(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置、エアロゾル生成物品、及びエアロゾル生成物品に関連するデータを決定する方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/53 20200101AFI20220303BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20220303BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539918
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2020051665
(87)【国際公開番号】W WO2020152289
(87)【国際公開日】2020-07-30
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コーラス, アントン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャスティン ハン ヤン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC14
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD20
(57)【要約】
エアロゾル生成装置(100)が提供される。本装置は、エアロゾル化可能媒体を備える物品(104)を受け入れるように構成されたチャンバ(112)と、物品上の第1のマーカー構成部(124)及び物品上の第2のマーカー構成部(126)を検出するように構成されたセンサ構成体(122)とを具備する。第2のマーカー構成部は、第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。本装置は、第1のマーカー構成部の複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較することによって複数の比較値を決定し、複数の比較値に基づいて物品に関連するデータを決定するように構成されたコントローラ(116)をさらに具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能媒体を備える物品を受け入れるように構成されたチャンバと、
前記物品上の第1のマーカー構成部及び前記物品上の第2のマーカー構成部を検出するように構成されたセンサ構成体であって、前記第2のマーカー構成部が、前記第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている、センサ構成体と、
前記第1のマーカー構成部の複数の第1のマーカー領域を前記第2のマーカー構成部と比較することによって複数の比較値を決定し、前記複数の比較値に基づいて前記物品に関連するデータを決定するように構成されたコントローラと、
を具備するエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記コントローラが、前記第1のマーカー構成部の前記複数の第1のマーカー領域を前記第2のマーカー構成部の複数の第2のマーカー領域と比較することによって、前記複数の比較値を決定するように構成された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記複数の第1のマーカー領域を前記複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定するように構成された前記コントローラが、前記複数の第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えるかどうかに基づいて前記複数の比較値を決定するように構成された前記コントローラを備える、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記複数の第1のマーカー領域を前記複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定するように構成された前記コントローラが、前記複数の第1のマーカー領域に配置された対応する第1のマーカーに対する、前記複数の第2のマーカー領域に配置された第2のマーカーの位置に基づいて前記複数の比較値を決定するように構成された前記コントローラを備える、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記位置に基づいて前記複数の比較値を決定するように構成された前記コントローラが、
第2のマーカーが、マーカー軸線に沿って第1の方向に、対応する第1のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、前記比較値が第1の比較値であることを決定することと、
前記対応する第1のマーカーが、前記マーカー軸線に沿って前記第1の方向に、前記第2のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、前記比較値が第2の比較値であることを決定することであって、前記第2の比較値が前記第1の比較値と異なる、決定すること、
のうちの1つを行うように構成された前記コントローラを備える、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記チャンバが、前記物品が挿入軸線に沿って前記チャンバに受け入れ可能である前記挿入軸線を定め、前記物品が前記エアロゾル生成装置に受け入れられるとき、前記マーカー軸線と前記挿入軸線が平行である、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記センサ構成体が、
前記第1のマーカー構成部を検出するように構成された第1のセンサと、
前記第2のマーカー構成部を検出するように構成された第2のセンサと、
を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記第1のセンサが前記第1のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して前記第2のセンサを作動させるようにさらに構成された、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記コントローラが、前記第2のセンサが前記第2のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して前記第2のセンサの作動を止めるようにさらに構成された、請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記センサ構成体が、前記第1のマーカー構成部及び前記第2のマーカー構成部を検出するように構成されたセンサを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
エアロゾル化可能媒体と、
複数の第1のマーカー領域を備える第1のマーカー構成部と、
第2のマーカー構成部と、
を具備するエアロゾル生成物品であって、
前記第1のマーカー構成部の前記第2のマーカー構成部との比較が前記エアロゾル生成物品に関連するデータを示すように、前記第1のマーカー構成部が、前記第2のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている、エアロゾル生成物品。
【請求項12】
前記複数の第1のマーカー領域の前記複数の第2のマーカー領域との比較が前記エアロゾル生成物品に関連する前記データを示すように、前記第2のマーカー構成部が、複数の第2のマーカー領域を備える、請求項11に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項13】
