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特表2022-518192照明機器のネットワークへの追加及び照明機器の遠隔制御機器とのペアリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】照明機器のネットワークへの追加及び照明機器の遠隔制御機器とのペアリング方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/195 20200101AFI20220307BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220307BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20220307BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220307BHJP
【FI】
H05B47/195
H05B45/10
H05B47/17
H05B47/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540314
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 GB2020050051
(87)【国際公開番号】W WO2020144481
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】1900442.3
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521304335
【氏名又は名称】リモート コントロールド ライティング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REMOTE CONTROLLED LIGHTING LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】クーパー, エドワード ピーター ジョージ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273QA29
3K273RA04
3K273RA16
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA55
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA24
3K273UA25
3K273VA04
(57)【要約】
照明機器(3’)をネットワーク(2)に追加し、遠隔制御機器(7)とペアリングする方法で、該方法は以下を含む。追加用コードを1または複数の照明機器(3’)に電磁放射信号(31)を使って送信し、ネットワーク(2)に追加し且つ遠隔制御機器(7)とペアリングする照明機器(3’)を、指向性電磁放射ビーム(30)を照明機器(3’)の感知器(2)に向けることによって選択し、選択する機器による、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信に応答して、受信する追加用コードがネットワークへの接続コードであれば選択する機器をネットワークに追加し、追加する機器がネットワーク上で遠隔制御機器(7)によって制御可能なように、追加する機器(3’)を遠隔制御機器(7)とペアリングする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明機器をネットワークに追加して照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法であって、当該方法は、
(a)電磁放射信号を使って、追加用コードを1または複数の照明機器に送信し、
(b)指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に向けることによって、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択し、
(c)前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを、前記選択する照明機器が受信することに応答して、前記受信する追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合は、前記選択する機器を前記ネットワークに追加し、
(d)前記追加する機器が、前記ネットワーク上で前記遠隔制御機器によって制御可能なように、前記追加する機器を遠隔制御機器とペアリングする、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記指向性電磁放射ビームは、前記追加用コードを含む前記電磁放射信号とは異なるビームであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)において、前記追加用コードを含む前記電磁放射信号を複数の照明機器に送信することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記指向性電磁放射ビームは、1つの前記照明機器のみが受信する程度に十分狭く、且つ、前記追加用コードを含む前記電磁放射信号は、1つより多くの前記照明機器が受信する程度に十分広いビームであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記追加用コードを前記指向性電磁放射ビームによって送信することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記追加用コードを追加用コード生成装置により生成することを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)において、電磁放射信号を使って1または複数の照明機器に送信する前記追加用コードは、第1の追加用コードであり、
第2の追加用コードをネットワーク制御機器に受信させ、
前記ネットワークへの前記接続コードを前記ネットワーク制御機器によって前記第2の追加用コードまたは関連する追加用コードに設定することを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の追加用コードを、使用者に入力装置に対して入力させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の追加用コードを、使用者に向けて表示し、且つ、前記使用者に前記第1の追加用コードを読み、前記入力装置に前記第2の追加用コードとして入力させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の追加用コードを、第2の追加用コード生成装置により生成させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の追加用コードを、前記第1の追加用コードとして、前記電磁放射信号を使って、1または複数の前記照明機器に送信することを特徴とする請求項7または10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)は、ネットワークアドレスを、前記追加する機器へ割り振ることを含む先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記指向性電磁放射ビーム及び/または前記追加用コードを含む前記電磁放射信号を、使用者操作の遠隔選択機器により送出することを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記遠隔選択機器は、持ち運ぶことができることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークは、無線ネットワークであることを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(a)から(d)を繰り返し、複数の照明機器をネットワークに追加し、且つ、前記各照明機器が前記ネットワーク上で前記遠隔操作機器によって制御可能なように前記照明機器を前記遠隔制御機器とペアリングすることを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記電磁放射信号で送信する前記追加用コードは、照明機器を前記ネットワークに追加し且つ前記遠隔制御機器とペアリングする度に同じであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ペアリングは、前記遠隔制御機器の表示画面上のグラフィック表示の選択が前記遠隔制御機器からの制御命令を受信する前記照明機器を選択することであるように、前記グラフィック表示を前記追加する照明機器とペアリングすることを含む、先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項19】
前記グラフィック表示、または前記各グラフィック表示を、前記遠隔制御機器の前記表示画面上で、前記ネットワークに追加し且つ前記遠隔制御機器とペアリングした前記照明機器、または前記各照明機器の物理的位置に対応して動かすことができることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記グラフィック表示について、一つの集団を選択すると、該集団内の前記グラフィック表示とペアリングしているすべての前記照明機器が選択され、前記遠隔制御機器から同一の制御命令を受信する複数の集団にグループ分け可能なことを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記各照明機器は、
前記追加用コードを含む前記電磁放射信号を受信した時、
その感知器が前記指向性電磁放射ビームを受信した時、
該各照明機器がネットワークに加入しようと試みている時、及び/または
前記遠隔制御機器とペアリングされた時、
に視覚的表示を与えることを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項22】
前記照明機器の1または複数の特性は、前記遠隔制御機器によって制御可能であることを特徴とする先のいずれか1つの請求項に記載の方法。
【請求項23】
ネットワーク内の照明機器を制御する方法であって、
(a)先のいずれか1つの請求項に記載の方法によって、前記照明機器をネットワークに追加し、且つ、遠隔制御機器とペアリングし、
(b)前記照明機器を前記遠隔制御機器で制御する
ことを含む方法。
【請求項24】
前記ネットワーク上でペアリングする前記照明機器、または前記各照明機器は、第2の遠隔制御機器によっても制御可能であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の遠隔制御機器は、すべてのペアリングする前記照明機器を一緒に制御することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
空間を照らす照明システムであって、前記照明システムは、遠隔制御機器と、照明機器のネットワークとを含み、少なくとも1つの前記照明機器は、請求項1から22のいずれか1つに記載の方法によって、前記ネットワークに追加され且つ前記遠隔制御機器とペアリングされることを特徴とする照明システム。
【請求項27】
空間を照らす照明システムであって、前記照明システムは、
ネットワークと、
ネットワーク制御機器と、
遠隔制御機器と、
電磁放射信号を使って、追加用コードを1または複数の照明機器に送信するよう構成されている追加用コード送出装置と、
指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に向けることによって、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択するよう構成されている指向性ビーム送出装置と、
前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを受信する照明機器と、
を含み、
前記ネットワーク制御機器及び照明機器は、前記照明機器が前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを受信することに応答して、前記受信する追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合は、前記照明機器を前記ネットワークに追加し、且つ、
前記追加する機器を、前記ネットワーク上で前記遠隔制御機器によって制御可能なように前記遠隔制御機器とペアリングする、ように構成されていることを特徴とする照明システム。
【請求項28】
ネットワークに追加され、且つ遠隔制御機器とペアリングされる照明機器であって、前記照明機器は、
指向性電磁放射ビームを受信するよう構成されている感知器と、
追加用コードを含む電磁放射信号を受信するよう構成されている受信機と、
を含み、
前記照明機器は、前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを受信することに応答して、前記受信する追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合は、前記ネットワークに加入可能であるように構成され、
且つ、前記照明機器は、自らが追加されたネットワーク上で、遠隔制御機器によって制御可能なように構成されていることを特徴とする照明機器。
【請求項29】
遠隔選択機器は、
指向性電磁放射ビームを送出して、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択するように構成されている、指向性ビーム送出装置と、
ネットワーク追加用コードを含む電磁放射信号を1または複数の照明機器に向けて送出するように構成されている追加用コード送出装置と、
を含むことを特徴とする遠隔選択機器。
【請求項30】
前記遠隔選択機器は、追加用コード生成装置を含むことを特徴とする請求項29に記載の遠隔選択機器。
【請求項31】
前記追加用コード生成装置は、ランダムな追加用コードを生成するよう構成されていることを特徴とする請求項30に記載の遠隔選択機器。
【請求項32】
部品キットは、
ネットワーク制御機器と、
電磁放射信号を使って、追加用コードを1または複数の照明機器に送るよう構成されている追加用コード送出装置と、
指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に向けることによって、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択するように構成されている指向性ビーム送出装置と、
指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを受信するように構成されている照明機器と、
を含み、
