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特表2022-517810深層学習人工ニューラルネットワークにおけるアナログニューラルメモリ用の電力管理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-10
(54)【発明の名称】深層学習人工ニューラルネットワークにおけるアナログニューラルメモリ用の電力管理
(51)【国際特許分類】
   G06G 7/60 20060101AFI20220303BHJP
   G11C 11/54 20060101ALI20220303BHJP
   G06N 3/063 20060101ALI20220303BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
G06G7/60
G11C11/54
G06N3/063
G11C16/04 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541296
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 US2019050088
(87)【国際公開番号】W WO2020149890
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,492
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/354,040
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/814,813
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ヒュー、バン
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ、ビピン
(72)【発明者】
【氏名】レイテン、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225BA03
5B225BA19
5B225FA01
5B225FA02
(57)【要約】
人工ニューラルネットワーク内の1つ以上のベクトル行列乗算(vector-by-matrix multiplication、VMM)アレイを伴う様々な動作について、電力管理技術の多数の実施形態が開示されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行及び列に配置された不揮発性メモリセルのアレイを備えるベクトル行列乗算システムにおける電力管理を実行する方法であって、
複数の入力を受信するステップと、
前記複数の入力を複数の入力のセットに編成するステップと、
前記複数の入力のセットのそれぞれを前記アレイに順次提供するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記アレイから複数の出力を受信するステップと、
前記アレイからの前記複数の出力を複数の出力のセットに編成するステップと、
前記複数の出力のセットのそれぞれを変換器回路に順次提供するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の入力のセットのそれぞれは、前記アレイのワード線の異なるセットに提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の入力のセットのそれぞれは、前記アレイの制御ゲートの異なるセットに提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変換器回路は、アナログ-デジタル変換器である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記アナログ-デジタル変換器は、積分アナログ-デジタル変換器である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の入力のそれぞれは、1つ以上のパルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アレイはニューロン群を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記不揮発性メモリセルは、スプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記不揮発性メモリセルは、積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ベクトル行列乗算システムは、行及び列に配置された不揮発性メモリセルの第2のアレイを備え、前記方法は、前記受信するステップ、前記編成するステップ、及び前記順次提供するステップの後に、
複数の入力を前記第2のアレイに提供するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
行及び列に配置された不揮発性メモリセルのアレイを備えるベクトル行列乗算システムにおける電力管理を実行する方法であって、
前記アレイから複数の出力を受信するステップと、
前記アレイからの前記複数の出力を複数の出力のセットに編成するステップと、
前記複数の出力のセットのそれぞれを変換器回路に順次提供するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記変換器回路は、アナログ-デジタル変換器である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アナログ-デジタル変換器は、積分アナログ-デジタル変換器である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記不揮発性メモリセルは、スプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記不揮発性メモリセルは、積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の出力のそれぞれは、前記アレイに結合されたビット線から受信される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の出力のそれぞれは、前記アレイに結合されたソース線から受信される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記不揮発性メモリセルは、スプリットゲートフラッシュメモリセルである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記不揮発性メモリセルは、積層ゲートフラッシュメモリセルである、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記ベクトル行列乗算システムは、行及び列に配置された不揮発性メモリセルの第2のアレイを備え、前記方法は、前記受信するステップ、前記編成するステップ、及び前記提供するステップの後に、
前記第2のアレイからの複数の出力を変換器回路に提供するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
複数のアレイを備えるベクトル行列乗算システムにおいて電力管理を実行する方法であって、前記複数のアレイのそれぞれは、行及び列に配置された不揮発性メモリセルを備え、前記方法は、
複数の入力を受信するステップと、
前記複数の入力のうちのいくつか又は全てを受信するために前記複数のアレイのうちの1つ以上を順次有効にするステップと、を含む、方法。
【請求項23】
前記ベクトル行列乗算システムは、前記複数のアレイからの複数の出力を処理するための出力回路を更に備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記出力回路は順次有効にされる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記出力回路はアナログ-デジタル変換器を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ベクトル行列乗算システムは、前記複数の入力を処理するための入力回路を更に備える、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記入力回路は順次有効にされる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記入力回路は、デジタルビット-パルス変換器を備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記入力回路はデジタル-アナログ変換器を備える、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記アレイは、有効ではないアレイのアレイバイアス電圧を放電しない、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年3月6日出願の米国特許仮出願第62/814,813号、表題「System for Converting Neuron Current Into Neuron Current-Based Time Pulses in an Analog Neural Memory in a Deep Learning Artificial Neural Network」、2019年1月18日出願の同第62/794,492号、表題「System for Converting Neuron Current Into Neuron Current-Based Time Pulses in an Analog Neural Memory in a Deep Learning Artificial Neural Network」、及び2019年3月14日出願の米国特許第16/354,040号、表題「Power Management For An Analog Neural Memory In A Deep Learning Artificial Neural Network」に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
人工ニューラルネットワーク内の1つ以上のベクトル行列乗算(vector-by-matrix multiplication、VMM)アレイを伴う様々な動作について、電力管理技術の多数の実施形態が開示されている。
【背景技術】
【0003】
人工ニューラルネットワークは、生物学的ニューラルネットワーク(動物の中枢神経系、特に脳)を模倣しており、多数の入力に依存し得、かつ、一般的に未知である関数を推定する又は近似するために使用される。人工ニューラルネットワークは、概して、メッセージを交換する相互接続した「ニューロン」の層を含む。
【0004】
図1は人工ニューラルネットワークを示しており、図中、円は、入力又はニューロンの層を表す。接続(シナプスと呼ばれる)は、矢印によって表され、経験に基づいて調整され得る数値の重みを有する。これにより、ニューラルネットワークは入力に適応し、学習可能になる。典型的には、ニューラルネットワークは、複数の入力の層を含む。典型的には、1つ以上のニューロンの中間層、及び前記ニューラルネットワークの出力を提供するニューロンの出力層が存在する。それぞれのレベルでニューロンは、前記シナプスから受信したデータに基づいて個々に又は合わせて決定を行う。
【0005】
高性能情報処理用の人工ニューラルネットワークの開発における主要な課題の1つは、適切なハードウェア技術の欠如である。実際には、実用ニューラルネットワークは、非常に多数のシナプスに依拠しており、これによりニューロン間の高い接続性、すなわち、非常に高度な計算処理の並列化が可能となる。原理的には、このような複雑性は、デジタルスーパーコンピュータ又は専用GPU(グラフィックプロセッシングユニット)クラスタによって実現が可能である。しかしながら、高コストに加え、これらのアプローチはまた、生物学的ネットワークが主として低精度のアナログ計算を実施するのではるかに少ないエネルギーしか消費しないのと比較して、エネルギー効率が劣っていることに悩まされている。人工ニューラルネットワークにはCMOSアナログ回路が使用されてきたが、ほとんどのCMOS実装シナプスは、必要な多数のニューロン及びシナプスを前提とすると、嵩高過ぎていた。
【0006】
出願人は以前に、参照により組み込まれる米国特許公開第2017/0337466号として公開された米国特許出願第15/594,439号において、シナプスとして1つ以上の不揮発性メモリアレイを利用する人工(アナログ)ニューラルネットワークを開示した。前記不揮発性メモリアレイは、アナログニューロモーフィックメモリとして動作する。前記ニューラルネットワークデバイスは、第1の複数の入力を受信して、それから第1の複数の出力を生成するように構成された第1の複数のシナプス、及び第1の複数の出力を受信するように構成された第1の複数のニューロンを含む。前記第1の複数のシナプスは複数のメモリセルを含み、該各メモリセルは、半導体基板内に形成された、間にチャネル領域が延在している離間したソース領域及びドレイン領域と、前記チャネル領域の第1の部分の上方に配設され、前記チャネル領域の第1の部分から絶縁された浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域の第2の部分から絶縁された非浮遊ゲートと、を含む。前記複数のメモリセルのそれぞれは、浮遊ゲートの多くの電子に対応する重み値を格納するように構成される。前記複数のメモリセルは、前記第1の複数の入力に、格納された重み値を乗算して第1の複数の出力を生成するように構成される。
