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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】アイソレータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 55/36 20060101AFI20220304BHJP
   F16D 41/02 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
F16H55/36 H
F16D41/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539988
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 US2020012782
(87)【国際公開番号】W WO2020146528
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】16/243,704
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ワード,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ トーレ,パトリシオ
【テーマコード(参考)】
3J031
【Fターム(参考)】
3J031AA03
3J031AC10
3J031BA08
3J031BC10
3J031CA04
(57)【要約】
シャフトと、シャフトに軸支されるプーリと、シャフトとプーリの間に係合される第1トーションスプリングと、シャフトとプーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、第1トーションスプリングは、プーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合され、第1トルクを伝達する間、第2トーションスプリングはプーリと受動的に係合し、第2トーションスプリングは、シャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合するアイソレータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトに軸支されるプーリと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第1トーションスプリングと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、
前記第1トーションスプリングは、前記プーリから前記シャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合され、前記第1トルクを伝達する間、前記第2トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合し、
前記第2トーションスプリングは、前記シャフトから前記プーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、前記第2トルクを伝達する間、前記第1トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合する
ことを特徴とするアイソレータ。
【請求項2】
前記シャフトが、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングとを係合する放射状のフランジを備えることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項3】
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングが、前記放射状のフランジから反対方向に軸方向に延出することを特徴とする請求項2に記載のアイソレータ。
【請求項4】
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングが、前記放射状のフランジから同じ方向に軸方向に延出することを特徴とする請求項2に記載のアイソレータ。
【請求項5】
前記第1トルクを伝達する際、前記第1トーションスプリングには巻き戻し方向に負荷が掛ることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項6】
前記第2トルクを伝達する際、前記第2トーションスプリングには巻き戻し方向に負荷が掛かることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項7】
前記第1トーションスプリングの受動的な係合は、滑り係合であることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項8】
前記第2トーションスプリングの受動的な係合は、滑り係合であることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項9】
シャフトと、
前記シャフトに軸支されるプーリと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第1トーションスプリングと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、
