(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】コンパクトなアクチュエータ配置
(51)【国際特許分類】
F16H 7/02 20060101AFI20220307BHJP
B25J 17/00 20060101ALI20220307BHJP
H02K 7/10 20060101ALI20220307BHJP
F16H 19/08 20060101ALN20220307BHJP
【FI】
F16H7/02 Z
B25J17/00 A
H02K7/10 D
F16H19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539632
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 IB2020050354
(87)【国際公開番号】W WO2020148706
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518317074
【氏名又は名称】ジェネシス ロボティクス アンド モーション テクノロジーズ リミテッド パートナーシップ
(71)【出願人】
【識別番号】520144266
【氏名又は名称】ジェネシス アドバンスド テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】クラッセン ジェイムズ ビー
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング ネイサン
【テーマコード(参考)】
3C707
3J049
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3C707CX01
3C707CY36
3C707HS27
3C707HT04
3J049AA06
3J049AB01
3J049BH01
3J049BH02
3J062AA38
3J062AB12
3J062AC01
3J062AC09
3J062BA13
3J062BA14
3J062CA08
3J062CA34
5H607BB01
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD08
5H607DD19
5H607EE28
5H607FF01
5H607GG01
5H607HH01
5H607JJ05
5H607JJ08
(57)【要約】
ハウジングと駆動シャフトとを備えるモータであって、駆動シャフト軸を中心としてハウジングに対して駆動シャフトを回転させるように配置されたモータと、駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2のシャフト上の第1の被駆動部材とを備える第1のトルク伝達装置であって、第1の駆動部材は、第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、第1のトルク伝達装置は、駆動シャフトから第2のシャフトにトルクを伝達するように配置され、第2のシャフトは、駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、第2のシャフト上の出力駆動部材と出力被駆動部材とを備える出力トルク伝達装置であって、出力駆動部材は、出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、出力被駆動部材は、出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置と、を備え、出力トルク伝達装置のトルク比は、第1のトルク伝達装置のトルク比以下である、アクチュエータ。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと駆動シャフトとを備えるモータであって、該モータは、駆動シャフト軸を中心として前記ハウジングに対して前記駆動シャフトを回転させるように配置されている、モータと、
前記駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2のシャフト上の第1の被駆動部材とを備える第1のトルク伝達装置であって、該第1の駆動部材は、該第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記第1のトルク伝達装置は、前記駆動シャフトから前記第2のシャフトにトルクを伝達するように配置され、前記第2のシャフトは、前記駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、
前記第2のシャフト上の出力駆動部材と出力被駆動部材とを備える出力トルク伝達装置であって、該出力駆動部材は、該出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記出力被駆動部材が出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置と、を備え、
前記出力トルク伝達装置のトルク比は、前記第1のトルク伝達装置のトルク比以下である、アクチュエータ。
【請求項2】
前記モータの出力と前記出力部材の出力との間の前記トルク比は、少なくとも12:1である、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記モータハウジングの直径は、少なくとも40mmである、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第1及び第2のトルク伝達装置及び前記モータは、円筒形容積内に配置され、該円筒形容積の直径は、前記モータハウジングの直径の3倍より小さく、任意選択的に、前記円筒形容積の直径は、100mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記円筒形容積の軸方向範囲は、前記モータハウジングの前記軸方向範囲の3倍より小さい、請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記アクチュエータはハウジングを備え、該ハウジングは前記円筒形容積を画定し、前記モータ、前記第1のトルク伝達装置及び前記第2のトルク伝達装置は前記ハウジング内にある、請求項4又は5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1の被駆動部材は、前記駆動シャフト軸及び/又は前記第2のシャフト軸に沿って見た方向に前記出力被駆動部材と重なる、請求項1~6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記第2のシャフトは、第1の方向に前記第1の被駆動部材から前記出力駆動部材まで延在し、前記駆動シャフトは、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記モータハウジングから前記第1の駆動部材まで延在する、請求項1~7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記モータハウジングは、少なくとも部分的に前記出力被駆動部材の内側に配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記出力駆動部材は、円筒セクタボリューム内に配置され、該円筒セクタボリュームは、前記駆動シャフト軸で定められ、前記駆動シャフト軸における内角が100°未満、任意選択的に60°未満である円筒セクタによって画定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第1のトルク変換装置及び出力トルク変換装置の少なくとも一方が、プーリ式システムである、請求項1~10のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記出力被駆動部材は、前記モータハウジングに固定される、請求項1~11のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