【0007】
前記アナログニューロモーフィックメモリシステムに使用される各不揮発性メモリセルは、消去・プログラムに対応して、浮遊ゲート内に電荷、すなわち電子の数、を非常に特異的かつ正確な量で保持しなければならない。例えば、各浮遊ゲートはN個の異なる値のうちの1つを保持しなければならず、ここで、Nは、各セルによって示され得る異なる重みの数である。Nの例としては、16、32、64、128及び256が挙げられる。
【0008】
VMMアレイを利用するシステムにおける1つの課題は、発生する多くのプログラミング動作、消去動作、及び読み出し動作中に相当な量になり得る、消費電力の量を最小化することである。
【0009】
必要とされるのは、1つ以上のVMMアレイを含むシステムのための改良された電力管理技術である。
【発明の概要】
【0010】
人工ニューラルネットワーク内の1つ以上のベクトル行列乗算(VMM)アレイを伴う様々な動作について、電力管理技術の多数の実施形態が開示されている。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】先行技術の人工ニューラルネットワークを示す図である。
図2】先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
図3】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
図4】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
図5】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
図6】別の先行技術のスプリットゲートフラッシュメモリセルを示す。
図7】先行技術の積層ゲートフラッシュメモリセルを示す。
図8】1つ以上の不揮発性メモリアレイを利用する例示的な人工ニューラルネットワークの様々なレベルを示す図である。
図9】ベクトル行列乗算システムを示すブロック図である。
図10】1つ以上のベクトル行列乗算システムを利用する例示的な人工ニューラルネットワークを示すブロック図である。
図11】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図12】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図13】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図14】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図15】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図16】先行技術の長・短期記憶システムを示す。
図17】長・短期記憶システムで使用する例示的なセルを示す。
図18図17の例示的なセルの一実施形態を示す。
図19図17の例示的なセルの別の実施形態を示す。
図20】先行技術のゲート付き回帰型ユニットシステムを示す。
図21】ゲート付き回帰型ユニットシステムで使用する例示的なセルを示す。
図22図21の例示的なセルの一実施形態を示す。
図23図21の例示的なセルの別の実施形態を示す。
図24】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図25】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図26】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図27】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図28】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図29】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図30】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図31】ベクトル行列乗算システムの別の実施形態を示す。
図32】VMMシステムを示す。
図33】フラッシュアナログニューロメモリシステムを示す。
図34A】積分アナログ-デジタル変換器を示す。
図34B図34Aの積分アナログ-デジタル変換器の電圧特性を示す。
図35A】積分アナログ-デジタル変換器を示す。
図35B図35Aの積分アナログ-デジタル変換器の電圧特性を示す。
図36A図34A及び図35Aのアナログ-デジタル変換器の動作例の波形を示す。
図36B図34A及び図35Aのアナログ-デジタル変換器の動作例の波形を示す。
図36C】タイミング制御回路を示す。
図37】パルス-電圧変換器を示す。
図38】電流-電圧変換器を示す。
図39】電流-電圧変換器を示す。
図40】電流-対数電圧変換器を示す。
図41】電流-対数電圧変換器を示す。
図42】デジタルデータ-電圧変換器を示す。
図43】デジタルデータ-電圧変換器を示す。
図44】基準アレイを示す。
図45】デジタル比較器を示す。
図46】変換器及びデジタル比較器を示す。
図47】アナログ比較器を示す。
図48】変換器及びアナログ比較器を示す。
図49】出力回路を示す。
図50】デジタル化後に活性化される出力の態様を示す。
図51】デジタル化後に活性化される出力の態様を示す。
図52】電荷加算器回路を示す。
図53】電流加算器回路を示す。
図54】デジタル加算器回路を示す。
図55A】それぞれ、デジタルビット-パルス行変換器及び波形を示す。
図55B】それぞれ、デジタルビット-パルス行変換器及び波形を示す。
図56】電力管理方法を示す。
図57】別の電力管理方法を示す。
図58】別の電力管理方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明の人工ニューラルネットワークは、CMOS技術及び不揮発性メモリアレイの組み合わせを利用する。
【0073】
不揮発性メモリセル
デジタル不揮発性メモリは、周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,029,130号(「’130号特許」)は、フラッシュメモリセルの一種である、スプリットゲート型不揮発性メモリセルのアレイを開示する。このようなメモリセル210を図2に示す。各メモリセル210は、半導体基板12内に形成されたソース領域14とドレイン領域16と、を含み、ソース領域14とドレイン領域16の間にはチャネル領域18がある。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分の上方に形成され、チャネル領域18の第1の部分から絶縁され(並びに、チャネル領域18の第1の部分の導電性を制御して)、ソース領域14の一部分の上方に形成される。ワード線端子22(典型的には、ワード線に結合される)は、チャネル領域18の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域18の第2の部分から絶縁された、(並びに、チャネル領域18の第2の部分の導電性を制御する)第1の部分と、浮遊ゲート20の上方で上に向かって延在する第2の部分と、を有する。浮遊ゲート20及びワード線端子22は、ゲート酸化物によって基板12から絶縁される。ビット線24はドレイン領域16に結合される。
【0074】
ワード線端子22に高圧正電圧を印加することによって、メモリセル210に対して消去が行われ(電子が浮遊ゲートから除去される)、これによって、浮遊ゲート20の電子は、浮遊ゲート20からワード線端子22までそれらの間にある絶縁体の中をファウラーノルドハイム(Fowler-Nordheim)トンネリングを介して通過する。
【0075】
メモリセル210は、ワード線端子22に正電圧、及びソース領域14に正電圧を印加することによってプログラムされる(電子が浮遊ゲートに加えられる)。電子電流は、ソース領域14からドレイン領域16に向かって流れる。電子は加速し、ワード線端子22と浮遊ゲート20との間の間隙に達すると、発熱する。熱せられた電子の一部が、浮遊ゲート20からの静電引力に起因して、浮遊ゲート20にゲート酸化物を介して注入される。
【0076】
メモリセル210は、ドレイン領域16及びワード線端子22に正の読み出し電圧を印加する(ワード線端子の下方のチャネル領域18の部分をオンにする)ことによって、読み出される。浮遊ゲート20が正に帯電する(すなわち、電子を消去する)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域18の部分も同様にオンになり、電流はチャネル領域18を流れ、これは、消去された状態つまり「1」の状態として検知される。浮遊ゲート20が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)と、浮遊ゲート20の下方のチャネル領域の部分はほとんど又は完全にオフになり、電流はチャネル領域18を流れず(又はほとんど流れず)、これは、プログラムされた状態つまり「0」の状態として検出される。
表1は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル110の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表1:図2のフラッシュメモリセル210の動作
【表1】
【0077】
図3は、制御ゲート(control gate、CG)28を追加した、図2のメモリセル210と同様のメモリセル310を示す。制御ゲート28は、プログラミング中に高電圧(例えば、10V)、消去中に低又は負電圧(例えば、0v/-8V)、読み出し中に低又は中程度電圧(例えば、0v/2.5V)でバイアスされる。他の端子は、図2の端子と同様にバイアスされる。
【0078】
図4は、ソース領域14と、ドレイン領域16と、チャネル領域18の第1の部分の上方にある浮遊ゲート20と、チャネル領域18の第2の部分の上方にある選択ゲート22(典型的には、ワード線、WL、に結合される)と、浮遊ゲート20の上方にある制御ゲート28と、ソース領域14の上方にある消去ゲート30と、を含む4ゲートメモリセル410を示す。この構成は、あらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,747,310号に記載されている。ここで、全てのゲートは、浮遊ゲート20を除いて、非浮遊ゲートであり、つまり、それらは電圧源に電気的に接続される又は接続可能である。プログラミングは、熱せられた電子がチャネル領域18から浮遊ゲート20にその電子自体を注入することによって実行される。消去は、電子が浮遊ゲート20から消去ゲート30へトンネリングすることによって実行される。
【0079】
表2は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル310の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表2:図4のフラッシュメモリセル410の動作
【表2】
【0080】
図5は、メモリセル510が消去ゲート(erase gate、EG)を含まないことを除いて、図4のメモリセル410と同様のメモリセル510を示す。消去は、基板18を高電圧にバイアスし、制御ゲートCG28を低電圧又は負電圧にバイアスすることによって行われる。あるいは、ワード線22を正電圧にバイアスし、制御ゲート28を負電圧にバイアスすることによって、消去が行われる。プログラミング及び読み出しは、図4のものと同様である。
【0081】
図6は、別の種類のフラッシュメモリセルである、3ゲートメモリセル610を示す。メモリセル610は、メモリセル610が別個の制御ゲートを有しないことを除いて、図4のメモリセル410と同一である。(消去ゲートの使用を通じて消去が起こる)消去動作及び読み出し動作は、制御ゲートバイアスが印加されないことを除いて、図4のものと同様である。プログラミング動作もまた、制御ゲートバイアスなしで行われるため、結果として、プログラム動作中は、制御ゲートバイアスの不足を補償するため、より高い電圧がソース線に印加されなければならない。
【0082】
表3は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル610の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表3:図6のフラッシュメモリセル610の動作
【表3】
【0083】
図7は、別の種類のフラッシュメモリセルである、積層ゲートメモリセル710を示す。メモリセル710は、浮遊ゲート20がチャネル領域18全体の上方に延在し、制御ゲート22(ワード線に結合される)が絶縁層(図示せず)によって分離されて浮遊ゲート20の上方に延在することを除いて、図2のメモリセル210と同様である。消去、プログラミング、及び読み出し動作は、メモリセル210について前述したものと同様の方法で動作する。
【0084】