前記第1のマーカー構成部の要素と前記第2のマーカー構成部の要素との相対位置が前記データを示す、請求項11又は12に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項14】
前記複数の第2のマーカー領域のそれぞれが第2のマーカーを備え、前記複数の第1のマーカー領域のそれぞれが対応する第1のマーカーを備え、前記対応する第1のマーカーの位置に対する前記第2のマーカーの位置が前記データを示す、請求項12に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項15】
前記複数の第1のマーカー領域が、マーカー軸線に沿って互いに隣り合わせで配置され、前記複数の第2のマーカー領域が、前記マーカー軸線に垂直な方向に前記複数の第1のマーカー領域からずらされ、前記マーカー軸線に沿う前記対応する第1のマーカーの位置に対する前記マーカー軸線に沿う前記第2のマーカーの位置が前記データを示す、請求項14に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項16】
前記物品が、挿入軸線に沿ってエアロゾル生成装置のチャンバに挿入可能であり、前記物品が前記エアロゾル生成装置に挿入されるとき、前記マーカー軸線と前記挿入軸線が平行である、請求項15に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項17】
請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置と、
請求項11~16のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品と、
を備えるシステム。
【請求項18】
エアロゾル生成物品に関連するデータを決定する方法であって、
前記物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップであり、前記第1のマーカー構成部が複数の第1のマーカー領域を備える、ステップと、
前記物品上の第2のマーカー構成部の存在を検出するステップであり、前記第2のマーカー構成部が、前記第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている、ステップと、
前記複数の第1のマーカー領域を前記第2のマーカー構成部と比較して複数の比較値を決定するステップと、
前記複数の比較値に基づいて前記データを決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記第2のマーカー構成部が複数の第2のマーカー領域を備え、前記複数の第1のマーカー領域を前記第2のマーカー構成部と比較する前記ステップが、前記複数の第1のマーカー領域を前記複数の第2のマーカー領域と比較することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の第1のマーカー領域を前記複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定する前記ステップが、前記複数の第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えるかどうかに基づいて前記複数の比較値を決定するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の第2のマーカー領域のそれぞれが第2のマーカーを備え、前記複数の第1のマーカー領域のそれぞれが対応する第1のマーカーを備え、
前記複数の第1のマーカー領域を前記複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定する前記ステップが、前記対応する第1のマーカーに対する前記第2のマーカーの位置に基づいて前記複数の比較値を決定するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の第1のマーカー領域が、マーカー軸線に沿って互いに隣り合わせで配置され、前記複数の第2のマーカー領域が、前記マーカー軸線に垂直な方向に前記複数の第1のマーカー領域からずらされ、前記位置に基づいて前記複数の比較値を決定するステップが、
前記第2のマーカーが、前記マーカー軸線に沿って第1の方向に、前記対応する第1のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、前記比較値が第1の比較値であることを決定することと、
前記対応する第1のマーカーが、前記マーカー軸線に沿って前記第1の方向に、前記第2のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、前記比較値が第2の比較値であることを決定することであって、前記第2の比較値が前記第1の比較値と異なる、決定すること、
のうちの1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
挿入軸線に沿って前記物品をエアロゾル生成装置のチャンバに受け入れるステップであって、前記物品が前記エアロゾル生成装置に受け入れられるとき、前記マーカー軸線と前記挿入軸線が平行である、ステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記物品上の前記第1のマーカー構成部の存在を検出するステップが、第1のセンサを使用して前記物品上の前記第1のマーカー構成部の存在を検出することを含み、
前記物品上の前記第2のマーカー構成部の存在を検出するステップが、第2のセンサを使用して前記第2のマーカー構成部の存在を検出することを含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のセンサを作動させて前記第1のマーカー構成部の存在を検出するステップと、
前記第1のセンサによって前記第1のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して前記第2のセンサを作動させるステップと、
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のマーカー構成部を検出した後、前記第2のセンサの作動を止めるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記物品上の前記第1のマーカー構成部の存在を検出する前記ステップと、前記物品上の前記第2のマーカー構成部の存在を検出する前記ステップとが、両方とも同じセンサを使用する、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置、エアロゾル生成物品、エアロゾル生成システムに関し、また、エアロゾル生成物品に関連するデータを決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ及び葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコ煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創出することによって、タバコを燃焼させるこれらの喫煙品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する加熱デバイスがある。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよく、非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル化可能媒体を備える物品を受け入れるように構成されたチャンバと、物品上の第1のマーカー構成部及び物品上の第2のマーカー構成部を検出するように構成されたセンサ構成体とを具備するエアロゾル生成装置が提供される。