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▶ ヴェナ メディカル ホールディングス コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】脳血管病変観察及び治療
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20220307BHJP
【FI】
A61M25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540027
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 CA2020050023
(87)【国際公開番号】W WO2020142846
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】62/790,330
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520056556
【氏名又は名称】ヴェナ メディカル ホールディングス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】クーパー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、マイケル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA07
4C267BB02
4C267BB27
4C267CC09
4C267CC10
4C267DD01
(57)【要約】
頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置における脳血管治療は、血管サイズ及び曲がりくねりのために難題であり得る。透視誘導のみの下での初回通過脳血管血栓除去成功率は、低い(例えば、25.1%)可能性があるが、血管内視鏡は、効力を向上させるのに役立つことができる。シースカテーテルは、脳血管病変に向かって前進され得る。その先端のバルーンは、膨張され得る。血管内視鏡は、観察のためにその作業内腔を介して挿入され得る。シースカテーテルは、段落ちした側方輪郭を有することができ、且つバルーンを越えた距離だけ作業チャネルを延在させることができる。二重同心内腔構造は、内側本体及び外側本体を含み、それらの間の膨張内腔を画定することができ、1つ又は複数の層の1つ又は複数の部分は、曲げ可撓性を提供する等のために延伸若しくは切断されるか又は両方を行われる。リフロー技法は、層を互いに接合するのに役立つように使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳血管構造への少なくとも部分的な挿入のための脳血管装置であって、
シースカテーテルであって、
長尺状本体であって、長尺状外側本体、および該外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体と、前記外側本体と前記内側本体との間に定義される膨張内腔と、前記内側本体内に定義される内部作業内腔と、前記作業内腔は前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間で延びることと、を含む長尺状本体と、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分に向かって配置された膨張可能なバルーンであって、前記バルーンは、前記外側本体の前記外周および外側本体の先端面のうち少なくとも1つを介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に基端側で取り付けられ、前記バルーンは、前記膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも前記内側本体の前記外周を介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に先端側で取り付けられる、膨張可能なバルーンと、を含むシースカテーテルを備え、
前記膨張内腔は、前記バルーンの膨張を可能にすべく前記バルーンへの流体連通を提供するために、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の前記基端部分と前記バルーンとの間に延びる、脳血管装置。
【請求項2】
前記バルーンの先端は、前記内側本体の前記作業内腔を介して、前記バルーンを超えて追加の脳血管アクセスを提供するために、前記シースカテーテルの先端部チップから少なくとも8ミリメートルのオフセット距離だけオフセットされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シースカテーテルの前記先端部チップまたはその近くに位置する前記作業内腔の内側横方向寸法は、前記作業内腔のより基端側の領域においてより大きい、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記シースカテーテルの前記先端部チップの外周の横方向の外形寸法は、前記シースカテーテルの前記外側本体の前記外周の横方向の外形寸法と等しい、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記内側本体は、前記バルーンを膨張させるために膨張圧力が加えられたときに崩壊を抑制し、前記作業チャネルの開通性を維持するために、前記バルーンの下に延びることを含む金属チューブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記チューブがニッケルチタン合金を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記チューブが、曲げ可撓性を高めるためのレーザ切断を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記チューブの比較的先端側の部分において前記チューブの比較的基端側の部分よりも比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記チューブの前記比較的先端側の部分におけるレーザ切断は、前記チューブの前記比較的基端側の部分におけるレーザ切断よりも狭い間隔で離間したレーザ切断を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チューブの比較的基端側の部分よりも前記チューブの比較的先端側の部分により広いレーザ切断を生じさせるために、前記チューブの前記比較的先端側の部分は、前記チューブの前記比較的基端側の部分よりも薄く引き伸ばされる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記チューブの比較的先端側の部分は、前記チューブの比較的先端側の部分において前記チューブの比較的基端側の部分よりも比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記チューブの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされている、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記内側本体は、前記シースカテーテルの前記内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するために、前記チューブの少なくとも一部に沿って、前記チューブ内に設けられたライナをさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記ライナは、前記バルーンより先端側である前記チューブの先端領域の少なくとも一部に存在しない、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ライナの比較的先端側の部分は、前記ライナの比較的基端側の部分よりも前記ライナの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記ライナの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記内側本体は、前記チューブよりも前記内側本体の基端の領域において、金属編組および金属コイルのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項15】
前記内側本体が、前記チューブに隣接しかつ金属編組および金属コイルのうちの少なくとも1つに隣接するポリマー製の外側カバーを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記内側本体は、前記シースカテーテルの前記内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するために、前記チューブの少なくとも一部に沿って、前記チューブ内に設けられたライナをさらに含み、前記ポリマー製の外側カバーは、前記チューブおよび前記編組のうち少なくとも1つの表面形態を介した前記ライナの係合による前記ライナと接合するようにリフローされている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ポリマー製の外側カバーの比較的基端側の部分が、前記ポリマー製の外側カバーの比較的先端側の部分よりも固い材料を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ポリマー製の外側カバーの比較的基端側の部分が、前記ポリマー製の外側カバーの比較的先端側の部分よりも硬質な材料を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
請求項1に記載の装置であって、前記外側本体の少なくとも一部が、
内側ライナと、
前記内側ライナに沿ってかつ前記内側ライナの周りに伸びる金属コイルおよび金属編組の一方と、
前記外側本体の前記コイルおよび前記編組の前記一方に沿ってかつ前記一方の周りに延びるポリマー外側カバーと、を含む装置。
【請求項20】
前記ポリマー製の外側カバーは、前記外側本体の前記コイルおよび前記編組のうち少なくとも1つの表面形態を介した前記外側本体の前記内側ライナの係合によって、前記外側本体の前記内側ライナと接合するようにリフローされている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記外側本体の前記コイルがニッケルチタン合金を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置であって、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分は、4.7ミリメートル(3.5フレンチ)から10.6ミリメートル(8.0フレンチ)の間の外径を有し、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体は、血管内視鏡の少なくとも一部が前記作業内腔内に留まる状態で作業内腔を介した脳血管治療を可能にするために、0.99ミリメートル(0.039インチ)から2.08ミリメートル(0.082インチ)の範囲にある内径を有する前記作業内腔を規定する、装置。
【請求項23】
請求項1に記載の装置はさらに、
前記血管内視鏡を使用して脳血管病変を前方から観察して検査するために、前記血管内視鏡の先端部分が前記シースカテーテルの前記作業内腔の先端開口部まで、前記先端開口部の近く、または前記先端開口部を超えて延びることを可能にするように、前記シースカテーテルの基端部分から前記シースカテーテルの前記作業内腔内に挿入されるサイズおよび形状を有する前方視光ファイバ血管内視鏡と、
前記血管内視鏡の基端部と先端部との間に延びるイメージング光ファイバのコヒーレントファイバ束であって、前記イメージング光ファイバの各々は約2.5マイクロメートルの外径を有する、イメージング光ファイバのコヒーレントファイババンドルと、
前記イメージングファイバの周りに同心円状に配置された照明ファイバのクラッドの無い配置であって、前記照明ファイバの各々は、25マイクロメートルから50マイクロメートルの間の外径を有する、照明ファイバのクラッドの無い配置と、を備え、
前記血管内視鏡の外径は、0.79ミリメートル(2.4フレンチ)以下である、装置。
【請求項24】
前記シースカテーテルの基端部分が、前記シースカテーテルのより先端側の部分よりも屈げに対する高い強度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記シースカテーテルの前記作業内腔が潤滑性材料でコーティングされているか、または潤滑性材料を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
請求項1に記載の装置は、前記シースカテーテルの基端に向かって配置された弁を備え、該弁は、前記シースカテーテルの前記作業内腔の先端に急な吸引力を適用することを可能にするために、真空が前記弁の後ろに形成され、前記弁が開くと前記シースカテーテルの前記作業内腔に真空が適用されることを可能にするように構成される、装置。
【請求項27】
前記血管内視鏡の少なくとも一部が前記シースカテーテルの前記作業内腔内に留まることを許容した状態で、前記シースカテーテルの前記作業内腔を介して延びるサイズおよび形状を有する脳血管病変治療カテーテルを更に含む請求項22に記載の装置。
【請求項28】
脳血管構造への少なくとも部分的な挿入のための脳血管装置であって、
シースカテーテルであって、
長尺状本体であって、長尺状外側本体、および該外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体と、前記外側本体と前記内側本体との間に定義される膨張内腔と、前記内側本体内に定義される内部作業内腔と、を含む長尺状本体と、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分に向かって配置された膨張可能なバルーンと、を含むシースカテーテルを備え、
前記膨張内腔は、前記バルーンの膨張を可能にすべく前記バルーンへの流体連通を提供するために、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の前記基端部分と前記バルーンとの間に延び、
前記作業内腔は、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延び、前記作業内腔は、前記内側本体の前記作業内腔を介して前記バルーンを超えて追加の脳血管アクセスを提供するために、前記バルーンの先端から少なくとも8ミリメートルのオフセット距離だけオフセットされた前記シースカテーテルの先端部チップまでさらに延びる、脳血管装置。
【請求項29】
前記バルーンは、前記外側本体の前記外周および外側本体の先端面のうち少なくとも1つを介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に基端側で取り付けられ、前記バルーンは、前記膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも前記内側本体の前記外周を介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に先端側で取り付けられる、請求項28に装置。
【請求項30】
前記シースカテーテルの前記先端部チップまたはその近くに位置する前記作業内腔の内側横方向寸法は、前記作業内腔のより基端の領域においてより大きい、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記シースカテーテルの前記先端部チップの外周の横方向の外形寸法は、前記シースカテーテルの前記外側本体の前記外周の横方向の外形寸法と等しい、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記内側本体は、前記シースカテーテルの前記内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するために、前記チューブの少なくとも一部に沿って、前記チューブ内に設けられたライナをさらに含み、前記ライナは、前記バルーンよりも先端側である前記チューブの先端領域の少なくとも一部に存在しない、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
脳血管構造への少なくとも部分的な挿入のための脳血管装置であって、
シースカテーテルであって、
長尺状本体であって、長尺状外側本体、および該外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体と、前記内側本体内に定義されて前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間で延びる内部作業内腔と、を有する長尺状本体と、を備えるシースカテーテルを含み、
前記内側本体および前記外側本体のうち少なくとも1つは、引き伸ばされた部分においてより大きな相対的な曲げ可撓性を提供するように、前記内側本体および前記外側本体のうち前記少なくとも1つの他の部分と比較して引き伸ばされた少なくとも部分を含む、脳血管装置。
【請求項34】
請求項33に記載の装置は、
前記外側本体と前記内側本体との間に定義された膨張内腔と、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分に向かって配置された膨張可能なバルーンであって、前記膨張内腔は、前記バルーンの膨張および収縮を可能とすべく前記バルーンへの流体連通を提供するために、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の前記基端部分と前記バルーンとの間に延び、前記バルーンは、前記膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも前記内側本体の前記外周を介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に先端側で取り付けられる、膨張可能なバルーンと、を備える装置。
【請求項35】
前記内側本体は、前記バルーンを膨張させるために膨張圧力が加えられたときに崩壊を抑制し、前記作業チャネルの開通性を維持するために、前記バルーンの下に延びることを含む金属チューブを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記チューブが、曲げ可撓性を高めるためのレーザ切断を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記チューブの比較的基端側の部分よりも前記チューブの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記チューブの前記比較的先端側の部分におけるレーザ切断は、前記チューブの前記比較的基端側の部分におけるレーザ切断よりも狭い間隔で離間したレーザ切断を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記チューブの比較的基端側の部分よりも前記チューブの比較的先端側の部分により広いレーザ切断を生じさせるために、前記チューブの前記比較的先端側の部分は、前記チューブの前記比較的基端側の部分よりも薄く引き伸ばされる、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記チューブの比較的先端側の部分は、前記チューブの比較的基端側の部分よりも前記チューブの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するなどのために、前記チューブの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされている、請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記内部本体は、前記シースカテーテルの前記内側作動内腔に所望の潤滑性を提供するために、前記チューブの少なくとも一部に沿って前記チューブ内に設けられたライナを含み、前記ライナの比較的先端側の部分は、前記ライナの比較的先端側の部分において前記ライナの比較的基端側の部分よりも比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記ライナの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされる、請求項33に記載の装置。
【請求項41】
脳血管構造への少なくとも部分的な挿入のための脳血管装置であって、
シースカテーテルであって、
長尺状本体であって、長尺状外側本体、および該外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体と、前記内側本体内に定義されて前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間で延びる内部作業内腔と、を有する長尺状本体と、を備えるシースカテーテルを含み、
前記内側本体および前記外側本体のうち少なくとも1つは、内側部分および外側部分を有する少なくとも所定の領域を含み、前記内側部分および前記外側部分は、前記内側部分と前記外側部分との間に位置する中間部分の表面形態を通って延びるリフロー接合を介して一緒に接合されている、脳血管装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置は、