表4は、読み出し、消去、及びプログラム動作を実行するためのメモリセル710及び基板12の端子に印加され得る典型的な電圧範囲を示す。
表4:図7のフラッシュメモリセル710の動作
【表4】
【0085】
上記の人工ニューラルネットワークにおける不揮発性メモリセルの種類のうちの1つを含むメモリアレイを利用するために、2つの修正が行われる。第1に、以下に更に説明されるように、アレイ内の他のメモリセルのメモリ状態に悪影響を与えずに各メモリセルを個々にプログラム、消去、及び読み出しできるように線を構成する。第2に、メモリセルの連続(アナログ)プログラミングを提供する。
【0086】
具体的には、アレイ内の各メモリセルのメモリ状態(すなわち、浮遊ゲートの電荷)を、完全に消去された状態から完全にプログラムされた状態へ、独立して、かつ他のメモリセルの異常が最小で、連続的に変えることができる。別の実施形態では、アレイ内の各メモリセルのメモリ状態(すなわち、浮遊ゲートの電荷)を、完全にプログラムされた状態から完全に消去された状態へ、及び逆もまた同様に、独立して、かつ他のメモリセルの異常が最小で、連続的に変えることができる。これはつまり、セル格納がアナログであるか、又は多数の不連続値(16又は64の異なる値など)のうちの1つを最低限格納できることを意味し、これにより、メモリアレイ内の全てのセルが非常に正確に、かつ個別に調整可能となり、またメモリアレイは格納に対して理想的になり、ニューラルネットワークのシナプシスの重みに微調整が可能となる。
【0087】
本明細書に記載される方法及び手段は、SONOS(シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン、窒化物中に電荷トラップ)、MONOS(金属-酸化物-窒化物-酸化物-シリコン、窒化物中に金属電荷トラップ)、ReRAM(抵抗ram)、PCM(相変化メモリ)、MRAM(磁気ram)、FeRAM(強誘電性ram)、OTP(バイレベル又はマルチレベルワンタイムプログラマブル)、CeRAM(相関電子ram)など他の不揮発性メモリ技術に適用することができる。本明細書に記載される方法及び手段は、限定することなく、SRAM、DRAM、及び/又は揮発性シナプスセルなどのニューラルネットワークに使用される揮発性メモリ技術に適用することができる。
不揮発性メモリセルアレイを使用するニューラルネットワーク
【0088】
図8は、本実施形態の不揮発性メモリアレイを利用するニューラルネットワークの非限定例を概念的に示す。この例は、顔認識アプリケーション用に不揮発性メモリアレイニューラルネットワークを使用するが、不揮発性メモリアレイベースのニューラルネットワークを使用して他の適切なアプリケーションを実施することも可能である。
【0089】
S0は入力層であり、この例では、5ビット精度の32×32ピクセルRGB画像である(すなわち、各色R、G、及びBにつき1つずつで3つの32×32ピクセルアレイであり、各ピクセルは5ビット精度である)。入力層S0から層C1に行くシナプスCB1は、一部のインスタンスには異なる重みのセットを適用し、他のインスタンスには共有の重みを適用し、入力画像を3×3ピクセルの重なり合うフィルタでスキャンし(カーネル)、1ピクセル(又はモデルによっては2ピクセル以上)ずつフィルタをシフトする。具体的には、画像の3×3部分における9ピクセルの値(すなわち、フィルタ又はカーネルと呼ばれる)はシナプスCB1に提供され、そこでこれらの9個の入力値に適切な重みを乗算し、その乗算の出力を合計後、単一の出力値が決定され、特徴マップC1の層の1つのピクセルを生成するためにCB1の第1のシナプスによって与えられる。3×3フィルタは次に、入力層S0内で右側に1ピクセルだけシフトされ(すなわち、3ピクセルの列を右側に追加し、左側で3ピクセルの列をドロップする)、これにより、この新しく位置づけられたフィルタの9ピクセル値はシナプスCB1に提供され、そこでそれらに上記と同じ重みを乗算し、関連するシナプスによって第2の単一の出力値を決定する。このプロセスを、3×3フィルタが入力層S0の32×32ピクセル画像全体にわたって3色全て及び全てのビット(精度値)についてスキャンするまで続ける。プロセスは次に、層C1の特徴マップ全てが計算されるまで、異なる重みのセットを使用して繰り返されて、C1の異なる特徴マップを生成する。
【0090】
本例では、層C1において、それぞれ30×30ピクセルを有する16個の特徴マップが存在する。各ピクセルは、入力とカーネルとの乗算から抽出された新しい特徴ピクセルであり、したがって、各特徴マップは、2次元アレイであり、したがってこの例では、層C1は、2次元アレイの16層を構成する(本明細書で言及される層及びアレイは、必ずしも物理的関係ではなく論理的な関係であり、すなわち、アレイは必ずしも物理的な2次元アレイに配向されないことに留意されたい)。層C1内の16個の特徴マップの各々は、フィルタスキャンに適用される異なるシナプス重みのセット16個のうちの1つによって生成される。C1特徴マップは全て、境界同定など、同じ画像特徴の異なる態様を対象とすることができる。例えば、第1のマップ(この第1のマップを生成するのに使用される全てのスキャンに共有される第1の重みセットを使用して生成される)は、円形エッジを識別することができ、第2のマップ(第1の重みセットと異なる第2の重みセットを使用して生成される)は、方形エッジ又は特定の特徴のアスペクト比などを識別することができる。
【0091】
層C1から層S1へ行く前には、各特徴マップ内の重なり合わずに連続する2×2領域からの値をプールする活性化関数P1(プーリング)が適用される。プーリング関数の目的は、近隣の位置を平均すること(又はmax関数を使用することも可能である)、例えばエッジ位置の依存を低減すること、及び次の段階に行く前にデータサイズを低減することである。層S1において、16個の15×15特徴マップ(すなわち、それぞれ15×15ピクセルの異なるアレイ16個)が存在する。層S1から層C2に行くシナプスCB2は、S1内のマップを4×4フィルタにより1ピクセルのフィルタシフトでスキャンする。層C2において、22個の12×12特徴マップが存在する。層C2から層S2へ行く前には、各特徴マップ内の重なり合わずに連続する2×2領域からの値をプールする活性化関数P2(プーリング)が適用される。層S2において、22個の6×6特徴マップが存在する。層S2から層C3へ行くシナプスCB3では活性化関数(プーリング)が適用され、ここで層C3内の全てのニューロンは、CB3のそれぞれのシナプスを介して層S2内の全てのマップに接続する。層C3において、64個のニューロンが存在する。層C3から出力層S3へと行くシナプスCB4は、C3をS3に完全に接続する、すなわち、層C3内の全てのニューロンは、層S3内の全てのニューロンに接続される。S3における出力は、10個のニューロンを含み、ここで出力が最も高いニューロンが、クラスを決定する。この出力は、例えば、元の画像の内容の同定又は分類を示すことができる。
【0092】
シナプスの各層は、不揮発性メモリセルのアレイ又はアレイの一部を使用して実行される。
【0093】
図9は、その目的のために使用可能なアレイのブロック図である。ベクトル行列乗算(VMM)アレイ32は、不揮発性メモリセルを含み、ある層と次の層との間のシナプス(図6のCB1、CB2、CB3、及びCB4など)として利用される。具体的には、VMMアレイ32は、不揮発性メモリセルのアレイ33、消去ゲート及びワード線ゲートデコーダ34、制御ゲートデコーダ35、ビット線デコーダ36、並びにソース線デコーダ37を含み、それらのデコーダは不揮発性メモリセルアレイ33に対するそれぞれの入力をデコードする。VMMアレイ32への入力は、消去ゲート及びワード線ゲートデコーダ34から、又は制御ゲートデコーダ35から行うことができる。この例におけるソース線デコーダ37はまた、不揮発性メモリセルアレイ33の出力をデコードする。あるいは、ビット線デコーダ36が、不揮発性メモリセルアレイ33の出力をデコードすることができる。
【0094】
不揮発性メモリセルアレイ33は、2つの目的を果たす。第1に、VMMアレイ32によって使用される重みを格納する。第2に、不揮発性メモリセルアレイ33は、不揮発性メモリセルアレイ33に格納された重みによって、入力を有効に乗算して、それらを出力線(ソース線又はビット線)ごとに加算して、出力を生成し、この出力は次の層への入力又は最後の層への入力になる。不揮発性メモリセルアレイ33が乗算及び加算の関数を実行することで、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性はなくなり、また、メモリ内の計算により電力効率も良い。
【0095】
不揮発性メモリセルアレイ33の出力は、不揮発性メモリセルアレイ33の出力を合計してその畳み込み用の単一の値を作成する、差動加算器(加算オペアンプ又は加算カレントミラーなど)38に供給される。差動加算器38は、正の重み及び負の重みの総和を実行するように配置される。
【0096】
差動加算器38の合計された出力値は、次に出力を整流する活性化関数回路39に供給される。活性化関数回路39は、シグモイド、tanh、又はReLU関数を提供し得る。活性化関数回路39の整流された出力値は、次の層(例えば図8のC1)の特徴マップの要素になり、次いで、次のシナプスに適用されて次の特徴マップ層又は最後の層を生成する。したがって、この例では、不揮発性メモリセルアレイ33は、複数のシナプスを構成し(ニューロンの前の層から、又は画像データベースなどの入力層から、入力を受信する)、加算器38及び活性化関数回路39は、複数のニューロンを構成する。
【0097】
図9のVMMアレイ32への入力(WLx、EGx、CGx、及び任意選択的にBLx及びSLx)は、アナログレベル、バイナリレベル、デジタルパルス(この場合、パルス-アナログ変換器PACは、パルスを適切な入力アナログレベルに変換するのに必要とされ得る)又はデジタルビット(この場合、DACは、デジタルビットを適切な入力アナログレベルに変換するのに提供される)であり得、出力は、アナログレベル、バイナリレベル、デジタルパルス、又はデジタルビットであり得る(この場合、出力ADCは出力アナログレベルをデジタルビットに変換するのに提供される)。
【0098】
図10は、図中でVMMアレイ32a、32b、32c、32d及び32eとして標示されたVMMアレイ32の多数の層の使用を示すブロック図である。図10に示されるように、入力(Inputxで示される)は、デジタル-アナログ変換器31によってデジタルからアナログに変換され、入力VMMアレイ32aに提供される。変換されたアナログ入力は、電圧又は電流であり得る。第1の層の入力D/A変換は、入力VMMアレイ32aの行列乗算器の適切なアナログレベルに入力Inputxをマッピングする関数又はLUT(ルックアップテーブル)を使用することによって行うことができる。入力変換はまた、外部アナログ入力を入力VMMアレイ32aへのマッピングされたアナログ入力に変換するために、アナログ-アナログ(A/A)変換器によって行うこともできる。入力変換はまた、外部デジタル入力を入力VMMアレイ32aへのマッピングされたデジタルパルス(単数又は複数)に変換するために、デジタル-デジタルパルス(D/P)変換器によって行うこともできる。
【0099】
入力VMMアレイ32aによって生成された出力は、次に、次のVMMアレイ(隠しレベル1)32bへの入力として提供され、次に入力VMMアレイ(隠しレベル2)32cへの入力として提供される出力を生成する、などとなる。VMMアレイ32の様々な層は、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network、CNN)のシナプス及びニューロンの各層として機能する。VMMアレイ32a、32b、32c、32d及び32eはそれぞれスタンドアローンの物理的不揮発性メモリアレイとすることができ、又は複数のVMMアレイは、同じ物理的不揮発性メモリアレイの異なる部分を利用することができ、又は複数のVMMアレイは、同じ物理的不揮発性メモリアレイの重なり合う部分を利用することができる。各VMMアレイ32a、32b、32c、32d、及び32eはまた、そのアレイ又はニューロンの様々な部分に対して時間多重化され得る。図10に示される例は、5つの層(32a、32b、32c、32d、32e)、すなわち、1つの入力層(32a)、2つの隠れ層(32b、32c)、及び2つの完全に接続された層(32d、32e)を含む。当業者であれば、これは単なる例示であり、代わりにシステムが2つを超える隠れ層及び2つを超える完全に接続された層を含み得ることを理解するであろう。
ベクトル行列乗算(VMM)アレイ
【0100】
図11は、図3に示されるメモリセル310に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ1100を示す。VMMアレイ1100は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1101と、不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1102(アレイの頂部に位置する)と、を含む。あるいは、別の基準アレイが底部に位置することができる。
【0101】
