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特表2022-518107オーディオビジュアルライブコンテンツ配信のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】オーディオビジュアルライブコンテンツ配信のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/647 20110101AFI20220307BHJP
   H04L 45/00 20220101ALI20220307BHJP
   H04N 21/61 20110101ALI20220307BHJP
【FI】
H04N21/647
H04L12/761
H04N21/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531094
(86)(22)【出願日】2018-11-28
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2018001488
(87)【国際公開番号】W WO2020109834
(87)【国際公開日】2020-06-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521231455
【氏名又は名称】ブロードピーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベール,ソフィー
(72)【発明者】
【氏名】ブレビオン,レミー
(72)【発明者】
【氏名】レナード,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ジーン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ブトー,ピエール-オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C164SB24S
5C164TA08S
5C164TA22P
5C164TB03S
5C164TB04S
5C164TB11S
5C164TB45P
5K030HD03
5K030JT04
5K030LD05
5K030LD06
(57)【要約】
オーディオビジュアルライブコンテンツ配信システムは、ゲートウェイ(140)を介して、プロバイダネットワーク(102)にアクセスするクライアント(110)と、プロバイダネットワーク(102)を介してマルチキャスト形式でオーディオビジュアルライブコンテンツを送信するためのマルチキャスタを備える、オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器(120)と、マルチキャスタからマルチキャスト形式で受信されたオーディオビジュアルライブコンテンツのユニキャスト形式の変換を実行することができるデマルチキャスタ(150)と、オーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求のルーティングを管理するコントローラ(130)と、を含む。クライアント(110)は、デマルチキャスタ(150)の潜在的存在および可用性に関する情報を受信することを目的とした発見手順を実行する。クライアント(110)が標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信することを意図するときに、クライアント(110)は、デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の指示を提供する要求をコントローラ(130)に送信する。次いで、コントローラ(130)は、少なくともデマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の指示に従って、クライアント(110)をどのようにリダイレクトして要求を果たすかを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツをクライアント(110)に配信するための方法であって、前記方法が、
-プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供するゲートウェイ(140)によって前記プロバイダネットワーク(102)に相互接続されたローカルエリアネットワーク(101)に位置するか、または前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)に位置する、前記クライアント(110)と、
-前記プロバイダネットワーク(102)を介して、マルチキャスト形式でオーディオビジュアルライブコンテンツを伝送するためのマルチキャスタがある1つ以上のサーバを備える、オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器(120)と、
-前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置する任意のデバイス内のデマルチキャスタ(150)であって、前記マルチキャスタからマルチキャスト形式で受信されたオーディオビジュアルライブコンテンツのユニキャスト形式の変換を実行することができる、デマルチキャスタ(150)と、
-オーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求のルーティングを管理するコントローラ(130)と、を含む、オーディオビジュアルライブコンテンツシステムによって実行され、
前記方法が、
-前記クライアント(110)が、前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)および前記ローカルエリアネットワーク(101)に接続された任意のデバイスから、前記デマルチキャスタ(150)の潜在的存在および可用性に関する情報を受信することを目的とした発見手順(200、210、500、510、701、901、911、1111)を実行することと、
前記クライアント(110)が前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信することを意図するときに、
-前記クライアント(110)が、前記デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の指示を提供する、または提供しない前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求(201、211、503、513、704、904、914、1114)を前記コントローラ(130)に送信することと、
-前記コントローラ(130)が、少なくとも前記デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の前記指示に従って、前記クライアント(110)をどのようにリダイレクトして、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求を果たすかを判定することと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の前記指示が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得するために前記要求において暗黙的に提供され、その結果、前記デマルチキャスタ(150)が存在し利用可能である場合に、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する前記要求が、前記発見手順から生じる前記デマルチキャスタ(150)のアドレスを提供するインラインパラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロバイダネットワーク(102)が、前記プロバイダネットワーク(102)を介して、前記ゲートウェイ(140)および前記ローカルエリアネットワーク(101)からのアップリンク通信を可能にし、前記コントローラ(130)が、前記プロバイダネットワーク(102)上に位置し、前記コントローラ(130)は、前記コントローラ(130)が、前記クライアント(110)が前記変換から利益を得ることができないと判断するときに、前記クライアント(110)を前記オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器のユニキャストサーバ(123)にリダイレクトし、そうでなければ前記クライアント(110)を前記デマルチキャスタ(150)にリダイレクトする、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記クライアントが、前記プロバイダネットワーク(102)に位置するドメイン名サーバ(161)にドメイン名解決を要求することによって、前記コントローラ(130)に接触するアドレスを判定し、前記ドメイン名解決が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを識別するユニフォームリソースロケータに含まれる完全修飾ドメイン名に関するものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記デマルチキャスタ(150)が、前記マルチキャスタ(121)から前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信する前記オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器(120)の修復ユニキャストサーバ(122)から、マルチキャスト形式で失われた前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツのセグメントを検索する、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記クライアント(110)を前記デマルチキャスタ(150)にリダイレクトするときに、前記コントローラ(130)が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する前記要求に指示され、かつ前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを識別する、ユニフォームリソースロケータに含まれる前記完全修飾ドメイン名を提供するインラインパラメータを含むリダイレクトメッセージを伝送し、前記デマルチキャスタ(150)が、前記クライアント(110)が前記変換から利益を受けることができないと判定したときに、前記デマルチキャスタ(150)が、前記クライアント(110)を前記プロバイダネットワーク(102)上のユニキャストサーバにリダイレクトし、前記デマルチキャスタ(150)が、前記完全修飾ドメイン名を提供する前記インラインパラメータを使用して、前記プロバイダネットワーク(102)に位置するドメイン名サーバ(161)にドメイン名解決を要求することによって、前記ユニキャストサーバのアドレスを判定する、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記プロバイダネットワーク(102)が、前記プロバイダネットワーク(102)を介して、前記ゲートウェイ(140)および前記ローカルエリアネットワーク(101)からのアップリンク通信を可能にし、前記コントローラ(130)が、前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置し、前記コントローラ(140)は、前記コントローラ(130)が、前記クライアント(110)が前記変換から利益を受けることができないと判定するときに、前記クライアント(110)を前記プロバイダネットワーク(102)上のマルチキャスト非認識ユニキャストサーバにリダイレクトし、そうでなければ前記クライアントを前記デマルチキャスト(150)にリダイレクトする、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記クライアント(110)が、前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置するローカルドメイン名サーバ(162)にドメイン名解決を要求することによって、前記コントローラ(130)に接触するアドレスを判定し、前記ドメイン名解決が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを識別するユニフォームリソースロケータに含まれる完全修飾ドメイン名に関するものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コントローラ(130)が、前記完全修飾ドメイン名を前記コントローラ(130)のアドレスと関連付けるように、前記ローカルドメイン名サーバ(162)を事前に構成している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コントローラ(130)および前記デマルチキャスタ(150)が、同じマシン内に併設されており、前記クライアント(110)が、前記発見手順から生じる前記デマルチキャスタ(150)に接触するアドレスから前記コントローラ(130)に接触する前記アドレスを導出することによって、前記コントローラ(130)に接触するアドレスを判定する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記デマルチキャスタ(150)が、前記マルチキャスタ(121)から前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信する前記オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器(120)の修復ユニキャストサーバ(122)から、マルチキャスト形式で失われた前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツのセグメントを検索する、請求項8~10に記載の方法。
