(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】ショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システム
(51)【国際特許分類】
B60M 1/30 20060101AFI20220304BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B60M1/30
B60M7/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540006
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2019093246
(87)【国際公開番号】W WO2020143190
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】201910019230.5
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516379320
【氏名又は名称】西南交通大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 群湛
(72)【発明者】
【氏名】解 ▲紹▼▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】李 子▲ハン▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲書▼▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 波
(57)【要約】
ショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムに関し、このシステムにおいて、第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)及び第3の導電レール(1c)は三相交流給電回路を構成し、第3の導電レール(1c)が接地し、第3の導電レール(1c)と第4の導電レール(1d)は直流給電回路を構成し、磁気浮上線路の両側に沿って敷設され、AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)は三相交流給電回路と車載集電装置(2)を介して磁気浮上列車の三相駆動巻線(6)に給電し、直流給電回路は地面での整流装置(4)により給電され、車載集電装置(2)を介して列車補助電気設備(7)にさらに給電する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)、整流装置(4)、導電レール(1)、車載集電装置(2)、磁気浮上列車の三相駆動巻線(6)、及び列車補助電気設備(7)を含むショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムであって、
前記導電レール(1)は第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)、第3の導電レール(1c)、第4の導電レール(1d)に分けられ、前記第1の導電レール(1a)、前記第2の導電レール(1b)は前記第3の導電レール(1c)と三相交流給電回路を構成し、地面でのAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)によって給電され、
前記三相交流給電回路において前記第3の導電レール(1c)が接地し、
前記第4の導電レール(1d)は前記三相交流給電回路において接地している第3の導電レール(1c)と直流給電回路を構成し、地面での整流装置(4)によって給電され、
前記車載集電装置(2)は、第1の集電装置(2a)、第2の集電装置(2b)、第3の集電装置(2c)、及び第4の集電装置(2d)を含み、
前記第1の集電装置(2a)、前記第2の集電装置(2b)、及び前記第3の集電装置(2c)の末端は、それぞれケーブルを介して前記磁気浮上列車の三相駆動巻線(6)の三相端子に接続され、前記第1の集電装置(2a)、前記第2の集電装置(2b)、及び前記第3の集電装置(2c)の先端は、それぞれ前記第1の導電レール(1a)、前記第2の導電レール(1b)及び前記第3の導電レール(1c)と接触して受電し、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)は、前記第1の導電レール(1a)と前記第1の集電装置(2a)、前記第2の導電レール(1b)と前記第2の集電装置(2b)、前記第3の導電レール(1c)と前記第3の集電装置(2c)によって前記磁気浮上列車の三相駆動巻線(6)に給電し、磁気浮上列車(5)の起動停止及び運行が、前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)の周波数、電圧を調整することにより制御され、
前記第3の集電装置(2c)の末端はケーブルを介して前記列車補助電気設備(7)の負極に接続され、前記第4の集電装置(2d)の末端はケーブルを介して列車補助電気設備(7)の正極に接続され、前記第4の集電装置(2d)の先端は前記第4の導電レール(1d)と接触して受電し、
前記整流装置(4)は前記第3の導電レール(1c)と前記第3の集電装置(2c)、前記第4の導電レール(1d)と前記第4の集電装置(2d)によって前記列車補助電気設備(7)に給電する、