VMMアレイ1100では、制御ゲート線1103などの制御ゲート線が垂直方向に延びており(したがって、行方向の基準アレイ1102が、制御ゲート線1103に直交する)、消去ゲート線1104などの消去ゲート線が水平方向に延びている。ここで、VMMアレイ1100への入力は、制御ゲート線(CG0、CG1、CG2、CG3)に提供され、VMMアレイ1100の出力はソース線(SL0、SL1)に現れる。一実施形態では、偶数行のみが使用され、別の実施形態では、奇数行のみが使用される。各ソース線(それぞれSL0、SL1)に加えられる電流は、その特定のソース線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0102】
ニューラルネットワークについて本明細書に記載されているように、VMMアレイ1100の不揮発性メモリセル、すなわちVMMアレイ1100のフラッシュメモリは、サブスレッショルド領域で動作するように構成されることが好ましい。
【0103】
本明細書に記載される不揮発性基準メモリセル及び不揮発性メモリセルは、以下のように弱い反転でバイアスされる:
Ids=Io*(Vg-Vth)/kVt=w*Io*(Vg)/kVt
式中、w=e(-Vth)/kVtである。
【0104】
メモリセル(基準メモリセル又は周辺メモリセルなど)又はトランジスタを使用して入力電流を入力電圧に変換するI-Vログ変換器を使用した場合:
Vg=k*Vt*log[Ids/wp*Io]
式中、wpは、基準又は周辺メモリセルのwである。
【0105】
ベクトル行列乗算器VMMアレイとして使用されるメモリアレイについて、出力電流は以下である:
Iout=wa*Io*(Vg)/kVt、すなわち
Iout=(wa/wp)*Iin=W*Iin
W=e(Vthp-Vtha)/kVt
式中、メモリアレイの各メモリセルのwa=wである。
【0106】
ワード線又は制御ゲートは、入力電圧のためのメモリセルの入力として使用することができる。
【0107】
あるいは、本明細書に記載されたVMMアレイのフラッシュメモリセルは、線形領域で動作するように構成することができる。
Ids=β*(Vgs-Vth)*Vds;β=u*Cox*W/L
W=α(Vgs-Vth)
【0108】
ワード線又は制御ゲート又はビット線又はソース線は、線形領域内で動作するメモリセルの入力として使用することができる。ビット線又はソース線は、メモリセルの出力として使用することができる。
【0109】
I-V線形変換器用に、線形領域で動作するメモリセル(基準メモリセル又は周辺メモリセルなど)若しくはトランジスタ、又は抵抗器を使用して、入出力電流を入出力電圧に線形変換することができる。
【0110】
図9のVMMアレイ32のための他の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/826,345号に記載されている。上記出願に記載されているように、ソース線又はビット線は、ニューロン出力(電流和出力)として使用することができる。あるいは、本明細書に記載されたVMMアレイのフラッシュメモリセルは、飽和領域で動作するように構成することができる。
Ids=α1/2*β*(Vgs-Vth)2;β=u*Cox*W/L
W=α(Vgs-Vth)2
【0111】
ワード線、制御ゲート、又は消去ゲートは、飽和領域内で動作するメモリセルの入力として使用することができる。ビット線又はソース線は、出力ニューロンの出力として使用することができる。
【0112】
あるいは、本明細書に記載されるVMMアレイのフラッシュメモリセルは、全ての領域又はそれらの組み合わせ(サブスレッショルド、線形、又は飽和)で使用することができる。
【0113】
図12は、図2に示されるメモリセル210に特に適したニューロンVMMアレイ1200を示し、入力層と次の層との間のシナプスとして利用される。VMMアレイ1200は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1203と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1201と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1202と、を含む。アレイの列方向に配置された基準アレイ1201及び1202は、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に流入する電流入力を電圧入力WL0、WL1、WL2、及びWL3に変換するように機能する。実際には、第1及び第2の不揮発性基準メモリセルは、電流入力が流入する状態で、マルチプレクサ1214(一部のみ示す)を通してダイオード接続される。基準セルは、標的基準レベルに調整(例えば、プログラム)される。標的基準レベルは、基準ミニアレイマトリックス(図示せず)によって提供される。
【0114】
メモリアレイ1203は、2つの目的を果たす。第1に、VMMアレイ1200により使用される重みを、それぞれのメモリセルに格納する。第2に、メモリアレイ1203は、メモリセルアレイ1203に格納された重みによって、入力(すなわち、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に提供された電流入力であり、これを基準アレイ1201及び1202が入力電圧に変換して、ワード線WL0、WL1、WL2、及びWL3に供給する)を有効に乗算して、次いで、全ての結果(メモリセル電流)を加算して、それぞれのビット線(BL0~BLN)の出力を生成し、この出力は次の層への入力又は最後の層への入力となる。メモリアレイ1203が乗算及び加算の関数を実行することで、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性はなくなり、また、電力効率も良い。ここで、電圧入力はワード線WL0、WL1、WL2、及びWL3に提供され、出力は、読み出し(推論)動作中にビット線BL0~BLNそれぞれに現れる。各々のビット線BL0~BLNに配置された電流は、その特定のビット線に接続された全ての不揮発性メモリセルからの電流の合計関数を実行する。
【0115】
表5は、VMMアレイ1200の動作電圧を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの各動作を示す。
表5:図12のVMMアレイ1200の動作
【表5】
【0116】
図13は、図2に示されるメモリセル210に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ1300を示す。VMMアレイ1300は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1303と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1301と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1302と、を含む。基準アレイ1301及び1302は、VMMアレイ1300の行方向に延びる。VMMアレイは、VMMアレイ1300においてワード線が垂直方向に延びることを除いて、VMM1000と同様である。ここで、入力はワード線(WLA0、WLB0、WLA1、WLB2、WLA2、WLB2、WLA3、WLB3)に提供され、出力は、読み出し動作中にソース線(SL0、SL1)に現れる。各ソース線に加えられる電流は、その特定のソース線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0117】
表6は、VMMアレイ1300の動作電圧を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの各動作を示す。
表6:図13のVMMアレイ1300の動作
【表6】
【0118】
図14は、図3に示されるメモリセル310に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ1400を示す。VMMアレイ1400は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1403と、第1の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1401と、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1402と、を含む。基準アレイ1401及び1402は、端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に流入する電流入力を電圧入力CG0、CG1、CG2、及びCG3に変換するように機能する。実際には、第1及び第2の不揮発性基準メモリセルは、電流入力がBLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3を通って流入する状態で、マルチプレクサ1412(一部のみ示す)を通してダイオード接続される。マルチプレクサ1412は、読み出し動作中に第1及び第2の不揮発性基準メモリセルの各々のビット線(BLR0など)の一定電圧を確実にするために、それぞれのマルチプレクサ1405及びカスコーディングトランジスタ1404を各々含む。基準セルは、標的基準レベルに調整される。
【0119】
メモリアレイ1403は、2つの目的を果たす。第1に、VMMアレイ1400によって使用される重みを格納する。第2に、メモリアレイ1403は、メモリセルアレイに格納された重みによって、入力(端子BLR0、BLR1、BLR2、及びBLR3に提供された電流入力であり、基準アレイ1401及び1402がこれらの電流入力を入力電圧に変換して、制御ゲート(CG0、CG1、CG2、及びCG3に供給する)を有効に乗算して、次いで、全ての結果(セル電流)を加算して出力を生成し、この出力はBL0~BLNに出現し、次の層への入力又は最後の層への入力となる。メモリアレイが乗算及び加算の関数を実行することで、別個の乗算及び加算の論理回路の必要性がなくなり、また、電力効率も良い。ここで、入力は制御ゲート線(CG0、CG1、CG2、及びCG3)に提供され、出力は、読み出し動作中にビット線(BL0~BLN)に現れる。各ビット線に加えられる電流は、その特定のビット線に接続されたメモリセルからの全ての電流の合計関数を実行する。
【0120】
VMMアレイ1400は、メモリアレイ1403内の不揮発性メモリセルの一方向調整を実施する。すなわち、各不揮発性メモリセルは消去され、次いで、浮遊ゲートの所望の電荷に達するまで部分的にプログラムされる。これは、例えば、以下に記載される精密プログラミング技術を使用して実行することができる。過度に多くの電荷が浮遊ゲートに加えられる場合(誤った値がセルに格納されるなど)、セルは消去されなければならず、一連の部分的なプログラミング動作をやり直さなければならない。示されるように、同じ消去ゲート(EG0又はEG1など)を共有する2つの行は、一緒に消去される必要があり(ページ消去として知られる)、その後、各セルは、浮遊ゲートの所望の電荷に達するまで部分的にプログラムされる。
【0121】
表7は、VMMアレイ1400の動作電圧を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルの制御ゲート、選択セルと同じセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルとは異なるセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルの消去ゲート、非選択セルの消去ゲート、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの各動作を示す。
表7:図14のVMMアレイ1400の動作
【表7】
【0122】
図15は、図3に示されるメモリセル310に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ1500を示す。VMMアレイ1500は、不揮発性メモリセルのメモリアレイ1503と、基準アレイ1501又は第1の不揮発性基準メモリセルと、第2の不揮発性基準メモリセルの基準アレイ1502とを含む。EG線EGR0、EG0、EG1、及びEGR1は垂直に延び、CG線CG0、CG1、CG2、及びCG3並びにSL線WL0、WL1、WL2、及びWL3は水平に延びる。VMMアレイ1500は、VMMアレイ1500が双方向調整を実装することを除いてVMMアレイ1400と同様であり、個々のセルはそれぞれ、個別のEG線の使用により、浮遊ゲートの所望の電荷量に達するために、完全に消去され、部分的にプログラムされ、必要に応じて部分的に消去することができる。示されるように、基準アレイ1501及び1502は、端子BLR0、BLR1、BLR2及びBLR3内の入力電流を制御ゲート電圧CG0、CG1、CG2及びCG3に変換し(マルチプレクサ1514を介したダイオード接続された基準セルの作用を通じて)、これらの電圧は行方向でメモリセルに印加される。電流出力(ニューロン)は、ビット線BL0~BLN中にあり、各ビット線は、その特定のビット線に接続された不揮発性メモリセルからの全ての電流を合計する。
【0123】
表8は、VMMアレイ1500の動作電圧を示す。表中の列は、選択セルのワード線、非選択セルのワード線、選択セルのビット線、非選択セルのビット線、選択セルの制御ゲート、選択セルと同じセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルとは異なるセクタ内の非選択セルの制御ゲート、選択セルの消去ゲート、非選択セルの消去ゲート、選択セルのソース線、及び非選択セルのソース線に加えられる電圧を示す。行は、読み出し、消去、及びプログラムの各動作を示す。