第2のマーカー構成部は、第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。エアロゾル生成物品は、第1のマーカー構成部の複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較することによって複数の比較値を決定し、複数の比較値に基づいて物品に関連するデータを決定するように構成されたコントローラをさらに具備する。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル化可能媒体と、複数の第1のマーカー領域を備える第1のマーカー構成部と、第2のマーカー構成部とを具備するエアロゾル生成物品が提供される。第1のマーカー構成部の第2のマーカー構成部との比較がエアロゾル生成物品に関連するデータを示すように、第1のマーカー構成部が、第2のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル生成装置と、第2の態様によるエアロゾル生成物品とを備えるシステムが提供される。
【0006】
本開示の第4の態様によれば、エアロゾル生成物品に関連するデータを決定する方法が提供される。本方法は、物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップであり、第1のマーカー構成部が複数の第1のマーカー領域を備える、ステップと、物品上の第2のマーカー構成部の存在を検出するステップであり、第2のマーカー構成部が、第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている、ステップと、複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較して複数の比較値を決定するステップと、複数の比較値に基づいてデータを決定するステップとを含む。
【0007】
本発明のさらなる特徴及び利点は、単なる例として与えられ、添付の図面を参照してなされる、以下の本発明の好ましい実施形態の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1の例示的なエアロゾル生成装置の上面図である。
【
図3】
図1の例示的なエアロゾル生成装置の断面図である。
【
図5】第2の例によるエアロゾル生成物品の図である。
【
図6】第3の例によるエアロゾル生成物品の図である。
【
図7】第4の例によるエアロゾル生成物品の図である。
【
図8】一例による、エアロゾル生成物品に関連するデータを決定する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の第1の態様は、加熱するためにタバコなどのエアロゾル化可能媒体を備える物品を受け入れることができるチャンバを具備するエアロゾル生成装置を定める。使用者は、エアロゾルを生じさせるために物品を加熱する前に、物品をエアロゾル生成装置に挿入することができ、続いてユーザはエアロゾルを吸引する。物品は、例えば、物品を受け入れるような大きさの加熱チャンバ内に置かれるように構成された所定又は特定の大きさであってもよい。一例では、物品は本質的に管状であり、「タバコスティック(tobacco stick)」として知られていることがあり、例えば、エアロゾル化可能媒体は、特定の形状に形成され、次いで、紙又は箔などの1つ又は複数の他の材料で覆われた又は巻かれたタバコを備えることがある。別の例では、物品は平坦な基材のことがある。エアロゾル化可能媒体はまた、喫煙材又はエアロゾル化可能材料として知られていることがある。
【0010】
装置に導入された特定の物品を、使用者からのさらなる入力なしに識別又は認識できることは、装置にとって望ましいことがある。例えば、装置は、物品の特定のタイプ(例えば、大きさ、形状、特定のエアロゾル化可能材料などのうちの1つ又は複数)に対して最適化されてもよい。異なる特性を有する物品とともに使用されることは装置にとっては望ましくないことがある。装置に導入された特定の物品、又は少なくとも一般的なタイプの物品を装置が識別又は認識することができるならば、これは、模造品又は他の非純正品が装置とともに使用されることを排除、又は少なくとも減らす助けにすることができる。さらに、特定の物品に対して装置を適切に動作させることができるように特定の物品を識別することが望ましいことがある。例えば、加熱チャンバに導入された特定の物品に対して、特定の加熱温度、プロファイル、又は長さが選択されてもよい。
【0011】
検出器/センサを使用して、物品にあるバーコードなどの単一の識別コードを検出することができる。使用者が物品をデバイスに挿入すると、検出器はコードを読み取る。しかしながら、単一の識別コードでは、使用者が物品を装置に挿入したときにコードを読み取ることが困難なことが多い。物品が動くことにより、バーコードの特徴が互いに分析不可能になることがある。例えば、物品が検出器を通過するのが速すぎる場合、検出器は物品に印刷されたバーコードを正確に読み取ることを失敗することがある。したがって、より信頼性高く読み取ることができる識別コードを有するエアロゾル生成装置と物品に対する必要性が存在する。
【0012】
したがって、本書で説明する例示的なエアロゾル生成装置は、例示的なエアロゾル生成物品に配置された特定のマーカー構成部を読み取るように構成されたセンサ構成体及びコントローラを備える。センサ構成体は、物品上の第1のマーカー構成部と物品上の第2のマーカー構成部とを検出するように構成される。第2のマーカー構成部は、第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。コントローラは、第1のマーカー構成部の複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較することによって複数の比較値を決定し、複数の比較値に基づいて物品に関連するデータを決定するように構成される。このデータは、例えば、挿入される消耗品のタイプを示してもよい。
【0013】
複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較することによって、挿入速度に影響されずに物品に関連するデータを決定することができる。これは、両方のマーカー構成部が同じ速度で一緒に動いているからであり、これらの2つのマーカー構成部の比較によって、コントローラは物品に関連するデータを決定することができる。この手法は、挿入速度が変わり得るときに利点があるが、挿入速度が一定である(例えば、物品が自動化手段で動かされる)場合にも使用することができることは認識すべきである。さらに、本技術は、物品がデバイスに挿入される場合に限定されず、より広くは、例えば、物品がデバイスにすでに挿入されているが、その後、物品内に保持されているときに動かされる場合など、動く物品に関することは認識すべきである。
【0014】
同様に、本書で説明する例示的なエアロゾル生成物品は、エアロゾル化可能媒体と、複数の第1のマーカー領域を備える第1のマーカー構成部と、第2のマーカー構成部とを具備する。第1のマーカー構成部を第2のマーカー構成部と比較することがエアロゾル生成物品に関連するデータを示すように、第1のマーカー構成部が、第2のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。
【0015】