ハウジングと駆動シャフトとを備えるモータであって、前記モータは、前記駆動シャフトを駆動シャフト軸を中心に前記ハウジングに対して回転させるように配置された、モータと、
前記駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2のシャフト上の第1の被駆動部材とを備える第1のトルク伝達装置であって、該第1の駆動部材が該第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記第1のトルク伝達装置が前記駆動シャフトから前記第2のシャフトへトルクを伝達するように配置され、前記第2のシャフトは、前記駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、
前記第2のシャフト上の出力駆動部材と出力被駆動部材とを備える出力トルク伝達装置であって、該出力駆動部材は、該出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記出力被駆動部材が出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置と、
前記駆動シャフトが延在する前記モータハウジングの端部とは反対側の前記モータハウジングの軸方向端部で前記モータハウジングに固定される第1の接続フランジと、
前記駆動シャフトが第2の接続フランジと前記モータハウジングとの間にあるように配置された該第2の接続フランジであって、前記第2の接続フランジはクロス部材を介して前記モータハウジングに固定される、第2の接続フランジと、を備えるアクチュエータ。
【請求項14】
前記クロス部材が、押出円弧として形成される、請求項13に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記円弧は、180°未満の円弧状範囲を有する、請求項14に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
第1の部材と、
該第1の部材に枢動可能に結合された第2の部材と、
請求項1~15のいずれか一項に記載の前記アクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記第1の部材に対して前記第2の部材を回転させるように配置される、ロボットジョイント。
【請求項17】
第1の部材と、
該第1の部材に枢動可能に結合された第2の部材と、
アクチュエータであって、
ハウジング及び駆動シャフトを備えるモータであって、該モータは、駆動シャフト軸を中心に前記ハウジングに対して該駆動シャフトを回転させるように配置された、モータと、
前記駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2のシャフト上の第1の被駆動部材とを備える第1のトルク伝達装置であって、該第1の駆動部材が、該第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記第1のトルク伝達装置が前記駆動シャフトから前記第2のシャフトへトルクを伝達するように配置され、前記第2のシャフトは、前記駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、
前記第2のシャフト上の出力駆動部材と出力被駆動部材とを備える出力トルク伝達装置であって、該出力駆動部材は、該出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、それにより、前記出力被駆動部材が出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置と、を備えるアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記第1の部材を前記第2の部材に対して回転させるように配置され、第2のシャフトは、前記第1の部材によって支持される、ロボットジョイント。
【請求項18】
前記第2の部材に対して前記第1の部材と共に回転するように配置された第3の部材をさらに備え、該第1及び第3の部材は前記第2のシャフトを支持するように配置されている、請求項17に記載のロボットジョイント。
【請求項19】
前記第1の部材と第3の部材とを互いに結合して前記第2のシャフトをさらに支持するように配置された第2のクロス部材をさらに備える、請求項17又は18に記載のロボットジョイント。
【請求項20】
前記アクチュエータが、請求項1から15のいずれか一項に記載のアクチュエータである、請求項17、18又は19に記載のロボットジョイント。
【請求項21】
前記第1の部材は、前記駆動シャフト軸を中心に前記第2の部材に対して枢動するように配置されている、請求項16から20のいずれか一項に記載のロボットジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクチュエータ及びそのようなアクチュエータを組み込むロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの機械、特にロボットは、アーム及び他の部材を移動させるためにコンパクトで軽量のアクチュエータに依存している。運動は、高レベルの精度及び高トルクを必要とすることが多く、アクチュエータのサイズ又は重量を大幅に増加させずに達成することは困難であり得る。
【0003】
既知のアクチュエータは、多くの場合、使用可能にするために電気モータから送達されるトルクの量を増加させ、モータの駆動シャフトにおける回転速度に対して出力における回転速度を減少させるためのモータ及びギアボックス配置を備える。ギアボックスは、モータとは別個に設計及び構築されることが一般的であり、これは、アクチュエータ配置全体の軸方向範囲が不利に大きいという欠点を有する可能性がある。
【0004】
