(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系、二光三色光学系及びそのサイト
(51)【国際特許分類】
F41G 1/36 20060101AFI20220304BHJP
F21V 13/12 20060101ALI20220304BHJP
F21V 13/14 20060101ALI20220304BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20220304BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20220304BHJP
F21V 9/20 20180101ALI20220304BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20220304BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220304BHJP
F41G 1/30 20060101ALI20220304BHJP
F41G 1/14 20060101ALI20220304BHJP
F41G 11/00 20060101ALI20220304BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220304BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20220304BHJP
【FI】
F41G1/36
F21V13/12 300
F21V13/14
F21V9/08 400
F21V5/02
F21V9/20
F21V7/28 240
F21S2/00 600
F41G1/30
F41G1/14
F41G11/00
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540414
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2019130414
(87)【国際公開番号】W WO2020143504
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】201910028904.8
(32)【優先日】2019-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520421994
【氏名又は名称】西安華科光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUANIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】孫建華
(72)【発明者】
【氏名】楊英姿
(72)【発明者】
【氏名】汪東
(57)【要約】
単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系、二光三色光学系及びそのサイトを提供し、前記反射式インナーレッドドットサイト光学系は、LEDチップ(1)及びLEDチップ(1)の出射光を反射するためのレンズ(3)を含み、LEDチップ(1)の近傍には、LEDチップ(1)とレンズ(3)との間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムめっきのフィルターシート(2)が設けられる。このフィルターシート(2)は、前記レンズ(3)で人の目に反射する中心波長以外の広い波長帯域の光線をフィルタリングするためのものであり、人の眼に入る光線の単色性を向上させる。遠距離から接合レンズ方向に見ると、フィルターシートは、LEDチップ(1)が発する一部の光線のエネルギーをフィルタリングし、出射光線のエネルギーが強すぎて人に見つけられることを回避し、サイトの隠蔽性を向上させる。出射光が互いに垂直な赤及び緑の2つの光源を設置することにより、プリズム及び全反射膜又は透過膜によって、制御回路を介して緑光、赤光又は黄光などを発生させることを実現し、光源の数及びサイトの体積と重量を大幅に低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップ(1)及びLEDチップ(1)の出射光を反射するためのレンズ(3)を含む単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系であって、前記LEDチップ(1)の近傍には、前記LEDチップ(1)とレンズ(3)との間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムめっきのフィルターシート(2)が設けられ、このフィルターシート(2)は、前記LEDチップ(1)が発する中心波長以外の広い波長帯域の光線をフィルタリングして、人の眼に入る光の単色性を向上させ、フィルターシート(2)から出射される中心波長以外の光線の光エネルギーが減衰又はカットされ、フィルターシート(2)から出射される中心波長の光エネルギーがレンズ(3)の接合反射面に照射し、接合反射面に中心波長をカットするカットフィルムがメッキされるので、遠距離からレンズ(3)方向に見ると、レンズ(3)から出射される光を見つけにくくなり、さらにサイトの隠蔽性を向上させることを特徴とする反射式インナーレッドドットサイト光学系。
【請求項2】
前記LEDチップ(1)とフィルターシート(2)との間の距離が0~10mmであることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記LEDチップ(1)とフィルターシート(2)との間の距離が0~4mmであることを特徴とする請求項2に記載の光学系。
【請求項4】
前記LEDチップ(1)とフィルターシート(2)との間の距離が2mm、1.5mm、1mm、0.5mm及び0.2mmのいずれか1つであることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学系。
【請求項5】
緑光チップモジュール(4)、赤光チップモジュール(5)、立方体プリズム(6)及び接合レンズ(14)を含み、前記緑光チップモジュール(4)は、赤光チップモジュール(5)に垂直に設けられ、前記立方体プリズム(6)の幾何中心は、前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)の出射光線との交差点に設けられ、前記接合レンズ(14)は、前記立方体プリズム(6)の出射光路に設けられ、前記接合レンズ(14)は、正レンズと負レンズとからなり、前記正レンズ、負レンズは、前記立方体プリズム(6)から遠い順に配列され、前記負レンズには、中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされ、前記立方体プリズム(6)の前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)の出射光線の角の二等分線に沿って延びる対角面(8)には、前記赤光チップモジュール(5)から出射される赤光を全反射するとともに、前記緑光チップモジュール(4)から出射される緑光を透過させるための複合膜がメッキされることを特徴とする二光三色光学系。
