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特表2022-518190合成新規ピロロイミノキノンアルカロイド及び使用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】合成新規ピロロイミノキノンアルカロイド及び使用の方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/547 20060101AFI20220307BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220307BHJP
   C07D 513/22 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A61K31/547
A61P35/00
C07D513/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540307
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 US2020012841
(87)【国際公開番号】W WO2020146569
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】62/790,143
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521304117
【氏名又は名称】マーク ティ. ハーマン
【氏名又は名称原語表記】Mark T. HAMANN
【住所又は居所原語表記】1737 West Canning Drive, Mount Pleasant, SC 29466, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】マーク ティ. ハーマン
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA03
4C072AA06
4C072AA07
4C072BB04
4C072BB06
4C072CC03
4C072CC16
4C072EE16
4C072FF03
4C072GG06
4C072GG07
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA04
4C086CB26
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
アリューシャンアミンは、Latrunculia(Latrunculia)austini Samaai,Kelly&Gibbons,2006(普通海綿綱、多骨海綿目、Latrunculiidae科)から発見された、アリューシャン列島のNOAA深海探査の間に回収された、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドの新たなクラスにおける第1番目のものに相当する。アリューシャンアミンは、25nMのIC50を有する膵臓癌(PANC-1)及び1μMのIC50を有する結腸癌(H116)を含む固形腫瘍細胞系に対して、強力で選択的な細胞毒性を示した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物
【化1】
又はその薬学的に許容され得る塩と、
薬学的に許容されるキャリア又は薬学的に許容される賦形剤と、
を含み、
ここで、R=S、O、CH、及びSeであり、R=F、Cl、Br、I、及びHである、合成医薬製剤。
【請求項2】
ピロロイミノキノンアルカロイドは、構造式(II)
【化2】
を有する、請求項1に記載の合成医薬製剤。
【請求項3】
癌細胞を阻害するための方法であって、阻害性の量の請求項1に記載の合成医薬製剤と癌細胞とを接触させることを含み、前記癌は、結腸癌、膵臓癌、乳癌、及び膠芽腫癌からなる群から選択される、方法。
【請求項4】
前記合成医薬製剤は、請求項2から構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
膵臓癌細胞を阻害するための方法であって、阻害性の量の式:
【化3】
で示される合成医薬化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、膵臓癌細胞とを接触させることを含む、方法。
【請求項6】
ピロロイミノキノンアルカロイドは、構造式(II)
【化4】
を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記膵臓癌は、25nMのIC50を有するPANC-1である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
結腸癌細胞を阻害するための方法であって、阻害性の量の式:
【化5】
で示される合成医薬化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、膵臓癌細胞とを接触させることを含む、方法。
【請求項9】
ピロロイミノキノンアルカロイドは、構造式(II)
【化6】
を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記結腸癌は、1μMのIC50を有するH116である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
乳癌細胞を阻害するための方法であって、阻害性の量の式:
【化7】
で示される合成医薬製剤と乳癌細胞とを接触させることを含む、方法。
