(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(54)【発明の名称】殺有害生物剤処理済物質からの鳥の阻止
(51)【国際特許分類】
A01M 29/12 20110101AFI20220304BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20220304BHJP
A01N 59/16 20060101ALI20220304BHJP
A01N 31/16 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A01M29/12
A01P17/00
A01N59/16
A01N31/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542339
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 US2020014593
(87)【国際公開番号】W WO2020154389
(87)【国際公開日】2020-07-30
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515257782
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ レプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー オブ アグリカルチャー
(71)【出願人】
【識別番号】510203603
【氏名又は名称】アルキオン ライフ サイエンシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バリンジャー,ジュニア,ケネス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,スコット ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2B121
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121CC02
2B121CC21
2B121CC40
2B121EA21
2B121FA13
4H011AE02
4H011BA07
4H011BB05
4H011BB18
(57)【要約】
本開示は、鳥阻止組成物、及び鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質、例えば殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを阻止することにおいて同組成物を使用する方法に関する。鳥阻止組成物は、鳥用忌避剤及び/又はビジュアルキュー剤を含む。鳥阻止組成物で処理された殺有害生物剤処理済物質は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを防止するが、一方で非致死用量の同じ殺有害生物剤処理済物質を摂取することは阻止しない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある場所において、鳥が致死用量の1種以上の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止する方法であって、
1種以上の殺有害生物剤処理済物質に、
(a)アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び
(b)TiO
2、CaCO
3、又はこれらの組み合わせ
を含む鳥阻止組成物を適用し、これにより、1種以上の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を形成することを含み、
前記場所において約60%以下の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質が鳥により摂取されない、方法。
【請求項2】
鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止する方法であって、
殺有害生物剤処理済物質に、
(a)約100ppm~約600ppmのアントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び
(b)約100ppm~約2000ppmのTiO
2、CaCO
3、又はこれらの組み合わせ
を含む鳥阻止組成物を適用し、これにより、鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を形成することを含む、方法。
【請求項3】
鳥阻止組成物の成分(a)が、アントラキノンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
殺有害生物剤処理済物質が、約160ppmのアントラキノンを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アントラキノンが、9,10-アントラキノンである、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
鳥阻止組成物の成分(b)が、TiO
2である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
TiO
2が、ルチルTiO
2である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
殺有害生物剤処理済物質が、約400ppmのTiO
2を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
鳥阻止組成物の成分(b)が、CaCO
3である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
殺有害生物剤処理済物質が、約160ppmのCaCO
3を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
鳥阻止組成物の成分(b)が、TiO
2及びCaCO
3である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
殺有害生物剤処理済物質が、約400ppmのTiO
2を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
殺有害生物剤処理済物質が、約160ppmのCaCO
3を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
殺有害生物剤処理済物質が、鳥に対する約60%以下の忌避性を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
殺有害生物剤処理済物質が、殺有害生物剤処理済植物種子である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
鳥が致死用量の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を摂取することを妨げるが、鳥が非致死用量の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を摂取することは妨げない、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
(a)約100 ppm~約600ppmのアントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び
(b)約100ppm~約2000ppmのTiO
2、CaCO
3、又はこれらの組み合わせ
を含む、
殺有害生物剤処理済物質。
【請求項18】
成分(a)が、アントラキノンである、請求項17に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項19】
約160ppmのアントラキノンを含む、請求項18に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項20】
アントラキノンが、9,10-アントラキノンである、請求項18又は19に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項21】
殺有害生物剤処理済物質の成分(b)が、TiO
2である、請求項17から20のいずれか一項に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項22】
TiO
2が、ルチルTiO
2である、請求項21に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項23】
約400ppmのTiO
