(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】腔内胃形成装置による組織操作
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540026
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 IL2020050041
(87)【国際公開番号】W WO2020144693
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517124088
【氏名又は名称】ニティノーツ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NITINOTES LTD.
【住所又は居所原語表記】5 HaEshel Street,Beit Galileo 2,P.O Box 3158,Caesarea, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バル-オン ラズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘフトマン ギラード
(72)【発明者】
【氏名】コーエン イチャク
(72)【発明者】
【氏名】シャピラ エリ
(72)【発明者】
【氏名】ドラー マリーナ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB18
4C160MM44
(57)【要約】
胃スリーブの腔内生成のデバイスおよび方法が記載される。ブジーカプセルセクションは、体腔組織(例えば、胃壁組織)を把持し、位置決めし、保持する吸引クランプドメインを通る屈曲を誘発する屈曲を可能にする1つ以上の機構を備える。針駆動部は、任意選択で吸引クランプドメインが屈曲している間に、吸引クランプドメインによって規定される縫合空間を通る螺旋針の長手方向移動を可能にするように構成される。吸引クランプドメインは、折り畳まれた構成で胃に挿入することができ、次いで、胃内で一旦拡張することができる。潜在的に、これは、縫合のために、組織のより大きなおよび/またはより深い折り目を把持し、位置決めすることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションであって、
ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間に長手方向に延在するカプセル本体と、
前記カプセル本体内の弓形針と、
前記弓形針を押圧するように嵌合され、前記カプセル本体に沿って長手方向に延びるシャフトであって、前記シャフトと前記弓形針との間の摩擦によって、前記カプセル本体の長手軸の周りに前記弓形針の回転を駆動するように回転可能なシャフトと、
を備えるブジーカプセルセクション。
【請求項2】
前記弓形針は螺旋針であり、
前記螺旋針の回転は、前記カプセル本体の長手軸に沿った前記螺旋針の並進を伴う、
請求項1に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項3】
前記カプセル本体は、それに沿って前記螺旋針が回転し、かつ、長手方向に前進するチャネルの螺旋配列を規定し、
前記シャフトは、前記シャフトが前記チャネルの螺旋配列と交差する少なくとも1つの位置において、前記螺旋針を押圧する、
請求項2に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項4】
前記シャフトは、
前記弓形針の円弧における半径方向の内側にあり、
前記円弧の内側で前記弓形針を押圧する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項5】
前記シャフトは、
前記弓形針の円弧における半径方向の外側にあり、
前記円弧の外側で前記弓形針を押圧する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項6】
前記カプセル本体および前記シャフトは、前記シャフトが前記弓形針を押圧する部位に沿って可撓性を有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項7】
前記弓形針は、相対的に高い高摩擦面と相対的に低い低摩擦面とを含み、
前記シャフトは、前記高摩擦面を押圧する、
請求項1~6のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項8】
前記低摩擦面は、前記カプセル本体の表面を押圧する、
請求項7に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項9】
前記シャフトは、
複数のストランドを備えるケーブルセクションと、
ピンが前記弓形針を押圧する前記カプセル本体に沿って配置された固体片を有するピンセクションと、
を備える、
請求項1~8のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項10】
前記ピンは、一定、かつ、均一な直径を有する、
請求項9に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項11】
前記ピンは、テーパ状である、
請求項9に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項12】
前記シャフトは、前記シャフトが回転するにつれて長手方向に移動するように構成される、
請求項9~10のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項13】
前記ピンの長手方向の移動は、前記弓形針の長手方向の移動の間、前記ピンと前記弓形針との接触を維持する、
請求項12に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項14】
前記カプセル本体は、前記カプセル本体に沿って配置され、かつ、前記シャフトが通過する、複数の長手方向に整列した空間を含み、
前記シャフトは、前記長手方向に整列した空間の間の1つ以上の位置で前記弓形針に対して保持される、
請求項1~13のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項15】
前記カプセル本体は、吸引クランプドメインを規定し、
前記吸引クランプドメインは、
前記吸引クランプドメインに沿って配置された支持表面によって規定され、
前記ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間に、前記吸引クランプドメインに吸引を加えることにより、前記支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成されている、
請求項1~14のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項16】
腔内縫合方法であって、
回転するシャフトとの摩擦相互作用によって螺旋針を回転させ、
前記螺旋針をブジーカプセルセクションに沿って前進させる、
腔内縫合方法。
【請求項17】
前記シャフトは、前記ブジーカプセルセクションに沿って長手方向に嵌合され、前記螺旋針を押圧する、
請求項16に記載の腔内縫合方法。
【請求項18】
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションであって、
前記ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間の吸引クランプドメインを通って長手軸に沿って延在するカプセル本体と、
前記吸引クランプドメインの支持表面によって規定され、かつ、前記ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間、前記吸引クランプドメインに吸引を加えることにより前記支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された縫合空間と、
を備え、
前記カプセル本体は、互いに対する角度を変化させて、前記カプセル本体内に屈曲を生成するように構成された関節セグメントを含む、
ブジーカプセルセクション。
【請求項19】
前記吸引クランプドメインは、前記関節セグメントを含む、
請求項18に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項20】
前記関節セグメントは、単一の連続片で長手方向に相互接続され、
セグメント間の関節接合は、関節接合継手を形成するために前記単一の連続片の材料を薄くすることを含む、
請求項18または請求項19に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項21】
前記関節セグメントは、螺旋状に配列されたチャネルを規定しており、
前記関節セグメントが屈曲される間に、前記螺旋状に配列されたチャネルを通って回転するにつれて、長手方向に前進するように構成された螺旋針を備える、
請求項18~20のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項22】
前記吸引クランプドメインを通って長手方向に延びて前記螺旋針を押圧するように嵌合されたシャフトを有し、
前記シャフトは、前記関節セグメントが、前記シャフトが前記螺旋針を押圧する位置のいずれかの側で屈曲される間、前記シャフトと前記螺旋針との間の摩擦によって前記螺旋針の回転を駆動するように回転可能である、
請求項21に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項23】
前記屈曲は、前記支持表面の一部を提供するため、前記吸引クランプドメインを通って長手方向に延在する長手ブロッカを介して前記カプセル本体に取り付けられ、かつ、前記長手ブロッカのいずれかの側の別個の開窓部に、前記縫合空間に通じる開口領域を長手方向に分割する制御部材の動作によって生成され、
前記制御部材の長手方向移動時の前記長手ブロッカの移動は、前記カプセル本体に前記屈曲を生成する、
請求項18~22のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項24】
腔内縫合方法であって、
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインを体腔に挿入するステップと、
前記吸引クランプドメインに沿って屈曲を誘導するステップと、
前記吸引クランプドメインの支持表面上に前記体腔の組織を折り畳むための吸引を、屈曲したブジーカプセルセクション内の縫合空間に適用するステップと、
前記縫合空間を通して、および、螺旋針の回転による屈曲を通して前記螺旋針を前進させるステップと、
を含む腔内縫合方法。
【請求項25】
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションであって、
前記ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間の吸引クランプドメインを通って長手軸に沿って延在するカプセル本体と、
前記吸引クランプドメインの支持表面によって規定され、かつ、前記ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間に、前記吸引クランプドメインに吸引を加えると前記支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された縫合空間と、
を備え、
前記ブジーカプセルセクションは、前記支持表面の移動によって拡張可能である、
ブジーカプセルセクション。
【請求項26】
前記ブジーカプセルセクションの拡張は、前記支持表面の外向きの移動によって前記縫合空間の断面寸法を増大させる、
請求項25に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項27】
前記縫合空間が、背側、腹側、および腹側正中線を含み、
前記支持表面の少なくともいくつかは、前記腹側正中線に対して外側の前記縫合空間の側面に取り付けられ、
前記支持表面は、制御部材による作動時に、前記カプセル本体から外側側方に移動する、
請求項25に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項28】
前記支持表面は、旋回によって前記カプセル本体に取り付けられる、
請求項27に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項29】
前記縫合空間が、背側、腹側、および腹側正中線を含み、
前記支持表面の少なくともいくつかは、前記腹側正中線の外側の前記縫合空間の側面に取り付けられたアウトリガーの表面であり、
前記アウトリガーは、制御部材による作動時に、前記支持表面を前記カプセル本体から腹側の方向に移動させるように構成される、
請求項25に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項30】
前記アウトリガーは、格子状に分かれた支持体を備え、
前記支持体は、それらの交差部を介して互いに連結されている、
請求項29に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項31】
それぞれのアウトリガーは、格子状に分かれた支持体を備え、
前記支持体は、形状記憶合金片から形成されている、
請求項29に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項32】
それぞれのアウトリガーは、旋回によってカプセル本体に取り付けられ、スタビライザーバーによって接合された複数の支持体を備える、
請求項29に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項33】
前記支持表面の少なくともいくつかは、制御部材による作動時に、前記カプセル本体の腹側正中線に沿って外側に膨らむように構成された長手ブロッカの表面である、
請求項25~32のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項34】
折り畳み可能なブジー配向突起を備え、
前記ブジー配向突起は、遠位側に固定され、折り畳み可能なブジー配向突起に取り付けられた制御部材の遠位前進時に外向きに拡張するように構成される、
請求項33に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項35】