【請求項12】
ピロロイミノキノンアルカロイドは、構造式(II)
【化8】
を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アリューシャンアミン(1)
【化9】
の合成のためのプロセスであって、
マカルバミンF(2)をキノンメチドA(3)に酸化するステップ
【化10】
キノンメチドA(3)をキノンメチドB(4)に環化するステップ、及び
【化11】
1-アミノエタン-1-オール官能基を還元して、アリューシャンアミン(1)にするステップ、を含むプロセス。
【請求項14】
アリューシャンアミン
【化12】
の合成のためのプロセスであって、
【化13】
を、NAD又は水素化物移動触媒と共に不活性雰囲気においてアリューシャンアミンに変換するステップ、を含むプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インビトロにおける癌、特に膵臓癌細胞、乳癌細胞、及び膠芽腫癌細胞を強力に且つ選択的に標的にする、新たなクラスの半合成及び合成誘導アルカロイドに関する。
【背景技術】
【0002】
膵臓癌は、最も致命的な癌の1つであり、5年生存率が8%未満である。唯一の根治療法は、外科手術であり、外科手術に適格な患者は、わずか15~20%であり、そのうち、長期生存者は約20%である。転移性疾患については、本質的に2つの化学療法の選択肢:多剤療法FOLFIRINOX及びゲムシタビンしかない。膵臓癌の標準的な化学療法による治療は、患者の全生存期間を何か月間か延ばすが、生存率における改善は、ほとんどない。他の癌型と比較したこういった違いにより、膵臓癌は、米国において2030年までに肺癌に次ぐ2番目に致命的な癌になるだろうと予測された。治療戦略におけるいかなる改善も、この比類なく厄介な疾患と診断された患者にとっては、待望の一時的な救いとなるであろう。
【0003】
天然の産物は、癌のコントロールのための重要な標的の同定に加えて、様々な価値ある薬剤をもたらした。5-8現代の全治療剤のうち、天然の産物に由来するものは50%以下で、癌の場合だと、その数は約75%であると推定されている。9-10化学療法のための植物由来のパクリタキセルは、天然の資源に由来する最も実証されている治療薬のうちの1つであり、海洋無脊椎動物は、ディスコデルモリド、11ハリコンドリンB、ジデムニンB、及びドラスタチンなどのような、主要な分子を提供し、すべて、開発のさまざまな段階にある。12-15特有の海洋由来の環構造の中で、ピロロイミノキノンアルカロイドは、何十年間も研究されてきた。16-18このクラスのメンバーの有望な生物学的活性及びそれらの特有の構造は、これらの分子を、合成19-21及び生合成研究のための最も重要なターゲットにした。22-25
【0004】
Latrunculiidae科の再調査において最近再調査され、記述が改められた、28北太平洋の海綿Latrunculia(Latrunculia)austini Samaai,Kelly&Gibbons,2006(普通海綿綱、多骨海綿目、Latrunculiidae科)に由来する、新たなジスコルハブジン26及び関係する代謝産物27を発明者らが発見したことにより、NOAAによる深海調査の間に再収集が促され、続いて、新たな臭素化アルカロイドの発見を推進するために、この属のグループのNCIリポジトリが詳細に評価された。MS、NMR、及びコンピューターツールを使用するワークフローの早い段階での新たな分子の同定は、大規模スクリーニング作戦における時間、労力、及び費用を最小限にする。29HPLC-MS、-NMR、及び-NMR-MS又は細胞学的プロファイリング若しくはBioMAPなどのような生物活性フィンガープリントを含む種々のデレプリケーション戦略が、近年開発されたが、30-31ベクトル相関(vector correlation)を介して評価され、MS/MSネットワークとして表示される、MSフラグメンテーションデータを使用して生成されるファミリーグループとして、観察された分子を可視化するための、最近開発されたネットワーク分析ツールと同じくらい効率的で、有用なものはほとんどない。32Cytoscapeを使用するネットワークの可視化は、ネットワーク内の類似のエンティティがクラスターになり、異種の又は特有のエンティティが別々にまとめられる2つ以上のサンプル間の類似度及び差の直接的な観察を可能にする。33アリューシャンアミン(aleutianamine)が、他の生物学的に非常に活性な分子と同時に存在する微量成分であるので、このアプローチを使用して、アリューシャンアミンの発見及びNCIリポジトリの評価が、強く推進された。コンピューターによるアプローチは、分光法と協力して、複雑な分子の原子連結、相対配置、及び絶対配置の帰属のための影響力のある新しい方法を提供する。34-35非常に注目すべきは、複雑な天然の産物の構造を決定するために、コンピューターによるアプローチと異方性(anisotropic)NMRパラメーターを合体させる、Martin and Williamson et al.36によって最近開発されたプロトコールである。カルロトキシン2(KmTx2)、続いてKmTx8及びKmTx9のキャラクタリゼーションの成功は、HSQC分析と併せた、GIAOを含むNMR化学シフト計算ツール及びDP4+確率分析によって支援された。37-40励起状態TDDFT計算は、天然の産物の絶対配置を決定するために、実験的ECD分光法と併せてここで適用された。41-45発明者らはまた、構造が正確に帰属されたことを確かめるのを援助するために、アリューシャンアミンの化学式にマッチする様々な位置異性体の、実験による及び計算したH及び13C NMR化学シフトの比較も使用した。本明細書で記載されるアプローチは、アリューシャンアミンの発見及びその詳細に明らかにされた構造の確定に結果としてつながる、分光分析と組み合わせた、多くのコンピューターによる方法の統合を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
