(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】燃料回収装置
(51)【国際特許分類】
F02M 37/24 20190101AFI20220304BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20220304BHJP
F02M 37/50 20190101ALI20220304BHJP
【FI】
F02M37/24
F02M37/00 301H
F02M37/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539964
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 GB2019053515
(87)【国際公開番号】W WO2020144450
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521300876
【氏名又は名称】フューエル アクティブ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ベイトマン,ポール グラハム
(57)【要約】
燃料タンク(13)のための燃料回収装置(10)は、タンク(13)の壁に嵌合させるための頭部(11)と、ヘッド(11)からタンク(13)の中へ延在する細長い本体(14)と、を有する。本体に配設された水分離器は、軸方向に延在する分離チャンバ(18)と、入口(17)と出口(23)との間でチャンバを通って流れる燃料の螺旋流を生じさせるためのベーン(21)と、を備え、入口(17)を通って分離チャンバに進入する燃料中の任意の水は、螺旋流中で出口(23)から離れて半径方向外向きに移動し、出口(23)は、チャンバ(18)から取り出された燃料が水を実質的に含まないように配置される。燃料から分離された水は、チャンバ(25)に収集されて、ドレイン(24)を介して除去することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに取り付けるように適合された燃料回収装置であって、前記装置が、前記タンクの壁に嵌合させるための頭部と、使用中に前記頭部から前記タンクの中へ延在する細長い本体と、前記細長い本体に配設された分離器と、を有し、前記分離器が、入口と出口との間で前記装置を通る燃料の螺旋流を生じさせるための手段を備え、前記入口を通って前記分離チャンバに進入する前記燃料中の任意のより高密度の汚染物質が、前記螺旋流中で前記出口から離れて半径方向外向きに移動し、前記出口が、前記チャンバから取り出される燃料が任意のより高密度の汚染物質を実質的に含まないように配置され、前記燃料から分離された任意のより高密度の汚染物質を収集するための手段が、前記本体に提供される、燃料回収装置。
【請求項2】
前記燃料の螺旋流を生じさせるための手段が、前記分離器の軸方向に延在している分離チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるように配置されている、請求項1に記載の燃料回収装置。
【請求項3】
前記入口が、前記チャンバの遠位端に配設されている、請求項2に記載の燃料回収装置。
【請求項4】
前記出口が、前記チャンバの前記近位端に配設されている、請求項2または3に記載の燃料回収装置。
【請求項5】
前記出口が、前記螺旋流の前記回転軸を中心に前記チャンバの中央に位置決めされている、請求項1~4のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項6】
前記出口が、前記チャンバの幅よりも大幅に狭い幅を有する、請求項5に記載の燃料回収装置。
【請求項7】
前記チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるための前記手段が、前記チャンバ内に配設された少なくとも1つのガイドベーンを備える、請求項1~6のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項8】
前記チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるための前記手段が、前記入口に配設された少なくとも1つのガイドベーンを備える、請求項1~7のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項9】