腔内縫合のためのブジーにおけるブジーカプセルセクションであって、
前記ブジーカプセルセクションの長手軸のいずれかの側に沿って延在する組織支持構造と、組織支持構造から背側にオフセットされた位置で、組織支持体の間および組織支持体に沿って延在する背側壁と、の内部に形成された組織受容空間を有し
前記背側壁から前記組織受容空間内に突出する内向き突出部が設けられ、
前記内向き突出部は、前記組織受容空間を分割して、前記内向き突出部のいずれかの側にチャネルを規定する、
ブジーカプセルセクション。
【請求項36】
内向き突出部は、何れかの側において、側方突出部分に分岐し、
前記側方突出部分は、前記内向き突出部と前記背側壁との間に中空部を規定する、
請求項35に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項37】
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションであって、
前記ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間に吸引クランプドメインを規定するように長手方向に延在するカプセル本体と、
前記ブジーカプセルセクションが、前記ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間の前記吸引クランプドメインへの吸引の適用時に支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された、前記吸引クランプドメインに沿って配置された前記支持表面によって囲まれた縫合空間と、
前記支持表面は、前記吸引クランプドメインに沿って長手方向に延在し、前記縫合空間に通じる開口領域を長手ブロッカのいずれかの側の別個の開窓部に長手方向に分割する長手ブロッカを含み、
前記長手ブロッカは、前記長手ブロッカの移動が前記カプセル本体に屈曲を生成するように構成される、
ブジーカプセルセクション。
【請求項38】
前記長手ブロッカは、前記長手方向に分割した部分を別個の開窓部に除去するために、前記開口領域上から取り外し可能である、
請求項37に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項39】
体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションであって、
前記ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間に吸引クランプドメインを規定するように長手方向に延在するカプセル本体と、
前記ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間に前記吸引クランプドメインに吸引を加えると支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された、前記吸引クランプドメインに沿って配置された前記支持表面によって囲まれた縫合空間と、
前記支持表面は、前記縫合空間に通じて開口領域の近位部分を閉じる開口領域の近位側を通って延びる長手ブロッカの閉鎖部分を含み、
前記長手ブロッカは、前記開口領域の近位部分を徐々に開くように近位方向に引き抜かれるように構成される、
ブジーカプセルセクション。
【請求項40】
前記長手ブロッカの完全な引き抜きによって開放された開口領域が、少なくとも5cmの長さの単一の開口を含む、
請求項39に記載のブジーカプセルセクション。
【請求項41】
前記長手ブロッカは、前記閉鎖部分よりも狭い前記長手ブロッカの狭い部分を備え、
前記狭い部分は、前記閉鎖部分から遠位に、かつ前記吸引クランプドメインに沿って延在し、前記縫合空間に通じる開口領域を長手方向における前記長手ブロッカのいずれかの側の別個の開窓部に分割する、
請求項39~40のいずれか1項に記載のブジーカプセルセクション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月9日に出願された米国仮特許出願第62/790,070号の35USC 119(e)に基づく優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本実施例は、肥満外科手術の分野に関し、特に、胃縫合糸の腔内配置に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満および2型糖尿病のような肥満に関連する病状は、世界中で懸念が高まっている。胃腸の減量手術(肥満外科手術)は、持続的な体重減少と2型糖尿病の改善を達成するのに有効であることが示されている。開腹手術または腹腔鏡下スリーブ状胃切除術による胃容積の減少は、最も有効な治療法のひとつであることが証明されている。
【0004】
しかし、このパンデミックの規模のため、低侵襲性に拘わらず、いかなる外科的アプローチでも、依然として需要を満たすための努力が続くと考えられる。中等度の肥満患者は、脆弱な患者(例えば、小児)と同様に、十分な治療を受けられていない。例えば、米国では数万ドルに達するように、手続き費用も、世界中でひどく高いものとなっている。
【0005】
さらに、外科手術手順自体には危険がないわけではない。手術に関連した漏出、併存疾患の重症度等の合併症や、外科医の学習曲線は、このアプローチの広範な採用を制限してきた要因のいくつかであり、また制限すると考えられる要因のいくつかである。
【0006】
胃容積減少手術の形態が比較的非侵襲的であることに加えて、腔内の胃スリーブ形成は、胃からの漏出の危険性を減少させる可能性を有する。胃自体は任意に無傷のままであるので、外科的切除によるスリーブ形成に対する腔内技術の別の潜在的利点は、例えば合併症の場合の可逆性を有することである。腔内の胃スリーブ形成のための装置および方法は、例えば、2007年12月27日に出願されたMikkaichiらによる米国特許公開第2008/0249404号、2001年5月30日に出願されたDeemらによる米国特許第6,558,400号、2011年3月1日に出願されたOrtizらによる米国特許第7,896,890号、および2006年8月1日に出願されたWellerらによる米国特許第7,083,629号に記載されている。
【発明の概要】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションが提供される。ブジーカプセルセクションは、ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間で長手方向に延在するカプセル本体と、カプセル本体内の弓形針と、弓形針を押圧するようにカプセル本体に沿って長手方向に嵌合されるシャフトであって、弓形針との間の摩擦によって、カプセル本体の長手軸の周りに弓形針の回転を駆動するように回転可能なシャフトとを備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、弓形針は螺旋針であり、螺旋針の回転は、カプセル本体の長手軸に沿った螺旋針の並進を伴う。
【0009】
いくつかの実施形態では、カプセル本体は、それに沿って螺旋針が回転し、かつ、長手方向に前進するチャネルの螺旋配列を規定し、シャフトは、シャフトがチャネルの螺旋配列と交差する少なくとも1つの位置で螺旋針を押圧する。
【0010】
いくつかの実施形態では、シャフトは、弓形針の円弧における半径方向の内側にあり、円弧の内側で弓形針を押圧する。
【0011】
いくつかの実施形態では、シャフトは、弓形針の円弧における半径方向の外側にあり、円弧の外側で弓形針を押圧する。
【0012】
いくつかの実施形態では、カプセル本体およびシャフトは、シャフトが弓形針を押圧する部位に沿って可撓性を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、弓形針は、相対的に高い高摩擦面と相対的に低い低摩擦面とを含み、シャフトは、高摩擦面を押圧する。
【0014】
いくつかの実施形態では、低摩擦面は、カプセル本体の表面を押圧する。
【0015】
いくつかの実施形態では、シャフトは、複数のストランドを備えるケーブルセクションと、ピンが弓形針を押圧するカプセル本体に沿って配置された固体片を有するピンセクションとを備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、ピンは、一定、かつ、均一な径を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ピンは、テーパ状である。
【0018】
いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフトが回転するにつれて長手方向に移動するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、ピンの長手方向の移動は、針の長手方向の移動の間、ピンと針との接触を維持する。
【0020】
いくつかの実施形態では、カプセル本体は、カプセル本体に沿って配置され、シャフトが通過する複数の長手方向に整列した空間(lumens)を備え、シャフトは、長手方向に整列した空間(lumens)の間の1つ以上の位置で弓形針に対して保持される。
【0021】
いくつかの実施形態では、カプセル本体は、吸引クランプドメインを規定し、吸引クランプドメインは、吸引クランプドメインに沿って配置された支持表面によって規定され、ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間に、吸引クランプドメインに吸引を加えることにより、支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成されている。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、回転するシャフトとの摩擦相互作用によって螺旋針を回転させ、螺旋針をブジーカプセルセクションに沿って前進させる、腔内縫合方法が提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、シャフトは、ブジーカプセルセクションに沿って長手方向に嵌合され、螺旋針を押圧する。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションが提供される。ブジーカプセルセクションは、ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間の吸引クランプドメインを通って長手軸に沿って延在するカプセル本体と、吸引クランプドメインの支持表面によって規定され、かつ、ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間、吸引クランプドメインに吸引を加えることにより支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された縫合空間とを備え、カプセル本体は、互いに対する角度を変化させて、カプセル本体内に屈曲を生成するよう構成された関節セグメントを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、吸引クランプドメインは、関節セグメントを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、関節セグメントは、単一の連続片で長手方向に相互接続され、セグメント間の関節接合は、関節接合継手を形成するために単一の連続片の材料を薄くすることを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、関節セグメントは、螺旋状に配列されたチャネルを規定しており、関節セグメントが屈曲される間に、螺旋状に配列されたチャネルを通って回転するにつれて、長手方向に前進するように構成された螺旋針を備える。
【0028】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクションは、吸引クランプドメインを通って長手方向に延びて螺旋針を押圧するように嵌合されたシャフトを有し、シャフトは、関節セグメントが、シャフトが螺旋針を押圧する位置のいずれかの側で屈曲される間、シャフトと螺旋針との間の摩擦によって螺旋針の回転を駆動するように回転可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、屈曲は、支持表面の一部を提供するため、吸引クランプドメインを通って長手方向に延在する長手ブロッカを介してカプセル本体に取り付けられ、かつ、長手ブロッカのいずれかの側の別個の開窓部に、縫合空間に通じる開口領域を長手方向に分割する制御部材の動作によって生成され、制御部材の長手方向移動時の長手ブロッカの移動は、カプセル本体に屈曲を生成する。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態によれば、腔内縫合方法が提供される。この方法は、体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインを体腔に挿入するステップと、吸引クランプドメインに沿って屈曲を誘導するステップと、吸引クランプドメインの支持表面上に体腔の組織を折り畳むための吸引を、屈曲したブジーカプセルセクション内の縫合空間に適用するステップと、縫合空間を通して、および、螺旋針の回動による屈曲を通して螺旋針を前進させるステップとを含む。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態によれば、体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションが提供される。ブジーカプセルセクションは、ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間の吸引クランプドメインを通って長手軸に沿って延在するカプセル本体と、吸引クランプドメインの支持表面によって規定され、かつ、ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間に、吸引クランプドメインに吸引を加えると支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された縫合空間とを備え、ブジーカプセルセクションは、支持表面の移動によって拡張可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクションの拡張は、支持表面の外向きの移動によって縫合空間の断面寸法を増大させる。
【0033】