合成アリューシャンアミンは、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドの新たなクラスにおける第1番目のものに相当する。アリューシャンアミンは、たとえば膵臓癌(PANC-1)では、25nMのIC50を有し、結腸癌(H116)では、1μのIC50を有するなどのように、固形腫瘍細胞系に対して強力で選択的な細胞毒性を示す。アリューシャンアミンは、式Iによって表され、
【化1】
又はその薬学的に許容される塩、及び、薬学的に許容されるキャリア又は薬学的に許容される賦形剤、ここで、R=S、O、CH、及びSeであり、R=F、Cl、Br、I、及びHである。本発明は、医薬製剤及び医薬組成物として、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドを提供し、たとえば、構造アナログは、式(II)において示される
【化2】
又はその薬学的に許容される塩である。別の実施形態において、本発明はまた、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドを合成するための方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A-1B】図1A及び1Bは、アリューシャンアミン分子のエナンチオマー対を示す図である。部分的な生物学的等価性の置き換えは、硫黄原子及び臭素原子で達成した。加えて、いずれか又はすべての二重結合の還元及びOH、SH、N、F、Cl、Br、I、D、小さなアルキル基による環系のそれぞれの水素の生物学的等価性の置き換えは、本発明の対象の範囲内にあると考えられる。
図2図2は、アリューシャンアミンの配置を示す図である。
図3図3は、NMRで帰属した構造を検証するために使用した完了したDP4+計算を示す図である。DFT計算、続いてDP4+計算は、帰属及びNMRで帰属した構造の検証へのごく普通のアプローチになりつつある。これらの結果は、計算NMR値が、アリューシャンアミンについて発明者らが帰属した構造と完全に一致することを示す。
図4図4は、炭素の転位を伴わない分子のジペプチド構築を示す図である。
図5図5は、特定の海洋環境において見つけられる高圧、低温、及び無酸素状態という特有の条件下での、アリューシャンアミンのジスコルハブジンAへの変換を機構的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
アリューシャンアミンは、Latrunculia(Latrunculia)austini Samaai,Kelly&Gibbons,2006(普通海綿綱、多骨海綿目、Latrunculiidae科)から発見された、アリューシャン列島のNOAA深海探査の間に回収された、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドの新たなクラスにおける第1番目のものに相当する。Latrunculia属の少数のサンプルにおいて微量しか同定されなかった。発明者らの説明では、この物質は、高圧及び低温条件の助けを借りて海洋の無酸素領域でしか発生し得ない分解産物ジスコルハブジンAである。自然界において微量しか存在せず、特定の特殊な環境下でしか存在しないので、どの医薬産物も、合成する必要があると思われる。合成という用語は、合成及び半合成誘導アリューシャンアミンを含む。半合成は、全ステップの数を低下させるために、所望される産物にできるだけ近い、複雑な天然の産物から出発することを意味する。
【0008】
分子は、MS、NMR、及び分子イオンネットワーキング(MoIN)分析の助けによって同定された。アリューシャンアミンの構造は、コンピューター支援定量構造解析ツールと併せた大規模分光分析を使用して決定された。
【0009】
本発明は、式(I)において示される医薬製剤及び医薬組成物として、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイド並びに高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドの使用のための方法を提供する。
【0010】
そのうえ、癌細胞を阻害するための医薬品として、高度に歪んだ多架橋環系を持つピロロイミノキノンアルカロイドを使用するための方法が、提供される。アリューシャンアミンは、25nMのIC50を有する膵臓癌(PANC-1)及び1μMのIC50を有する結腸癌(H116)を含む固形腫瘍細胞系に対して、強力で選択的な細胞毒性を示した。
【0011】
高度に歪んだ多架橋環系を持つこれらのピロロイミノキノンアルカロイドは、このような疾患又は状態を患っている又はそれに罹患しやすい被験者に、治療有効量の化合物、その誘導体若しくはアナログ又は光学異性体若しくはラセミ体若しくは互変異性体、又はその薬学的に許容される塩を又は最適には、薬学的に許容される希釈剤若しくはキャリアとの混合物において、投与することによって、病状を治療するために使用することができる。たとえば、新規な対象は、結腸癌細胞、肝臓癌細胞、脳癌細胞、前立腺癌細胞、乳癌細胞、肺癌細胞、卵巣癌細胞、直腸癌細胞、及び膵臓癌細胞を、阻害性の量の式I又はIIの化合物と細胞を接触させることによって阻害するための方法を含む。