前記シャフトは前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングとを係合する放射状のフランジを備え、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、前記放射状のフランジから軸方向に延出し、
前記第1トーションスプリングは前記プーリから前記シャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合し、前記第1トルクを伝達する間、前記第2トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合し、
前記第2トーションスプリングは、前記シャフトから前記プーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、前記第2トルクを伝達する間、前記第1トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合する
ことを特徴とするアイソレータは、
【請求項10】
シャフトと、
前記シャフトに軸支されるプーリと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第1トーションスプリングと、
前記シャフトと前記プーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、
前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、
前記シャフトは前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングとを係合する放射状のフランジを備え、前記第1トーションスプリングと前記第2トーションスプリングは、前記放射状のフランジから軸方向に延出し、
前記第1トーションスプリングは前記プーリから前記シャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合し、前記第1トルクを伝達する間、前記第2トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合し、前記第1トルクを伝達するとき前記第1トーションスプリングには巻き戻し方向に負荷が掛けられ、
前記第2トーションスプリングは前記シャフトから前記プーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、前記第2トルクを伝達する間、前記第1トーションスプリングは前記プーリと受動的に係合し、前記第2トルクを伝達するとき、前記第2トーションスプリングには前記巻き戻し方向に負荷が掛かる
ことを特徴とするアイソレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイソレータに関し、特にプーリからシャフトに向けて第1方向に第1トルクを伝達するために係合された第1トーションスプリングと、第1トルクの伝達においてプーリと受動的に係合する第2トーションスプリングとを備え、第2トーションスプリングは、シャフトからプーリに向けて第2方向に第2トルクを伝達するために係合され、第1トーションスプリングは第2トルクの伝達においてプーリと受動的に係合するアイソレータに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンのクランクシャフトとモータージェネレーターなどのベルト駆動アクセサリとの間に弾性要素を備えた装置を用いることにより、ベルトへの負荷を低減することが知られている。この装置は、点火エンジンによって引き起こされるねじり振動による速度変動を吸収できる。負荷を減らすことによる利点には、ピーク動的張力の低減、取り付け張力の低減、スパン振動の低減、ベルトスリップの低減が含まれる。前述の全ての利点は、燃料消費量と排出量を低減する寄生電力損失の低減という別の利点にも貢献する。
【0003】
当技術分野の代表は、米国特許公開番号20180087599号明細書であり、無端伝動部材を介してエンジンによって駆動される装置を隔離するためのアイソレータを開示する。アイソレータは、装置のシャフトに接続可能であるシャフトアダプタを備え、シャフトアダプタは、アイソレータ軸と、無端伝動部材と係合可能な回転駆動部材と、第1トーションスプリングを含み、シャフトアダプタと中間駆動部材との間でトルクを伝達するように配置された第1絶縁スプリングアレンジメントと、中間部材と回転駆動部材との間でトルクを伝達するように配置された第2絶縁スプリングアレンジメントとを規定する。
【0004】
必要とされているのは、プーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合された第1トーションスプリングと、第1トルクを伝達する間、プーリと受動的に係合する第2トーションスプリングとを備え、第2トーションスプリングはシャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合するアイソレータである。本発明はこの要求を満足する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様は、プーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合された第1トーションスプリングと、第1トルクを伝達する間、プーリと受動的に係合する第2トーションスプリングとを備え、第2トーションスプリングはシャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合するアイソレータである。
【0006】