いくつかの例では、複数の第1のマーカー領域の複数の第2のマーカー領域との比較がエアロゾル生成物品に関連するデータを示すように、第2のマーカー構成部も、複数の第2のマーカー領域を備える。したがって、コントローラは、第1のマーカー構成部の複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部の複数の第2のマーカー領域と比較することによって、複数の比較値を決定するように構成されてもよい。複数の第1及び第2のマーカー領域を有することによって、より多くのデータをマーカー構成部内で符号化することができる。
【0016】
マーカー領域は1対1で比較されてもよい。例えば、第1の構成部の1つのマーカー領域は、第2の構成部の対応する1つのマーカー領域と比較される。マーカー領域は1対複数で比較されてもよい。例えば、1つの構成部の1つのマーカー領域は、他の構成部の複数のマーカー領域と比較される。マーカー領域は複数対複数で比較されてもよい。例えば、第1の構成部の複数のマーカー領域は、第2の構成部の複数のマーカー領域と全体として比較される。
【0017】
コントローラは、複数の第1のマーカー領域を複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定するように構成されてもよく、複数の第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えるかどうかに基づいて複数の比較値を決定するように構成されたコントローラを備えてもよい。
【0018】
したがって、いくつかの例では、複数の第2のマーカー領域のいくつか又はすべてはその中にマーカーを備えてもよい。第2のマーカーのないこれらの領域は「空」又は空白とすることができる。したがって、センサ構成体は、第2のマーカー構成部内の1つ又は複数の第2のマーカーを検出することができる。ここから、比較値を決定することができる。特定の例では、複数の第1のマーカー領域はそれぞれ、ビット列におけるビット値を表す。対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備える場合、比較値は、例えば、「1」を示すことができ、対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えない場合、比較値は「0」を示すことができる。このようにして、複数の比較値を検出することができる。マーカーの比較からの全ビット列は、物品に関連するデータを示すことができる。
【0019】
別の特定の例では、複数の第1のマーカー領域はそれぞれ、文字列の一部を形成する文字などの文字を表してもよい。対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備える場合、比較値は、対応する第1のマーカー領域の文字によって表すことができる。対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えない場合、比較値は空白とすることができる。
【0020】
代替の例では、複数の第2のマーカー領域のそれぞれは第2のマーカーを備えてもよく、複数の第1のマーカー領域のそれぞれは対応する第1のマーカーを備えてもよい。対応する第1のマーカーの位置に対する第2のマーカーの位置がデータを示すことができる。したがって、複数の第1のマーカー領域を複数の第2のマーカー領域と比較して複数の比較値を決定するように構成されたコントローラは、複数の第1のマーカー領域に配置された対応する第1のマーカーに対する、複数の第2のマーカー領域に配置された第2のマーカーの位置に基づいて複数の比較値を決定するように構成されたコントローラを備えてもよい。したがって、センサ構成体は、対応する第1のマーカーの位置に対するそれぞれの第2のマーカーの位置を検出することができる。ここから、相対位置に基づいて比較値を決定することができる。
【0021】
複数の第1のマーカー領域は、マーカー軸線に沿って互いに隣り合わせで配置されてもよく、複数の第2のマーカー領域は、マーカー軸線に垂直な方向に複数の第1のマーカー領域からずらされていてもよい。マーカー軸線に沿う対応する第1のマーカーの位置に対するマーカー軸線に沿う第2のマーカーの位置はデータを示すことができる。したがって、位置に基づいて複数の比較値を決定するように構成されたコントローラは、(i)第2のマーカーが、マーカー軸線に沿って第1の方向に、対応する第1のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、比較値が第1の比較値であることを決定すること、又は(ii)対応する第1のマーカーが、マーカー軸線に沿って第1の方向に、第2のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、比較値が第2の比較値であることを決定することであって、第2の比較値が第1の比較値と異なる、決定することのどちらかを行うように構成されたコントローラを備えてもよい。
【0022】
マーカー軸線は、第1のマーカー構成部又は第2のマーカー構成部のどちらかによって定められた軸線であってもよい。例えば、複数の第1のマーカー領域は、互いに隣り合わせで列状に配置されてもよく、その列がマーカー軸線を定める。第2のマーカー領域はマーカー軸線に平行に配置されてもよい。
【0023】
特定の例では、複数の第1のマーカー領域はビット列におけるビット値を表し、複数の第2のマーカー領域は複数の第1のマーカー領域に対応する。複数の第2のマーカー領域のそれぞれに対して、第2のマーカーの位置は、対応する第1のマーカー領域の対応する第1のマーカーの位置と比較される。第2のマーカーが、マーカー軸線に沿って特定の方向に、対応する第1のマーカーよりも遠くに位置していれば、比較値は、例えば、「1」を示すことができる。逆に、第1のマーカーが、マーカー軸線に沿って特定の方向に、対応する第2のマーカーよりも遠くに位置していれば、比較値は、例えば、「0」を示すことができる。このようにして、複数の比較値を検出することができる。したがって、マーカーの比較からのビット列の少なくとも一部分は、物品に関連するデータを示すことができる。
【0024】
チャンバは、物品が挿入軸線に沿ってチャンバに挿入可能/受け入れ可能である挿入軸線を定め、物品がエアロゾル生成装置に挿入される/受け入れられるとき、マーカー軸線と挿入軸線は平行であってもよい。したがって、物品がチャンバに挿入されるとき、第1及び第2のマーカー構成部の向きをチャンバと合わせることができる。物品がセンサ構成体を通過して移動することによってマーカー領域のそれぞれを読み取ることができるので、このように向きを合わせることによって、エアロゾル生成装置内に必要なセンサの数を減らすことができる。軸線の向きが合わせられていない場合、より多くのセンサ、又はより広い視野を有するセンサが必要になることがある。
【0025】
センサ構成体は、第1のマーカー構成部を検出するように構成された第1のセンサと、第2のマーカー構成部を検出するように構成された第2のセンサとを備えてもよい。センサを2つ使用すると、異なるマーカー構成部の処理を簡略化することができる。例えば、光学センサの場合には、像内に異なる領域を検知するのに必要な処理ステップが少なくなる。
【0026】
センサは、第1及び第2のマーカー構成部によって反射された、又は生成された電磁放射を検知してもよい。例えば、センサは光学センサであってもよく、マーカー構成部から反射した光を検出してもよい。他の例では、センサは静電容量センサであってもよく、この場合、静電容量の変化によってマーカー構成部を読み取ることができる。いくつかの例では、第1及び第2のマーカー構成部は、物品に印刷、エッチング、又はコーティングされる。第1及び第2のマーカー構成部は、人間の目に見えてもよいし、見えなくてもよい。
【0027】