前記ネットワーク制御機器及び前記照明機器は、前記照明機器が前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを受信することに応答して、前記受信する追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合は、前記照明機器を前記ネットワークに追加し、且つ、
前記追加する機器を、前記ネットワーク上で前記遠隔制御機器により制御可能なように前記遠隔制御機器とペアリングする、ように構成されていることを特徴とする部品キット。
【請求項33】
前記部品キットは、遠隔制御機器を含むことを特徴とする請求項32に記載の部品キット。
【請求項34】
コンピュータによって実行される命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、前記コンピュータに
(a)ネットワークへの追加用コードを受信または生成させ、
(b)前記追加用コードをネットワーク制御機器に送信して、照明機器のネットワークへの接続コードを提供させ、
(c)照明機器がネットワークに追加されたというデータを受信させ、
(d)表示画面上のグラフィック表示の選択が制御命令を受信する前記照明機器を選択することであるように、前記追加する照明機器を前記グラフィック表示とペアリングさせる、ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
ネットワーク制御機器であって、
照明機器が受信する電磁放射信号の中の第1の追加用コード及び前記照明機器が受信する指向性電磁放射ビームの受信に応答して、前記ネットワークに加入するよう試みている前記照明機器からの第1の追加用コードを受信し、
前記ネットワークへの接続コードを設定し、
前記第1の追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合、前記照明機器の前記ネットワークへの追加を許可し、
前記追加する機器が、前記ネットワーク上で遠隔制御機器によって制御可能なように、前記追加する機器を前記遠隔制御機器とペアリングする、ように構成されているネットワーク制御機器。
【請求項36】
前記ネットワーク制御機器は、第2の追加用コードを受信し且つ前記ネットワークへの接続コードを前記第2の追加用コードに基づいて設定する、ように構成されていることを特徴とする請求項35に記載のネットワーク制御機器。
【請求項37】
前記ネットワーク制御機器は、照明機器を前記ネットワークに追加する度に、同じ第2の追加用コードを受信するように構成されていることを特徴とする請求項36に記載のネットワーク制御機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明機器をネットワークに追加し、ネットワーク上で遠隔制御機器により制御可能であるように照明機器と遠隔制御機器とをペアリングする方法に関する。特に、排他的ではないが、ネットワークは無線ネットワークである。
【0002】
本発明は、空間を照らす照明システムにも関する。
【0003】
本発明は、ネットワークに追加され、且つ追加される照明機器がネットワーク上で遠隔制御機器によって制御可能であるように遠隔制御機器とペアリングされる照明機器にも関する。
【0004】
本発明は、当該方法に使われる遠隔選択機器、部品キット、コンピュータプログラム製品、当該方法に使われるネットワーク制御機器にも関する。
【背景技術】
【0005】
既知の照明システムは、遠隔制御機器によって制御可能なように遠隔制御機器とペアリングされている、複数のネットワーク上の照明機器を含む。ネットワークに追加されている照明機器を遠隔制御機器とペアリングする為には、遠隔制御機器が特定の制御命令を照明機器に割り当てることができるよう照明機器を識別する必要がある。これは遅くて時間を消費する過程であり、ユーザーエラーが比較的高い危険性を有する。
【0006】
更に言えば、手の届くのが難しい、または手の届かない(例えば天井に取り付けられている)照明機器の、遠隔制御機器とのペアリングは、照明機器にアクセスし難いという問題がある。
【0007】
加えて、照明システムは、通常、電気工事業者によって設置され、ネットワーク(特に無線ネットワーク)に関する限られた経験と訓練しかない技術者に委託されるので、もし、照明システムの立ち上げが複雑ならば、これにより、時間を消費し、且つ設置エラーという結果を招く可能性がある。照明機器をネットワークに追加する時、設置者は各照明機器に関する固有のコード(通常は6桁の英数字)を読み取り、それをスマートフォンのアプリケーションに入力する必要がある。この点からすると、設置者はコードを読む為に各照明機器の近くにいなければならないが、例えば、多数の照明機器を設置しなければならない場合、特に、照明機器を、天井のような、手の届くのが難しい場所に設置しようとしている場合、現実的でない可能性がある。ネットワークは、通常、設置の時には存在しないので、照明機器は、通常、事前にはどのネットワークにも接続されていないだろう。
【0008】
ネットワークがたとえ存在するとしても、各照明機器の位置をそのコードに関連付けているどんな計画や図も、不正確か、不完全か、または使えない可能性が高い。各照明機器へのコードを読む為のアクセスは、時間的にも設備的にも高価で、危険であるだろう。
【0009】
もう1つの既知の照明システムの設置方法では、すべての(照明機器用)コードをネットワーク制御機器に入力して、各照明機器を順番に点滅させ、照明機器が識別されるようにする必要がある。すべての設置されたコードの正確な表を入手しなければならないので、これは厄介で、時間を消費して、エラーに脆弱である。
【0010】
本発明は、前記問題の少なくともいくつかを対処もしくは軽減することを目的とする。あるいは、または加えて、本発明は、照明機器をネットワークに追加し、且つ、ネットワーク上で遠隔操作機器により制御可能なように照明機器を遠隔制御機器とペアリングする改善された方法を提供することを目的とする。
【0011】
あるいは、または加えて、本発明は、空間を照らす為の、改善された照明システムを提供することを目的とする。
【0012】
あるいは、または加えて、本発明は、ネットワークに追加され、且つ、ネットワーク上で、遠隔操作機器によって制御可能であるように遠隔制御機器とペアリングされる改善された照明機器を提供することを目的とする。
【0013】
あるいは、または加えて、本発明は、当該方法に使用する為の改善された遠隔選択機器を提供することを目的とする。
【0014】
あるいは、または加えて、本発明は、該方法に使用する為の部品キットを提供することを目的とする。
【0015】
あるいは、または加えて、本発明は、該方法に使用される為の改善されたコンピュータプログラム製品を提供することを目的とする。
【0016】
あるいは、または加えて、本発明は、該方法に使用される為の改善されたネットワーク制御機器を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0017】
本発明の第1の側面によると、照明機器をネットワークに追加する方法と、照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法と、が提供されていて、当該方法は以下を含む。
(a)電磁放射信号を使って、追加用コードを1または複数の照明機器に送信する。
(b)指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に向けることによって、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択する。
(c)前記指向性電磁放射ビーム及び前記電磁放射信号からの前記追加用コードを、前記選択する照明機器が受信することに応答して、前記受信する追加用コードが前記ネットワークへの接続コードである場合は、前記選択する機器を前記ネットワークに追加する。
(d)前記追加する機器が、前記ネットワーク上で前記遠隔制御機器によって制御可能なように前記追加する機器を遠隔制御機器とペアリングする。
【0018】
前記方法は、それぞれ個々の照明機器を、ネットワークへ追加し、遠隔制御機器とペアリングするのを、比較的早くて簡単な方法で行い、正しくない設置の危険性を減らし、そして難しくて危険な高い所の仕事を回避することができる。この点からすると、複数の照明ユニットをネットワークに追加し、かつ遠隔制御機器とペアリングするのを、比較的短い時間でかつ比較的低いエラーの危険性で行うことができる。
【0019】
該方法により、(例えば高い、手の届かないところに位置していることが原因で)アクセス不可能な照明機器も、早く、安全かつ簡単にネットワークに追加し、遠隔制御機器とペアリングすることが可能になるが、これは、他の方法では、難しく、危険または不可能だろう。この点からすると、使用者は、各照明機器を選択して、ネットワークに追加し、ペアリングするのを、照明機器が(例えば天井に)取り付けられている部屋の床にいるままで、行うことができる。したがって、当該方法により、高い場所での危険な作業を避けることができる。
【0020】
更に、選択する照明機器に追加用コードを送信するので、照明機器の追加とペアリングより前に、各照明機器を固有のパスフレーズと関連付け、且つすべての照明機器にパスフレーズを知らせて記録させておく必要もないかもしれない。
【0021】
また、(指向性電磁ビームを使う)個々の照明機器の選択と、選択する照明機器への追加用コードの送信とにより、比較的速くて効率的な、照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法を提供することができる。
【0022】
本発明の実施形態では、電磁放射ビームは、指向性電磁放射ビームである。
【0023】
本発明の実施形態では、照明機器をネットワークに追加する方法は、照明機器がネットワークの一部になること、すなわち、ネットワークに追加されるような方法である。
【0024】
本発明の実施形態では、遠隔制御機器は、ネットワークに接続される。該遠隔制御機器は、送信機及び受信機を備えており、無線信号を送信及び受信するよう構成されていてもよく、該送信機及び受信機を通じて該遠隔制御機器がネットワークに接続されている。この点からすると、該遠隔制御機器は、該遠隔制御機器をネットワークに接続する、1または複数の仲介装置(例えば、Wi-Fiルータ)に無線によって接続されていてもよい。
【0025】
該遠隔制御機器は、使用者によって操作されてもよい。該遠隔制御機器は、持ち運びが可能であってもよい。この点からすると、該遠隔制御機器は、異なる場所に移動可能であってもよい。該遠隔制御機器は、手に収まってもよい。この点からすると、該遠隔制御機器は、手に収まる大きさ且つ重さであってよい。該遠隔制御機器は、例えばスマートフォンなどの電話、スマートタブレット、ラップトップ、またはデスクトップコンピュータであってよい。
【0026】
本発明の実施形態では、ステップ(a)の追加用コードはネットワークへの接続コードである。本発明の実施形態のステップ(c)は、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信に対する応答として、選択する機器をネットワークに追加することを含む。
【0027】
本発明の実施形態では、(ステップ(b)の)指向性電磁放射ビームを用いて選択する機器は、(ステップ(a)の)電磁放射信号中の追加用コードも受信する。該選択する機器は、(ステップ(b)の)指向性電磁放射ビームにより選択する前か、後か、または同時に、(ステップ(a)の)追加用コードを含む電磁放射信号を受信することができる。
【0028】
本発明の実施形態では、ステップ(c)は、選択する機器により受信される電磁放射信号からの追加用コードを、1または複数のネットワークへの接続コードと比較し、且つ追加用コードがネットワークへの接続コードと一致すれば選択する機器をネットワークに追加する、ことを含む。
【0029】
本発明の実施形態では、追加用コードがネットワークへの接続コードと一致しない場合、照明機器をネットワークに追加しない。
【0030】
この比較及び照明機器のネットワークへの追加の許可を、(ネットワークの)ネットワーク制御機器によって行ってもよい。
【0031】
任意で、ステップ(c)は、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信に対する応答として、選択する機器を追加モードに入れて、該モードにおいて、受信する追加用コードがネットワークの接続コードならば、選択する機器をネットワークに追加するステップを含む。
【0032】
本発明の実施形態では、追加モードにおいて、選択する機器(追加モードにあるもの)が受信する追加用コードを、1または複数のネットワークへの接続コードと比較し、追加用コードがネットワークへの接続コードと一致すれば、該機器をネットワークに追加する(上記の通り)。
【0033】
例えば、照明機器が追加モードにある時、該照明機器は、受信した追加用コードを使って、ネットワークに加入しようと試みることができる。該照明機器は、ネットワークを識別する為にスキャンし、そしてそれから、識別されるネットワークに、追加用コードで加入しようと試みることができる。この点からすると、照明機器は信号を一斉送信し、ネットワーク制御機器が受信し、応答として、該照明機器が加入できるネットワークを識別する信号を該照明機器に送信し返してもよい。そして、該照明機器は、ネットワーク制御機器に受信した追加用コードを送ることができる。該ネットワーク制御機器は、上記比較及び照明機器のネットワークへの追加許可を行うことができる。
【0034】
あるいは、または加えて、照明機器が追加モードにある時、ネットワーク制御機器からの尋問信号に応答して、照明機器が受信した追加用コードをネットワーク制御機器に提供することができる。ネットワーク制御機器は、そして、上記比較及び照明機器のネットワークへの追加許可を行うことができる。
【0035】
スキャン及び/または尋問信号は、任意の適する種類のものでよい。スキャン及び/または尋問信号は、電磁放射信号であってもよい。例えば、スキャン及び/または尋問信号は、無線周波数信号、Wi-Fi信号、ブルートゥース(登録商標)信号などであってもよい。
【0036】
上記、または各照明機器は、非追加モードを有していてもよい。照明機器が指向性電磁放射ビームまたは電磁放射信号からの追加用コードを受信しなかった場合、上記、または各照明機器は、非追加モードにあってもよい。
【0037】
非追加モードにある時、該照明機器は、ネットワークに追加されない。この点からすると、非追加モードでは、該照明機器は、ネットワークへの加入を試みないかもしれない。
【0038】
例えば、非追加モードでは、該照明機器は、ネットワークを識別する為のスキャンをしなくてもよいし、且つ/または、受信する任意の追加用コードを用いて識別するネットワークへの追加を試みなくてもよい。あるいは、または加えて、非追加モードでは、照明機器は、ネットワーク制御機器からの尋問信号に追加用コードで応答しなくてもよい。
【0039】
照明機器のモードは、キャンセルイベントが起こる時、例えば、照明機器がネットワークに追加されることなしに、一定時間が経過してしまった後、追加モードから非追加モードに変更されてもよい。