前記チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるための前記手段が、前記螺旋流の前記回転軸の接線方向に燃料を向かわせるように配向された入口を備える、請求項1~8のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項10】
前記ベーンが、前記チャンバの長手方向に延在する螺旋ガイドベーンを備える、請求項7に記載の燃料回収装置。
【請求項11】
前記螺旋ガイドベーンの隣接するターン間の前記軸方向距離が、前記入口と前記出口との間で減少する、請求項10に記載の燃料回収装置。
【請求項12】
前記チャンバが、前記燃料の螺旋流を拘束する管状側壁を備え、前記側壁が、前記分離された水が収集チャンバの中へ入ることができる開口を有する、請求項1~11のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項13】
前記チャンバが、前記燃料の螺旋流を拘束する内側管状側壁と、外側壁と、を備え、前記出口が、前記管状側壁の前記近位端からその内部に軸方向に延在し、前記側壁の前記近位端が、前記分離された水が前記内側壁と前記外側壁との間に配設された収集チャンバの中へ流れることを可能にするように開口している、請求項1~11のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項14】
前記チャンバが、前記螺旋流中の任意の水が、それを収集することができる前記チャンバのより広い部分の中へ解放されるように、急激に増大する直径を有する管状側壁を備える、請求項1~11のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項15】
前記水収集手段が、前記装置から除去する水を貯蔵するように配置されている、請求項1~14のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項16】
ダクトが、前記水を除去することを可能にするように、前記頭部から前記水収集手段の中へ延在している、請求項1~15のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項17】
前記出口が、前記出口よりも大きい断面積を有する出口チャンバに開口している、請求項1~16のいずれかに記載の燃料回収装置。
【請求項18】
複数の出口チャンバが、直列に接続されている、請求項17に記載の燃料回収装置。
【請求項19】
燃料タンクと、前記タンクに嵌合された燃料回収装置とを備えるアセンブリであって、前記燃料回収装置が、請求項1~18のいずれかに記載の装置である、アセンブリ。
【請求項20】
燃料回収装置を燃料タンクに嵌合する方法であって、前記燃料回収装置が、請求項1~18のいずれかに記載の装置であり、前記方法が、前記細長い本体が前記タンクの前記底部に向かって延在するように、前記装置の前記細長い本体を前記タンクの開口を通して挿入することを含む、方法。
【請求項21】
前記装置の前記頭部を前記タンクの壁に固定することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクまたは他の貯蔵部から燃料を取り出す際に使用する燃料回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料タンクでは、タンク内の燃料は、タンク内の燃料のレベルが低いときであっても燃料の回収を可能にするために、タンクの底部に隣接する回収点から取り出される。しかしながら、この配置の不利な点は、タンクの底部に堆積した任意の水または他のより密度の高い汚染物質が、タンクからの燃料と共に取り出される可能性があることである。この問題を解決するために、回収点は、水および他の汚染物質がタンクから取り出されないように、常に、タンクの底部よりもいくらかの距離だけ上にある。経時的に、タンクの底部の物質のレベルが増加し、したがって、物質のレベルが回収点の上に及ぶというリスクを軽減するために、定期的に燃料タンクを洗浄する必要がある。燃料タンクを洗浄することは、困難かつ危険であることが認識されよう。さらに、燃料タンクは、洗浄中に閉鎖しなければならず、これは、高コストかつ不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
燃料を濾過することがよく知られているが、その不利な点は、経時的に物質がフィルタに詰まってしまう場合があることである。さらに、フィルタは、燃料から水を除去することができない。
【0004】