いくつかの実施形態では、縫合空間は、背側、腹側、および腹側正中線を含み、支持表面の少なくともいくつかは、腹側正中線の外側の縫合空間の側面に取り付けられ、支持表面は、制御部材による作動時に、カプセル本体から外側側方に移動する。
【0034】
いくつかの実施形態では、支持表面は、旋回によってカプセル本体に取り付けられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、縫合空間は、背側、腹側、および腹側正中線を含み、支持表面の少なくともいくつかは、腹側正中線の外側の縫合空間の側面に取り付けられたアウトリガーの表面であり、アウトリガーは、制御部材による作動時に、支持表面をカプセル本体から腹側の方向に移動させるように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、アウトリガーは、格子状に分かれた支持体を備え、支持体は、それらの交差部を介して互いに連結されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、アウトリガーは、格子状の支持体を備え、支持体は、形状記憶合金片から形成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、それぞれのアウトリガーは、旋回によってカプセル本体に取り付けられ、スタビライザーバーによって接合された複数の支持体を備える。
【0039】
いくつかの実施形態では、支持表面の少なくともいくつかは、制御部材による作動時に、カプセル本体の腹側正中線に沿って外側に膨らむように構成された長手ブロッカの表面である。
【0040】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能なブジー配向突起を備え、ブジー配光突起は、遠位側に固定され、折り畳み可能なブジー配向突起に取り付けられた制御部材が遠位への前進により外向きに拡張するように構成される。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態によれば、腔内縫合のためのブジーにおけるブジーカプセルセクションは、カプセルセクションの長手軸のいずれかの側に沿って延在する組織支持構造内にフレーム化された組織受容空間と、組織支持構造から背側にずれた位置で組織支持体の間およびそれに沿って延在する背側壁とを備え、背側壁から組織受容空間内に突出する、内向き突出部は、組織受容空間を分割して、内向き突出部のいずれかの側にチャネルを規定する。
【0042】
いくつかの実施形態では、内向き突出部は、何れかの側において、側方突出部分に分岐し、側方突出部分は、内側に突出する部分と背側壁との間に中空部を規定する。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態によれば、体腔内から体腔の組織を成形および縫合するように構成されたブジーカプセルセクションが提供される。ブジーカプセルセクションは、ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間に吸引クランプドメインを規定するように長手方向に延在するカプセル本体と、ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間の吸引クランプドメインへの吸引の適用時に支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された、吸引クランプドメインに沿って配置された支持表面によって囲まれた縫合空間とを備え、支持表面は、吸引クランプドメインに沿って長手方向に延在し、縫合空間に通じる開口領域を長手ブロッカのいずれかの側の別個の開窓部に長手方向に分割する長手ブロッカを備える。長手ブロッカは、長手ブロッカの移動がカプセル本体内に屈曲を生成するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、長手ブロッカは、長手方向に分割した部分を別個の開窓部に除去するために、開口区域上から取り外し可能である。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態によれば、体腔内から体腔の組織を成形し縫合するように構成されたブジーカプセルセクションが提供される。ブジーカプセルセクションは、ブジーカプセルセクションの遠位側と近位側との間に吸引クランプドメインを規定するように長手方向に延在するカプセル本体と、ブジーカプセルセクションが体腔に挿入されている間の吸引クランプドメインへの吸引の適用時に支持表面上に折り畳まれた体腔の組織を受容するように構成された、吸引クランプドメインに沿って配置された支持表面によって囲まれた縫合空間とを備え、ブジーカプセルセクションは、体腔に挿入され、支持表面は、縫合空間に通じる開口領域の近位側を通って延在し、開口領域の近位部分を閉じる長手ブロッカの閉鎖部分を備え、長手ブロッカは、開口領域の近位部分を近位方向に次第に開くように引き抜かれるように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、長手ブロッカの完全な引き抜きによって開放された開口区域は、少なくとも5cmの長さの単一の開口を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、長手ブロッカは、閉鎖部分よりも狭い長手ブロッカの狭い部分を備え、この狭い部分は、閉鎖部分から遠位に、かつ吸引クランプドメインに沿って延在し、縫合空間に通じる開口領域を長手方向における長手ブロッカのいずれかの側で別個の開窓部に分割する。
【0048】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明されるものと類似または同等の方法および材料を、本開示の実施例の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に説明する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
いくつかの実施例の本開示が、添付の図面に関連して、例示としてのみ、本明細書に記載される。ここで図面を詳細に具体的に言及すると、示される詳細は、例として、および本開示の実施例の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を参照した記載は、本開示の実施例がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0050】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔の組織の成形および腔内縫合のために構成されたブジーを概略的に示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーの内部に沿って近位に螺旋針を駆動するように構成された針駆動装置を概略的に示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションのシャフトおよび選択された表面に対する螺旋針を概略的に示す図である。
【
図2C】
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による腔内縫合方法の概略フローチャートである。
【
図3A】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの別の屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの別の屈曲メカニズムを概略的に表す図である。
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、胃外科用ブジーと共に使用するためのオーバーチューブを概略的に示す図である。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、折り畳み可能なブジー配向突起を概略的に示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態による、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図8B】
図8Bは、本開示のいくつかの実施例による、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示のいくつかの実施形態による、折り畳み可能なブジー配向突起を有するカプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に示す図である。
【
図9B】
図9Bは、本開示のいくつかの実施形態による、折り畳み可能なブジー配向突起を有するカプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に示す図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張フラップとともに、カプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張フラップとともに、カプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図10C】
図10Cは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張フラップとともに、カプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図10D】
図10Dは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張フラップとともに、カプセル拡張ブロッカを備えるブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図11A】
図11Aは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図11B】
図11Bは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図11C】
図11Cは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図11D】
図11Dは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図12A】
図12Aは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図12B】
図12Bは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張アウトリガーと共に、カプセル拡張ブロッカを含むブジーカプセルセクションを概略的に表す図である。
【
図13A】
図13Aは、本開示のいくつかの実施形態による、吸引分配、組織詰まり、および/または組織クランプに影響を及ぼすブジー吸引クランプドメインの内部構造を概略的に示す図である。
【
図13B】
図13Bは、本開示のいくつかの実施形態による、吸引分配、組織詰まり、および/または組織クランプに影響を及ぼすブジー吸引クランプドメインの内部構造を概略的に示す図である。
【
図13C】
図13Cは、本開示のいくつかの実施形態による、吸引分配、組織詰まり、および/または組織クランプに影響を及ぼすブジー吸引クランプドメインの内部構造を概略的に示す図である。
【
図13D】
図13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、吸引分配、組織詰まり、および/または組織クランプに影響を及ぼすブジー吸引クランプドメインの内部構造を概略的に示す図である。
【
図14A】
図14Aは、本開示のいくつかの実施形態による、組織支持体によって規定されるオフセット開窓部を備えるブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインを概略的に表す図である。
【
図14B】
図14Bは、本開示のいくつかの実施形態による、組織支持体によって規定されるオフセット開窓部を備えるブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインを概略的に表す図である。
【
図15A】
図15Aは、本開示のいくつかの実施形態による、組織支持体によって規定されるオフセット開窓部を含むブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインの変形例を概略的に示す図である。
【
図15B】
図15Bは、本開示のいくつかの実施形態による、組織支持体によって規定されるオフセット開窓部を含むブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインの変形例を概略的に示す図である。
【
図15C】
図15Cは、本開示のいくつかの実施形態による、組織支持体によって規定されるオフセット開窓部を含むブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインの変形例を概略的に示す図である。
【
図16A】
図16Aは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの配置を概略的に示す図である。
【
図16B】
図16Bは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの配置を概略的に示す図である。
【
図17A】
図17Aは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に表す図である。
【
図17B】
図17Bは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に表す図である。
【
図17C】
図17Cは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に表す図である。
【
図17D】
図17Dは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に表す図である。
【
図17E】
図17Eは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に表す図である。
【
図18A】
図18Aは、本開示のいくつかの実施形態による長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に示す図である。