本発明の他の態様は、本発明の以下の説明および添付の図面によって指摘または明らかにされる。
【0007】
本発明は、シャフトと、シャフトに軸支されるプーリと、シャフトとプーリの間に係合される第1トーションスプリングと、シャフトとプーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、第1トーションスプリングは、プーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合され、第1トルクを伝達する間、第2トーションスプリングはプーリと受動的に係合し、第2トーションスプリングは、シャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合するアイソレータを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を例示し、詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
図1】断面図である。
図2】分解図である。
図3】シャフトの詳細斜視図である。
図4】シャフトの詳細斜視図である。
図5】カバーの詳細斜視図である。
図6】別の実施形態の断面図である。
図7】別の実施形態の分解図である。
図8】別の実施形態のスプロケットの斜視図である。
図9】別の実施形態のシャフトの斜視図である。
図10】別の実施形態の部分切取斜視図である。
図11】別の実施形態の部分切取斜視図である。
図12】装置の特性を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は断面図である。本実施形態は、マルチリブベルトとの利用を前提に構成される。マルチリブベルトは特定のハイブリットの構成で一般的である。図6は、歯付きベルトまたは同期ベルトを使用した別のハイブリッドの構成の代替的な配置を示す。本発明の装置は、ハイブリッドシステムの動作条件に応じて、原動または従動コンポーネントの何れとしても使用できる。
【0010】
本発明の装置は、シャフト15を備える。シャフト15は、半径方向に延出するフランジ155を備える。フランジ155は、ポケット153およびポケット154を備える。カバー17は、プーリ13の端部に圧入される。カバー17は、ブッシング12a上のシャフト15に軸支される。プーリ13の他端は、ブッシング12上においてシャフト15に軸支される。ブッシング12およびブッシング12aは、プーリ13とシャフト15との間の相対回転運動を可能にする。ロードスプレッダ11およびワッシャ18は、プーリ13を軸方向に適正位置に保持するためにシャフト15のそれぞれの端部に圧入される。 プーリ13は、表面132でマルチリブベルト(M)と係合する。
【0011】
トーションスプリング14は、プーリ13とフランジ155との間に配置される。トーションスプリング16は、フランジ155とカバー17との間に配置される。スプリング14の端部141は、プーリ13の内側面131と摩擦接触している。端部142は、フランジ155のポケット153に係合するとともに押し当てられ、シャフト15を駆動する。スプリング16の端部161は、フランジ155のポケット154に係合し、押し当てられる。スプリング16の端部162は、カバー17の表面171と摺接する。トーションスプリング14とトーションスプリング16は、それぞれ反対方向に巻かれている。トーションスプリング14、16は、フランジ155から反対方向に軸A-Aに沿って軸方向に延在する。
【0012】
図1は、従動および原動状態における動力の流れを示す。
【0013】
従動状態。
【0014】
ベルトがプーリ13を駆動する従動状態では、スプリング14はベルト駆動速度の変動を吸収することによって振動の減衰をもたらす。これらの変動は、内燃機関(ICエンジン)の点火インパルスによって引き起こされ得る。
【0015】
ベルトによりプーリ13に加えられたトルク(矢印A)は、スプリング14を巻き戻し、プーリ13とスプリング14との間にトルク伝達カップリング(矢印B)を生成する。その後、トルクはフランジ155とシャフト15に伝達される(矢印C)。トルクはシャフト15から、モータジェネレータユニット(MGU)(不図示)などのシャフト15に取り付けられた従動デバイスに伝達される(矢印D)。MGUはハイブリッド車の技術分野において周知である。
【0016】
端部141と端部142の間で、スプリング14は巻かれ回転変位し、プーリ13がシャフト15よりも駆動方向に幾分前進すること可能となる。スプリングの特性は、スプリング14がベルトによって引き起こされる速度変動を吸収することを可能にする。プーリ13の内側面133は、スプリング14が過度に巻き戻されるのを防ぐため、スプリング14が過度な応力に曝されるのを防ぐためのストッパとして機能する。スプリング14の巻き戻しにより、コイルが半径方向に拡張し、それによって表面133と係合する。
【0017】
この従動状態では、スプリング16はオーバーラン状態にあり、端部162はカバー17の表面171上で滑る。事実上、スプリング16は受動的となり、動力伝達に関与しない。スプリング16は、スプリング16がシャフト15と共に回転するように、表面152に巻き付けられる。
【0018】
原動状態。
【0019】