前記外側本体と前記内側本体との間に定義された膨張内腔と、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分に向かって配置された膨張可能なバルーンであって、前記膨張内腔は、前記バルーンの膨張および収縮を可能とすべく前記バルーンへの流体連通を提供するために、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の前記基端部分と前記バルーンとの間に延び、前記バルーンは、前記膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも前記内側本体の前記外周を介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に先端側で取り付けられる、膨張可能なバルーンと、を備える装置。
【請求項43】
前記内側本体は、前記シースカテーテルの前記内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するために、前記チューブの少なくとも一部に沿って、前記チューブ内に設けられたライナをさらに含み、前記内側本体の前記ポリマー製の外側カバーは、前記チューブおよび前記編組のうち少なくとも1つの表面形態を介した前記ライナの係合による前記ライナと接合するようにリフローされている、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
請求項41に記載の装置であって、前記外側本体の少なくとも一部が、
前記外側本体の内側ライナと、
前記外側本体の前記内側ライナに沿ってかつ前記内側ライナの周りに伸びる金属コイルおよび金属編組の一方と、
前記外側本体の前記コイルおよび前記編組の前記一方に沿ってかつ前記一方の周りに延びる、前記外側本体のポリマー製の外側カバーと、を含み、
前記外側本体の前記ポリマー製の外側カバーは、前記外側本体の前記コイルおよび前記編組のうち少なくとも1つの表面形態を介した前記外側本体の前記内側ライナの係合によって、前記外側本体の前記内側ライナと接合するようにリフローされている、装置。
【請求項45】
脳血管構造への少なくとも部分的な挿入のための脳血管装置であって、
シースカテーテルであって、
長尺状本体であって、長尺状外側本体、および該外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体と、前記外側本体と前記内側本体との間に定義される膨張内腔と、前記内側本体内に定義されて前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間で延びる内部作業内腔と、を含む長尺状本体と、
前記シースカテーテルの前記長尺状本体の先端部分に向かって配置された膨張可能なバルーンであって、前記膨張内腔は、前記バルーンの膨張を可能にすべく前記バルーンへの流体連通を提供するために、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の前記基端部分と前記バルーンとの間に延びる、膨張可能なバルーンと、を備え、
前記内側本体は、前記バルーンを膨張させるために膨張圧力が加えられたときに崩壊を抑制し、前記作業チャネルの開通性を維持するために、前記バルーンの下に延びることを含む金属チューブを含む、脳血管装置。
【請求項46】
前記バルーンは、前記外側本体の前記外周および外側本体の先端面のうち少なくとも1つを介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に基端側で取り付けられ、前記バルーンは、前記膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも前記内側本体の前記外周を介して、前記シースカテーテルの前記長尺状本体に先端側で取り付けられる、請求項45に装置。
【請求項47】
前記作業内腔は、前記シースカテーテルの前記長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延び、前記作業内腔は、前記内側本体の前記作業内腔を介して前記バルーンを超えて追加の脳血管アクセスを提供するために、前記バルーンの先端から少なくとも8ミリメートルのオフセット距離だけオフセットされた前記シースカテーテルの先端部チップまでさらに延びる、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記チューブが、曲げ可撓性を高めるためのレーザ切断を含む、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記チューブの比較的先端側の部分において前記チューブの比較的基端側の部分よりも比較的に高い曲げ可撓性を提供するために、前記チューブの前記比較的先端側の部分におけるレーザ切断は、前記チューブの前記比較的基端側の部分におけるレーザ切断よりも狭い間隔で離間したレーザ切断を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記チューブの比較的基端側の部分よりも前記チューブの比較的先端側の部分により広いレーザ切断を生じさせるために、前記チューブの前記比較的先端側の部分は、前記チューブの前記比較的基端側の部分よりも薄く引き伸ばされる、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
脳血管動脈瘤を内部的に観察および治療するための方法であって、
シースカテーテルを血管構造を通して治療される動脈瘤に向かって前進させることと、
前記シースカテーテルの先端部分を安定させるために前記血管構造の所定の領域に栓をするように、前記シースカテーテルの先端バルーンを膨張させることと、
前記血管内視鏡を使用して前記動脈瘤を前方から観察および検査するために、前記シースカテーテルの作業内腔を介して、前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップを、延伸することと、
前記血管内視鏡の少なくとも一部が前記シースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能にしながら、前記シースカテーテルの前記作業内腔を介して動脈瘤血栓溶解オクルーダを前記動脈瘤内に挿入することと、
前記動脈瘤内への前記オクルーダの挿入を評価すべく、前記血管構造を前方から観察するために、前記血管内視鏡の前記先端部チップを、前記シースカテーテルの前記作業内腔の先端開口部の位置まで、前記先端開口部の近くの位置まで、または前記先端開口部を超える位置まで伸長させることと、を含む方法。
【請求項52】
脳血管病変を内部的に観察および治療するための方法であって、
シースカテーテルを血管構造を通して治療される前記病変に向かって前進させることと、
前記シースカテーテルの先端部分を安定させるために前記血管構造の所定の領域に栓をするように、前記シースカテーテルの先端バルーンを膨張させることと、
前記血管内視鏡を使用して前記病変を前方から観察および検査するために、前記シースカテーテルの作業内腔を介して、前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップを、延伸することと、
前記血管内視鏡の少なくとも一部が前記シースカテーテルの作業内腔内に留まることを許容した状態で、前記脳血管病変を、前記シースカテーテルの前記作業内腔を介して治療することと、
前記血管内視鏡の前記先端部チップを介して、前記脳血管病変の治療を評価すべく、前記血管構造を前方から観察するために、前記シースカテーテルの前記作業内腔の先端開口部を超える位置を観察することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、ただし限定としてではなく、血管内イメージング及び治療、より詳細には、ただし限定としてではなく、脳血管病変観察及び治療に関する。
【背景技術】
【0002】
脳血管病変は、とりわけ、血栓(血餅)又は動脈瘤(血管の部分的肥大若しくは弱化)を含み得る。脳血管血栓は、虚血性脳卒中に関連する可能性があり、それは、脳組織に損傷をさらにもたらす可能性がある。脳血管動脈瘤は、破裂及び出血性脳卒中のリスクに関連する可能性があり、それも脳組織に損傷をさらにもたらす可能性がある。
【0003】
患者の体外のイメージング機器場所からのX線透視イメージングは、血栓除去術又は動脈瘤コイル塞栓術等の治療を実施する等のため、患者の血管構造内で血管内器具を脳血管病変まで誘導するために使用され得る。しかしながら、こうした外部X線透視イメージングを使用して、病変又はその組成若しくは治療を評価することは、困難又は不可能である可能性があり、外部X線透視イメージングは、画像化される患者の体内に導入しなければならないヨウ素化造影剤の使用も必要とする可能性がある。器具類のこうした透視画像誘導には、欠点がある。例えば、こうした透視下で誘導される脳血管血栓除去術の初回通過試行の成功率は、低く、ある調査は、それをわずか25.1%としている。さらに、こうした透視法の患者に対する放射線誘発合併症は、3Gy程度の低い線量で発生する可能性がある皮膚熱傷及び脱毛を含み得る。さらに、既往症として腎疾患のある患者のおよそ20~30%、他の低リスク患者の最大5%において、患者における造影剤関連の腎症が発生することが報告されている。患者に対する放射線リスクに加えて、X線透視イメージング装置のオペレータに対する放射線リスクもある。適切な遮蔽物及び服装があっても、オペレータに対する放射線リスクは、軽微ではなく、1件につきオペレータの手及び眼に対して最大254Gyの放射線が報告されている。また、オペレータに対して、線量は、オペレータのキャリアを通して蓄積するものである。さらに、困難な解剖学的構造の場合のX線透視イメージング装置を使用するこうした間接的可視化は、治療デバイスの位置決めの間違いの原因となる可能性があり、それは、脳血管病変の場合、患者に対する血栓塞栓性及び出血性の合併症に至る可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、とりわけ、脳血管病変の血管内治療前、治療中又は治療後等、頭蓋内血管構造内に位置する可能性がある脳血管病変の、リアルタイムのフルカラーの診断品質解像度の血管内直接可視化を可能にするのに役立つことができるデバイス及び方法に対する依然として対処されていない必要性を認識した。これにより、例えば治療を誘導するために血栓の色又は組成を評価することを可能にする等のために血栓除去術前の、治療を誘導する等のために血栓除去術中の、又は結果を評価するか若しくはさらなる治療を決定する等のために血栓除去術後の、脳血管血栓の血管内直接可視化観察及び治療が治療の効力若しくは速度を向上させるのに役立つか、又は1つ若しくは複数の副作用を回避するのに役立つことができることを可能にし得る。別の例では、本デバイス及び方法は、血栓溶解オクルーダ(コイル、血栓形成剤若しくは両方等)を使用する動脈瘤治療を計画若しくは誘導する等のためにこうした治療前、こうした治療をリアルタイムで実施するか、若しくは調整するか、若しくは適合させる際の誘導に役立つ等のためにこうした動脈瘤治療中、又は送達された治療の効力を評価するのに役立つか、若しくはさらなる計画若しくは治療を誘導する等のためにこうした動脈瘤治療後等の脳血管動脈瘤の血管内観察及び治療を可能にするのに役立つことができる。
【0005】
頭蓋内血管構造内に位置する脳血管病変は、小さい血管サイズ、曲がりくねった血管の形態或いは脳血管病変又はこうした脳血管病変を診断若しくは治療するために導入される血管内診断若しくは治療装置による血流又は灌流の減少による脳組織に対する副作用のリスク等に起因する、診断又は治療のための血管器具使用又はインターベンションに対する時間制約の1つ又は複数等に起因する特に困難な環境を示す可能性がある。血管内超音波(IVUS:intravascular ultrasound)又は光コヒーレンストモグラフィ(OCT:optical coherence tomography)等、特定の血管内イメージング技法は、脳血管病変診断又は治療応用において、直接の可視化及び観察がないか、又は小さく且つ曲がりくねった頭蓋内血管構造内での使用と適合性があるように十分な小型化がない等、欠点を示す可能性がある。走査型ファイバ内視鏡(SFE:scanning fiber endoscope)等の他の技法は、IVUS又はOCTの間接的イメージングと比較して直接可視化を提供することができるが、頸動脈の錐体部を越える等、頭蓋内位置において脳血管病変に達するように小型化することが困難であり得る。
【0006】
本明細書は、とりわけ、小さく且つ曲がりくねった血管内の頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置での脳血管病変の、その先端部における血管内直接可視化に好適であり得る等、照明ファイバ及びコヒーレントファイババンドル(CFB:Coherent Fiber Bundle)イメージングファイバを含むことができるような前方視光ファイバ血管内視鏡について記載する。血管内視鏡は、血管内視鏡を使用して病変を前方から観察及び検査する等のためにシースカテーテルの作業内腔内で使用され得る。シースカテーテルは、1.17ミリメートル(3.5フレンチ)~2.67ミリメートル(8.0フレンチ)の外径を有することができ、且つ約1.78ミリメートル(0.070インチ)の名目の又は好ましい値等、0.99ミリメートル(0.039インチ)~2.08ミリメートル(0.082インチ)(両端値を含む)の範囲である、シースカテーテルの作業内腔の内径を画定することができる。これにより、脳血管病変治療カテーテルの少なくとも一部と血管内視鏡の少なくとも一部とを両方ともシースカテーテルの作業内腔内に配置することができる。
【0007】
シースカテーテルは、任意選択的に、シースカテーテルの先端部チップから後退される等、その先端部分の近くに先端バルーンを含むことができる。先端バルーンは、シースカテーテルの基端部のポート内に液体を導入すること等によって膨張され得、ポートは、基端ポートから先端バルーンまで延在する1つ又は複数の膨張内腔を介してバルーンに連通され得る。バルーンの膨張は、脳血管病変の近くの頸動脈の錐体部を越える等の頭蓋内位置等において、血管構造内でシースカテーテルを安定させるのに役立つことができる。
【0008】
シースカテーテルは、段落ちした側方輪郭を有することができ、且つバルーンを越える距離だけ作業チャネルを延在させることができる。二重同心内腔構造は、内側本体及び外側本体を含み、それらの間に膨張内腔を画定することができ、1つ又は複数の層の1つ又は複数の部分は、曲げ可撓性を提供する等のために延伸若しくは又は切断されるか又は両方を行われる。リフロー技術は、層を互いに接合するのに役立つように使用され得る。
【0009】
この概要は、本特許出願の主題の概要を提供するように意図されている。これは、本発明の排他的又は網羅的な説明を提供するように意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するように含まれている。
【0010】
必ずしも正確な縮尺で描かれていない図面において、異なる図において、同様の数字は、同様の構成要素を述べることができる。異なる接尾辞文字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表すことができる。図面は、概して、例として、ただし限定としてではなく、本明細書において考察する様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】脳血管又は他の血管内病変治療キット又はシステムの一部の一例を示す。
図2】先端部分及び基端部分を有する長尺状本体を含むシースカテーテルの一部のより詳細な例を示す。
図3図2の「詳細A」領域の拡大図を示す。
図4】血管内視鏡の一部の一例を示す概略図である。
図5A】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5B】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5C】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5D】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5E】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5F】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5G】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5H】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図5I】血管内視鏡による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6A】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6B】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6C】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6D】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6E】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6F】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図6G】血管内視鏡による観察下での吸引ベースの血管除去術のためのシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図7図1に示すものと同様であるが、コイル展開カテーテル等、血栓溶解閉塞デバイスを含むことができる、任意選択的な脳血管又は他の血管内病変治療カテーテルを含む、脳血管又は他の血管内病変治療キット又はシステムの一部の一例を示す。
図8A】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図8B】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図8C】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図8D】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図8E】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図8F】血管内視鏡による観察下での動脈瘤治療のシステムの1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
図9A】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図9B】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図9C】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図9D】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図9E】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図9F】先に提示した図の説明に基づき、シースカテーテルの一例の一部の様々な図を示す。
図10A】内側本体又は内側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す側面図である。
図10B】内側本体又は内側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す側断面図である。
図10C】内側本体又は内側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す、図10Bの線10C-10Cにおける詳細な側断面図である。
図11A】外側本体又は外側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す側面図である。
図11B】外側本体又は外側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す側断面図である。
図11C】外側本体又は外側シースの一例を、シースカテーテルの長尺状本体の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す、図11Bの線11C-11Cにおける詳細な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本装置及び方法は、脳血管病変の血管内治療前、治療中又は治療後等、脳血管病変の、リアルタイムのフルカラーの診断品質解像度の血管内直接可視化を可能にするのに役立つことができる。これにより、例えば治療を誘導するために血栓の色又は組成を評価することを可能にする等のために血栓除去術前の、治療を誘導する等のために血栓除去術中の、又は結果を評価するか若しくはさらなる治療を決定する等のために血栓除去術後の、脳血管血栓の血管内観察及び治療が治療の効力若しくは速度を向上させるのに役立つか、又は1つ若しくは複数の副作用を回避するのに役立つことができることを可能にすることができる。別の例では、本デバイス及び方法は、血栓溶解オクルーダ(コイル、血栓形成剤若しくは両方等)を使用する動脈瘤治療を計画若しくは誘導する等のためにこうした治療前、こうした治療をリアルタイムに実施するか、若しくは調整するか、若しくは適合させる際の誘導に役立つ等のためにこうした動脈瘤治療中、又は送達された治療の効力を評価するのに役立つか、若しくはさらなる計画若しくは治療を誘導する等のためにこうした動脈瘤治療後等の脳血管動脈瘤の血管内観察及び治療を可能にするのに役立つことができる。ある調査は、外部X線透視法によってのみ誘導される脳血管血栓除去術の初回通過試行の成功率を25.1%としているが、血管内視鏡を使用するリアルタイム可視化を採用する本システム、デバイス及び技法は、動物モデル研究で使用され、そこでは、8回中8回の初回通過血栓除去術試行が成功し、この限られた動物モデル研究に対して100%の成功率をもたらした。