【
図18B】
図18Bは、本開示のいくつかの実施形態による長手ブロッカによる開窓部の漸進的なアンブロックを可能にする吸引クランプドメインの代替配置を概略的に示す図である。
【
図19】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの腔内位置決めの方法のフローチャートである。
【
図20】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクションの腔内使用の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本実施形態は、肥満外科手術の分野に関し、特に、胃縫合糸の腔内配置に関する。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態の態様は、本開示のいくつかの実施形態に従って、弓形針をブジー本体の内部に沿って駆動するように構成された針駆動装置および弓形針に関する。いくつかの実施形態では、弓形針は螺旋針である。
【0053】
いくつかの実施形態では、針駆動装置は、ブジー本体のカプセル本体に沿ってしっかりと取り付けられた駆動シャフトを備える。この駆動シャフトは、針を押圧する。シャフトが回転すると、シャフトと針の間の摩擦によって針が回転する。針は、いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの螺旋配列(任意選択で、継続または中断される)によって制限され、回転運動が、ブジー本体に沿った螺旋針の長手方向の前進にも変換される。
【0054】
いくつかの実施形態では、シャフトは、可撓性を有しており、シャフトが通過する領域を通ってブジー本体が曲がって螺旋針と接触した場合でも、それを駆動するのに充分な螺旋針との摩擦駆動接触を維持する。いくつかの実施形態では、シャフトは、その長手方向の範囲に沿った二重構造、すなわちケーブル部とピン部とを備える。ピン部は螺旋針と摩擦接触する部分である。ケーブル部は、いくつかの実施形態では、その長さの大部分に沿う可撓性をシャフトに潜在的に規定する。ピン部は、いくつかの実施形態では、潜在的に寸法安定性を規定し、2つが接する針とのタイトで、かつ、予測可能な係合を確実にするのに役立つ。
【0055】
いくつかの実施形態では、螺旋状ではない(任意選択で、2つ以上の)弓形針が、任意選択で長手方向に前進することなく、ブジー本体の円周の周りに駆動される(例えば、ブジー本体の円周チャネルによって案内される)。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態の態様は、本開示のいくつかの実施形態に従って、屈曲を可能にするように関節接合で構成された、ブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインに関する。
【0057】
いくつかの実施形態では、関節接合は、単一の連続片に沿って相互接続される関節セグメントを分割し、セグメント間の関節接合は、関節接合継手を形成するために、単一の連続片の物質を薄くすることを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクションは、吸引クランプドメインに誘起される屈曲に沿って(回転によって)長手方向に駆動され得るように十分な可撓性を有する螺旋針を含む。任意に、螺旋針は、回転するシャフトとの摩擦相互作用によって駆動され、該シャフトは、屈曲の領域に沿っても、針との駆動接続を維持するように構成される(例えば、所定の位置にクランプされ、十分な構造的弾性を有する)。
【0059】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクションの他のセクション(例えば、吸引クランプドメインの遠位および/または近位)もまた、制御部材の移動によって制御可能な屈曲を伴って関節接合される。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態の態様は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔への挿入後に拡張可能なブジーカプセルセクションの吸引クランプドメインに関する。
【0061】
いくつかの実施形態では、吸引クランプドメインは、1つ以上のフラップおよび/またはアウトリガーの移動によって拡張可能である。いくつかの実施形態では、フラップおよび/またはアウトリガーは、側方外側に(例えば、ブジーカプセルセクションの長手軸に沿って延在する腹側正中線から離れるように)旋回し、および/または、腹側に(例えば、長手軸に垂直なブジーカプセルセクションの背側-腹側軸に沿う腹側に)拡張する。本明細書における「長手軸」は、ブジー本体の一般的な曲線に従うように湾曲する軸を参照しており、必ずしも完全に真っ直ぐである軸ではないことが理解され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、吸引クランプドメインは、例えばニチノールのような形状記憶合金等の剛性物質の細片または棒としてブジー本体に沿って長手方向に延在する長手ブロッカの屈曲運動によって拡張可能である。いくつかの実施形態では、屈曲は、長手ブロッカを膨らませるために前進し、長手ブロッカを再度より平坦に引っ張るために後退する制御部材によって制御される。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態の態様は、吸引クランプドメインの組織受容空間を、吸引クランプドメインの長手軸に沿って延在する別個のチャネルに分割することに関する。
【0064】
いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン内に規定された組織受容空間は、組織受容空間の背面から内側に突出し、次いで、組織受容空間内で側方に延在する(任意選択で「分岐した」またはほぼT字形の構成を形成する)内向き突出部によって部分的に分割される。中空領域は、内向き突出部の側方に延在する部分の下に(すなわち、側方に延在する部分と組織受容空間の背面内壁との間に)開放されたままである。この中空領域は、組織が最初に引き込まれる組織受容空間の主チャネルを越えて、吸引クランプ領域の長手方向範囲に沿って延在する組織侵入制限チャネルを形成し、例えば、引き込まれた過去の構造は、吸引クランプドメインの外側から組織受容空間に通じる開窓部を規定する。
【0065】
組織受容空間内に吸引された組織による中空領域へのアクセスは、側方に延在する部分と組織受容空間の側方内壁との間に規定された比較的狭い開口部を介するように制限される。
【0066】
内向き突出部の構造は、中空領域が組織で完全に満たされるのを防ぎ、それによって、組織閉塞に抵抗する組織受容空間の長手方向の範囲に沿って開放吸引チャネルを維持することによって、潜在的に利点を提供する。
【0067】
内向き突出部の別の潜在的な利点は、「組織ロック」として働くことである。組織受容空間内に吸引された組織は、内向き突出部の周りに部分的に巻き付けられる(例えば、任意選択で中空領域内への吸引を含む、その横方向に延在する部分の2つ以上の側面の周りに巻き付けられる)。この巻き付けは、潜在的に、縫合針によって(例えば、吸引クランプドメインの内周の周りに)加えられる力が、組織の隣接する表面接触によって抗するように、組織の回旋によって吸引力をアンカーに変換する。
【0068】
いくつかの実施形態では、組織受容空間に吸引された組織は、組織受容空間への入口に開窓部を形成する構造(例えば、長手ブロッカ、側方ブロッカ、フラップ、および/またはアウトリガー)によって、侵入から部分的にブロックされ得る。次いで、これらの構造を過ぎて空間に侵入する組織は、いくつかの実施形態には、内向き突出部の形によってさらに案内される。
【0069】
本開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その出願において、以下の記載に記載され、かつ/または図面に示される構成要素および/または方法の構造および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解され得る。本発明の特徴を含む、本明細書に記載される特徴は、他の実施例が可能であるか、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0070】
<ブジーカプセルセクションのブジー>
ここで、
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔の組織の成形および腔内縫合のために構成されたブジー100を概略的に表す図である。
【0071】
ブジー100の3つの主要部分は、ブジーカプセルセクション101(遠位)、ブジー本体102、およびブジー制御ハンドル103(近位)として表される。
【0072】
ブジーカプセルセクション101(本明細書では、ブジーカプセルセクションを「カプセル」とも称する)は、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン110を備える。吸引クランプドメインは、次に、吸引下で体腔から組織を受容し、縫合などの1つ以上の外科的変更に備えて、それを保持および/または位置決めするように構成された1つ以上の開窓部111を備える。ここで、吸引クランプドメイン110の実施形態は、異なる構造に関して区別される用語を用いて説明される。同一の実施形態は、任意選択で、これらの用語のうちの2つ以上によって説明される。
【0073】
管状体内開口部の用語においては、吸引クランプドメイン110は、キャビティへの吸引の適用時に組織を受容するキャビティに開口する開口領域(すなわち、1つ以上の開口部を含む領域)を有する管状体を含む。
【0074】
スパイン(spine)の用語においては、加えて、または代わりに、吸引クランプドメイン110は、背側および腹側を有するスパインを含む。例えば、管状体の開口部が十分に大きくなると、管状体の残りの部分は、スパインを含むものとして容易に理解され得る。(適切な体腔に挿入された使用時に)スパインの領域に吸引を適用すると、組織は、スパインに沿って支持された構造上に折り畳まれる。支持された構造としては、例えば、長手ブロッカ、側方ブロッカ、フラップ、アウトリガー、および/または組織支持体である。
【0075】
空間及び支持表面の用語においては、他の2つの用語から一般化される。支持表面は、使用中にデバイスに吸引が適用されたときに組織が折り畳まれる管状体/スパインに沿って配置された任意の構造の表面を含む。これは、例えば、管状体、スパイン、および/または、例えば、本明細書に開示される様々な実施形態で説明されるようなブロッカ、フラップ、および/またはアウトリガーなどの他の特徴であってもよい。第1の用語の「キャビティ」は、同時に、支持面を提供する構造体内の空間として定義されるこの第3の用語の空間でもあり、これに加えて、またはこれに代えて、この空間は、第2の用語の「スパイン」の腹側に面する表面に沿って配置される。
【0076】
上記の3つの用語は、全ての実施形態に共通して適用可能であると理解され得る。キャビティが(例えば、次に説明されるように)開いた開窓部の枠組みの範囲によって主に規定される空間であるにも関わらず、吸引クランプドメインの表面内には、(例えば)非常に細スパインであっても、依然として「キャビティ」枠があり、逆に、管状体内の比較的狭い開口領域であっても、開口領域を枠組みする管状体の残りの材料は、吸引クランプドメインの「スパイン」を形成すると理解することができるが、この場合、「腹側に面する表面」は管状体の内面でもある。
【0077】
したがって、例えば、吸引クランプドメインに吸引を適用すると、組織は、そのキャビティに沿って、またはそのスパインに沿って配置された支持表面上に折り畳まれると同等に言うことができる。支持表面は、例えば、長手ブロッカ、側方ブロッカ、フラップ、アウトリガー、および/または組織支持体の表面である。この組織支持体は、例えば、管状体の材料から形成されたものである。これらの様々なタイプの支持構造は、本開示の実施形態に関連してより詳細に説明される。
【0078】
別の例では、「キャビティ」(第1の用語)の「空間」(第3の用語)に沿って移動する螺旋針は、「スパインの腹側に面する面」(第2の用語)に沿って等価的に移動する。したがって、いくつかの実施形態では、この空間は「縫合空間」としても知られている。
【0079】
一貫性のために、本明細書の説明では、スパインが狭い実施形態の場合であっても、管状体内開口部の用語を主要な用語として使用する。いくつかの関連する実施形態では、特定の相対円周が記載される。例えば、いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクションの本体は、吸引クランプドメインの全周の半分以上、半分未満、3分の1以上、3分の1未満、4分の1以上、および/または4分の1未満の円周方向の広がりを有する。
【0080】
ここで、開窓部111は、ブジーカプセルセクション101の開口領域の一部である。開窓部は、いくつかの実施形態では、1つ以上の開口成形要素の作動によって、寸法、形状、および/またはトポロジが変更されるように構成される。このような開窓部は、本明細書では「動的」開窓部とも称する。
【0081】
開口成形要素の作動およびそれに付随する動的開窓部111の変化は、いくつかの実施形態において、内腔組織付着、内腔組織位置決め、または内腔組織吸入深さ(例えば、縫合のための準備において)、または組織リリース(release)の1つ以上の局面を制御するために使用される。いくつかの実施形態では、組織リリースは、ブジーカプセルセクション101と係合している間に、内腔組織に取り付けられ得る(例えば、縫合、クリップ留め、および/またはステープル留めされ得る)縫合または他の外科用物質のリリースを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、開口成形要素の例は、長手ブロッカ115および/または側方ブロッカ117を含む。
【0083】
長手ブロッカ115は、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン110の少なくとも一部に長手方向に広がり、実質的に、互いに並んで長手方向に延びる開窓部111の2つの側に分割する、補強された細片または棒などの要素を備える。長手ブロッカ115は、任意選択的に取り外し可能であり、分割された開窓部111を再結合する。これは、組織および/または縫合糸のリリースにおいて、潜在的な利点である。組織および/または縫合糸のリリースは、例えば、2つの体内腔組織部分の間を横切る縫合からの吸引クランプドメイン110のリリース、および長手ブロッカ115の内側でのリリースである。
