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特表2022-518197人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(54)【発明の名称】人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法
(51)【国際特許分類】
F21S 10/04 20060101AFI20220307BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20220307BHJP
【ＦＩ】
F21S10/04
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540330
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 NL2020050006
(87)【国際公開番号】W WO2020145818
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】2022380
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521304955
【氏名又は名称】カル－ファイア・ベヘール・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル・ペートルス・ファン・スヒー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ホク・グワン・コウ
(72)【発明者】
【氏名】サンデル・マルテイン・ハヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ベイコ・マルテイン・エリ・ファン・メリック
【テーマコード（参考）】
2G059
【Ｆターム（参考）】
2G059AA05
2G059AA10
2G059BB20
2G059FF08
2G059FF20
2G059KK04
2G059PP10
(57)【要約】
本発明は、人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法に関する。方法は、－ 実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づいた第１のビデオを提供するステップと、－ 人工暖炉の内部に人工暖炉要素を配置するステップであって、人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応する、ステップと、－ 人工火炎パターンを作り出すために、第１のビデオを表示するステップと、を含み、第１のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工火炎パターンが実際の火炎パターンに実質的に似せるように、人工暖炉要素と位置合わせされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法であって、－ 実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づいた第１のビデオを提供するステップと、
－ 前記人工暖炉の内部に人工暖炉要素を配置するステップであって、前記人工暖炉要素の形が前記実際の暖炉における前記物理的暖炉要素の形に実質的に対応する、ステップと、
－ 前記人工火炎パターンを作り出すために、前記第１のビデオを前記人工暖炉において表示するステップと、
を含み、
前記第１のビデオは、視線に沿って見られるとき、前記人工火炎パターンが前記実際の火炎パターンに実質的に似せるように、前記人工暖炉要素と位置合わせされる、方法。
【請求項2】
－ 前記実際の火炎パターンの前記記録されたビデオに基づいた、前記第１のビデオと異なる第２のビデオを提供するステップと、－ 前記第２のビデオを前記人工暖炉において表示するステップと、
を含み、
前記第２のビデオは、前記視線に沿って見られるとき、前記人工暖炉要素および／または前記第１のビデオと位置合わせされる、請求項１に記載の方法。
【請求項3】
前記第２のビデオは、前記実際の火炎パターンの前記記録されたビデオに基づいた、前記実際の暖炉の背景における前記火炎の輝きの効果のビデオをさらに含み、前記輝きの効果の前記ビデオは、前記視線に沿って見られるとき、前記人工暖炉要素および／または前記第１のビデオと位置合わせされる、請求項２に記載の方法。
【請求項4】
前記人工暖炉は、前記第１のビデオを表示するための第１の表示装置、および／または、前記第２のビデオを表示するための第２の表示装置を備え、前記第１の表示装置および前記第２の表示装置の少なくとも一方は、前記視線に沿って見られるとき、前記人工暖炉内において前記人工暖炉要素と同様の深さに設定される、請求項１から３のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第１のビデオは、前記第１のビデオ内の前記実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて前記第１のビデオを処理することによって位置合わせされる、請求項１から４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第２のビデオは、前記第２のビデオ内の前記実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて前記第２のビデオを処理することによって位置合わせされる、請求項２に従属した請求項３から５のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記視線に沿って見られるとき、前記第１のビデオおよび／または前記第２のビデオを前記人工暖炉要素と位置合わせするために、－ 前記人工暖炉の前記内部における前記人工暖炉要素の位置をずらすステップ、
－ 前記第１のビデオおよび／もしくは前記第２のビデオが表示される場所を適合させるステップ、ならびに／または、
－ 前記第１のビデオにおける前記実際の火炎パターンおよび／もしくは前記第２のビデオにおける前記実際の火炎パターンの位置を適合させるために、前記第１のビデオおよび／もしくは前記第２のビデオを処理するステップ、
をさらに含む、請求項１から４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第１のビデオを提供する前記ステップおよび／または前記第２のビデオを提供する前記ステップは、複数の異なる火炎設定において前記実際の暖炉内の火炎のそれぞれの記録されたビデオから抽出された、複数の第１のビデオおよび／または複数の第２のビデオを提供することを各々が含み、前記方法は、－ 前記人工火炎パターンのための少なくとも１つのパラメータを設定するステップと、
－ 前記少なくとも１つの設定されたパラメータに対応する１つ以上の火炎設定を選択するステップと、
－ 前記選択された１つ以上の火炎設定と関連付けられる前記１つ以上の第１のビデオおよび／または前記１つ以上の第２のビデオを選択するステップと、
－ 前記選択された１つ以上の第１のビデオを処理して、組み合わされた第１のビデオを形成するステップ、および／または、前記選択された１つ以上の第２のビデオを処理して、組み合わされた第２のビデオを形成するステップと、
－ 前記組み合わされた第１のビデオを表示するステップ、および／または、前記組み合わされた第２のビデオを表示するステップと、
を含む、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の第１および／または第２のビデオは、複数の異なるガス火炎設定において前記実際の暖炉内におけるガスの火炎の記録されたビデオをそれぞれ抽出しており、前記１つ以上の火炎設定を選択する前記ステップは１つ以上のガス火炎設定の選択を含む、請求項８に記載の方法。
【請求項10】
前記人工暖炉要素を少なくとも１つの第１の光源で照らすステップをさらに含む、請求項１から９のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記人工暖炉要素を照らす前記ステップは、瞬きの効果と共に照らすことを含む、請求項１０に記載の方法。
【請求項12】
－ 前記人工暖炉の外側の周囲光状態の強さを表す光センサ信号を、前記人工暖炉の光センサにより発するステップと、－ 前記少なくとも１つの第１の光源で発せられる光の強さを、前記光センサ信号に基づいて調節するステップと、
をさらに含む、請求項１０または１１に記載の方法。
【請求項13】
請求項１から１２のいずれか一項に記載の方法を用いて人工暖炉内に表示されるように構成されるビデオを提供するための方法であって、〇 物理的暖炉要素を実際の暖炉内に配置するステップと、
〇 前記物理的暖炉要素に火炎を作り出すステップと、
〇 前記火炎の実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
〇 前記記録されたビデオから少なくとも前記第１のビデオおよび／または前記第２のビデオを抽出するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記第１のビデオは、人工暖炉要素に投影される輝きの効果を含み、前記物理的暖炉要素を前記実際の暖炉内に配置する前記ステップは、黒い前面を有する物理的暖炉要素の配置を含み、
前記第１のビデオを抽出する前記ステップは、実際の火炎の影響の下での前記物理的暖炉要素の輝きによって発せられる光の抽出をさらに含むか、または、前記第１のビデオを抽出する前記ステップは、前記第１のビデオからの前記物理的暖炉要素の除去をさらに含む、請求項１３に記載の方法。
【請求項15】
－ 前記実際の火炎パターンの位置を前記第１のビデオにおいて適合させるために前記第１のビデオを処理するステップ、をさらに含み、
前記処理は、前記第１のビデオにおいて表示される炎の位置にずれをもたらすために、前記第１のビデオのデジタル編集を用いて行われる、請求項１３または１４に記載の方法。
【請求項16】
－ 前記実際の火炎パターンの前記位置を前記第２のビデオにおいて適合させるために前記第２のビデオを処理するステップ，をさらに含み、
前記処理は、前記第２のビデオにおいて表示される炎の位置にずれをもたらすために、前記第２のビデオのデジタル編集を用いて行われる、請求項１３から１５のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ａ） 火炎を前記実際の暖炉内に選択された火炎設定で作り出すステップと、ｂ） 前記選択された火炎設定に対応する前記実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
ｃ） 前記記録されたビデオから少なくとも前記第１のビデオおよび／または前記第２のビデオを抽出するステップと、
ｄ） それぞれの少なくとも１つの前記抽出されたビデオを保存するステップと、
ｅ） 前記関連付けられた選択された火炎設定を保存するステップと、
ｆ） 複数の異なる火炎設定のために前記ステップａ）～ｅ）を繰り返すステップと、
を含む、請求項１３から１６のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記火炎を前記実際の暖炉内に作り出す前記ステップは、選択されたガス火炎設定でガスの火炎を作り出すことを含む、請求項１７に記載の方法。
【請求項19】
抽出する前記ステップは、前記人工暖炉の第１の表示装置を用いて表示されるように構成される第１のビデオの抽出を含み、前記第１のビデオ内の前記実際の火炎パターンは、前記火炎内の第１の領域から生じる記録された炎に似ている、請求項１３から１８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
抽出する前記ステップは、前記人工暖炉の第２の表示装置を用いて表示されるように構成される第２のビデオの抽出を含み、前記第２のビデオ内の前記実際の火炎パターンは、前記火炎内の第２の領域から生じる記録された炎に似ており、
前記第２の領域は、視線に沿って見られるとき、前記第１の領域に対してある距離に離間されている、請求項１３から１９のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
－ 前記抽出された第１のビデオおよび／または前記抽出された第２のビデオを、追加のビデオおよび／または追加の画像と融合するステップ、をさらに含む、請求項１３から２０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記抽出された第１のビデオおよび／または前記抽出された第２のビデオは、－ 半透明鏡、
－ 前記第１のビデオを前記半透明鏡の第１の側に向けて表示するための第１の表示装置、および／または
－ 前記第２のビデオを前記半透明鏡の反対側の第２の側に向けて表示するための第２の表示装置、
を備える前記人工暖炉内に、前記人工火炎パターンとして表示されるように構成され、
前記半透明鏡は、前記人工火炎パターンが視線に沿って視認可能となるように、前記第１のビデオと前記第２のビデオとを前記人工火炎パターンへと再組み合わせするために、その第１の側において前記第１のビデオを少なくとも部分的に反射するように、および／または、その第２の側において前記第２のビデオを少なくとも部分的に透過するように配置される、請求項１３から２１のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
人工暖炉のための暖炉要素組立体であって、－ 人工暖炉要素と、
－ デジタル保存装置と、
－ 前記デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される少なくとも１つの第１のビデオと、
を備え、
前記人工暖炉要素の形が実際の暖炉内の物理的暖炉要素の形に実質的に対応し、
前記少なくとも１つの第１のビデオは、前記実際の暖炉内の前記物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの少なくとも１つの記録されたビデオから抽出され、
前記少なくとも１つの第１のビデオ内の前記実際の火炎パターンは、前記火炎内の第１の領域から生じる記録された炎に似ている、暖炉要素組立体。
【請求項24】
前記第１のビデオは、前記第１のビデオ内の前記実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて処理される、請求項２３に記載の暖炉要素組立体。
【請求項25】
－ 前記デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される少なくとも１つの第２のビデオ、を備え、
前記少なくとも１つの第２のビデオは、前記実際の火炎パターンの前記少なくとも１つの記録されたビデオから抽出され、
前記少なくとも１つの第２のビデオ内の前記実際の火炎パターンは、前記火炎内の第２の領域から生じる記録された炎に似ており、
前記第２の領域は、視線に沿って見られるとき、前記第１の領域に対してある距離に離間されている、請求項２３または２４に記載の暖炉要素組立体。
【請求項26】
前記第２のビデオは、前記第２のビデオ内の前記実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて処理される、請求項２５に記載の暖炉要素組立体。
【請求項27】
－ 複数の第１のビデオであって、各第１のビデオは、前記火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、前記実際の暖炉内の前記火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される、複数の第１のビデオと、－ 複数の第２のビデオであって、各第２のビデオは、前記火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、前記実際の暖炉内の前記火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される、複数の第２のビデオと、