【請求項6】
前記立方体プリズム(6)は、2つの二等辺直角プリズムを接合したものであり、前記対角面(8)は、接合面であり、前記立方体プリズム(6)のA、B、C面には、いずれも光線の波長に対応する反射防止膜がメッキされ、
前記A面は、互いに垂直な2つの隣接面であり、且つ、それぞれ前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)の光入射面であり、
前記B面は、前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)から前記接合面を介する光出射面であることを特徴とする請求項5に記載の二光三色光学系。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の二光三色光学系を含むサイトであって、本体(11)の後端に取り付けられているLED取付マウント(7)を含み、前記緑光チップモジュール(4)は、前記LED取付マウント(7)の前端面に取り付けられ、前記赤光チップモジュール(5)は、LEDベース(9)を介して前記LED取付マウント(7)の前端側に取り付けられ、このLEDベース(9)の取付平面は、前記LED取付マウント(7)の前端面に垂直であることを特徴とするサイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系、二光三色光学系及びそのサイトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の銃器用サイトに取り付けられているLEDチップから出射された光は、接合レンズで反射して照準の光点を形成し、LEDチップの発光波長帯域は、560±80nm又は他の波長帯域であり、LEDから出射された光線は、赤、黄、緑などの複数の色を含むことが多く、この複数種の色の光線は、接合レンズにメッキされた狭帯域干渉フィルターフィルム及び長波長カットフィルターフィルムで反射して、波長545±15nmの光線及び600nmより大きい光線は、人の目に入る。人の目で照準物を観察する場合、複数の色が重なったターゲット画像(多波長光線が異なる色のターゲット画像を投影する)が現れるので、ターゲットの明瞭度に影響を与え、照準の誤差を引き起こし、射撃精度を低下させるとともに、遠距離から接合レンズ方向に見ると、LEDチップが発する波長帯域のエネルギーが強く、人によって知覚されやすく、ターゲットが暴露され、サイトの隠蔽性が低減される。
【0003】
従来のインナーレッドドットサイトは、単光を有するもの又は双光或いは三光(マルチライト)を有するものであるが、三色機能を実現するために、対応する数のLEDチップ又は発光ユニット又は発光モジュールを必要とするので、電力消費が大きく、パターンが切り替えられず、取付構造が複雑であり、デバッグ及びメンテナンスのコストが高くなるとともに、サイトの体積も増加するので、その重量及び体積も異なる程度で増加し、携帯性が悪い。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の目的は、従来のサイトにおけるLEDチップの発光波長帯域が広くて、レンズ又はレンズ群又は接合レンズで反射して2種又は2種以上の色のターゲット画像が人の目に入ったり、レンズ又はレンズ群又は接合レンズから出射された光線のエネルギーが強すぎて隠蔽性が低下したりするという問題を克服することである。本発明の第2の目的は、従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服することである。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系を提供し、前記反射式インナーレッドドットサイト光学系は、LEDチップと、LEDチップの出射光を反射するためのレンズとを含み、前記LEDチップの近傍に、前記LEDチップとレンズとの間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートが設けられる。このフィルターシートは、前記LEDチップが発する中心波長以外の広い波長帯域の光をフィルタリングし、人の眼に入る光線の単色性を高めるためのものであり、フィルターシートから出射される中心波長以外の光線の光エネルギーが減衰又はカットされ、フィルターシートから出射される中心波長の光エネルギーがレンズの接合反射面に照射し、接合反射面に中心波長をカットするカットフィルムがメッキされるので、遠距離からレンズ方向に見ると、レンズから出射される光を見つけにくくなり、さらにサイトの隠蔽性を向上させる。
【0006】
従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服するために、本発明は、緑光チップモジュール、赤光チップモジュール及び直角プリズムを含む二光三色光学系を提供する。
【0007】
前記緑光チップモジュールは、赤光チップモジュールに垂直に設けられる。
前記直角プリズムの幾何中心は、前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの出射光線との交差点に設けられ、
前記直角プリズムの前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの出射光線の角の二等分線に沿って延びる対角面の前記赤光チップモジュールに向かう側のめっき膜は、赤光全反射膜であり、この対角面の前記緑光チップモジュールに向かう側のめっき膜は、緑光透過膜である。
【0008】
前記立方体プリズムは、2つの二等辺直角プリズムを接合したものであり、前記対角面は、接合面であり、この接合面の一方の面には、前記赤光全反射膜がメッキされ、前記接合面で全反射した後、前記接合面の他方の面には、前記緑光透過膜がメッキされる。
【0009】
前記二光三色光学系を含むサイトであって、前記サイトは、本体の後端に取り付けられているLED取付マウントを含み、前記緑光チップモジュールは、前記LED取付マウントの前端面に取り付けられ、前記赤光チップモジュールは、LEDベースを介して前記LED取付マウントの前端側に取り付けられ、このLEDベースの取付平面は、前記LED取付マウントの前端面に垂直である。