表8:図15のVMMアレイ1500の動作
【表8】
【0124】
図24は、図2に示されるメモリセル210に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2400を示す。VMMアレイ2400では、入力INPUT0、...、INPUTNは、ビット線BL0、...BLNにそれぞれ受信され、出力OUTPUT1、OUTPUT2、OUTPUT3、及びOUTPUT4は、ソース線SL0、SL1、SL2、及びSL3にそれぞれ生成される。
【0125】
図25は、図2に示されるメモリセル210に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2500を示す。この例では、入力INPUT0、INPUT1、INPUT2、及びINPUT3は、ソース線SL0、SL1、SL2、及びSL3にそれぞれ受信され、出力OUTPUT0、...OUTPUTNは、ビット線BL0、...、BLNに生成される。
【0126】
図26は、図2に示されるメモリセル210に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2600を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTMは、ワード線WL0、...、WLM、にそれぞれ受信され、出力OUTPUT0、...OUTPUTNは、ビット線BL0、...、BLNに生成される。
【0127】
図27は、図3に示されるメモリセル310に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2700を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTMは、ワード線WL0、...、WLM、にそれぞれ受信され、出力OUTPUT0、...OUTPUTNは、ビット線BL0、...、BLNに生成される。
【0128】
図28は、図4に示されるメモリセル410に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2800を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTnは、ビット線BL0、...、BLNにそれぞれ受信され、出力OUTPUT1及びOUTPUT2は、消去ゲート線EG0及びEG1に生成される。
【0129】
図29は、図4に示されるメモリセル410に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ2900を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTNは、ビット線BL0、...、BLNにそれぞれ結合されるビット線制御ゲート2901-1、2901-2、...、2901-(N-1)及び2901-Nのゲートにそれぞれ受信される。例示的な出力OUTPUT1及びOUTPUT2は、消去ゲート線SL0及びSL1に生成される。
【0130】
図30は、図3に示されるメモリセル310、図5に示されるメモリセル510、及び図7に示されるメモリセル710に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ3000を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTMは、ワード線WL0、...、WLMに受信され、出力OUTPUT0、...、OUTPUTNは、ビット線BL0、...、BLNにそれぞれ生成される。
【0131】
図31は、図3に示されるメモリセル310、図5に示されるメモリセル510、及び図7に示されるメモリセル710に特に適し、入力層と次の層との間でシナプス及びニューロンの一部として利用されるニューロンVMMアレイ3100を示す。この例では、入力INPUT0、...、INPUTMは、制御ゲート線CG0、...、CGMに受信される。出力OUTPU0、...、OUTPUTNは、ソース線SL0、...、SLNにそれぞれ生成され、各ソース線SLiは、列i内の全てのメモリセルのソース線端子に結合される。
【0132】
図32は、VMMシステム3200を示す。VMMシステム3200は、VMMアレイ3201(VMM900、1000、1100、1200、及び1320など、前述したVMM設計のいずれか、又は他のVMM設計に基づくことができる)、低電圧行デコーダ3202、高電圧行デコーダ3203、参照セル低電圧列デコーダ3204(列方向に示されており、これは行方向の変換を出力するために入力を提供することを意味する)、ビット線マルチプレクサ3205、制御論理3206、アナログ回路3207、ニューロン出力ブロック3208、入力VMM回路ブロック3209、プリデコーダ3210、試験回路3211、消去プログラム制御ロジックEPCTL3212、アナログ及び高電圧生成回路3213、ビット線PEドライバ3214、冗長アレイ3215及び3216、NVRセクタ3217、並びに参照セクタ3218を含む。入力回路ブロック3209は、外部入力からメモリアレイの入力端子へのインターフェースとして機能する。ニューロン出力ブロック3208は、メモリアレイ出力から外部インターフェースへのインターフェースとして機能する。
【0133】
低電圧行デコーダ3202は、読み出し動作及びプログラム動作のためのバイアス電圧を提供し、高電圧行デコーダ3203にデコード信号を提供する。高電圧行デコーダ3203は、プログラム動作及び消去動作のための高電圧バイアス信号を提供する。参照セル低電圧列デコーダ3204は、参照セルのデコード機能を提供する。ビット線PEドライバ3214は、プログラム、検証、及び消去動作中のビット線の制御機能を提供する。アナログ及び高電圧生成回路3213は、様々なプログラム、消去、プログラム検証、及び読み出し動作に必要な複数の電圧を提供する共有バイアスブロックである。冗長アレイ3215及び3216は、欠陥のあるアレイ部分を置き換えるためのアレイ冗長性を提供する。NVR(不揮発性レジスタ別名情報セクタ)セクタ3217は、ユーザ情報、デバイスID、パスワード、セキュリティキー、トリムビット、構成ビット、製造情報を制限なく格納するために使用されるアレイセクタであるセクタである。
【0134】
図33は、アナログニューロメモリシステム3300を示す。アナログニューロメモリシステム3300は、マクロブロック3301a、3301b、3301c、3301d、3301e、3301f、3301g、及び3301hと、ニューロン出力(加算器回路及びサンプルアンドホールドS/H回路など)ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hと、入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3304hと、を含む。マクロブロック3301a、3301b、3301c、3301d、3301e、及び3301fのそれぞれは、フラッシュメモリセルなどの不揮発性メモリセルの行及び列を含むVMMアレイを含むVMMサブシステムである。ニューロメモリサブシステム3333は、マクロブロック3301、入力ブロック3303、及びニューロン出力ブロック3302を含む。ニューロメモリサブシステム3333は、それ自体のデジタル制御ブロックを有してもよい。
【0135】
アナログニューロメモリシステム3300は、図36に関して以下で更に詳細に論じられるシステム制御ブロック3304、アナログ低電圧ブロック3305、高電圧ブロック3306、及びタイミング制御回路3670を更に備える。
【0136】
システム制御ブロック3304は、一般的な制御機能及び演算動作を処理するためのARM/MIPS/RISC_Vコアなどの1つ以上のマイクロコントローラコアを含んでもよい。システム制御ブロック3304はまた、単一の命令を用いて複数のデータで動作するSIMD(単一命令多重データ)ユニットを含んでもよい。システム制御ブロック3304は、DSPコアを含んでもよい。システム制御ブロック3304は、限定することなく、プール、平均、最小、最大、ソフトマックス、加算、減算、乗算、除算、ログ、アンチログ、ReLu、シグモイド、tanhなどの関数、及びデータ圧縮を実行するためのハードウェア又はソフトウェアを含んでもよい。システム制御ブロック3304は、活性化の近似器/量子化器/正規化器などの機能を実行するハードウェア又はソフトウェアを含んでもよい。システム制御ブロック3304は、入力データの近似器/量子化器/正規化器などの機能を実行する能力を含み得る。システム制御ブロック3304は、活性化の近似器/量子化器/正規化器の機能を実行するハードウェア又はソフトウェアを含み得る。ニューロメモリサブシステム3333の制御ブロックは、マイクロコントローラコア、SIMDコア、DSPコア、及び他の機能ユニットなどのシステム制御ブロック3304の同様の要素を含んでもよい。
【0137】
一実施形態では、ニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hはそれぞれ、構成可能な長い相互接続を推進できる低インピーダンス出力型バッファ(例えば、オペアンプ)回路を含む。一実施形態では、入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hはそれぞれ、加算の高インピーダンス電流出力を提供する。別の実施形態では、ニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hはそれぞれ活性化回路を含み、この場合、出力を推進するために追加の低インピーダンスバッファが必要とされる。
【0138】
一実施形態では、ニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hはそれぞれ、アナログ信号の代わりにデジタルビットを出力するアナログ-デジタル変換ブロックを含む。この実施形態では、入力回路ブロックク3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hは各々、それぞれのニューロン出力ブロックからデジタルビットを受信してデジタルビットをアナログ信号に変換するデジタル-アナログ変換ブロックを含む。
【0139】
したがって、ニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hは、マクロブロック3301a、3301b、3301c、3301d、3301e、及び3301fからの出力電流を受信し、任意選択的に、その出力電流をアナログ電圧、デジタルビット、又は各パルスの幅若しくはパルスの数が出力電流の値に応じて変化する1つ以上のデジタルパルスに変換する。同様に、入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hは、任意選択的に、アナログ電流、アナログ電圧、デジタルビット、又は各パルスの幅若しくはパルスの数が出力電流の値に応じて変化するデジタルパルスを受信し、マクロブロック3301a、3301b、3301c、3301d、3301e、及び3301fにアナログ電流を提供する。入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hは、任意選択的に、電圧-電流変換器、入力信号におけるデジタルパルスの数若しくは入力信号におけるデジタルパルスの幅の長さを計数するアナログ若しくはデジタルカウンタ、又はデジタル-アナログ変換器を含む。
長・短期メモリ
【0140】
先行技術は、長・短期メモリ(long short-term memory、LSTM)として知られる概念を含む。LSTMユニットは、しばしば、ニューラルネットワーク内で使用される。LSTMによって、ニューラルネットワークは所定の任意の期間にわたって情報を記憶し、後続の動作においてその情報を使用することができる。従来のLSTMユニットは、セル、入力ゲート、出力ゲート、及び忘却ゲートを含む。3つのゲートは、セル内及びセル外への情報の流れ、及び情報がLSTM内で記憶される期間を調整する。VMMは、LSTMユニットにおいて特に有用である。
【0141】
図16は、例示的なLSTM1600を示す。この例におけるLSTM1600は、セル1601、1602、1603、及び1604を含む。セル1601は、入力ベクトルx0を受け取り、出力ベクトルh0及びセル状態ベクトルc0を生成する。セル1602は、入力ベクトルx1と、セル1601からの出力ベクトル(隠れ状態)h0と、セル1601からのセル状態c0とを受け取り、出力ベクトルh1とセル状態ベクトルc1とを生成する。セル1603は、入力ベクトルx2と、セル1602からの出力ベクトル(隠れ状態)h1と、セル1602からのセル状態c1とを受け取り、出力ベクトルh2とセル状態ベクトルc2とを生成する。セル1604は、入力ベクトルx3と、セル1603からの出力ベクトル(隠れ状態)h2と、セル1603からのセル状態c2とを受け取り、出力ベクトルh3を生成する。追加のセルも使用可能であり、4つのセルを有するLSTMは、単なる例である。
【0142】
図17は、図16のセル1601、1602、1603及び1604に使用可能なLSTMセル1700の例示的な実装を示す。LSTMセル1700は、入力ベクトルx(t)と、先行するセルからのセル状態ベクトルc(t-1)と、先行するセルからの出力ベクトルh(t-1)とを受け取り、セル状態ベクトルc(t)及び出力ベクトルh(t)を生成する。