2を含む、請求項21又は22に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項24】
殺有害生物剤処理済物質の成分(b)が、CaCO
3である、請求項17から23のいずれか一項に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項25】
約160ppmのCaCO
3を含む、請求項24に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項26】
殺有害生物剤処理済物質の成分(b)が、TiO
2及びCaCO
3である、請求項17から23のいずれか一項に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項27】
約400ppmのTiO
2を含む、請求項26に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項28】
約160ppmのCaCO
3を含む、請求項26又は27に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【請求項29】
殺有害生物剤処理済植物種子である、請求項17から28のいずれか一項に記載の殺有害生物剤処理済物質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月23日に出願された米国特許仮出願第62/796051号の優先権を主張するものであり、その全容が本明細書に組み込まれる。
【0002】
合衆国により支援されている関連研究
本明細書に記載されている研究は、米国農業省により支援された。
【0003】
本分野は、鳥が非致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを防止せずに、鳥が致死用量の同じ殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止することに関する。
【背景技術】
【0004】
殺有害生物剤及び抗真菌剤は、長期にわたる昆虫及び植物の病害からの保護のために、例えば、作物、花及び野菜の種子を包含する多様な物質に適用されてきた。殺有害生物剤及び抗真菌剤中で使用される有効成分は、米国の環境保護庁(Environmental Protection Agency (EPA))によって、該庁の発足以来、規制されている。数十年にわたり、EPAは、これらの有効成分の多くが環境又は野生生物に有害であると判定し、結果としてより穏和な物質を採用し、より有害な化学物質を目録から外してきた。この傾向は継続し、今日、登録されている殺有害生物剤の現リストには、負の効果が依然として残っている。
【0005】
例えば、毒性物質、例えばMesurol(登録商標)(メチオカルブ)が過去に使用されてきたが、現在は、それで鳥を忌避させることはEPAによって禁止されている。Mesurol(登録商標)は非常に低いLD50を有しているため、鳥がこの化合物によって忌避されることはなく、むしろきわめて少量が消費された場合に死亡しやすい。
【0006】
商業的な穀類農場での植栽中に、種子は偶発的にこぼれる。こぼれた種子は、野生生物がこぼれた種子を食べようとすることを防止するために埋められるべきであるが、植栽設備から地面に落ちるいくつかの種子が必然的に存在する。こぼれた種子は、殺有害生物剤及び/又は抗真菌剤でコーティングされており、動物がきわめて少量を消費した場合でさえ、鳥を害することになる。
【0007】
殺有害生物剤は、少なくとも2つの点において鳥に致命的でありうる。第1の点は、十分多量の殺有害生物剤処理済物質、例えば植物種子を食べることからの直接の致命的結果である。例えば、イミダクロプリドで処理された1個のコーン種子、処理された3~4個の穀類種子、又は処理された4~5個のキャノーラ種子が、平均的な鳥に致命的であるおそれがある。Mineau and Palmer、The Impact of the Nation's Most Widely Used Insecticides on Birds、American Bird Conservancy、March 2013。殺有害生物剤が鳥に致命的になりうる第2の点は、鳥に方向感覚を失わせうる又は捕食者を回避できなくさせうる亜致死的効果を通じたものである。この効果は、中毒症の形態であり、鳥は、鳥自体を保護できないことによって無感覚に行動して最終的に死亡し得る。 例えば、米国で、1年当たりおよそ72000000羽の鳥が、殺有害生物剤によって直接殺されているが、亜致死的効果は10倍多く蔓延していることが示されてきた。前のMineau and Palmer。
【0008】
完全な、忌避レベル用量の鳥用忌避剤の適用は、植物種子の減損は妨げるが、野生生物が毒性レベル未満の殺有害生物剤を消費することを選択的に防止することを可能にしない。完全な、忌避レベル用量の鳥用忌避剤は、実験室の給餌実験に基づき、80%以上の忌避性であると確立されてきた。例えば、Wernerら、Appl. Anim. Behav. Sci. 121:190-96 (2009);Wernerら、J. Wildl. Manage. 72:1863-68 (2008);Wernerら、J. Wildl. Manage. 72:1007-11 (2008);Wernerら、J. Wildl. Manage. 71:1676-81 (2007)を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Mineau and Palmer、The Impact of the Nation's Most Widely Used Insecticides on Birds、American Bird Conservancy、March 2013
【非特許文献2】Wernerら、Appl. Anim. Behav. Sci. 121:190-96 (2009)
【非特許文献3】Wernerら、J. Wildl. Manage. 72:1863-68 (2008)
【非特許文献4】Wernerら、J. Wildl. Manage. 72:1007-11 (2008)
【非特許文献5】Wernerら、J. Wildl. Manage. 71:1676-81 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、必要とされるのは、鳥が致死用量の殺有害生物剤又は抗真菌剤で処理された物質を摂取することのみを阻止することができ、しかし鳥が非致死用量を偶発的に摂取することは可能である実質的に低用量の忌避剤であり、これによってコストが下がり、鳥はそのような忌避剤の致死用量から保護される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様は、ある場所において、鳥が致死用量の1種以上の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止する方法であって、1種以上の殺有害生物剤処理済物質に、(a)アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)TiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む鳥阻止組成物を適用し、
これにより、1種以上の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を形成することを含み、
前記場所において約60%以下の鳥阻止殺有害生物剤処理済物質が鳥によって摂取されない、方法である。
【0012】
本開示の別の態様は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止する方法であって、殺有害生物剤処理済物質に、(a)約100ppm~約600ppmのアントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)約100ppm~約2000ppmのTiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む鳥阻止組成物を適用すし、これにより、鳥阻止殺有害生物剤処理済物質を形成することを含む、方法である。
【0013】
本開示の更なる態様は、(a)約100ppm~約600ppmのアントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)約100ppm~約2000ppmのTiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む、殺有害生物剤処理済物質である。
【0014】