ことを特徴とするショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システム。
【請求項2】
前記第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)、第3の導電レール(1c)、第4の導電レール(1d)は磁気浮上線路に沿って敷設され、前記第1の導電レール(1a)、第2の導電レール(1b)は若干のセクションに分割され、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置(3)によって給電される、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システム。
【請求項3】
前記磁気浮上列車(5)の補助電気設備(7)は、浮上コントローラ、空調設備、照明設備を含み、前記補助電気設備(7)は整流装置(4)と同じ電圧レベルを用いる、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システム。
【請求項4】
前記車載集電装置(2)は、すべて列車のボギーの端部又はボギーの両側に設けられ、それぞれ磁気浮上列車のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置(2)の第1の集電装置(2a)、第2の集電装置(2b)、第3の集電装置(2c)及び第4の集電装置(2d)は互いに絶縁している、ことを特徴とする請求項1に記載のショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気浮上列車の給電及び運行制御の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気浮上列車は、電磁気力を利用して列車の自重を相殺することにより浮上する軌道交通ツールであり、登坂能力が強く、旋回半径が小さいなどの利点を有し、都市や都市間の軌道交通輸送システムにおいて将来性が期待できる。
【0003】
磁気浮上列車の駆動にはロングステータとショートステータの2つの形態がある。ロングステータ形態の磁気浮上列車は、ロングステータリニア同期モータで駆動され、即ち、モータステータの三相交流巻線が地面の線路の両側に敷設され、地面の変電所に設けられたコンバータ(周波数変化・電圧変化)で動力を供給され、地面運行センタが同期モータによる同期制御を通じて列車の運行を操縦する。その利点として、地面の同期モータのパワーが大きく、磁気浮上列車とロングステータ線路とには機械的接触がなく、高速の運行に適しており、一方、その欠点として、線路にモータステータ(ロングステータ)巻線が敷設されていることから、コストが高まる。ショートステータ形態の磁気浮上列車は、リニア非同期モータステータの三相巻線を車両(両側)に配置するものであり、モータステータの三相巻線が地面の線路の両側に敷設されるロングステータ形態に比べて、車両のステータの三相巻線が遥かに短くなり、これによりショートステータ形態と命名されている。ショートステータ形態では、非同期モータのロータリーは極めて薄くて線路(車両のステータの位置に対応する)に敷設されたアルミ板から構成され、構造が非常に簡単であり、したがって、ショートステータ磁気浮上線路のコストがロングステータ磁気浮上線路よりもはるかに低い。これも、ショートステータタイプ磁気浮上列車の突出した利点、人気がある主な原因である。しかし、ショートステータタイプ磁気浮上列車では、明らかな欠点があり、まず、給電と受電の問題であり、ショートステータタイプ磁気浮上列車のモータの巻線が車両に配置されているので、動力電源を供給するコンバータ(周波数変化・電圧変化)も車両内に装着されて、地面から給電されなければならず、一方、従来の形態では、地面の導電レールと車両における集電靴が接触することにより車両のコンバータへの給電と受電が行われ、このため、列車の波動や振動が接触性能に深刻な影響を与え、さらに受電性能に影響し、しかも、列車の速度が高いほど、影響が大きく、よって、ショートステータ形態は低価であるものの、高速の場合に向いていない。この技術的問題を解決するために、出願者は出願番号201810660427.2の「磁気浮上列車の三相給電集電装置」を出願し、列車の波動や振動による受電性能への悪影響を解消し、長短を補い合い、それにより、低価なショートステータ駆動磁気浮上列車は高速線路に適するようになり、より高いコストパフォーマンスを実現する。次に、列車自重と負荷効率の問題である。浮上レールの断面形状が決定されると、単位長さの車載浮上磁石の浮上能力により磁気浮上列車の総負荷能力が決定され、明らかなように、総負荷能力が一定である場合、磁気浮上列車の自重が小さいほど、乗降人員が多くなり、磁気浮上列車の負荷効率が高い。したがって、負荷効率を高めるには磁気浮上列車の自重を減らす必要がある。ここで、車載設備の構造を最適化させ、車載設備の重量を減らすことは、磁気浮上列車の自重を減らし、負荷効率を高めるのに有効な方法の1つである。車載設備の重点は主にトラクションインバータ及び補助電気設備を含む車載電気設備であり、このような設備は、重量が車載電気設備の重量のほとんどである一方、これらの放熱ファンの騒音も車載設備の主な騒音である。
【0004】