【0012】
医薬製剤又は医薬組成物は、当業者らに現在知られている又は今後知られることになる任意の適した治療方法及び治療技術を介して投与することができる。さらに、本発明において使用するための化合物は、他の有用な薬剤産物及び薬剤組成物の調製のための出発物質として使用される。
【0013】
宿主に投与される投薬量は、障害、対象となる宿主のタイプ、その年齢、体重、健康状態、もしあれば、併用療法の種類、治療の頻度、及び治療の比率に依存するであろう。
【0014】
本発明の化合物は、医薬として有用な組成物を調製するための既知の方法に従って製剤することができる。製剤は、当業者らによく知られており、容易に入手可能な多くの情報源において詳細に記載される。たとえば、Remington’s Pharmaceutical Science by E.W.Martinは、本発明と共に使用することができる製剤を記載する。概して、本発明の組成物は、組成物の有効な投与を推進するために、有効量の生理活性化合物が適したキャリアと組み合わせられるように、製剤されるであろう。
【0015】
本発明によれば、活性成分として、有効量の1つ又はそれ以上の対象の化合物及び1つ又はそれ以上の無毒性の薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤を含む医薬組成物は、当業者によって使用することができる。組成物は、一度に又は一連の治療にわたって被験者に投与されてもよい。
【0016】
本発明における使用に適した医薬組成物は、活性成分が、その意図される目的を実現するのに有効な量で含有される組成物を含む。より詳細には、治療有効量は、治療されている被験者の、存在している症状の発達を予防する又は軽減するのに有効な量を意味する。有効な量の決定は、とりわけ本明細書において提供される詳細な開示を考慮して、十分に、当業者ら能力の範囲内にある。
【0017】
本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療有効用量は、血清レベル及び生化学アッセイから最初に推定することができる。たとえば、用量は、アッセイにおいて決定されるEC50(被験者の50%が所望の効果を示す用量)を含む循環濃度範囲を実現するように、動物モデルにおいて製剤することができる。このような情報は、ヒト及び動物において有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。
【0018】
治療有効用量は、患者における症状の回復又は生存の延長をもたらす化合物の量を指す。このような化合物の毒性作用及び治療効能は、たとえばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養又は実験動物において、標準的な製薬の手順によって決定することができる。毒性と治療効果との間の用量の比は、治療指数となり、それは、LD50とED50との間の比として表現することができる。高い治療指数を示す化合物は、好ましい。受容体結合アッセイ及び動物実験から得られるデータは、動物及びヒト被験者において使用するための投薬量の範囲を製剤する際に使用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんど又は全くないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、用いられる投薬形態及び利用される投与のルートに依存して、この範囲内で変動してもよい。厳密な製剤、投与のルート、及び投薬量は、患者の又は被験者の状態を考慮して、個々の医師が選ぶことができる(たとえばFingl et al.,1975,in 「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,Ch.1 p1を参照されたい)。投与量及び間隔は、所望される効果を維持するのに十分な活性成分の血漿レベルを提供するように、個々に調整されてもよい。
【0019】
局所的な投与又は選択的な取込みの場合、薬剤の有効局所的濃度は、血漿濃度と関係しなくてもよい。投与される組成物の量は、当然、治療されている被験者に、被験者の体重、病気の重症度、投与の方式、及び処方する医師の判断に依存するであろう。好ましい実施形態において、効能は、1日約0.1mg/kg~100mg/kgの範囲にある。本発明の医薬組成物は、それ自体知られている方式で、たとえば従来の混合、溶解、造粒、糖剤作製、湿式粉砕(levigating)、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって、製造されてもよい。本発明に従って使用するための医薬組成物は、したがって、従来の方式で、医薬として使用することができる調製物への活性化合物の処理を推進する、賦形剤及び助剤を含む1つ又はそれ以上の生理学的に許容されるキャリアを使用して、製剤されてもよい。適切な製剤は、選ばれる投与のルートに依存する。注射については、本発明の薬は、水溶液中で、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩緩衝液などのような生理学的に適合性の緩衝液中で製剤されてもよい。経粘膜投与については、浸透する障壁に適切な浸透剤が、製剤中に使用される。このような浸透剤は、一般に、当技術分野において知られている。経口投与については、化合物は、当技術分野においてよく知られている薬学的に許容されるキャリアと活性化合物を組み合わせることによって、容易に製剤することができる。