【0040】
上記、または各照明機器は、ネットワークの一部である時(すなわち、ネットワークに追加された時)、ネットワークモードにあってもよい。上記、または各照明機器は、ネットワークの一部である時、及び遠隔制御機器とペアリングされる時、ネットワークモードにあってもよい。
【0041】
任意で、照明機器がネットワークモードにある時、該照明機器は、追加モードにならないかもしれない、すなわち、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信に応答して追加モードにならないことがある。これによって、例えば、その後、使用者が別の照明機器を選択してネットワークに追加しようとする時偶然に、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードを受信して、ネットワークに追加されている照明機器をネットワークに再追加しようとするのを防ぐことができる。
【0042】
上記、または各照明機器は、ネットワークの一部でない時、非ネットワークモードにあってもよい。この点からすると、各照明機器は、ネットワークから切り離されている時、照明機器のモードがネットワークモードから非ネットワークモードに変わるように構成されていてもよい。非ネットワークモードでは、照明機器は、非追加モード、または追加モードにあってもよい。この点からすると、非ネットワークモードでは、(指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信の応答として)追加モードにされない限り、照明機器は非追加モードにあってもよい。
【0043】
上記、または各照明機器は、指向性電磁放射ビームを受信しない限り、追加用コードを含む電磁放射信号を受信しないように構成されていてもよい。該、または各照明機器は、指向性電磁放射ビームを受信しない限り、任意の電磁放射信号において追加用コードを読まない、且つ/または、保存しないように構成されていてもよい。
【0044】
ステップ(a)及びステップ(b)は、同時に起こってもよい。この点からすると、指向性電磁放射ビーム及び追加用コードを含む電磁放射信号を同時に受信すると、照明機器は、追加モードになることができる。任意で、指向性電磁放射ビーム及び追加用コードを含む電磁放射信号を同時に受信する場合のみ、照明機器は、追加モードになってもよい。
【0045】
あるいは、ステップ(a)からステップ(d)は、連続的に前記順番(すなわち、ステップ(a)、そしてステップ(b)、そしてステップ(c)、そしてステップ(d))で起こってもよい。
【0046】
この点からして、ステップ(a)は、ステップ(b)の前に起こってもよい。この場合、追加用コードが送信される1または複数の照明機器は、追加用コードを(メモリに)保存してもよい。この場合、ひとたび、指向性電磁放射ビームを受信すると、該照明機器は、追加モードに置かれてもよい。
【0047】
あるいは、ステップ(b)は、ステップ(a)の前に起こってもよい。この場合、照明機器は、指向性電磁放射ビームを受信したことを(メモリに)保存してもよい。照明機器は、ひとたび、電磁放射信号の加入コードを受信すると、追加モードに置かれてもよい。
【0048】
ステップ(a)がステップ(b)の前に起こる場合も、逆の場合のいずれに対しても、任意で、キャンセルイベントが起こる前に、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号の両方が受信される場合のみ、照明機器が追加モードに置かれてもよい。該キャンセルイベントは、ステップ(a)またはステップ(b)のいずれであっても、最初に起こってから一定の時間が経過した後に発生してもよい。あるいは、または加えて、異なる照明機器がネットワークに追加されると、該キャンセルイベントが発生してもよい。
【0049】
ネットワーク制御機器は、追加モード及び非追加モードを有するように、構成されていてもよい。追加モードでは、選択される機器に受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであれば、ネットワーク制御機器は、選択される機器をネットワークに追加することができる。非追加モードでは、たとえ選択される機器に受信される追加用コードがネットワーク接続コードであるとしても、ネットワーク制御機器は、選択される機器をネットワークに追加することができない。
【0050】
この点からして、ステップ(c)は、受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであり、且つ、ネットワーク制御機器が追加モードにあれば、選択される機器による、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信に対する応答として、選択される機器をネットワークに追加することを含んでもよい。
【0051】
ネットワーク制御機器は、ネットワーク制御機器による、第2の追加用コードの受信により、追加モードに入れられてもよい。該ネットワーク制御機器は、照明機器のネットワークへの追加により、非追加モードに入れられてもよい。ネットワーク制御機器は、照明機器のネットワークへの追加及び照明機器の遠隔制御機器とのペアリングによって、非追加モードに入れられてもよい。
【0052】
任意で、指向性電磁放射ビームは、追加用コードを含む電磁放射信号とは異なるビームである。
【0053】
任意で、指向性電磁放射ビームは、第1の種類の電磁放射であり、追加用コードを含む電磁放射信号は、第2の種類の電磁放射である。
【0054】
任意で、ステップ(a)では、追加用コードを含む電磁放射信号は、複数の照明機器に同時に送信される。この点からすると、電磁放射信号は、複数の照明機器を含む空間や体積をカバーするものでもよい。しかしながら、本発明の実施形態では、ステップ(b)では、1つの照明機器(例えば、複数の照明機器の内の1つ)のみが、照明機器の感知器への指向性電磁放射ビームの指向により選択される。それに応じて、選択される照明機器だけが、追加モードにあるので、(受信する追加用コードがネットワークへの接続コードであれば)ネットワークに追加される。
【0055】
追加用コードを含む電磁放射信号は、電磁放射ビームであってもよい。該電磁放射信号は、指向性電磁放射ビームよりも広いビームであってもよい。
【0056】
この点からすると、任意で、指向性電磁放射ビームは、1つの照明機器だけが受信できるように、十分に細い。任意で、追加用コードを含むビームは、1つより多くの照明機器が受信できるように、十分に広い。
【0057】
これにより、指向性電磁放射ビームを使って1つの照明機器を選択して、ネットワークに追加し且つ遠隔制御機器とペアリングすることができると同時に、また、使用者は、正確に追加用コードを含む電磁放射ビームを向ける必要がない。これにより、指向性電磁放射ビームを使う上記選択よりも時間がかかる可能性のある、追加用コードの送信が容易になる。
【0058】
追加用コードを含む電磁放射信号は、例えば、赤外線信号や無線周波数信号を含む、任意の適する種類のものであってもよい。
【0059】
指向性電磁放射ビームは、任意の適する種類のものであってもよい。それはレーザービームであってもよい。それは、例えば、可視光、赤外線レーザー、または紫外線レーザーを含む、任意の周波数の電磁放射であってもよい。
【0060】
あるいは、または加えて、指向性電磁放射ビームは、発光ダイオード(LED)からの可視光であってもよい。
【0061】
指向性電磁放射ビームは、(人間には)見える、例えば、可視光レーザービームやLEDからの可視光ビームであってもよい。これにより、使用者にとって選択される照明機器の感知器にビームを向けるのが容易になるので、有利である。
【0062】
追加用コードは、指向性電磁放射ビームによって送信されてもよい。この場合、追加用コードは、1つの照明機器(すなわち、選択される照明機器)にのみ送信されてもよい。
【0063】
この場合、指向性電磁放射ビームは、照明機器の感知器によって受信されることで照明機器を選択し、且つ、追加用コードを選択される機器に送信する。例えば、指向性電磁放射ビームは、追加用コードを含むように適切に変調されてもよい。この場合、ステップ(a)の電磁放射信号及びステップ(b)の指向性電磁放射ビームは、同じ信号を指し、すなわち、指向性電磁放射ビームは電磁放射信号であることが理解されるだろう。
【0064】
ネットワークへの接続コード及び追加用コードは、1または複数の数字、英数字、または絵文字(例えばQRコード(登録商標)をスキャンしたもの)を含む、任意の種類のものであってもよい。
【0065】
ネットワークは、安全なネットワークであってもよい。この点からすると、ネットワークへの接続コードは、機器、例えば照明機器がネットワークに加入するために要求されるコードであってもよい。
【0066】
照明システムは、ネットワーク制御機器を含んでいてもよい。ネットワーク制御機器は、ネットワークの一部であってもよい。ネットワーク制御機器は、機器(例えば照明機器)のネットワークへの追加を許可するように構成されていてもよい。
【0067】
ネットワーク制御機器は、照明機器のネットワークへの追加を認証し、許可するための安全なデータグラムトランスポート層セキュリティ(DTLS)セッションを確立するように構成されていてもよい。
【0068】
任意で、ネットワーク制御機器は、ステップ(c)及び/またはステップ(d)を行うよう構成されている。
【0069】
任意で、ネットワーク制御機器は、無線で照明機器と通信する。
【0070】
ネットワーク制御機器は、ルータを含んでいてもよく、該ルータはボーダルータであってよい。該ルータは、ネットワーク制御機器の上記機能を実行するよう構成されていてもよい。
【0071】
ネットワーク制御機器と照明機器との間に2方向の通信があってもよい。この点からすると、各照明機器は、ネットワークアダプタを含んでいてもよい。当該ネットワークアダプタは、直接でもネットワーク経由でも、信号をネットワーク制御機器に送信する送信機と、直接でもネットワーク経由でも、ネットワーク制御機器からの信号を受信する受信機と、を含んでいてもよい。
【0072】
ステップ(a)では、追加用コード、すなわち第1の追加用コードを含む電磁放射信号を追加用コード送出機から送出してもよい。
【0073】
ステップ(b)では、指向性電磁放射ビームを指向性ビーム送出機から送出してもよい。
【0074】
追加用コードは、追加用コード生成装置で生成されてもよい。
【0075】
該追加用コード生成装置は、例えば乱数発生器を使いながら、ランダムな追加用コードを生成するように構成されていてもよい。
【0076】
遠隔選択機器(以下参照)は、追加用コード生成装置を含んでいてもよい。
【0077】
接続コードは、ネットワーク制御機器によって設定される予め決められたコードであってもよい。この点からすると、接続コードは、固定されていてもよい。あるいは、接続コードは可変コードであってもよい。例えば、使用者によって設定されてもよいし、使用者によって変更可能であってもよい。
【0078】
この点からすると、任意で、
ステップ(a)において、1または複数の照明機器に、電磁放射信号を用いて送信される追加用コードは第1の追加用コードであって、
第2の追加用コードは、ネットワーク制御機器によって受信され、
ネットワークへの接続コードは第2の追加用コード、または関連する追加用コードである。
【0079】
「関連する」追加用コードは、第2の追加用コードから派生可能なコードであってもよい。例えば、第2の追加用コードに復号化できる、第2の追加用コードが暗号化された版のものであってもよい。
【0080】
接続コードは、第2の追加用コードであってもよい。
【0081】
本発明の実施形態では、接続コードは、ネットワーク制御機器によって、第2の追加用コードまたは関連する追加用コードに設定される。
【0082】
ステップ(a)は、ネットワーク制御機器が第2の追加用コードを受信する前に行われてもよい。あるいは、ネットワーク制御機器は、第2の追加用コードをステップ(a)の前に受信してもよい。この点からすると、「第1の」追加用コード及び「第2の」追加用コードという表現は順序を意味するものではない、すなわち「第1」は「第2」の前に起こる必要はないことが理解されるだろう。また、ステップ(a)は、ネットワーク制御機器が第2の追加用コードを受信するのと同時に行われてもよいことが理解されるだろう。
【0083】
第2の追加用コードは、使用者によって入力装置に入力されてもよい。この場合、入力装置は、第2の追加用コードをネットワーク制御機器に送信してもよい。第2の追加用コードは、入力装置からネットワーク制御機器に直接、または1または複数の仲介機器経由で、例えば、Wi-Fiルータ経由で送信されてもよいことが理解されるだろう。入力装置は、ネットワークに接続されていてもよい。
【0084】
該入力装置は、遠隔制御機器であってもよい。このことにより、選択される照明機器を制御するのと同じ機器を使うので、第2の追加用コードを入力するための便利な手段を提供することができる。あるいは、該入力装置は別の装置、例えば遠隔選択機器(以下参照)であってもよい。
【0085】
任意で、第1の追加用コードは、使用者に表示され、当該使用者は、第1の追加用コードを読み、入力装置に、第2の追加用コードとして入力する。第1の追加用コードは、遠隔選択機器によって表示されてもよい。
【0086】
第2の追加用コードは、第2の追加用コード生成装置によって生成されてもよい。このことにより、第2の追加用コードを使用者が入力する必要を無くすことができる。前記遠隔制御機器は、第2の追加用コード生成装置を含んでいてもよい。
【0087】
第2の追加用コード生成装置は、第2の追加用コードをネットワーク制御機器に送信してもよい。
【0088】
第2の追加用コードは、第1の追加用コードとして、電磁放射信号を使って、1または複数の照明機器に送信されてもよい。この点からすると、第2の追加用コードは、第1の追加用コードとして使われてもよい。第2の追加用コードは、(第1の追加用コードを送信する)追加用コード送出機へ送られ、第1の追加用コードを形成してもよい。この場合、第2の追加用コードは、その後、第1の追加用コードとして電磁放射信号で、ステップ(a)において、送信される。
【0089】
例えば、第2の追加用コードは、第2の追加用コード生成装置から、追加用コード送出機に送信され、第1の追加用コードを形成することができる。第2の追加用コードが入力装置に入力される場合では、第2の追加用コードは、入力装置から、追加用コード送出機に送信され、第1の追加用コードを形成することができる。
【0090】
ステップ(c)では、選択される機器のネットワークへの追加は、ネットワーク制御機器と選択される機器との間での安全な鍵交換を含んでいてもよい。
【0091】
任意で、上記方法は、追加する機器にネットワークアドレスを割り当てることを含んでいてもよい。これはステップ(d)で行ってもよい。ネットワークアドレスは、IPv6アドレスやその他の任意の適する種類のIPアドレスなどの、任意の適する種類のものであってもよい。
【0092】