コントローラは、第1のセンサが第1のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して第2のセンサを作動させるようにさらに構成されてもよい。第1のセンサが第1のマーカー構成部を検出した後だけに第2のセンサを作動させることで、電力を節約することができる。例えば、第1のマーカー構成部の存在を調べるのに必要なのは第1のセンサだけである。
【0028】
コントローラは、第2のセンサが第2のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して第2のセンサの作動を止めるようにさらに構成されてもよい。したがって、一旦、第2のマーカー構成部が検出されると、第2のセンサの電源が切られてエネルギーを節約することができる。第1のセンサの電源は入ったままであってもよい。
【0029】
いくつかの例では、センサ構成体は、第1のマーカー構成部及び第2のマーカー構成部を検出するように構成されたセンサを備える。したがって、2つ以上のセンサを有する代わりに、単一のセンサが両方のマーカー構成部を読み取ってもよい。これは、装置をより安価に生産するのに望ましいことがある。装置は、単一のセンサのみを有することによって軽量及び/又はコンパクトになることがある。単一のセンサはまた、2つの別個のセンサを同期させて動作させる必要がなく、センサデータを単一の組のセンサデータから分析することができるので、動作を簡略化することができる。
【0030】
図1は、エアロゾル化可能媒体からエアロゾルを生成するための装置100の例を示す。デバイス100は、エアロゾル供給デバイスとしても知られていることがある。概略的に述べると、装置100を使用して、エアロゾル化可能媒体を備える交換可能な物品(図示せず)を加熱して、装置100の使用者によって吸引されるエアロゾル又は他の吸引可能な媒体を生成することができる。
図2は、
図1に示した装置100の例の上面図である。
【0031】
装置100は、装置100の様々な構成部品を収容するハウジング102を備える。ハウジング102は一端に開口104を有し、開口104を通して物品を加熱チャンバ(図示せず)に挿入することができる。使用時、物品は、完全に又は部分的にチャンバに挿入することができる。加熱チャンバは、1つ又は複数の加熱要素(図示せず)によって加熱することができる。装置100はまた、物品が定位置にないときに開口104を覆うために、蓋又はキャップ106を備えてもよい。
図1及び
図2では、キャップ106は、開いた形態で示されているが、キャップ106は、例えば、スライドすることによって閉じた形態になるように動かすことができる。装置100は、押すと装置100を作動させるボタン又はスイッチなど、使用者が操作可能な制御要素108を含んでもよい。
【0032】
図3は、
図1に示したような装置100の例の断面図である。装置100は、加熱される物品110を受け入れるように構成された受入部又はチャンバ112を有する。一例では、加熱チャンバ112は一般に、中空の円筒状チューブの形態であり、使用時、エアロゾル化可能媒体を備えた物品100が加熱のために挿入される。しかしながら、加熱チャンバ112に対する異なる構成が可能である。
図3の例では、エアロゾル化可能媒体を備えた物品110は、加熱チャンバ112に挿入されている。この例の物品110は、細長い円筒状のロッドであるが、物品110は任意の適切な形状をとってもよい。この例では、使用時に使用者が物品110を通してエアロゾルを吸引することができるように、物品110の端部は、ハウジング102の開口104を通って装置100から突出する。装置100から突出する物品の端部はフィルター材料を含んでもよい。他の例では、物品110は、装置100から突出しないように加熱チャンバ112内に完全に受け入れられる。このような場合、使用者は、エアロゾルを開口104から直接吸引してもよいし、開口104の周りでハウジング102に接続することができる吸い口を介して吸引してもよい。
【0033】
装置100は、1つ又は複数のエアロゾル生成要素を備える。一例では、エアロゾル生成要素は、チャンバ112内に配置された物品110を加熱するように構成されたヒーター構成体120の形態である。一例では、ヒーター構成体120は、電流を流すと温度が上昇する抵抗加熱要素を備える。他の例では、ヒーター構成体120は、誘導加熱によって加熱されるサセプタ材料を備えてもよい。サセプタ材料を備えるヒーター構成体120の例では、装置100はまた、ヒーター構成体120に侵入する変動磁場を生成する1つ又は複数の誘導要素を備える。ヒーター構成体は、加熱チャンバ112の内部又は外部に配置することができる。一例では、ヒーター構成体は、加熱チャンバ112の外面に巻かれた薄膜ヒーターを備えてもよい。例えば、ヒーター構成体120は、単一のヒーターとして形成されてもよいし、加熱チャンバ112の長手方向軸線に沿って整列した複数のヒーターから形成されてもよい。加熱チャンバ112は、環状又は管状であってもよいし、その周囲が少なくとも部分的に環状又は部分的に管状であってもよい。1つの特定の例では、加熱チャンバ112は、ステンレス鋼製の支持チューブによって画定される。加熱チャンバ112は、実質的にエアロゾル化可能媒体の全体を加熱することができるように、使用時に、実質的に物品110のエアロゾル化可能媒体の全体が加熱チャンバ112内に配置されるような寸法である。他の例では、ヒーター構成体120は、物品110上又は物品110内に配置されたサセプタを含んでもよく、その場合、サセプタ材料は、装置100によって生成される変動磁場によって加熱可能である。加熱チャンバ112は、エアロゾル化可能媒体の選択された領域を、例えば、必要に応じて順番に(経時的に)又は一緒に(同時に)独立して加熱することができるように構成されてもよい。
【0034】
いくつかの例では、装置100は、電気制御回路又はコントローラ116、並びに/或いはバッテリーなどの電源118を収容する電子装置区画114を含む。他の例では、専用の電子装置区画が設けられなくてもよく、コントローラ116及び電源118は装置100内に全体的に配置される。電気制御回路又はコントローラ116は、エアロゾル化可能媒体の加熱を制御するように構成及び配置されたマイクロプロセッサ構成体を含んでもよい。
【0035】
電源118は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーなどのバッテリーでもよい。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル電池(ニッケル-カドミウム電池など)、及び/又はアルカリ電池などが含まれる。バッテリーは1つ又は複数のヒーターに電気的に結合されて、必要時に電力を供給し、コントローラ116の制御下でエアロゾル化可能媒体を燃焼させることなくエアロゾル化可能媒体を加熱する。電源118をヒーター構成体120と隣り合わせで配置することは、装置100を全体として過度に長くすることなく、物理的に大きな電源118を使用することができることを意味する。理解されるように、一般に、物理的に大きな電源118は、より大きな容量(すなわち、供給可能な総電気エネルギー、多くの場合はアンペア時などで測定されるもの)を有し、したがって、装置100のバッテリー寿命をより長くすることができる。
【0036】
装置100は、下でさらに論じるように、物品110上の第1のマーカー構成部124を検出し、物品110上の第2のマーカー構成部126を検出するように構成されたセンサ構成体122を含む。
【0037】
いくつかの例では、コントローラ116は、センサ構成体122から1つ又は複数の入力/信号を受け取るように構成される。コントローラ116はまた、制御要素110から信号を受け取り、受け取った信号及び受け取った入力に応答してヒーター構成体120を作動させることができる。装置100内の電子要素は、破線として示された1つ又は複数の接続要素128によって電気的に接続することができる。