をさらに含む、請求項２３から２６のいずれか一項に記載の暖炉要素組立体。
【請求項28】
前記第１のビデオの各々および前記第２のビデオの各々は、前記実際の暖炉内のガスの火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから、前記ガスの火炎のための複数のガス火炎設定のそれぞれ１つにおいて抽出される、請求項２７に記載の暖炉要素組立体。
【請求項29】
前記人工暖炉要素は、積み重ねの構成で配置され、かつ前記人工暖炉要素を形成するために互いと連結される複数の要素部品を備える、請求項２３から２８のいずれか一項に記載の暖炉要素組立体。
【請求項30】
人工火炎パターンを表示するための人工暖炉であって、－ 筐体であって、内部を定め、前記筐体の前記内部への視線を許容するための少なくとも１つの開口を備える筐体と、
－ 前記筐体の前記内部に配置され、
〇 前記開口を向いた第１の側、および
〇 前記開口から離れる方を向いた反対の第２の側、
を備える半透明鏡と、
－ 前記筐体内に配置され、第１のビデオを前記半透明鏡の前記第１の側に向けて表示するように構成される第１の表示装置と、
－ 前記筐体の前記内部に配置される人工暖炉要素であって、前記半透明鏡の前記第２の側が前記人工暖炉要素を向いた、人工暖炉要素と、
を備え、
前記半透明鏡は、前記人工火炎パターンが視線に沿って視認可能となるように、前記第１のビデオと前記人工暖炉要素の画像とを前記人工火炎パターンへと再組み合わせするために、その第１の側において前記第１のビデオを少なくとも部分的に反射するように、および、その第２の側において前記人工暖炉要素の前記画像を少なくとも部分的に透過するように、配置され、
前記人工暖炉は、
－ デジタル保存装置であって、実際の暖炉内の火炎の実際の火炎パターンの第１のビデオが前記デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される、デジタル保存装置、
をさらに備え、
前記人工暖炉は、請求項１から１２のいずれか一項に記載の方法を実行するように配置されることを特徴とする人工暖炉。
【請求項31】
－ 前記筐体内に配置され、第２のビデオを前記半透明鏡の前記第２の側に向けて表示するように構成される第２の表示装置、をさらに備え、
前記半透明鏡は、前記人工火炎パターンを前記第２のビデオとさらに再組み合わせするために、その第２の側において前記第２のビデオを少なくとも部分的に透過するようにさらに配置され、
前記実際の火炎パターンの前記第２のビデオが前記デジタル保存装置に一時的に保存される、請求項３０に記載の人工暖炉。
【請求項32】
前記視線に沿って見られるとき、前記第１のビデオおよび／または前記第２のビデオを前記人工暖炉要素と位置合わせするように構成される制御装置をさらに備える、請求項３０または３１に記載の人工暖炉。
【請求項33】
前記人工暖炉要素の形が前記実際の暖炉内の物理的暖炉要素の形に実質的に対応し、前記人工暖炉の前記筐体は、前記筐体の前記内部に固定的に配置される第１の位置合わせ装置を備え、
前記人工暖炉要素は、前記人工暖炉要素と前記筐体との間の相対位置を保持するために、前記第１の位置合わせ装置と合致するように構成される相補的な第２の位置合わせ装置を備える、請求項３０から３２のいずれか一項に記載の人工暖炉。
【請求項34】
前記第１の表示装置および／または前記第２の表示装置は、それぞれの複数の異なる第１のビデオおよび／または第２のビデオを表示するように構成され、前記異なるビデオの各々は、異なる高さを有する炎、および／または、異なる強さを有する炎、を含む、請求項３０から３３のいずれか一項に記載の人工暖炉。
【請求項35】
前記人工暖炉要素に隣接して配置され、前記人工暖炉要素を照らすように構成される少なくとも１つの第１の光源をさらに備える、請求項３０から３４のいずれか一項に記載の人工暖炉。
【請求項36】
前記少なくとも１つの第１の光源は、前記人工暖炉要素を瞬きの効果で照らすように構成される、請求項３５に記載の人工暖炉。
【請求項37】
前記人工暖炉の外側の周囲光状態の強さを表す光センサ信号を発するように構成される光センサをさらに備え、前記少なくとも１つの第１の光源は、前記光センサ信号に基づいて、前記少なくとも１つの第１の光源によって発せられる光の強さを調節するように構成される、請求項３５または３６に記載の人工暖炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法に関する。本発明は、人工暖炉において表示されるように構成されるビデオを提供するための方法と、人工暖炉のための暖炉要素組立体と、人工暖炉と、にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
人工暖炉が以前から知られている。概して、これらの暖炉は、実際の火炎の存在を必要とすることなく火のビデオを表示するように構成されている。したがって、これらのシステムは、排気煙霧を生成しないため、より環境的にやさしいものとすることができ、システムは、煙突などを設けることを必要とせずに、既存の建物において容易に配置できる。
【0003】
特許文献１から、模倣された火炎を表示するように構成されたこのような暖炉が知られている。この先行技術の暖炉は、丸太などを備える模倣された火炎床が配置された筐体を備える。暖炉は、火炎の記録されたビデオを投影するように構成されたビデオプロジェクタと、光束分割パネルと、をさらに備える。光束分割パネルは、火炎の投影されたビデオを反射するように、および、炎のビデオが模倣された火炎床に重ねられて現れるそれらの組み合わされた投影を発するように、構成されている。
【0004】
この暖炉は、排気なしで実際の火炎をすでに模倣しているという事実にも拘らず、実際の火炎を依然として正確には表示していない。撮像された炎は火炎床に重ねられるように意図されているが、結果として生じる組み合わせられたビデオはなおも正確ではなく、無知な使用者にとっても、投影された炎が現実的でないことはすぐに明らかとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第５，１９５，８２０号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、より現実的となるようにまたは代替の人工火炎パターンとなるように構成される、人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、人工暖炉において人工火炎パターンを表示するための方法を提供し、その方法は、
実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づいた第１のビデオを提供するステップと、
人工暖炉の内部に人工暖炉要素を配置するステップであって、人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応する、ステップと、
人工火炎パターンを作り出すために、第１のビデオを表示するステップと、
を含み、
第１のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工火炎パターンが実際の火炎パターンに実質的に似るように、人工暖炉要素と位置合わせされる。
実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づいた第１のビデオを提供するステップと、
人工暖炉の内部に人工暖炉要素を配置するステップであって、人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応する、ステップと、
人工火炎パターンを作り出すために、第１のビデオを表示するステップと、
を含み、
第１のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工火炎パターンが実際の火炎パターンに実質的に似るように、人工暖炉要素と位置合わせされる。
【0008】
本発明による方法であれば、人工暖炉は、物理的な暖炉に正確に似せるように設計される。そのようにするために、人工暖炉の内部における人工暖炉要素は、実際の暖炉における物理的暖炉要素に実質的に対応するように配置される。
【0009】
本発明による方法は、第１のビデオと第２のビデオとをそれぞれ表示するために、第１の表示装置と第２の表示装置との両方を備える人工暖炉において実行され得る。しかしながら、方法は、このような人工暖炉における使用に限定されると見なされるべきではなく、例えば、単一の表示装置を備える人工暖炉において実行されてもよい。
【0010】
実際の暖炉は、実施形態では、木の火炎を作り出すために燃焼させられることになる木の丸太が物理的暖炉要素を形成するために提供される従来の暖炉であり得る。
【0011】
代替の実施形態では、実際の暖炉は、ガスの火炎が作り出されるガス炉であり得る。ガスの火炎は物理的暖炉要素の上に存在することができ、物理的暖炉要素は、例えば、一揃いの木の丸太を正確に真似るように具現化され得るが、実際には、丸太が点火されるように意図されている場所に向けて可燃性ガスを案内するために内部ガス通路を有し得る炎抵抗要素を備え得る。
【0012】
実際の暖炉の両方の例について、物理的暖炉要素は、人工暖炉を形成するために互いの上に積み重ねられる要素部品を備え得る。要素部品は例えば木の丸太に似ていてもよく、木の丸太は、木の火炎の火炎床に似せるように積み重ねられてもよく、物理的暖炉要素を形成するために互いに連結されてもよい。
【0013】
物理的暖炉要素は特定の形で配置される。物理的暖炉要素の形は、例えば、要素部品同士の相対的な配向、および／または、要素部品の個々の形を含み得る。物理的暖炉要素はさらに実際の暖炉における特定の場所に配置される。
【0014】
本発明による方法では、人工暖炉要素は、実際の暖炉における物理的暖炉要素を実質的に真似るように、人工暖炉の内部に配置される。それによって、人工暖炉要素の形は物理的暖炉要素の形に実質的に対応する一方で、人工暖炉の内部の形は実際の暖炉の形に実質的に対応することができる。
【0015】
実際の暖炉では、ビデオが、物理的暖炉要素において作り出される火炎から記録される。記録されたビデオでは、物理的暖炉要素に存在する実際の火炎を表す実際の火炎パターンが撮像される。記録された実際の火炎パターンは、例えば炎を含むことができるか、または、実際の暖炉の内壁において見られ、実際の火炎の炎から照らされることで引き起こされる輝きの効果を含むことができる。実際の暖炉における火炎は、例えば、木の丸太に存在する木の火炎であり得るか、またはガスの火炎であり得る。
【0016】
方法は、人工暖炉において表示される第１のビデオを提供するステップを含む。第１のビデオは記録されたビデオに基づいており、これは、第１のビデオにおける内容が記録されたビデオから少なくとも部分的に得られることを意味する。したがって、第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、記録されたビデオにおける実際の火炎パターンから少なくとも部分的に得られる。第１のビデオにおける内容は、例えば、前部分から生じる炎など、実際の暖炉における特定の領域から生じる炎だけを含んでもよく、一方、例えば実際の暖炉における後部分から生じる炎といった、記録されたビデオの別の部分は、第１のビデオに組み込まれない。
【0017】
第１のビデオは、視線に沿って見られるときに使用者に見られるように、人工暖炉において表示される。この視線は、使用者が人工暖炉の内部を見ることができるのに沿うとともに、使用者が、直接的または間接的のいずれかで、表示された第１のビデオを見ることができるのに沿う任意の線であり得る。視線に沿って、表示されたビデオは人工火炎パターンを作り出し、人工火炎パターンは、ビデオが人工暖炉において表示されるとき、使用者にとって視認可能であるパターンとして定められ得る。人工火炎パターンは、例えば、視線に沿って見られる、第１のビデオにおける炎の表示された画像を含み得る。
【0018】
さらに、第１のビデオは、第１のビデオにおける表示された炎と、人工暖炉の内部における人工暖炉要素とが一緒に、視線に沿って見られる人工火炎パターンを形成することを達成するために、人工暖炉の内部における人工暖炉要素と位置合わせされる。位置合わせという用語によって、人工暖炉要素と表示された炎との組み合わされた画像が、実際の暖炉における物理的暖炉要素での炎に正確に対応するように、人工暖炉要素と表示された炎とが、または、少なくともそれらの相対的な場所が、位置決めされることが意味されている。それによって、表示された炎が人工暖炉における人工暖炉要素での火炎から正確に生じているかのように現れる。
【0019】
位置合わせの利点は、人工暖炉に存在する実際の火炎がないにも拘らず、表示された第１のビデオにおける炎は、人工暖炉要素から生じるように実際に現れることである。したがって、使用者は、人工火炎パターンを一緒に形成する第１のビデオにおける実際の火炎パターンと、位置合わせされた人工暖炉要素との組み合わせが、実際の暖炉において使用者が見る実際の火炎パターンに正確に似ていると認めることになる。
【0020】
それによって、本発明による方法は、人工暖炉のより現実的な描写を提供し、不都合な排気または燃料消費なしで、人工暖炉を実際の暖炉により正確に似せることができる。
【0021】
実施形態では、方法は、
実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づかれ、第１のビデオと異なる第２のビデオを提供するステップと、
第２のビデオを表示するステップと、
をさらに含み、
第２のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工暖炉要素および／または第１のビデオと位置合わせされる。
実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づかれ、第１のビデオと異なる第２のビデオを提供するステップと、
第２のビデオを表示するステップと、
をさらに含み、
第２のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工暖炉要素および／または第１のビデオと位置合わせされる。
【0022】
この方法の実施形態は、記録されたビデオに同じく基づいた第２のビデオの提供および表示を含む。第２のビデオは、例えば記録されたビデオからの抽出といった、第１のビデオと同様に得られる。
【0023】
しかしながら、第２のビデオは好ましくは第１のビデオと異なり、第２のビデオは、記録されたビデオから少なくとも部分的に得られる実際の火炎パターンを含み得る。第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、例えば、実際の暖炉における後部分から生じる炎を表してもよく、一方、第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、それによって、実際の暖炉における前部分から生じる炎を表してもよい。
【0024】
第２のビデオも人工暖炉において表示され、好ましくは、第２のビデオの表示は第１のビデオと同期させられる。
【0025】
第２のビデオは、少なくとも視線に沿って見られるとき、第１のビデオおよび／または人工暖炉要素と位置合わせされる。使用者にとって、第２のビデオと、第１のビデオと、人工暖炉要素と、の組み合わせは、視線に沿って見られるとき、実際の暖炉における物理的暖炉要素での実際の火炎を見るときに使用者が見るものに正確に対応する。
【0026】
さらなる実施形態では、第2のビデオは、実際の火炎パターンの記録されたビデオに基づいた、実際の暖炉の背景における火炎の輝きの効果のビデオをさらに含み、
輝きの効果のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工暖炉要素および/または第1のビデオと位置合わせされる。
輝きの効果のビデオは、視線に沿って見られるとき、人工暖炉要素および/または第1のビデオと位置合わせされる。
【0027】