既知のアクチュエータはまた、運動の精度を低下させる恐れがある低効率又は高レベルの慣性を被る可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の問題の少なくともいくつかに対処しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ハウジングと駆動シャフトとを備えるモータを備えるアクチュエータが提供され、モータは、駆動シャフト軸を中心にハウジングに対して駆動シャフトを回転させるように配置され、第1のトルク伝達装置は、駆動シャフト上に第1の駆動部材と、第2のシャフト上に第1の被駆動部材とを備え、第1の駆動部材が第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、その結果、第1のトルク伝達装置は、駆動シャフトから第2のシャフトへトルクを伝達するように構成され、第2のシャフトは、駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能であり、出力トルク伝達装置は、第2のシャフト上の出力駆動部材と、出力被駆動部材とを備え、出力駆動部材は、出力被駆動部材が出力軸を中心に回転するように、出力被駆動部材にトルクを伝達するように構成され、出力トルク伝達装置のトルク比は、第1のトルク伝達装置のトルク比以下である。
【0007】
このような配置では、最小シャフト直径などの設計上の制約が与えられると、コンパクトなアクチュエータ配置が提供される。
【0008】
アクチュエータのどの構成要素が固定されていると考えられるかに応じて、アクチュエータは、モータのハウジングが駆動シャフト軸を中心に回転するように配置されることによって、又は第2のシャフトが駆動シャフト軸を旋回するように配置されることによって動作すると考えられてもよい。これら2つの概念は、実質的に同様であってもよいが、外部構成要素に対して固定された代替部分及び出力部材として使用される代替部分を有してもよい。したがって、第2のシャフト軸、したがって第2のシャフトがモータを旋回するかどうか、又はモータハウジングが回転できるかどうかは、参照フレームの問題であり得る。いずれの場合も、第2のシャフト軸の位置に対するモータハウジングの回転を生じさせることができる。
【0009】
本明細書に記載のトルク伝達装置は、プーリ及びギアであってもよいが、これらに限定されず、トルク伝達装置は、互いに又は中間ギアと相互係止する歯を有する異なる軸上の2つのギア、又は少なくとも1つのケーブル又はバンドによって連結された異なるシャフト上の2つのプーリを備えてもよい。トルクは、回転速度及びトルクのレベルを一定に保ちながら伝達されてもよく、あるいは異なる数の歯又は異なる半径を有するプーリを有するギアを使用することによって、機械的利点のレベルを伴ってもよい。特定の実施形態では、無歯ローラを歯付きギアと同様の方法で使用することができ、異なる半径又は異なる直径のローラを使用して、入力トルクと速度の出力トルクと速度に対する所望の比を作成する。
【0010】
代替で、トルク伝達装置又はトルク伝達装置の組み合わせのトルク比は、速度比、減速比、又は機械的利点と呼ばれてもよい。トルク変換装置のトルク比は、装置によって出力されるトルクが装置に入力されるトルクよりも大きい比である。
【0011】
モータの出力と出力部材における出力との間のトルク比は、少なくとも12:1であってもよい。言い換えると、出力部材は、より少ない場合モータの駆動シャフトの速度の1/12で回転するように配置されてもよい。
【0012】
より大きな容積を有するモータは、より高い出力を有することが期待され得ることが理解されよう。しかしながら、これは、アクチュエータ内部及びトルク変換装置用のモータの外側で利用可能な空間によって平衡されなければならない。本発明者らは、十分な出力トルク及び精度を有するコンパクトなアクチュエータを提供するための以下の設計制約を実現した。
【0013】
第1及び第2のトルク伝達装置及びモータは、円筒形容積内に配置されてもよく、円筒形容積は、モータハウジングの直径の3倍より小さい直径を有する。モータハウジングの直径は、少なくとも40mmとすることができる。円筒形容積の直径は、100mm以下とすることができる。円筒形容積の軸方向範囲は、モータハウジングの軸方向範囲の3倍より小さくてもよい。
【0014】
アクチュエータは、円筒形容積を画定するハウジング、及びモータを備えてもよく、第1のトルク伝達装置及び出力トルク伝達装置は、ハウジング内にあってもよい。このような配置により、配置の繊細な部分をハウジングによって保護することができる。ハウジングは、実質的に円筒形であってもよい。
【0015】
第1の被駆動部材は、駆動シャフト軸及び/又は第2のシャフト軸に沿って見た方向の出力被駆動部材と重なってもよい。出力被駆動部材と第1の被駆動部材の半径の和は、駆動シャフト軸と第2のシャフト軸との間の距離を超えてもよい。これにより、高いトルク変換比及びよりコンパクトなアクチュエータを提供することができる。
【0016】
第2のシャフトは、第1の被駆動部材から出力駆動部材まで第1の方向に延びてもよく、駆動シャフトは、モータハウジングから第1の駆動部材まで第1の方向とは反対の第2の方向に延びていてもよい。これは、トルク変換装置のそれ自体の上での「折り返し」と見ることができ、それによってアクチュエータの軸方向範囲を減少させることができる。
【0017】
第1のトルク変換装置及び出力トルク変換装置の少なくとも一方は、プーリ式システムであってもよい。任意選択的に、両方ともプーリ式であってもよい。プーリ及びケーブルならびにプーリ及びバンドトルク変換システムは、本発明者らが実現した本件における歯車装置よりも有利である。具体的には、プーリ式システムの2つのプーリは、歯車装置とは異なり、接触している必要はない。これにより、そのようなシステムにおける2つのプーリのうちの小さい方を、回転軸の位置に特定の制約がある特定の状況において歯車装置が可能にするよりも小さくすることができる。したがって、トルク変換が改善されたよりコンパクトな配置を提供することができる。
【0018】
モータハウジングは、出力被駆動部材の内部に少なくとも部分的に配置されてもよい。これにより、よりコンパクトな配置が可能になる。
【0019】
出力駆動部材は、円筒セクタボリューム内に配置されてもよく、円筒セクタボリュームは、駆動シャフト軸で定められ、駆動シャフト軸における内角が100°未満、任意選択的に60°未満である円筒セクタによって画定される。これにより、第2のシャフト及び第2のシャフトに固定された部材は、アクチュエータが移動するように配置された部材内に位置することができる。したがって、アクチュエータは、ロボットアーム内にコンパクトに組み込まれ得る。
【0020】