【0010】
緑光チップモジュール、赤光チップモジュール、立方体プリズム及び接合レンズを含む二光三色光学系である。
前記緑光チップモジュールは、赤光チップモジュールに垂直に設けられる。
【0011】
前記立方体プリズムの幾何中心は、前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの出射光線との交差点に設けられる。
前記接合レンズは、前記立方体プリズムの出射光路に設けられる。
【0012】
前記接合レンズは、正レンズと負レンズとからなり、前記正レンズ、負レンズは、前記立方体プリズムから遠い順に配列され、前記負レンズには、中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされる。
【0013】
前記立方体プリズムの前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの出射光線の角の二等分線に沿って延びる対角面には、前記赤光チップモジュールから出射される赤光を全反射するとともに、前記緑光チップモジュールから出射される緑光を透過させるための複合膜がメッキされる。
【0014】
立方体プリズムは、2つの二等辺直角プリズムを接合したものであり、前記対角面は、接合面であり、前記立方体プリズムのA、B、C面には、いずれも光線の波長に対応する反射防止膜がメッキされる。
【0015】
前記A面は、互いに垂直な2つの隣接面であり、且つ、それぞれ前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの光入射面である。
前記B面は、前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールから前記接合面を介する出射する光出射面である。
【0016】
本体の後端に取り付けられるLED取付マウントを含む二光三色光学系であって、緑光チップモジュールは、前記LED取付マウントの前端面に取り付けられ、前記赤光チップモジュールは、LEDベースを介して前記LED取付マウントの前端側に取り付けられ、このLEDベースの取付平面は、前記LED取付マウントの前端面に垂直である。
【0017】
本発明の利点は、以下の通りである。人の目に入るLEDチップが発する光の単色性を向上させ、レンズから出射される光エネルギーを減衰させてそれを見つけにくくし、サイトの使用の隠蔽性を向上させる。出射光が互いに垂直な赤及び緑の2つの光源を設置することにより、プリズム及び全反射膜又は透過膜によって、制御回路を介して緑光、赤光又は黄光などを発生させることを実現し、光源の数及びサイトの体積と重量を大幅に低減する。出射光が互いに垂直な赤及び緑の2つの光源を設置することにより、プリズム及び全反射膜又は透過膜によって、制御回路を介して緑光、赤光又は黄光などを発生させることを実現し、光源の数及びサイトの体積と重量を大幅に低減する。
【0018】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】フィルターシートが設けられている光学系の模式図である。
【
図2】LEDチップが発する光線の波長帯域が560±80nmである場合の波長の曲線図である。
【
図3】狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートにより、透過可能な光線の波長帯域が545±8nmであり、その残りの波長帯域が透過できない場合の波長の曲線図である。
【
図4】LEDの前に狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートを設置すると、フィルターシートから出射される光線の波長が545±8nmである場合の波長の曲線図である。
【
図5】接合レンズにおける負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた場合の波長の曲線図である。
【
図6】フィルターシートから出射される光線と接合レンズから出射される光線とを重畳した場合の波長の曲線図である。
【
図7】具体的な応用例に係るサイトの模式図である。
【
図8】他の具体的な応用例に係るサイトの模式図である。
【
図9】
図7におけるLEDチップの光出射穴の近傍にフィルターシートを設置する模式図である。
【
図11】二光三色光学系を含むサイトの斜視図である。
【
図12】二光三色光学系を含むサイトの軸方向断面図である。
【
図13】立方体プリズムの光路動作の模式図である。
【
図14】反射波長が600nmを超える光線の曲線図である。
【
図15】波長が545nmの光線を透過させる狭帯域波長の曲線図である。
【
図16】波長が400nm~800nmの広帯域反射防止膜を使用する場合の光線の透過率の曲線図である。
【
図17】接合レンズにおける負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた場合の波長の曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
従来のサイトにおけるLEDチップの発光波長帯域が広くて、レンズ又はレンズ群又は接合レンズで反射して2種又は2種以上の色のターゲット画像が人の目に入ったり、レンズ又はレンズ群又は接合レンズから出射された光線のエネルギーが強すぎて隠蔽性が低下したりするという問題を克服するために、具体的に、従来は、レンズの反射膜のみでフィルタリングを行ったが、このようなフィルタリング方式は、外界の光がレンズを通って人の目に入るという効率上の問題が存在する。人の目で外界の光を観察する効率が高いことを確保しようとする場合、LEDの光線の一部がフィルタリングされない一方で、すべてがフィルタリングされる場合、光が通る部分の色落ちがひどくなり(人の目がレンズで外界を観察する場合、青くなったり赤くなったりする現象がある)、光が通る効率が低下し、人の目による外界への観察に影響を与える。
【0021】
本実施例は、
図1に示す単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系を提供し、前記反射式インナーレッドドットサイト光学系は、LEDチップ1及びLEDチップ1(LED発光チップ)の出射光を反射するためのレンズ3を含み、LEDチップ1の近傍には、LEDチップ1とレンズ3との間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムめっきのフィルターシート2が設けられる。この狭帯域フィルターシート2は、LEDチップ1が発する中心波長以外の広い波長帯域の光線をフィルタリングするためのものであり、人の眼に入る光の単色性を向上させるとともに、レンズ3から出射される光のエネルギーを減衰させることにより、人に見つけられることを効果的に回避し、さらに隠蔽性を向上させるとともに、レンズ3にフィルターシート2を通る光線に対するカットフィルムをメッキするだけで、外界からの入射光がレンズ3を通って人の目に入る光線のスペクトルのカット範囲が小さく、明らかな色落ちがなく、入射光の通過効率を向上させ、人の目による観察がより快適になる。