【請求項12】
前記クライアント(110)を前記デマルチキャスタ(150)にリダイレクトするときに、前記コントローラ(130)が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する前記要求に指示され、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを識別するユニフォームリソースロケータに含まれる前記完全修飾ドメイン名を提供するインラインパラメータを含むリダイレクトメッセージを伝送し、前記デマルチキャスタ(150)が、前記クライアント(110)が前記変換から利益を受けることができないと判定したときに、前記デマルチキャスタ(150)が、前記クライアント(110)を前記プロバイダネットワーク(102)上のマルチキャスト非認識ユニキャストサーバにリダイレクトし、前記デマルチキャスタ(150)が、前記完全修飾ドメイン名を提供する前記インラインパラメータを使用して、前記プロバイダネットワーク(102)に位置するドメイン名サーバ(161)にドメイン名解決を要求することによって、前記マルチキャスト非認識ユニキャストサーバのアドレスを判定する、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記プロバイダネットワーク(102)が、前記プロバイダネットワーク(102)を介して、前記ゲートウェイ(140)および前記ローカルエリアネットワーク(101)からのアップリンク通信を可能にせず、前記コントローラ(130)が、前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置し、前記コントローラ(130)は、前記コントローラ(130)が、前記クライアント(110)が前記変換から利益を受けることができないと判定するときに、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する前記要求を拒否し、そうでなければ前記クライアント(110)を前記デマルチキャスト(150)にリダイレクトする、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記クライアントが、前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置するローカルドメイン名サーバ(162)にドメイン名解決を要求することによって、前記コントローラ(130)に接触するアドレスを判定し、前記ドメイン名解決が、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを識別するユニフォームリソースロケータに含まれる完全修飾ドメイン名に関するものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記デマルチキャスタ(150)が、前記完全修飾ドメイン名を前記コントローラ(130)のアドレスと関連付けるように、前記ローカルドメイン名サーバ(162)を事前に構成している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラ(130)および前記デマルチキャスタ(150)が、同じマシン内に併設されており、前記クライアント(110)が、前記発見手順から生じる前記デマルチキャスタ(150)に接触するアドレスから前記コントローラ(130)に接触する前記アドレスを導出することによって、前記コントローラ(130)に接触するアドレスを判定する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
オーディオビジュアルライブコンテンツ配信システムであって、
-プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供するゲートウェイ(140)によって前記プロバイダネットワーク(102)に相互接続されたローカルエリアネットワーク(101)に位置するか、または前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)に位置するクライアント(110)と、
-前記プロバイダネットワーク(102)を介してマルチキャスト形式でオーディオビジュアルライブコンテンツを伝送するためのマルチキャスタがある1つ以上のサーバを備える、オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器(120)と、
-前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)または前記ローカルエリアネットワーク(101)に位置する任意のデバイス内のデマルチキャスタ(150)であって、前記マルチキャスタからマルチキャスト形式で受信されたオーディオビジュアルライブコンテンツのユニキャスト形式の変換を実行することができる、デマルチキャスタ(150)と、
-オーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求のルーティングを管理するコントローラ(130)と、を含み、
-前記クライアント(110)が、前記プロバイダネットワーク(102)へのアクセスを提供する前記ゲートウェイ(140)および前記ローカルエリアネットワーク(101)に接続された任意のデバイスから、前記デマルチキャスタ(150)の潜在的存在および可用性に関する情報を受信することを目的とした発見手順(200、210、500、510、701、901、911、1111)を実行するための手段を含むことと、
-前記クライアント(110)が、前記クライアント(110)が前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信することを意図するときに、前記デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の指示を提供する、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求を前記コントローラ(130)に送信するための手段(201、211、503、513、704、904、914、1114)を含むことと、
-前記コントローラ(130)が、少なくとも前記デマルチキャスタ(150)の存在および可用性の有無の前記指示に従って、前記クライアント(110)をどのようにリダイレクトして、前記標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求を果たすかを判定することと、を特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、クライアントデバイスと、ローカルエリアネットワークをプロバイダネットワークに相互接続するゲートウェイデバイスであって、クライアントデバイスが、ローカルエリアネットワークに接続されている、ゲートウェイデバイスと、プロバイダネットワークに接続されているオーディオビジュアルライブコンテンツを提供するように適合された機器と、にオーディオビジュアルライブコンテンツを配信することに関する。
【0002】
関連技術
過去に、ほとんどのビデオライブストリーミング技術は、RTP(規範文書RFC 3550で定義されている「リアルタイム転送プロトコル」)またはRTSP(規範文書RFC 2326で定義されている「リアルタイムストリーミングプロトコル」)などのストリーミングプロトコルに依存していた。今日のライブストリーミング技術は、ほぼHTTP(規範的文書RFC 2616で定義されている「ハイパーテキストトランスファープロトコル」)のみに基づいており、インターネットなどの大規模かつ分散的なHTTPネットワークで効率的に動作するように設計されている。
【0003】
アダプティブビットレートストリーミング(ABS)は、コンピュータネットワークを介したコンテンツのストリーミングに使用される一般的なHTTPストリーミング技術の1つであり、HLS(以下「HTTPライブストリーミング」)は、HTTPに基づくライブストリーミング通信プロトコルであり、Apple Inc.によって開発されており、1つの特定の実装である。HLSは、全体的なAV(「オーディオビジュアル」)ストリームを、HTTPベースの小さなファイルダウンロードのシーケンスに分割することで動作し、各々が、潜在的に無限の転送ストリーム全体の1つのチャンクを含む。AVコンテンツは、様々な解像度で利用可能であり、チャンクに分割され、チャンクは、実際の解像度に関わらず、AVコンテンツの時間セグメントに対応する、AVコンテンツの一部である。AVストリームが再生されると、AVコンテンツを復号化するクライアントデバイスは、様々なそれぞれの解像度(様々なそれぞれのビットレート)で符号化された同じマテリアルを含む異なる代替バージョン(レイヤまたは表現とも称される)から選択してもよく、ストリーミングセッションがネットワークの利用可能な伝送リソースおよび/またはクライアントデバイスの利用可能な処理リソースに適合することを可能にする。ストリーミングセッションの開始時に、クライアントデバイスは、通常、「M3U」または「m3u8」ファイル拡張子を有するテキストファイルの形態でプレイリストをダウンロードする。このテキストファイルには、関連するAVコンテンツで利用可能な様々な代替バージョンのメタデータが含まれている。
【0004】
同様のABSアプローチは、Microsoft Corp.によって提供される統合HTTPベースのメディア配信プラットフォームであるInternet Information Services(IIS)Media Servicesの特徴であるSmooth Streamingによって実装される。AVストリームがプレイリストファイルを補完したチャンクを含む複数のファイルで切断されるHLSとは対照的に、Smooth Streamingはピースに切断される単一のAVファイルに依存し、各ファイルには該当する層を指示する記述子およびAVコンテンツ内の参照時間が含まれる。しかしながら、プロトコルの基礎および利点は同等である。
【0005】
同様に、Moving Picture Experts Groupが開発した、かつ、HDS、HLSおよびSmooth Streamingに関連するMPEGダッシュと称される、マルチメディアストリーミング技術であるAdobe SystemsのHTTP Dynamic Streaming(HDS)およびDynamic Adaptive Streaming over HTTP を同様に考慮してもよい。「mpd」ファイル拡張子を持つファイルが次いで使用される。
【0006】
HTTPベースのストリーミング技術は、HTTPがファイアウォールを通過することを可能にし、TCP(規範文書RFC 793によって定義される「伝送制御プロトコル」)に依存することによってデータの整合性を保証するため、非常に便利である。しかし、ABSの文脈におけるHTTPのユニキャストの性質は、ライブストリーミングにABSベースの機構を採用することを妨げるCDN(「コンテンツ配信ネットワーク」)オペレータにとって大きなスケーラビリティの問題を生み出している。実際、HTTPベースのストリーミング技術はユニキャスト伝送に依存し、したがって、多くのユーザがAVライブコンテンツの視聴を同時に要求する可能性があるため、バックエンドインフラストラクチャの観点から持続不可能である可能性がある。
【0007】
ライブAVコンテンツ配信のためのHTTPベースのストリーミング技術のこのような欠点を考慮して、多くのオペレータはマルチキャストベースのライブストリーミング技術に依存している。これにより、バックエンドインフラストラクチャをより費用対効果の高い方法でサイジングすることができる。したがって、マルチキャスト-ABR(以下、特許文献EP 2 704 391 A1に開示されているように、M-ABRと称される)で改善されている。
【0008】
