は、図示されていない弁本体の弁座と接触して配置することができる。この位置から、閉鎖要素14を弁本体の弁座から離して、入口チャネルを開くか、または弁本体の弁座を持ち上げて、ブレーキ装置16の方に移動させることができる。したがって、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16に対して、長手方向軸Lに沿って軸方向に移動することができる。よって、開放動作は、図1において下向きに発生する。
【0045】
閉鎖要素14を移動可能に案内するためのガイド手段20も設けられている。ガイド手段20は、例えば、図4に示すキャッチャー22に支持または固定することができる。キャッチャー22は、図示されていない弁本体に対して位置決め固定されてもよいし、所定の距離を保って配置されてもよい。キャッチャー22上でガイド手段20を支持するために、ガイド手段20は、支持部24を有していてもよい。支持部24は、キャッチャー22におけるガイド手段20の取付部21の挿入深さを制限するカラー状の突起であってもよい。支持部24には、閉鎖ばね15を支持するための軸受座26が設けられていてもよい。したがって、閉鎖ばね15は、閉鎖要素14と軸受座26との間で作用することができる。
【0046】
閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを有し、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bは、軸方向Lに沿って続けて配置されており、閉鎖要素14は好ましくは一体で構成されている。閉鎖要素14はさらに、ガイド部14bから、軸方向Lにおいて閉鎖要素14の内部を閉鎖ヘッド14aに向かって延びるガイド内部空間32を有する。ガイド内部空間32は、ガイド手段20またはブレーキ装置16を受け入れる役割を果たす。ブレーキ装置16および/またはガイド手段20の少なくとも1つの構成要素または部分は、ガイド内部空間32内に受容されてもよい。
【0047】
図1による実施形態では、ブレーキ装置16は、停止本体16aおよびばね弾性部分16bを含み、ばね弾性部分16bは、ガイド手段20の軸受面20c上に載る軸受面16dを有する。これにより、停止本体15aが軸方向Lに沿ってバネ弾性支持される。停止本体16aには、入口チャネルを開放するための開放動作時に閉鎖要素14が接触可能な停止面16cが形成されている。特に、閉鎖要素14は、ガイド内部32の端面14cを介して停止面16cと接触することができる。停止本体16aまたは停止本体16a上に形成された停止面16cは、特に部分16bがばね弾性特性を有するために、軸方向Lに沿って移動可能または降伏可能であるように構成されている。
【0048】
また、図1に示すように、ブレーキ装置16はガイド手段20により長手方向Lに案内されることで、停止本体16aが長手方向Lに移動可能に配置される。ブレーキ装置16は、長手方向Lに移動可能に構成されており、ガイド手段20の軸受面20c上に載置される軸受面16dを有していることから、この端部においてブレーキ装置16が長手方向Lに移動可能になるように配置されていない。ブレーキ装置16は、弾性部分16bを有しており、長手方向Lの弾性部分16bに沿って降伏できるように設計されている。したがって、停止本体16aは、軸方向Lに沿って移動可能であり、弾性部分16bおよび支持面16dを介して支持面20cに対して弾性的に支持されるように構成されている。
【0049】
図1に示すように、弾性部分16bおよび停止本体16aの一部が、ガイド手段20内に少なくとも部分的に配置または収容されている。支持面20cを弾性部分16bが支持されるガイド手段20内に設けることができる。
【0050】
さらに、ガイド手段20は、内周凹部33を有する。また、停止本体16aは、突出したカラー16fと突出したノーズ16gとを有する。これらの要素33、16f、16gは、特に閉鎖要素14の方向での停止本体16aの動きが制限されるように連動する。したがって、図1に示す初期位置では、停止面16cと閉鎖要素14の反対側に配置された端面14cとの間に最小距離を維持することができる。よって、閉鎖要素14の開放動作の間、閉鎖要素14がガイド内部32でその端面14cを介して停止本体16aの停止面16cに対して静止するまで、初期には制動効果がない。さらなる開放動作の際には、停止本体16aを閉鎖要素14と共に軸方向Lに沿って開方向に移動させ、その過程で弾性部分16bを圧縮させる。弾性部分16bの圧縮により、閉鎖要素14が緩やかに制動される。特に、端面14cが停止面16cと接触した後、弾性部16bを圧縮することによって、固定された停止部に対する閉鎖要素14の急激な制動または急激な打撃、およびここで問題となる構成要素、特に閉鎖要素14の摩耗を回避することができる。