【0013】
血管内視鏡又は他の器具は、シースカテーテルとともに使用することができる。シースカテーテルは、任意選択的に、シースカテーテルの先端部チップから後退される等、その先端部分の近くに先端バルーンを含むことができる。先端バルーンは、シースカテーテルの基端部のポート内に液体を導入すること等によって膨張され得、ポートは、基端ポートから先端バルーンまで延在する1つ又は複数の膨張内腔を介してバルーンに連通され得る。バルーンの膨張は、脳血管病変の近くの頸動脈の錐体部を越える等の頭蓋内位置等において、血管構造内でシースカテーテルを安定させるのに役立つことができる。シースカテーテルは、段落ちした側方輪郭を有することができ、且つバルーンを越えた距離だけ作業チャネルを延在させることができる。二重同心内腔構造は、内側本体及び外側本体を含み、それらの間に膨張内腔を画定することができ、1つ又は複数の層の1つ又は複数の部分は、曲げ可撓性を提供する等のために延伸若しくは切断されるか又は両方を行われる。リフロー技術は、層を互いに接合するのに役立つように使用され得る。
【0014】
図1は、先端アクセスバルーンガイドシースカテーテル又は他のシースカテーテル102と、マイクロ血管内視鏡104と、任意選択的な脳血管又は他の血管内病変治療カテーテル106とを含むことができるような脳血管又は他の血管内病変治療キット又はシステム100の一部の一例を示す。シースカテーテル102は、シースカテーテル106の基端部又は基端部分における基端開口部からシースカテーテル106の先端部又は先端部分の先端開口部まで延在することができるような、内部作業内腔108を画定することができる長尺状本体を含むことができる。本明細書においてさらに説明するように、シースカテーテル102の作業内腔108は、同時の血管内視鏡104を使用する可視化と、治療カテーテル106を使用する血管内治療とを可能にすることができるような、血管内視鏡104及び治療カテーテル106の両方の少なくとも一部が内部作業内腔108内にともに配置されることを可能にするようなサイズにされ得る内径を画定することができる。任意選択的に、対象の頸動脈の錐体部を越える脳血管内位置まで等、ヒト患者又は対象の体内の所望の先端位置に向かうように、シースカテーテル102、治療カテーテル106又は両方を血管内で導入するのに役立つように使用することができるようなガイドワイヤ等の1つ又は複数の他の構成要素も、システム100に含めるか又はシステム100とともに使用することができる。シースカテーテル108の作業内腔108内で使用するか又はその中に収容することができる病変治療カテーテル106又は他の器具若しくは材料としては、とりわけ、1つ又は複数のガイドワイヤ、マイクロカテーテル、ステントリトリーバ、(例えば、血管内視鏡104を介する先端観察を可能にするように不透明な血管を移動させるフラッシング剤としての)生理食塩水、造影剤、血餅、動脈瘤コイル又はこれらの任意の組合せを挙げることができる。例えば、病変治療カテーテル106は、先端で血餅と係合して血餅を回収するように構成された市販のステントリトリーバカテーテルを含むことができる。こうしたステントリトリーバカテーテルは、ステントリトリーバカテーテル106が、ステントリトリーバカテーテル106が導入されるガイドワイヤが貫通又は交差した血栓まで等、血管構造内の所望の位置までオーバザワイヤ(OTW:over the wire)で挿入されることを可能にするようなガイドワイヤ内腔を含むことができる。
【0015】
図2は、先端部分202Aと基端部分202Bとを有する長尺状本体を含むシースカテーテル102の一部のより詳細な例を示す。図3は、図2の「詳細A」領域の拡大図を示す。図2及び図3の例では、長尺状本体は、内部作業内腔108も画定し、内部作業内腔108は、この例では、1.78ミリメートル(0.07インチ)の名目の又は好ましい内径を含むことができ、先端部分202Aの先端部から基端部分202Bの基端部まで長尺状本体の長手方向軸に沿って同軸上に延在している。図2の例では、長尺状本体の外径は、先端部分202Aにおいて、(例えば、2.0ミリメートル(6フレンチ)の外径等の)1.17ミリメートル(3.5フレンチ)~2.67ミリメートル(8.0フレンチ)(両端値を含む)の範囲であり得、シースカテーテル102の基端部分202Aにおいて、同じ又はわずかに大きい外径(例えば、2.0ミリメートル(6フレンチ)又はそれよりもわずかに大きい)であり得る。シースカテーテル102のその基端部からその先端部までの作業長は、一例では、125センチメートル~131センチメートル(両端値を含む)の長さであり得る。
【0016】
シースカテーテル102の先端部分202Aは、シースカテーテル102の先端部分202Aの長尺状本体の周囲を円周方向に延在することができるような膨張可能な先端バルーン204を含むことができる。バルーン204は、その基端部において基端カフ206Aにより且つその先端部において先端カフ206Bによる等、先端部分202Aの長尺状本体に取り付けることができる。一例では、これらのバルーンカフ206A及び206Bは、10ミリメートル作業長等、バルーン204の作業長だけ互いに分離することができる。カフ206A及び206Bは、透視又は他のX線観察又は観測を支援又は強化することができるような金属又は他のX線不透過性材料から作製するか、又はそうした材料を含めることにより補強することができ、同様にシースカテーテル102の長さに沿った1つ又は複数の他の指定された位置、例えばシースカテーテル102の先端部チップに1つ又は複数の他のX線不透過性マーカを設けることができる。
【0017】
バルーン204は、膨張していないとき、シースカテーテル102の先端部分202Aの外径(例えば、2mm)と実質的に同一平面上にあり得るが、膨張しているとき、図2に示す例では約6ミリメートル等、より大きい外径まで拡張することができる。バルーン204は、膨張しているとき、頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置等、脳血管内の所望の位置等において、シースカテーテル102の先端部分202Aを安定させることができる。バルーン204は、処置時間を短縮するか又は最短にするのに有用であり得る迅速な膨張及び収縮を可能にする等のために、ポリウレタン等の高コンプライアンス材料から作製することができ、それは、拡張したときの血管のバルーン204の閉塞が、こうした時間中の血管を通る血流を妨げる可能性があり、それにより、血管が血餅によって既に完全に閉塞されていない限り、閉塞されていない血管によって本来灌流される脳組織領域への血液灌流を一時的に低減させるためである。
【0018】
(例えば、作業内腔108とは分離しており且つ別個であり得る)環状又は他の専用の膨張内腔208は、基端カフ206Aにおける1つ又は複数の膨張ポート300(図3)等を介して、シースカテーテル102の基端部又は基端部分202Bにおける基端膨張ポートから、バルーン204の内部領域内に通じるとともにその中への流体連通を可能にする先端膨張ポートまで延在することができる。このように、基端ポート位置等から、バルーン204を膨張させる等のために陽圧下でバルーン204内に生理食塩水、造影剤又は別の液体流体(例えば、生理食塩水と液体X線撮影造影剤との50/50又は他の混合物)を圧送するか又は他の方法で導入することができる。膨張流体がシースカテーテル102の基端部の基端膨張ポートにおいて膨張内腔208内に導入される際、以前から膨張内腔207又はバルーン204内にある空気を出す等のために、バルーン204の先端カフ206B、バルーン204の基端カフ206A又は両方等に1つ又は複数の空気パージ通気口又は一方向弁を設けることができる。
【0019】
同様に、陰圧下又は受動的等、流体が基端膨張ポートから出ることにより、バルーン204を収縮させることができる。膨張内腔208は、シースカテーテル102の長尺状本体に、シースカテーテル102の作業内腔108と同軸であるとともにシースカテーテル102の長手方向中心軸からより遠い同心リング断面通路等、1つ又は複数の流体連通可能な通路を含むことができる。
【0020】
膨張内腔208は、シースカテーテル102の長尺状本体の外側シース210部分と、シースカテーテル102の長尺状本体の内側シース212部分との間に配置することができる。外側シース210は、シースカテーテル102の基端部分202Bの基端部から、例えば基端カフ206Aまで延在して、バルーン204の基端部まで延在することができる。内側シース212は、シースカテーテル102の基端部分202Bの基端部から、シースカテーテル102の先端部分の先端部まで延在することができる。一例では、外側シース210は、約2.33ミリメートル(約7フレンチ)の外径と、約2.26ミリメートル(約0.089インチ)の内径とを有することができ、内側シース212は、約2.0ミリメートル(例えば、約6フレンチ)の外径と、約1.78ミリメートル(約0.07インチ)の内径とを有することができる。
【0021】
一例では、内側シース212、外側シース210又は両方は、金属若しくはナイロン編組若しくはコイル又はそれらの組合せ等、内部に埋め込まれた硬化材によって補強することができるようなポリマー材料(例えば、シリコーン又はポリウレタン)を含むことができる。シースカテーテル102の長さに沿った内側シース212、外側シース210又は両方の硬さの変動は、例えば、隣接するコイル間のコイル間間隔又は隣接する編組間の編組間間隔を変更すること等により、シースカテーテル102の長さに沿って硬化材の特性を変更することにより提供することができる。これを使用して、頸動脈の錐体部を越える脳血管頭蓋内位置において特に小さく且つ曲がりくねっているような、曲がりくねっている血管を通してねじれるために必要であり得るように、その先端部の可撓性をより高くすることができる一方、シースカテーテル102のより先端部又は先端部分202Aにおける硬さ等と比較して、シースカテーテル102の基端部又は基端部分202Bに向かってより大きい硬さを提供することができ、それは、その基端部において又はその近くで血管内器具にトルクを与えることを補助することができる。シースカテーテル102の長さに沿った異なるゾーンにおいて異なる材料又は構造を使用すること等により、外側シース210の可変の硬さ又はデュロメータ硬度を同様に提供することができる。
【0022】
バルーン204の先端側に非外傷性先端セグメントを含めることができる。一例では、この先端セグメントは、軟質先端チップを含み、約2.0ミリメートル(約6フレンチ)の外径を有し、長さが4ミリメートル~10ミリメートルであり得る。
【0023】
一例では、シースカテーテルの、その基端部から非外傷性先端セグメントまで且つそれを通して延在するその作業内腔108の硬さを含む硬さは、歪みも破裂もなしに直接吸引初回通過技術(ADAPT:Direct Aspiration first Pass Technique)を使用すること等により、作業内腔108を介して吸引力(例えば、最大2.068MPa(300psi))を加えることにより、吸引ベースの血栓除去術を可能にすることができるのに十分である等のように指定される。これは、外部真空ポンプと作業内腔108との間の弁が吸引力を蓄積させるように閉鎖していること等により、外部真空/吸引ポンプを使用して吸引力を蓄積することを含むことができる。また、作業内腔108内に急な吸引力をもたらす等のように弁を開放することができる。こうした急な吸引力により、血管内に且つ作業内腔の先端開口部に対して先端側に位置する血餅が作業内腔108の先端開口部内に吸引される(又は先端開口部に対して栓をする)ようにすることができる。血餅は、作業内腔108を通して且つ作業内腔108の基端部から出るように吸引することによって除去することができるか、又は血餅は、血管構造からのシースカテーテル102の引抜中に依然として吸引力が加えられている状態等、血餅が作業内腔108内に位置しているか又は作業内腔108の先端開口部に対して栓をしている状態で血管構造からシースカテーテル102を引き抜くことにより除去することができる。
【0024】
外側シース210には、その全長に沿って又はその指定された部分(例えば、先端部分)に沿って等、シースカテーテル102のこうした部分が血管構造内の所望の位置までより容易に摺動するのに役立つ等のために生体適合性親水性又は潤滑性材料又はコーティングを設けることができる。同様に、内側シース212の長さのすべての又は指定された部分に沿った作業内腔108の壁に沿って、内側シース212の内部にテフロン(Teflon)(登録商標)又は他のポリテトラフルオロエチレン又は他のライナを設けること等により、内側シース212の材料の適切な選択又はコーティング等により、シースカテーテルの内部作業内腔108を潤滑性にすることができる。これは、血管内視鏡104、脳血管病変治療カテーテル106又は1つ若しくは複数の他の器具がシースカテーテル102の作業内腔108内に導入され、且つその中で摺動することをより容易にするのに役立つことができる。
【0025】
図4は、血管内視鏡104の一部の一例を示す概略図である。図4の例では、血管内視鏡104は、前方視光ファイバ血管内視鏡104を含むことができる。血管内視鏡104は、血管内視鏡104の先端部に位置するGRIN又は他のレンズ406の後方等、血管内視鏡104の長手方向軸に沿って中心に配置することができるイメージング光ファイバ404のコヒーレントファイババンドル(CFB)を同心円状に包囲することができる環状束等で1つ又は複数の照明ファイバ402を含むことができる。ポリマー製のジャケット405が、それがイメージング光ファイバ404と照明ファイバ402との間に同心円状に位置する等により、イメージング光ファイバ404及びレンズ406を同心円状に包囲及び封入することができる。照明ファイバ402は、血管内視鏡104の基端部に光学的に結合することができる外部光源から血管内視鏡104の先端部まで光を通すように構成することができる。先端側に投影される光を使用して、イメージング光ファイバ404を使用する観察を強化する等のため、血管内視鏡104の先端部が挿入された血管構造内に前方に照明するか若しくはシースカテーテル102の作業内腔108内で前方に照明するか、又は両方を行うことができる。
【0026】
イメージング光ファイバ404のコヒーレントファイババンドルは、一例では、血管内視鏡が約160センチメートルの作業長を有することができるように、血管内視鏡104の基端部分と先端部分との間で延在することができる。一例では、イメージングファイバ404の個々のファイバは、約2.5マイクロメートルの外径を有することができる。イメージングファイバ404の群は、例えば、3000本のイメージングファイバを含むことができ、その各々が血管内視鏡の基端部に先端側前方視イメージングファイバ404の基端側で観察可能な「ピクセル」を提供する。イメージングファイバ404は、イメージングファイバ404の個々のファイバ間に配置するか又はファイバ間で共有することができるような共通クラッディングを含むことができる。照明ファイバ402は、イメージングファイバ404の周囲に環状に同心円状に配置することができるような照明ファイバ404のクラッドなし配置を含むことができる。一例では、照明ファイバ404の個々のファイバは、25マイクロメートル~50マイクロメートルの外径を有することができる。一例では、GRIN又は他のレンズ406は、250ミリメートル以下の直径と、500マイクロメートル±100マイクロメートルの軸方向長さとを有することができる。
【0027】
GRIN又は他のレンズ406は、例えばヘパリン系コーティング等、光学的に透明な(例えば、血管内視鏡104の照明及びイメージングの波長である)耐凝固性又は抗凝固性材料を含むか、又はそうした材料でコーティングすることができる。シリコーン、ポリウレタン又は他のポリマー(例えば、ペバックス(Pebax)(登録商標)エラストマー)製の外側シース408が、照明ファイバ404、レンズ406及びイメージングファイバ404を支持する光学系内腔(例えば、直径が約4.19ミリメートル(約0.0165インチ)である)を円周方向に包囲することができる。こうした外側シース408は、内部内腔を提供することができ、内部内腔は、光学部品のこうした内部内腔内へのより容易な挿入を可能にする等のために、テフロン(Teflon)(登録商標)等の親水性又は潤滑性材料で任意選択的にコーティングすることができる。外側シース408は、1つ又は複数の基端領域(例えば、約75センチメートルの基端ゾーン長のこうした基端ゾーンでは、45D~55Dペバックス(Pebax)(登録商標)エラストマー材料を使用する)又は1つ若しくは複数の中間領域(例えば、こうした中間領域では45Dペバックス(Pebax)(登録商標)エラストマー材料を使用する)におけるよりも、1つ又は複数の先端領域(例えば、こうした先端ゾーンでは35Dペバックス(Pebax)(登録商標)エラストマー材料を使用する)における方がより高い可撓性を提供する等のように、異なる長手方向ゾーンにおいて異なる材料を含むことができる。
【0028】
外側シース408は、任意選択的に、血管内視鏡104の先端方向に向かってコイル間で増大するコイルピッチを含むことができるような、さらに剛性を提供するように、埋め込まれたマイクロコイル硬化材構造を含むことができる。これは、より高い剛性、押込み性、追従性及び耐キンク性を提供することができる、より基端側の領域よりも、血管内視鏡104の先端部分に向かってより高い可撓性を提供するのに役立つことができる。頸動脈の錐体部を越えることを含む、対象の頭蓋内の深く且つ曲がりくねった血管位置における脳血管病変の治療に有用である、より軟質であり且つより可撓性があり且つより非外傷性である約10ミリメートル~30ミリメートルの長さの最先端部ゾーンを残す等のように、血管内視鏡104の最先端部分において完全に硬化コイルを省略することができる。
【0029】
図4の例では、血管内視鏡104の外径は、その軟質且つ非外傷性の先端部では約0.57ミリメートル(約1.7フレンチ)であり、血管内視鏡104の基端部では約0.80マイクロメートル(約2.4フレンチ)であり得る。図4に示す前方視光ファイバ血管内視鏡は、血管内視鏡104を使用して脳血管病変を前方から観察及び検査することを可能にすることができる等のため、血管内視鏡104の先端部分が、(任意選択的に)シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えて延在することを可能にする等のために、シースカテーテル102の基端部分からシースカテーテル102の作業内腔108内に挿入されるようなサイズ及び形状にされ得る。
【0030】
図5A図5B図5C図5D図5E図5F図5G及び図5Iは、血管内視鏡104を使用して同時の前方視血管内観察を可能にするという利益又は追加の利益なしに、ステントリトリーバ血栓除去術が透視術のみの下で実施された場合に本来もたらされる結果よりも優れた結果を提供するのに役立つ等のように、血管内視鏡104による観察下でのステントリトリーバ血栓除去術のためにシステム100の1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
【0031】
図5Aの例では、シースカテーテル102の先端部は、血管構造内に導入され、頸動脈の錐体部を越える等、動脈504内の頭蓋内位置における脳血管病変(例えば、血栓502)に向かって、ただしわずかに届かずに前進している。外部透視X線誘導を使用して、シースカテーテル102のこうした導入を誘導することができ、シースカテーテル102は、1つ又は複数のX線撮影により可視なマーカを含むことができる。任意選択的に、最初に動脈504内にガイドワイヤを挿入することができ、シースカテーテル102は、ガイドワイヤが、シースカテーテル102の動脈504内への導入中にシースカテーテル102の作業内腔108内に位置して血栓502に向かって操縦する等により、オーバザワイヤで挿入することができる。次いで、例えば血栓502にわずかに届かない動脈504内の所望の位置でシースカテーテル102の先端部分を安定させる等のために、バルーン204を膨張させることができる。次いで、存在する場合、ガイドワイヤは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介して引き抜くことができる。
【0032】