【0143】
LSTMセル1700は、シグモイド関数デバイス1701、1702、及び1703を含み、各々が0~1の数を適用することで、入力ベクトルの各成分が出力ベクトルに寄与する程度を制御する。LSTMセル1700はまた、入力ベクトルに双曲線正接関数を適用するためのtanhデバイス1704及び1705と、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス1706、1707、及び1708と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス1709と、を含む。出力ベクトルh(t)は、システム内の次のLSTMセルに提供することができ、又は他の目的でアクセスすることができる。
【0144】
図18は、LSTMセル1700の一実装例であるLSTMセル1800を示す。読者の便宜のために、LSTMセル1700からの同じ採番方法が、LSTMセル1800で使用される。シグモイド関数デバイス1701、1702、及び1703、並びにtanhデバイス1704は各々、複数のVMMアレイ1801及び活性化回路ブロック1802を含む。したがって、VMMアレイは、特定のニューラルネットワークシステムで使用されるLSTMセルにおいて特に有用であることが理解できる。乗算器デバイス1706、1707、及び1708、並びに加算器デバイス1709は、デジタル方式又はアナログ方式で実装される。活性化関数ブロック1802は、デジタル方式、又はアナログ方式で実装され得る。
【0145】
LSTMセル1800の代替例(及びLSTMセル1700の実装の別の例)を図19に示す。図19では、シグモイド関数デバイス1701、1702及び1703、並びにtanhデバイス1704は、同じ物理ハードウェア(VMMアレイ1901及び活性化関数ブロック1902)を、時分割多重化された方式で共有する。LSTMセル1900はまた、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス1903と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス1908と、(活性化回路ブロック1902を含む)tanhデバイス1705と、シグモイド関数ブロック1902から出力される値i(t)を格納するレジスタ1907と、マルチプレクサ1910を介して乗算器デバイス1903から出力される値f(t)*c(t-1)を格納するレジスタ1904と、マルチプレクサ1910を介して乗算器デバイス1903から出力される値i(t)*u(t)を格納するレジスタ1905と、マルチプレクサ1910を介して乗算器デバイス1903から出力される値o(t)*c~(t)を格納する、レジスタ1906と、マルチプレクサ1909と、を含む。
【0146】
LSTMセル1800が複数のVMMアレイ1801とそれぞれの活性化関数ブロック1802のセットを複数含むのに対し、LSTMセル1900は、LSTMセル1900の実施形態において複数の層を表すために使用されるVMMアレイ1901と活性化関数ブロック1902のセットを1つのみ含む。LSTMセル1900は、LSTMセル1800と比較して、VMM及び活性化関数ブロックのために必要とするスペースは1/4で済むので、LSTM1800よりも必要とするスペースが少ない。
【0147】
LSTMユニットは典型的には複数のVMMアレイを含み、これらは各々、加算器及び活性化回路ブロック及び高電圧生成ブロックなどの、VMMアレイの外側の特定の回路ブロックによって提供される機能を必要とすることが更に理解できる。各VMMアレイのための別個の回路ブロックを提供することは、半導体デバイス内にかなりの量のスペースを必要とし、幾分非効率的であろう。
ゲート付き回帰型ユニット
【0148】
アナログVMM実装は、ゲート付き回帰型ユニット(gated recurrent unit、GRU)システムに利用することができる。GRUは、反復ニューラルネットワーク内のゲート機構である。GRUは、GRUセルが一般にLSTMセルよりも少ない構成要素を含むことを除いて、LSTMに類似している。
【0149】
図20は、例示的なGRU2000を示す。この例におけるGRU2000は、セル2001、2002、2003及び2004を含む。セル2001は入力ベクトルx0を受け取り、出力ベクトルh0を生成する。セル2002は、入力ベクトルx1と、セル2001からの出力ベクトルh0とを受け取り、出力ベクトルh1を生成する。セル2003は、入力ベクトルx2と、セル2002からの出力ベクトル(隠れ状態)h1とを受け取り、出力ベクトルh2を生成する。セル2004は、入力ベクトルx3と、セル2003からの出力ベクトル(隠れ状態)h2とを受け取り、出力ベクトルh3を生成する。追加のセルも使用可能であり、4つのセルを有するGRUは、単なる例である。
【0150】
図21は、図20のセル2001、2002、2003及び2004に使用可能なGRUセル2100の例示的な実装を示す。GRUセル2100は、入力ベクトルx(t)と、先行するGRUセルからの出力ベクトルh(t-1)とを受け取り、出力ベクトルh(t)を生成する。GRUセル2100は、シグモイド関数デバイス2101及び2102を含み、各々が、出力ベクトルh(t-1)及び入力ベクトルx(t)からの成分に0~1の数を適用する。GRUセル2100はまた、入力ベクトルに双曲線正接関数を適用するためのtanhデバイス2103と、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス2104、2105及び2106と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス2107と、1から入力を減算して出力を生成するコンプリメンタリデバイス2108とを含む。
【0151】
図22は、GRUセル2100の一実装例であるGRUセル2200を示す。読者の便宜のために、GRUセル2100からの同じ採番方法が、GRUセル2200で使用される。図22から分かるように、シグモイド関数デバイス2101及び2102、並びにtanhデバイス2103は各々、複数のVMMアレイ2201及び活性化関数ブロック2202を含む。したがって、VMMアレイは、特定のニューラルネットワークシステムで使用されるGRUセルにおいて特に使用されることが理解できる。乗算器デバイス2104、2105、2106、加算器デバイス2107、及びコンプリメンタリデバイス2108は、デジタル方式又はアナログ方式で実装される。活性化関数ブロック2202は、デジタル方式、又はアナログ方式で実装され得る。
【0152】
GRUセル2200の代替例(及びGRUセル2300の実装の別の例)を図23に示す。図23において、GRUセル2300は、VMMアレイ2301及び活性化関数ブロック2302を使用しており、シグモイド関数として構成された場合には、0~1の数を適用することで、入力ベクトルの各成分が出力ベクトルに寄与する程度を制御する。図23では、シグモイド関数デバイス2101及び2102、並びにtanhデバイス2103は、同じ物理ハードウェア(VMMアレイ2301及び活性化関数ブロック2302)を、時分割多重化された方式で共有する。GRUセル2300はまた、2つのベクトルを乗算するための乗算器デバイス2303と、2つのベクトルを加算するための加算器デバイス2305と、1から入力を減算して出力を生成するためのコンプリメンタリデバイス2309と、マルチプレクサ2304と、マルチプレクサ2304を介して乗算器デバイス2303から出力される値h(t-1)*r(t)を保持するレジスタ2306と、マルチプレクサ2304を介して乗算器デバイス2303から出力される値h(t-1)*z(t)を保持するレジスタ2307と、マルチプレクサ2304を介して乗算器デバイス2303から出力される値h^(t)*(1-z((t))を保持するレジスタ2308と、を含む。
【0153】
GRUセル2200がVMMアレイ2201と活性化関数ブロック2202のセットを複数含むのに対し、GRUセル2300は、GRUセル2300の実施形態において複数の層を表すために使用されるVMMアレイ2301と活性化関数ブロック2302のセット1つのみを含む。GRUセル2300は、GRUセル2200と比較して、VMM及び活性化関数ブロックのために必要とするスペースは1/3で済むので、GRUセル2200よりも必要とするスペースが少ない。
【0154】
GRUシステムは典型的には複数のVMMアレイを含み、これらは各々、加算器及び活性化回路ブロック及び高電圧生成ブロックなどの、VMMアレイの外側の特定の回路ブロックによって提供される機能を必要とすることが更に理解できる。各VMMアレイのための別個の回路ブロックを提供することは、半導体デバイス内にかなりの量のスペースを必要とし、幾分非効率的であろう。
【0155】
VMMアレイへの入力は、アナログレベル、バイナリレベル、又はデジタルビット(この場合、デジタルビットを適切な入力アナログレベルに変換するためにDACが必要とされる)であり、出力はアナログレベル、バイナリレベル、又はデジタルビット(この場合、出力アナログレベルをデジタルビットに変換するために出力ADCが必要とされる)であり得る。
【0156】
VMMアレイ内の各メモリセルに関して、各重みwは、単一のメモリセルによって、又は差分セルによって、又は2つのブレンドメモリセル(2つのセルの平均)によって実装することができる。差分セルの場合では、重みwを差分重み(w=w+-w-)として実装するために、2つのメモリセルが必要とされる。2つのブレンドメモリセルの場合は、2つのセルの平均として重みwを実装するために2つのメモリセルが必要とされる。
出力回路
【0157】
図34Aは、出力ニューロン、INEU3406に適用されて、出力ニューロン電流をデジタルパルス又はデジタル出力ビットに変換する積分デュアル混合スロープ(integrating dual-mixed slope)アナログ-デジタル変換器(ADC)3400を示す。
【0158】
一実施形態では、ADC3400は、ニューロン出力ブロック(図32のニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hなど)内のアナログ出力電流をデジタルパルスに変換し、その幅は、ニューロン出力ブロック内のアナログ出力電流の大きさに比例して変化する。積分オペアンプ3401及び積分コンデンサ3402を含む積分器は、基準電流IREF3407に対して、メモリアレイ電流INEU3406(出力ニューロン電流である)を積分する。
【0159】
任意選択的に、IREF3407は、0の温度係数、又はニューロン電流INEU3406を追跡する温度係数を有するバンドギャップフィルタ含むことができる。後者は、必要に応じて、試験フェーズ中に決定された値を含む基準アレイから得ることができる。
【0160】
任意選択的に、回路が動作温度以上である間に較正ステップを実行して、アレイ又は制御回路内に存在する任意の漏れ電流をオフセットすることができ、その後はオフセット値を図34B又は図35BのIneuから差し引くことができる。
【0161】
初期化フェーズの間、スイッチ3408は閉じられる。次いで、VOUT3403及び演算増幅器3401の負端子への入力は、VREFになる。その後、図34Bに示すように、スイッチ33408は開かれ、一定時間trefの間、ニューロン電流INEU3406は、上積分(up-integrated)される。一定時間trefの間、Voutは上昇し、ニューロン電流が変化するにつれてその傾きは変化する。その後、期間tmeasの間、一定基準電流IREFは、時間tmeas(Voutが降下する期間)に、下積分(down integrated)され、tmeasは、VoutをVREFまで下積分するために必要とされる時間である。
【0162】
出力EC3405は、VOUT>VREFVのときに高くなり、そうでなければ低くなる。したがって、EC3405は、幅が期間tmeasを反映するパルスを生成し、tmeasは次に、電流INEU3406に比例する。図34Bでは、tmeas=Ineu1である例の波形3410、及びtmeas=Ineu2である例の波形3412として、EC3405が示されている。したがって、出力ニューロン電流INEU3406は、デジタルパルスEC3405に変換され、デジタルパルスEC3405の幅は、出力ニューロン電流INEU3406の大きさに比例して変化する。
【0163】
電流INEU3406は、=tmeas/tref*IREFである。例えば、10ビットの所望の出力ビット分解の場合、trefは、1024クロックサイクルに等しい時間である。期間tmeasは、INEU3406の値及びIrefの値に応じて0クロックサイクルに等しい期間から1024クロックサイクルまで変化する。図34Bは、INEU3406=Ineu1であるもの、及びINEU3406=Ineu2を有するものといった、INEU3406の2つの異なる値の例を示す。したがって、ニューロン電流INEU3406は、充電の速度及び傾きに影響を及ぼす。
【0164】