【0084】
側方ブロッカ117は、いくつかの実施形態では、コードの長さなどの1つ以上の要素を備えており、吸引クランプドメイン110を横切って側方に交差する。交差要素は、要素のいずれかの側に異なる開窓部111を分離する吸引クランプドメインの分割を生成する。側方ブロッカ117は、いくつかの実施形態では、分離を除去するためにリリース可能および/または取り外し可能である。
【0085】
長手ブロッカ115および側方ブロッカ117の例は、例えば、国際公開2016/056016号公報に記載されており、その内容は、参照によりその全体が含まれる。
【0086】
任意選択で、透明であり、かつ/または内視鏡プローブまたは他のツールの遠位端を通過させるのに十分な大きさ(例えば、直径約6~8mm)の開口で終端する、ブジーカプセルセクション101の遠位先端112が提供される。
【0087】
ブジー本体102は、いくつかの実施形態では、管121を備え、それに沿って、1つ以上の長手方向に延在する制御部材120が、外部および/または内部を通過する。いくつかの実施形態では、制御部材120は、ブジーカプセルセクション101の作動可能な要素(例えば、長手ブロッカ115および/または側方ブロッカ117)と、ブジー制御ハンドル103(例えば、制御ノブ122)との間を相互接続する。いくつかの実施形態では、管121は、内視鏡探触子または他の器具を挿入するのに十分な大きさ(例えば、約6~10mm)の内径を有する。
【0088】
遠位先端112は、好ましくは、食道などの自然な身体通路に沿ったブジー100の挿入を補助するために、テーパ形状を備える。ブジーカプセルセクション101およびブジー本体102は、好ましくは、食道などの自然な身体通路に沿った挿入が胃などの標的器官に到達することを可能にするような大きさ(直径および長さ)および形状(少なくとも挿入構成)である。
【0089】
ブジー制御ハンドル103は、いくつかの実施形態では、制御部材120の操作を制御するように構成された1つ以上の制御ノブ122を含む。任意選択で、管121の内腔に沿ってブジーカプセルセクション101に、および任意選択で遠位先端112におよび/または外に通過するために、内視鏡または他のツールの挿入を可能にする大きさの1つ以上のポート124が提供される。
【0090】
<針駆動装置>
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態に従って、ブジーカプセルセクション200の内部に沿って近位に螺旋針201を駆動するように構成された針駆動装置を概略的に表す図である。
図2Aは、ブジー100のブジーカプセルセクション200を示し、これは、実質的に、
図1に関連して記載されるように構成され得、ここで説明されるような差異/追加を有する。
【0091】
本開示のいくつかの実施形態による、シャフト205およびブジーカプセルセクション200の、選択された表面211に関連する螺旋針201を概略的に示す
図2Bも参照する。
【0092】
いくつかの実施形態では、螺旋針201は、螺旋針201が1つ以上の位置で押圧されるシャフト205の回動によってブジーカプセルセクション200の遠位端230から駆動されるように構成される。シャフト205が回転すると、螺旋針201がそれと共に回転する。螺旋針201の回転運動は、ブジーカプセルセクション200の長手軸に沿った前進、例えば、最初のより遠位の位置からの近位側への前進を伴う。
【0093】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション200は、シャフト205と螺旋針201との間の摩擦が、縫合糸を運搬しながら針が組織を通って前進するのに充分なトルクを回転するシャフト205から螺旋針201に伝達するように構成される。
【0094】
任意選択的に、摩擦は、シャフト205と、ブジーカプセルセクション200の本体の1つ以上の表面との間で螺旋針201を押すことによって部分的に発生する。これらは、例えば、ブジーカプセルセクション200の背側の内側の表面211(デバイスの構造の「切り取り管」の解釈において)であるが、カプセルセクション200のスパインの腹側表面211(デバイスの構造の「スパイン」の解釈において)として記載されてもよい。任意に、螺旋針201は、シャフト205の周囲に延在し、それにより、シャフト205および螺旋針201は、同じ円周方向に回転する。この構成は、直ちに(例えば、
図2Bの表面211Bについて示されるように)及び/又は密接に隣接する(例えば、表面211Aについて示されるように)シャフト205と螺旋針201との間の摩擦相互作用の位置に両側ピンチ(pinch)を作り出すことにより、潜在的な利点を提供する。加えて、または代替的に、いくつかの実施形態において、針201は、別の方法、例えば、別の位置から圧搾または引っ張る方法、螺旋針201をシャフト205に対して案内するチャネルを通して強制される方法、または別の方法によって、シャフト205に対して押圧されてもよい。
【0095】
あるいは、いくつかの実施形態では、シャフト205は、螺旋針201内に規定された空間の外部にあり、それによって、シャフト205および螺旋針201は、逆回転する。
【0096】
いくつかの実施形態では、螺旋針201は、比較的高摩擦の表面201Aと、比較的低摩擦の表面201Eとを備える。いくつかの実施形態では、2つの表面は、湾曲した針に沿って延びているので、一部がより高い摩擦となり、一部はより低い摩擦となる。
【0097】
いくつかの実施形態では、螺旋針201及びシャフト205の一方又は両方の表面201Aの領域は、摩擦を増大させるように処理される。例えば、螺旋針201の表面201Aは、任意選択で粗面化される。表面201Aは、いくつかの実施形態では、ケーブルと接触する表面部分を含むが、ブジーの表面211、211A、211Bと接触する表面部分は含まない。任意に、表面201Aは、円周方向において螺旋針201の表面積の約半分を含む。
【0098】
粗面化は、例えば、スパッタコーティングまたは化学浴などの処理、ゴムなどの高摩擦材料でのコーティング、または別の方法によるものであってもよい。針の粗面化されていない表面は、粗面化処理から(例えば、プレコーティングによって)保護されてもよく、および/または処理後に平滑な仕上げに修復されてもよい。任意選択的に、粗くされていない表面201Eには、PTFEコーティングなどの摩擦低減処理が施される。
【0099】
図2Bに示される針201の他の部分は、縫合糸201D、縫合糸接続部分201C、および針の先端201Bを含む。
【0100】
随意に、螺旋針201の移動と、それが回るときのシャフト205との間に何らかの滑りが生じる。いくつかの実施形態では、最大の平均滑り(例えば、針201が、組織を貫通し、その背後で縫合糸を引っ張る間に経験する平均的な滑り)は、例えば、20%、30%、40%、50%、または60%以下の滑りである。いくつかの実施形態では、滑りはなく、その結果、最小の平均滑りは0%である。任意選択的に、最小の平均滑りは、少なくとも、例えば、5%、10%、20%、または30%の滑りである。
【0101】
ブジーカプセルセクション200内で回転および長手方向の両方に移動する螺旋針201に関して記載された特徴は、ブジーカプセルセクション200内で回転移動する非螺旋状の弓形針において、必要に応じて、任意に具体化され、変更され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、螺旋状ではない(任意に、複数の)弓形針は、任意に長手方向の前進なしに、ブジー本体の円周の周りで駆動される(例えば、ブジー本体の円周方向チャネルによって案内される)。
【0103】
シャフト205は、いくつかの実施形態では、針201の遠位開始点(例えば、カプセル部200A内)からブジーカプセルセクション200の近位側に延び、ブジー本体102に沿って、ブジーを胃などの体腔に挿入する間、患者の外部に残るハンドル103まで延びる。ハンドル103は、いくつかの実施形態では、シャフト205の回転作動を可能にするノブまたは他の制御部を備える。
【0104】
一部の実施形態では、シャフト205は、可撓部205Aを有する。可撓部205Aは、例えば、1x8構成のケーブル(8つの外側のストランドで囲まれた1つの中心ストランド)、1x12構成等のねじれたケーブル構成、または別のケーブル構成であってもよい。
【0105】
可撓性であることにおいて、可撓部205Aは、ブジーカプセルセクション200の部分の可撓性を可能にするための潜在的な利点を提供する。
【0106】
例えば、いくつかの実施形態において、ブジーカプセルセクション200の1つ以上の部分は、複数の関節セグメント(例えば、セグメント207)を備える。関節接合により、セグメント207は、ブジーカプセルセクション200に沿って屈曲を誘発するように、互いに対して角度を変えることができる。いくつかの実施形態では、セグメント207は、機械的完全性を保持するのに十分であるが、撓むのに十分に薄い材料をセグメント207の間に残すように形成された(必ずしも切断によって形成される必要はなく、任意選択で、例えば3Dプリントなどの成形または追加の製造方法によって形成される)切欠きによって規定される。
【0107】
いくつかの実施形態では、切欠きは、針201が螺旋状に進むにつれて移動する針チャネル311としても機能する。なお、切欠きは、ブジーカプセルセクション200の何れかの側に形成することができ、例えば、
図3A、3Bの切欠き207Aがブジーカプセルセクションの外側に形成される。両面に切り込みを形成してもよい。任意選択的に、切欠きは、いくつかの位置でブジーの遠位端を完全に貫通する。いくつかの実施形態では、セグメント207は、互いに嵌合された別個の部品から形成される。
【0108】
いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン200Bの一方または両方の側壁は、側方ブロッカ117および/または側方ブロッカ117のリリースを制御する、作動可能な要素のためのハウジング310を備える。任意選択で、ハウジング310間の間隙311Aは、デバイスの可撓性を増大させ、および/または側方ブロッカ117が交差する間隙(任意選択で、開口206と共に)を提供する。針駆動機構の詳細を見やすくするために、側方ブロッカ117は
図2Aには示されていない。側方ブロッカ117は、任意選択で、例えば、設計の詳細(例えば、拡張可能なフラップおよび/またはアウトリガーの使用)に必要な追加の修正を加えて、例えば、それらを示す本明細書の図のいずれかに示すように構成される。
【0109】
任意選択的に、可撓部205Aは、針201と直接相互作用する。任意選択的に、シャフト205は、ピン205Bを備える。ピン205Bは、例えば、シャフト205を遠位に終端させる。ピン205Bは、いくつかの実施形態では、例えば固体棒を含む可撓部よりもセクションにおいて剛性であり、および/または変形しにくい。これは、針との摩擦を維持する寸法安定性を高めることによって、針駆動装置における使用に潜在的な利点を提供する。これは、今度は、潜在的に、より大きい、および/または、より予測可能なトルクを針に送達する。棒は、(例えば、
図3A~
図5Bに関連して説明したように)ブジー形状を変化させるように、曲げられたとき、ねじれたケーブルよりもその形状を良好に維持する可能性がある。
【0110】
いくつかの実施形態では、ピン205Bは、例えば、その長さの一部に沿って100μm~1mmの径テーパが付けられている。テーパは、いくつかの実施形態では、ピンを、(吸引クランプドメイン200Bの長手方向の広がりに沿った方向に並進させることによって)針201に対してよりタイトまたはよりゆるい摩擦嵌合を選択的に与える位置に移動させることを可能にする。よりタイトな嵌合は、潜在的に、針201に加えることができるトルクを増加させる利点を提供し、一方、より緩い嵌合は、ピンおよび/または針が結合するほど摩擦が高すぎる場合に、ケースを緩和する利点を潜在的に提供する。
【0111】
いくつかの実施形態では、制御装置122は、針201がピン205Bとの接触を維持するように、針201およびピン205Bを一致した長手方向位置に維持するピッチに沿って、シャフト205が回転するときに退くように(例えば、ねじ)構成される。一致は、例えば、ピン205Bが針201と係脱することなく、ピン205Bに対する針201のある程度の滑りを許容するために、任意に、ある程度の相対的な長手方向の移動を許容する。
【0112】
【0113】
チャネル208は、いくつかの実施形態では、長手ブロッカ115(図示せず)の片側のアンカーの一部として構成される。
【0114】
チャネル209は、いくつかの実施形態では、長手ブロッカ115を固定するために使用される制御部材(例えば、ワイヤー)の遠位端を保持するように構成される。例えば、ワイヤーは、チャネル209を通って遠位に通過し、次いで、任意選択で、ブジー本体を横切って(例えば、内側で)、チャネル208に保持された長手ブロッカ115の開口部に至る。長手ブロッカ115のロックを解除するために、ワイヤーは、チャネル209に沿って近位側に引っ込められる。
【0115】
チャネル224および222は、縫合糸が取り付けられる針201によって縫合糸が引っ張られるときに、縫合糸がそれに沿って移動することができる。任意選択的に、チャネル222、224は、低摩擦ポリマー材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作られる。任意選択で、縫合糸は、巻かれ/折り畳まれ、チャネル222および/または224内に格納される。任意選択で、縫合糸は、他の場所に保管される(例えば、ボビン上で巻かれる、および/またはブジー100の長手方向長さに沿って後方に延びて保管される)。
【0116】
図2Cは、いくつかの実施例の本開示による腔内縫合方法の概略フローチャートである。
【0117】
フローチャートは開始し、工程250で、いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション200の吸引クランプドメイン200Bが(胃のような)体腔に挿入される。
【0118】