これは、マニフェストファイルおよびAVライブコンテンツの様々な表現をマルチキャストIP(規範文書RFC 791によって定義される「インターネットプロトコル」)パケットとしてマルチキャストまたはブロードキャスト媒体を介して送信することで構成され、したがって、ネットワークリソースの大幅な消費削減を提供する。ネットワーク側には、いわゆるマルチキャストサーバ(マルチキャスタと称される)があり、基本的にマニフェストを取得し、その後、対応するセグメントを発信元サーバから取得する。マルチキャスタは、中間転送プロトコルのいくつかのカプセル化スキームを使用して、マルチキャストIPパケット内のセグメントをカプセル化する。ゲートウェイ側には、当該中間転送プロトコルを実装することによってマルチキャストIPパケットを受信し、ユニキャスト送信を使用することによってクライアントデバイスのプレイヤに供給する準備ができたメディアセグメントとしてペイロードを抽出する、いわゆるデマルチキャスタが存在する。プレイヤは、セグメントの持続時間および推定品質/ビットレートに基づいて、従来のユニキャスト方式(例えば、MPEGダッシュ)で、クライアントデバイスの立場からHTTPサーバとして機能するデマルチキャスタにセグメントを要求する。
【0009】
クライアントデバイスがデマルチキャスタをプロキシとして使用することを保証するために、特許文献EP 2 704 391 A1は、クライアントデバイスがAVライブコンテンツの配信を要求するCDNコントローラが、クライアントデバイスが位置するローカルエリアネットワーク(LAN)と、CDNコントローラとマルチキャスタが位置するプロバイダネットワークとを相互接続するゲートウェイ内のデマルチキャスタにクライアントデバイスをリダイレクトするリダイレクト機構を開示している。
【0010】
しかしながら、柔軟性の考慮のために、CDNコントローラが、クライアントデバイスが位置するLANとプロバイダネットワークとを相互接続するゲートウェイがこのようなデマルチキャスタを実装するかどうか、また、存在する場合、このデマルチキャスタが問題のクライアントデバイスを担当することができるかどうかを動的に判定することが望ましいであろう。クライアントデバイスの観点からCDNコントローラと見なされるデバイスの有効な場所、特にCDNコントローラと見なされるデバイスの有効な場所がクライアントデバイスの実装に影響を及ぼさないという点で柔軟なソリューションを提供することがさらに望ましい。クライアントデバイス(例えば、ブロードキャストネットワーク)からのアップリンク通信能力を有しないプロバイダネットワークおよびこのようなアップリンク通信能力を有するプロバイダネットワークをサポートするのに十分な柔軟性を有するソリューションを提供することがさらに望ましい。
【0011】
適応ストリーミングの文脈で動作するソリューションを提供することがさらに望ましく、したがって、様々な対応するビットレート(または解像度)で符号化されたAVライブコンテンツの異なる代替バージョン(または表現)の可用性からユーザが利益を得ることが可能になる。
【0012】
また、単純かつ費用対効果の高いソリューションを提供することも特に望ましい。
【発明の概要】
【0013】
そのために、本発明は、標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツをクライアントに配信するための方法に関し、本方法は、
【0014】
-プロバイダネットワークへのアクセスを提供するゲートウェイによってプロバイダネットワークに相互接続されたローカルエリアネットワークに位置する、またはプロバイダネットワークへのアクセスを提供するゲートウェイに位置するクライアントと、
【0015】
-プロバイダネットワークを介してマルチキャスト形式でオーディオビジュアルライブコンテンツを伝送するためのマルチキャスタがある1つ以上のサーバを備える、オーディオビジュアルライブコンテンツ配信機器と、
-プロバイダネットワークへのアクセスを提供するゲートウェイまたはローカルエリアネットワークに位置する任意のデバイス内のデマルチキャスタであって、マルチキャスタからマルチキャスト形式で受信されたオーディオビジュアルライブコンテンツのユニキャスト形式の変換を実行することができる、デマルチキャスタと、
-オーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求のルーティングを管理するコントローラと、を含む、オーディオビジュアルライブコンテンツシステムによって実行され、
本方法は、
-クライアントが、プロバイダネットワークへのアクセスを提供するゲートウェイおよびローカルエリアネットワークに位置する任意のデバイスから、デマルチキャスタの潜在的存在および可用性に関する情報を受信することを目的とした発見手順を実行することと、
クライアントが標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを受信することを意図するときに、
-クライアントが、デマルチキャスタの存在および可用性の有無の指示を提供する、または提供しない標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求をコントローラに送信することと、
-コントローラが、少なくとも前記デマルチキャスタの存在および可用性の有無の指示に従って、クライアントをどのようにリダイレクトして、標的化されたオーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求を果たすかを判定することと、を含む。
【0016】
したがって、要求において、デマルチキャストの存在および可用性の有無の指示を受信することによって、コントローラは、マルチキャストからユニキャストへの変換からクライアントに利益をもたらすことが可能であるかどうかを判定することができる。コントローラは、存在しない、または存在するが利用可能(例えば、アクティブ)ではないデマルチキャスタにクライアントをリダイレクトしようとすることを回避する。コントローラは、ローカルエリアネットワーク内のゲートウェイまたは別のデバイスがデマルチキャスタを埋め込んでいるかどうか、また、デマルチキャスタ(存在する場合)が有効にアクティブであるかどうかを自身で確認する必要があることを回避し、これは、コントローラが多数のゲートウェイと対話するときに、時間およびリソースを消費する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の特徴は、少なくとも1つの実施形態の以下の説明の読み取りからより明確に現れるであろう。当該説明は、添付の図面を参照して作成される。
【0018】
図1】本発明による、AVライブコンテンツ配信システムを模式的に表す。
図2A】本発明による、AVライブコンテンツ配信システムに発生する交換を模式的に表す。
図2B】本発明による、AVライブコンテンツ配信システムに発生する交換を模式的に表す。
図3】AVライブコンテンツ配信システム内のデバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャを模式的に表す。
図4】AVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態を模式的に表す。
図5A】AVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
図5B】AVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
図6】AVライブコンテンツ配信システムの第2の実施形態を模式的に表す。
図7】AVライブコンテンツ配信システムの第2の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
図8】AVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態を模式的に表す。
図9A】AVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
図9B】AVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
図10】AVライブコンテンツ配信システムの第4の実施形態を模式的に表す。
図11】AVライブコンテンツ配信システムの第4の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
【0019】
少なくとも1つの実施形態の詳細な説明
図1は、本発明による、AVライブコンテンツ配信システムを模式的に表す。
【0020】
AVライブコンテンツ配信システムは、LAN101とプロバイダネットワークPN102とを相互接続するゲートウェイGW140を備える。プロバイダネットワークPN102は、例えばISP(「インターネットサービスプロバイダ」)ネットワークである。プロバイダネットワークPN102は、例えば、ケーブルまたは衛星放送ネットワークである。したがって、プロバイダネットワークPN102は、以下で詳細に説明されるように、ダウンリンクおよびアップリンク伝送を可能にしてもよく、またはダウンリンク伝送のみを可能にしてもよい。好ましい実施形態において、LAN101およびプロバイダネットワークPN102は、IPプロトコルをサポートする。ゲートウェイGW140は、好ましくはレジデンシャルゲートウェイである。
【0021】
AVライブコンテンツ配信システムは通常、複数のLANを含み、したがって、異なる地理的位置にあるクライアントデバイスがAVライブコンテンツ配信から利益を得ることを可能にするように、それぞれのゲートウェイによってプロバイダネットワークPN102に相互接続される。
【0022】
AVライブコンテンツ配信システムでは、少なくとも1つのクライアントがプレイヤPL110を含む、または、それに接続されている。クライアントは通常、LAN101に接続されている。プレイヤPL110は、クライアントによって受信されたAVライブコンテンツをユニキャスト形式で消費する(例えば、再生する、記録する)ように適合され、構成されている。好ましくは、クライアントは、HTTPを使用してAVライブコンテンツを通信し、受信するように適合され、構成されており、例えば、HAS(「HTTP Adaptive Streaming」)スキームに準拠したAVライブコンテンツを消費するように適合され、構成されている。したがって、クライアントはマルチキャストまたはブロードキャスト形式でAVライブコンテンツを受信することができない。以下に詳細に説明するように、プレイヤPL110は、AVライブコンテンツ配信システムのインフラストラクチャに対して不可知である。クライアントは、AVライブコンテンツデータがプレイヤPL110に十分な形式であるように、プレイヤPL110によって消費されることを意図して受信したAVライブコンテンツデータを形作る。クライアントは、プレイヤPL110が当該AVライブコンテンツデータを受信することを可能にするためにプロトコル交換を実行する。以下、クライアントおよびプレイヤPL110が単一のエンティティであることを簡素化のために考慮する。
【0023】
AVライブコンテンツ配信システムでは、コンテンツ配信機器CDE120は、プロバイダネットワークPN102に直接または間接的に接続される。コンテンツ配信機器CDE120は、1つ以上のサーバを備える。コンテンツ配信機器CDE120は、少なくともマルチキャスタを備える。マルチキャスタは、プロバイダネットワークPN102AVライブコンテンツをマルチキャスト形式で提供することを担当する。例えば、マルチキャスタは、UDP(規範文書RFC 768によって定義される「ユーザデータグラムプロトコル」)上でRTPを使用したマルチキャストストリームの形式でAVライブコンテンツの様々な表現を提供する。プロバイダネットワークPN102を介したマルチキャスト送信に依存することは、ユニキャスト方式でのAVライブコンテンツの配信と比較して、バックエンドインフラストラクチャ(すなわち、AVライブコンテンツ配信を実行するためのコンテンツ配信機器CDE120によって必要とされる処理リソースおよび帯域幅)のダウンサイジングを可能にする。
【0024】
マルチキャスタの上流には、AVライブコンテンツの様々な表現をセグメントにパッケージ化することを担当する発信元サーバ(発信元パッケージャとも称される)が存在してもよく、これらはすべて、例えば、HASスキームに準拠したメディアファイルのセットとして整列されている(同じ期間、同じ画像)。発信元パッケージャの上流には、AVライブコンテンツ(例えば、テレビチャネル)の様々な表現を発信元パッケージャに配信するOTT(「オーバーザトップ」)エンコーダが存在してもよく、各表現は、特定のビットレート/品質を有するOTTエンコーダによって符号化される。
【0025】
ゲートウェイGW140またはLAN101内の別のデバイス(クライアントを含む)は、デマルチキャスタDM150を備える。デマルチキャスタDM150は、おそらくデマルチキャスタDM150がLAN101内の別のデバイスに位置するときにゲートウェイGW140を通過することによって、マルチキャスタによって伝送されたマルチキャストIPパケットを受信するように適合され、構成されている。
【0026】