燃料から水を分離するための装置は、よく知られている。WO2010/103305は、かつて、燃料タンクから延在している燃料ラインに接続するための入口を有する、そのような装置を開示している。この装置は、その分離チャンバに進入する燃料のサイクロン流を生じさせるサイクロン分離器を備え、それによって、燃料は、チャンバの下端部に向かってその周囲を下方へ螺旋状に進む。燃料がチャンバ内部で渦を巻くと、回動空気流中の任意のより高密度の水がチャンバの外壁に対して半径方向外向きに移動し、次いで、チャンバの底部へ移動し、そこで水が収集される。次いで、分離された燃料は、水を含まずにチャンバを出る。
【0005】
この配置の問題は、タンクを出る燃料がきれいではなく、汚染物質が分離装置の上流の燃料ラインに蓄積して、それを遮断し得ることである。さらに、追加的な燃料取り出しラインが、装置の上流に不注意に加えられ得るというリスクが存在する。別の問題は、例えば空間が制限される燃料ステーションの給油場または可搬式タンクには、分離装置を収容するための空間が常に存在するとは限らないことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述したことを考慮して、本発明によれば、燃料タンクに取り付けるように適合された燃料回収装置が提供され、本装置は、タンクの壁に嵌合させるための頭部と、使用中に頭部からタンクの中へ延在する細長い本体と、細長い本体に配設された分離器と、を有し、分離器は、入口と出口との間で装置を通る燃料の螺旋流を生じさせるための手段を備え、該入口を通って分離チャンバに進入する燃料中の任意のより高密度の汚染物質は、螺旋流中を出口から離れて半径方向外向きに移動し、出口は、チャンバから取り出された燃料が任意のより高密度の汚染物質を実質的に含まないように配置され、燃料から分離された任意のより高密度の汚染物質を収集するための手段が、本体に提供される。
【0007】
装置は、細長い本体がタンクの底部に向かって延在するように、燃料タンクに載置される。使用中に、燃料は、タンクを出る燃料が水または他のより高密度の汚染物質を実質的に含まないように、タンクを出る前に装置を通して取り出される。このようにして、汚染物質が蓄積し、タンクからの燃料ラインを遮断するリスクが回避される。さらに、装置の下流に加えられた任意の追加的な燃料取り出しラインは、常に、汚染されていない燃料を取り出す。
【0008】
分離装置は、汚染物質を燃料から除去するという点で極めて効率的であり、燃料は、タンクの底部の近くにある回収点から取り出すことができる。このようにして、必要とされるタンク洗浄がより少なくなる。
【0009】
分離器は、いかなる嵩高い外部の分離装置も必要とすることなく、タンクの中へ延在する燃料回収装置に好都合に提供される。
【0010】
燃料の螺旋流を生じさせるための手段は、分離器の軸方向に延在する分離チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるように配置され得る。
【0011】
入口は、チャンバの遠位端に配設され得、出口は、チャンバの近位端に配設され得る。
【0012】
出口は、螺旋流の半径方向最内部から燃料が取り出されるように、螺旋流の回転軸を中心にチャンバの中央に位置決めされ得る。
【0013】
出口は、それが螺旋流中の他のより高密度の汚染物質の任意の分離された水の半径方向内向きに配設されるように、チャンバの幅よりも大幅に狭い幅を有し得る。
【0014】
チャンバ内に燃料の螺旋流を生じさせるための手段は、チャンバ内および/または入口に配設された1つ以上のガイドベーンを備え得る。
【0015】
代替的または追加的に、入口は、螺旋流の回転軸の接線方向に燃料を向けるように配向され得る。
【0016】
ベーンは、チャンバの長手方向に延在する螺旋ガイドベーンを備え得る。螺旋ガイドベーンの隣接するターン間の軸方向距離は、入口と出口との間で減少し得、それにより、螺旋燃料流の回転速度が出口に向かって増加する。
【0017】
第1の実施形態では、チャンバは、燃料の螺旋流を拘束する管状側壁を備え、側壁は、分離された水が収集チャンバの中に入ることができる開口を有する。
【0018】
第2の実施形態では、チャンバは、燃料の螺旋流を拘束する内側管状側壁と、外側壁と、を備え、出口は、内側管状側壁の近位端からその内部に軸方向に延在し、側壁の近位端は、分離された水が内側壁と外側壁との間に配設された収集チャンバの中へ流れることを可能にするように開口している。
【0019】
第3の実施形態では、チャンバは、螺旋流中の任意の水が、それを収集することができるチャンバのより広い部分の中へ解放されるように、急激に増大する直径を有する管状側壁を備える。