【0022】
フィルターシートからの距離に対する設置は、LED発光チップに近いほど、フィルターシートに入る発光角度が大きくなり、フィルタリングされた波長帯域が多くなり、接合レンズ(レンズ)に入る波長帯域が狭くなり、人の目がA方向から見たLED発光チップの波長帯域が狭くなる。本実施例は、LEDチップ1とフィルターシート2との間の距離の範囲が0~4mmであることが好ましく、LED発光チップに近いほど効果が高くなり、例えば2mm、1.5mm、1mm、又は0.5mm又は0.2mmであり、さらに光学的接合によりLEDチップの表面に接合される。具体的に、フィルターシート2を追加する原理及び効果は、本実施例の設計構想と技術案を理解することを容易にするために、
図2~
図6を参照して具体的且つ詳細に説明することができる。
【0023】
図2を参照すると、この図は、従来技術におけるLEDチップが直接に光を発する(フィルターシートが追加されていない)場合における発する光線の波長帯域が560±80nmの波長の曲線図であり、
図3は、狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートにより、透過可能な光線の波長帯域が545±8nmであり、その残りの波長帯域が透過できない場合の波長の曲線図であり、
図4は、LEDチップの近傍にフィルターシート2を設置した場合における発生する2種の光を重畳した場合の波長の曲線図であり、この図から分かるように、フィルターシート2から出射される光の波長区間は、545±8nmであり、当該545±8nmの波長帯域が接合レンズ(レンズ)に入射し、入射光の波長範囲が狭くなり、単色性を向上させることを確保するとともに、フィルターシートの作用が減衰し、又は、中心波長以外の光線がレンズに入射する光エネルギーがフィルタリングされることにより、レンズ3から出射された光エネルギーを減衰させ、外界の人に見つけられやすいことを回避し、サイトの隠蔽性を向上させる。
【0024】
フィルターシート2が追加されていない場合、LEDチップが発する560±80nmの波長帯域の光は、接合レンズ(レンズ)に入射し、波長帯域の範囲が広く、単色性が低下し、レンズから出射される光エネルギーは、それ以上の光学素子によってフィルターリングされることがないので、出射光のスペクトルが広く、エネルギーが強く、
図1に示すB方向から見た人に見つけられやすく、隠蔽性が低減される。
【0025】
図5は、接合レンズにおける負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた場合の波長の曲線図を示す。
図6は、フィルターシートから出射される光線とレンズから出射される光線とを重畳した場合の波長の曲線図を示しており、この図から分かるように、狭波長帯域545±8nmの緑光がレンズで反射して人の目に入り、人の目には緑色のターゲット画像が1つしか見えず、単色性を向上させる。B方向から見ると、LEDが発する波長帯域560±80nmの光がレンズから射出されず、サイトの隠蔽性を向上させる。なお、本発明に係る波長範囲は、以上に例示した波長に限定されず、他の波長であってもよい。
【0026】
以上の実施形態をより直感的に理解するために、本実施例は、
図7、8に示すような異なる2種のサイトを提供し、この図から分かるように、LEDチップの近傍又はその光出射穴(
図9参照)には、光路方向においてフィルターシート2が取り付けられることにより、LEDチップから出射される光の波長に対して1回目のフィルターリングを行い、不要な超広波長帯域の光をフィルタリングし、これにより、単色性及び光エネルギーに対する制御を高め、フィルターシート2でフィルタリングされた後の光がレンズ3に入射し、さらに反射して人の目、即ち
図1に示すA側に入り、フィルターシート2とレンズ3の二重濾過によって、レンズ3を通る光のエネルギーを効果的に減衰させ、
図1に示すBでの人に感知されることを回避し、サイトの隠蔽性を向上させる。
【0027】
従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服するために、本実施例は、緑光チップモジュール4、赤光チップモジュール5及び立方体プリズム6を含む
図10に示す二光三色光学系を提供する。緑光チップモジュール4は、赤光チップモジュール5に垂直に設けられ、両者は互いに独立しており、制御回路によって緑光又は赤光を出射することを実現する。第3の色の光を発生させるために、本実施例は、幾何中心が緑光チップモジュール4及び赤光チップモジュール5の出射光線の交差点に設けられる立方体プリズム6の緑光チップモジュール4と赤光チップモジュール5の出射光線の角の二等分線に沿って延びる対角面8には、前記赤光チップモジュール5から出射される赤光を全反射するとともに、前記緑光チップモジュール4から出射される緑光を透過させるための複合膜(これから分かるように、この複合膜は、赤光全反射膜と緑光の透過率を増やす膜とを複合したものであり、これは、一般的な従来技術であり、詳細な紹介を省略する)がメッキされることにより、赤光の出射光線が90°で全反射されてから緑光の出射光線と平行になり、いずれも
図11に示すサイトの光出射穴から出射することを実現する。
【0028】
図13に示すように、立方体プリズム6の緑光チップモジュールの出射光に垂直な入射面Aのめっき膜は、波長545nmの光線を透過させる狭帯域透過膜であり、所望の波長範囲の緑光が損失なく立方体プリズム6を通って出射することを確保する。これに対して、赤光チップモジュール5から出射される赤光に垂直な入射面C及び出射面B(入射面Aに対向する側面が出射面Bである)には、広帯域反射防止膜がメッキされることにより、赤光や緑光が損失なく立方体プリズム3を通って出射することを確保する。
【0029】
また、第3の色の光を発生させるために、本実施例は、本体11の後端のLED取付マウント7に取り付けられている
図11及び
図12に示すサイトを提供し、緑光チップモジュール4は、LED取付マウント7の前端面に取り付けられ、赤光チップモジュール5は、LEDベース9を介してLED取付マウント7の前端側に取り付けられ、このLEDベース9の取付平面は、LED取付マウント7の前端面に垂直であることにより、赤光と緑光とが重なり合うことによる第3の色の光の出射を確保する。これにより、最も少ない光源で複数の色の光を発生させることにより、サイトの複雑さ及びメンテナンスのコストを低減することを実現する。