デマルチキャスタDM150は、ユニキャスト伝送を使用することによってプレイヤPL110に供給する準備ができたAVライブコンテンツセグメントを抽出するように適合され、構成されている。プレイヤPL110がAVライブコンテンツを受信するときに、プレイヤPL110は、AVライブコンテンツを受信するために利用可能な帯域幅を監視し、さらに、利用可能な帯域幅および好ましくは利用可能な内部処理リソースと一致するAVライブコンテンツの表現を選択するように適合され、構成されている。したがって、デマルチキャスタDM150は、マルチキャストからユニキャストへの変換を実行するように適合され、構成されている。そのために、デマルチキャスタDM150は、例えば、IGMP(規範文書RFC3376によって定義されるように、「インターネットグループ管理プロトコル」)プロトコルを実装することによって、マルチキャストストリーム登録を管理するように適合され、構成されている。さらに、デマルチキャスタDM150は、事前の構成によって、例えば、コンテンツ配信機器CDE120によって提供される所定の専用マルチキャストストリームもしくはチャネルを使用することによって、またはコンテンツ配信機器CDE120の所定の専用構成サーバと交換することによって、どのAVライブコンテンツがマルチキャスト伝送を介して受信され得るかを知る。
【0027】
デマルチキャスタDM150は、デマルチキャスタDM150がマルチキャスト伝送中に失われたAVライブコンテンツセグメントを検索することを可能にするために、コンテンツ配信機器CDE120のユニキャストサーバRUSを修復するユニキャスト形式のAVライブコンテンツセグメントを要求し、それに応答して受信するようにさらに適合され、構成されてもよい。この態様は、以下で取り上げられる。
【0028】
ゲートウェイGW140およびLAN101等のプロバイダネットワークPN102に接続されるゲートウェイおよびLANは、このようなデマルチキャスタを含んでもよく、一方、プロバイダネットワークPN102に接続される他のゲートウェイまたは他のLANは、このようなデマルチキャスタを含まなくてもよい。さらに、このようなデマルチキャスタを含むゲートウェイまたはLANの中で、いくつかのデマルチキャスタが存在するが、アクティブではなくてもよく、いくつかのデマルチキャスタは、メモリおよび/または処理リソースが既に不足している可能性がある。この態様は、以下で詳細に取り上げられる。
【0029】
AVライブコンテンツ配信システムでは、コントローラCTRL130は、AVライブコンテンツ配信を編成し、すなわち、オーディオビジュアルライブコンテンツを取得する要求のルーティングを管理する。AVライブコンテンツ配信システムのインフラストラクチャに応じて、コントローラCTRL130は、プロバイダネットワークPN102に位置し、もしくはそれに接続されもよく、または、ゲートウェイGW140もしくはLAN101に位置してもよい。プレイヤPL110が(例えば、ユーザコマンドに従って)AVライブコンテンツを消費することが予想されるとき、プレイヤPL110は、問題のAVライブコンテンツの配信を要求するためにコントローラCTRL130に接触する。プレイヤPL110は、コントローラCTRL130がAVライブコンテンツを配信することができるサーバであるかのようにコントローラCTRL130に接触する。コントローラCTRL130が単独でAVライブコンテンツを配信できないという事実は、プレイヤPL110にとって透過的である。プレイヤPL110は、DNS(「ドメイン名システム」)解決を使用して、またはゲートウェイGW140もしくはLAN101内の別のデバイスにおけるデマルチキャスタDM150の可用性を検出することを目的とした発見手順からアドレス推定を使用して、コントローラCTRL130に接触する方法を判定する。この態様は、以下で詳細に取り上げられる。AVライブコンテンツを配信する要求を果たすために、コントローラCTRL130は、プロバイダネットワークPN102内のリソース消費を最適化する目的で、AVライブコンテンツ配信システムのインフラストラクチャおよび実際の動作状態を考慮して実行可能なものに応じて、プレイヤPL110を適切なユニキャストサーバ(例えば、コンテンツ配信機器CDE120の)またはデマルチキャスタDM150にリダイレクトする。言い換えれば、コントローラは、マルチキャストからユニキャストへの変換をクライアントに提供することができるように、少なくとも、このようなマルチキャストからユニキャストへの変換をクライアントに提供することができるデマルチキャスタの存在および可用性の有無の指示に従って、標的化されたAVライブコンテンツを取得する要求を果たすようにクライアントをリダイレクトする方法を判定する。この態様は、以下でも詳細に取り上げられる。
【0030】
特定の実施形態において、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に設置される。別の特定の実施形態では、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に接続されたセットトップボックスに設置される。このようなセットトップボックスは、LAN101内にあり、LAN101を介して、または専用リンクによって、ゲートウェイGW140にさらに接続されてもよい。
【0031】
特定の実施形態において、クライアントおよびプレイヤPL110は、ゲートウェイGW140、またはゲートウェイGW140に接続されたセットトップボックスに設置される。デマルチキャスタDM150がゲートウェイGW140、またはそれに接続されたセットトップボックスにも存在する場合、クライアントおよびプレイヤPL110は、デマルチキャスタDM150に対して密閉して、存在する場合、コントローラCTRL130から設置される。つまり、発見手順を実行する前に、クライアントおよびプレイヤPL110は、それらがデマルチキャスタDM150と同じデバイス内に併設されているかどうかを認識していないことを意味する。
【0032】
図2Aおよび図2Bは、本発明による、AVライブコンテンツ配信システム内で発生する交換を模式的に表す。
【0033】
図2Aのステップ200および図2Bのステップ210において、プレイヤPL110は、ゲートウェイGW140およびLAN101上の任意の他のデバイスが、当該ゲートウェイGW140またはLAN101上の当該他のデバイスが利用可能なデマルチキャスタを埋め込むかどうかをプレイヤPL110に通知する必要がある発見手順を開始する。プレイヤPL110がゲートウェイGW140とは異なるデバイスに埋め込まれると、LAN101において発見手順が実行される。プレイヤPL110が、このようなデマルチキャスタ(ゲートウェイGW140など)を埋め込むことができるデバイスによってホストされるときに、発見手順は、プレイヤPL110をホストするデバイスのAPI(「アプリケーションプログラミングインターフェース」)を介してさらに実行される。
【0034】
利用可能なデマルチキャスタは、第1に存在し、第2にアクティブである(すなわち、実行中である)デマルチキャスタを指す。利用可能なデマルチキャスタは、マルチキャストからユニキャストへの変換のための補足的なAVライブコンテンツを担当するのに十分なメモリおよび/または処理リソースを有するデマルチキャスタをさらに指してもよい。
【0035】
以下では、プレイヤPL110がゲートウェイGW140とは異なるデバイスに埋め込まれていること、また、LAN101のみで発見処理が行われることを例示的に検討する。LAN101の文脈において本明細書に記載される発見手順原理は、前述のAPIの文脈において必要な修正を加えて適用される。
【0036】
例えば、発見手順は、UPnP(標準文書ISO/IEC29341で定義されている「Universal Plug n’Play」)プロトコルでも使用されるSSDP(「シンプルサービスディスカバリープロトコル」)プロトコルなどのSDP(「サービスディスカバリープロトコル」)プロトコルまたはAppleのBonjourまたはDNSベースのサービス発見アプローチなどの技術Zeroconfを使用する。例えばゲートウェイGW140に位置し、おそらくデマルチキャスタDM150によって事前に構成されたローカルDNSサーバは、存在する場合、当該デマルチキャスタDM150と関連付けられた所定のドメイン名の解決を可能にする。
【0037】
発見手順の間、プレイヤPL110は、デマルチキャスタがゲートウェイGW140に存在するかどうか、またはより一般的にLAN101上に存在するかどうか、また、好ましくはデマルチキャスタ(存在する場合)がアクティブであるかどうかを判定するためにLAN101をプローブする。デバイスがこのようなデマルチキャスタをホストする場合、当該デバイスは、問題のデマルチキャスタDM150を識別する記述子に応答して伝送する。ゲートウェイGW140がデマルチキャスタDM150を埋め込むことを考慮すると、したがって、ゲートウェイGW140は、デマルチキャスタDM150を識別する記述子を応答して伝送する。したがって、記述子は、本質的に、デマルチキャスタDM150の存在を指示する。記述子は、デマルチキャスタDM150と、おそらくデマルチキャスタDM150を設置する際の構成によって定義されるデマルチキャスタDM150のローカル名とを接触させるためのアドレスをさらに示す。
【0038】
本明細書で使用される「アドレス(address)」という用語は、特にIPアドレスおよびポート番号の連結を含むその広義で理解されなければならないことに留意されたい。
【0039】
記述子は、デマルチキャスタDM150がアクティブであるかどうかをさらに示してもよい。記述子は、デマルチキャスタDM150が、別のAVライブコンテンツ配信を受け入れるのに十分なメモリおよび/または処理リソースを有するかどうかをさらに示してもよい。このような情報を記述子に記入するために、デマルチキャスタDM150をホストするデバイスは、デマルチキャスタDM150がアクティブであること、また、おそらくデマルチキャスタDM150が別のAVライブコンテンツ配信を受け入れるのに十分なメモリおよび/または処理リソースを有するかどうかを確認するように内部的に要求してもよい。
【0040】
好ましい代替的な実施形態では、記述子は、デマルチキャスタDM150ならびにデマルチキャスタDM150に接触するためのIPアドレスおよびポート番号などのアドレスの存在のみを指示する。次いで、プレイヤPL110は、記述子に提供されるアドレスを使用して、デマルチキャスタDM150がアクティブであるかどうかを判定するために、デマルチキャスタDM150に専用の要求を伝送する。デマルチキャスタDM150が当該専用要求に応答すると、プレイヤPL110は、デマルチキャスタDM150がアクティブであると結論づける。応答するときに、デマルチキャスタDM150は、デマルチキャスタDM150が別のAVライブコンテンツ配信を受け入れるのに十分なメモリおよび/または処理リソースを有するかどうかを指示してもよい。所定のタイムアウト遅延内に専用要求への応答が受信されない場合、プレイヤPL110は、デマルチキャスタDM150が非アクティブであると結論づける。
【0041】
図2Aのステップ201および図2Bのステップ211において、プレイヤPL110は、コントローラCTRL130に接触するためのアドレスを取得し、コントローラCTRL130に、1つの特定のAVライブコンテンツの配信を要求する要求REQ1を伝送する。したがって、要求REQ1は、問題のAVライブコンテンツを識別するユニキャストメッセージである。例えば、要求REQ1は、HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpdなどの(AVライブコンテンツがパッケージ化されている形式を考慮して)適切なファイル拡張子を持つテキストファイルへのパスが後に続く、FQDN(「完全修飾ドメイン名」)で構成されるURL(「ユニフォームリソースロケータ」)を含むHTTP取得メッセージである。
【0042】
要求REQ1は、発見後、プレイヤPL110がプロバイダネットワークPN102にアクセスするゲートウェイが、プレイヤPL110のAVライブコンテンツ配信を担当することができるデマルチキャスタを埋め込むかどうかを指示する情報をさらに含む。例えば、上記の例を再利用すると、要求REQ1は、デマルチキャスタ可用性を示すときに、以下のような情報を明示的に提供するインラインパラメータを含む。
HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpd?de-multicaster=ON
デマルチキャスタが利用不可能であることを示す場合、以下の通りである。
HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpd?de-multicaster=OFF
【0043】
別の好ましいアプローチは、要求REQ1がこのような情報を暗黙的に含むことである。要求REQ1は、代わりに、問題のデマルチキャスタのアドレスまたはそのローカル名を提供するインラインパラメータ(存在する場合)を含む。アドレスが指定されていない場合、利用可能なデマルチキャスタがなく、要求REQ1にはこのようなインラインパラメータが含まれておらず、例えば、次のようになる。
HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpd
そうでなければ、要求REQ1は、例えば以下のように、インラインパラメータとして、当該デマルチキャスタのアドレスまたはローカル名を含む。
HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpd?