それによって、第２のビデオは、実際の火炎の炎のビデオ内容を含むだけでなく、加えて、第２のビデオにおける輝きの効果が、実際の火炎によって誘導される実際の暖炉の背景の壁を照らすことを表す、実際の火炎パターンを含む。
【0028】
したがって、輝きの効果は、背景の壁に投影されるように現れる瞬きおよび／または影を含み得る。輝きの効果のビデオは、第２のビデオに含まれ、それによって第２のビデオにおける実際の火炎パターンの炎と位置合わせされる。輝きの効果のビデオを伴う第２のビデオは、第１のビデオおよび／または人工火炎要素と追加的に位置合わせされる。それによって、描写されている人工火炎パターンのリアリズムがさらに向上させられる。
【0029】
方法の実施形態では、人工暖炉は、第１のビデオを表示するための第１の表示装置、および／または、第２のビデオを表示するための第２の表示装置を備え、第１の表示装置および第２の表示装置の少なくとも一方は、視線に沿って見られるとき、人工暖炉内において人工暖炉要素と同様の深さに設定される。
【0030】
この実施形態によれば、表示装置は、第１のビデオまたは第２のビデオが生じる、または少なくとも生じるように現れる平面を有する。それによって、表示装置はそれ自体がこの平面に配置され得るか、または、第１のビデオもしくは第２のビデオが少なくとも部分的に反射される場合、平面が仮想的な平面であり得る。
【0031】
表示装置の平面は人工暖炉要素と交わる。それによって、あたかも実際の火炎が人工暖炉に存在するかのように、第１のビデオまたは第２のビデオにおける炎が人工暖炉要素に存在することになる。
【0032】
実施形態では、第１のビデオは、
第１のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて第１のビデオを処理するステップを用いて位置合わせされる。
第１のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて第１のビデオを処理するステップを用いて位置合わせされる。
【0033】
代替または追加で、第２のビデオは、
第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて第２のビデオを処理するステップを用いて位置合わせされる。
第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて第２のビデオを処理するステップを用いて位置合わせされる。
【0034】
この実施形態によれば、ビデオと人工暖炉要素との間の位置合わせは、例えばデジタルビデオ処理ソフトウェアを用いて、ビデオをデジタル編集することによって行われる。位置合わせは、第１のビデオおよび／または第２のビデオが人工暖炉において表示されるとき、実際の火炎パターンと人工暖炉要素との間の位置においてずれをもたらすために、第１のビデオおよび／または第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすことから構成される。このデジタル編集は、人工暖炉の中の人工暖炉要素を物理的に変位させることを必要としないため、または、人工暖炉の中で第１の表示装置および第２の表示装置を変位させることを必要としないため、有利であり得る。
【0035】
したがって、ビデオが処理されるときに位置合わせが行われるため、設置者または最終使用者による要素のずれを必要としないため、位置合わせはより容易に行うことができる。さらに、人工暖炉要素および表示装置が人工暖炉の内部にしっかりと搭載でき、輸送の間に、または、設置の後に専門外の使用者によって、位置合わせから不要に移動させることができないため、人工暖炉はより確実に提供できる。
【0036】
実施形態では、方法は、視線に沿って見られるとき、第１のビデオおよび／または第２のビデオを人工暖炉要素と位置合わせするために、
人工暖炉の内部における人工暖炉要素の位置をずらすステップ、
第１のビデオおよび／もしくは第２のビデオが表示される場所を適合させるステップ、ならびに／または、
第１のビデオにおける実際の火炎パターンおよび／もしくは第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置を適合させるために第１のビデオおよび／もしくは第２のビデオを処理するステップ、
を含み得る。
人工暖炉の内部における人工暖炉要素の位置をずらすステップ、
第１のビデオおよび／もしくは第２のビデオが表示される場所を適合させるステップ、ならびに／または、
第１のビデオにおける実際の火炎パターンおよび／もしくは第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置を適合させるために第１のビデオおよび／もしくは第２のビデオを処理するステップ、
を含み得る。
【0037】
この方法の実施形態におけるステップは、個別または組み合わせのいずれかで実行でき、第１のビデオと第２のビデオとが、互いに対して、および人工暖炉要素に対して位置合わせされるという効果を有し得る。
【0038】
この実施形態による方法の第１の代替のステップは、人工暖炉の筐体の中で、および人工暖炉の筐体に対して、人工暖炉要素の位置のずれを含み得る。それによって、人工暖炉要素は、人工暖炉の筐体に実質的にしっかりと連結される第１のビデオおよび／または第２のビデオを表示することができる表示手段に対してずらされる。この代替のステップを実行するために、人工暖炉の筐体は位置合わせ装置を備えてもよく、位置合わせ装置は、人工暖炉要素の相補的な位置合わせ装置と合致するように構成され、それらが一緒になって正確な位置合わせを確保するように構成される。
【0039】
この実施形態による方法の第２の代替では、第１のビデオおよび／または第２のビデオの表示位置が調節でき、好ましくは、人工暖炉要素に対して調節できる。これは、例えば、第１のビデオおよび／または第２のビデオが人工暖炉において異なる場所から表示され得ること、ならびに、第１のビデオおよび／または第２のビデオが、互いに対して、および人工暖炉要素に対してより正確に位置合わせされることになり得ることを達成するために、第１のビデオおよび／または第２のビデオを表示できる表示手段の位置を変えることで行われ得る。
【0040】
この実施形態による方法の最後の代替では、第１のビデオおよび／または第２のビデオは、実際の火炎パターンの位置がビデオの中でずらされるように、例えばビデオ処理ソフトウェアを用いて処理され得る。これは、例えば、炎が人工暖炉において表示されると異なる場所から生じて現れるように、第１のビデオにおける炎の位置がビデオのフレームの中でずらされることを意味する。それによって、例えば表示手段のずらしを必要とすることなくといった、第１のビデオおよび／または第２のビデオが表示される位置のずらしを必要とすることなく、使用者が第１のビデオおよび／または第２のビデオで実際の火炎パターンを見る位置を調節することが可能である。
【0041】
方法の実施形態では、第１のビデオを提供するステップおよび／または第２のビデオを提供するステップは、複数の異なる火炎設定において実際の暖炉における火炎のそれぞれの記録されたビデオから抽出された複数の第１のビデオおよび／以上の第２のビデオを提供することを各々含み、方法は、
人工火炎パターンのための少なくとも１つのパラメータを設定するステップと、
少なくとも１つの設定されたパラメータに対応する１つ以上の火炎設定を選択するステップと、
選択された１つ以上の火炎設定と関連付けられる１つ以上の第１のビデオおよび／または１つ以上の第２のビデオを選択するステップと、
組み合わされた第１のビデオを形成するために、選択された１つ以上の第１のビデオを処理するステップ、および／または、組み合わされた第２のビデオを形成するために、選択された１つ以上の第２のビデオを処理するステップと、
組み合わされた第１のビデオを表示するステップ、および／または、組み合わされた第２のビデオを表示するステップと、
を含む。
人工火炎パターンのための少なくとも１つのパラメータを設定するステップと、
少なくとも１つの設定されたパラメータに対応する１つ以上の火炎設定を選択するステップと、
選択された１つ以上の火炎設定と関連付けられる１つ以上の第１のビデオおよび／または１つ以上の第２のビデオを選択するステップと、
組み合わされた第１のビデオを形成するために、選択された１つ以上の第１のビデオを処理するステップ、および／または、組み合わされた第２のビデオを形成するために、選択された１つ以上の第２のビデオを処理するステップと、
組み合わされた第１のビデオを表示するステップ、および／または、組み合わされた第２のビデオを表示するステップと、
を含む。
【0042】
この実施形態によれば、火炎についての選択された火炎設定とそれぞれ関連付けられる複数の第１のビデオおよび第２のビデオが提供され得る。例えば、ビデオは、複数の異なるガス火炎設定における実際の暖炉でのガスの火炎のそれぞれの記録されたビデオから抽出され、ガス火炎設定は、実際の暖炉において提供されるガスの火炎についての火炎設定を形成する。
【0043】
ガス火炎設定は、例えば、火炎によって燃焼させられるガスの流れについての値を含んでもよく、その際、高いガス火炎設定は大きなガス供給および大きなガスの火炎に対応し、低いガス火炎設定は小さいガス供給および小さいガスの火炎に対応する。
【0044】
本実施形態では、第１のビデオおよび第２のビデオは、選択された火炎設定における火災のそれぞれの記録されたビデオから抽出される。それによって、これらの第１のビデオおよび第２のビデオの各々は、例えば異なる大きさの火災に各々が対応する異なる実際の火炎パターンを備える。
【0045】
この実施形態によれば、使用者が人工火炎パターンについてのパラメータを設定することができる。このパラメータは、人工暖炉において表示される人工火炎パターンを表し、例えば、表示された火災の大きさおよび／または強さを表すことができる。
【0046】
そのため、１つ以上の火炎設定が選択され、その結果生じる実際の火炎は、人工火炎パターンについてのパラメータを設定することで選択される人工火炎パターンの所望の大きさおよび／または強さに対応する。
【0047】
単一の火炎設定だけが設定されたパラメータに対応するように選択および見出される場合、関連付けられた第１のビデオおよび第２のビデオが人工暖炉において表示される。それによって、第１のビデオおよび第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、パラメータが設定された所望の人工火炎パターンに正確に対応する人工火炎パターンを、一緒になって形成する。
【0048】
この実施形態によれば、実際の暖炉における火炎は、火炎に向かう特定の空気の流れなど、特定の条件に曝される可能性がある木の火炎であってもよい。それによって、木の火炎についての条件は、少なくとも実際の暖炉における火炎が木の火炎である場合での火炎設定を形成することができる。
【0049】
代替で、設定されたパラメータに対応する単一の火炎設定はないが、設定されたパラメータは、複数の火災設定の間にある値に対応することができる。ここで、複数の火炎設定に対応する複数の第１のビデオおよび第２のビデオは、組み合わされた第１のビデオおよび組み合わされた第２のビデオを形成するために処理される。処理は、ビデオ処理ソフトウェアを用いた編集も含むことができ、実際の火炎パターンの強さおよび／または大きさが、例えば複数の第１のビデオおよび第２のビデオの加重平均を形成するといった、複数の第１のビデオおよび第２のビデオの個々の強さおよび／または大きさの間に配置される組み合わされたビデオをもたらすことができる。そのため、組み合わされた第１のビデオおよび組み合わされた第２のビデオが所望の人工火炎パターンを得るために表示される。
【0050】
実施形態では、方法は、人工暖炉要素を少なくとも１つの第１の光源で照らすステップをさらに含む。少なくとも１つの第１の光源は、その発せられた光が、少なくとも１つの第１の光源と人工暖炉要素との間における任意の要素によって邪魔されずに人工暖炉要素を照らすように、視線に沿って見られるとき、半透明鏡の後に配置され得る。例えば、少なくとも１つの第１の光源は、例えば人工暖炉の幅全体といった、人工暖炉の内部の幅の実質的な部分にわたるＬＥＤの帯として具現化できる。ＬＥＤの帯は、筐体の天井に接して、半透明鏡の後に設けることができる。それによって、人工暖炉要素は、人工暖炉要素を照らすリアリズムを向上させるために、幅全体の実質的な部分にわたって照らされる。
【0051】
さらなる実施形態において、人工暖炉要素を照らすことは、瞬きの効果で照らすことを含む。瞬きの効果は、例えば、実際の暖炉における実際の炎によって発せられる光に似せるために赤色、橙色、または黄色を有する、視認可能な領域での波長を有する発せられた光を用いて照らすことを含み得る。瞬きの効果は、実際の暖炉における実際の炎によって発せられる変化する光の強さに似せるために、発せられる光の強さの変化を代替または追加で含んでもよい。
【0052】
実施形態では、方法は、第１の表示装置および／または第２の表示装置での状態信号の表示を含み、状態信号は、使用者にとって視線に沿って視認可能である。状態信号は、状態信号を用いて使用者に連絡される人工暖炉の特定の設定を含み得る。
【0053】
例えば、状態信号は、表示された人工火炎パターンの強さを表し得る人工暖炉の火炎設定についての情報を含む。さらに、状態信号は、音信号の音量などの音信号の状態、または、人工暖炉の中の人工暖炉要素を照らす光の強さ、を表すことができる。そのために、状態信号は、例えば、人工暖炉の対応する設定が使用者によって変えられた直後に、第１のビデオまたは第２のビデオにおいて表示される数として具現化されてもよい。
【0054】
本発明は、前述されている方法を用いて人工暖炉に表示されるように構成されるビデオを提供するための方法をさらに提供し、方法は、
物理的暖炉要素を実際の暖炉に配置するステップと、
物理的暖炉要素に火炎を作り出すステップと、
火炎の実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
記録されたビデオから少なくとも第１のビデオおよび／または第２のビデオを抽出するステップと、
を含む。
物理的暖炉要素を実際の暖炉に配置するステップと、
物理的暖炉要素に火炎を作り出すステップと、
火炎の実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
記録されたビデオから少なくとも第１のビデオおよび／または第２のビデオを抽出するステップと、
を含む。
【0055】
この方法であれば、人工暖炉要素において表示され、人工暖炉において人工暖炉要素と位置合わせされるように構成されるビデオが得られる。提供されたビデオは、実際の暖炉における物理的暖炉要素での実際の火炎から記録され、実際の暖炉における物理的暖炉要素は特定の形を有し、人工暖炉における人工暖炉要素は、その形、および人工暖炉の筐体の中でのその位置が、実際の暖炉における物理的暖炉要素の形および位置に実質的に対応するように配置されるように意図される。
【0056】
物理的暖炉要素が実際の暖炉に配置された後、そこに火炎が作り出され、結果として生じる実際の火炎パターンは、記録されたビデオを形成するために記録される。そのため、記録されたビデオは、記録されたビデオから抽出され得る第１のビデオおよび／または第２のビデオのための土台を形成する。
【0057】
抽出は、例えば、ビデオ処理ソフトウェアを用いて実行でき、実際の火炎の第１の実際の火炎パターンを含む第１のビデオの分解と、実際の火炎の第２の実際の火炎パターンを含む第２のビデオの分解と、を含み得る。好ましくは、第１の実際の火炎パターンは第２の実際の火炎パターンと少なくとも部分的に異なり、そのため、使用者は、表示された人工火炎パターンの一部分が第１のビデオから生じ、表示された人工火炎パターンの別の部分が第２のビデオから生じることに留意する。
【0058】
