(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵デバイスにおけるエネルギー貯蔵セルのための相互接続構造
(51)【国際特許分類】
H01M 50/503 20210101AFI20220304BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20220304BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20220304BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220304BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20220304BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/507
H01M50/284
H01M10/48 P
H01M50/516
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525133
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 IN2019050826
(87)【国際公開番号】W WO2020095325
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】201841042121
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クマー,パラブハンジャン
(72)【発明者】
【氏名】スビア,センシルナサン
(72)【発明者】
【氏名】ジャベッツ ディナガー,サムラジャ
【テーマコード(参考)】
5H030
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H030AA09
5H030AS08
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H040AA02
5H040AA03
5H040AA22
5H040AS04
5H040AT01
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC33
5H040DD03
5H040DD05
5H040DD08
5H040DD13
5H040DD24
5H040JJ03
5H043AA03
5H043AA05
5H043AA13
5H043BA11
5H043CA02
5H043FA05
5H043FA06
5H043FA24
5H043FA32
5H043HA18F
5H043JA02F
5H043JA03F
5H043JA07F
(57)【要約】
本発明は、前記少なくとも1つのセルホルダ(100a)、(100b)に配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)と、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)を電気的に接続するためになされた1つまたは複数の相互接続構造(103)とを含むエネルギー貯蔵デバイス(100)に関する。本発明によれば、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のそれぞれは、前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記それぞれをしっかり固定して位置付けるためになされた1つまたは複数の開口(203)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス(100)であって、
前記少なくとも1つのセルホルダ(100a)、(100b)に配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)と、
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)を電気的に接続するためになされた1つまたは複数の相互接続構造(103)であって、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のそれぞれが、前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれをしっかり固定して位置付けるためになされた1つまたは複数の開口(203)を含む、1つまたは複数の相互接続構造(103)と
を含むエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項2】
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)が、直列組合せおよび並列構成を含む少なくとも1つの構成において電気的に接続されて、1つまたは複数のアレイの組合せを形成する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項3】
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記1つまたは複数のアレイの組合せのそれぞれが、バッテリ管理システム(101)に、その中の少なくとも一部に提供される1つまたは複数の対応する接続点(102)で、少なくとも1つの装着設備を通して電気的に接続される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項4】
スリットの形の前記1つまたは複数のすき間(200a)が、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)の前記それぞれの少なくとも一部に形成される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項5】
前記1つまたは複数の相互接続構造(103)が、その底面に向かって突き出る少なくとも1つの溶接棒構造(107)を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの溶接棒構造(107)が、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のそれぞれの外面に対して垂直である、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項7】
前記1つまたは複数のすき間(200)のうちの少なくとも1つのすき間(200a)が、より長い経路(202)を通って前記1つまたは複数の相互接続経路の前記それぞれにわたって発生した大量のシャント電流をわきにそらすように、少なくとも1つの予め決められた断面の少なくとも1つの予め決められた形状を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項8】