図5Bは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管内視鏡104の先端部は、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部内に挿入し、血管内視鏡104の基端部分を押すこと等により、血栓502に向かって前進させることができる。血管内視鏡104の先端部は、任意選択的に、血栓502の前方視のために、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えて前進させることができるか、又は代わりに、任意選択的に、血管内視鏡104の先端部がシースカテーテル102の作業内腔108内にわずかに後退したままで血栓502のこうした前方視を実施することができる。膨張したバルーン204を越えて血管構造内にシースカテーテル102の作業内腔を通して透明な生理食塩水フラッシュを緩やかに導入することにより、血栓502の血管内観察を補助することができる。これにより、血管内視鏡104の先端部と血栓502との間の領域からのより視覚的に不透明な赤血球の緩やかなフラッシングを可能にし、血管内視鏡104を使用する血栓502のより明瞭な視覚的評価を可能にすることができる。
【0033】
血栓502の血管内視覚的評価を使用して、治療の方法を計画するためのガイダンスを提供することができる。血栓502の可視化された色は、その組成の表示を提供することができ、それを使用して、血管構造内にステント留置し、血栓502を残すか、又はリトリーバステント若しくは他の技法を使用して血管構造から血栓502を除去するかを判断することができる。
【0034】
図5Cは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介して、ガイドワイヤ506を挿入することができる。ガイドワイヤ506の先端部は、シースカテーテル102の作業内腔108を通して、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部から出て、血栓502に向かい、血栓502内に又は血栓502を通して前進させることができる。このステップ中、血管内視鏡104の一部は、シースカテーテル102の作業内腔108内の位置又はシースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越える位置から等、ガイドワイヤ506挿入の同時観察を可能にする等のためにシースカテーテル102の作業内腔108内に残ることができる。
【0035】
図5Dは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介してステントリトリーバカテーテル508等の脳血管病変治療カテーテルを挿入することができる。ステントリトリーバカテーテル508の先端部分は、血栓502に向かって、血栓502内に又は血栓502を通して等、ガイドワイヤ506上を前進させることができる。ステントリトリーバカテーテル508からガイドワイヤ506を引き抜き、引き抜かれたガイドワイヤ506をステントリトリーバカテーテル508内に挿入されたステントリトリーバ510と置き換えた後等に自己拡張ステントリトリーバ510又は他の同様の血栓係合及び回収デバイスを展開するために、ステントリトリーバカテーテル508の少なくとも先端部分は、後退可能であり得るか、又はステントリトリーバカテーテル508の基端部分を介して外部位置から後退させることができるような後退可能なシースを含むことができる。血管内視鏡104は、処置のこの部分間に血栓の観察を可能にするために、その先端部分が血栓502にわずかに届かないように位置する等、適所に残すことができる。
【0036】
図5Eは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、シースカテーテル102の作業内腔108を通して且つそれから出るように、ガイドワイヤ506を後退させることができる。次いで、ステントリトリーバカテーテル508の作業内腔を介する等、ステントリトリーバ510を挿入することができる。次いで、ステントリトリーバ510のステント部分は、外向きに自己拡張して血栓502と係合することができる。次いで、ある期間(例えば、5分間)、拡張したステントリトリーバ510を拡張したままにして、血栓502内に入り込むようにすることができる。血管内視鏡104は、処置のこの部分間に血栓の観察を可能にするために、その先端部分が血栓502にわずかに届かないように位置する等、適所に残すことができる。次いで、ステントリトリーバ510の拡張したステント部分が依然としてスネアリングされた血栓502と係合して適所にある等の状態でステントリトリーバカテーテル508及びステントリトリーバ510を後退させることができる。ここでもまた、血管内視鏡104は、処置のこの部分間に血栓の観察を可能にするために、その先端部分が血栓502にわずかに届かないように位置する等、適所に残すことができる。
【0037】
図5Fは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、シースカテーテル102の作業内腔108を通して且つそれから出るように、スネアリングされた血栓502とともにステントリトリーバカテーテル508及びその先端のステントリトリーバ510を後退させることができる。同時に又はこの前に、血管内視鏡104も、シースカテーテルの作業内腔108を通して抜き取られている際のスネアリングされた血栓502の観察を可能にしながら等、シースカテーテル102の作業内腔108を通して且つそれから出るように後退させることができる。
【0038】
図5Gは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、任意選択的に、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部内に血管内視鏡104を再度挿入することができる。任意選択的に、シースカテーテル102の作業内腔108内からの又はそれを越える血栓等が取り除かれた血管の血管内観察を可能にする等のために、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部に向かって又はそれを越えて血管内視鏡の先端部分を再度前進させることができる。こうした観察は、医師が、血栓の何らかの残存物が残っているか否か、又は何らかのより先端側の塞栓若しくは他の脳血管病変が観測され得るか否かを判断するのに役立つことができ、これは、治療の効力又はさらなる治療に対する何らかの必要若しくは戦略を決定するのにさらに役立つことができる。こうしたさらなる治療としては、本明細書に記載するようなステントリトリーバを使用して血栓を回収するプロセスを繰り返すこと又はこうしたさらなる治療のために吸引若しくは別の治療技法を使用することを挙げることができる。実験動物モデル研究では、血管内視鏡104によるこうした治療後検査は、塞栓残存物を示さず、そのため、それらは、シースカテーテル102の作業内腔108を介して血管内で回収された。
【0039】
図5Hは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管に血栓がない場合、シースカテーテル102の作業内腔108を介して体内から血管内視鏡104を後退させ取り除くことができる。次いで、シースカテーテル102の膨張内腔208等を介してバルーン204を収縮させることができる。血栓502又はその一部が残っている場合、本明細書において図5Gに関して且つ別の場所で説明したようにさらなる治療を適用することができる。
【0040】
図5Iは、様々な治療デバイスが血管の管腔から取り除かれた後等、望ましい結果の一例を示し、例えば血栓等が除去された動脈を通して再灌流が達成される。本明細書に記載するように、例えばX線透視観察に加えて、血管内視鏡104による血管内観察を可能にしながら、こうした処置の1つ又は複数のステップを実施することは、治療の効力を向上させるか、治療時間を短縮するか、又は両方に役立つことができる。それは、X線透視観察に必要な時間を短縮するか又はなくすことにも役立ち、それにより患者、オペレータ又は両方への放射線線量曝露を低減させるか又は最小限にすることができる。特に、血管内視鏡104を使用するときのリアルタイム血管内観察能力により、使用者は、提供されている療法におけるリアルタイム調整を行うことができる。例えば、血管内視鏡104を介して血管内で観察されるように、ステントリトリーバカテーテル508がシースカテーテル102の作業内腔108に向かって又はその中に引き抜かれている際、使用者が、ステントリトリーバ510及び回収されているその係合された血餅502が異なる速度で移動していることを観測した場合、使用者は、ステントリトリーバ510が、回収されている血餅502を手放していると推測することができ、使用者は、こうした視覚的情報フィードバックに対して、ステントリトリーバカテーテル508の基端部をより緩やかに引っ張ることにより、又はステントリトリーバカテーテル508の基端部を押すことを再開する前にわずかに長く血餅502をステントリトリーバ510と係合するように「嵌まる」ようにするか、又は他の方法でステントリトリーバ510によってシースカテーテル102の作業内腔108に向かって又はその中に引き込まれている血餅502とより適切に係合するようにステントリトリーバ510を操作又は調整することにより、反応することができる。血管内視鏡104からのこうしたリアルタイムの視覚的フィードバックは、こうした重大な血餅除去処置の効力を向上させるのに役立つことができる。
【0041】
図6A図6B図6C図6D図6E図6F及び図6Gは、血管内視鏡104を使用する同時の前方視血管内観察を可能にするという利益又は追加の利益なしに、透視術のみの下で吸引ベースの血栓除去術が実施された場合の本来もたらされる結果よりも優れた結果を提供するのに役立つ等のように、血管内視鏡104による観察下で吸引ベースの血栓除去術のためにシステム100の1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
【0042】
図6Aの例では、シースカテーテル102の先端部は、血管構造内に導入され、頸動脈の錐体部を越える等、動脈504内の頭蓋内位置における脳血管病変(例えば、血栓502)に向かって、ただしわずかに届かずに前進している。外部透視X線誘導を使用して、シースカテーテル102のこうした導入を誘導することができ、シースカテーテル102は、1つ又は複数のX線撮影により可視なマーカを含むことができる。任意選択的に、最初に動脈504内にガイドワイヤを挿入することができ、シースカテーテル102は、ガイドワイヤが、シースカテーテル102の動脈504内への導入中にシースカテーテル102の作業内腔108内に位置して血栓502に向かって操縦する等により、オーバザワイヤで挿入することができる。次いで、例えば血栓502にわずかに届かない動脈504内の所望の位置でシースカテーテル102の先端部分を安定させる等のために、バルーン204を膨張させることができる。次いで、存在する場合、ガイドワイヤは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介して引き抜くことができる。
【0043】
図6Bは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管内視鏡104の先端部をシースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部内に挿入し、血管内視鏡104の基端部分を押すこと等により、血栓502に向かって前進させることができる。血管内視鏡104の先端部は、任意選択的に、血栓502の前方視のために、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えて前進させることができるか、又は代わりに、任意選択的に、血管内視鏡104の先端部がシースカテーテル102の作業内腔108内にわずかに後退したままで血栓502のこうした前方視を実施することができる。膨張したバルーン204を越えて血管構造内にシースカテーテル102の作業内腔を通して透明な生理食塩水フラッシュを緩やかに導入することにより、血栓502の血管内観察を補助することができる。これにより、血管内視鏡104の先端部と血栓502との間の領域からのより視覚的に不透明な赤血球の緩やかなフラッシングを可能にし、血管内視鏡104を使用する血栓502のより明瞭な視覚的評価を可能にすることができる。
【0044】
血栓502の血管内視覚的評価を使用して、治療の方法を計画するためのガイダンスを提供することができる。血栓502の可視化された色は、その組成の表示を提供することができ、それを使用して、血管構造内にステント留置し、血栓502を残すか、又はリトリーバステント若しくは他の技法を使用して血管構造から血栓502を除去するかを判断することができる。
【0045】
図6Cは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管内視鏡104は、その先端部がシースカテーテル102の作業内腔108内に位置するようにわずかに後退している。次いで、2方向弁若しくは3方向弁又は別の弁を介する等、真空ポンプ又は真空をもたらすように後退させることができるプランジャを有するシリンジ等、別の吸引源等、外部吸引源にシースカテーテルの作業内腔108の基端部を接続することができる。弁は、最初に、作業内腔108を弁の反対側で吸引ポンプによって蓄積されている吸引力から隔離する等のために、吸引ポンプ又は他の吸引源がオンとされるか又は他の方法で作動するとき、閉鎖したままで維持することができる。オペレータ又は他の人により、十分な吸引力が蓄積されたと判断されると、シースカテーテルの作業内腔108に吸引力を加え、それによりシースカテーテル102の作業内腔108に向かって、作業内腔108に対して又は作業内腔108内に血栓502を引き込む等のために弁を迅速に開放することができる。
【0046】
作業内腔108の内径がより大きいことにより、特に血餅が作業内腔108の内径よりも小さい場合、血餅の極めて迅速な吸込みを容易にすることができる。これが、(例えば、作業内腔108に真空を適用するように弁を開放するために作動スイッチをフリップさせる前に真空ポンプ又は他の吸引源が圧力を蓄積することを可能にする)ジャーク式技法と組み合わされた場合、かき集め効果がもたらされる。バルーン204を追加することにより、血餅に向かい、その後、カテーテル102の作業内腔108内に流れるカテーテル102の先端チップの近くの血液に単に吸引力を加えるのではなく、血餅の上に圧力全体を集中させる。これらの要素が結合して、バルーンかき集めをもたらすのに役立つことができ、これは、血餅をらせん状に進めるのではなく血餅を完全に吸い込む最適な状態を提供するのに役立つことができ、これは、さらに患者にとってはるかに安全である。集中する圧力により、血液は、基端領域ではなく先端領域から引き込まれ、これは、塞栓が先端側に流れることを阻止又は防止するのに役立つことができる。
【0047】
わずかに後退した血管内視鏡104によってリアルタイムに同時に見ることにより、使用者は、血栓502を観測することができ、使用者は、血栓502が(吸引ポンプ、シリンジ又は他の吸引源によって提供される)吸引力下でシースカテーテル102の作業内腔108内に吸い込まれたか、又は代わりに単に吸われて、シースカテーテル102の作業内腔108の先端部に対して「栓をした」かを見ることができる。後者の場合、シースカテーテル102の作業内腔108の先端部に対して栓をした状態で血栓を維持するために、シースカテーテルの作業内腔108内に(例えば、ポンプ、シリンジ又は他の吸引源を使用して)吸引力を維持することができる。吸引力下でバルーン204を収縮させることができ、シースカテーテル102の作業内腔108の先端部に対して栓をした血栓502を保持するように、(例えば、ポンプ、シリンジ又は他の吸引源を使用して)シースカテーテル102の作業内腔108内の吸引力を維持しながら、栓をした血栓502とともに、シースカテーテル102及び血管内視鏡104をともに引き抜くことができる。
【0048】
図6Dは、血管内視鏡104を介して観測することによりリアルタイムに血管内で観察することができるように、シースカテーテル102の作業内腔108内に血栓502が吸い込まれた場合に対する次の又は後続するステップの一例を示す。いくつかの場合、血管内視鏡104を使用して、シースカテーテル102の作業内腔108内に吸い込まれる血栓502を観て、血管内視鏡を越えてシースカテーテル102の作業内腔108内のより基端側の位置に吸われる血栓502を観ることが可能であり得る。
【0049】
図6Eは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血栓502は、体内から且つシースカテーテル102の作業内腔108から完全に除去されており、吸引ポンプは、シースカテーテルの作業内腔108から分離されている。図6Eの例に示すように、血管内視鏡104は、血栓残存物又は先端側塞栓を検査する等のため、血管の位置を観察するために使用することができる。これは、必要に応じて、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えて血管内視鏡の先端チップを伸長させることを含むことができる。必要に応じて、血管内視鏡108の視野から赤血球をフラッシングすることにより、視覚的観測を向上させるのに役立つように、シースカテーテル102の作業内腔108を介して透明な生理食塩水フラッシュを送達することができる。
【0050】
図6Fは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管から血栓等が除去されている。(血栓が残っているか又は他の塞栓が観測される場合、吸引又は別の血栓除去処置を繰り返すことができる。)次いで、血管内視鏡104の基端部を引っ張って血管内視鏡104を後退させること等により、シースカテーテル102の作業内腔108を介して体内から血管内視鏡108を取り除くことができる。次いで、バルーン204を収縮させることができる。次いで、シースカテーテル102の基端部を引っ張ってシースカテーテル102を後退させること等により、体内からシースカテーテル102を取り除くことができる。
【0051】
図6Gは、様々な治療デバイスが血管の管腔から取り除かれた後等、望ましい結果の一例を示し、例えば血栓等が除去された動脈を通して再灌流が達成される。本明細書に記載するように、例えばX線透視観察に加えて、血管内視鏡104による血管内観察を可能にしながら、こうした処置の1つ又は複数のステップを実施することは、治療の効力を向上させるか、治療時間を短縮するか、又は両方に役立つことができる。それは、X線透視観察に必要な時間を短縮するか又はなくすのにも役立ち、それにより患者、オペレータ又は両方への放射線線量曝露を低減させるか又は最小限にすることができる。
【0052】
図6A図6Gは、シースカテーテル104の作業内腔108を介する吸引ベースの血栓除去処置を強調したが、こうした吸引ベースの技法を、図5A図5Iに関して記載したようなステントリトリーバ血栓除去技法と組み合わせることができるか、又は(図5A図5Iに関して記載したようなステントリトリーバの挿入と同様に)シースカテーテル104の作業内腔108を介して別個の吸引カテーテルを挿入することができ、こうした別個の吸引カテーテルの作業内腔を介して血栓を吸引することができる。
【0053】
図7は、図1に示すものと同様であるが、図7の例では、動脈瘤内の血栓形成及び閉塞を促進するように動脈瘤コイルを展開すること等により、動脈瘤を治療するために使用することができるような、コイル展開カテーテル710等の血栓溶解閉塞デバイスを含むことができる、任意選択的な脳血管又は他の血管内病変治療カテーテル106を含む、脳血管又は他の血管内病変治療キット又はシステム100の一部の一例を示す。
【0054】
図8A図8B図8C図8D図8E及び図8Fは、血管内視鏡104を使用する同時の前方視血管内観察を可能にするという利益又は追加の利益なしに、透視術のみの下で吸引ベースの動脈瘤閉塞治療が実施された場合の本来もたらされる結果よりも優れた結果を提供するのに役立つ等のように、血管内視鏡104による観察下で閉塞を介する動脈瘤治療のためにシステム100の1つ又は複数の部分を使用する方法の一例を示す。
【0055】
図8Aの例では、シースカテーテル102の先端部は、血管構造内に導入され、頸動脈の錐体部を越える等、動脈804内の頭蓋内位置における脳血管病変(例えば、脳底動脈先端部又は他の動脈瘤802)に向かって、ただしわずかに届かずに前進している。外部透視X線誘導を使用して、シースカテーテル102のこうした導入を誘導することができ、シースカテーテル102は、1つ又は複数のX線撮影により可視なマーカを含むことができる。任意選択的に、最初に動脈504内にガイドワイヤを挿入することができ、シースカテーテル102は、ガイドワイヤが、シースカテーテル102の動脈504内への導入中にシースカテーテル102の作業内腔108内に位置して動脈瘤802に向かって操縦する等により、オーバザワイヤで挿入することができる。次いで、例えば動脈瘤802にわずかに届かない動脈804内の所望の位置でシースカテーテル102の先端部分を安定させる等のために、バルーン204を膨張させることができる。次いで、存在する場合、ガイドワイヤは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介して引き抜くことができる。
【0056】