さらなる実施形態において、第１のビデオは、人工暖炉要素に投影される輝きの効果を含む。この実施形態によれば、物理的暖炉要素を実際の暖炉に配置するステップは、黒い前面を有する物理的暖炉要素の配置を含む。このような黒い前面は、実際の暖炉の記録されたビデオにおける物理的暖炉要素の視認性を低減し、これは、投影されたビデオにおいて暖炉要素の画像も表示することは望ましくないため、有利である。したがって、このような人工暖炉要素は、人工暖炉の内部においてすでに視認可能であり、そのため、投影される必要がない。
【0059】
この実施形態によれば、第１のビデオを抽出するステップは、実際の火炎の影響の下での物理的暖炉要素の輝きによって発せられる光の抽出をさらに含む。それによって、第１のビデオは、人工暖炉要素の燃焼と、この人工的な燃焼の結果としての輝きと、を真似るために、同時に表示される炎および輝きの効果を含む。
【0060】
代替で、第１のビデオを抽出するステップは、第１のビデオからの物理的暖炉要素の除去をさらに含む。このような除去は、第１のビデオから物理的暖炉要素の画像を除去するために、抽出された第１のビデオの処理に関係し得る。この処理は、例えば、デジタルビデオ編集を用いて行われ得る。
【0061】
実施形態では、方法は、
実際の火炎パターンの位置を第１のビデオにおいてずらすために第１のビデオを処理するステップをさらに含み、
その処理は第１のビデオのデジタル編集を用いて行われる。
実際の火炎パターンの位置を第１のビデオにおいてずらすために第１のビデオを処理するステップをさらに含み、
その処理は第１のビデオのデジタル編集を用いて行われる。
【0062】
代替または追加で、方法は、
実際の火炎パターンの位置を第２のビデオにおいてずらすために第２のビデオを処理するステップをさらに含み、
その処理は第２のビデオのデジタル編集を用いて行われる。
実際の火炎パターンの位置を第２のビデオにおいてずらすために第２のビデオを処理するステップをさらに含み、
その処理は第２のビデオのデジタル編集を用いて行われる。
【0063】
この実施形態によれば、ビデオは、例えばデジタルビデオ処理ソフトウェアを用いて、ビデオをデジタル編集することによって処理される。処理は、第１のビデオおよび／または第２のビデオが人工暖炉において表示されるとき、実際の火炎パターンと人工暖炉要素との間の位置においてずれをもたらすために、第１のビデオおよび／または第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすことから構成される。この処理は、人工暖炉の中の人工暖炉要素を物理的に変位させることの省略を可能とするため、または、人工暖炉の中で第１の表示装置および／もしくは第２の表示装置を変位させることを必要としないため、有利であり得る。
【0064】
したがって、ビデオを処理することを用いた位置合わせは、設置者または最終使用者による要素のずらしを必要としないため、より容易に行うことができる。さらに、人工暖炉要素および表示装置が人工暖炉の内部にしっかりと搭載でき、輸送の間に、または、設置の後に専門外の使用者によって、位置合わせから不要に移動させることができないため、人工暖炉はより確実に提供できる。
【0065】
実施形態では、ビデオの提供のための方法が、
ａ） 火炎を実際の暖炉において選択された火炎設定で作り出すステップと、
ｂ） 選択された火炎設定に対応する実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
ｃ） 記録されたビデオから少なくとも第１のビデオおよび／または第２のビデオを抽出するステップと、
ｄ） それぞれの少なくとも１つの抽出されたビデオを保存するステップと、
ｅ） 関連付けられた選択された火炎設定を保存するステップと、
ｆ） 複数の異なる火炎設定のためにステップａ）～ｅ）を繰り返すステップと、
を含む。
ａ） 火炎を実際の暖炉において選択された火炎設定で作り出すステップと、
ｂ） 選択された火炎設定に対応する実際の火炎パターンのビデオを記録するステップと、
ｃ） 記録されたビデオから少なくとも第１のビデオおよび／または第２のビデオを抽出するステップと、
ｄ） それぞれの少なくとも１つの抽出されたビデオを保存するステップと、
ｅ） 関連付けられた選択された火炎設定を保存するステップと、
ｆ） 複数の異なる火炎設定のためにステップａ）～ｅ）を繰り返すステップと、
を含む。
【0066】
この実施形態によれば、実際の暖炉は例えばガス炉とすることができ、実際の暖炉で作り出される火炎は、物理的暖炉要素において作り出されるガスの火炎とすることができ、火炎設定はガス火炎設定とすることができる。ガスの火炎は複数のガス火炎設定において作り出され、ガス火炎設定は、ガスの火炎によって燃焼させられるガスの流れに対応することができる。したがって、複数の異なるガス火炎設定は、複数の異なる大きさおよび／または強さを有する複数の対応するガスの火炎をもたらすことになる。
【0067】
この実施形態によれば、ビデオが複数の火炎設定の各々において火災から記録される。これらの記録されたビデオの各々から、第１のビデオおよび第２のビデオが抽出される。抽出された第１のビデオおよび第２のビデオは、それらの関連付けられた火炎設定と一緒に保存される。
【0068】
そのため、人工火炎パターンの所望の大きさまたは強さのために選択されたパラメータを有する人工火炎パターンを表示するために、対応する火炎設定と関連付けられる第１のビデオおよび第２のビデオは、容易に読み出すことができ、人工暖炉を用いて表示させることができる。
【0069】
代替で、異なる第１および第２のビデオが、ビデオの処理を用いて得られてもよい。例えば、第１および第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、例えば、実際の火炎パターンを大きさ変更するために、または、実際の火炎パターンの強さをデジタル処理で調節するために、ビデオ処理ソフトウェアを用いて適合させられてもよい。
【0070】
この実施形態によれば、実際の暖炉における作り出された火炎は、火炎に向かう特定の空気の流れなど、特定の条件に曝される可能性がある木の火炎であってもよい。それによって、木の火炎についての条件は、少なくとも実際の暖炉における火炎が木の火炎である場合での火炎設定を形成することができる。
【0071】
方法の実施形態では、抽出するステップは、人工暖炉の第１の表示装置で表示されるように構成される第１のビデオの抽出を含む。それによって、少なくとも１つの第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、実際の火炎における第１の領域から生じる記録された炎に似ている。
【0072】
実際の火炎において、炎は、物理的暖炉要素全体に存在でき、そのため実際の暖炉を通じて存在できる。そのため、記録されたビデオは、視線に沿って見られるとき、例えば、実際の暖炉の幅全体にわたって、および、深さ全体にわたって、といった、実際の火炎全体からのすべての炎を含む実際の火炎パターンを含む。記録されたビデオにおける実際の火炎パターンは、例えば、視線に沿って見られるとき、実際の暖炉の前部分からおよび前部分の後に位置させられる後部分から生じる炎を含み得る。
【0073】
しかしながら、第１のビデオにおける記録されたビデオの実際の火炎パターンのすべての炎を示さないことが望まれる可能性がある。したがって、それを行うために、この実施形態による方法は、記録されたビデオから抽出される第１のビデオが、記録されたビデオの人工火炎パターンの一部だけを含む実際の火炎パターンを有することを可能にする。
【0074】
それによって、抽出された第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、実際の火炎における第１の領域からの記録された炎に似ているだけであり得る。第１の領域は実際の暖炉の一部分に広がり、これは、抽出された第１のビデオが、記録されたビデオの実際の火炎パターンにあるすべての炎を含まない可能性があることを意味する。
【0075】
第１の領域は、実際の火炎における領域として定められ得る。第１の領域は、視線に沿って見られるとき、実際の火炎への第１の深さと第２の深さとの間で提供され得る領域である。第１の領域は、実際の火炎の幅全体にわたってさらに延び得る。
【0076】
第１の領域は、実際の暖炉の前部分に位置させられる、実際の暖炉における近位の領域とすることができる。したがって、第１の表示装置は人工暖炉の前部分に配置され得る。それによって、表示された第１のビデオは、人工暖炉の前部分から生じるように現れる炎を表示でき、炎は人工暖炉要素の前部分において燃焼するように現れることができる。
【0077】
第１のビデオの抽出は、例えば、記録されたビデオにおける実際の火炎パターンにおける炎に深さの値を割り当てるステップを含んでもよく、深さの値は、実際の暖炉への深さと、それぞれの炎が生じる物理的暖炉要素における場所とを表す。それによって、抽出は、深さの値が第１の領域の中にあり、視線に沿って見られるとき、火炎への第１の深さと第２の深さとの間に定められる炎を濾過するステップをさらに含み得る。最後に、第１の抽出されたビデオは、濾過された炎から成ってもよい。
【0078】
第１のビデオの抽出は、例えば、ビデオ処理ソフトウェアを用いて自動的に実行できるが、ビデオ処理ソフトウェアを同じく利用できる人のビデオ編集者によって実行されてもよい。
【0079】
追加または代替の実施形態では、抽出するステップは、人工暖炉の第２の表示装置を用いて表示されるように構成される第２のビデオの抽出を含む。第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、火炎における第２の領域から生じる記録された炎に似ており、第２の領域は、視線に沿って見られるとき、第１の領域に対してある距離に離間される。
【0080】
それによって、第２のビデオは、第１の領域と異なる実際の火炎における第２の領域から炎が生じる実際の火炎パターンを含み得る。そのため、抽出された第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、抽出された第１のビデオにおける実際の火炎パターンと異なってもよい。第２のビデオは人工暖炉において第２の表示装置で表示でき、第２の表示装置の場所は第１の表示装置の場所と異なってもよい。
【0081】
したがって、第２の領域は第３の深さと第４の深さとの間に定めることができ、第３の深さおよび第４の深さは、視線に沿って、第１の深さおよび第２の深さより遠くに離れて設定される。第２の領域は、実際の火炎の幅全体にわたってさらに延び得る。
【0082】
実際の火炎における第２の領域は、実際の暖炉の後部分に位置させられる、実際の暖炉における遠位の深さ領域に対応できる。したがって、第２の表示装置は人工暖炉の後部分に配置され得る。それによって、表示された第２のビデオは、人工暖炉の後部分から生じるように現れる炎を表示でき、炎は人工暖炉要素の後部分において燃焼するように現れることができる。
【0083】
第２のビデオの抽出は、記録されたビデオにおける実際の火炎パターンにおける炎に深さの値を割り当てるステップを含んでもよい。抽出は、深さの値が第２の領域の中にあり、視線に沿って見られるとき、火炎への第３の深さと第４の深さとの間に定められる炎を濾過するステップも含み得る。第２の抽出されたビデオは、濾過された炎から成り得るが、実際の暖炉の背景における実際の火炎の輝きの効果のビデオも含み得る。
【0084】
第２のビデオの抽出も、ビデオ処理ソフトウェアを用いて自動的に実行されてもよい、または、人のビデオ編集者によって実行されてもよい。
【0085】
実施形態では、方法は、抽出された第１のビデオおよび／または抽出された第２のビデオを、追加のビデオおよび／または追加の画像と融合するステップをさらに含む。このステップでは、追加のステップおよび／または追加の画像が、抽出されたビデオに追加されてもよい。追加のビデオまたは画像は、抽出されたビデオにおいてそれぞれの実際の火炎パターンに重ねられてもよく、例えば、設定メニューなどの人工暖炉の技術的情報を含み得るか、または、例えば宣伝の内容を含み得る。
【0086】
実施形態では、抽出された第１のビデオおよび／または抽出された第２のビデオは、半透明鏡、第１のビデオを半透明鏡の第１の側に向けて表示するための第１の表示装置、および／または、第２のビデオを半透明鏡の反対の第２の側に向けて表示するための第２の表示装置、を備える人工暖炉において、人工火炎パターンとして表示されるように構成され、半透明鏡は、人工火炎パターンが視線に沿って視認可能となるように、第１のビデオおよび／または第２のビデオを人工火炎パターンへと再組み合わせするために、その第１の側において第１のビデオを少なくとも部分的に反射するように、および／または、その第２の側において第２のビデオを少なくとも部分的に透過するように、配置される。
【0087】
このような人工暖炉は、いわゆるペッパーズゴースト投影を用いて人工火炎パターンを表示するように構成され、ペッパーズゴースト投影では、表示された第１のビデオが半透明鏡の第１の側において少なくとも部分的に反射される一方で、表示された第２のビデオは半透明鏡の第２の側において少なくとも部分的に透過させられる。それによって、半透明鏡は両方のビデオを再組み合わせするように構成される。第１のビデオは、第２のビデオが生じる平面の前に配置される仮想的な平面から生じて現れるように、ホログラムのような手法で表示される。
【0088】
異なる実際の火炎パターンを両方が含む表示された第１のビデオと表示された第２のビデオとの深さにおけるこの違いは、表示された人工火炎パターンにおいて層状の効果を生じさせ、人工暖炉によってより現実的な描写を生じさせる。
【0089】
方法の実施形態では、人工暖炉は、半透明鏡の上方の場所において筐体の内部に配置され得る第１の表示装置を備える。上記の言葉によって、人工暖炉の設置された構成において、第１の表示装置が半透明鏡より高く配置されるが、少なくとも部分的に同じ水平面に配置されることが意味されている。
【0090】
この実施形態では、第１の表示装置は、第１のビデオにおける炎を、下向き方向において半透明鏡の第１の側へと表示するように構成でき、このとき第１のビデオは少なくとも部分的に反射される。反射した第１のビデオは視線に沿って発し、使用者は、あたかも実際の火炎が人工暖炉要素に存在するかのように、第１のビデオにおける炎および人工暖炉要素を見ることができる。
【0091】
本発明は、人工暖炉のための暖炉要素組立体であって、
人工暖炉要素と、
デジタル保存装置と、
デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される少なくとも１つの第１のビデオと、
を備え、
人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応し、少なくとも１つの第１のビデオは、実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの少なくとも１つの記録されたビデオから抽出され、少なくとも１つの第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、火炎における第１の領域から生じる記録された炎に似ている、暖炉要素組立体をさらに提供する。
人工暖炉要素と、
デジタル保存装置と、
デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される少なくとも１つの第１のビデオと、
を備え、
人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応し、少なくとも１つの第１のビデオは、実際の暖炉での物理的暖炉要素における火炎の実際の火炎パターンの少なくとも１つの記録されたビデオから抽出され、少なくとも１つの第１のビデオにおける実際の火炎パターンは、火炎における第１の領域から生じる記録された炎に似ている、暖炉要素組立体をさらに提供する。
【0092】
暖炉要素組立体は、特定の形を有する人工暖炉要素であって、特定の積み重ねの構成で配置され、人工暖炉要素を形成するために互いと連結される要素部品を備え得る人工暖炉要素を備える。組立体は少なくとも１つのビデオをさらに含み、そのビデオは、実際の暖炉での物理的暖炉要素における実際の火炎の記録されたビデオに基づいた実際の火炎パターンを含む。人工暖炉要素の形は物理的暖炉要素の形に対応し、これは、結果として生じる人工火炎パターンが、この人工暖炉要素が配置される人工暖炉においてこの第１のビデオが表示されるとき、実際の暖炉における実際の火炎に正確に似ていることを意味する。