円筒セクタは、駆動シャフト軸に沿って押し出されるセクタとして見ることができる。駆動シャフト軸で定められる内角が、第2のシャフト及び出力駆動部材がジョイントに近接するロボットアーム部材内にどのように嵌合することができるかを決定するので、セクタの半径は無視することができる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、ハウジング及び駆動シャフトを備え、駆動シャフト軸を中心にハウジングに対して駆動シャフトを回転させるように配置された、モータと、駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2のシャフト上の第1の被駆動部材とを備え、第1の駆動部材が第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、その結果、第1のトルク伝達装置が駆動シャフトから第2のシャフトへトルクを伝達するように配置され、第2シャフトは、駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、第2のシャフト上の出力駆動部材と出力被駆動部材とを備え、出力駆動部材は、出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、その結果、出力被駆動部材が出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置と、駆動シャフトが延在するモータハウジングの端部とは反対側のモータハウジングの軸方向端部でモータハウジングに固定される第1の接続フランジと、駆動シャフトが第2の接続フランジとモータハウジングとの間にあるように配置され、クロス部材を介してモータハウジングに固定されている第2の接続フランジと、を備えるアクチュエータが提供される。
【0022】
クロス部材は、押出円弧として形成されてもよい。これは、湾曲したシートと考えることもできる。これは、クロス部材と他の構成要素との間の接触を回避しながら、アクチュエータに良好な剛性を提供することができる。
【0023】
クロス部材は、180°未満の円弧状範囲を有してもよい。これにより、クロス部材が第1のトルク伝達装置を妨げることなく、第2のシャフトの軌道運動を可能にすることができる。
【0024】
本発明の第3の態様によれば、第1の部材と、第1の部材に枢動可能に結合された第2の部材と、第1又は第2の態様によるアクチュエータと、を備え、アクチュエータは、第1の部材に対して第2の部材を回転させるように配置される、ロボットジョイントが提供される。
【0025】
本発明の第4の態様によれば、第1の部材と、第1の部材に枢動可能に結合された第2の部材と、ハウジングと駆動シャフトとを備え、駆動シャフトを駆動シャフト軸を中心にハウジングに対して回転させるように配置されたモータと、駆動シャフト上の第1の駆動部材と、第2軸上の第1の被駆動部材とを備え、第1の駆動部材が第1の被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、その結果、第1のトルク伝達装置は駆動シャフトから第2のシャフトへトルクを伝達するように配置され、第2シャフトは、駆動シャフト軸から離間した第2のシャフト軸を中心に回転可能である、第1のトルク伝達装置と、第2のシャフト上の出力駆動部材と、出力被駆動部材とを備え、出力駆動部材は出力被駆動部材にトルクを伝達するように配置され、その結果、出力被駆動部材が出力軸を中心に回転する、出力トルク伝達装置とを備えるアクチュエータであって、アクチュエータは、第1の部材を第2の部材に対して回転させるように配置され、第2のシャフトは、第1の部材によって支持される、アクチュエータと、を備えるロボットジョイントが提供される。
【0026】
第2のシャフトを支持するために第1の部材を使用することにより、第2のシャフトと駆動シャフトとの間の距離を大きくすることができ、より大きなモータ及びより大きなトルク比を提供することができる。
【0027】
ロボットジョイントは、第2の部材に対して第1の部材と共に回転するように配置された第3の部材をさらに備えることができ、第1及び第3の部材は、第2のシャフトを支持するように配置される。
【0028】
ロボットジョイントは、第2のシャフトをさらに支持するために、第1及び第3の部材を互いに結合するように配置された第2のクロス部材をさらに備えることができる。第2のクロス部材は、駆動軸と平行な方向における第1の部材と第2の部材との分離が防止されるように配置されてもよい。
【0029】
第4の態様のロボットジョイント内のアクチュエータは、第1又は第2の態様によるアクチュエータであってもよい。
【0030】
第3又は第4の態様では、第1の部材は、駆動シャフト軸を中心に第2の部材に対して枢動するように配置されてもよい。
【0031】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示によるアクチュエータの概略図を示す。
【
図2】本開示によるアクチュエータで使用する2つのトルク伝達装置の斜視図を示す。
【
図3】本開示によるアクチュエータの断面図を示す。
【
図4】本開示によるアクチュエータの断面図を示す。
【
図5】本開示によるアクチュエータの斜視図を示す。
【
図6】本開示によるアクチュエータで使用する電気ケーブルを示す。
【
図7】本開示による代替のアクチュエータで使用するトルク伝達装置の概略図を示す。
【
図9】代替のアクチュエータアセンブリの選択された部品の全体図を示している。
【
図10】代替のアクチュエータアセンブリを組み込んだロボットジョイントの全体図を示している。
【
図11】代替のアクチュエータアセンブリを組み込んだロボットアームを示す。
【
図13】一方のケーブル及びコネクタが取り外されたプーリ及びケーブル配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本開示によるアクチュエータ10の概略図を示す。アクチュエータは、ステータ104及びロータ106を有するモータ100を有し、ステータ104及びロータ106は、それらの間にトルクを生成するように配置される。ステータ104は、モータ100を囲むモータハウジング102に固定される。ロータ106は、ハウジング102から延在する駆動シャフト108に固定され、ロータ106及び駆動シャフト108は、モータ100内で生成されたトルクに起因して、ステータ104及びモータハウジング102に対して駆動シャフト軸A1を中心に回転するように配置される。
【0034】
駆動シャフト108は、第1のトルク伝達装置200、具体的には第1の駆動部材とも呼ばれてもよいトルク伝達装置200の第1のプーリ202に結合されている。第1のプーリ202は、少なくとも1本のケーブル206を介して第1の被駆動部材と呼ばれてもよい第2のプーリ204に結合され、ケーブル206は、第1及び/又は第2のプーリ204に固定されてもよく、かつ/又はプーリ202、204の少なくとも1つを径方向に貫通してもよい。第2のプーリ204は、第2のシャフト軸A2を中心に回転可能な第2のシャフト208に固定されており、第2のシャフトマウント210によって支持されている。第2のシャフトマウント210は、モータハウジング102に対して駆動シャフト軸線A1の周りになるようにモータハウジング102及び/又は駆動シャフト108に回転可能に取り付けられ、したがって第2のシャフト208を支持し、それにより、第2のシャフト208がモータ100を旋回することができ、第2のシャフト軸A2は、第2のシャフト208と共にモータ100を旋回する。
【0035】
アクチュエータ10はまた、第2の出力トルク伝達装置300を備え、第2のトルク伝達装置300は、出力駆動部材と呼ばれてもよい第3のプーリ302を有し、第2のシャフト208に固定され、出力被駆動部材と呼ばれてもよい第4のプーリ304を有し、出力被駆動部材は、モータハウジング102に固定され、モータハウジング102の一体部分であってもよい。これにより、第4のプーリ304は、モータハウジング102及びステータ104を囲むことができる。第3及び第4のプーリ302、304は、ケーブル306を介して結合されており、ケーブルは、2本又は4本であってもよい。