現在解決すべき技術的課題は、システムの給電方式を変え、システムの構造を最適化させることによって、車載設備の重量を減らし、負荷効率を高める一方、磁気浮上列車の運行に対する地面制御及び自律運転を可能とすることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、システムの給電方式を変え、システムの構造を最適化させることによって、車載設備の重量を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、負荷効率を高め、ショートステータタイプ磁気浮上列車の優位性をより効果的に発揮させ、また、地面での給電を通じて磁気浮上列車運行に対する自動制御及び自律運転を直接行い、そして、高低速の運行に適するようにするショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は以下の技術案により実現される。AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置、整流装置、導電レール、車載集電装置、磁気浮上列車の三相駆動巻線、及び列車補助電気設備を含むショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムであって、
前記導電レールは、第1の導電レール、第2の導電レール、第3の導電レール、第4の導電レールに分けられ、前記第1の導電レール、前記第2の導電レールは前記第3の導電レールと三相交流給電回路を構成し、地面でのAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置によって給電され、
前記三相交流給電回路において前記第3の導電レールが接地し、
前記第4の導電レールは前記三相交流給電回路において接地している第3の導電レールと直流給電回路を構成し、地面での整流装置によって給電され、
前記車載集電装置は、第1の集電装置、第2の集電装置、第3の集電装置、及び第4の集電装置を含み、
前記第1の集電装置、前記第2の集電装置、及び前記第3の集電装置の末端は、それぞれケーブルを介して前記磁気浮上列車の三相駆動巻線の三相端子に接続され、前記第1の集電装置、前記第2の集電装置、及び前記第3の集電装置の先端は、それぞれ前記第1の導電レール、前記第2の導電レール及び前記第3の導電レールと接触して受電し、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置は、前記第1の導電レールと前記第1の集電装置、前記第2の導電レールと前記第2の集電装置、前記第3の導電レールと前記第3の集電装置によって前記磁気浮上列車の三相駆動巻線に給電し、磁気浮上列車の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置の周波数、電圧を調整することにより制御され、
前記第3の集電装置の末端はケーブルを介して前記列車補助電気設備の負極に接続され、前記第4の集電装置の末端はケーブルを介して列車補助電気設備の正極に接続され、前記第4の集電装置の先端は前記第4の導電レールと接触して受電し、
前記整流装置は前記第3の導電レールと前記第3の集電装置、前記第4の導電レールと前記第4の集電装置によって前記列車補助電気設備に給電する。
【0007】
好ましくは、前記第1の導電レール、第2の導電レール、第3の導電レール、第4の導電レールは磁気浮上線路に沿って敷設され、前記第1の導電レール、及び第2の導電レールは若干のセクションに分割され、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置によって給電され、それにより、磁気浮上列車の運行をセクションごとに制御することを可能とする。
好ましくは、前記磁気浮上列車の補助電気設備は主に、浮上コントローラ、空調設備、照明設備などを含み、前記補助電気設備は整流装置と同じ電圧レベルを用いる。
【0008】
さらに好ましくは、前記車載集電装置は、すべて列車のボギーの端部又はボギーの両側に設けられ、それぞれ磁気浮上列車のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置の第1の集電装置、第2の集電装置、第3の集電装置及び第4の集電装置は互いに絶縁している。
【発明の効果】
【0009】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
一、磁気浮上線路に沿って4本の導電レールが敷設されており、これらのうち、2本の導電レールは接地している共用導電レールと三相交流給電回路を構成し、残りの導電レールは接地している共用導電レールと直流導電レールを構成し、それにより、システム給電構造及び給電方式を最適化させ、地面のAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置は三相交流給電回路を介して磁気浮上列車の三相駆動巻線に給電し、地面の整流装置は導電レールを介して磁気浮上列車の補助的な電力を供給し、それにより、車載インバータ及び補助電源を省略し、磁気浮上列車の自重を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、負荷効率を高め、そして、磁気浮上列車の速度向上に有利であり、ショートステータタイプ磁気浮上列車の優位性をより効果的に発揮させる。
二、地面AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置が三相交流給電回路を介して磁気浮上列車の三相駆動巻線に給電することにより、磁気浮上列車の駆動及び運行に対する自動制御及び自律運転を直接行い、スマート制御や運行を可能とする。
三、本発明の導電レールは、コストがロングステータのコストよりもはるかに低く、経済性が良好である。
四、補助電気設備には同じ電圧レベルが使用されているので、車載設備を介して電圧変換をする必要がなくなり、簡便でシンプルである。