【0093】
暖炉要素組立体は、既存の人工暖炉に対して設定される交換品として販売されてもよい。例えば、使用者が自身の所有する人工暖炉によって表示される人工火炎パターンに飽きた場合、使用者は暖炉全体を交換する必要がない。使用者は、どちらかといえば新たな暖炉要素組立体を求める可能性があり、その人工暖炉要素は、既存のものと異なる形を有し、したがって第１のビデオは異なることになる。交換組立体は、人工暖炉に設置されると、異なって表示された人工火炎パターンを提供することになり、そのため、人工暖炉全体の交換を必要とすることなく、非常に異なる印象を使用者に与えることができる。
【0094】
暖炉要素組立体の実施形態において、第１のビデオは、第１のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて処理される。
【0095】
実施形態では、暖炉要素組立体は、デジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される少なくとも１つの第２のビデオを備え、少なくとも１つの第２のビデオは、実際の火炎パターンの少なくとも１つの記録されたビデオから抽出され、少なくとも１つの第２のビデオにおける実際の火炎パターンは、火炎における第２の領域から生じる記録された炎に似ており、第２の領域は、視線に沿って見られるとき、第１の領域に対してある距離に離間される。
【0096】
この実施形態では、暖炉要素組立体は、第１のビデオと第２のビデオとの両方を表示するために、２つの表示装置を備える人工暖炉に設置されるように構成される。
【0097】
第１のビデオおよび第２のビデオは、それらを実際の火炎の記録されたビデオから抽出することで提供でき、第１のビデオおよび第２のビデオは、第１の領域および第２の領域から生じる実際の火炎の炎にそれぞれ似たそれぞれの異なる実際の火炎パターンを表示する。
【0098】
暖炉要素組立体のさらなる実施形態において、第２のビデオは、第２のビデオにおける実際の火炎パターンの位置をずらすために、デジタルビデオ編集を用いて処理される。
【0099】
さらなる実施形態において、暖炉要素組立体は、
火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される複数の第１のビデオと、
火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される複数の第２のビデオと、
をさらに含む。
火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される複数の第１のビデオと、
火炎のための複数の火炎設定のそれぞれ１つにおいて、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンのそれぞれの記録されたビデオから各々が抽出される複数の第２のビデオと、
をさらに含む。
【0100】
前述したことと同様に、保存は、異なる火炎設定において実際の火炎の記録されたビデオからそれぞれ抽出された複数の第１のビデオおよび第２のビデオを含み得る。それによって、任意の交換の暖炉要素組立体も、表示された人工火炎パターンのためのパラメータの設定を可能にする人工暖炉で使用されてもよい。
【0101】
さらなる実施形態では、記録されたビデオは、複数のガス火炎設定のそれぞれ１つにおいてガスの火炎の実際の火炎パターンを含む。それによって、第１のビデオおよび第２のビデオはガスの火炎の実際の火炎パターンの少なくとも一部分を含む。
【0102】
代替で、暖炉要素組立体は第1のビデオおよび第2のビデオを含み、それらのビデオの両方が、実際の暖炉における火炎での実際の火炎パターンの記録されたビデオから抽出される。それによって、火炎は、好ましくは木の丸太に作り出される木の火炎であり、それによって、好ましくは暖炉要素組立体の人工暖炉要素は実際の暖炉における木の丸太に似ている。
【0103】
さらなる実施形態において、暖炉要素組立体は、人工暖炉組立体の筐体における実質的に対応する位置合わせ装置と合致するように構成される位置合わせ装置を備え得る。それによって、位置合わせ装置は、人工暖炉での人工火炎パターンの表示の間、表示された第１のビデオおよび第２のビデオとの位置合わせされた位置での人工暖炉要素を確保するために、人工暖炉要素と人工暖炉の筐体との間の相対位置を確保するように構成される。
【0104】
本発明は、人工火炎パターンを表示するための人工暖炉であって、
筐体であって、内部を定め、筐体の内部への視線を許容するための少なくとも１つの開口を備える筐体と、
筐体の内部に配置され、
開口を向く第１の側、および、
開口から離れる方を向く反対の第２の側、
を備える半透明鏡と、
筐体に配置され、第１のビデオを半透明鏡の第１の側に向けて表示するように構成される第１の表示装置と、
筐体の内部に配置される人工暖炉要素であって、半透明鏡の第２の側が人工暖炉要素を向く、人工暖炉要素と、
を備え、
半透明鏡は、人工火炎パターンが視線に沿って視認可能となるように、第１のビデオと人工暖炉要素の画像とを人工火炎パターンへと再組み合わせするために、その第２の側において第１のビデオを少なくとも部分的に反射するように、および、その第２の側において人工暖炉要素の画像を少なくとも部分的に透過するように、配置され、
人工暖炉は、
デジタル保存装置であって、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンの第１のビデオがデジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される、デジタル保存装置をさらに備え、
人工暖炉は、前述したような人工火炎パターンの表示のための方法を実行するように配置される、ことを特徴とする人工暖炉をさらに提供する。
筐体であって、内部を定め、筐体の内部への視線を許容するための少なくとも１つの開口を備える筐体と、
筐体の内部に配置され、
開口を向く第１の側、および、
開口から離れる方を向く反対の第２の側、
を備える半透明鏡と、
筐体に配置され、第１のビデオを半透明鏡の第１の側に向けて表示するように構成される第１の表示装置と、
筐体の内部に配置される人工暖炉要素であって、半透明鏡の第２の側が人工暖炉要素を向く、人工暖炉要素と、
を備え、
半透明鏡は、人工火炎パターンが視線に沿って視認可能となるように、第１のビデオと人工暖炉要素の画像とを人工火炎パターンへと再組み合わせするために、その第２の側において第１のビデオを少なくとも部分的に反射するように、および、その第２の側において人工暖炉要素の画像を少なくとも部分的に透過するように、配置され、
人工暖炉は、
デジタル保存装置であって、実際の暖炉における火炎の実際の火炎パターンの第１のビデオがデジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される、デジタル保存装置をさらに備え、
人工暖炉は、前述したような人工火炎パターンの表示のための方法を実行するように配置される、ことを特徴とする人工暖炉をさらに提供する。
【0105】
本発明による人工暖炉は、ペッパーズゴースト投影を用いて人工火炎パターンを表示するように構成される。それによって、人工暖炉は、第１のビデオを半透明鏡の第１の側に向けて表示するように構成され、第１のビデオは少なくとも部分的に反射される。
【0106】
視線に沿って、使用者は人工火炎パターンを見ることができ、人工火炎パターンは、第１のビデオからの実際の火炎パターンと人工暖炉要素とから成る。使用者は、視線に沿って、表示された第１のビデオが半透明鏡によって反射される一方で、半透明鏡は視線に沿って透明でもあるため、第１のビデオからの実際の火炎パターンが人工暖炉の真ん中における場所から生じるように現れるのを見ることになる。
【0107】
それによって、人工暖炉は、人工暖炉のリアリズムを向上させるために、ホログラムのような手法で第１のビデオを表示する能力を提供する。
【0108】
人工暖炉のこの実施形態によれば、第１の表示装置は、半透明鏡の上方の場所において筐体の内部に配置され得る。上記の言葉によって、人工暖炉の設置された構成において、第１の表示装置が半透明鏡より高く配置されるが、少なくとも部分的に同じ水平面に配置されることが意味されている。
【0109】
第１の表示装置は、第１のビデオにおける炎を、下向き方向において半透明鏡の第１の側へと表示するように構成でき、このとき第１のビデオは少なくとも部分的に反射される。反射した第１のビデオは視線に沿って発し、使用者は、あたかも実際の火炎が人工暖炉要素に存在するかのように、第１のビデオにおける炎および人工暖炉要素を見ることができる。
【0110】
実施形態において、人工暖炉の半透明鏡は、例えばガラス板といった透明な板と、板の第１の側に設けられる第１の被覆と、板の第２の側に設けられる第２の被覆と、を備える。板の第１の側は半透明鏡の第１の側に対応でき、第１の被覆は、半透明鏡の反射性の第１の側を形成するために、光を反射するように構成される反射性被覆であり得る。板の第２の側は半透明鏡の第２の側に対応でき、第２の被覆は、半透明鏡の透過する第２の側を形成するために、光を透過するように構成される透過性被覆であり得る。
【0111】
代替または追加で、半透明鏡は、鏡の第１の表面に適用される偏光箔を備える。偏光箔は、例えば、間に開口を有する網のような構造を一緒に定める三次元要素を備える微小ルーバー層を備え得る。開口は、開口と実質的に平行な方向の範囲において光の透過を可能にし、開口と非平行である光の吸収を提供する。したがって、偏光箔は、例えば、視線に沿って、および／または半透明鏡の平面に垂直にといった特定の方向において、炎の反射した第１のビデオおよび透過した第２のビデオの透過を可能にすることができ、太陽光または天井からの光など、暖炉の周囲からの光の反射が見えるのを防止するために、他の方向における望ましくない光の反射の吸収を可能にすることができる。
【0112】
実施形態では、半透明鏡は、人工暖炉の設置された構成において、鉛直方向に対して直角ではない角度で設定される。半透明鏡は、０°から９０°の間の範囲にあるが、０°および９０°に等しくない鉛直方向との角度で設定される。
【0113】
追加の実施形態において、半透明鏡の第１の側は、直立方向を少なくとも部分的に向く。直立方向は、上向きの鉛直方向と平行に位置合わせされる。鏡の第１の側は、直立方向に位置合わせされる構成要素を少なくとも有するその平面に対して垂直な第１の線を有する。第１の表示装置は、半透明鏡の上方に少なくとも部分的に配置され、それによって、半透明鏡の第１の側を向く。人工暖炉の使用の間、第１の表示装置は、半透明鏡の第１の側を向く下向きの方向において炎の第１のビデオを表示するように構成される。
【0114】
代替の実施形態において、半透明鏡の配向は逆にされてもよい。この実施形態では、半透明鏡の第２の側は、直立方向を少なくとも部分的に向く。それによって、半透明鏡の第１の側は、その平面に対して垂直な第２の線を有し、第２の線は、直立方向と反対の下向きの鉛直方向に向けられる成分を少なくとも有する。この実施形態では、第１の表示装置は、半透明鏡の下方に少なくとも部分的に配置される。人工暖炉の使用の間、炎の第１のビデオは、半透明鏡の第１の側を向く直立方向において表示される。
【0115】
実施形態では、半透明鏡と鉛直方向との間の直角ではない角度は、２５°から６５°の間、好ましくは３５°から５５°の間、最も好ましくはおおよそ４５°である。４５°のこの好ましい角度であれば、第１の表示装置は、鏡の第１の側を向く下向きの鉛直方向において炎の第１のビデオを表示するために実質的に水平に配置でき、第２の表示装置は、鏡の第２の側を向く水平方向において第２のビデオを表示するために鉛直に配置できる。
【0116】
実施形態では、半透明鏡は、半透明鏡の縁が人工暖炉の筐体の側壁に実質的に当接するように、人工暖炉の幅全体にわたって配置される。好ましくは、半透明鏡の縁は、半透明鏡の縁の視認性を最小限にするために、半透明鏡の薄く滑らかな縁を得るように研磨される。
【0117】
実施形態では、半透明鏡の第１の側は、その表面にわたって異なる量の反射を達成するために、局所的に処理される。この実施形態であれば、半透明鏡の第１の側における人工暖炉の外側の物体からの反射が低減されることが達成できる。例えば、天井または天井における光源の反射が最小限とされ得る。それにより、好ましくは、半透明鏡の第２の側は、その表面にわたって異なる量の透過を達成するために、局所的に処理される。それによって、第１のビデオおよび第２のビデオにおける炎のコントラストを向上させるために、ならびに、表示される人工火炎パターンの品質を向上させるために、バックライトの量がさらに低減できる。
【0118】
例示の実施形態において、半透明鏡は、中間部分において、人工火炎パターンにおける光が、第２のビデオからの透過した光の３０％と、炎の第１のビデオからの反射した光の７０％とから成るように処理されてもよい。半透明鏡の縁に向けて、この割合は、第２のビデオからの１０％と、炎の第１のビデオからの９０％とに向けて変化させられる。好ましくは、漸進的な変化が、中間部分における割合と、縁に向けての割合との間に設けられる。
【0119】
実施形態では、人工暖炉の筐体は、筐体における開口にわたって水平に延び、それによって開口を２つの部分へと分割する横棒を備える。それによって、開口の上部分は横棒の上方に定められ、開口の下部分は横棒の下方に定められる。横棒は半透明鏡のための支持部を形成し、半透明鏡は横棒に圧し掛かるように構成される。さらに、横棒は、視線に沿って見られるとき、鏡の前縁が横棒の下に位置させられるため、その縁を覆うように配置される。
【0120】
鏡の前底縁から上向きに広がる、筐体における第１の開口だけが提供される場合と比較して、横棒を伴う２つの開口は、筐体においてより高い組み合わされた開口を提供する。それによって、人工暖炉はより現実的となる。
【0121】
鏡の前縁が覆われていれば、それによって、前縁が通常は最も見えやすいため、横棒は鏡がまったく設けられていないという印象を与える。さらに、横棒を用いた開口の分離は、使用者が開口の上部分と下部分との両方を通じて筐体の内部を見ることができるようにする。使用者が上部分を通じて見るとき、表示された人工火炎パターンは視認可能であり、一方、下部分を通じて見ることは、人工の木の丸太、光の反射、および瞬く光など、使用者に人工暖炉の内部における他の要素を見させることができる。
【0122】
実施形態では、人工暖炉は、
筐体に配置され、第２のビデオを半透明鏡の第２の側に向けて表示するように構成される第２の表示装置をさらに備え、半透明鏡は、人工火炎パターンを前記第２のビデオとさらに再組み合わせするために、その第２の側において第２のビデオを少なくとも部分的に透過するようにさらに配置され、実際の火炎パターンの第２のビデオがデジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される。
筐体に配置され、第２のビデオを半透明鏡の第２の側に向けて表示するように構成される第２の表示装置をさらに備え、半透明鏡は、人工火炎パターンを前記第２のビデオとさらに再組み合わせするために、その第２の側において第２のビデオを少なくとも部分的に透過するようにさらに配置され、実際の火炎パターンの第２のビデオがデジタル保存装置に少なくとも一時的に保存される。
【0123】
それによって、人工暖炉は、第２のビデオを半透明鏡の第２の側に向けて表示するように構成され、第２のビデオは、反射した第１のビデオおよび透過した第２のビデオを含む結果生じる人工火炎パターンが形成されるように、少なくとも部分的に透過される。
【0124】
視線に沿って、使用者はさらにより現実的な人工火炎パターンを見ることができ、その人工火炎パターンは、第１のビデオからの実際の火炎パターンと第２のビデオからの実際の火炎パターンとから成る。使用者は、視線に沿って、第２のビデオからの実際の火炎パターンが第２の表示装置と人工暖炉の後部分とから生じることを見ることになる。使用者は、第１のビデオからの実際の火炎パターンが人工暖炉の中間における場所から生じるように現れるのをさらに見ることになる。