【0030】
図13に示すように、前述の実施例に係る立方体プリズム6は、2つの二等辺直角プリズム(直角二等辺プリズムI及び直角二等辺プリズムIIを含む)を接合したものであり、対角面8は、接合面であり、立方体プリズム6のB、C面には、いずれも波長が400~800nmの広帯域反射防止膜がメッキされる。ここで、C面に互いに垂直な隣接面であるA面には、波長が545nmの光線を透過させる狭帯域透過膜がメッキされ、A面及びC面は、それぞれ緑光チップモジュール4及び赤光チップモジュール5の光入射面である。B面は、緑光チップモジュール4及び赤光チップモジュール5から対角面8即ち接合面を介する光出射面である。
【0031】
具体的な光路は、立方体プリズム6は、直角二等辺プリズムIと直角二等辺プリズムIIとを接合したものであり、光源12、即ち赤光チップモジュール5は、中心波長λ0=658nmの光線を発し、この光線は、直角二等辺プリズムIのC面から入射し、直角二等辺プリズムIとIIの接合面で反射してから、直角二等辺プリズムIのB面から出射し、光線方向が90°変化し、この接合面には、
図14に示す600nmを超える光線を反射する膜層がメッキされる。
【0032】
また、光源13、即ち緑光チップモジュール4は、中心波長λ0=545nmの光線を発し、この光線は、直角二等辺プリズムIIのA面から入射し、この面には、
図15に示す波長が545nm±15nmの光線を透過させることができる狭帯域透過膜層がメッキされ、この光線は、直角二等辺プリズムIとIIの接合面、即ち対角面8を通ってから直角二等辺プリズムIのB面から出射する。また、直角二等辺プリズムIのA、B面には、
図16に示す波長が400~800nmの広帯域反射防止膜がメッキされる。
【0033】
前述の実施例において、接合レンズ14は、正レンズと負レンズとからなり、正レンズ、負レンズは、前記立方体プリズム6から遠い順に配列される。前記負レンズには、中心波長が545±15nmの狭帯域フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされる。これにより、赤光チップモジュール、緑光チップモジュールが接合レンズ14の反射面である負レンズに入射する場合、負レンズに
図17に示す狭帯域フィルターフィルムと長波長カットフィルターフィルムがメッキされているので、対応する波長の光線を接眼レンズでの人の目の観察方向に反射させ、緑光パターン又は赤光パターンを観察できることを実現し、赤光及び緑光から合成された黄色パターンを観察することもできる。異なる照準の背景環境での使用に適している。
【符号の説明】
【0034】
1 LEDチップ、2 フィルターシート、3 レンズ、4 緑光チップモジュール、5 赤光チップモジュール、6 立方体プリズム、7 LED取付マウント、8 対角面、9 LEDベース、10 スライダー、11 本体、12,13 光源、14 接合レンズ。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップ(1)及びLEDチップ(1)の出射光を反射するためのレンズ(3)を含む単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系であって、前記LEDチップ(1)の近傍には、前記LEDチップ(1)とレンズ(3)との間に配置され
るとともに狭帯域干渉フィルターフィルム
がめっき
されたフィルターシート(2)が設けられ、このフィルターシート(2)は、前記LEDチップ(1)が発する中心波長以外の広い波長帯域の光線をフィルタリングして、人の眼に入る光の単色性を向上させ、フィルターシート(2)から出射される中心波長以外の光線の光エネルギーが減衰又はカットされ、フィルターシート(2)から出射される中心波長の光エネルギーがレンズ(3)の接
合面に照射
され、接
合面に
は中心波長をカットするカットフィルムがメッキされ
る
ことを特徴とする反射式インナーレッドドットサイト光学系。
【請求項6】
前記立方体プリズム(6)は、2つの二等辺直角プリズムを接合したものであり、前記対角面(8)は、接合面であり、前記立方体プリズム(6)のA
面、B
面、C面には、いずれも光線の波長に対応する反射防止膜がメッキされ、
前記A面
及び前記C面は、互いに垂直な2つの隣接面であり、且つ、それぞれ前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)の光入射面であり、
前記B面は、前記緑光チップモジュール(4)と赤光チップモジュール(5)
とから
の
光が前記接合面
(8)を介
して出射する光出射面であることを特徴とする請求項5に記載の二光三色光学系。
【請求項2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系、二光三色光学系及びそのサイトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の銃器用サイトに取り付けられているLEDチップから出射された光は、接合レンズで反射して照準の光点を形成し、LEDチップの発光波長帯域は、560±80nm又は他の波長帯域であり、LEDから出射された光線は、赤、黄、緑などの複数の色を含むことが多く、この複数種の色の光線は、接合レンズにメッキされた狭帯域干渉フィルターフィルム及び長波長カットフィルターフィルムで反射して、波長545±15nmの光線及び600nmより大きい光線は、人の目に入る。人の目で照準物を観察する場合、複数の色が重なったターゲット画像(多波長光線が異なる色のターゲット画像を投影する)が現れるので、ターゲットの明瞭度に影響を与え、照準の誤差を引き起こし、射撃精度を低下させるとともに、遠距離から接合レンズ方向に見ると、LEDチップが発する波長帯域のエネルギーが強く、人によって知覚されやすく、ターゲットが暴露され、サイトの隠蔽性が低減される。
【0003】