前記1つまたは複数のすき間(200)の前記少なくとも1つの予め決められた形状の輪郭が、実質的にC型形状の輪郭である、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項9】
前記1つまたは複数の接触点(205)が、前記スポット溶接によって、前記1つまたは複数のすき間(200a)の少なくとも1つの溶接棒構造(107)の前記それぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記少なくとも1つの端子とを電気的に接続することによって、位置合わせして形成された少なくとも1つのスポット溶接位置(207)を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項10】
スリット開口が、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の接触端子の面積にわたる断面積に対して実質的に等しく配置されるように構成され、それによって、より大きな電流フロー経路(202)を可能にする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項11】
前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のスリットの両側に一体化して形成される前記少なくとも1つのスポット溶接位置(207)溶接点が、縦式、横式、その組合せにおいて非対称に配置される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスにおけるエネルギー貯蔵セルのための少なくとも1つの相互接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近頃では、厳しい排出基準に鑑みて、自動車からの排出を制御するための増加した需要が存在する。結果として、排出の量を最小限にするために、いくつかのハイブリッド車両および電気車両が日の目を見ている。一般的に、ハイブリッド車両は、車両を駆動するために少なくとも1つの供給源が常に利用可能であることから、長い移動を可能にするという明確な利点を有する。したがって、これまでの内燃動力車両で頻繁に起きているような、燃料を使い切る、または立ち往生するというリスクは低い。
【0003】
概して、内燃機関または電気モータ、あるいはその両方のいずれかによって動力供給されるように構成された現行のハイブリッド車両が、通常の機関動力車両に取って代わりつつある。たとえば、地形上または長い距離を運転する場合は、内燃機関を使用することができ、より短い距離の場合は、電気推進システムを使用することができる。しかしながら、内燃機関と電気モータアセンブリの両方をハイブリッド二輪車両に組み込むことは、システムを大型化させ、より複雑にする。
【0004】
こうして、電気車両は、電気駆動システムからのゼロ排出、および石油依存からの脱却を請け合うことから、内燃車両の潜在的な代用として、近年において人気を博してきている。したがって、バッテリ研究における電気車両産業の焦点は、車両などにおける動力源として通例使用される、密閉された、スターブド電解質(starved electrolyte)の鉛/酸バッテリなどの、充電可能なバッテリに向けられている。しかしながら、鉛酸バッテリは、重く、大型であり、短いサイクル寿命、短い暦寿命、および低いターンアラウンド効率を有し、したがって、純粋な電気車両は、それ自体の重量が増加すること、および移動距離が短いことにおける問題を伴い、パッケージング制約のために、追加の充電可能なバックアップ動力源としての1つまたは複数のバッテリを車両の限られた空間に装着することは難しく、これは、前記1つまたは複数の追加のバッテリをそこに据え付けるためのさらなる構造上の課題を内包することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両用の鉛酸バッテリを含む前記従来型のエネルギー貯蔵デバイスに関連付けられた問題を克服するために、リチウムイオンバッテリセルが、高エネルギー密度用途、改善されたレート能力、および安全性について理想的なシステムを提供する。さらに、充電可能なエネルギー貯蔵デバイス、すなわち、リチウムイオンバッテリは、車両上で使用できるようにする、1つまたは複数の要求の高い特性を呈している。第1に、安全性の理由のために、リチウムイオンバッテリは、すべて固体成分で構築されるが、なおも柔軟でコンパクトである。第2に、リチウムイオンバッテリを含むエネルギー貯蔵デバイスは、液体電解質を有する一次バッテリと同様の伝導特性を呈し、すなわち、低いレートの自己放電で、高い電力およびエネルギー密度を発揮する。第3に、リチウムイオンバッテリとしてのエネルギー貯蔵デバイスは、高信頼性と高コスト効率の両方であるやり方で、容易に製造可能である。最後に、リチウムイオンバッテリを含むエネルギー貯蔵デバイスは、必要最小限レベルの伝導性を周囲温度以下で維持することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エネルギー貯蔵デバイスのための知られている構造において、リチウムイオンバッテリセルを含む前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルは、少なくとも1つのホルダ構造に、直列および並列の組合せで配置される。概して、前記1つまたは複数の相互接続構造は、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスに配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの少なくとも1つのアレイを電気的に相互接続するためになされている。とりわけ、1つまたは複数の相互接続構造のそれぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのうちの少なくとも1つとは、異なる材料で作られ、すなわち、前記1つまたは複数の相互接続プレートは、鋼からなる金属プレートを含み、ニッケルの前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル端子は、鋼ほど優れた伝導体ではなく、したがって、高い熱的および電気的伝導性を有する金属プレートを含む前記1つまたは複数の相互接続プレートが、スポット溶接法を通して、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれの少なくとも1つの端子に電気的に接続されて、少なくとも1つの接触点を形成する。
【0007】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図面全体を通して、同じ番号は、同様の特徴および部品を参照するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスの透視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスの分解組立図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による、