de-multicaster=192.168.1.100:8000
【0044】
ここで、この例では、192.168.1.100:8000は、デマルチキャスタDM150のIPアドレスとポート番号の組み合わせである。
【0045】
この好ましいアプローチは、有利には、AVライブコンテンツ配信システムに展開されているすべてのデマルチキャスタのための確立されたローカル名および/またはアドレスのみを有することを回避することを可能にする。
【0046】
要求REQ1は、デマルチキャスタが存在する場合、追加のインラインパラメータとして、以下のFQDN情報(この例ではtv.myISP.com)をさらに含んでもよい。
HTTP GET tv.myISP.com/SportsChannel1.mpd?
de-multicaster=192.168.1.100:8000&FQDN_orig= tv.myISP.com
【0047】
これは、後述の詳細な実施形態で説明される、例えば、アクセス制御の理由およびさらなる態様のために、デマルチキャスタDM150にとって有用である。このインラインパラメータは必須ではないことに留意すべきである。存在しない場合、次いで、それは、プレイヤPL110をデマルチキャスタDM150にリダイレクトするときにコントローラCTRL130によって追加されてもよい。存在する場合、コントローラCTRL130には透過的であり、コントローラ130は、プレイヤPL110をデマルチキャスタDM150にダイレクトする必要があるときに、要求REQ1のインラインパラメータをコピーする必要があるだけである。
【0048】
図2Aのステップ201では、要求REQ1は、プレイヤPL110のAVライブコンテンツ配信を担当することができるデマルチキャスタがローカルに存在することを指示する情報を含むと考えられる。図2Bのステップ211において、要求REQ1は、プレイヤPL110のAVライブコンテンツ配信を担当することができるデマルチキャスタがローカルに存在しないことを示す情報を含むと相補的に考えられる。
【0049】
図2Aのステップ202および図2Bのステップ212では、コントローラCTRL130は、問題のAVライブコンテンツが任意の形式で利用可能であるかどうかをチェックする。コントローラCTRL130が、問題のAVライブコンテンツが任意の形式で利用可能でないと判定すると、コントローラCTRL130は、例えば、HTTPエラー404メッセージを返すことによって、要求REQ1を拒否する。
【0050】
図2Aのステップ202では、コントローラCTRL130は、問題のAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるかどうかをチェックする。コントローラCTRL130は、例えば、マルチキャスト形式で利用可能なAVライブコンテンツのリストを提供するファイルにアクセスする。コントローラCTRL130が、問題のAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であると判定すると、コントローラCTRL130は、図2Aに示すように、プレイヤPL110をデマルチキャスタDM150にリダイレクトする。そのために、コントローラCTRL130は、要求REQ1に応答して伝送されるリダイレクトメッセージREDIR1に、要求REQ1のインラインパラメータとして提供されるように、デマルチキャスタDM150のアドレスまたはローカル名を含むことが好ましい。
【0051】
さらに、プロバイダネットワークPN102がアップリンク通信を許可するときに、コントローラCTRL130は、リダイレクトメッセージREDIR1に、(例えば、コンテンツ配信機器CDE120の)プロバイダネットワークPN102上のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバのアドレス(またはURL)をインラインパラメータとして含んでもよい。このようなユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバは、特に、デマルチキャストDM150がマルチキャスト形式で受信したセグメントの中に少なくとも1つの欠落したAVライブコンテンツがあることを検出したときに、ユニキャスト形式のセグメントによってマルチキャスト形式で受信したAVライブコンテンツセグメントを完了するために、後でデマルチキャストDM150によって使用することができる。
【0052】
上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR1は、したがって、例えば以下のようになる。
HTTP REDIRECT 192.168.1.100:8000/SportsChannel1.mpd?FQDN_orig=tv.myISP.com&CDN_unicastServer=<address of the server>
【0053】
コントローラCTRL130が問題のAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能ではないと判定するときに、コントローラCTRL130は、AVライブコンテンツ配信システムのインフラストラクチャがゲートウェイGW140およびLAN101からコンテンツ配信機器CDE120へのアップリンク通信を可能にする場合、また、このようなユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバがプロバイダネットワークPN102内(例えば、コンテンツ配信機器CDE120内)に存在する場合、プレイヤPL110を(例えば、コンテンツ配信機器CDE120の)プロバイダネットワークPN102上のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバにリダイレクトする。したがって、プレイヤPL110は、図2Bに示すように、ゲートウェイGW140またはLAN101の任意の他のデバイスにデマルチキャスタが存在しないかのように、同じ方法でリダイレクトされる。
【0054】
コントローラCTRL130が、問題のAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるかどうかを判定することができないときに、コントローラCTRL130は、デマルチキャスタDM150にこのようなチェックを最後に実行させる。この場合、コントローラCTRL130は、リダイレクトメッセージREDIR1のインラインパラメータとして、問題のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバのアドレス(またはURL)を指示することが好ましい。
【0055】
次いで、リダイレクトメッセージREDIR1の各インラインパラメータは、リダイレクト中にプレイヤPL110によってデマルチキャスタDM150に提供され、したがって、デマルチキャスタDM150は、必要に応じてユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバのアドレスを識別することを可能にする。この態様は、図8に示される特定のインフラストラクチャの実施形態の文脈において図9Aおよび図9Bで取り上げられるが、同じ原理は、図4に示される特定のインフラストラクチャの実施形態の文脈においても(すなわち、プロバイダネットワークPN102がアップリンク通信を可能にする限り)適用される。
【0056】
特定の実施形態では、プレイヤPL110をデマルチキャスタDM150にリダイレクトするリダイレクトメッセージREDIR1は、例えば、修復ユニキャストサーバのアドレス(存在する場合)、および/またはコントローラCTRL130によって既知の場合、問題のAVライブコンテンツの様々な表現のマルチキャストアドレスなどの他のインラインパラメータをさらに含む。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR1は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 192.168.1.100:8000/SportsChannel1.mpd?FQDN_orig=tv.myISP.com&CDN_unicastServer=<address of the server>
&repair=172.16.254.1:80
【0057】
ここで、172.16.254.1:80は、問題の修復ユニキャストサーバに割り当てられたIPアドレスとポート番号の組み合わせである。
【0058】
ここで、図2Bのステップ212を参照すると、コントローラCTRL130は、問題のAVライブコンテンツがユニキャスト形式で利用可能であるかどうかをチェックする。コントローラCTRL130は、例えば、ユニキャスト形式で利用可能なAVライブコンテンツのリストを提供するファイルにアクセスする。コントローラCTRL130が問題のAVライブコンテンツがユニキャスト形式で利用可能ではないと判定するときに、コントローラCTRL130は、AVライブコンテンツ配信システムのインフラストラクチャがLAN101からコンテンツ配信機器CDE120へのアップリンク通信を可能にする場合、また、このようなユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバがプロバイダネットワークPN102内(例えば、コンテンツ配信機器CDE120内)に存在する場合、プレイヤPL110を(例えば、コンテンツ配信機器CDE120の)プロバイダネットワークPN102上のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバにリダイレクトする。そのために、コントローラCTRL130は、要求REQ1に応答して送信されるリダイレクトメッセージREDIR1に、問題のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバのアドレスを含むことが好ましい。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR1は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 172.16.248.3:80/SportsChannel1.mpd
【0059】
ここで、172.16.248.3:80は、問題のユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバのIPアドレスとポート番号の組み合わせである。
【0060】
そうでなければ、コントローラCTRL130は、例えば、HTTPエラー404メッセージを返すことによって、要求REQ1を拒否する。
【0061】
図2Aのステップ203および図2Bのステップ213において、プレイヤPL110は、リダイレクトメッセージREDIR1に含まれる命令に従って、別の要求REQ2を伝送する。したがって、要求REQ2は、コントローラCTRL130が最初に要求した以外のサーバから問題のAVライブコンテンツの配信を要求する。図2Aのステップ203では、プレイヤPL110は、要求REQ2をデマルチキャスタDM150に伝送する。
【0062】
図2Bのステップ213では、プレイヤPL110は、要求REQ2をユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバに伝送する。
【0063】
したがって、プレイヤPL110は、問題のAVライブコンテンツを受信する。図2Aのステップ205において、ステップ204においてコンテンツ配信機器CDE120から受信された伝送の中継として機能するデマルチキャスタDM150からユニキャスト形式でAVライブコンテンツを受信するか、または図2Bのステップ214において、ユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバ(例えば、コンテンツ配信機器CDE120)からユニキャスト形式で、すなわち、デマルチキャスタDM150を介して通過することなく、AVライブコンテンツを受信するかのいずれかである。
【0064】
ステップ204および205では、プロバイダネットワーク102がアップリンク通信を許可するときに、要求されたAVライブコンテンツセグメントは、コンテンツ配信機器CDE120のマルチキャスタから以前にマルチキャスト形式で受信されたように、デマルチキャスタDM150に存在し、デマルチキャスタDM150は、要求されたAVライブコンテンツセグメントをプレイヤPL110に返すことができるか、またはセグメントが欠落している場合、デマルチキャスタDM150は、ユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバからコンテンツを要求することができる。