任意で、ステップ(d)は、ネットワークに追加された新しい照明機器を識別する為の、ネットワーク全体にわたる、遠隔制御機器からの尋問信号を送信することを含み、追加される機器による尋問信号の受信に対する応答として、追加される機器は、そのネットワークアドレスを、例えばネットワークを通じて遠隔制御機器に送信する。
【0093】
指向性電磁放射ビーム及び/または追加用コードを含む電磁放射信号は、遠隔選択機器から送出されてもよい。この点からすると、追加用コード送出機及び/または指向性ビーム送出機は、遠隔選択機器であってもよい。任意で、指向性電磁放射ビーム及び追加用コードを含む電磁放射信号のどちらも、遠隔選択機器によって、すなわち同じ遠隔選択機器によって、送出されてもよい。これにより、その場合には、追加用コードを含む電磁放射信号及び指向性放射ビームのどちらもが、同じ機器から送出されるので、使いやすさを提供することができる。
【0094】
遠隔選択機器は、使用者によって操作されてもよい。
【0095】
指向性電磁放射ビームは、使用者操作の遠隔選択機器によって送出されてもよい。追加用コードを含む電磁放射信号は、使用者操作の遠隔選択機器によって送出されてもよい。
【0096】
遠隔選択機器は、持ち運びできてもよい。この点からすると、遠隔選択機器は、異なる場所、選択してペアリングする異なる照明機器のところに移動可能である。遠隔選択機器は手に収まってもよい。この点からすると、該遠隔選択機器は手に収まる大きさと重さであってもよい。
【0097】
追加用コードは、使用者に向けて表示されてもよい。この点からすると、追加用コードは、遠隔選択機器によって表示されてもよい。これにより、ペアリングする照明機器を選択すること及び追加用コードを表示することの両方に、使用者が遠隔選択機器を使うことができるので、コンパクトで使いやすい配置を実現することができる。あるいは、または加えて、追加用コードは、遠隔制御機器によって表示されてもよい。あるいは、または加えて、追加用コードは、別個の機器によって表示されてもよい。
【0098】
本発明の実施形態では、ネットワークは、データネットワークである。この点からすると、データは、ネットワーク上で各機器から各機器に向けて送信される。「ネットワーク」は、照明ユニット(ネットワーク制御機器、ネットワークを制御する1または複数のルータなどを含むこともある)のネットワークであることが理解されるだろう。
【0099】
任意で、ネットワークは、無線ネットワークである。
【0100】
照明ユニットが無線ネットワークに接続されることで、照明ユニットをネットワークに追加する際に、誤った配線によりエラーを引き起こす危険性を軽減することができる。
【0101】
各照明機機器からネットワーク上の他の照明機器に、任意で、ネットワーク上のすべての他の照明機器に、任意で、無線により、データ通信信号を送受信できるように、各照明機機器は、ネットワークに接続されていてもよい。各照明機器は、照明機器がデータ通信信号を送受信できるネットワークアダプタを含んでいてもよい。
【0102】
無線ネットワークは、メッシュネットワークであってもよい。
【0103】
遠隔制御機器は、ネットワークのコミッショニング機器であってもよい。
【0104】
無線ネットワークは、例えば、Silicon Labs社製で、「Thread」プロトコルとして知られるプロトコルを使う「Thread」ネットワークとして知られるネットワークや、「ZigBee」(登録商標)無線メッシュネットワークとして知られる無線メッシュネットワークを含む、任意の適する種類のものであってもよい。
【0105】
あるいは、上記ネットワークは、例えば、DMX接続を使用する有線ネットワークでもよい。
【0106】
ネットワークは、1または複数の上記照明機器のものであってもよく、好ましくは、複数の上記照明機器のものであってもよい。
【0107】
任意で、ステップ(a)からステップ(d)は繰り返されて、複数の照明機器をネットワークに追加し、且つ、照明機器を遠隔制御機器とペアリングして、各照明機器は、ネットワーク上で、遠隔制御機器によって制御可能となる。
【0108】
この点からすると、任意で、上記ペアリングは、各照明機器がネットワーク上で選択可能となるようなものである。任意で、該ペアリングは、各照明機器がネットワーク上で個々に(すなわち、ネットワーク内のその他の照明機器と独立に)、遠隔制御機器により制御可能となるようなものである。該ペアリングは、1または複数の照明機器が1つの集団として、遠隔制御機器により制御可能となるようなものであってよい。
【0109】
任意で、電磁放射信号で送信される追加用コードは、照明機器がネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる度に同じである。この点からすると、各照明機器をネットワークに追加するのに、同じ追加用コードが使われてもよい。これにより、次々に、比較的早く簡単な方法で、複数の照明機器が、ネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされることができる。この点からすると、(第2の追加用コードの)入力装置は、第2の追加用コードが初めて入力された後に、後続の照明機器がネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる度に、(第2の追加用コードと)同じ追加用コードが自動で使われるように構成されていてもよい。第2の追加用コード生成装置は、照明機器がネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる度に、同じ第2の追加用コードを生成するように構成されていてもよい。
【0110】
これは、照明機器が、例え最終的には一緒にグループ化されるとしても(以下参照)、各照明機器が個々に選択され、ペアリングされる点で、有利かもしれない。
【0111】
任意で、該ペアリングは、遠隔制御機器の表示画面上のグラフィック表示の選択が、遠隔制御機器からの制御命令を受信する照明機器を選択することであるように、遠隔制御機器の表示画面上のグラフィック表示を照明機器とペアリングすることを含む。制御命令は、遠隔制御機器から照明機器に、ネットワーク全体及び/または、例えば、Wi-Fiルータ、ネットワーク制御機器などの1または複数の仲介機器を経由して送信されてもよいことが理解されるだろう。
【0112】
グラフィック表示は、例えば、写真、文字、数字等を含む表示アイコンなど任意の適する種類のものであってもよい。
【0113】
任意で、上記または各グラフィック表示は、遠隔制御機器の表示画面上で、上記または各照明機器の物理的位置に対応するように、動かされてもよい。該表示画面は、電子表示画面、タッチスクリーン等を含むスクリーンを含む、任意の適する表示画面でもよい。
【0114】
任意で、グラフィック表示は、集団にグループ化可能であり、一つの集団を選択すると、該集団内のグラフィック表示とペアリングされている、すべての照明機器が選択され、その結果、遠隔制御機器からの同じ制御命令を受信するようになる。
【0115】
任意で、各照明機器は、視覚的表示を以下の時に提供する。すなわち、
・追加用コードを含む電磁放射信号を受信した時、
・その感知器が指向性電磁放射ビームを受信した時、
・ネットワークに加入しようと試みている時、及び/または
・遠隔制御機器とペアリングされた時、
である。
【0116】
視覚的表示は、光の点滅、光の色の変化、光の入/切、照明ユニットの動き、等のような表示灯を介したものを含む、任意の適する種類のものでもよい。
【0117】
上記または各照明機器は、例えば、ダウンライト、スポットライト、埋め込み、トラックマウント、モノポイント、等の任意の適する種類の照明機器でもよい。照明機器は、他の照明機器との組み合わせにより、例えば、特定の照明効果や場面を提供する為に、例えば、部屋などの屋内空間または屋外空間を含む空間に、光を提供するためのものであってもよい。
【0118】
上記または各照明機器は、使用者、例えば、照明機器のある空間の床や地面(空間が屋外の場合)にいる使用者がアクセス不可能であってもよい。この点からすると、上記または各照明機器は、照明機器のある空間の床や地面に立っている人からは、高すぎて手の届かない高さに位置していてもよい。例えば、上記または各照明機器は、部屋の天井、部屋の壁の高いところ、または屋外の高いところに吊るされていてもよい。
【0119】
任意で、1または複数の照明機器の特性は、遠隔制御機器により制御可能である。
【0120】
例えば、少なくとも1つの以下特徴は、遠隔制御機器によって操作可能である。すなわち、
(i) 照明機器の向き、
(ii) 照明機器の並進位置、
(iii)照明機器の明るさ、
(iv) 照明機器から発せられる光の色、
(v) 照明機器から発せられる光の色温度、
(vi) 照明機器からの光のビーム幅、
(vii)照明機器の入/切状態、
である。
【0121】
上記または各照明機器は、1または複数の制御可能なランプと、該ランプを動かすよう構成されている1または複数のアクチュエータとを有してもよい。該または各ランプは、例えば、LED、白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプを含む、任意の適する種類のものであってもよい。
【0122】
上記または各照明機器は、ランプを制御する制御ユニット、アクチュエータ、及び/またはネットワークアダプタを含んでいてもよい。該制御ユニットは、マイクロプロセッサを含んでいてもよく、該マイクロプロセッサはメモリを含んでいてもよい。
【0123】
本発明の第2の側面では、ネットワーク内での照明機器の制御方法が提供されていて、該方法は以下を含む。
(a)照明機器をネットワークに追加し、且つ該照明機器を遠隔制御機器と本発明の第1の側面の方法でペアリングする。
(b)照明機器を遠隔制御機器で制御する。
【0124】
ネットワーク内でペアリングされる上記または各照明機器は、加えて、第2の遠隔制御機器によって制御されてもよい。第2の遠隔制御機器は、すべてのペアリングされる照明機器を一緒に制御することができる。第2の遠隔制御機器は、第1の遠隔制御機器からの制御命令を上書きする制御命令を介して、ペアリングされる照明機器を制御してもよい。
【0125】
第2の遠隔制御機器は、例えば、Digital Addressable Lighting Interface(DALI(登録商標))として知られるインターフェイス、DMXインターフェイス(例えば、DMX512インターフェイス)、またはその他の任意の適するインターフェイスを介して、制御信号を照明機器に送信してもよい。第2の遠隔制御機器は、ネットワーク上のすべての照明機器の特定の設定を保存し、且つ、該設定を採用するよう呼び出して照明機器に命令するように構成されていてもよい。
【0126】
この構成を用いて、使用者は、第1の遠隔制御機器を使って、各照明機器を個々に(例えば、チルト角、パン角、明るさなどについて)制御し、且つ、第2の遠隔制御機器を使って、ネットワーク上のすべての照明機器を一緒に、同じように、制御することができる。
【0127】
第1の遠隔制御機器は、例えば、照明デザイナーによって、所望の全体的な照明モードを生み出すのに使われてもよい。第2の遠隔制御機器は、例えば、イベント中にスタッフによって、照明ユニットを一緒に調整したり、例えば、すべての照明ユニットの明るさを一緒に調整したり、例えば、以前に記録した設定や場面に設定するのに使われてもよい。
【0128】
本発明の第3の側面では、空間を照らす為の照明システムが提供され、該照明システムは、遠隔制御機器と照明機器のネットワークとを含み、本発明の第1の側面の方法によって、少なくとも1つの照明機器がネットワークに追加され、且つ、遠隔制御機器とペアリングされていることを特徴とする。
【0129】
任意で、該ネットワークは、本発明の第1の側面の方法によって、ネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされている複数の照明機器を含む。
【0130】
本発明の第4の側面では、空間を照らす為の照明システムが提供され、該照明システムは、
ネットワークと、
ネットワーク制御機器と、
遠隔制御機器と、
追加用コード送出装置であって、電磁放射信号を使って、追加用コードを1または複数の照明機器に送信するよう構成されているものと、
指向性ビーム送出装置であって、指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に向けることによって、ネットワークに追加し、遠隔制御機器とペアリングする照明機器を選択するよう構成されているものと、
照明機器であって、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードを受信するよう構成されているものと
を含み、
ネットワーク制御機器及び照明機器は、照明機器による、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信への応答として、受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであれば、照明機器をネットワークに追加するように構成され、
且つ、ネットワーク制御機器及び照明機器は、追加する機器がネットワーク上で、遠隔制御機器によって制御可能になるように、追加する機器を遠隔制御機器とペアリングするように構成されることを特徴とする。
【0131】
照明システムは、複数の上記照明機器を含んでいてよい。該照明システムは、ネットワークの一部ではないが、ネットワークに追加される予定の1または複数の照明機器を含んでもよい。
【0132】
該照明システムは、ネットワークの一部ではないが、ネットワークに追加される予定の複数の照明機器を含んでもよい。
【0133】
該ネットワークは、1または複数の照明機器を含んでもよい。
【0134】
本発明のシステムの特徴、または任意の装置は、本発明の方法における特徴によって実行される機能を実行するように構成されてもよい。
【0135】
例えば、指向性ビーム送出装置及び追加用コード送出装置は、異なるビームを送出するように構成されてもよい。
【0136】
追加用コード送出装置は、追加用コードを含む電磁放射信号が複数の照明機器に送信されるように構成されてもよい。
【0137】
指向性ビーム送出装置は、指向性電磁放射ビームが、1つの照明機器にだけ受信されるのに十分細く構成されてもよい。追加用コード送出装置は、追加用コードを含む電磁放射信号が1より多くの照明機器に受信されるのに十分広いビームであるように構成されてもよい。
【0138】
指向性ビーム送出装置は、追加用コードが指向性電磁放射ビームによって送信されるように構成されてもよい。この場合、追加用コード送出装置及び指向性ビーム送出装置は、同じ装置、例えば、使用者操作の遠隔選択機器によって形成されてもよい。
【0139】
照明システムは、追加用コードを生成するように構成されている追加用コード生成装置を含んでもよい。
【0140】
ネットワーク制御機器は、第2の追加用コードを受信し、ネットワークへの接続コードを第2の追加用コードまたは関連する追加用コードに設定するよう構成されてもよい。