【0125】
この実施形態によれば、表示された人工火炎パターンは、人工暖炉における異なる場所から生じるか、または少なくとも現れる。これは、表示された人工火炎パターンにおいて層状の効果を生じさせ、人工暖炉のより現実的な外観を生じさせることができる。
【0126】
実施形態では、第１の表示装置および／または第２の表示装置は、ＬＣＤモニターなどの監視装置として提供される。これらの監視装置は、比較的薄く、十分な量の光を生成することができるという利点を有し、半透明鏡によって反射されるにも拘らず、第１のビデオを視認可能とさせることができる、および／または、半透明鏡によって透過させられるにも拘らず、第２のビデオを視認可能とさせることができる。好ましくは、監視装置のバックライトの量は、炎に十分な明るさを提供するために、および、第１のビデオおよび第２のビデオにおける炎のコントラストを向上させるために、表示された炎を包囲する領域において最小限とされる。
【0127】
実施形態では、人工暖炉は、視線に沿って見られるとき、第１のビデオおよび／または第２のビデオを人工暖炉要素と位置合わせするように構成される制御装置をさらに備える。制御装置は、ビデオの中の実際の火炎パターンの位置をずらすように構成され得る。これは、例えば、炎が人工暖炉において表示されると異なる場所から生じて現れるように、第１のビデオにおける炎の位置が第１のビデオのフレームの中でずらされ得ることを意味する。それによって、例えば第１または第２の表示装置のずらしを必要とすることなくといった、第１のビデオおよび／または第２のビデオが表示される位置のずらしを必要とすることなく、使用者が第１のビデオおよび／または第２のビデオで実際の火炎パターンを見る位置を調節することが可能である。
【0128】
代替で、人工暖炉は、第１のビデオおよび／または第２のビデオを人工暖炉要素と位置合わせするための制御装置を欠いてもよい。この代替の暖炉では、人工暖炉要素は、製造の間に第１の表示装置および／または第２の表示装置と位置合わせされ得る。人工暖炉要素の位置は、人工暖炉の移送および設置の間に正確な位置合わせを確保するために、さらに保護される。
【0129】
人工暖炉の実施形態では、人工暖炉要素の形が実際の暖炉における物理的暖炉要素の形に実質的に対応する。人工暖炉の筐体は、筐体の内部に固定的に配置される第１の位置合わせ装置を備え、人工暖炉要素は、人工暖炉要素と人工火炎パターンの筐体との間の相対位置を保持するために、第１の位置合わせ装置と合致するように構成される相補的な第２の位置合わせ装置を備え得る。
【0130】
人工暖炉要素は、例えば、特定のピンパターンで配置される複数のピンを備え得る。ピンは人工暖炉要素の要素部品から下向きに延びることができる。
【0131】
人工暖炉は、対応する大きさの孔を備えてもよく、その孔は、同じピンパターンで配置され、ピンの外径に対応する内径を有し得る。孔は、例えば、人工暖炉の筐体における網において配置され得る。
【0132】
人工暖炉要素が人工暖炉の内部に配置されるとき、ピンは孔に持って来られる。ピンと孔とは相補的な形を有し、それらの間に１つの相対位置を許容するだけである。この１つの相対位置は、人工暖炉の筐体における人工暖炉要素の位置合わせされた位置に対応する。それによって、人工暖炉要素と、表示された第１および／または第２のビデオと、の間の相対位置は、人工暖炉の使用の間に確保され得る。
【0133】
実施形態では、人工暖炉は、人工暖炉要素に隣接して配置され、人工暖炉要素を照らすように構成される少なくとも１つの第１の光源をさらに備える。第１の光源は、筐体の上部分に、第１の表示装置に隣接して配置されるＬＥＤの帯として提供され得る。ＬＥＤ帯は、人工暖炉要素の視認性を向上させるために、人工暖炉要素を照らすように構成される。したがって、人工暖炉要素は、視線に沿って見られるとき、半透明鏡の後に配置され、光を能動的に発しない。照らされない場合、人工暖炉要素は、暗すぎて半透明鏡を通じて十分に視認することはできない。したがって、実際の暖炉では、人工暖炉要素は炎によって照らさられることになる。人工暖炉要素を少なくとも１つの第１の光源で照らすことで、人工暖炉要素の視認性は向上させられ、これは人工暖炉のリアリズムに寄与する。
【0134】
追加または代替の実施形態において、人工暖炉は、筐体の内部に配置される網をさらに備える。網は、人工暖炉の幅全体に好ましくは広がり、筐体の底部分の上方に好ましくは持ち上げられる。暖炉の前部において、網は、網の下方に配置される人工暖炉の構成要素を使用者が見ることができることを防止するために、筐体における開口の底縁と面一とすることができる。
【0135】
網は、格子状の構造と、光が通過できる複数の貫通孔と、を備える。網の第１の側は上向き方向を少なくともある程度向き、人工暖炉要素は網の第１の側に配置される。それによって、人工暖炉要素は、筐体における開口を通じて、視線に沿って視認可能である。実施形態では、開口は、網の第１の側と第２の側との間を延びる物理的な貫通孔として提供される。代替の実施形態では、開口は物理的な開口ではなく、網は、格子状の構造を形成するための覆われた領域と、開口を形成するための覆われていない領域とを有する透明なガラスまたはプラスチックのパネルを備えてもよい。
【0136】
実施形態では、人工暖炉は、筐体の内部に配置され、網の反対の第２の側を向く少なくとも１つの第２の光源をさらに備える。少なくとも１つの第２の光源は、実際の火炎における木の丸太の輝きと同様に、人工暖炉要素が輝くように現れる効果を提供するように構成される。少なくとも１つの第２の光源は、人工暖炉要素を下方から照らすように、人工暖炉要素の下方に配置される。
【0137】
実施形態では、人工暖炉は、人工暖炉の幅にわたって離間される複数の第２の光源を備える。第２の光源からの発せられた光は、輝く木の実際の効果を真似るために、橙色または赤色を有し得る。第２の光源は、強さが時間とともに変わる光を発するようにさらに構成され得る。変化する強さは、輝く木の強さも時間とともに変動するため、輝く木を真似るように意図されている。
【0138】
本実施形態によれば、網は第２の光源と人工暖炉要素との間に配置される。したがって、第２の光源からの発せられた光は、網における開口を最初に通過し、その後に人工暖炉要素が照らされる。網における開口が光の透過を許容する一方で、格子状の構造は、入射する光を妨げ、人工暖炉要素における影をもたらす。網の影は人工暖炉要素に炭化効果を作り出し、これは人工暖炉要素を炭化した木の丸太に似せる。
【0139】
実施形態では、人工暖炉は複数の反射要素を備え、反射要素は網の第１の側に配置され、入射する光線を反射および散乱させるように構成される。反射要素は、例えば、網にわたって広げられるガラス断片とすることができ、具体的には、人工暖炉要素が配置されないガラス断片とすることができる。反射要素は、第２の光源から発せられる光によって同じく照らされてもよく、人工暖炉において輝く燃えさしの効果を発生させる。
【0140】
実施形態では、人工暖炉は、音信号を発するように構成される音響装置を備える。音信号は、例えば、使用者へのさらにより現実的な効果を得るために、第１のビデオおよび／または第２のビデオにおける火炎と好ましくは同期させられるパチパチという火炎の音であり得る。好ましくは、発せられる音信号の音量は調節でき、人工暖炉は、発せられる音信号の音量を変更するために遠隔制御装置を備え得る。
【0141】
実施形態では、人工暖炉は、熱輻射を発するように構成される加熱装置を備える。加熱装置は電気ヒータとすることができ、電気ヒータは、筐体における開口の下方および／または上方に配置され、人工暖炉の前における使用者の方を向く通気開口を有し得る。代替で、加熱装置は、人工暖炉要素に組み込まれてもよく、および／または、通常は実際の暖炉において熱を生成する輝く燃えさしに似た網における可及的なガラス要素に組み込まれてもよく、人工暖炉の筐体における開口の前に配置されるガラス窓を通じて熱輻射を発するように構成されてもよい。それによって、人工暖炉のリアリズムは向上させられる。
【0142】
好ましくは、発せられた熱輻射は、実際の暖炉における実際の火炎によって発せられる熱に正確に似ている。好ましくは、発せられた熱輻射の温度および／または強さは、好ましくは遠隔制御装置を用いて、調節できる。代替で、人工暖炉は、暖炉に近接する使用者の存在を検出するように構成され、発生した熱の量を使用者の存在に基づいて調節するように構成される検出装置を備え得る。
【0143】
半透明鏡における偏光箔の代替または追加で、第１の表示装置は偏光箔を備えてもよい。第１の表示装置におけるこの偏光箔は、第１の表示装置の通常の方向と比較的大きい角度にある方向で発せられる光を吸収するように構成される。これらの大きい角度に沿って、表示される画像は、バックライトによって大きな度合いまで除外され、ぼやけて表示される画像を生じさせる。これらの大きい角度における方向で光を吸収することで、暖炉によって発せられるバックライトの量が低減され、人工暖炉の全体のリアリズムが向上させられる。
【0144】
代替または追加で、第２の表示装置は、表示される画像におけるバックライトの視認性を低減するために同様の偏光箔を備え得る。
【0145】
実施形態では、第１の表示装置および／または第２の表示装置は、それぞれの複数の異なる第１のビデオおよび／または第２のビデオを表示するように構成される。異なるビデオの各々は、異なる高さを有する炎、および／または、異なる強さを有する炎を含み得る。それによって、表示された人工火炎パターンの炎の高さおよび／または強さは、異なるビデオの間で変わってもよく、使用者は異なる種類の炎を表示させることができる。
【0146】
また、人工暖炉は、例えば回転可能なノブとして具現化される、入力装置を備えてもよい。使用者は、人工暖炉で表示される適切な人工火炎パターンを選択するための入力装置を使用することができる。したがって、入力装置は、例えば、複数の第１のビデオおよび／または第２のビデオのどちらが第１の表示装置および／または第２の表示装置を用いて表示されるかを選択するためにといった、表示される人工火炎パターンの炎の高さおよび／または強さを選択するために使用できる。
【0147】
入力装置は暖炉の外側における回転可能なノブとすることができ、そのノブは、人工暖炉の使用者に、人工暖炉で表示される人工火炎パターンのためのパラメータを設定させることができる。代替で、入力装置は、遠隔制御装置であってもよく、または、人工暖炉を制御するためにアプリケーションがインストールされているスマートフォンなどの携帯通信装置であってもよい。入力装置は、例えば、遠隔制御装置における１つ以上のボタンによって形成され得る、または、携帯通信装置におけるアプリケーションにおける仮想的なスライダーによって形成され得る。
【0148】
追加または代替の実施形態では、人工暖炉は、人工暖炉要素に隣接して配置され、人工暖炉要素を照らすように構成される少なくとも１つの第１の光源をさらに備える。第１の光源は、筐体の上部分に、第１の表示装置に隣接して配置されるＬＥＤの帯として提供され得る。ＬＥＤ帯は、人工暖炉要素の視認性を向上させるために、人工暖炉要素を照らすように構成される。したがって、人工暖炉要素は、視線に沿って見られるとき、半透明鏡の後に配置され、光を能動的に発しない。照らされない場合、人工暖炉要素は、暗すぎて半透明鏡を通じて十分に視認することはできない。したがって、実際の暖炉では、人工暖炉要素は炎によって照らさられることになる。人工暖炉要素を少なくとも１つの第１の光源で照らすことで、人工暖炉要素の視認性は向上させられ、これは人工暖炉のリアリズムに寄与する。
【0149】
少なくとも１つの第１の光源は、例えばビデオが人工暖炉において表示されないときなど、第１の表示装置および／または第２の表示装置が作動停止させられるとき、人工暖炉要素を照らすように構成されてもよい。人工暖炉要素は、視線に沿って見られるときに半透明鏡の後に位置させられるため、その視認性は鏡の存在のため通常は低減させられ得る。人工暖炉要素を照らすことは、人工暖炉要素の視認性を向上させることができ、鏡の存在が使用者によって経験されにくくなる効果を達成することができ、これは、人工暖炉のリアリズムが向上させられることと、木の丸太などの物理的暖炉要素で実際の暖炉をより正確に真似ることと、を可能にする。ここで、人工暖炉要素を照らすことは、例えば、実際の暖炉において物理的暖炉要素を照らす昼の光に似せるために、昼の光を真似る波長スペクトルを有するといった、視認可能な領域での波長を有する発せられた光を用いて照らすことを含み得る。
【0150】
さらなる実施形態では、少なくとも１つの第１の光源は、人工暖炉要素を瞬きの効果で照らすように構成される。瞬きの効果は、例えば、実際の暖炉における実際の炎によって発せられる光に似せるために赤色、橙色、または黄色を有する、視認可能な領域での波長を有する発せられた光を用いて照らすことを含み得る。瞬きの効果は、実際の暖炉における実際の炎によって発せされる変化する光の強さに似せるために、発せられる光の強さの変化を代替または追加で含んでもよい。
【0151】
少なくとも１つの第１の光源は、その発せられた光が、少なくとも１つの第１の光源と人工暖炉要素との間における任意の要素によって邪魔されずに人工暖炉要素を照らすことができるように、視線に沿って見られるとき、半透明鏡の後に配置され得る。例えば、少なくとも１つの第１の光源は、例えば人工暖炉の幅全体といった、人工暖炉の内部の幅の実質的な部分にわたるＬＥＤの帯として具現化できる。ＬＥＤの帯は、筐体の天井に接して、半透明鏡の後に設けることができる。それによって、人工暖炉要素は、人工暖炉要素を照らすリアリズムを向上させるために、幅全体の実質的な部分にわたって照らされ得る。
【0152】
追加または代替の実施形態において、人工暖炉は、人工暖炉の外側の周囲光状態の強さを表す光センサ信号を発するように構成される光センサをさらに備える。光センサは、人工暖炉の外側の周囲光状態の最適な検出を可能とするために、人工暖炉の筐体の外側に配置され得る。少なくとも１つの第１の光源は、光センサ信号に基づいて、少なくとも１つの光源で発せられる光の強さを調節するように構成される。そのために、少なくとも１つの第１の光源は、光センサに連結させることができ、発せられた光の強さを調節するための制御ユニットを備え得る。
【0153】
少なくとも１つの第１の光源からの光の調節の結果として、筐体の内部における人工暖炉要素を照らすことは調節されることになり、これは人工暖炉要素の視認性に変化をもたらす。この変化は、半透明鏡が人工暖炉要素の通常の視認性を低減させ得るため、人工暖炉要素をすべての周囲光状態に対して半透明鏡の後で視認可能とさせるために必要であり得る。
【0154】
例えば、昼の光の状態の間、半透明鏡における周囲光の反射が人工暖炉要素の視認性を低下させる可能性がある。光センサ信号は比較的大きくでき、少なくとも１つの第１の光源が比較的大きい強さで光を発することをもたらすことができる。他方で、昼の光のない場合、周囲光状態はより強くない可能性があり、小さい光センサ信号をもたらす。したがって、少なくとも１つの第１の光源は、比較的小さい強さで光を発するように構成される。
【0155】
さらに、少なくとも１つの光源は、第１の表示装置および／または第２の表示装置が作動停止させられるとき、および、したがって、ビデオが表示されないとき、同じく光を発するように構成されてもよい。これは、人口の火炎が表示されないときでも人工暖炉要素が照らせるという利点を提供することができる。これは、実際の火炎が存在しない実際の暖炉をより正確に真似るために、人工暖炉要素と人工暖炉との間での半透明鏡の存在に拘わらず、人工暖炉が作動されていないとき、人工暖炉要素の視認性を増加させる。
【0156】
本発明のさらなる特性は、添付の図面に表示されている実施形態を参照して後で説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明による人工暖炉の実施形態の概略図である。