工程252では、いくつかの実施形態では、吸引が適用される。吸引力の下で、体腔組織は、吸引クランプドメイン200Bの支持表面上に折り畳まれる。体腔組織の一部は、支持表面間の開口によって吸引クランプドメイン200Bのレベルで規定される縫合空間内に吸引され、例えば、開窓部を通して縫合空間内に吸引される。いくつかの実施形態では、折り畳まれた組織は、体腔の壁の一部からの組織が開窓部の左側セット(set)吸引され、体腔の壁の別の(例えば、対面する)部分からの組織が、開窓部の右側セット(set)内に吸引されるように配置される。任意選択で、右と左の間の正中線は、長手ブロッカ115によって規定される。
【0119】
工程254では、いくつかの実施形態では、シャフト205が回転される。シャフト205は、針201の表面を押圧し、それによって、シャフト205の回転は、摩擦相互作用によって、針201の回転を誘導する。針201は、回転すると、また、吸引クランプドメイン200Bに沿って長手方向に平行移動される。
【0120】
<ステアリング機構>
図3A~3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクション302の屈曲機構を概略的に表す図である。また、
図5A~5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクション302の別の屈曲機構を概略的に表す図である。
【0121】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション302(ブジーカプセルセクション101の一例)は、ブジー100の遠位セクションを含む。
図3A~3Bおよび/または
図5A~5Bに関連して記載された屈曲機構は、必要に応じて、本明細書で説明したブジー100の任意の他のブジーカプセルセクションの特徴とともに、任意選択で提供され、必要に応じて変更されることを理解されたい。各機構(
図3A~3Bのより近位側の機構、および
図5A~5Bのより遠位側の機構)は、任意選択で単独で提供されるか、または2つを組み合わせて提供することができる。
【0122】
屈曲機構は、いくつかの実施形態では、制御部材301、331を長手方向に動かす(例えば、引っ張るまたは押すや、短くするまたは長くする)ことによって動作し、ブジーカプセルセクション302のセグメント化された一部分に沿って屈曲を導入する。
図3Bでは、制御部材301は、緩んだ長さとなっており、ブジーカプセルセクション302は、真っ直ぐである。
図3Aでは、制御部材301は短くなっており、ブジーカプセルセクション302は、その本体の一部に沿って湾曲している。
図5Aでは、制御部材331は、緩んだ長さとなっており、ブジーカプセルセクション302は、真っ直ぐである。
図5Bにおいて、制御部材331は短くなっており、ブジーカプセルセクション302は、その遠位端の近くで湾曲している。
【0123】
屈曲機構は、いくつかの実施形態では、制御部材301および/または331(制御部材120の一例)と、ブジーカプセルセクション302への制御部材301、331の少なくとも1つの制御アタッチメント303、303Bとを備える(任意選択で、例えば、屈曲力を方向付けるのを助けるために、1つまたは複数の追加のアタッチメント303A、303Dが提供される)。また、例えば、切断、成形、および/または付加的な製造によって、セグメント305を相互接続する単一の連続片から形成される切欠き305Aによって規定される1つ以上のセグメント305が提供される。切欠き305Aに沿って残された薄い材料は、関節接合継手として作用する。いくつかの実施形態では、セグメント305は、互いに嵌合された別個に製造された片から形成され、切欠き305Aは、嵌合された片間の空隙によって規定される。任意選択的に、切欠き305Bは、ブジーカプセルセクション302の反対側に設けられる。
【0124】
いくつかの実施形態では、セグメントの切欠き305Aは、制御部材301、331に対向するブジーカプセルセクション302の側(
図3A~3Bおよび5A~5Bに示されるように、腹側)に配置され、その結果、制御部材301、331の短縮(例えば、ハンドル103からの引っ張り)は、その側での拡張を引き起こす。いくつかの実施形態では、セグメントの切欠き305Bは、制御部材301、331と同じブジーカプセルセクション302の側面(
図3A~3Bおよび5A~5Bに示されるように、背面側)に配置され、その結果、制御部材301の短縮(例えば、ハンドル103からの引っ張り)は、その側での圧縮を引き起こす。ヒンジ305Cは、いくつかの実施形態では、相対的に細い背腹寸法(例えば、1~3mm)で規定される。任意選択で、ヒンジ305C、207Bは、追加の切欠きスロットを有するブジーカプセルセクション302の側面上の材料をセグメント化することによって規定される。
【0125】
いくつかの実施形態では、制御部材301、331の機能が組み合わされる。例えば、制御部材331は、短縮/引っ張りが、より近位に位置するセグメント305も屈曲するように取り付けられる。任意選択的に、近位のセグメントおよび遠位のセグメントの両方が一緒に操作される。任意選択的に、セグメントの1つのセットは、より可撓性のあるヒンジ305C上に設けられ、その結果、屈曲が最初にそこで生じ、次いで、より大きな短縮/引張力で、セグメントの他のセット上で生じる。
【0126】
また、
図3A~3Bおよび
図5A~5Bに示されるのは、セグメント207、切欠き207A、遠位先端112、長手ブロッカ115、および側方ブロッカ117の位置であり、これらは、例えば、
図1に関連して記載されるように動作する。
【0127】
図4A~4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブジーカプセルセクション322の屈曲機構を概略的に表す図である。
【0128】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション322(ブジーカプセルセクション101の一例)は、ブジー100の遠位セクションを含む。
図4A~
図4Bに関連して説明される屈曲機構は、必要に応じて、他の屈曲機構とともに含む、本明細書に記載されるブジー100の任意の他のブジーカプセルセクションの特徴とともに、任意選択で提供され、変更されることが理解され得る。
【0129】
屈曲機構は、いくつかの実施形態では、制御部材321を短くするか、または長くして、ブジーカプセルセクション322のセグメント化された一部分に沿って屈曲を導入することによって動作する。
図4Aでは、制御部材321は、緩んだ長さとなっており、ブジーカプセルセクション302は、真っ直ぐである。
図4Bでは、制御部材321は短くなっており、ブジーカプセルセクション302は湾曲している。ブジーカプセルセクション322の一部を、切欠き207A(および任意選択で、図示されていない他の切欠き、例えば、ブジーカプセルセクション322の内部の切欠き)によって分離されたセグメント207に分割することは、任意選択で、本明細書の他の図、例えば、
図2Aおよび/または
図3A~
図3Bに関連して説明したとおりである。
【0130】
いくつかの実施形態では、制御部材321は、制御部材321を短くする(引っ張る)ことによって、長手ブロッカ115が、アタッチメント333でブジーカプセルセクション322を引っ張り、次に、ブジーカプセルセクション322に曲率を導入するように、長手ブロッカ115に取り付けられる。長手ブロッカ115は、任意選択で、別個の機構の操作によって(例えば、異なる制御部材120を介して)アタッチメント333からリリースされ得る。一旦、アタッチメント333からリリースされると、制御部材321は、湾曲をブジーカプセルセクション322に導入するのではなく、長手ブロッカ115を引き抜くように動作する。いくつかの実施形態では、長手ブロッカ115は、制御部材321を所定の位置/張力を超えて/超えて引っ張ることによってリリースされ、その所定の位置/張力は、取付けリリースを偶発的にトリガすることなく屈曲を確実に誘発することができるように、所定の位置/張力に設定される。
【0131】
また、
図4A~4Bには、例えば、
図1に関連して説明したように動作する、セグメント207、切欠き207A、遠位先端112、および長手ブロッカ115の位置が示されている。
【0132】
図19は、本開示の実施形態による、ブジーカプセルセクションの腔内位置決め方法のフローチャートである。
【0133】
工程2100において、いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション200の吸引クランプドメイン200Bが(胃のような)体腔に挿入される。
【0134】
工程2102において、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン200Bの支持表面によって規定される縫合空間に沿って屈曲が誘発される。いくつかの実施形態では、屈曲は、制御部材120の長手方向の移動によって誘発される。任意選択的に、制御部材120は、長手ブロッカ115の移動によって屈曲を誘発する。いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン200Bは、関節セグメント207を含み、屈曲は、関節セグメント207が接触する角度の変化の誘発を含む。
【0135】
工程2104において、いくつかの実施形態では、吸引が適用される。吸引力の下で、体腔組織は、吸引クランプドメイン200Bの支持表面上に折り畳まれる。体腔組織の一部は、支持表面間の開口によって吸引クランプドメイン200Bのレベルで規定される縫合空間内に吸引され、例えば、開窓部を通して縫合空間内に吸引される。いくつかの実施形態では、折り畳まれた組織は、体腔の壁の一部からの組織が開窓部の左側セット内に吸引され、体腔の壁の別の(例えば、対面する)部分からの組織が開窓部の右側セット内に吸引されるように配置される。任意選択的に、右と左との間の正中線は、長手ブロッカ115によって規定される。
【0136】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、
図19の方法は、螺旋針201が縫合空間の屈曲部に沿って回動することによって長手方向に前進する工程2106に続く。いくつかの実施形態では、螺旋針201は、回転するシャフト205との摩擦接触によって長手方向に前進され、ここで、摩擦接触は、縫合空間の屈曲部分に沿った位置で生じる。
【0137】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、胃外科用ブジーとともに使用するためのオーバーチューブを概略的に表す図である。
【0138】
オーバーチューブ302は、いくつかの実施形態では、縫合の対象となる体腔(例えば、胃)へのアクセス経路(例えば、食道)に沿って通過するような大きさであり、体腔内の開口312の最終的な配向は、オーバーチューブに誘発される屈曲の方向および程度によって、例えば、制御部材301A、301Bの使用により部分的に制御される。
【0139】
オーバーチューブ302は、その中を近位端から通過し、オーバーチューブ302の遠位端の開口312を通って外に出るブジーカプセルセクション101を受容するような大きさである。使用中、オーバーチューブ302の屈曲および位置は、オーバーチューブの開口312から通過するときにブジーカプセルセクション101の角度を調節する効果を有する。これは、ブジーカプセルセクション101を胃のような体腔内の意図された縫合部位に操縦するための潜在的な利点であり、任意選択的に、ブジー100自体に設けられたステアリング機構を使用しない、または補助的に使用しても良い。
【0140】
いくつかの実施形態では、制御部材301A、301B(制御部材120の例)は、可撓性オーバーチューブ302の本体に固定される。制御部材301B、301Aのうちの1つを短くする(引っ張る)ことは、制御部材が取り付けられる側の方向にオーバーチューブを屈曲させるように動作する(例えば、制御部材301Aおよび301Bは、それぞれ、取り付け具303Eおよび303Fで取り付ける)。オーバーチューブ302は、一旦適切な屈曲部が導入されると、適所に任意にロックされる。
【0141】
<配向突起>
図7は、本開示の実施形態による折り畳み可能なブジー配向突起340を概略的に示す図である。
【0142】
いくつかの実施形態では、配向突起340は、例えば、制御部材341(制御部材120の一例である)の操作によって、ブジーの遠位端342の側面から制御可能に延在するように構成される。適切に成形された体腔(例えば、1つの方向において他の方向よりも長い、半径方向の対称性を欠く胃のような体腔)内に延在する場合、配向突起340は、ブジーの遠位端342を体腔に対して所定の向きにするのに役立つ。任意選択的に、配向突起340はまた、体腔の組織を引き伸ばすように、例えば、吸引による取り付けの準備として体腔を位置決めするように動作する。
【0143】
本開示のいくつかの実施形態では、ブジー100には、折り畳み可能な配向突起340が設けられている。制御部材341を(遠位方向に)前進させることによって、ブジーカプセルセクション342の側部に対して通常は収納された配向突起340が突き出るように誘導される。いくつかの実施形態では、配向突起340は、ニチノールなどの形状記憶可能物から形成される。それは、それが予め成形された形状に緩むことを可能にするために、遠位に前進する制御部材341から十分なたるみを受容すると、例えば、屈曲部343を備える、所定の形状をとる。任意選択的に、形状は、例えば、アタッチメント333に対して配向突起340の圧力を生成することによる形状に少なくとも部分的に押し込まれる。
【0144】
また、
図7には、セグメント207、切欠き207A、遠位先端112、長手ブロッカ115、および側方ブロッカ117の位置が示されており、これらは、例えば、
図1に関連して説明したように動作する。
【0145】
いくつかの実施形態では、突起340はまた、その遠位端および近位端の関連する円周方向位置を変化させるために、ねじることによって制御可能である。潜在的に、これは、例えば、ブジー遠位端342を再配向するために組織壁面に対する押圧を誘導することによって、デバイスの位置決めを補助する。
【0146】
<拡張可能なカプセルセクション>
図8A~8Bは、本開示のいくつかの実施形態によるカプセル拡張ブロッカ815を備えるブジーカプセルセクション800を概略的に表す図である。
図9A~9Bは、本開示のいくつかの実施形態による、折り畳み可能なブジー配向突起940を備えるカプセル拡張ブロッカ815を備えるブジーカプセルセクション900を概略的に表す図である。ブジーカプセルセクション800、900は、ブジーカプセルセクション101の一例である。
【0147】