本開示の更なる態様は、鳥が殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを阻止する方法であって、殺有害生物剤処理済植物種子を、(a)アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)TiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む有効量の組成物と接触させることを含み、殺有害生物剤処理済植物種子上の組成物は、鳥が殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを阻止するのに有効であるが、殺有害生物剤処理済植物種子を含む場所から鳥を忌避させない、方法である。
【0015】
本開示の更なる態様は、(a)約100ppm~約600ppmのアントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)約100ppm~約2000ppmのTiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含むコーティングを含む、殺有害生物剤処理済植物種子である。
【0016】
本開示の別の態様は、殺有害生物剤処理済植物種子に、(a)アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ、及び(b)TiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む阻止有効量の組成物を適用することを含む、殺有害生物剤処理済植物種子からの鳥の阻止の方法である。
【0017】
他の態様、目的及び利点は、これ以降に続く「発明を実施するための形態」を参照することで、当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願人らは、詳細には、全ての引用されている参照物の全容を本開示中に組み込む。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、上限値及び下限値の範囲若しくは列挙のいずれかとして付与されている場合、これは、範囲が別々に開示されるかどうかにかかわらず、任意の上限範囲若しくは値と、任意の下限範囲若しくは値との任意のペアから形成された全ての範囲を特に開示していると理解されることになる。本明細書中に数値の範囲が引用されているところでは、別段の記述がない限り、その範囲は、それらの端点、及び範囲内の全ての整数及び分数を包含することが意図される。本開示の範囲が、範囲を定義している場合に列挙されている特定の値に限定されることは意図されていない。
【0019】
定義
本開示では、多くの用語及び略語が使用される。以下の定義が付与される。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「約」又は「およそ」は、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%若しくは0.1%内、又は所与の値若しくは範囲未満を意味する。
【0021】
用語「含む」は、用語「から本質的になる」及び「からなる」によって包含される実施形態を含むことが意図される。同様に、用語「から本質的になる」は、用語「からなる」によって包含される実施形態を含むことが意図される。
【0022】
用語「阻止する」、「阻止している」、「阻止的な」又は「阻止」は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを回避するのには十分であるが、非致死用量の同じ物質を摂取することから鳥を忌避させる(用語「忌避させる」については以下に定義される)のには有効ではない量の、物質、例えば植物種子、いくつかの実施形態では殺有害生物剤処理済物質、例えば植物種子に適用された鳥用忌避剤を意味する。このレベルは、鳥の種類に基づく異なる濃度にわたり多様でありうる。用語「阻止する」、「阻止している」、「阻止的な」又は「阻止」はまた、ある場所における入手可能な物質の約60%以下が鳥によって摂取されないような量における、鳥用忌避剤及び/又はビジュアルキュー剤を含む鳥阻止組成物の使用も意味することができる。いくつかの実施形態では、阻止は、ある場所における植物種子の約59%、約58%、約57%、約56%、約55%、約54%、約53%、約52%、約51%、約50%、約49%、約48%、約47%、約46%、約45%、約44%、約43%、約42%、約41%、約40%、約39%、約38%、約37%、約36%、約35%、約34%、約33%、約32%、約31%、約31%以下が鳥により摂取されないことを意味することができる。使用される鳥用忌避剤の量が、忌避性であるのに必要とされる量(即ち、80%以上)よりも低いので、処理された物質は、鳥による摂取から完全に安全ではないことになる。しかしながら、鳥により偶発的に食べられる又は摂取される、処理された物質の量は、鳥の毒性の閾値を下回ることになる。
【0023】
用語「鳥阻止殺有害生物剤処理済物質」は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することが阻止されるが、非致死用量の同じ殺有害生物剤処理済物質を摂取することは阻止されないような、阻止レベルの鳥用忌避組成物及び/又はビジュアルキュー剤(「鳥阻止組成物」)を含む、又はそうでなければそこに添加された、殺有害生物剤処理済物質を意味する。
【0024】
用語「有効量」は、ある場所内のコーティングされていない対照の植物種子(即ち、鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤なしの植物種子)と比べて、前記場所内のコーティングされた植物種子からの鳥の有意な阻止をもたらす、前記場所内の植物種子における、いくつかの実施形態では殺有害生物剤処理済植物種子における、鳥用忌避剤の量及びビジュアルキュー剤の量である。実際の有効量は、選択される特定の鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤、それらの配合(鳥用忌避剤とビジュアルキュー剤とが一緒に配合されるか別々に配合されるかに依る)、鳥、植物種子及び環境因子に依って多様であることになる。
【0025】
用語「精油」は、植物材料から抽出された芳香族の揮発性液体を指す。精油は、揮発性芳香化合物を含有する濃縮された疎水性液体であることが多い。精油の化学的構成要素は、一般クラス、例えばテルペン(例えば、ρ-シメン、リモネン、サビネン、α-ピネン、γ-テルピネン、β-カリオフィレン)、テルペノイド(例えば、シトロネラル、チモール、カルバクロール、カルボン、ボルネオール)、及びフェニルプロパノイド(例えば、シンナムアルデヒド、ユーゲノール、バニリン、サフロール)内に包含されうる。精油は、天然(即ち、植物由来)であっても合成であってもよい。
【0026】
用語「殺有害生物剤」は、抗真菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、薬害軽減剤、バイオ殺有害生物剤及び/又は成長調節剤を意味する。また企図されるのは、上記クラスのうちの1種内の殺有害生物剤の混合物、及び/又は上記クラスのうちの2種以上からの殺有害生物剤の混合物である。当業者は、例えば、Pepticides Manual、第16版(2013)、The British Crop Protection Council、Londonに見出されうるそのような殺有害生物剤に馴染みがある。例示的な殺虫剤には、カルバメート、有機リン、有機塩素殺虫剤、フェニルピラゾール、ピレトロイド、ネオニコチノイド、スピノシン、アベルメクチン、ミルベマイシン、幼若ホルモン類似体、アルキルハロゲン化物、有機スズ化合物ネレイストキシン類似体、ベンゾイル尿素、ジアシルヒドラジン、METIアカリジド、及び殺虫剤、例えばクロロピクリン、ピメトロジン、フロニカミド、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、ジアフェンチウロン、プロパルギット、テトラジフォン、クロロフェナピル、DNOC、ブプロフェジン、シロマジン、アミトラズ、ヒドラメチルノン、アセキノシル、フルアクリピリム、ロテノン、又はそれらの誘導体が挙げられる。