図8Bは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、血管内視鏡104の先端部をシースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部内に挿入し、血管内視鏡104の基端部分を押すこと等により、動脈瘤802に向かって前進させることができる。血管内視鏡104の先端部は、任意選択的に、動脈瘤802の前方視等のために、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えて前進させることができるか、又は代わりに、任意選択的に、血管内視鏡104の先端部がシースカテーテル102の作業内腔108内にわずかに後退したままで動脈瘤802のこうした前方視を実施することができる。膨張したバルーン204を越えて血管構造内にシースカテーテル102の作業内腔を通して透明な生理食塩水フラッシュを緩やかに導入することにより、動脈瘤802の血管内観察を補助することができる。これにより、血管内視鏡104の先端部と動脈瘤802との間の領域からのより視覚的に不透明な赤血球の緩やかなフラッシングを可能にし、血管内視鏡104を使用する動脈瘤802のより明瞭な視覚的評価を可能にすることができる。
【0057】
動脈瘤802の血管内視覚的評価を使用して、治療の方法を計画するためのガイダンスを提供することができる。動脈瘤802の可視化された色又は他の特徴は、動脈瘤802の破裂を回避するのに役立つように動脈瘤802を補強する最適な方法、例えば動脈瘤802を治療するために動脈瘤コイルを挿入するか、液体塞栓物質を挿入するか、又は両方を挿入するかを判断するのに役立つことができる。
【0058】
図8Cは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、シースカテーテル102の作業内腔108の基端開口部を介して動脈瘤コイル展開カテーテル710等の脳血管病変治療カテーテル110を挿入することができる。コイル展開カテーテル710の先端部分を、動脈瘤802に向かって又はその中等、(例えば、ガイドワイヤ上で又は他の方法で)前進させることができる。コイル展開カテーテル108の少なくとも先端部分は、動脈瘤802を閉塞し、その中の血栓形成を促進して、その構造的完全性を増強し、その破裂を回避するのに役立つ等のように1つ又は複数の動脈瘤コイルを吐出することができる。血管内視鏡104は、処置のこの部分間に動脈瘤802の観察を可能にするために、その先端部分が動脈瘤802にわずかに届かないように位置するか又は動脈瘤802内に延在する等、適所に残すことができる。
【0059】
図8Dは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、コイル展開カテーテル710等の脳血管病変治療カテーテル110を使用して、コイル展開カテーテル710の作業内腔を介して挿入することができるように、血栓溶解剤又は構造(1つ又は複数の動脈瘤コイル、例えばコイルパック808等)を注入することができる。血管内視鏡104は、処置のこの部分間に動脈瘤802の観察を可能にするために、その先端部分が動脈瘤802内に又はそれにわずかに届かないように位置する等、適所に残すことができる。このように、使用者に対して、動脈瘤802内へのコイル導入が十分であるか否か又は十分であるとき、動脈瘤802内に要求通りにコイルパッキングが分散されているか否か等を、使用者が判断するのに役立つことができるリアルタイム可視化情報を提供することができる。
【0060】
図8Eは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、コイル展開カテーテル710等の脳血管病変治療カテーテル110を取り除くことができる一方、血管内視鏡802は、任意選択的に、使用者が、治療済みの動脈瘤802又は対象となる1つ若しくは複数の近くの血管内解剖学的領域を任意選択的に視覚的に評価することができるように等、一時的に適所に残すことができる。こうした治療後血管内可視化は、コイル808が動脈瘤802から主血管内に外向きに突出すること(これにより主血管内の凝血又は血栓形成のリスクが増大する可能性がある)がないように、動脈瘤802がコイル808と適切にパッキングされたか否かを判断するのに役立つように使用することができる。コイル808がそのように主血管内に突出する場合、こうしたリスクを低減させるか又は回避するのに役立つように等、任意選択的に血管内視鏡104の先端部を使用して、コイル808のこうした突出部分を動脈瘤802内に押し戻すことができる。
【0061】
図8Fは、次の又は後続するステップの一例を示し、そこでは、バルーン204を収縮させることができ、シースカテーテル102及び血管内視鏡104を、これらの器具を後退させるか又はその基端部分を引っ張ることによりともに取り除くことができる。代わりに、最初に血管内視鏡104を取り除くことができ、次いでバルーンを収縮させることができ、シースカテーテル102を取り除くことができる。
【0062】
図4に関して上述したような血管内視鏡104(その小さい先端直径寸法と、選択された材料及びそれらの剛性又は他の特徴とを含む)は、5ミリメートル以下の血管内視鏡104の先端部分に曲げ半径を提供することができ、これは、より厚いか又はより硬いポリアミドシースを使用するために25ミリメートル以上の曲げ半径を有する冠動脈又は末梢血管内視鏡の能力を超える。血管内視鏡104に5ミリメートル以下の曲げ半提供することにより、血栓除去、動脈瘤治療又は本明細書に記載する他の脳血管病変治療技法を実施するため等、血管内視鏡104を使用する、中大脳動脈(MCA:middle cerebral artery)又は頸動脈の錐体部を越える他の曲がりくねった頭蓋内位置へのアクセスが可能である。対照的に、血管内視鏡104の外側シース408にペバックス(Pebax)(登録商標)又は同様の被覆材料とともに、血管内視鏡104の長さに沿った1つ又は複数の指定された位置における補強コイル又は編組を使用することにより、本血管内視鏡104は、本明細書において説明するように、脳底動脈先端部又は他の動脈瘤内等、非常に曲がりくねった脳血管位置及びごく小さい脳血管病変内を含む、中大脳動脈(MCA)内又は冠動脈の錐体部を越える別の頭蓋内位置における使用を可能にするように、十分な先端側の可撓性と、十分小さい直径及び曲げ半径を含む基端側の剛性とを提供するように構成することができる。
【0063】
図4に関して上述した例では、血管内視鏡104の先端可撓性及び操縦性は、主にGRIN又は他のレンズ406に関連する硬さによって制限される可能性があるが、こうしたレンズは、約0.5ミリメートルの軸方向長さのみを必要とする。対照的に、走査型ファイバ内視鏡(SFE)、血管内超音波(IVUS)、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージング等の他のイメージング手法では、より長い堅い部分が必要であり、頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置等における脳血管診断又は治療のためのこうした技法の有用性が制限される。例えば、SFE手法は、1.5ミリメートルよりも長い堅い部分を含むことが報告されており、これは、眼動脈弓(C6)又は錐体部(C2)からの湾曲部等、脳血管血管内領域の周囲で曲がることが困難である。CMOS、IVUS及びOCTは、一般に、1mmの堅いセグメントを有し、これは、眼動脈弓(C6)の周囲で曲がることが困難である。対照的に、図4に関して記載したような本手法の例では、0.5mmの長さの堅いセグメントのみを有する血管内視鏡104を使用することにより、血管内視鏡104の先端部分は、患者に損傷を与えることなく、これらの脳血管内部分のすべてを安全に移動することができる。これは、人体の他の部分の血管内診断又はイメージングにおいて課される制約を越えて広がるこうした制約のある脳血管診断及びイメージングを可能にするのに非常に有用である。
【0064】
さらに、末梢又は冠動脈血管内視鏡は、一般に、1.67ミリメートル(5フレンチ)~2.33ミリメートル(7フレンチ)の外径を有し、これは、血栓除去、動脈瘤治療又は他の脳血管病変インターベンショナル治療が望ましい多くの神経血管における使用には大きすぎる。既存の血管内視鏡は、解像度も非常に限られており、治療の効力を向上させるのに役立つ等のように治療を変更又は調整することができるように、脳血管病変の特徴若しくは組成又はその治療をリアルタイムに血管内で評価するため等、脳血管病変のリアルタイムフルカラー可視化を提供することが必要とされる本頭蓋内応用におけるそれらの有用性が制限される。対照的に、本血管内視鏡104は、本明細書に記載する脳血管診断及び治療技法に対して使用者に適切な視覚的画像解像度支援を提供しながら、非常に小さい外径の血管内視鏡104(例えば、その先端部において約0.57ミリメートル(約1.7フレンチ))を提供することができる、イメージングファイババンドル、レンズ及び他の特徴により構成することができる。本血管内視鏡104のサイズ及び可撓性は、小さく且つ曲がりくねった頭蓋内血管領域の可視化を可能にするためだけでなく、本明細書に記載するワークフロー内で有用であるためにも重要であり、そこでは、血管内視鏡104は、シースカテーテルの作業内腔内に挿入し、且つ少なくとも部分的にその中に配置することができる一方、冠動脈病変治療カテーテル110等の別の器具もシースカテーテル102の同じ作業内腔108内に挿入し、且つ少なくとも部分的にその中に配置することができるようにする。これは、同時のリアルタイム可視化及び治療を可能にするのに役立つことができ、それは、使用者が治療を調整し効力を向上させるのにさらに役立つことができる。血管内視鏡が過大である場合、医師又は他の使用者は、それを挿入し、病変又は血管を観察し、次いで過大血管内視鏡を完全に引き出し、その後、見えない状態で治療を実施し、その後、治療位置を観察して効力を評価するために過大血管内視鏡を再挿入しなければならない。これは、本明細書で説明したように、治療の効力を向上させるように治療のリアルタイム調整を本来可能にする可能性がある、治療に関するリアルタイムの可視化フィードバックを提供しないため、時間がかかるとともに有用性がより低い。
【0065】
血管内応用にこうしたGI内視鏡等のより大型の観察器具を適合させる1つの手法は、内視鏡の内腔を通してガイドワイヤを使用して標的血管内位置まで観察内視鏡を追跡するというものである。しかしながら、こうした手法に対してオーバザワイヤ(OTW)ルーメン又はラピッドエクスチェンジ(RXルーメン)技法は、ともに脳血管インターベンションに対してデバイスの外径を非常に大きくする。さらに、ポリアミドシースを有する血管内視鏡には、体内の150cmの位置に達するための押込み性及び追従性がない。対照的に、本小径血管内視鏡104は、埋込みコイル又は編組を含むことができる外側シース408内に収容することができ、これは、耐キンク性、押込み性及び追従性の1つ又は複数を向上させるのに役立つことができる。これにより、本血管内視鏡104は、外部から誘導するシースカテーテル102の作業内腔108内で使用することができ、本明細書に記載するワークフローの1つ又は複数を使用する等、遠くの、曲がりくねった、小径の脳血管位置に達することができる等、より小径の血管内視鏡104が可能になる。シースカテーテル102は、ガイドワイヤを使用して標的位置まで前進させることができ、その後、血管内視鏡104は、シースカテーテル102の作業内腔108を介して、診断又は治療される標的脳血管病変まで迅速に且つ安全に(別個のガイドワイヤを必要とすることなく)前進させることができる。次いで、脳血管病変治療カテーテル110等の別の器具も、シースカテーテル102の作業内腔108内に前進するとともに同じ場所に位置する場合でも、使用者によるリアルタイム可視化を可能にするのに十分に容易に、シースカテーテル102の作業内腔108の先端開口部を越えた適度な距離等、血管内視鏡104をさらに前進させることができる。
【0066】
このように、シースカテーテル102を使用して、脳血管インターベンションにおいて血管内視鏡104を支持することができる。シースカテーテル102は、標的位置まで血管内視鏡104を誘導するか又は進めるのに役立つことができ、そのバルーン204は、血流を閉塞するために、且つ血管を安定させるとともに血管内視鏡104を使用する使用者可視化を補助する観察窓を生成するために膨張させることができる。これを安全に行うために、バルーン設計は、より精緻化されなければならず、それは、末梢血管内にある。シースカテーテル102は、大きい内径の作業内腔108を含むが、小さい外径も含むことができ、これは、ともに中大脳動脈(MCA)における又はその近く等の遠く、小さく且つ曲がりくねった血管位置へのアクセスも可能にしながら、シースカテーテル102の作業内腔108内の同じ場所に位置する複数の器具(例えば、血管内視鏡104及び脳血管病変治療カテーテル110)を使用する手法を可能にするのに役立つことができる。バルーン204の迅速な膨張及び収縮時間は、医師又は他の使用者が脳への血流を迅速に回復させて、血液灌流がないことによる脳組織損傷を回避するのに役立つことができる。こうした考慮事項は、非脳血管バルーンカテーテルにそれほど重要ではない。しかしながら、脳血管応用では、作業内腔108の周囲に配置された大きい同心の膨張内腔を提供することにより、バルーン204に対して先端側の外径の低減が依然として可能であり、これによりバルーン240を越える(バルーン204に対してより先端側の)位置におけるより小さい血管への先端アクセスを可能にすることができる。これは、シースカテーテル102の先端部が、頸動脈を越える頭蓋内位置に前進することが困難又は不可能であった、バルーン204を越える位置に対して外径におけるこうした段落ちを提供しなかった手法よりも、直径が低減した脳血管内にさらに進むことができる。
シースカテーテルの例示的な例
図9A図9B図9C図9D図9E及び図9Fは、先に提示した図の説明に基づくとともに、頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置等、脳血管病変を診断及び治療するために特に有用であり得る構造的特徴を含むことができるような、先端アクセスバルーンカテーテルを含むことができるようなシースカテーテル102の一例の一部の様々な図を示す。これは、こうした脳血管内病変が、血管サイズ及び曲がりくねり、血栓形成又は部分的若しくは完全閉塞性治療デバイスの使用等に起因して、血管が圧迫又は閉鎖される間の血液灌流がないことからのあり得る脳組織の虚血又は損傷に起因するインターベンション及び治療時間に対する時間制約による特に異なる難題を示すためである。しかしながら、本システム、デバイス及び方法は、本主題が脳血管観察及びインターベンショナル治療に限定されないように、脳血管位置以外の位置における他の血管内診断又は治療にも有用であり得る。
【0067】
図9Aは、先端部分202Aと、基端部分202Bと、それらの間の中間部分とを有する等、長尺状本体904を含むことができるシースカテーテル102の上面図を示す。基端部202Bは、ハブ部分902を含むことができ、そこから、長尺状本体904は、より先端側に延在することができる。長尺状本体904の先端部分202Aに又はその近くに膨張可能バルーン204を配置することができる。長尺状本体904は、図9Aに示すように、断面A-Aをとることによって見ることができるような内側本体又は内側シース212の周囲に延在することができるような外側本体又は外側シース210を含むことができ、それらの間に環状膨張内腔207を画定する等、同心配置を含むことができ、段面A-Aの断面図の一例を図9Cに示す。内側本体又は内側シース212は、その中に作業内腔108を画定することができ、それにより環状膨張内腔207と結合して同心二重内腔構造を提供する。
【0068】
内側本体又は内側シース212は、オフセット距離Lだけ等、バルーン204の先端部を越えて延在することができ、そのため、バルーン204の先端部は、内側本体又は内側シース212の作業内腔108を介してバルーン204を越えてさらなる脳血管アクセスを提供するのに役立つことができるような、少なくとも8ミリメートルのオフセット距離Lだけシースカテーテル102の先端チップからオフセットすることができる。様々な例において、オフセット距離Lは、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm及び100mm等、8mm~100mm以上であり得る。内側本体又は内側シース212及びその作業内腔108を、バルーン204の先端部を越えて延在させることは、バルーン204を越えるさらなる診断又は治療アクセス能力を提供するのに役立つことができ、これは、脳血管病変を診断又は治療するのに特に有用であり得る。シースカテーテル102の先端部に、図9Aに示し且つ図9Fの詳細な図により詳細に示すようなわずかに外向きのフレア状又は他の非外傷性チップ910を設けることができる。作業内腔を介して観察するか又は吸引力を加えるか若しくは他の治療を適用するのに有用であり得るように、作業内腔108も同様にフレア状であり得る。
【0069】
図9Bは、ハブ902が、作業内腔アクセスポート908及び膨張内腔アクセスポート907それぞれを介する等、作業内腔108及び膨張内腔207への別個のアクセスをどのように提供することができるかの一例を示す側面図であり、作業内腔アクセスポート908及び膨張内腔アクセスポート907の各々は、その内腔と流体連通することができ、且つその各々は、別の器具又は他の装置を機械的に結合し任意選択的に封止することができる、外部コネクタ又は他の構造を含むことができる。
【0070】
図9Aは、バルーン204を越えてより先端側に延在する、横方向に段落ちした内側本体又は内側シース212を提供する一例も示す。例えば、内側本体又は内側シース212は、外側本体又は外側シース210の外径又は他の外周よりも小さい外径又は他の外周を有することができる。膨張可能バルーン204は、シースカテーテル102の長尺状本体904の先端部分202Aに向かって配置することができる。バルーン204の基端部は、外側本体又は外側シース210の外径又は他の外周の少なくとも1つを介して又はさらに若しくは代わりに外側本体又は外側シース210の先端部面を介して等、シースカテーテル102の長尺状本体904に基端側で取り付けることができる。例えば、外側本体又は外側シース210の先端部は、バルーン204の基端部を外側本体又は外側シース210に取り付けるために含めることができる任意選択的な基端カフにより、バルーン204の基端部において終端することができる。
【0071】
バルーン204は、バルーン204の先端部を内側本体又は内側シース212に取り付けるために含めることができる任意選択的な先端カフ等により、内側本体又は内側シース212の外径又は外周を介する等、シースカテーテル102の長尺状本体904に先端側で取り付けることができる。
【0072】
外側本体又は外側シース210にバルーン204の基端部を取り付け、内側本体又は内側シース212にバルーン204の先端部を取り付けるこの方法により、シースカテーテル102の長尺状本体904は、バルーンの基端側に取り付けられた部分に対して横方向に寸法的に段落ちすることができ、段落ちは、少なくともバルーン204の基端部を越えて、続けてバルーンの先端部を越える等、基端-先端方向で発生している。任意選択的に、非外傷性先端チップ910は、先端チップ910の外周の横方向寸法が外側本体又は外側シース210の横方向寸法に一致することができる等のように再びフレア状に広がることができ、これにより、先端チップ910の外周は、外側本体又は外側シース210の外周に同様に適合することができる別のデバイスの内腔内で追跡することができる。図9D(側面図)及び図9E(側断面図)の詳細な図は、バルーン204の先端部が内側本体又は内側シース212の外周に取り付けられている状態を示す。
【0073】
断面図の図9C及び図9Eは、内側本体若しくは内側シース212又は外側本体若しくは外側シース210の一方又は両方が、それぞれ内側本体若しくは内側シース212又は外側本体若しくは外側シース210を形成する1つ又は2つ以上の層を含むことができることを示すのに役立つ。さらに、層の数又は材料の特定の性質は、長尺状本体904の長さに沿ったその位置における所望の曲げ可撓性若しくは硬さ又は他の特徴を提供する等のために、長尺状本体904の長さに沿って等、変更することができる。例えば、図9Cでは、内側本体又は内側シース212は、作業内腔109に隣接し且つ内部に作業内腔109を画定する等、内層922を含むことができる。内層922に隣接し且つ内層922から外向きに中間層924を含めることができる。中間層926に隣接し且つ中間層926から外向きに外層を含めることができる。この場合にも、こうした層は、長尺状本体の長さに沿って異なり得る。
【0074】
図10A(側面図)、及び図10B(側断面図)、及び図10C図10Bの線10C-10Cにおける詳細な側断面)は、内側本体又は内側シース212の一例を、シースカテーテル102の長尺状本体904の内側本体又は内側シース212の先端部分202Aからシースカテーテル102の長尺状本体904の内側本体又は内側シース212の基端部分202Bに向かって進む例示的な断面A、B、C、D、E、F及びGにおける等、シースカテーテル102の長尺状本体904の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す。表1は、例として、ただし限定としてではなく、図10A図10Bのさらなる説明を提供する。
【0075】
【表1】