いくつかの実施形態では、カプセル拡張ブロッカ815は、吸引クランプドメイン110のサイズを拡張するために、例えば、開口したドメイン110の開窓部802をより大きなサイズに開くために、形状を変化させる(例えば、膨らませる)ように構成される。これは、吸引下で(潜在的により確実に)保持される内腔壁組織の量および/または深さを増加させる潜在的利点を有する。例えば、各開窓部802を(吸引クランプドメイン110から横方向および半径方向外側の両方の方向に)長くすることにより、縫合中に(例えば、螺旋針201による)針貫通が生じる位置での吸引により、より深い組織を潜在的に取り込むことができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、組織の2倍の厚さが、十分な深さまで吸引によって開窓部802に引き込まれる。十分な深さは、針が内側から外側に完全に貫通して、その後、吸引によって開窓部内に引き込まれた組織の「咬合」を通過するときに、体腔組織(例えば、胃壁)の内側から外側に至るまでの深さである。
【0149】
いくつかの実施形態では、カプセル拡張ブロッカ815は、外部制御のもとで外側に膨らむことによって形状を変化させるように構成されたブジーカプセルセクション800の正中線に沿って長手方向に延在するように配置された長手ブロッカ115の一例を含む。例えば、制御部材801(制御部材120の一例)は、カプセル拡張ブロッカ815が拡張することを可能にするために遠位方向に前進し、および/または、それを平坦化するために近位方向に引っ張られる(短縮される)。カプセル拡張ブロッカ815は、任意選択で、ニチノールなどの形状記憶合金を含み、ニチノールは、制御部材801が前進する(長くなる)ときに緩むことを可能にされると、所定の形状に戻る。任意選択的に、制御部材801は、ブロッカ815を能動的に押す。
【0150】
任意選択的に、側方ブロッカ117は、長手ブロッカ815が折り畳まれた構成にあるとき、長手ブロッカ815が拡張することを可能にするのに十分に長く、緩い。代替的に、それらは、最初に、よりしっかりと張られ、長手ブロッカ815が拡張するにつれて、緩みが繰り出される。いくつかの実施形態では、側方ブロッカ117は、長手ブロッカ815の様々な程度の拡張に適応するように、張力を調節可能である。いくつかの実施形態では、制御部材120(図示せず)が設けられ、これを操作して側方ブロッカ117の緩みを締め付け/緩めることができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、折り畳み可能なブジー配向突起940が、カプセル拡張ブロッカ815と共に提供される。ブジー配向突起940は、例えば、
図9Aで折り畳まれ、
図9Bで拡張されて示される。折り畳み可能なブジー配向突起940は、いくつかの実施形態では、実質的に
図7に関連して折り畳み可能なブジー配向突起340および制御部材341に関連して説明したように、制御部材941の操作によって動作可能であり、任意選択で、近くの組織壁からのブジーカプセルセクション900の間隔は、近くの組織壁に押圧されるブジー配向突起の拡張の程度によって制御される。
【0152】
図10A~10Dは、本開示のいくつかの実施形態による、複数のカプセル拡張フラップ1013とともに、カプセル拡張ブロッカ1015を備えるブジーカプセルセクション1000を概略的に表す図である。ブジーカプセルセクション1000は、ブジーカプセルセクション101の一例である。
図10Aおよび10Cは、ブジーカプセルセクション1000の斜視図を示す。
図10Bおよび
図10Dは、一対のフラップ1013のレベルにおけるブジーカプセルセクション1000の断面図を示す。例えば、2個、4個、6個、8個、10個、12個、または別の数のフラップ1013を設けることができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、カプセル拡張ブロッカ1015およびカプセル拡張フラップ1013は、吸引クランプドメイン110およびその中の組織受容空間1020のサイズを拡張するように、例えば、開口したドメイン110の開窓部1002をより大きなサイズに開くように移動するように構成される。図に示すように、開窓部1002は、側方ブロッカ1017(側方ブロッカ117の例)によって2つの側面に、一方の側面はカプセル拡張ブロッカ1015によって、そしてもう一方の側面はフラップ縁1013Bによって境界されている。
【0154】
拡張は、吸引下で(潜在的により確実に)保持される内腔壁組織の量および/または深さを増加させる潜在的利点を有する。例えば、各開窓部1002を拡張することによって、縫合中に針の貫通(例えば、螺旋針201による)が生じる位置での吸引によって、より深い組織を取り込むことができる可能性がある。
【0155】
ブロッカ1015の移動による、開口したドメイン110の拡大は、いくつかの実施形態では、実質的に、
図8A~9Bのブロッカ815について説明した通りである(例えば、制御部材801の操作による)。いくつかの実施形態では、フラップ1013から離れるブロッカ1015の移動は、ばね1014の張力がフラップ1013を開かせることを可能にする。フラップ1013は、停止領域1016が、開口したドメイン110の別の部分(例えば、スパイン領域1031)に接触すると、開口を停止することができる。
【0156】
さらに、
図10A~10Bの例では、フラップ1013は、例えば、制御部材1001の操作(例えば、引っ張り)によって拡張可能である。制御部材1001は、制御部材120の一例である。
【0157】
いくつかの実施形態では、制御部材1001の操作によって、フラップ1013は、折り畳まれた位置から拡張位置まで(例えば、ヒンジ上で)揺動する。いくつかの実施形態では、折り畳み位置は、開口したドメイン110の背面/腹面に沿って、開口したドメイン110を分割する中線平面に向かう側に配置されることを含む。いくつかの実施形態では、拡張された位置は、その中線平面から離れる側に配置されることを含む。任意選択的に、各セグメント207には、一対のフラップ支持体1013が設けられる。任意に、フラップ1013は、開口したドメインの端部、端部および、開口したドメインの中間部、または別の構成に、適宜設けられる。
【0158】
側方ブロッカ1017は、開口したドメイン110が完全に拡張されたときに、きつく張るような大きさのコードを任意に含む。いくつかの実施形態では、側方ブロッカ117は、長手ブロッカ1015の様々な程度の拡張に適応するように、張力を調節可能である。いくつかの実施形態では、側方ブロッカ1017の弛みを締め付け/緩めるように操作可能な制御部材120(図示せず)が設けられている。
【0159】
図示の例では、
図10Aおよび
図10Bには、完全に折り畳まれた位置にあるフラップ1013を示す。
図10Dには、部分的に拡張されたフラップを示し、
図10Cには、完全に拡張されたフラップ1013を示す。
【0160】
いくつかの実施形態において、拡張された開口したドメイン110は、組織への付着を引き起こすために減圧下に置かれる。
【0161】
図10Cに示されるように、開窓部1002は、開口したドメイン110を通って腹側から背側方向に通過する平面に対して実質的に垂直に配向される。組織の壁に取り付けるために、デバイスは、任意選択で、開窓部が、デバイスに取り付けられる組織の壁(例えば、胃壁)に対して実質的に直交するように、先に配向される。一方の壁は、いずれかの側にある。吸引を適用すると、折り畳まれた組織壁は、開窓部1002上のフラップ縁1013B上に折り畳まれ、固定される。2つの対向する組織の壁は、好ましくは、長手ブロッカ1015のほぼ位置で接触する。任意選択的に、デバイスは、減圧の適用中に、その長手軸の周りのわずかな回転によって揺動され、組織の壁のうちの1つのみからの組織によるそれぞれの開窓部1102の充満を促進するのを助ける。
【0162】
任意選択的に、開窓部1002は、
図10Cに示されるよりも側方に面する向きに拡張する。例えば、カプセル拡張ブロッカ1015は、開口したドメイン110の背面側からより長い距離に拡張し、フラップ1013が拡張されるときに、フラップ1013がより短くなる、および/または、拡張されたカプセル拡張ブロッカ1015よりも、開口したドメイン110の背面側により近くにフラップ縁1013Bが位置するように、拡張時にフラップ1013が配向される。
【0163】
次に、本開示のいくつかの実施形態によると、カプセル拡張ブロッカ1115を含むブジーカプセルセクション1100を、複数のカプセル拡張アウトリガー1113と共に模式的に表す
図11A~11Dを参照する。
【0164】
図11A~11Dは、開口したドメイン110を拡張するための異なる構造を示す図であり、これは、平坦化された位置または比較的平坦化された位置(例えば、
図11Aに示されるように)から上昇位置に旋回する支持体1113Aを備える。上昇位置は、ブジーカプセルセクション1100の長手軸(遠位―近位方向に沿った)に対して、より急勾配な位置(
図11B、11C)または垂直な位置(
図11D)を含む。
【0165】
支持体1113Aは、いくつかの実施形態では、安定化バー1113Bによって互いに結合されており、安定化バー1113Bは、支持体1113Aがカプセル本体に取り付けられた旋回点の周りを旋回するときに上昇または下降する。アウトリガー1113の拡張状態を変化させるための操作は、いくつかの実施形態では、制御部材1101の操作を含む。いくつかの実施形態では、カプセル拡張ブロッカ1115は(例えば、制御部材801を介して)拡張され、任意選択で、この拡張はまた、例えば、側方ブロッカ1117に加えられる張力によって、アウトリガー1113の拡張を誘発する。
【0166】
開窓部1102は、いくつかの実施形態では、側方ブロッカ1117によって2つの側面(例えば、長手軸境界)で境界を定められた空間として、規定される。2つの側面は、カプセル拡張ブロッカ1115による内側と、安定化バー1113Bによる外側である。
【0167】
遠位先端112およびセグメント207は、例えば、本明細書中の他の図に関連して記載されるように構成される。
【0168】
図12A~12Bは、本開示のいくつかの実施形態における、カプセル拡張ブロッカ1215を含むブジーカプセルセクション1200を、複数のカプセル拡張アウトリガー1213とともに模式的に表す図である。
【0169】
アウトリガー1213の拡張状態を変化させるための操作は、いくつかの実施形態では、制御部材1201の操作を含む。
【0170】
図12A~12Bは、開口したドメイン110を拡張するための異なる構造(すなわち、
図10A~10Dに関連して説明したカプセル拡張アウトリガー1013の変形)を示している。開口したドメイン110は、平坦な位置または比較的平坦な位置(例えば、
図12Aに示すようである)から上昇位置(
図12B)に旋回する交差支持体1213Aを含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、各辺に沿った支持体1213Aのいくつかは、より遠位方向を向き、いくつかはより近位方向を向く、格子を形成し、別個の支持体1213Aは、それらの交差部を介して互いに連結された部品として形成される。
【0172】
あるいは、いくつかの実施形態では、支持体1213Aの格子がニチノールのような形状記憶合金の一部から形成されている。例えば、(
図12Aの構成のように)通常折り畳まれ、拡張した形状に変形するような部品に基づいて形成され、この変形は、例えば、長手方向圧縮(例えば、ブジーカプセルセクション1200の遠近両用軸に沿った圧縮)および/または背腹ストレッチング(例えば、カプセルを拡張したカプセル拡張ブロッカ1115(例えば、制御部材801)のような変形である。
【0173】
開窓部1202は、いくつかの実施形態では、側方ブロッカ1217によって2つの側面(例えば、長手軸境界)を縁取られ、カプセル拡張ブロッカ1215による内側を縁取られ、アウトリガー1213の部分による側方外側を縁取られた空間として規定される。
【0174】
遠位先端112およびセグメント207は、例えば、本明細書中の他の図に関連して記載されるように構成される。
【0175】
図12は、ある実施例の本開示による、ブジーカプセルセクションの腔内使用方法のフローチャートである。
【0176】
工程2100において、いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション200の吸引クランプドメイン200Bが(胃のような)体腔に挿入される。
【0177】
工程2202において、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメインに沿ったブジーカプセルセクションの縫合空間が拡張される。いくつかの実施形態では、拡張は、支持体、例えばアウトリガー1013、1113、1213などのアウトリガーの移動を作動させるための制御部材120の使用を含む。さらに、または代替的に、いくつかの実施形態では、拡張は、吸引クランプドメインに沿って長手方向に延在する長手ブロッカ115の形を変化させるための制御部材の使用を含む。いくつかの実施形態では、アウトリガー1013、1113、1213および/または長手ブロッカ115はまた、側方ブロッカ117を備える。同時に、これらの構造は、拡張時に、(工程2204において)吸引の適用時に組織が折り畳まれる支持表面を規定し、折り畳まれた組織が吸引クランプドメインに沿って位置する縫合空間に入る開窓部111を規定する。
【0178】
工程2204では、いくつかの実施形態では、吸引が適用される。吸引力の下で、体腔の組織は、吸引クランプドメイン200Bの拡張された支持表面上に折り畳まれる。体腔の組織の一部は、支持表面間の開口によって、吸引クランプドメイン200Bのレベルで規定される縫合空間内に吸引される(例えば、例えば、開窓部を通して縫合空間内に吸引される)。いくつかの実施形態では、折り畳まれた組織は、体腔の壁の一部からの組織が開窓部の左側セット内に吸引され、体腔の壁の別の(例えば、対面する)部分からの組織が開窓部の右側セット内に吸引されるように配置される。任意選択的に、右と左との間の正中線は、長手ブロッカ115によって規定される。
【0179】
任意選択的に、いくつかの実施形態では、
図20の方法は、縫合空間の拡張部分に沿って回動することによって螺旋針201が長手方向に前進する工程2206に続く。いくつかの実施形態では、螺旋針201は、回転するシャフト205との摩擦接触によって長手方向に前進される。この摩擦接触は、縫合空間の屈曲部分に沿った位置で生じる。
【0180】
<吸引分配>