図1の前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスのための少なくとも1つの相互接続構造の透視図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による、
図1の前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスのための少なくとも1つの相互接続構造の透視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、その中の少なくとも一部に形成された1つまたは複数のすき間を含む前記少なくとも1つの相互接続構造の側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、
図3の前記1つまたは複数の相互接続スリットのそれぞれの少なくとも一部に形成された前記1つまたは複数のすき間のうちの少なくとも1つのすき間を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つまたは複数の相互接続構造のための一般的な設計においては、その少なくとも一部に、1つまたは複数のスリットが一体化して形成される。1つまたは複数のスリットは、スポット溶接を通して、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれの少なくとも1つの端子との少なくとも1つの接触接合部を形成するために構成された少なくとも1つの溶接棒構造を含む。とりわけ、前記1つまたは複数の相互接続構造の前記少なくとも一部に形成される前記1つまたは複数のスリットのそれぞれは、小さな断面を有する形状の輪郭を含み、こうして、前記1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれを通過するシャント電流が、極めて短い移動経路およびより短い時間間隔を取って、前記1つまたは複数の相互接続構造のそれぞれを通って移動し、そのため、1つまたは相互接続プレートの前記それぞれを通るより大きな電流フローが、前記1つまたは複数の相互接続プレートの前記少なくとも1つの溶接棒構造と、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記少なくとも1つの端子とにわたって、非常に少ない抵抗を生じ、これは、前記少なくとも1つの溶接棒構造を溶鋼まで加熱するのに十分には事足りないか、または前記相互接続構造と前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルとの間に弱い接触点を形成するかのいずれかである。
【0010】
1つまたは複数の相互接続構造のそれぞれの前記少なくとも一部における前記1つまたは複数のスリットのための別の知られている設計においては、前記少なくとも1つの溶接棒構造と、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれの前記少なくとも1つの端子とにわたって生じる少ない抵抗のために、1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれを通って高いシャント電流が流れ、これは、1つまたは複数の相互接続背丈の前記それぞれを、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれに電気的に接続するための、そのスポットまでの溶鋼を得るのに困難をもたらす。
【0011】
より小さい断面積を有する形状の輪郭を有する前記1つまたは複数のスリットを含む前記1つまたは複数の相互接続構造のためのさらに別の知られている設計においては、前記少なくとも1つの溶接棒構造を前記少なくとも1つの端子とスポット溶接することによって形成される前記少なくとも1つの接触点にわたる高いシャント電流が、接触点の直径を縮小させる傾向があり、それによって、前記1つまたは複数の接触点を、前記少なくとも1つの溶接棒構造の損傷、排除、および劣化に対してより影響を受けやすくし、したがって、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル全体への損傷を引き起こし、こうして、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのうちの少なくとも1つのセル全体のための高コストな交換をもたらす。このように、前記の問題のすべてを克服できる、改善された相互接続構造の解決策の必要性が存在する。
【0012】
前記の目的に鑑みて、本発明は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスにおける1つまたは複数の構成において配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを電気的に相互接続するために構成された1つまたは複数の相互接続構造のための改善された設計を提供する。一実施形態において、前記1つまたは複数の相互接続構造のそれぞれは、その少なくとも一部に一体化して形成されるスリットの形の1つまたは複数のすき間を含む。一実施形態において、スリットを含む前記1つまたは複数のすき間は、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスの前記少なくとも1つのセルホルダ構造に配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの少なくとも1つの端子と、位置合わせするようなやり方で形成される。一実施形態によれば、スリットを含む前記1つまたは複数のすき間は、前記1つまたは複数の相互接続構造を通過するシャント電流のためのより大きな移動経路を促進するのに十分に事足りる少なくとも1つの予め決められた断面積の形状の輪郭を有する少なくとも1つの予め決められた形状から形成され、それによって、1つまたは複数のスリットの前記それぞれ、および1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれの前記少なくとも1つの端子と一体化して形成される前記少なくとも1つの溶接棒構造にわたって、高い抵抗が生じ、そのため、そこに発生したより大きな熱が、前記1つまたは複数の相互接続構造を、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルと電気的に接続するための溶鋼を形成し、したがって、より高い剛直性および強度の1つまたは複数の接触点を形成する。より詳細には、本発明の一実施形態において、スリットを含む1つまたは複数のすき間は、1つまたは複数の相互接続構造のそれぞれを通る大きなシャント電流フローの経路をわきにそらすように構成された前記少なくとも1つの予め決められた形状を与えられ、それによって、溶接処理しやすさを促進し、前記1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれの前記端子との間の1つまたは複数の接触点への損傷をさらに最小限にする。一実施形態によれば、スリット開口は、貯蔵セルの接触端子の面積にわたる断面積に対して実質的に等しく配置されるように構成され、それによって、より大きな電流フロー経路を可能にする。