例示的な抗真菌剤には、ジニトロアニリン、アリルアミン、アニリノピリミジン、抗生物質、芳香族炭化水素、ベンゼンスルホンアミド、ベンズイミダゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアジン、カルバミン酸ベンジル、カルバメート、カルボキサミド、カルボン酸ジアミド、クロロニトリルシアノアセタミドオキシム、シアノイミダゾール、シクロプロパンカルボキサミド、ジカルボキサミド、ジヒドロジオキサジン、クロトン酸ジニトロフェニル、ジチオカルバメート、ジチオラン、エチルホスホネート、エチルアミノチアゾールカルボキサミド、グアニジン、ヒドロキシ-(2-アミノ)ピリミジン、ヒドロキシアニリド、イミダゾール、イミダゾリノン、無機物質、イソベンゾフラノン、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、モルホリン、N-フェニルカルバメート、オキサゾリジンジオン、オキシミノアセテート、オキシミノアセトアミド、ペプチドイルピリミジンヌクレオシド、フェニルアセトアミド、フェニルアミド、フェニルピロール、フェニル尿素、ホスホネート、ホスホロチオレート、フタルアミド酸、フタルイミド、ピペラジン、ピペリジン、プロピオンアミド、ピリダジノン、ピリジン、ピリジニルメチルベンズアミド、ピリミジンアミン、ピリミジン、ピリミジノンヒドラゾン、ピロロキノリノン、キナゾリノン、キノリン、キノン、スルファミド、スルファモイルトリアゾール、チアゾールカルボキサミド、チオカルバメート、チオファネート、チオフェンカルボキサミド、トルアミド、トリフェニルスズ化合物、トリアジン、及びトリアゾールが挙げられる。例示的な除草剤には、アセトアミド、アミド、アリールオキシフェノキシプロピオネート、ベンズアミド、ベンゾフラン、安息香酸、ベンゾチアジアジノン、ビピリジリウム、カルバメート、クロロアセトアミド、クロロカルボン酸、シクロヘキサンジオン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン、イミダゾリノン、イソオキサゾール、イソオキサゾリジノン、ニトリル、N-フェニルフタルイミド、オキサジアゾール、オキサゾリジンジオン、オキシアセトアミド、フェノキシカルボン酸、フェニルカルバメート、フェニルピラゾール、フェニルピラゾリン、フェニルピリダジン、ホスフィン酸、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、フタラメート、ピラゾール、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボン酸、ピリジンカルボキサミド、ピリミジンジオン、(チオ)安息香酸ピリミジニル、キノリンカルボン酸、セミカルバゾン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、スルホニル尿素、テトラゾリノン、チアジアゾール、チオカルバメート、トリアジン、トリアジノン、トリアゾール、トリアゾリノン、トリアゾロカルボキサミド、トリアゾロピリミジン、トリケトン、ウラシル、尿素が挙げられる。
【0027】
用語「忌避する」、「忌避している」又は「忌避性」は、ある場所において、鳥用忌避剤で処理された物質、例えば植物種子、いくつかの実施形態では殺有害生物剤処理済物質、例えば植物種子の80%以上が鳥により摂取されないような量での鳥用忌避組成物の使用を意味する。
【0028】
用語「致死用量」は、鳥により摂取された場合に、鳥に致死的である物質の用量又は量を意味する。この用語は、摂取時に直接的に死亡を引き起こさないことがある量にあるが、鳥に方向感覚を失わせうる又は捕食者を回避できなくさせうる効果を有する、亜致死用量を包含する。この効果は、鳥が害から鳥自体を保護することができないために最終的に死に至らせる中毒症の形態にある。
【0029】
用語「非致死用量」は、その鳥により摂取された場合に、鳥に対して致死的又は亜致死的ではない物質の用量又は量を意味する。
【0030】
方法
本出願人らは、忌避レベルではない阻止レベルの鳥用忌避剤とビジュアルキュー剤との組み合わせを有する殺有害生物剤処理済物質の開発を通じて、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取する問題を解決した。そのため、鳥が、こぼれた又は散った殺有害生物剤処理済物質を偶発的に摂取するという更なる問題もまた解決され、その理由は、そのような物質が本明細書で教示されている、忌避レベルではない阻止レベルにある本明細書で開示されている組成物でコーティングされている場合に、そのような鳥が、こぼれた又は散った殺有害生物剤処理済物質を摂取することが阻止されるからである。
【0031】
したがって、忌避剤及び阻止剤の使用における主要な差が本発明の目的である。当技術分野で既知の目的が、殺有害生物剤処理済物質、例えば植物種子を、鳥による減損から保護することであるならば、忌避レベル濃度(即ち80%以上の忌避性)の鳥用忌避剤/ビジュアルキュー組成物が使用されなければならない(例えば、参照によりその全容が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0157477号を参照されたい)。しかしながら、本明細書に記載されている通り、その目的が、鳥が殺有害生物剤処理済物質を摂取することを単に阻止することであるならば、より低レベルの鳥用忌避/ビジュアルキュー組成物(即ち、60%以下の忌避性)が使用されるべきである。鳥用忌避/ビジュアルキュー組成物の阻止レベルは、忌避剤としては有効でない鳥用忌避量であるが、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを妨げる阻止剤としては有効であり、忌避レベル濃度の鳥用忌避/ビジュアルキュー組成物を使用する場合に起こりうる非致死用量の同じ殺有害生物剤処理済物質の摂取は妨げない。阻止レベルの殺有害生物剤処理済物質の累積消費は、毒性レベル未満、及び鳥を脅かし得る行動の変化において管理される。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質、いくつかの実施形態では殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを阻止するが、非致死用量の同じ殺有害生物剤処理済物質の摂取は妨げない、方法に関する。この実施形態の方法は、殺有害生物剤処理済物質に、鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤を含む阻止有効量の鳥用忌避組成物を適用することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、鳥用忌避剤は、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせである。
【0034】
アントラキノンが存在する実施形態では、アントラキノンは、例えば、9,10-アントラキノン、1,4-アントラキノン、1,2-アントラキノン、2,6-アントラキノン、1-ニトロアントラキノン、1-クロロアントラキノン、1-アミノアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノン、2-ヒドロキシアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1,5-ジヒドロキシアントラキノン、2,6-ジヒドロキシアントラキノン、1,8-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-(4-メチル-ペンチル)アントラキノン、2-(4-メチルペンテニル)アントラキノン、1-メトキシアントラキノン、1,5-ジメトキシアントラキノン、2-(N,N-ジメチルアミノ)アントラキノン、1,4-ビス((エテニルフェニル)アミノ)-9,10-アントラキノン、1,8-ビス((エテニルフェニル)アミノ)-9,10-アントラキノン、1-((エテニルフェニル)アミノ)-9,10-アントラキノン、1-エテニルフェニルアミノ-4-ヒドロキシ-9,10-アントラキノン、1-((エテニルフェニル)アミノ)-4-((4-メチルフェニル)アミノ)-9,10-アントラキノン、1,4-ビス((アリルオキシエチルフェニル)アミノ)-9,10-アントラキノン、1-(アリルオキシメチルフェニル)アミノ-4-ヒドロキシ-9,10-アントラキノン、1-(アリルオキシエチルフェニル)アミノ-4-ヒドロキシ-9,10-アントラキノン、1-(4-(2-(アリルアミノカルボニルオキシ)エチル)フェニルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、1-(4-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル)アミノ-ヒドロキシ-9,10-アントラキノン、2,6-ジヒドロキシ-9,10-アントラキノン、1,5-ジメチル-2,6-ジヒドロキシ-9,10-アントラキノン、2,3,6,7-テトラヒドロキシ-9,10-アントラキノン、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-2,4,6,8-テトラメチル-9,10-アントラキノン、2,7-ジヒドロキシ-1,8-ジメチル-9,10-アントラキノン、又はこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、アントラキノンは構造:
【化1】
[式中、R
1、R
2及びR
3のうちの1つは、--NH--(CH
2)
m--CH
3であり、他の2つは、それぞれ独立に、水素、又はC