このようなキャリアは、本発明の化合物を、治療される患者による経口摂取のための錠剤、ピル、ペレット、糖剤、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤、及びその他同種のものとして製剤するのを可能にする。経口的な使用のための医薬調製物は、結果として生じる混合物を任意に粉砕し且つ所望により適した助剤を追加した後に、顆粒の混合物を処理し、錠剤又は糖剤コアを得ることによって、固体賦形剤として作製することができる。適した賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖;たとえばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのようなセルロース調製物などのような増量剤である。所望の場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのようなその塩などのような崩壊剤が、追加されてもよい。糖剤コアは、適したコーティングが提供される。この目的のために、濃縮糖液が、使用されてもよく、これは、任意に、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、carbopolゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適した有機溶媒又は溶媒混合物を含有してもよい。染料又は顔料は、活性化合物の用量の識別のために又はその様々な組み合わせを特徴付けるために、錠剤又は糖剤のコーティングに追加されてもよい。経口的に使用することができる医薬調製物は、ゼラチンから作製されたプッシュフィット(push-fit)カプセル並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどのような可塑剤で作製された軟質密閉カプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどのような増量剤、デンプンなどのようなバインダー、及び/又は滑石若しくはステアリン酸マグネシウムなどのような潤滑剤並びに任意に安定剤と混合した活性成分を含有することができる。軟質カプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどのような適した液体中に溶解されてもよい又は懸濁されてもよい。加えて、安定剤が、追加されてもよい。経口投与のための製剤はすべて、このような投与に適した投薬量であるべきである。頬側投与については、組成物は、従来の方式で製剤される錠剤又はロゼンジの形態をとってもよい。吸入による投与については、本発明に従って使用するための化合物は、適した噴霧剤、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適したガスを使用して、加圧パック又はネブライザからエアロゾルスプレーを提供する形態で、好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、測定量を送達するためにバルブを提供することによって測量されてもよい。化合物の粉末ミックス及びラクトース又はデンプンなどのような適した粉末ベースを含有する、たとえば、吸入器又は注入器において使用するためのゼラチンのカプセル及びカートリッジが、製剤されてもよい。化合物は、注射による、たとえば急速注射又は持続点滴による非経口投与のために製剤されてもよい。注射用の製剤は、単位投薬形態で、たとえばアンプルで又は多用量容器で、追加される防腐剤と共に、提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中で懸濁剤、水剤、又は乳剤のような形態をとってもよく、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤などのような調合剤(formulatory agent)を含有してもよい。非経口投与用の医薬製剤は、水溶性の形態をした活性化合物の水溶液を含む。そのうえ、活性化合物の懸濁剤は、適切な油性注射懸濁剤として調製されてもよい。適した親油性溶媒又はビヒクルは、ゴマ油などのような脂肪油又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどのような合成脂肪酸エステル又はリポソームを含む。水性注射懸濁剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどのような、懸濁剤の粘性を増加させる物質を含有してもよい。任意に、懸濁剤はまた、高濃縮溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解性を増加させる、適した安定剤又は薬を含有してもよい。その代わりに、活性成分は、使用の前に適したビヒクル、たとえば滅菌発熱物質非含有水と調合するための粉末形態であってもよい。特に、この分子は、従来のIV送達、抗体薬抱合体としての送達、及び腹腔内温熱化学療法(HIPEC)を使用する適用にとって非常に好適な候補である。化合物はまた、たとえばカカオバター又は他のグリセリドなどのような従来の坐剤基剤を含有する坐剤又は停留浣腸剤などのような直腸組成物で製剤されてもよい。前に記載される製剤に加えて、化合物はまた、デポー調製物として製剤されてもよい。そのような長時間作用型の製剤は、移植(たとえば皮下に若しくは筋肉内に)又は筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、たとえば、化合物は、許容される油中の乳剤として適した高分子物質若しくは疎水性物質と共に又はイオン交換樹脂と共に又はわずかに可溶性の誘導体として、たとえば、わずかに可溶性の塩として、製剤されてもよい。