【0020】
水収集手段は、装置から除去する水を貯蔵するように配置され得る。
【0021】
ダクトは、水を除去することを可能にするように、頭部から水収集手段の中へ延在し得る。
【0022】
出口は、燃料の流れが減少し、流れの中に残っている任意の水の運動量が減少し、収集用の出口チャンバの床部に重力の影響下で落下するように、出口よりも大きい断面積を有する出口チャンバに開口し得る。
【0023】
複数の出口チャンバが、直列に接続され得る。
【0024】
また、本発明によれば、燃料タンクと、タンクに嵌合される上で定義した装置と、を備えるアセンブリが提供される。
【0025】
また、本発明によれば、上で定義した装置を、燃料タンクに嵌合する方法が提供され、本方法は、細長い本体がタンクの底部に向かって延在するように、細長い本体をタンクの開口を通して挿入することを含む。
【0026】
本方法は、装置の頭部をタンクの壁に固定することを含み得る。
【0027】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による、第1の実施形態の燃料回収装置の断面図である。
【
図2】本発明による、第2の実施形態の燃料回収装置の断面図である。
【
図3】本発明による、第3の実施形態の燃料回収装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面の
図1を参照すると、燃料タンク13の上部側壁に形成された開口12の縁部にその外周の周囲に固定されたフランジ付き頭部11を有する、燃料回収装置10の一実施形態が示されている。装置10は、その底部に向かって開口12を通ってタンク13の中へ延在している細長い管状本体14を備える。本体14は、装置10を通ってタンクを出る燃料から任意の水を分離するための分離器を画定する。
【0030】
装置10の管状本体14は、燃料が装置10の中へ取り込まれる入口17を備えた底端壁16によってその遠位端で閉じられている、管状側壁15を備える。装置10の管状本体14の長さは、燃料入口17がタンク13の底壁に隣接して位置決めされるように選択される。代替の実施形態では、GB2350337またはGB2446011に開示されている種類のフロート装置が、入口17の下側に位置決めされ得る。
【0031】
入口17は、装置10の管状本体14の内部に配設された細長い分離チャンバ18に開口している。分離チャンバ18は、開口20を有する管状側壁19を備える。螺旋ガイドベーン21は、細長い軸支持シャフト22の周囲でチャンバ18の長手方向に延在する。分離チャンバ18の管状側壁19の近位端は、シャフト22の近位端と整列した出口23を備える。
【0032】
排水ダクト24は、頭部11から、分離チャンバ18の管状側壁19と本体14の外側壁15との間に配設された水収集チャンバ25の中へ延在している。出口23は、出口23よりも大きい断面積を有する上部出口チャンバ26に開口している。出口チャンバ26の底壁27は、水収集チャンバ25に開口している開口28を備える。フランジ付き頭部11上の出口ポート29は、出口チャンバ26の中へ延在している。出口ポート29は、内燃エンジンまたは他の装置(図示せず)に接続され、装置10を介してタンク11から燃料を取り出す。
【0033】
タンクから装置10の中へ取り込まれた燃料は、入口17を通って進入し、その後、燃料が出口ダクト29に向かって流れると、螺旋ガイドベーン21が、分離チャンバ18の内部に燃料の螺旋流を生じさせる。チャンバ18の管状側壁19は、燃料の螺旋流を拘束し、螺旋流中の任意の(より重い)水が半径方向外向きに移動し、チャンバ18の管状側壁19の開口20を通って収集チャンバ25の中へ入る。螺旋流中の(より軽い)燃料は、開口付き出口ダクト22の中へ、そして、出口23の上へ半径方向内向きに取り出される。
【0034】
出口23から流出する燃料は、より幅の広い出口チャンバ26の中へ流れると運動量を失い、よって、流れの中に残っている任意の水が、重力の影響下で、出口チャンバ26の底壁27の開口28を通って、水収集チャンバ25の中へ落下する。収集チャンバ25内に収集された水Wは、排水ダクト24を介して装置から排出することができる。
【0035】
図面の
図2を参照すると、燃料タンク113の上部側壁に形成された円形孔112の縁部にその外周の周囲に固定されたフランジ付き頭部111を有する、燃料回収装置110の代替の実施形態が示されている。装置110は、その底部に向かって開口112を通ってタンク113の中へ延在する細長い管状本体114を備える。本体114は、装置110を通ってタンクを出る燃料から任意の水を分離するための分離器を画定する。