原動状態では、スプリング16は、ベルトの駆動速度の変動を吸収することによって振動を減衰させる。原動状態では、シャフト15はMGUに取り付けられ、MGUによって駆動される。フランジ155のポケット154は、スプリング16の端部161に係合して駆動する。端部161と端部162との間で、スプリング16のアクティブなコイルは、シャフト15をプーリ13よりも前進して回転可能にする。端部162は、カバー17の表面171と摩擦接触している。スプリング16が巻き戻され、表面171に押し付けられると、それはカバー17を駆動する。カバー17は、タブ172、173、174を介してプーリ13に機械的に結合されるか、圧入される。タブ172、173、174は、カバー17の外周から半径方向に延出する。プーリ13の内側面134は、表面134がスプリング16の巻き戻しを防止するためスプリング16が過負荷となることを防止するストッパとして機能する。スプリング16の巻き戻しは、コイルを半径方向に拡張させ、それによって表面134と係合させる。
【0020】
この原動状態では、スプリング14はオーバーランしている。端部141はプーリ13の表面131の上で滑り、事実上スプリング14は受動的となる。端部142は表面151の上に巻き付き、それにより表面151を把持し、スプリング14はシャフト15とともに回転する。
【0021】
シャフト15に掛かるトルク(矢印1)は、シャフト15とカバー17との間にトルク伝達カップリングを生成するようにスプリング16を巻き上げる(矢印2と矢印3)。トルクはその後、カバー17への接続を通してプーリ13へと伝達される(矢印4)。トルクはベルト(不図示)を介してプーリ13から従動デバイス、例えば、ICエンジン(不図示)に設けられた補機駆動システムへと伝達される(矢印5)。
【0022】
図3は、シャフトの詳細な斜視図である。フランジ155は、シャフト15から径方向に延出する。ポケット153はフランジ155の側面に配置される。
【0023】
図4は、シャフトの詳細な斜視図である。ポケット154は、ポケット153とは反対側に配置される。
【0024】
図5は、カバーの詳細な斜視図である。タブ172、173、174は、プーリ13に係合しカバー17の外周から径方向に延出する。内側面171は、スプリング端部162に係合する。
【0025】
図6は、別の実施形態の断面図である。この別の実施形態は、歯付きベルトを用いたシステムで用いられる。
【0026】
スプロケット20は、ブッシング24を介してシャフト21に軸支される。リテーナ25は、シャフト21上の所定位置にブッシング24を保持する。スプロケット20の他端は、ブッシング23によりシャフトフランジ22に軸支される。歯付きベルトは表面203に係合する。
【0027】
トーションスプリング26は、フランジ22とスプロケット20の間に係合される。トーションスプリング27は、スプロケット20とフランジ22の間に係合される。スプリング26の端部261は、内側面222に係合する。スプリング26の端部262は、ポケット202に係合する。スプリング27の端部271は、ポケット221に係合する。スプリング27の端部272は、スプロケット20の内側面201に係合する。トーションスプリング26とトーションスプリング27は、逆向きに巻かれている。この実施形態では、トーションスプリング26とトーションスプリング27は、フランジ22からA-A軸に沿って同じ向きに延出する。
【0028】
別の実施形態における従動状態。
【0029】
従動状態では、歯付きベルトがスプロケット20を駆動する。スプリング26は、ベルト駆動速度変動を吸収することにより振動を減衰する。スプリング27の端部272は、スプロケット20の内側面201に摺接する。スプロケット20に掛かるトルクは、スプリング27を巻き戻し、それによりトルクをスプロケット20とスプリング27の間で伝達する。スプリング27は、巻き戻されるにしたがって径方向に拡径し、これにより表面201に摩擦係合する。
【0030】
端部271は、フランジ22のポケット221に押し当てられシャフト21を駆動する。端部272と端部271の間のスプリングコイルは回転変位して、ベルト速度変動を吸収するためスプロケット20がシャフト21を超えて前進回転することを可能にする。スプロケット20の内側面204は、スプリング24が半径方向に拡張し過ぎることによって過度に応力がかかるのを防止するためのストッパとして機能する。従動状態にある間、スプリング26はオーバーラン状態にあり、端部261はフランジ22の内側面222上を滑って、事実上、スプリング26は受動的になる。スプリング26が表面202上に巻かれているので、スプリング26はスプロケット20と共に回転する。円筒部分225は、フランジ22から軸方向に延出する。
【0031】
従動状態では、トルクは、歯付きベルトからスプロケット20(矢印A)、スプリング27を通して(矢印B)、フランジ22(矢印C)へと伝達される。その後、トルクはシャフト21、更に、MGU(不図示)などの従動コンポーネントへと伝達される(矢印D)。
【0032】
別の実施形態における原動状態。
【0033】
装置が歯付きベルトの駆動装置である場合、スプリング26は、ベルト駆動速度の変動を吸収することによって振動を減衰する。シャフト21はMGUによって駆動される。スプリング26の端部261は、フランジ22の内側面222と摺接する。スプリング26は、スプロケット20を駆動しながら巻き戻し方向に駆動される。端部262は、ポケット202に係合する。円筒部分225の内側面226は、スプリング26の半径方向変位を制限し、制御されていない半径方向の拡張によってスプリング26が過度な応力を受けるのを防止する。端部261と端部262との間において、スプリング26のアクティブなコイルは、シャフト21がスプロケット20を超えて前進回転することを可能にする。
【0034】
この原動状態では、スプリング27はオーバーランしている。端部272は、スプロケット20の内側面201上を滑り、事実上、スプリング27は受動的になる。端部271は内側面224の上に巻かれているので、スプリング27はシャフト21と共に回転する。