【0013】
本発明は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスにおける1つまたは複数の構成において配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを電気的に接続するために構成された1つまたは複数の相互接続構造のための改善された設計に関する。一実施形態において、前記1つまたは複数のすき間は、逆さにされたC型形状のスリットを含む。一実施形態によれば、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれの前記少なくとも1つの端子は、C型形状のスリットの内部でスポット溶接されて、1つまたは複数の接触点を形成する。さらに、一実施形態によれば、前記1つまたは複数のスリットの前記改善された形状の輪郭が、予め決められた直径から形成される前記1つまたは複数の接触点を提供し、それにより、1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記少なくとも端子との間に、強い接触点が形成されるように促進する。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスは、少なくともホルダ構造を含み、ホルダ構造は、その中に一体化して形成された、かつ前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを受け入れるようになされた、1つまたは複数の受け入れ部を含む。一実施形態によれば、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれの端子は、金属プレートを含む1つまたは複数の相互接続構造を通して電気的に相互接続される。より詳細には、一実施形態によれば、前記1つまたは複数の相互接続構造は、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの端子に接続される鋼材料からなる硬質の金属プレートを含む。一実施形態によれば、前記1つまたは複数の相互接続プレートは、前記セルの間に大きな電流を伝える。一実施形態において、前記少なくとも1つまたは複数の相互接続構造の内部に形成される前記スリットの形の前記1つまたは複数のすき間は、1つまたは複数のすき間のそれぞれの予め決められた形状の輪郭の予め決められた経路にわたってシャント電流をわきにそらすのに十分な、予め決められた断面積を有する予め決められた形状の輪郭を含む。こうして、1つまたは複数のスリットの前記少なくとも1つの溶接棒構造と、前記エネルギー貯蔵セルの前記少なくとも1つの端子とにわたって生じるより高い抵抗が、その間に少なくとも1つの接触点を形成するための溶鋼を得ることを促進する。別の実施形態によれば、相互接続装置のスリットの両側の溶接点は、縦式、または横式、あるいはその組合せにおいて非対称に配置されてもよい。
【0015】
本発明の目的は、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのアレイを相互接続するためになされた前記1つまたは複数の相互接続構造のための改善された設計を提供することである。より詳細には、一実施形態によれば、前記1つまたは複数の相互接続構造は、その中の少なくとも一部に形成される前記1つまたは複数のすき間でパターン化される。一実施形態において、前記1つまたは複数のすき間のそれぞれのすき間は、前記少なくとも1つの溶接棒構造と、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記少なくとも1つの端子との間に、電気的接続を形成する。
【0016】
一実施形態において、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスは、前記エネルギー貯蔵デバイスの前記少なくとも1つのホルダ構造に配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを含む。一実施形態によれば、並列および直列構成を含む前記1つまたは複数の構成において配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルは、前記少なくとも1つの予め決められた形状の、かつシャント電流1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルをわきにそらすためになされた1つまたは複数のスリットを含む1つまたは複数の相互接続構造を通して電気的に接続していて、それによって、1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれと、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれとの間で、溶接損傷および溶接棒排除のリスクを最小限にする。
【0017】
さらに、本発明の一実施形態は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスにおける少なくとも1つの構成において配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを電気的に接続するためになされた前記1つまたは複数の相互接続構造の改善された設計を説明する。一実施形態において、前記1つまたは複数の相互接続構造のための前記改善された設計は、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスにおいて発生する大量のシャント電流をわきにそらすように構成された前記少なくとも1つの予め決められた形状の1つまたは複数のスリットを含み、それによって、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを損傷することなく、スポット溶接に持ちこたえる。
【0018】