図13A~13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、吸引分配、組織詰まり、および/または組織クランプに影響を及ぼすブジーの吸引クランプドメイン200Bの内部構造を概略的に表す図である。
図13Aは、背側から見たブジーの吸引クランプドメイン200Bを示す。
図13Bは、ブジーの吸引クランプドメイン200Bの斜視図を示す。
図13C~13Dは、ブジーの吸引クランプドメイン200Bの側面図を示す。
図13Cは、吸引クランプドメイン200Bの近位端部1320からの側面図を示し、
図13Dは、吸引クランプドメイン200Bの遠位端部1321からの側面図を示す。
【0181】
いくつかの実施形態では、ブジー開口ドメインの特徴は、例えば、本明細書で
図2A~2Bに関連して記載されるように、ハウジング310、空隙311A、針チャネル311、キャビティ208、セグメント207、および開口206を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、セグメント207は、針チャネル311の間に規定され、吸引クランプドメイン200Bの背面1303から吸引クランプドメイン200Bの内部領域(組織受容空間1330)内に突出する、内向き突出部1300を含む。いくつかの実施形態では、内向き突出部1300は、側方に突出する分岐1305を備え、分岐1305と背面1303との間に空間1302を規定する。そこへの組織の接近(吸込みの適用時)は、比較的狭幅のスロット1302Bによって制限される。例えば、スロット1302Bは、幅が約2~3mmである。潜在的に、スロット1302Bの狭さは、吸引が適用されるときに空間1302が少なくとも部分的に開いたままになることを確実にするのに役立つ。これは、適用された吸引による低い圧力がブジーにおける開口したドメイン200Bに沿って途切れることなく分散されることを確実にするのを補助する。いくつかの実施形態では、適用された吸引は、例えば、吸引クランプドメイン200Bによって規定される組織受容空間内にある腹側に面する表面1307に沿って、組織が、空間1302内および空間1302の外部の両方から分岐1305に接するように、組織を屈曲する。
【0183】
いくつかの実施形態では、組織が吸引下で変形して空間1302の形に充填されるとき、内向き突出部1300の周りの、組織の回旋は、縫合中に組織を所定位置に保持するのを助けるように作用する。潜在的に、これは、針の移動によって組織が「束ねられる」ことを防ぐこと、および/または針が組織を通って前進するときに組織が裂ける危険性を低減することを助ける。
【0184】
任意選択的に、表面1307は、曲率を有するように成形され、内視鏡(例えば、直径約6~8mmまで)が、吸引クランプドメイン200Bの組織受容空間1330を通過することができるように、吸引クランプドメイン200Bの内側背面から挿入部分に配置される。
【0185】
いくつかの実施形態では、内向き突出部1300は、腹側に面する面で凹んでいる。これは、潜在的に、吸引の活性化の際に、十分な厚さの組織を受容することを補助するように作用する。
【0186】
開口1301は、いくつかの実施形態では、例えば、これらの要素が
図2A~2Bに関連して説明されるように、シャフト205および/またはピン205Bが入るためのサイズである。
【0187】
<オフセット開窓部>
本開示の実施形態によれば、
図14A-14Bにおいて、組織が規定するオフセット開窓部1403A、1405Bを構成するブジーカプセルセクション1401の吸引クランプドメイン200Bが模式的に示されている。本開示のいくつかの実施形態では、
図15A~15Cにおいて、組織支持体1503A、1503B、1523C、1523B、1523D、1523Eによって規定されるオフセット開窓部を備えるブジーカプセルセクション1501、1522、1543の吸引クランプドメイン200Bの変形例が概略的に示されている。
【0188】
組織支持体1403A、1405B、1503A、1503B、1523C、1523B、1523D、1523Eは、いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション1401の長手方向の正中線の2つの側に沿って交互に配置される。組織支持体のそれぞれは、正中線の一方の側に沿って異なる長手方向の長さとすることができ、および/または、正中線の異なる側に沿って異なる長手方向の長さとすることができる。
【0189】
使用において、吸引クランプドメイン200Bが体腔内の吸引下で組織の壁と係合される場合、縫合針(例えば、
図2A~2Bの針201)は、吸引クランプドメイン200Bに沿って螺旋状に前進させられる。針201は、正中線の両側の組織侵入部を交互に貫通する。
【0190】
いくつかの実施形態では、長手ブロッカ(図示せず、しかし、例えば、
図14A~14B、15Cの固定されたキャビティ208によって受容される)は、開窓部1402の間の境界を規定し、維持するのを助けるために設けられる。組織支持体1403A、1405B、1523D、1523Cの内側突出の程度は、例えば、制限され得、その空間は、長手ブロッカ115のような長手ブロッカにより部分的に満たされたままである。
【0191】
任意選択的に、長手ブロッカは使用されず、組織支持体1503A、1503B、1523C、1523Bの形状は、交互の側面上の組織の分離を確実にするような大きさおよび間隔にされる。
【0192】
縫合糸は、組織支持体1403A、1405Bの隣接するコーナー間の空隙1407を通過することによって係合解除され得る。
【0193】
<革新的な開窓部>
図16A~16Bには、本開示のいくつかの実施形態における、長手ブロッカ1601による開窓部1603の革新的なアンブロッキングを可能にする吸引クランプドメイン1605の配置が模式的に表される。また、
図17A~17Eは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカ1701による開窓部1705の革新的なアンブロッキングを可能にする吸引クランプドメイン1700の代替配置を概略的に表す図である。
図17A~17Dは、長手ブロッカ1701の引き抜きの異なる段階を表す。
図17Eは、本開示のいくつかの実施形態による、長手ブロッカ1701の高さにおける断面を表す。さらに、
図18A~18Bには、本開示のいくつかの実施形態における、長手ブロッカ1801による開窓部1802の革新的なアンブロッキングを可能にする吸引クランプドメイン1800の代替配置を模式的に表している。
図18A~18Bは、長手ブロッカ1801の引き抜きの異なる段階を表す。
【0194】
いくつかの実施形態では、ブジー本体1600、1702、1806の一部は、例えば、制御部材1602、1707、1821によって作動される長手ブロッカ1601、1701、1801の長手方向移動(例えば、近位に引き抜くことによって)によって、ブジー本体の長手軸に沿って徐々に長くなる、大きな開窓部1603、1705、1802(任意選択で、単一の大きな開窓部)を規定する。いくつかの実施形態では、大きな開窓部1603、1705、1802は、長手軸に沿って、例えば、少なくとも4cm、5cm、6cm、10cm、または15cmの長さを有する。長さは、いくつかの実施形態では、例えば、螺旋針201を近位に前進させることによって、少なくとも2、3、4、5またはそれ以上の縫合糸の設置を可能にするのに十分な長さである。体腔内に配置した後、長手ブロッカ1601、1701、1801を引き抜いて、より多くの開窓部1603、1705、1802を露出させると、より多くの組織が内部に吸引され、例えば近位に前進する螺旋針201によって縫合に利用可能になる。
【0195】
いくつかの実施形態(
図16A~16B、18A~18B)では、長手ブロッカ1601、1801は、幅広部分1601、1803および幅狭部分1603、1805を備える。幅狭部分1603、1805は、開窓部1603、1802の側方の両側に分離された側面を規定するのに役立ち、その結果、例えば、対向する体腔壁からの組織は、1つの体腔壁側が利用可能な空間を完全に満たすことなく、開窓部1603、1802の一方の側または他方の側に案内される。
【0196】
任意選択的に(
図18A~18B)、長手ブロッカ1801は、ブジー本体1806によって規定される内部空間に侵入する仕切り1807を有し、ブジー本体1806の正中線を横切ることが防止するように、吸引下で内部に侵入する組織を遮断するようにも作用する。
【0197】
図17Eでは、長手ブロッカ1701の内部構造の一部が示されており、内部支持支柱1704(湾曲および/または直線)を備える。任意に、長手ブロッカ1701は、例えば、内向き突出部1706をガイドレールとして使用して、本体1702の形状にロックされるように成形される。
【0198】
いくつかの実施形態では、幅広部1803は、スリット1810によってその長さに沿ってスリットされる。これは、ブジー本体1802の可撓性を維持すること、および/またはブジー本体1802が挿入される体腔の体組織壁の吸引下での、吸引折り畳みを補助することを潜在的に補助する。
【0199】
<一般>
量または値に関して本明細書で使用される場合、用語「約」は、「の±10%以内」を意味する。
【0200】
用語「含む」、「備える」、「有する」およびそれらの組み合わせは、「含むがこれに限定されない」を意味する。
【0201】
用語「からなる」は、「含む、および限定される」を意味する。
【0202】
用語「から本質的になる」は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、工程、および/または部品を含んでもよいが、追加の成分、工程、および/または部品が、特許請求される組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限られることを意味する。
【0203】
本明細書で使用されるように、単数形の文言は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0204】
「例」および「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために使用され、「例」または「例示的」として記載される任意の実施例は、必ずしも、他の実施例よりも好ましい、または有益であると解釈されるべきではなく、かつ/または他の実施例からの特徴の組み込みを排除するために使用されるべきではない。
【0205】
用語「任意に」は、本明細書では、「ある実施形態で提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するために使用され、任意の特定の実施形態は、そのような特徴の矛盾を除いて、複数の「任意の」特徴を含むことができる。
【0206】
本明細書で使用される「方法」という用語は、化学、薬理学、生物学、生化学、および医学の分野の実務者によって知られているか、または知られている方法、手段、技法、および手順から容易に開発される方法、手段、技法、および手順を含むが、これらに限定されない、所与のタスクを達成するための方法、手段、技法、および手順を指す。
【0207】
本明細書中で使用される場合、用語「処置する」は、状態の進行を排除すること、実質的に阻害すること、遅くすること、または逆転させること、状態の臨床症状もしくは美的症状を実質的に改善すること、または状態の臨床症状もしくは美的症状の出現を実質的に予防することを含む。
【0208】
本出願を通じて、実施形態は、レンジ形式に関連して提示することができる。レンジ形式の記述は、単に便宜および簡潔さのためであり、本開示の記述の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解され得る。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、「1~6」などの範囲の記載は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などのような具体的に開示された下位範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、および6を有すると考えられるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0209】
数値範囲(例えば、「10-15」、「10-15」、またはこれらの別のそのような範囲指示によってリンクされた任意の数のペア)が本明細書に示される場合は常に、文脈上明確に指示されない限り、範囲制限を含む指示された範囲制限内の任意の数(分数または整数)を含むことを意味する。「範囲/範囲/間の範囲」の第1指示数および第2指示数と、「範囲/範囲/範囲から」の第1指示数と、「まで」、「に至るまで」、「になるまで」または「を通って」(または別のそのような範囲指示語)の第2指示語は、本明細書では互換的に使用され、第1指示数、第2指示数およびそれらの間の全ての分数および整数を含む。
【0210】
本開示の説明は、具体的な実施例と共に提供されるが、多くの代替、修正、および変形が、当業者に明らかであることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にある、そのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図される。
【0211】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の引用又は特定は、そのような参照が本開示の先行技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【0212】
明確にするために、別個の実施例の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実施例で組合せて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施例の文脈で説明される様々な特徴は、別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで、または任意の他の説明される本開示の実施例で適切であるとして提供されてもよい。様々な実施例の文脈で説明される特定の特徴は、本実施例がこれらの要素なしでは動作不能でない限り、これらの実施例の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0213】
さらに、本出願の任意の優先権文書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】