任意選択的に、出力パルスEC3405は、別のVMMアレイの入力ブロックなどの、次の回路の段階への送信のために、均一な期間の一連のパルスに変換することができる。期間tmeasの開始時に、出力EC3405は、基準クロック3441を用いてANDゲート3440に入力される。出力は、VOUT>VREFの期間中、パルス系列3442(パルス系列3442のパルスの周波数はクロック3441の周波数と同じである)になる。パルスの数は、期間tmeasに比例し、期間tmeasは、電流INEU3406に比例する。
【0165】
任意選択的に、パルス系列3443を、カウンタ3420に入力することができ、カウンタ3420は、パルス系列3442のパルスの数をカウントし、ニューロン電流INEU3406に正比例するパルス系列3442におけるパルスの数のデジタルカウントであるカウント値3421を生成する。カウント値3421は、デジタルビットのセットを含む。別の実施形態では、積分デュアルスロープADC3400は、ニューロン電流INEU3407をパルスに変換することができ、パルスの幅は、ニューロン電流INEU 3407の大きさに反比例している。この反転は、デジタル又はアナログ方式で行うことができ、後続の回路へ出力するための一連のパルス又はデジタルビットに変換することができる。
【0166】
図35Aは、出力ニューロン、INEU3504に適用されて、セル電流を変動する幅のデジタルパルス又は一連のデジタル出力ビットへと変換する積分デュアル混合スロープADC3500を示す。例えば、ADC3500を使用して、ニューロン出力ブロック(図32のニューロン出力ブロック(3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hなど)内のアナログ出力電流をデジタル出力ビットのセットに変換することができる。積分オペアンプ3501及び積分コンデンサ3502を含む積分器は、基準電流IREF3503に対してニューロン電流INEU3504を積分する。スイッチ3505を閉じて、VOUTをリセットすることができる。
【0167】
初期化フェーズ中に、スイッチ3505は閉じられ、VOUTが電圧VBIASに充電される。
その後、図35Bに示すように、スイッチ3505は開かれ、一定時間trefの間、セル電流INEU3504は、上積分される。その後、基準電流IREF3503は、Voutが接地に降下するまで、時間tmeasの間に下積分される。電流INEU 3504=tmeas Ineu/tref*IREF。例えば、10ビットの所望の出力ビット分解の場合、trefは、1024クロックサイクルに等しい時間である。期間tmeasは、INEU3504及びIrefの値に応じて0クロックサイクルに等しい期間から1024クロックサイクルまで変化する。図35Bは、電流Ineu1を有するもの、及び電流Ineu2を有するものといった、2つの異なるIneu値の例を示す。したがって、ニューロン電流INEU3504は、充電及び放電の速度及び傾きに影響を及ぼす。
【0168】
出力3506は、VOUT>VREFのときに高くなり、そうでなければ低くなる。したがって、出力3506は、幅が期間tmeasを反映するパルスを生成し、tmeasは次に、電流INEU3404に比例する。図35Bでは、tmeas=Ineu1である例の波形3512、及びtmeas=Ineu2である例の波形3515として、出力3506が示されている。したがって、出力ニューロン電流INEU3504は、パルス、出力3506に変換され、パルスの幅は、出力ニューロン電流INEU 3504の大きさに比例して変化する。
【0169】
任意選択的に、出力3506は、別のVMMアレイの入力ブロックなどの、次の回路の段階への送信のために、均一な期間の一連のパルスに変換することができる。期間tmeasの開始時に、出力3506は、基準クロック3507を用いてANDゲート3508に入力される。出力は、VOUT>VREFの期間中、パルス系列3509(パルス系列3509のパルスの周波数は基準クロック3507の周波数と同じである)になる。パルスの数は、期間tmeasに比例し、期間tmeasは、電流INEU3504に比例する。
【0170】
任意選択的に、パルス系列3509を、カウンタ3510に入力することができ、カウンタ3510は、パルス系列3509のパルスの数をカウントし、波形3514、3517によって示されるように、ニューロン電流INEU 3504に正比例するパルス系列3509におけるパルスの数のデジタルカウントであるカウント値3511を生成する。カウント値3511は、デジタルビットのセットを含む。
【0171】
別の実施形態では、積分デュアルスロープADC3500は、ニューロン電流INEU3504をパルスに変換することができ、パルスの幅は、ニューロン電流INEU 3504の大きさに反比例している。この反転は、デジタル又はアナログ方式で行うことができ、後続の回路へ出力するための1つ以上のパルス又はデジタルビットに変換することができる。
【0172】
図35Bは、INEU3504について、それぞれ2つのニューロン電流値Ineu1及びIneu2のカウント値3511(デジタルビット)を示す。
【0173】
図36A及び図36Bは、動作中にVMMで実行される例示的な方法3600及び3650に関連する波形を示す。各方法3600及び3650において、ワード線WL0、WL1、及びWL2は、様々な異なる入力を受信し、これらの入力は任意選択的に、アナログ電圧波形に変換してワード線に適用することができる。これらの実施例では、電圧VCは、第1のVMMの出力ブロック内のADC3400又は3500内の、それぞれ図34A及び図35Aの積分コンデンサ3402又は3502の電圧を表し、OTパルス(=「1」)は、ニューロンの出力(ニューロンの値に比例する)が積分デュアルスロープADC3400又は3500を使用して捕捉される期間を表す。図34及び図35を参照して説明されるように、出力ブロックの出力は、第1のVMMの出力ニューロン電流に比例して変化する幅のパルスであってもよく、又はパルスの数が第1のVMMのニューロン電流に比例して変化する、均一な幅の一連のパルスであってもよい。次いで、これらのパルスは、第2のVMMへの入力として適用され得る。
【0174】
方法3600の間、一連のパルス(パルス系列3442又はパルス系列3509など)、又は一連のパルスから導出されるアナログ電圧は、第2のVMMアレイのワード線に印加される。あるいは、一連のパルス、又は一連のパルスから導出されるアナログ電圧を、第2のVMMアレイ内のセルの制御ゲートに印加することができる。パルスの数(又はクロックサイクル)は、入力の大きさに直接対応する。この特定の例では、WL1の入力の大きさはWL0の入力の大きさに対して4倍である(4パルス対1パルス)。
【0175】
方法3650の間、様々な幅の単一パルス(EC3405又は出力3506など)、又は単一パルスから導出される(derives)アナログ電圧は、第2のVMMアレイのワード線に印加されるが、パルスは可変パルス幅を有する。あるいは、パルス又はパルスから導出されるアナログ電圧を、制御ゲートに印加することができる。単一パルスの幅は、入力の大きさに直接対応する。例えば、WL1の入力の大きさはWL0の入力の大きさに対して4倍である(WL1パルス幅は、WL0パルス幅に対して4倍である)。
【0176】
さらに、図36Cを参照すると、タイミング制御回路3670を使用して、VMMアレイの出力及び入力インターフェースを管理し、様々な出力又は様々な入力の変換を順次分割することによって、VMMシステムの電力を管理することができる。図56は、電力管理方法5600を示す。第1のステップは、ベクトル行列乗算アレイの複数の入力を受信する(ステップ5601)。第2のステップは、複数の入力を複数の入力のセットに編成する(ステップ5602)。第3のステップは、複数の入力のセットのそれぞれをアレイに順次提供する(ステップ5603)。
【0177】
電力管理方法5600の一実施形態は、以下である。VMMシステム(VMMアレイのワード線又は制御ゲートなど)への入力は、経時的に順次適用することができる。例えば、512個のワード線入力を有するVMMアレイの場合、ワード線入力は、4つの群、WL0~127、WL128~255、WL256~383、及びWL383~511に分割することができる。各群は、異なる時間に有効化することができ、出力読み出し動作を、図34図36の出力積分回路などによって、4つのワード線群のうちの1つに対応する群に対して実行することができる(ニューロン電流をデジタルビットに変換する)ことができる。次いで、4つの群のそれぞれが順番に読み取られた後、出力デジタルビット結果を一緒に組み合わせる。この動作は、タイミング制御回路3670によって制御され得る。
【0178】
別の実施形態では、タイミング制御回路3670は、図33のアナログニューロメモリシステム3300などのベクトル行列乗算システムで電力管理を実行する。タイミング制御回路3670は、異なる時間に入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hを有効にすることなどによって、入力を経時的に順次VMMサブシステム3333に適用させることができる。同様に、タイミング制御回路3670は、異なる時間にニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hを有効化することなどによって、VMMサブシステム333からの出力を経時的に順次読み出させることができる。
【0179】
図57は、電力管理方法5700を示す。第1のステップは、ベクトル行列乗算アレイから複数の出力を受信する(ステップ5701)。次のステップは、アレイからの複数の出力を複数の出力のセットに編成する(ステップ5702)。次のステップは、複数の出力のセットのそれぞれを変換器回路に順次提供する(ステップ5703)。
【0180】
電力管理方法5700の一実施形態は、以下である。電力管理は、異なる時間にニューロン出力群を順次読み出すことによって、つまり、複数のニューロン出力(ビット線)にわたる出力回路(出力ADC回路など)を多重化することによって、タイミング制御回路3670により実施することができる。ビット線は、異なる群に配置され得、出力回路は、タイミング制御回路3670の制御下で、一度に1つの群で順次に動作する。
【0181】
図58は、電力管理方法5800を示す。複数のアレイを含むベクトル行列乗算システムにおいて、第1のステップは、複数の入力を受信する。次の工程は、複数の入力のうちのいくつか又は全てを受信するために複数のアレイのうちの1つ以上を順次有効にする(ステップ5802)。
【0182】
電力管理方法5800の一実施形態は、以下である。タイミング制御回路3670は、一度に1つのニューラルネットワーク層で動作することができる。例えば、1つのニューラルネットワーク層が第1のVMMアレイ内に表され、第2のニューラルネットワーク層が第2のVMMアレイ内に表される場合、出力読み出し動作(ニューロン出力がデジタルビットに変換される場合など)は、一度に1つのVMMアレイで順次に実行され、それによってVMMシステムの電力を管理することができる。
【0183】
別の実施形態では、タイミング制御回路3670は、図33に示すように、複数のニューロメモリサブシステム3333又は複数のマクロ3301を順次に有効にすることによって動作することができる。
【0184】
別の実施形態では、タイミング制御回路3670は、非アクティブ期間中(順次有効になるオンとオフとの間の休止期間を意味する)にアレイバイアスを放電することなく、図33に示すような複数のニューロメモリサブシステム3333又は複数のマクロ3301を順次有効にすることによって動作することができる(例えば、制御ゲートCGに対してワード線WL及び/又はビット線BLを入力として、かつビット線(bitltine)BLを出力としてバイアスするか、若しくはワード線WLに対して制御ゲートCG及び/又はビット線BLを入力として、かつビット線BLを出力としてバイアスする)。これは、1つ以上の読み出し動作中に(例えば、推論又は分類動作中に)複数回使用されるアレイバイアスを、再び不必要な放電及び充電から節電することである。
【0185】
図37図44は、図33の入力回路ブロック3303a、3303b、3303c、3303d、3303e、3303f、3303g、及び3303hなどのVMM入力ブロック、又は図33のニューロン出力ブロック3302a、3302b、3302c、3302d、3302e、3302f、3302g、及び3302hなどのニューロン出力ブロック内で使用することができる様々な回路を示す。
【0186】
図37は、任意選択的に使用して、積分デュアルスロープADC3400又は3500によって生成されたデジタルパルスを電圧に変換することができるパルス-電圧変換器3700を示し、この電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。パルス-電圧変換器3700は、基準電流IREFを生成する基準電流発生器3701、コンデンサ3702、及びスイッチ3703を備える。入力はスイッチ3703を制御するために使用される。パルスが入力に受信されると、スイッチが閉じられ、電荷がコンデンサ3702に蓄積され、結果として入力信号が完了した後のコンデンサ3702の電圧は、受信されたパルスの数を示すことになる。コンデンサは、任意選択的に、ワード線又は制御ゲート電気容量であり得る。
【0187】
図38は、任意選択的に使用して、ニューロン出力電流を電圧に変換することができる電流-電圧変換器3800を示し、この電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。電流-電圧変換器3800は、ここでは、受信したニューロン電流、ineu(又はIin)を表す電流発生器3801、及び可変抵抗器3802を備える。出力Voutは、ニューロン電流が増加するにつれて、サイズが増大する。可変抵抗器3802は、所望に応じて、Voutの最大範囲を増加又は減少させるように調整することができる。