本発明のさまざまな他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、下で詳細に説明される。図面において、同様の参照番号は、概して、同一の要素、機能的に同様の要素、および/または構造的に同様の要素を示す。要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号において最も左端の桁によって示されている。添付の図面を参照すると、そこでは、同じ参照番号が、いくつかの図全体を通して同じまたは同様の要素を特定するために使用されることになる。図面は、参照番号の向きの方向に見るべきであることに留意されたい。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の透視図である。一実施形態において、前記バッテリパック(100)は、固定するセルホルダ(100a)と、受け入れるセルホルダ(100b)とを含む、少なくとも1つのセルホルダ(100a)、(100b)を含む。一実施形態において、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)は、前記少なくとも1つのセルホルダ(100a)、(100b)に配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(図示せず)をさらに含む。一実施形態によれば、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルは、直列組合せおよび並列構成を含む少なくとも1つの構成において電気的に接続されて、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのための前記1つまたは複数のアレイの組合せを形成する。一実施形態によれば、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記1つまたは複数のアレイのそれぞれは、少なくとも1つの装着設備を通して、前記バッテリ管理システム(101)上に提供された、(
図2に示される)1つまたは複数の対応する接続点(102)で、(
図2に示される)前記バッテリ管理システム(101)に電気的に接続される。一実施形態によれば、1つまたは複数の電気的に接続された1つまたは複数の貯蔵セル(106)を含む1つまたは複数のアレイの組合せの前記アレイの前記それぞれは、1つまたは複数の相互接続構造(103)を通して一緒に接続される。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の分解組立図である。一実施形態において、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)は、そこに電気的に接続される前記バッテリ管理システム(201)を含む。一実施形態において、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのアレイの前記それぞれは、少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に配置される。一実施形態において、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)は、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルを電気的に相互接続するためになされている。一実施形態において、前記相互接続構造(103)の前記それぞれの、(
図4に示される)少なくとも1つの端部(104)が、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の電流および電圧の出力をそれに伝えるために、前記バッテリ管理システム(201)に電気的に接続される。とりわけ、一実施形態によれば、前記少なくともホルダ構造(100a)、(100b)は、その中に形成される1つまたは複数の装着設備を含む。1つまたは複数の相互接続プレート(103)は、前記1つまたは複数の装着設備(105)を通して、前記バッテリ管理システム(102)に、1つまたは複数の対応する接続点(202)で電気的に接続される。一実施形態において、前記バッテリ管理システム(101?)は、前記出力電流および前記出力電圧を1つまたは複数の電気部品に伝えるために、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)について出力電流および電圧をモニタするために構成される。
【0021】
図3aおよび
図3bは、本発明の一実施形態による、
図1の前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の前記1つまたは複数の相互接続構造(103)の前記少なくとも1つの相互接続構造(103a)の透視図である。一実施形態において、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に配置される前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)は、1つまたは複数の相互接続構造(103)によって相互接続される。一実施形態において、(
図2に示される)前記1つまたは複数の相互接続構造(103)の前記少なくとも1つの相互接続構造(103)は、前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれをしっかり固定して位置付けるためになされた前記1つまたは複数の開口(203)を含む。一実施形態において、前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)の前記少なくとも一部は、その少なくとも一部と一体化して形成される1つまたは複数のロック構造を含む。1つまたは複数のロック構造は、前記1つまたは複数の開口(203)のそれぞれの予め決められた輪郭に合致して、前記1つまたは複数の相互接続プレートの前記それぞれを、前記少なくとも1つのホルダ構造にしっかり固定して位置付けて、溶接しながら相互接続装置をロックする。一実施形態によれば、スリットの形の前記1つまたは複数のすき間(200a)は、前記1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれの少なくとも一部に形成される。一実施形態において、1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれの底面に向かって突き出る前記少なくとも1つの溶接棒構造(107)は、相互接続構造の外面に対して垂直である。一実施形態によれば、前記1つまたは複数のすき間(200)のうちの少なくとも1つのすき間(200a)は、少なくとも1つの予め決められた断面の少なくとも1つの予め決められた形状を含み、予め決められた形状は、より長い経路(202)を通って前記1つまたは複数の相互接続経路の前記それぞれにわたって発生した大量のシャント電流をわきにそらし、それによって、1つまたは複数の相互接続構造の前記それぞれと、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルのそれぞれとの間で、溶接損傷および溶接棒排除のリスクを最小限にする。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態による、その中の少なくとも一部に形成された前記1つまたは複数のすき間(200)を含む前記少なくとも1つの相互接続構造(103a)の側面図である。一実施形態によれば、前記1つまたは複数のすき間(200)の前記少なくとも1つの予め決められた形状の輪郭は、実質的にC型形状の輪郭である。一実施形態において、前記相互接続構造(103)の前記それぞれの、(