【0035】
原動状態では、トルクはシャフト21(矢印1)からフランジ22(矢印2)、スプリング26を介して(矢印3)、スプロケット20(矢印4)に伝達される。次に、トルクはスプロケット20から歯付きベルト(矢印5)に伝達される。
【0036】
図7は、別の実施形態の分解図である。スプリング26は、半径方向にスプリング27内に配置されている。歯付きベルトBは、歯付き面203と係合する。
【0037】
図8は、スプロケットの斜視図である。スプロケット20のポケット202は、スプリング26の端部262に係合する。表面201は、スプリング27の端部272に係合する。
【0038】
図9は、シャフトの斜視図である。ポケット221は、スプリング27の端部271に係合する。円筒部225の内側面222は、スプリング26の端部261に係合する。
【0039】
図10は、別の実施形態の部分切取斜視図である。矢印A、B、Cは、従動状態におけるトルクの流れを示す。
【0040】
図11は、この別の実施形態の部分切取斜視図である。スプリング26とスプリング27は、各々スプロケット20の軸方向長さ内に収まり、これにより装置にとって最小の長さとなり、結果的に、エンジンサイズのエンベロープが減少する。スプロケット20は、歯付きベルトとほぼ同じ幅であり、例えば、約25mmから30mmである。
【0041】
図12は、装置の特性を示すチャートである。図12は、ジェネレータ機能およびモータ機能におけるMGUによる装置の使用状態を示す。直線AとBは、MGUがジェネレータとして使用されているときの負荷状態と無負荷状態を示す。直線CとDは、MGUがモータとして使用されているときの負荷状態と無負荷状態を示す。トルクの関数である角変位は、何れのモードでも装置の線形で再現性のある動作を示す。
【0042】
アイソレータは、シャフトと、シャフトに軸支されるプーリと、シャフトとプーリの間に係合される第1トーションスプリングと、シャフトとプーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、第1トーションスプリングは、プーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合され、第1トルクを伝達する間、第2トーションスプリングはプーリと受動的に係合し、第2トーションスプリングは、シャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合する。
【0043】
アイソレータは、シャフトと、シャフトに軸支されるプーリと、シャフトとプーリの間に係合される第1トーションスプリングと、シャフトとプーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、シャフトは第1トーションスプリングと第2トーションスプリングとを係合する放射状のフランジを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、放射状のフランジから軸方向に延出し、前記第1トーションスプリングはプーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合し、第1トルクの伝達において第2トーションスプリングはプーリと受動的に係合し、第2トーションスプリングは、シャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクの伝達において第1トーションスプリングはプーリと受動的に係合する。
【0044】
アイソレータは、シャフトと、シャフトに軸支されるプーリと、シャフトとプーリの間に係合される第1トーションスプリングと、シャフトとプーリの間に係合される第2トーションスプリングとを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、逆向きに巻かれており、シャフトは第1トーションスプリングと第2トーションスプリングとを係合する放射状のフランジを備え、第1トーションスプリングと第2トーションスプリングは、放射状のフランジから軸方向に延出し、前記第1トーションスプリングはプーリからシャフトへと第1方向に第1トルクを伝達するように係合し、第1トルクを伝達する間、第2トーションスプリングはプーリと受動的に係合し、第1トルクを伝達するとき第1トーションスプリングには巻き戻し方向に負荷が掛けられ、第2トーションスプリングはシャフトからプーリへと第2方向に第2トルクを伝達するように係合され、第2トルクを伝達する間、第1トーションスプリングはプーリと受動的な係合し、第2トルクを伝達するとき、第2トーションスプリングには巻き戻し方向に負荷が掛かる。
【0045】
本明細書では、本発明の複数の形態について説明されたが、当業者であれば、ここで説明された発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、その構成、パーツ間の関係に様々な変更ができることは明らかである。特に明記されていない限り、図面に示されている構成部は一定の縮尺で描かれていない。更に、「手段」または「ステップ」という言葉が特定のクレームで明示的に使用されていない限り、添付されたクレームまたはクレーム要素の何れかが35U.S.C.112(f)条の適用を意図するものではない。本開示は、図面に示され、本明細書に記載される例示的な実施形態または数値上の寸法に限定されるものではない。
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【国際調査報告】