【0141】
照明システムは、第2の追加用コードを受信して第2の追加用コードをネットワーク制御機器に送信するよう構成されている、入力装置を含んでもよい。
【0142】
照明システムは、第1の追加用コードを読み取り可能な形で表示するよう構成されている、1つの表示機器を含んでもよい。
【0143】
照明システムは、第2の追加用コードを生成するよう構成されている第2の追加用コード生成装置を含んでもよく、該第2の追加用コード生成装置は、第2の追加用コードをランダムに生成するよう構成されてよい。
【0144】
第2の追加用コード生成装置は、第2の追加用コードを追加用コード送出装置に送信するように構成されてもよい。この場合、該追加用コード送出装置は、受信される第2の追加用コードが、第1の追加用コードとして、電磁放射信号を使って、1または複数の照明機器に送信されるよう構成されてもよい。
【0145】
ネットワーク制御機器は、ネットワークアドレスを、追加される機器に割り当てるよう構成されてもよい。
【0146】
任意で、ネットワーク制御機器は、追加及びペアリング過程を繰り返して、複数の照明機器をネットワークに追加し且つ各照明機器がネットワーク上で遠隔操作機器によって制御可能なように照明機器を遠隔制御機器とペアリングする、ように構成されてもよい。
【0147】
追加用コード送出装置は、照明機器がネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる度に、同じ追加用コードを送出するように、構成されていてもよい。
【0148】
任意で、遠隔制御機器は表示画面を含み、且つ、ネットワーク制御機器は、表示画面上のグラフィック表示を選択することにより遠隔制御機器からの制御命令を受信する照明機器を選択するように表示画面上のグラフィック表示を追加される機器とペアリングするよう構成されている。
【0149】
任意で、遠隔制御機器は、上記または各グラフィック表示が表示画面上を動かされて、ネットワークに追加された該または各照明機器の物理的位置と対応するように、構成されている。
【0150】
任意で、グラフィック表示は、集団を選択すると、集団内でグラフィック表示とペアリングされているすべての照明機器が遠隔制御機器からの同じ制御命令を受信するように選択されるような集団にグループ化可能である。
【0151】
任意で、照明システムは、第2の遠隔制御機器を含み、第2の遠隔制御機器は、上記または各照明機器をネットワーク上で制御するように構成されている。第2の遠隔制御機器は、ネットワーク上のすべての照明機器を一緒に制御するよう構成されていてもよい。
【0152】
本発明の第5の側面では、ネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる照明機器が提供され、該照明機器は、
感知器であって、指向性電磁放射ビームを受信するよう構成されているものと、
受信機であって、追加用コードを含む電磁放射信号を受信するよう構成されているものと、を含み、
該照明機器は、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信の応答として、受信される追加用コードがネットワークへの接続コードならば、ネットワークに加入可能であるように構成され、
且つ、該照明機器は、自らが追加されたネットワーク上で遠隔制御機器によって制御可能なように構成されていることを特徴とする。
【0153】
本発明の実施形態では、照明機器は、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信への応答として、受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであれば、ネットワークに追加されるように構成されている。本発明の実施形態では、照明機器は、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信への応答として、もし受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであれば、ネットワークに追加される追加モードに入るように構成されている。
【0154】
追加用コードを含む電磁放射信号は、指向性電磁放射ビームとは異なる信号であってもよい。この点からすると、感知器は受信機でなくてもよい、すなわち、感知器と受信機とは異なる実体であってもよい。あるいは、追加用コードを含む電磁放射信号は、指向性電磁放射ビームであってもよい。この点からすると、感知器は受信機であってもよく、すなわち、感知器は、指向性電磁放射ビーム及び追加用コードを両方受信する。
【0155】
本発明の第6の側面では、遠隔選択機器が提供され、
指向性ビーム送出装置であって、ネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる照明機器を選択する指向性電磁放射ビームを送出するように構成されているものと、
追加用コード送出装置であって、ネットワーク追加用コードを含む電磁放射信号を1または複数の照明機器に送出するように構成されているものと、
を含む。
【0156】
追加用コードを含む電磁放射信号は、指向性電磁放射ビームとは異なる信号であってもよい。この点からすると、指向性ビーム送出装置は、追加用コード送出装置でなくてもよい、すなわち、指向性ビーム送出装置と追加用コード送出装置とは異なる実体であってもよい。あるいは、追加用コードを含む電磁放射信号は、指向性電磁放射ビームと同じであってもよい。この場合、指向性ビーム送出装置は、追加用コード送出装置であってもよい。
【0157】
任意で、遠隔選択機器は、追加用コード生成装置を含む。追加用コード生成装置は、ランダムな追加用コードを生成するよう構成されていてもよい。
【0158】
本発明の第7の側面では、部品キットが提供され、
ネットワーク制御機器と、
追加用コード送出装置であって、電磁放射信号を使って、1または複数の照明機器に追加用コードを送るよう構成されているものと、
指向性ビーム送出装置であって、指向性電磁放射ビームを照明機器の感知器に送ることによって、ネットワークに追加され、遠隔制御機器とペアリングされる照明機器を選択するように構成されているものと、
照明機器であって、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードを受信するように構成されているものと、
を含み、
上記ネットワーク制御機器及び照明機器は、照明機器による、指向性電磁放射ビーム及び電磁放射信号からの追加用コードの受信の応答として、もし受信される追加用コードがネットワーク接続コードならば、照明機器をネットワークに追加し、
且つ、追加される機器をネットワーク上で遠隔制御機器によって制御可能なように、追加される機器を遠隔制御機器とペアリングする、
ように構成される。
【0159】
任意で、部品キットは、遠隔制御機器を含む。
【0160】
部品キットは、ネットワークを含んでもよい。部品キットは、ネットワークを形成する為のネットワーク構成要素を含んでもよい。
【0161】
本発明の第8の側面では、コンピュータプログラムが提供され、該プログラムがコンピュータによって実行される時、コンピュータに以下のステップを実行させる命令を含む。すなわち、
(a)ネットワークへの追加用コードを受信または生成し、
(b)照明機器のネットワークへの接続コードの基準を提供するために、追加用コードをネットワーク制御機器に送信し、
(c)照明機器がネットワークに追加されたとのデータを受信し、
(d)表示画面上のグラフィック表示を選択すると制御命令の受信をする照明機器を選択するように、追加される照明機器を表示画面上のグラフィック表示とペアリングする。
【0162】
ステップ(b)では、ネットワークへの接続コードは、追加用コードまたは関連する追加用コードであってもよい。
【0163】
コンピュータプログラム製品は、照明機器がネットワークに接続される度に、同じ追加用コードをネットワーク制御機器に送信するよう構成されていてもよい。
【0164】
遠隔制御機器は、コンピュータプログラム製品とともに提供されてもよい。遠隔制御機器は、コンピュータプログラム製品により動作してもよい。遠隔制御機器は、プログラムを実行するよう構成されたコンピュータを含んでもよい。
【0165】
ステップ(c)は、ネットワークに追加された照明機器のネットワークアドレスの受信及び記録を含んでもよい。
【0166】
本発明の第9の側面では、ネットワーク制御機器が提供され、
照明機器による、照明機器によって受信される電磁放射信号の第1の追加用コード及び指向性電磁放射ビームの受信への応答として、ネットワークに加入しようと試みる照明機器からの第1の追加用コードを受信し、
ネットワーク接続コードを設定し、
第1の追加用コードがネットワーク接続コードならば、照明機器のネットワークへの追加を許可し、
追加される機器をネットワーク上で遠隔制御機器によって制御可能なように、追加される機器を遠隔制御機器とペアリングする、
ように構成される。
【0167】
ネットワーク制御機器は、第2の追加用コードを受信し、ネットワークへの接続コードを第2の追加用コードに基づいて設定するように構成されていてもよい。この点からすると、ネットワークに設定される接続コードは、第2の追加用コードまたは関連する追加用コードであってもよい。
【0168】
ネットワーク制御機器は、遠隔制御機器からの第2の追加用コードを受信するように構成されていてもよい。
【0169】
ネットワーク制御機器は、同じ第2の追加用コードを、照明機器がネットワークに接続される度に、受信するように構成されていてもよい。
【0170】
当業者は、ネットワークが、機器が通信できる媒体により接続されている2またはそれ以上の機器を含むことを難なく理解するだろう。無線ネットワークの場合、媒体は、無線信号の送信に使われる割り当てられた周波数スペクトル(例えば振り分けられた無線周波数スペクトル)を含んでもよい。有線ネットワークの場合、媒体は電気ケーブルを含んでもよい。
【0171】
当業者は、ネットワーク上の機器間の通信が、通常、通信プロトコルによって可能になることも難なく理解するだろう。通信プロトコルは、ネットワークに追加される機器間で、ネットワークを介して、送信されうるメッセージの形式を規定する。従って、機器をネットワークに追加する方法は、通常、機器がネットワークの通信プロトコルに適合するように構成することを含む。
【0172】
当業者は、機器がネットワークに追加される時、既にネットワークに追加された他の機器と通信する為に、追加される機器の能力に変化があることを難なく理解するだろう。当業者は、機器がネットワーク上の他の機器と通信する能力における実質的な変化をもたらさない機器の状態の変化は、その機器がネットワークに「追加された」ことにはならないことを理解するだろう。この点からすると、当業者は、既にネットワーク上にある1またはそれ以上の他の機器との単なるグループ化は、その機器の「ネットワーク」への追加とはならないことを難なく理解するだろう。
【0173】
本発明の上記した任意の側面の特徴は、本発明のその他の任意の側面の1または複数の特徴と、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。例えば、本発明に係る装置は、本発明に係る方法の参照とともに説明された任意の特徴を組み込むことができ、逆もまた同様である。
【0174】
本発明の他の好ましく有利な特徴は、以下の説明によって明らかになるだろう。
【0175】
次に、本発明の具体的な実施形態について、例示を兼ねて、説明及び図を参照しながら、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0176】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明システムの概略図である。
図2図1に示した照明システムの遠隔選択機器の平面図である。
図3図2に示した遠隔選択機器の概略図である。
図4】第1の実施形態に係る照明システムの照明機器を選択する為に、使用者が遠隔選択機器を操作している側面図である。
図5】第1の実施形態に係る照明システムの照明機器の概略図である。
図6】第1の実施形態に係る照明システムの照明機器のネットワークアダプタの概略図である。
図7】第1の実施形態に係る照明システムの照明機器の、遠隔選択機器からのレーザー光によって選択されている状態を示す透視図である。
図8】第1の実施形態に係る照明システムの遠隔制御機器の正面図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る照明システムでの、照明機器をネットワークに追加し、照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法のデータフロー図(「ラダー図」としても知られる)である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る図3に相当する図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る図5に相当する図である。
図12】第2の実施形態に係る照明システムでの、照明機器をネットワークに追加し、照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法のデータフロー図(「ラダー図」としても知られる)である。
図13】第3の実施形態に係る照明システムでの、照明機器をネットワークに追加し、照明機器を遠隔制御機器とペアリングする方法のデータフロー図(「ラダー図」としても知られる)である。
図14】本発明の第3の実施形態に係る照明システムの遠隔制御機器の概略図である(追加用コード生成装置のみ示し、遠隔制御機器のその他の機能はわかりやすくする為に省略されている)。
図15】本発明の第3の実施形態に係る図3に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0177】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明システムの概略図を示す。
【0178】
照明システム1は、複数の照明機器3の無線メッシュネットワーク2(より詳しくは以下で説明する)を含む。照明システム1は、空間を、1または複数の、ネットワーク2に接続される照明機器3でもって照らす。ネットワークに接続される照明機器3は、個々に選択可能且つ制御可能(集団での制御も可能)であり、望まれたすべての照明設定を提供する。例えば、該システムは、ファンクションルーム、ダイニングエリア、アートギャラリー、屋外スペースなどのユーザースペースに制御可能な照明を提供する為に使われることができる。
【0179】
本実施形態において、ネットワーク2は、10個の照明機器3(わかりやすくするために、図1では照明ユニット3の一部のみが「3」とラベリングされていることがわかる)を含む。しかしながら、ネットワーク2内の照明機器3の数は、異なってもよい(そして実は、以下の方法は、更なる照明機器3’のネットワーク2への追加に関連する)ことが理解されるだろう。
【0180】