【0051】
閉鎖要素14の開放方向の終了位置に達した後、閉鎖要素14は再び閉鎖方向(図1では上方向)に移動する。閉鎖方向へのこの動きは、閉鎖ばね15と弾性部分16bの弛緩とによっても支持され、これにより、閉鎖要素14の閉鎖方向への動きは、限られた距離にわたって、特に、図1に示すように、停止本体16aの上端位置に達するまで、弾性部分16bの弛緩によってのみ支持することができる。
【0052】
停止本体16aは、金属材料で作られていても、プラスチック材料で作られていてもよい。プラスチック材料の場合、停止本体16aが減衰性を有していてもよい。特に、停止本体は、エラストマー材料などで作ることができることから、閉鎖要素14の開放動作を適切に減衰させ、それにより、摩耗の少ない、特に好ましい態様で緩やかな制動を可能にする。
【0053】
図1および図3にさらに示すように、停止本体16aには空気通路46が設けられており、ガイド手段20にも空気通路48が設けられている。個々の構成要素の空気通路は、互いに流体連通していてもよい。この点に関して、ガイド手段の空気通路48は、キャッチャー22を貫通することができる。空気通路の配置により、ガイド手段20およびブレーキ装置16の内部の換気および/または通気を、閉鎖要素14の開閉動作中に確保することができる。
【0054】
図4は、図1に示す閉鎖装置12を備えるシート弁10の斜視断面図である。図4に示すシート弁10は、複数の入口チャネル94が形成されるとともに、複数の閉鎖要素14を備えた弁本体92を備え、各閉鎖要素14は、入口チャネル94の1つに関連付けられている。閉鎖要素14は、開いた状態で示されている。
【0055】
図4に示すシート弁10は、複数の閉鎖弁を有しており、各閉鎖弁は、少なくとも1つの入口チャネル94およびそれぞれの関連する閉鎖要素14によって形成することができる。好ましくは、図4に示すように、ブレーキ装置16は、各閉鎖要素14に設けられる。それぞれのブレーキ装置16は、例えば、図1~3に示す実施形態、または図5~11に示す実施形態の1つに従って形成されてもよい。したがって、図4の各閉鎖弁は、シート弁10について、図1~3および図5~11に示す実施形態に従って形成することができる。
【0056】
図4にさらに示すように、各入口チャネル94は、弁座96に開口し、ここで、各弁座96は、閉鎖要素14によって閉鎖することができる。各閉鎖要素14は、弁座96に関連付けられ、ここで、閉鎖要素14はそれぞれ、軸方向Lにおいて関連する弁座96の反対側に配置されており、閉鎖要素14は、弁座96およびそれぞれの入口チャネル94を開閉することができるように、軸方向Lに変位可能である。
【0057】
さらに、図4によるシート弁10は、キャッチャー22と、軸方向Lに延び、キャッチャー22に取り付けられた、閉鎖要素14用のガイド手段20とを有する。さらに、閉鎖ばね15が、弁座96または弁本体92に向けられた閉鎖要素14にプレストレス力を及ぼすために設けられる。閉鎖要素14は、ポペットまたはバルブコーンとも呼ばれる。
【0058】
図4によれば、キャッチャー22は、好ましくは軸方向Lに対して垂直に延びる保持構造23を備え、ガイド手段20は、軸方向Lに延び、保持構造23に配置され、そこでガイド手段および閉鎖要素14は、軸方向Lに移動可能または直線的に移動可能となるように、および好ましくは摺動するように配置される。図に示す実施形態の例では、ガイド手段20は中空円筒形に設計されているが、図1~3および図5~11に示す実施形態の例に従って設計することもできる。
【0059】
図4に示す実施形態の例では、閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを含み、閉鎖要素14は、同心円状に設計されており、対称軸に沿ってボアを有し、このボアは、ガイド手段20と平面軸受を形成し、ガイド手段20が閉鎖要素14に対して内側ガイド部を形成する。したがって、ボアはガイド内部32を形成することができる。
【0060】