五、車載インバータ及び補助電源が省略されると、磁気浮上列車の放熱ファンの省略が可能になり、その結果、騒音も大幅に低減する。
六、AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置及び整流装置のいずれも送電網にて負シーケンス電流を発生させることはなく、このため、電力品質が確保される。
七、技術が先進的であり、性能に優れ、実施されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の構想をよりよく理解できるように、以下、本発明の作動原理を簡単に説明する。従来のショートステータタイプ磁気浮上列車に比べて、トラクションインバータや補助電源などの車載電気設備を省略し、列車の自重を効果的に減らし、負荷効率を高め、また、大容量の駆動(トラクション)用電力と小容量の補助用電力とを個別にし、それぞれ三相交流と直流により給電し、このように、長短を補い合い、調和的に給電し、システムの給電構造及び給電方式を最適化させ、三相交流給電回路によって周波数、電圧を調整しながら給電することにより磁気浮上列車の駆動及び運行制御を実現し、自律運転を実現し、ショートステータタイプ磁気浮上列車の優位性をより効果的に発揮させ、高低速の運行に適している。以下、図面及び特定実施形態にて本発明をさらに説明する。
【0012】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例はショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムを提供し、このシステムは、磁気浮上線路と並行して敷設された導電レール1と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4と、車載集電装置2、磁気浮上列車の三相駆動巻線6及び車載補助電気設備7とを含み、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4は、それぞれ導電レール1、車載集電装置2を介して磁気浮上列車の三相駆動巻線6及び車載補助電気設備7に給電し、
前記導電レール1は、第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、第3の導電レール1c、及び第4の導電レール1dを含み、
前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1bは前記第3の導電レール1cと三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、
前記三相交流給電回路においていずれか1つの導電レールが接地し、ここでは、前記第3の導電レール1cが接地し、
前記第4の導電レール1dは前記三相交流給電回路において接地している第3の導電レール1cと直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置4によって給電され、
前記車載集電装置2は、第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dを含み、
前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第3の集電装置2cの末端は、それぞれケーブルを介して前記磁気浮上列車の三相駆動巻線6の三相端子に接続され、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第3の集電装置2cの先端は、それぞれ前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記第3の導電レール1cと接触して受電し、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3は、前記第1の導電レール1aと前記第1の集電装置2a、前記第2の導電レール1bと前記第2の集電装置2b、前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2cによって、前記磁気浮上列車の三相駆動巻線6に給電し、磁気浮上列車5の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3の周波数、電圧を調整することにより制御され、
前記第3の集電装置2cの末端はケーブルを介して前記列車補助電気設備7の負極に接続され、前記第4の集電装置2dの末端はケーブルを介して列車補助電気設備7の正極に接続され、前記第4の集電装置2dの先端は前記第4の導電レール1dと接触して受電し、
前記整流装置4は前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2c、前記第4の導電レール1dと前記第4の集電装置2dによって、前記列車補助電気設備7に給電する。
【0013】
本発明の実施例において、前記車載集電装置2は、すべて列車のボギーの端部又はボギーの両側に設けられ、それぞれ磁気浮上列車のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置2の第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c及び第4の集電装置2dは互いに絶縁している。
【0014】