内層922は、作業内腔108の内壁に所望の潤滑性を提供するのに役立つことができるようなPTFE又は他のライナを含むことができる。ライナ又は他の内層922の1つ又は複数の部分は、例えば、50%~200%(両端値を含む)延伸することができるか、又は延伸領域にさらなる曲げ可撓性を提供する等のため、別の所望の延伸量だけ延伸することができる。中間層924は、バルーン204の膨張中を含む、膨張内腔207又は作業内腔108の開存性を維持するのに役立つため等、膨張中のバルーン204の真下又は別の場所を含む、構造的剛性を提供するのに役立つことができるような、ニチノール(例えば、ニッケルチタン合金)又は他の構造を含むことができるような金属ハイポチューブを含むことができる。金属チューブ又は他の中間層924の1つ又は複数の部分は、例えば、50%~200%(両端値を含む)延伸することができるか、又は延伸領域にさらなる曲げ可撓性を提供する等のため、別の所望の延伸量だけ延伸することができる。さらに又は代わりに、金属チューブ又は他の中間層924の1つ又は複数の部分は、延伸領域にさらなる曲げ可撓性を提供する等のため、例えば繰返し間隔でレーザ切断することができる。必要に応じて、延伸前の切断は、切れ目を広げることができ、さらなる曲げ可撓性を提供するのに役立つことができる。中間層924の一部は、必要に応じて、ステンレス鋼又は他の金属又は他の編組を含むことができる。外層926は、内側本体又は内側シース212の長さに沿った異なる区画間で変化し得るような所望の硬度(例えば、25D~100D(両端値を含む)のデュロメータ硬度)又は硬さのペバックス(Pebax)(登録商標)又はナイロン(Nylon)又は他のポリマーを含むことができる。切り目又は編組開口部によって提供されるような中間層924における開口部等を通して、内層922に外層926をリフロー接合する等のために、中間層924及び内層922との組立後等に外層926の1つ若しくは複数の部分又はすべてを加熱し、リフロー処理することができる。
【0076】
図11A(側面図)、及び図11B(側断面図)、及び図11C図11Bの線11C-11Cにおける詳細な側断面)は、外側本体又は外側シース210の一例を、シースカテーテル102の長尺状本体904の外側本体又は外側シース210の先端部分202Aからシースカテーテル102の長尺状本体904の外側本体又は外側シース210の基端部分202Bに向かって進む例示的な断面A、B、C、D、E、F及びGにおける等、シースカテーテル102の長尺状本体904の長さに沿ったその層状構造の例示的な一例とともに示す。表2は、例として、ただし限定としてではなく、図11A図11Bのさらなる説明を提供する。
【0077】
【表2】
内層932は、膨張内腔207に露出することができるようなPTFE又は他のライナを含むことができる。ライナ又は他の内層932の1つ又は複数の部分は、例えば、50%~200%(両端値を含む)延伸することができるか、又は必要に応じて、延伸領域にさらなる曲げ可撓性を提供する等のため、別の所望の延伸量だけ延伸することができる。中間層934は、構造的剛性を提供するのに役立つことができるような、金属(例えば、ニッケルチタン合金)コイル若しくは編組(例えば、ステンレス鋼)又は他の構造を含むことができる。中間層934の1つ又は複数の部分は、例えば、50%~200%(両端値を含む)延伸することができるか、又は必要に応じて、延伸領域にさらなる曲げ可撓性を提供する等のため、別の所望の延伸量だけ延伸することができる。中間層934のいくつかの部分は、必要に応じて、ステンレス鋼又は他の金属又は他の編組を含むことができる。外層936は、外側本体又は外側シース210の長さに沿った異なる区画間で変化し得るような所望の硬度(例えば、25D~100D(両端値を含む)のデュロメータ硬度)又は硬さのペバックス(Pebax)(登録商標)又はナイロン(Nylon)又は他のポリマーを含むことができる。コイル隙間又は編組開口部によって提供されるような中間層934における開口部等を通して、内層932に外層936をリフロー接合する等のために、中間層934及び内層932との組立後等に外層936の1つ若しくは複数の部分又はすべてを加熱し、リフロー処理することができる。
【0078】
本明細書に記載した延伸は、結果としての材料を薄くする可能性がある。延伸又は薄化は、単独で又は(例えば、長尺状本体904の長手方向に対して横切る方向の)切断又は刻み目付けと組み合わせて、長尺状本体の1つ又は複数の所望の領域にさらなる曲げ可撓性を提供するのに役立つことができる。例えば、PTFEライナ922、932の延伸により、PTFEライナ922、932の厚さは、12.7マイクロメートル((0.5/1000)インチ)になる可能性があり、これは、19.05マイクロメートル((0.75/1000)インチ)の厚さを有する非延伸ライナ材料等、他の利用可能な材料よりもはるかに薄くすることができる。
【0079】
上記説明は、頸動脈の錐体部を越える頭蓋内位置等における、脳血管病変を診断及び治療するシステム、デバイス及び方法を強調してきた。これは、こうした脳血管内病変が、血管サイズ及び曲がりくねり、血栓形成又は部分的又は完全閉塞性治療デバイスの使用等に起因して、血管が圧迫又は閉鎖される間の血液灌流がないことからのあり得る脳組織の虚血又は損傷に起因するインターベンション及び治療時間に対する時間制約による特に異なる難題を示すためである。しかしながら、本システム、デバイス及び方法は、本主題が脳血管観察及びインターベンショナル治療に限定されないように、脳血管位置以外の位置における他の血管内診断又は治療にも有用であり得る。
【0080】
上記記載は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、例として、本発明を実施することができる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では、「例」又は「態様」とも称し、その例示的な非限定的な番号が付されたリストを以下に示す。
【0081】
態様1は、主題(例えば、装置、システム、デバイス、方法、行為を実行するための手段、またはデバイスによって実行された場合にデバイスに行為を実行させることができる命令を含むデバイス可読媒体、または製品など)を含むか、または使用することができる。主題は、例えば、脳血管病変の観察および治療の両方においてユーザを内部的に支援するための装置を含むかまたは使用し得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができ、該本体は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びる内部作業内腔を規定する。シースカテーテルは、シースカテーテルの長尺状本体の先端部分に向かって配置され得るような、膨張可能なバルーンを含むことができる。シースカテーテルは、例えばバルーンの膨張および収縮を可能とすべくバルーンへの流体連通を提供するために、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分とバルーンとの間に延びるような膨張内腔を含むことができる。例えば、シースカテーテルの長尺状本体の先端部分は、4.7ミリメートル(3.5フレンチ)から10.6ミリメートル(8.0フレンチ)の間の外径を有し得る。例えば、シースカテーテルの長尺状本体は、血管内視鏡の少なくとも一部が作業内腔内に留まる状態で作業内腔を介した脳血管治療を可能にするなどのために、少なくとも1.78ミリメートル(0.070インチ)の公称値または好ましい値のように、0.99ミリメートル(0.039インチ)から2.08ミリメートル(0.082インチ)の範囲にある内径を有する作業内腔を規定することができる。
【0082】
態様2は、前方視光ファイバ血管内視鏡を含むか、または使用することができ、あるいは任意選択で態様1の主題と組み合わせて前方視光ファイバ血管内視鏡を含むか、または使用することができる。血管内視鏡は、ユーザが血管内視鏡を使用して脳血管病変を前方から見たり検査したりできるようにするなどのために、血管内視鏡の先端部分がシースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えて延びることを可能にするなどのように、シースカテーテルの基端部分からシースカテーテルの作業内腔内に挿入されるようなサイズおよび形状にすることができる。
【0083】
態様3は、血管内視鏡の基端部と先端部との間に延びるなど、イメージング光ファイバのコヒーレントファイババンドルを含み得る血管内視鏡を含むかまたは使用することができ、もしくは該血管内視鏡を含むかまたは使用するために、態様1または態様2の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。例えば、各イメージングファイバは、約2.5マイクロメートルの外径を有することができる。照明ファイバのクラッドの無い配置は、イメージングファイバの周りに同心円状に配置することができる。各照明ファイバは、25マイクロメートルから50マイクロメートルの間の外径を有することができる。一例では、血管内視鏡104の外径は、その先端で0.56ミリメートル(1.7フレンチ)以下であり得る。一例では、血管内視鏡104の外径は、その基端で0.79ミリメートル(2.4フレンチ)以下であり得る。
【0084】
態様4は、GRINレンズまたは血管内視鏡の先端に配置することができるような他のレンズを含み得る血管内視鏡を含むかまたは使用することができ、もしくは該血管内視鏡を含むかまたは使用するために、態様1から態様3の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。一例では、レンズは、250マイクロメートル以下の直径を有することができる。
【0085】
態様5は、例えば、照明ファイバ、イメージングファイバ、及びGRINレンズを同心円状に取り囲むように、血管内視鏡の先端部分に配置することができるポリマー製のシースを含むかまたは使用することができ、もしくは該ポリマー製のシースを含むかまたは使用するために、態様1から態様4の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0086】
態様6は、GRINレンズまたは他のレンズ上に配置することができるような耐血性コーティング材料を含むかまたは使用することができ、もしくは該耐血性コーティング材料を含むかまたは使用するために、態様1から態様5の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0087】
態様7は、イメージングファイバのそれぞれの間に配置または共有することができるような共通のクラッディングを含むかまたは使用することができ、もしくは該クラッディングを含むかまたは使用するために、態様1から態様6の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0088】
態様8は、イメージングファイバの1つまたは複数のコーティングまたはカプセル化を提供することができるポリマー製のジャケットを含むかまたは使用することができ、もしくは該ポリマー製のジャケットを含むかまたは使用するために、態様1から態様7の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0089】
態様9は、シースカテーテルのより先端側の部分よりも硬質であり得るシースカテーテルの基端部分を含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様8の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0090】
態様10は、異なるデュロメータまたは剛性を有する少なくとも2つの異なる部分(例えば、長さ)を含むシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様9の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0091】
態様11は、ブレードまたはコイルのうちの少なくとも1つを含むシースカテーテルの長尺状本体を含むシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該長尺状本体を含むかまたは使用するために、態様1から態様10の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。編組またはコイルは、長尺状本体のより基端側の部分に向かってよりも、長尺状本体の先端部分に向かってより剛性が低くなるように構成することができる。
【0092】
態様12は、金属またはナイロン材料を含む(例えば、より柔らかい隣接するカバーまたはカプセル化材料よりも剛性が高く、かつ補強を提供し得る材料)編組およびコイルのうち少なくとも1つを含むかまたは使用することができ、もしくは該編組およびコイルのうち少なくとも1つを含むかまたは使用するために、態様1から態様11の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0093】
態様13は、長尺状本体の先端部分の比較的大きな可撓性を可能にすべく、シースカテーテルの長尺状本体の先端の手前で終端する編組またはコイルの少なくとも1つを含むかまたは使用することができ、もしくは該編組またはコイルの少なくとも1つを含むかまたは使用するために、態様1から態様12の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0094】
態様14は、親水性潤滑性材料(例えば、親水性潤滑材料、テフロン(登録商標)または他のポリテトラフルオロエチレンまたは他のライナを提供することによる)がコーティングされたるか又は該親水性潤滑性材料で満たされるか、もしくは該親水性潤滑性材料を有するシースカテーテルの作業内腔を含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルの作業内腔を含むかまたは使用するために、態様1から態様13の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0095】
態様15は、シースカテーテルの基端部分に向かって配置することができるような弁を含むかまたは使用することができ、もしくは該弁を含むかまたは使用するために、態様1から態様14の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。弁は、例えばシースカテーテルの作業内腔の先端に急な吸引力を適用することを可能にするために、真空が弁の後ろに構築され、弁が開くとシースカテーテルの作業内腔に真空が適用されることを可能にするように構成され得る。
【0096】
態様16は、例えば、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを許容した状態で、例えば、シースカテーテルの作業内腔を介して延びるようなサイズ及び形状であり得るような脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様15の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0097】
態様17は、血栓回収カテーテル(例えば、ステント回収器など)を含む脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様16の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0098】
態様18は、血栓回収カテーテルの先端にステントまたは他の係合機構を含む血栓回収カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該血栓回収を含むかまたは使用するために、態様1から態様17の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。一例では、ステントまたは他の係合機構は、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を越えて血管構造に配置され得るような血栓内に拡張するか、あるいは血栓と係合するように構成され得る。
【0099】
態様19は、例えば、シースカテーテルの作業内腔を通して、血栓回収カテーテルをオーバザワイヤで伸ばすことができるようにすべく、ガイドワイヤを収容するためのサイズおよび形状であり得るような、長手方向のガイドワイヤ内腔を含む血栓回収カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該血栓回収カテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様18の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0100】
態様20は、長手方向の吸引内腔を規定する長尺状本体を含むような、吸引カテーテルを含む脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該脳血管病変治療カテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様19の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0101】
態様21は、脳血管病変を内部的に観察および治療するための方法を含むかまたは使用することができ、もしくは該方法を含むかまたは使用するために、態様1から態様20の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。この方法は、血管構造を通して治療される病変に向かってシースカテーテルを前進させることを含むことができる。次に、シースカテーテルの先端部分を安定させるために血管構造の領域を閉塞するように、シースカテーテルの先端バルーンが膨張され得る。前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップは、血管内視鏡を使用して病変を前方から観察および検査するためなど、シースカテーテルの作業内腔を介して伸び得る。次に、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを許容した状態で、脳血管病変を、シースカテーテルの作業内腔を介するなどして治療することができる。そして、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えた位置を観察するためなど、血管内視鏡の先端部チップを介するなどして、任意選択でさらなる観察を行うことができる。血管構造へのそのような前進は、ユーザが脳血管病変治療を評価するのを補助することができる。
【0102】
態様22は、例えば、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを許容した状態で、シースカテーテルの作業内腔を介して延びるようなサイズ及び形状であり得るような脳血管治療カテーテルを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該脳血管治療カテーテルを挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様21の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0103】
態様23は、シースカテーテルを前進させることを含み、前進シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から22の1つまたは複数の主題を含むか、または使用することができ、あるいは任意選択で組み合わせることができ、シースカテーテルは、4.7ミリメートル(3.5フレンチ)から10.6ミリメートル(8.0フレンチ)の間の外径を有することができる。シースカテーテルの作業内腔の内径は、少なくとも1.78ミリメートル(0.070インチ)の公称値または好ましい値のように、0.99ミリメートル(0.039インチ)から2.08ミリメートル(0.082インチ)の範囲内にあり得る。これにより、脳血管病変治療カテーテルの少なくとも一部と血管内視鏡の少なくとも一部の両方が、シースカテーテルの作業内腔内に留まることができる。
【0104】
態様24は、膨張した先端バルーンを使用して血流を閉塞することを含み得るような、シースカテーテルの先端バルーンを膨張させることを含むかまたは使用することができ、もしくは該先端バルーンを膨張させることを含むかまたは使用するために、態様1から態様23の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0105】
態様25は、シースカテーテルの先端バルーンを膨張させた後などに、シースカテーテルの作業内腔を介して生理食塩水または他の流体(血管内視鏡を使用して観察することができるように透明な流体)を注入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該注入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様24の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0106】
態様26は、脳血管病変が血栓を含み、脳血管病変治療カテーテルを挿入することが、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えて血栓回収カテーテルを伸張することを含むかまたは使用することができ、もしくは該脳血管病変が血栓を含み、脳血管病変治療カテーテルを挿入することが、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えて血栓回収カテーテルを伸張することを含むかまたは使用するために、態様1から態様25の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。これは、例えば、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能とした状態で、シースカテーテルの作業内腔を通して血栓回収カテーテルを引き込むことによって、血栓の少なくとも一部を回収および除去することを可能にし得る。