照明機器3のネットワーク2は、ネットワーク制御機器5(以下で説明する)を介して、遠隔制御機器7に接続されている。遠隔制御機器7は、使用者が操作し、且つ持ち運びできる。この点からすると、遠隔制御機器7は、異なる場所に移動可能である。遠隔制御機器7は、手に収まる。この点からすると、遠隔制御機器7は、手に収まる大きさ且つ重さである。本実施形態では、遠隔制御機器7は、スマートタブレット(例えばi-Padや他のスマートタブレット)である。遠隔制御機器7は、例えば電話(例えばスマートフォン)、スマートタブレット、ラップトップまたはデスクトップコンピュータを含む、任意の適する種類のものでもよい。
【0181】
ネットワーク2の各照明機器3は、遠隔制御機器7によって、個々にまたは集団でも(以下参照)、ネットワーク2上で、制御可能なように、遠隔制御機器7とペアリングされる。照明機器3’をネットワーク2に追加し、遠隔制御機器7とペアリングして、ネットワーク2上で遠隔制御機器7によって制御可能なようにする方法、そして照明システム1の関連する特徴について以下で説明する。
【0182】
図1乃至5では、照明システム1は、移動可能な手に収まる遠隔選択機器4を含む。この点からすると、遠隔選択機器4は、手で簡単に運べるような大きさである。
【0183】
遠隔選択機器4は、赤外線ビーム送出装置8(図2及び図3参照)を含む。赤外線ビーム送出装置8は、赤外線ダイオードとドライバを含む。赤外線ビーム送出装置8は、第1の追加用コード(以下で詳述する)で符号化される赤外線ビーム31を送出するように構成されている。
【0184】
遠隔選択機器4は、レーザービーム送出装置9も含む。レーザービーム送出装置9は、レーザーダイオードとドライバを含む。レーザービーム送出装置9は、可視光のレーザービーム30を送出するように構成されている。
【0185】
レーザービーム送出装置9は、比較的細い指向性レーザービーム30を送出するように構成されている。レーザービーム30は、特定の場所に向けられる点において指向性を有する。
【0186】
レーザービーム30は、単一の照明機器3’のレーザービーム感知器20(以下参照)がレーザービーム30を受信しても、他の照明機器3’のレーザービーム感知器20がレーザービーム30を受信することはない程度に細い。このことにより、使用者100は、正確に、ネットワーク2に追加され、遠隔制御機器7とペアリングされる1つの照明機器3’を選択できる。対照的に、上述したように、追加用コードを含む赤外線ビーム31は、比較的広い。この点からすると、それは、1つより多くの照明機器3’の感知器21がそれを受信してペアリングされる程度に広い。
【0187】
レーザービーム30は、通常のレーザーポインターのレーザービームとは異なるように変調され、その結果、通常のレーザーポインター等によってペアリング過程が引き起こされないようにしてもよい。
【0188】
赤外線ビーム送出装置8とレーザービーム送出装置9はそれぞれ、マイクロコントローラの形態をしているプロセッサ10のそれぞれの出力に接続されており、プロセッサ10は、第1のキーパッド11から受信する制御入力に依存して、赤外線ビーム送出装置8とレーザービーム送出装置9を制御するように構成されている。
【0189】
遠隔選択機器4は、また、プロセッサ10(マイクロコントローラ)の更なる出力に接続されている液晶画面(LCD)16を含む。
【0190】
プロセッサ10は、参照番号13の箱で概略的に示されている、電池供給及び電源管理回路に接続されている。電池供給及び電源管理回路は、適切に、遠隔選択機器4の様々な部品に接続されていると理解されるだろうが、明確化のため示されていない。
【0191】
プロセッサ10の第1の入力は、第1のキーパッド11に接続されていて、プロセッサ10の第2の入力は、第2のキーパッド12に接続されている。第2のキーパッド12は、照明機器のネットワークへの追加には関連しない遠隔選択機器4の第2の機能に関係する。
【0192】
第1のキーパッド11は、赤外線ビーム送出装置8の入/切をする為の使用者が操作可能なボタン14と、レーザービーム送出装置9の入/切をする為の使用者が操作可能なボタン15と、を含む。
【0193】
プロセッサ10は、(レーザービーム送出装置8、赤外線ビーム送出装置9、及びLCD16の)制御機能に加えて、第1の追加用コードを生成するように構成されている。本実施形態においては、第1の追加用コードは、8桁の英数字コードである。プロセッサ10は、乱数生成機を用いて、第1の追加用コードをランダムに生成するよう構成されている。
【0194】
第1の追加用コードは、例えば、数字、英数字、または絵文字(例えばQRコード)を1または複数個含む、任意の適する種類のものであってもよい。
【0195】
プロセッサ10は、第1の追加用コードが赤外線ビーム31中で、赤外線ビーム31の変調によって符号化されるように、赤外線ビーム送出装置8を制御する。ボタン14が押された時、追加用コードが生成され、符号化される追加用コードとともに赤外線ビーム31が送出される。
【0196】
プロセッサ10は、また、第1の追加用コードをLCD表示画面16に伝達し、LCD表示画面16は、第1の追加用コードを読み取り可能な形で表示する。
【0197】
照明システム1は、無線ネットワーク2に追加され、遠隔制御機器7とペアリングされる予定の、複数の照明機器3’(図1参照)をも含む。本実施形態においては、3個の照明機器3’(ネットワーク2に追加され、遠隔制御機器7とペアリングされる予定)を示す。しかしながら、照明システム1は、ネットワーク2に追加され、遠隔制御機器7とペアリングされる、異なる数の照明機器3’を含んでもよい。この点からすると、照明システム1は、1または複数の照明機器3’を含んでもよい。好ましくは、照明システム1は、複数の照明機器3’を含む。
【0198】
各照明機器3、照明機器3’(すなわち、ネットワーク2の各照明機器3と、ネットワーク2に追加され且つ遠隔制御機器7とペアリングされる予定の各照明機器3’)は類似、または同じなので、以下の説明は、照明機器3、照明機器3’のそれぞれに適用される。
【0199】
図5乃至図7においては、各照明機器3、照明機器3’は、ランプ41を含む。本実施形態においては、ランプは、トラックマウントLED41の形態をしている。
【0200】
各照明機器3、照明機器3’は、(天井に取り付けられているトラックを介して)部屋の天井に取り付けられている。照明機器3、照明機器3’は、部屋に照明を供給するように構成されている。
【0201】
各照明機器3、照明機器3’は、照明機器3、照明機器3’が存在する部屋の床にいる使用者100からはアクセス不可能である。この点からすると、各照明機器3、照明機器3’は、使用者100の手が届くには高過ぎるところに位置している。
【0202】
照明ユニットは、任意の適する種類のものでもよいことが理解されるだろう。例えば、天井や壁、またはスタンドの上に取り付けられていてもよく、アップライトまたはダウンライト、スポットライト、またはモノポイントでもよい。照明機器は、1または複数のLED、白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、などを含む任意の適する種類の光源を有していてもよい。
【0203】
ランプ41は、照明機器3、照明機器3’の本体43に取り付けられているランプハウジング42(図7参照)の中に回転可能に取り付けられており、ランプハウジング42は、ランプハウジング42(とランプ41)が本体43に対して回転することで、ランプ41のチルト角を制御することができる。レンズ50は、ランプLED41から送出される光を集光する為に、ランプ41の前に取り付けられる。
【0204】
本体43は、トラック44が取り付けられている天井に、(回転可能なトラックコネクタ45を介して)回転可能に取り付けられており、本体43(とランプ41)がトラック44に対して回転することで、ランプ41のパン角を制御することができる。
【0205】
各照明機器3、照明機器3’は、レーザービーム30を感知する為に、フォトダイオード形式の、レーザービーム感知器20を含む。各照明機器3、照明機器3’は、また、赤外線ビーム31を受信する為に、受信機21を含む。
【0206】
レーザービーム感知器20及び赤外線ビーム感知器21は、それぞれが、マイクロコントローラであるメインプロセッサ22のそれぞれの入力に接続されている。
【0207】
レーザービーム感知器20及び赤外線ビーム感知器21は、本体43の下側の、窓46の後ろに取り付けられている。窓は、レーザービーム30及び赤外線ビーム31が通り抜けてそれぞれ感知器20及び受信機21にたどり着くように、レーザービーム30及び赤外線ビーム31には透明である。
【0208】
インディケータLED配列85もまた、窓46の後ろに取り付けられている。
【0209】
各照明機器3、照明機器3’は、さらにネットワークアダプタ23(図5及び図6参照)を含む。ネットワークアダプタ23は、各照明機器3(ネットワーク2の一部である時)及びネットワーク制御機器5(下記参照)に、2方向のRF通信を提供する為に、無線周波(RF)受信機24及び送信機25を含む。
【0210】
レーザービーム感知器20、赤外線ビーム受信機21、ネットワークアダプタ23、及びLED85は、1つのプリント基板27として形成されている。
【0211】
メインプロセッサ22の出力は、モータ駆動回路28を介して、チルトモータ29及びパンモータ33に接続されており、チルトモータ29及びパンモータ33の動作は、メインプロセッサ22によって制御可能である。チルトモータ29及びパンモータ33は、チルト機構48及びパン機構36にそれぞれ接続されており、照明機器3、照明機器3’のランプ41のパン及びチルトを制御する。
【0212】
ランプLED41は、LEDドライバ37を介して、メインプロセッサ22の出力に接続されている。
【0213】
チルト位置感知器35及びパン位置感知器34は、照明機器3、照明機器3’のチルト位置及びパン位置を検知し、これをメインプロセッサ22へのそれぞれの入力として提供するように構成されている。メインプロセッサ22は、感知器35、34に感知されるチルト位置及びパン位置と、照明機器3のネットワーク制御機器5及びネットワークアダプタ23を介して遠隔制御機器7から受信される制御命令とに依存して、モータ29、モータ33を制御する。
【0214】
プロセッサ22は、また、制御命令に依存して、ランプ41に供給される電力を制御して、ランプ41の明るさを調節するように構成されている。
【0215】
主電源コネクタ40は、照明機器3、照明機器3’の構成要素を主電源に接続する。照明ユニット3、照明ユニット3’の種々の構成要素を主電源コネクタ40に接続する電気配線は、明確化の為に、図5からは省略されていることが理解されるだろう。
【0216】
図1に戻ると、ネットワーク制御機器5は、プロセッサ51を含む。プロセッサ51の出力は、ボーダルータ52に接続されている。ボーダルータ52は、各照明機器3、照明機器3’のネットワークアダプタ23の受信機24及び送信機25と、直接(例えば、もし照明機器3’がネットワーク2上にない場合)またはメッシュネットワーク2を介して(例えば照明機器3がネットワーク上にある場合)、2方向のRF通信70を提供するように構成されている。
【0217】
本実施形態では、RF通信70は、2.4GHzのRF信号である。しかしながら、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)などを含む、任意の適する周波数及び任意の適する種類の電磁放射信号を無線メッシュネットワークに使ってもよいことが理解されるだろう。
【0218】
ボーダルータ52は、無線メッシュネットワーク2を制御し且つ管理するように構成されている。それはまた、ネットワークの安全性を制御するように、特に、照明機器3’のネットワークへの許可と追加を制御するように構成されている(以下にさらに詳述する)。
【0219】
インディケータ及びボタン配列81は、ネットワーク制御機器5の操作及びステータス情報表示の為に、プロセッサ51の入力に接続されている。
【0220】
ネットワーク2は、また、メッシュネットワーク2に配置されるリーダルータを含む、複数のルータを含み、メッシュネットワーク2全体の通信を提供する。メッシュネットワークにおけるルータのこのような配置についてはよく知られているので、これ以上の詳細な説明をしない。
【0221】
照明システム1は、また、Wi-Fiルータ6を含む。遠隔制御機器7は、Wi-Fi信号71によってWi-Fiルータ6に接続され、Wi-Fiルータ6は、有線イーサネット接続72によってネットワーク制御機器5のプロセッサ51に接続される。Power Over Ethernet(POE)電源80は、電力をWi-Fiルータ6に供給し、そしてWi-Fiルータ6から、有線イーサネット接続72を介して、ネットワーク制御機器5のプロセッサ51へ供給し、その結果、ネットワーク制御機器5に電力を供給する。
【0222】
本実施形態では、メッシュネットワーク2は、「Thread」ネットワークとして知られる種類のもので、Silicon Lab社により提供され、「Thread」プロトコルとして知られるプロトコルを使う。「Thread」プロトコルや「Thread」ネットワークの詳細は、当業者には知られているだろう。例えば、その詳細は、
https://www.silabs.com/documents/public/user-guides/ug103-11-fundamentals-thread.pdfに提供されている。ネットワーク制御機器5は、「Thread Mediator」であり、ネットワークアダプタ23は、「Thread Module」である。遠隔制御機器7は、外部コミッショニング機器として動作する。
【0223】
ボーダルータ52は、照明機器3’が、遠隔制御機器7に入力される第2の追加用コードを介して使用者によって設定されるネットワーク2への接続コードを提供するときのみ、照明機器3’がネットワーク2に追加されるのを許可するように、構成されている(以下でさらに詳述する)。
【0224】
図8を参照すると、遠隔制御機器7は、タッチスクリーン表示画面60の形態をしている、ユーザインタフェースを含む。遠隔制御機器7は、適切に構成されているコンピュータプログラムによって動作する。
【0225】
照明機器3’をネットワーク2に追加し、且つ照明機器3’を遠隔制御機器7とペアリングし、その結果、ネットワーク上で遠隔制御機器7によって照明機器3’を制御可能なようにする方法について、以下で説明する。
【0226】
使用者100が遠隔選択機器4上のボタン14を押すと、遠隔選択機器4は、ランダムな8桁の英数字コード形式の第1の追加用コードを生成し、第1の追加用コードをLCD16に表示する。
【0227】
第1の追加用コードの生成の開始は、赤外線ビーム送出装置8による、第1の追加用コードを含む赤外線(IR)ビーム31の連続送信を引き起こす(ステップ1001―図9参照)。これは、一定時間が経つ(例えば60秒)または使用者100がボタン14を再度押す、のどちらかが先に起こるまで続く。比較的広いIRビーム31の広さ故に、それは、複数の照明機器3’(すなわち、いまだネットワーク2の一部ではない照明機器3’)に送信される。本実施形態では、赤外線ビームが広く、3つ(そのうちの2つを図4に示す)の照明機器3’に送信されるのに十分である。しかしながら、それは、異なる数の機器3’に送られるに十分な広さであってもよい。