1~4アルキル基から選択され; n及びmは、それぞれ独立に、4~17の整数である(参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0327603号)]
を有する。
【0035】
アントラヒドロキノンが存在する実施形態では、アントラヒドロキノンは、例えば、9,10-ジヒドロアントラヒドロキノン、1,4-ジヒドロアントラヒドロキノン, 1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラヒドロキノン、又はこれらの任意の組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、アントラヒドロキノンは構造:
【化2】
(式中、R
1~8は、独立に、水素原子、又は1~6個の炭素原子を有するアルキル基である)
を有する。
【0036】
ベンゾキノンが存在する実施形態では、ベンゾキノンは、例えば、1,4-ベンゾキノン、1,2-ベンゾキノン、又はこれらの組み合わせであることができる。
【0037】
アントラニレートが存在する実施形態では、アントラニレートは、例えば、アントラニル酸メチル、アントラニル酸エチル、アントラニル酸ジメチル、アントラニル酸ジエチル、又はこれらの組み合わせであることができる。
【0038】
精油が存在する実施形態では、精油は、例えば、ペパーミント油、シトロネラ、ガーリック油、ラベンダー油、杜松子油、シナモン油、ローズマリー油、ユーカリ油、バジル油、クローブ油、レモングラス油、タイム油、オレガノ油、レモン油、ゼラニウム油、ローズウッド油、又はこれらの組み合わせであることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ビジュアルキュー剤は、TiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせである。TiO2が存在する実施形態では、TiO2は、例えばルチル、イルメナイト、アナターゼ、又はブルッカイトが源でありうる。CaCO3が存在する実施形態では、CaCO3は、例えばカルサイト、アラゴナイト又はバテライトが源でありうる。そのため、いくつかの実施形態は、鳥用忌避剤とビジュアルキュー剤との組み合わせ、例えばアントラキノンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;アントラヒドロキノンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;フルトラニルとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;ベンゾキノンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;アントラニレートとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;カフェインとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;シハロトリンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;フェニル酢酸メチルとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;フェニル酢酸エチルとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;o-アミノアセトフェノンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;ベラトリルアミンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;ケイ皮アルデヒドとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;ケイ皮酸とTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;シンナミドとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;キトサンとTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;精油とTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせ;又はTiO2、CaCO3若しくはこれらの組み合わせとの任意の組み合わせにおける前述した鳥用忌避剤のうちの任意のものに関する。
【0040】
他の実施形態における更なる方法は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質、例えば殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを阻止する方法であって、殺有害生物剤処理済物質を、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ;及びTiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む阻止有効量の組成物と接触させることを含み、殺有害生物剤処理済物質への阻止レベルの組成物の適用は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質を摂取することを阻止するのに有効であるが、殺有害生物剤処理済物質を含む場所から鳥を忌避させない、方法に関する。
【0041】
更に、いくつかの実施形態は、鳥が致死用量の殺有害生物剤処理済物質、例えば殺有害生物剤処理済植物種子を摂取することを妨げる方法であって、殺有害生物剤処理済物質に、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニレート、カフェイン、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、キトサン、精油、又はこれらの組み合わせ;及びTiO2、CaCO3、又はこれらの組み合わせを含む阻止有効量の組成物を適用することを含む、方法に関する。
【0042】
鳥用忌避剤、ビジュアルキュー剤、又はその両方は、いくつかの実施形態では、当業者に既知である好適な不活性担体と共に配合されうる。鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤の製剤は、適用の特定の標的及び方法により多様でありうる。該作用剤は、例えば、溶液、エマルション、乳化性濃縮物、懸濁液濃縮物、湿潤性粉末、ダスト、顆粒、付着性のダスト若しくは顆粒、及び/又はエアロゾルとして配合されうる。詳細には、該担体は、農学的に許容されて、構造物、農業の畑又は作物、種子、実生の植物、果樹園、ブドウ園、飼料、肥料、殺有害生物剤、動物又は昆虫のえさ、及びこれらの組み合わせへの適用に好適でありうる。特定の担体は、水、水性界面活性剤混合物、アルコール、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、グリコール、ケトン、エステル、(天然又は合成の)油、クレイ、カオリナイト、シリカ、セルロース、ゴム、タルク、バーミキュレート及び合成ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない液体相又は固体相の担体であることができる。鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤はまた、単一の組成物において配合され得、又は異なる組成物中で配合されて別々に適用されうる。鳥用忌避剤及び/又はビジュアルキュー剤はまた、紫外線安定剤、抗酸化剤、えさ、アジュバント、除草剤、肥料、及び殺虫剤及び抗真菌剤を含む殺有害生物剤が挙げられるがこれらに限定されない他の農業的に有益な作用剤との添加混合物において配合されうる。
【0043】