【図2b】炎の第１のビデオによる第１の光線と、第２のビデオによる第２の光線との実施形態の図である。
【図3b】人工暖炉要素の図である。
【図4a】記録されたビデオの実施形態の図である。
【図4b】炎の第１のビデオによる第１の光線の実施形態の図である。
【図4c】第２のビデオによる第２の光線との実施形態の図である。
【図5a】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5b】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5c】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5d】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5e】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5f】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5g】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5h】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5i】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5j】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5k】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【図5l】人工暖炉で人工火炎パターンを表示するための方法の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0158】
図を通じて、同じ符号が、対応する構成要素、または、対応する機能を有する構成要素に言及するために使用されている。
【0159】
図１は、符号１で言及されている、本発明による人工暖炉の実施形態を概略的に描写している。人工暖炉１は、開口３が設けられている筐体２を備える。筐体２は内部４を定めており、開口３は内部４へのアクセスを提供するように構成されている。開口３は、筐体２の前に配置されており、筐体２の内部４への視線（Ｓ）を許容する。図では、視線（Ｓ）は、水平方向で位置合わせされて表示されているが、使用者が筐体２の内部４を見ることができる任意の線が視線として解釈できる。
【0160】
本実施形態では、筐体２における開口３はガラス板で覆われている。ガラス板は視覚領域での光に対して透過であるため、使用者は筐体２の内部４を見ることができる。代替で、ガラス板は、筐体２の内部４を見るときの障害を減らすために省略されてもよい。
【0161】
【0162】
半透明鏡１０は、水平方向（Ｈ）および鉛直方向（Ｖ）に対して直角ではない角度に設定されている。本実施形態では、角度は４５°に設定されている。半透明鏡１０は筐体２に対して固定されている。筐体２の前において、鏡１０は横棒１１に搭載されており、横棒１１は、筐体２の幅にわたって、筐体２における開口３の前で延びている。横棒１１は、鏡１０がまったく設けられていないという印象を与えるために、鏡１０の前縁を覆うようにさらに配置されている。
【0163】
半透明鏡１０は第１の側１２を備え、第１の側１２は、筐体２における開口３を向き、上向きの鉛直方向にもある程度位置合わせされる。鏡１０の第１の側１２は、それに向けて表示されるビデオを少なくとも部分的に反射するように構成されている。
【0164】
半透明鏡１０は第２の側１３を備え、第２の側１３は、第１の側１２の反対に配置され、開口３から離れる方を向いている。第２の側１３も下向きの鉛直方向である程度位置合わせされている。鏡１０の第２の側１３は、それに向けて表示されるビデオを少なくとも部分的に透過するように構成されている。
【0165】
鏡１０は、その第２の側１３から第１の側１２に向けて光線を透過するように構成されている。第１の側１２において、第２の側１３からの透過した光線と第１の側１２からの反射した光線とが再組み合わせされ、組み合わされた光線が第１の側１２から発せられる。４５°における鏡１０の配向のため、鉛直方向（Ｖ）および水平方向（Ｈ）に対して、第１の表示装置２０が、実質的に水平に配置でき、下向きの鉛直方向（Ｖ）において炎の第１のビデオを表示するように構成でき、第２の表示装置３０が、実質的に鉛直に配置でき、水平方向（Ｈ）において第２のビデオを表示するように構成できる。
【0166】
人工暖炉１は第１の表示装置２０を備え、第１の表示装置２０は、筐体２の上部分において筐体２の内部４に配置されている。本実施形態では、第１の表示装置２０は、下向きの鉛直方向（Ｖ）で第１の光線２１を発するように構成される平坦な画面の監視装置２０として提供されている。それによって、第１の光線２１は半透明鏡１０の第１の側１２に投影され、そこで筐体２における開口３を通じて部分的に反射される。炎の第１のビデオ２２が、第１の表示装置２０によって第１の光線２１を発することが炎の第１のビデオ２２の表示に対応するように、発せられた第１の光線２１に含まれ得る。
【0167】
人工暖炉１は第２の表示装置３０をさらに備え、第２の表示装置３０は、筐体２の後部分において筐体２の内部４に配置されている。第２の表示装置３０も、本実施形態では平坦な画面の監視装置３０であり、鉛直方向（Ｖ）において延びている。第２の表示装置３０は、水平方向（Ｈ）における第２の光線３１を半透明鏡１０の第２の側１３へと発するように構成されており、第２の側１３において、第２の光線３１は鏡１０の第１の側１２に向けて少なくとも部分的に透過させられる。第２のビデオ３２が、第２の表示装置３０によって第２の光線３１を発することが第２のビデオ３２の表示に対応するように、発せられた第２の光線３１に含まれ得る。
【0168】
鏡１０は、第１の光線２１と第２の光線３１とを再組み合わせするように、および、この再組み合わせされた光線を、開口３を通じて視線（Ｓ）に沿って透過させるように、構成されている。第１の光線２１が鏡１０の第１の側１２において反射されるため、視線（Ｓ）に沿って見られるとき、第１の光線２１が、鏡１０と交差する仮想的な鉛直平面２１´から生じることになる。図３ａにおいて、この仮想的な鉛直平面２１´は点線によって指示されている。
【0169】
第２の光線３１は、第２の表示装置３０から生じ、視線（Ｓ）と実質的に平行である水平方向（Ｈ）において発せられる。また、開口３を通じて視線（Ｓ）に沿って筐体２を見る使用者にとって、第２の光線３１は筐体２の後部分から生じるように現れ、第１の光線２１は仮想的な鉛直平面２１´から生じるように現れる。したがって、使用者にとって、第１の光線２１の投影と第２の光線３１の投影との間に間隔Δがあることになる。図２ｂでは、光線２１、３１の間のこの間隔Δは概略的に示されている。
【0170】
人工暖炉１のこの実施形態において、第１の光線２１が炎の第１のビデオ２２を含み、第２の光線３１は炎の第２のビデオ３２を含む。両方のビデオは、実際の火炎の記録されたビデオから抽出されており、したがって炎の正確な表示を形成する。代替で、第１のビデオおよび第２のビデオは、仮想的な火炎のレンダリングされたビデオであってもよく、そのビデオは、例えば、人工暖炉の制御装置によってリアルタイムでレンダリングされてもよい。
【0171】
人工暖炉１は、筐体２の内部４に配置される網４０をさらに備える。網４０は、水平方向（Ｈ）において少なくとも部分的に延び、貫通孔を定める格子状の構造を有する。網４０は、上向きの鉛直方向を少なくとも部分的に向く第１の側４１を有する。網４０の前部分は、下向き方向に若干曲げられており、開口３に隣接する筐体２の底縁に向けて延びている。
【0172】
人工暖炉１は人工暖炉要素５０を備え、人工暖炉要素５０は、積み重ねの構成で配置され、筐体２の内部４に同じく配置されている複数の要素部品を備える。人工暖炉要素５０は、実際の暖炉における物理的暖炉要素に似ており、人工暖炉１の本実施形態では、木の火炎における積み重ねられた木の丸太に似ている。
【0173】
人工暖炉要素５０は網４０に配置されており、実際の木の丸太に似せるために、要素部品は積み重ねられている。人工暖炉要素５０は半透明鏡１０と第２の表示装置３０との間に配置されており、半透明鏡１０の第２の側１３は人工暖炉要素５０を向いている。
【0174】
図３ｂでは、人工暖炉要素５０の要素部品のうちの少なくとも１つの前面５１が第１の光線２１の仮想的な鉛直平面２１´と平行に位置合わせされていることが示されている。そのため、この少なくとも１つの要素部品は、仮想的な鉛直平面２１´と交わらず、鉛直の前面５１は、第１の光線２１の正確な集束を可能とし、使用者に、第１のビデオ２２における炎を、第１の鉛直平面２１´から生じて現れるように経験させることができる。
【0175】
人工暖炉要素５０は、第１の光線２１が生じるように現れる仮想的な鉛直平面２１´と、第２の光線３１が生じる第２の表示装置３０との間に配置されている。光線２１、３１の両方は、三次元の炎の効果が達成されるように炎２２、３２のビデオを含む。したがって、人工暖炉要素５０の前または上と、人工暖炉要素５０の後との両方に炎があることになる。
【0176】
人工暖炉１は光源をさらに備え、光源は、本実施形態では、筐体２の上部分において筐体２の内部４に配置されるＬＥＤの帯５２として具現化されている。ＬＥＤの帯５２は、筐体２の実質的に幅全体にわたって延びており、下方に配置される人工暖炉要素５０を照らすように構成されている。それによって、照らされた人工暖炉要素５０は、使用者にとって、筐体２の内部４の中で向上した視認性を有する。暖炉１は遮蔽体５３をさらに備え、遮蔽体５３は、ＬＥＤの帯５２の前に配置され、ＬＥＤの帯５２からの発せられた光が筐体２における開口３に直接的に到達するのを防止するように構成されている。
【0177】
人工暖炉１は、同様に内部４に配置される複数の第２の光源５４をさらに備える。第２の光源は、筐体２の幅にわたって延びるとともに互いから離間されている複数のランプ５４を備える。ランプ５４は、網４０の下方に配置され、網４０の第２の側４２の方を向き、その第２の側４２は、第１の側４１の反対に配置され、下向き方向を少なくとも部分的に向く。
【0178】
ランプ５４は人工暖炉要素５０も照らすように構成される。ランプ５４からの光は、網４０における開口を通過し、人工暖炉要素５０において輝く。網４０の格子は、網４０における開口を通過する光だけが人工暖炉要素５０に到達するため、人工暖炉要素５０に網状の影をもたらす。この網状の影は人工暖炉要素５０に炭化効果を作り出し、これは要素部品を炭化した木の丸太に似せる。
【0179】
好ましくは、ランプ５４は、人工暖炉要素５０の輝きの効果に似せるために、赤色と黄色との間のスペクトルでの光の色に対応する波長を有する視認可能な範囲での光を発する。ランプ５４は、人工暖炉要素５０のさらにより現実的な輝きの効果を達成するために、時間とともに変化する強さで光を発するように、制御装置６２によって制御される。制御装置６２は、強さにおける変化を、第１および第２の光線２１、３１での第１および第２のビデオ２２、３２で表示される炎のパターンと同期させるように構成される。
【0180】
筐体２における開口３の底縁と横棒１１との間で、開口３の下部分３´は、使用者に網４０の一部分を見させることができる。ここで、ランプ５４からの光も視認可能である。好ましくは、図示されていないが、人工暖炉１は、網４０の第１の側４１に配置される大量の反射性散乱要素を備える。反射要素は、例えば、入射する光線を反射および散乱させるように構成されるガラス断片であり得る。ガラス要素は、網４０における輝く燃えさしに似せるために、網４０における開口を通じて下方から来るランプ５４によって発せられる光を反射および散乱させるように構成される。これらのガラス要素は下部分３´を通じて視認可能であり、人工暖炉１が実際の暖炉により現実的に似ていることをもたらす。
【0181】
人工暖炉は音響装置６０と加熱装置６１とをさらに備える。音響装置６０は、筐体２の上部に配置されており、実際の暖炉における実際の木の火炎の音に似た音信号を発するように構成されている。加熱装置６１は、開口３の下方において筐体２の内部４に配置されており、熱輻射を発するように構成されている。発せられた熱輻射は、実際の暖炉における実際の火炎によって発生させられる熱を真似ており、より現実的な人工暖炉１を作り出す目的に供し得るが、人工暖炉１が設置される部屋を加熱することにも寄与できる。好ましくは、筐体２は、加熱装置６１からの熱輻射を逃がすことを可能とするために、筐体２の前部において開口３の下方に通気孔を備える。図に示されている実施形態では、音響装置６０は開口３の上方に位置させられ、加熱装置６１は開口３の下方に位置させられている。本発明によれば、音響装置および加熱装置は、人工暖炉における他の位置に位置させられてもよい。
【0182】
人工暖炉１は、制御装置６２とデジタル保存装置６３とをさらに備える。制御装置６２は、第１の表示装置２０および第２の表示装置３０に電気的に連結されており、表示装置２０、３０を制御するように構成されている。制御装置６２は保存装置６３にさらに連結されている。保存装置６３は第１のビデオ２２と第２のビデオ３２とを少なくとも含み、それらビデオは保存装置６３に保存されている。保存装置６３は、本実施形態では、ビデオ２２、３２での光線２１、３１を発するために表示装置２０、３０に連結されているメディアプレーヤとして提供されている。
【0183】
第１のビデオ２２および第２のビデオ３２が保存されている保存装置６３と、人工暖炉要素５０と、は暖炉要素組立体を一緒に形成している。使用者が人工暖炉１の異なる人工火炎パターンに興味がある場合、使用者は、異なる暖炉要素組立体を提供でき、本組立体の人工暖炉要素５０を、異なる構成で積み重ねられた要素部品を有し得る交換組立体の人工暖炉要素と交換することができる。交換組立体の保存装置は、交換組立体の人工暖炉要素に対応する異なる第１および第２のビデオを含む。好ましくは、交換組立体の保存装置におけるビデオは、物理的暖炉要素が交換組立体の人工暖炉要素と同様に配置された実際の火炎の記録されたビデオから抽出されている。これらの異なるビデオが第１および第２の光線で投影されるとき、人工暖炉によって発生させられる人工火炎パターンは変化し、使用者は、人工暖炉１全体を交換する必要なく、異なる暖炉の印象を持つことができる。
【0184】
図４ａは、実際の暖炉における実際の火炎の記録されたビデオの例を描写している。実際の火炎は木の火炎であり得るが、ここでの実施形態では、実際の火炎はガスの火炎である。本実施形態では、記録されたビデオは、実際のガスの火炎があたかも実際に木の火炎であるかのように、木の丸太を表している物理的な火炎要素における実際のガスの火炎から記録されている。
【0185】
ビデオが記録された後、第１のビデオ２２および第２のビデオ３２がそこから抽出される。この抽出は、少なくとも本実施形態では、使用者に単一のビデオの内容を複数のビデオにわたって広げさせることができる適切なソフトウェアを用いて実行される。
【0186】
単一の記録されたビデオが、実際の暖炉に存在するすべての炎を含む。抽出を用いることで、実際の火炎における異なる領域からの炎が、実際の暖炉における異なる領域に炎の画像を各々含む複数のビデオを形成するために、分離させることができる。
【0187】
図４ｂでは、第１のビデオ２２を含む発せられた第１の光線２１が表示されている。第１のビデオ２２は、記録されたビデオから抽出され、実際の火炎において第１の領域から生じる記録された炎２３を含む。この第１の領域は、視線に沿って見られるとき、実際の火炎および物理的暖炉要素の前部分に位置させられ、本実施形態では、視線に対して垂直に位置合わせされる領域となるように概して選択されている。したがって、第１のビデオ２２が人工暖炉１において表示されるとき、人工暖炉１内の炎２３が、人工暖炉要素５０の前部分に配置される仮想的な鉛直平面２１´から生じることになる。
【0188】