本発明の疎水性化合物のための医薬キャリアは、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む共溶媒系である。もちろん、共溶媒系の割合は、その溶解性及び毒性といった特徴を損なうことなく、大幅に変動してもよい。さらに、共溶媒構成成分の内容は、変動してもよい。その代わりに、疎水性医薬化合物のための他の送達系が、用いられてもよい。リポソーム及び乳剤は、疎水性薬剤のための送達ビヒクル又はキャリアについてよく知られている例である。ジメチルスルホキシドなどのような特定の有機溶媒もまた、用いられてもよいが、たいてい、毒性が高いという犠牲を払うことになる。そのうえ、化合物は、医薬品を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどのような徐放性系を使用して、送達されてもよい。さまざまなタイプの徐放性物質が発見されており、当業者らによく知られている。徐放性カプセルは、それらの化学的性質に応じて、数週間、100日間を超えて、化合物を放出してもよい。治療試薬の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のための追加の戦略が、用いられてもよい。医薬組成物はまた、適した固相又はゲル相キャリア又は賦形剤を含んでいてもよい。このようなキャリア又は賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのようなポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0020】
用語:名前で記載される化合物、製剤、又は特定の化合物は、薬学的に適合性の対イオンとの塩を含むものと解釈することができる。「薬学的に許容される塩」という句は、本発明の化合物の比較的無毒性の無機及び有機酸付加塩及び塩基付加塩を指す。これらの塩は、化合物の最終的な単離及び精製の間に、現場で調製されてもよい。特に、酸付加塩は、その不純物がない形態をした精製化合物を有機酸又は無機酸と別途反応させ、結果として生じた塩を単離することによって、調製されてもよい。酸付加塩の例は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシラート、クエン酸塩、マレイン酸、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチラート(naphthylate)、メシラート、グルコヘプタナート(glucoheptanate)、ラクトビオナート(lactobionate)、スルファミン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、メチレンビス-ベータ-ヒドロキシナフトエート(hydroxynaphthoate)、ゲンチジン酸塩、イセチオン酸塩、ジ-p-トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、及びキナートラウリルスルホナート(quinate lauryl sulfonate)、及びその他同種のものを含む。(たとえば、参照によって本明細書において援用されるS.M.Berge et al.「Pharmaceutical Salts」J.Pharm.Sci,66:p.1-19(1977)を参照されたい)。酸付加塩はまた、有機塩基又は無機塩基とその酸性の形態をした精製された化合物を別途反応させ、結果として生じた塩を単離することによって調製されてもよい。酸付加塩は、アミン塩及び金属塩を含む。適した金属塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、及びアルミニウムの塩を含む。ナトリウム塩及びカリウム塩は、好ましい。適した無機塩基付加塩は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛を含む金属塩基から調製される。適したアミン塩基付加塩は、安定した塩を形成するのに十分なアルカリ度を有し、且つ好ましくは、医療用に、低毒性及び認容性により、医薬品化学において頻繁に使用されるアミンを含むアミン:アンモニア、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリンから調製される。N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、テトラメチルアンモニウム、水酸化物、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、たとえばリシン及びアルギニン、並びにジシクロヘキシルアミン並びにその他同種のもの。薬学的に適合性の塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含むが、これらに限定されない多くの酸により形成されてもよい。塩は、対応する遊離塩基形態である水性又は他のプロトン性溶媒において、より可溶性になる傾向がある。適した投与のルートは、たとえば、経口、直腸、経粘膜、経皮、又は腸管投与;筋肉内、皮下、髄内注射を含む非経口送達及び鞘内、直接的な脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、又は眼内注射を含んでいてもよい。適したキャリアは、滅菌水を含むことができる。その代わりに、たとえば、直接患部への化合物の注射を介して、多くの場合デポー製剤又は徐放製剤において、全身ではなく局所に化合物を投与してもよい。