いくつかの実施形態では、適用の工程は、約100ppm~約600ppm、約100ppm~約550ppm、約100ppm~約500ppm、約100ppm~約450ppm、約100ppm~約400ppm、約100ppm~約350ppm、約100ppm~約300ppm、約100ppm~約250ppm、約100ppm~約200ppm、約100ppm~約150ppm、約150ppm~約600ppm、約200ppm~約600ppm、約250ppm~約600ppm、約300ppm~約600ppm、約350ppm~約600ppm、約400ppm~約600ppm、約450ppm~約600ppm、約500ppm~約600ppm、約550ppm~約600ppm、約100ppm~約600ppm、約200ppm~約500ppm、約200ppm~約450ppm、約200ppm~約400ppm、約200ppm~約350ppm、約200ppm~約300ppm、約200ppm~約250ppm、約250ppm~約500ppm、約300ppm~約500ppm、約350ppm~約500ppm、約400ppm~約500ppm、約450ppm~約500ppm、約300ppm~約400ppm、約300ppm~約450ppm又は約350ppm~約400ppmの、殺有害生物剤処理済物質に適用される鳥用忌避組成物をもたらす。いくつかの実施形態では、殺有害生物剤処理済物質は、約100、約105、約110、約115、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、 約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約295、約300、約305、約310、約315、約325、約330、約335、約340、約345、約350、約355、約360、約365、約370、 約375、約380、約385、約390、約395、約400、約405、約410、約415、約425、約430、約435、約440、約445、約450、約455、約460、約465、約470、約475、約480、約485、約490、約495、約500、約505、約510、約515、約525、約530、約535、約540、約545、約550、約555、約560、約565、約570、約575、約580、約585、約590、約595又は約600ppmの鳥用忌避組成物を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、適用の工程は、約100ppm~約2000ppm、約100ppm~約1950ppm、約100ppm~約1900ppm、約100ppm~約1850ppm、約100ppm~約1800ppm、約100ppm~約1750ppm、約100ppm~約1700ppm、約100ppm~約1650ppm、100ppm~約1600ppm、約100ppm~約1550ppm、約100ppm~約1500ppm、100ppm~約1450ppm、100ppm~約1400ppm、約100ppm~約1350ppm、100ppm~約1300ppm、約100ppm~約1250ppm、約100ppm~約1200ppm、100ppm~約1150ppm、約100ppm~約1100ppm、100ppm~約1050ppm、100ppm~約1000ppm、100ppm~約950ppm、約100ppm~約900ppm、約100ppm~約850ppm、約100ppm~約800ppm、約100ppm~約750ppm、約100ppm~約700ppm、約100ppm~約650ppm、約100ppm~約600ppm、約100ppm~約550ppm、約100ppm~約500ppm、約100ppm~約450ppm、約100ppm~約400ppm、約100ppm~約350ppm、約100ppm~約300ppm、約100ppm~約250ppm、約100ppm~約200ppm、約100ppm~約150ppm、約150ppm~約2000ppm、約200ppm~約2000ppm、約250ppm~約2000ppm、約300ppm~約2000ppm、約350ppm~約2000ppm、約400ppm~約2000ppm、約450ppm~約2000ppm、約500ppm~約2000ppm、約550ppm~約2000ppm、約600ppm~約2000ppm、約650ppm~約2000ppm、約700ppm~約2000ppm、約750ppm~約2000ppm、約800ppm~約2000ppm、約850ppm~約2000ppm、約900ppm~約2000ppm、約950ppm~約2000ppm、約1000ppm~約2000ppm、約1050ppm~約2000ppm、約1100ppm~約2000ppm、約1150ppm~約2000ppm、約1200ppm ~約2000ppm、約1250ppm~約2000ppm、約1300ppm~約2000ppm、約1350ppm~約2000ppm、約1400ppm~約2000ppm、約1450ppm~約2000ppm、約1500ppm~約2000ppm、約1550ppm~約2000ppm、約1600ppm~約2000ppm、約1650ppm~約2000ppm、約1700ppm~約2000ppm、約1750ppm~約2000ppm、約1800ppm~約2000ppm、約1850ppm~約2000ppm、約1900ppm~約2000ppm、約1950ppm~約2000ppm、約200ppm~約1800ppm、約200ppm~約1750ppm、約200ppm~約1700ppm、約200ppm~約1650ppm、約200ppm~約1600ppm、約200ppm~約1550ppm、200ppm~約1500ppm、約200ppm~約1450ppm、約200ppm~約1400ppm、約200ppm~約1350ppm、約200ppm~約1300ppm、約200ppm~約1250ppm、約200ppm~約1200ppm、約200ppm~約1150ppm、約200ppm~約1100ppm、約200ppm~約1050ppm、約200ppm~約1000ppm、約200ppm~約950ppm、約200ppm~約900ppm、約200ppm~約850ppm、約200ppm~約800ppm、約200ppm~約750ppm、約200ppm~約700ppm、約200ppm~約650ppm、約200ppm~約600ppm、約200ppm~約550ppm、約200ppm~約500ppm、約200ppm~約450ppm、約200ppm~約400ppm、約200ppm~約 350ppm、約200ppm~約300ppm、約200ppm~約250ppm、約250ppm~約1900ppm、約300ppm~約1900ppm、約350ppm~約1900ppm、約400ppm~約1900ppm、約450ppm~約1900ppm、約500ppm~約1900ppm、約550ppm~約1900ppm、約600ppm~約1900ppm、約650ppm~約1900ppm、約700ppm~約1900ppm、約750ppm~約1900ppm、約800ppm~約1900ppm、約850ppm~約1900ppm、約900ppm~約 1900ppm、約950ppm~約1900ppm、約1000ppm~約1900ppm、約1050ppm~約1900ppm、約1100ppm~約1900ppm、約1150ppm~約1900ppm、約1200ppm~約1900ppm、約1250ppm~約1900ppm、約1300ppm~約1900ppm、約1350ppm~約1900ppm、約1400ppm~約1900ppm、約1450ppm~約1900ppm、約1500ppm~約1900ppm、約1550ppm~約1900ppm、約1600ppm~約1900ppm、約1650ppm~約1900ppm、約1700ppm~約1900ppm、約1750ppm~約1900ppm、約1800ppm~約1900ppm、約1850ppm~約1900ppm、約300ppm~約1800ppm、約300ppm~約1750ppm、約300ppm~約1700ppm、約300ppm~約1650ppm、約300ppm~約1600ppm、約300ppm~約1550ppm、約300ppm~約1500ppm、約300ppm~約1450ppm、約300ppm~約1400ppm、約300ppm~約1350ppm、約300ppm~約1300ppm、約300ppm~約1250ppm、約300ppm~約1200ppm、約300ppm~約1150ppm、約300ppm~約1100ppm、約300ppm~約1050ppm、約300ppm~約1000ppm、約300ppm~約950ppm、約300ppm~約900ppm、約300ppm~約850ppm、約300ppm~約800ppm、約300ppm~約750ppm、約300ppm~約700ppm、約300ppm~約650ppm、約300ppm~約600ppm、約300ppm~約550ppm、約300ppm~約500ppm、約300ppm~約450ppm、約300ppm~約400ppm、約300ppm~約350ppm、約350ppm~約1800ppm、約400ppm~約1800ppm、約450ppm~約1800ppm、約500ppm~約1800ppm、約550ppm~約1800ppm、約600ppm~約1800ppm、約650ppm~約1800ppm、約700ppm~約 