【0107】
態様27は、血栓回収カテーテルを挿入する前に、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様26の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。血栓回収カテーテルは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まっている状態などで、オーバザワイヤで挿入され得る。
【0108】
態様28は、例えば血栓回収カテーテルを、例えばオーバザワイヤで挿入する前に、ガイドワイヤを挿入することが、ガイドワイヤの先端部チップを介して血栓を横切ることを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様27の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0109】
態様29は、オーバザワイヤで血栓回収カテーテルを挿入することは、例えば、オーバザワイヤで血栓の中または血栓を超えて、血栓回収カテーテルの先端を挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様28の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0110】
態様30は、例えば、血栓回収カテーテルの少なくとも一部および血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態で、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様29の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0111】
態様31は、例えば、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態で、シースカテーテルの作業内腔を介して血栓回収カテーテルを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様30の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0112】
態様32は、血管内視鏡を使用した脳血管病変治療の評価がさらなる治療の必要性を示す場合に、シースカテーテルの作業内腔を介して脳血管病変治療カテーテルを再び挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該再び挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様31の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0113】
態様33は、シースカテーテルの作業内腔を介して脳血管病変治療カテーテルを再び挿入することは、別の脳血管病変治療カテーテルを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様32の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0114】
態様34は、シースカテーテルの作業内腔を介して脳血管病変治療カテーテルを再び挿入することは、異なるタイプの脳血管病変治療カテーテルを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様33の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0115】
態様35は、血管内視鏡を使用した脳血管病変治療の評価がさらなる治療の必要性を示す場合に、シースカテーテルの作業内腔を介して吸引することを含むかまたは使用することができ、もしくは該吸引することを含むかまたは使用するために、態様1から態様34の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0116】
態様36は、シースカテーテルの先端バルーンを収縮させる前に吸引することを実行することを含むかまたは使用することができ、もしくは該実行することを含むかまたは使用するために、態様1から態様35の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0117】
態様37は、血栓回収カテーテルを挿入する前に、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様36の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。脳血管病変治療カテーテルは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まっている状態で、オーバザワイヤで挿入され得る。
【0118】
態様38は、脳血管病変が動脈瘤を含むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該含むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様37の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。脳血管病変治療カテーテルを挿入することは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能にしながら、シースカテーテルの作業内腔を介して動脈瘤血栓溶解オクルーダを動脈瘤に挿入することを含み得る。
【0119】
態様39は、1つまたは複数の動脈瘤コイルを動脈瘤に配置することを血管内視鏡を使用して血管内観察しながら、1つまたは複数の動脈瘤コイルを動脈瘤に配置するために使用される動脈瘤血栓溶解オクルーダを含むかまたは使用することができ、もしくは該動脈瘤血栓溶解オクルーダを含むかまたは使用するために、態様1から態様38の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0120】
態様40は、動脈瘤血栓溶解オクルーダを挿入する前に、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様39の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。動脈瘤血栓溶解オクルーダは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まっている状態などで、オーバザワイヤで挿入され得る。
【0121】
態様41は、動脈瘤血栓溶解オクルーダをオーバザワイヤで挿入する前に、ガイドワイヤを挿入することが、ガイドワイヤの先端部チップを動脈瘤内に挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様40の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0122】
態様42は、例えば、動脈瘤血栓溶解オクルーダの少なくとも一部および血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態で、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様41の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0123】
態様43は、例えば、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態で、シースカテーテルの作業内腔を介して動脈瘤血栓溶解オクルーダを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様42の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0124】
態様44は、血栓溶解剤を動脈瘤に配置することを血管内視鏡を使用して血管内観察しながら、液体塞栓剤または他の血栓溶解剤を動脈瘤に導入する動脈瘤血栓溶解オクルーダを含むかまたは使用することができ、もしくは該動脈瘤血栓溶解オクルーダを含むかまたは使用するために、態様1から態様43の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0125】
態様45は、動脈瘤血栓溶解オクルーダが流体送達カテーテルを含み、動脈瘤内に配置された先端部チップを備えた流体送達カテーテルの作業内腔を介して動脈瘤内に血栓溶解剤を動脈瘤に導入することをさらに含むかまたは使用することができ、もしくは該動脈瘤血栓溶解オクルーダが流体送達カテーテルを含み、動脈瘤内に配置された先端部チップを備えた流体送達カテーテルの作業内腔を介して動脈瘤内に血栓溶解剤を動脈瘤に導入することをさらに含むかまたは使用するために、態様1から態様44の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0126】
態様46は、流体送達カテーテルの先端部チップを動脈瘤内に配置するためにオーバザワイヤで流体送達カテーテルを導入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該導入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様45の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0127】
態様47は、1つまたは複数の動脈瘤コイルを動脈瘤内に導入した後、血栓溶解剤を動脈瘤内に導入するための流体送達カテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該流体送達カテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様46の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0128】
態様48は、脳血管病変が血栓を含むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該含むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様47の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。一例では、脳血管病変治療カテーテルを挿入することは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能とした状態などで、例えばシースカテーテルの作業内腔内に配置された血栓吸引カテーテルを介して、血栓を吸引するなどによって血栓の少なくとも一部を回収および除去するためなど、例えばシースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えて、血栓吸引カテーテルを伸張することを含むことができる。
【0129】
態様49は、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態などで、シースカテーテルの作業内腔を介して血栓吸引カテーテルを引き込む前などに、血栓回収カテーテルの先端部チップを介するなどして血栓のコーキングを含む血栓を吸引することを含むかまたは使用することができ、もしくは該吸引することを含むかまたは使用するために、態様1から態様48の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0130】
態様50は、血栓吸引カテーテルを挿入する前などに、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを挿入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該挿入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様49の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。血栓吸引カテーテルは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まっている状態などで、オーバザワイヤで挿入され得る。
【0131】
態様51は、例えば、血栓吸引カテーテルの少なくとも一部および血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態で、シースカテーテルの作業内腔を介してガイドワイヤを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様50の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0132】
態様52は、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態などで、血栓の少なくとも一部を血栓吸引カテーテルに吸引すること、およびシースカテーテルの作業内腔を介して血栓吸引カテーテルに引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該吸引することおよび引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様51の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0133】
態様53は、血栓吸引カテーテルを引き込んだ後、血管内視鏡を使用して観察しながらシースカテーテルの作業内腔を介して再び吸引することを含むかまたは使用することができ、もしくは該再び吸引することを含むかまたは使用するために、態様1から態様52の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0134】
態様54は、シースカテーテルの先端バルーンを収縮させる前に吸引することを実行することを含むかまたは使用することができ、もしくは該実行することを含むかまたは使用するために、態様1から態様53の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。次に、シースカテーテルの先端バルーンを収縮させることができます。
【0135】
態様55は、脳血栓を内部的に観察および治療するための方法を含むかまたは使用することができ、もしくは該方法を含むかまたは使用するために、態様1から態様54の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。この方法は、シースカテーテルを血管構造を通して治療される血栓に向かって前進させることを含むことができる。次に、シースカテーテルの先端部分を安定させるなどのために血管構造の所定の領域に栓をするように、シースカテーテルの先端バルーンが収縮され得る。そして、前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップは、血管内視鏡を使用して血栓を前方から観察および検査するために、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部まで、あるいは該先端開口部を超えて伸び得る。次に、血栓回収カテーテルは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能にしながら、シースカテーテルの作業内腔を通して血栓回収カテーテルを引き込むことによってなど、血栓の少なくとも一部を回収および除去するなどのために、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を超えて伸ばされ得る。次に、血管内視鏡の伸張された先端部チップは、血栓の少なくとも一部の回収および除去を評価すべく、血管構造に向かって前方から観察するなどのために、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部に向かう位置、その近くの位置、またはそれを超える位置などから使用され得る。
【0136】
態様56は、脳血栓を内部的に観察および治療するための方法を含むかまたは使用することができ、もしくは該方法を含むかまたは使用するために、態様1から態様55の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。この方法は、シースカテーテルを血管構造を通して治療される血栓に向かって前進させることを含むことができる。次に、シースカテーテルの先端部分を安定させるなどのために血管構造の所定の領域に栓をするように、シースカテーテルの先端バルーンが収縮され得る。前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップは、血管内視鏡を使用して血栓を前方から観察および検査するためなど、シースカテーテルの作業内腔を介して伸び得る。血管内視鏡の少なくとも一部が回収および除去中のシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能にしている間など、血栓の少なくとも一部を回収および除去するなどのため、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を介するなどして、真空が適用され得る。血管内視鏡の先端部チップは、血栓の少なくとも一部の回収および除去を評価すべく、血管構造に向かって前方から観察するなどのために、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部に向かう位置、その近くの位置、またはそれを超える位置に配置され得る。
【0137】
態様57は、シースカテーテル前進することを含むかまたは使用することができ、もしくは該前進することを含むかまたは使用するために、態様1から態様56の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。一例では、シースカテーテルは、4.7ミリメートル(3.5フレンチ)から10.6ミリメートル(8.0フレンチ)の間の外径を有し得る。一例では、シースカテーテルは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まる状態などで、シースカテーテルの作業内腔を介した血栓の回収を可能にするなどのために、少なくとも1.78ミリメートル(0.070インチ)の公称値または好ましい値のように、0.99ミリメートル(0.039インチ)から2.08ミリメートル(0.082インチ)の範囲にあるシースカテーテルの作業内腔の内径を規定することができる。
【0138】
態様58は、シースカテーテルの先端バルーンを膨張させることが膨張した先端バルーンを使用して血流を閉塞することを含むかまたは使用することができ、もしくは該閉塞することを含むかまたは使用するために、態様1から態様57の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0139】
態様59は、シースカテーテルの先端バルーンを膨張させた後に、シースカテーテルの作業内腔を介して生理食塩水または他の流体を注入することを含むかまたは使用することができ、もしくは該注入することを含むかまたは使用するために、態様1から態様58の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。流体は、血管内視鏡を使用して観察することができるように透明であってもよい。
【0140】
態様60は、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部を介して真空を適用する前などに、シースカテーテルの作業内腔内に血管内視鏡の先端部チップを引き込むことを含むかまたは使用することができ、もしくは該引き込むことを含むかまたは使用するために、態様1から態様59の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0141】
態様61は、血栓がシースの作業内腔内に完全に引き込まれていないことを血管内視鏡を使用して観察することを含むかまたは使用することができ、もしくは該観察することを含むかまたは使用するために、態様1から態様60の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。それに応じて、バルーンを収縮させることができ、例えば、シースカテーテルの引き抜きと一緒に真空下で血栓を引き抜くために、シースの先端に対して血栓を維持するように、シースカテーテルの作業内腔に適用された状態の真空によって、シースカテーテルをゆっくり引き抜くことができる。
【0142】
態様62は、真空を適用することは、真空を適用すべく弁を開く前に吸引を強めることを含むかまたは使用することができ、もしくは該吸引を強めることを含むかまたは使用するために、態様1から態様61の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0143】