【0065】
上述のアプローチのおかげで、コントローラCTRL130は、ゲートウェイGW140またはLAN101内の任意の他のデバイスがこのようなデマルチキャスタを実装しているかどうか、また、このデマルチキャスタがAVライブコンテンツ配信要求を果たすためにプレイヤPL110を担当することができるかどうかを動的に判定する。実際、デマルチキャスタは存在し得るが、非アクティブであり、つまり、この場合、プレイヤPL110をデマルチキャスタにリダイレクトすることは、少なくともプレイヤPL110のQoE(「経験の質」)の観点から有意な無駄な待ち時間を暗示するので不十分であることを意味する。
【0066】
このアプローチは、図4図6図8、および図10の特定のインフラストラクチャ実施形態で後述するように、コントローラCTRL130の有効位置に関して柔軟であり、このような有効位置は、プレイヤPL110(すなわち、クライアント)実装に影響を及ぼさない。さらに、アプローチは、ゲートウェイGW140およびLAN101から当該プロバイダネットワーク(例えば、ブロードキャストネットワーク)を介してアップリンク通信能力を有しないプロバイダネットワーク、ならびに、このようなアップリンク通信能力を有するプロバイダネットワークをサポートするのに十分に柔軟である。アプローチが適応ストリーミングに十分であることにさらに気づくことができ、したがって、様々な対応するビットレート(または解決)で符号化されたAVライブコンテンツの異なる代替バージョン(または表現)の可用性からユーザが利益を得ることが可能になる。
【0067】
図3は、AVライブコンテンツ配信システムのデバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャを模式的に表す。デマルチキャスタDM150および/またはコントローラCTRL130および/またはゲートウェイGW140および/またはプレイヤPL110および/またはコンテンツ配信機器CDE120の任意の他のサーバは、このような例示的なハードウェアアーキテクチャの周りに構築されてもよい。図3が、コントローラCTRL130のハードウェアアーキテクチャを表すことを例示的に考えてみる。
【0068】
示される例示的なハードウェアアーキテクチャによれば、コントローラCTRL130は、通信バス310によって相互接続された以下の構成要素:プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはCPU(「中央処理ユニット」)301、ラム(「ランダムアクセスメモリ」)302、ROM(「読み取り専用メモリ」)303またはEEPROM(「電気的に消去可能なROM」)もしくはフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、またはSD(「セキュアデジタル」)カードリーダ304などの非一過性記憶媒体に記憶された情報を読み取るように適合された任意の他のデバイス、LAN101および/またはプロバイダネットワークPN102を介して通信することを可能にする少なくとも1つの通信インターフェースCOM305を備える。
【0069】
CPU301は、ROM303またはSDカードなどの外部メモリからラム302にロードされた命令を実行することができる。コントローラCTRL130の電源が入った後、CPU301は、ラム302から命令を読み取り、これらの命令を実行することができる。命令は、CPU301にコントローラCTRL130に関して本明細書に記載されるステップを実行させる1つのコンピュータプログラムを形成する。
【0070】
本明細書に記載されるステップは、PC(「パーソナルコンピュータ」)、DSP(「デジタル信号プロセッサ」)もしくはマイクロコントローラなどのプログラマブルコンピューティングマシンによる命令またはプログラムのセットの実行によって、またはそれ以外の場合、FPGA(「フィールドプログラマブルゲートアレイ」)もしくはASIC(「アプリケーション固有の集積回路」)などのマシンもしくは専用構成要素によってハードウェア形式で実装されてもよいことに留意されたい。より一般的に、AVライブコンテンツ配信システムの任意のデバイスは、問題のデバイスに関して本明細書に記載されるような関連するステップを実装するように適合され、構成された処理電子回路を含む。
【0071】
図4は、AVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態を模式的に表し、コントローラCTRL130は、プロバイダネットワークPN102に位置するか、またはプロバイダネットワークPN102に接続されている、すなわち、プレイヤPL110の観点からゲートウェイGW140を越えている。図4では、ドメイン名を解決するためのプロバイダネットワークPN102におけるDNSサーバ161をさらに示す。また、図4のコンテンツ配信機器CDE120は、マルチキャスタまたはマルチキャストサーバMS121、および前述の修復ユニキャストサーバRUS122を示している。修復ユニキャストサーバRUS122は、マルチキャストサーバMS121と併設され、すなわち、同じマシン上に物理的に配置されてもよい。修復ユニキャストサーバRUS122は、欠落したAVライブコンテンツセグメントを、通常は、マルチキャスト動作(例えば、RTPまたはFLUTE/ALC)に使用される転送プロトコルに応じて選択された標準化された通信プロトコルを通じて回復させるための機構を実装する。コンテンツ配信機器CDE120は、既に呼び出されているように、他のサーバを含んでもよい。
【0072】
特定の特徴によれば、修復ユニキャストサーバRUS122は、問題のAVライブコンテンツのそれぞれの様々な表現のためにマルチキャストサーバMS121によって供給される様々なマルチキャストストリームに参加することによって、AVライブコンテンツのセグメントを取得する。修復ユニキャストサーバRUS122は、当該マルチキャストストリームの所定のライフタイムパケット中に記憶し、潜在的なセグメント損失を補償するために、デマルチキャスタDM150からの修復要求を提供する。例えば、修復ユニキャストサーバRUS122は、データ損失検出を容易に可能にするマルチキャストサーバMS121によって伝送されるRTPパケット内の連続性カウンタに基づいて、RTP再試行(規範文書RFC4588に定義されるように)に依存することによって修復サービスを提供する。
【0073】
図4において、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に埋め込まれる。既に言及したように、デマルチキャスタDM150は、変形例において、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。
【0074】
図5Aおよび図5Bは、図4に示されるAVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
【0075】
図5Aのステップ500および図5Bのステップ510において、プレイヤPL110は、図2Aのステップ200および図2Bのステップ210に関して既に説明したように、LAN101において(および/またはAPIを通じて)発見手順を実行する。
【0076】
コントローラCTRL130に接触するためのアドレスを取得するために、プレイヤPL110は、DNSサーバ161にドメイン名解決を要求する。DNSサーバ161に接触するアドレスは、プレイヤPL110が、ゲートウェイGW140が管理するLAN101に正常に登録されたときに、プレイヤPL110のゲートウェイGW140によって構成されている。DNSサーバ161に接触するためのアドレスは、代替的に、プレイヤPL110を設置するときに、ユーザによって手動で構成されてもよい。したがって、図5Aのステップ501および図5Bのステップ511において、プレイヤPL110は、要求REQ0をDNSサーバ161に伝送する。要求REQ0は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comの解決を要求する。DNSサーバ161はドメイン名解決を実行し、したがってプロバイダネットワークPN102内のコントローラCTRL130のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレス:72.68.18.14につながる。
【0077】
図5Aのステップ502および図5Bのステップ512において、DNSサーバ161は、応答メッセージRESP0においてコントローラCTRL130の検索されたアドレスをプレイヤPL110に返す。したがって、プレイヤPL110は、コントローラCTRL130に接触することができる。
【0078】
図5Aでは、その後に行われるステップ503~507は、それぞれ、図2Aのステップ201~205とそれぞれ同一である。また、図5Bにおいて、その後に行われるステップ513~516は、図2Bのステップ211~214とそれぞれ同一である。
【0079】
デマルチキャストDM150がコンテンツ配信機器CDE120からAVライブコンテンツのセグメントを取得する図5Aのステップ506を考慮すると、デマルチキャストDM150は、マルチキャストサーバMS121によって供給され、プレイヤPL110によって要求されたAVライブコンテンツの表現に対応するマルチキャストストリームを利用する。デマルチキャスタDM150がセグメント損失に直面すると、デマルチキャスタDM150は、受信したマルチキャストストリームの潜在的なセグメント損失にもかかわらず、プレイヤPL110にAVライブコンテンツセグメントを連続的に提供し、したがって、QoEを改善するために、問題の失われたセグメントを修復ユニキャストサーバRUS122からユニキャスト形式で要求する。プロバイダネットワークPN102は、ゲートウェイGW140およびLAN101からコンテンツ配信機器CDE120へのアップリンク通信を構造的に可能にするため、図4に示すAVライブコンテンツ配信システムの第1の実施形態では、このような修復から利益を得ることが可能である。修復サーバRUS122に依存することは、通常は再伝送機構を有さない転送プロトコル(UDPなど)を使用して伝送されるマルチキャストパケットの損失がある場合に特に有用である。セグメント損失が連続した正しく受信されたマルチキャストパケットの間の欠落したセグメントに起因する場合、デマルチキャスタDM150は、欠落したセグメントをユニキャストAVライブコンテンツ配信サーバから要求してもよい。
【0080】
図6は、AVライブコンテンツ配信システムの第2の実施形態を模式的に表し、コントローラCTRL130はゲートウェイGW140またはLAN101内の別のデバイスにも位置する。図6において、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に埋め込まれる。既に言及したように、デマルチキャスタDM150は、変形例において、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。さらに、図6では、コントローラCTRL130は、デマルチキャスタDM150と、すなわち、ゲートウェイGW140内に併設される。コントローラCTRL130は、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。
【0081】
ドメイン名を解決するためのローカルDNS(LDNS)サーバ162を図6にさらに示す。LDNSサーバ162は、図6のゲートウェイGW140に位置するが、LAN101の別のデバイスに位置してもよい。プロバイダネットワークPN102はブロードキャスト型のネットワークであるため、コンテンツ配信機器CDEに対してLAN101やゲートウェイGW140からのアップリンク通信を行うことはできない。したがって、ゲートウェイGW140によってアクセス可能なコンテンツ配信機器CDE内のサーバおよびLAN101内の任意の他のデバイスは、マルチキャストサーバMS121などのマルチキャストサーバのみであり、ダウンリンク通信のためにのみであり得る。このようなコンテキストブロードキャストプロバイダネットワークサーバでは、各デマルチキャスタは、どのAVコンテンツライブストリーム(例えば、テレビチャネル)を効果的に受信し、処理するかを選択するため、したがって、マルチキャスト伝送を指す(ブロードキャスト伝送は、すべてのデマルチキャストが同じデータを受信することにつながるため)ため、本明細書ではマルチキャストサーバと見なされることに留意されたい。