さらに、標的ドラッグデリバリーシステムにおいて、たとえば患部の細胞に対して特異的な抗体によりコーティングされたリポソームにおいて、薬剤を投与してもよい。リポソームは、標的に向けられ、細胞によって選択的に取り込まれる。薬剤はまた、加水分解性の、酸化性の、又は還元可能な部分が、分子中の1つ又はそれ以上の反応部位で形成されたプロドラッグ形態で投与されてもよい。これらは、容易に代謝され、薬剤の活性形態を生成することができるエステル、硫酸、リン酸、又は任意の他の基を含むが、これらに限定されない。獣医による適用において、医薬組成物は、ペレット又は粉末として送達することができる。不活性な材料は、たとえば、アルファルファ、リンゴ香料、甘蔗廃糖蜜、プロピオン酸、ソルビトール、ビタミンE複合体、及び小麦胚芽ミールとすることができる。
【0021】
新規な対象はまた、高度に歪んだ多架橋を持つ新たなクラスのピロロイミノキノンアルカロイドを合成するための方法をも含む。方法は、硫黄の活性化、近接のプロトンの除去、1,4付加、及びキノンの脱離、新たな二重結合を生成するための水素化物の移動、並びにイミノキノンのアミンに近接するOH基の脱離を通して触媒される協奏転位を通して、ジスコルハブジンAをアリューシャンアミンに変換するステップを含む。
【0022】
アリューシャンアミンについての構造の帰属は、NMR、MS、ECD、及びコンピューターによるアプローチを使用して完成させた。構造の検証は、DFT計算、続いてDP4+計算を使用して完了させた。
【0023】
凍結させた海綿は、エチルアルコールによって抽出し、抽出物は、LCMSによって分析した。NCIサンプルのMoIN分析。6つの標準物質からのそれぞれの化合物及びNCIからのLatrunculia種の10の粗エチルアルコール抽出物を、1mg/mlまで100%MeOH中で可溶化した。インジェクトしたサンプルは、Agilent分析用UHPLC(サンタクララ(Santa Clara)、CA)を使用し、100×4.6mm Kinetex 1.7μM、C8、クロマトグラフィーカラム(Phenomenex Torrance、CA)、1mL/分の流速、移動相A 99.9%水(VWR、LC-MSグレード)、0.1%ギ酸(VWR);移動相B 99.9%アセトニトリル(VWR、LC-MSグレード)、0.1%ギ酸(VWR)を使用し、以下の勾配:0~1分5%B、1~15分100%B、15~25分100%B、26~30分5%Bで、すべてのサンプルについて、クロマトグラフィーで分離した。
【0024】
アリューシャンアミンについての構造の帰属は、NMR、MS、ECD、及びコンピューターによるアプローチを使用して完成させた。Jベース分析(J based analysis)を含む大規模二次元NMR分析を、分子の構造を帰属するために使用した。構造の検証は、DFT計算、続いて化学シフト分析ツールであるDP4+計算を使用して完了させた。
【0025】
【表1】
【0026】
ここで図3を参照するが、アリューシャンアミン-1、アリューシャンアミン-1’、及びアリューシャンアミン-1’’について計算した化学シフトを、実験的H及び13C NMR化学シフトと、補正平均絶対誤差(corrected mean absolute error)(CMAE)、補正絶対偏差和(corrected total absolute deviation)(CTAD)、及びDP4+確率化学シフト分析s2を介して比較した。CMAE及びCTADの結果は、アリューシャンアミン-1が最も可能性のある異性体であることを示した。これらの結果は、DP4+統計分析によって確証され、アリューシャンアミン-1が、H及び13C NMRデータの両方の利用を基に100%の確率で正確な位置異性体であることを予測した。全体として、NMR分光データとコンピューターによるデータとの間のみごとな一致は、アリューシャンアミンの(3R,5R,8S)絶対配置及びその2-ブロモ置換基を強く支持した。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【実施例
【0030】
実施例:アリューシャンアミンの半合成経路
ここで図4を参照するが、アリューシャンアミンの複雑な分子構造は、炭素の転位を伴わないでオルソゴナルな(orthogonal)環系を生成する2つの標準的なアミノ酸L-トリプトファン及びL-チロシンのみから生じたように思われる。図4は、構造相同性並びにシステイン由来の硫黄原子の付加を伴う、2つの一般的なアミノ酸、Lトリプトファン及びLチロシンからアリューシャンアミンの形成までの通常の生合成ルートを示す。これらの2つの重要なアミノ酸は、海綿において見つけられる多くのイミノキノンアルカロイドの形成に不可欠である。この形成における一般的な生合成プロセスは、酸化、還元、水和、及び脱水反応を伴い、炭素原子の転位は伴わない。このプロセスは、種々の天然の出発物質をアリューシャンアミンに変換するために利用することができる一般的な生物模倣型のアプローチを提供する。出発物質は、トリプトファン、チロシン、ジスコルハブジン、マカルビン酸、マカルボン(Makaluvone)、マカルバミン、バツゼリン(Batzelline)、イソバツゼリン(Isobatzelline)、セコバツゼリン(Secobatzelline)、ダミロン(Damirone)、ツィツィカンマミン、ベイウタミン、ワカイン、ジッジアノンアルカロイド、並びに他のイミノキノン及びピロロイミノキノンアルカロイドを含むが、これらに限定されない。(Chemical Reviews「Discorhabdins and Pyrroloiminoquinone-related alkaloids」by Hu et al.2011,pp5465-5488を参照されたい。