【0036】
この配置により、モータ100によって生成されたトルクは、第2のシャフト軸A2及び第2のシャフト208がモータ100を旋回するように、モータハウジング102が静止状態に保持されているときに、第2のシャフトマウント210を回転させるように配置される。代替で、第2のシャフトマウント210が静止状態に保持される場合、モータハウジング102及び第4のプーリ304は回転してもよい。
【0037】
アクチュエータ10の一部を固定して静止させるため、及び/又はアクチュエータ10から出力トルクを得るために、第2のシャフトマウント210に固定された固定プレート218が設けられ、モータハウジング102に固定されたモータ出力部材110が設けられる。固定プレート218及びモータ出力部材110の両方が外部構成要素に固定されてもよく、モータハウジング102又は第2のシャフトマウント210の相対回転は、単に基準フレームの問題であってもよく、どの外部構成要素が固定されていると考えられ、どの外部構成要素が移動可能であると考えられるかによって決定されてよい。アクチュエータ10は、全体として、可動部材又は車両に固定されてもよく、あるいは可動部材又は車両の一部を形成してもよく、したがって絶対的な意味で固定されなくてもよいことが理解されよう。
【0038】
さらに、任意選択の構成要素も
図1に示されている。これらはベアリングを含む。図示のベアリングは例示的なものであり、特定のベアリングは省略又は移動されてもよい。モータハウジング102の周りに、かつモータハウジング102と第2のシャフトマウント210との間に配置されたモータハウジングベアリング112が存在してもよい。駆動シャフトと第2のシャフトマウント210との間に第1の駆動シャフトベアリング114及び第2の駆動シャフトベアリング118が存在してもよい。第2のシャフト208は、第1のベアリング212、第2のベアリング214及び第3のベアリング216によって第2のシャフトマウント210上に支持されてもよい。ベアリングは、第2及び第3のベアリング214、216が第3のプーリ302の両側に配置され、それにより第2のシャフト208が第3のプーリ302の両側で支持されるように配置されてもよい。
【0039】
アクチュエータ10はまた、構成要素の相対回転位置を決定するように配置された複数のエンコーダを備えることができる。第1のエンコーダ402は、第2のシャフトマウント210に対する駆動シャフト108の相対角度位置を測定してもよく、第2のエンコーダ404は、第2のプーリ204の相対位置、従って第2のシャフトマウント210に対する第2のシャフト208の相対位置を測定してもよく(又は、第2のシャフトマウント210に対する第2のシャフト208の位置を直接測定してもよく)、第3のエンコーダ406は、第2のシャフトマウント210に対するモータハウジング102の位置を測定してもよい。
【0040】
駆動シャフト、モータハウジング、及び第2のシャフト108、208、102の相対回転位置を測定することにより、トルク伝達装置の歪みを決定することができる。具体的には、トルク伝達装置200、300のプーリ間のケーブル206、306の歪みを決定することができ(トルク伝達装置の中実の固定された構成要素、すなわちプーリ及びシャフト内の歪みは無視できると仮定することができる)、それによってアクチュエータ10のトルクを決定することができる。経時的なエンコーダ読み取り値の観察はまた、ケーブルにクリープの兆候を示す場合があり、摩耗を示すことができる。
【0041】
いくつかの配置では、第1のケーブル206の歪みのみでアクチュエータ10によって供給されるトルクを決定するのに十分であり得るため、例えば、第1及び第2のエンコーダ402、404など、2つのエンコーダのみが使用されてもよい。
【0042】
ケブラーは所与の歪みに対して特に容易に決定された引張応力を有することができ、アクチュエータから必要なトルクを提供するのに十分な強度を有することができるので、使用されるケーブルは、ケブラーで形成されてもよい。第1のトルク伝達装置200内のケーブル206a、bは、第2のトルク伝達装置300のケーブル306a、306bよりも小さい張力を担持することができる。従って、第1のトルク伝達装置200のケーブル206a、bは、第2のトルク伝達装置300のケーブル306a、306bよりも薄くてもよく、あるいは、直径又は断面が小さくてもよい。
【0043】
図2は、アクチュエータ10の第1及び第2のトルク伝達装置200、300を示しており、明確にするために他の部分は取り除かれている。モータ100は第4のプーリ304の内側にあってもよく、駆動シャフト108はモータ100から延在していることが理解されよう。また、第1のプーリ208は、駆動シャフト108と本質的に形成されてもよく、駆動シャフト108の外面に形成された螺旋溝を備えてもよいことが分かる。2本のケーブル206a、206bは、螺旋溝内に位置する第1のプーリ202に巻き付けられ、第1のプーリ202が駆動シャフト軸A1を中心に回転すると、第1のケーブル206aが第1のプーリ202に更に巻き付けられ、第2のケーブル206bは第1のプーリ202から巻かれるように、巻かれてもよい。2本のケーブル206a、206bは、第1のプーリ202の両端で終わるように巻かれていてもよく、又は、第1のプーリ202を径方向に貫通して第1のプーリ202の内側で合流していてもよい。ケーブル206a、206bはまた、第2のプーリ204に巻き付けられ、第2のプーリ204の螺旋溝内に位置してもよい。2本のケーブル206a、206bは、第1又は第2のプーリ202、204で又はその内側で接合された単一のケーブルの別々の部分であってもよい。
【0044】
2本のケーブル206a、206bは、第1のプーリ202と第2のプーリ204との間に延在する領域内で平行であってもよい。これにより、アクチュエータ10の動作中に2本のケーブル206a、206bが互いに接触又は干渉する可能性を低減することができる。このような配置により、第1及び第2のプーリ202、204は、同じ方向に回転するように配置される。
【0045】
第2のプーリ204は第2のシャフト208に接続されており、第2のシャフトは第3のプーリ302にも接続されており、第3のプーリ302は第2のトルク伝達装置300の一部を形成している。第2のプーリ204及び第3のプーリ302は、実質的に異なる直径を有してもよく、それらの直径は、各個々のトルク伝達装置200、300の機械的利点に沿った比を有してもよい。具体的には、第2のプーリ204は、第1のプーリ202の約5倍の半径を有してもよく、第4のプーリ304は、第3のプーリ302の約5倍の半径を有してもよい。したがって、コンパクトな配置を可能にするために、第2のプーリ204は、第3のプーリ302の約5倍の半径を有してもよい。第1から第2のプーリ202、204と第3から第4のプーリ302、304との間の半径の比の原理が実質的に同じままである場合、5以外の数が使用されてもよい。