1800ppm、約750ppm~約1800ppm、約800ppm~約1800ppm、約900ppm~約1800ppm、約850ppm~約1800ppm、約900ppm~約1800ppm、約950ppm~約1800ppm、約1000ppm~約1800ppm、約1050ppm~約1800ppm、約1100ppm~約1800ppm、約1150ppm~約1800ppm、約1200ppm~約1800ppm、約1250ppm~約1800ppm、約1300ppm~約1800ppm、約1350ppm~約1800ppm、約1400ppm~約1800ppm、約1450ppm~約1800ppm、約1500ppm~約1800ppm、約1550ppm~約1800ppm、約1600ppm~約1800ppm、約1650ppm~約1800ppm、約1700ppm~約1800ppm、約1750ppm~約1800ppm、約400ppm~約1700ppm、約400ppm~約1650ppm、約400ppm~約1600ppm、約400ppm~約1550ppm、約400ppm~約1500ppm、約400ppm~約1450ppm、約400ppm~約1400ppm、約400ppm~約1350ppm、約400ppm~約1300ppm、約400ppm~約1250ppm、約400ppm~約1200ppm、約400ppm~約1150ppm、約400ppm~約1100ppm、約400ppm~約1050ppm、約400ppm~約1000ppm、約400ppm~約950ppm、約400ppm~約900ppm、約400ppm~約850ppm、約400ppm~約800ppm、約400ppm~約750ppm、約400ppm~約700ppm、約400ppm~約650ppm、約400ppm~約600ppm、約400 ppm~約550ppm、約400ppm~約500ppm、約400ppm~約450ppm、約450ppm~約1700ppm、約500ppm~約1700ppm、約550ppm~約1700ppm、約600ppm~約1700ppm、約650ppm~約1700ppm、約700ppm~約1700ppm、約750ppm~約1700ppm、約800ppm~約1700ppm、約850ppm~約1700ppm、約900ppm~約1700ppm、約950ppm~約1700ppm、約1000ppm~約1700ppm、約1050ppm~約1700ppm、約1100ppm~約1700ppm、約1150ppm~約1700ppm、約1200ppm~約1700ppm、約1250ppm~約1700ppm、約1300ppm~約1700ppm、約1350ppm~約1700ppm、約1400ppm~約1700ppm、約1450ppm~約1700ppm、約1500ppm~約1700ppm、約1550ppm~約1700ppm、約1600ppm~約1700ppm、約1650ppm~約1700ppm、約500ppm~約1600ppm、約500ppm~約1550ppm、約500ppm~約1500ppm、約500ppm~約1450ppm、約500ppm~約1400ppm、500ppm~約1350ppm、約500ppm~約1300ppm、約500ppm~約1250ppm、約500ppm~約1200ppm、約500ppm~約1150ppm、約500ppm~約1100ppm、約500ppm~約1050ppm、約500ppm~約1000ppm、約500ppm~約950ppm、約500ppm~約900ppm、約500ppm~約850ppm、約500ppm~約800ppm、約500ppm~約750ppm、約500ppm~約700ppm、約500ppm~約650ppm、約500ppm~約600ppm、約500ppm~約550ppm、約550ppm~約1600ppm、約600ppm~約1600ppm、約650ppm~約1600ppm、約700ppm~約1600ppm、約750ppm~約1600ppm、約800ppm~約1600ppm、約850ppm~約1600ppm、約900ppm~約1600ppm、約950ppm~約1600ppm、約1000ppm~約1600ppm、約1050ppm~約1600ppm、約1100ppm~約1600ppm、約1150ppm~約1600ppm、約1200ppm~約1600ppm、約1250ppm~約1600ppm、約1300ppm~約1600ppm、約1350ppm~約1600ppm、約1400ppm~約1600ppm、約1450ppm~約1600ppm、約1500ppm~約1600ppm、約1550ppm~約1600ppm、約600ppm~約1500ppm、約600ppm~約1450ppm、約600ppm~約1400ppm、約600ppm~約1350ppm、約600ppm~約1300ppm、約600ppm~約1250ppm、約600ppm~約1200ppm、約600ppm~約1150ppm、約600ppm~約1100ppm、約600ppm~約1050ppm、約600ppm~約1000ppm、約600ppm~約950ppm、約600ppm~約900ppm、約600ppm~約850ppm、約600ppm~約800ppm、約600ppm~約750ppm、約600ppm~約700ppm、約600ppm~約650ppm、約650ppm~約1500ppm、約700ppm~約1500ppm、約750ppm~約1500ppm、約800ppm~約1500ppm、約850ppm~約1500ppm、約900ppm~約1500ppm、約950ppm~約1500ppm、約1000ppm~約1500ppm、約1050ppm~約1500ppm、約1100ppm~約1500ppm、約1150ppm~約1500ppm、約1200ppm~約1500ppm、約1250ppm~約1500ppm、約1300ppm~約1500ppm、約1350ppm~約1500ppm、約1400ppm~約1500ppm、約1450ppm~約1500ppm、約700ppm~約1400ppm、約700ppm~約1350ppm、約700ppm~約1300ppm、約700ppm~約1250ppm、約700ppm~約1200ppm、約700ppm~約1150ppm、約700ppm~約1100ppm、約700ppm~約1050ppm、約700ppm~約1000ppm、約700ppm~約950ppm、約700ppm~約900ppm、約700ppm~約850ppm、約700ppm~約800ppm、約700ppm~約750ppm、約750ppm~約1400ppm、約800ppm~約1400ppm、約850ppm~約1400ppm、約900ppm~約1400ppm、約950ppm~約1400ppm、約1000ppm~約1400ppm、約1050ppm~約1400ppm、約1100ppm~約1400ppm、約1150ppm~約1400ppm、約1200ppm~約1400ppm、約1250ppm~約1400ppm、約1300ppm~約1400ppm、約1350ppm~約1400ppm、約800ppm~約1300ppm、約800ppm~約1250ppm、約800ppm~約1200ppm、約800ppm~約1150ppm、約800ppm~約1100ppm、約800ppm~約1050ppm、約800ppm~約1000ppm、約800ppm~約950ppm、約800ppm~約900ppm、約800ppm~約850ppm、約850ppm~約1300ppm、900ppm~約1300ppm、約950ppm~約1300ppm、約1000ppm~約1300ppm、約1050ppm~約1300ppm、約1100ppm~約1300ppm、約1150ppm~約1300ppm、約1200ppm~約1300ppm、約1250ppm~約1300ppm、約900ppm~約1200ppm、約900ppm~約1150ppm、約900ppm~約1100ppm、約900ppm~約1050ppm、約900ppm~約1000ppm、約900ppm~約950ppm、約950ppm~約1200ppm、約1000ppm~約1200ppm、約1050ppm~約1200ppm、1100ppm~約1200ppm、約1150ppm~約1200ppm、約900ppm~約1100ppm、約900ppm~約1050ppm、約900ppm~約1000ppm、約900ppm~約950ppm、約950ppm~約1100ppm、約1000ppm~約1100ppm、約1050ppm~約1100ppmの、殺有害生物剤処理済物質に適用されるビジュアルキュー剤をもたらす。