【0038】
上で簡単に言及したように、装置100に導入された特定の物品110を識別又は認識できることは、装置100にとって望ましいことがある。例えば、特に、コントローラ116によって与えられる加熱制御を含み、装置100はしばしば物品の特定の構成に対して最適化される。様々な特性を有するエアロゾル化可能媒体又は物品110とともに使用されることは装置100にとって望ましくない。
【0039】
図4は、一例によるエアロゾル生成物品400を示す。物品400は長手方向軸線410を定め、タバコなどのエアロゾル化可能媒体を備える。第1のマーカー構成部402及び第2のマーカー構成部404は物品上にあってもよい。この例では、マーカー構成部402、404は長手方向軸線410に平行に整列しているが、他の配置も可能である。第1のマーカー構成部は複数の第1のマーカー領域406を備えてもよく、第2のマーカー構成部も複数の第2のマーカー領域408を備えてもよい。しかしながら、いくつかの例では、第2のマーカー構成部404は単一の第2のマーカー領域408のみを備えてもよい。第1及び第2のマーカー領域は、それぞれのマーカー構成部内の区域を占めてもよい。例えば、マーカー領域は、センサによって読み取られるマーカー構成部内の一部分であってもよい。破線は、理解を助けるために、第1及び第2のマーカー領域406、408によって占められる範囲を示しているが、これらの破線はいくつかの実施形態では存在しないことがある。
【0040】
マーカーは、センサ構成体が検出することができるように、マーカー領域406、408によって占められる区域内に配置することができる。
図4の例では、マーカー領域406、408は「空」であり、したがって、まだ検出可能になっていない。
図5~
図7は、特定の例による検出可能なマーカー領域406、408を示す。マーカー構成部402、404、又はマーカー構成部の特徴は、物品400に印刷、エッチング、又はコーティングされてもよい。例えば、物品400がタバコのロッドである例では、マーカー構成部402、404は、タバコを取り囲む紙の上に印刷されてもよい。
【0041】
図4に示すように、第1のマーカー構成部402は、第2のマーカー構成部404に対して所定の位置に配置されている。広い意味で、
図3に示されたセンサ構成体122などのセンサ構成体によって検出されると、第1のマーカー構成部402を第2のマーカー構成部404と比較することによって、エアロゾル生成物品400に関連するデータを示すことができる。例えば、このデータは複数の値を備えてもよく、複数の値は、第1のマーカー構成部402の複数の第1のマーカー領域406を第2のマーカー構成部404と比較することによって決定することができる。又は、より詳細には、複数の値は、第1のマーカー構成部402の複数の第1のマーカー領域406を第2のマーカー構成部404の複数の第2のマーカー領域408と比較することによって決定することができる。
【0042】
図5は、第1の例によるエアロゾル生成物品500を示す。この例では、マーカーはマーカー領域のいくつか又はすべてに存在する。物品500は長手方向軸線510を定める。物品500は、第1のマーカー構成部502及び第2のマーカー構成部504を備える。第1のマーカー構成部は複数のマーカー領域506を備え、第2のマーカー構成部も複数の第2のマーカー領域508を備える。
【0043】
図5は、横線として描かれて示される第1のマーカーを備える第1のマーカー領域506のそれぞれを示す。第1のマーカーの存在が第1のマーカー領域506を示す。したがって、それぞれの第1のマーカー領域506は、第1のマーカーの存在を検出することによってセンサ構成体によって検出することができる。第1のマーカーは、センサ構成体によって確実に検出することができるように、任意の適切な形態をとってもよい。第1のマーカー領域506のそれぞれは、対応する第2のマーカー領域508と隣り合わせで配置される。第2のマーカー領域508のいくつか又はすべては、この場合もまた、横線として描かれた第2のマーカーを備える。第2のマーカーを備えないこれらの第2のマーカー領域508は空であってもよいし、異なる区別可能なマーカーを備えてもよい。
【0044】
物品に関連するデータを決定するために、第1のマーカー構成部502の複数の第1のマーカー領域506を、第2のマーカー構成部504の複数の第2のマーカー領域508と比較することができる。第2のマーカー領域508のそれぞれの中に第2のマーカーがあるかないかが、値を示すことができる。これらの値は一緒になって物品に関連するデータを形成する。
【0045】
図5の例では、第1のマーカー領域506の数が識別コードの長さを示す。識別コードはデータとして表される。したがって、この例では、識別コードは6つの値を備える。個々の値は、数、文字、又は任意の他の印として表すことができる。しかしながら、
図5の例では、それぞれの値は、ビット値、すなわち、「1」か「0」のどちらかとして表される。対応する第2のマーカー領域508が第2のマーカーを備える場合、値は、例えば、「1」を示すことができ、対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えない場合、値は「0」を示すことができる。このようにして、複数の比較値を検出することができる。
図5の例では、最も上の第2のマーカー領域508は第2のマーカーを備えていない。したがって、この列の値は「0」とすることができる。この下の次の第2のマーカー領域508は第2のマーカーを備えており、したがって値は「1」とすることができる。次の2つの第2のマーカー領域508は第2のマーカーを備えておらず、したがって両方の値は「0」とすることができる。最後から2番目の第2のマーカー領域508は第2のマーカーを備えており、したがって値は「1」とすることができる。一番下の第2のマーカー領域508は第2のマーカーを備えておらず、したがって値は「0」とすることができる。したがって、これらの複数の値は「0、1、0、0、1、0」を示す。これらの複数の値は、第1のマーカー構成部502と第2のマーカー構成部504の両方を検出する、したがって互いに対して比較することによって決定されるので、比較値として知られていることがある。したがって、物品500の特定のタイプは、データ「0、1、0、0、1、0」を読み取ることによって検出することができる。このデータは、例えば、物品500が特定の会社によって、又は特定の場所で製造されたこと、及び/又は、特定の時間の加熱を必要とすることを示すことができる。
【0046】
図5は、第1のセンサ512及び第2のセンサ514を備えるセンサ構成体を示す。センサ512、514からの信号は、
図3に示したコントローラ116などのコントローラに送信することができる。センサデータは処理されて、比較値、したがって物品500に関連するデータを決定することができる。第1のセンサ512は第1のマーカー構成部502を検出するように構成され、第2のセンサ514は第2のマーカー構成部504を検出するように構成される。しかしながら、他の例では、単一のセンサが第1及び第2のマーカー構成部502、504の両方を検出してもよい。センサ512、514はそれぞれ、特定の視野516を有する。使用者が物品500を装置100に挿入すると、マーカー領域506、508が視野516を通過し、それによって、第1及び第2のマーカーを検出することができる。
【0047】
一例では、センサ512、514のうちの1つだけが、マーカー構成部の存在を検出するように作動していてもよい。他のセンサは、作動しているセンサが最初にマーカー構成部の存在を検出したときに作動させられてもよい。例えば、第1のセンサ512が作動していてもよく、最初に第1のマーカー構成部502の存在を検出した後、第2のセンサ514を作動させるように信号が送られる。第2のセンサ514はその後、所定の時間後、及び/又は、第2のセンサ514が第2のマーカー構成部504の存在を検出したことに応答して、作動を止められてもよい。このように動作させることによって、両方のセンサがずっと作動している必要がなくなるので、装置100のエネルギー効率をより高くすることができる。