【0046】
第3のプーリ302は、4本のケーブルを介して第4のプーリ304に結合されてもよく、そのうちの2本306a、306bのみが示されている。単一のケーブルが著しく大きい直径を有するので、2本の平行なケーブルが交互に配置された螺旋状に第3のプーリ302に巻き付けられてもよく、それにより、ケーブルに付与される曲げ応力がより大きくなることを必要とする。
【0047】
第3と第4のプーリ302、304との間の4本のケーブルは、第3のプーリ302と第4のプーリ304との間に延在する領域内において平行であってもよい。これにより、アクチュエータ10の動作中にケーブルが互いに接触又は干渉する可能性を低減することができる。このような配置により、第3及び第4のプーリ302、304は、同じ方向に回転するように配置される。
【0048】
図3は、第2のシャフトマウント210の形状を示すアクチュエータ10の詳細な断面図を示す。第2のシャフトマウント210は、実質的に環状又は半環状であってもよく、駆動シャフト軸線A1及び第2のシャフト軸A2にほぼ平行に、かつ第2のシャフト軸A2にほぼ正反対に配置されたクロス部材を備えてもよく、それにより駆動シャフト軸A1がクロス部材と第2のシャフト軸A2との間にある。
【0049】
アクチュエータ10を貫通することができる電気ケーブル500も
図3に見ることができる。電気ケーブル500の第1の端部502は、モータ100に隣接するアクチュエータ10の軸方向端部にあり、電気ケーブル500の第2の端部506は、固定プレート218に隣接する。電気ケーブル500の中間端部504は、アクチュエータ10内の電気ケーブル500の端部であってもよく、モータ100に電力を運ぶことができ、及び/又はエンコーダからの情報をアクチュエータ10から運ぶことができる。
【0050】
電気ケーブル500はまた、モータハウジング102の周りに延在することができるループ部508を有することができ、ループ部(
図6に全体が示されている)は、アクチュエータが回転すると移動し、第1の端502を第2の端506に対して移動させることができる。ケーブル500の薄い断面も
図3に見ることができ、この断面は駆動シャフト軸A1に沿った方向に細長くなっている。これは、ループ部508を形成するのに役立ち得る。したがって、ケーブル500の断面は、アクチュエータ軸A1に沿った方向に細長く、アクチュエータ軸A1に垂直な方向(すなわち、半径方向)により薄い断面を有する。
【0051】
図4は、外側ハウジング600を含むアクチュエータ10を示す。外側ハウジング600は、モータハウジング出力部材110を介してモータハウジング102に結合されていることが分かる。外側ハウジング600はまた、モータ100の反対側の端部に中央孔を有し、この中央孔を介して、第2のシャフトマウントに結合された固定プレート218にアクセスすることができる。電気ケーブル500が外側ハウジング600から両方の軸方向に延在することも分かる。
【0052】
外側ハウジング600は、湾曲した側面及び2つの軸方向端面を有する実質的に円筒形であり、それによって、駆動シャフト108、モータ100、第1のトルク伝達装置200及び第2のトルク伝達装置300ならびにそれらのすべての構成要素を含む、アクチュエータ10の実質的にすべての他の構成要素を囲む。
【0053】
図5から、外側ハウジング600は、第1の部分600a及び第2の部分600bから形成され、第1及び第2の部分600a、600bはそれぞれ略円筒形であり、軸方向に分離可能であることが分かる。外側ハウジング600を2つのこのような部品から形成することにより、ハウジングをアクチュエータ10の周りにより容易に構成することができる。
【0054】
ハウジング600は、長さ100mm及び直径100mmであってもよい。好ましくは、ハウジング600の最長寸法は150mm未満である。ハウジング600は、モータ及びトルク伝達装置を囲む。コンパクトで円筒形のハウジング600を提供することにより、アクチュエータは、人型ロボット内での使用に適したパッケージを全体的に提供することができる。
【0055】
ブレーキ(図示せず)を設けるために、モータ100に隣接するハウジング600の内部に十分な空間があってもよい。ブレーキは、駆動シャフト108に制動力を提供するように配置されてもよく、したがって、モータ100の第1のプーリ202とは反対側の駆動シャフト108の周りに配置されてもよい。このため、駆動シャフト108は、モータ100を貫通してもよく、モータ100から対向する2方向に突出してもよい。
【0056】
以下に、各々が100mmの直径を有するハウジングを有するアクチュエータ装置の3つの具体例の寸法を開示する。各トルク伝達装置内のプーリの小さい方は、10mmの直径を有する。
【0057】
第1の例では、モータの直径は40mmであり、両方のトルク伝達装置のトルク比は4:1である。
【0058】
第2の例では、モータの直径は50mmであり、第1のトルク伝達装置のトルク比は3:1であり、出力トルク伝達装置のトルク比は5:1である。
【0059】
第3の例では、モータの直径は60mmであり、第1のトルク伝達装置のトルク比は2:1であり、出力トルク伝達装置のトルク比は6:1である。
【0060】
図6は、ケーブルの延伸及び潜在的な損傷を回避するために、アクチュエータ10が回転すると移動可能であり得る180°のループ部508を含み、アクチュエータ10を貫通するように配置された電気ケーブル500の全範囲を示す。
【0061】
図7は、代替的なプーリの配置700を示す。この配置は、モータ702によって駆動され、その端面図のみが見え、駆動シャフト及びプーリ704を回転させるように構成されている。駆動シャフト及び第1のプーリ704は、第1のケーブル又はバンド706を介して、第3のプーリ710を有するシャフト上にある第2のプーリ708に結合されており、第3のプーリ710は、第2のケーブル又はバンド712を介して第4のプーリ714に結合されている。第4のプーリ714は、シャフトを介して第5のプーリ716に結合され、第5のプーリは、ケーブル又はバンド718を介して第6のプーリ720に結合され、第6のプーリは、シャフトを介して第7のプーリ722に結合され、第7のプーリは、さらなるケーブル又はバンド724によってモータハウジングに結合され、最終プーリ726を組み込む。
【0062】
図7に示す配置は、上述したものと実質的に同様のアクチュエータ内に組み込まれてもよいが、得られる機械的利点を高めるようにさらなるプーリ及びシャフトが組み込まれている。
【0063】
図示のように配置は、1つの第2のシャフト及び3つの第2のシャフトを有するが、モータから離れて配置された2つのシャフト又はモータから離れて配置された4つのシャフトを有する配置も使用できることが理解されよう。
【0064】
図8は、ロボットアーム800を示す。ロボットアーム800は、水平ベースBに固定された垂直軸アクチュエータ802と、垂直軸アクチュエータ802に結合され、上部アーム806とも呼ばれ得る第1の部材806を移動させるように配置されたショルダジョイント804とを有する。上部アーム806は、下部アーム810又は前腕810とも呼ばれ得る第2の部材810に結合されている。上部アーム806は、エルボジョイント808で前腕810に結合され、エルボジョイント808とは反対側の前腕810の端部にエンドエフェクタ812がある。