【0228】
各照明機器3’の赤外線受信機21は、赤外線ビーム31を受信し、照明機器3’のマイクロコントローラ22は、赤外線ビーム31に含まれる第1の追加用コードを読み取る。第1の追加用コードは、マイクロコントローラ22のメモリに保存される。それから、各照明機器3’のインディケータLED配列85は、白く点滅し、照明機器3が第1の追加用コードを受信したことを表示する。
【0229】
赤外線ビーム31が照明機器3’に送信される間に、使用者100は、(遠隔選択機器4の)レーザービーム30を(ボタン15を押すことによって)入にし、ネットワーク2に追加され、ペアリングされるよう選択される、(IRビーム31を受信している)照明機器3’のうちの1つのレーザービーム感知器20に、レーザービーム30を向ける(ステップ1002)。レーザービーム30及び赤外線ビーム31に含まれる追加用コードの受信により、照明機器3’を追加モードに入れる(ステップ1003)。この段階では、LED配列85は、赤に変わる。
【0230】
この点からすると、照明機器3’は、レーザービーム30またはIRビーム31からの追加用コードを受信しなかったら、非追加モードにある(以下に述べるネットワークモードにない限り)。非追加モードでは、照明機器3’は、ネットワーク2に加入しようと試みない。
【0231】
従って、レーザービーム30によって選択されなかった照明機器3’は、第1の追加用コードを含む赤外線ビーム31を受信したとしても、非追加モードにある。
【0232】
ステップ1001、ステップ1002は、図9では別々に示されているが、実際には同時に起こることが理解されるだろう。
【0233】
本実施形態では、選択される機器3’が第1の追加用コードを含む赤外線ビーム30を受信している間に、選択される照明機器3’によるレーザービーム30の受信が、選択される照明機器3’を追加モード1003に入れる。
【0234】
あるいは、照明機器3’は、レーザービーム30及び赤外線ビーム31を異なる時に受信することによって追加モード1003に入れられてもよい(レーザービーム30及びレーザービーム31の両方の受信が、照明機器3’を追加モードに入れるために必要であるけれども)。例えば、照明機器3’は、レーザービーム30の前または後に赤外線ビーム31を受信する場合、追加モードに置かれてもよい。しかしながら、この場合に、任意で、照明機器は、赤外線ビーム31及びレーザービーム30が相互に一定時間内に受信される場合、または、異なる照明機器がネットワーク2に追加されるなどのキャンセルイベントが起こる前にのみ、追加モードに入るようにしてもよい。
【0235】
追加モードでは、選択される照明機器3’は、加入できるネットワークをスキャンし(ステップ1004)、ひとたびネットワーク2を検知すれば、以下に詳述するように、赤外線ビーム31から受信した第1の追加用コード(プロセッサのメモリに保存されている)を使って、ネットワーク2に加入するよう試みる。
【0236】
この点からすると、選択される照明機器3’が追加モードにあるとき、プロセッサは「追加モード」信号を(ネットワークアダプタ23の)送信機25に送り、送信機25は、これに応答して、選択される照明機器3’が加入できるネットワークをスキャンする無線信号を一斉送信する(ステップ1004)。
【0237】
この信号は、ネットワーク2のボーダルータ52によって受信され、ボーダルータ52は、これに応答して、ネットワーク2を識別する信号を選択される照明機器3’のネットワークアダプタ23の受信機24に送信し返し(ステップ1005)、該信号は、プロセッサ22に送信される。
【0238】
プロセッサ22は、信号をネットワークアダプタ23の送信機25に送り、送信機25は、(赤外線ビーム31から受信した)第1の追加用コードを用いて、照明機器3’をネットワーク2に追加しようと試みる信号をボーダルータ52に送信し返す。この過程の間、LED配列85は、青/赤に点滅し、照明機器3’がネットワーク2に加入しようと試みていることを表示する。しかしながら、この段階では、ボーダルータ52は非追加モードにあるので、照明機器3’は、いまだネットワーク2に追加されず、従って、ネットワーク2に加入しようと試み続ける。
【0239】
この点からすると、ボーダルータ52は、追加モード及び非追加モードを有するように構成されている。追加モードでは、選択される機器3’(追加モードにある)に受信される追加用コードがネットワーク2への接続コードであれば、ボーダルータ52は、選択される照明機器3’をネットワーク2に追加させる。非追加モードでは、照明機器3’が追加モードにあって、選択される機器3’に受信される追加用コードがネットワークへの接続コードであっても、ボーダルータ52は、選択される機器3’をネットワーク2に追加させない。
【0240】
使用者100は、遠隔制御機器7のタッチスクリーン表示画面60の、「照明を追加」という文字を表示するダイアログボックスを選択する。タッチスクリーンディスプレイ60は、照明機器3’がネットワーク2に追加され、遠隔制御機器7とペアリングされる際に使われる追加用コードの要求を表示する。使用者100は、遠隔選択機器4のLCD表示画面16から第1の追加用コードを読み取り、該第1の追加用コードを遠隔制御機器7のタッチスクリーン表示画面60上に要求通りに入力する。
【0241】
本実施形態では、照明機器3’がレーザービーム30及びIR信号31の追加用コードを受信する後に、第1の追加用コードは、遠隔制御機器7に入力される。あるいは、これは、照明機器3’がレーザービーム30及びIR信号31の追加用コードを受信する前に、または、レーザービーム30及びIR信号31の追加用コードを受信する間に、なされてもよい。
【0242】
遠隔制御機器7に入力される追加用コードは、「第2の」追加用コードと呼ばれるだろう。しかしながら、本実施形態では、第1及び第2の追加用コードは、同じコードであることが理解されるだろう。
【0243】
第2の追加用コードは、1またはそれ以上のネットワーク2への接続コードの基準を提供する。この点からすると、ネットワーク2は、安全なネットワークで、ボーダルータ52は、照明機器3’(または任意の機器)がネットワーク2に加入するのに接続コードを必要とすることを要求する。本実施形態においては、ボーダルータ52は、接続コードを第2の追加用コードまたは関連する追加用コードに設定する。接続コードは、接続コードが第2の追加用コードから導出されるのであれば、第2の追加用コードと「関連」させてもよい。例えば、それは、第2の追加用コードに復号化できる、第2の追加用コードの暗号化されたものであってもよい(またはその逆も同様)。あるいは、1つの接続コードのみがあり、それが第2の追加用コードになってもよい。
【0244】
遠隔制御機器7は、Wi-Fiルータ6を介して、第2の追加用コードをボーダルータ52に送信し(ステップ1006及びステップ1007)、それにより、ボーダルータ52は追加モードに入る。
【0245】
この段階では、選択される照明機器3’は、まだ追加モード(1003)にあるので、受信した第1の追加用コードを用いて、依然としてネットワーク2に加入しようと試みている(ステップ1008)。
【0246】
ボーダルータ52は、(選択される照明機器3’により受信される)第1の追加用コードをネットワーク2の許可可能な接続コード、すなわち、第2の追加用コードと同じかまたは関連するコードと比較する(ステップ1009)。
【0247】
第1の追加用コード(選択される照明機器3’により受信される)が、ネットワーク2への許可可能な接続コードであれば、安全な鍵交換がボーダルータ52と選択される照明機器3’との間で行われ(ステップ1010)、照明機器3’は、ネットワーク2に追加される。第1の追加用コードが、ネットワーク2への許可可能な接続コードでなければ、安全な鍵交換は行われず、選択される照明機器3’は、ネットワーク2に追加されない。
【0248】
IPv6アドレスの形式をしているネットワークアドレスが、ボーダルータ52によって、追加される照明機器3’に振り分けられる、(ステップ1011)。応答として、追加される照明機器3’のインディケータLED配列85が、緑に変わる。
【0249】
遠隔制御機器7は、ネットワーク2に追加された任意の新しい照明機器3を識別する為に、ネットワーク2全体に(ネットワーク制御機器5を介して)尋問信号を送信する(ステップ1012)。応答として、追加される照明機器3’は、そのIPv6アドレスを用いて遠隔制御機器7に返信する(ステップ1013)。
【0250】
遠隔制御機器7は、IPv6アドレスを記録し、表示画面上の特定のアイコン61とペアリングする。照明機器3’のインディケータLED配列85は、白と緑に点滅するように変わり、照明機器3’が遠隔制御機器7と正常にペアリングされたことを表示する。
【0251】
照明機器3’は、ネットワーク2に追加される時、ネットワークモードに入る。照明機器3’がネットワークモードにある時、追加モードに入ることができず、すなわち、レーザービーム30及びIRビーム31からの追加用コードの受信の応答としても、追加モードに入ることができない。これにより、その後、例えば、使用者がネットワーク2に追加される別の照明機器3’を選択しようと試みている時偶然に、ネットワークに追加される照明機器3’がレーザービーム30及びIRビーム31からの追加用コードを受信しても、ネットワーク2に再追加しようとするのを防ぐことができる。
【0252】
照明機器3’がネットワーク2の一部ではない時、照明機器3’は、非ネットワークモードにある。この点からすると、照明機器3’は、ネットワーク2から切り離される時、そのモードがネットワークモードから非ネットワークモードに変わるように構成されている。非ネットワークモードでは、照明機器3は、非追加モードまたは追加モードにあってよい。この点からすると、非ネットワークモードでは、(レーザービーム30及びIRビーム31の受信の応答として)追加モードに入るのでなければ、照明機器は非追加モードにある。
【0253】
ボーダルータ52は、照明機器3’のネットワーク2への追加の応答として、非追加モードに戻る。
【0254】
遠隔制御機器7は、照明機器3’の特性、すなわちパン範囲、チルト範囲、及び照明オプションを取得する。
【0255】
遠隔制御機器7は、ネットワークアドレスをディスプレイアイコン61とペアリングして、ディスプレイアイコン61の選択が、遠隔制御機器7から(ネットワーク制御機器5を介して)制御命令を受信する照明機器3’の選択となるようにする。
【0256】
この点からすると、ネットワーク2上のペアリングされる照明機器3の制御をする為に、使用者100は、照明機器3とペアリングされているディスプレイアイコン61を選択する。タッチスクリーン60は、照明機器3のパン、チルト、及び明るさを制御する為の制御ボタンを表示する。本発明は、パン、チルト、及び明るさを制御することに限定されず、任意の制御可能な照明機器の特性を制御してもよいことが理解されるだろう。使用者100は、これらのディスプレイアイコンを介して、制御命令を入力して、照明機器3’を制御する。
【0257】
制御命令は、Wi-Fiルータ6を介して、遠隔制御機器7からボーダルータ52に送信され、さらにボーダルータ52からネットワーク2を介して、照明機器3間のRF信号によって追加される照明機器3に送信される。
【0258】
照明機器3は、ネットワークアダプタ23の受信機24を介して、制御命令を受信し、これらはプロセッサ22に送信される。プロセッサ22は、制御命令(と照明機器3の現在感知されているチルト角、パン角、及び明るさ)に依存して、パン及びチルトモータ29、33並びにランプ41の明るさを制御する。
【0259】
この方法では、特定のディスプレイアイコン61は、特定の照明機器3’とペアリングされる。上記追加/ペアリングステップが繰り返されて、各照明機器3’を個々に選択し且つネットワーク2に追加し、各照明機器3’を各ディスプレイアイコン61とペアリングし、その結果、各照明機器3’が個々に選択可能且つ遠隔制御機器7によって制御可能なようにする。
【0260】
使用者が視覚的に理解しやすいように、照明配置の設計の時、ディスプレイアイコン61は、タッチスクリーン60上を(例えばドラッグによって)動かされ、それらの位置は、ネットワーク2内の照明機器3の物理的位置と対応する。これをする為に、使用者100は、動かすべきディスプレイアイコン61を選択し、且つ指で押さえる。これにより、ディスプレイアイコン61の「再配置モード」が起動し、使用者100は、アイコン61を所望の位置にドラッグする。
【0261】
ディスプレイアイコン61は、複数の集団にグループ化可能である。図8では、ディスプレイアイコン61は、2つの集団62、63にわかれていて、それぞれが3つと2つのディスプレイアイコン61を含む(明確化の為に、ディスプレイアイコンを5つだけ表示しているが、ネットワーク2内の各照明機器3に対してディスプレイアイコン61があることが理解されるだろう)。しかしながら、任意の適する数及び大きさの集団を使用してもよいことが理解されるだろう。集団62、63の選択は、集団内のすべての照明機器3を選択し、同じ制御命令が集団内の各照明機器3に送られるようにする。これにより、1つの集団の複数の照明機器を同時に制御することができる。
【0262】
上記追加及びペアリングの方法は、指向性レーザービーム30が、ペアリングされる1つの照明機器3’を正確に選択するのに使われる点において、有利である。しかしながら、赤外線ビーム31を介して(選択される機器3’を含む)照明機器3’に第1の追加用コードを送信するのに、操作者の正確さは、赤外線ビーム31が比較的広いビームなので、必要とされない。
【0263】
遠隔選択機器4は、毎回(すなわち、照明機器3’がネットワーク2に追加される度)、同じ第1の追加用コードを送信する選択枝を提供するように構成されていて、遠隔制御機器7は、毎回、同じ第2の追加用コード(第1の追加用コードと同じである)を使う選択枝を使用者に自動的に提供するように構成されている。これにより、後続の照明機器3’を比較的早く簡単にネットワーク2に追加し、ペアリングすることができるので、有利である。
【0264】
ネットワーク制御機器5は、また、プロセッサ51の入力を、RF信号を介して、第2の遠隔制御機器83に接続する、Digital Addressable Lighting Interface(DALI)として知られるインターフェイス82を含む。DMXインターフェイス(例えばDMX512インターフェイス)を含む、任意の適するインターフェイスが使われてもよい。
【0265】
第2の遠隔制御機器83に入力される制御命令は、また、ネットワーク制御機器5を介して、ネットワーク2上の照明機器3に送信される。この点からすると、第2の遠隔制御機器83に入力される制御命令は、ネットワーク2上のすべての照明機器3が制御命令によって同じように制御されるように、すべての照明機器3に送信される。