図4に示される)前記少なくとも1つの端部(104)は、ファスナーを含む少なくとも1つの取り付け部材を含む1つまたは複数の装着部材を通して、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイス(100)の電流および電圧の出力をそれに伝えるために、前記バッテリ管理システム(BMS)(101)に電気的に接続される。一実施形態によれば、少なくとも1つの装着構造(104a)を含む前記少なくとも1つの端部(104)は、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)の前記少なくとも1つの相互接続構造を、前記バッテリ管理システム(201)に電気的に接続するための、少なくとも1つの取り付け受け入れ部(104a)を含む。
【0023】
図5は、本発明の一実施形態による、
図3aおよび
図3bの前記1つまたは複数の相互接続プレート(103)のそれぞれの前記少なくとも一部に形成された前記1つまたは複数のすき間(200)のうちの少なくとも1つのすき間を例証する。一実施形態によれば、前記1つまたは複数の接触点(106a)は、前記スポット溶接によって、前記1つまたは複数のすき間(200a)の少なくとも1つの溶接棒構造の前記それぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記少なくとも1つの端子とを電気的に接続することによって、位置合わせして形成された少なくとも1つのスポット溶接位置を含む。一実施形態において、前記少なくとも1つのスポット溶接位置は、少なくとも1つの溶接棒構造(107)を含む。
【0024】
改善点および変更点は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に組み込まれてよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵デバイス(100)であって、
前記少なくとも1つのセルホルダ(100a)、(100b)に配置される1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)と、
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)を電気的に接続するためになされた1つまたは複数の相互接続構造(103)であって、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のそれぞれが、前記少なくとも1つのホルダ構造(100a)、(100b)に前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セルの前記それぞれをしっかり固定して位置付けるためになされた1つまたは複数の開口(203)を含む、1つまたは複数の相互接続構造(103)と
を含むエネルギー貯蔵デバイス(100)
において、
スリットの形の1つまたは複数のすき間(200a)が、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)の前記それぞれの少なくとも一部に形成され、
前記1つまたは複数のすき間(200)のうちの少なくとも1つのすき間(200a)が、より長い経路(202)を通って前記1つまたは複数の相互接続経路の前記それぞれにわたって発生した大量のシャント電流をわきにそらすように、少なくとも1つの予め決められた断面の少なくとも1つの予め決められた形状であるように構成される
ことを特徴とする、エネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項2】
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)が、直列組合せおよび並列構成を含む少なくとも1つの構成において電気的に接続されて、1つまたは複数のアレイの組合せを形成する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項3】
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記1つまたは複数のアレイの組合せのそれぞれが、バッテリ管理システム(101)に、その中の少なくとも一部に提供される1つまたは複数の対応する接続点(102)で、少なくとも1つの装着設備を通して電気的に接続される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項4】
前記1つまたは複数の相互接続構造(103)が、その底面に向かって突き出る少なくとも1つの溶接棒構造(107)を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの溶接棒構造(107)が、前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のそれぞれの外面に対して垂直である、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項6】
前記1つまたは複数のすき間(200)の前記少なくとも1つの予め決められた形状の輪郭が、実質的にC型形状の輪郭である、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項7】
前記1つまたは複数の接触点(205)が、前記スポット溶接によって、前記1つまたは複数のすき間(200a)の少なくとも1つの溶接棒構造(107)の前記それぞれと、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の前記少なくとも1つの端子とを電気的に接続することによって、位置合わせして形成された少なくとも1つのスポット溶接位置(207)を含む、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項8】
スリット開口が、1つまたは複数のエネルギー貯蔵セル(106)の接触端子の面積にわたる断面積に対して実質的に等しく配置されるように構成され、それによって、より大きな電流フロー経路(202)を可能にする、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【請求項9】
前記1つまたは複数の相互接続構造(103)のスリットの両側に一体化して形成される前記少なくとも1つのスポット溶接位置(207)溶接点が、縦式、横式、その組合せにおいて非対称に配置される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス(100)。
【国際調査報告】