【0065】
上述したようなアクチュエータは、エルボジョイント808又はショルダジョイント804に配置されてもよく、第2のシャフトマウント210及び固定プレート218は、垂直アクチュエータ802、上部アーム806又は下部アーム810のいずれかに適宜固定されてもよい。
【0066】
図9は、代替のアクチュエータ850を示す。アクチュエータ850は、ハウジング853と、ハウジング853から延びる駆動シャフト854とを有するモータ852を備える。モータ852は、駆動シャフト軸A3を中心にハウジング853に対して駆動シャフト854を回転させるように配置される。駆動シャフト854はまた、プーリとして作用してもよく、又はプーリに固定されてもよく、したがって、第2のプーリ856を回転させるためにケーブル又はバンドを駆動してもよい。
【0067】
第2のプーリ856は、駆動シャフト軸A3から離間した第2のシャフト軸A4を中心に回転するように配置された第2のシャフト853に支持されている。第2のシャフト853は第3のプーリ857も有し、第3のプーリは、第4のプーリ860に固定された、又はそうでなければ結合されたバンド又はケーブルを駆動するように配置されている。モータハウジング853は、第4のプーリ860内にあるか、あるいは、第4のプーリに固定されてもよく、又は一体であってもよい。
【0068】
代替的なアクチュエータ850の上述の態様は、前述のアクチュエータ10の対応する態様と実質的に同様であることが理解されよう。したがって、代替のアクチュエータ850はまた、代替のアクチュエータ850に関連して明示的に記載されていないアクチュエータ10の他の特徴を共有することができる。
【0069】
図10は、代替のアクチュエータ850がロボットジョイント880内にどのように組み込まれ得るかを示す。ロボットジョイント880は、駆動シャフト軸A3を中心として2つの部材を互いに対して枢動するように配置される。
【0070】
図10に示すように、第2のシャフト853は、外部部材884a、bによって支持されるように配置されている。このため、第2のシャフト853は、外部部材884a、bの対応する穴に受け入れられるように配置されたベアリングを更に備えてもよい円形端部872a、872bを有する。
【0071】
外部部材884a、bは、接続フランジとも呼ばれてよい、各々が駆動シャフト軸A3を中心とするベアリング面867a、bを有する面フランジ868a、868bに結合され、したがって、外部部材884a、bは、駆動シャフト軸A3を中心に回転するように配置される。
【0072】
面フランジ868a、868bは、それらがさらなる外部部品に結合されることを可能にするボルト穴を有する。面フランジ868a、868bはまた、それぞれのベアリング面867a、bに弾性支持を提供するように作用する。
【0073】
第1の面フランジ部868aは、クロス部材870を介してモータハウジング853に結合されている。クロス部材870は、環形又は押出円弧の扇形の形状を有し、駆動シャフト854の周りに部分的に延在する。この形状を有することにより、クロス部材870は、アクチュエータ850に良好な強度を提供することができる。モータハウジング853とは反対側の端部でクロス部材870に結合されたアクチュエータの部分はまた、駆動シャフト854を支持することができ、それによって駆動シャフト854の剛性を改善させることができる。
【0074】
ベアリング面のうちの第2のベアリング面867bは、駆動シャフト854とは反対側の端部でモータハウジング853に結合されている。第2のベアリング面867bは、モータハウジング853に直接固定されてもよい。
【0075】
外部部材884a、bは、第2のクロス部材886を介して接続されており、これにより、ジョイント装置880の構造剛性を改善させることができる。クロス部材886もまた、外部部材884a、bの分離を防止することができる。外部部材は、
図8に示すロボットアーム800などのロボットアームの部材の一部であってもよく、あるいはそれに固定されてもよく、又はそれと一体であってもよい。
【0076】
ロボットアームの隣接部材は、2つのさらなる外部部材882a、882bに固定されてもよく、又は一体化されてもよい。さらなる外部部材882aのうちの第1の外部部材882aは、クロス部材870に固定されるか、又はクロス部材870と第1の面フランジ868aとの間に固定される。さらなる外部部材のうちの第2の外部部材882bは、モータハウジング853に固定される。
【0077】
図10に示すように、第2のシャフト853は、アクチュエータ850が配置されるロボットアームの部材内に支持されてもよい。駆動シャフト軸A3と第2のシャフト軸A4との間の分離距離を増加させることにより、より大きなプーリ及び/又はより大きなモータが使用され、したがって、ジョイントのサイズを増加させることなく、アクチュエータ850によって供給されるトルクの改善を達成することができる。
【0078】
代替のアクチュエータの第1の例では、モータの直径は60mmであり、第1のトルク伝達装置のトルク比は4:1であり、出力トルク伝達装置のトルク比は6:1である。各トルク伝達装置内のプーリの小さい方は、10mmの直径を有する。
【0079】
代替のアクチュエータの第2の例では、モータの直径は90mmであり、第1のトルク伝達装置のトルク比は4:1であり、出力トルク伝達装置のトルク比は9:1である。各トルク伝達装置内のプーリの小さい方は、10mmの直径を有する。
【0080】
第2のシャフト軸によって許容される駆動シャフト軸と第2のシャフト軸との間の間隔が外部部材によって支持されることによって、改善されたトルク変換及びモータサイズを可能にすることができる。
【0081】
図11は、代替のアクチュエータ850及びロボットジョイント880を組み込んだロボットアーム890を示す。ロボットアームは、下部アームである第1の部材892と、上部アームである第2の部材894とを有する。
図11から、アクチュエータ850がその中に位置するエンベロープがエルボジョイント内に快適に位置し、外部部材882、884が第1及び第2の部材892、894に沿って位置し得ることが分かる。
【0082】
図12は、ケーブル部分がコネクタ900を介して第2のプーリ304にどのように接続され得るかを示す、第4のプーリ304の逆図を示す。
【0083】
図12から、コネクタ900は、実質的に湾曲しており、第4のプーリ304の外面の湾曲と同様の湾曲を有し、コネクタから離れて延在するケーブル部分912、914を有し、ケーブル部分912、914は、コネクタ900の本体と第2のプーリ304との間にあり、ケーブル部分912、914は、ケーブル部分912、914がコネクタ900から離れて延在する端部とは反対側の端部でコネクタ900上に配置される固定点902、906でコネクタ500に接続されることが分かる。
【0084】
ケーブル部分912は、
図2に示す第1及び第2のケーブル部分306A、306Bと同じケーブル部分であってもよいことが理解されよう。