閉鎖ヘッド14aは、有利には平坦な設計の支持部14dをさらに備える。閉鎖ばね15は、第1のばね端15aおよび第2のばね端15bを含み、弁座96に向かって作用する閉鎖要素14にプレストレス力を及ぼすために、第1のばね端15aが支持体14dに当接し、第2のばね端15bが支持部24に当接する。閉鎖ばね15は内部15cを有する。閉鎖ばね15は、ガイド手段20および閉鎖要素14を部分区間100に沿って軸方向Lに外側から囲み、その結果、ガイド手段20および閉鎖要素14の両方が、この部分区分100に沿って閉鎖ばね15の内部空間15cに配置される。閉鎖ばね15は、弁座96に向かう軸方向Lに直径が大きくなり、閉鎖ばね15は、好ましい実施形態では円錐状に広がる。有利には、閉鎖ばね15は、支持部14dでのみ閉鎖要素14に接触するように設計されている。拡径の閉鎖ばね15には、第2のばね端15bが第1のばね端15aよりも小さい直径または小さい接触面を有しており、その結果、流体Fが通過するキャッチャー22の領域において、より大きな構成要素のない中間空間ができるという利点がある。図4は、隣り合って配置された2つの弁の流体の流れF、Fの例を示している。
【0061】
流体の流れF、Fは、例えば図示のように、流体の流れF、Fがキャッチャー22に向かって流れるように、閉鎖要素14の端面によって軸方向Lに対して横方向に偏向される。交差する流体の流れF、Fは、特に隣接する閉鎖要素14またはその閉鎖ばね15の一部の周りを流れる。これらの流体の流れF、Fをできる限り妨げないためには、構成要素のない中間空間、特にキャッチャー22に向かって広がる構成要素のない中間空間が有利である。キャッチャー22に向かって先細になる閉鎖要素14は特に有利である。閉鎖ばね15の配置はまた、流体の流れF、Fにわずかな、好ましくは無視できる程度の影響しか及ぼさないので、特に有利である。
【0062】
図4のシート弁のさらに有利な実施形態によれば、座板97が設けられており、座板97は、閉鎖要素14の閉鎖ヘッド14aがこれに当接し、それによってそれぞれの入口チャネル94を閉じるように配置される。したがって、弁座96は、座板97内に、または座板97の一部によって形成される。弁座96または作用する閉鎖ヘッド14aにより、座板97は摩耗部品であり、簡単な方法で有利に交換することができる。別の可能な実施形態では、閉鎖ヘッド14aが弁体92に直接当接して、弁座96が弁本体92の一部となるように、座板97を省略することができる。
【0063】
さらなる実施形態では、シート弁10はまた、単一の入口チャネル94と、閉鎖ばね15を備えた単一の閉鎖要素14とだけを含むように設計することができる。したがって、図4に記載されているすべての詳細は、図1~3および図5~11による実施形態に移行することができるか、またはこの点に関して記載されている実施形態と組み合わせることができる。
【0064】
図5は、本発明によるさらなる閉鎖装置12の縦断面図を示す。閉鎖装置12は、入口チャネルを開閉するために移動可能に配置された閉鎖要素14と、入口チャネルを閉鎖するように閉鎖要素14にプレストレス力を加える閉鎖ばね15とを有する。さらに、閉鎖装置12はブレーキ装置16を有しており、ブレーキ装置16は、閉鎖要素14とは別個にまたは独立して設けられ、入口チャネルが開放されたときに閉鎖要素14の開放方向Lへの開放動作を、閉鎖ばね15とは独立して緩やかに制動する。閉鎖要素14がブレーキ装置16から別個にまたは独立して配置されているため、閉鎖要素14とブレーキ装置16とは直接に接続されていない。
【0065】
図5による位置では、閉鎖要素14は、ブレーキ装置16から離間した位置にあり、好ましくは入口チャネルを閉鎖する位置Sにあるので、図示されていない弁本体の弁座と接触して配置することができる。この位置から、閉鎖要素14を弁本体の弁座から離して、入口チャネルを開くか、または持ち上げて、ブレーキ装置16に向かって移動させることができる。したがって、閉鎖要素14は、端面14cが停止面16cに接触する前に、ブレーキ装置16に対して、長手方向軸Lに沿って軸方向に最小距離Lを移動することができる。よって、図5の下向きの方向に沿って開く動作が生じる。
【0066】
閉鎖要素14を移動可能に案内するためのガイド手段20をさらに備えている。ガイド手段20は、スリーブ形状の部分20bを有することができ、ブレーキ装置16は、少なくともスリーブ形状の部分20bの凹部20a内の部分に配置される。ガイド手段20は、キャッチャー22上に支持または固定されてもよい。キャッチャー22は、図示されていない弁本体に対して固定して配置されてもよく、または固定された所定の距離に配置されてもよい。キャッチャー22上でガイド手段20を支持するために、ガイド手段20は、支持部24を有することができる。支持部24は、キャッチャー22内のガイド手段20の挿入深さを制限するカラー状の突起であってもよい。支持部24には、閉鎖ばね15を支持するための軸受座26が設けられていてもよい。したがって、閉鎖ばね15は、閉鎖要素14と軸受座26との間で作用することができる。