従来のインナーレッドドットサイトは、単光を有するもの又は双光或いは三光(マルチライト)を有するものであるが、三色機能を実現するために、対応する数のLEDチップ又は発光ユニット又は発光モジュールを必要とするので、電力消費が大きく、パターンが切り替えられず、取付構造が複雑であり、デバッグ及びメンテナンスのコストが高くなるとともに、サイトの体積も増加するので、その重量及び体積も異なる程度で増加し、携帯性が悪い。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の目的は、従来のサイトにおけるLEDチップの発光波長帯域が広くて、レンズ又はレンズ群又は接合レンズで反射して2種又は2種以上の色のターゲット画像が人の目に入ったり、レンズ又はレンズ群又は接合レンズから出射された光線のエネルギーが強すぎて隠蔽性が低下したりするという問題を克服することである。本発明の第2の目的は、従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服することである。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系を提供し、前記反射式インナーレッドドットサイト光学系は、LEDチップと、LEDチップの出射光を反射するためのレンズとを含み、前記LEDチップの近傍に、前記LEDチップとレンズとの間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートが設けられる。このフィルターシートは、前記LEDチップが発する中心波長以外の広い波長帯域の光をフィルタリングし、人の眼に入る光線の単色性を高めるためのものであり、フィルターシートから出射される中心波長以外の光線の光エネルギーが減衰又はカットされ、フィルターシートから出射される中心波長の光エネルギーがレンズの接合面に照射し、接合面に中心波長をカットするカットフィルムがメッキされるので、遠距離からレンズ方向に見ると、レンズから出射される光を見つけにくくなり、さらにサイトの隠蔽性を向上させる。
【0006】
従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服するために、本発明は、緑光チップモジュール、赤光チップモジュール及び立方体プリズムを含む二光三色光学系を提供する。
【0007】
前記緑光チップモジュールは、赤光チップモジュールに垂直に設けられる。
前記立方体プリズムの幾何中心は、前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの出射光線との交差点に設けられ、
前記立方体プリズムは、前記緑光チップモジュールの出射光線と赤光チップモジュールの出射光線とによって形成される角の二等分線に沿って延びる対角面を有し、この対角面の前記赤光チップモジュールに向かう側のめっき膜は、赤光全反射膜であり、この対角面の前記緑光チップモジュールに向かう側のめっき膜は、緑光透過膜である。
【0008】
前記立方体プリズムは、2つの直角プリズムを接合したものであり、前記対角面は、接合面であり、この接合面の一方の面には、前記赤光全反射膜がメッキされ、前記接合面で全反射した後、前記接合面の他方の面には、前記緑光透過膜がメッキされる。
【0009】
前記二光三色光学系を含むサイトであって、前記サイトは、本体の後端に取り付けられているLED取付マウントを含み、前記緑光チップモジュールは、前記LED取付マウントの前端面に取り付けられ、前記赤光チップモジュールは、LEDベースを介して前記LED取付マウントの前端側に取り付けられ、このLEDベースの取付平面は、前記LED取付マウントの前端面に垂直である。
【0010】
緑光チップモジュール、赤光チップモジュール、立方体プリズム及び接合レンズを含む二光三色光学系である。
前記緑光チップモジュールは、赤光チップモジュールに垂直に設けられる。
【0011】
前記立方体プリズムの幾何中心は、前記緑光チップモジュールの出射光線と赤光チップモジュールの出射光線との交差点に設けられる。
前記接合レンズは、前記立方体プリズムの出射光路に設けられる。
【0012】
前記接合レンズは、正レンズと負レンズとからなり、前記正レンズ、負レンズは、前記立方体プリズムから遠い順に配列され、前記負レンズには、中心波長が545±15nmの狭帯域干渉フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされる。
【0013】
前記立方体プリズムは、前記緑光チップモジュールの出射光線と赤光チップモジュールの出射光線とによって形成される角の二等分線に沿って延びる対角面を有し、この対角面には、前記赤光チップモジュールから出射される赤光を全反射するとともに、前記緑光チップモジュールから出射される緑光を透過させるための複合膜がメッキされる。
【0014】
立方体プリズムは、2つの二等辺直角プリズムを接合したものであり、前記対角面は、接合面であり、前記立方体プリズムのA、B、C面には、いずれも光線の波長に対応する反射防止膜がメッキされる。
【0015】
前記A面及び前記C面は、互いに垂直な2つの隣接面であり、且つ、それぞれ前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールの光入射面である。
前記B面は、前記緑光チップモジュールと赤光チップモジュールとからの光が前記接合面を介して出射する光出射面である。
【0016】
本体の後端に取り付けられるLED取付マウントを含む二光三色光学系であって、緑光チップモジュールは、前記LED取付マウントの前端面に取り付けられ、前記赤光チップモジュールは、LEDベースを介して前記LED取付マウントの前端側に取り付けられ、このLEDベースの取付平面は、前記LED取付マウントの前端面に垂直である。
【0017】
本発明の利点は、以下の通りである。人の目に入る、LEDチップが発する光の単色性を向上させ、レンズから出射される光エネルギーを減衰させてそれを見つけにくくし、サイトの使用の隠蔽性を向上させる。出射光が互いに垂直な赤及び緑の2つの光源を設置することにより、プリズム及び全反射膜又は透過膜によって、制御回路を介して緑光、赤光又は黄光などを発生させることを実現し、光源の数及びサイトの体積と重量を大幅に低減する。出射光が互いに垂直な赤及び緑の2つの光源を設置することにより、プリズム及び全反射膜又は透過膜によって、制御回路を介して緑光、赤光又は黄光などを発生させることを実現し、光源の数及びサイトの体積と重量を大幅に低減する。
【0018】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】フィルターシートが設けられている光学系の模式図である。
【
図2】LEDチップが発する光線の波長帯域が560±80nmである場合の波長の曲線図である。
【
図3】狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートにより、透過可能な光線の波長帯域が545±8nmであり、その残りの波長帯域が透過できない場合の波長の曲線図である。
【
図4】LEDの前に狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシートを設置すると、フィルターシートから出射される光線の波長が545±8nmである場合の波長の曲線図である。
【
図5】
負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域