【0085】
図13は、コネクタ900の一方が取り外され、コネクタ900を受けるための受け部1000を露出させた第4のプーリ304を示す。受け部1000は、第1及び第2のケーブル部分912、914を受ける2つの螺旋溝1004、1006と、コネクタ900の各歯と係合する受け歯1002とを有する。
【0086】
図14は、一部が取り外されたコネクタ900の断面図を示す。したがって、ケーブル部分912は、第1の固定点902からコネクタの長さに沿って延在することが分かる。コネクタ900はまた、ケーブル部分912の半径方向外側の実質的に平坦な湾曲部分であり、ケーブル部分912に隣接する半径方向内側に歯付き部分922を有する本体920を備える。
【0087】
歯付き部分922は歯924を備え、各歯は係合面926を有し、第1の固定点902から離れる第1の方向に面し、本体部分920に対して実質的に垂直であり、第2の固定点904に面している。各歯はまた、その構造が係合面926を支持し、本体部分920と20度~60度の角度を定める傾斜面928と、係合面926と傾斜面928とを接合する湾曲面930とを有する。各歯924は中実であってもよく、係合面926、傾斜面928及び湾曲面930によって画定されてもよく、本体部分920から離れて延在してもよい。
【0088】
図15は、コネクタ900の平面図を示しており、2つの平行なケーブル部分912、914と、ケーブル間に位置する歯付き部分922とを示している。第2のケーブル部分914も二つの固定点906、908でコネクタ900に固定されており、固定点902、904、906、908の間に歯付き部分922が位置している。このような対称的な配置を提供することにより、コネクタにかかる応力をより均等にバランスさせることができ、歯にかかる曲げ力を低減することができる。
【0089】
コネクタ900は、成形プロセス、任意選択的に射出成形プロセスによって形成されてもよく、ケーブル部分912、914の周りに成形されてもよい。ケーブル部分912、914は、金型内に配置され、プラスチックが金型内に導入され、プラスチックがケーブルの繊維を通って拡散し得るときに張力を維持することができる。このようにコネクタを成形することにより、ケーブルに沿ってより均質な張力を形成することができる。これにより、コネクタ900は、ケーブル部分912、914の各々における引張応力及び本体部分920における圧縮応力として現れるあるレベルの残留応力で形成され得る。
【0090】
余分なケーブルの部分は、金型から両方向(すなわち、固定点902、906から両方向に)に延在してもよく、これらのケーブル部分は、コネクタ900を第2のプーリ304に固定し、その後除去するために使用されてもよい。余分なケーブル部分(図示せず)は、固定点902、906から離れて延在してもよく、コネクタ900をプーリ304に弾性的に結合するために張力で保持されてもよい。
【0091】
さらなる開示は、以下の項に記載されている。
【0092】
A.ケーブルをプーリに結合するためのコネクタであって、
本体と、該本体から離れて延びる複数の歯とを有する歯付き部分であって、歯は、第1方向を向く係合面を有する、歯付き部分と、
歯付き部分に沿って延在し、第1の固定点で歯付き部分に固定されたケーブル部分であって、ケーブル部分は、第1の固定点から離れて歯付き部分に沿って第1の方向に延在する、ケーブル部分と、を備える、コネクタ。
【0093】
B.ケーブル部分が、第2の固定点で歯付き部分に固定され、複数の歯が、第1の固定点と第2の固定点との間に配置される、A項に記載のコネクタ。
【0094】
C.ケーブル部分が第1のケーブル部分であり、
コネクタは、第3の固定点で歯付き部分に固定された第2のケーブル部分をさらに備え、ケーブル部分は、第3の固定点から離れて歯付き部分に沿って、第1のケーブル部分に実質的に平行な第1の方向に延在する、A項またはB項に記載のコネクタ。
【0095】
D.第2のケーブル部分が、第4の固定点で歯付き部分に固定され、複数の歯が、第3の固定点と第4の固定点との間に配置される、第C項に記載のコネクタ。
【0096】
E.複数の歯が、第1のケーブル部分と第2のケーブル部分との間に配置される、第C項又は第D項に記載のコネクタ。
【0097】
F.第1及び/又は第2のケーブル部分が、それぞれ第1及び/又は第3の固定点で終端する、第A項~第E項のいずれかに記載のコネクタ。
【0098】
G.歯付き部分が湾曲している、第A項~第F項のいずれかに記載のコネクタ。
【0099】
H.歯付き部分がケーブル部分よりも柔軟性に劣る、第A項~第G項のいずれかに記載のコネクタ。
【0100】
I.各係合面が、本体に対して実質的に垂直である、第A項~第H項のいずれかに記載のコネクタ。
【0101】
J.歯の係合面がそれぞれ円弧に垂直であり、円弧に沿って位置する、第A項~第I項のいずれかに記載のコネクタ。
【0102】
K.歯が実質的に三角形であり、各歯が係合面と本体との間に延在する傾斜面を有する、第A項~第J項のいずれかに記載のコネクタ。
【0103】
L.傾斜面が、10°~60°の角度で本体と交わる、第K項に記載のコネクタ。
【0104】
M.歯がそれぞれ、傾斜面が係合面と交わる湾曲面を有する、第K項又は第L項に記載のコネクタ。
【0105】
N.円筒面を有するプーリであって、円筒面が受け部を有し、該受け部が、第A項~第M項のいずれかに記載のコネクタを受けるように配置された歯付き凹部を有する、プーリ。
【0106】
O.ケーブル部分を受けるように配置された螺旋溝をさらに備える、第N項に記載のプーリ。
【0107】
P.第N項又は第O項に記載のプーリと、第A項から第M項のいずれか一項に記載のコネクタとを備える、プーリ及びケーブルシステム。
【0108】
Q.コネクタの製造方法であって、
コネクタ部を形成するための金型を提供することと、
該金型の少なくとも1つの壁を通してケーブル部分を挿入することと、
コネクタ部が、ケーブル内に引張残留応力を伴ってケーブルの周りに形成されるように、ケーブル部分が金型内で張力で保持されている間にケーブル部分の周りにコネクタ部を成形することと、を含む方法。
【0109】
R.ケーブル部分がコネクタ部分から2つの方向に離れて延在するように、ケーブル部分がコネクタ部分を貫通する、第Q項に記載の方法。
【0110】
S.コネクタ部を形成するために使用される材料が、ケーブル部分の繊維を通って拡散する、第Q項又は第R項に記載の方法。
【0111】
T.方法は、第A項~第M項のいずれか一項に記載のコネクタを形成する、第Q項、第R項又は第S項に記載の方法。
【0112】
U.第P項に記載のプーリ及びケーブルシステムを構築する方法であって、
コネクタ部から離れて第1又は第3の固定点から延在する余分なケーブル部分を保持することと、
余分なケーブル部分に張力を加えながらコネクタを受け部と係合するように移動させることと、
コネクタが受け部と係合した後に、余分なケーブル部分を除去することと、を含む、方法。
【0113】
本発明を1つ以上の好ましい実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更又は修正を行うことができることが理解されよう。
【国際調査報告】