【0031】
より詳細には、マカルバミンFのフェノール部分は、前駆体として果たし、酸化を受けて、キノンメチドAを形成する。ストーク型エナミンマイケル付加/環化、続いてイミン環化は、結果としてBを導き、新規なアザビシクロ[3.3.1]ノナン環系が構築される。1-アミノエタン-1-オール官能基の還元により、アリューシャンアミンの構造が与えられる。
【0032】
別の半合成前駆体は、この種で豊富に見つけられるジスコルハブジンAである。
【化3】
ジスコルハブジンAからアリューシャンアミンへの生合成変換の例を、図5に示す。アリューシャンアミン(II)の合成のためのプロセスは、金属キレート化を通しての硫黄の活性化を伴う、すなわち、酸化により、近接のアニオンが安定化されるであろう。
【化4】
安定化されたアニオンは、それから、アミノキノンで共役1,4付加を受けて、シクロプロピル中間体を形成することができる。
【化5】
アミノキノンの再編成が、シクロプロピル中間体を破壊し、アルファ-ベータ不飽和カルボニルと共役してオレフィンを形成するであろう。
【化6】
このプロセスは、結果として水素化物の損失をもたらし、これは、NADにより捕獲され、NADHを形成することができる。この転位は、それから、チロシンのカルボニル炭素を、アミノキノンの窒素に近づけ、結果としてシッフ塩基が関係する中間体の形成につながり、
【化7】
続いて、脱水し、アリューシャンアミンが形成される。このプロセスは、NAD又は水素化物移動触媒と共に不活性雰囲気下で実行される。圧力は、R1及びR2が独立して硫黄、酸素、窒素、炭素、又はセレンである式(1)に対して付加反応を促進するために利用することができる。R2はまた、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素とすることもできる。分子の1つ又はそれ以上のオレフィンは、還元されていてもよく、分子にわたる任意の水素は、重水素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、又は短鎖アルキルによって独立して置き換えることができる。分子中の対イオンは、分子の送達を推進するために使用される任意の一般的なアニオンとすることができる。
【0033】
実施例:バイオアッセイ
その特有の環系を有するアリューシャンアミンは、固形腫瘍選択的で抗癌性の有力候補(lead)の発見のために使用された示差細胞毒性ゾーンアッセイにおいて固形腫瘍選択性を示した。25細胞死滅についての選択性は、マウスの結腸癌38、ヒト乳癌MCF-7、ヒト前立腺癌LNCaP、及びヒト膵臓癌PANC-1で、典型的に、より感受性であるマウス及びヒト白血病細胞の両方と比較して顕著であった。選択性のこの幅は、普通ではなく、活性化合物は、たいてい、アッセイする細胞型の1つのみに対して選択性を示す。ヒトHCT-116結腸癌細胞に対してテストしたアリューシャンアミン式IIについてのIC50値は、1μmであり、PANC-1膵臓癌細胞に対しては、25nMであり、有意な効力及び選択性を示した。
【0034】
細胞増殖性研究を、曝露時間の関数としての濃度-生存関係を定めるために、HCT-116細胞を使用して実行した。26使用したエンドポイント、10(曝露時間tの間の細胞増殖性細胞の10%の生存)は、今後の前臨床治療研究に欠かせない情報を提供する。式IIに基づくこれらの細胞増殖性研究から、>5μMの10値;0.75μMの2410値;及び0.1μMの16810値が得られた。細胞増殖性のデータは、アリューシャンアミンの薬物動態及び最大耐量に依存して、長期にわたる治療が、効果的となることが期待され得ることを示した。ジスコルハブジンの主な構造的特徴は、DNAにインターカレートし、切断すること及びトポイソメラーゼIIの作用を阻害することが示された平面のイミノキノン部分のコアである。16マカルバミンは、切断可能な複合体形成を介して又はDNA二本鎖切断の直接的な誘発を介して作用するトポイソメラーゼII阻害剤であることが示された。マカルバミンA及びCは、固形ヒト腫瘍モデルにおいて腫瘍の大きさを減少させることが報告されている。53しかしながら、ジスコルハブジンA及びCは、癌に対する二重のメカニズムを支える同じコアイミノキノン骨格によるそれらの有意な細胞毒性にもかかわらず、トポイソメラーゼIIの阻害を示さなかった。16生成されたデータに基づくと、アリューシャンアミンは、癌細胞系に対してジスコルハブジンAよりも有意に高い細胞毒性を示し、膵臓癌細胞系に対して選択的阻害を示した。式Iに示される化合物は、単純な修飾体及び生物学的等価体であり、式IIの化合物と同様の活性を有すると思われる。
【0035】
【表5】
【0036】
表1は、PANC-1(膵臓癌)、U251N(膠芽腫)、及びMCF-7(薬剤抵抗性乳癌)に対する有意で選択的な阻害ゾーンを示す。アリューシャンアミン(アリューシャン島アルカロイド)は、膵臓癌及び乳房癌並びに膠芽腫に対して非常に強力で選択的である。DMSO及びエクジソンは、ネガティブコントロールであり、カルロトキシン及びジスコルハブジンAは、タキソールに匹敵する、2つの強力で非選択的なコントロールである。ジスコルハブジンAは、アリューシャンアミンの前駆体である。
【0037】
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図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】