【0067】
閉鎖要素14は、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bを有し、閉鎖ヘッド14aおよびガイド部14bは、軸方向Lに沿って続けて配置される。閉鎖要素14はさらに、ガイド部14bから、軸方向Lに延びる内部空間32を、閉鎖要素14の内部に閉鎖ヘッド14aに向かって有する。ガイド内部空間32は、ガイド手段20またはブレーキ装置16を受け入れる役割を果たす。ブレーキ装置16および/またはガイド手段20の少なくとも1つの構成要素または部分は、ガイド内部空間32内に受容されてもよい。
【0068】
図5に示す実施形態では、ブレーキ装置16は、軸方向Lに沿って停止本体16aを弾性的に支持するキャッチばね34を有する。停止本体16aは、停止面16cを有する。停止面16cは、停止本体16a上に形成され、停止面16cに対して、入口チャネルを開くための開放動作中に閉鎖要素14が接触することができる。特に、閉鎖要素14は、ガイド内部32の端面14cを介して停止面16cと接触することができる。停止本体16aまたは停止本体16a上に形成された停止面16cは、特にキャッチばね34によるばね弾性支持のために、軸方向Lに沿って移動可能または順応するように配置されている。キャッチばね34は、特にうず巻きばね等として設計することができる。
【0069】
図5に示すように、キャッチばね34および停止本体16aの一部が、ガイド手段20内に配置または収容されている。ばね受け部35は、ガイド手段20内に設けることができ、そこでは、キャッチばね34および停止本体16aの一部も受け入れられる。ばね受け部35は、ポット形状であり、ガイド手段20とは別の構成要素として設計することができる。キャッチばね34および停止本体16aは、ガイド手段20内および/またはばね受け部35内で軸方向Lに沿って案内される。
【0070】
さらに、スナップリング42はガイド手段20と停止本体16aとの間に配置され、それによって、停止本体16aの、特に閉鎖要素14の方向における動きが制限される。したがって、図5に示す初期位置では、停止面16cと閉鎖要素14の反対側に配置された端面14cとの間に最小距離を維持することができる。よって、閉鎖要素14の開放動作の間、閉鎖要素14がガイド内部32にある端面14cを介して停止本体16aの停止面16cと接触するまで、初期の制動作用はない。さらなる開放動作時には、停止本体16aは、閉鎖要素14と共に軸方向Lに沿って開放方向に移動して、その課程でキャッチばね34が圧縮される。キャッチばね34の圧縮によって、閉鎖要素14の緩やかな制動が起こる。特に、ここで問題となる構成要素、特に閉鎖要素14の固定された停止および摩耗に対する閉鎖要素14の急な制動または急な打撃を回避することができる。
【0071】
閉鎖要素14の開放方向の終了位置に達した後、閉鎖要素14は再び閉鎖方向(図1では上向き)に移動する。この閉鎖動作は、閉鎖ばね15によって、またキャッチばね34の弛緩によっても支持され、それにより、閉鎖要素14の閉鎖動作は、限られた距離にわたって、特に図5に示すように、停止本体16aの上端位置に到達するまで、キャッチばね34の弛緩によってのみ支持され得る。
【0072】
停止本体16aは、金属材料で作られていても、プラスチック材料で作られていてもよい。プラスチック材料の場合、停止本体16aが減衰特性を有することができる。特に、停止本体は、エラストマー材料などで作ることができることから、閉鎖要素14の開放動作を適切に減衰させ、それにより、摩耗の少ない、特に好ましい態様で緩やかな制動を可能にする。さらに、ブレーキ装置16の減衰特性は、キャッチばね34と停止本体116aとの間、またはキャッチばね34とガイド手段20との間にも、減衰要素または運動ダンパーを設けることによって達成することができる。例えば、キャッチばね34は、ガイド手段20の内側に配置された減衰要素に取り付けることができる。そのようなモーションダンパーは、例えば、キャッチばね34を支持するためのガイド手段20内に減衰板44として配置することができる。減衰板44は、ばね受け部35の一部として、またはばね受け部35と一体に形成することができる。特に、減衰板44は、ばね受け部35のスリーブ部分45を画定することができる。