態様63は、脳動脈瘤を内部的に観察および治療するための方法を含むかまたは使用することができ、もしくは該方法を含むかまたは使用するために、態様1から態様62の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。この方法は、シースカテーテルを血管構造を通して治療される動脈瘤に向かって前進させることを含むことができる。シースカテーテルの先端部分を安定させるなどのために血管構造の所定の領域に栓をするように、シースカテーテルの先端バルーンが膨張され得る。前方視光ファイバ血管内視鏡の先端部チップは、血管内視鏡を使用して動脈瘤を前方から観察および検査するためなど、シースカテーテルの作業内腔を介して伸び得る。動脈瘤血栓溶解オクルーダは、血管内視鏡の少なくとも一部がシースカテーテルの作業内腔内に留まることを可能にしている間などに、シースカテーテルの作業内腔を介するなどして、例えば動脈瘤内に挿入され得る。動脈瘤内へのオクルーダの挿入を評価などすべく、血管構造を前方から観察するなどのために、血管内視鏡の先端部チップは、シースカテーテルの作業内腔の先端開口部の位置まで、その近くの位置まで、または先端開口部を超える位置まで伸長され得る。
【0144】
態様64は、脳血管構造へ少なくとも部分的に挿入するためのような脳血管装置を含むかまたは使用することができ、もしくは該装置を含むかまたは使用するために、態様1から態様63の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができる。長尺状本体は、長尺状外側本体と、外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体とを含むことができる。膨張内腔は、外側本体と内側本体との間に定義され得る。内部作業内腔は、内側本体内に定義され得る。作業内腔は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びることができる。膨張可能なバルーンは、シースカテーテルの長尺状本体の先端部分に向かって配置することができる。バルーンは、外側本体の外周および外側本体の先端面のうち少なくとも1つを介するなどして、シースカテーテルの長尺状本体に基端側で取り付けられ得る。バルーンは、膨張バルーンの基端側で取り付けられた部分に対して横方向寸法が段落ちするように、少なくとも内側本体の外周を介するなどして、シースカテーテルの長尺状本体に先端側で取り付けられ得る。膨張内腔は、バルーンの膨張を可能にすべくバルーンへの流体連通を提供するなどのために、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分とバルーンとの間に延びることができる。
【0145】
態様65は、内側本体の作業内腔を介するなどして、バルーンを超えて追加の脳血管アクセスを提供するなどのために、シースカテーテルの先端部チップから例えば少なくとも8ミリメートルのオフセット距離だけオフセットされ得るバルーンの先端を含むかまたは使用することができ、もしくは該先端を含むかまたは使用するために、態様1から態様64の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0146】
態様66は、作業内腔のより基端側の領域においてより大きい、シースカテーテルの先端部チップまたはその近くに位置する作業内腔の内側横方向寸法を含むかまたは使用することができ、もしくは該内側横方向寸法を含むかまたは使用するために、態様1から態様65の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0147】
態様67は、シースカテーテルの先端部チップの外周の横方向の外形寸法は、シースカテーテルの外側本体の外周の横方向の外形寸法と等しいことを含むかまたは使用することができ、もしくは該等しいことを含むかまたは使用するために、態様1から態様66の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0148】
態様68は、バルーンを膨張させるために膨張圧力が加えられたときなど、崩壊を抑制しかつ作業チャネルの開通性を維持するなどのために、バルーンの下で伸長することを含み得るような、内側本体が金属チューブを含み得るシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様67の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0149】
態様69は、ニッケルチタン合金を含む金属チューブを含むかまたは使用することができ、もしくは該チューブを含むかまたは使用するために、態様1から態様68の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0150】
態様70は、曲げ可撓性を高めるなどのためにレーザ切断を含むことができるような金属チューブを含むかまたは使用することができ、もしくは該チューブを含むかまたは使用するために、態様1から態様69の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0151】
態様71は、チューブの比較的基端側の部分よりもチューブの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するなどのために、チューブの比較的先端側の部分におけるレーザ切断は、チューブの比較的基端側の部分におけるレーザ切断よりも狭い間隔で離間したレーザ切断を含むかまたは使用することができ、もしくは該レーザ切断を含むかまたは使用するために、態様1から態様70の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0152】
態様72は、チューブの比較的基端側の部分よりもチューブの比較的先端側の部分により広いレーザ切断を生じさせるなどのために、金属チューブの比較的先端側の部分は、チューブの比較的基端側の部分よりも薄く引き伸ばされることを含むかまたは使用することができ、もしくは該金属チューブの比較的先端側の部分を含むかまたは使用するために、態様1から態様71の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0153】
態様73は、チューブの比較的基端側の部分よりもチューブの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するなどのために、チューブの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされ得る、チューブの比較的先端側の部分を含むかまたは使用することができ、もしくは該チューブの比較的先端側の部分を含むかまたは使用するために、態様1から態様72の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0154】
態様74は、シースカテーテルの内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するなどのために、チューブの少なくとも一部に沿うなどして、金属チューブ内に設けられたライナをさらに含むことができる内側本体を含み得るシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様73の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0155】
態様75は、ライナは、バルーンより先端であるチューブの先端領域の少なくとも一部に存在しないことを含むかまたは使用することができ、もしくは該ライナを含むかまたは使用するために、態様1から態様74の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0156】
態様76は、ライナの比較的基端側の部分よりもライナの比較的先端側の部分に比較的に高い曲げ可撓性を提供するなどのために、ライナの比較的基端側の部分と比べて引き伸ばされ得る、ライナの比較的先端側の部分を含むかまたは使用することができ、もしくは該ライナを含むかまたは使用するために、態様1から態様75の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0157】
態様77は、チューブよりも内側本体の基端の領域などにおいて、内側本体が金属編組および金属コイルのうちの少なくとも1つを含むことができるシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様76の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0158】
態様78は、内側本体が、チューブに隣接しかつ金属編組および金属コイルのうちの少なくとも1つに隣接するポリマー製の外側カバーを含み得るシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様77の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0159】
態様79は、シースカテーテルの内側作業内腔に所望の潤滑性を提供するなどのために、チューブの少なくとも一部に沿って、チューブ内に設けられたライナをさらに含むことができる内側本体を含み得るシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様78の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。ポリマー製の外側カバーは、ライナと外側カバーとの間のチューブ、編組および他の中間層の少なくとも1つからなる表面形態を介するなど、ライナの係合を介するなどして、ライナに接合するようにリフローされ得る。
【0160】
態様80は、ポリマー製の外側カバーの比較的基端側の部分が、ポリマー製の外側カバーの比較的先端側の部分よりも固い材料を含み得る内側本体を含むことができるシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様79の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0161】
態様81は、ポリマー製の外側カバーの比較的基端側の部分が、ポリマー製の外側カバーの比較的先端側の部分よりも硬質な材料を含み得る内側本体を含むことができるシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様80の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0162】
態様82は、シースカテーテルであって、例えばシースカテーテルの外側本体の少なくとも一部は、内側ライナと、内側ライナに沿って該内側ライナの周りに延びる金属コイルおよび金属編組のうちの1つを含むことができる中間層と、外側本体のコイルおよび編組のうちの1つに沿ってその周りに延びるポリマー製の外側カバーのような外側層とを備える、シースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様81の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0163】
態様83は、外側本体のコイルおよび編組の少なくとも1つの表面形態を介する外側本体の内側ライナの係合などによって、外側本体の内側ライナと接合するためにリフローされるポリマー製の外側カバーを含むことができる外側本体を含み得るシースカテーテルを含むかまたは使用することができ、もしくは該シースカテーテルを含むかまたは使用するために、態様1から態様82の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0164】
態様84は、例えば外側本体のコイルがニッケルチタン合金を含むかまたは使用することができ、もしくは該外側本体のコイルがニッケルチタン合金を含むかまたは使用するために、態様1から態様83の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。
【0165】
態様85は、脳血管構造へ少なくとも部分的に挿入するためのような脳血管装置を含むかまたは使用することができ、もしくは該装置を含むかまたは使用するために、態様1から態様84の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができる。長尺状本体は、長尺状外側本体と、外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体とを含むことができる。膨張内腔は、外側本体と内側本体との間に定義され得る。内部作業内腔は、内側本体内に定義され得る。膨張可能なバルーンは、シースカテーテルの長尺状本体の先端部分に向かって配置することができる。膨張内腔は、バルーンの膨張を可能にすべくバルーンへの流体連通を提供するなどのために、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分とバルーンとの間に延びることができる。作業内腔は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びることができ、作業内腔は、内側本体の作業内腔を介してバルーンを超えて追加の脳血管アクセスを提供するために、バルーンの先端から少なくとも8ミリメートルのオフセット距離だけオフセットされたシースカテーテルの先端部チップまでさらに延びる。
【0166】
態様85は、脳血管構造へ少なくとも部分的に挿入するためのような脳血管装置を含むかまたは使用することができ、もしくは該装置を含むかまたは使用するために、態様1から態様84の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができる。長尺状本体は、長尺状外側本体と、外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体とを含むことができる。内部作業内腔は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びることができるなど、内側本体内に定義され得る。内側本体および外側本体のうち少なくとも1つは、引き伸ばされた部分においてより大きな相対的な曲げ可撓性を提供するように、内側本体および外側本体のうち前記少なくとも1つの他の部分と比較して引き伸ばされた少なくとも部分を含むことができる。
【0167】
態様85は、脳血管構造へ少なくとも部分的に挿入するためのような脳血管装置を含むかまたは使用することができ、もしくは該装置を含むかまたは使用するために、態様1から態様84の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができる。長尺状本体は、長尺状外側本体と、外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体とを含むことができる。内部作業内腔は、内側本体内に定義され得る。作業内腔は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びることができる。内側本体および外側本体の少なくとも1つは、内側本体および外側本体の前記少なくとも1つの他の部分と比較して引き伸ばされた少なくとも部分を含むことができ、他の部分と比較して引き伸ばされた部分においてより大きな相対的な曲げ可撓性を提供する。
【0168】
態様86は、脳血管構造へ少なくとも部分的に挿入するためのような脳血管装置を含むかまたは使用することができ、もしくは該装置を含むかまたは使用するために、態様1から態様85の1つまたは複数の主題と任意選択で組み合わされ得る。装置は、シースカテーテルを含むことができる。シースカテーテルは、長尺状本体を含むことができる。長尺状本体は、長尺状外側本体と、外側本体の外周よりも小さい外周を有する長尺状内側本体とを含むことができる。膨張内腔は、外側本体と内側本体との間に定義され得る。内部作業内腔は、内側本体内に定義され得る。内部作業内腔は、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分と先端部分との間に延びることができる。膨張可能なバルーンは、シースカテーテルの長尺状本体の先端部分に向かって配置することができる。膨張内腔は、バルーンの膨張または収縮を可能にするなどのため、バルーンへの流体連通を提供するなどのために、シースカテーテルの長尺状本体の基端部分とバルーンとの間に延びることができる。内側本体は、バルーンを膨張させるために膨張圧力が加えられたときに崩壊を抑制し、作業チャネルの開通性を維持するなどのために、バルーンの下に延びることを含む金属チューブを含むことができる。
【0169】
そのような例は、図示または説明したものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示または説明した要素のみが提供される例をも考慮している。さらに、本発明者らは、本明細書に図示または記載される特定の例(またはその例の1つまたは複数の態様)に関して、または本明細書に図示または記載される他の例(またはそれら例の1つまたは複数の態様)に関して、図示または説明した要素(またはそれら要素の1つまたは複数の態様)の任意の組み合わせまたは並べ替えを使用する例をも考慮している。
【0170】
本明細書と参照により援用された文書との間で一貫性のない使用法がある場合、この明細書の使用法が優先される。
本明細書では、「1つ」または「1つの」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の他の例または使用法とは無関係に、1つまたは複数を含むために使用されている。本明細書では、「または」という用語は、特に明記されていない限り、「AまたはB」は「BではなくAである」、「AではなくBである」、そして「AおよびBである」を含むように、非排他的なものを参照するために使用される。本明細書において、「含む(including)」および「ここで(in which)」という用語は、それぞれの「含む(comprising)」および「ここで(wherein)」という用語の平易な英語の同等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」および「備える」という用語は、非限定的であり、すなわち、請求項に記載されたそのような用語とともに列挙されたものに加えて複数の要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、またはプロセスは、依然として特許請求の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に対する数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0171】
「平行」、「直交」、「円形」、「正方形」などの幾何学的用語は、文脈で別段の指示がない限り、絶対的な数学的精度を要求することを意図していない。代わりに、そのような幾何学的用語は、製造または同等の機能による変動を考慮に入れている。たとえば、要素が「円形」または「ほぼ円形」と説明されている場合、正確に円形ではない部品(たとえば、わずかに楕円形または多面多角形である部品)も、この説明に含まれる。
【0172】
本明細書で説明されている方法の例は、少なくとも部分的にマシンまたはコンピュータで実施され得る。いくつかの例は、上記の例で説明された方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コードなどのようなコードを含むことができる。このようなコードは、さまざまなメソッドを実行するためのコンピュータで読み取り可能な命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。さらに、一例では、コードは、実行中または他の時間などに、1つまたは複数の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に有形に格納され得る。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0173】
上記説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことが意図されている。例えば、上述した例(又はその1つ若しくは複数の態様)を互いに組み合わせて使用することができる。当業者等であれば、上記説明を検討することにより、他の実施形態を使用することができる。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、米国特許法施行規則第1.72条第(b)項に準拠するように提供される。要約書は、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解した上で提出されている。また、上記の詳細な説明(発明を実施するための形態)では、開示を簡素化するために、様々な特徴がグループ化されている場合がある。これは、請求項に記載されていない開示された特徴がいずれかの請求項に不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴にはない場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例又は実施形態として詳細な説明(発明を実施するための形態)に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体で成り立ち、そのような実施形態は、様々な組合せ又は並べ替えで互いに組み合わされ得ることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともにこうした特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
【国際調査報告】