【0036】
装置110の管状本体114は、底端壁116によってその遠位端で閉じられている、外側管状側壁115を備える。管状本体114は、底端壁116の外へ延在し、かつ燃料が装置110の中へ取り込まれる入口117’を画定する遠位端を有する、内側管状側壁117を備える。装置110の管状本体114の長さは、燃料入口117’がタンク113の底壁に隣接して位置決めされるように選択される。代替の実施形態では、GB2350337またはGB2446011に開示されている種類のフロート装置は、入口117’の下側に位置決めされ得る。
【0037】
内側管状側壁117は、細長い分離チャンバ118を画定する。螺旋ガイドベーン121は、チャンバ118の長手方向に延在している。螺旋ガイドベーン121の隣接するターン間の軸方向距離は、入口117’から離れるに従い減少し、それにより、螺旋燃料流の回転速度は、出口ダクト123に向かって増加する。出口ダクト123は、その近位端から管状側壁117の内側へ軸方向に延在しており、内側壁117の近位端は、開口している。水収集チャンバ125は、内側壁117と外側壁115との間に配設されている。出口ダクト123は、フランジ付き頭部111の出口ポート129に接続される。出口ポート129は、内燃エンジンまたは他の装置(図示せず)に接続され、装置110を介してタンク111から燃料を取り出す。
【0038】
タンク111から装置110の中へ取り込まれた燃料は、入口117’を通って進入し、その後、燃料が出口ダクト123に向かって流れると、螺旋ガイドベーン121が、分離チャンバ118の内部に燃料の螺旋流を生じさせる。チャンバ118の管状内側壁117は、燃料の螺旋流を拘束し、螺旋流中の任意の(より重い)水が内側壁117に対して半径方向外向きに移動し、層流で上方へ搬送され、その後、半径方向外向きに、および下方へ、内側壁117の開口近位端を通って収集チャンバ125の中へ流れる。出口ダクト123は、螺旋流の半径方向最内部から水を含まない燃料が取り出されるように、螺旋流の回転軸を中心にチャンバ118の中央に位置決めされる。
【0039】
図面の
図3を参照すると、燃料タンク(図示せず)の上部側壁に形成された円形孔の縁部にその外周の周囲に固定されたフランジ付き頭部211を有する、燃料回収装置210の代替の実施形態が示されている。装置210は、その底部に向かって開口を通ってタンクの中へ延在する細長い管状本体214を備える。本体214は、装置210を通ってタンクを出る燃料から任意の水を分離するための分離器を画定する。
【0040】
装置110の管状本体214は、直径が段状である外側管状側壁を備え、また、下部分217よりも大きい直径である上部分216を備える。下部分217の遠位端は、燃料が装置210の中へ取り込まれる入口217’を画定する。装置210の管状本体214の長さは、燃料入口217’がタンクの底壁に隣接して位置決めされるように選択される。代替の実施形態では、GB2350337またはGB2446011に開示されている種類のフロート装置は、入口217’の下側に位置決めされ得る。
【0041】
装置210の管状側壁は、細長い分離チャンバ218を画定する。螺旋ガイドベーン221は、チャンバ218の長手方向に延在している。螺旋ガイドベーン221のターンの直径は、出口ダクト223に向かって入口217’から離れるに従い増大する。出口ダクト223は、内燃エンジンまたは他の装置(図示せず)に接続され、装置210を介してタンクから燃料を取り出す、フランジ付き頭部211に出口ポートを形成する。
【0042】
タンクから装置210の中へ取り込まれた燃料は、入口217’を通って進入し、その後、燃料が出口ダクト223に向かって流れると、螺旋ガイドベーン221が、分離チャンバ218の内部に燃料の螺旋流を生じさせる。装置の管状側壁の下部分217は、燃料の螺旋流を拘束し、螺旋流中の任意の(より重い)水が内側壁に対して半径方向外向きに移動し、上部分216に向かって層流で上方へ搬送され、その後、半径方向外向きに半径方向領域225の中へ流れ、そこで、収集され、排出され得る。出口ダクト223は、螺旋流の半径方向最内部から水を含まない燃料が取り出されるように、螺旋流の回転軸を中心にチャンバ218の中央に位置決めされる。
【0043】
したがって、本発明は、単純かつ構築が安価であり、しかも、水または他の汚染物質のリスクを伴うことなく燃料タンクから燃料を容易に取り出すことを可能にする、燃料回収装置10を提供する。
【国際調査報告】