【0266】
第2の遠隔制御機器82からの制御命令は、(第1の)遠隔制御機器7からの制御命令を上書きする。この点からすると、使用者100は、第1の遠隔制御機器7を使って、各照明機器3を個々に(例えば、チルト角、パン角、明るさなどについて)制御する。しかしながら、第2の遠隔制御機器82は、ネットワーク2上の、すべての照明機器3を一緒に同じように制御する為に使われる。例えば、すべての照明ユニット3は、現在のチルト角、パン角、明るさなどに対応する設定量だけ、一定のチルトまたはパン角が動かされてもよいし、またはそれらの明るさが変化させられてもよい。
【0267】
第1の遠隔制御機器7は、例えば、照明デザイナーによって、所望の全体的な照明モードを作る為に、使われてもよい。第2の遠隔制御機器83は、例えばスタッフによって、イベントの最中に、照明ユニットを一緒に調整する為に、例えば、照明ユニットの明るさを一緒に調整する為に、例えば、以前記録された設定や場面に設定する為に、使われてもよい。この点からすると、第2の遠隔制御機器は、ネットワーク2のすべての照明機器3の特定の設定を保存し、且つ照明機器3がこの構成を採用するよう呼び出して命令するように構成されてもよい。
【0268】
図10及び図11は、本発明の第2の実施形態の照明システムの遠隔選択機器104と、各照明機器103、103’とを示す。図12は、図9に対応しているが、本発明の第2の実施形態の照明システムに対するデータフロー図である。
【0269】
本発明の第2の実施形態による照明システムは、以下に説明する相違点を除いて、本発明の第1の実施形態の照明システム1と同じである。対応する機能には、対応する参照番号が与えられているが、100ずつ増加している。図12では、第1の実施形態(図9)に対応するステップを有しているステップは、対応する参照番号を有しているが、1000ずつ増えている。
【0270】
第2の実施形態では、赤外線ビーム送出装置8は、遠隔選択機器4から省略されており、赤外線ビーム受信機21は、各照明機器103、103’から省略されている。
【0271】
第1の追加用コードは、レーザービーム30によって送信され(ステップ2002)、赤外線ビームにより送信されるのではない。この点からすると、レーザービーム30は、第1の追加用コードを含むように変調されており、各照明機器103、103’のプロセッサ122は、レーザービーム感知器120に受信される、レーザービーム30からの第1の追加用コードを読むように構成されている。従って、本実施形態では、レーザービーム30は、照明機器3’を選択し、且つ第1の追加用コードを照明機器3’に送信するように動作する。照明機器103’を追加しペアリングする後続のステップは、第1の実施形態のステップに対応する。
【0272】
第3の実施形態によると、照明システムは、下記説明する相違点を除いて、本発明の第2の実施形態の照明システムと同じである。図13は、図12に対応しており、第3の実施形態に対するデータフロー図を示す。図13では、第2の実施形態に対応するステップを有しているステップは、対応する参照番号を有しているが、1000ずつ増えている。
【0273】
第3の実施形態では、第1の追加用コードは、遠隔選択機器204によって送出されるレーザービーム30によって送られる(第2の実施形態と同様である)(ステップ3002)。しかしながら、第3の実施形態では、第2の追加用コードは、遠隔制御機器207に入力されない。代わりに、遠隔制御機器207は、追加用コード生成装置99を含む(本発明の第3の実施形態の照明システムの遠隔制御機器207の概略図を示す図14を参照のこと。但し、明確化のため、追加用コード生成装置99のみを示し、他の機能は省略されている)。追加用コード生成装置99は、ランダムな8桁の英数字の追加用コードを生成するように構成されていてもよい。あるいは、第2の追加用コード生成装置99は、照明機器3’がネットワーク2に追加され遠隔制御機器207とペアリングされる度に、同じ第2の追加用コードを生成するように構成されていてもよい。
【0274】
遠隔制御機器207は、追加用コードを遠隔選択機器204に送信する(ステップ3000)。この点からすると、遠隔制御機器207は、Wi-Fi信号で追加用コードを遠隔選択機器204に送信する。遠隔選択機器204は、受信機300(図15参照)を含み、遠隔制御機器207からの追加用コードを含むWi-Fi信号を受信するように構成されている。本実施形態では、この通信はWi-Fi信号によりなされる。しかしながら、任意の種類の電磁放射信号を含む、任意の種類の信号、さらには有線接続を介するものでさえ使用できることが理解されるだろう。
【0275】
受信機300は、受信される信号を、追加用コードを読むプロセッサ210に送信する。プロセッサ210は、レーザービーム30(レーザービーム送出装置209より送出される)にこの追加用コードを符号化する。レーザービーム30は、第2の実施形態と同様に、ネットワークに追加されペアリングされる照明機器203’を選択し、且つ選択される照明機器203’に追加用コードを送信するのに使われる。この点からすると、遠隔制御機器207によって生成される追加用コードは、先の実施形態の「第1の追加用コード」を形成する。
【0276】
加えて、遠隔制御機器207は、生成される追加用コードを、Wi-Fiルータ206を介して、ボーダルータ252へ送信する(ステップ3006及び3007)。この点からすると、遠隔制御機器207により生成される追加用コードは、また、先の実施形態の「第2の追加用コード」を形成する。
【0277】
照明機器203’をネットワークに追加し、且つペアリングする方法の残りのステップは、第2の実施形態のものと同じであり、対応する参照番号(1000ずつ増えている)により示されている。
【0278】
説明してきた各実施形態の照明システムにより、照明機器3’をネットワーク2に追加し、且つ、照明機器3’をネットワーク2上で遠隔操作機器によって制御可能なように遠隔制御機器7とペアリングすることが、誤った設置の危険性を減らし、且つ困難で危険な高所作業を回避し得る比較的早くて簡単な方法で、可能となる。
【0279】
それにより、また、他の方法では難しく、危険で、不可能である、アクセス不可能な(例えば、高くて手の届かないところにある)照明機器3’を、早く、安全に、且つ簡単に、ネットワークに追加し、遠隔制御機器7とペアリングすることができる。この点からすると、使用者100は、照明機器3’が(例えば天井に)取り付けられている部屋の床にいながら、各照明機器3’を選択し、ネットワーク2に追加し、ペアリングさせることができる。従って、これにより、危険な高所作業が回避される。
【0280】
さらに、追加用コードは、選択される照明機器3’に送信されるので、照明機器3’をネットワーク2に追加し、照明機器3’を遠隔制御機器7とペアリングするのに先立って、各照明機器3’を固有のパスフレーズと関連付け、且つすべての照明機器3’のパスフレーズを各照明機器3’に知らせて記録させておく必要もない。
【0281】
また、個々の照明機器3’の選択(指向性レーザービーム30を使う)及び選択される照明機器3’への追加用コードの送信は、照明機器3’をネットワーク2に追加し、照明機器3’を遠隔制御機器7とペアリングする、比較的速くて効果的な方法を、提供することができる。
【0282】
加えて、照明機器3は、無線ネットワーク2にあるので、例えば、照明機器3が有線ネットワークにある時と比較すると、設置中の失敗の可能性を減らすことができる。
【0283】
更に、遠隔選択機器4は、毎回、同じ第1の追加用コードを送るように構成されており、かつ、遠隔制御機器7は、毎回、同じ第2の追加用コードを使う選択肢を、自動的に使用者に提供するように構成されているので(第1及び第2の実施形態において)、これにより、後続の照明機器3’を早く簡単に追加させることができる場合がある。
【0284】
上記設計に対して、添付の請求項に定義される本発明の範囲から離れることなく、多数の変更を加えることができることが理解されるだろう。
【0285】
例えば、ここまで説明してきた実施形態において、ネットワークへの接続コードは、第2の追加用コードの入力または生成によって設定される。あるいは、接続コードは、例えば、ネットワーク制御機器によって固定されていてもよい(そして、第2の追加用コードの入力または生成によって設定されない)。この場合、ボーダルータは、常に追加モードにあってもよい。
【0286】
第1の実施形態では、第1の追加用コードを含む赤外線ビーム31は、複数の照明機器3’(まだネットワークに追加されていない)に一斉送信されてもよい。あるいは、1つの照明機器3’(まだネットワークに追加されていない)のみに送信されてもよい。
【0287】
第1及び第2の実施形態では、第2の追加用コードは、遠隔制御機器7に入力される。あるいは、遠隔選択機器、または別の入力装置に入力され、それが、その後、ボーダルータに送信してもよい。
【0288】
上記の実施形態では、レーザービーム30は、可視光のレーザービームである。しかしながら、それは、任意の種類の指向性電磁放射ビームであってもよい。それがレーザービームである場合、レーザービームは、例えば、赤外線レーザー、紫外線レーザーを含む、任意の周波数の電磁放射であってもよい。しかしながら、可視光のレーザービームは、使用者が視覚的にレーザービームを選択される照明機器3に向けることができるので、特に有利である。
【0289】
発光ダイオード(LED)からの可視光ビームが、レーザービーム30の代わりに使われてもよい。
【0290】
第1の実施形態では、遠隔選択機器4は、赤外線ビームを介して第1の追加用コードを送信する。他の種類の電磁放射が使われてもよく、これには無線周波数波が含まれるが、これに限られない。
【0291】
上記実施形態では、遠隔制御機器7、遠隔選択機器4、及びネットワーク制御機器5は、別の機器である。あるいは、遠隔制御機器7、遠隔選択機器4、及び/またはネットワーク制御機器5は同じ機器であってもよい。
【0292】
上記実施形態では、ネットワーク2は、Silicon Lab社が提供する、「Thread」ネットワークとして知られる種類の無線メッシュネットワークである。しかしながら、例えば、「ZigBee」無線メッシュネットワークとして知られる無線メッシュネットワークを含む、任意の適する種類のネットワークが使われてもよいことが理解されるだろう。メッシュネットワークではない、他の種類の無線ネットワークも、また、使われてもよい。
【0293】
さらに、ネットワークは、例えば、DMX接続を使う、有線ネットワークでさえあってよい。しかしながら、本発明は、無線ネットワークが使われる時に、特に有利である。
【0294】
同じ追加用コードが各照明機器をペアリングするのに使われることが好ましいが、異なる追加用コードを毎回使ってもよい。
【0295】
上記実施形態では、遠隔選択機器4は、手に収まる。更なる選択肢としては、持ち運び可能(例えば車輪付き)であるが、手に収まらないものであってよい。
【0296】
上記実施形態では、第1の追加用コードは、第2の追加用コードがネットワーク制御機器(すなわち、ボーダルータ52)に受信される前に、1または複数の照明機器3’に送信される。あるいは、第2の追加用コードは、第1の追加用コードが1または複数の照明機器3’に送信される前に、ネットワーク制御機器に受信されてもよい(例えば、第2の追加用コードが入力または生成されてもよい)。更なる代替案として、第2の追加用コードは、第1の追加用コードが1または複数の照明機器3’に送信されるのと同時に、ネットワーク制御機器に受信されてもよい(例えば、第2の追加用コードが入力または生成されてもよい)。
【0297】
照明機器のネットワークへの追加前に、追加される照明機器3’と既にネットワークに追加された照明機器3との間の通信は、可能であるが、制約されている場合がある。この点からすると、照明機器3’をネットワーク2に追加する前に、照明機器3’と既にネットワークに追加された他の照明機器3との間の通信は、縮小されたメッセージセット(すなわち、有限だが縮小されたメッセージセット)でのみ実行されてもよい。縮小されたメッセージセットは、追加する過程の間に、ネットワーク2の安全性を危険に晒すことなく動作するメッセージセットであってよい。
【0298】
したがって、照明機器3’のネットワーク2への追加は、照明機器3’の1つまたは両方及びネットワーク2(例えば、ネットワーク制御機器5の、例えば、ボーダルータ52)について、照明機器3’とネットワークに接続される他の機器(例えば既にネットワーク2に接続される他の照明機器3)との間で、例えば、追加前は(縮小されたメッセージセットにおいて)サポートされていない種類のメッセージを含む、拡張されたメッセージセットを使用する通信が可能となるように構成することを含んでよい。「縮小された」や「拡張された」といった言葉は、互いに相対的なものであり、すなわち、拡張されたメッセージセットは、縮小されたメッセージに対する追加的種類のメッセージを含むことが理解されるだろう。拡張されたメッセージセットは、当業者には知られているように、完全メッセージセットと呼ばれてもよい。メッセージセットは、通信プロトコルによって提供されるメッセージの種類の範囲を定義することが理解されるだろう。
【0299】
従って、照明機器をネットワークに追加する方法は、拡張されたメッセージセットを使って照明機器3’がネットワーク2上の他の機器と通信できるように、照明機器3’(ネットワーク2に追加される)の1つまたは両方及びネットワーク2(例えば、ネットワーク制御機器5の、例えば、ボーダルータ52)を構成することを含んでもよい。
【0300】
あるいは、照明機器3’のネットワークへの追加前に、追加される照明機器3’と、既にネットワーク2に追加された照明機器3との間の通信は、可能でなくてもよい。この場合、照明機器3’のネットワーク2への追加は、照明機器3’とネットワーク2に接続された照明機器3との間の通信が可能になるように、照明機器3’(ネットワーク2に追加される)の1つまたは両方及びネットワーク(例えば、ネットワーク制御機器5の、例えば、ボーダルータ52)を構成することを含んでもよい。
【0301】
照明機器3’のネットワーク2への追加前に、照明機器3’はネットワークのアクセスポイント(例えば、ボーダルータ52)としか通信ができないかもしれない。これは、アクセスポイントとの直接的な通信であってもよい。あるいは、これは、ネットワーク2全体の、既にネットワーク2に接続された1または複数の他の機器(例えば、照明機器3)を介する、間接的な通信であってもよい。
【0302】
上記説明では、整数や要素が言及されている場合、既知の、明らかなまたは予見可能な同等物がある場合、そのような同等物は、個々に記載されているように、本明細書に援用される。本発明の正しい範囲を定義する為に、特許請求の範囲が参照されるべきであり、そのような同等物を包含するように解釈されるべきである。また、好ましい、有利である、便利であるなどと記載されている、本発明の整数や特徴は任意であり、独立した請求項の範囲を制限しないことが読者には理解されるだろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】