【0048】
図6は、第2の例によるエアロゾル生成物品600を示す。この例では、マーカーはマーカー領域のいくつか又はすべてに存在する。物品600は長手方向軸線610を定める。物品600は、第1のマーカー構成部602及び第2のマーカー構成部604を備える。第1のマーカー構成部は複数の第1のマーカー領域606を備え、第2のマーカー構成部も複数の第2のマーカー領域608を備える。
【0049】
図6は、文字として描かれて、又は文字を表して示される第1のマーカーを備える第1のマーカー領域606のそれぞれを示す。第1のマーカーの存在を検出することによって、それぞれの第1のマーカー領域606はセンサ構成体によって検出することができる。第1のマーカー領域606のそれぞれは、対応する第2のマーカー領域608と隣り合わせで配置される。図示のように、第2のマーカー領域608のいくつか又はすべては、星形として描かれて示される第2のマーカーを備える。第2のマーカーを備えないこれらの第2のマーカー領域608は空であってもよいし、異なる区別可能なマーカーを備えてもよい。
【0050】
物品に関連するデータを決定するために、第1のマーカー構成部602の複数の第1のマーカー領域606を、第2のマーカー構成部604の複数の第2のマーカー領域608と比較することができる。第2のマーカー領域608のそれぞれの中に第2のマーカーがあるかないかが値を示すことができる。これらの値は一緒になって物品に関連するデータを形成する。
【0051】
図6の例では、第1のマーカー領域606の数が識別コードの長さを示す。識別コードはデータとして表される。したがって、この例では、識別コードは7つの値を備える。個々の値は、任意の印として表すことができる。
図6の例では、それぞれの値は、アルファベットの文字として表される。対応する第2のマーカー領域608が第2のマーカーを備える場合、値は対応する第1のマーカー領域606によって示された文字を表すことができる。対応する第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えない場合、値なしとすることができる。このようにして、1つ又は複数の比較値を検出することができる。
【0052】
図6の例では、最も上の第2のマーカー領域608は第2のマーカーを備えている。したがって、値は「A」とすることができる。その下の次の5つのマーカー領域608は第2のマーカーを備えておらず、したがって値は決まらない。或いは、第2のマーカーが存在しないことを示すために、「0」又は「-」などの特別の値が決められてもよい。最後の第2のマーカー領域608は第2のマーカーを備え、したがって値は「G」とすることができる。したがって、これらの複数の値は、例えば、「A、G」又は「A、0、0、0、0、0、G」を示す。これらの複数の値は、第1のマーカー構成部602と第2のマーカー構成部604の両方を検出する、したがって比較することによって決定されるので、比較値として知られていることがある。したがって、物品600の特定のタイプは、データ「A、G」を読み取ることによって検出することができる。このデータは、例えば、物品600が特定の会社によって、又は特定の場所で製造されたこと、及び/又は、特定の温度への加熱を必要とすることを示すことができる。
【0053】
図6は、センサ612を備えるセンサ構成体を示す。センサ612からの信号は、
図3に示したコントローラ116などのコントローラに送信することができる。センサ612は第1のマーカー構成部602及び第2のマーカー構成部604を検出するように構成される。しかしながら、他の例では、2つ以上のセンサが第1及び第2のマーカー構成部602、604を検出してもよい。センサ612は、第1及び第2のセンサ構成体602、604の両方を検知することができる特定の視野616を有する。使用者が物品600を装置100に挿入すると、マーカー領域606、608が視野616を通過し、それによって、第1及び第2のマーカーを検出することができる。
【0054】
図7は、第3の例によるエアロゾル生成物品700を示す。この例では、マーカーはマーカー領域のすべてに存在する。物品700は長手方向軸線710を定める。物品700は、第1のマーカー構成部702及び第2のマーカー構成部704を備える。第1のマーカー構成部は複数の第1のマーカー領域706を備え、第2のマーカー構成部も複数の第2のマーカー領域708を備える。この例では、説明のため、第1及び第2のマーカー領域706、708によって区切られる区域は破線で描かれている。第1及び第2のマーカー領域706、708の境界は、物品700に印刷されてもよいし、されなくてもよい。
【0055】
図7は、横線として描かれて示される第1のマーカーを備える第1のマーカー領域706のそれぞれを示す。第1のマーカーの存在が第1のマーカー領域706を示す。したがって、それぞれの第1のマーカー領域706は、第1のマーカーの存在を検出することによってセンサ構成体によって検出することができる。第1のマーカーは、センサ構成体によって確実に検出することができるように、任意の適切な形態をとってもよい。第1のマーカー領域706のそれぞれは、対応する第2のマーカー領域708と隣り合わせで配置される。第2のマーカー領域708のすべては、この場合もまた、横線として描かれて示される第2のマーカーを備える。第1及び第2のマーカー構成部702、207は、
図5又は
図6に関して説明したようなセンサ構成体によって検出することができる。
【0056】
物品に関連するデータを決定するために、第1のマーカー構成部702の複数の第1のマーカー領域706を、第2のマーカー構成部704の複数の第2のマーカー領域708と比較することができる。複数の第1のマーカー領域706に配置された対応する第1のマーカーに対する第2のマーカー領域708に配置された第2のマーカーの位置が特定の値を示すことができる。これらの値は一緒になって物品に関連するデータを形成する。
【0057】
図7の例では、第1のマーカー領域706の数が識別コードの長さを示す。識別コードはデータとして表される。したがって、この例では、識別コードは6つの値を備える。個々の値は、数、文字、又は任意の他の印として表すことができる。しかしながら、
図7の例では、それぞれの値は、ビット値、すなわち、「1」か「0」のどちらかとして表される。
【0058】
対応する第1のマーカーに対する第2のマーカーの位置が、値が「1」か「0」を決定する。
図7は、マーカー構成部702、704の一方又は両方によって定められたマーカー軸線718を示す。
【0059】
この例では、第2のマーカーが、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第1のマーカーよりも遠くに配置されていれば値は「1」である。第1のマーカーが、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、第2のマーカーよりも遠くに配置されていれば値は「0」である。このようにして、複数の比較値を検出することができる。
【0060】