本発明の実施例において、前記磁気浮上列車5の補助電気設備7は、主に浮上コントローラ、空調設備、照明設備などを含み、前記補助電気設備7は整流装置4と同じ電圧レベルを用いる。前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び前記整流装置4は、すべて変電所の三相ケーブルを介して給電される。
【0015】
実施例2
図2に示すように、ショートステータタイプ磁気浮上列車の4本レール給電制御システムであって、このシステムは、磁気浮上線路と並行して敷設された導電レール1と、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4と、車載集電装置2、磁気浮上列車の三相駆動巻線6、及び車載補助電気設備7とを含み、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び整流装置4は、それぞれ導電レール1、車載集電装置2を介して、磁気浮上列車の三相駆動巻線6及び車載補助電気設備7に給電し、
前記導電レール1は、第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、第3の導電レール1c、及び第4の導電レール1dを含み、
前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1bは前記第3の導電レール1cと三相交流給電回路を構成し、地面に設けられたAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、
前記三相交流給電回路においていずれか1つの導電レールが接地し、ここで、前記第3の導電レール1cが接地し、
前記第4の導電レール1dは前記三相交流給電回路において接地している第3の導電レール1cと直流給電回路を構成し、地面に設けられた整流装置4によって給電され、
前記車載集電装置2は、第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dを含み、
前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第3の集電装置2cの末端は、それぞれケーブルを介して前記磁気浮上列車の三相駆動巻線6の三相端子に接続され、前記第1の集電装置2a、前記第2の集電装置2b、及び前記第3の集電装置2cの先端は、それぞれ前記第1の導電レール1a、前記第2の導電レール1b、及び前記第3の導電レール1cと接触して受電し、
前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3は、前記第1の導電レール1aと前記第1の集電装置2a、前記第2の導電レール1bと前記第2の集電装置2b、前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2cによって、前記磁気浮上列車の三相駆動巻線6に給電し、磁気浮上列車5の起動停止及び運行が前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3の周波数、電圧を調整することにより制御され、
前記第3の集電装置2cの末端はケーブルを介して前記列車補助電気設備7の負極に接続され、前記第4の集電装置2dの末端はケーブルを介して列車補助電気設備7の正極に接続され、前記第4の集電装置2dの先端は前記第4の導電レール1dと接触して受電し、
前記整流装置4は、前記第3の導電レール1cと前記第3の集電装置2c、前記第4の導電レール1dと前記第4の集電装置2dによって前記列車補助電気設備7に給電する。
【0016】
本発明の実施例において、前記車載集電装置2は磁気浮上列車のボギーと絶縁しており、前記車載集電装置2の第1の集電装置2a、第2の集電装置2b、第3の集電装置2c、及び第4の集電装置2dは互いに絶縁している。
【0017】
本発明の実施例において、前記磁気浮上列車5の補助電気設備7は、主に、浮上コントローラ、空調設備、照明設備などを含み、前記補助電気設備7は整流装置4と同じ電圧レベルを用いる。前記AC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3及び前記整流装置4は、すべて変電所の三相ケーブルを介して給電される。
【0018】
上記実施例1に比べて、本発明の実施例では、主に以下の点が異なる。前記第1の導電レール1a、第2の導電レール1b、第3の導電レール1c、第4の導電レール1dは磁気浮上線路に沿って敷設され、前記第1の導電レール1a、及び第2の導電レール1bは列車5の運行区間に応じてセクションを設定し、各セクションは独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電され、それにより、磁気浮上列車5の運行をセクションごとに制御する。本発明の特定実施例では、隣接する2つのセクションがセクションiとセクションi+1(iは1以上)であると想定し、セクションごとに、独立したAC-DC-AC可変電圧可変周波数制御装置3によって給電し、このように、磁気浮上列車5をセクションごとに制御することが容易になる。磁気浮上列車の安全性、制御性を確保するために、一般には、セクションごとに1台の磁気浮上列車が通行することに限定される。
【0019】
以上のように、本発明では、システムの給電方式を変え、システムの構造を最適化させることにより、車載設備の重量を効果的に減らし、列車の軽量化を実現し、負荷効率を高め、ショートステータタイプ磁気浮上列車の優位性をより効果的に発揮させ、地面給電を通じて磁気浮上列車の運行に対する自動制御及び自律運転を実現し、高低速の運行に適するようにする。
【国際調査報告】