干渉フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた
接合レ
ンズを光線が透過した場合の波長の曲線図である。
【
図6】フィルターシートから出射される光線と接合レンズから出射される光線とを重畳した場合の波長の曲線図である。
【
図7】具体的な応用例に係るサイトの模式図である。
【
図8】他の具体的な応用例に係るサイトの模式図である。
【
図9】
図7におけるLEDチップの光出射穴の近傍にフィルターシートを設置する模式図である。
【
図11】二光三色光学系を含むサイトの斜視図である。
【
図12】二光三色光学系を含むサイトの軸方向断面図である。
【
図13】立方体プリズムの光路動作の模式図である。
【
図14】反射波長が600nmを超える光線の曲線図である。
【
図15】波長が545nmの光線を透過させる狭帯域波長の曲線図である。
【
図16】波長が400nm~800nmの広帯域反射防止膜を使用する場合の光線の透過率の曲線図である。
【
図17】
負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域
干渉フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた
接合
レンズを光線が透過した場合の波長の曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
従来のサイトにおけるLEDチップの発光波長帯域が広くて、レンズ又はレンズ群又は接合レンズで反射して2種又は2種以上の色のターゲット画像が人の目に入ったり、レンズ又はレンズ群又は接合レンズから出射された光線のエネルギーが強すぎて隠蔽性が低下したりするという問題を克服するために、具体的に、従来は、レンズの反射膜のみでフィルタリングを行ったが、このようなフィルタリング方式は、外界の光がレンズを通って人の目に入るという、効率が低下する問題が存在する。人の目で外界の光を観察する効率が高いことを確保しようとする場合、LEDの光線の一部がフィルタリングされない一方で、すべてがフィルタリングされる場合、光が通る部分の色落ちがひどくなり(人の目がレンズで外界を観察する場合、青くなったり赤くなったりする現象がある)、光が通る効率が低下し、人の目による外界への観察に影響を与える。
【0021】
本実施例は、
図1に示す単色性及び隠蔽性を向上させる反射式インナーレッドドットサイト光学系を提供し、前記反射式インナーレッドドットサイト光学系は、LEDチップ1及びLEDチップ1(LED発光チップ)の出射光を反射するためのレンズ3を含み、LEDチップ1の近傍には、LEDチップ1とレンズ3との間に配置される狭帯域干渉フィルターフィルムめっきのフィルターシート2が設けられる。この狭帯域
干渉フィルター
フ
ィルムをメッキしたフィルターシート2は、LEDチップ1が発する中心波長以外の広い波長帯域の光線をフィルタリングするためのものであり、人の眼に入る光の単色性を向上させるとともに、レンズ3から出射される光のエネルギーを減衰させることにより、人に見つけられることを効果的に回避し、さらに隠蔽性を向上させるとともに、レンズ3にフィルターシート2を通る光線に対するカットフィルムをメッキするだけで、外界からの入射光がレンズ3を通って人の目に入る光線のスペクトルのカット範囲が小さく、明らかな色落ちがなく、入射光の通過効率を向上させ、人の目による観察がより快適になる。
【0022】
フィルターシート
2からの距離に対する設置は、LE
Dチップ
1に近いほど、フィルターシート
2に入る
光線の発光角度が大きくなり、フィルタリングされた波長帯域が多くなり、接合レンズ(レンズ)
3に入る波長帯域が狭くなり、人の目がA方向から見た
場合に
おいてLE
Dチップ
1が発する光の波長帯域が狭くなる。本実施例は、LEDチップ1とフィルターシート2との間の距離の範囲
は0~10mmであり、一実施例において、当該
距離の範囲が0~4mmであ
り、LE
Dチップ
1に近いほど効果が高くなり、例えば2mm、1.5mm、1mm、又は0.5mm又は0.2mmであり、さらに光学的接合によりLEDチップ
1の表面に接合される。具体的に、フィルターシート2を追加する原理及び効果は、本実施例の設計構想と技術案を理解することを容易にするために、
図2~
図6を参照して具体的且つ詳細に説明することができる。
【0023】
図2を参照すると、この図は、
関連技術におけるLEDチップ
1が直接に光を発する(フィルターシートが追加されていない)場合における発する光線の波長帯域が560±80nmの波長の曲線図であり、
図3は、狭帯域干渉フィルターフィルムメッキのフィルターシート
2により、透過可能な光線の波長帯域が545±8nmであり、その残りの波長帯域が透過できない場合の波長の曲線図であり、
図4は、LEDチップ
1の近傍にフィルターシート2を設置した場合における発生する2種の光を重畳した場合の波長の曲線図であり、この図から分かるように、フィルターシート2から出射される光の波長区間は、545±8nmであり、当該545±8nmの波長帯域が接合レンズ(レンズ)
3に入射し、入射光の波長範囲が狭くなり、単色性を向上させることを確保するとともに、フィルターシート
2の作用が減衰し、又は、中心波長以外の光線がレンズ
3に入射する光エネルギーがフィルタリングされることにより、レンズ3から出射された光エネルギーを減衰させ、外界の人に見つけられやすいことを回避し、サイトの隠蔽性を向上させる。
【0024】
フィルターシート2が追加されていない場合、LEDチップ
1が発する560±80nmの波長帯域の光は、接合レンズ(レンズ)
3に入射し、波長帯域の範囲が広く、単色性が低下し、レンズ
3から出射される光エネルギーは、それ以上の光学素子によってフィルターリングされることがないので、出射光のスペクトルが広く、エネルギーが強く、
図1に示すB方向から見た人に見つけられやすく、隠蔽性が低減される。
【0025】
図5は
、負レンズに中心波長が545±15nmの狭帯域
干渉フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされた
接合レンズ3
を光線が透過した場合の波長の曲線図を示す。
図6は、フィルターシート
2から出射される光線とレンズ
3から出射される光線とを重畳した場合の波長の曲線図を示しており、この図から分かるように、狭波長帯域545±8nmの緑光がレンズ
3で反射して人の目に入り、人の目には緑色のターゲット画像が1つしか見えず、単色性を向上させる。
図1のB方向から見ると、LED
チップ1が発する波長帯域560±80nmの光がレンズ