いくつかの実施形態では、殺有害生物剤処理済物質は、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約610、約620、約630、約640、約650、約660、約670、約680、約690、約700、約710、約720、約730、約740、約750、約760、約770、約780、約790、約800、約810、約820、約830、約840、約850、約860、約870、約880、約890、約900、約910、約920、約930、約940、約950、約960、約970、約980、約990、約1000、約1010、約1020、約1030、約1040、約1050、約1060、約1070、約1080、約1090、約1100、約1110、約1120、約1130、約1140、約1150、約1160、約1170、約1180、約1190、約1200、約1210、約1220、約1230、約1240、約1250、約1260、約1270、約1280、約1290、約1300、約1310、約1320、約 1330、約1340、約1350、約 1360、約1370、約1380、約1390、約1400、約1410、約1420、約1430、約1440、約1450、約1460、約1470、約1480、約1490、約1500、約1510、約1520、約1530、約1540、約1550、約1560、約1570、約1580、約1590、約1600、約1610、約1620、約1630、約1640、約1650、約1660、約1670、約1680、約1690、約1700、約1710、約1720、約1730、約1740、約1750、約1760、約1770、約1780、約1790、約1800、約1810、約1820、約1830、約1840、約1850、約1860、約1870、約1880、約1890、約1900、約1910、約1920、約1930、約1940、約1950、約1960、約1970、約1980、約1990又は約2000のビジュアルキュー剤を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、殺有害生物剤処理済物質に適用されるビジュアルキュー剤と鳥用忌避組成物との比は、約0.1:1~約10:1であることができる。いくつかの実施形態では、殺有害生物剤処理済物質に適用されるビジュアルキュー剤と鳥用忌避剤との比は、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約0.6:1、約0.7:1、約0.8:1、約0.9:1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2:1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3.0:1、約3.1:1、約 3.2:1、約3.3:1、約3.4:1、約3.5:1、約3.6:1、約3.7:1、約3.8:1、約3.9:1、約4:1、約4.1:1、約4.2:1、約4.3:1、約4.4:1、約4.5:1、約4.6:1、約4.7:1、約4.8:1、約4.9:1、約5:1、約5.1:1、約5.2:1、約5.3:1、約5.4:1、約5.5:1、約5.6:1、約5.7:1、約5.8:1、約5.9:1、約6:1、約6.1:1、約6.2:1、約6.3:1、約6.4:1、約6.5:1、約6.6:1、約6.7:1、約6.8:1、約6.9:1、約7:1、約7.1:1、約7.2:1、約7.3:1、約7.4:1、約7.5:1、約7.6:1、約7.7:1、約7.8:1、約7.9:1、約8:1、 約8.1:1、約8.2:1、約8.3:1、約8.4:1、約8.5:1、約8.6:1、約8.7:1、約8.8:1、約8.9:1、約9:1、約9.1:1、約9.2:1、約9.3:1、約9.4:1、約9.5:1、約9.6:1、約9.7:1、約9.8:1、約9.9:1又は約10:1であることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、鳥は、例えば、スズメ目からの止まり木の鳥、例えばサパイオア、カマドムシクイ、アリドリ、地上アリドリ、アリサザイ、ジアリドリ科、タパクロ、タイランチョウ、ティティラ、コンティガス、マイコドリ、トガリハシ、モズ、ビレオ、ジェイズ、カラス、カササギ、ワタリガラス、ヒバリ、ツバメ、マーティン、ひよこ、シジュウカラ、ツリスガラ、エナガ、ナツハッチ、キバシリ、ミゾサザイ、ブユムシクイ、ディッパー、ヒヨドリ、キクイタダキ、メボソムシクイ、旧世界ムシクイ、ヨシキリ、ドナコビウス(donacobius)、グラスバード、旧世界ヒタキ、ムクドリ、マイナス、ツグミ、モッキンバード、スラッシャー、イワヒバリ、セキレイ、タヒバリ、レンジャク、レンジャクモドキ、ヤシドリ、オリーブアメリカムシクイ、ツメナガホオジロ、モリムシクイ、フウキンチョウ、アメリカスズメ、トウヒチョウ、ジュンコ(juncos)、カーディナル(cardinals)、グロスビーク、クロウタドリ、マキバドリ、コウウチョウ、グラックル、オリオールズ、フィンチ、旧世界スズメ科、ウィーバー、エストリルディッドフィンチ(estrildid finches)又はウィダーであることができる。
【0047】
殺有害生物剤処理済物質には、任意の殺有害生物剤で処理された任意の物質が挙げられ、詳細には、摂取する鳥に致死的でありうるレベルの殺有害生物剤で処理された任意の物質が挙げられる。いくつかの例には、作物、種子、実生の植物、果樹園、ブドウ園、飼料、肥料、及び動物又は昆虫のえさが挙げられるがこれらに限定されない。種子には、植物種子、例えばトウモロコシ、果実、穀物、草、マメ科植物、レタス、キビ、エンバク、コメ、条はん作物、ソルガム、ヒマワリ、木の実、芝地、野菜又はコムギの種子が挙げられるがこれらに限定されない。
【0048】
鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤を含む本開示の組成物は、殺有害生物剤処理済物質に、当業者に既知の任意の方法によって適用されうる。例えば、鳥用忌避剤及び/又はビジュアルキュー剤は、殺有害生物剤処理済物質上に組成物を噴霧することによって、又は殺有害生物剤処理済物質を鳥用忌避及び/若しくはビジュアルキュー組成物の液状分散液中若しくはその前駆体の液状溶液中に浸漬させることによって、殺有害生物剤処理済物質に適用されうる。いくつかの実施形態では、殺有害生物剤処理済物質、具体的には殺有害生物剤処理済種子をコーティングする方法は、そこで、鳥用忌避及び/又はビジュアルキュー剤組成物又はそれらの前駆体を含有する液体コーティング上に噴霧している間に種子が撹拌される「種子ボックス」の使用を包含する。処理する分散液の微細な液滴は、種子が自由流れのままであるような速度で噴霧されうる。処理する材料はまた、それらが空気中で流体化される間に、殺有害生物剤処理済物質上にも噴霧されうる。鳥用忌避剤及び/又はビジュアルキュー剤並びにそれらの前駆体は、そのような方法で適用されうる。殺有害生物剤処理済物質はまた、いくつかの実施形態では、処理する溶液中への浸漬によってコーティングされ得、この方法が集中的乾燥を包含することを特記する。コーティングが、鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤を含む有効量の組成物を提供するのに十分である限り、更なるコーティングの厚さは必要とされない。
【0049】
鳥用忌避剤コーティングは、両方の組成物(即ち、鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤)が、殺有害生物剤処理済物質に同時に適用されるように、又は鳥用忌避剤又はビジュアルキュー剤のいずれかが、殺有害生物剤処理済物質に最初に適用されて他の成分がそれに続くようにコーティングが段階的にコーティングされうるように、配合されうる。別々に適用される場合、鳥用忌避剤又はビジュアルキュー剤のその順序は、得られるコーティングされた殺有害生物剤処理済物質が、それらの致死用量を鳥が摂取することを阻止する限り、特に重要ではない。更に、鳥用忌避剤及びビジュアルキュー剤が別々に適用される場合、最初のコーティング(即ち、鳥用忌避剤又はビジュアルキュー剤のいずれか)は、他の成分での第2のコーティングに先立って、部分的に又は完全に乾燥されることが可能でありうる。いくつかの実施形態では、最初のコーティングが第2のコーティングに即座に続いてもよく、ここで、最初のコーティングの乾燥は起こらない。
【0050】
本開示の阻止レベルの鳥用忌避組成物を含む、殺有害生物剤処理済植物種子は、任意の既知の方法によって植えられうる。例えば、いくつかの実施形態では、該種子は、土壌中に直接播種され、又は土壌上に散らされる。直接播種は、例えば散布(標的の領域上にわたるランダムな拡散)、条植え(種子の条同士の間の距離を測定するもの)、又は蒔付け(例えば手による蒔付け種又はオープンフィールド蒔付け)によって実現されうる。コーティングされた種子の阻止の性質のために、こぼれた又は散った種子は本方法で許容され、その理由は、そのようなこぼれた又は散った種子は、鳥が種子を摂取することを阻止することになるからである。
【実施例】
【0051】
[実施例1]
殺有害生物剤、例えば殺虫剤又は抗真菌剤で処理された作物種子(例えばトウモロコシ、コメ、ダイズ)から野鳥を保護する目的のため。表1は、鳥において殺有害生物剤の毒性レベルに到達するような量の種子を消費することからの野鳥の忌避及び阻止のための、推奨されるアントラキノン適用率(種子100重量当たりの流体オンス)を比較して要約している。忌避率は、作物種子のうちの5%未満が減損するところで、鳥による減損から作物種子を保護する目的で、より多い用量を必要とし得る。これは、籠の鳥の試験において忌避率≧80%と解釈される。比較して、阻止は≦60%忌避率と説明される。鳥が忌避するのを避けるのに必要な用量よりはるかに少ないが、鳥を偶発的毒性から避けるには十分な用量である。
【0052】
【国際調査報告】