【0082】
図7は、図6に示されるAVライブコンテンツ配信システムの第2の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
【0083】
ステップ701において、プレイヤPL110は、図2Aのステップ200に関して既に説明したように、LAN101(および/またはAPIを介して)において発見手順を実行する。
【0084】
コントローラCTRL130に接触するためのアドレスを取得するために、プレイヤPL110は、LDNSサーバ162にドメイン名解決を要求する。LDNSサーバ162に接触するアドレスは、プレイヤPL110が、ゲートウェイGW140が管理するLAN101に正常に登録されたときに、プレイヤPL110のゲートウェイGW140によって構成されている。LDNSサーバ162に接触するためのアドレスは、代替的に、プレイヤPL110を設置するときに、特にLDNSサーバ162がLAN101内の別のデバイスに位置するときに、ユーザによって手動で構成されてもよい。したがって、ステップ702において、プレイヤPL110は、要求REQ0をLDNSサーバ162に伝送する。要求REQ0は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comの解決を要求する。LDNSサーバ162はドメイン名解決を実行し、コントローラCTRL130のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレスおよびポート番号:192.168.1.100:8001につながる。
【0085】
LDNSサーバ162がドメイン名解決を実行し、コントローラCTRL130のアドレスを検索できるようにLDNSサーバ162を構成することは、好ましくは、デマルチキャスタDM150がゲートウェイGW140に正常に設置されたときに、LDNSサーバ162にステップ700で、問題のAVライブコンテンツのURLのFQDNとコントローラCTRL130に接触するためのアドレスとの間の関連付けを提供する構成メッセージCONF1を伝送することによって、デマルチキャスタDM150によって実行される。したがって、このようなメッセージは、デマルチキャスタDM150がゲートウェイGW140によってホストされるときに、ゲートウェイGW140の内部にある。代替的に、LDNSサーバ162は、デマルチキャスタDM150およびコントローラCTRL130を設置するときにユーザによって手動で含む任意の他の手段によって構成されてもよい。
【0086】
デマルチキャスタDM150およびコントローラCTRL130が同じマシン(例えばゲートウェイGW140)内に併設されている特定の実施形態では、LDNSサーバ162によって実行されるドメイン名解決は、IPエイリアシングと称されるデマルチキャスタDM150に接触するために使用されるものとは異なるIPアドレスにつながってもよい。これは、ゲートウェイGW140の他の構成要素とのポート番号割り当てにおける競合解決を容易にするために特に有用である。
【0087】
ステップ703では、LDNSサーバ162は、応答メッセージRESP0においてコントローラCTRL130の検索されたアドレスをプレイヤPL110に返す。したがって、プレイヤPL110は、コントローラCTRL130に接触することができる。
【0088】
デマルチキャスタDM150およびコントローラCTRL130が同じマシン(例えば、ゲートウェイGW140)内に併設されている特定の変形例の特徴によれば、プレイヤPL110は、ドメイン名解決に依存せずにコントローラCTRL130に接触するためのアドレスを判定する。この状況は、LAN101にローカルDNSサーバがない場合、または、コントローラCTRL130がこのようなローカルDNSサーバの設定を許可していない場合に発生する可能性がある。プレイヤPL110は、この特定の変形例の特徴に従って、コントローラCTRL130が同じマシン内(例えば、ゲートウェイGW140内)のデマルチキャスタDM150と併設されていることを構成によって認識する。したがって、コントローラCTRL130は、発見手順でデマルチキャスタDM150のアドレスを取得した後、デマルチキャスタDM150に割り当てられたポート番号に所定の置換ルールを適用することにより、デマルチキャスタDM150のアドレスからコントローラCTRL130のアドレスを導出する。例えば、コントローラCTRL130は、コントローラCTRL130のアドレスのポート番号を取得するために、デマルチキャスタDM150のアドレスのポート番号を1ユニットずつ増やす。
【0089】
図7では、その後に行われるステップ704~708は、それぞれ、図2Aのステップ201~205とそれぞれ同一である。ここで、図5Aとは逆に、図6のAVライブコンテンツ配信システムの第2の実施形態の文脈においてアップリンク通信を実行することは不可能であるため、デマルチキャスタDM150は、ステップ707の任意のユニキャストサーバからここで利益を得ることができないことに留意されたい。
【0090】
図8は、図4および図6に関して上述した第1および第2の実施形態のハイブリッド組み合わせである、AVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態を模式的に表す。図8において、コントローラCTRL130はまた、ゲートウェイGW140またはLAN101内の別のデバイスに位置する。図8において、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に埋め込まれる。既に言及したように、デマルチキャスタDM150は、変形例において、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。さらに、図8では、コントローラCTRL130は、デマルチキャスタDM150と、すなわちゲートウェイGW140内に併設される。コントローラCTRL130は、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。しかしながら、図8において、プロバイダネットワークPN102は、図4の第1の実施形態のように、アップリンク通信を可能にする。したがって、図6のコンテンツ配信機器CDE120は、マルチキャスタまたはマルチキャストサーバMS121および修復ユニキャストサーバRUS122を示している。
【0091】
図6のコンテンツ配信機器CDE120は、コンテンツ配信ネットワークサーバCDNS123をさらに含む。サーバCDNS123は、コンテンツ配信機器CDE120のマルチキャスト能力を認識せず、例えば、AVライブコンテンツをユニキャスト形式で要求することができるサードパーティのサーバである。サーバCDNS123は、コンテンツ配信機器CDE120とは異なる権限ドメインにあってもよいため、コンテンツ配信機器CDE120から分離されてもよい。AVライブコンテンツ配信のために接触されると、サーバCDNS123は、効果的なAVライブコンテンツ配信のためにプロバイダネットワークPN102内の別のサーバへのリダイレクトを実行してもよいことに留意されたい。図4および図6にそれぞれ既に示されているDNSサーバ161およびLDNSサーバ162をさらに図8に示す。LDNSサーバ162は、図8のゲートウェイGW140に位置するが、LAN101の別のデバイスに位置してもよい。
【0092】
図9Aおよび図9Bは、図8に示されるAVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
【0093】
LDNSサーバ162は、図7に関して既に説明したように構成されている。したがって、デマルチキャスタDM150は、好ましくは、構成メッセージCONF1を介してステップ900において、プレイヤPL110がドメイン名解決によってコントローラCTRL130に接触するためのアドレスを取得することを可能にするように、LDNSサーバ162を構成してもよい。図7に関して説明したように、変形例は、コントローラCTRL130とデマルチキャスタDM150が同じマシン内に併設されているときの発見手順中に取得されたデマルチキャスタDM150のアドレス(ポート番号)からコントローラCTRL130のアドレス(ポート番号)を導出するプレイヤPL110からなる。
【0094】
図9Aのステップ901および図9Bのステップ911において、プレイヤPL110は、図2Aのステップ200および図2Bのステップ210に関して既に説明したように、LAN101において(および/またはAPIを通じて)発見手順を実行する。
【0095】
図9Aのステップ902および図9Bのステップ912において、プレイヤPL110は、要求REQ0をLDNSサーバ162に伝送する。要求REQ0は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comの解決を要求する。LDNSサーバ162はドメイン名解決を実行し、コントローラCTRL130のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレスおよびポート番号:192.168.1.100:8001につながる。
【0096】
図9Aのステップ903および図9Bのステップ913では、LDNSサーバ162は、応答メッセージRESP0のコントローラCTRL130の検索されたアドレスをプレイヤPL110に返す。したがって、プレイヤPL110は、コントローラCTRL130に接触することができる。
【0097】
図9Aでは、その後に行われるステップ904~906は、図2Aのステップ201~203とそれぞれ同一である。
【0098】
図9Aにおいて、その後に行われるステップ909aおよび909bは、図2Aのステップ204および205とそれぞれ同一である。ここで、図7とは逆に、図8のAVライブコンテンツ配信システムの第3の実施形態の文脈においてアップリンク通信を実行することが可能であるため、デマルチキャスタDM150は、ステップ909bにおける修復ユニキャストサーバRUS122および/またはサーバCDNS123から利益を得ることができることに留意されたい。デマルチキャスタDM150がサーバCDNS123から利益を得ることができるようにするために、コントローラCTRL130は、リダイレクトメッセージREDIR1に、要求REQ1に指示されれるように、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comを提供するインラインパラメータを含む。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR1は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 192.168.1.100:8000/SportsChannel1.mpd?FQDN_orig=tv.myISP.com&CDN_unicastServer=tv.myISP.com
【0099】
これは、サーバCDNS123がコントローラCTRL130およびデマルチキャスタDM150と比較してサードパーティによって管理される場合に特に有用である。ステップ906で要求REQ2を受信するデマルチキャスタDM150は、DNSサーバ161によるドメイン名解決を強制し、LDNSサーバ162(存在する場合)がドメイン名解決によって標的化されることを回避するために、デマルチキャスタDM150と同じマシンに、当該デマルチキャスタDM150と併せて設置されたDNSクライアントエージェントのサービスを使用してもよい。
【0100】
要求REQ1に指示されるように当該FQDNを提供するインラインパラメータから、デマルチキャスタDM150は、それに応じてドメイン名解決を要求し、メッセージREQ3をステップ907で伝送する。DNSサーバ161は、要求REQ3を処理し、ドメイン名解決を実行し、したがって、サーバCDNS123のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレス:72.36.53.18につながる。そして、ステップ908において、DNSサーバ161は、応答メッセージRESP3においてサーバCDNS123の検索されたアドレスをデマルチキャスタDM150に返す。したがって、デマルチキャスタDM150は、必要に応じて(例えば、欠落したAVライブコンテンツセグメントを取得するために)サーバCDNS123に接触するためにそのアドレスを操作することができる。