【0073】
図5にさらに示すように、停止本体16aは空気通路46を備えており、ガイド手段20もまた空気通路48を備えている。最後に、ばねホルダー35または減衰板44はまた、空気通路50を備えることができる。個々の構成要素の空気通路は、互いに流体連通していてもよい。この点に関して、ガイド手段の空気通路48は、キャッチャー22を貫通することができる。空気通路の配置により、ガイド内部32の換気および/または通気を閉鎖要素14の開閉動作中に確保することができる。
【0074】
図6は、本発明による閉鎖装置12のさらなる実施形態を示している。図6に示す閉鎖装置12は、ブレーキ装置16の構成のみが図5の実施形態と異なる。停止本体16aは、ガイド手段20に対して別個のキャッチばねによって支持されていないが、停止本体16a自身が弾性部分16bを有する。弾性部分16bは、凹部16eによって形成され、したがって、停止本体16aの圧縮またはばね弾性圧縮を可能にする。
【0075】
図7は、本発明のさらなる実施形態による閉鎖装置12を示している。図7に示す実施形態は、特にガイド手段20の構成において、またガイド手段20と停止本体16aとの間の形状適合性のある係合に関して、図5および6による実施形態とは異なる。ガイド手段20は、円周方向の段差60を有しているため、外径または外周が異なる部分を有する。したがって、ガイド内部32もまた、異なる内径または内周の部分を有する。この場合、閉鎖ヘッド14aに隣接するガイド内部32の領域は、より小さな内周または内径を有することができることから、閉鎖ヘッド14aは、材料の厚さがより大きくなり、安定性が増す。
【0076】
図7に示す実施形態では、停止本体16aを、特にガイド手段のガイド部62内で案内することができる。支持カラー64は、停止本体16a上に形成することができ、ガイド手段20上の段差60の領域で停止本体16aを支持するため、停止本体16aの閉鎖要素14の方向における動きを制限する。ガイド手段20内に閉鎖要素66をさらに設けることによって、ガイド手段の内部空間が、閉鎖要素14とは反対側で制限される。ガイド手段20の空気通路48は、終端要素66内に形成されてもよい。キャッチばね34は、終端要素66と停止本体16aとの間に配置することができ、それによって、停止本体16aは弾性的に支持される。この実施形態では、キャッチばね34は、らせんばねなどであってもよい。
【0077】
図8は、閉鎖装置12のさらなる実施形態を示している。図8による実施形態は、特に、ガイド手段20に対する停止本体16aの形状適合による支持の種類と、異なる弾性部分16bとにおいて、図5の実施形態とは異なる。図8に示す実施形態では、スナップリング42の代わりに、停止本体16aの外周面に突起56が設けられている。突起56は、ガイド手段20の溝状の凹部58に係合し、所定の範囲でガイド手段20内での停止本体16aの相対移動、または所定の範囲での圧縮および弛緩を可能にする。特に、突起56は、停止本体16aの隣接部分に対して直径を増加させることによって形成することができる。さらに、凹部58は、停止面16cがガイド手段20の受け部から出て、限定された範囲までのみ閉鎖要素14の方向に移動することができるように、突起56に係合することができる。
【0078】
図8に示す実施形態は、特に、キャッチャー22に対するガイド手段20の支持部の種類においても、図6に示す実施形態とは異なる。図6に示す実施形態のように、ガイド手段20は、カラー状の支持部24を備えているが、この支持部は、波形ばね82を介してキャッチャー22上で支持されている。このようにして、キャッチャー22上のガイド手段20のばね弾性支持を確保することができ、開放動作中の閉鎖要素14の緩やかな制動をさらに促進させることができる。図示されていない締結手段、例えばスナップリングを設けて、スナップリングが締結部21よりも半径方向に突出してキャッチャー22に接することで、締結部21がキャッチャー22から抜け出るのを防止することができる。
【0079】
図9は、本発明のさらに別の実施形態による閉鎖装置12を示している。図9の実施形態は、特にガイド手段20またはキャッチャー22上のガイド手段20の支持部の構成において、図8による実施形態とは異なる。図9において、ガイド手段は、別個の減衰板80を介してキャッチャー22上に支持されている。減衰板80は、ばね弾性特性を有しており、開放動作中の閉鎖要素14の減衰または緩やかな制動にも寄与する。波形ばね82は、減衰板80とキャッチャー22との間にさらに設けられてもよく、波形ばね82によって、ガイド手段20のばね弾性支持をさらに向上させることができる。