図7の例では、最も上の第2のマーカー領域708は、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、最も上の第1のマーカー領域706の対応する第1のマーカーよりも遠くにずらされた/配置された第2のマーカーを備える。したがって、値は「1」とすることができる。マーカー領域706、708の次の列では、第1のマーカーは、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第2のマーカーよりも遠くにずらされている/配置されている。したがって、値は「0」である。マーカー領域706、708の3番目の列では、第1のマーカーは、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第2のマーカーよりも遠くにずらされている/配置されている。したがって、値は「0」である。マーカー領域706、708の4番目の列では、第2のマーカーは、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第1のマーカーよりも遠くにずらされている/配置されている。したがって、値は「1」である。マーカー領域706、708の5番目の列では、第1のマーカーは、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第2のマーカーよりも遠くにずらされている/配置されている。したがって、値は「0」である。マーカー領域706、708の一番下の列では、第2のマーカーは、マーカー軸線718に沿って第1の方向720に、対応する第1のマーカーよりも遠くにずらされている/配置されている。したがって、値は「1」である。
【0061】
したがって、これらの複数の値は、「1、0、0、1、0、1」を示す。これらの複数の値は、第1のマーカー構成部702と第2のマーカー構成部704の両方を検出する、したがって比較することによって決定されるので、比較値として知られていることがある。
【0062】
図7では、マーカー軸線718と長手方向軸線710は平行である。他の例では、マーカー軸線718と長手方向軸線710は互いに対して角度がつけられてもよい。さらに、加熱チャンバ112(
図3に示されている)は、物品700が挿入軸線130に沿ってチャンバ112に受け入れ可能である挿入軸線130を定めることができる。特定の例では、物品700がエアロゾル生成装置に受け入れられるとき、マーカー軸線718と挿入軸線130は平行であってもよい。したがって、使用者は、物品700を第1の方向720に挿入することができる。このようにマーカー軸線718と挿入軸線130との向きを合わせることによって、第1及び第2のマーカー構成部702、704がセンサ構成体を通過して移動するときにこれらを読み取ることができる。軸線718、130がこのように向きを合わされていなければ、第1及び第2のマーカー構成部702、704を読み取るために挿入軸線130周りにより多くのセンサが必要になることがある。
【0063】
図8は、エアロゾル生成物品に関連するデータを決定するための方法800のフロー図を示す。本方法は、ブロック802において、物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップを含む。ここで、第1のマーカー構成部は複数の第1のマーカー領域を備える。本方法は、ブロック804において、物品上の第2のマーカー構成部の存在を検出するステップを含む。ここで、第2のマーカー構成部は、第1のマーカー構成部に対して所定の位置に配置されている。本方法は、ブロック806において、複数の第1のマーカー領域を第2のマーカー構成部と比較して、複数の比較値を決定するステップを含む。本方法は、ブロック808において、複数の比較値に基づいてデータを決定するステップを含む。
【0064】
いくつかの例では、第2のマーカー構成部は複数の第2のマーカー領域を備える。したがって、ブロック806は、複数の第1のマーカー領域を複数の第2のマーカー領域と比較するステップを含んでもよい。
【0065】
いくつかの例では、ブロック806は、複数の第2のマーカー領域が第2のマーカーを備えているかどうかに基づいて複数の比較値を決定するステップを含んでもよい。
【0066】
いくつかの例では、複数の第2のマーカー領域のそれぞれは第2のマーカーを備え、複数の第1のマーカー領域のそれぞれは対応する第1のマーカーを備える。したがって、ブロック806は、対応する第1のマーカーに対する第2のマーカーの位置に基づいて複数の比較値を決定するステップを含んでもよい。
【0067】
いくつかの例では、複数の第1のマーカー領域は、マーカー軸線に沿って互いに隣り合わせで配置され、複数の第2のマーカー領域は、マーカー軸線に垂直な方向に複数の第1のマーカー領域からずらされている。これらの位置に基づいて複数の比較値を決定するステップは、(i)第2のマーカーが、マーカー軸線に沿って第1の方向に、対応する第1のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、比較値が第1の比較値であることを決定するステップ、又は、(ii)対応する第1のマーカーが、マーカー軸線に沿って第1の方向に、第2のマーカーよりも遠くに配置されていることを決定し、それに応答して、比較値が第2の比較値であることを決定するステップであって、第2の比較値が第1の比較値と異なる、ステップのうちの1つを含む。
【0068】
本方法は、挿入軸線に沿って物品をエアロゾル生成装置のチャンバに受け入れるステップをさらに含んでもよく、ここで、物品がエアロゾル生成装置に受け入れられるとき、マーカー軸線と挿入軸線は平行である。
【0069】
いくつかの例では、物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップは、第1のセンサを使用して物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップを含み、物品上の第2のマーカー構成部の存在を検出するステップは、第2のセンサを使用して第2のマーカー構成部の存在を検出するステップを含む。
【0070】
本方法は、第1のセンサを作動させて第1のマーカー構成部の存在を検出するステップと、第1のセンサによって第1のマーカー構成部の存在を検出したことに応答して第2のセンサを作動させるステップとをさらに含んでもよい。
【0071】
本方法は、第2のマーカー構成部を検出した後、第2のセンサの作動を止めるステップをさらに含んでもよい。
【0072】
しかしながら、いくつかの例では、物品上の第1のマーカー構成部の存在を検出するステップと、物品上の第2のマーカー構成部の存在を検出するステップは、両方とも同じセンサを使用する。
【0073】
さらに、
図4~
図7は、第1のマーカー領域と第2のマーカー領域が、大まかに消耗品の長手方向軸線に対して同じ位置にあるものとして概ね示したが、第1のマーカー領域と第2のマーカー領域は長手方向軸線の方向に互いからずらされていてもよいことは認識すべきである。例えば、消耗品が遠位端及び近位端を有する場合、第1のマーカー領域は、近位端よりも遠位端に近くてもよく、一方、第2のマーカー領域は、遠位端よりも近位端に近くてもよい。この場合、マーカー領域が互いから所定の距離だけずらされていても、デバイスの対応するセンサが同じ又は同様な距離だけずらされていれば、比較値を得ることができる。
【0074】
上記の実施形態は、本発明の説明のための例として理解されたい。本発明のさらなる実施形態も考えられる。任意の1つの実施形態に関して説明された任意の特徴は、単独で使用されてもよく、又は、説明された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよく、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組合せにおいて使用されてもよいことを理解されたい。さらに、上で説明していない等価物及び修正物も、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱していなければ使用することができる。
【国際調査報告】