【0101】
図9Bにおいて、その後に行われるステップ914は、図2Bのステップ211と同一である。ここで、コントローラCTRL130は、プレイヤPL110によって要求されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるかどうかを指示する情報を有していないと考えられる。同じマシン内に(例えば、ゲートウェイGW140内に)併設される場合でも、コントローラCTRL130およびデマルチキャスタDM150は、互いに存在を認識しない。それらを相互作用させることは可能であろうが、それらの間の気密性を維持することは、当該コントローラCTRL130が、ゲートウェイGW140またはプロバイダネットワークPN102に位置するときに異なる動作をしないため、コントローラCTRL130の開発を簡素化する。次に、コントローラCTRL130は、プレイヤPL110によって要求されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるかどうかをデマルチキャスタDM150にチェックさせる。プレイヤPL110によって要求されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能である場合、交換は、図9Aに示されるように続く。そうでなければ、デマルチキャスタDM150は、プレイヤPL110をサーバCDNS123にリダイレクトする必要がある。
【0102】
プレイヤPL110をサーバCDNS123にリダイレクトするために、デマルチキャスタDM150は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDNの解決を要求する必要がある。実際、先行するドメイン名解決は、プレイヤPL110をコントローラCTRL130に向け、無限ループにつながるため、現状では不便であろう。したがって、ステップ917において、デマルチキャスタDM150は、要求REQ3をDNSサーバ161に伝送する。要求REQ3は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comの解決を要求し、これは、ステップ915でリダイレクトメッセージREDIR1のインラインパラメータとしてコントローラCTRL130によって提供されていなければならない可能性がある。デマルチキャスタDM150は、DNSサーバ161による解決を強制し、LDNSサーバ162(存在する場合)がドメイン名解決によって標的化されることを回避するために、デマルチキャスタDM150と同じマシンに、当該デマルチキャスタDM150と併せて設置されたDNSクライアントエージェントのサービスを使用してもよい。
【0103】
DNSサーバ161はドメイン名解決を実行し、サーバCDNS123のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレス:72.36.53.18につながる。次いで、ステップ918において、DNSサーバ161は、応答メッセージRESP3においてサーバCDNS123の検索されたアドレスをデマルチキャスタDM150に返す。したがって、デマルチキャスタDM150は、サーバCDNS123のアドレスをプレイヤPL110に提供することができる。
【0104】
ステップ919において、デマルチキャスタDM150は、要求REQ2に応答してリダイレクトメッセージREDIR2をプレイヤPL110に伝送する。リダイレクトメッセージREDIR2は、対応するFQDNの代わりにサーバCDNS123のアドレスを含む。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR2は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 72.36.53.18:80/SportsChannel1.mpd
【0105】
ここで、サーバCDNS123のIPアドレスの後にデフォルトのポート番号(‘80’)が続く。
【0106】
ステップ920において、プレイヤPL110は、リダイレクトメッセージREDIR2に含まれる命令に従って、別の要求REQ4を伝送する。したがって、要求REQ4は、サーバCDNS123から問題のAVライブコンテンツの配信を要求する。ステップ921において、プレイヤPL110は、サーバCDNS123から(すなわち、デマルチキャスタDM150を介して通過することなく)ユニキャスト形式のAVライブコンテンツを受信する。
【0107】
図10は、図8に関して上述した第3の実施形態に由来する、AVライブコンテンツ配信システムの第4の実施形態を模式的に表す。図10において、デマルチキャスタDM150は、ゲートウェイGW140に埋め込まれる。既に言及したように、デマルチキャスタDM150は、変形例において、LAN101内の別のデバイスに区別なく埋め込まれてもよい。図10において、コントローラCTRL130は、プロバイダネットワークPN102に位置するか、プロバイダネットワークPN102に接続されている、すなわち、プレイヤPL110の観点からゲートウェイGW140を越えている。図10において、LDNSサーバ162は、ゲートウェイGW140に存在するが、LAN101内の別のデバイスに位置してもよい。
【0108】
このような構成によって提起される問題は、特にAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能でない場合のドメイン名解決にある。プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるときに、コントローラCTRL130がプレイヤPL110の観点からゲートウェイGW140を越えて位置していることを除いて、交換は図9Aに関して既に説明したように実行される。したがって、簡略化のために、以下で詳細に説明する図11は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能ではなく、プロバイダネットワークPN102を介してマルチキャスト機能を認識していないサーバCDNS123からユニキャスト形式で提供されなければならない状況にのみ焦点を当てる。
【0109】
図11は、図10に示されるAVライブコンテンツ配信システムの第4の実施形態で発生する交換を模式的に表す。
【0110】
LDNSサーバ162は、デマルチキャスタDM150によって伝送される構成メッセージCONF1を介して構成されている。LDNSサーバ162がドメイン名解決を実行し、コントローラCTRL130のアドレスを検索できるようにLDNSサーバ162を構成することは、したがって、デマルチキャスタDM150がゲートウェイGW140に正常に設置されたときに、ステップ1110において、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツのURLのFQDNとコントローラCTRL130に接触するためのアドレスとの間の関連付けを提供する構成メッセージCONF1をLDNSサーバ162に伝送することによって、デマルチキャスタ150によって実行される。図7に関して言及されるように、これは、変形例において、手動で実行され得る。
【0111】
ステップ1111において、プレイヤPL110は、図2Aのステップ200に関して既に説明したように、LAN101(および/またはAPIを介して)において発見手順を実行する。
【0112】
ステップ1112において、プレイヤPL110は、要求REQ0をLDNSサーバ162に伝送する。要求REQ0は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDN、すなわち、上記の例のtv.myISP.comの解決を要求する。LDNSサーバ162はドメイン名解決を実行し、したがってコントローラCTRL130のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレス:72.68.18.14につながる。
【0113】
ステップ1113では、LDNSサーバ162は、応答メッセージRESP0においてコントローラCTRL130の検索されたアドレスをプレイヤPL110に返す。したがって、プレイヤPL110は、コントローラCTRL130に接触することができる。
【0114】
ステップ1114において、プレイヤPL110は、LDNSサーバ162から取得したアドレスを使用して、要求REQ1をコントローラCTRL130に伝送する。要求REQ1は、既に説明したように形成される。
【0115】
ステップ1115において、コントローラCTRL130は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能であるかどうかを認識しておらず、要求REQ1に応答して、リダイレクトメッセージREDIR1を伝送する。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR1は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 192.168.1.100:8000/SportsChannel1.mpd?FQDN_orig=tv.myISP.com&CDN_unicastServer=tv.myISP.com
【0116】
リダイレクトメッセージREDIR1を受信すると、プレイヤPL110は、リダイレクトメッセージREDIR1に従って、ステップ1116において、要求REQ2を介してその要求をデマルチキャスタDM150にリダイレクトする。デマルチキャスタDM150は、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツがマルチキャスト形式で利用可能ではないことを考慮して、デマルチキャスタDM150は、要求REQ2に応答して、ステップ1119において、リダイレクトメッセージREDIR2を伝送する。
【0117】
リダイレクトメッセージREDIR2において、デマルチキャスタDM150は、要求REQ2に指示されるアドレス(例えば、IPアドレスおよびポート番号)を、要求REQ2のインラインパラメータ(すなわち、上記の例ではインラインパラメータ「CDN_unicastServer」)として提供されるユニキャストサーバのアドレスに置き換えた。
【0118】
なお、プレイヤPL110によって標的化されたAVライブコンテンツを識別するURLのFQDNを有するユニキャストサーバ、すなわちtv.myISP.comを参照することは、サーバCDNS123がコントローラCTRL130およびデマルチキャスタDM150とは異なる権限によって管理される場合に特に有用である。ステップ1116で要求REQ2を受信するデマルチキャスタDM150は、DNSサーバ161によるドメイン名解決を強制し、LDNSサーバ162(存在する場合)がドメイン名解決によって標的化されることを回避するために、デマルチキャスタDM150と同じマシンに、当該デマルチキャスタDM150と併せて設置されたDNSクライアントエージェントのサービスを使用してもよい。
【0119】
デマルチキャスタDM150は、ドメイン名解決を要求し、ステップ1117において、メッセージREQ3はそれに応じて伝送される。DNSサーバ161は、要求REQ3を処理し、ドメイン名解決を実行し、したがって、サーバCDNS123のアドレスを検索する。例えば、ドメイン名解決は、次のIPアドレス:72.36.53.18につながる。次いで、ステップ1118において、DNSサーバ161は、応答メッセージRESP3のサーバCDNS123の検索されたアドレスをデマルチキャスタDM150に返す。
【0120】
次に、デマルチキャスタDM150は、リダイレクトメッセージREDIR2を送信する。上記の例に引き続き、リダイレクトメッセージREDIR2は、例えば次のようになる。
HTTP REDIRECT 72.36.53.18:80/SportsChannel1.mpd
【0121】
リダイレクトメッセージREDIR2を受信すると、ステップ1120において、プレイヤPL110は、要求REQ4をサーバCDNS123に伝送し、それによって、サーバCDNS123から問題のAVライブコンテンツの配信を要求する。次いで、ステップ1121において、プレイヤPL10は、サーバCDNS123から(すなわち、デマルチキャスタDM150を介して通過することなく)ユニキャスト形式のAVライブコンテンツを受信する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【国際調査報告】