【0188】
図39は、任意選択的に使用して、ニューロン出力電流を電圧に変換することができる電流-電圧変換器3900を示し、この電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。電流-電圧変換器3900は、オペアンプ3901、コンデンサ3902、スイッチ3903、スイッチ3904、及びここでニューロン電流ICELLを表す電流源3905を備える。動作中、スイッチ3903は開かれ、スイッチ3904は閉じられる。出力Voutは、ニューロン電流ICELL3905の大きさに比例して振幅を増加させる。
【0189】
図40は、任意選択的に使用して、ニューロン出力電流を対数電圧に変換することができる電流-対数電圧変換器4000を示し、この対数電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。電流-対数電圧変換器4000は、メモリセル4001、スイッチ4002(メモリセル4001のワード線端子を、Voutを生成するノードに選択的に接続する)、及びここではニューロン電流IiNを表す電流源4003を含む。動作中、スイッチ4002は閉じられ、出力Voutは、ニューロン電流iINの大きさに比例して振幅を増加させる。
【0190】
図41は、任意選択的に使用して、ニューロン出力電流を対数電圧に変換することができる電流-対数電圧変換器4100を示し、この対数電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。電流-対数電圧変換器4100は、メモリセル4101、スイッチ4102(メモリセル4101の制御ゲート端子を、Voutを生成するノードに選択的に接続する)、及びここではニューロン電流IiNを表す電流源4103を含む。動作中、スイッチ4102は閉じられ、出力Voutは、ニューロン電流IiNの大きさに比例して振幅を増加させる。
【0191】
図42は、任意選択的に使用して、(すなわち、0及び1の)デジタルデータを電圧に変換することができるデジタルデータ-電圧変換器4200を示し、この電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。デジタルデータ-電圧変換器4200は、コンデンサ4201、調節可能な電流源4202(ここでは、メモリセルの基準アレイからの電流である)、及びスイッチ4203を含む。デジタルデータはスイッチ4203を制御する。例えば、デジタルデータが「1」であるときにスイッチ4203を閉じることができ、デジタルデータが「0」であるときに開くことができる。コンデンサ4201に蓄積された電圧は出力OUTであり、デジタルデータの値に対応する。任意選択的に、コンデンサは、ワード線又は制御ゲート電気容量であり得る。
【0192】
図43は、任意選択的に使用して、(すなわち、0及び1の)デジタルデータを電圧に変換することができるデジタルデータ-電圧変換器4300を示し、この電圧は、例えば、VMMメモリアレイの(例えば、WL線又はCG線の)入力として印加され得る。デジタルデータ-電圧変換器4300は、可変抵抗器4301、調節可能な電流源4302(ここでは、メモリセルの基準アレイからの電流である)、及びスイッチ4303を含む。デジタルデータはスイッチ4303を制御する。例えば、デジタルデータが「1」であるときにスイッチ4303を閉じることができ、デジタルデータが「0」であるときに開くことができる。出力電圧は、デジタルデータの値に対応する。
【0193】
図44は、図42及び図43における調節可能な電流源4202及び4302の基準電流を提供するために使用することができる基準アレイ4400を示す。
【0194】
図45図47は、プログラミング動作後に、VMM内のフラッシュメモリセルが、そのフラッシュメモリセルに格納されることが意図されるW値に対応する適切な電荷を含むことを検証するための構成要素を示す。
【0195】
図45は、デジタル入力としてW値の基準セットを受信し、いくつかのプログラムされたフラッシュメモリセルから検知されたWデジタル値を受信するデジタル比較器4500を示す。デジタル比較器4500は、1つ以上のフラッシュメモリセルが正しい値でプログラムされていないことを示す不整合が存在する場合にフラグを生成する。
【0196】
図46は、変換器4600と協働した図45のデジタル比較器4500を示す。検知されたW値は、変換器4600の複数のインスタンス化によって提供される。変換器4600は、フラッシュメモリセルからセル電流ICELLを受信し、そのセル電流を、ADC3400又は3500など)前述した変換器のうちの1つ以上を使用して、デジタル比較器4500に提供され得るデジタルデータに変換する。
【0197】
図47は、アナログ入力としてW値の基準セットを受信し、いくつかのプログラムされたフラッシュメモリセルから検知されたWアナログ値を受信するアナログ比較器4700を示す。アナログ比較器4700は、1つ以上のフラッシュメモリセルが正しい値でプログラムされていないことを示す不整合が存在する場合にフラグを生成する。
【0198】
図48は、変換器4800と協働した図47のアナログ比較器4700を示す。検知されたW値は、変換器4800によって提供される。変換器4800は、感知されたW値のデジタル値を受信し、(パルス-電圧変換器3700、デジタルデータ-電圧変換器4200、又はデジタルデータ-電圧変換器4300など)前述した変換器のうちの1つ以上を使用して、アナログ比較器4700に提供することができるアナログ信号に変換する。
【0199】
図49は、出力回路4900を示す。(前述の積分デュアルスロープADC3400又は3500を使用することなどによって)ニューロンの出力がデジタル化される場合は、ニューロン出力に対して活性化関数を実行する必要が依然としてあり得ることを理解されたい。図49は、ニューロン出力が可変幅のパルス又はパルス系列に変換される前に活性化が生じる実施形態を示す。出力回路4900は、活性化回路4901及び電流-パルス変換器4902を備える。活性化回路は、様々なフラッシュメモリセルからIneuron値を受信し、受信したIneuron値の総和であるIneuron_actを生成する。次に、電流-パルス変換器4902は、Ineuron_actを一連のデジタルパルス及び/又は一連のデジタルパルスのカウントを表すデジタルデータに変換する。前述した他の変換器(かかる積分デュアルスロープADC3400又は3500)は、4902変換器の代わりに使用することができる。
【0200】
別の実施形態では、活性化は、デジタルパルスが生成された後に生じ得る。この実施形態では、デジタル出力ビットは、アクティブ化マッピングテーブル又はアクティブ化マッピングユニット5010によって実装される機能を使用して、新しいデジタルビットのセットにマッピングされる。このようなマッピングの例は、図50及び図51にグラフで示されている。活性化デジタルマッピングは、シグモイド、tanh、ReLu、又は任意の活性化関数をシミュレートすることができる。さらに、活性化デジタルマッピングは、出力ニューロンを量子化することができる。
【0201】
図52は、プログラミング動作後の検証動作中にVMMの出力を合計して、出力を表す単一のアナログ値を得るために使用できる電荷加算器5200の例を示しており、この単一のアナログ値は、任意選択的にデジタルビット値に変換することができる。電荷加算器5200は、電流源5201と、スイッチ5202及びサンプルアンドホールド(S/H)コンデンサ5203を含むサンプルアンドホールド回路と、を含む。4ビットのデジタル値の例で示されるように、4つの評価パルスからの値を保持するための4つのS/H回路が存在し、これらの値はプロセスの終了時に合計される。S/Hコンデンサ5203は、そのS/Hコンデンサの2^n*DINnビット位置に関連付けられる比率で選択され、例えば、C_DIN3=x8 Cu、C_DIN2=x4 Cu、C_DIN1=x2 Cu、DIN0=x1 Cuである。電流源5201もまた、それに応じて比率が乗じられる。
【0202】
図53は、プログラミング動作後の検証動作中にVMMの出力を合計するために使用できる電流加算器5300を示す。電流加算器5300は、電流源5301、スイッチ5302、スイッチ5303及びスイッチ5304、並びにスイッチ5305を含む。4ビットのデジタル値の例で示されるように、4つの評価パルスからの値を保持するための電流源回路が存在し、これらの値はプロセスの終了時に合計される。電流源は、2^n*DINnビット位置に基づいて比率が乗じられ、例えば、I_DIN3=x8 Icell単位、I_DIN2=x4 Icell単位、I_DIN1=x2 Icell単位、I_DIN0=x1 Icell単位である。
【0203】
図54は、複数のデジタル値を受信し、それらを一緒に合計し、入力の和を表す出力DOUTを生成する、デジタル加算器5400を示す。デジタル加算器5400は、プログラミング動作後の検証動作中に使用することができる。4ビットのデジタル値の例で示されるように、4つの評価パルスからの値を保持するためのデジタル出力ビットが存在し、これらの値はプロセスの終了時に合計される。デジタル出力は、2^n*DINnビット位置に基づいてデジタルスケーリングされ、例えば、DOUT3=x8 DOUT0、_DOUT2=x4 DOUT1、I_DOUT1=x2 DOUT0、I_DOUT0=DOUT0である。
【0204】
図55A及び図55Bは、入力ブロック、行デコーダ、又は出力ブロック内で使用されるデジタルビット-パルス幅変換器5500を示す。デジタルビット-パルス幅変換器5500から出力されるパルス幅は、図36Bに関連して上述したように、その値に比例する。デジタルビット-パルス幅変換器は、バイナリカウンタ5501を含む。バイナリカウンタ5501の状態Q[N:0]は、ロードシーケンス内のシリアルデータ又はパラレルデータによってロードされ得る。行制御論理5510は、図34及び図35の積分ADCなどのブロックから提供されるデジタルデータ入力の値に比例するパルス幅を有する電圧パルスを出力する。
【0205】
図55Bは、そのデジタルビット値に比例する幅を有する出力パルス幅の波形を示す。最初に、受信されたデジタルビット内のデータが反転され、反転された桁ビットは、カウンタ5501にシリアル又はパラレルのどちらかでロードされる。次いで、行パルス幅は、最大カウンタ値に達するまで、バイナリ方式でカウントすることによって、波形5520に示されるように行制御論理5510によって生成される。
【0206】
任意選択的に、パルス系列-パルス変換器を使用して、VMMアレイ内のワード線又は制御ゲートに適用されるVMMアレイへの入力として使用される、パルス系列(図34Bの信号3411又は3413、及び図35Bの信号3513又は3516など、を含む出力を、パルス系列のパルス数に比例して幅が変化する単一パルス(図36Bの信号WL0、WL1及びWLeなど)に変換することができる。パルス系列-パルス変換器の例は、制御論理を有するバイナリカウンタである。
【0207】
例は、4ビットデジタル入力に関して表9に示される通りである。
表9:出力パルス幅へのデジタル入力ビット
【表9】
【0208】
別の実施形態は、アップバイナリカウンタ及びデジタル比較論理を使用する。すなわち、出力パルス幅は、バイナリカウンタのデジタル出力がデジタル入力ビットと同じになるまで、アップバイナリカウンタをカウントすることによって生成される。
【0209】
別の実施形態は、ダウンバイナリカウンタを使用する。最初に、ダウンバイナリカウンタは、デジタルデータ入力パターンとシリアル又はパラレルにロードされる。次いで、出力パルス幅は、バイナリカウンタのデジタル出力が最小値、すなわち「0」論理状態に達するまでダウンバイナリカウンタをカウントダウンすることによって生成される。
【0210】
本明細書で使用される場合、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は両方とも、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「に直接電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にない)、及び「に間接的に電気的に結合された」(要素を一緒に電気的に接続する中間材料又は要素がそれらの間にある)を含む。例えば、要素を「基板の上方に」形成することは、その要素を基板に直接、中間材料/要素をそれらの間に伴わずに形成すること、及びその要素を基板の上に間接的に1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って形成することを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図20
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図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図36C
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55A
図55B
図56
図57
図58
【国際調査報告】