3から射出されず、サイトの隠蔽性を向上させる。なお、本発明に係る波長範囲は、以上に例示した波長に限定されず、他の波長であってもよい。
【0026】
以上の実施形態をより直感的に理解するために、本実施例は、
図7、8に示すような異なる2種のサイトを提供し、この図から分かるように、LEDチップ
1の近傍又はその光出射穴(
図9参照)には、光路方向においてフィルターシート2が取り付けられることにより、LEDチップ
1から出射される光の波長に対して1回目のフィルターリングを行い、不要な超広波長帯域の光をフィルタリングし、これにより、単色性及び光エネルギーに対する制御を高め、フィルターシート2でフィルタリングされた後の光がレンズ3に入射し、さらに反射して人の目、即ち
図1に示すA側に入り、フィルターシート2とレンズ3の二重濾過によって、レンズ3を通る光のエネルギーを効果的に減衰させ、
図1に示すBでの人に感知されることを回避し、サイトの隠蔽性を向上させる。
【0027】
従来のマルチライトサイトに存在する、構造が複雑であり、重量及び体積が大きくて、コストが高く、携帯性が悪いという問題を克服するために、本実施例は、緑光チップモジュール4、赤光チップモジュール5及び立方体プリズム6を含む
図10に示す二光三色光学系を提供する。緑光チップモジュール4は、赤光チップモジュール5に垂直に設けられ、両者は互いに独立しており、制御回路によって緑光又は赤光を出射することを実現する。第3の色の光を発生させるために、
図10から図13に示すように、本実施例
では、
立
方体プリズム6の幾何中心が緑光チップモジュール4
の出射光線と赤光チップモジュール5の出射光線
との交差点に設けられ
、緑光チップモジュール4
の出射光線と赤光チップモジュール5の出射光線
とによって形成される角の二等分線に沿って延びる
立方体プリズム
6の対角面8には、前記赤光チップモジュール5から出射される赤光
12を全反射するとともに、前記緑光チップモジュール4から出射される緑光
13を透過させるための複合膜(これから分かるように、この複合膜は、赤光
12を全反射
する膜と緑光
13の透過率を増やす膜とを複合したものであり、これは、一般的な従来技術であり、詳細な紹介を省略する)がメッキされることにより、赤光
12の出射光線が90°で全反射されてから緑光
13の出射光線と平行になり、いずれも
図11及び図12に示すサイトの
接眼レンズ15から出射することを実現する。
【0028】
図13に示すように、立方体プリズム6の緑光チップモジュール
4から出射
される緑光
13に垂直な入射面Aのめっき膜は、波長545nmの光線を透過させる狭帯域透過膜であり、所望の波長範囲の緑光が損失なく立方体プリズム6を通って出射することを確保する。これに対して、赤光チップモジュール5から出射される赤光
12に垂直な入射面C
、及び出射面B(入射面Aに対向する側面が出射面Bである)には、広帯域反射防止膜がメッキされることにより、赤光や緑光が損失なく立方体プリズム
6を通って出射することを確保する。
【0029】
また、第3の色の光を発生させるために、本実施例は、本体11の後端のLED取付マウント7に取り付けられている
図11及び
図12に示すサイトを提供し、緑光チップモジュール4は、LED取付マウント7の前端面に取り付けられ、赤光チップモジュール5は、LEDベース9を介してLED取付マウント7の前端側に取り付けられ、このLEDベース9の取付平面は、LED取付マウント7の前端面に垂直であることにより、赤光と緑光とが重なり合うことによる第3の色の光の出射を確保する。これにより、最も少ない光源で複数の色の光を発生させることにより、サイトの複雑さ及びメンテナンスのコストを低減することを実現する。
【0030】
図13に示すように、前述の実施例に係る立方体プリズム6は、2つの二等辺直角プリズム(直角二等辺プリズムI及び直角二等辺プリズムIIを含む)を接合したものであり、対角面8は、接合面であり、立方体プリズム6のB、C面には、いずれも波長が400~800nmの広帯域反射防止膜がメッキされる。ここで、C面に互いに垂直な隣接面であるA面には、波長が545nmの光線を透過させる狭帯域透過膜がメッキされ、A面及びC面は、それぞれ緑光チップモジュール4及び赤光チップモジュール5の光入射面である。B面は、緑光チップモジュール4及び赤光チップモジュール5から
の光が対角面8即ち接合面を介
して出射する光出射面である。
【0031】
具体的な光路は、立方体プリズム6は、直角二等辺プリズムIと直角二等辺プリズムIIとを接合したものであり、
赤光チップモジュール5は、赤光12、即
ち、中心波長λ0=658nmの光線を発し、この光線は、直角二等辺プリズムIのC面から入射し、直角二等辺プリズムIとIIの接合面で反射してから、直角二等辺プリズムIのB面から出射し、光線方向が90°変化し、この接合面には、
図14に示す600nmを超える光線を反射する膜層がメッキされる。
【0032】
また、
緑光チップモジュール4は、緑光13、即
ち、中心波長λ0=545nmの光線を発し、この光線は、直角二等辺プリズムIIのA面から入射し、この面には、
図15に示す波長が545nm±15nmの光線を透過させることができる狭帯域透過膜層がメッキされ、この光線は、直角二等辺プリズムIとIIの接合面、即ち対角面8を通ってから直角二等辺プリズムIのB面から出射する。また、直角二等辺プリズムIのA、B面には、
図16に示す波長が400~800nmの広帯域反射防止膜がメッキされる。
【0033】
前述の実施例において、接合レンズ14は、正レンズと負レンズとからなり、正レンズ、負レンズは、前記立方体プリズム6から遠い順に配列される。前記負レンズには、中心波長が545±15nmの狭帯域
干渉フィルターフィルム及び波長が600nmを超える長波長カットフィルターフィルムがメッキされる。これにより、赤光チップモジュール
5
及び緑光チップモジュール
4からそれぞれ出射した光が接合レンズ14の反射面である負レンズに入射する場合、負レンズに
図17に示す
ような特性を有する狭帯域
干渉フィルターフィルムと長波長カットフィルターフィルムがメッキされているので、対応する波長の光線を接眼レンズ
15での人の目の観察方向に反射させ、緑光パターン又は赤光パターンを観察できることを実現し、赤光及び緑光から合成された黄色パターンを観察することもできる。異なる照準の背景環境での使用に適している。
【符号の説明】
【0034】
1 LEDチップ、2 フィルターシート、3 レンズ、4 緑光チップモジュール、5 赤光チップモジュール、6 立方体プリズム、7 LED取付マウント、8 対角面、9 LEDベース、11 本体、12 赤光、13 緑光、14 接合レンズ、15
接眼レンズ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】