【0080】
図10は、本発明のさらに別の実施形態による閉鎖装置12を示している。図10に示す実施形態は、ガイド手段20およびブレーキ装置16の構成において、図7の実施形態とは異なる。図10に示す実施形態では、ブレーキ装置16は、ガイド手段20が一部に収容されているスリーブ形状の要素である。したがって、ブレーキ装置16は、停止本体16aが閉鎖要素14のガイド内部32内に直接案内されるので、ガイド手段20の一部を形成する。さらに、ガイド手段20は、ブレーキ装置16内で案内されるので、ブレーキ装置16を介して閉鎖要素14を間接的に案内する。ブレーキ装置16は、例えばベローズの形態の薄壁の中空円筒体として構成された弾性部分16bを含み、この弾性部分は弾性特性を有する。特に、ブレーキ装置16は、青銅などの金属またはPEAKなどのプラスチックでできている。ガイド手段20は、好ましくは鋼鉄製である。
【0081】
図10においてさらに示すように、ブレーキ装置16は、段部68を備えているため、異なる外径または外周を有する部分を有する。したがって、ガイド内部32はまた、異なる内径または内周を有しており、閉鎖ヘッド14aに隣接するガイド内部32の領域は、ガイド内部32の入口領域よりも小さい内径または内周を備えている。
【0082】
さらに図10において示すように、カラー部70は、ガイド手段の支持部24で支持されている停止本体16a上に形成されている。ばね要素または減衰要素は、カラー部70と支持部24との間に配置されてもよい。特に、波形ばねは、カラー部70と支持部24との間に配置されてもよく、例えば、図9に示すような波形ばね82であり、この波形ばねによって、停止本体16aとガイド手段20との間の相対運動が弾性的に支持される。そのような波形ばねによって、例えば、数十分の1mm、特に1mm未満の可動範囲が可能になる。
【0083】
図10に示すように、ガイド手段20は、保持部72をさらに備えることができる。保持部72は、釘のような形状であってもよく、停止本体16aの後方にしっかりと嵌めて係合するためのヘッド部74を有していてもよい。特に、ヘッド部74は、停止本体16aの内周部に形成されたカラー部76に嵌合し、それによって、停止本体16aの閉鎖部材14の端面14cに向かう動きを制限することができる。ガイド手段20の保持部72は、ガイド手段のスリーブ部分78に固定して接続することができ、空気通路48と流体連通するための横方向の開口部を、保持手段72とスリーブ部分78との間の移行部に設けることができる。
【0084】
図11は、さらに別の実施形態による閉鎖装置12の斜視断面図を示している。図11に示す実施形態は、ブレーキ装置16およびガイド手段20の構成において、図1~3および図5~10による実施形態とは異なる。図11に示すように、ブレーキ装置16は、スリーブ形状の部分16lと、半径方向に突出する停止本体16aとを有する。スリーブ形状の部分16lは、閉鎖要素14のガイド内部32内の一部に延在し、少なくとも部分的にガイド手段20を取り囲む。ガイド手段20は、スリーブ形状の部分20bを有し、ブレーキ装置16の凹部16k内に少なくとも部分的に配置されている。停止本体16aは、ガイド内部32の外側に配置された周方向の支持カラー16iとして構成されている。支持カラー16iは、同じくガイド内部32の外側に配置されたキャッチばね34として形成された弾性部分16bを介してガイド手段20上に支持されている。図11に示すキャッチばね34は、らせんばねなどであってもよい。キャッチばね34は、ガイド手段20の受け部87内に配置することができる。受け部87は、環状または円周状であってもよい。さらに、減衰要素88は、キャッチばね34が支持されている受け部87内に配置することができ、その結果、ばね特性に加えて、ブレーキ装置16の減衰特性も生じる。
【0085】
図11の実施形態によれば、スリーブ形状の部分16lは、ガイド手段20のカラー部90によって形状適合して後方で係合され、その結果、スリーブ形状の部分16lの閉鎖要素の方向への相対運動、すなわち、図11において上向きの動きに対応する動きが制限される。
【0086】
図11はまた、閉鎖ばね15用の軸受26がガイド手段20上に形成されていることを示している。したがって、閉鎖ばね15は、ガイド手段の軸受26と閉鎖要素14との間で作用する。
【国際調査報告】