図４ｃでは、第２のビデオ３２を含む発せられた第２の光線３１が表示されている。第２のビデオ３２は、記録されたビデオからも抽出され、実際の火炎において第２の領域から生じる記録された炎３３を含む。実際の火炎における第２の領域は、第１の領域から離間されており、視線に沿って見られるとき、実際の火炎および物理的暖炉要素の後部分に配置されている。第２の平面も、本実施形態では、視線に対して垂直に位置合わせされる。
【0189】
人工暖炉１の使用中、第２のビデオ３２は第２の表示装置３０から投影され、第２の表示装置３０は人工暖炉要素５０の後に配置される。それによって、第２のビデオ３２における炎３３が人工暖炉要素５０の後からも生じることになる。
【0190】
第２のビデオ３２は、記録された炎３３を備えるだけでなく、記録されたビデオから抽出される物理的暖炉の背景における輝きの効果３４のビデオも含む。輝きの効果３４のビデオは、実際の火炎の炎によって照らされる実際の暖炉の背景の輝きの効果を含む。図４ｃでは、輝きの効果は点線によって指示されている。
【0191】
第１のビデオ２２および第２のビデオ３２は人工暖炉１の保存装置６３に保存され、制御装置６２は、第１のビデオ２２で第１の光線２１を発するために第１の表示装置２０を制御するように構成され、第２のビデオ３２で第２の光線３１を発するために第２の表示装置３０を制御するように構成されている。
【0192】
保存装置６３は、複数のさらなる第１のビデオおよびさらなる第２のビデオをさらに備える。さらなる第１のビデオおよび第２のビデオは第１のビデオ２２および第２のビデオ３２と同様に、記録されたビデオから抽出され、それぞれの記録されたビデオは、異なるガス火炎設定を有する実際のガスの火炎から記録されている。本実施形態では、ガス火炎設定は、実際のガスの火炎に向けてのガス供給の量についての設定である。高いガス火炎設定は、実際のガスの火炎の大きなガス供給および大きな強さに対応し、低いガス火炎設定は、実際のガスの火炎の小さなガス供給および小さな強さに対応する。
【0193】
さらなる第１および第２のビデオを得るために、最初に、ガス火炎設定が保存される。次に、保存されてそれぞれのガス火炎設定に結び付けられるそれぞれの第１のビデオおよび第２のビデオにおいて抽出されるそれぞれのビデオが記録される。
【0194】
人工暖炉１は入力装置を備える。本実施形態では、入力装置は、制御装置６２に連結されている回転可能なノブ６４であり得る。ノブ６４は、人工暖炉１の使用者に、人工暖炉１で表示される人工火炎パターンのためのパラメータを設定させることができる。代替の実施形態では、入力装置は、遠隔制御装置であってもよく、または、人工暖炉を制御するためにアプリケーションがインストールされているスマートフォンなどの携帯通信装置であってもよい。入力装置は、例えば、遠隔制御装置における１つ以上のボタンによって形成され得る、または、携帯通信装置におけるアプリケーションにおける仮想的なスライダーによって形成され得る。
【0195】
パラメータは、例えば、表示される人工火炎パターンの強さを表すことができる。制御装置６２は、設定パラメータと関連付けられる実際のガスの火炎についてのガス火炎設定のうちの１つを選択するように構成されている。続いて、制御装置６２は、選択されたガス火炎設定に対応するそれぞれの第１のビデオ２２および第２のビデオ３２を選択するように構成されており、そのそれぞれの第１のビデオ２２を含む第１の光線２１を発するように第１の表示装置２０を制御し、そのそれぞれの第２のビデオ３２を含む第２の光線３１を発するように第２の表示装置３０を制御するように構成されている。
【0196】
しかしながら、設定パラメータは、実際のガスの火炎の特定のガス火炎設定に対応しないが、２つの連続するガス火炎設定の間での設定に対応することもあり得る。この状況では、制御装置６２は、第１のビデオ２２同士の組み合わせで第１の光線２１を発するように第１の表示装置２０を制御するように、および、第２のビデオ３２同士の組み合わせで第２の光線３１を発するように第２の表示装置３０を制御するようにさらに構成され得る。それによって、第１のビデオ２２同士の組み合わせは、連続したガス火炎設定に対応する第１のビデオ２２の加重平均によって形成でき、それに応じて、第２のビデオ３２同士の組み合わせも、連続したガス火炎設定に対応する第２のビデオ３２の加重平均によって形成できる。
【0197】
保存装置６３は、ガス火炎設定の各々について、加熱装置６１のための設定値をさらに含む。加熱装置６１の加熱出力は、特定の加熱設定において、対応するガス火炎設定において実際のガスの火炎によって発生させられる熱の量に好ましくは対応する。それによって、加熱装置６１は、実際の暖炉１によって表示される人工火炎パターンに対応する現実的な熱の量を発生させるように構成されている。
【0198】
代替で、実際の暖炉における実際の火炎は、火炎に向かう特定の空気の流れなど、特定の条件に曝される可能性がある木の火炎であってもよい。それによって、木の火炎についての条件は、少なくとも実際の暖炉における火炎が木の火炎である場合での火炎設定を形成することができる。
【0199】
人工暖炉１は人工火炎パターン７０を表示するように構成されている。人工火炎パターン７０の概略的な描写は、図２ａにおける人工暖炉１において視認可能である。人工火炎パターン７０は、少なくとも本実施形態において、第１の光線２１および第２の光線３１によって提供される。それによって、第１の光線２１は、記録された炎２３を含む第１のビデオ２２を備え、第２の光線３１は、記録された炎３３を含む第２のビデオ３２を備える。
【0200】
第１のビデオ２２および第２のビデオ３２を提供するために、ビデオが実際の火炎の実際の火炎パターンから記録される。図５では、ビデオ２２、３２の提供および人工火炎パターン７０の表示の過程が概略的に示されている。
【0201】
最初に、複数の積み重ねられた物理的要素部品を備える物理的暖炉要素１０１が実際の暖炉１００に配置されるか、または、物理的暖炉要素がすでに配置されている実際の暖炉が提供される。好ましくは、物理的暖炉要素１０１の要素部品同士は、それらの相対的な位置を確実にするために、および、実際の暖炉１００の中での物理的暖炉要素１０１の位置を確実にするために、相互連結される。物理的暖炉要素は、実施形態では、木の丸太を備え得る。本実施形態では、物理的暖炉要素１０１は、実際の木の丸太に似ているが熱に耐えることができる耐炎性の模造の丸太１０１として提供されている。
【0202】
物理的暖炉要素１０１の要素部品には、可燃性ガスが案内されるのに通るガス通路が設けられている。これらの通路の端において、ガスは実際の暖炉１００へと漏れることができ、物理的暖炉要素１０１における実際のガスの火炎１０２を作り出すために点火される。実際のガスの火炎１０２の炎は、物理的暖炉要素１０１において実際の火炎パターン１０３を形成する。実際のガスの火炎１０２と、対応する実際の火炎パターン１０３と、は図５ｂに示されている。
【0203】
実際の火炎パターン１０３は、視線と平行で図５の平面に対して垂直な実際の暖炉１００における深さに対して変化する。実際の暖炉１００の前部に、第１の領域１００´が位置させられている。実際の暖炉１００の後部に向けて、第２の領域１００″が位置させられている。第２の領域１００″は、図５の平面に対して垂直に見られるとき、例えば実際の暖炉１００の後部に向けて、第１の領域１００´からある距離に設定される。
【0204】
第１の領域１００´および第２の領域１００″は、視線に沿って見られるとき、物理的暖炉１００へとある距離に沿って広がる実際の火炎１０２における領域として定義され得る。それによって、第１の領域１００´は、実際の火炎１０２において近位の深さ領域に提供され、実際の火炎１０２における第２の領域１００″は、実際の火炎１０２において遠位の深さ領域に対応する。
【0205】
第１のビデオ２２および第２のビデオ３２を提供するために、最初に、ビデオが実際の暖炉１００の実際の火炎パターン１０３から記録される。図５ｂでは、記録されたビデオを描写している画像が表示されている。
【0206】
記録されたビデオは第１のビデオ２２へと抽出され、第１のビデオ２２は、第１の領域１００´から生じ、それぞれの実際の火炎パターン１０３´を形成する炎を含む。図５ｃでは、抽出された第１のビデオ２２を描写している画像が表示されている。記録されたビデオは第２のビデオ３２へと抽出され、第２のビデオ３２は、第２の領域１００″から生じ、それぞれの実際の火炎パターン１０３″を形成する炎を含む。図５ｄでは、抽出された第２のビデオ３２を描写している画像が表示されている。
【0207】
記録された第１のビデオ２２および第２のビデオ３２は、人工暖炉１の保存装置６３に保存される。
【0208】
実際の暖炉１００では、ガス火炎設定は、ガス供給を変化させるために、および、実際のガスの火炎１０２の強さを増加または低下させるために、変更される。ガス火炎設定の各々について、ビデオが第１の領域１００´と第２の領域１００″との両方において実際の火炎パターンから記録され得る。対応する抽出された第１のビデオ２２および第２のビデオ３２は、人工暖炉１の保存装置６３において、それぞれのガス火炎設定と一緒に保存される。
【0209】
図５ｅでは、人工暖炉１の内部４に配置されている人工暖炉要素５０の要素部品が示されている。人工火炎パターン７０を表示するために、最初に、人工暖炉要素５０が、その位置が実際の暖炉１００における物理的暖炉要素１０１の位置に対応するように、内部４に位置決めされる。この適合は、人工暖炉要素５０の個々の要素部品の互いに対する配置を含み得るが、例えば積み重ねの構成全体で、人工暖炉要素５０自体の移動も含み得る。図５ｅの図面同士の間における両矢印は、物理的暖炉１００における物理的暖炉要素１０１の位置と、人工暖炉１の内部４における人工暖炉要素５０の位置との間の比較を示している。
【0210】
好ましくは、人工暖炉要素５０の要素部品は、実際の暖炉１００における物理的暖炉要素１０１の要素部品の積み重ねの構成に対応する積み重ねの構成で、互いに連結される。より好ましくは、人工暖炉要素５０は、人工暖炉１における人工暖炉要素５０の正確な位置を確保するために、人工暖炉１における位置合わせ部分と合致するように構成される位置合わせ部分を備える。
【0211】
そのため、第１の光線２１は、第１の光線２１での第１のビデオ２２の位置をずらすために、人工暖炉１において調整され得る。第１の光線２１は、人工暖炉１への視線（Ｓ）に沿って見られるとき、第１のビデオ２２が人工暖炉１の内部４に人工暖炉要素５０と位置合わせされるように調節される。第１の光線２１の調整のこのステップは、図５ｆにおいて概略的に表示されている。
【0212】
調整すると、第１のビデオ２２における炎は、実際の暖炉１００における物理的暖炉要素１０１から生じる代わりに、あたかも人工暖炉１における人工暖炉要素５０から実際に生じさせられているかのように、人工暖炉要素５０と位置合わせされることになる。
【0213】
本実施形態では、同じことが第２のビデオ３２を含む第２の光線３１についても行われ得る。第２の光線３１も、第２のビデオ３２における炎が、実際の暖炉１００における物理的暖炉要素１０１から生じる代わりに、人工暖炉１における人工暖炉要素５０から実際に生じることになるように、第２のビデオ３２における炎を人工暖炉要素５０と位置合わせするために調整される。第２の光線３１の調整のこのステップは、図５ｇにおいて概略的に表示されている。
【0214】
第１の光線２１および第２の光線３１の調整は、第１の光線２１および第２の光線３１が発せられる位置をずらすように第１の表示装置２０および第２の表示装置３０を調整することで行うことができる。好ましくは、第１の表示装置２０および第２の表示装置３０における発する位置のこのずらしは、人工暖炉１の制御装置６２を用いて制御される。代替または追加で、第１の表示装置２０および第２の表示装置３０は、第１の光線２１および第２の光線３１をずらすために、人工暖炉要素５０に対して全体でずらされ得る。
【0215】
人工暖炉１における第１の光線２１および第２の光線３１の調整によって、表示される第１のビデオ２２および第２のビデオ３２は、視線（Ｓ）に沿う第１のビデオ２２、第２のビデオ３２、および人工暖炉要素５０が、図５ｈに表示されているように、実際の暖炉１００における実際の火炎パターン１０３に似た人工火炎パターン７０を一緒に形成するように、人工暖炉要素５０と位置合わせされる。
【0216】
方法の追加の実施形態では、第２のビデオ３２´は、実際の暖炉１００における背景における輝きの効果１０４をさらに含む。これは図５ｉにおいて概略的に表示されており、第２のビデオが、実際の暖炉１００における第２の領域１００″において実際の火炎パターン１０３″と、実際の暖炉１００の背景における輝きの効果１０４とを描写していることが示されている。
【0217】
ここで、第２のビデオ３２´での第２の光線３１の調整は、図５ｊにおいて概略的に表示されているように、人工暖炉１において人工暖炉要素５０に対する輝きの効果３４の位置の調節も含む。したがって、輝きの効果３４は、第２の光線３１が第２のビデオ３２´における炎３３の位置を調節するように調整されるとき、それに応じて輝きの効果３４の位置が自動的に調節されるように、第２のビデオ３２´の一部を形成している。図５ｋでは、輝きの効果３４は、人工暖炉１においても位置合わせされるように示されており、人工火炎パターン７０´の一部を形成している。
【0218】
さらなる追加の実施形態では、図５ｌに示されているように、第１のビデオ２２´は追加の動画３５をさらに含む。追加の動画３５は、本実施形態では漫画の図である。しかしながら、追加の動画は、宣伝などを含んでもよい、または、例えば、表示された人工火炎パターンを人工暖炉１の周囲に適合させるための追加の画像もしくはビデオを含んでもよい。そのために、追加の画像またはビデオは、例えば、人工暖炉１の外側の色パターンに対応する色付けを含んでもよい。
【符号の説明】
【0219】
１ 人工暖炉
２ 筐体
３ 開口
３´ 下部分
４ 内部
１０ 半透明鏡
１１ 横棒
１２ 第１の側
１３ 第２の側
２０ 第１の表示装置、平坦な画面の監視装置
２１ 第１の光線
２１´ 仮想的な鉛直平面、第１の鉛直平面
２２、２２´ 炎の第１のビデオ
２３ 記録された炎
３０ 第２の表示装置、平坦な画面の監視装置
３１ 第２の光線
３２、３２´ 炎の第２のビデオ
３３ 記録された炎
３４ 輝きの効果
３５ 追加の動画
４０ 網
４１ 第１の側
４２ 第２の側
５０ 人工暖炉要素
５１ 前面
５２ ＬＥＤの帯
５３ 遮蔽体
５４ 第２の光源、ランプ
６０ 音響装置
６１ 加熱装置
６２ 制御装置
６３ デジタル保存装置
６４ ノブ
７０、７０´ 人工火炎パターン
１００ 実際の暖炉、物理的暖炉
１００´ 第１の領域
１００″ 第２の領域
１０１ 物理的暖炉要素、耐炎性の模造の丸太
１０２ 実際のガスの火炎
１０３、１０３´、１０３″ 実際の火炎パターン
１０４ 輝きの効果
Ｓ 視線
Ｈ 水平方向
Ｖ 鉛直方向
Δ 間隔
２ 筐体
３ 開口
３´ 下部分
４ 内部
１０ 半透明鏡
１１ 横棒
１２ 第１の側
１３ 第２の側
２０ 第１の表示装置、平坦な画面の監視装置
２１ 第１の光線
２１´ 仮想的な鉛直平面、第１の鉛直平面
２２、２２´ 炎の第１のビデオ
２３ 記録された炎
３０ 第２の表示装置、平坦な画面の監視装置
３１ 第２の光線
３２、３２´ 炎の第２のビデオ
３３ 記録された炎
３４ 輝きの効果
３５ 追加の動画
４０ 網
４１ 第１の側
４２ 第２の側
５０ 人工暖炉要素
５１ 前面
５２ ＬＥＤの帯
５３ 遮蔽体
５４ 第２の光源、ランプ
６０ 音響装置
６１ 加熱装置
６２ 制御装置
６３ デジタル保存装置
６４ ノブ
７０、７０´ 人工火炎パターン
１００ 実際の暖炉、物理的暖炉
１００´ 第１の領域
１００″ 第２の領域
１０１ 物理的暖炉要素、耐炎性の模造の丸太
１０２ 実際のガスの火炎
１０３、１０３´、１０３″ 実際の火炎パターン
１０４ 輝きの効果
Ｓ 視線
Ｈ 水平方向
Ｖ 鉛直方向
Δ 間隔
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b-5d】
【図5e】
【図5f】
【図5g】
【図5h】
【図5i】
【図5j】
【図5k】
【図5l】
【国際調査報告】